タイトル: | 公表特許公報(A)_オオスズメバチ毒抽出方法およびこれを利用した機能性化粧料組成物 |
出願番号: | 2014560835 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 8/98,A61Q 19/02,A61Q 19/00 |
ジョン ウクチョル JP 2015509527 公表特許公報(A) 20150330 2014560835 20120529 オオスズメバチ毒抽出方法およびこれを利用した機能性化粧料組成物 ジョン ウクチョル 514219385 JEONG,Wook Cheol SK特許業務法人 110001139 奥野 彰彦 100130328 伊藤 寛之 100130672 ジョン ウクチョル KR 10-2012-0023718 20120308 A61K 8/98 20060101AFI20150303BHJP A61Q 19/02 20060101ALI20150303BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20150303BHJP JPA61K8/98A61Q19/02A61Q19/00 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM KR2012004197 20120529 WO2013133482 20130912 34 20140829 4C083 4C083AA071 4C083AA072 4C083AC101 4C083AC102 4C083EE12 4C083EE13 4C083EE16 4C083FF01 本発明は、オオスズメバチを利用した機能性化粧品組成物の製造方法に関し、より詳細には、オオスズメバチの各種炎症に対する効果を皮膚の保湿と共にニキビ治療などの抗炎症効果を効果的に得るために開発された、オオスズメバチを利用したオオスズメバチ毒抽出方法およびこれを利用した機能性化粧料組成物に関する。 オオスズメバチは一般的な働き蜂の大きさが約25〜37mmであり、韓国で生息するスズメバチ類のうち最大型に属するものであって、主に人跡が少ない地域の土を掘って巣を作る性質があり、植物の樹液や蜂蜜などを食べ、主に夏には各種昆虫類を、エサが不足な秋頃には他の蜂の巣を攻撃する場合が多く、養蜂業者には害虫として認識される場合が多かった。 また、大きな体と強い顎、丈夫な皮に加え、一般的なミツバチの600倍にも至る強力な毒針でカマキリさえもオオスズメバチの獲物になることがあり、一般の蜂の巣を攻略する場合には1匹が数百匹の蜂を殺してしまう恐ろしい存在であるが、人間もその例外ではなく、毒針に数回以上刺されると死に至ることもある。 一方、最近脚光を浴びている分野は蜂の毒に関する研究であり、一部でのみ利用されていた縫針の段階から、最近ではミツバチだけではなく毒性が強いオオスズメバチを含むスズメバチから毒を抽出してこれを中和し、多様な病名の治療に使用されている。 タンパク質が主成分であるこの蜂毒の場合、抗生剤(マイシング)の1000倍にも至る抗炎症効果を有しており、関節炎の治療のような既存の周知の治療だけではなく、ニキビ、シミ、小じわなど皮膚疾患の改善にも使用されている。 さらに、毒の強度がミツバチの550倍にも至るスズメバチの場合には、ペプチド(Peptide)という物質を含むようになるが、毒と共にこのような成分が心臓の不整脈に有効であるという事実が明かになり、日本では数年前からスズメバチの毒がブームとなっている。 しかし、このような蜂毒に関する関心が医療および化粧品の市場で増加するに伴い、政府または会社で蜂毒を抽出するための装備を無償で供給しているが、これは巣箱を通過する蜂に電気的衝撃を加えて蜂毒を採集するものである。しかし、このような装置はミツバチに限定されるものであり、その効率は極めて低く、数ヶ月に渡って抽出してもわずか5g程の抽出量に留まっている。 このように生産性が極めて低い上に、蜂が電気衝撃によるストレスによって死んでしまう場合が多いため、養蜂農家の間では事実上このような蜂毒採集器の設置を憚っている実情にある。 この反面、ミツバチと比べるとその毒性が550倍にも至るオオスズメバチの場合、その毒性がミツバチから得られる各種効能が得られるものに変えて説明すると、オオスズメバチ1匹から得られるものがミツバチ550匹から得られるものと同じであると言われている。 しかし、オオスズメバチは、通常の厚さの服では役に立たない程に針が長い上に威力が強く、これを専門的に採取している者にとっても危険な存在であり、1匹ずつ毒を抽出する過程において危険に遭遇する確率が高いという短所がある反面、8月頃からエサが足りなくなると養蜂農家の巣箱に侵入して莫大な被害を及ぼすオオスズメバチを捕獲して利用する場合には、蜂蜜生産量の増大と共に付加的な収入が得られるものと期待されている。大韓民国特許公開第10−1999−0039050号(1999年06月05日)大韓民国特許登録第10−1018352−0000号(2011年02月22日) 本発明は、上述したような問題点を解決するために開発されたものであって、皮膚への吸収に優れ、直接的な刺激を与える成分が十分に中和された状態で皮膚に塗布することによって皮膚保湿、抗炎症治療、皮膚美白に効果がある、オオスズメバチ毒抽出方法およびこれを利用した機能性化粧料組成物を開発することを目的とする。 上述したような目的を達成するために、発明は、保存容器にアルコール濃度15%〜50%のエタノール溶液を入れる事前準備過程と、生きているオオスズメバチのうち働き蜂のみを前記エタノール溶液1リットルに15〜100匹の割合で前記保存容器に入れて蓋を密封した後、前記エタノール溶液にオオスズメバチを浸して動きを鈍化させるようにするオオスズメバチ投入過程と、これを暗い所で室温にて6ヶ月以上、好ましくは1年以上熟成する熟成過程と、熟成した液体を分離する熟成液分離過程とを含む一連の過程が連続して行われることを特徴とする、オオスズメバチ毒抽出方法が提示される。 また、本発明は、前記方法によって抽出されたオオオスズメバチ毒抽出物を利用した機能性化粧料組成物を提供する。 上述したように、本発明は、皮膚保湿効果と抗炎症効果、および皮膚美白効果に優れたオオスズメバチを利用した液体を製造し、これを単独または他の物質と混合して化粧品として使用できるようにし、主に皮膚の治療および状態改善に効果がある機能性化粧品を提供する効果がある。 