生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_アリスポリビルによる薬物動態の調節
出願番号:2015511559
年次:2015
IPC分類:A61K 38/00,A61K 45/00,A61P 43/00,A61P 31/14,A61K 31/41


特許情報キャッシュ

コヴァックス,スティーブン ケーイー,ジューン JP 2015516423 公表特許公報(A) 20150611 2015511559 20130506 アリスポリビルによる薬物動態の調節 ノバルティス アーゲー 504389991 小林 浩 100092783 大森 規雄 100120134 星川 亮 100149010 鈴木 康仁 100104282 コヴァックス,スティーブン ケーイー,ジューン US 61/643,545 20120507 A61K 38/00 20060101AFI20150515BHJP A61K 45/00 20060101ALI20150515BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150515BHJP A61P 31/14 20060101ALI20150515BHJP A61K 31/41 20060101ALI20150515BHJP JPA61K37/02A61K45/00A61P43/00 121A61P31/14A61K31/41 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC US2013039622 20130506 WO2013169616 20131114 18 20141226 4C084 4C086 4C084AA02 4C084AA03 4C084AA19 4C084BA09 4C084BA16 4C084BA18 4C084BA24 4C084BA44 4C084MA02 4C084MA52 4C084NA05 4C084NA06 4C084ZB33 4C084ZC75 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC62 4C086MA02 4C086MA04 4C086MA07 4C086MA52 4C086NA05 4C086NA06 4C086ZB33 4C086ZC75 本開示は、シクロフィリンに結合する、シクロフィリン阻害剤である非免疫抑制性シクロスポリン、特に、他の薬物と併用投与される場合の、例えば、慢性C型肝炎ウイルス感染症の治療におけるそれらの薬学的使用に関する。 シクロスポリンは、構造的に特徴を有する環状ポリ−N−メチル化ウンデカペプチドのクラスから成り、一般に薬理活性、特に、免疫抑制活性又は抗炎症活性を有する。最初に単離されたシクロスポリンは、シクロスポリンA(CsA)としても知られる、天然の真菌代謝産物であるCiclosporin又はCyclosporineであった。 シクロフィリンに強力に結合するが、免疫抑制性でないシクロスポリンが同定されている。PCT/EP2004/009804、WO2005/021028又はWO2006/071619は、シクロフィリンに結合する非免疫抑制性シクロスポリンがC型肝炎ウイルス(HCV)に対する阻害効果も有することが発見された、と開示する。参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO2006/038088は、HCVの治療におけるアリスポリビルの使用のための方法及び組成物を記載する。アリスポリビル(DEBO25又はDebio−025)は、シクロフィリン(Cyp)阻害剤である。 アリスポリビルの抗HCV活性は、インビトロ及びインビボで実証されている。アリスポリビルを使用する場合、C型肝炎ウイルス感染症の有効な治療が達成可能であり、現行の標準ケア治療の副作用を回避して、患者のコンプライアンスを改善する。アリスポリビルは、抗HIV−1活性も示し、インビトロでは、CsAよりも約10倍強力であった。さらに、WO2009/042892は、多発性硬化症の治療におけるアリスポリビルの使用のための方法を記載し;WO2009/098577は、筋ジストロフィーの治療におけるアリスポリビルの使用のための方法を記載し;WO2008/084368は、ウーリッヒ型先天性筋ジストロフィーの治療におけるアリスポリビルの使用のための方法を記載する。 障害を患っている患者はまた、2種以上の療法を受けることが多い。2種以上の薬物が投与されている場合、薬物間相互作用(drug-drug interaction)の可能性が高い。故に、薬物間相互作用のある場合、治療効果の消失、毒性のいずれか又はその両方をもたらす薬物動態プロフィール及び薬力学プロフィールの変更に関連したリスクを考えると、2種以上の薬物を受けている患者においては、併用禁忌、用量の調節又は厳格なモニタリングが必要であり得る。 対象における有害事象を回避するために、他の薬物による治療に影響を与えない、障害を治療するための方法及び医薬組成物に対する必要性が依然としてある。 発明者らは、シクロフィリン阻害剤、特にアリスポリビルが、同じ患者に投与される医薬品の薬物動態プロフィール及び薬力学プロフィールの変更に関連したリスクがそれによって防止される、アリスポリビル療法を必要とする患者を治療するために効果的に使用可能であることを見出した。 本発明は一般に、医薬品の薬物動態を治療的に変更するためにアリスポリビルを使用する方法であって、アリスポリビルが、より低用量の投与、より低頻度の投与、又はより低用量かつより低頻度の投与により、前記薬物及び/又はアリスポリビルの同様の安全性及び有効性を達成及び維持する効果を有する、方法に関する。 