タイトル: | 公開特許公報(A)_トリアムシノロンアセトニドおよびヒアルロン酸を含有する眼の局所治療用組成物 |
出願番号: | 2015107783 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 9/10,A61K 9/14,A61P 27/02,A61K 47/36,A61K 31/573,A61K 31/58,A61K 47/30,A61K 45/00,A61P 29/00 |
パトリック・エム・ヒューズ オレスト・オレジュニック スコット・エム・ホイットカップ ジェイムズ・エイ・バーク JP 2015166384 公開特許公報(A) 20150924 2015107783 20150527 トリアムシノロンアセトニドおよびヒアルロン酸を含有する眼の局所治療用組成物 アラーガン、インコーポレイテッド 390040637 ALLERGAN,INCORPORATED 辻居 幸一 100092093 熊倉 禎男 100082005 箱田 篤 100084663 浅井 賢治 100093300 山崎 一夫 100119013 市川 さつき 100123777 パトリック・エム・ヒューズ オレスト・オレジュニック スコット・エム・ホイットカップ ジェイムズ・エイ・バーク US 60/537,620 20040120 A61K 9/10 20060101AFI20150828BHJP A61K 9/14 20060101ALI20150828BHJP A61P 27/02 20060101ALI20150828BHJP A61K 47/36 20060101ALI20150828BHJP A61K 31/573 20060101ALI20150828BHJP A61K 31/58 20060101ALI20150828BHJP A61K 47/30 20060101ALI20150828BHJP A61K 45/00 20060101ALI20150828BHJP A61P 29/00 20060101ALI20150828BHJP JPA61K9/10A61K9/14A61P27/02A61K47/36A61K31/573A61K31/58A61K47/30A61K45/00A61P29/00 6 2012009284 20050114 OL 18 4C076 4C084 4C086 4C076AA22 4C076AA31 4C076AA32 4C076AA95 4C076BB11 4C076BB24 4C076CC04 4C076CC10 4C076EE01Q 4C076EE30Q 4C076EE37Q 4C076FF01 4C076FF11 4C076FF16 4C076FF33 4C076FF34 4C076FF36 4C076FF43 4C076FF68 4C084AA17 4C084MA23 4C084MA41 4C084MA58 4C084MA66 4C084NA03 4C084NA05 4C084NA10 4C084NA13 4C084ZA331 4C084ZB111 4C086AA01 4C086AA02 4C086DA10 4C086DA12 4C086MA02 4C086MA05 4C086MA07 4C086MA23 4C086MA41 4C086MA58 4C086MA66 4C086NA03 4C086NA05 4C086NA10 4C086NA13 4C086ZA33 4C086ZB11 本発明は、ヒトまたは動物の後眼部に送達される組成物に関する。より具体的には、本発明は、後眼部に対して局所治療を提供する粒径および/または粒径分布を有する粒子中に存在する1またはそれ以上の難溶性の治療薬剤を含有する組成物に関する。 他の試薬のなかでも、コルチコステロイドは、後眼部に影響を及ぼす様々な眼疾患を処置するために用いられている。コルチコステロイドにより処置される疾患の例には次のものが挙げられる:網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、嚢胞様黄斑浮腫(CME)、糖尿病黄斑浮腫(DME)、糖尿病性黄斑網膜症、ブドウ膜炎、telanditis、加齢黄斑変性症(ARMD)並びに後眼部のその他の疾患。 眼の疾患の処置においてステロイドを全身投与することができるが、ステロイドの全身投与は、一般に眼科的使用にしては大きすぎる副作用を伴うことが多い。従って、局所的、脈絡膜上、結膜下、球後、および硝子体内投与も研究されてきた。 現在の治療薬剤の直接の硝子体内投与は全身投与に伴ういくつかの問題点を解決し得るが、存在する眼科用組成物の硝子体内投与は、ステロイドを投与する場合眼内圧亢進並びにステロイド緑内障および後嚢下白内障を引き起こし得る。例えば、眼内コルチコステロイド治療を受けた患者のおよそ25%は眼内圧(IOP)の上昇を経験し、10%の患者が28〜30mmHgのIOPを有する。小柱網細胞における変化から生じる流出抵抗の増加に起因するものと考えられている。眼内圧亢進は、「ステロイド緑内障」においては特に一般的なものである。 さらに、臨床現場で現在用いられている製剤は、内部の眼構造に対して毒性のある添加剤を含有している。例えばケナログ(商標)は、トリアムシノロンアセトニドの一般に入手可能な製剤であるが、そのような望ましくない添加剤を含有している。ケナログは、ウサギにおいてERG変化を引き起こすことが示されており、その保存剤(ベンジルアルコール)はそのような変化に関与している。 後眼部に投与される治療薬剤、特にコルチコステロイド、の望ましい作用部位は、一般に網膜色素上皮(RPE)である。RPEは、血液網膜関門並びに網膜下液の容積と組成の維持を司る単層細胞である。RPEの細胞は、外に血液網膜関門を含んでなり、閉鎖帯の堅い結合により繋がっている。従って、RPEへの化合物の透過はかなり制限される。即ち、投与経路を考慮しなければ、治療薬剤が外の血液網膜関門を通過することは制限される。これらの制限を克服するために、著しく高い、潜在的に毒性のある、用量の薬剤が頻繁に使用される。 ある特定の状況では、作用の持続時間の増大または毒性の一時的に高い全身濃度の減少を目的とした放出抑制または徐放化の技術により、薬物は投与される。 コルチコステロイドのような難溶性の治療薬剤は、局所的には十分に許容され、その固有の溶解速度のおかげで長い作用の持続時間を有する。例えば、トリアムシノロンアセトニドは、そのゆっくりとした溶解速度と許容性のために、直接の静脈内注射によって首尾良く投与されてきた。残念なことに、存在するトリアムシノロンアセトニド製剤による副作用として眼内炎並びに保存剤のベンジルアルコールによる網膜毒性が挙げられる。緑内障および白内障も観察される。 コルチコステロイドの水晶体濃度の減少は、これら薬物の白内障を引き起こす可能性を軽減するのに役立つ。さらに、コルチコステロイドの、後眼部の濃度と比較した場合の前眼部濃度の減少は、ステロイド誘発性の緑内障に関連すると考えられている小柱網におけるTIGR(MYOC,GLCIA)遺伝子活性上昇の機会を減少し得る。 