また、皮膚の生態だけではなく皮膚色素に作用するため、美白効果が得られるようになる。 これにより、本発明の具体的な実施例を当業者が容易に理解して再現できるように詳細に説明すると、次のとおりとなる。 先ず、保存容器にアルコール濃度15%〜50%のエタノール溶液を入れる事前準備過程と、生きているオオスズメバチのうち働き蜂のみを前記エタノール溶液1リットルに15〜100匹、好ましくは1リットルに約20〜80匹の割合で前記保存容器に入れて蓋を密封した後、前記エタノール溶液にオオスズメバチを浸して動きを鈍化させるようにするオオスズメバチ投入過程と、これを暗い所で室温にて6ヶ月以上、好ましくは1年以上熟成する熟成過程と、熟成した液体を分離する熟成液分離過程とを含む。 このとき、アルコールの度数は、浸透圧現象によってオオスズメバチが含む各種成分が制限された時間に染み出るようにし、これとは反対に、アルコール成分は、オオスズメバチに染み込んで腐敗を防ぎ、急速な熟成ではなく遅く熟成するようにするための必要条件であり、一般的にアルコール濃度15%〜50%のエタノール溶液を利用するようにする。本発明の実施例では、市場で容易に求めることができる自家製酒(アルコール度数30度)を利用した。 オオスズメバチの投入は通常、オオスズメバチの巣を発見できなかった場合には、養蜂農家に侵入したオオスズメバチを、虫取り網などを利用して捕まえるようになるため、その数が制限的かつ持続的であることから、その都度捕獲して入れるようにする。 反対に、オオスズメバチの巣を見つけた場合にも、生きているオオスズメバチを1匹ずつ前記保存容器に入れて保存容器の蓋を閉じた後、酒にオオスズメバチを浸して動きが鈍化すると、他のオオスズメバチを入れて同じ過程を繰り返すようにし、無理に一度に多数を入れることによって針に刺されることを防ぐことが好ましい。 このとき、生きている個体を投入する理由は、死んだスズメバチの場合は一般的には急速に固くなる蜂の毒などにより、有効な薬効が減少することを防ぐためである。 さらに、本願はオオスズメバチに限定するものであり、キイロスズメバチ、ケブカスズメバチ、ヒメスズメバチ、コガタスズメバチなどの他のスズメバチでは本願のような方式によって蜂毒を抽出するときに副作用が生じる場合があるため、化粧品の用途として使用する本願では、このようなスズメバチが混入することに注意しなければならない。 この後、本発明は、前記分離した熟成液を加熱してアルコール濃度を減らすアルコール分離過程を含んでもよい。このとき、前記熟成過程では、光を最小化した暗い所が内容物の変質を防ぐことができて好ましく、アルコール分離過程では、発生する若干のにおいとアルコールの量を減らすようにし、化粧品の材料としてより有効に使用できるようにする。 このような本願の提示は、既存の養蜂農家においてオオスズメバチによる被害が極甚だった状況から、本願の効率と共に、養蜂農家におけるオオスズメバチの採集および販売効果、さらにはスズメバチによる蜂蜜の収穫量の被害を減らすようにし、養蜂農家の所得増大が予想される。 上述したように、一般的に蜂毒には抗炎症の効果が一般の抗炎剤、すなわちマイシングの1000倍に近い効果があると知られており、これはニキビとシミも一種の皮膚炎であるため、本願で抽出された液を皮膚に塗るとアルコールの蒸発によって毛穴が開き、ここに蜂毒が皮膚に染み込むため、各種ニキビとシミに卓越な効果がある。 一般的に化粧品などの外用剤は、健康な正常人が日常的に長期間に渡って連用する製品であり、特定の疾患治療のために一定期間だけ使用する医薬品とは異なるという特性があるため、医薬品の場合は治療という有効性とこれによる副作用を同時に考慮した上で価値が決まる反面、化粧品は絶対的な安全性が確保された後に有効性が検討されなければならず、現在まで化粧品の原料および完成した製品の安全性を確保するための手段として人体の皮膚を利用した試験が必須で行われることが好ましい。 これにより、本発明に係る抽出物に対する人体皮膚の一次刺激、眼粘膜刺激性試験を実行して組成物の有効性を立証しようとし、人体皮膚の美白効果に対して試験を行いながら、本発明の組成物が人体皮膚の美白に効果があることを発見した。 以下の実験例では、本発明の方法によって自家製酒(アルコール度数30度)1.8リットルにオオスズメバチ(働き蜂)40匹を投入して室温で1年間熟成させたオオオスズメバチ毒抽出物をエッセンスおよびローションとして化粧品を製造してそれぞれ試験した。1.[オオスズメバチ化粧品3種の人体皮膚一次刺激試験] 1)試験背景 化粧品などの外用剤は、健康な正常人が日常的に長期間に渡って連用する製品であり、特定の疾患治療のために一定期間だけ使用する医薬品とは異なる。医薬品の場合は治療という有効性とこれによる副作用を同時に考慮した上で価値が決まる反面、化粧品は絶対的な安全性が確保された後に有効性が検討されなければならない。 化粧品を含んだ外用剤によって誘発される皮膚反応は、症状の様相に応じ、急性接触皮膚炎(Acute Contact Dermatitis)、刺激性接触皮膚炎(Irritant Contact Dermatitis)、アレルギー性接触皮膚炎(Allergic Contact Dermatitis)、光毒性皮膚炎(Phototoxic Contact Dermatitis)、光アレルギー性接触皮膚炎(Photoallergic Contact Dermatitis)、接触性じんましん(Contact Urticaria)、および炎症反応の肉眼的な所見がなく皮膚の不快感を誘発する現象である主観的刺激感(Sensory Iritation)とニキビ、皮膚変化(Hyper/Hypopigmentation)、局部的副作用、全身性副作用などに分けられてもよい。 現在までは化粧品原料および完成した製品の安全性を確保するための手段として、人体皮膚を利用した試験および動物を利用した試験が普遍的に行われてきた。人体皮膚を利用した試験は実際の使用条件における皮膚刺激を予見できるという長所はあるが、長時間の所要、試験対象者の個体差、試験者の主観的な要因が介入する点、刺激が強い物質の場合には試験対象者に苦痛を与える点、および刺激水準が低い物質と比べるときに反復露出ではなく一次露出によってはその差が明確でないという制限要素のため、動物を利用した試験が人間を利用する試験の前段階として行われてきた。 