いくつかの態様において、本発明は、アリスポリビル療法を必要とする患者を治療する方法であって、同患者に投与される医薬品の薬物動態プロフィール及び薬力学プロフィールの変更に関連したリスクが防止される、方法を提供する。 他の態様において、本発明は、アリスポリビル療法を必要とする患者にアリスポリビルを投与する又はアリスポリビル療法を必要とする患者の治療における使用のためのアリスポリビルを投与する方法であって、患者に治療的有効量のアリスポリビルを投与するステップと、医薬品を併用投与するステップとを含み、それによって有害な薬物相互作用(drug interaction)が防止される、方法を提供する。 シトクロームP450 3A4(CYP3A4)は、肝臓中で発現される最も大量のモノオキシゲナーゼであり、他のいかなるモノオキシゲナーゼよりも多くの薬物の酸化的バイオストランスフォーメーション(biostransformation)に関与する。それは、薬物又はセントジョンズワートのような所定の生薬の構成要素によって誘導される/増大される活性及び阻害される/低減される活性であることができる。どちらの場合における効果も、いくつかの臨床的に重要な薬物間相互作用の原因として確立されている。CYP3A4は、それが代謝における役割を果たしうる、体内の他の器官及び組織中にも存在する。 MDR1としても知られ、遺伝子ABCB1によりコードされるP−糖タンパク質(P−gp)は、輸送タンパク質のATP結合カセット(ABC)トランスポータースーパーファミリーのメンバーである。その自然の機能は、細胞からの化合物の流出を仲介することである。それは阻害されることができ、いくつかの臨床的に重要な薬物間相互作用の原因として確立されている効果である。 遺伝子SLCO1B1及びSLCO1B3によりそれぞれコードされる、有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP)1B1及び1B3は、輸送タンパク質の溶質キャリアー(SLC)スーパーファミリーのメンバーである。OATP1B1及びOATP1B3の自然の機能は、内因性及び(生体異物などの)外因性化合物両方の細胞内への取り込みを仲介することである。それは、阻害されることができ、いくつかの臨床的に重要な薬物間相互作用の原因として確立されている効果である。 cMOATとしても知られ、遺伝子ABCC2によりコードされる多剤耐性タンパク質2(MRP2)は、輸送タンパク質のATP結合カセット(ABC)トランスポータースーパーファミリーのメンバーである。その自然の機能は、細胞からの化合物の流出を仲介することである。それは、遺伝的に多様であることが知られ、阻害されることができ、後者は、いくつかの臨床的に重要な薬物間相互作用の原因として確立されている。 CYP3A4の生体異物性基質(xenobiotic substrate)は、マクロライド系抗生物質(例えば、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、テリスロマイシン)、ベンゾジアゼピン(例えば、アルプラゾラム、ジアゼパム、ミダゾラム、トリアゾラム)、シクロスポリンA、タクロリムス、HIV抗ウイルス薬(例えば、インジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル)、カルシウムチャンネルブロッカー(例えば、アムロジピン、ニフェジピン、フェロジピン、ジルチアゼム、ベラパミル、ニトレンジピン、ニソルジピン)、HMG CoAレダクターゼ阻害剤(例えば、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン)、ブスピロン、ダプソン、デキサメタゾン、ハロペリドール、オンダンセトロン、プロプラノロール、シルデナフィル、トラゾドン及びゾルピデムを包含する。 P−gpの生体異物性基質は、ジゴキシン、フェキソフェナジン、ロペラミド、パクリタキセル、ドキソルビシン、ビンブラスチン及びイリノテカンを包含する。 OATP1B1及び/又はOATP1B3の生体異物性基質は、HMG CoAレダクターゼ阻害剤(例えば、アトルバスタチン、口語的に「スタチン」)、バルサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、レパグリニド、ジゴキシン及びフェキソフェナジンを包含する。 MRP2の生体異物性基質は、バルサルタン、オルメサルタン、メトトレキセート、エトポシド、ミトキサントロン並びにグルタチオン及びグルクロニドコンジュゲートを包含する。 BSEPの生体異物性基質は、タウロコール酸及びプラバスタチンを包含する。 CYP3A4、P−gp、OATP1B1、OATP1B3、MRP2、BSEP、及び/又はNTCPのアリスポリビルによる阻害により仲介される、アリスポリビルによる1つの薬物の薬物動態及び全身的なインビボでの体内動態の治療的変更は、より低用量の、より低頻度の、又はより低用量かつより低頻度の投与が、前記薬物の安全性及び有効性を達成し、維持することができるように、前記薬物の血中又は血漿中濃度の増加及び/又はクリアランスの減少をもたらす。 CYP3A4阻害剤及び誘導物質、感受性CYP3A4基質、狭い治療域/ウインドウを有するCYP3A4基質及びCYP3A4並びにOATP1B1、OATP1B3、MRP2、BSEP、NTCP及びP−gpのような取り込み及び流出トランスポーターの両方の基質である薬物は、アリスポリビルとの使用に禁忌を示す。