タイトル: | 公表特許公報(A)_アギタケの水抽出物を有効成分として含有する脂質異常症の予防又は治療用の組成物 |
出願番号: | 2014545832 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 36/07,A61P 3/06,A61K 9/14,A61K 9/16,A61K 9/20,A61K 9/10,A23L 1/30 |
リュ スン−ホ キム チェ−ユン チョン ウ−チェ イ ヒョン−チ イ テ−フン ウン チョン−ポン キム カン−ハ シム サン−カプ JP 2015502954 公表特許公報(A) 20150129 2014545832 20121212 アギタケの水抽出物を有効成分として含有する脂質異常症の予防又は治療用の組成物 キョンサンブク−ト 514142234 ポステック アカデミー−インダストリー ファウンデーション 511096031 POSTECH ACADEMY−INDUSTRY FOUNDATION 松浦 憲三 100083116 リュ スン−ホ キム チェ−ユン チョン ウ−チェ イ ヒョン−チ イ テ−フン ウン チョン−ポン キム カン−ハ シム サン−カプ KR 10-2011-0132728 20111212 KR 10-2012-0143701 20121211 A61K 36/07 20060101AFI20141226BHJP A61P 3/06 20060101ALI20141226BHJP A61K 9/14 20060101ALI20141226BHJP A61K 9/16 20060101ALI20141226BHJP A61K 9/20 20060101ALI20141226BHJP A61K 9/10 20060101ALI20141226BHJP A23L 1/30 20060101ALI20141226BHJP JPA61K35/84 AA61P3/06A61K9/14A61K9/16A61K9/20A61K9/10A23L1/30 B AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN KR2012010792 20121212 WO2013089429 20130620 16 20140714 4B018 4C076 4C088 4B018LB10 4B018LE03 4B018MD82 4B018ME04 4B018MF01 4C076AA17 4C076AA22 4C076AA30 4C076AA31 4C076AA36 4C076BB11 4C076CC21 4C076DD26 4C076DD27 4C076DD38 4C076DD41 4C076DD67 4C076EE31 4C076EE38 4C076FF04 4C076FF09 4C076FF70 4C088AA02 4C088BA09 4C088MA22 4C088MA23 4C088MA35 4C088MA41 4C088MA43 4C088MA66 4C088NA14 4C088ZC33 本発明は、脂質異常症の予防又は治療を目的として使用することができるアギタケの水抽出物を含む薬学的組成物及び健康補助食品組成物に関するものである。 脂質異常症とは血液中に脂肪成分が高い状態をいう。一般的に総コレステロールが240mg/dlを超えるか、中性脂肪が200mg/dl以上の時、脂質異常症という。脂質異常症はコレステロールの塊が血管を塞いで血液循環を阻害し、高血圧、心筋梗塞、脳卒中を誘発する主な原因として知られている。韓国の脂質異常症患者数もまた、着実に増加しており、世界的に脂質異常症患者の数が急増しており、さらに多くの脂質異常症患者が増加するものと予想される。よって、脂質異常症の治療及び予防法、処方法に関する多くの報告が提示されている。 脂質異常症の発生原因は、遺伝的な要因による代謝障害もあるが、高カロリーの食事と運動不足により触発される肥満などの他の原因からも血液内のコレステロールが蓄積されて発生する(Bray GA, Popkin BM.: Dietary fat intake dose affect obesity. Am. J Clin. Nutr 68:1157−1173(1998))。