生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_TEM8抗体、そのコンジュゲートおよびそれらの使用
出願番号:2014515968
年次:2014
IPC分類:C07K 16/28,A61P 35/00,A61P 43/00,A61K 39/395,A61K 47/48,A61K 45/00,C12N 15/09,C12P 21/08


特許情報キャッシュ

セントクロイ ブラッド フレミング トニー チャウダリー アミト サハ ソラブ チャン シャオヤン ミシェル クォン ロウ‐ファン JP 2014524902 公表特許公報(A) 20140925 2014515968 20120613 TEM8抗体、そのコンジュゲートおよびそれらの使用 アメリカ合衆国 512024037 ノバルティス アーゲー 504389991 清水 初志 100102978 春名 雅夫 100102118 山口 裕孝 100160923 刑部 俊 100119507 井上 隆一 100142929 佐藤 利光 100148699 新見 浩一 100128048 小林 智彦 100129506 渡邉 伸一 100130845 大関 雅人 100114340 五十嵐 義弘 100114889 川本 和弥 100121072 セントクロイ ブラッド フレミング トニー チャウダリー アミト サハ ソラブ チャン シャオヤン ミシェル クォン ロウ‐ファン US 61/496,986 20110614 US 61/496,737 20110614 C07K 16/28 20060101AFI20140829BHJP A61P 35/00 20060101ALI20140829BHJP A61P 43/00 20060101ALI20140829BHJP A61K 39/395 20060101ALI20140829BHJP A61K 47/48 20060101ALI20140829BHJP A61K 45/00 20060101ALI20140829BHJP C12N 15/09 20060101ALN20140829BHJP C12P 21/08 20060101ALN20140829BHJP JPC07K16/28A61P35/00A61P43/00 121A61P43/00 105A61K39/395 NA61K39/395 TA61K47/48A61K45/00C12N15/00 AC12P21/08 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA US2012042315 20120613 WO2012174160 20121220 92 20140127 4B024 4B064 4C076 4C084 4C085 4H045 4B024AA01 4B024BA44 4B024BA61 4B024CA01 4B024CA11 4B024EA04 4B024GA11 4B024HA01 4B024HA09 4B064AG27 4B064CA10 4B064CA19 4B064CC24 4B064CE10 4B064CE12 4B064DA01 4C076CC26 4C076CC27 4C076EE59 4C084AA17 4C084AA27 4C084MA02 4C084MA05 4C084NA05 4C084NA14 4C084ZB211 4C084ZB261 4C084ZB262 4C084ZC751 4C085AA14 4C085AA25 4C085AA26 4C085AA27 4C085BB11 4C085BB41 4C085BB43 4C085CC23 4C085EE01 4C085EE03 4H045AA11 4H045AA30 4H045BA10 4H045BA72 4H045CA40 4H045DA76 4H045EA20 4H045FA74 4H045GA22 4H045GA26関連出願の相互参照 本願は、2011年6月14日に出願された米国仮出願第61/496,986号および2011年6月14日に出願された同第61/496,737号の恩典を主張し、各々その全体を参照により組み入れる。分野 本願は、がんおよび細菌感染の分野に関連し、特にTEM8に特異的に結合する抗体および抗体コンジュゲートに関連する。共同研究協定関係者 本発明は、National Institutes of Health National Cancer InstituteとNovartis Institutes for BioMedical Research, Inc.の間のPublic Health Service Cooperative Research and Development Agreement (PHS-CRADA)第02350号の下でなされたものである。背景 既存の血管から血液血管網を発生させるプロセスである血管新生は、固形腫瘍の成長に必須であり、かつ正常な創傷治癒および成長プロセスの一要素である。それは、アテローム発生、関節炎、乾癬、角膜新血管形成および糖尿病性網膜症を含む多くの疾患および状態の病態生理学にも関与する。血管新生因子は、悪性腫瘍の進展に重要な役割を果たしている。 腫瘍内皮マーカー8(TEM8)は、炭疽毒素受容体1(ANTXR1)としても公知の、1回貫通型の細胞表面糖タンパク質であり、元々は、多くの他の関連しない腫瘍内皮マーカーと共に、ヒト結腸直腸がんの腫瘍血管系に沿って並ぶ内皮細胞におけるその過剰発現に基づき同定された。TEM8はまた、炭疽毒素の細胞表面受容体として機能し、炭疽毒素タンパク質にとっての第2の受容体であるCMG2(ANTXR2としても公知)と58%のアミノ酸同一性を共有している。VEGF、VEGFRおよび多くの他の重要な血管新生調節因子と異なり、TEM8は、発生上の血管新生、創傷治癒または黄体の正常な生理学的血管新生には必要とされない。TEM8は、マウスおよびヒトの両方において、様々な腫瘍タイプの腫瘍血管で上方調節され、いくつかの腫瘍では、腫瘍細胞によっても発現される。しかし、TEM8を標的とする化学療法剤および細胞表面上のTEM8に特異的に結合する高親和性抗体に対する要望が依然として存在する。概要 細胞表面上のTEM8に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル中和抗体、そのような抗体の抗原結合フラグメント、そのコンジュゲートおよびこれらの分子を使用する方法が提供される。いくつかの態様において、このコンジュゲートは、TEM8に特異的に結合するモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントに共有結合により連結されたエフェクター分子または検出可能マーカーを含む。いくつかの態様において、この抗体またはコンジュゲートは、TEM8を発現する対象由来の内皮細胞を検出する方法において使用される。いくつかの態様において、TEM8を発現する対象由来の内皮細胞の検出は、対象における病理学的な血管新生を検出する。他の態様において、この抗体およびコンジュゲートは、腫瘍、例えば癌腫を検出および処置する方法において使用される。さらに他の態様において、この抗体およびコンジュゲートは、細胞に対する炭疽防御抗原(PA)の結合を低減させる方法において使用される。 この抗体およびコンジュゲートならびにそれらの使用方法は、本明細書に詳細に記載されている個別の状況を超えて有用であることが理解されるであろう。例えば、本方法は、様々な場面で、例えば対象においてTEM8を発現する内皮細胞を検出する上で、対象において腫瘍を処置する上でまたは細胞に対する炭疽PAの結合を低減させる上で有用であると考えられる。 前述のおよび本願開示の特徴および利点は、添付図面を参照しつつ進められる以下の詳細な説明からより明確になるであろう。図1A〜1Gは、TEM8 KOマウスにおいてヒト腫瘍異種移植片の成長が妨げられることを示す一連のグラフおよびデジタル画像を示している。(A〜B)黒色腫(UACC、LOX)、(C)乳がん(MDA-MB-231)、(D)肺がん(NCI-H460)および(E〜G)結腸がん(DLD-1、HCT-116およびSW620)細胞株を、TEM8野生型(WT、丸)またはノックアウト(KO、四角)マウスに皮下注射し、腫瘍容積を経時的に観察した。摘出されたUACC腫瘍の物理的外観がAに示されている。(G)SW620の研究において、TEM8 KOグループの腫瘍は、平均サイズ800 mm3に到達するのに100日超を要したのに対して、TEM8 WTグループではわずか35日であった。p値は、最後の腫瘍測定から(A〜F)、またはWTグループがその最大サイズに達し安楽死させる必要があった第41日に(G)、計算した(スチューデントt検定)。バー=10 mm図2A〜2Gは、L2-mIgG2aおよびL5-mIgG2a抗体が、TEM8発現細胞と選択的に反応するがCMG2発現細胞に対しては選択的に反応しないこと、ならびに炭疽毒素タンパク質の結合および毒性をブロックすること、を示す一連のグラフおよびデジタル画像を示している。(A)L2-mIgG2a抗体を用いたフローサイトメトリー染色は、マウスTEM8(293-mTEM8)またはフラッグタグ付きヒトTEM8(293-Flag-hTEM8)で安定的にトランスフェクトされた293細胞に対する反応性を示したが、親の293細胞に対する反応性は示さなかった。(B)L2-mIgG2aおよびL5-mIgG2aは、ヒトTEM8で安定的にトランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(CHO-TEM8)を染色し、CMG2でトランスフェクトされた細胞(CHO-CMG2)を染色せず、一方、FITC標識PA(PA-FITC)は両細胞タイプを標識した。(C)ウェスタンブロット分析は、安定的にトランスフェクトされたCHO-TEM8およびCHO-CMG2細胞におけるTEM8およびCMG2の過剰発現を確認した。(D)L2-mIgG2aを用いた免疫蛍光染色は、CHO-TEM8細胞の細胞表面が標識されたことを示している。(E)L2-mIgG2aおよびL5-mIgG2a抗体は、フローサイトメトリーによる測定では用量依存的な様式で、CHO-TEM8細胞に対するPA-FITCの結合をブロックした。(F)致死毒素は、CHO-TEM8細胞を選択的に殺傷したが、親のCHO細胞は殺傷しなかった。(G)L2-mIgG2aおよびL5-mIgG2a抗体は、1μg/ml mgの致死毒素による処置後の毒性から細胞を保護する。このアッセイにおいて、L2-mIgG2aのEC50は292 ng/mLであり、L5-mIgG2aについては2575 ng/mLであった。図3A〜3Hは、L2-mIgG2aおよびL5-mIgG2a抗体がヒト腫瘍異種移植片の成長を阻害するが、創傷治癒は遅らせないことを示す一連のグラフおよびデジタル画像を示している。ヌードマウスに、UACC(図3Aおよび3D)、LS174T(図3B)、HCT-116(図3C)またはB16(図3E)腫瘍細胞を皮下接種し、生じた腫瘍の成長を観察した。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(ビヒクル)、抗VEGFR2抗体またはL2-mIgG2a抗TEM8抗体による処置を、腫瘍が50 mm3のサイズに達した時点(矢印)で開始し、週に3回行った。図3Aは、L2-mIgG2a処置がUACC腫瘍の成長を阻害したことを示している。そのデジタル画像は、研究終了時点の黒色腫腫瘍の、外科的切除後の物理的外観を示している。バー=10 mm。図3Bは、L2-mIgG2a処置が、LS174T腫瘍の成長を、VEGFR2抗体のそれと同様のレベルまで阻害したことを示している。図3Cは、L5-mIgG2a処置が、HCT-116腫瘍の成長を阻害したことを示している。図3Dは、L2-mIgG2aおよびL5-mIgG2aが用量依存的な様式でUACC腫瘍の成長を阻害したことを示している。2 mg/kg投与されたL2-mIgG2aは、15 mg/kg投与されたL5-mIgG2aと同等であった。図3Eは、L2-mIgG2a処置がB16黒色腫腫瘍の成長を阻害したことを示している。図3Fは、創傷の閉塞率が、L2処置後に、ビヒクル(PBS)単独の場合と比較して影響されなかったことを示している。創傷は、図3Eに示されているのと同一の腫瘍保有マウスにおいて形成した。図3Gは、対照およびL2処置グループにおける肉芽形成組織の血管系のCD31免疫蛍光染色を示している。この実験における対照マウスには、非特異的IgGが与えられた(グループあたりn=6創傷)。図3Hは、Matrigel Plugの血管形成を、非特異的IgGまたはL2抗TEM8抗体を用いた処置後に評価したことを示している。血管面積は、グループあたり6つのプラグから計算した。値は、平均±SEを表している。図3Gおよび3Hのバー:100μm。研究終了時に腫瘍を切除し、最終腫瘍重量を計算した(A、BおよびCの挿入図)。*P=0.00005、**P=0.002、****P=0.02。最終腫瘍測定時に、スチューデントt検定を使用してビヒクルグループとL2処置グループの間のp値を計算した。図4A〜4Eは、L2-mIgG2aによる腫瘍成長および血管密度の抑制が宿主からのTEM8発現に依存することを示す一連のグラフおよびデジタル画像を示している。(図4A)非特異的抗体(IgG対照)またはL2-mIgG2a抗TEM8抗体を、TEM8野生型(T8-WT)またはTEM8ノックアウト(T8-KO)ヌードマウスに対して、TEM8陰性DLD-1腫瘍細胞の皮下接種の1日後から週に3回、20 mg/kg投与した。L2-mIgG2a抗体は、TEM8 WTマウスにおいてのみ腫瘍成長を阻害した。(図4B)免疫蛍光染色は、L2-mIgG2a処置したWT、IgG処置したKOおよびL2-mIgG2a処置したKOグループにおける腫瘍血管密度が、WT IgG対照グループと比較して低いことを明らかにした。TEM8 KOマウスにおいては、L2-mIgG2a処置は、腫瘍血管密度を、IgG対照と比較して有意に減少させなかった。右パネル、CD31陽性血管面積の定量。*各グループとIgG WT対照グループの間でP<0.05(一元ANOVA)。(図4C)散在する腫瘍組織のフローサイトメトリー染色を使用して、Tem8 WTマウス由来のL2処置腫瘍(WT-L2)、Tem8 KOマウス由来のIgG処置腫瘍(KO-IgG)およびTem8野生型マウス由来のIgG処置腫瘍(WT-IgG)におけるCD31陽性細胞の百分率を決定した。ドットプロットは、各グループの代表データを示しており、棒グラフは、平均パーセントCD31陽性細胞を示している(グループあたりn=6)。WT-L2およびKO-IgGの両グループは、一元ANOVAによる決定で、WT-IgGグループよりも有意に少ない数の細胞を有していた。(図4D)DLD1腫瘍関連ECの増殖に対するL2処置の効果を、増殖期の細胞のマーカーであるホスホヒストンH3(PHH3)の免疫蛍光染色により評価した。血管を、CD31抗体およびMeca32抗体の両方で染色した。矢じりは、PHH3陽性血管を指し示している(挿入図)。ビヒクル(PBS)またはL2処置腫瘍における血管特異的増殖の相対量(グラフ)を計算するため、総血管面積の百分率として(矢印で示される)共局在面積を計算した。(図4E)TdT酵素を用いたDNAフラグメントへのジゴキシゲニン標識ヌクレオチドの組み込みおよびその後のFITC標識抗ジゴキシゲニン抗体を用いた検出によりDNA断片化を検出するTUNELベースのアッセイを用いて、DLD1腫瘍関連ECのアポトーシスに対するL2処置の効果を測定した。血管を、抗Meca32および抗CD31で染色した。矢じりは、TUNEL陽性血管の核を指し示している(挿入図)。ビヒクル(PBS)またはL2処置腫瘍におけるアポトーシスの量(グラフ)を計算するため、総血管面積の分数として(矢印で示される)共局在面積を計算した。値を、ビヒクルグループに対して正規化した。*p<0.02。図4Dおよび4Eのすべての切片を、DAPIで対比染色した。(C)および(D)の値は、平均±SEを表している。図4Dおよび4Eのバー:100μm。図5A〜5Fは、L2がインビボで腫瘍血管系を標的化し、インビトロで抗体依存細胞傷害性(ADCC)および補体依存細胞傷害性(CDC)に関与することを示す一連のデジタル画像およびグラフを示している。図5Aおよび5Bは、L2-mIgG2a抗体に共有結合により連結されたFITCのコンジュゲートがインビボでTEM8 WTマウス中の腫瘍間質を特異的に標識するが、TEM8 WTマウスの正常組織においては検出可能でないことを示している。(A)TEM8 WTマウスにDLD-1結腸がん細胞を接種した。生じた腫瘍の成長後に、このマウスに対して、FITC-L2-mIgG2a抗体コンジュゲートを静脈内注射しこれを3時間循環させる処置を行った。処置後、脳、心臓、腸、肝臓、筋肉、脾臓、胃および腫瘍組織を収集し、OCTで凍結させ、凍結切片化し、そしてMeca-32(汎内皮抗体)およびDAPI(核染色)による免疫蛍光染色のために処理し、そして免疫蛍光顕微鏡を用いて試験した。FITCの免疫蛍光は、TEM8 WTの腫瘍組織においてMeca-32の免疫蛍光と部分的に重複したが、正常組織では検出できなかった。(B)TEM8 WTおよびTEM8-KOマウスを(A)のように処置した。FITCの免疫蛍光は、TEM8 WTの腫瘍組織においてMeca-32の免疫蛍光と重複したが、TEM8-KOマウスではそうならず、これにより、腫瘍間質のFITC-L2-mIgG2a染色がTEM8特異的であることが示された。図5C〜5Fは、L2抗体がインビトロでADCCおよびCDCに関与することを示している。(C〜D)TEM8発現標的細胞に対するNKによる毒性を、L2または対照IgGの存在下で測定した。(c)におけるエフェクター対標的細胞比(E:T)は25:1であり;異なるE:T比を用いた結果が(D)に示されている。(E)補体依存細胞傷害性(CDC)を、様々な量のL2または対照IgGを用いて評価した。(F)補体依存性を評価するため、様々な量の補体(compl.)をCDCアッセイに添加した。(図5C〜5F)の値は、平均±SEを表している。図6A〜6Fは、L2-mIgG2a抗TEM8抗体がマウスモデルにおける腫瘍容積の減少に関して多くのクラスの抗がん剤の効果を増強することを示す一連のグラフを示している。(A)UACC腫瘍を、腫瘍の容積が200 mm3のサイズに達した腫瘍細胞接種15日後から週に3回(矢印)、ビヒクル(PBS)、非特異的マウスIgG(20 mg/kg)、L2-mIgG2a抗TEM8(20 mg/kg)、抗血管内皮成長因子受容体2(Vascular Endothelial Froth Factor Receptor 2;VEGFR2)(40 mg/kg)またはL2-mIgG2a(20 mg/kg)および抗VEGFR2(40 mg/kg)の併用により処置した。抗VEGFR2と併用したL2-mIgG2aは、抗VEGFR2単独よりも腫瘍成長を抑制した(P<0.05)。(B)NCI-H460腫瘍を、腫瘍の容積が100 mm3の平均サイズに達した腫瘍接種15日後から、ビヒクル、L2-mIgG2a抗TEM8、DMXAA(5,6-ジメチル-9-オキソ-9H-キサンテン-4-イル)-酢酸)またはL2-mIgG2aおよびDMXAAの併用により処置した。L2-mIgG2a(20 mg/kg)は、研究期間中、週に3回投与し(上の矢印)、一方、DMXAAは、25 mg/kgの高用量を投与した(下の2つの矢印)後に後続の2日間に5 mg/kg/日を投与した。L2-mIgG2aと併用したDMXAAは、DMXAA単独よりも腫瘍成長を抑制した(P<0.001)。(C)HCT-116腫瘍を、腫瘍の容積が100 mm3の平均サイズに達した腫瘍接種11日後から、ビヒクル、L2-mIgG2a抗TEM8(20 mg/kg)、5-フルオロウラシル(5-FU)(100 mg/kg)またはL2-mIgG2aおよび5-FUの併用により処置した。L2-mIgG2aは週に3回投与し(上の矢印)、一方、5-FUは3週間の間週に1回投与した(下の3つの矢印)。L2-mIgG2aと併用した5-FUは、5-FU単独よりも腫瘍成長を抑制した(P<0.0001)。(D)HCT-116腫瘍を、腫瘍の容積が100 mm3のサイズに達した腫瘍接種11日後から、ビヒクル、L2-mIgG2a抗TEM8(20 mg/kg)、イリノテカン(IRT)(80 mg/kg)またはL2-mIgG2aおよびIRTの併用により処置した。L2-mIgG2aは接種100日後まで週に3回投与し(上の矢印)、一方、IRTは3週間の間週に1回投与し(下9つの矢印)、その後に2週間の休息期間を設けた。L2-mIgG2aと併用したIRTは、IRT単独よりも腫瘍成長を抑制した(P<0.02)。図6Cおよび6Dに示されるHCT-116腫瘍研究は同時に行い、両者は、比較を容易にするために複製した、同じビヒクルおよびL2-mIgG2aグループを含んでいる。(E)SW620腫瘍を、腫瘍の容積が100 mm3のサイズに達した腫瘍接種14日後から、ビヒクル、L2-mIgG2a抗TEM8(20 mg/kg)、IRT(80 mg/kg)またはL2-mIgG2aおよびIRTの併用により処置した。この研究における処置は、上記のHCT-116に関して記載されたのと同じものとした。L2-mIgG2aと併用したIRTは、IRT単独よりも腫瘍成長を抑制した(P<0.02)。L2-mIgG2aと併用するIRTの併用療法はまた、処置したマウス11匹中5匹(D;HCT116)または11匹中4匹(E;SW620)において完全な腫瘍退縮を達成した。