禁忌薬物の具体例は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤及びPDE5阻害剤を包含する。 本明細書中で使用される、特定のCYP3A4の強力な阻害剤は、そのCYP3A4の基質のAUC(曲線下面積)を、約5倍以上増加させる阻害剤として定義される。 本明細書中で使用される、特定のCYP3A4の中程度の阻害剤は、そのCYP3A4の感受性基質のAUCを、約5倍未満であるが、約2倍以上増加させる阻害剤として定義される。 本明細書中で使用される、特定のCYP3A4の弱い阻害剤は、そのCYP3A4の感受性基質のAUCを、約2倍未満増加させる阻害剤として定義される。 本明細書中で使用される、「マイクログラム/キログラム」は、治療される哺乳動物(ヒトを含む)のキログラム体重あたりの薬物のマイクログラムを意味する。 本明細書中で使用される、用語「治療」又は「治療する」は、疾患に罹るリスクのある患者又は疾患に罹っている疑いのある患者並びに病気の患者又は疾患若しくは医学的状態を患っていると診断された患者の治療を包含する、予防的又は防止的治療並びに治癒的又は疾患修飾的治療の両方を意味し、臨床的再発の抑制を包含する。治療は、医学的障害を有する対象又は最終的に該障害を得る可能性がある対象に対して、障害若しくは再発性障害の1つ若しくは複数の症状を防止し、治癒させ、その発症を遅らせ、その重篤度を低減し、若しくは寛解させるため、又はそのような治療を施さない場合に予想されるよりも対象の生存を延長させるために、施し得る。 「治療レジメン」によって、病気の治療のパターン、例えば、HCV療法の間に使用される投薬のパターンが意味される。治療レジメンは、導入レジメン及び維持レジメンを包含してよい。 「誘導レジメン」又は「誘導期」という句は、疾患の初回治療に使用される治療レジメン(又は治療レジメンの一部)を指す。誘導レジメンの一般的目標は、治療レジメンの初期間に患者に高いレベルの薬物を提供することである。誘導レジメンは、(部分的又は全体としての)「負荷レジメン(loading regimen)」を採用することができ、これは、維持レジメンの間に医師が採用するであろうよりも大きな用量の薬物を投与すること、維持レジメンの間に医師が投与するであろうよりもより頻繁に薬物を投与すること、又はその両方を包含してよい。 「維持レジメン」又は「維持期」という句は、例えば、患者を長期間(数か月間又は数年間)寛解に保つために、病気の治療の間の患者の維持のために使用される治療レジメン(又は治療レジメンの一部)を指す。維持レジメンは、持続的療法(例えば、毎週、毎月、毎年などの規則的な間隔で薬物を投与すること)又は間欠療法(例えば、中断された治療、間欠治療、再発時の治療又は特別な所定の基準[例えば、疼痛、疾患の兆候など]の達成時の治療)を採用してよい。 本明細書中で使用される、用語「約」は、文脈が別段指示しない限り、+又は−10%の範囲を意味するために使用される。 本明細書中で使用される、「12、24、48又は72週まで」は、治療持続時間を指し、それぞれ約12週間、約24週間、約48週間又は約72週間を意味することを意図される。療法は正確に12、24、48又は72週の期間で終了する必要がないことが理解される。例えば、療法は、24週の期間の1日又は数日前に終了してもよく、なお本開示の範囲及び精神内において同等であり得る。 本明細書中で使用される、「1日あたり2回」又はBIDは、約24時間の任意の期間中に2回を意味し;「1日あたり1回」又はQDは、約24時間の任意の期間中に1回を意味し;「1週間あたり1回」は、約7日の任意の期間中に1回を意味するために使用される。 本明細書中で使用される、薬物動態は、薬物へのインビボでの曝露の時間経過及びこれを説明しうる任意のパラメータ(例えば、半減期、ピーク血漿濃度までの時間、ピーク血漿濃度、AUC、クリアランス、分配量など)を包含する。 本明細書中で使用される、AUCinfは、投薬後の分析物又は薬物の積算量(血清濃度曲線)を示す、[hr ng/mL]で表される曲線下面積無限大(Area Under the Curve infinity)を指す。 本明細書中で使用される、AUClastは、活性が検出可能である、[hr ng/mL]で表される曲線下面積最終サンプル(Area Under the Curve last sample)を指す。 本明細書中で使用される、Cmaxは、[ng/mL]で表される、投薬後に達成された分析物又は薬物の最大濃度を指す。 本明細書中で使用されるように、薬物動態改善有効量又は血漿レベル増大有効量のアリスポリビル アリスポリビルと、その薬物動態及び全身的なインビボでの体内動態が、CYP3A4、P−gp、OATP1B1、OATP1B3、MRP2、BSEP及びNTCPのうちの少なくとも1つによって影響を受ける1種又は複数の薬物とを併用投与する方法であって、アリスポリビルが、より低用量の投与、より低頻度の投与、又はより低用量かつより低頻度の投与によって、前記薬物の同様の安全性及び有効性を達成し及び維持する効果を有する、方法。 シトクロームP450モノオキシゲナーゼによって代謝される薬物の薬物動態を改善する又は血漿レベルを増大させるための方法であって、前記薬物によって治療される患者に、薬物動態改善有効量又は血漿レベル増大有効量のアリスポリビルを投与するステップを含む、方法。アリスポリビルは、シトクロームP450モノオキシゲナーゼによる分解によって有効性が損なわれる薬物の前及び/又は薬物と実質的に同時に投与し得る。 