特に欧米化された食生活による高脂肪食の摂取増加が脂質異常症の主な理由と考えられている。現在、全世界的に脂質異常症の予防又は治療のためにコレステロール吸収阻害剤などの候補効能物質についての開発が活発に行われており、それに伴って抗脂質異常症の効能評価モデルに対する関心も高まっている。 現在、脂質異常症の治療薬物は、スタチン(statin)系の薬物が広く使用されている。この系列の薬はHMG−CoA還元酵素阻害剤で、コレステロール合成の抑制及び血中LDL−コレステロールを低下させる効果がある。それ以外にも、エゼチミブ(ezetimibe)、ナイアシン(niacin)そしてフィブラート(bibrate)製剤などが主に使用されているが、薬物投与の際にまれに、筋肉痛、便秘や消化障害及び肝機能障害の発生などの副作用が生じる恐れがある。 一方、きのこ類は全世界的に、約1万種余りが報告されており、食用及び薬用価値が高くて微生物有用資源としての確保のために、ヨーロッパ、米国、日本などの先進国で多く研究が行われている。特に、きのこ類が生産する生理活性物質は副作用が少なく毒性面において安全であり、人体内の免疫系の機能調節、抗がん効果、新陳代謝の調節などの多様な機能を有するという多くの研究結果が報告されている。 本発明の発明者らは、生体内の副作用がほとんど現れず、体内のコレステロールの吸収を阻害して脂質異常症の改善効果を有する天然物質について研究を重ねて本発明を着手した。 前記アギタケ(Pleurotus eryngii var. ferulea(Pf.)は、エリンギの変種である。英語名はフェルラオイスターマッシュルーム(Ferula Oyster Mushroom)で、解釈すれば、アギの木のヒラタケである。中国では白霊側耳と呼ぶ。中国の乾燥地帯である新彊地方のアギの木で野生するもので、生長温度は8〜20℃の中温で韓国の春と秋の栽培に適する。 中国と中央アジアで自生するアギタケは塞がったところを和らげ、咳や炎症を解消し胃腸疾患に効力のある薬用植物として知られており、漢方医学書などに人体の毒素を排出し、咳を抑え、炎症を解消し、産婦人科系の疾患にも効果があると紹介されている高機能性キノコである。 本発明の発明者らは、スタチン(statin)のような薬物に代わるほどの天然物質で、小腸でコレステロール及び中性脂肪の再吸収を抑制したり、血中コレステロールを減少させる阻害剤についての研究を重ねていたところ、アギタケの抽出物、特にアギタケの水抽出物が血中コレステロール及び中性脂肪の吸収を効果的に阻害することを確認し、本発明を完成した。 よって、本発明は、生体内の副作用がほとんど現れず、体内のコレステロール及び中性脂肪の吸収を阻害用の水を含む組成物及びこれを有効成分として含有する予防又は治療用の医学的組成物及び健康機能性食品を提供することにある。 本発明の上記の目的は、アギタケの水抽出物を収得し、これを供試材料として脂質異常症の改善効果を検証し、これを評価することで達成した。 本発明のアギタケの水抽出物を有効成分として含む組成物は、体内のコレステロール及び中性脂肪の吸収を阻害することで、脂質異常症の予防又は治療の用途に有用に使用できる優れた効果がある。本発明の実施例と比較例のアギタケの抽出物のCEL活性阻害効能を比較して示したグラフである。本発明の実施例によるアギタケの水抽出物の濃度によるCEL活性を比較して示したグラフである。本発明の実施例によるアギタケの水抽出物の濃度によるTGL活性を比較して示したグラフである。本発明の実施例によるアギタケの水抽出物と従来の脂肪阻害剤であるオルリスタット(orlistat)の消化管から血液へのコレステロール吸収量を比較して示したグラフである。 アギタケの水抽出物は、通常の植物抽出物の製造方法によって製造されたものであってもよい。最も好ましくは前記アギタケを15℃の冷温乾燥した後に粉砕してから残渣を取り除き、水100mL当り前記粉砕物0.1〜20gを添加し、最も好ましくは抽出溶媒100mL当り粉砕物1〜5gを添加して抽出する。40℃以上の熱風乾燥は好ましくなかった。