完全な腫瘍退縮は、いずれの単剤療法処置部門でも観察されなかった。比較を容易にするため、誤差バーの半分のみがDおよびEに示されている。A〜Eのデータは、平均±SEとして表されている。(F)5-FU研究(上パネル、Cに対応)またはIRT研究(下パネル、Dに対応)のHCT116腫瘍保有マウスの体重を、治療開始時から対照グループの腫瘍がそれらの最大許容可能サイズに到達しマウスを安楽死させなければならなくなるまで観察した。5-FUおよびIRT処置は、有意ではないが小さな体重減少を引き起こしたようであるが、L2-mIgG2aはいかなる体重変化も引き起こさなかったことに注目されたい。Fのデータは、平均値を表している。SDは2〜8%の範囲であり、誤差バーは見やすくするために省略した。図7は、L2-mIgG2a抗TEM8抗体がヒト結腸直腸がんの血管系に結合することを示す一連のデジタル画像を示している。患者一致腫瘍および正常組織サンプルを、結腸がん患者から収集し、凍結させ、切片化し、そしてFITCコンジュゲートL2-mIgG2a、フォン・ヴィルブランド因子(vWF)およびDAPIによる免疫蛍光染色のために平行して処理し、そして免疫蛍光顕微鏡を用いて試験した。対照(下パネル)として、いくつかのサンプルを、L2-FITCの添加前に非標識L2-mIgG2aでブロックした。FITCコンジュゲートL2-mIgG2aは、vWF陽性血管系を含むヒト結腸直腸がん患者由来の腫瘍間質を強く標識したが、正常な結腸粘膜に対する反応は示さなかった。中および下パネルは、連続する切片から得たものである。バー=100μm。図8A〜8Cは、L1、L2、L3、L5および1D2の抗体結合フラグメントがマウスおよびヒトのTEM8に結合することを示す表ならびに一連のデジタル画像およびグラフを示している。(A)酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用し、精製された組み換えhTEM8(ED)-Fc融合タンパク質と反応することができるFabを同定した。TEM8への結合に必要となる、示されているFabの半数効果濃度(EC50)が、示されている。(B)示されているFabを、免疫蛍光染色により、ヒトTEM8を発現する293細胞(293/Flag-hTEM8)に結合する能力についてスクリーニングした。(C)フローサイトメトリーを使用し、マウス(293/mTEM8)またはヒト(293/Flag-hTEM8)TEM8のネイティブ細胞外ドメインに結合する能力について、示されているFabをスクリーニングした。使用した293/Flag-hTEM8細胞のプールした集合は、スクリーニングの前に抗Flag抗体を用いたFACSにより表面発現に関して濃縮したものなので、均一な高レベルのTEM8発現を示す。他方、安定的にトランスフェクトされた293/mTEM8細胞は、濃縮されたものではなく、したがって異質な(二峰性の)マウスTEM8染色パターンを示している。独自の抗TEM8抗体(AF344)による293/mTEM8細胞のFACS濃縮の後、マウスTEM8染色のパターンは、293/Flag-hTEM8細胞のそれと同様になった(例えば、図2を参照のこと)。図9Aおよび9Bは、TEM8 Fabおよび完全IgGがTEM8に結合し、TEM8に対する炭疽PAの結合をブロックすることを示す一連のグラフである。図9Aは、L1、L2、L3およびL5抗TEM8 Fabが、TEM8を発現する細胞に対する炭疽毒素のPAサブユニットの結合を阻害することを示している。TEM8を発現するCHO細胞を、示されている抗TEM8 Fabと共にプレインキュベートし、その後にFITCコンジュゲートPAと共にインキュベートし、これをフローサイトメトリーにより分析した。試験されたFabは、用量依存的な様式でTEM8発現CHO細胞に対するPAの結合をブロックした。最大結合の半分を阻害するのに必要となるFabの濃度(EC50)が示されている。図9Bは、L2およびL5完全IgGが細胞表面上のTEM8に結合することを示している。L2およびL5 IgGは、フローサイトメトリーにおいて、293/Flag-hTEM8細胞を様々な濃度の抗体と共にインキュベートし、その後にFITC標識抗マウス2次抗体と共にインキュベートすることによって試験した。EC50に必要な抗体の濃度が注釈に示されている。値は、平均±SEを表している。図10A〜10Bは、L2-mIgG2a抗TEM8抗体がマウスに対して非毒性であることを示す一連のグラフを示している。0(ビヒクル対照)、20、50または100 mg/kgのL2-mIgG2aで3回処置したマウスにおいて、総食物消費(A)および体重(B)は5日間変化しなかった。図11A〜11Bは、TEM8が、すべてではないがいくつかのヒト腫瘍細胞株培養物において発現されることを示す一連のグラフを示している。(A)様々なヒト腫瘍細胞株におけるTEM8発現をフローサイトメトリーにより評価した。293および293/hFlag-TEM8細胞を、特異性の対照として使用した。評価した細胞株のうちの2つのみ、DLD-1およびLS174TがTEM8に関して陰性であり、HCT-116、LOX、UACC、NCI-H460およびSW-620細胞株はTEM8陽性であった。(B)TEM8 mRNAは、定量RT-PCRによる検出では、培養DLD-1腫瘍細胞およびDLD-1腫瘍異種移植片から単離されたBerEP4陽性ヒト腫瘍細胞に存在しなかった。TEM8陽性ヒトHCT-116腫瘍細胞を、陽性対照として使用した。図12は、L2-mIgG2a-サポリンコンジュゲートがヒト腫瘍異種移植片の成長を阻害することを示すグラフを示している。ヌードマウスにUACC腫瘍細胞を皮下接種し、生じた腫瘍の成長を観察した。腫瘍が200 mm3のサイズに達した時点(矢印)で、1.2 mg/mlのL2-mIgG2a-サポリンまたは非特異的IgG-対照による処置を週に3回実施した。図13A〜13Fは、TEM8が腫瘍血管系において選択的に上方調節されること、および培養されたヒト皮膚微小血管内皮細胞(HMEC)において成長因子の喪失に応答して上昇することを示す一連のグラフおよびデジタル画像である。図13Aは、休止期の成体の肝臓(resting adult liver)(0時間)、70%部分肝切除の6時間、18時間、48時間、72時間もしくは96時間後に採取した再生期の肝臓(regenerating liver)からまたはDLD1、HCT116もしくはLS174T結腸がん異種移植片から単離された内皮細胞における示された遺伝子の発現を評価するために使用した定量リアルタイムPCR(QPCR)アッセイの結果を示している。図13Bは、EBM-2(EBM)基本培地中または完全培地(FGF(F)、VEGF(V)および5%ウシ胎仔血清(S)を補充したEBM)中で生育したHMECにおける10日間のTEM8 mRNAレベルを示している。図13Cは、基本培地中または完全培地中で生育したHMECにおける10日間のTEM8タンパク質レベルを示している。培地は図13Bと同じである。図13Dは、図13Bおよび13Cで使用した細胞の外観を示している。HMECは、完全培地中では第6日までにコンフルエントになったが、基本培地中では第10日までに小コロニーを形成したのみであった。培地は、図13Bと同じである。バー=100μm。図13Eおよび13Fは、TEM8タンパク質(図13E)およびmRNA(図13F)の発現に対する、基本成長培地へのFGF、VEGFまたは血清の個別または3種すべての補充の効果を示している(*p<0.05)。図13A、13Bおよび13Fの値は、平均±SDを表している。図14A〜14Dは、TEM8が腫瘍内皮によって発現されることならびに培養されたHMECにおいて線維芽細胞成長因子(FGF)および血管内皮細胞成長因子(VEGF)により調節されることを示している。図14Aは、HCT116(HCT)、LS174T(LS)またはDLD1(DLD)腫瘍から単離されたCD11b+(骨髄)、CD45+(造血)またはCD105+(内皮)細胞におけるTem8遺伝子の発現を観察するために使用したQPCRアッセイの結果を示している。マクロファージマーカーF4/80および骨髄細胞マーカーCD11bは、CD11b+およびCD45+の両画分に高度に濃縮され、一方、内皮マーカーVEカドヘリンは、CD105+画分にのみ高度に濃縮され、これにより単離された細胞の純度が確認された。値は、平均±SDを表している。図14Bは、HMECにおけるTEM8発現に対する腫瘍細胞の影響を評価するために使用したウェスタンブロットの結果を示している。単独培養されたHMECは、低いが検出可能なレベルのTEM8タンパク質を発現している(レーン3)。レーン4は、HMECとDLD1細胞の48時間共培養物から磁気ビーズ選択によって濃縮された、単離されたHMECを表している。ヒトTEM8でトランスフェクトされたCHO細胞(CHO-TEM8)を、抗体特異性に関する対照として使用した。HMECおよびCHO-TEM8細胞において、TEM8は80〜85 kDaに移動した。図14Cは、HMECにおけるTEM8タンパク質の発現レベルに対する低酸素(1% O2)または低酸素を模倣する塩化コバルト(CoCl2)の影響を評価するために使用したウェスタンブロットの結果を示している。HIF-1αを陽性対照として使用した。図14Dは、VEGFおよびFGFへの暴露後のHMECにおけるTEM8タンパク質レベルを評価するために使用したウェスタンブロットの結果を示している。1% FBSを含有するEBM-2基本培地中で培養されたHMECを、0時間(対照)、24時間、48時間または72時間、VEGFまたはFGFで刺激した。配列表 本明細書に提供される核酸およびアミノ酸配列は、37 C.F.R. 1.822で定義されるように、ヌクレオチド塩基については標準的な文字略記、アミノ酸については3文字記号を用いて示されている。各核酸配列の一方の鎖のみが示されているが、表示されている鎖に対するあらゆる参照にはその相補鎖も含まれることを理解されたい。配列表は、2012年6月12日に作製された、「Sequence.txt」という名のファイルの形式で、ASCIIテキストファイルとして提出されており(およそ76 kb)、これは参照により本明細書に組み入れられる。添付の配列表において: SEQ ID NO:1は、L2 mAbの重鎖可変領域のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:2は、L1 mAbの重鎖可変領域のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:3は、L3 mAbの重鎖可変領域のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:4は、L5 mAbの重鎖可変領域のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:5は、1D2 mAbの重鎖可変領域のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:6は、L2 mAbの軽鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:7は、L1 mAbの軽鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:8は、L3 mAbの軽鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:9は、L5 mAbの軽鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:10は、1D2 mAbの軽鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:11は、L2-mIgG2a mAbの重鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:12は、ヒトTEM8タンパク質をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:13は、ヒトTEM8のタンパク質配列である。 SEQ ID NO:14は、L2 mAbの重鎖可変領域をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:15は、L1 mAbの重鎖可変領域をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:16は、L3 mAbの重鎖可変領域をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:17は、L5 mAbの重鎖可変領域をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:18は、1D2 mAbの重鎖可変領域をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:19は、L2 mAbの軽鎖可変領域をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:20は、L1 mAbの軽鎖可変領域をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:21は、L3 mAbの軽鎖可変領域をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:22は、L5 mAbの軽鎖可変領域をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:23は、1D2 mAbの軽鎖可変領域をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:24は、実施例2に記載されるようにして単離されたL2 Fabの重鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:25は、実施例2に記載されるようにして単離されたL2 Fabの軽鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:26は、実施例2に記載されるようにして単離されたL1 Fabの重鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:27は、実施例2に記載されるようにして単離されたL1 Fabの軽鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:28は、実施例2に記載されるようにして単離されたL3 Fabの重鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:29は、実施例2に記載されるようにして単離されたL3 Fabの軽鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:30は、実施例2に記載されるようにして単離されたL5 Fabの重鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:31は、実施例2に記載されるようにして単離されたL5 Fabの軽鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:32は、実施例2に記載されるようにして単離された1D2 Fabの重鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:33は、実施例2に記載されるようにして単離された1D2 Fabの軽鎖のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:34は、実施例2に記載されるようにして単離されたL2 Fabの重鎖をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:35は、実施例2に記載されるようにして単離されたL2 Fabの軽鎖をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:36は、実施例2に記載されるようにして単離されたL1 Fabの重鎖をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:37は、実施例2に記載されるようにして単離されたL1 Fabの軽鎖をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:38は、実施例2に記載されるようにして単離されたL3 Fabの重鎖をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:39は、実施例2に記載されるようにして単離されたL3 Fabの軽鎖をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:40は、実施例2に記載されるようにして単離されたL5 Fabの重鎖をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:41は、実施例2に記載されるようにして単離されたL5 Fabの軽鎖をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:42は、実施例2に記載されるようにして単離された1D2 Fabの重鎖をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:43は、実施例2に記載されるようにして単離された1D2 Fabの軽鎖をコードする例示的なcDNA配列である。 SEQ ID NO:44は、緑膿菌内毒素のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:45は、緑膿菌内毒素のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:46は、緑膿菌内毒素のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:47は、緑膿菌内毒素のアミノ酸配列である。 SEQ ID NO:48は、緑膿菌内毒素のアミノ酸配列である。詳細な説明I.略記II.用語 そうでないことが明記されていない限り、技術用語は従来的な用法にしたがい使用される。分子生物学の一般用語の定義は、Benjamin Lewin, Genes V, Oxford University Press発行, 1994 (ISBN 0-19-854287-9); Kendrew et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, Blackwell Science Ltd.発行, 1994 (ISBN 0-632-02182-9); およびRobert A. Meyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference, VCH Publishers, Inc.発行, 1995 (ISBN 1-56081-569-8)で見出され得る。単数形の用語(「a」、「an」および「the」)は、文脈が明らかにそうでないことを示していない限り、複数形の参照を包含する。同様に、「または、もしくは」という単語は、文脈が明らかにそうでないことを示していない限り、「および、ならびに」を包含することが意図されている。さらに、核酸またはポリペプチドに関して与えられるすべての塩基サイズおよびアミノ酸サイズならびにすべての分子量(molecular weightまたはmolecular mass)の値は、近似値であり、説明の目的で提供されるものであることを理解されたい。本開示の実施または試験には本明細書に記載されているのと類似または等価な方法および材料を使用することができるが、以下には適当な方法および材料が記載されている。「含む(comprises)」という用語は、「含む(includes)」を意味する。 本明細書で言及されているすべての刊行物、特許出願、特許およびその他の参考文献は、それらの全体が参照により組み入れられる。すべてのGenBankアクセッション番号は、2011年5月12日の時点でデータベース上に存在したものが、参照により本明細書に組み入れられる。不一致があった場合は、用語の説明を含めて、本明細書が優先される。加えて、材料、方法および実施例は、例示にすぎず、限定を意図したものではない。本開示の様々な態様の閲覧を容易にするため、以下の特定の用語の説明を提供する。 投与:任意の有効な経路によって、剤、例えば、TEM8に特異的に結合するモノクローナル抗体、例えばコンジュゲート、を含む組成物、を対象に提供または与えること。例示的な投与経路には、経口、注射(例えば、皮下、筋内、皮内、腹腔内および静脈内)、舌下、直腸、経皮(例えば、局所)、鼻腔内、膣内および吸入経路が含まれるがこれらに限定されない。 剤:ある目的または結果を達成するために有用な任意の物質または物質の任意の組み合わせ;例えば、対象における病理学的な血管新生を低減または減少させるのに有用な物質または物質の組み合わせ。剤には、エフェクター分子および検出可能マーカーが含まれる。いくつかの態様において、剤は、検出可能マーカー、化学療法剤、毒素または抗血管新生剤である。