このように、ヒトまたは動物の後眼部に注射するための新しい組成物、およびヒトまたは動物の後眼部において所望の治療効果をもたらすための方法が必要とされている。 ヒトまたは動物の後眼部を処置するための新規な組成物および方法を発見した。本組成物は、後眼部への硝子体内投与に非常に適しており、眼の後部に局在化した治療効果をもたらし、眼の前部の構造または組織に対する望ましくない副作用を減少させる。 1つの広範な態様では、本発明の組成物は、粒子の形態としてまたは粒子中に存在する治療薬剤を含む治療成分を含有する。その粒子は、ヒトまたは動物の患者の眼のRPEにおいて治療薬剤が濃厚な1またはそれ以上の領域を形成するような粒径になっている。その粒子は、RPEの細胞の食作用または飲作用により取り込まれ、それによって血液網膜関門を回避して眼疾患が処置されるような粒径になっている。ある特定の態様では、治療薬剤はコルチコステロイドのようなステロイドである。 本発明の粒子は、難溶性の治療薬剤と眼科的に許容し得る高分子化合物成分の組み合わせを含んでなることができる。例えば、本組成物は、トリアムシノロンアセトニドとビーズ等の粒子状の高分子化合物を含んでなることができる。さらなる態様では、本治療薬剤は、ビークルの懸濁液または担体中の粒子として形成される。例えば、少なくとも1つの態様において、本発明の粒子は、コルチコステロイドとヒアルロン酸等の多糖類の組み合わせを含有してなる。換言すれば、本発明の粒子は、ヒアルロン酸で安定化されたコルチコステロイドの粒子を含有することができる。本発明の粒子は、約3000nm未満の粒径を有し、ある特定の態様においては、本発明の粒子は約200nm未満の粒径である。 さらなる態様において、眼科的に許容し得る組成物は、約3000nmの有効平均粒子径を有するトリアムシノロンアセトニドの粒子の集団を含んでなる。ある1つの具体的な態様では、本発明の粒子は、トリアムシノロンアセトニドをヒアルロン酸に付すかまたは暴露することによって形成する。 さらなる態様では、トリアムシノロンアセトニドを含有する粒子の集団を提供する。本発明の粒子の集団は、3000nm未満の有効平均粒子径を有する。本発明の粒子は、眼に対する投与前は、液体中のビークルまたは担体成分中にて提供することができる。そのような担体成分の1つの例としては、ヒアルロン酸が挙げられる。本発明の粒子および担体成分はまた、眼に投与する前に、調剤装置内に入れて提供することができる。 患者の処置方法もまた開示し、本発明の範囲内に含まれる。一般に、そのような方法は、微粒子の治療薬剤含有組成物(例えば本発明の組成物)をヒトまたは動物の後眼部に投与すること(例えば注射すること)を含んでなる。そのような投与は、所望の治療効果をもたらすのに有効である。投与ステップは、硝子体内注射、結膜下注射、テノン嚢下注射、球後注射、脈絡膜上注射等の少なくとも1つを含んでなることが有用である。 本明細書に記載した、あらゆる特徴、およびそのような特徴の2つまたはそれ以上のあらゆる組合せは、本発明の範囲に含まれるが、そのような組合せに含まれる特徴は相互に矛盾しない。さらに、任意の特徴または特徴の組み合わせを本発明の任意の態様から具体的に排除してもよい。 本発明のこれらのおよびその他の態様および有用性は、以下の詳細な記載、実施例および請求の範囲から明らかである。 本発明は、患者に対して治療を提供する眼科組成物等の組成物に関する。本発明の開示によれば、好ましくは注射により、ヒトまたは動物(好ましくは生きているヒトまたは動物)の後眼部に入れるのに有用な組成物を開示する。後眼部(例えばガラス体)におけるこのような組成物は、特に、後眼部の1またはそれ以上の状態および/または疾患、および/または後眼部のそのような状態および/または疾患の1またはそれ以上の症状に対して治療上有効である。 一般に、本発明の組成物は、小さい粒子の形態または小さい粒子中に存在する難溶性の治療薬剤を含有する治療成分を含有してなる。本発明の粒子は、マイクロメートル乃至ナノメートルのオーダーのサイズ、例えば、長さ、幅、直径、断面積、表面積または体積を有する。治療薬剤は、粒子の形をしているかそうでなければそのような形に成型するか、あるいは他の材料の粒子に結合させてもよい。治療薬剤を含有する本発明の粒子は、本発明の組成物または粒子が投与される眼の網膜色素上皮(RPE)において、治療薬剤が濃厚な1またはそれ以上の領域を形成するのに有効な粒径を有する。治療薬剤の高濃度の領域は、後眼部に対する治療効果等の所望の治療効果をヒトまたは動物に提供するのに有効である。 対照的に、眼科的治療を提供するために用いられる既存の医薬組成物は、眼のRPEにおいて治療薬剤の高濃度の領域を形成しない治療薬剤を含有している。したがって、本明細書に開示する眼科的に許容し得る医薬組成物は、実質的に同一の治療薬剤を含有する既存の組成物と比較して、患者の後眼部へのより局在化した薬物送達をもたらすのに有効である。 難溶性の治療薬剤の高濃度の領域は、RPE等の患者の後眼部に局在化される。ある特定の態様では、本発明の粒子は、RPEにおいて、他のRPEの他の領域と比較して治療薬剤の濃厚な、1またはそれ以上のそれぞれ別々の領域を形成するような粒径にする。換言すれば、患者の後眼部への本明細書に開示した粒子を投与することにより、治療薬剤の相対的に高い濃度を有するRPEの1またはそれ以上の領域と治療薬剤の相対的に低い濃度を有する1またはそれ以上の領域とが生じる。 高濃度の領域は、治療薬剤のRPEの貯蔵場所として理解されまたはそのように機能する。粒子を、治療薬剤の高濃度の領域を形成するような適切な粒径にすることにより、その治療薬剤の患者への送達が長時間(例えば、数日、数週間、数ヶ月)にわたり持続する。従って、本明細書に開示する粒子は、後眼部への治療薬剤の持続した放出を提供するのに有用である。所望の治療効果を達成するために、相対的に受動的な生物学的および/または化学的プロセスによって実質的に継続した放出速度がもたらされる、または放出速度は不連続(例えば、拍動的または周期的)であってもよい。 ある特定の態様では、本組成物は、治療上有効な量の治療薬剤をその組成物を眼に投与する前に含有してなる。他の態様では、本組成物は、治療上有効な量より低い量(sub-therapeutically)の治療薬剤を眼に投与する前に含有し、そして治療薬剤の高濃度の領域を形成させてその治療薬剤の治療上有効な量としてもよい。換言すれば、高濃度の領域は、眼に組成物を投与する前のその組成物の治療薬剤の濃度よりも高い治療薬剤の濃度を有する。 高濃度の領域はさらに、組成物が眼に投与されるときの組成物中の治療薬剤の濃度と比較して高い治療薬剤濃度(例えば、眼の硝子体に存在する治療薬剤の濃度)を有する。 さらに、またはあるいは、高濃度の領域は、眼への投与前でも眼に投与し眼の硝子体に存在する後でも、組成物中の粒子濃度よりも高い粒子濃度を有する。