本発明のさらに別の実施態様は、薬物の薬物動態を改善する又は薬物の血漿レベルを増大させるための方法であって、前記薬物によって治療される患者に、薬物動態改善有効量又は血漿レベル増大有効量のアリスポリビルを投与するステップを含み、前記薬物が、P−糖タンパク質及び/又はシトクロームP450モノオキシゲナーゼ3A4の基質である、方法。 薬物の薬物動態を改善する又は薬物の血漿レベルを増大させるための方法であって、前記薬物によって治療されている患者に、薬物動態改善有効量又は血漿レベル増大有効量のアリスポリビルを併用投与するステップを含み、前記薬物は、P−糖タンパク質及びシトクロームP450モノオキシゲナーゼ3A4の基質である、方法。 アリスポリビルと、シトクロームP450モノオキシゲナーゼ3A4によって代謝される1種又は複数の化合物とを併用投与する方法。 アリスポリビルと、シトクロームP450モノオキシゲナーゼ3A4によって代謝される1種又は複数の化合物とを併用投与する方法であって、アリスポリビルを経口投与するステップを含み、用量低減又は前記化合物が同時投与される患者の臨床モニタリング又は前記化合物に関する併用投与の禁忌を考慮すべきである、方法。 アリスポリビルと、以下のP−糖タンパク質、OATP1B1、MRP2、BSEP又はNTCPのうちの少なくとも1つの基質である1種又は複数の化合物とを併用投与する方法であって、アリスポリビルを経口投与するステップを含み、用量低減又は前記化合物が同時投与される患者の臨床モニタリング又は前記化合物に関する併用投与の禁忌を考慮すべきである、方法。 アリスポリビルとバルサルタンとを併用投与する方法であって、アリスポリビルを経口投与するステップを含み、バルサルタンに関する用量低減を考慮すべきである、方法。 アリスポリビルと、メタドンとを併用投与する方法であって、アリスポリビルを経口投与するステップを含み、メタドンに関する用量低減を考慮すべきである、方法。 アリスポリビル療法を必要とする患者にアリスポリビルを投与する又はアリスポリビル療法を必要とする患者の治療において使用するためのアリスポリビルを投与する方法であって、治療的有効量のアリスポリビルを前記患者に投与するステップと、医薬品を併用投与するステップとを含み、それによって有害な薬物相互作用が防止される、方法。 アリスポリビル療法を必要とする患者を治療する方法であって、それによって、同患者に投与される医薬品の薬物動態プロフィール及び薬力学プロフィールの変更に関連したリスクが防止される、方法。 別の実施態様において、アリスポリビルは、療法処置の抗ウイルス有効性を促進する、慢性C型肝炎の治療のための標準ケアの追加の作用薬とともに投与されてよい。ポリメラーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、HCV NS3−4Aセリンプロテアーゼの基質ベースのプロテアーゼ阻害剤、非基質ベースのNS3プロテアーゼ阻害剤などの、直接作用型抗ウイルス剤;フェナントレンキノン、チアゾリジン及びベンズアニリド、ヌクレオシド類似体、HCVゲノム又はウイルス複製に必要な任意の細胞構成成分に対するアンチセンス分子、HCV治療へのワクチン又は抗体ベースのアプローチを包含する療法処置の抗ウイルス有効性を促進する追加の作用薬。 直接作用型抗ウイルス剤は、本明細書において、C型肝炎ウイルス(HCV)複製サイクルにおける特定のステップを妨害する作用薬を意味するために使用される。そのような作用薬は、例えば、リバビリン誘導体、プロテアーゼ阻害剤及びポリメラーゼ阻害剤(例えば、ヌクレオシド及び非ヌクレオシド阻害剤)であってよい。代表的な直接作用型抗ウイルス剤は:Abbottによるボセプレビル(boceprevir)、テラプレビル(telaprevir)、ABT−072、ABT−450、ABT−333、AchillionによるACH1625、Anadys PharmaceuticalsによるANA598、AstraZenecaによるAZD−7295、Boehringerf Ingelheim PharmaによるBI201335、BI207127、Bristol Myers SquibbによるBMS650032、BMS790052、BMS791325、BMS824383、Eiger BioPharmacetucialsによるClemizole、PfizerによるFilibuvir、GileadによるGS9190(Tegobuvir)、GS9256、IdenixによるIDX375、InhibitexによるINX−189、PharmassetによるPSI−7851、PSI−938、Pharmasset/GenethecによるPSI−7977、RG7128、PresidioによるPPI−461、InterMune/GenentechによるRG7227(Danoprevir)、MerckによるSCH900518(Narlaprevir)、Vaniprevir、Medivir/TibotecによるTMC435、VertexによるVX−222、VX−759、VX−500、VX−916を包含する。 別の実施態様において、本発明は、アリスポリビル療法を必要とする患者を治療する方法であって、それによって、同患者に投与される医薬品の薬物動態プロフィール及び薬力学プロフィールの変更に関連したリスクが防止され、同患者に投与される医薬品が、ボセプレビル、テラプレビル、ACH1625、ACH2684、INX−189、INX−184、Danoprevir、(BMS−790052としても知られる)Daclastavir、ABT−450から選択される1種又は複数の直接作用型抗ウイルス薬である、方法をさらに記載する。 前記実施態様及び本明細書全体において、標準ケア治療は、慢性C型肝炎感染症を治療するために使用される治療である。