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タイトル:公表特許公報(A)_N−アセチル−5−メトキシトリプタミン又はその類縁体の、胚の着床の作用機序を活性化させるための使用、及び関連する組成物及び培養培地
出願番号:2015514451
年次:2015
IPC分類:C07D 209/16,A61K 31/4045,A61P 15/08,A61P 15/06,C12N 5/10,A61B 17/43,A61D 19/02


特許情報キャッシュ

ニコレッタ マキシア JP 2015525210 公表特許公報(A) 20150903 2015514451 20130527 N−アセチル−5−メトキシトリプタミン又はその類縁体の、胚の着床の作用機序を活性化させるための使用、及び関連する組成物及び培養培地 アレス トレーディング ソシエテ アノニム 504104899 青木 篤 100099759 石田 敬 100077517 福本 積 100087871 古賀 哲次 100087413 渡辺 陽一 100117019 武居 良太郎 100150810 岡部 佐知子 100192201 ニコレッタ マキシア IT MI2012A000913 20120528 C07D 209/16 20060101AFI20150807BHJP A61K 31/4045 20060101ALI20150807BHJP A61P 15/08 20060101ALI20150807BHJP A61P 15/06 20060101ALI20150807BHJP C12N 5/10 20060101ALI20150807BHJP A61B 17/43 20060101ALI20150807BHJP A61D 19/02 20060101ALI20150807BHJP JPC07D209/16A61K31/4045A61P15/08A61P15/06C12N5/00 102A61M37/00 580A61D19/02 Z AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC EP2013060872 20130527 WO2013178587 20131205 25 20141128 4B065 4C086 4C167 4C204 4B065AA90X 4B065BB01 4B065BB04 4B065CA44 4C086AA01 4C086AA02 4C086AA03 4C086BC13 4C086MA01 4C086MA04 4C086MA56 4C086MA66 4C086NA10 4C086NA14 4C086ZA81 4C086ZC61 4C167AA02 4C167CC25 4C167DD06 4C167GG16 4C167HH10 4C204BB01 4C204CB03 4C204DB13 4C204EB02 4C204FB01 4C204GB14 本発明は、N−アセチル−5−メトキシトリプタミン(メラトニン)及び/又はその類縁体の使用であって、医療又は獣医分野での生殖補助における胚の着床メカニズムを促進させるための、特に子宮内への着床不全の予防のための、斯かる治療を必要とする雌の哺乳類被験体に対する治療有効量の局所投与による使用、並びに、関連する組成物、培養培地及び医療機器に関する。 ヒトの胚の子宮内への着床は複雑なメカニズムであり、胚及び子宮膜内膜腺上皮の両方が関与している。対位(apposition)、接着(adhesion)及び浸潤(invasion)の段階は多数の分子が関与し、それらの分子は、妊娠及び子宮内膜との間のやりとりが細胞間、及び細胞と生化学的要因との間の相互作用に関与する過程で固有の役割を果たす。 これらのメカニズムは、適切に発現又は阻害されれば、子宮内膜が胚に対して受容性又は非受容性の状態であるかを決定するのに役立つ。 子宮内膜の受容性又は非受容性の状態は、概念を広く共有しているものの、臨床的に定義づけるのは困難である:子宮内膜の組織学的な正常性は、必ずしも機能的に正常であることを意味しない;一方、特定の子宮内膜構造が発現する時空間は、ピノポード(pinopodes)という名づけられ、受容性の状態そのものを強く示唆している。 着床は妊娠の成立に不可欠なシグナルの複雑な連続である;多数の卵巣のシグナル影響下にある分子メディエーターが、胚-子宮内膜の相互作用に従事していると考えられている。当該メディエーターはホルモン、サイトカイン、成長因子、脂質、接着細胞その他のような広範囲の分子を含む(1)。医学的不妊治療(medically assisted reproduction (MAR))における着床不全は、未解決の問題であり、健康な女性における不妊症の主要な理由の1つと考えられている。そして、MAR法での着床のパーセンテージが約25%であることをであることを考慮すれば、全ての失敗例の3分の2が不十分な子宮の受容性に原因がある(3分の1は胚に原因がある)とみなされている(2)。子宮内膜が胚盤胞の浸潤を受容するのは限られた範囲の期間内であり、これは「着床窓(window of implantation)」と定義される。「排卵−胚成長第1期−着床のための子宮内膜上皮の細胞修飾」が合致するための「やりとり」は、一連のホルモン及び生化学的メッセンジャーによって支持されている。「着床窓」の期間中、ホルモン及び生化学的制御を通じて、子宮内膜の上皮組織が発現し、幾つかの構造は「ピノポード(pinopodes)」と名付けられ、胚盤胞の接着及び浸潤を許容することを可能とする。着床窓は、電子顕微鏡による研究観察(3)により、ピノポードが最大の発現度であることにより特徴づけられる。ピノポードの形成は、子宮内膜の受容性の特定のマーカーであると考えられ、それらは排卵から約1週間後に発現するが、それらの完全な発現は患者によって変化し、1日のみしか維持されないとみられている(4)。ピノポードの発現は血漿プロゲステロン値を増加させるのに直接的に比例する。ピノポードの発現と関連し、科学界では一致して認められている、子宮内膜の受容性又は「着床窓」の概念は、数十年の間、生殖補助と関連する問題に直面する人のための研究課題となっている。要約すると:プロゲステロン、前妊娠ホルモン(pro-gestation hormone)は、主要なメディエーターであり、その周囲には着床の発現を促進する可能性のある多数の他のメディエーターが存在する。前述のことから、生殖補助の技術により妊娠を得ることの困難性は、いかに着床の現象の知識不足に主に起因するということが明らかにされている。