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タイトル:公表特許公報(A)_光スペクトルの反射歪みを補償する位相補正
出願番号:2014517253
年次:2014
IPC分類:G01N 21/65


特許情報キャッシュ

ディエム,マックス バード,ベンジャミン ミルコビッチ,ミロス JP 2014520278 公表特許公報(A) 20140821 2014517253 20120625 光スペクトルの反射歪みを補償する位相補正 ノースイースタン・ユニバーシティ 510280464 特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所 110000659 ディエム,マックス バード,ベンジャミン ミルコビッチ,ミロス US 61/500,999 20110624 G01N 21/65 20060101AFI20140725BHJP JPG01N21/65 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA US2012044054 20120625 WO2013039587 20130321 22 20140207 1.WINDOWS 2.Linux 2G043 2G043AA03 2G043BA16 2G043CA05 2G043EA03 2G043JA03 2G043JA04 2G043JA05 2G043KA01 2G043KA02 2G043KA03 2G043KA09 2G043LA02 2G043LA03 2G043MA01 2G043NA01 本出願は、2011年6月24日に出願された米国仮特許出願第61/500,999号の優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。[連邦政府による資金提供を受けた研究/開発の記載] 本研究は、国立衛生研究所(CA090346下)からの助成金および国土安全保障省中核的研究拠点(2008−ST−061−ED001)の助成金によって資金提供を受けた。[発明者] 米国人Max Diem(Boston,MA)、イギリス人Benjamin Bird(Jamaica Plain,MA)、セルビア人Milos Miljkovic(Jamaica Plain,MA)。 本発明は、概して、物理および分析化学を対象とし、量子力学およびリモートセンシング等の他の分野における用途を伴う。より具体的には、本発明は、振動分光法および振動顕微分光法による試料可視化の向上に有用な技術を対象とする。 振動分光法および振動顕微分光法(例えば、赤外線およびラマン)に基づく新規の医療診断法は、細胞の形態および組織の構造上の特徴の主観的かつ不十分な研究に依存するのではなく、細胞および組織の平均化された生化学的組成のスペクトルスナップショットを捕捉する。例えば、赤外線顕微分光法は、現在、細胞疾患の研究(「スペクトル細胞病理学」または「SCP」)および組織疾患の研究(「スペクトル組織病理学」または「SHP」)に適用されている。しかしながら、研究者は、SCPおよびSHPの両方ならびに他の分光法用途において、汚染されたスペクトルが汚染されていない場合のスペクトルと(化学物質含有量の観点から)別々に分類されてしまうことによって、スペクトル分析に悪影響を及ぼすあるアーチファクトによるスペクトルパターンの汚染を観察している。 つい最近まで、汚染源は完全には理解されていなく、汚染は、試料中の化学的変動または機器ソフトウェアの機能不良が原因であると見なされていた。 最近になって、汚染は、細胞核または球状細胞等の球状粒子によるミー散乱、および屈折率の異常分散が原因で、反射バンド形状が吸収バンド形状に重ね合わされることに起因すると考えられている。ミー散乱の相互作用および分散バンド形状の混合は、共鳴ミー(「RMie」)散乱として知られている。 図3において見られるように、ミー散乱は、広い波状のバックグラウンド特徴として現れる。一方で、RMie散乱アーチファクトは、図2において可視的である。下部のトレース21は、生物組織に対する汚染されていないスペクトルバンド形状を表す。一方で、上部のトレース22は、反射成分、すなわち、強度シフト23および振動数シフト24によるひどく汚染されたスペクトルのバンド形状を示す。図2における2つのトレースの差は、スペクトルの歪みが化学組成に依存しない代わりに、試料の形態に依存していることを示す。 SCPおよびSHP光スペクトルの歪みに加えて、RMie散乱アーチファクトは、複雑な屈折率の実数部および虚数部が著しく混合する、拡散反射赤外線フーリエ変換分光法(「DRIFTS」)、減衰全反射(「ATR」)分光法、コヒーレント反ストークスラマン分光法(「CARS」)、および他の形態の分光法を用いる用途において頻繁に生じる。したがって、歪んだバンド形状は、反射と吸収との相互作用のみならず、CARSにおいて役割を担う共鳴信号成分および非共鳴信号成分等の他の物理的パラメータに関連する屈折率の異常分散にも起因する。 反射成分が赤外線スペクトルの吸収特徴に重ねられることから生じるような歪んだバンド形状を補償する試みが行われている。1つのアプローチにおいて、研究者は、これらの効果が機器制御ソフトウェアの不正確な位相補正に起因すると考えた。他の研究者は、ミー散乱歪みを取り除くために既存の方法を適用した。例えば、拡張乗法信号補正(「EMSC」)方法では、最初はデータセットの平均スペクトルまたは「人工」スペクトル(例えば、純粋なタンパク質マトリクス)である「基準」スペクトルに従って、各スペクトルのデータセットを反復して補正した。一反復において、1000スペクトルのデータセットから、1000の補正されたスペクトルが生成された。次いで、各補正されたスペクトルがその後の反復のための基準として使用され、したがって、1,000,000回の補正処理が必要であった。数日にわたって測定された約10回のパスと計算時間において、補正された出力スペクトルの安定レベルは、非常に非効率的であった。 