また、アギタケの粉砕物の含量が抽出溶媒に対して少なすぎる場合、アギタケのコレステロール吸収効果が十分に発揮されず好ましくなく、抽出溶媒の量に対して多すぎる場合、含量増加に伴う効果の増大は大きくない反面、生産コストが増加するため、生産性の面から好ましくない。 アギタケの抽出条件は、好ましくはアギタケを抽出溶媒である水と混合した後、20〜60℃の温度で、12〜36時間、最も好ましくは30〜40℃の温度で、20〜24時間抽出しなければならない。 20℃以下の低い温度条件で抽出する場合、有効抽出成分を抽出するために長時間が必要とされ、60℃以上の高温条件で抽出する場合、活性が落ちて好ましくなかった。特に、100℃で15分以上熱水抽出した水抽出物も活性がないため使用できなかった。 そして、抽出時間を12時間以下に短くする場合、抽出される有効成分の濃度が低く、36時間以上、長時間抽出する場合、抽出時間の増加に伴う抽出有効成分の濃度の増加が微々たるもので生産性の面から好ましくなかった。 さらに、上記のような方法で抽出したアギタケの水抽出液は、ろ過布などでろ過した後、ろ液を遠心分離させて沈殿物を除去してから、減圧濃縮又は濃縮した後、凍結乾燥して使用することが好ましかった。 一方、上述の具現例の脂質異常症の治療又は予防の組成物中の有効成分であるアギタケの水抽出物の含量は、好ましくは0.01〜30重量%である。有効成分であるアギタケの水抽出物の含量が0.01重量%未満の場合は、体内のコレステロールを吸収阻害する効果が微々であり、30重量%を超える場合は、含量増加に伴う阻害活性の増加効果が微々たるもので経済的でない。好ましくは組成物内のアギタケの水抽出物の含量は、0.001〜50重量%、最も好ましくは0.1〜30重量%であった。 本発明は、具現例によって前記組成物に含まれているアギタケの水抽出物を有効成分として含む脂質異常症の予防又は治療用の医薬品を提供する。このようなアギタケの水抽出物を有効成分として含む医薬品は、その製造に通常使用する適切な担体、賦形剤及び希釈剤を更に含むことができる。 本発明のアギタケの水抽出物を有効成分として含む医薬品に含まれうる担体、賦形剤及び希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルジネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレート及び鉱物油を挙げることができる。 本発明のアギタケの水抽出物を有効成分として含む医薬品は、それぞれ通常の方法により散剤、顆粒剤、錠剤、懸濁剤、エマルジョン、シロップなどの経口型剤形物として使用することができる。 前記経口型剤形物は、経口投与のための固形製剤と液状製剤を含む意味であり、経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などを含むことができ、このような固形製剤は前記抽出物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、カルシウムカーボネート(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)、又はラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調製することができる。 また、単純な賦形剤以外にマグネシウムステアレート、タルクのような潤滑剤も使用することができる。経口のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、油剤、シロップ剤などが該当するが、一般的に使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などを含むことができる。 本発明のアギタケの水抽出物を含有する薬学的組成物の好ましい投与量は、状態及び体重、疾病の程度、薬物形態、投与経路及び期間によって異なるが、当業者によって適切に選択されうる。好ましくは、本発明のアギタケの水抽出物を有効成分として含有する医薬品は、アギタケの水抽出物の量を基準として1日に成人基準(60kg体重)0.0001〜100mg/kgで、より効果的には0.01〜10mg/kgで投与することが好ましい。