生殖補助の分野での数多くの立法制限の観点からも、着床の段階を最適化することの必要性が実際に明確となっている。本発明者らは、今回、ピノポードの発現におけるプロゲステロンの発現とともに鍵となる役割を有する可能性のあるメディエーターが、N-アセチル-5−メトキシトリプタミン(メラトニン)であり、胚の着床のために多大な効果を伴うことを見出した。メラトニンは、松果体、光により制御される神経内分泌腺により製造され;闇によってその合成及び分泌が刺激される。メラトニンの使用は副作用や過剰摂取の問題がなく、また禁忌がないことも文献で報告されている(6)。メラトニンの利点の多くは既に知られており、積極的に着床を妨げる場合のような異なるプロセスにおいても関係している。この点について、子宮内膜の癌のリスクと、確認された保護作用を伴うメラトニンの血清レベルとは、反比例の相関がさらに存在する。メラトニンは、子宮内膜のガンの原因となる、イシカワ(Ishikawa)細胞として定義された変異型の子宮内膜細胞の増殖を阻害することが、数名の著者により証明されている(7)。放射性リガンド及びルジンドール(luzindole)のようなメラトニンのアンタゴニストを用いた実験を通じて、研究者のグループの結果は、増殖性のイシカワ細胞の膜に存在するMT2受容体を介して、メラトニンによる阻害効果が起こることを証明した。考慮すべき他の決定的な態様は閉経後の期間であり、この間メラトニンがその産生を減少させ、実際、そのような期間に子宮内膜ガンのリスクが高まる。例えば、インビトロ及びインビボ(6、8)の研究は、メラトニンの強い抗酸化作用を示し、該作用は水酸基の毒性ラジカルによる、及び退行性の(degenerative)及び増殖性の(proliferative)代謝物及び脂質酸化由来の他の異化細胞産物による、酸化的ダメージからの保護において、マンニトール、グルタチオン及びビタミンEよりも強い抗酸化作用を有する。メラトニン(9−10)は、さらに重要な抗エストロゲン作用を有し、エストロゲン類の作用とは正反対の性質(高濃度のエストロゲン類は生殖補助法において最悪の結果と関連している)である、プロゲステロン産生を刺激する(11)。これに関して、MARサイクルにおいて誘導されたゴナドトロピンによる過剰排卵、子宮内膜過形成の増加を伴う過剰のエストロゲン化、上述の子宮内膜癌に対する重要な危険因子を決定することが注目されている。何名かの著者ら(12)はヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)及びメラトニンの間に相乗効果が存在すること:実際には、特に(インビボ及びインビトロの両方における)プロゲステロン産生の増加により、hCGの排卵ピークの6-7日後、メラトニンが増加するのを確認した。この点につき、メラトニンの排卵後のピークは、子宮内膜の着床窓、及び胚盤胞の形成(子宮への着床においての胚の生長工程)とどのように完全に一致するかが明らかにされた。メラトニンとエストラジオールとの間の正の相関と負の相関はhCGにより増強される:実際には、後者が存在しない場合、メラトニンの有するプロゲステロン産生効果は弱い。 本発明は、子宮内の着床不全の予防のための、生殖促進における使用であって、そのような治療を必要とする雌の哺乳動物被験体における治療有効量の局所投与による、医療又は獣医学分野での使用のための、N−アセチル−5−メトキシトリプタミン又はその類縁体を目的とする。好ましくは、前記類縁体は、アゴメラチン、6−ヒドロキシメラトニン、セロトニン、5−ヒドロキシトリプトファン又はそれらの誘導体から選択される。本発明の好適な実施態様において、前記雌の哺乳類被験体が不妊症又は多回流産(polyabortion)を患う女性である。本発明のさらに好適な実施態様において、N−アセチル−5−メトキシトリプタミン又はその類縁体、好ましくはN−アセチル−5−メトキシトリプタミンの局所投与は、子宮内膜潅注又は子宮洗浄又は子宮内膜洗浄を介する。本発明のなお好適な実施態様について、前記局所投与は卵母細胞の回収(oocyte retrieval)時に単回投与で行われる。好ましくは、前記活性成分は、4×10-9g/ml〜25×10-9g/ml、さらに好ましくは10×10-9g/ml又はそれ以上の範囲で存在する。代わりの実施態様において、卵母細胞の回収(oocyte retrieval)の日から、N−アセチル−5−メトキシトリプタミン、HCG又はプロゲステロン、又はそれらの組合せに基づく全身投与とともに同時使用することが可能である。本発明の代わりの実施態様において、前記生殖補助医療は、簡単かつ基本又はレベルIの、計画的交尾、子宮内授精(IUI)のように侵襲的でないもの、及び、体外受精(IVF)、体外受精及び胚移植(FIVET)、卵細胞質内精子注入(ICSI)、卵細胞質内形態選別精子注入(IMSI)及び精巣内精子吸引−抽出術(Tesa-Tese, Testicular Sperm Aspiration-Extraction)から成る群から選択される、より複雑で侵襲的なレベルII又はIIIのものから成る群から選択される。人工受精は、主として子宮内授精(IUI)を意味し、医学的な生殖補助法であって、ここで、精液は子宮腔内へ導入される。頸管粘液と精液との間の不和合性の全ての場合、及び子宮頸管長を超えて、子宮内に精液が直接注入される場合であってもよい。さらに、原因不明の不妊の場合、雄の不妊の程度が中程度の場合、排卵刺激や計画的性交による妊娠の誘発において不妊を繰返す場合、及び性交の完了とならない性的異常の場合にも使用される。体外受精及び胚移植(FIVET)は、MARの技術であり、ここで、ヒトの配偶子を抜き取り培地中に置かれ、受精及び1又はそれ以上の胚の生成の後、子宮内へ移植する。当該技術は以下のような場合に提示される:-後天性又は先天性の卵管の病変;-雄の中程度の不妊;-レベルIII又はIVの子宮内膜症;-原因不明の不妊症;-精液の質に関連して冷凍保存された精液、続く解凍;-レベルIの技術の治療手順の失敗;卵巣の刺激後、卵母細胞の回復(回収(PICK-UP))が、経膣手術により、超音波画像によるコントロール下、局所麻酔及び/又は深い鎮静作用のもとで行われ、精子の調製が達成され、また受精させるための卵母細胞が選択される。次いで生体外の培地の配偶子を調製し、受精が起こったことを確認後、一定数の胚について子宮内への移植が行われる。卵細胞質内精子注入(ICSI)は、体外受精及び胚移植の種々の工程を用いる。しかし、体外受精の場合においてもまた、卵母細胞の細胞質内への精子の単回注入によって行われる。次いで、受精が起こったことを確認後、胚が子宮内へ移植される。