最近になって、研究者は、クラマース・クローニッヒ変換を介して反射成分(「干渉スペクトル」)を得て、かつvan Hulst式を介してミー散乱曲線を得ることによって、スペクトルから散乱および反射バンド形状を除去している。次いで、EMSCによりデータセット内の全てのスペクトルから歪み成分を差し引いた。このプロセスは、データセットの事前のクラスター分析を行い、かつ「汚染されていない」基準スペクトルとして、各クラスター内の最も高いアミドI周波数のスペクトルを選択することによって、時間のかかる反復性アプローチを回避した。また、このプロセスは、多数の干渉スペクトルも考慮したが、しかしながら、そのような干渉スペクトルの定義はプロセスに主観性を加えた。 本明細書に開示される実施形態は、光スペクトルの反射歪みを補償する分光システムおよびプロセスを提供する。簡潔に説明すると、システムの一実施形態は、とりわけ、以下のように実施することができる。システムは、エネルギー放出デバイス、検出デバイス、メモリ、および光スペクトルの反射歪みを補正するステップを行うようにメモリを通じて構成されるプロセッサを備えてもよい。別の実施形態において、システムは、歪んだ線形状が、反射と吸収の相互作用によって引き起こされるのではなく、CARS等における共鳴信号成分および非共鳴信号成分等の他の物理的パラメータによって引き起こされる光スペクトルを補償する。このシステムは、エネルギー放出デバイス、検出デバイス、プロセッサ、およびプロセッサと電子通信するメモリを備えてもよく、メモリは、プロセッサによって実行されるときに、共鳴信号成分および非共鳴信号成分によって引き起こされる歪みを補正するステップを行うコンピュータ実行可能なコードを記憶する。 生物学的用途の場合、多くの組織型から成るスペクトルデータセットにおいて、汚染されていないスペクトル(ここから「干渉スペクトル」が生じる)を抽出することは煩雑になり得る。これらの条件下において、最適な干渉スペクトルに対してデータセット内の全てのスペクトルの適合が保証されているかは不明瞭である。したがって、入力データが不要で、かつ計算が早い、修正された位相補正アプローチに基づく方法が提示される。屈折率の異常分散に基づく、ミー散乱およびRMie散乱等の制限要因ならびに他の歪み効果を考慮する。 本明細書に開示されるアプローチは、まず、全てのスペクトルを逆フーリエ変換によって光路差領域に変換する。このプロセスは、スペクトルごとに、実数のインターフェログラムおよび虚数のインターフェログラムの両方をもたらす。各インターフェログラムを2の因数でゼロ充填した後、ゼロ詰めされたインターフェログラムは、順フーリエ変換されて、スペクトルの純粋な吸収部分から成り、かつ吸収バンド形状を示すスペクトル虚数部と、数的クラマース・クローニッヒ変換により得られた同一の分散バンド形状を示すスペクトル実数部とをもたらす。その間に最適な位相角を有する実数部と虚数部を組み換えることによって、アーチファクトを含まないスペクトルが得られる。 さらに、汚染されたスペクトルの補正に必要とされる位相は、実験的に決定することができず、スペクトルによって異なるため、位相角は、ユーザが選択可能なステップにおいて、−90〜90度での段階的アプローチアプローチを用いて決定される。「最良」のスペクトルは、両方とも位相補正中に変化するピーク位置および強度規準の分析によって決定される。そのようなスペクトルは、計算が終了するエンドポイントである。このアプローチにおいて、広い波状のミー散乱影響は明確には補正されないが、それらは、二次導関数スペクトルに位相補正計算を行うことによって消失するため、散乱のないバックグラウンドを示す。 ある態様は、光スペクトルの反射歪み補正するためのプロセスを提供することと見なすこともできる。一実施形態において、プロセスは、赤外線または他のエネルギー波形放出を用いて試料を走査して、少なくとも1つのスペクトルを得ることと、少なくとも1つのスペクトルを事前処理することと、逆フーリエ変換を行って、少なくとも1つのスペクトルから実数のインターフェログラムおよび虚数のインターフェログラムを得ることと、インターフェログラムをゼロ充填することと、順フーリエ変換を行って、少なくとも1つのスペクトルの実数部および虚数部を得ることと、試験位相角を用いて実数部と虚数部を組み換えて、分散バンド形状を実質的に含まない少なくとも1つの補正されたスペクトルを得ることと、とを含む。 本発明のシステムおよびプロセスは、先のアプローチに比べて少なくとも以下の相関利点を有する:計算速度(5000スペクトル/秒)、ハイパースペクトルデータセットに関する事前入力データの不要、スペクトル撮像およびデジタル染色診断ルーチンへのプロセスの容易な取り込み(例えば、SCPおよびSHPにおける自動癌検出および診断のため)、バンド形状が反射アーチファクトによって歪められる他の形の分光法への適用可能性(例えば、DRIFTS、ATR分光法、およびCARS)、ならびに正しく理解された基本的な物理的原理に基づく基盤。 他のシステム、プロセス、および特徴が、以下の図面および発明を実施するための形態を考察すれば、当業者には明らかになるであろう。かかる全てのさらなるシステム、プロセス、および特徴が、本記述内に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されるよう意図される。 以下の図は、例示目的のみに提示され、限定するよう意図されない。いくつかの実施形態に従う流れ図である。反射歪み有りおよび反射歪み無しの両方の生物組織の吸収スペクトルを示す一連のプロットである。球状粒子によるミー散乱に起因するスペクトルのバックグラウンド特徴を示すプロットである。赤外線スペクトルの屈折率の異常分散を示すプロットである。吸収スペクトルおよびスペクトルの二次導関数を示す一連のプロットである。スペクトルの順フーリエ変換の実数部を示すプロットである。