当業者は、特定の剤が、2以上の結果を達成するのに有用であり得ること;例えば、ある剤が、検出可能マーカーおよび抗血管新生剤の両方として有用であり得ることを理解しているであろう。 血管新生:既存の血管からの出芽または成長を通じて新しい血管を生成する生物学的プロセス。このプロセスは、既存の管からの内皮細胞の遊走および増殖を伴う。血管新生は、出生前および出生後の発達の間にならびに成体において起こる。血管新生は、メスの生殖器系の正常な周期の中で、創傷治癒、および固形腫瘍の成長のために必須となる病理学的プロセス、例えばがんにおいて起こる(見直しをする場合には、Battegay, J. Molec. Med., 73(7): 333-346, 1995; Shchors and Evan, Cancer Res., 67:1630-1633. 2007を参照のこと)。 抗血管新生剤:血管新生を低減または減少させる分子、例えば、病理学的な血管新生を低減する分子。いくつかの例において、TEM8に特異的に結合する抗体またはそのような抗体を含むコンジュゲートが、病理学的な血管新生を低減する抗血管新生剤である。さらなる抗血管新生剤には、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)抗体、例えばDC101ハイブリドーマ(ATCC No. HB-11534)によって産生されるDC101、または低分子(例えば、DMXAA(バジメザンまたは5,6-ジメチル-9-オキソ-9H-キサンテン-4-イル)-酢酸としても公知、Novartis International AG, Basal, CHおよびSigma Corp., St. Louis, MOから入手可能)が含まれるがこれらに限定されない。Liu et al., Seminars in Oncology, 29(11): 96-103, 2002; Shepherd et al., Lung Cancer 34: S81-S89, 2001も参照のこと。 抗体:抗原またはそのフラグメントのエピトープに特異的に結合する、少なくとも軽鎖または重鎖免疫グロブリン可変領域の相補性決定領域(CDR)を含むポリペプチドリガンド。抗体には、インタクトな免疫グロブリンならびに当技術分野で周知のそれらの変種、例えば、Fab'、F(ab)'2フラグメント、単鎖Fvタンパク質(scFv)およびジスルフィド安定化Fvタンパク質(dsFv)が含まれる。scFvタンパク質は、抗体の軽鎖可変領域と重鎖可変領域がリンカーによって結合された融合タンパク質であり、一方、dsFvでは、これらの鎖に、これらの鎖の会合を安定化させるジスルフィド結合を導入する変異が加えられている。この用語には、遺伝子操作された形態、例えば、キメラ抗体(例えば、ヒト化マウス抗体)およびヘテロコンジュゲート抗体(例えば、二重特異性抗体)も含まれる。Pierce Catalog and Handbook, 1994-1995 (Pierce Chemical Co., Rockford, IL); Kuby, J., Immunology, 3rd Ed., W.H. Freeman & Co., New York, 1997も参照のこと。 典型的に、天然に存在する免疫グロブリンは、ジスルフィド結合によって相互接続された重(H)鎖および軽(L)鎖を有する。軽鎖には、ラムダ(λ)およびカッパ(κ)の2つのタイプが存在する。抗体分子の機能的活性を決定する主要な重鎖クラス(またはアイソタイプ)は、IgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEの5つが存在する。 重鎖および軽鎖は各々、定常領域および可変領域(この領域はドメインとしても公知である)を含む。「VH」または「VH」による参照は、Fv、scFv、dsFvまたはFabのそれを含む、免疫グロブリン重鎖の可変領域を表す。「VL」または「VL」による参照は、Fv、scFv、dsFvまたはFabの可変領域を含む、免疫グロブリン軽鎖の可変領域を表す。重鎖および軽鎖可変領域は、共同で、抗原に特異的に結合する。軽鎖および重鎖可変領域は、相補性決定領域またはCDRとも呼ばれる3つの超可変領域によって分断されたフレームワーク領域を含む。フレームワーク領域およびCDRの範囲は定義されている(例えば、参照により本明細書に組み入れられるKabat et al., (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Edition, U.S. Department of Health and Human Services, Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (NIH Publication No. 91-3242)を参照のこと)。異なる軽鎖または重鎖のフレームワーク領域の配列は種内で比較的保存されている。抗体のフレームワーク領域、すなわち、構成要素である軽鎖および重鎖のフレームワーク領域の組み合わせは、CDRを3次元空間内で配置し整列させる役割を有する。 CDRは、主として、抗原のエピトープに対する結合を担っている。所与のCDRの正確なアミノ酸配列の境界は、Kabat et al. (1991), "Sequences of Proteins of Immunological Interest," 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD(「Kabat」の番号付けスキーム)およびAl-Lazikani et al., (1997) JMB 273, 927-948(「Chothia」の番号付けスキーム)に記載されるものを含む多くの周知のスキームのいずれかを用いて容易に決定することができる。各鎖のCDRは、典型的に、そのN末端側から順番に番号付けしてCDR1、CDR2およびCDR3と称され、かつ、典型的に、個々のCDRが存在する鎖によっても特定される。したがって、HCDR1は、それが見出される抗体の重鎖の可変ドメインの由来のCDR1であり、LCDR1は、それが見出される抗体の軽鎖の可変ドメイン由来のCDR1である。関心対象の抗原に特異的に結合する抗体は、特定のVH領域およびVL領域配列を有し、したがって特定のCDR配列を有する。(異なる抗原に対する異なる結合部位に起因して)異なる特異性を有する抗体は、異なるCDRを有する。CDRは抗体ごとに異なるが、抗原結合に直接関与するのはCDR内の限定数のアミノ酸位置のみである。CDR内のこれらの位置は、特異性決定残基(SDR)と呼ばれる。 モノクローナル抗体は、単クローンのBリンパ球によってまたは1つの抗体の軽鎖および重鎖をコードする核酸がトランスフェクトされた細胞もしくはその子孫によって産生される抗体である。モノクローナル抗体は、当業者に公知の方法によって産生される。モノクローナル抗体には、ヒト化モノクローナル抗体が含まれる。モノクローナル抗体は、抗原結合またはその他の免疫学的機能に実質的に影響しない保存的アミノ酸置換を有し得る(例えば、Harlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Mannual, Cold Spring Harbor Publications, New York (1988)を参照のこと)。 キメラ抗体は、2つ以上の種由来のアミノ酸残基を有する抗体である。例えば、キメラ抗体は、ヒト重鎖および軽鎖可変領域ならびにマウス定常領域を含み得る。あるいは、キメラ抗体は、1つの種、例えばヒト由来のフレームワーク残基および別の種由来の(通常、抗原結合性を付与する)CDRを含み得る。 二重特異性抗体は、各々が標的タンパク質に特異的に結合することができる結合領域を含む、少なくとも2つのドメインを有するタンパク質である。一般に、この2つのドメインは、各タンパク質ドメインをコードする核酸分子が例えばリンカーオリゴヌクレオチドによって機能的にひとつに連結されそれによって単一の融合体コード核酸分子が形成される点で、遺伝的にひとつに融合される。そのような融合体コード核酸分子の翻訳産物は、二重特異性融合タンパク質である。 単鎖抗体(scFv)は、遺伝的に融合された単一鎖分子として適当なポリペプチドリンカーによって連結された1つまたは複数の抗体のVHおよびVLドメインを含む、遺伝子操作された分子である(例えば、Bird et al., Science, 242: 423-426, 1988; Huston et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 85: 5879-5883, 1988を参照のこと)。ダイアボディ(diabody)は、VHおよびVLドメインが単一のポリペプチド鎖上で発現されるが、同一鎖上の2つのドメイン間での対形成ができない程度に十分短いリンカーが用いられており、そのためこれらのドメインが別の鎖の相補的ドメインとの対形成を強制され、2つの抗原結合部位が形成される、2価、二重特異性の抗体である(例えば、Holliger et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 90: 6444-6448, 1993; Poljak et al., Structure, 2: 1121-1123, 1994を参照のこと)。キメラ抗体は、1つの抗体由来の1つまたは複数の領域および1つまたは複数の他の抗体由来の1つまたは複数の領域を含む抗体である。抗体は、1つまたは複数の結合部位を有し得る。2つ以上の結合部位が存在する場合、それらの結合部位は、相互に同一の場合も相違する場合もある。例えば、天然に存在する免疫グロブリンは2つの同一の結合部位を有し、単鎖抗体またはFabフラグメントは1つの結合部位を有するが、二重特異性または二機能性抗体は2つの異なる結合部位を有する。 本明細書に開示される抗体は、定義された標的(または二重特異性抗体の場合は、複数の標的)のみに特異的に結合する。したがって、TEM8に特異的に結合する抗体は、TEM8を発現する細胞もしくは組織、TEM8が付加された基材または生物学的試料中のTEM8を含むTEM8に対して実質的に結合する抗体である。当然、抗体または抗体を含むコンジュゲート(例えば、TEM8に特異的に結合する抗体またはそのような抗体を含むコンジュゲート)と非標的(例えば、TEM8を発現しない細胞)との間である程度の非特異的相互作用が起こり得ることが認められている。典型的に、特異的結合は、抗体と抗原を保有するタンパク質または細胞との間で、抗体と抗原を欠くタンパク質または細胞との間よりもずっと強い会合を生じる。特異的結合は、典型的に、エピトープを含むタンパク質または標的エピトープを発現する細胞もしくは組織に対して結合する抗体の(単位時間あたりの)量を、このエピトープを欠くタンパク質または細胞もしくは組織に対する量と比較して2倍超、例えば5倍超、10倍超または100倍超増加させる。そのような条件下でのタンパク質への特異的結合には、特定のタンパク質に対する特異性について選択された抗体が必要となる。様々な免疫アッセイ形式が、特定のタンパク質に特異的に免疫応答する抗体またはその他のリガンドを選択するのに適している。例えば、固相ELISA免疫アッセイが、タンパク質に特異的に免疫応答するモノクローナル抗体の選択に慣用的に使用される。特異的な免疫応答性を決定するために使用することができる免疫アッセイ形式および条件の解説については、Harlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Publications, New York (1988)を参照のこと。 特定の抗原に対する抗体の結合親和性は、標準的な方法にしたがい、例えば、Frankel et al., Mol. Immunol., 16: 101-106, 1979に記載される改良Scatchard法によって、計算され得る。あるいは、結合親和性は、抗原/抗体解離速度または競合放射免疫アッセイによって測定される。様々な例において、結合親和性は、少なくとも約1 x 10-8 Mである。他の態様において、結合親和性は、少なくとも約1.5 x 10-8 M、少なくとも約2.0 x 10-8 M、少なくとも約2.5 x 10-8 M、少なくとも約3.0 x 10-8 M、少なくとも約3.5 x 10-8 M、少なくとも約4.0 x 10-8 M、少なくとも約4.5 x 10-8 M、少なくとも約5.0 x 10-8 Mまたは少なくとも約1.0 x 10-9 Mである。 炭疽:炭疽菌(Bacillus anthracis)という細菌、特にそれが産生する毒素によって引き起こされる急性の疾患。炭疽毒素は、3つのタンパク質成分:(i)防御抗原(PA)、(ii)浮腫因子(EF)および(iii)致死因子(LF)、の混合物である。炭疽毒素の細胞侵入には、PAが、宿主細胞上のその2つの細胞表面受容体であるANTXR1(aka TEM8)またはANTXR2(CMG2受容体としても公知)の一方に結合することが必要となる(例えば、Van der Goot and Young, Mol. Aspects Med. 30(6): 406-412, 2009; Moayeri and Leppla, Curr Opin Microbiol 7(1): 19-24, 2004を参照のこと)。 炭疽防御抗原(PA):炭疽菌によって分泌される、浮腫因子(EF)および致死因子(LF)と共に炭疽毒素を形成するタンパク質。炭疽毒素の細胞侵入には、PAが、宿主細胞上のその2つの細胞表面受容体であるANTXR1(TEM8としても公知)またはANTXR2(CMG2受容体としても公知)の一方に結合することが必要となる(例えば、Van der Goot and Young, Mol. Aspects Med. 30(6): 406-412, 2009; Moayeri and Leppla, Curr Opin Microbiol 7(1): 19-24, 2004を参照のこと)。プロテアーゼ切断の後、PAは、2つの有毒な酵素(EFおよびLF)に結合し、それらが病理学的効果を発揮する場所である細胞質ゾルへのそれらの移動を媒介する(Bradley et al., Nature 414: 225, 2001)。小さな切断された63 kDのPAレムナント(PA63)はオリゴマー化し、第2結合ドメインを露出し、89 kDタンパク質のEFと結合して浮腫毒素を形成するかまたは90 kDタンパク質のLFと結合して致死毒素(LeTx)を形成し(Leppla et al., Salisbury Med. Bull. Suppl. 68: 41-43, 1990)、そしてこの複合体が細胞にインターナライズされ、エンドソーム系に進入する(Singh et al., Infect. Immun. 67: 1853, 1999; Friedlander, J. Biol. Chem. 261: 7123, 1986)。これらのエンドソームから、PA63チャネルは、pHおよび電位依存的メカニズムによって、LFおよびEFを細胞質ゾルに移行させることができる(Zhao et al., J. Biol. Chem., 270: 18626, 1995)。いくつかの態様において、本明細書に開示されるTEM8特異的抗体またはTEM8特異的抗体を含むコンジュゲートは、TEM8に対するPAの結合をブロックすることができる。1つの例において、PAは、2011年5月23日にアクセスした時点でGENBANK(登録商標)アクセッション番号AAF86457で示されていたアミノ酸配列を含む。 生物学的サンプル:対象から得られるサンプル。生物学的サンプルには、細胞、組織および体液、例えば血液、血液の派生物および画分(例えば、血清)、脳脊髄液;ならびに生検されたまたは外科的に取り出された組織、例えば未固定の、凍結されたまたはホルマリンもしくはパラフィン固定された組織を含むがこれらに限定されない、対象における疾患または感染(例えば、がんまたは炭疽感染)の検出に有用なすべての臨床サンプルが含まれる。特定の例において、生物学的サンプルは、腫瘍を有するまたは有する疑いがある対象、例えば、乳がん、結腸直腸がん、肺がんまたは皮膚がんを有するまたは有する疑いがある対象から得られる。いくつかの例において、対象は、癌腫を有するまたは有する疑いがある。 乳がん:悪性であるまたは潜在的に悪性である、乳房組織の新生物腫瘍。最も一般的なタイプの乳がんは、乳癌、例えば腺管癌である。インサイチューの腺管癌は、腺管の非侵襲性の新生物状態である。小葉癌は、侵襲性の疾患ではないが、癌腫が進展し得ることの指標となる。乳房の浸潤性(悪性)の癌腫は、病期(I、IIA、IIB、IIIA、IIIBおよびIV)で分類することができる。例えば、Bonadonna et al., (eds), Textbook of Breast Cancer: A clinical Guide the Therapy, 3rd; London, Tayloy & Francis, 2006を参照のこと。 癌腫:形質転換した上皮細胞を含む悪性腫瘍。癌腫の非限定的な例には、腺癌、扁平上皮癌、未分化癌ならびに大細胞および小細胞癌が含まれる。いくつかの例において、癌腫は、乳癌、結腸直腸癌、肺癌または黒色腫である。 化学療法剤:異常な細胞成長によって特徴づけられる疾患の処置において治療上の有用性を有する任意の化学剤。例えば、化学療法剤は、乳がん、結腸直腸がん、肺がんおよび皮膚がんを含むがんの処置に有用である。1つの態様において、化学療法剤は、がんの処置に使用する剤である。使用することができるさらなる治療剤の個別の例には、微小管結合剤、DNA挿入剤(intercalator)または架橋剤、DNA合成阻害剤、DNAおよびRNA転写阻害剤、抗体、酵素、酵素阻害剤、遺伝子調節剤ならびに血管新生阻害剤が含まれる。1つの態様において、化学療法剤は、放射性化合物である。他の例には、抗新生物薬である5-フルオロウラシル(5-FU)およびIRTが含まれる。特定の例において、そのような化学療法剤は、血管新生を低減または減少させる処置と組み合わせて(例えば、TEM8に特異的に結合する治療有効量の1つもしくは複数の抗体またはそのコンジュゲートの投与前、投与中または投与後に)投与される。当業者は、使用する化学療法剤を容易に特定することができる(例えば、Harrison's Principles of Internal Medicine, 14th editionのSlapak and Kufe, Principles of Cancer Therapy, Chapter 86; Abeloff, Clinical Oncology 2nd ed., (版権)2000 Churchill Livingstone, IncのPerry et al., Chemotherapy, Ch.17; Baltzer, L., Berkery, R. (eds): Oncology Pocket Guide to Chemotherapy, 2nd ed. St. Louis, Mosby-Year Book, 1995; Fischer, D.S., Knobf, M.F., Durivage, H.J. (eds): The Cancer Chemotherapy Handbook, 4th ed. St. Louis, Mosby-Year Book, 1993; Chabner and Longo, Cancer Chemotherapy and Biotherapy: Principles and Practice (4th ed.). Philadelphia: Lippincott Willians & Wilkins, 2005; Skeel,. Handbook of Cancer Chemotherapy (6th ed.). Lippincott Williams & Wilkins, 2003を参照のこと)。併用化学療法は、がんを処置するために2つ以上の剤を投与することである。 結腸直腸がん:悪性であるまたは潜在的に悪性である、結腸、直腸または肛門組織の新生物腫瘍。結腸直腸がんの主要なタイプには、結腸直腸癌、例えば腺癌および扁平上皮癌が含まれる。結腸の浸潤性(悪性)の癌腫は、病期(I、II、IIIおよびIV)で分類することができる。例えば、Blake et al. (eds.), Gastrointestinal Oncology: A practical Guide, Berlin: Springer-Verlag, 2011を参照のこと。 コンジュゲート:ひとつに連結された、例えば共有結合によってひとつに連結された、2つの分子の複合体。1つの態様において、抗体は、エフェクター分子に連結される;例えば、エフェクター分子に共有結合により連結された、TEM8に特異的に結合する抗体。連結は、化学的手段または組み換え手段によるものであり得る。1つの態様において、連結は、抗体部分とエフェクター分子の間の反応が、2つの分子間で形成される共有結合を生成することで、1つの分子を形成する、化学的なものである。場合により、抗体とエフェクター分子の間にペプチドリンカー(短いペプチド配列)を含めることができる。コンジュゲートは別々の機能を有する2つの分子、例えば抗体およびエフェクター分子、から調製することができるので、それらはときどき「キメラ分子」とも称される。 保存的変種:「保存的」なアミノ酸置換は、抗原に対する抗体の結合親和性(例えば、TEM8に対する抗体の結合親和性)を実質的に低減しない置換である。例えば、TEM8に特異的に結合するヒト抗体は、最大約1個、最大約2個、最大約5個、最大約10個、最大約15個の保存的置換を含み得、かつTEM8ポリペプチドに特異的に結合し得る。