しかし、化粧品を開発する段階における動物試験は、環境および動物保護の次元において社会的非難に直面しており、ヨーロッパのECCD(European Community CosmeticsDirective)の6次改正案では、1998年から原料および製品に対する動物試験を中止して適用可能な代替試験法を段階的に適用することが決まっており、さらに「EU Cosmetic Direct 7番」条項でも、Skin irritation、Phototoxicity、Dermal absorption、Skin corrosivity、Mutagenicity、Eye irritationなどには2009年から動物禁止法を施行し、2013年からはsystemic toxicity部分の動物実験禁止法が実行されている。 これにより、現在まではin vitro試験法が全世界的に開発され、このような方法を実際の製品開発に活用するための各国間の確認研究が継続して進められている。 現在までは、in vitro代替試験や動物試験法では人体皮膚の機作を正確に反映できないという現実により、人体試験は必須で行われている。 2)試験目的 本試験は、原料および化粧品の人体皮膚に対する一次刺激の有無を確認するために施行した。 3)試験機関 −機関名:(株)ザ・マプロ(dermapro)/皮膚科学研究所 −住所:ソウル市瑞草区方背洞919−1番地 4)試験期間 2011年07月25日〜2011年07月28日 5)試験物質 6)試験方法 6−1.試験対象者 被験者選定基準および除外基準に符合する18歳〜60歳の男性または女性30名以上を対象に実施した。 それぞれの志願者は詳細的な事項に応じるという書面同意書に署名をし、数字で固有番号を付与した。 6−1−1.選定基準 次に記述された条件に符合する志願者を試験対象群から選定する。1)8歳〜60歳の男女で皮膚疾患がない健康な者2) 試験に先立って試験の目的や内容などの説明を十分に聞き、自発的に書面同意書に署名した志願者3)試験期間中に実験で要求する事項に協調し、異常な症状が生じたときには直ちに連絡をする意向がある者4) 試験期間中に追跡観察が可能な志願者 6−1−2.除外基準 次に記述された項目に該当する志願者は試験対象群から除外する。 1) 妊娠中や授乳中または6ヶ月以内に妊娠を計画している女性 2) 試験部位に入れ墨、傷痕、火傷などがあってscoringを妨害する場合 3) 感染性皮膚疾患またはその他に試験の目的を妨害する皮膚疾患がある場合 4) 現在治療中である薬物が皮膚反応に影響を与える場合 5) 化粧品、医薬品、または日常的な光露出に刺激が酷かったりアレルギーがある者 6) アトピー性皮膚をもつ者 7) 避妊剤、抗ヒスタミン剤、消炎剤を服用している者 8) 毛穴角化症または皮膚描記症がある場合 9) パッチ用テープに刺激やアレルギーが酷い者 10) 同時に他の試験に参加している場合 11) 以前の同一試験に参加してから4週以上が経過していない場合 12) その他、上記した事項以外に臨床試験責任者の判断によって臨床試験が困難であると判断された場合 6−1−3.制限事項 1) 被験者は、パッチを付けている間に試験部位などが水に濡れないようにした。 2) 身体の治療のための薬を服用していたり使用している場合は試験担当者に通知するようにした。 6−1−4.試験対象者数および算出根拠 被験者数は機能性化粧品などの審査に関する規定の毒性試験法7項(1)である人体パッチ試験方法に基づいて30名以上を選定して施行した。 6−1−5.試験中止および脱落基準 本試験過程中に試験日程を守らない被験者の場合は、継続的な参加意思を聞いた後に中断の可否を決め、その他に副作用、追跡観察不可能、およびプロトコルを守らない事態が発生したときには試験を中断するようにした。 1) 験者が臨床試験参加同意を撤回した場合 2) 試験中に試験物質による副作用が深刻な場合 3) 突然の事故や疾患の併発現象によって試験の進行が不可能である場合 4) その他、試験者の判断によって試験実行に支障があると考慮された場合 6−2.試験材料 IQ chamber:Chemotechnique Diagnostics AB(Sweden)Micropore tape:3M/Medical−Surgical Division Microman(M250):Gilson、France Marking pen:Skin marker Slim(Sweden)6−3.試験方法 1) 験部位は70%ethanolで洗滌した後に乾燥させた。 2) 試験物質は依頼人が提供したそのままを適用した。 3) 試験物質は20μlをIQ chamber内に滴下させた後、試験部位である背中部位にのせてmicropore tapeで固定した。 4) パッチは48時間塗布し、パッチを剥がした後にはskin markerで試験部位を表示し、30分、24時間後に各試験部位を観察した。 6−4.判定基準 観察はパッチ除去後に30分、24時間が経過したときに行われ、皮膚反応はFrosch & Kligman法とThe Cosmetic、Toiletry、and Fragrance Association(CTFA)guidelineを反映した表2の基準にしたがって評価した。 6−5.結果計算方法 48時間および72時間の平均反応度を比較し、各物質に対する平均反応度を基準としてその結果を判定した。 7)試験結果 7−1.試験対象者 合計31名が本試験の全過程に参加した。 被験者の平均年齢は40.9±9.5歳であり、最高年齢者は53歳、最低年齢者は20歳であった。 試験対象者の皮膚特性はアンケートによって調査し、その結果は表3のとおりとなった。 7−2.結果 試験物質#21、#22、#23は、試験期間中に4〜7名の被験者が1+gradeの皮膚反応を示した(表4)。8)結論 試験物質#22は人体皮膚の一次刺激側面において中刺激、その他の試験物質(#21、#23)は軽刺激範疇の物質として判断される。 また、発明者は、韓国化学融合試験研究院にも皮膚刺激性試験(GLP)を依頼して「食品医薬品安全庁考試第2009−116号」の方法に基づいて試験した結果、本試験物質は紅斑、痂皮、むくみなどを誘発せず、P.I.I.指数は「0.0」であり、非刺激物質(Non irritant)と判断されるという結果を得た(成績書番号:TBH−000407)。 2.