すべての遺伝子型のための現行の標準ケア治療は、インターフェロン、特にリバビリンと組み合わせたペグ化インターフェロンの投与を包含する。特に遺伝子型1のHCVのためには、標準ケアは、ペグ化インターフェロン及びリバビリンに加えて第3の薬物を包含し、これは、現在、NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤、現在は、テラプレビル又はボセプレビルのいずれかである。 一実施態様において、本発明はさらに、C型肝炎感染患者の治療における標準ケアと併用されるためのアリスポリビルを提供し、前記アリスポリビルは、1日あたり1回又は2回の約200〜約600mg(例えば、約200mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg)の量で投与される。 さらに他の態様において、本発明は、本明細書に記載の任意の方法によってアリスポリビルを投与するための指示書を含むパッケージを提供する。 前記の治療において、標準ケアの作用薬の有効用量が組成物中で投与され、すなわち、それらは一緒に(すなわち、同時に)投与されてよいが、別個に又は連続的に投与されてもよい。一般に、併用療法は、典型的に一緒に投与され、理論的根拠は、そのような同時投与はウイルスに対して複数の同時のストレスを誘導するというものである。与えられる特定の用量は、薬物の吸収、不活性化及び排出率並びに他の因子に依存する。用量値が、緩和される状態の重篤度によっても変化するであろうということは注意されるべきである。 本明細書中で使用される用語「併用投与」又は「組合せ投与」又は「と併用して投与される」などは、一人の患者への選択された治療用作用薬の投与を含むことを意図され、該作用薬が必ずしも同じ投与経路により又は同時に投与されない治療レジメンを包含することを意図される。決まった組合せも本発明の範囲内にある。本発明の組合せ医薬(pharmaceutical combination)の投与は、有益な効果、例えば、その医薬活性成分のうちの1つだけを適用する単一療法に比べて又は現行の標準ケア療法に比べて、相乗的又は相加的治療効果、をもたらす。本明細書に記載の方法において使用される治療は、任意の慣用経路により投与されてよい。1つ又は複数の構成成分が非経口で、例えば、注射用の溶液若しくは懸濁液の形態で、又は注射用デポジット剤(injectable deposit formulation)の形態で投与されてよい。好ましくは、アリスポリビルは、溶液又は懸濁液、錠剤又はカプセルの形態で経口投与される。アリスポリビルを含む経口投与のための医薬組成物は、典型的に、1種又は複数の薬学的に許容されるキャリアー物質をさらに含む。典型的には、これらの組成物は濃縮され、適切な希釈剤、例えば、水と投与前に併合される必要がある。非経口投与のための医薬組成物は、典型的に、1種又は複数の賦形剤も含む。任意の賦形剤は、等張剤、バッファー又は他のpH調整剤及び防腐剤を包含する。これらの賦形剤は、組成物の維持のため、及び好ましいpH範囲(約6.5〜7.5)及びモル浸透圧(約300mosm/L)の達成のために添加されてよい。 本明細書中で使用される用語「有効量」又は「治療的有効量」は、望ましい結果を達成する、例えば、治療されている疾患又は状態の1つ又は複数の症状をある程度軽減する、投与されている少なくとも1種の作用薬の十分な量を指す。ある場合には、前記結果は、疾患の兆候、症状又は原因の低減及び/又は緩和、或いは生物系の任意の他の望ましい変化である。特定の場合、前記結果は、少なくとも1種の異常増殖細胞、例えば、癌幹細胞の増殖の減少、その殺滅又はアポトーシスの誘導である。ある場合には、治療用途のための「有効量」は、疾患における臨床的意義のある減少を提供するために必要な、本明細書に示した作用薬を含む組成物の量である。任意の個人の場合の適切な「有効」量は、用量漸増試験などの任意の好適な技術を用いて決定される。 本明細書中で使用される用語「投与する」、「投与すること」、「投与」等は、生物学的作用の所望の部位への作用薬又は組成物の送達を可能とするために使用されうる方法を指す。これらの方法は、経口経路、十二指腸内経路、(静脈内、皮下、腹腔内、筋内、血管内又は輸注を包含する)非経口注射、局所及び直腸内投与を包含するが、これらに限定されない。 治療レジメンの有効性は、標準的プロトコールを用いてモニターされうる。 HCV療法の場合、治療の後に血清中のHCVの決定及び血清ALTレベルの測定が続いてよい。例えば、患者は、それらの血漿中のHCV RNAの存在について評価されうる。HCV RNA(IU/mL)は、治療の間に規則的な間隔で、例えば、1日目(投与前、並びに投与の4、8及び12時間後)及び2日目、3日目、8日目、15日目、29日目及び12週目、24週目、36週目、48週目、(該当する場合は)72週目の投与前、そしてフォローアップにおいて測定可能である。さらに、耐性を選択する突然変異の同定のために、患者におけるHCV株が配列決定され、評価されることができる。治療のエンドポイントは、ウイルス学的応答、すなわち、治療経過の終了時、治療開始から数か月後、又は治療完了から数か月後におけるHCVの非存在である。血清中のHCVは、定量的RT−PCR若しくはノーザンブロットなどの方法によるRNAレベルで、又は酵素免疫測定法若しくはウイルスタンパク質の高感度化学発光免疫測定法によるタンパク質レベルで測定されうる。エンドポイントは、正常範囲内の血清ALTレベルの決定も包含しうる。 HCV RNAレベルは、市販の方法を用いて測定可能である。個々の方法は、それら自体の固有のLOD及びLOQを有し得る。