当該技術は以下のような場合に提案される:-雄の重度の不妊;-閉塞性及び内在性の無精子症(精巣精子又は精巣上体);-以前に体外受精(IVF)周期において受精の失敗又は減少;-卵母細胞の解凍;-卵母細胞数の減少;-精液の質に関連して冷凍保存された精液、続く解凍;当該技術はまた、自然の周期又は多発性卵胞発育の誘導を通じて行うことができ、より多くの卵胞を産生するための卵巣刺激の後、より多くの卵母細胞、卵母細胞の回収(PICK-UP)が経膣手術により行われる。回収(PICK-UP)と同時に、精子の調製が行われる。無精子症の場合、精子の回収に用いられる技術には、以下のようなものが挙げられる:精巣内精子吸引(TESA)、精巣内精子抽出(TESE)、精子吸引(MESA)、精巣上体精子吸引(MESA)、経皮的精巣上体精子吸引(PESA)。次いで、卵母細胞の調製、及び細胞質内への精子のミクロ注入法による単回注入により、卵母細胞の受精が行われる。各卵母細胞において受精が起こったことを確認後、胚が子宮内へ移植される。本発明のさらなる目的は、医療又は獣医分野での生殖補助における子宮内への着床不全の予防のための局所投与に適した組成物であって、斯かる治療を必要とする雌の哺乳動物被験体に対する治療有効量のN-アセチル-5-メトキシトリプタミン、若しくはその誘導体、又は活性成分としてのそれらの組合せ、好ましくはN−アセチル−5−メトキシトリプタミンを、1又はそれ以上の生理学的に許容される賦形剤又はアジュバントとともに含む、組成物である。好ましくは、当該活性成分が、組成物中で、最終的な濃度の範囲が4 x 10-9 g/ml〜25 x 10-9 g/ml、好ましくは10 x 10-9 g/ml又はそれ以上の範囲となるように存在する。好適な実施態様によれば、上記組成物における活性成分は、子宮内膜/子宮内の潅注/洗浄として処方され、細胞培養培地中での最終濃度が4×10-9g/ml〜25×10-9g/ml、好ましくは10×10-9g/ml又はそれ以上の範囲で存在する。前記胚盤細胞のための培養培地は、好ましくは、以下の成分を含んでいてもよく:- D-グルコース源;- 抗生物質、好ましくはゲンタマイシン;- ヒト血清アルブミン、- 必須及び非必須アミノ酸、好ましくはL-タウリン、- 緩衝塩、好ましくは、以下の間より選択:- カルシウム塩:乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム;- ナトリウム塩:塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよびピルビン酸ナトリウム;- カリウム塩:塩化カリウム、リン酸カリウム;- マグネシウム塩:塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム;- 水;且つ、pHは7.5〜7.8の範囲を有する。好適な実施態様によれば、前記培養培地はシドニーIVF(登録商標)胚胞盤培地(Sydney IVF(登録商標)Blastocyst medium)であってもよい。本発明の代わりの実施態様によれば、上記組成物の前記活性成分が、子宮内膜潅注又は子宮洗浄又は子宮内膜洗浄として処方され、細胞培養培地中での最終濃度が4×10-9g/ml〜25×10-9g/ml、好ましくは10×10-9g/ml又はそれ以上の範囲で存在する。雌の被験体において、子宮腔の洗浄操作は通常、非侵襲性の出産前診断を行うことを主な目的とし、侵襲性の羊膜及び絨毛(chrionic villus)をサンプリングするという従来の方法に対して革新的である[(13)(14)]。近年、そのような方法は、生殖補助の周期において、胚の移植前の子宮腔の状態を確認するのに適用される。当該操作は、子宮分泌物の収集を目的として緩衝液を子宮内に注入し、有機的及び無機的な生体成分を評価する場合に適用される。着床の成功を予想できる可能性のあるマーカーを同定することを目的とする[(15)(16)(17)(18)]。さらに好適には、該組成物は、子宮洗浄を通じた局所投与に好適であり、さらに必須又は非必須のアミノ酸及び緩衝塩を含む。好適には、該緩衝塩は、カルシウム、ナトリウム、カリウム及びマグネシウム塩、並びにそれらの混合物である。緩衝塩及びアミノ酸の使用は、pH7〜8(好ましくはpH7.5〜7.8)の処方を調製するために提供され、胚にとって好適な微環境(及び、子宮へ移植される前の胚の成長が行われる培地と同様に)を複製することを目的とする。代わりの実施態様として、本発明の組成物は子宮への投与に、より詳細には、子宮腔へのインサイチュ(in situ)投与に適した処方であってもよく、好適には、子宮内の「T字型」装置である医療器具を伴う。粘膜投与への徐放ゼリー処方も想定することができる。上記の子宮洗浄技術は非浸潤の方法であることが開示され、及び、分泌物の物理的な除去を通じて子宮の生理学的状態の修復を許容し、着床条件は変化させてもよいことを考慮して、本発明はさらに、上記に定義された組成物により予め充填された、又は充填されるための無菌容器を含む、子宮洗浄のための医療機器を目的とする。より詳細には、本発明の装置は、本発明によりすでに調製された、メラトニン又はその誘導体を活性成分として含む、子宮又は子宮内膜洗浄に好適な無菌溶液を、使用時に充填されることができ、又は、そのような、使用と同時に有効成分とともに調製された無菌溶液を充填されることができる。好適な実施態様によれば、無菌容器は使い捨てのものである。さらに好ましくは、無菌容器(好ましくは、使い捨ての無菌容器)は、メラトニン(4 x 10-9 g/ml〜25 x 10-9 g/ml、好ましくは10 x 10-9 g/ml又はそれ以上の範囲の濃度を有する)、緩衝塩及びアミノ酸により、pH7〜8、好ましくはpH7.5〜7.8の製剤を製造するように調製された生理溶液により予め充填される。子宮洗浄は超音波のガイドによるピックアップの後のカテーテル器具により行われる。次の胚移植又は着床は洗浄から平均3日(2−5日)後に行われる。よって、本発明の好適な実施例によれば、本発明の医療用機器はさらに無菌の可動性カテーテル、好ましくは1つの端子孔を有するものを含む。無菌の医療機器の構成要素は、好適には、熱処理又はガンマ線処理などを通じて、無菌化物で満たすか、又は最終的な無菌化によって行われる。加えて、当該医療機器は様々なMAR法において用いられるための指示書を付帯することができる。該医療機器の目的は、MAR法によって行われる刺激の応答において可能性のある酸化物質及び分泌物を除去すること、それにより子宮内膜からの滲出液である生理学的組成物を回復させることにある。