保存的変更という用語は、その抗体がTEM8に対する結合親和性を保持する限り、未置換の親アミノ酸に代えて置換されたアミノ酸を使用することも包含する。非保存的置換は、TEM8に対する活性または結合を減少させる置換である。 機能的に類似するアミノ酸を提供する保存的アミノ酸置換表は、当業者に周知である。以下の6つのグループは、相互に保存的置換であるとみなされるアミノ酸の例である: 1)アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T); 2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E); 3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q); 4)アルギニン(R)、リジン(K); 5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);および 6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)。 接触:例えば、固体、液体または気体形態で直接的・物理的な会合の下に置くこと。接触には、例えば、完全および部分溶媒和分子の直接的・物理的会合も含まれる。 低減または減少:何かの質、量または強度を減少させること;例えば、腫瘍量の減少。1つの例において、治療は、例えばその治療の非存在下での応答と比較して、腫瘍(例えば、腫瘍のサイズ、腫瘍の数、腫瘍の転移もしくはそれらの組み合わせ)または腫瘍に関連する1つもしくは複数の症候(例えば、腫瘍もしくは腫瘍群の病理学的な血管新生)を減少させる。特定の例において、治療は、その治療後に、腫瘍のサイズ、腫瘍の数、腫瘍の転移またはそれらの組み合わせを低減する、例えば少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%低減する。そのような低減は、本明細書の開示される方法を用いて測定することができる。 縮重変種:本願において、「縮重変種」は、遺伝子記号の結果として縮重している配列を含むタンパク質(例えば、TEM8に特異的に結合する抗体)をコードするポリヌクレオチドを表す。天然アミノ酸は20種存在し、そのほとんどは2つ以上のコドンによって指定されている。したがって、そのヌクレオチド配列によってコードされるTEM8に結合する抗体のアミノ酸配列が変化しない限り、すべての縮重ヌクレオチド配列が包含される。 検出可能マーカー:第2の分子、例えば抗体に直接的または間接的にコンジュゲートされ、その第2の分子の検出を容易にする、検出可能な分子(標識としても公知である)。例えば、検出可能マーカーは、ELISA、分光測定、フローサイトメトリー、顕微鏡観察または診断画像化技術(例えば、CTスキャン、MRI、超音波、ファイバー試験および腹腔鏡試験)によって検出できるものであり得る。検出可能マーカーの具体的で非限定的な例には、発蛍光団、化学発光剤、酵素的連結、放射性同位元素および重金属または化合物(例えば、MRIにより検出される超常磁性酸化鉄ナノ結晶)が含まれる。検出可能マーカーを使用する方法および各種目的に適した検出可能マーカーの選択の手引きについては、例えば、Sambrookら(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, New York, 1989)およびAusubelら(In Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, 1998)で考察されている。 検出:何かの実在、存在または事実を同定すること。一般的な検出方法は、当業者に公知であり、それらは本明細書に開示されるプロトコルおよび試薬で補足され得る。例えば、本明細書には、対象においてTEM8を発現する内皮細胞を検出する方法が含まれる。いくつかの例において、TEM8を発現する内皮細胞の検出は、対象における病理学的な血管新生を検出する。 有効量:単独でまたは1つもしくは複数の追加の剤と共に、所望の応答、例えば、TEM8との検出可能な免疫複合体の形成、を誘導する剤(例えば、TEM8特異的抗体またはTEM8特異的抗体を含むコンジュゲート)の量。 エフェクター分子:所望の効果を有するまたは生じることが意図されている分子;例えば、エフェクター分子が標的とする細胞に対する所望の効果。エフェクター分子には、ポリペプチド、放射性同位元素および低分子等の分子が含まれる。エフェクター分子の非限定的な例には、毒素、化学療法剤および抗血管新生剤が含まれる。当業者は、いくつかのエフェクター分子が2つ以上の所望の効果を有し得るまたは生じ得ることを理解しているであろう。1つの例において、エフェクター分子は、キメラ分子、例えば、そのキメラ分子が標的とする細胞に対して所望の効果を有することが意図されている開示されている抗体またはそのフラグメントを含むキメラ分子、の一部分である。 内皮細胞:血管の内表面に並んでいる薄い細胞層である内皮由来の細胞。 エピトープ:抗原性決定基。これらは、抗原性の、例えば特定の免疫応答を惹起する分子上の特定の化学基またはペプチド配列である。抗体は、ポリペプチド上の特定の抗原性エピトープに特異的に結合する。 免疫複合体:可溶性抗原への抗体の結合は、免疫複合体を形成する。免疫複合体の形成は、当業者に公知の従来法、例えば、免疫組織化学、免疫沈降、フローサイトメトリー、免疫蛍光顕微鏡観察、ELISA、免疫ブロット(例えば、ウェスタンブロット)、磁気共鳴画像化、CTスキャン、X線および親和性クロマトグラフィーを通じて検出することができる。選択された抗体の免疫学的な結合特性は、当技術分野で周知の方法を用いて定量され得る。 単離:生物学的成分(例えば、核酸、ペプチド、タンパク質またはタンパク質複合体、例えば抗体)が、その成分を本来含んでいる生物の細胞中の他の生物学的成分、すなわち、他の染色体および染色体外DNAおよびRNAならびにタンパク質から実質的に分離されること、それとは別に生成されること、またはそれから精製されること。したがって、単離された核酸、ペプチドおよびタンパク質には、標準的な精製方法によって精製された核酸およびタンパク質が含まれる。この用語はまた、宿主細胞中での組み換え発現によって調製された核酸、ペプチドおよびタンパク質、ならびに化学合成された核酸も網羅する。単離された核酸、ペプチドまたはタンパク質、例えば抗体は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%純粋であり得る。 リンカー:2つの分子を1つの連続する分子に連結するのに使用することができる、例えば、エフェクター分子を抗体に連結するのに使用することができる、二機能性の分子。いくつかの態様において、提供されるコンジュゲートは、エフェクター分子または検出可能マーカーと抗体の間にリンカーを含む。いくつかの態様において、リンカーは、細胞内条件下で切断可能なものであり、細胞内環境中でのリンカーの切断によって抗体からエフェクター分子または検出可能マーカーが放出される。さらに他の態様において、リンカーは切断可能でなく、エフェクター分子または検出可能マーカーは、例えば抗体の分解によって放出され得る。いくつかの場合、リンカーは、可変重鎖を可変軽鎖に間接的に結合する役割をする抗体結合フラグメント(例えばFvフラグメント)内のペプチドである。 「コンジュゲート」、「接続」、「接合」、「標識」または「連結」という用語は、2つの分子を1つの連続する分子にすること;例えば、2つのポリペプチドを1つの連続するポリペプチドに連結すること、またはエフェクター分子もしくは検出可能マーカーである放射性核種もしくはその他の分子をポリペプチド、例えばscFvに共有結合により付加すること、を表す。個々の文脈で、この用語は、リガンド、例えば抗体部分、をエフェクター分子に接続することに対する参照を含む。連結は、化学的手段または組み換え手段のいずれかによるものであり得る。「化学的手段」は、抗体部分とエフェクター分子の間の、この2つの分子間に共有結合を形成し1つの分子を形成する反応を表す。 肺がん:悪性であるまたは潜在的に悪性である肺組織の新生物腫瘍。肺がんの主要なタイプは、肺癌:腺癌、小細胞癌、扁平上皮癌または非小細胞癌である。肺がんは、典型的に、I〜IVに病期分類されるが;他の分類も使用される、例えば小細胞肺癌は、それが胸部の半分に限られ、放射線単独療法の適用範囲内である場合、限局期に分類され得;それ以外は進展期である。例えば、Hansen (ed.), Textbook of Lung Cancer, 2nd, London: Informa Healthcare, 2008を参照のこと。 新生物、がんまたは腫瘍:新生物は、過剰な細胞分裂に起因する組織または細胞の異常な成長である。新生物性の成長は、腫瘍を発生させ得る。個体における腫瘍の量は「腫瘍量」であり、これは腫瘍の数、容積または重量として測定され得る。転移しない腫瘍は「良性」と称される。周囲の組織を侵襲するもしくは転移することができる(またはその両方である)腫瘍は、「悪性」と称される。 同一の組織タイプの腫瘍は、特定の臓器(例えば、結腸、皮膚、乳房、前立腺、膀胱または肺)を起源とする原発性腫瘍である。同一の組織タイプの腫瘍は、異なるサブタイプの腫瘍に分類することができる。例えば、肺癌は、腺癌、小細胞、扁平上皮細胞または非小細胞腫瘍に分類することができる。 固形腫瘍、例えば肉腫(結合組織がん)および癌腫(上皮細胞がん)の例には、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫およびその他の肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸直腸癌、リンパ系悪性腫瘍、膵がん、乳がん、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、肝細胞癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、甲状腺髄様癌、甲状腺乳頭癌、褐色細胞腫皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞腫、胆管癌、絨毛癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、精巣腫瘍、精上皮腫、膀胱癌ならびにCNS腫瘍(例えば、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫(craniopharyogioma)、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫(menangioma)、黒色腫、神経芽腫および網膜芽腫)が含まれる。 中和抗体:標的タンパク質に特異的に結合しその標的タンパク質に関連する生物学的機能を阻害することができる抗体。一般に、このタイプの特異的ブロッキング活性を発揮し得る任意のタンパク質が中和タンパク質とみなされ;したがって中和抗体は中和タンパク質の特定のクラスである。 機能的に連結:第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的関係の下に置かれているとき、第1の核酸配列は第2の核酸配列と機能的に連結されている。例えば、プロモーター、例えばCMVプロモーターは、同プロモーターがコード配列の転写または発現に影響する場合、コード配列に機能的に連結されている。一般に、機能的に連結されたDNA配列は、連続的であり、2つのタンパク質コード領域を接続する必要がある場合、同一のリーディングフレーム内に置かれる。 病理学的な血管新生:医学的に望ましくないまたは対象にとって有害な血管新生、例えば、腫瘍に関連するまたは腫瘍内もしくは腫瘍周囲での血管の発生に関連する血管新生。病理学的な血管新生の他の例には、(角膜移植または黄斑変性もしくは糖尿病を有する対象の網膜で見られるような)角膜または網膜血管新生が含まれる。 薬学的に許容される担体:本明細書に提供される薬学的に許容される担体は、従来的なものである。E.W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PA, 15th Edition (1975)は、本明細書に開示される融合タンパク質の薬学的送達に適した組成および処方を記載している。 一般に、担体の性質は、利用される個々の投与様式に依存するであろう。例えば、非経口処方物には通常、ビヒクルとして薬学的および生理学的に許容される液体、例えば水、生理食塩水、平衡塩溶液、含水デキストロース、グリセロール等を含む注射可能な液体が含まれる。固形の組成物(例えば、散剤、丸剤、錠剤またはカプセル剤の形式)の場合、従来的な非毒性の固形担体には、例えば、医薬等級のマンニトール、ラクトース、デンプンまたはステアリン酸マグネシウムが含まれ得る。生物学的に中性の担体に加えて、投与される薬学的組成物は、微量の非毒性の補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、保存剤およびpH緩衝剤等、例えば酢酸ナトリウムまたはモノラウリン酸ソルビタンを含み得る。 ポリペプチド:モノマーがアミノ酸残基でありそれらがアミド結合を通じてひとつに接続されているポリマー。アミノ酸がアルファ・アミノ酸である場合、L光学異性体またはD光学異性体のいずれかを使用することができ、L異性体が好ましい。本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」または「タンパク質」という用語は、任意のアミノ酸配列を包含することが意図されており、これには糖タンパク質のような修飾された配列が含まれる。ポリペプチドには、天然に存在するタンパク質および組み換えまたは合成生産されたタンパク質の両方が含まれる。 保存的置換は、1つのアミノ酸を、サイズ、疎水性等が類似する別のアミノ酸で置き換えることである。アミノ酸を変化させるcDNA配列のばらつきは、それが保存的であるかそうでないかによらず、コードされるタンパク質の機能的および免疫学的同一性を確保するために最小限にされるべきである。タンパク質の免疫学的同一性は、それが抗体によって認識されるかどうかを決定することによって評価され得:そのような抗体によって認識される変種は、免疫学的に保存されているものである。いずれのcDNA配列変種も、好ましくは、コードされるポリペプチドに20以下の、好ましくは10未満のアミノ酸置換を導入するものであろう。変種アミノ酸配列は、例えば、そのネイティブアミノ酸配列に対して80%、90%、95%、98%または99%同一であり得る。 皮膚がん:悪性であるまたは潜在的に悪性である皮膚組織の新生物腫瘍。黒色腫は、形質転換したメラニン細胞(メラニン色素を生成する細胞)の皮膚がんである。メラニン細胞は、主に皮膚で見出されるが、腸内または眼内にも存在している。皮膚の黒色腫には、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端黒子型黒色腫および悪性黒子(型黒色腫)が含まれる。上記のタイプはいずれも、メラニンを生成し得るかまたはメラニン欠乏性であり得る。同様に、任意のサブタイプが線維形成(神経向性の高密度線維反応)を示し得、これは攻撃的挙動および限局的再発傾向のマーカーである。他の黒色腫には、明細胞肉腫、粘膜黒色腫およびブドウ膜黒色腫が含まれる。黒色腫は、I〜IVに病期分類される。例えば、Thompson et al. (eds.), Textbook of Melanoma: Pathology, Diagnosis and Management, London: Taylor & Francis, 2004を参照のこと。 対象:任意の哺乳動物、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、ブタ、ヒツジ、ウシ、げっ歯類等。2つの非限定的な例において、対象は、ヒト対象またはマウス対象である。したがって、「対象」という用語には、ヒトおよび獣医学的対象の両方が含まれる。 治療有効量:単独でまたは1つもしくは複数の追加の剤と共に、対象において所望の応答、例えば、腫瘍の処置または炭疽の処置を誘導する剤(例えば、TEM8特異的抗体またはTEM8特異的抗体を含むコンジュゲート)の量。理想的には、治療有効量は、対象において実質的な細胞傷害効果を生じさせずに治療効果を提供するものである。 1つの例において、所望の応答は、対象における腫瘍のサイズ、容積または数(例えば、転移)の低減である。例えば、剤または剤群は、腫瘍のサイズ、容積または数を、その剤の非存在下での応答と比較して、所望の量、例えば少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%または少なくとも95%、低減することができる。 本明細書に開示される様々な調製物が、治療有効量で投与される。ヒトまたは獣医学的対象に投与される、TEM8に特異的に結合する抗体もしくはそのコンジュゲート(またはこれらの分子を1つもしくは複数含む組成物)の治療有効量は、その対象に関連する多くの要因、例えば対象の健康全般、に依存して変化するであろう。抗体またはコンジュゲートの治療有効量は、用量を変えて得られる治療応答、例えば腫瘍の退縮を測定することによって、決定することができる。治療有効量はまた、様々なインビトロ、インビボまたはインサイチュー免疫アッセイを通じて決定することができる。開示される剤は、所望の応答を得るために必要なように、単回用量でまたは複数回分の用量で投与され得る。しかし、治療有効量は、適用される物質、処置される対象、処置される状態の重篤度およびタイプならびに投与様式に依存し得る。 毒素:細胞と接触したときに細胞傷害性を誘導するエフェクター分子。毒素の具体的で非限定的な例には、アブリン、リシン、オーリスタチン(例えば、モノメチルオーリスタチンE(MMAE;例えば、Francisco et al., Blood, 102: 1458-1465, 2003を参照のこと))およびモノメチルオーリスタチンF(MMAF;例えば、Doronina et al., BioConjugate Chem., 17: 114-124, 2006を参照のこと)、メイタンシノイド(例えば、DM1;例えば、Phillips et al., Cancer Res., 68: 9280-9290, 2008を参照のこと)、緑膿菌外毒素(PE、例えばPE35、PE37、PE38およびPE40)、ジフテリア毒素(DT)、ボツリヌス毒素、サポリン、レストリクトシンもしくはゲロニン、またはそれらの改変毒素、または直接的もしくは間接的に細胞成長を阻害もしくは細胞を殺傷するその他の毒性剤、が含まれるがこれらに限定されない。例えば、PEおよびDTは、典型的に肝臓毒性を通じて死に至らしめる高い毒性の化合物である。PEおよびDTは、しかし、その毒素のネイティブの標的化要素(例えば、PEのドメインIaおよびDTのB鎖)を取り除きこれを異なる標的化部分、例えば抗体で置き換えることによって免疫毒素として使用できる形態に改変することができる。 処置するまたは処置:疾患または疾患に関連する病理学的状態(例えば、腫瘍または炭疽感染)の兆候または症候を改善する治療的介入(例えば、TEM8に特異的に結合する治療有効量の抗体またはそのコンジュゲートの投与)。処置はまた、腫瘍または炭疽感染等の状態の寛解または治癒を誘導し得る。特定の例において、処置には、例えば腫瘍の完全な進展を阻害することによる腫瘍の予防、例えば転移の進展または原発性腫瘍の進展の予防、が含まれる。予防は、腫瘍の完全な消失を必要とするものではない。 腫瘍に関連する兆候または症候(例えば、病理学的な血管新生)の減少は、例えば、感受性のある対象(例えば、その時点では転移していない腫瘍を有する対象)における疾患の臨床症候の発生遅延、疾患の臨床症候の一部もしくはすべての重篤度の減少、(例えば、腫瘍を有する対象の寿命の延長による)疾患の進行鈍化、疾患の再発数の減少、対象の健康全般もしくは健全性(well-being)の改善によって、または個々の腫瘍に特異的な当技術分野で周知の他のパラメータによって、証明することができる。 腫瘍量:対象における腫瘍または腫瘍群の総容積、数、転移またはそれらの組み合わせ。 腫瘍内皮マーカー8(TEM8):炭疽毒素受容体1(ANTXR1)としても公知のタンパク質。TEM8は、元々はヒト結腸直腸がんの腫瘍血管系沿いの内皮細胞におけるその過剰発現に基づき同定された細胞表面糖タンパク質である(St Croix et al., Science, 289(5482): 1197-1202, 2000)。VEGF、VEGFRおよび多くのその他の重要な血管新生調節因子と異なり、TEM8は、発生上の血管新生、創傷治癒または黄体の正常な生理学的血管新生には必要とされない(St Croix et al., Science, 289(5482): 1197-1202, 2000; Nanda et al., Cancer Res., 64(3): 817-820, 2004)。TEM8は、マウスおよびヒトの両方において、様々な腫瘍タイプの腫瘍血管で上方調節され(Nanda et al., Cancer Res., 64(3): 817-820, 2004; Carson-Walter et al., Cancer Res., 61(18): 6649-6655, 2001)、いくつかの腫瘍では、腫瘍細胞自体によっても発現される(Carson-Walter et al. Cancer Res., 61(18): 6649-6655, 2001; Yang et al., Biochim Biophys Acta, 1813(1): 39-49, 2011)。