生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_タウリンの製造方法
出願番号:2014542708
年次:2015
IPC分類:C07C 303/22,C07C 309/14


特許情報キャッシュ

チェン ヨン JP 2015501331 公表特許公報(A) 20150115 2014542708 20130219 タウリンの製造方法 キアンジアン ヨンアン ファーマシューティカル カンパニー リミテッド 513164945 QIANGJIANG YONGAN PHARMACEUTICAL CO., LTD 梶 良之 100089196 須原 誠 100104226 チェン ヨン CN 201210416911.3 20121025 C07C 303/22 20060101AFI20141212BHJP C07C 309/14 20060101ALI20141212BHJP JPC07C303/22C07C309/14 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC CN2013071665 20130219 WO2014063456 20140501 13 20130628 4H006 4H006AA02 4H006AC61 4H006BB31 4H006BC10 4H006BC16 4H006BC31 4H006BD34 4H006BD51 4H006BD70 4H006BE14 4H006BE42 本発明は、有機化学合成の技術分野に属し、具体的には、タウリンの製造方法に関する。 タウリンは、非タンパク質アミノ酸であり、医薬品として消炎、解熱、鎮痛、抗痙攣及び血圧降下などの作用があり、また乳幼児の大脳発育、神経伝達、視覚機能の成熟及びカルシウム吸収にも良好な作用があり,更に心臓血管系に一連の独特な機能があり、体質改善及び疲労解消に効果があり、医療や栄養食品などの分野において幅広く使われている。 タウリンの製造には、生物抽出法と化学合成法とを用いることができるが、前者は、原材料とコストの影響からその利用が制限されている。現在、タウリンの工業的製造には、エタノールアミンのエステル化法とエチレンオキシド法とが主に採用されており、エタノールアミンのエステル化法に比べて、エチレンオキシド法は、コストが低く、製品の品質が高く、環境汚染が少なく、連続化製造を実現できるなどのメリットがあるので、産業面において競争力のある製造プロセスとなっている。 エチレンオキシド法は、新規に開発された製造プロセスであり、その反応原理は、以下の通りである。 NaOH+SO2+CH2CH2O→HOCH2CH2SO3Na+NH3→H2NCH2CH2SO3Na+H2SO4→H2NCH2CH2SO3H+Na2SO4 しかしながら、エチレンオキシド法には、一定のデメリットもあり、具体的には、次の問題などが挙げられる:1)使用する液体苛性ソーダ及び硫酸は、危険性の高い化学原料であり、輸送管路や設備が腐食し易く、また人による作業時において安全事故が起こり易いので、大きな経済損失を招く恐れがあり、2)硫酸ナトリウム固体の廃棄物が大量に生じ、時間の経過につれて一部のタウリンが持ち出されて材料損失に繋がる一方、硫酸ナトリウムが終始に亘って母液中に存在しているため、高温高圧の合成条件において冷却装置、加熱装置、合成塔及び高圧管路に詰まりが生じやすく、正常な生産に影響を与えると同時に、大量の硫酸ナトリウム固体の廃棄物が労働強度の増大に繋がり、処理がしにくく、、3)後の抽出工程において、タウリン(H2NCH2CH2SO3H)を複数回に渡って抽出することによって大量の廃棄母液が生じ、4)一部の廃棄母液を排出する必要があるが、それによって原料が無駄に消耗され、回収率が低下する一方、環境汚染となり、同時に母液の濃縮に大量の熱蒸気が必要とされるためにエネルギー消耗が増える。そこで、上述した問題を解決できる有効な対応法が求められている。 本発明の主な目的は、システム中のナトリウム基を十分に利用するとともに、循環利用ができ、新しい原料や試薬の導入を必要とせず、一部の危険性の高い原料の使用を減らすことができ、製造プロセスを大幅に改善させて原材料の利用率と製品の回収率を向上させ、更に製造コストの削減を実現できるタウリンの製造方法を提供することである。 上述した本発明の目的を達成するために、以下の構成を採用する。即ち、本発明のタウリンの製造方法は、1)タウリンナトリウム溶液に対してS4+化合物を用いてpH値の調整を行うステップと、2)エチレンオキシドを導入してヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムに変換させるステップと、3)エチレンオキシドを導入する直前または直後においてタウリンを粗分離するステップと、4)ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムの反応液に更にアンモニアを加えて反応させ、タウリンナトリウムを新たに生成するステップとを含む。 前記ステップ1)において、pH値を調整する前のタウリンナトリウム溶液の質量パーセント濃度が45%〜48%であることが好ましい。 前記ステップ1)において、pH値の調整に用いられる物質がSO2またはH2SO3であることが好ましい。 前記ステップ1)において、SO2を用いてpH値を4.5〜9.0に調整することが好ましい。 前記ステップ1)において、SO2を用いてpH値を5.5〜6.5に調整することが好ましい。 前記のSO2を用いてpH値を5.5〜6.5に調整した溶液に、エチレンオキシドを導入してヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムを生成し、その内、ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムの質量パーセント濃度が48%〜55%であることが好ましい。 