投与回数は、1日に1回投与することができ、数回に分けて投与することもできる。前記投与量と投与回数は、如何なる面であっても本発明の範囲を限定するものではない。 本発明の他の具現例によって、アギタケの水抽出物を有効成分として含む脂質異常症の改善用の機能性健康食品を提供する。本明細書で「健康機能性食品」というのは、栄養素を1つ以上含有している天然物又は加工品を意味し、好ましくはある程度の加工工程を経て直接食べられる状態となったものを意味する。 本発明のアギタケの水抽出物を添加することができる健康機能性食品としては、例えば、各種食品類、飲料、ガム、お茶、ビタミン複合剤などがある。さらに、本発明で食品には特殊栄養食品(例、調製乳類、乳児食など)、食肉加工品、魚肉製品、豆腐類、ムク類、麺類(例、ラーメン類、うどん類)、健康補助食品、調味食品(例、醤油、味噌、コチュジャン、混合醤など)、ソース類、菓子類(例、スナック類)、乳加工品(例、発酵乳、チーズなど)、その他加工食品、キムチ、漬物(各種キムチ類、ピクルスなど)、飲料(例、果実、野菜類飲料、豆乳類、発酵飲料類など)、天然調味料(例、ラーメンスープなど)を含むが、これに限定されない。前記食品、飲料又は食品添加剤は、通常の製造方法で製造することができる。 本明細書で、機能性食品とは、食品に物理的、生化学的、生物工学的手法などを用いて該当食品の機能を特定の目的に作用、発現するように付加価値を与えた食品群、又は食品の組成が有する生体防御リズム調節、疾病防止と回復などに関する体調節機能を生体に対して十分に発現するように設計して加工した食品を意味する。前記機能性食品には、食品学的に許容可能な食品補助添加剤を含むことができ、機能性食品の製造に通常使用される適切な担体、賦形剤及び希釈剤をさらに含むことができる。 本明細書で、飲料とは、渇きを解消したり味を楽しんだりするための飲み物の総称を意味し、機能性飲料を含むことを意図する。前記飲料は、指示された割合で必須成分としての前記アギタケの水抽出物を有効成分として含むこと以外に、他の成分には特に制限がなく、通常の飲料のように様々な香味剤又は天然炭水化物を追加成分として含有することができる。前記の天然炭水化物の例としては、単糖、例えば、ブドウ糖、果糖など、二糖、例えば、マルトース、スクロースなど、及び多糖、例えば、デキストリン、シクロデキストリンなどの通常の糖、及びキシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールである。前記のもの以外の香味剤として天然香味剤(タウマチン、ステビア抽出物(例えば、レバウディオシドA、グリチルリチンなど)及び合成香味剤(サッカリン、アスパルテームなど)を有利に使用することができる。前記天然炭水化物の割合は、本発明の組成物100mL当り一般的に約1〜20g、好ましくは5〜12gであってもよい。それ以外に、本発明の組成物は天然果実ジュース、果実ジュース飲料、野菜飲料を製造するための果肉をさらに含有することができる。 前記以外に本発明の健康機能性食品は、様々な栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤などの風味剤、着色剤及び充填剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、水、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含有することができる。このような成分を単独で又は組み合わせて使用することができる。このような添加剤の割合は、それほど重要ではないが、本発明のアギタケの水抽出物100重量部当り、0〜20重量部の範囲で選択することができる。 本明細書で、機能性飲料とは、飲料に物理的、生化学的、生物工学的手法などを用いて該当飲料の機能を特定の目的に作用、発現するように付加価値を与えた飲料群、又は飲料の組成が有する生体防御リズム調節、疾病防止と回復などに関する体調節機能を生体に対して十分に発現するように設計して加工した飲料を意味する。 