治療薬剤の高濃度の領域は、実質的に同一の組成物であるけれどもその治療薬剤を粒子としてかまたは本明細書に開示したサイズと同じかまたは小さい粒径を有する粒子としては投与されないものと比較して、増大した治療効果をもたらすのに有用である。 例えば、本発明の治療薬剤は、組成物に対し少なくとも約10mg/mLの量で組成物中に存在する。本発明のある特定の態様の1つの利点は、RPE等の標的部位での治療薬剤を比較的高い量または濃度で得つつ、組成物中では治療薬剤を比較的低い量または濃度で含有する本組成物の効果的な能力である。このように、本治療薬剤は、約1%以下〜約5%または約10%または約20%または約25%または約30%またはそれ以上(W/V)の範囲の量で本組成物中に存在し得る。本明細書の開示によれば、ケナログ(商標)−40等の既存の組成物と比較して、後眼部に同じ量またはそれ以上の治療薬剤を提供するために後眼部に入れるまたは注射するのに必要な組成物の量を減らすことができる。 本治療薬剤を含有する粒子は、その粒子を組成物中に分散させて、眼に投与したときに、レンズ、虹彩毛様体、房水等の眼の前部の組織における治療薬剤に関連する毒性が減少するような粒径にする。このように粒子を適切な粒径にすることにより、治療薬剤の標的化された送達が得られ、眼の前部に対する毒性を軽減、好ましくは阻止することができる。 本明細書に開示するように、粒子として形成することができる治療薬剤の例として、任意の慣用の難溶性の眼科用治療薬剤が含まれるがこれに限定されない。そのような治療薬剤は、例えば25℃または37℃にて、水等の液体中で限定された溶解度を有することが有効である。例えば、治療薬剤は、25℃または37℃の水において10mg/mLの溶解度を有することが好ましい。当然、治療薬剤は、眼科的に許容されるもの、つまり、眼の構造または組織に対し実質的に有意のまたは相当の有害な作用をもたらさないものである。 例えば、治療薬剤としては、レチノイド、プロスタグランジン、チロシンキナーゼ阻害剤、アドレナリン受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、ドーパミン作動薬、コリン作動薬、炭酸脱水酵素阻害剤、グアニル酸シクラーゼ活性化剤、カンナビノイド、エンドセリン、アデノシン作動薬、抗血管新生化合物、血管新生抑制化合物、および神経保護物質が挙げられる。治療薬剤が難溶性でない場合は、当業者に知られている慣用の方法を用いて、物理的または化学的に修飾して難溶性にすることができる。 より具体的には、本発明の治療薬剤は、非ステロイド抗炎症薬、鎮痛薬、または解熱薬、βブロッカー、コルチコステロイド等のステロイド、抗新生物薬、免疫抑制剤、抗ウイルス剤および抗酸化剤が挙げられる。 非ステロイド炎症薬、鎮痛薬および解熱薬の非限定的な例としては、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、エトドラク、フェノプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、オキサプロジン、ピロキシカム、スリンダック、ジフルニサル、メフェナム酸およびそれらの誘導体が挙げられる。 本明細書に用いられる「誘導体」なる用語は、その誘導体であるところのもとの物質に対して、その物質の代わりにそれを用いた場合に、その物質と実質的に同様の官能性または活性(例えば治療効果)を有するように、十分に構造が類似する任意の物質を意味する。本明細書に開示した誘導体の任意の官能性は、当業者に周知の慣用の方法によって決定することができる。 抗生物質の例としては、以下ものが挙げられるがこれに限定されない:ロラダチン、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、クロロフェニラミン、ブロロフェニラミン、シプロヘプタジン、テルフェナジン、クレマスチン、トリプロリジン、カルビノキサミン、ジフェニルピラリン、フェニンダミン、アザタジン、トリペレナミン、デキサクロロフェニラミン、デキサブロロフェニラミン、メタジラジン、およびトリプラジンドキシラミン、フェニラミン、ピリラミン、クロルシクリジン、トンジルアミンおよびそれらの誘導体。 抗生物質の例として、以下ものが挙げられるがこれに限定されない:セファゾリン、セフラジン、セファクロル、セファピリン、セフチゾキシム、セフォペラゾン、セフォテタン、セフトキシム、セフォタキシム、セファドロキシル、セフタジジム、セファレキシン、セファロチン、セファマンドール、セフォキシチン、セフォニシド、セフォラニド、セフトリアキソン、セファドロキシル、セフラジン、セフロキシム、アンピシリン、アモキシリン、シクラシリン、アンピシリン、ペニシリンG、ペニシリンVカリウム、ピペラシリン、オキサシリン、バカンピシリン、クロキサシリン、チカルシリン、アズロシリン、カルベニシリン、メチシリン、ナフシリン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、アズトレオナム、クロロアムフェニコール、シプロフロキサシン塩酸塩、クリンダマイシン、メトロニダゾール、ゲンタマイシン、リンコマイシン、トブラマイシン、バンコマイシン、ポリミキシンBスルフェート、コリスチメタン、コリスチン、アジスロマイシン、アーギュメンチン、スルファメトキサゾール、トリメトプリン、およびそれらの誘導体。 βブロッカーの例としては、アセブトロール、アテノロール、ラベタロール、メトプロロール、プロプラノロール、およびそれらの誘導体が挙げられる。 コルチコステロイドの例としては次のものが挙げられる:コルチゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、フルオロメトロン、デキサメタゾン、メドリゾン、ロテプレドノール、フルアザコルト、ヒドロコルチゾン、プレドニゾントリアムシノロン、ベタメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンヘキサカトニド、パラメタゾンアセテート、ジフロラゾン、フルオシノロンおよびフルオシノニド、それらの誘導体、およびそれらの混合物。 抗新生物薬の例としては次のものが挙げられる:アドリアマイシン、シクロホスファミド、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビン、エピルビシン、マイトマイシン、メトトレキセート、フルオロウラシル、カルボプラチン、カルムスチン(BCNU)、メチル−CCNU、シスプラチン、エトポシド、インターフェロン、カンプトセシンおよびそれらの誘導体、フェネステリン、タキソールおよびそれらの誘導体、タキソテールおよびそれらの誘導体、ビンブラスチン、ビンクリスチン、タモキシフェン、エトポシド、ピポスルファン、シクロホスファミド、およびフルタミド、およびそれらの誘導体。 免疫抑制剤の例としては、シクロスポリン、アザチオプリン、タクロリムス、およびそれらの誘導体が挙げられる。 