前記ステップ2)において、70〜80℃のエチレンオキシドを、pH値を調整済みのタウリンナトリウム溶液に導入し、溶液中におけるタウリンナトリウムとエチレンオキシドとの物質量の比率が1:1〜1:1.2となるようにすることが好ましい。 前記ステップ4)において、ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムの反応液にアンモニアを加えた後、アンモニアの体積パーセントが混合液の23%〜26%を占めることが好ましい。 前記タウリンの製造方法は、RNHCH2CH2SO3HとR(R`)NCH2CH2SO3Hの製造に用いることができる。 本発明による有益な効果としては、システム中のナトリウム基平衡を利用するとともに、母液を付加反応に循環して利用することによってタウリンナトリウムを新たに生成し、その後、タウリンを合成して抽出するタウリンの製造方法を提供する。本発明によれば、原材料を十分に利用することができ、従来の製造プロセスにおける、液体苛性ソーダと濃硫酸などの危険性の高い化学原料を大量に使用する問題を解決したので、固体廃棄塩である硫酸ナトリウムが大量に生じることを回避することができる。同時に、従来の製造プロセスにおいてタウリンの母液が複数回に渡って濃縮され、且つ十分に利用できずに排出されることによって生じる環境汚染の問題も解決でき、更に母液を複数回に渡って濃縮する際に必要とされる熱蒸気の消耗を低減させ、回収率を高め、コスト削減を実現することができる。 以下、当業者が本発明についてより理解でき且つ実施できるように、具体的な実施例を挙げて本発明について更に詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例に限られるものではない。 本発明の実施例は、タウリンナトリウム溶液に対してS4+化合物を用いてpH値を調整した後、タウリンを結晶化させて粗分離する一方、分離後の母液にエチレンオキシドを導入してヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムに変換させ、更にアンモニアを加えてタウリンナトリウムを新たに生成するステップを含むタウリンの製造方法を提供する。 更に、以下の反応工程によってタウリンを製造することができる。即ち、タウリンナトリウム溶液に対してS4+化合物を用いてpH値を調整した後、引き続きエチレンオキシドを導入してヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムとタウリンの混合溶液を生成し、その後、タウリンを粗分離し、分離後の母液にアンモニアを更に加えてタウリンナトリウムを新たに生成する。その反応原理は、以下の通りである。 46%のタウリンナトリウム溶液500 mlを取って反応容器に入れ、攪拌しながらSO2を、pHが5.5になるまでゆっくりと導入し、室温まで冷却させた後、ろ過して粗タウリンを得る。ろ過液を反応容器に移し,攪拌しながら72℃のエチレンオキシドを反応終点に達する(ヨード液の滴下数で確定)までゆっくりと導入し(溶液中におけるタウリンナトリウムとエチレンオキシドとの物質量の比率が1:1)、その後、この反応液に1015gのNH3・H2Oを更に加え、高圧反応槽において250℃まで加熱し、更に4.05MPaの圧力下で1時間反応させる。反応が終了した後、冷却して反応液を回収し、アンモニアを蒸留してタウリンナトリウム溶液を得る。タウリンの含有量は、HPLCで測定し、SO32−の含有量とヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムの含有量は、イオンクロマトグラフィーで測定する。測定結果は、以下の通りであり、含有量は、質量パーセントで表される。粗タウリン(重量):243gタウリン含有量:86.42%SO32−含有量:1.98%タウリンナトリウム溶液(重量):738gタウリンナトリウム含有量(タウリンに換算して):39.16%ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウム含有量:48.5% 46%のタウリンナトリウム溶液500mlを取って反応容器に入れ、攪拌しながらSO2を、pHが5.5になるまでゆっくりと導入し、その後、攪拌しながら75℃のエチレンオキシドを反応終点に達する(ヨード液の滴下数で確定)までゆっくりと導入し(溶液中におけるタウリンナトリウムとエチレンオキシドとの物質量の比率が1:1.1)、室温まで冷却させた後、ろ過して粗タウリンを得る。その後、この反応液に1015gのNH3・H2Oを更に加え、高圧反応槽において253℃まで加熱し、更に4.1MPaの圧力下で1時間反応させる。反応が終了した後、冷却して反応液を回収し、アンモニアを蒸留してタウリンナトリウム溶液を得る。結果は、以下の通りであり、含有量は、質量パーセントで表される。粗タウリン(重量):242gタウリン含有量:86.78%SO32−含有量:1.9%タウリンナトリウム溶液(重量):616gタウリンナトリウム含有量(タウリンに換算して):39.15%ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウム含有量:49.62% 46%のタウリンナトリウム溶液500mlを取って反応容器に入れ、攪拌しながらSO2を、pHが6.0になるまでゆっくりと導入し、室温までに冷却させた後、ろ過して粗タウリンを得る。その後、ろ過液を反応容器に移し、攪拌しながら78℃のエチレンオキシドを反応終点に達する(ヨード液の滴下数で確定)までゆっくりと導入する(溶液中におけるタウリンナトリウムとエチレンオキシドとの物質量の比率が1:1)。