[眼粘膜刺激性試験(GLP)] 発明者は、韓国化学融合試験研究院に眼粘膜刺激性試験(GLP)を依頼して「食品医薬品安全庁考試第2009−116号」の方法に基づいて試験した結果、「本試験物質は結膜の眼刺激を誘発し、I.A.O.I指数は非洗滌群および洗滌群においてすべて「0.7」の指数を示したため「無刺激物」と評価された」という判明を受けた(成績書番号:TBH−000408)。 前記眼粘膜刺激性試験は、化粧品はどのような用途に使用しても手やその他の理由によって目にその成分が入る確率が高いものであり、皮膚には無害であっても目に有害であれば、それは化粧品として相当に危険であると判断することが好ましいため試験を行った。 3.[美白効能評価の人体試験] 1)序論 皮膚の色は、性別、個人差、年齢、地域、季節、および身体部位、または健康状態やストレスなどの感情に応じて変化する。一般的に女性よりは男性、若い人よりは高年者に色素が多く存在するものと知られている。 人間の皮膚色はメラニン(melanin)、カロチン(carotene)、およびヘモグロビン(hemoglobin)の量に応じて決まるが、このうちメラノサイト(melanocytes)で合成されるメラニンが最も決定的な要素となる。 メラニンは皮膚表皮(epidermis)内の基底層(basal layer)に存在する色素細胞であるメラノサイトで合成され、周辺角質細胞(keratinocytes)に転移する。 メラニンの生成は、チロシン(tyrosine)がチロシナーゼ(tyrosinase)によって(3,4−dihydroxyphenyl)−alanine(DOPA)、DOPAchromeなどに変わる複雑な化学的変化によって生成されるものと知られている。 メラニンが非正常的に少なく生産されると低色素性病変が発生する。 これとは反対に、過剰生産は、女性の主な苦悶の1つであるシミやそばかすを形成し、皮膚癌(melanoma)とも密接な関係があると報告された。 メラニンは色素とタンパク質の複合体であるフェノール類の物質であり、神経細胞で合成される神経メラニン(neuronal melanin)と、皮膚、毛嚢、目などに存在する皮膚メラニン(cutaneous melanin)とに区分される。 美白化粧品に使用される代表的な美白成分としては、Arbutin、Kojic acid、Ascorbic acidなどがある。 大部分の美白成分は、tyrosinaseの活性を阻害してメラニン色素形成を抑制したり、生成されたメラニン色素を還元させて美白効果を出すと知られている。 人体を利用した美白試験は2つの方法が使用されている。 1つ目には、自然に生成された過色素沈着部位(例:シミ)に試料を使用しながら美白の効果を測定する方法と、2つ目には、紫外線を皮膚に照射して人工的に皮膚に色素を沈着させた後、試料を使用して美白の効果を測定する方法(人工色素沈着法)とを利用している。 自然に発生した過色素部位やシミ部位などを利用する場合は、長期間を所要する上に、過色素部位をもつ被験者を探すのが困難であるという短所はあるが、実質的な美白効果を測定できるという長所がある。 しかし、人工色素沈着を利用した美白効果測定方法は、約2〜3ヶ月の短期間に試料の美白効果を確認できるという長所と、相対的に容易に被験者を探すことができるため、最近では多くの研究室で人工色素沈着法によって美白試験を行っている。 本研究では人工色素沈着法によって試験を行い、SpectrophotometerとMexameterを利用した皮膚色測定と皮膚科専門医による肉眼評価を並行して試料の美白効果を評価した。 依頼人が提供した試料「[J−007]」の美白効果を対照試料と比較評価するために、被験者の下膊内側皮膚に紫外線を照射して人工的に色素沈着部位を生成した。 試料と対照試料をそれぞれ8週間に渡って指定された試料使用位置に該当試料を被験者自身が1日2回ずつ塗布し、試料塗布位置は被験者に応じて相違するように無作為に配置し、二重盲検(double blind)条件で研究を実行した。 2)研究方法 2−1)研究目的 韓国人の成人女性被験者の下膊内側に人工黒化を誘発した後、8週間に渡って試料(本発明の方法によって抽出されたオオスズメバチ毒抽出物)と対照試料を使用しながら試料の皮膚美白効能を評価した。 5−2)研究概要 試料の美白効能を対照試料と比較評価するために、20名以上の成人女性被験者を募集した。 被験者の下膊内側皮膚に紫外線を照射して人工黒化を誘発した後、試料と対照試料を8週間連続して塗布しながら機器測定と肉眼評価を並行した。 2−3)日程と手順 本試験の詳細日程は表5のとおりである。 2−4)被験者 2−4−1)被験者募集、選定方法 被験者に実験の目的と方法を明確に知らせた後、被験者が自由な意志によって参加を決定し、参加同意書に署名した後に実験に参加した。具体的な手順は次のとおりである。 −IEC korea(株)では、事前に実行された被験者募集調査(Medical examination※)を通じて適切な被験者を確保して管理する。 −臨床実験計画が確定すると、IEC korea(株)の被験者データベースから本臨床試験の被験者条件に適した被験者を自動選択する。 −選択された被験者に無作為で電話して臨床試験の具体的内容を説明し、実験内容に同意した被験者を実験初日に当社に訪問するようにする。 −実験初日、研究目的と方法に適するように構成されたアンケート(被験者選定および除外条件)を活用し、研究責任者(皮膚科専門医)が本研究に参加する被験者を最終的に選定する。 被験者最終選定のためのアンケートには被験者選定条件、除外条件、制約事項などが研究内容に適するように構成されており、このアンケートの調査は研究開始直前に実行する。 −被験者に研究日程、参加費、予想される危険性(掻痒症、脱色素沈着など)、中途脱落基準を説明する。 被験者は説明内容を考慮した上で自由な意志によって実験参加の可否を決めた後、参加同意書に署名する。 被験者には、副作用発生時に依頼人が契約書に明示した被験者補償規則にしたがって適切な補償が受けられる事実を説明する。 −本実験に参加した被験者の秘密は保障される。 ただし、医学的な目的によっては、被験者の身元が明かされない範囲で試験資料が利用される可能性があることを知らせる。 −臨床試験参加同意書に署名した被験者は実験を開始する。 ※Medical examination:IEC korea(株)の一般的な被験者選定除外条件を適用して被験者を面談かつ募集してデータベースに登録すること。 