TEM8はまた、炭疽毒素の細胞表面受容体としても機能し、炭疽毒素タンパク質の第2の受容体であるCMG2(ANTXR2としても公知)と58%のアミノ酸同一性を共有している(Scobie et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 100(9): 5170-5174, 2003)。 TEM8タンパク質の配列は公知である(例えば、GENBANK(登録商標)アクセッション番号AAK52094.1を参照のこと、2001年5月9日の時点でデータベース上に存在したものが参照により本明細書に組み入れられる)。加えて、TEM8タンパク質をコードする例示的な核酸配列が公知である(例えば、GENBANK(登録商標)アクセッション番号AF279145.2を参照のこと、2001年5月9日の時点でデータベース上に存在したものが参照により本明細書に組み入れられる)。1つの例において、TEM8は、SEQ ID NO:14に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドである。 に十分な条件下:所望の活性を許容する任意の環境を説明するのに使用されるフレーズ、1つの例において、所望の効果は、免疫複合体の形成である。特定の例において、所望の活性は、腫瘍の処置である。III.TEM8に特異的に結合するモノクローナル抗体およびその抗原結合フラグメント 細胞表面上のTEM8に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル中和抗体、そのような抗体の抗原結合フラグメント、そのコンジュゲートおよびこれらの分子を使用する方法が提供される。いくつかの態様において、抗体は、それぞれ、表1または表2に示されるL1、L2、L3、L5または1D2抗体のうちの1つのHCDR3のアミノ酸配列を含むHCDR3を含む重鎖可変領域を含む。他の態様において、抗体は、それぞれ、表1または表2に示されるL1、L2、L3、L5または1D2抗体のうちの1つのHCDR1、HCDR2および/またはHCDR3のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。さらなる態様において、抗体は、それぞれ、表1または表2に示されるL1、L2、L3、L5または1D2抗体のうちの1つのHCDR1、HCDR2およびHCDR3のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。 いくつかの態様において、抗体は、それぞれ、表1または表2に列挙されるL1、L2、L3、L5または1D2抗体の1つまたは複数の軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域を含む。他の態様において、抗体は、表1または表2に示されるL1、L2、L3、L5または1D2抗体のうちの1つのLCDR1、LCDR2および/またはLCDR3のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。さらなる態様において、抗体は、それぞれ、表1または表2に示されるL1、L2、L3、L5または1D2抗体のうちの1つのLCDR1、LCDR2およびLCDR3のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。 いくつかの態様において、抗体は、それぞれ、表1または表2に示されるL1、L2、L3、L5または1D2抗体のうちの1つのHCDR1、HCDR2および/またはHCDR3のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域ならびに表1または表2に示されるL1、L2、L3、L5または1D2抗体のうちの1つのLCDR1、LCDR2および/またはLCDR3のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。他の態様において、抗体は、それぞれ、表1または表2に示されるL1、L2、L3、L5または1D2抗体のうちの1つのHCDR1、HCDR2およびHCDR3のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、ならびに、それぞれ、表1または表2に示されるL1、L2、L3、L5または1D2抗体のうちの1つのLCDR1、LCDR2およびLCDR3のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。 さらなる態様において、抗体は、表1または表2に示されるL1抗体のHCDR1、HCDR2およびHCDR3ならびにLCDR1、LCDR2およびLCD3のアミノ酸配列を含む、それぞれ、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は、表1または表2に示されるL2抗体のHCDR1、HCDR2およびHCDR3ならびにLCDR1、LCDR2およびLCD3のアミノ酸配列を含む、それぞれ、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。さらなる態様において、抗体は、表1または表2に示されるL3抗体のHCDR1、HCDR2およびHCDR3ならびにLCDR1、LCDR2およびLCD3のアミノ酸配列を含む、それぞれ、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。さらなる態様において、抗体は、表1または表2に示されるL5抗体のHCDR1、HCDR2およびHCDR3ならびにLCDR1、LCDR2およびLCD3のアミノ酸配列を含む、それぞれ、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。他の態様において、抗体は、表1または表2に示される1D2抗体のHCDR1、HCDR2およびHCDR3ならびにLCDR1、LCDR2およびLCD3のアミノ酸配列を含む、それぞれ、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。(表1)L1、L2、L3、L5および1D2抗体におけるCDRの位置(Kabat準拠)(表2)L1、L2、L3、L5および1D2抗体におけるCDRの位置(Chothia準拠) 具体的な態様において、抗体は、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基100〜106;SEQ ID NO:2のアミノ酸残基96〜102;SEQ ID NO:3のアミノ酸残基102〜110;SEQ ID NO:4のアミノ酸残基99〜106;またはSEQ ID NO:5のアミノ酸残基100〜107に示されるアミノ酸配列を含むHCDR3(Kabat準拠)を含む重鎖可変領域を含む。他の具体的な態様において、抗体は、それぞれ、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基31〜37、52〜67および/もしくは100〜106;それぞれ、SEQ ID NO:2のアミノ酸残基31〜35、50〜65および/もしくは96〜102;それぞれ、SEQ ID NO:3のアミノ酸残基31〜37、52〜69および/もしくは102〜110;それぞれ、SEQ ID NO:4のアミノ酸残基31〜35、50〜66および/もしくは99〜106;または、それぞれ、SEQ ID NO:5のアミノ酸残基31〜37、52〜6,7および/もしくは100〜107に示されるアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3(Kabat準拠)を含む重鎖可変領域を含む。追加の具体的な態様において、抗体は、それぞれ、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基31〜37、52〜67および100〜106;それぞれ、SEQ ID NO:2のアミノ酸残基31〜35、50〜65および96〜102;それぞれ、SEQ ID NO:3のアミノ酸残基31〜37、52〜69および102〜110;それぞれ、SEQ ID NO:4のアミノ酸残基31〜35、50〜66および99〜106;または、それぞれ、SEQ ID NO:5のアミノ酸残基31〜37、52〜67および100〜107に示されるアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3(Kabat準拠)を含む重鎖可変領域を含む。 具体的な態様において、抗体は、それぞれ、SEQ ID NO:6のアミノ酸残基23〜33、49〜55および/もしくは88〜96;それぞれ、SEQ ID NO:7のアミノ酸残基23〜33、49〜55および/もしくは88〜98;それぞれ、SEQ ID NO:8のアミノ酸残基23〜33、49〜55および/もしくは88〜96;それぞれ、SEQ ID NO:9のアミノ酸残基23〜33、49〜55および/もしくは88〜96;または、それぞれ、SEQ ID NO:10のアミノ酸残基23〜33、49〜55および/もしくは88〜98に示されるアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3(Kabat準拠)を含む軽鎖可変領域を含む。他の具体的な態様において、抗体は、それぞれ、SEQ ID NO:6のアミノ酸残基23〜33、49〜55および88〜96;それぞれ、SEQ ID NO:7のアミノ酸残基23〜33、49〜55および88〜98;それぞれ、SEQ ID NO:8のアミノ酸残基23〜33、49〜55および88〜96;それぞれ、SEQ ID NO:9のアミノ酸残基23〜33、49〜55および88〜96;または、それぞれ、SEQ ID NO:10のアミノ酸残基23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3(Kabat準拠)を含む軽鎖可変領域を含む。 具体的な態様において、抗体は、それぞれ、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基31〜37、52〜67および100〜106に示されるアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3(Kabat準拠)を含む重鎖可変領域ならびに、それぞれ、SEQ ID NO:6のアミノ酸残基23〜33、49〜55および88〜96に示されるアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3(Kabat準拠)を含む軽鎖可変領域を含む。さらなる具体的な態様において、抗体は、それぞれ、SEQ ID NO:2のアミノ酸残基31〜35、50〜65および96〜102に示されるアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3(Kabat準拠)を含む重鎖可変領域ならびに、それぞれ、SEQ ID NO:7のアミノ酸残基23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3(Kabat準拠)を含む軽鎖可変領域を含む。追加の具体的な態様において、抗体は、それぞれ、SEQ ID NO:3のアミノ酸残基31〜37、52〜69および102〜110に示されるアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3(Kabat準拠)を含む重鎖可変領域ならびに、それぞれ、SEQ ID NO:8のアミノ酸残基23〜33、49〜55および88〜96に示されるアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3(Kabat準拠)を含む軽鎖可変領域を含む。別の具体的な態様において、抗体は、それぞれ、SEQ ID NO:4のアミノ酸残基31〜35、50〜66および99〜106に示されるアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3(Kabat準拠)を含む重鎖可変領域ならびに、それぞれ、SEQ ID NO:9のアミノ酸残基23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3(Kabat準拠)を含む軽鎖可変領域を含む。それ以外の具体的な態様において、抗体は、それぞれ、SEQ ID NO:5のアミノ酸残基31〜37、52〜67および100〜107に示されるアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2およびHCDR3(Kabat準拠)を含む重鎖可変領域ならびに、それぞれ、SEQ ID NO:10のアミノ酸残基23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含むLCDR1、LCDR2およびLCDR3(Kabat準拠)を含む軽鎖可変領域を含む。 いくつかの態様において、抗体は、それぞれ、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:5に示されるL1、L2、L3、L5または1D2抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。他の態様において、抗体は、それぞれ、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9またはSEQ ID NO:10に示されるL1、L2、L3、L5または1D2抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。 さらなる態様において、抗体は、SEQ ID NO:2に示されるL1抗体のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:7に示されるL1抗体のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は、SEQ ID NO:1に示されるL2抗体のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:6に示されるL2抗体のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は、SEQ ID NO:3に示されるL3抗体のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:8に示されるL3抗体のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。他の態様において、抗体は、SEQ ID NO:4に示されるL5抗体のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:9に示されるL5抗体のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。追加の態様において、抗体は、SEQ ID NO:5に示される1D2抗体のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:10に示される1D2抗体のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。 いくつかの態様において、抗体は、それぞれ、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:5に示されるL1、L2、L3、L5または1D2抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域ならびに、それぞれ、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9またはSEQ ID NO:10に示されるL1、L2、L3、L5または1D2抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。 さらなる態様において、抗体は、SEQ ID NO:2に示されるL1抗体のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:7に示されるL1抗体のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は、SEQ ID NO:1に示されるL2抗体のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:6に示されるL2抗体のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体は、SEQ ID NO:3に示されるL3抗体のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:8に示されるL3抗体のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。他の態様において、抗体は、SEQ ID NO:4に示されるL5抗体のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:9に示されるL5抗体のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。追加の態様において、抗体は、SEQ ID NO:5に示される1D2抗体のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:10に示される1D2抗体のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。(表3)L1、L2、L3、L5および1D2抗体のVHドメインのタンパク質配列(表4)L1、L2、L3、L5および1D2抗体のVLドメインのタンパク質配列 概ね、モノクローナル抗体は、各々、可変重(VH)鎖および可変軽(VL)鎖を含みかつTEM8に特異的に結合する。例えば、抗体は、少なくとも約1.5 x 10-8 M、少なくとも約2.0 x 10-8 M、少なくとも約2.5 x 10-8 M、少なくとも約3.0 x 10-8 M、少なくとも約3.5 x 10-8 M、少なくとも約4.0 x 10-8 M、少なくとも約4.5 x 10-8 M、少なくとも約5.0 x 10-8 Mまたは少なくとも約1.0 x 10-9 Mの親和性でTEM8に特異的に結合することができる。 モノクローナル抗体は、ヒトモノクローナル抗体であり得る。キメラ抗体もまた提供される。抗体は、任意の適当なフレームワーク領域、例えば(しかしこれらに限定されないが)ヒトフレームワーク領域(例えば、表3および表4に列挙されているもの)を含み得る。ヒトフレームワーク領域およびヒト抗体のフレームワーク領域内で行うことができる変異は、当技術分野で公知である(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,585,089号を参照のこと)。あるいは、異種フレームワーク領域、例えば、しかしこれに限定されないが、マウスフレームワーク領域を、抗体の重鎖または軽鎖に含めることができる(例えば、Jones et al., Nature 321: 522, 1986; Riechmann et al., Nature 332: 323, 1988; Verhoeyen et al., Science 239: 1534, 1988; Carter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89: 4285, 1992; Sandhu, Crit. Rev. Biotech. 12: 437, 1992; およびSinger et al., J. Immunol. 150: 2844, 1993を参照のこと)。 本明細書に開示される抗体または抗体フラグメントは、誘導体化または別の分子(例えば、別のペプチドまたはタンパク質)に連結することができる。通常、抗体またはその一部分は、そのTEM8に対する結合が誘導体化または標識によって悪影響を受けないように誘導体化される。例えば、抗体は、1つまたは複数の他の分子体、例えば別の抗体(例えば、二重特異性抗体もしくはダイアボディ)、検出可能マーカー、エフェクター分子または抗体もしくは抗体部分と別の分子との会合を媒介することができるタンパク質もしくはペプチド(例えば、ストレプトアビジンのコア領域もしくはポリヒスチジンタグ)に(化学的カップリング、遺伝子融合、非共有結合的会合またはそれ以外の方法によって)機能的に連結され得る。 1つのタイプの誘導体化抗体は、(同一タイプの、または、例えば二重特異性抗体を作製する場合は、異なるタイプの)2つまたはそれ以上の抗体の架橋によって製造される。適当な架橋剤には、適当なスペーサーによって隔てられた2つの異なる反応性基を有する、ヘテロ二機能性のもの(例えば、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)またはホモ二機能性のもの(例えば、スベリン酸ジスクシンイミジル)が含まれる。