抗ウイルス薬の例としては、インターフェロンガンマ、ジドブジン、アマンタジンハイドロクロライド、リバビリン、アシクロビル、バルシクロビル、ジデオキシシチジン、およびそれらの誘導体が挙げられる。 抗酸化剤の例としては以下ものが挙げられる:アスコルビン酸塩、アルファ−トコフェロール、マンニトール、還元グルタチオン、種々のカロチノイド、システイン、尿酸、タウリン、チロシン、スーパーオキシドジスムターゼ、ルテイン、ゼアキサンチン、クリオトプキサンチン、アスタザンチン、リコピン、n−アセチル−システイン、カルノシン、ガンマ−グルタミルシステイン、ケルセチン、ラクトフェリン、ジヒドロリポ酸、クエン酸塩、イチョウ葉エキス、茶カテキン、ビルベリーエキス、ビタミンE類またはビタミンEのエステル、パルミチン酸レチニル、およびそれらの誘導体。 その他の治療薬剤としては、炭酸脱水酵素阻害剤、アルファアゴニスト、プロスタミド、プロスタグランジン、駆虫薬、抗真菌剤、およびそれらの誘導体が挙げられる。 本発明の好ましい態様では、治療的に活性な薬剤または治療薬剤は、レチノイド、プロスタグランジン、チロシンキナーゼ阻害剤、グルココルチコイド、アンドロゲン性ステロイド、エストロゲン性ステロイド、または非エストロゲン性ステロイド、細胞内接着分子阻害剤、またはアルファ−2−アドレナリン受容体アゴニストを含有する。1つの具体的な態様では、本発明の治療薬剤は、トリアムシノロンアセトニドである。 本発明組成物の治療薬剤には、本明細書において具体的に示したものを含め、本治療薬剤の塩およびプロドラッグまたは前駆体のいずれか1つまたはすべてを含んでいてよい。 ある特定の態様では、本発明の治療成分は、2以上の治療薬剤を含有する粒子を含むことができる。換言すれば、本発明組成物の治療成分は、第1の治療薬剤と第2の治療薬剤または治療薬剤の組合せを含有する。治療薬剤の例としては、上記のものの任意の組合せが挙げられる。そのような組成物の1以上の治療薬剤を、本明細書中に開示するように粒子として形成させるかまたは粒子中に存在させる。 本明細書中に開示した組成物は、治療薬剤を含有する粒子の集団を含んでなる、そのような粒子の集団から本質的に構成される、またはそのような粒子の集団から構成される治療成分を含有する。それぞれの粒子はある粒径を有する。粒子の群として粒子の集団を定義する場合、その粒子集団は、その集団の粒子の平均の粒径に相当する有効平均粒径を有する。任意の与えられた集団において粒径が均一に分布し得る。例えば、粒子集団において、その粒子の平均のサイズに関して粒径が対照的に分布し得る。または、非対称的に粒径が分布していてもよい。例えば、粒子集団は、粒子集団の粒径の中央値から非対称に離れた有効平均粒径を有することもある。 ある特定の態様では、本組成物は、第1の治療薬剤を含有する粒子の集団と第2の治療薬剤を含有する粒子の集団とを含んでなる。即ち、少なくとも1つの態様では、組成物は、治療薬剤の高濃度の領域を形成するのに有効な有効平均粒径を有する粒子の集団を含んでなる。ある特定の態様では、粒子の集団は、RPE細胞による食作用を促進するのに有効な平均粒径を有する。他の態様では、粒子の集団は、RPE細胞による飲作用を促進するのに有効な平均粒径を有する。本明細書に開示した組成物は、所望のまたは予め決められた粒径を有する、予め決められた数の粒子の集団を有する。このことにより、特定の粒径の粒子の予め決められた数の集団を有していない既存の組成物と比較して、増大した治療効果を提供することができる。例えば、いくつかの組成物は「微粉」治療薬剤粒子を含有しているかもしれない。本明細書に用いられる「微粉」とは、粒子の製造過程で無秩序に形成した粒子と理解される。「微粉」は比較的小さいものであるが、それらは無秩序にできるので所望の治療効果をもたらさない。 粒子が食作用を促進するようなある特定の態様では、粒子の平均粒径は3000ナノメートルである。通常、粒子は約3000ナノメートルよりも小さい有効平均粒径を有する。より具体的な態様では、粒子は、大体3000ナノメートルよりも小さいオーダーの有効平均粒径を有する。例えば、粒子は約500ナノメートルよりも小さい有効平均粒径を有する。さらなる態様では、粒子は約400ナノメートルよりも小さい有効平均粒径を有し、さらなる態様では約200ナノメートルよりも小さい有効平均粒径を有する。粒径を小さくすることは、食作用のメカニズムと比較して、飲作用のメカニズムにより粒子が高濃度の領域を形成するのに有効である。 さらに、本組成物は、それぞれ異なる有効平均粒径を有する2以上の粒子集団を有する治療成分を含んでなる。1つの具体的な態様では、治療成分は、約200ナノメートル未満の有効平均粒径を有する治療薬剤を含んでなる第1の粒子集団と、約200ナノメートル〜約400ナノメートルの範囲の有効平均粒径を有する第2の粒子集団、および約400〜約3000ナノメートルの範囲の有効平均粒径を有する第3の粒子集団を含んでなる。 少なくとも1つの態様において、本組成物の粒子は、治療薬剤と後眼部への投与に適した高分子化合物を、含んでなる、それらから本質的になる、またはそれらから構成される。治療薬剤と組み合わされた高分子化合物は、高分子化合物成分と理解される。いくつかの態様では、粒子は、D,L−ポリラクチド(PLA)またはラテックス(カルボン酸修飾ポリスチレンビーズ)以外の材料を含んでなる。ある特定の態様では、高分子化合物成分は多糖類を含んでなる。例えば、高分子化合物成分はムコ多糖を含んでなる。少なくとも1つの具体的な態様では、高分子化合物成分はヒアルロン酸である。 しかし、さらなる態様では、高分子化合物成分は、天然物または合成物に由来する哺乳類の身体において有用な任意の高分子化合物材料を含んでなる。本発明に有用な高分子化合物材料のいくつかのさらなる例としては、炭水化物ベースの高分子化合物(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、デキストリン、シクロデキストリン、アルギン酸塩、ヒアルロン酸およびキトサン)、タンパク質ベースの高分子化合物(例えば、ゼラチン、コラーゲンおよびグリコールタンパク質)、ヒドロキシ酸ポリエステル(例えば、ポリラクチド−コグリコリド(PLGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコリド、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリホスファゼン、およびポリオルトエステル)が挙げられる。高分子化合物はまた、架橋・分岐していてもよく、また共重合体として本発明において用いることもできる。その他の高分子化合物担体としては、アルブミン、ポリ無水物、ポリエチレングリコール、ポリビニルポリヒドロキシアルキルメタクリル酸塩、ピロリドンおよびポリビニルアルコールが挙げられる。 