本明細書中で使用される、該方法に関するLODは、検出限界を意味し、LOQは、HCV RNAレベルの定量限界を意味する。例えば、HCV RNAレベルの評価のためにCOBAS(登録商標)TaqMan(登録商標)HCV Test、v2.0(Roche Diagnostics)を使用する場合、25IU/ml(1.398log10)のLOQ及び10IU/ml(1log10)のLODが報告されている。 以下の実施例は、本明細書に前記された発明を例解する。 1.CYP3A4と細胞取り込み及び流出トランスポーターとの相互作用 インビトロの試験の結果は、CYP3A4の基質及びCYP3A4の時間依存性の阻害剤としてアリスポリビルを確立した。CYP3A4の基質として、アリスポリビルは、他の薬物及び例えばグレープフルーツジュースなどの食品によるCYP3A4の強力な誘導又は阻害により影響を受ける可能性がある。アリスポリビルは、インビトロでP−gp、OATP1B1、OATP1B3、MRP2、BSEP及びNTCPの阻害剤でもある。そのような阻害効果は、他の薬物との臨床的に重要な相互作用をインビボで引き起こす可能性がある。アリスポリビルは、インビトロでCYPアイソザイムに対する誘導効果を有さず、UGT1A1又はUGT2B7を阻害しない。 2.他の薬物に対するアリスポリビルの効果 オープンラベルの、単一用量無作為化クロスオーバー臨床試験を、アリスポリビル及び多様な他の薬物により実施した。 ブスピロンは、未知の作用メカニズムを有する抗不安薬である。それは、セロトニン(5−HT(1A))受容体に対する高い親和性、脳のD(2)−ドパミン受容体に対する中程度の親和性を示し、ベンゾジアゼピン受容体に対する顕著な親和性を示さなかった。それは、GABAの結合に対する効果を有さない。さらなる詳細は、ブスピロンに関する処方情報中に見出すことができる。 ブスピロン5mgは、利用可能な最低の製剤強度であり、推奨される開始用量(15mg)の3分の1であり、したがって、アリスポリビル介在性のCYP3A4の阻害により引き起こされる可能性のある曝露の増加に関する最大限の安全性を許容する。ブスピロンの推奨される最も高い臨床用量は、通常2又は3の用量に分割される60mgである。ブスピロンのバイオアベイラビリティは、食品により増大し、任意のリスクを最小化するためには、ブスピロンは胃が空の状態で(朝食の約1時間前)投与される。 ジゴキシンは、ナトリウム−カリウムATPaseを阻害する強心配糖体であり、細胞内ナトリウム濃度を増加させ、細胞内カルシウム濃度の増加をもたらす。 この自律神経への作用は、陽性変力作用、交感神経反応の低下及びレニンアンギオテンシン系アウトプットの減少(神経ホルモンの不活性化)をもたらす、迷走神経作用及び圧受容器の増感を包含する。さらなる詳細は、ジゴキシンについての処方情報中に見出すことができる。 ジゴキシン0.25mgは、一般に、腎機能の良好な70歳未満の患者において開始される。ふすまの繊維を多く含む食品とともにジゴキシンを摂取する場合、経口投与からの吸収量が減少しうる。より変化の少ない曝露を得るためには、ジゴキシンは各部分の一貫性を保つために胃が空の状態(朝食の約1時間前)で投与される。 バルサルタンは、血管平滑筋及び副腎などの組織中のAT1受容体へのアンギオテンシンIIの結合を選択的にブロックする、非ペプチドアンギオテンシンIIアンタゴニストである。レニン−アンギオテンシン系において、アンギオテンシンIは、アンギオテンシン転換酵素(ACE)によって変換されてアンギオテンシンIIを生成する。アンギオテンシンIIは、副腎皮質を刺激してアルドステロンを合成、分泌させ、これは、ナトリウムの排出を減少させ、カリウムの排出を増加させる。アンギオテンシンIIは、血管平滑筋において血管収縮薬としても作用する。バルサルタンは、アンギオテンシンIIのAT1受容体への結合をブロックすることによって、血管拡張を促進し、アルドステロンの作用を低下させる。レニン分泌に対するアンギオテンシンIIのネガティブフィードバック制御も阻害され、血漿レニン濃度の上昇及び結果的なアンギオテンシンIIの血漿濃度の上昇をもたらすが;これらの作用は、生じる血圧低下作用を中和しない。 バルサルタン40mgは、心筋梗塞後のケア(20mg BID)及び心不全(40mg BID)それぞれの初期療法のために推奨される最低の日用量又は個別用量である。 40mgの用量は、高血圧の治療のために推奨される開始用量(80mg/日)の半分でもある。臨床用途のために推奨される最高用量は、320mg/日であり、これは、正常血圧の対象においては血圧低下作用を有さないことが先に示されている。したがって、40mgの単回投与は適切な安全域を提供し、曝露をアリスポリビルによって増大しなければならない。バルサルタンのバイオアベイラビリティは食品により低下し、したがって、バルサルタンは胃が空の状態で(朝食の約1時間前)投与される。 有効なLC−MS/MS法を用いて、血漿及び血清中の薬物濃度を決定した。 アリスポリビルの併用投与を行わない場合及び行った場合のAUClast、AUCinf及びCmaxのブスピロン/ジゴキシン/バルサルタン比を、線形混合効果モデルによって分析した。別々の分析を各薬物及びPKパラメータに適合させた。 重篤な有害事象又は有害事象による中断はなかった。 アリスポリビルが、インビボでCYP3A4、P−gp(ABCB1)、MRP2(ABCC2)及びOATP1B1(SLCO1B1)に対する独立した、臨床的に重要な阻害効果を有することを確認した。 ブスピロン(感受性のCYP3A4基質) 7日間のアリスポリビル600mgBIDは、ブスピロンの5mg単回経口投与後に、ブスピロンについてAUCにおける約6.6倍の増加及びCmaxにおける4.5倍の増加を引き起こした。