前記機能性飲料は、指示された割合で必須成分として本発明のアギタケの水抽出物を含有する以外に、他の成分には特に制限がなく、通常の飲料のように様々な香味剤又は天然炭水化物などを追加成分として含有することができる。前記の天然炭水化物の例としては、単糖、例えば、ブドウ糖、果糖など、二糖、例えば、マルトース、スクロースなど、及び多糖、例えば、デキストリン、シクロデキストリンなどの通常の糖、及びキシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールである。前記のもの以外の香味剤として天然香味剤(タウマチン、ステビア抽出物(例えば、レバウディオシドA、グリチルリチンなど)及び合成香味剤(サッカリン、アスパルテームなど)を有利に使用することができる。前記天然炭水化物の割合は、本発明の組成物100mL当り一般的に約1〜20g、好ましくは5〜12gである。 また、脂質異常症の改善又は予防を目的とする健康機能性食品において、前記抽出物の量は食品重量全体の0.01〜15重量%で含むことができ、飲料組成物は100mLを基準に0.02〜5g、好ましくは0.3〜1gの割合で含むことができる。 一方、本発明は、更に他の具現例によって前記のようなアギタケの水抽出物を製造する方法を提供する。 本発明の一具現例によるアギタケの水抽出物の製造方法はアギタケの粉末を準備する段階;前記アギタケの粉末を水と混合する段階;及び前記混合物を20〜60℃の温度で、12〜36時間、抽出する段階を含む。 以下、本発明の具体的な実施例を通じて発明の構成及び効果をより詳細に説明することにする。しかし、下記の実施例は発明をより明確に理解するためのものに過ぎず、発明の権利範囲が下記の実施例に限定されるものではない。 但し、本発明から外れている、例えば、アギタケの粉末は、本発明者らが集中して繰り返し実験した結果、コレステロールエステラーゼ活性の阻害効果がないため、本発明の権利範囲に属しないといえる。 [実施例]アギタケの水抽出物の準備 乾燥したアギタケ(Pleurotus eryngii var. ferulea(Pf.)を市中で購入し、粗粉末化した後、ガーゼ製の袋に入れ、粉末1g当り、抽出溶媒として水50mLを混合した後、37℃で24時間、振盪培養器に抽出した。振盪培養器の上澄み液を2500rpmで10分間遠心分離した後、ろ過した上澄み液を収集し、供試材料として使用した。 [比較例]アギタケの水抽出物の準備 抽出溶媒として水50mLの代わりにエタノール(99.9%(v/v))70%及び100%各100mLを使用した点を除いては、上記の実施例と同様の方法で、65℃以上でアギタケのエタノール還流抽出物を供試材料として準備した。 <実験例1>本発明のアギタケの抽出物による膵臓コレステロールエステラーゼ活性の測定 膵臓コレステロールエステラーゼは、アシル鎖(acyl chain)を有する各器質を非特異的に認識してアシル鎖を分離する役割を行う。実施例及び比較例のアギタケの抽出物による膵臓コレステロールエステラーゼ活性を測定するために、酵素としてシグマケミカルで製造されたブタ膵臓由来のコレステロールエステラーゼを使用した。 膵臓コレステロールエステラーゼが発色物質(chromo−genic substrate(p−nirophenylbutyrate))を分解する性質を用いて、発色反応によってenzymeの活性変化を確認した。酵素の活性阻害効果は、マイクロプレートリーダー(Microplate reader)を用いて405nmの吸光度の変化によって測定し、抽出物非処理グループの405nm吸光度をベースとして計算し、%で示した。 実施例及び比較例の抽出物によって酵素の活性がどのように変わるか測定し、その結果、実施例の水抽出物が膵臓コレステロールエステラーゼの活性を顕著に低下させることを確認した。 一方、比較例の70%及び100%エタノール抽出物の各試料では膵臓コレステロールエステラーゼの活性を阻害する効果がほとんど現れなかった。実験結果を図1に比較して簡単に示した。 <実験例2>アギタケの水抽出物の濃度による膵臓コレステロールエステラーゼ活性の測定 一方、実施例のアギタケの水抽出物の濃度による膵臓コレステロールエステラーゼ活性を測定した。