そのような酸化物質及び分泌物による、MARの被験者における着床率のパーセンテージの減少を避けることを目的とする。上記の予測どおり、緩衝塩及びアミノ酸の使用は、pH7〜8、好ましくはpH7.5〜7.8の間に設定し、胚にとって好適な微小環境の複製を提供する。本発明において示されるメラトニンの追加によるさらなる効果は、毒性ラジカル及び他の異化作用の(catabolic)生成物による酸化的ダメージに対し、非常に強力な抗酸化効果及び子宮内膜細胞に対する安全な作用を及ぼす。好ましくは、上記の使い捨ての無菌容器は自己注射器/ペンのためのシリンジ、ディスペンサー又はカートリッジである。特に好適な実施形態では、本発明のシリンジはポリカーボネート又はホウケイ酸ガラス製のルアーロック(luer-lock)型3mlのものである。ルアーロック型のシリンジを用いた場合、本発明の医療機器と関連する可能性のある子宮内カテーテルは、シリンジと結合するためのルアーロックの雌型結合部分(female joint)が設けられている。これに代えて、自己注射システム又はペン(インスリン型)が用いられる場合、ホウケイ酸ガラス製の3mlのガラスのカートリッジを使用することができる。さらに好ましくは、前記の使い捨ての無菌容器は、体積1.5mlの、以下の組成を有する洗浄溶液:- 10×10-9μg/ ml(10 ng/ml)のメラトニン- 必須及び非必須アミノ酸- カルシウム塩- カリウム塩- マグネシウム塩pH7.5〜7.8、及び280-290mOsm/kgのオスモル濃度を有するにより予め充填される。本発明は、インビトロ又はインビボの細胞培養培地であって、以下:- D-グルコース源;- 抗生物質、好ましくはゲンタマイシン;- ヒト血清アルブミン、- 必須及び非必須アミノ酸、好ましくはL-タウリン、- 緩衝塩、好ましくは、以下の間より選択:- カルシウム塩:乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム;- ナトリウム塩:塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよびピルビン酸ナトリウム;- カリウム塩:塩化カリウム、リン酸カリウム;- マグネシウム塩:塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム;及び、それらの混合物、- 水;を含み、さらに、N−アセチル−5−メトキシトリプタミン又はその類縁体、又はそれらの組合せを含むことを特徴とし、ここで、前記活性成分は4 x 10-9 g/ml〜25 x 10-9 g/ml、好ましくは10 x 10-9 g/ml又はそれ以上の範囲の範囲で存在する。さらに、本発明の細胞培養培地は、ピノポードの拡大及びインビトロモデルへの発展を目的とする。このような細胞培養培地は、胚培養培地へもまた、例えば、胚の子宮内への移植に用いられる培養培地により、該培地を実際に子宮内へ挿入することに発展させることにより、用いられることができる。本発明の使用に特に有利な観点は、提示される局所投与経路と関連し、MAR処置サイクルを含まず、そのような経路は子宮内膜の生検に比べてはるかに非浸潤性であり、すでにMARを受ける女性に対して適用される(13)。最終的に、プロスタグランジン類の側による合成阻害の性質の結果(14)、これはメラトニン特有の性質であり、当該洗浄は子宮収縮を減少させ、さらに着床を促進する。ここに記載されるのは本発明の一例にすぎないが、これに限定されるものではなく、2つの好適な実施例により、以下の特定の付属の図の参照を伴う:本発明の組成物による処置前の子宮内膜を示し、ピノポードは存在しない;本発明の組成物のよる処置後1〜2日(1/2 days)後の子宮内膜を示す:ピノポードの形成が出現し始めている;本発明の組成物のよる処置後3〜4日(3/4 days)後の子宮内膜を示す:ピノポードの成長は最大となる;本発明の組成物のよる処置後5〜6日(5/6 days)後の子宮内膜を示す:ピノポードの開裂が始まり、不規則な凹凸が見られる(細胞アポトーシス);濃度(170 nM 、40 x 10-9 g/mlに相当)のメラトニン、アゴメラトニン及び6-ヒドロキシメラトニン、H2O2 濃度 20 μM 及び 200 μMで行われた、抗酸化作用のFACS 解析 (fluorescence intensity measurement)結果を示す。異なる濃度(80 nM, 170 nM, 340 nM; それぞれ18 x 10-9 g/ml, 40 x 10-9 g/ml, 80 x 10-9 g/mlに相当)のメラトニン、アゴメラトニン及び6-ヒドロキシメラトニンにおにおいて行われた、アポトーシスのアッセイ結果(% 細胞死)を示す。実施例として、本発明はこれらに限定されるものではないが、以下に本発明の著者により、MAR法において、異なる溶液のメラトニンの使用によるヒト胚着床のパーセンテージ増加を評価するために行われた比較実験(インビトロ及びインビボ)を報告する。実施例1:インビボ試験材料及び方法子宮内膜洗浄に用いるためのメラトニン溶液メラトニン(又はN−アセチル−5−メトキシトリプタミン;CAS番号73-31-4)ファーマラボ(Farmalabor)より入手した、粉末状製品、≧99%表示付を使用した。2つの臨床試験について、以下の子宮内膜洗浄を通じて、メラトニン投与(濃度10 x 10-9 g/ml)が行われた: 1)培養培地Sydney IVF(登録商標)Blastocyst medium、クックアイルランド社製(Cook Ireland Ltd(カタログ番号G20722及びG20929))(臨床試験1) 上記培養培地を、インビトロでの胚盤胞における卵割(cleavage)、分化及び拡張を進行させるために通常の方法で使用する。培地はD-グルコース、20の全ての必須L-アミノ酸、L-タウリン、ゲンタマイシン、ヒト血清アルブミン、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム;食塩、炭酸水素ナトリウム及びピルビン酸ナトリウム;塩化カリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム;塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム;精製水を含む。培地は以下の特徴を有する:-pH: 7,5 - 7,8 (炭酸水素塩緩衝液を使用)-オスモル濃度: 280-290 mOsm/kg-エンドトキシン濃度: < 0.4 EU/ml-MEA: ≧80%2)生理溶液(臨床試験2)統計解析:統計解析は多変数線形解析(IMPRUN.TXT)を用いて行った。