2−4−2)実験に参加する被験者数 依頼人の要請にしたがって25名の被験者を募集した。 2−4−3)選定条件 2−4−3−1)被験者データベースから適用する一般的な選定条件 −韓国女性 −体重:データベース登録のための募集調査では考慮せず、各詳細研究の最終被験者選定時に研究責任者の判断によって研究に支障をもたらす可能性のある被験者は除外させる。 −韓国語を理解できる者であり、提供される文書を読んだり、研究者の説明を聞いて理解できる者。 −国民健康保険に加入している者 −脊椎に極度の歪みや反りのある者は除く。 ※本一般的な事項は症例報告書(Case Report Form)には別途記録しなかった。 2−4−3−2)人工色素沈着後、美白効能評価試験で適用する被験者選定条件 下記の選定条件を実験開始日に皮膚科専門医が被験者にアンケートして症例記録書に記録した。 −研究内容を理解して自発的に臨床試験参加同意書を作成して署名した者 −皮膚疾患を含む急/慢性身体疾患がない健康な者 −光皮膚タイプがII、IIIとIVに該当する者(表7) −満18才以上60歳以下の成人女性 −試験期間中に追跡観察が可能な者 2−4−4)除外条件 2−4−4−1)被験者データベースで適用する一般的な除外条件 −法律的に生活に制約を受けている者 −酷い疾患をもつ者 −未成年者または国内法上において臨床研究に参加できない者 −IEC korea(株)職員 −非常連絡が不可能であったり、実験期間中に召集に応じることができない者 −次の条件に適合しない者 ・試験期間中に多様な臨床研究に重複参加する者(重複参加が憂慮される者) ・実験再参加制限期間が経過していない者:同一類型の試験に参加した後、6ヶ月が経過していない者 ・健康状態:本条件は被験者の安全を確保するための条件であるため厳格に適用されなければならず、アンケートの調査によって確認する。 ・妊娠中や授乳中の女性、医学的に不適切な避妊方法を使用している女性 ・最近5年以内に臓器(肝、肺、心臓など主要臓器)移植手術を受けたり、長期切断手術を受けた者、脳手術を受けた者、手術後遺症をもつ者 ・心血管系疾患、内分泌系疾患、消化器系疾患、神経系疾患、泌尿器係疾患をもつ者 ・抗ヒスタミン剤、ステロイド剤、アレルギー抑制剤、またはこれと類似する機能をもつ薬品を長期服用または適用している者 ・酷い喘息をもつ者 ・薬物に敏感反応を経験した者、実験室で使用される物質(手袋、接着剤など)にアレルギーが憂慮される者 ・次の皮膚疾患をもつ者:urticaria、oedema、eczema、recurrent herpes、herpes zoster having erupted in the last 3months、pityriasis versicolour、common acne with a sudden rise of inflammation or nodular or cystic acne、psoriasis、ichthyosis、lichen planus、chronic lupus erythematosis、keloid scars、severe pigmentation disorders(vitiligo、chloasma、multiple lentigines、numerous or congenital nevi、especially if they are of large size)、hyperhidrosis、dorsal hyperpilosity ・免疫係疾患をもったり免疫抑制剤治療を受けている者 ・1日10本以上の喫煙をしたり毎日3杯以上の飲酒をする者 ・敏感性皮膚またはアトピー性皮膚をもつ者 ※本一般的な除外条件は、臨床研究で作成される症例報告書(Case Report Form)には別途記録しなかった。ただし、実験再参加制限期間と現在の健康状態などは症例記録書に記録した。 2−4−4−2)人工色素沈着後の美白効能評価試験で適用する被験者除外条件 下記の選定条件を実験開始日に皮膚科専門医が被験者にアンケートして症例記録書に記録した。 −妊娠または授乳中や3ヶ月以内に妊娠を計画している者 −精神科的疾患や皮膚疾患がある者 −喘息、糖尿、高血圧など慢性消耗性疾患がある者 −皮膚疾患の治療のためにステロイドが含まれた皮膚外用剤を1ヶ月以上使用している者 −敏感性、過敏性皮膚、またはアトピー性皮膚をもつ者 −光アレルギーまたは光感作の病歴がある者 −同じ実験に参加した後、6ヶ月が経過していない者 −研究開始前3ヶ月内に試験部位に同一または類似する化粧品または医薬品を使用した者 −研究開始3週以内に同じ試験部位を使用する他の実験に参加した者 −光線照射部位に黒子、ニキビ、紅斑、毛細血管拡張などの皮膚異常所見がある者 −最近5年以内に臓器移植または切除手術を受けた者 −最近3週以内に漢方薬(補薬)を長期服用した者 −消化器系、免疫系、心血管系、内分泌系、泌尿器系疾患をもつ者 −薬物に敏感な反応または実験に通常的に使用される物質に過敏反応を示す経験がある者 −研究開始前6ヶ月内に試験部位の皮膚疾患治療を受けた経験がある者 −最近8日以内に高熱症状が24時間以上続いた経験をもつ者 −最近1ヶ月以内に予防注射を打ったり、実験期間中に予防注射を打つ計画がある者 −その他、研究責任者の判断によって試験に不向きであると考慮される者 2−4−5)制限条件 実験期間中に被験者に制限される事項。 −実験期間中のアスピリン、抗炎剤、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤(漢方薬を含む)の服用または使用は禁止する。 −実験期間中に予防注射を打ったり、免疫抑制剤の治療も禁止する。 −実験期間中に試験部位に、提供される本試料以外に他の美白化粧品を使用することはできない。 −試験部位を日光に露出しないようにする。 −試料塗布は欠かさず行う。 −実験期間中に日常生活から大きく逸脱した活動はしない。 2−4−6)被験者の義務事項 被験者の保護と正確な研究進行のために被験者が守るべき事項 −試料の使用方法、制限事項、およびその他の検査日程および訪問日程を守る。 −実験期間中に自身に発生するすべての疾患、症状について詳しく報告する。 −実験終了時まで本実験に関する情報などについて秘密を維持する。 −実験に関与したすべての資料を正直に作成する。 2−4−7)研究進行途中の被験者脱落基準 被験者選定および除外基準によって選定された被験者であっても、実験過程中に下記のような脱落基準が発生する場合、主観責任者と研究員の判断下によって除外させ、実験結果算定から除いた。 −試料を試験期間中に3日以上試料塗布をしなかった場合、被験者義務事項不履行によって研究から除外される場合がある。 −紫外線照射部位に掻痒感や紅斑などの有害事例が発生する場合 −実験途中に予想外の有害事例または副作用が発生した場合 −実験進行過程中に試験部位に過度な紫外線露出をしたり、飲酒や喫煙などによって正確な評価に障害が生じた場合 −研究内容に影響を及ぼし得る他の治療を受けるようになる場合 −被験者自ら参加同意を撤回する場合 −被験者を追跡観察できなくなる場合 −被験者個人の都合によって脱落基準の事由が発生する場合 −被験者が実験を持続できないと研究責任者が判断する場合 −被験者が実験の制限条件や義務事項にしたがわない場合 2−4−8)被験者に関する人体実験進行規定 −実験進行中に臨床試験責任者と研究担当者は被験者の安全に最善を尽くさなければならず、すべての有害事例発生時に迅速かつ適切な措置を取り、その有害事例を最小化しなければならない。 −実験進行中に被験者が試料によって皮膚刺激または有害事例を報告する場合には直ちに塗布した試料を拭き取り、症状が好転しない場合には皮膚科専門医による皮膚科的評価と適切な治療を受ける。 −過度な紫外線の照射によって皮膚表面に水泡を伴う紅斑が発生する場合には、適切な皮膚科的評価と治療を受けるようにする。 −その他、非正常的な皮膚反応が発生する場合、臨床試験責任者と研究担当者は皮膚科的評価と共に適切な措置を取り、症例および状況について詳しく記録する。 2−5)試料 2−5−1)試料情報 −名称(試料コード)試料:[J−007](試料A) 主成分が含まれている試料(以下、「試料」あるいは「試料A」と表記) ※上述した方法によって抽出したオオスズメバチ毒抽出物からローションを製造して試料として提供する。 −対照試料:[J−008](試料B) 主成分が含まれていない試料(以下、「対照試料」あるいは「試料B」と表記) −依頼人から上述したように試料を受領する。試料情報の確認は実験終了後の報告書作成直前に依頼人から受領する。 性状試料:ローション状 対照試料:ローション状 試料管理番号試料:A2122(試料A) 対照試料:A2123(試料B) −試料受領直後に試料はIEC korea(株)に登録されて管理番号を付与し、試料にラベルを付ける。 −分析:依頼人は試料が正確なことを確認しなければならず、試料に関する情報(性状など)を提供しなければならない。IEC korea(株)では試料の安定度、物理的特性を確認する化学分析は実行しなかった。 −容器(または包装状態):ポンプ型プラスチック容器 −受領した試料の量:試料25個、対照試料25個 −受領日:2011年09月29日 −保管方法:高温と直射日光を避けて5〜25゜Cで保管する。IEC korea(株)では報告書が発行された日から180日間試料を保管し、依頼人から別途の要請がない場合は廃棄する。 2−5−2)試料使用方法 使用方法は下のとおりである。 −試料使用位置:下膊内側の人工黒化部位 (各試料に対する使用部位は無作為に配置する) −試料使用量:適量 −試料使用周期:1日2回(朝と夕方) −試料使用期間:8週間 −試料使用方法:被験者が自宅で自ら指定された位置に指定された試料を塗布する。人工黒化部位から離れたり、試料塗布した指で他の試料を塗布しないように注意する。 2−5−3)試料の有効成分 −試料名:[J−007] −成分名:Hornet Extract −含量(%):33.3% 2−6)試験の原理および装備 2−6−1)試験の原理 皮膚に紫外線を照射すると、皮膚のmelanocytesの活性とmelaninの生成が増加して皮膚色が黒く変化する。時間の経過と共にmelanocytesの活性が正常となり、melaninは次第に減少して元の色に戻る。美白効果を有する物質を塗布すると、美白物質の活性によってmelaninの減少とmelanocytesの活性減少がより迅速に進むため、色の還元速度がより速くなる。美白効果を有する物質とそうではない物質を同じ条件で一定期間塗布しながら色を色差計によって測定し、訓練された専門家の肉眼判定を並行して美白効果を比較、確認することができる。 2−6−2)紫外線の照射装置(Solar simulator) 実験を進める間、均等な品質の紫外線を利用するために人工紫外線照射装置(Solar simulator)を使用し、太陽光線と類似する放射スペクトラムを有し、特定波長でピークを示さないxenon arc lampを装着したsolar simulatorを使用した。 実験に使用されたSolar simulatorの機種はMulti−port solar simulator 601(Solarlight co.,US)であり、次のような特徴がある。 −300 watt xenon arc lampを装着しており、6つのliquid light guide(LLG)を通じて直径8mmの円形で紫外線を放射する。6つのLLGを通じて放射される紫外線の強度は、各LLG上端に装着された絞りを利用して個別に調節が可能である。2mmの厚さのSchott WG 320 filterとUG11 filterを使用して紫外線Cと可視光線領域の波長を取り除いて使用した。 2−6−3)光量測定器(PMA 2100 UV meter) 本研究で使用した光量測定器はPMA 2100 UV meter(Solarlight Co.,US)であり、UVB sensor(PMA 2103)をSolar simulator LLG末端に結合した後に光強度を測定した。測定値はMED/min単位で表示される。1.0MED/minは21mJ/cm2と同じ光エネルギーである。光強度は各被験者に紫外線を照射する直前に測定し、症例記録書に記録した。 2−6−4)Spectrophotometerを使用した色測定 皮膚色の機器測定のためにSpectrophotometer(登録商標)CM2600d(Minolta、Japan)を使用した。この機器は白色光線を放射して表面から反射する光線を測定し、色相をCIE色相基準にしたがって表現する機器である。測定値はL*a*b*値で表示される。L*は明度を表示する値であり、皮膚色が明るくて透明であるほど高い値を示す。a*は皮膚のred−green、b*は皮膚のyellow−blueを示す。