非侵食性高分子化合物の例としては、シリコーン、ポリカーボネート、ポリビニルクロリド、ポリアミド、ポリスルホン、ポリビニルアセテート、ポリウレタン、エチルビニルアセテート誘導体、アクリル樹脂、架橋ポリビニルアルコールおよび架橋ポリビニルピロリドン、ポリスチレンおよび酢酸セルロース誘導体が挙げられる。 これらのさらなる高分子化合物材料は、いずれかの治療薬剤と共に有用である。例えば、一態様において、PLAまたはPLGAの粒子をトリアムシノロンアセトニドと結合させることができる。 治療薬剤(1つまたは複数)の粒子もまた、組成物の製造において製薬的に許容し得るビークル成分と組み合わせることができる。少なくとも1つの態様において、ビークル成分は水性である。例えば組成物は水を含んでなる。 ある特定の態様では、ビークル成分はさらに有効量の少なくとも1つの増粘成分、再懸濁成分、保存成分、張力成分および緩衝成分を含有し得る。いくつかの態様では、本明細書に開示した本組成物は、保存成分は添加されない。他の態様では、組成物は再懸濁成分を含有しない。 水性担体成分は、有利には眼科的に許容し得るものであり、眼科組成物に有用な1またはそれ以上の慣用の賦形剤が挙げられる。 本発明の製剤は好ましくは多量の液状の水を含有する。本発明の組成物は、例えば眼に用いる前に滅菌することができ、滅菌するのが好ましい。 本発明の組成物は好ましくは、組成物のpHを制御するのに有効な量の少なくとも1つの緩衝成分および/または組成物の張力または浸透圧を制御するのに有効な量の少なくとも1つの張力成分を含有する。より好ましくは、本発明の組成物は、緩衝成分と張力成分の両方を含有する。 緩衝成分および張力成分は眼科の分野において慣用で周知のものから選択することができる。 そのような緩衝成分の例としては、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液など、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。リン酸緩衝液は特に有用である。有用な張力成分としては、塩類、具体的には塩化ナトリウム、塩化カリウム、他の適当な眼科的に許容し得る張力成分およびその混合物が挙げられるがこれに限定されない。 好ましく用いられる緩衝成分の量は、組成物のpHを約6から約8、より好ましくは約7から約7.5に維持するのに十分な量である。好ましく用いられる張力成分の量はそれぞれ、約200〜約400、より好ましくは約250〜約350mosmol/kgの範囲の重量オスモル濃度を本組成物に与えるのに十分な量である。有利には、本発明の組成物は実質的に等張である。 本発明の組成物は、1またはそれ以上の有用な特性および/または利点を与えるのに有効な量の1またはそれ以上の他の成分を含有し得る。例えば、本発明の組成物は実質的に保存料成分を含有していなくてもよいが、他の態様では、本発明の組成物は、有効量の保存料成分を含有し、好ましくはそのような成分は、ベンジルアルコールよりも、その組成物が入れられるところの後眼部における組織に対してより適合性があるかまたは親和性がある。そのような保存料成分の例としては、塩化ベンザルコニウム、メチルおよびエチルパラベン、ヘキセチジン、亜塩素酸成分(安定化二酸化塩素、金属亜塩素酸塩等)、他の眼科的に適合しうる保存料など、およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。本発明の保存料成分は、存在する場合、本組成物における濃度は、その組成物を保存するのに有効な濃度であり、多くの場合、組成物の約0.00001%〜約0.05%または約0.1%(w/v)である。 さらに、本発明の組成物は、本発明の組成物において治療成分粒子の懸濁または再懸濁を促進するのに有効な量の再懸濁成分を含有し得る。上記からわかるように、ある特定の態様では、本発明の組成物は、再懸濁成分を含有しない。本発明組成物の他の態様では、例えば、所望ならば治療成分粒子が懸濁状態を維持する、および/またはそのような再懸濁が所望であれば本発明の組成物において比較的簡単に再懸濁できるという、高められた程度の保険を与えるために有効量の再懸濁成分を用いる。有利には、再懸濁成分が存在する場合、本発明にしたがって用いられる再懸濁成分は、ポリソルベート80よりも、その組成物が入れられるところの後眼部の組織に対してより適合性の高いまたは親和性のあるものが選択される。 任意の適当な再懸濁成分は、本発明にしたがって用いることができる。そのような再懸濁成分の例としては、例えばプルロニック(登録商標)として販売されているポロキサン、チロキサポル、サルコシネート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、その他の表面活性剤等の表面活性剤およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。 1つの非常に有用なクラスの再懸濁成分はビタミン誘導体から選択されるものである。そのような物質はこれまで眼科用組成物における表面活性剤としての用途は示唆されてきたが、本発明の組成物において再懸濁成分として有効であることが分かった。有用ナビタミン誘導体の例としては、ビタミンE、トコフェノールポリエチレングリコールサクシネート(ビタミンEトコフェニルポリエチレングリコール1000サクシネート(ビタミンETPGS))が挙げられるがこれに限定されない。他の有用なビタミン誘導体としては、ポリエチレングリコールとコハク酸との間のエステル結合がアミド基に置き換わっているビタミンEトコフェニルポリエチレングリコールスクシンアミド(ビタミンEトコフェニルポリエチレングリコール1000スクシンアミド(ビタミンE TPGSA))が挙げられるがこれに限定されない。 本発明に有用な再懸濁成分は、存在する場合、例えば組成物の製造中又はその後で、本発明の組成物における粒子の懸濁を促進するのに有効な量で存在する。用いられる再懸濁成分の具体的な量は、例えば用いられる具体的な再懸濁成分、その再懸濁成分が用いられる組成物等の因子に依存して、広い範囲に渡って変更することができる。再懸濁成分が存在する場合、適当な濃度は、組成物の約0.01%〜約5%、例えば約0.02%または約0.05%〜約1.0%(W/V)の範囲である。 本明細書に開示の組成物は、増粘成分を含有しない同一の組成物と比較してその組成物に増大した粘度を与えるのに有効な量の増粘性分を含有し得る。増粘成分は少なくとも1つの粘弾性試薬を含有し得る。 任意の適当な増粘成分を、例えば、眼科的に許容し得る増粘成分を本発明にしたがって用いることができる。そのような増粘成分の多くは、開発されおよび/または眼に用いられる眼科組成物に使用されてきた。増粘成分は組成物に所望の粘度を与えるのに有効な量で存在する。有利には、増粘成分は、組成物の約0.5%または約1.0%から約5%、または約10%または約20%(W/V)の範囲の量で存在する。具体的な量の増粘成分は、例えば用いる具体的な増粘成分、用いられる増粘成分の分子量、製造されおよび/または用いられる本組成物に所望の粘度などが挙げられるがこれに限定されない数多くの要因に依存して用いられる。