統計手法:妊娠可能性の増加における、移植した胚、それらの質、及びそれらのメラトニン含有溶液での洗浄工程数の貢献について、無条件の線形解析手段により、母体齢による補正により計算した。各々の操作(胚の数、それらの数、及び生理食塩水又はメラトニンを含むBlastocyst培地による洗浄工程の適用)に関連する妊娠可能性と、より低いカテゴリの胚の数(1)、最適な着床胚よりも劣化した質、又は洗浄工程を欠く場合、とそれぞれ比較した妊娠可能性とを、オッズ比(OR)として定義し、無条件ロジスティック回帰を用いて、母体齢による補正によりコンピュータ計算を行った。ロジスティック回帰において、ORは回帰モデルにおける各共変量と関連する回帰係数βを自然基礎とするアルゴリズムに対応する。実際の計算値は各操作で得られた平均値のため、他の条件とは無関係である。ORの95%(IF95%)での両側信頼区間(two-tailed confidence intervals)は、Wald検定の式(eβ± (zα/2 * seβ))により計算された。不妊対照(Sterility Controls)(培養培地)メラトニン添加の培養培地の、不妊対照の計算を行うため、BACT/ALERT 3D-60 デバイス(BIOMERIEUX)を使用した。本発明の実験で用いたBlastocyst培地として用いられる、通常の無菌の血液及び他の液体における、任意の嫌気性及び好気性菌(細菌)を回収し、検出するための質的な操作において、Bact/ALERT培養物の瓶をマイクロバイアル検出システムに適用した。マイクロバイアル検出Bact/ALERT システムは、本発明で胚盤胞培地として用いられる通常の無菌血液又は他の液体サンプルにおいて微生物が存在するかどうかを決定するために用いられる。Bact/ALERT システム及び培養物瓶は、マイクロバイアル検出システム、及び血液感染及び他の無菌液体において通常存在する微生物にとって適した環境的及び栄養的条件を有する培養培地を提供する。接種された瓶(最小5 ml から最大10 ml の検体サンプル)は装置内でインキュベートされ、ここで検体は、Bact/ALERT瓶中の、可能性のある微生物の繁殖を検出するため、連続してモニターされる。Bact/ALERT 微生物システムは、培養培地中に溶解される二酸化炭素(CO2)の存在及び産生をモニターするために、比色センサー及び反射光を使用する。微生物は、基質を代謝することにより二酸化炭素を産生するサンプル中に存在する可能性がある。微生物の生長により決定される二酸化炭素の産生は、ガス透過性の緑-青色センサーが各培養瓶の底に存在し黄色光を取得するよう誘導する。より明るい色は、システムの反射をモニターする部分の増加を示す。瓶の反射は10分毎に装置によりモニターされ記録される。培養瓶は6日間のインキュベーション後のマイクロバイアルの検出により、Bact/ALERTシステムの管理ソフトによって、陽性または陰性として確定される。Bact/ALERT装置が、培養瓶が陽性又は陰性であることを知らせる時点まで、介入(分析)は必要とされない。任意の子宮内膜培養の洗浄試験を行う前に、2-4-6日以内に無菌性の試験を行い、陰性の培養物が発見された場合はそれを子宮内へ用いた。算入基準本研究に含まれる患者の人数を選出するために、厳密な算入基準が用いられた。3) 年齢 20歳以上44歳未満4) BMI値 20kg/m2 以上28kg/m2以下5) 基礎FSH ≦19 UI/l6) 男性又は女性側の因子患者患者は全て2つの臨床試験に含まれ、インフォームドコンセントを収集後、生殖補助の被験者とした。最初の2群の無差別多施設臨床試験(対照及び試験群)は1群に430の患者を含んだ。補助受精を行っている患者を、卵母細胞の回収日で無作為抽出し3つの群に分けた。A群:430患者に対し、生理溶液1.5 ml(対照)により子宮内膜の洗浄を行う。B群:436患者に対し、メラトニンが最終濃度(10x10-9 g/ml)になるよう補完された培養培地の溶液1.5 mlにより子宮内膜灌注を行う。C群:患者群に対し、子宮内膜灌注を行わない。研究はMARに特定された複数の私立施設、例えばBRAセンター(the Center of BRA)、トリノ及びカリアリのプロメアセンター(Promea Center of Torino and Cagliari)及びバリ公立総合病院等において行われた。これらの施設に対し、以下の治療プロトコールを実行するための無菌テスト(sterility tests)を受けた後、メラトニンが補完された培養培地が送られた。卵母細胞の回収時、公知の濃度(最終濃度10x10-9 g/ml)でのメラトニンによる子宮洗浄による補助受精のためのインビボ試験の登録後、対象患者は、超音波ガイドにより子宮底部の液体層の径の可視化がされた。第2の臨床試験は、対照群64患者及び投与群92患者を含む単一の予定された機関による。上記研究において、卵母細胞の回収に続いて、メラトニンは患者の子宮腔内部の子宮内膜洗浄を通じて無菌の(sterile)の生理溶液中で投与された。子宮内膜洗浄簡潔には、処置は子宮腔内部に共培養中の細胞を伴わない子宮内膜灌注を含み、メラトニンを最終濃度10x10-9 g/ml (先行実験は3分の1及び半分の最終濃度で、次いで同様の結果を示すことなく維持された-データ示さず)で混合させた生理溶液又は細胞培地を用いた。卵母細胞の回収後(MARプロトコールにおけるhCG投与後の排卵に相当する時間)、膣鬱血のコントロール後、無菌シリンジ2.5mlから先端を開放した単管の子宮内カテーテルを連結し、培養培地(Blastocyst medium)又は生理溶液を吸引させ、メラトニンを体積1.5mlまで追加する修正を行った。生理溶液の場合、カテーテルはメラトニンを補完した生理溶液で予め充填させておくことができる。カテーテルは、実験者が従来の胚移植(embryo-transfer, ET)で行うのと同様の工程によって、子宮開口部の内部に導入された。次いで、メラトニンを添加した生理食塩溶液又は修正された培地を注入し、潅注の最後に膣内の液体層の厚さを、経腹的超音波検査により測定した(洗浄と超音波検査は同時に行われなければならず、液体層は約10mmに到達し、急速に消失する)。結果臨床試験1複数施設によるインビボ試験は、863人の患者を不妊治療の被験者とし、メラトニン子宮内洗浄(超音波検査による液体層の測定)を行い、3〜4日後、胚移植を行った。