ブスピロンの代謝物、1−PPについてのAUCは、約12〜15%増加した。 ジゴキシン(P−gp基質) 7日間のアリスポリビル600mgBIDは、ジゴキシンの0.25mg単回経口投与後に、ジゴキシンについてAUCにおける約2.6倍の増加及びCmaxにおける約1.8倍の増加を引き起こした。アリスポリビルは、ジゴキシンの腎クリアランスに影響しなかった。 バルサルタン(CYP2C9、OATP1B1、OATP1B3及びMRP2の基質) 7日間のアリスポリビル600mgBIDは、バルサルタンの40mg単回経口投与後に、バルサルタンについてAUCにおける6倍の増加及び4−ヒドロキシバルサルタンについてAUCにおける約4倍の増加を引き起こした。バルサルタン及び4−ヒドロキシバルサルタンのCmaxは、それぞれ、約2.3倍及び2倍増加した。 アトルバスタチン(CYP3A4及びOATP1B1の基質) 10日間のアリスポリビル600mgBIDは、アトルバスタチンの40mg単回経口投与後に、アトルバスタチン及びp−OH−アトルバスタチンへの曝露(AUC及びCmax)の約21〜23倍の増加を引き起こした。o−OH−アトルバスタチン(別のヒドロキシル化代謝物)についてのCmax及びAUCは、それぞれ、約7倍及び9倍増加した。アトルバスタチンを単独で又はアリスポリビルとともに投与した場合、アトルバスタチン及びその代謝物のT1/2は同様であった。 アジスロマイシン(CYP3A4の基質) 1200mgのアリスポリビルの単回経口投与は、アジスロマイシンの1000mg単回経口投与後に、アジスロマイシンのAUCにおける約32〜39%の増加を引き起こした。 テラプレビル(CYP3A4及びP−gpの基質) 健康なヒト対象において、7日間のアリスポリビル600mgBID及び追加の1日の600mgQDは、テラプレビルの375mg単回経口投与後に、テラプレビルのAUCにおける約3.2〜3.6倍の増加及びCmaxにおける約2.4倍の増加を引き起こした。テラプレビルをアリスポリビルとともに投与した場合、テラプレビルのT1/2はより長かった。 健康なヒト対象において、10日間のテラプレビル750mgTIDは、アリスポリビルの600mg単回経口投与後に、アリスポリビルのAUCにおける約7.5〜7.8倍の増加及びCmaxにおける3.6倍の増加を引き起こした。アリスポリビルをテラプレビルとともに投与した場合、アリスポリビルのT1/2はより短かった。 ボセプレビル(CYP3A4及びP−gpの基質) 健康なヒト対象において、7日間のアリスポリビル600mgBID及び追加の1日の600mgQDは、ボセプレビルの400mg単回経口投与後に、ボセプレビルのAUCにおける約43〜54%の増加及びCmaxにおける約47%の増加を引き起こした。ボセプレビルをアリスポリビルとともに投与した場合、ボセプレビルのT1/2は同様であった。 健康なヒト対象において、4日間のボセプレビル800mgTIDは、アリスポリビルの600mg単回経口投与後に、アリスポリビルのAUCにおける約3.3〜3.4倍の増加及びCmaxにおける2倍の増加を引き起こした。アリスポリビルをボセプレビルとともに投与した場合、アリスポリビルのT1/2はより短かった。 フェキソフェナジン(P−gp基質、OAT1B1及びBESPの基質でありうる) 健康なヒト対象において、7日間のアリスポリビル600mgBID及び追加の2日間の600mgQDは、フェキソフェナジン60mgの単回経口投与後に、フェキソフェナジンのAUCにおける約8.8〜9.4倍の増加及びCmaxにおける約6.6倍の増加を引き起こした。フェキソフェナジンをアリスポリビルとともに投与した場合、フェキソフェナジンのT1/2は、同様であった。 エスシタロプラム(CYP2C19(37%)、CYP3A4(35%)及びCYP2D6(28%)の基質) 健康なヒト対象において、7日間のアリスポリビル600mgBID及び追加の3日間の600mgQDは、エスシタロプラム10mgの単回経口投与後に、エスシタロプラムのAUCにおける約1.3倍の増加及びCmaxにおける約0.83倍の変化(17%の減少)を引き起こした。エスシタロプラムをアリスポリビルとともに投与した場合、エスシタロプラムのT1/2は、同様であった。 フラバスタチン(CYP2C9、OATP1B1/1B3及びBSEPの基質) 健康なヒト対象において、7日間のアリスポリビル600mgBID及び追加の1日の600mgQDは、フラバスタチン20mgの単回経口投与後に、フラバスタチンのAUCにおける約2.5〜2.6倍の増加及びCmaxにおける約2.1倍の増加を引き起こした。フラバスタチンをアリスポリビルとともに投与した場合、フラバスタチンのT1/2は、より長かった。 3.健康な対象における、循環ビリルビン濃度に対するアリスポリビルの効果 健康な対象及び慢性C型肝炎患者において、アリスポリビルに関連した一過性の高ビリルビン血症を観察した。いくつかの薬物に関して、可逆性の薬物関連高ビリルビン血症が、ビリルビンの輸送及び/又はコンジュゲーションの阻害によっておこることが知られている。インビトロでは、アリスポリビルは、どれもビリルビンの正常な操作に関与する、取り込みトランスポーターOATP1B1及びOATP1B3(IC50 0.7μM)及び流出トランスポーターMRP2(Ki 5.9μM)を阻害するが、コンジュゲーション酵素UGT1A1を阻害しない。リバビリンに関連した溶血が慢性C型肝炎患者において明白なビリルビン変化に寄与するので、ALVの特異的効果を特徴づけするために、アリスポリビルへの最も高い意図的な治療的曝露に関連したビリルビン変化の時間経過を健康な対象において調査した。