RMie散乱アーチファクトによって汚染された吸収スペクトルバンド形状が、位相角を変化させることによってどのように変わり得るかを示す一連のトレースである。散乱効果によって汚染される吸収スペクトルならびにスペクトルの順フーリエ変換の結果として生じる虚数部を示す一連のプロットである。ヒトのリンパ節組織切片を示す顕微鏡写真である。RMie散乱アーチファクトによって汚染されたハイパースペクトルデータセットの階層的クラスター分析を用いて得られたヒトのリンパ節組織切片を示す画像である。RMie散乱アーチファクトによって汚染されたハイパースペクトルデータセットに対するアミドI振動バンドのピーク周波数を示す図である。位相補正後のハイパースペクトルデータセットに対するアミドI振動バンドのピーク周波数を示す画像である。位相補正後のハイパースペクトルデータセットの階層的クラスター分析により得られたヒトのリンパ節組織切片を示す画像である。ヒトのリンパ節組織切片の顕微鏡写真である。いくつかの実施形態に従う構成要素図である。 本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、および他の参考文献は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。矛盾が生じる場合には、定義を含む本明細書が優先される。加えて、材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、限定するようには意図されない。 別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般的に理解される意味と同一の意味を有する。本明細書に記載のものと同様または同等の方法および材料が本発明の実施または試験で使用され得るが、好適な方法および材料が以下に記載される。(定義) 便宜上、本明細書、実施例、および請求項で採用されるある用語がここに集められる。別途定義されない限り、本開示で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術の当業者によって一般的に理解される意味と同一の意味を有する。本開示で提供される群または用語に対して提供された最初の定義が、別途示されない限り、本開示全体を通じて個別にまたは別の群の一部として、その群または用語に適用される。 概して、本開示の組成物は、本開示に開示される任意の適切な成分を含むか、その成分から成るか、またはその成分から本質的に成るように交互に製剤化することができる。本発明の組成物は、先行技術の組成物で使用されるか、またはさもなければ本開示の機能および/もしくは目的の達成に必ずしも必要ではない任意の成分、材料、含有物、アジュバント、種を欠くか、または実質的に含まないようにさらに、または代替的に製剤化され得る。 冠詞「1つの(「a」および「an」)」は、本開示において、1つまたは1つより多くの(すなわち、少なくとも1つの)冠詞の文法的目的語を指すために使用される。例として、「要素(an element)」は、1つの要素または1つより多くの要素を意味する。 用語「または」は、本開示において、別途示されない限り、用語「および/または」を意味するように使用され、用語「および/または」と同義に使用される。 用語「スペクトル」は、本開示において、周波数の関数としての信号強度または電力を表すデータを意味するように使用される。周波数の概念は、本開示が属する技術の当業者によって一般的に理解されているような波長および波数の概念と同一の関連性を有する。 用語「ハイパースペクトルデータセット」は、本開示において、それぞれk強度データ点から成り、通常、周波数領域(すなわち、信号強度対周波数)に等間隔に配置されている、個々のスペクトルまたはスペクトルベクトル(例えば、吸収、反射、または放出を表す)のN=n・mから成る構成物を意味するように使用される。各スペクトルは、試料の明確なピクセルと関連付けられ、l≦x≦nおよびl≦y≦mである、座標xおよびyによって位置付けることができる。 用語「位相差」は、本開示において、同一の周波数の、かつ同一の時点が言及される2つの波形の差を意味するように使用される。位相差は、時間単位、0〜360度、0〜2πラジアンで表されてもよい。したがって、用語「位相角」は、本開示において、同一の周波数の、かつ同一の時点が言及される2つの波形の確度差を意味するように使用される。 用語「バンド」もしくは「バンド形状」または「バンド特性」は、本開示において、物質中の特定の遷移(例えば、吸収、反射、または放出)を励起することができる周波数の範囲、または周波数の関数としてのスペクトル信号強度のプロットを意味するように使用される。吸収バンド形状は、複雑な屈折率の虚数部kに対応する。反射バンド形状は、複雑な屈折率の実数部nに対応し、かつ数的クラマース・クローニッヒ変換によって吸収バンドから得ることができるか、または複雑なフーリエ変換の実数部として得ることができる。 用語「二次導関数スペクトル」は、本開示において、周波数または波数に対するスペクトル信号強度の二次導関数を意味するように使用される。 用語「逆フーリエ変換」は、本開示において、周波数領域(すなわち、波数の関数としての信号強度)から路差領域(すなわち、光路差の関数としての信号強度)への変換を意味するように使用される。用語「順フーリエ変換」は、本開示において、路差領域から周波数領域へのスペクトルの変換を意味するように使用される。 用語「ミー散乱」は、本開示において、試料を検査する光の波長とほぼ同一のサイズの粒子(例えば、細胞核または球状細胞)から成る不均一な試料の使用に起因する、スペクトルバンド特性の形態依存性の歪みを意味するように使用される。ミー散乱は、図3から分かるように、広い波状のバックグラウンド特徴として現れる。 用語「共鳴Mie(RMie)散乱」は、本開示において、図4にモデル化されているように、反射バンド形状41と吸収バンド形状42の混合による、スペクトルバンド特性の歪みを意味するように使用される。