そのようなリンカーは、Pierce Chemical Company, Rockford, Illから入手可能である。 本明細書に開示されるモノクローナル抗体は、任意のアイソタイプのものであり得る。モノクローナル抗体は、例えば、IgMまたはIgG抗体、例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4であり得る。TEM8に特異的に結合する抗体のクラスは、周知の手順にしたがい、別のものに切り換えることができる(例えば、IgGをIgMに切り換えることができる)。クラスの切り換えはまた、1つのIgGサブクラスを別のものに、例えばIgG1からIgG2に、変換するために使用することができる。 TEM8に特異的に結合する上記抗体の抗原結合フラグメント、例えば、単一ドメイン抗体(例えば、VHドメイン抗体)、Fab、F(ab')2およびFvもまた、本願の開示に包含される。これらの抗体フラグメントは、TEM8に特異的に結合する能力を保持している。これらのフラグメントには、(1)Fab、これは抗体分子の1価の抗原結合フラグメントを含むフラグメントであり、全抗体を酵素パパインで消化してインタクトな軽鎖および1つの重鎖の一部分を生成することによって製造することができる;(2)Fab'、この抗体分子のフラグメントは、全抗体をペプシンで処理し、その後に還元して、インタクトな軽鎖および重鎖の一部分を生成することによって得ることができ;抗体分子あたり2つのFab'フラグメントが得られる;(3)(Fab')2、この抗体のフラグメントは、全抗体を酵素ペプシンで処理し、その後に還元を行わないことによって得ることができ;F(ab')2は、2つのジスルフィド結合によってひとかたまりの状態で保持されている2つのFab'フラグメントのダイマーである;(4)2つの鎖として発現された軽鎖の可変領域および重鎖の可変領域を含む遺伝子操作されたフラグメントである、Fv;(5)遺伝子的に融合された単鎖分子として適当なポリペプチドリンカーによって連結された軽鎖の可変領域、重鎖の可変領域を含む遺伝子操作された分子である、単鎖抗体(例えば、scFv);(6)scFVのダイマーと定義される、単鎖抗体のダイマー(scFV2)(「ミニ抗体」としても公知);ならびに(7)重鎖可変ドメインからなる抗体フラグメントである、VH単一ドメイン抗体が含まれる。 これらのフラグメントを作製する方法は、当技術分野で公知である(例えば、Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New York, 1988を参照のこと)。 いくつかの場合、抗体フラグメントは、抗体のタンパク質分解性加水分解またはそのフラグメントをコードするDNAの宿主細胞(例えば、大腸菌(E.coli))中での発現によって調製することができる。抗体フラグメントは、従来的な方法による全抗体のペプシンまたはパパイン消化によって得ることができる。例えば、抗体フラグメントは、ペプシンによる抗体の酵素切断によってF(ab')2と呼ばれる5Sフラグメントを提供することによって製造することができる。このフラグメントを、チオール還元剤および場合によりジスルフィド連結の切断により生じるスルフヒドリル基のためのブロッキング基を用いてさらに切断し、3.5S Fab' 1価フラグメントを提供することができる。あるいは、ペプシンを用いた酵素切断により、2つの1価Fab'フラグメントおよびFcフラグメントを直接生成することができる(米国特許第4,036,945号および米国特許第4,331,647号を参照のこと)。 抗体を切断する他の方法、例えば1価の軽・重鎖フラグメントを形成するための重鎖の分離、フラグメントのさらなる切断またはその他の酵素的、化学的もしくは遺伝子技術もまた、そのフラグメントがインタクトな抗体によって認識される抗原に結合する限り、使用され得る。 当業者は、抗体の保存的変種を製造できることを理解するであろう。抗体フラグメントにおいて、例えばdsFvフラグメントにおいてまたはscFvフラグメントにおいて利用されるそのような保存的変種は、VH領域およびVL領域の間の正確なフォールディングおよび安定化のために必要となる重要なアミノ酸残基を維持し、かつその分子の低いpIおよび低い毒性を保存するために残基の電荷特性を維持するものであろう。アミノ酸置換(例えば、最大1個、最大2個、最大3個、最大4個または最大5個のアミノ酸置換)は、VHまたはVL領域において、収率を高めるようなされ得る。機能的に類似するアミノ酸を提供する保存的アミノ酸置換表は、当業者に周知である。以下の6つのグループは、相互に保存的置換であるとみなされるアミノ酸の例である: 1)アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T); 2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E); 3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q); 4)アルギニン(R)、リジン(K); 5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);および 6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)。 さらなる態様群において、抗体は、典型的に約25kDaであり各重鎖および各軽鎖に3つのCDRが存在する完全な抗原結合部位を含むFv抗体である。これらの抗体を製造するため、VHおよびVLを、宿主細胞において2つの個別の核酸構築物から発現させることができる。VHおよびVLが非連続的に発現される場合、Fv抗体の鎖は、典型的に、非共有結合的な相互作用によってまとまって維持される。しかし、これらの鎖は、希釈により解離する傾向があるので、これらの鎖をグルタルアルデヒド、分子間ジスルフィドまたはペプチドリンカーを通じて架橋する方法が開発されている。したがって、1つの例において、Fvは、重鎖可変領域および軽鎖可変領域がジスルフィド結合によって化学的に連結されているジスルフィド安定化Fv(dsFv)であり得る。 追加の例において、Fvフラグメントは、ペプチドリンカーによってつながれたVHおよびVL鎖を含む。これらの単鎖抗原結合タンパク質(scFv)は、オリゴヌクレオチドによってつながれたVHおよびVLドメインをコードするDNA配列を含む構造遺伝子を構築することによって調製される。構造遺伝子は、発現ベクターに挿入され、その後にこれが宿主細胞、例えば大腸菌に導入される。組み換え宿主細胞は、リンカーペプチドが2つのVドメインを架橋している単一のポリペプチド鎖を合成する。scFvを製造する方法は、当技術分野で公知である(Whitlow et al., Methods: a Companion to Methods in Enzymology, Vol.2, page 97, 1991; Bird et al., Science 242: 423, 1988; 米国特許第4,946,778号; Pack et al., Bio/Technology 11: 1271, 1993; およびSandhu、前出を参照のこと)。単鎖抗体のダイマー(scFV2)も想定されている。 抗体フラグメントは、抗体のタンパク質分解性加水分解またはそのフラグメントをコードするDNAの大腸菌中での発現によって調製することができる。抗体フラグメントは、従来的な方法による全抗体のペプシンまたはパパイン消化によって得ることができる。例えば、抗体フラグメントは、ペプシンによる抗体の酵素切断によってF(ab')2と呼ばれる5Sフラグメントを提供することによって製造することができる。このフラグメントを、チオール還元剤および場合によりジスルフィド連結の切断により生じるスルフヒドリル基のためのブロッキング基を用いてさらに切断し、3.5S Fab' 1価フラグメントを提供することができる。あるいは、ペプシンを用いた酵素切断により、2つの1価Fab'フラグメントおよびFcフラグメントが直接製造される(米国特許第4,036,945号および米国特許第4,331,647号ならびにこれらに含まれる参考文献; Nisonhoff et al., Arch. Biochem. Biophys. 89: 230, 1960; Porter, Biochem. J. 73: 119, 1959; Edelman et al., Methods in Enzymology, Vol.1, page 422, Academic Press, 1967; ならびにColigan et al.のセクション2.8.1〜2.8.10および2.10.1〜2.10.4を参照のこと)。 抗体を切断する他の方法、例えば1価の軽・重鎖フラグメントを形成するための重鎖の分離、フラグメントのさらなる切断またはその他の酵素的、化学的もしくは遺伝子技術もまた、そのフラグメントがインタクトな抗体によって認識される抗原に結合する限り、使用され得る。 本明細書に提供されるTEM8特異的抗体が結合するのと同一のTEM8上のエピトープに結合する抗体も含まれる。そのようなエピトープに結合する抗体は、TEM8結合アッセイ(例えば、実施例に記載されるもの)において本明細書に提供されるTEM8特異的抗体と交差競合する(例えば、統計的に有意な様式でその結合を競合的に阻害する)それらの能力に基づいて同定することができる。抗体は、それと競合する抗体が、競合抗体のKDよりも106 x 高い競合抗体濃度の存在下で本発明の抗体のTEM8結合を50%超阻害するとき、結合に関して「競合」する。特定の態様において、本発明の抗体と同一のTEM8上のエピトープに結合する抗体は、ヒトモノクローナル抗体である。そのようなヒトモノクローナル抗体は、本明細書に記載されるようにして調製および単離され得る。IV.コンジュゲート TEM8に特異的なヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントは、当業者に公知の任意の多くの手段を用いて、剤、例えばエフェクター分子または検出可能マーカーにコンジュゲートすることができる。共有結合的付加および非共有結合的付加の両方の手段が使用され得る。コンジュゲートには、エフェクター分子または検出可能マーカーがTEM8に特異的に結合する抗体(または抗原結合フラグメント)に共有結合的に連結されている分子が含まれるが、これらに限定されない。当業者は、化学療法剤、抗血管新生剤、毒素、放射性物質、例えば125I、32P、14C、3Hおよび35Sならびにその他の標識、標的分子およびリガンド等を含む(がこれらに限定されない)様々なエフェクター分子および検出可能マーカーを使用できることを理解するであろう。 個々のエフェクター分子または検出可能マーカーの選択は、個々の標的分子または細胞および所望の生物学的効果に依存する。したがって、例えば、エフェクター分子は、特定の標的細胞(例えば、腫瘍細胞)を死亡させるのに使用される細胞毒であり得る。 エフェクター分子および検出可能マーカーは、当業者に公知の任意の多くの手段を用いて関心対象の抗体(または抗原結合フラグメント)に連結することができる。共有結合的付加および非共有結合的付加の両方の手段が使用され得る。エフェクター分子または検出可能マーカーを抗体(または抗原結合フラグメント)に付加する手順は、そのエフェクターの化学的構造により異なる。ポリペプチドは、典型的に、様々な官能基;例えば、カルボン酸(COOH)、遊離アミン(-NH2)またはスルフヒドリル(-SH)基、を含んでおり、これらを、抗体の適当な官能基と反応させ、エフェクター分子または検出可能マーカーとの結合を生じさせるのに利用することができる。あるいは、抗体(または抗原結合フラグメント)は、追加の反応性官能基が露出するようまたはそれを付加するよう誘導体化される。誘導体化は、任意の多くの公知のリンカー分子、例えば、Pierce Chemical Company, Rockford, ILから入手可能なもの、の付加を伴うものであり得る。リンカーは、抗体(または抗原結合フラグメント)をエフェクター分子または検出可能マーカーに接続するのに使用される任意の分子であり得る。リンカーは、抗体(または抗原結合フラグメント)およびエフェクター分子または検出可能マーカーの両方に対する共有結合を形成することができるものである。適当なリンカーは、当業者に周知であり、直鎖または分枝鎖炭素リンカー、複素環式炭素リンカーまたはペプチドリンカーが含まれるがこれらに限定されない。抗体(または抗原結合フラグメント)およびエフェクター分子または検出可能マーカーがポリペプチドの場合、リンカーは、それらの側鎖基を通じて(例えば、システインに対するジスルフィド連結を通じて)構成アミノ酸に、または末端アミノ酸のアルファ炭素のアミノおよびカルボキシル基に、接続され得る。 あるいは、様々な態様において、リンカーは、スペーサー要素を含み得、これは存在する場合、エフェクター分子または検出可能マーカーと抗体(または抗原結合フラグメント)との間の距離が長くなるようリンカーのサイズを大きくするものである。例示的なスペーサーは、当業者に公知であり、各々その全体が参照により組み入れられる米国特許第7,964,566号、同第7,498,298号、同第6,884,869号、同第6,323,315号、同第6,239,104号、同第6,034,065号、同第5,780,588号、同第5,665,860号、同第5,663,149号、同第5,635,483号、同第5,599,902号、同第5,554,725号、同第5,530,097号、同第5,521,284号、同第5,504,191号、同第5,410,024号、同第5,138,036号、同第5,076,973号、同第4,986,988号、同第4,978,744号、同第4,879,278号、同第4,816,444号および同第4,486,414号ならびに米国特許出願公開第20110212088号および同第20110070248号に列挙されているものが含まれる。 したがって、様々な態様において、コンジュゲートは、エフェクター分子または検出可能マーカーをTEM8特異的抗体またはその抗原結合フラグメントにつなぐリンカーを含む。いくつかの態様において、リンカーは、細胞内条件下で切断可能なものであり、細胞内環境中でのリンカーの切断によって抗体(または抗原結合フラグメント)からエフェクター分子または検出可能マーカーが放出される。さらに他の態様において、リンカーは切断可能でなく、エフェクター分子または検出可能マーカーは、例えば抗体の分解によって放出される。いくつかの態様において、リンカーは細胞内環境(例えば、リソソームまたはエンドソームまたはカベオラ内)に存在する切断剤によって切断可能なものである。リンカーは、例えば、リソソームまたはエンドソームプロテアーゼを含むがこれらに限定されない細胞内ペプチダーゼまたはプロテアーゼ酵素によって切断されるペプチドリンカーであり得る。いくつかの態様において、ペプチドリンカーは、少なくとも2アミノ酸長または少なくとも3アミノ酸長である。しかし、リンカーは、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸長、例えば1〜2、1〜3、2〜5、3〜10、3〜15、1〜5、1〜10、1〜15アミノ酸長であり得る。プロテアーゼには、カテプシンBおよびDならびにプラスミンが含まれ得、これらはすべて、ジペプチド薬物誘導体を加水分解し、標的細胞内で活性薬物を放出させることが公知である(例えば、Dubowchik and Walker, 1999, Pharm. Therapeutics 83: 67-123を参照のこと)。例えば、チオール依存的プロテアーゼであるカテプシンBによって切断可能なペプチドリンカーが使用され得る(例えば、フェニルアラニン-ロイシンまたはグリシン-フェニルアラニン-ロイシン-グリシンリンカー)。そのようなリンカーの他の例は、例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,214,345号に記載されている。具体的な態様において、細胞内プロテアーゼによって切断可能なペプチドリンカーは、バリン-シトルリンリンカーまたはフェニルアラニン-リジンリンカーである(例えば、バリン-シトルリンリンカーを含むドキソルビシンの合成について記載する米国特許第6,214,345号を参照のこと)。 他の態様において、切断可能リンカーはpH感受性である、すなわち、特定のpH値で加水分解に感受性である。典型的に、pH感受性リンカーは、酸性条件下で加水分解可能なものである。例えば、リソソーム中で加水分解可能な酸不安定リンカー(例えば、ヒドラゾン、セミカルバゾン、チオセミカルバゾン、シス-アコニットアミド、オルトエステル、アセタール、ケタール等)を使用することができる。(例えば、米国特許第5,122,368号;同第5,824,805号;同第5,622,929号;Dubowchik and Walker, 1999, Pharm. Therapeutics 83: 67-123;Neville et al., 1989, Biol. Chem. 264: 14653-14661を参照のこと。)そのようなリンカーは、中性pH条件、例えば血液中のpH条件の下では比較的安定であるが、ほぼリソソームのpHである、pH 5.5または5.0未満では不安定である。特定の態様において、加水分解可能リンカーは、チオエーテルリンカー(例えば、アシルヒドラゾン結合を通じて治療剤に付加されたチオエーテル)である(例えば、米国特許第5,622,929号を参照のこと)。 さらに他の態様において、リンカーは、還元条件下で切断可能である(例えば、ジスルフィドリンカー)。様々なジスルフィドリンカーが当技術分野で公知であり、例えば、SATA(N-スクシンイミジル-S-アセチルチオアセテート)、SPDP(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート)、SPDB(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)ブチレート)およびSMPT(N-スクシンイミジル-オキシカルボニル-アルファ-メチル-アルファ-(2-ピリジル-ジチオ)トルエン)-、SPDBおよびSMPTを用いて形成できるものが含まれるがこれらに限定されない。(例えば、Thorpe et al., 1987, Cancer Res. 47: 5924-5931; Wawrzynezak et al., In Immunoconjugates: Antibody Conjugates in Radioimagery and Therapy of Cancer (C.W.Vogel ed., Oxford U. Press, 1987); Phillips et al., Cancer Res. 68: 92809290, 2008を参照のこと。)米国特許第4,880,935号も参照のこと。 さらに他の具体的な態様において、リンカーは、マロン酸リンカー(Johnson et al., 1995, Anticancer Res. 15: 1387-93)、マレイミドベンゾイルリンカー(Lau et al., 1995, Bioorg-Med-Chem. 3(10): 1299-1304)または3'-N-アミドアナログ(Lau et al., 1995, Bioorg-Med-Chem. 3(10): 1305-12)である。 さらに他の態様において、リンカーは切断可能でなく、エフェクター分子または検出可能マーカーは抗体の分解によって放出される(その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2005/0238649号を参照のこと)。 様々な態様において、リンカーは、細胞外環境下で切断に対して耐性である。例えば、コンジュゲートが細胞外環境に(例えば、血漿中に)存在するときに、コンジュゲートのサンプル中のリンカーの約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約3%以下または約1%以下が切断される。リンカーが細胞外環境下で切断に対して耐性であるかどうかは、例えば、関心対象のリンカーを含むコンジュゲートを一定期間(例えば、2、4、8、16または24時間)血漿と共にインキュベートし、次いで血漿中に存在する遊離のエフェクター分子または検出可能マーカーの量を定量することによって決定することができる。コンジュゲートにおいて使用することができる様々な例示的なリンカーが、WO 2004-010957、米国特許出願公開第2006/0074008号、米国特許出願公開第20050238649号および米国特許出願公開第2006/0024317号に記載されている(各々その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。 本明細書に開示される抗体または抗体フラグメントは、例えば、(同一タイプの、または、例えば二重特異性抗体を作製する場合は、異なるタイプの)2つまたはそれ以上の抗体を架橋することによって誘導体化され得る。適当な架橋剤には、適当なスペーサーによって隔てられた2つの異なる反応性基を有する、ヘテロ二機能性のもの(例えば、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)またはホモ二機能性のもの(例えば、スベリン酸ジスクシンイミジル)が含まれる。そのようなリンカーは、市販されている。 