膵臓コレステロールエステラーゼに処理するアギタケの水抽出物の量を、抽出時の初期のアギタケ粉末濃度を基準(1%)にし、1/5倍、1/10倍、1/50倍に希釈(dilution)した時の膵臓コレステロールエステラーゼ活性の阻害効果を比較し、その結果を図2に比較して示した。 <実験例3>アギタケの水抽出物の濃度による膵臓リパーゼ活性の測定 膵臓リパーゼは、アシル鎖を有する各基質を非特異的に認識してアシル鎖を分離する役割を行う。実施例のアギタケの水抽出物の濃度による膵臓リパーゼ活性を測定するために、酵素としてシグマケミカルで製造されたブタ膵臓由来のリパーゼを使用した。 膵臓リパーゼが発色物質(chromo−genic substrate(p−nirophenylbutyrate))を分解する性質を用いて、発色反応によってenzymeの活性変化を確認した。酵素の活性阻害効果は、マイクロプレートリーダーを用いて405nmの吸光度の変化によって測定し、抽出物非処理グループの405nm吸光度をベースとして計算し、%で示した。 実施例のアギタケの水抽出物の濃度による酵素の活性がどのように変わるか測定し、その結果、実施例のアギタケの水抽出物が濃度依存的に膵臓リパーゼの活性を顕著に低下させることを確認した。結果は図3に簡単に示した。 <実験例4>本発明のアギタケの水抽出物によるコレステロール吸収の測定 コレステロールエステラーゼ活性の阻害効果を示した実施例のアギタケの水抽出物が個体水準でも効果を示すかを確認するために消化管でのコレステロールの吸収を測定した。 同位元素(3H)で標識されたオレイン酸コレステロール(Cholesterol oleate, Amersham,100μCi/ml)を1%(w/v)カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、1%(v/v)トゥイン80(Tween80)、非標識のオレイン酸コレステロールと混ぜて個体当り、1μCiが入るようにマウス(mouse)に経口用ゾンデを介して0.1mLを強制投与した。 この時、対照群のマウス(Balb/cオス、8週齢、体重〜25g)には、コレステロール吸収阻害効能のオルリスタット(Orlistat)400μg(20mg/kg)を、実験群のマウス(Balb/cオス、8週齢、体重〜25g)には、実施例のアギタケの水抽出物(10mg/mL)20mLを濃縮して0.1mLを経口投与した。 6時間後、マウスの血液を採取して4℃で血漿を14000rpmで10分間遠心分離して得て、液体シンチレータ(Beta counter, Beckman LS1801)を用いて線量を測定した。対照群(control)グループは、コレステロール吸収阻害剤として何も投与していないグループである。対照群グループの線量を1と定めて、各実験グループの線量を対照群グループの線量で割った時の相対値で脂肪吸収量を定めた。 本発明によるアギタケの水抽出物は、対照群に使用したオルリスタットと同様に顕著な脂肪吸収阻害効果を示した。結果は図4に比較して示した。参考として、図4で対照群は、コレステロール吸収阻害剤として何も投与していないマウスの血液採取結果である。 以下で本発明のアギタケの水抽出物を有効成分とする各種剤形の例を記載したが、本発明の製剤がこれに局限されるものではない。 製造例1.散剤の製造 アギタケの水抽出物粉末 20mg 乳糖 100mg タルク 10mg 上記の各成分を混合し、気密布に充填して散剤を製造した。 製造例2.錠剤の製造 アギタケの水抽出物粉末 10mg コーンスターチ 100mg 乳糖 100mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 上記の各成分を混合した後、通常の錠剤の製造方法により打錠して錠剤を製造した。 製造例3.カプセル剤の製造 アギタケの水抽出物粉末 10mg 結晶性セルロース 3mg ラクトース 14.8mg ステアリン酸マグネシウム 0.2mg 通常のカプセル剤の製造方法により上記の成分を混合し、ゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造した。 