より具体的には、バンド形状43の信号強度および周波数のシフトとして現れるものは、屈折率の異常分散に起因する。この歪みは、試料の吸収率が最大を超えたとき(すなわち、吸収バンド特性を上回ったとき)に常に生じ、また、ミー散乱および屈折率に依存する他の光効果と関係している。 用語「位相補正されたスペクトル」は、本開示において、本発明の実施形態に従って、ミー散乱およびRMie散乱に対して補正されたスペクトルを意味するように使用される。(システムおよびプロセス) 本開示は、複雑な屈折率の実数部と虚数部が混合する分光法の形を通じて得られた光スペクトルの反射歪みを補償するシステムおよびプロセスを部分的に提供する。この混合は、種々の物理的プロセスを通じて生じ、かつ測定が反射モードで行われるときに特に明白である。特に、システムおよびプロセスは、反射歪みを補正するための定義済みエンドポイントを利用する。一部の実施形態において、スペクトルにおいて観察された反射歪みは、調整することでスペクトルの実数部と虚数部の間の位相角を最適化するように補正される。位相補正は、正しい位相角を実験的に決定することができるある分光法(例えば、フーリエ変換赤外線および核磁気共鳴分光法)において、インターフェログラムの事前処理に日常的に使用されるが、位相補正は、RMie散乱によって崩壊したスペクトルの反射歪みを改善するために事後適用されない。 本システムは、反射歪みを補正されたデジタル画像を含む分光法結果を提供するために使用されてもよい。システムは、エネルギー放出デバイスと、検出デバイスと、ミー散乱またはRMie散乱によって汚染されたスペクトルの位相の調整に関する論理と、を備える。 エネルギー放出デバイスは、試料の化学組成の分析のために波形を生成する。放出デバイスは、マイクロ波発生器、広帯域源、またはレーザーに限定されない。ある実施形態において、システムは、試料を走査する前に、放出された波形をその成分波長に分割する独立した分散機を備える。 検出デバイスは、試料によって、または試料を通じて放出または反射された相対強度の成分波長を受信する。検出デバイスは、例えば、単一の検出器または検出器アレイとして配列される、光電子放出検出器(例えば、光電子増倍管、撮像管、もしくはマイクロチャネルプレート)または光伝導検出器(例えば、半導体)を含むがこれらに限定されない検出器である。当技術分野で周知であるように、エネルギー放出デバイスおよび検出デバイスを使用することができる。 検出デバイスの結果を使用するための論理は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせにおいて実行することができる。第一の例示的な実施形態において、本発明のシステムの少なくとも一部分は、実行可能なプログラムとして、ソフトウェアにおいて実行され、かつパーソナルコンピュータ、ワークステーション、ミニコンピュータ、またはインフレームコンピュータ等の特殊用途または汎用のデジタルコンピュータによって実行される。概して、ハードウェア構造の面から、コンピュータは、ローカルインターフェースを介して通信可能に連結される、プロセッサ、メモリ、記憶デバイス、および1つ以上の入力または出力デバイスを備える。代替的な実施形態において、システムは、当技術分野においてよく知られている技術を用いてハードウェアにおいて実行される。 システムの一実施形態において、エネルギー放出デバイスを備える走査デバイスは、試料を走査する。エネルギー放出デバイスは、試料と接触するエネルギー放出を放出する。エネルギー放出は、限定されないが、可視光、紫外線、ガンマ線、X線、および赤外線の形の電磁放射(例えば、光子)であってもよい。放出は、試料によって吸収されるか、試料によって散乱されるか、または試料を通じて伝送される。走査デバイスは、試料によって、または試料を通じてその後放出もしくは反射されるエネルギーを検出する検出器を備える。走査デバイスは、検出されたエネルギーを画像に変換し、反射歪みを補償するための論理を含む。適切な走査デバイスは、分光計、光度計、分光光度計、スペクトロスコープ、スペクトログラフ、スペクトル分析器、ポリクロメータ、モノクロメータ、プリズム、回折格子、光フィルタ、コリメータ、および/または光検出器のうちの1つ以上を含んでもよいがこれらに限定されない。 図15は、一部の実施形態に従ったシステム150の構成要素を示す。エネルギー放出デバイス152を備える走査デバイス151は、試料153の分析のために電磁波形を生成する。走査デバイス内の検出デバイス154は、試料153によって、または試料153を通じて放出、伝送、または反射された相対強度の成分波長を受信する。走査デバイス151の結果を使用するための論理の少なくとも一部分は、実行可能なプログラムとして、ソフトウェアにおいて実行され、かつコンピュータ155によって実行される。コンピュータ155は、ローカルインターフェースを介して通信可能に連結される、プロセッサ156、メモリ157、および1つ以上の入力または出力デバイス158を備える。メモリ157は、プロセッサ156と電子通信し、メモリ157は、プロセッサ156によって実行されるときに、プロセッサ156に、走査デバイス151の結果における歪みを補正させるコンピュータ実行可能なコードを記憶する。 本発明のシステムにおけるデバイスが概して記載されたが、以降に、スペクトルの反射歪みを補正するための本発明のシステムおよびプロセスで使用される論理をさらに記載する。 図1は、スペクトルの反射歪みを補正するための例示的なプロセスのステップを示す。記載されたプロセスは、ハイパースペクトルデータセットまたはデジタル画像13の単一のスペクトルまたは各スペクトルに適用されてもよい。図1の実施形態のステップ12において、試料11は、エネルギー放出を用いて走査されて、スペクトル13を受信する。 次に、スペクトル13は、補正のために事前処理される(図1、ステップ14)。一部の実施形態において、このステップは、適切なスペクトル範囲(例えば、指紋領域)を選択することを含んでもよい。