抗体への様々な放射線診断化合物、放射線治療化合物、標識(例えば、酵素または蛍光分子)、毒素およびその他の剤の付加に関しては多数の方法が報告されているので、当業者は、所与の剤を抗体(もしくは抗原結合フラグメント)または他のポリペプチドに付加するのに適した方法を決定することができるであろう。例えば、抗体(または抗原結合フラグメント)は、抗体薬物コンジュゲート(ADC)を作製するために、低分子量薬物、例えば、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)、モノメチルオーリスタチンF(MMAF)、メイタンシン、DM1として公知(メルタンシンとしても公知)のメイタンシンの誘導体を含むメイタンシン誘導体、またはその他の化学療法剤とコンジュゲートされ得る。様々な態様において、本明細書に記載される様々な化学療法剤が、コンジュゲートを生成するため、提供される抗体にコンジュゲートされ得る。 様々な態様において、抗体(または抗原結合フラグメント)と1つまたは複数の低分子毒素、例えばカリケアマイシン、メイタンシノイド、ドラスタチン、オーリスタチン、トリコテセンおよびCC1065ならびに毒物活性を有するこれらの毒素の誘導体とのコンジュゲートが提供される。 メイタンシノイド毒素部分として使用するのに適したメイタンシン化合物は、当技術分野で周知であり、これは公知の方法にしたがい天然供給源から単離することができ、遺伝子操作技術を用いて製造することができ(Yu et al (2002) PNAS 99: 7968-7973を参照のこと)またはメイタンシノールおよびメイタンシノールアナログを公知の方法にしたがい合成的に調製することができる。メイタンシノイドは、チューブリン重合を阻害することによって作用する有糸分裂(mitototic)阻害剤である。メイタンシンは、東アフリカの灌木であるメイテナス・セラタ(Maytenus serrata)から最初に単離された(米国特許第3,896,111号)。その後、特定の微生物もメイタンシノイド、例えばメイタンシノールおよびC-3メイタンシノールエステルを産生することが発見された(米国特許第4,151,042号)。合成メイタンシノールならびにその誘導体およびアナログは、例えば、各々参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第4,137,230号;同第4,248,870号;同第4,256,746号;同第4,260,608号;同第4,265,814号;同第4,294,757号;同第4,307,016号;同第4,308,268号;同第4,308,269号;同第4,309,428号;同第4,313,946号;同第4,315,929号;同第4,317,821号;同第4,322,348号;同第4,331,598号;同第4,361,650号;同第4,364,866号;同第4,424,219号;同第4,450,254号;同第4,362,663号;および同第4,371,533号に開示されている。メイタンシノイドを含むコンジュゲート、その製造法およびそれらの治療利用は、例えば、米国特許第5,208,020号;同第5,416,064号;同第6,441,163号および欧州特許第EP0 425 235 B1号に開示されており、これらの開示は明示的に参照により本明細書に組み入れられる。 1つの例において、コンジュゲートは、TEM8に特異的に結合するモノクローナル抗体(またはその抗原結合フラグメント)、非還元性チオエステルリンカーおよびメイタンシノイド毒素DM1を含み;例えば、コンジュゲートは:に示される構造(式中、「mAb」はモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントを表す)を含み得る。 いくつかの態様において、エフェクター分子は、オーリスタチン、例えば、オーリスタチンE(当技術分野ではドラスタチン-10の誘導体としても公知)またはその誘導体である。オーリスタチンは、例えば、オーリスタチンEとケト酸との間で形成されるエステルであり得る。例えば、オーリスタチンEは、AEBおよびAEVBを作製するため、それぞれ、パラアセチル安息香酸またはベンゾイル吉草酸と反応させることができる。他の例示的なオーリスタチンには、AFP、MMAF、およびMMAEが含まれる。例示的なオーリスタチンの合成および構造は、各々の全体が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許出願公開第2003/0083263号;国際特許出願公開第WO 04/010957号、国際特許出願公開第WO 02/088172号ならびに米国特許第7,498,298号、同第6,884,869号、同第6,323,315号;同第6,239,104号;同第6,034,065号;同第5,780,588号;同第5,665,860号;同第5,663,149号;同第5,635,483号;同第5,599,902号;同第5,554,725号;同第5,530,097号;同第5,521,284号;同第5,504,191号;同第5,410,024号;同第5,138,036号;同第5,076,973号;同第4,986,988号;同第4,978,744号;同第4,879,278号;同第4,816,444号;および同第4,486,414号に記載されている。オーリスタチンは、微小管のダイナミクスならびに核および細胞の分裂に干渉し、抗がん活性を有することが示されている。オーリスタチンは、チューブリンに結合し、細胞に対する細胞傷害作用または細胞増殖抑制作用を発揮し得る。オーリスタチンまたは得られるコンジュゲートが所望の細胞株に対して細胞増殖抑制作用または細胞傷害作用を発揮するかどうかを決定する上で使用することができる多くの様々なアッセイが、当技術分野で公知である。 1つの例において、コンジュゲートは、TEM8に特異的に結合するモノクローナル抗体(またはその抗原結合フラグメント)、バリン-シトルリンペプチド切断部位を含む切断可能リンカー、スペーサーおよび毒素MMAEを含み;例えば、コンジュゲートは:に示される構造(式中「mAb」は、モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントを表す。)を含み得る。 さらなる毒素を、TEM8に特異的に結合する抗体およびこれらの抗体の抗原結合フラグメントと共に利用することができる。例示的な毒素には、緑膿菌外毒素(PE)、リシン、アブリン、ジフテリア毒素およびそれらのサブユニット、リボトキシン、リボヌクレアーゼ、サポリンおよびカリケアマイシン、ならびにボツリヌス毒素A〜Fが含まれる。これらの毒素は、当技術分野で周知であり、多くは商業的供給源(例えば、Sigma Chemical Company, St. Louis, MO)から容易に入手できる。想定されている毒素には、毒素の変種も含まれる(例えば、米国特許第5,079,163号および同第4,689,401号を参照のこと)。いくつかの態様において、これらのコンジュゲートは、癌腫、例えば、乳癌、結腸直腸癌、肺癌および黒色腫の処置に使用される。 サポリンは、リボソーム複合体の60S部分を不活性化することによってタンパク質合成を撹乱する、サボンソウ(Saponaria officinalis)由来の毒素である(Stirpe et al., Bio/Technology, 10: 405-412, 1992)。しかし、この毒素は、細胞に独自に進入するメカニズムを有しておらず、したがって細胞によって効率的に取り込まれるようにするためには、インターナライズされる細胞表面タンパク質を認識する抗体(または抗原結合フラグメント)とのコンジュゲーションが必要となる。 ジフテリア毒素は、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)から単離される。典型的に、免疫毒素として使用されるジフテリア毒素は、非特異的な毒性を減少または排除するよう変異させてある。完全な酵素活性を有するが非特異的な毒性が大きく減少している、CRM107として公知の変異体が、1970年代以降公知となっており(Laird and Groman, J. Virol. 19: 220, 1976)、ヒトの臨床試験において使用されている。米国特許第5,792,458号および米国特許第5,208,021号を参照のこと。 リシンは、トウゴマ(Ricinus communis)(トウゴマの実)由来のレクチンRCA60である。リシンの例については、米国特許第5,079,163号および米国特許第4,689,401号を参照のこと。トウゴマ凝集素(RCA)は、それらのおよそ65および120 kDの分子量にしたがい、それぞれ、RCA60およびRCA120と呼ばれる2つの形態で存在する(Nicholson & Blaustein, J. Biochim. Biophys. Acta 266: 543, 1972)。そのA鎖は、タンパク質合成の不活性化および細胞の殺傷を担っている。そのB鎖は、リシンを細胞表面ガラクトース残基に結合させ、細胞質ゾルへのA鎖の輸送を促進する(Olsnes et al., Nature 249: 627-631, 1974および米国特許第3,060,165号)。 リボヌクレアーゼもまた、免疫毒素として使用するために標的化分子にコンジュゲートされる(Suzuki et al., Nat. Biotech. 17: 265-70, 1999を参照のこと)。例示的なリボトキシン、例えば、α-サルシンおよびレストリクトシンは、例えば、Rathore et al., Gene 190: 31-5, 1997;およびGoyal and Batra, Biochem. 345 Pt 2: 247-54, 2000で考察されている。カリケアマイシンは、ミクロモノスポラ・エチノスポラ(Micromonospora echinospora)から最初に単離された、DNAの2本鎖を分裂させアポトーシスを誘導するエンジイン抗腫瘍抗生物質ファミリーのメンバーである(例えば、Lee et al., J. Antibiot. 42: 1070-87, 1989を参照のこと)。この薬物は、臨床試験中の免疫毒素の毒性部分である(例えば、Gillespie et al., Ann. Oncol. 11: 735-41, 2000を参照のこと)。 アブリンには、トウアズキ(Abrus precatorius)由来の毒性レクチンが含まれる。毒性の主成分であるアブリンa、b、cおよびdは、約63〜67 kDの分子量を有し、2つのジスルフィド連結されたポリペプチド鎖AおよびBから構成される。A鎖はタンパク質合成を阻害し;B鎖(アブリン-b)はD-ガラクトース残基に結合する(Funatsu et al., Agr. Biol. Chem. 52: 1095, 1988;およびOlsnes, Methods Enzymol. 50: 330-335, 1978を参照のこと)。 1つの態様において、毒素は、緑膿菌外毒素(PE)である(米国特許第5,602,095号)。本明細書で使用される場合、PEには、全長でネイティブの(天然に存在する)PEまたは修飾されたPEが含まれる。そのような修飾には、ドメインIaの除去、ドメインIb、IIおよびIIIにおける様々なアミノ酸欠失、単一アミノ酸置換ならびにカルボキシル末端における1つまたは複数の配列の付加が含まれ得るが、これらに限定されない(例えば、Siegall et al., J. Biol. Chem. 264: 14256-14261, 1989を参照のこと)。 提供される抗体と共に利用されるPEには、ネイティブ配列、ネイティブ配列の細胞傷害性フラグメントならびにネイティブPEおよびその細胞傷害性フラグメントの保存的修飾変種が含まれ得る。PEの細胞傷害性フラグメントには、標的細胞中でのその後のタンパク質分解またはその他のプロセシングによって細胞傷害性となるまたはそれなしでも細胞傷害性であるPEが含まれる。PEの細胞傷害性フラグメントには、PE40、PE38およびPE35が含まれる。PEおよびその変種に関するさらなる説明については、例えば、米国特許第4,892,827号;同第5,512,658号;同第5,602,095号;同第5,608,039号;同第5,821,238号;および同第5,854,044号;PCT出願公開第WO 99/51643号;Pai et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88: 3358-3362, 1991;Kondo et al., J. Biol. Chem., 263: 9470-9475, 1988;Pastan et al., Biochim. Biophys. Acta, 1333: C1-C6, 1997を参照のこと。いくつかの例において、PEは、PE38(SEQ ID NO:44)である。 例えば、PE-LR、PE-6X、PE-8X、PE-LR/6XおよびPE-LR/8Xであるがこれらに限定されない、プロテアーゼ耐性のPE変種および低免疫原性のPE変種もまた、本願で想定されている(例えば、参照により本明細書に組み入れられる、Weldon et al., Blood 113(16): 3792-3800, 2009; Onda et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 105(32): 11311-11316, 2008; ならびにPCT出願公開第WO 2007/016150号、同第WO 2009/032954号および同第WO 2011/032022号を参照のこと)。 いくつかの例において、PEは、リソソーム分解に対して耐性の変種、例えば、PE-LR(SEQ ID NO:45; Weldon et al., Blood 113(16): 3792-3800, 2009; PCT出願公開第WO 2009/032954号)である。他の例において、PEは、PE-LR/6Xと呼ばれる変種(SEQ ID NO:46; PCT出願公開第WO 2011/032022号)である。他の例において、PE変種は、低免疫原性のPE、例えば、SEQ ID NO:47で示されるアミノ酸配列を含むPEである。他の例において、PEは、PE-LR/8Mと呼ばれる変種(SEQ ID NO:48; PCT出願公開第WO 2011/032022号)である。 TEM8に特異的に結合するモノクローナル抗体(またはその抗原結合フラグメント)はまた、検出可能マーカー、例えば、ELISA、分光測定、フローサイトメトリー、顕微鏡観察または診断画像化技術(例えば、コンピュータ断層撮影(CT)、コンピュータ体軸断層撮影(CAT)スキャン、磁気共鳴画像化(MRI)、核磁気共鳴画像化(NMRI)、磁気共鳴断層撮影(MTR)、超音波、ファイバー試験および腹腔鏡試験)によって検出できる検出可能マーカーとコンジュゲートされ得る。検出可能マーカーの具体的で非限定的な例には、発蛍光団、化学発光剤、酵素的連結、放射性同位元素および重金属または化合物(例えば、MRIにより検出される超常磁性酸化鉄ナノ結晶)が含まれる。例えば、有用な検出可能マーカーには、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、5-ジメチルアミン-1-ナフタレンスルホニルクロリド、フィコエリトリン、ランタニド蛍光体等を含む蛍光化合物が含まれる。生物発光マーカー、例えば、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、もまた使用される。抗体(または抗原結合フラグメント)はまた、検出に有用な酵素、例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ等とコンジュゲートされ得る。抗体(または抗原結合フラグメント)が検出可能な酵素とコンジュゲートされる場合、それは、識別可能な反応産物を生成するためにその酵素が使用する追加の試薬を添加することによって検出され得る。例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼという剤が存在する場合、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加により視覚的に検出可能な有色の反応産物が生じる。抗体(または抗原結合フラグメント)はまた、ビオチンとコンジュゲートされ、そしてアビジンまたはストレプトアビジン結合の間接的測定を通じて検出され得る。アビジン自体も酵素または蛍光標識とコンジュゲートすることができることに留意されたい。 抗体(または抗原結合フラグメント)は、常磁性剤、例えばガドリニウムとコンジュゲートされ得る。常磁性剤、例えば超常磁性酸化鉄も、標識として使用される。抗体はまた、ランタニド(例えば、ユーロピウムおよびジスプロシウム)ならびにマンガンとコンジュゲートされ得る。抗体(または抗原結合フラグメント)はまた、2次レポーターによって認識される規定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、2次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)で標識され得る。 抗体(または抗原結合フラグメント)はまた、放射性標識アミノ酸とコンジュゲートされ得る。放射性標識は、診断および治療の両方の目的で使用され得る。例えば、放射性標識は、TEM8およびTEM8発現細胞を、x線、発光スペクトルまたはその他の診断技術によって検出するために使用され得る。さらに、放射性標識は、対象における腫瘍の処置、例えば、乳癌、肺癌、結腸直腸癌または黒色腫の処置のための毒素として治療的に使用され得る。ポリペプチド用の標識の例には、以下の放射性同位元素または放射性核種が含まれるがこれらに限定されない:3H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I。 そのような検出可能マーカーを検出する手段は、当業者に周知である。したがって、例えば、放射性標識は、写真用フィルムまたはシンチレーションカウンターを用いて検出され得、蛍光マーカーは、発生した照光を検出する光検出装置を用いて検出され得る。酵素標識は、典型的に、その酵素に基質を提供し、基質に対するその酵素の作用によって生じる反応産物を検出することによって検出され、比色標識は、単純にその有色の標識を視認することによって検出される。 抗体(または抗原結合フラグメント)はまた、化学基、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、メチルもしくはエチル基、または炭水化物基で誘導体化され得る。これらの基は、抗体(または抗原結合フラグメント)の生物学的特徴を改善する、例えば、血清半減期を延長するまたは組織結合性を向上させるのに有用であり得る。 コンジュゲート中の抗体(または抗原結合フラグメント)あたりのエフェクター分子または検出可能マーカー部分の平均数は、例えば、抗体(または抗原結合フラグメント)あたり1〜20部の範囲であり得る。いくつかのコンジュゲートでは、抗体(または抗原結合フラグメント)あたりのエフェクター分子または検出可能マーカー部分の平均数は、抗体(または抗原結合フラグメント)上の付加部位の数によって制限され得る。例えば、付加がシステインチオールである場合、抗体(または抗原結合フラグメント)は、システインチオール基を1もしくは数個のみ有し得るか、またはリンカーが付加され得る十分な反応性のチオール基を1もしくは数個のみ有し得る。特定の態様において、コンジュゲート中の抗体(または抗原結合フラグメント)あたりのエフェクター分子または検出可能マーカー部分の平均数は、1〜約8;約2〜約6;約3〜約5;約3〜約4;約3.1〜約3.9;約3.2〜約3.8;約3.2〜約3.7;約3.2〜約3.6;約3.3〜約3.8;または約3.3〜約3.7の範囲である。例えば、(その全体が参照により本明細書に組み入れられる)米国特許第7,498,298号を参照のこと。コンジュゲート調製物中の抗体(または抗原結合フラグメント)あたりのエフェクター分子または検出可能マーカー部分の平均数は、従来手段、例えば、質量スペクトルおよびELISAアッセイによって特徴づけられ得る。 コンジュゲートの負荷量(例えば、エフェクター分子/抗体比)は、様々な方法、例えば:(i)抗体に対してモル過剰のエフェクター分子・リンカー中間体またはリンカー試薬を制限すること、(ii)コンジュゲーション反応の時間または温度を制限すること、(iii)システインチオール修飾における部分的または限定的な還元条件、(iv)リンカー・エフェクター分子の付加の数または位置の制御のためにシステイン残基の数および位置が修飾されるよう抗体のアミノ酸配列を組み換え技術により改変すること(例えば、(その全体が参照により本明細書に組み入れられる)WO2006/034488に開示されるようにして調製されるチオMabまたはチオFab)によって、制御され得る。V.ヌクレオチド、発現ベクターおよび宿主細胞 TEM8に特異的に結合する抗体のアミノ酸配列をコードする核酸が提供される。これらの抗体をコードする核酸分子は、本明細書に提供されるアミノ酸配列および遺伝子記号を用いて当業者によって容易に製造され得る。加えて、当業者は、機能的に等価な核酸、例えば、配列は異なるが同一のエフェクター分子、検出可能マーカーまたは抗体(もしくは抗原結合フラグメント)の配列をコードする核酸、を含む様々なクローンを容易に構築することができる。 