増粘成分は、例えば、後眼部への注射能力、粘度、再懸濁操作なしでの懸濁液(例えば、実質的に均一な懸濁液)中のコルチコステロイド成分粒子の長期間の持続性、組成物が入れられるところの後眼部の組織との適合性および同様の利点のそれぞれに関して、本発明の組成物に少なくとも1つの利点、好ましくは複数の利点、が得られるように選択される。より好ましくは、選択された増粘成分は上記の利点の2またはそれ以上、さらにより好ましくは上記の利点の全てを与えるのに有効である。 増粘成分は好ましくは、高分子化合物成分および/または眼科外科手術に有用な材料など、少なくとも1つの粘弾性剤を含有する。 有用な増粘成分の例としては、ヒアルロン酸、カルボマー、ポリアクリル酸、セルロース誘導体、ポリカルボフィル、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、デキストリン、ポリサッカライド、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニル酢酸、それらの誘導体およびそれらの混合物が挙げられるがこれに限定されない。 本発明に有用な増粘成分の分子量は、約10,000ダルトンまたはそれ未満から約2,000,000ダルトンまたはそれ以上の範囲である。1つの特に有用な態様では、増粘成分の分子量は、約100,000ダルトンまたは約200,000ダルトンから約1,000,000ダルトンまたは約1,500,000ダルトンの範囲である。さらに、本発明に有用な増粘成分の分子量は、用いる増粘成分の種類や、問題の本組成物の所望の最終の粘度、並びに1又はそれ以上のさらなる要因に基づいて実質的な範囲にわたり変更することができる。 非常に有用な態様では、増粘成分は、ヒアルロン酸成分、例えばヒアルロン酸金属塩成分、好ましくはヒアルロン酸アルカリ金属塩、ヒアルロン酸アルカリ土類金属塩およびその混合物、およびさらに好ましくはヒアルロン酸ナトリウムおよびその混合物から選択される。そのようなヒアルロン酸塩成分の分子量は、好ましくは約50,000ダルトンまたは約100,000ダルトンから約1,300,000ダルトンまたは約2,000,000ダルトンの範囲である。1態様では、本発明の組成物は、約0.05%から約0.5%(W/V)の範囲の量のヒアルロン酸塩成分を含有する。さらに有用な態様では、ヒアルロン酸塩成分は、組成物の約1%から約4%(W/V)の範囲の量で存在する。後者の場合には、非常に高い高分子化合物の粘性によってゲルが形成され、想定される組成物の保存期間(例えば少なくとも約2年間)、多くは再懸濁処理を必要としない程度まで、粒子の沈降速度を遅くする。注射針と注射筒によってゲルをバルクコンテナから移すことは容易ではないので、そのような組成物を予め充填した注射器として販売してもよい。 少なくとも1つの態様において、増粘成分は以下からなる群から選択される:ヒアルロン酸、カルボマー、ポリアクリル酸、セルロース誘導体、ポリカルボフィル、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、デキストリン、ポリサッカライド、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニル酢酸、それらの誘導体およびそれらの混合物。ある特定の態様では、増粘成分は、ヒアルロン酸成分(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム)を含有してなる。有利には、ヒアルロン酸成分から防止された粒子の形態で治療薬剤を含んでなる治療成分を含有する組成物は、組成物に有効な粘度をもたらすと同時に治療薬剤の望ましい高濃度の領域の形成をもたらすことが見出された。 少なくとも1つの態様では、眼科的に許容し得る組成物は、約3000ナノメートル未満の有効平均粒子径を有するトリアムシノロンアセトニドの粒子を含有してなる。本明細書に開示するように、治療薬剤の高濃度の領域の形成に飲作用のメカニズムが望ましい場合、本組成物は、粒子集団の少なくとも大部分が約500ナノメートル未満の粒径である。 本発明の少なくとも1つの他の態様では、トリアムシノロンアセトニドの粒子の集団は約3000ナノメートル未満の有効平均粒子径を有する。例えば、粒子の集団は、約500ナノメートル未満の有効平均粒子径を有する。少なくとも1つの態様では、粒子の集団は約200〜約400ナノメートルの有効平均粒子径を有する。 トリアムシノロンアセトニドの粒子の集団は、液体担体成分、好ましくは眼科的に許容し得る液体担体成分中にて提供することができる。液体担体の一例としては、ヒアルロン酸が挙げられる。粒子と液体担体成分との組合せは容器(バイアル等)および/または調剤装置中にて提供することができる。例えば、粒子の集団が患者の後眼部に投与される場合、その粒子の集団は、本明細書に記載しているように、眼、好ましくは後眼部への粒子の投与用に設定された注射器中にて提供することができる。 少なくとも1つの態様では、粒子は、トリアムシノロンアセトニドとヒアルロン酸の組合せを含んでなる。ヒアルロン酸はトリアムシノロンアセトニドの粒子を安定化すると考えられる。粒子は、眼に投与したときに、その粒子の輸送を促進するのに有効なサイズ(幅、長さ、直径、面積または体積等)を有する。 本発明の他の少なくとも1つの態様では、コルチコステロイド等の難溶性のステロイドは小さい粒子として提供される。その粒子は、好ましくは約3000ナノメートル未満、好ましくは約400ナノメートル未満、さらに好ましくは約200ナノメートル未満の有効平均粒子径を有する。ステロイドは、好ましくは約10mg/mLの溶解度を有する。少なくとも1つの態様では、難溶性ステロイドはトリアムシノロンアセトニドである。粒子は、難溶性ステロイドとヒアルロン酸成分とを混合することによって形成させることができる。粒子の安定化は、表面のステロイドの、ヒアルロン酸またはヒアルロン酸ナトリウムによる1またはそれ以上の修飾によって得ることができる。 本発明の粒子は、本明細書に開示する医薬組成物のような医薬組成物中にて提供することができる。少なくとも1つの態様では、組成物は、200ナノメートル未満の粒径を有する第1の粒子集団、約200〜約400ナノメートルの有効平均粒子径を有する第2の粒子集団、および約400〜約3000ナノメートルの有効平均粒子径を有する第3の粒子集団を含んでなる。さらなる態様では、組成物は、異なる有効平均粒子径を有する2つの粒子集団のみを有しても良い。そのような組成物は、本明細書において議論したように、治療薬剤の微粉を、実質的に含まない、好ましくは完全に含まない。 本明細書に開示した治療薬剤(トリアムシノロンアセトニドを含む)の粒子は、治療薬剤と患者の後眼部に投与するのに適した高分子化合物成分の比較的大きな粒子の組成物(眼科用組成物である必要はない)を、眼に入れたときにその治療薬剤の高濃度の領域を形成するのに有効な有効平均粒子径を有するより小さな粒子にするのに有効な条件に付することによって製造することができる。