指紋領域は、様々な成分が様々なスペクトルパターンを生成するスペクトル範囲である。特定の用途において、この領域は、全ての重原子伸縮もしくは曲げ振動、またはX−H変形モードを含有し、Xは、原子番号12以上の重原子であり、Hは、水素原子である。例えば、典型的な赤外線スペクトルの指紋領域は、通常、800〜1800cm−1(波数)である(図2参照)。 一部の実施形態において、ステップ14は、スペクトルの二次導関数を算出することを含んでもよい。図5は、線状バックグラウンドに重ね合わされた典型的なスペクトル51、および周波数または波数に対してスペクトル信号強度の二次導関数を取ることによって得られる二次導関数スペクトル52を示す。一部の実施形態は、Savitzky−Golayのスライディングウィンドウアルゴリズムを使用して、二次導関数スペクトルを計算する。他の実施形態において、二次導関数スペクトルは、インターフェログラム(すなわち、光路依存の関数としての信号強度)に適切に切り捨てられた二次関数を掛けることによって、周波数領域(すなわち、周波数または波数の関数としての信号強度)において計算される。 ある実施形態は、スペクトルを使用するが、他の実施形態は、入力として二次導関数スペクトルを使用する。一部の実施形態において、二次導関数は、歪みの影響を減少するように算出される。図8に概略的に示されるように、スペクトルが、基線傾斜81を模倣するミー散乱効果によって汚染された場合、そのスペクトルの順フーリエ変換82の虚数部は、スペクトル境界で強く曲がった効果を示し、これは、結果として生じる位相補正されたスペクトルを汚染する。しかしながら、微分法は、傾斜したバックグラウンド特徴を除去し、ミー散乱アーチファクトを含まないスペクトルをもたらす。さらに、二次導関数スペクトルには、(例えば、階層的クラスター分析、セグメント化、または他の診断アルゴリズムを用いて)スペクトルデータの一般的な分析を既に行っているため、微分の逆演算の将来的な必要性が最小限に抑えられる。したがって、ある実施形態において二次導関数スペクトルを使用することが有利である。 一部の実施形態において、ステップ14は、スペクトルをベクトル正規化して、異なる試料の厚さを補償することを含んでもよい(図1、ステップ14)。さらなる実施形態において、ステップ14は、スペクトルを適切なデータ点長まで補間するか、または切り捨てて、変換されるベクトルが2の整数乗と等しい長さ有する場合にのみ適用することができる高速フーリエ変換アルゴリズム(「FFT」)による離散フーリエ変換を計算することを含んでもよい。典型的なデータ点長は、512、1024、または2048データ点(すなわち、フーリエ変換算出で使用される関数評価)である。 図1の実施形態のステップ15において、スペクトルに逆フーリエ変換を行って、それぞれNFT/2データ点である、実数のインターフェログラムおよび虚数のインターフェログラムを得る。実数のインターフェログラムの一部分を図6に示す。 間違った信号減少(すなわち、杭垣効果)を回避するため、図1の実施形態のステップ16は、順フーリエ変換(ステップ17)を行う前に、インターフェログラムの端部にゼロ値を追加することを要求する。このインターフェログラムデータ点の数の増加は、スペクトルの周波数あたりの試料点の数の増加に繋がり、かつ離散フーリエ変換を適用する前に特に有益である。2のゼロ充填因数(すわなち、インターフェログラムがその本来の長さの2倍になるまでゼロ充填する)が提案される。したがって、各インターフェログラムの第2のNFT/2データ点は、NFTの全長を有する2つのゼロ充填されたインターフェログラムを生成するようにゼロ充填される。 図1の実施形態のステップ17において、ゼロ充填されたインターフェログラムに順フーリエ変換を行って、吸収バンド特性を示すスペクトルの虚数部、および数的クラマース・クローニッヒ変換により吸収バンド特性から得られる同一の反射バンド形状を示すスペクトルの実数部を得る。 図1の実施形態のステップ18において、フーリエ分析に起因する実数(RE)部および虚数(IM)部は、その後、「位相補正」されて、位相シフトされた実数(RE’)部および虚数(IM’)部をもたらす。φは、位相角である。位相補正に対する位相角φは、実験的に決定することができず、スペクトルによって異なる。したがって、ある実施形態において、位相角は、組み換えられたスペクトル部の最適なバンド形状が認識されるまで(図1、判定19)、ユーザ定義の増分で(図1、ステップ18)−90〜90度、または−π/2〜π/2に段階的アプローチを用いて決定される。図7は、RMie散乱影響71によって汚染された吸収バンド形状を示す一連のトレースを通しての位相補正と、バンド形状が種々の位相角に伴ってどのように変化するかを示す。 最適なバンド形状は、両方とも位相補正中に変動するピーク位置および強度規準に基づいて選択される。図4に示すように、反射影響は、スペクトルバンド形状の全体強度を減少させる。したがって、ほとんどの用途において、位相補正後に最大全体強度を生成する位相角は、最適なバンド形状をもたらす可能性がある。二次導関数スペクトルは、スペクトルピークの徴候の逆を示すため、一部の実施形態は、1650〜1660cm−1のアミドIバンドにおいて最大ネガティブ強度を生成する位相角を好む。図7に見られるように、最適なバンド形状72は、位相補正後に最大強度を生成するだけでなく、約1655cm−1の汚染されていないスペクトルのピーク位置とも一致する。 一部の実施形態において、位相角が最適なバンド形状に対して選択されると、位相シフトされた実数部と虚数部は、組み換えられて、位相補正されたスペクトルをもたらす(図1、ステップ20)。[等価物] 当業者は、単に日常の実験を用いて、本明細書に具体的に記載されるある実施形態の多くの均等物を認識するか、または確認することができる。かかる等価物は、以下の特許請求の範囲に包含されるよう意図される。