OATP1B1、1B3及びMRP2の基質であるバルサルタンに対するアリスポリビルの効果も調査した。 3つの異なる薬物間相互作用試験における、3つの群の16人の健康な対象(全部で48人)へ、アリスポリビル600mgBIDを7日間投与し、続いて600mgQDを1、2又は3日間投与した。1つの群にはアリスポリビルの前後に40mgのバルサルタンを投与した。任意の先天性ビリルビン障害を有することが知られているか又は疑われる対象を除外した。臨床検査を、ベースライン、4日目、7日目、9日目、10/11日目及び試験の最後(最終投与の14±1日後)に実施した。 全対象が試験を完了し、アリスポリビルに対して高い忍容性を示した。7日目と9日目の間に、総ビリルビンにおいて、9.9〜11.3μM(0.6〜0.7mg/dL;中央値2.3倍)のベースライン増加からの平均変化が認められたが、他のLFTの同時変化は起きなかった。最大の総ビリルビン濃度は、そのベースラインが15μM(0.9mg/dL)であった一人の対象において9日目に観察された46μM(2.7mg/dL)であった。すべてのビリルビンの増加は、無症状かつ可逆的であった。総ビリルビンは、4人の対象(8.3%)においてULNを超え、コンジュゲーションしていない(間接的な)ビリルビンにおける増加が優勢であった。 バルサルタンの曝露は約6倍増加した。 これは、アリスポリビルが、OATP1B1、OATP1B3及びMRP2をインビボで阻害し、総ビリルビン及びバルサルタンの増加を引き起こしたことを示した。 アリスポリビルと、その薬物動態及び全身的なインビボでの体内動態が、CYP3A4、P−gp、OATP1B1、OATP1B3、MRP2、BSEP及びNTCPのうちの少なくとも1つによって影響を受ける1種又は複数の薬物とを併用投与する方法であって、アリスポリビルが、より低用量の投与、より低頻度の投与、又はより低用量かつより低頻度の投与によって、前記薬物及び/又はアリスポリビルの同様の安全性及び有効性を達成及び維持する効果を有する、方法。 前記薬物が、HCV感染症の治療において使用される直接作用型抗ウイルス薬である、請求項1に記載の方法。 シトクロームP450モノオキシゲナーゼによって代謝される薬物の薬物動態を改善する又は血漿レベルを増大させるための方法であって、より低用量の前記薬物によって治療される患者に、薬物動態改善有効量又は血漿レベル増大有効量のアリスポリビルを投与するステップを含む、方法。 シトクロームP450モノオキシゲナーゼによるその分解によって有効性が損なわれる薬物の前に及び/又は薬物と実質的に同時に、アリスポリビルが投与される、請求項2に記載の方法。 薬物の薬物動態を改善する又は薬物の血漿レベルを増大させるための方法であって、前記薬物によって治療される患者に、薬物動態改善有効量又は血漿レベル増大有効量のアリスポリビルを投与するステップを含み、薬物が、P−糖タンパク質及び/又はシトクロームP450モノオキシゲナーゼ3A4の基質である、方法。 薬物の薬物動態を改善する又は薬物の血漿レベルを増大させるための方法であって、前記薬物によって治療されている患者に、薬物動態改善有効量又は血漿レベル増大有効量のアリスポリビルを併用投与するステップを含み、薬物が、P−糖タンパク質及びシトクロームP450モノオキシゲナーゼ3A4の基質である、方法。 アリスポリビルと、シトクロームP450モノオキシゲナーゼ3A4によって代謝される1種又は複数の化合物とを併用投与する方法。 アリスポリビルと、シトクロームP450モノオキシゲナーゼ3A4によって代謝される1種又は複数の化合物とを併用投与する方法であって、アリスポリビルを経口投与するステップを含み、用量低減又は化合物が同時投与される患者の臨床モニタリング又は化合物に関する併用投与の禁忌を別段考慮すべきである、方法。 アリスポリビルと、P−糖タンパク質、OATP1B1、MRP2、BSEP又はNTCPの基質である1種又は複数の化合物とを併用投与する方法であって、アリスポリビルを経口投与するステップを含み、用量低減又は化合物が同時投与される患者の臨床モニタリング又は化合物に関する併用投与の禁忌を別段考慮すべきである、方法。 アリスポリビルとバルサルタンとを併用投与する方法であって、アリスポリビルを経口投与するステップを含み、バルサルタンに関する用量低減を考慮すべきである、方法。 アリスポリビルと、テラプレビル又はボセプレビルとを併用投与する方法であって、アリスポリビルを経口投与するステップを含み、アリスポリビル、テラプレビル又はボセプレビルのいずれかに関する用量低減を考慮すべきである、方法。 アリスポリビル療法を必要とする患者にアリスポリビルを投与する又はアリスポリビル療法を必要とする患者の治療において使用するためのアリスポリビルを投与する方法であって、治療的有効量のアリスポリビルを患者に投与するステップと、医薬品を併用投与するステップとを含み、それによって有害な薬物相互作用が防止される、方法。 アリスポリビル療法を必要とする患者を治療する方法であって、それによって、同患者に投与される医薬品の薬物動態プロフィール及び薬力学プロフィールの変更に関連したリスクが防止される、方法。 医薬品の薬物動態を治療的に変更するためにアリスポリビルを使用する方法であって、アリスポリビルが、より低用量の投与、より低頻度の投与、又はより低用量かつより低頻度の投与により、前記薬物の同様の安全性及び有効性を達成及び維持する効果を有する、方法。


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