Spectrophotometerのprobeは3mmとし、自動で3回測定した後に示す平均値を有効データとして利用した。 2−6−5)Mexameter(登録商標)MX18を使用したMelanin index測定 Mexameter(登録商標)MX18(Courage+Khazaka GmbH、Germany)は、狭い領域の波長のみを利用する皮膚色測定器(Narrow−band reflectance spectrophotometer)であって、皮膚のメラニンとヘモグロビンの量を測定するのに適している。測定値はMelanin index(MI)とErythema index(EI)で表現される。EIは反射光の赤色と緑色波長の割合を基準として計算され、MIは全体反射光のうちの赤色光の割合で計算される。Mexameter(登録商標)MX18は、緑色光と赤色光を放射するダイオードを活用して機器から放射される光線の総量と反射する光線の量をコンピュータで計算して結果を示す。 本実験では、MIをMexameter(登録商標)MX18を利用して3回繰り返して測定した後、その平均値を有効データとして利用した。各測定された結果は症例記録書に記録した。 2−7)実験過程 2−7−1)最小紅斑量(MED)決定 紫外線照射装置Solar simulator Multiport 601(Solarlight Co.,USA)によって皮膚に紫外線を照射した後、最小紅斑量を確認した既存の研究結果(表8)に基づいて皮膚色(ITA゜)による最小紅斑量を決めた。選定された被験者の下膊内側の皮膚色を皮膚色測定器(Spectrophotometer(登録商標)CM2600d)で測定した。 2−7−2)人工色素沈着誘発 それぞれの被験者によって決められた最小紅斑量を基準として被験者の下膊内側に紫外線を照射した。光量の強度は2.0MED/minとし、試験部位は過度な毛や皮膚色に差がある部分を避けて綺麗かつ偏平な部位を選択した。最小紅斑量決定後に3回に渡って0.5〜3.0MEDの紫外線を累積照射した。紫外線照射量は各被験者の黒化程度に応じて差をつけ、黒化程度は研究者の肉眼判定およびSpectrophotometer CM2600dのL*差値(黒化後−黒化前)によって決定した(表9)。 3次紫外線照射日から6日後、人工色素が沈着した色をSpectrophotometerによって測定し、L*(明度)値が人工黒化の前と1以上差がある被験者または皮膚科専門医の肉眼によって明らかな黒化が観察される被験者は試料塗布を開始した。 2−7−3)測定および肉眼評価 空気の移動と直射日光がなく恒温恒湿条件(22±2℃、50±5%)が維持される空間で照明を一定に維持した。被験者は最小15分間に渡って皮膚の安定を取るようにした後、測定と評価を実施した。 2−7−3−1)Spectrophotometerを使用した機器評価 人工色素沈着前、人工色素沈着後の試料塗布前、試料塗布4週後と8週後に試験部上のL*a*b*値を各部位ごとに3回繰り返して(auto condition)測定した。 2−7−3−2)肉眼評価 皮膚科専門医2名が色評価基準表(Intensity score table)を基準として試験部位の皮膚色を肉眼評価した。色評価基準表は皮膚色に応じて1点(明るくて透明)から10点(暗くて黒ずんでいる)まで皮膚色の明るさを示す。各点数の間には中間点数0.5点を付与した。肉眼評価は人工色素沈着前、試料塗布前、試料塗布4週後と8週後に実行した。 2−7−4)写真撮影 臨床写真撮影のために準備した写真室(Orion 400 strobo、Aurora light bank、Korea)でデジタルカメラ(Nikon D90 digital camera、Japan)を利用して撮影した。被験者の姿勢、被写体と写真機までの距離、角度、照度、露出、絞り値などの撮影条件を固定して同じ研究者が写真撮影をし、一定品質の写真が得られるようにした。 2−7−5)被験者最終評価アンケート 試料使用8週後、研究責任者が被験者に試料の皮膚適合性と化粧品としての効果についてアンケートをし、5点尺度で評価した。 2−7−6)皮膚科専門医の皮膚安全性評価 皮膚科専門医が試料使用前、試料使用4週後と8週後試料の安全性を評価した。試料の使用と関連性がある外見的な症状(physical signs:erythema、oedema、dryness、desquamation、・・・)を肉眼検査し、被験者が自覚する症状(functional signs:prickling、tightness、local heat、・・・)を問診して症例記録書に記録した後、試料との連関性を判定した。 2−7−7)データ分析と結果解釈 2−7−7−1)機器測定結果 −Spectrophotometerを使用して皮膚色の明度値L*とITA゜を求めた。試料使用前と試料使用後の差値(△L*、△ITA゜)を求め、試料と対照試料の統計的有意性を検証した。 −Mexameterを使用してメラニン指数を測定した。試料使用前と試料使用後の差値(△MI)を求め、試料と対照試料の統計的有意性を検証した。 −試料と対照試料の間の皮膚色変化値が統計的に有意な差を示す場合、試料の美白効果があるものと解釈した。 2−7−7−2)肉眼評価結果 −肉眼評価によって得られた結果は、試料使用前と試料使用後の肉眼評価差値を求めて試料と対照試料の統計的有意性を検証した(△値)。 −2名の研究者が統計的に有意な差を示す場合、試料の美白効果があるものと解釈した。 2−7−7−3)統計分析方法 統計分析プログラムはSPSS(登録商標)14.0を使用した。機器測定結果と肉眼評価結果データの正規性をそれぞれShapiro−wilk test1によって検証した。 試料vs.対照試料 −正規性を満たす場合(p>0.05):Paired t−test(p<0.05) −正規性を満たさない場合(p<0.05):Wilcoxon test(p<0.05) 3)試験結果 3−1)被験者構成 本研究の基本選定条件を満たす成人女性被験者25人を募集した。実験初日に皮膚科専門医による被験者選定および除外条件にしたがって25名を実験に適した被験者として選定して実験を開始したが、実験期間中に2名の被験者が脱落し、最終23名(平均37.5歳)の有効なデータを得た(表11)。 3−3)皮膚色の明るさ(L*)測定結果 試料使用4週と8週後に試料使用部位の皮膚色の明るさ(L*)を測定した結果、試料使用前に比べてすべて明るくなり、試料使用4週後と8週後の試料間統計的に有意な差を示し、試料A使用部位の皮膚色の明るさ改善が試料B使用部位よりも優れるものと現れた(p<0.05)。