[実施例] 以下の実施例は、位相補正システムおよびプロセスの実施形態の動作を説明する。(材料および計装) この実施例で使用される放出デバイスは、連続的な赤外線スペクトルを放出するように約1300ケルビン(K)で動作する黒体源であった。検出デバイスは、極低温度で動作する光伝導HgCdTeアレイであった。全ての計算は、Windows XP、Windows7、またはLinux下で動作するインテルプロセッサベースのワークステーションを用いて行われた。(試料特性) この実施例は、SHPにより切除されたヒトのリンパ節組織切片から収集されたハイパースペクトルデータセットに基づく。リンパ節は、被膜下乳癌微小転移と確認されている。図9の顕微鏡写真は、癌領域91内の明確な細胞核および活性化リンパ球92の部位における高細胞充実性を示す。これらの試料異種性の両方ともが、様々な波数であっても、大きなRMie散乱効果をもたらす一因となる。 リンパ節切片のデジタル画像(図10)を、階層的クラスター分析によるデータセグメンテーション後に得た。癌組織を、リンパ球と、1つを超えるスペクトルクラスで構成され、かつ1つのクラスターに組み合わされた被膜と区別するには、10のクラスターが必要であった。全体的に、これらの組織型の区別は不十分であった。 このハイパースペクトルデータセットのセグメント化における困難は、図11を観察すると分かる。このプロットは、各スペクトルにおけるアミドI振動バンドのピーク周波数を示す。右側の目盛は、癌組織体では1630cm−1〜1665cm−1で、被膜では1635−1〜1665cm−1でピークが生じたことを示す。ペプチドおよびタンパク質のアミドI周波数は、二次タンパク質構造に応じて、1650cm−1〜1660cm−1の範囲で生じるはずであることは周知である。したがって、アミドI周波数の拡散は、RMie散乱効果によって激しく汚染されたハイパースペクトルデータセットにとっては典型的なことであった。 ミー散乱アーチファクトを除去するように、Savitsky−Golayの11点平滑化ウィンドウを用いて算出された波数に対して信号強度の二次導関数を計算することによって、ハイパースペクトルデータセットの個々のスペクトルを事前処理した。結果として生じる二次導関数スペクトルを、MATLABベースのFFTルーチンを用いて逆フーリエ変換を行う前に、赤外線指紋領域(778〜1800cm−1)において、それぞれベクトル正規化し、512データ点まで切り捨てた。各結果として生じるインターフェログラムの後半の256データ点をゼロ充填後、MATLABベースのFFTルーチンを用いた順フーリエ変換を行って、データセットにおいて各スペクトルの実数部および虚数部がもたらされた。各スペクトルに対して最適な吸収バンド形状(すなわち、最大全体強度および正確なピーク位置を有するバンド形状)が決定されるまで、ユーザ定義の増分で変化する位相角を用いて実数部と虚数部を組み換えた。次いで、補正されたスペクトルを含む第2のデジタル画像を生成した(図13、さらなる処理後)。(結果) 例示したプロセスの適用後、リンパ節切片の組織型の区別が向上した。図12は、RMie散乱歪みの位相補正後の各スペクトルにおけるアミドI振動バンドのピーク周波数を示す。アミドIピークの周波数変動は、癌組織体では1650cm−1〜1654cm−1の範囲、被膜では1657cm−1〜1665cm−1の範囲まで減少した(被膜の線維性結合タンパク質は、高いアミドIバンド位置を示すことで知られるタンパク質であるコラーゲンから主に成ることで知られている)。 階層的クラスター分析によるその後のデータセグメンテーションの結果を、図13に示す。図10と異なり、癌組織、被膜組織、活性化Bリンパ球、およびTリンパ球は、互いに明らかに区別される。図14のヘマトキシリンおよびエオシン(H&E染色)組織病理学的顕微鏡写真とのさらなる比較は、スペクトル分析が、視覚検査とほぼ完全に一致していることを示す。したがって、位相補正プロセスは、スペクトル組織病理学プロセスの質を大いに向上させた。(参考文献)[1] P. Wong, Wong, R., Caputo, T., Godwin, T., Rigas, B., Proc. Natl. Acad. Sci. 1991, 88, 10988.[2] a)B. Bird, M. J. Romeo, M. Diem, K. Bedrossian, N. Laver, S. Naber, Vibr.Spectrosc. 2008, 48, 101; b) M. Romeo, Mohlenhoff, B., Jennings, M., Diem, M., Biochim Biophys Acta 2006,1758, 915.[3] a)K. Papamarkakis, B. Bird, J. M. Schubert, M. Miljkovic, R. Wein, K. Bedrossian, N. Laver, M. Diem, Laboratory Investigations 2010, 90, 589; b)J. M. Schubert, B. Bird, K. Papamarkakis, M. Miljkovic, K. Bedrossian, N. Laver, M. Diem, Laboratory Investigations 2010, 90, 1068.[4] M. Diem, L. Chiriboga, H. Yee, Biopolymers 2000, 57, 282.[5] a)M. J. Romeo, M. Diem, Vibrational Spectrosc. 2005, 38, 115; b)M. Romeo, S. Boydston-White, C. Matthaeus, M. Miljkovic, B. Bird, T. Chernenko, M. Diem, Vibrational Microspectroscopy of Cells and Tissues, Wiley-lnterscience, Hoboken, NJ, 2008.