その後、CI(confidence interval or trust interval)が、95%以上の変数での直線回帰による統計解析(IMPRUN. TXT)により算出された。単変量解析は3つの胚の着床、すなわち約3回(OR=2,8, IF 95% 1,7-4,4)の妊娠の機会の明らかな増加を意味することを示した。代わりに、2つの胚は妊娠の機会に十分な増加を示さなかったことが明らかとなった(OR=1,0, IF 95% 1,7-4,4)。一方、着床胚の最適な質もまた、重要な妊娠機会の増加因子である(OR = 2.9, IF 95% 1.8 - 4.7)。単一変量解析において、洗浄操作を用いる場合の関連性と同程度の関連性が現れた(OR=2.2, IF 95% 1.6-2.9)。多変量解析は、独立した各変数をコントロールすることを許容する、そのため、他の適用手順及び母体の年齢の影響は全く関与しない。この場合、洗浄操作を用いることで妊娠成功可能性は2倍となる(OR = 2.2, IF 95% 1.6 - 3.0)。同様の進歩が、単独の胚の着床よりも3つの胚の着床に関連していること (OR = 2.1, IF 95% 1.2 - 3.7)、最適な質の胚を用いること (OR = 1.9, IF 95% 1.1 - 3.3) が明らかとなった。上記報告のような、全ての3つの操作の使用は、補助受精において最も優れた選択であると考えられる。結論として、インビボの研究により、メラトニンによる子宮内膜細胞の灌注又は洗浄は、顕著な違いが見られなかった他の2群に対して、2倍の妊娠数を与えることを示すことを確認した。臨床試験2単一施設による研究は、対照群64患者及び投与群92患者群において行った。患者群を被験者として不妊治療及びメラトニン子宮内洗浄(超音波検査による液体層の測定)を行い、3〜4日後、胚移植を行った。試験のプライマリーエンドポイントは、胚移植による(ET)による臨床上の妊娠(胎児心臓)率;セカンダリーエンドポイントは、妊娠途中及び中絶率による。結果は、臨床上の妊娠率は被験者群で37%に対し、対照群では17.2%であり、そのうち妊娠途中の率は被験者群で32.6%、対照群で14.1%であった。結果は以下の表1に報告された。子宮内膜洗浄はメラトニンを含む種々の溶液で行われ、臨床上の妊娠及び妊娠途中の率は不妊の女性の対照群の個体数に対して2倍の割合となった。メラトニンが添加された生理溶液を用いて子宮内膜の滲出液を除去することで子宮内膜の生理的環境が整い、着床の成功が高まることが確認された。このことは補助的生殖技術(ART)における着床率の増加に対する価値のある革新的な手段が得られたことを意味する。実施例2:インビトロ試験材料及び方法メラトニン及び培養培地は、インビボ試験で用いたものと同じものを用いた。電子顕微鏡法(SEM)高解像の電子顕微鏡での電界放出を用い、FE HITACHI S 4000モデル、15-20 KWで操作した。サンプル調製患者から回収後すぐに、子宮内膜組織の約1mmサイズの小片を、パラホルムアルデヒド1%及びグルタルアルデヒド0.5%、カコジル酸塩(cacodylate)を0.1 M pH 7.2緩衝液中に含む固定液に3時間置いた。該固定された小片は20分おきに3回(全体で1時間)PBSで洗浄し、固定化後の処理は、四酸化オスミウム2%及びフェリシアン酸カリウム(potassium ferrocyanide)2.5%中で行った。調製物を暗所で3時間保存し、適切にPBSで洗浄を繰返し、20分毎に4回置換した。次いで、組織のサンプルを、濃度勾配を連続的に上昇させたアセトンで1時間に3回置換し、各濃度勾配は50%-70%-80%-90%-95%とし、さらに純粋なアセトンのみで2回置換した。この段階で、10%アセトンを液体CO2で置換させて高圧に適した装置において、超臨界点液体CO2により乾燥させ、次いでゆっくりと臨界点の温度へ上昇させCO2を蒸発させた。この点において組織サンプルは完全に脱水され、電子顕微鏡トレー上に配置されることができる。サンプルは特殊電導性の両面接着剤で固定し、それらの配置のため2つの細い針が用いられ、調製物は走査電子顕微鏡(SEM)による観察に供される。生物学的サンプル予めインフォームドコンセントのもと、サンプルを診断用子宮鏡により患者から採取した子宮内膜の組織の培養断片に置いた。各患者に対し、2つの部分を設定した:組織の1部分はメラトニン添加されていない従来の胚盤胞培地に設置され、他方の1部分はメラトニン添加された従来の胚盤胞培地を通じて設置された。培養設定(Culture Set)子宮内膜(補助受精を受ける対照被験者から、子宮鏡により採取)のインビトロの培地であって3-6日間メラトニンが添加され、そして電子顕微鏡(SEM)を通じて相関するピノポードを可視化した。結果インビトロ試験は、3〜5日間、常時メラトニンを添加した状態で、試験管中で共培養した子宮内膜組織の培養物は、患者の年齢や、自然の又は薬物刺激による強制排卵における月経周期とは関係なく、培養物のコントロールと関係して、疑いなくピノポード(電子顕微鏡(SEM)下)の増加を引き起こすことを示した。そのようなピノポードはそれぞれの女性に対して(5日間の変動、すなわち、女性は短くて26日又は33日の月経周期の可能性がある)48時間の最も重要な着床マーカーとして定義づけられる機構である。実際、妊娠に成功した場合の3分の2は的確な時期の着床に依存し、残りの3分の1は胚の性質に依存する。電子顕微鏡SEM下での試験は、メラトニンの添加は、図1〜4に示すような、ピノポードの完全な形態学的表現を導くことを示した。これは、着床窓の期間におけるピノポードの重要性、及びメラトニン添加の培地を通じた培養においてそれらの発現が増加することの主要な部分を示すものである。実施例3:メラトニン及びその誘導体の、子宮内膜細胞株HEC-1-Aの酸化及び細胞死における影響試験化合物メラトニン(M5250)の比較に用いられたメラトニン誘導体は、アゴメラトニン(A1362)及び6-ヒドロキシメラトニン(H0627)であり、全てシグマアルドリッチ社より購入した。それらを異なる濃度(すなわち、40 nM, 80 nM, 170 nM 及び340 nM, それぞれ 9.4 x 10-9 g/ml, 18 x 10-9 g/ml, 40 x 10-9 g/ml and 80 x 10-9 g/mlに相当)で用いた。細胞株HEC-1-Aは子宮内膜の安定化された細胞株で、H.クラモト(H. Kuramoto)により腺ガン患者から単離され(21)、それは子宮内膜上皮細胞のインビトロにおける有用なモデルを提供する(22)。