その後、この反応液に1010gのNH3・H2Oを更に加え、高圧反応槽において255℃まで加熱し、更に4.15MPaの圧力下で1.5時間反応させる。反応が終了した後、冷却して反応液を回収し、アンモニアを蒸留してタウリンナトリウム溶液を得る。結果は、以下の通りであり、含有量は、質量パーセントで表される。粗タウリン(重量):249gタウリン含有量:84.34%SO32−含有量:4.31%タウリンナトリウム溶液(重量):720gタウリンナトリウム含有量(タウリンに換算して):39.16%ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウム含有量:50.15% 46%のタウリンナトリウム溶液500 mlを取って反応容器に入れ、攪拌しながらSO2を、pHが6.0になるまでゆっくりと導入し、その後、80℃のエチレンオキシドを反応終点に達する(ヨード液の滴下数で確定)までゆっくりと導入する(溶液中におけるタウリンナトリウムとエチレンオキシドとの物質量の比率が1:1.2)。室温までに冷却させた後、ろ過して粗タウリンを得る。その後、この反応液に1020gのNH3・H2Oを更に加え、高圧反応槽において258℃まで加熱し、更に4.2MPaの圧力下で1.5時間反応させる。反応が終了した後、冷却して反応液を回収し、アンモニアを蒸留してタウリンナトリウム溶液を得る。結果は、以下の通りである。粗タウリン(重量):246gタウリン含有量:85.36%SO32−含有量:3.76%タウリンナトリウム溶液(重量):607gタウリンナトリウム含有量(タウリンに換算して):39.13%ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウム含有量:52.86%1)タウリンナトリウム溶液に対してS4+化合物を用いてpH値の調整を行うステップと、2)エチレンオキシドを導入してヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムに変換させるステップと、3)エチレンオキシドを導入する直前または直後においてタウリンを粗分離するステップと、4)ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムの反応液にアンモニアを更に加えて反応させ、タウリンナトリウムを新たに生成するステップとを含むことを特徴とする、タウリンの製造方法。 前記ステップ1)において、pH値を調整する前のタウリンナトリウム溶液の質量パーセント濃度が45%〜48%であることを特徴とする、請求項1に記載のタウリンの製造方法。 前記ステップ1)において、pH値の調整に用いられる物質がSO2またはH2SO3であることを特徴とする、請求項1に記載のタウリンの製造方法。 前記ステップ1)において、SO2を用いてpH値を4.5〜9.0に調整することを特徴とする、請求項1に記載のタウリンの製造方法。 前記ステップ1)において、SO2を用いてpH値を5.5〜6.5に調整することを特徴とする、請求項4に記載のタウリンの製造方法。 前記ステップ2)において、ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムの質量パーセント濃度が48%〜55%であることを特徴とする、請求項5に記載のタウリンの製造方法。 前記ステップ2)において、70〜80℃のエチレンオキシドを、pH値を調整済みのタウリンナトリウム溶液に導入し、溶液におけるタウリンナトリウムとエチレンオキシドとの物質量の比率が1:1〜1:1.2となるようにすることを特徴とする、請求項1に記載のタウリンの製造方法。 前記ステップ4)において、ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムの反応液にアンモニアを加えた後、アンモニアの体積パーセントが混合液の23%〜26%を占めることを特徴とする、請求項1に記載のタウリンの製造方法。 前記タウリンの製造方法は、RNHCH2CH2SO3HとR(R`)NCH2CH2SO3Hの製造に用いられることを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載のタウリンの製造方法。 本発明は、タウリンナトリウム溶液に対してS4+化合物を用いてpH値を調整した後、引き続きエチレンオキシドを導入してヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムに変換させ、エチレンオキシドを導入する直前または直後においてタウリンを粗分離し、ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムの反応液にアンモニアを更に加えて反応させ、タウリンナトリウムを新たに生成する工程を含むタウリンの製造方法を提供する。システム中のナトリウム基平衡を利用するとともに、母液を付加反応に循環して利用することによってタウリンナトリウムを新たに生成し、その後、タウリンを合成して抽出する。本発明によれば、原材料を十分に利用することができ、従来の製造プロセスにおける液体苛性ソーダと濃硫酸などの危険性の高い化学原料を大量に使用する問題を解決したので、固体の廃棄塩である硫酸ナトリウムが大量に生じることを回避することができる。同時に、従来の製造プロセスにおいてタウリンの母液が複数回に渡って濃縮され、且つ十分に利用できずに排出されることによって生じる環境汚染の問題も解決でき、更に母液を複数回に渡って濃縮する際に必要とされる熱蒸気の消耗を低減させ、回収率を高め、コスト削減を実現することができる。【選択図】なし


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