例えば、粒子は約3000ナノメートル以下の粒径に減少させることができる。高分子化合物成分は、組成物の製品においてより小さな粒子の安定化に有効な量で存在する。 少なくとも1つの態様では、本組成物の製品を粉砕工程に付する。例えば、粒子をボールミルにかけることができる。一例として、ヒアルロン酸を活性な治療薬剤の約10〜約200重量%の量で治療薬剤の粒子に加えることができる。ヒアルロン酸は水溶液の形態で添加することができる。次いで、ヒアルロン酸溶液中で、治療薬剤を平均粒子粒径が所望の範囲になるまで粉砕することができる。 粒子は粒径の違いにより異なる集団に仕分けされる。例えば、粒子を一連の異なるサイズの孔を有する一連のフィルターを通過させて大きな粒子を小さい粒子から次第に分離していくことによって仕分けすることができる。 ある特定の態様では、粒子は、本明細書の一部を構成する米国特許第6,387,409号、同第5,565,188号および/または同第5,552,160号に開示されているような方法を用いて製造することができる。 本組成物は、適当な混合/加工技術、例えば、1またはそれ以上の慣用的な混合技術を用いて製造することができる。調製物の加工は、ヒトまたは動物の後眼部へ入れるまたは注射するのに有用な形態で本発明の組成物を提供するために選択される。一態様では、高濃度の治療成分分散液は、本明細書に開示するように、粒子の形態の治療薬剤を最終の眼科組成物に含有される水および賦形剤と混合することによって得られる。成分を混合して治療薬剤成分を分散させた後、オートクレーブに付する。 上記の粒子のような粒子を含む組成物を患者に投与して患者に治療を施すことができる。例えば、組成物をヒトまたは動物の患者に投与して眼の状態または疾患を処置することができる。 本発明にしたがって処置または対応することができる疾患/状態には、以下のものが含まれるがこれに限定されない。 黄斑症/網膜変性:非滲出性加齢黄斑変性症(ARMD)、滲出性加齢黄斑変性症(ARMD)、脈絡膜血管新生、糖尿病性網膜症、急性斑状視神経網膜症、中心性漿液性網脈絡膜症、類嚢胞黄斑浮腫、糖尿病性黄斑浮腫。 ブドウ膜炎/網膜炎/脈絡膜炎:急性多発性小板状色素上皮症、ベーチェット病、バードショット網膜脈絡膜炎、感染症(梅毒、ライム病、結核、トキソプラズマ症)、中間部ブドウ膜炎(扁平部炎)、多発性脈絡膜炎、多発性一過性網膜白点症候群(MEWDS)、眼サルコイドーシス、後部強膜炎、蛇行性脈絡膜炎、網膜下線維症およびブドウ膜炎症候群、原田病(Vogt-Koyanagi-Harada Syndrome)。 血管病/滲出性疾患:網膜動脈閉塞疾患、網膜中心静脈閉塞症、播種性血管内凝固障害、網膜静脈分枝閉塞症、高血圧性眼底変化、眼虚血症候群、網膜微細動脈瘤、コーツ病、傍中心窩毛細血管拡張症、半側網膜静脈閉塞症(Hemi- Retinal Vein Occlusion)、Papillo静脈炎、網膜中心動脈閉塞、網膜動脈分枝閉塞症、頸動脈疾患(CAD)、糖衣状分岐血管炎(Frosted Branch Arterial)、鎌状赤血球網膜症およびその他の異常血色素症、網膜色素線条、家族性滲出性硝子体網膜症、イ−ルズ病。 外傷/外科手術:交感性眼炎、ブドウ膜炎性網膜疾患、網膜剥離、外傷、網膜レーザー光治療、光凝固、外科手術中の血流低下、放射線網膜症、骨髄移植網膜症。 増殖障害:増殖性Vitreal網膜症および網膜上膜、増殖性糖尿病性網膜症。 感染性障害(眼ヒストプラスマ症、眼トクソカリアシス、推定眼ヒストプラスマ症症候群(POHS)、眼内炎、トキソプラスマ症、HIV感染に関連する網膜疾患、HIV感染に関連する脈絡膜疾患、HIV感染に関連するブドウ膜炎性疾患、ウイルス性網膜炎、急性網膜壊死、進行性網膜外層壊死、真菌性網膜疾患、眼梅毒、眼結核、片側性瀰漫性亜急性視神経網膜炎、ハエウジ病)。 遺伝病:網膜色素変性、網膜ジストロフィーに関連する全身性障害、先天性静止性夜盲症、錐体ジストロフィー、スタルガルト病および黄色斑眼底、ベスト病、網膜色素上皮のパターンジストロフィー、X線に関連する網膜分離、Sorsby's基底ジストロフィー、良性求心性黄斑、Bietti's crystallineジストロフィー、弾性線維性仮性黄色腫。 網膜裂傷/円孔:網膜剥離、黄斑円孔、大きな網膜裂傷。 腫瘍:腫瘍に関連する網膜疾患、前部および後部ぶどう膜メラノーマの先天性肥大、脈絡膜血管腫、脈絡膜骨腫、脈絡膜転移、網膜および網膜色素上皮の複合性過誤腫、網膜芽腫、眼底の血管増殖性腫瘍、網膜星状細胞腫、および眼内リンパ球腫瘍。 その他:Punctate Inner Choroidopathy、急性後部多発性小板状色素上皮症、近視性網膜変性、急性網膜色素上皮炎等。 一態様では、本明細書に開示した組成物のように、組成物をヒトまたは動物の患者、好ましくは生きているヒトまたは動物、の後眼部に投与する。少なくとも1つの態様では、組成物を眼の網膜下腔にアクセスすることなく投与する。例えば、患者を処置する方法には、後眼房に組成物を直接注射することが含まれる。他の態様では、患者を処置する方法には、静脈注射、結膜下注射、テノン嚢下注射、球後注射および脈絡膜上注射等の少なくとも1つにより組成物を患者に投与することを含んでなる。 少なくとも1つの態様では、後眼部の眼疾患を処置する方法には粒子の集団またはそのよう粒子を含有する組成物を、静脈注射、結膜下注射、テノン嚢下注射、球後注射および脈絡膜上注射等の少なくとも1つにより本明細書に開示するように患者に投与することを含んでなる。適当なサイズの注射針、例えば27ゲージまたは30ゲージの注射針を備えた注射器を有効に使用して本組成物をヒトまたは動物の後眼部に注射することができる。本発明の方法は、後眼部の1回の注射により行うか、または例えば約1週間〜約1ヶ月、または約3ヶ月〜約6ヶ月または約1年またはそれ以上の長期間に渡り複数回の注射を行なってもよい。 本発明のさらなる態様では、本明細書に開示した粒子および/または組成物は、本明細書に開示した状態を含め、1またはそれ以上の眼の状態(例えば、患者の後眼部が冒されている眼の状態等)を処置するのに有効な医薬の製造に用いられる。 種々の具体的な実施例および態様に関して本発明を記載したが、本発明はそれらに限定されるものと理解すべきではなく、請求の範囲の範囲内で様々に実施することができると解される。 生きているヒトまたは動物の後眼部に入れるための医薬組成物であって、眼の網膜色素上皮(RPE)において治療薬剤の高濃度の領域を形成するのに有効なサイズを有する、ヒトまたは動物の後眼部に投与したときにそのヒトまたは動物に対して所望の治療効果をもたらすのに有効な粒子の形態で難溶性の治療薬剤を含んでなる治療成分を含んでなる、医薬組成物。 前記粒子が、眼に投与したときに組成物における治療薬剤の濃度と比較してより高い治療薬剤濃度を有する高濃度の領域を形成するのに有効なサイズを有する、請求項1記載の組成物。 