製造例4.液剤の製造 アギタケの水抽出物粉末 20mg 異性化糖 10g マンニトール 5g 精製水適量 通常の液剤の製造方法により精製水にそれぞれの成分を加えて溶解させ、レモン香を適量加えてから、上記の成分を混合した後、精製水を加えて全体を精製水を加えて全体100mLに調節した後、褐色瓶に充填し、滅菌させて液剤を製造した。 製造例5.注射剤の製造 アギタケの水抽出物分量 10mg マンニトール 180mg 注射用滅菌蒸留水 3000mg Na2HPO4,12H2O 25mg 通常の注射剤の製造方法により1アンプル当り(2mL) 上記の成分含量で製造する。 製造例6.健康食品の製造 アギタケの水抽出物粉末 1000mg ビタミン混合物適量 ビタミンAアセテート 70μg ビタミンE 1.0mg ビタミンB1 0.13mg ビタミンB2 0.15mg ビタミンB6 0.5mg ビタミンB12 0.2μg ビタミンC 10mg ビオチン 10μg ニコチン酸アミド 1.7mg 葉酸 50μg パントテン酸カルシウム0.5mg 無機質混合物適量 硫酸第一鉄 1.75mg 酸化亜鉛 0.82mg 炭酸マグネシウム 25.3mg 第一リン酸カリウム 15mg 第二リン酸カルシウム 55mg クエン酸カリウム 90mg 炭酸カルシウム 100mg 塩化マグネシウム 24.8mg 上記のビタミン及びミネラル混合物の組成比は、比較的健康食品に適する成分を好ましい実施例で混合組成したが、その配合比を任意に変形実施しても差し支えなく、通常の健康食品の製造方法により上記の成分を混合してから、顆粒を製造し、通常の方法により健康食品の組成物の製造に使用することができる。 アギタケの水抽出物を有効成分として含有量を特徴とする脂質異常症の予防又は治療用の組成物。 前記水抽出物は、アギタケを20〜60℃の温度の水で、12〜36時間抽出したことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。 前記水抽出物は、水50mL当り、アギタケ粉末を1〜5g混合して抽出したものである、請求項1に記載の組成物。 前記アギタケの水抽出物は、0.01〜30重量%含む、請求項1に記載の組成物。 アギタケの水抽出物を有効成分として含有する脂質異常症の予防又は治療用の薬学的組成物。 前記薬学的組成物が、散剤、顆粒剤、錠剤、懸濁剤、エマルジョン、注射剤又はシロップのいずれか一つである、請求項5に記載の医薬品。 アギタケの水抽出物を有効成分として含有する脂質異常症の改善健康機能性補助食品組成物。 前記健康補助食品組成物が、食品、食品添加剤又は飲料のいずれか一つである、請求項7に記載の脂質異常症の改善健康機能性補助食品。 本発明は、アギタケの水抽出物を有効成分として含有する脂質異常症の予防又は治療用の組成物及びこれを含む健康機能性食品に関するもので、アギタケの水抽出物はコレステロールエステラーゼの活性及び中性脂肪吸収阻害能がエタノール抽出物に比べて抜群に優れている効果がある。 20140715A16333全文3 アギタケの水抽出物を有効成分として含有する脂質異常症の予防又は治療用の組成物。 前記水抽出物は、20〜60℃の温度の水を使って、アギタケから12〜36時間抽出されたものである、請求項1に記載の組成物。 前記水抽出物は、水50mL当り、アギタケ粉末を1〜5g混合して得られる混合物から抽出されたものである、請求項1に記載の組成物。 前記アギタケの水抽出物を0.01〜30重量%含む、請求項1に記載の組成物。 アギタケの水抽出物を有効成分として含有する脂質異常症の予防又は治療用の薬学的組成物。 請求項5に記載の薬学的組成物を含む医薬品であって、 散剤、顆粒剤、錠剤、懸濁剤、エマルジョン、注射剤又はシロップのいずれか一つである医薬品。 アギタケの水抽出物を有効成分として含有する脂質異常症の改善用の健康機能性補助食品組成物。 請求項7に記載の健康機能性補助食品組成物を含む脂質異常症の改善用の健康機能性補助食品であって、 食品、食品添加剤又は飲料のいずれか一つである健康機能性補助食品。