(表13、表14) p-value:Significant probability,Paired t−test(p<0.05:試料使用部位と対照試料使用部位には有意な差がある。) 3−4)ITA゜測定結果 試料使用4週と8週後の試料使用部位色のITA゜を分析した結果、試料使用前に比べてすべて明るくなり、試料使用8週後の試料間に有意な差を示し、試料A使用部位のITA゜増加量が試料B使用部位よりも統計的に優れるものと現れた(p<0.05)。(表15、表16) 3−5)Melanin index測定結果 試料使用4週と8週後の試料使用部位の皮膚色のメラニン指数を分析した結果、試料使用前に比べてすべて明るくなったが、試料間に統計的な差が現れなかった。(表17、表18) 3−6)専門家の肉眼判定結果 2名の専門家が試料使用4週と8週後の皮膚色を肉眼評価した結果、評価者1は試料使用部位の皮膚色が試料間に有意な差を示さないものと評価したが、評価者2は試料使用4週後から試料A使用部位の皮膚色が試料B使用部位よりも有意に明るくなると評価した(p<0.05)。(表19、表20) 3−7)被験者最終評価アンケート 研究責任者が実験終了日に試料の皮膚適合性と美白効能についてアンケート評価をした。「極めて良い」および「良い」と返答した被験者の割合を分析した結果、皮膚適合性は試料AもBも61%と同じであり、美白効能に関しては試料Aが61%および試料Bが57%と、試料Aが試料Bよりも若干美白効能に優れるものと評価した。(表21) 3−8)皮膚安全性評価の結果 試料塗布4週後と8週後に皮膚科専門医が試験部位を肉眼検査し、被験者が報告した刺激の発生時点、頻度、強度、持続時間などを問診して試料の安全性を最終評価した。 試料使用期間中に3名の被験者が試料使用直後にピリピリ感(No.14:B site、No.19:A、B site、No.21:B site)を報告した。これらの反応は極めて弱く、弱さ程度の反応で持続時間が数秒間から数分と短く、繰り返される試料使用でも試料使用2週後には症状が再発せず、試料連関性は低いものと判定した。 この他に研究を中断したり試料使用方法の変更が必要な有害事例は報告、観察されず、報告された反応は試料の安全性を憂慮するに値する特異的反応ではないものと判定した。 皮膚科専門医の問診および観察結果、試料連関性がある皮膚有害事例は観察されず、皮膚安全性は「良好」水準であると判定した。 3−9)結果総合 ・実験を開始した25名の被験者のうち2名が中途脱落し、最終23名(平均37.5歳)の有効なデータを得た。3次紫外線照射日から6日後、人工色素沈着した皮膚色をSpectrophotometerで測定し、L*(明度)値が人工黒化前と1以上差がある被験者、または皮膚科専門医の肉眼によって明らかな黒化が観察される被験者は試料塗布を開始した。 ・試料塗布開始日から4週後と8週後に人工黒化部位の皮膚色を機器測定した結果、試料使用4週後と8週後に試料を塗布した部位の色(L*)が対照試料塗布部位と比べて有意に(p<0.05)明るくなったと示され、試料使用8週後に試料使用部位のITA゜値が対照試料使用部位よりも有意に明るくなったと示された。 ・試料塗布開始日から4週後と8週後に人工黒化部位の皮膚色を2名の専門家が肉眼判定した結果、評価者1は試料使用部位の皮膚色が試料間に有意な差がないと評価し、評価者2は試料使用4週後から試料A使用部位の皮膚色が試料B使用部位よりも有意に明るいと評価した。 ・試料使用期間中に4週間隔で試料の皮膚安全性を皮膚科専門医が観察した結果、試料に関する有害事例は観察されなかった。 4)考察および結論 本試験はジョン・ウクチョル(個人)が依頼した試料「[J−007]」の美白効果を対照試料と比較評価するために実行された。本試験では、年齢21歳から51歳(平均年齢37.5歳)の韓国人女性被験者23名から有効なデータを獲得し、8週間実験を実行した結果を分析した。 試料の美白効果を評価するために、被験者下膊内側に紫外線を照射して人工的に色素沈着を誘発させた後、試料を8週間に渡って被験者自らが1日2回ずつ塗布しながら、試料塗布前、試料塗布4週後と8週後にSpectrophotometerとMeaxameterで試料塗布部位の皮膚色を測定した。さらに、試料使用前、試料使用4週と8週後に2名の専門家(皮膚科専門医)が皮膚色の変化を肉眼評価した。皮膚科専門医が試料の皮膚安全性を評価するために肉眼検査を並行した。 Spectrophotometer CM2600dの測定結果(L*)、試料使用4週後と8週後に試料「[J−007]」を塗布した皮膚は、対照試料と比べて有意な水準(p<0.05)で皮膚色が明るくなった。 したがって、試料「[J−007]」は、紫外線の照射によって誘発させた人工黒化部位に8週間使用するときに皮膚美白をサポートするものと判断した。 生きているオオスズメバチのうち働き蜂のみを選び、これをエタノール溶液に一定期間浸漬することを特徴とする、オオスズメバチ毒抽出方法。 前記エタノール溶液は、アルコール濃度が15%〜50%であることを特徴とする、請求項1に記載のオオスズメバチ毒抽出方法。 前記スズメバチは、前記エタノール溶液1リットルに15〜100匹の割合で浸漬することを特徴とする、請求項1に記載のオオスズメバチ毒抽出方法。 前記エタノール溶液に浸漬されたスズメバチは、暗い所で室温にて6ヶ月以上、好ましくは1年以上熟成されることを特徴とする、請求項1に記載のオオスズメバチ毒抽出方法。 請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の方法によって抽出されたオオスズメバチ毒抽出物を利用した、機能性化粧料組成物。 本発明は、機能性化粧品組成物製造用オオスズメバチ毒抽出方法に関し、保存容器にアルコール濃度15%〜50%のエタノール溶液を入れる事前準備過程と、生きているオオスズメバチのうち働き蜂を前記エタノール溶液1リットルに15〜100匹の割合で前記保存容器に入れて蓋を密封した後、前記エタノール溶液にオオスズメバチが浸って動きを鈍化させるようにするオオスズメバチ投入過程と、これを暗い所で室温にて6か月以上、好ましくは1年以上熟成する熟成過程と、熟成した液体を分離する熟成液分離過程とを含む一連の過程を連続して行うことを特徴とする。