前記粒子が、眼において分配されて眼の前部組織において治療薬剤に伴う毒性が減少するようなサイズになっている請求項1記載の組成物。 前記粒子が、治療薬剤および後眼部への投与に適した高分子化合物を含んでなる請求項1記載の組成物。 粒子を安定化するために前記粒子に対して配した多糖成分をさらに含有する請求項1記載の組成物。 前記高分子化合物がヒアルロン酸である、請求項5記載の組成物。 前記粒子が、RPEによる粒子の食作用を促進するのに有効な平均粒子径を有する、請求項1記載の組成物。 前記粒子が、RPEによる粒子の飲作用を促進するのに有効な平均粒子径を有する、請求項1記載の組成物。 前記治療薬剤が、約3000ナノメートル未満の有効平均粒子径を有する粒子として形成されている請求項1記載の組成物。 前記治療薬剤が、約500ナノメートル未満の有効平均粒子径を有する粒子として形成されている請求項1記載の組成物. 前記治療薬剤が、約400ナノメートル未満の有効平均粒子径を有する粒子として形成されている請求項1記載の組成物. 前記治療薬剤が、約200ナノメートル未満の有効平均粒子径を有する粒子として形成されている請求項1記載の組成物。 前記治療成分が、約200ナノメートル未満の有効平均粒子径を有する第1の粒子集団、約200〜400ナノメートル未満の範囲の有効平均粒子径を有する第2の粒子集団、約400〜約3000ナノメートル未満の範囲の有効平均粒子径を有する第3の粒子集団を含んでなる、請求項1記載の組成物。 前記治療薬剤の25℃の水における溶解度が約10mg/mlである請求項1記載の組成物。 前記治療薬剤がコルチコステロイドを含んでなる請求項1記載の組成物。 有効量の製薬的に許容し得るビークル成分をさらに含有する請求項1記載の組成物。 ビークル成分が水性である、請求項16記載の組成物。 前記治療薬剤が組成物の約25%(w/v)までの量で存在する請求項16記載の組成物。 請求項1記載の組成物をヒトまたは動物の後眼部に投与することを含んでなり、それにより所望の治療効果が得られる治療方法。 前記投与ステップが硝子体内注射を含んでなる請求項19記載の方法。 前記投与ステップが結膜下注射を含んでなる請求項19記載の方法。 前記投与ステップがテノン嚢下注射を含んでなる請求項19記載の方法。 前記投与ステップが球後注射を含んでなる請求項19記載の方法。 前記投与ステップが脈絡膜上注射を含んでなる請求項19記載の方法。 生きているヒトまたは動物の後眼部に入れるための医薬組成物であって、眼の網膜色素上皮(RPE)において難溶性ステロイドの高濃度の領域を形成するのに有効なサイズを有する、ヒトまたは動物の後眼部に投与したときにそのヒトまたは動物に対して所望の治療効果をもたらすのに有効な粒子の形態で該難溶性ステロイドを含んでなる治療成分を含んでなる、医薬組成物。 前記治療成分が、コルチコステロイドを含有する請求項25記載の組成物。 前記治療成分が、難溶性ステロイドを含有する第1の粒子集団および難溶性ステロイドを含有する第2の粒子集団を含んでなり、該第2の粒子集団が該第1の粒子集団とは異なる有効平均粒子径を有する、請求項25記載の組成物。 該粒子が約200〜約3000ナノメートルのサイズを有する請求項25記載の組成物。 眼科的に許容し得るビークル成分をさらに含んでなる請求項25記載の組成物。 約3000ナノメートル未満の有効平均粒子径を有するトリアムシノロンアセトニドを含有する粒子集団を含んでなる眼科的に許容し得る組成物。 前記粒子集団が約500ナノメートル未満の有効平均粒子径を有する請求項30記載の組成物。(原文に記載なし) 前記粒子集団が約200ナノメートル未満の有効平均粒子径を有する請求項30記載の組成物。 トリアムシノロンアセトニドを含有する第1の粒子集団および該第1の粒子集団の有効平均粒子径とは異なる有効平均粒子径を有するトリアムシノロンアセトニドを含有する第2の粒子集団を含んでなる、請求項30記載の組成物。 眼科的に許容し得るビークル成分をさらに含有する請求項30記載の組成物。 前記粒子がトリアムシノロンアセトニドと眼科的に許容し得る高分子化合物成分の組み合わせを含んでなる、請求項30記載の組成物。 粒子を安定化するために前記粒子に対して配した高分子化合物成分をさらに含有する請求項30記載の組成物。 前記高分子化合物成分がヒアルロン酸である、請求項37記載の組成物。 前記粒子が、眼において分配されて眼の前部組織において治療薬剤に伴う毒性が減少するようなサイズになっている請求項30記載の組成物。 前記粒子が、眼の網膜色素上皮においてトリアムシノロンアセトニドの1以上の高濃度の領域を形成するサイズになっている請求項30記載の組成物。 約3000ナノメートル未満の有効平均粒子径を有するトリアムシノロンアセトニドを含んでなる粒子の集団。 液状の担体成分中で提供される請求項41記載の粒子。 調剤装置中で提供される請求項42記載の粒子。 前記粒子がトリアムシノロンアセトニドとヒアルロン酸の組み合わせを含んでなる請求項41記載の粒子。 前記粒子が、該粒子を眼に投与したときに、網膜色素上皮(RPE)中への該粒子の輸送を促進するのに有効な粒径を有する請求項41記載の粒子。 【課題】ヒトまたは動物の眼後部へ注射するのに有用な組成物またはそのような組成物を使用する方法を提供する。【解決手段】本組成物は、眼の網膜色素上皮において治療薬剤の高濃度の領域の形成の促進する難溶性の治療薬剤の小さな粒子を含んでなる。本発明の粒子は、治療薬剤を眼科的に許容し得る高分子化合物成分と混合することによって形成させる。本発明の粒子は、約3000ナノメートル未満、場合により約200ナノメートル未満の粒径を有する。組成物の一例はトリアムシノロンアセトニドとヒアルロン酸の粒子を含有し、約3000ナノメートル未満の粒径を有する。【選択図】なし20150625A16333全文3 治療が必要な患者の眼の結膜下に、約3ヶ月毎〜約6ヶ月毎に1回の頻度で注射することにより、眼疾患を治療するための眼科組成物であって、 シクロスポリン、 ヒアルロン酸またはヒアルロン酸塩、及び 再懸濁成分を含有する眼科組成物。 再懸濁成分がポリソルベート80である、請求項1記載の眼科組成物。 トリアムシノロンアセトニドを含有する第1の粒子集団および該第1の粒子集団の有効平均粒子径とは異なる有効平均粒子径を有するトリアムシノロンアセトニドを含有する第2の粒子集団を含んでなる、請求項1または2記載の眼科組成物。 約3000ナノメートル未満の有効平均粒子径を有するトリアムシノロンアセトニドを含有する粒子集団を含んでなる、請求項1または2記載の眼科組成物。 ヒアルロン酸またはヒアルロン酸塩が、眼科組成物の0.05%から0.5%(W/V)の範囲の量で存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の眼科組成物。 再懸濁成分が、0.01%から5%(W/V)の範囲の量で存在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の眼科組成物。