[6] P. Lasch, M. Diem, W. Hansch, D. Naumann, J.Chemometrics 2007, 20, 209.[7] a)B. Bird, K. Bedrossian, N. Laver, M. Miljkovic, M. J. Romeo, M. Diem, The Analyst 2009,134, 1067; b) B. Bird, M. Romeo, M. Miljkovic, J. Smith, N. Stone, M. W. George, M. Diem, BMC J.Clin.Pathology 2008, 8, 1; c) B. Bird, M. Miljkovic, N. Laver, M. Diem, Tech.Cancer Res.Treatment 2011,10, 135.[8] M. Romeo, M. Diem, Vibrational Spectroscopy 2005, 38, 129.[9] a) B. Mohlenhoff, Romeo, M.J., Diem, M., Wood, B.R., Biophys J 2005, 88, 3635; b) M. J. Romeo, B. Mohlenhoff, M. Diem, Vibrational Spectrosc. 2006, 42,, 9.[10] a) P. Bassan, H. J. Byrne, F. Bonnier, J. Lee, P. Dumas, P. Gardner, Analyst 2009,134, 1586; b) P. Bassan, H. J. Byrne, J. Lee, F. Bonnier, C. Clarke, P. Dumas, E. Gazi, M.D. Brown, N. W. Clarke, P. Gardner, Analyst 2009,134, 1171.[11] P. Bassan, A. Kohler, H. Martens, J. Lee, H. J. Byrne, P. Dumas, E. Gazi, M. Brown, N. Clarke, P. Gardner, Analyst 2010,135, 268.[12] B. Bird, M. Miljkovic, M. Diem, J. Biophoton. 2010, 3 597.[13] a) A. Kohler, C. Kirschner, A. Oust, H. Martens, Appl. Spectrosc. 2005, 59, 707; b) A. Kohler, J. Sule- Sosa, G. D. Sockalingum, M. Tobin, F. BahramiI, Y. Yang, J. Pijanka, P. Dumas, M. Cotte, D. G. van Pittius, G. Parkes, H. Martens, Appl.Spectrosc., 2008, 62, 259.[14] H.C. Van De Hulst, Light Scattering by Small Particles, Dover, Mineola, NY, 1981. 光スペクトルの反射歪みを補償するプロセスであって、 エネルギー放出を用いて試料を走査して、少なくとも1つのスペクトルを得ることと、 逆フーリエ変換を行って、前記少なくとも1つのスペクトルのそれぞれから実数のインターフェログラムおよび虚数のインターフェログラムを得ることと、 前記インターフェログラムをゼロ充填することと、 順フーリエ変換を行って、前記少なくとも1つのスペクトルのそれぞれの実数部および虚数部を得ることと、 試験位相角を用いて前記実数部と前記虚数部を組み換えて、分散バンド形状を実質的に含まない少なくとも1つの補正されたスペクトルを得ることと、を含む、プロセス。 前記少なくとも1つのスペクトルは、マルチスペクトル画像またはハイパースペクトル画像を含む、請求項1に記載のプロセス。 前記少なくとも1つの補正されたスペクトルは、分散効果を実質的に含まない、補正されたマルチスペクトル画像またはハイパースペクトル画像を含む、請求項1に記載のプロセス。 逆フーリエ変換を行って、前記少なくとも1つのスペクトルから実数のインターフェログラムおよび虚数のインターフェログラムを得るステップは、前記少なくとも1つのスペクトルを事前処理することを含む、請求項1に記載のプロセス。 前記少なくとも1つのスペクトルを事前処理することは、前記少なくとも1つのスペクトルのスペクトル範囲を選択することを含む、請求項4に記載のプロセス。 前記スペクトル範囲は、778〜1800cm−1である、請求項5に記載のプロセス。 前記少なくとも1つのスペクトルを事前処理することは、前記少なくとも1つのスペクトルの二次導関数を計算することを含む、請求項4に記載のプロセス。 前記少なくとも1つのスペクトルを事前処理することは、前記少なくとも1つのスペクトルをベクトル正規化することを含む、請求項4に記載のプロセス。 前記少なくとも1つのスペクトルを事前処理することは、前記少なくとも1つのスペクトルを補間するか、または切り捨てることを含む、請求項4に記載のプロセス。 前記少なくとも1つのスペクトルは、2の整数乗であるデータ点長まで補間されるか、または切り捨てられる、請求項9に記載のプロセス。 逆フーリエ変換を行うステップは、高速フーリエ変換アルゴリズムを含む、請求項1に記載のプロセス。 順フーリエ変換を行うステップは、高速フーリエ変換アルゴリズムを含む、請求項1に記載のプロセス。 前記インターフェログラムをゼロ充填するステップは、各インターフェログラムの端部にゼロ値を追加することを含む、請求項1に記載のプロセス。 前記ゼロ充填因数は、2である、請求項13に記載のプロセス。 試験位相角を用いて前記実数部と前記虚数部を組み換えて、少なくとも1つの補正されたスペクトルを得るステップは、−π/2〜π/2ラジアンに前記位相角を変化させることを含む、請求項1に記載のプロセス。 