抗酸化アッセイHEC-1-A細胞株は、170 nM (40 ng/ml)のメラトニン、6-ヒドロキシ-メラトニン及びアゴメラトニン、及び2つの異なる濃度の過酸化水素(20 及び200 mcg/ml)とともに培養された。活性酸素物質(ROS)は先にItaliano et al. により記載されるように(23)2つの独立した複製においてFACSにより測定された。結果メラトニン及び2つの誘導体は、インビトロ細胞株モデルにおいて、過酸化水素濃度が20 mcg/mlのとき、類似の抗酸化作用を示した。過酸化水素濃度を200 mcg/mlまで増加させた場合、メラトニン及びアゴメラトニンは細胞株の酸化に対する保護作用は続いたが、一方、6-ヒドロキシメラトニンは保護しなかった。しかし、6-ヒドロキシメラトニンの用量を340nMまで上げた場合、この誘導体の抗酸化効果は増加した(データ示さず)。結果は図5のチャートに示す。これらの結果は、異なる細胞モデルにおけるメラトニンの抗酸化効果において、Duan らにより発行されたデータに従うものであり(24)、少なくとも20 mcg/mlの過酸化水素が子宮内膜細胞株において用いられた場合、アッセイされたメラトニン及び誘導体は類似の効果を有することを実証するものである。プログラム細胞死アッセイ(Apoptosis assay)子宮内膜細胞死(%細胞死亡率)は、10-20%の割合で細胞培養の間に一般的に観察される生理学的現象である。特定の実験条件において、メラトニン及びその誘導体が細胞死を誘導しているかどうかを検証するために、出願人らはHEC-1-A細胞株を340 nM (80 ng/ml), 170 nM (40 ng/ml) 及び 80 nM (18,8 ng/ml)のメラトニン、6-ヒドロキシメラトニン及びアゴメラトニンにより、それぞれ24時間、処理した。細胞死レベルはヨウ化プロピジウム(Propidium Iodide)による染色及びFACS解析によりアッセイされた。sub-G1期のパーセンテージは、実施された1又は2の実験に対して示される。試験された全ての濃度において、メラトニンは細胞死において保護効果を発揮した。アゴメラトニンは170 及び 340 nMにおいて保護作用を有し、一方、6-ヒドロキシメラトニンは170nMまでの濃度では細胞死に対する効果を示さなかった。結果を図6に示す。参考文献1. Simon C, Martin JC, Pellicer A. Clin obst & gynaecol, 2000 14; (5) 127: 815-826.2. Ledee-Bataille N, Lapree-Delage G, Taupin JL, Dubanchet S, Frydman R, Chaouat G. Hum Reprod, 2002 Jan 17; (1): 213-218.3. Nardo LG, Sabatini L, Rai R, Nardo F. Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol, 2002 Mar 10; 101 (2): 104-8.4. Nikas G, Makrigiannakis A. Ann N Y Acad Sci, 2003 Nov; 997: 120-3.5. Stavreus-Evers A, Mandelin E, Koistinen R, Aghajanova L, Hovatta O, Seppala M. Fertil Steril, 2006 Jun; 85 (6): 1803-11. Erratum in: Fertil Steril. 2006 Aug; 86 (2): 498.6. Brzezinski A. N Engl J Med, 1997 Jan 16; 336 (3): 186-95.7. Kobayashi Y, Itoh MT, Kondo H, Okuma Y, Sato S, Kanishi Y, Hamada N, Kiguchi K, Ishizuka B. J Pineal Res, 2003 Sep; 35 (2): 71-4.8. Aydogan S, Yerer MB, Goktas A. Melatonin and nitric oxide. J Endocrinol Invest, 2006 Mar; 29 (3): 281-7.9. Sandyk R, Anastasiadis PG, Anninos PA, Tsagas N. Int J Neurosci, 1992 Feb; 62 (3-4): 243-50.10. Sandyk R, Anastasiadis PG, Anninos PA, Tsagas N. 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Cell Cycle. 2012; 11(24):4589-96.24. Duan W., et al. PLoS One. 2013; 8(3) Epub 6 Marzo 2013. 医療又は獣医分野での生殖補助における子宮内への着床不全の予防のために、斯かる治療を必要とする雌の哺乳動物被験体に対する治療有効量の局所投与により使用されるN−アセチル−5−メトキシトリプタミン又はその類縁体。 前記類縁体が、アゴメラチン、6−ヒドロキシメラトニン、セロトニン、5−ヒドロキシトリプトファン又はそれらの誘導体から選択される、請求項1に記載のN−アセチル−5−メトキシトリプタミン又はその類縁体。 前記雌の哺乳類被験体が、不妊症又は多流産(polyabortion)を患う女性である、請求項1〜2のいずれか1項に記載のN−アセチル−5−メトキシトリプタミン又はその類縁体。 前記局所投与が、子宮内膜灌注、子宮洗浄又は子宮内膜洗浄を介して行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のN−アセチル−5−メトキシトリプタミン又はその類縁体。 前記局所投与が、卵母細胞の回収時に単回投与で行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のN−アセチル−5−メトキシトリプタミン又はその類縁体。 N−アセチル−5−メトキシトリプタミン又はその類縁体が、4×10-9g/ml〜25×10-9g/ml、好ましくは10×10-9g/ml又はそれ以上の濃度で存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のN−アセチル−5−メトキシトリプタミン又はその類縁体。 