試験位相角を用いて前記実数部と前記虚数部を組み換えて、少なくとも1つの補正されたスペクトルを得るステップは、ユーザ定義の増分で前記位相角を変化させることを含む、請求項1に記載のプロセス。 プロセッサと、前記プロセッサと電子通信するメモリと、を備える、光スペクトルの反射歪みを補償するためのシステムであって、前記メモリは、前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、 逆フーリエ変換を行って、少なくとも1つのスペクトルのそれぞれから実数のインターフェログラムおよび虚数のインターフェログラムを得ることと、 前記インターフェログラムをゼロ充填することと、 順フーリエ変換を行って、前記少なくとも1つのスペクトルのそれぞれの実数部および虚数部を得ることと、 試験位相角を用いて前記実数部と前記虚数部を組み換えて、分散バンド形状を実質的に含まない少なくとも1つの補正されたスペクトルを得ることと、を引き起こすコンピュータ実行可能なコードを記憶する、システム。 実行可能なコードは、1つ以上のメモリデバイスに記憶される、請求項17に記載のシステム。 前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、前記少なくとも1つのスペクトルを事前処理させる実行可能なコードをさらに含む、請求項17に記載のシステム。 前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、前記少なくとも1つのスペクトルのスペクトル範囲を選択させる実行可能なコードをさらに含む、請求項17に記載のシステム。 前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、前記少なくとも1つのスペクトルの二次導関数を計算させる実行可能なコードをさらに含む、請求項17に記載のシステム。 前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、前記少なくとも1つのスペクトルを補間させる実行可能なコードをさらに含む、請求項17に記載のシステム。 前記少なくとも1つのスペクトルは、2の整数乗であるデータ点長まで補間されるか、または切り捨てられる、請求項22に記載のシステム。 前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、高速フーリエ変換アルゴリズムを行わせる実行可能なコードをさらに含む、請求項17に記載のシステム。 前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、各インターフェログラムの端部にゼロ値を追加させる実行可能なコードをさらに含む、請求項17に記載のシステム。 前記ゼロ充填因数は、2である、請求項25に記載のシステム。 前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、−π/2〜π/2ラジアンに前記位相角を変化させる実行可能なコードをさらに含む、請求項17に記載のシステム。 前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、ユーザ定義の増分で前記位相角を変化させる実行可能なコードをさらに含む、請求項17に記載のシステム。 波形を生成するために少なくとも1つのエネルギー放出デバイスをさらに備える、請求項17に記載のシステム。 試料から少なくとも1つのスペクトルを得るために少なくとも1つの検出デバイスをさらに備える、請求項17に記載のシステム。 屈折率の異常分散に起因する歪みに対して光スペクトルを補正するプロセスであって、 エネルギー放出を用いて試料を走査して、少なくとも1つのスペクトルを得ることと、 逆フーリエ変換を行って、前記少なくとも1つのスペクトルのそれぞれから実数のインターフェログラムおよび虚数のインターフェログラムを得ることと、 前記インターフェログラムをゼロ充填することと、 順フーリエ変換を行って、前記少なくとも1つのスペクトルのそれぞれの実数部および虚数部を得ることと、 試験位相角を用いて前記実数部と前記虚数部を組み換えて、分散バンド形を実質的に含まない少なくとも1つの補正されたスペクトルを得ることと、を含む、プロセス。 前記歪みは、反射と吸収の相互作用によって引き起こされない、請求項31に記載のプロセス。 前記歪みは、コヒーレント反ストークスラマン分光法(CARS)において引き起こされる、請求項31に記載のプロセス。 歪みが非共鳴信号成分および共鳴信号成分によって引き起こされる、光スペクトルを補償するためのシステムであって、プロセッサと、前記プロセッサと電子通信するメモリと、を備え、前記メモリは、前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、 逆フーリエ変換を行って、少なくとも1つのスペクトルのそれぞれから実数のインターフェログラムおよび虚数のインターフェログラムを得ることと、 前記インターフェログラムをゼロ充填することと、 順フーリエ変換を行って、前記少なくとも1つのスペクトルのそれぞれの実数部および虚数部を得ることと、 試験位相角を用いて前記実数部と前記虚数部を組み換えて、分散バンド形状を実質的に含まない少なくとも1つの補正されたスペクトルを得ることと、を引き起こすコンピュータ実行可能なコードを記憶する、システム。 前記歪みは、反射と吸収の相互作用によって引き起こされない、請求項34に記載のシステム。 前記歪みは、コヒーレント反ストークスラマン分光法(CARS)において引き起こされる、請求項34に記載のシステム。 光スペクトルの反射歪みを補正するプロセスおよびシステムが本明細書に開示される。加えて、反射歪みを補償する分光システムも開示される。【選択図】図1


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