卵母細胞の回収の日から、N−アセチル−5−メトキシトリプタミン、HCG若しくはプロゲステロン、又はそれらの組合せの全身投与と同時に使用するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載のN−アセチル−5−メトキシトリプタミン又はその類縁体。 前記生殖補助の技術が、計画的交尾、子宮内授精(IUI)、体外受精及び胚移植(FIVET)、体外受精(IVF)、卵細胞質内精子注入(ICSI)、卵細胞質内形態選別精子注入(IMSI)及び精巣内精子吸引−抽出術(Tesa-Tese, Testicular Sperm Aspiration-Extraction)から成る群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のN−アセチル−5−メトキシトリプタミン又はその類縁体。 医療又は獣医分野での生殖補助における子宮内への着床不全の予防のための局所投与に適した組成物であって、斯かる治療を必要とする雌の哺乳動物被験体に対する治療有効量のN-アセチル-5-メトキシトリプタミン、若しくはその誘導体、又は活性成分としてのそれらの組合せ、好ましくはN−アセチル−5−メトキシトリプタミンを、1又はそれ以上の生理学的に許容される賦形剤又はアジュバントとともに含む、組成物。 前記活性成分が、細胞培養培地中での最終濃度が4×10-9g/ml〜25×10-9g/ml、好ましくは10×10-9g/ml又はそれ以上の濃度で存在する、請求項9に記載の組成物。 前記活性成分が、子宮内膜潅注、子宮洗浄又は子宮内膜洗浄用として処方され、細胞培養培地中での最終的な濃度が4 x 10-9 g/ml〜25 x 10-9 g/ml、好ましくは10 x 10-9 g/ml又はそれ以上の範囲となるように処方された、請求項9〜10に記載の組成物。 前記胚盤胞(blastocyst)のための培養培地が、以下の成分を含み、- D-グルコース源;- 抗生物質、好ましくはゲンタマイシン;- ヒト血清アルブミン、- 必須及び非必須アミノ酸、好ましくはL-タウリン、- 緩衝塩、好ましくは、以下の間より選択:- カルシウム塩:乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム;- ナトリウム塩:塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよびピルビン酸ナトリウム;- カリウム塩:塩化カリウム、リン酸カリウム;- マグネシウム塩:塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム;- 水;及び、pH7.5〜7.8を有する、請求項11に記載の組成物。 前記培養培地がシドニーIVF(登録商標)(Sydney IVF(登録商標)Blastocyst)胚盤胞培地である、請求項12に記載の組成物。 上記組成物中の活性成分が、生理溶液中での子宮内膜潅注、子宮洗浄又は子宮内膜洗浄用として処方される、請求項9〜10のいずれか1項に記載の組成物。 さらに、pH7〜8、好ましくはpH7.5〜7.8に維持するために、必須又は非必須アミノ酸、及び緩衝塩を含むことを特徴とする、請求項14の組成物。 請求項9〜15のいずれか1項に記載の組成物を予め充填された、又は充填されるための無菌容器を含む、子宮洗浄のための医療器具。 無菌容器が使い捨てのものである、請求項16に記載の医療器具。 無菌容器が自己注射器のためのシリンジ、ディスペンサー又はカートリッジである、請求項16〜17のいずれか1項に記載の医療器具。 さらに、無菌の子宮内カテーテルを含む、請求項16〜18のいずれか1項に記載の医療器具。 pH7〜8、好ましくはpH7.5〜7.8に維持するための、メラトニン、アミノ酸及び緩衝塩とともに供給された生理溶液に基づく製剤により予め充填された使い捨ての無菌容器を含む、請求項16〜19のいずれか1項に記載の医療器具。 前記製剤が、必須又は非必須アミノ酸及びカルシウム、カリウム及びマグネシウム塩、並びにそれらの混合物の間から好適に選択された緩衝塩を含む、請求項20に記載の医療器具。 メラトニンが、4 x 10-9 g/ml〜25 x 10-9 g/ml、好ましくは10 x 10-9 g/ml又はそれ以上の範囲の濃度を有する、請求項16〜21のいずれか1項に記載の医療器具。 使い捨ての無菌容器が、体積1.5mlの、以下の組成を有する生理溶液- 10×10-9μg/ mlのメラトニン- 必須及び非必須アミノ酸- カルシウム塩- カリウム塩- マグネシウム塩により予め充填されていることを特徴とする、請求項16〜22のいずれか1項に記載の医療器具。 医療又は獣医分野における、子宮内の着床不全の予防のための、生殖促進における使用のための、請求項16〜23のいずれか1項に記載の医療器具。 インビトロ又はインビボの細胞培養培地であって、以下:- D-グルコース源;- 抗生物質、好ましくはゲンタマイシン;- ヒト血清アルブミン、- 必須及び非必須アミノ酸、好ましくはL-タウリン、- 緩衝塩、好ましくは、以下の間より選択:- カルシウム塩:乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム;- ナトリウム塩:塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよびピルビン酸ナトリウム;- カリウム塩:塩化カリウム、リン酸カリウム;- マグネシウム塩:塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム;及び、それらの混合物、- 水;を含み、さらに、N−アセチル−5−メトキシトリプタミン若しくはその類縁体、又はそれらの組合せを含むことを特徴とし、ここで、前記活性成分は4 x 10-9 g/ml〜25 x 10-9 g/ml、好ましくは10 x 10-9 g/ml又はそれ以上の範囲の濃度で存在する、細胞培養培地。 ピノポード(pinopodes)の生長及びインビトロモデル試験の実施のための、請求項25に記載の細胞培養培地の使用。 本発明は、N−アセチル−5−メトキシトリプタミン(メラトニン)及び/又はその類縁体の使用であって、医療又は獣医分野での生殖補助における胚の着床メカニズムを促進させるための、特に子宮内への着床不全の予防のための、斯かる治療を必要とする雌の哺乳類被験体に対する治療有効量の局所投与による使用、並びに、関連する組成物、培養培地及び医療機器に関する。【選択図】図3


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