TEM8に特異的に結合する抗体をコードする核酸配列は、例えば適当な配列のクローニングを含む任意の適当な方法によって、またはNarang et al., Meth. Enzymol. 68: 90-99, 1979のホスホトリエステル法;Brown et al., Meth. Enzymol. 68: 109-151, 1979のホスホジエステル法;Beaucage et al., Tetra. Lett. 22: 1859-1862, 1981のジエチルホスホラミダイト法;例えば、Needham-VanDevanter et al., Nucl. Acids Res. 12: 6159-6168, 1984に記載されるような自動合成装置を用いる、Beaucage & Caruthers, Tetra. Letts. 22(20): 1859-1862, 1981により記載された固相ホスホラミダイトトリエステル法;および米国特許第4,458,066号の固体支持体法、等の方法による直接化学合成によって、調製することができる。化学合成は、1本鎖のオリゴヌクレオチドを生成する。これは、相補的な配列とのハイブリダイゼーションによって、またはこの1本鎖を鋳型として用いるDNAポリメラーゼによる重合によって、2本鎖DNAに変換することができる。 TEM8に特異的に結合する抗体(またはその抗原結合フラグメント)をコードする配列を含む例示的な核酸は、クローニング技術によって調製することができる。適当なクローニングおよび配列決定技術の例、ならびに当業者をクローニングに導くのに十分な説明は、Sambrook et al.,前出、Berger and Kimmel (eds.),前出およびAusubel,前出で見出される。生物学的試薬および実験器具の製造元からの製品情報も、有用な情報を提供する。そのような製造元には、SIGMA Chemical Company(Saint Louis, MO)、R&D Systems(Minneapolis, MN)、Pharmacia Amersham(Piscataway, NJ)、CLONTECH Laboratories, Inc.(Palo Alto, CA)、Chem Genes Corp.、Aldrich Chemical Company(Milwaukee, WI)、Glen Research, Inc.、GIBCO BRL Life Technologies, Inc.(Gaithersburg, MD)、Fluka Chemica-Biochemika Analytika(Fluka Chemie AG, Buchs, Switzerland)、Invitrogen(San Diego, CA)およびApplied Biosystems(Foster City, CA)、ならびに当業者に公知の多くのその他の商業的供給源が含まれる。 核酸はまた、増幅法によって調製することができる。増幅法には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、転写増幅システム(TAS)、自家持続配列複製システム(3SR)が含まれる。多種多様なクローニング法、宿主細胞およびインビトロ増幅法が、当業者に周知である。 1つの態様において、使用する抗体(または抗原結合フラグメント)は、抗体由来の可変領域をコードするcDNAを、エフェクター分子または検出可能マーカー、例えば酵素もしくは標識をコードするcDNAを含むベクターに挿入することによって調製される。挿入は、可変領域およびエフェクター分子または検出可能マーカーがインフレームで読み取られ、1つの連続するポリペプチドが生成されるように、行われる。したがって、コードされるポリペプチドは、機能的なFv領域および機能的なエフェクター分子または検出可能マーカー領域を含んでいる。1つの態様において、酵素がscFvのカルボキシル末端に配置されるよう、酵素をコードするcDNAがscFvにライゲートされる。様々な例においては、酵素(またはポリペプチドマーカー)がscFvのアミノ末端に配置されるよう、セイヨウワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼまたは関心対象のポリペプチドマーカーをコードするcDNAがscFvにライゲートされる。別の例においては、標識が、scFvのアミノ末端に配置される。さらなる例においては、酵素またはポリペプチドマーカーが重鎖可変領域のカルボキシル末端に配置されるよう、タンパク質またはポリペプチドマーカーをコードするcDNAが抗体(または抗原結合フラグメント)の重鎖可変領域にライゲートされる。重鎖可変領域は、その後、ジスルフィド結合を用いて、抗体(または抗原結合フラグメント)の軽鎖可変領域にライゲートされ得る。さらに別の例においては、酵素またはポリペプチドマーカーが軽鎖可変領域のカルボキシル末端に配置されるよう、酵素またはポリペプチドマーカーをコードするcDNAが抗体(または抗原結合フラグメント)の軽鎖可変領域にライゲートされる。この軽鎖可変領域は、その後、ジスルフィド結合を用いて、抗体(または抗原結合フラグメント)の重鎖可変領域にライゲートされ得る。 コンジュゲート、抗体またはそのフラグメントをコードする核酸を単離およびクローニングした後に、タンパク質を、組み換え操作された細胞、例えば細菌、植物、酵母、昆虫および哺乳動物細胞において、適当な発現ベクターを用いて発現させることができる。抗体またはそのフラグメントをコードする1つまたは複数のDNA配列は、適当な宿主細胞へのDNA導入によってインビトロで発現させることができる。細胞は、原核生物または真核生物であり得る。この用語には、対象の宿主細胞の任意の子孫も含まれる。すべての子孫は、複製の間に変異が生じ得るため、その親細胞と同一でない場合があることが理解されている。外来DNAを宿主において継続的に維持することを意味する安定的導入の方法は、当技術分野で公知である。 抗体またはその抗原結合フラグメントもしくはコンジュゲートをコードするポリヌクレオチド配列は、発現制御配列に機能的に連結され得る。コード配列に機能的に連結される発現制御配列は、その発現制御配列と適合する条件下でコード配列の発現が達成されるようライゲートされる。発現制御配列には、適当なプロモーター、エンハンサー、転写ターミネーター、タンパク質コード遺伝子の前にある開始コドン(すなわち、ATG)、イントロンのスプライシングシグナル、mRNAの適当な翻訳を実現するその遺伝子の正確なリーディングフレームの維持、および停止コドンが含まれるが、これらに限定されない。 抗体またはその抗原結合フラグメントもしくはコンジュゲートをコードするポリヌクレオチド配列は、プラスミド、ウイルスまたは配列の挿入もしくは組み込みの操作が可能でありかつ原核生物もしくは真核生物のいずれかにおいて発現させることができるその他のビヒクルを含むがこれらに限定されない発現ベクターに挿入され得る。宿主には、微生物、酵母、昆虫および哺乳動物生物が含まれ得る。真核生物またはウイルス配列を有するDNA配列を原核生物において発現させる方法は、当技術分野で周知である。宿主において発現および複製が可能な、生物学的に機能的なウイルスおよびプラスミドDNAベクターは、当技術分野で公知である。 組み換えDNAを用いた宿主細胞の形質転換は、当業者に周知の従来的な技術によって行われ得る。宿主が原核生物、例えば大腸菌の場合、DNA取り込みが可能なコンピテント細胞が、対数成長期後に収集されその後に当技術分野で周知の手順を用いるCaCl2法によって処理された細胞から調製され得る。あるいは、MgCl2またはRbClを使用することができる。形質転換はまた、所望の場合、宿主細胞のプロトプラストを形成した後に、またはエレクトロポレーションによって、行うことができる。 宿主が真核生物の場合、リン酸カルシウム共沈等のDNAのトランスフェクションの方法、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、リポソーム被覆されたプラスミドの挿入またはウイルスベクター等の従来的な機械的手段が使用され得る。真核生物細胞はまた、抗体、標識された抗体またはその抗原結合フラグメントをコードするポリヌクレオチド配列と、選択可能な表現型をコードする第2の外来DNA分子、例えば単純ヘルペスのチミジンキナーゼ遺伝子で同時形質転換され得る。別の方法は、真核生物ウイルスベクター、例えばシミアンウイルス40(SV40)またはウシパピローマウイルスを使用して真核生物細胞を一過的に感染または形質転換させタンパク質を発現させることである(例えば、Eukaryotic Viral Vectors, Cold Spring Harbor Laboratory, Gluzman ed., 1982を参照のこと)。当業者は、COS、CHO、HeLaおよび骨髄腫細胞株等の高等真核生物細胞を含む細胞においてタンパク質を産生させるのに使用されるプラスミドおよびベクター等の発現システムを容易に使用することができる。 組み換え発現ポリペプチドの単離および精製は、分取クロマトグラフィーおよび免疫学的分離を含む従来的な手段によって行うことができる。コンジュゲート、抗体またはその抗原結合フラグメントは、発現させた後、硫酸アンモニウム沈降、親和性カラム、カラムクロマトグラフィー等を含む当技術分野の標準的手順にしたがい精製することができる(一般には、R. Scopes, Protein Purification, Springer-Verlag, N.Y., 1982を参照のこと)。少なくとも約90%〜95%の均質性の実質的に純粋な組成物が本明細書に開示され、98〜99%またはそれ以上の均質性が、医薬用途で使用され得る。ポリペプチドは、部分的に精製されるか、または治療的に使用される場合は望まれる均質性にまで精製された後、内毒素を実質的に含んでいないべきである。 細菌、例えば大腸菌からの単鎖抗体の発現および単鎖抗体を含む適当な活性形態への再フォールディングの方法は、記載されており、周知であり、本明細書に開示される抗体に適用することができる。すべて参照により本明細書に組み入れられる、Buchner et al., Anal. Biochem. 205: 263-270, 1992; Pluckthun, Biotechnology, 9: 545, 1991; Huse et al., Science 246: 1275, 1989およびWard et al., Nature 341: 544, 1989を参照のこと。しばしば、大腸菌または他の細菌由来の機能的異種タンパク質は、封入体から単離され、強い変性剤を用いる可溶化およびその後の再フォールディングを必要とする。可溶化工程の間、当技術分野で周知のように、ジスルフィド結合を分離させるために還元剤が存在しなければならない。還元剤を含む例示的な緩衝液は:0.1M Tris pH 8、6Mグアニジン、2mM EDTA、0.3M DTE(ジチオエリトリトール)である。ジスルフィド結合の再酸化は、参照により本明細書に組み入れられるSaxena et al., Biochemistry, 9:5015-5021, 1970に記載されるように、特にBuchner et al.,前出に記載されるように、還元型および酸化型の低分子量チオール試薬の存在下で起こり得る。再生(renaturation)は、典型的に、変性および還元されたタンパク質を再フォールディング緩衝液で希釈(例えば、100倍)することによって達成される。例示的な緩衝液は、0.1M Tris、pH 8.0、0.5M L-アルギニン、8mM酸化グルタチオン(GSSG)および2mM EDTAである。 2本鎖抗体精製プロトコルの改変として、重鎖および軽鎖領域が別々に可溶化および還元され、その後に再フォールディング溶液中で組み合わされる。例示的な収量は、これら2つのタンパク質が、一方のタンパク質が他方の5倍モル過剰を超えないモル比で混合されたときに得られる。酸化還元シャッフリングが完了した後に、過剰な酸化型グルタチオンまたは他の酸化性低分子量化合物が、再フォールディング溶液に添加され得る。 組み換え法に加えて、抗体、抗原結合フラグメントおよびそれらのコンジュゲートは、全体または一部を標準的なペプチド合成を用いて構築することができる。約50アミノ酸長未満のポリペプチドの固相合成は、その配列のC末端アミノ酸を不溶性の支持体に付加し、その後にその配列の残りのアミノ酸を連続的に追加していくことによって達成することができる。固相合成の技術は、Barany & Merrifield, The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology. Vol.2: Special Methods in Peptide Synthesis, Part A. pp. 3-284; Merrifield et al., J. Am. Chem. Soc. 85: 2149-2156, 1963およびStewart et al., Solid Phase Peptide Synthesis, 2nd ed., Pierce Chem. Co., Rockford, Ill., 1984に記載されている。より長いタンパク質は、短いフラグメントのアミノ末端およびカルボキシル末端の縮合によって合成され得る。カルボキシル末端の活性化によって(例えば、カップリング試薬N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドを使用することによって)ペプチド結合を形成する方法が、当技術分野で周知である。VI.検出方法 対象においてTEM8を発現する細胞の存在を検出する方法が提供される。いくつかの態様において、この方法は、対象由来の細胞を、TEM8に特異的に結合する1つまたは複数の抗体またはそのコンジュゲートと接触させて、免疫複合体を形成する工程を含む。その後、免疫複合体の存在(または非存在)が検出される。免疫複合体の存在は、対象におけるTEM8を発現する細胞の存在を示す。この検出方法は、免疫複合体のインビボ検出またはインビトロ検出を用いるものであり得る。様々な態様において、TEM8を発現する細胞の検出は、内皮細胞におけるTEM8の細胞表面発現の検出を含む。提供される方法の様々な態様において、対象におけるTEM8を発現する細胞の検出は、対象における病理学的な血管新生、例えば腫瘍の進展に関連する血管新生を検出する。細胞は、内皮細胞または周皮細胞であり得る。 したがって、TEM8を発現する細胞、例えば、TEM8を発現する内皮細胞またはTEM8を発現する周皮細胞を検出する方法が提供される。具体的で非限定的な例において、細胞は、内皮細胞である。いくつかの態様において、腫瘍、例えば癌腫を有する、有する疑いがある、または進展する危険のある対象が、選択される。例えば、対象は、乳癌、肺癌、結腸直腸癌または黒色腫を有する、有する疑いがあるまたは進展する危険がある。いくつかの例において、対象は、乳がん、結腸直腸がん、肺がんまたは皮膚がんを有する、有する疑いがあるまたは進展する危険がある。したがって、TEM8を発現する内皮細胞の存在が、これらの対象において検出され得る。いくつかの例において、TEM8を発現する内皮細胞の検出は、TEM8を発現する少なくとも1つの内皮細胞を含む血管を検出する。いくつかの例において、内皮細胞は、血管内皮細胞、例えば、腫瘍関連血管の血管内皮細胞である。 1つの態様においては、サンプルが対象から取得され、そしてTEM8を発現する内皮細胞の存在がインビトロで評価される。例えば、そのような方法は、対象由来の生物学的サンプル中の内皮細胞を、TEM8に特異的に結合する1つまたは複数の本明細書に提供されるコンジュゲートまたは抗体と接触させ、免疫複合体を形成する工程を含む。その後、免疫複合体の存在(または非存在)が検出される。対象由来の内皮細胞における免疫複合体の存在は、対象におけるTEM8を発現する内皮細胞の存在を示す。例えば、サンプル中の免疫複合体の存在が、対照サンプル中での免疫複合体の形成と比較して増加していることが、対象におけるTEM8を発現する内皮細胞の存在を示す。 生物学的サンプルは、典型的に、関心対象の哺乳動物対象、例えばヒトから得られる。サンプルは、生検、部検および病理学的試料由来の組織を含むがこれらに限定されない任意のサンプルであり得る。生物学的サンプルには、組織の切片、例えば組織学的目的で採取された凍結切片も含まれる。 開示される方法のいくつかの態様において、TEM8特異的抗体(または抗原結合フラグメント)は、検出可能マーカーにコンジュゲートされる。いくつかの例において、この方法はさらに、TEM8特異的抗体、その抗原結合フラグメントまたはこれらの分子を含むコンジュゲートに特異的に結合する2次抗体を、免疫複合体を形成するのに十分な時間接触させる工程およびこの免疫複合体を検出する工程を含む。(上記のような)選択された対象由来の生物学的サンプルにおいてこの免疫複合体の存在が対照サンプルまたはその他の標準における免疫複合体の存在と比較して増大することは、その生物学的サンプルにおけるTEM8を発現する内皮細胞の存在を検出する。いくつかの例において、2次抗体は、検出可能マーカーにコンジュゲートされる。 抗体または2次抗体に適した検出可能マーカーは記載されており、当業者に公知である。例えば、様々な酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、磁性剤および放射性物質である。適当な酵素の非限定的な例には、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼが含まれる。適当な補欠分子族複合体の非限定的な例には、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが含まれる。適当な蛍光物質の非限定的な例には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンが含まれる。非限定的、例示的な発光物質は、ルミノールであり;非限定的、例示的な磁性剤は、ガドリニウムであり、そして非限定的、例示的な放射性標識には、125I、131I、35Sまたは3Hが含まれる。 TEM8に特異的に結合する抗体およびそのコンジュゲートは、免疫組織化学アッセイにおいて使用することができる。これらのアッセイは、当業者に周知である(免疫アッセイの形式の説明については、Harlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Publications, New York (1988)を参照のこと)。 本明細書に開示される抗体はまた、TEM8を発現する内皮細胞およびTEM8を発現する周皮細胞をインビボで検出するのに使用することができる。いくつかの例において、TEM8を検出する内皮細胞のインビボ検出は、対象における病理学的な血管新生を検出する。したがって、対象における病理学的な血管新生、例えば、腫瘍、例えば癌腫;例えば乳癌、肺癌、結腸直腸癌または黒色腫に関連する病理学的な血管新生、を検出する方法が開示される。1つの態様において、TEM8に特異的に結合する有効量の抗体(もしくはその抗原結合フラグメント)またはそのコンジュゲートは、その抗体(または抗原結合フラグメント)が後で検出できる免疫複合体を形成するのに十分な時間、対象に投与される。対象における免疫複合体の検出は、TEM8を発現する内皮細胞の存在を決定し、TEM8を発現する内皮細胞の存在は、対象における病理学的な血管新生を検出する。1つの具体的で非限定的な例において、免疫複合体の検出は、免疫シンチグラフィー(immunoscintography)によって行われる。免疫複合体検出の他の具体的で非限定的な例には、放射線局在化(radiolocalization)、放射線画像化、磁気共鳴画像化(例えば、ビオチニル化抗体およびアビジン-酸化鉄を用いるもの)、陽電子放出断層撮影(例えば、111インジウム標識モノクローナル抗体を用いるもの)または蛍光画像化(例えば、ルシフェラーゼもしくは緑色蛍光タンパク質標識抗体を用いるもの)が含まれる。参照により本明細書に組み入れられる、Paty et al., Transplantation, 77: 1133-1137, 2004を参照のこと。様々な例において、開示される方法は、対象の腫瘍、例えば乳癌、肺癌、結腸直腸癌または黒色腫における、血管の内壁に並ぶ内皮細胞を検出する。 磁気共鳴画像化の設定において、造影剤の検出は、磁気共鳴スキャナの磁界強度(field strength)によって大きく影響され得る。高い磁界強度は、造影剤の検出能力を大幅に改善する(Hu et al., Ann. Rev. Biomed. Eng., 6:157-184, 2004; Wedeking et al., Magn. Reson. Imaging., 17: 569-575, 1999)。例えば、2テスラ(T)でのガドリニウムの検出限界は、およそ30μMである。4Tでは、その検出限界は、およそ1μMまで低くなる。最近利用可能となった7〜12Tのスキャナを用いれば、この造影剤が低(10〜100)nM濃度で検出されると考えられる。同様の感度は、酸化鉄等の造影剤を用いても達成され得る。検出後、その試験結果は、腫瘍の外科的またはその他の切除を支援するまたは先導するために使用され得る。 1つの態様において、TEM8に特異的に結合する有効量の抗体(もしくは抗原結合フラグメント)またはそのコンジュゲートは、抗がん処置または抗血管新生処置後に腫瘍を有する対象に投与される。投与された抗体(もしくは抗原結合フラグメント)またはコンジュゲートが内皮細胞上のTEM8と免疫複合体を形成するのに十分な時間が経過した後、免疫複合体が検出される。例えば、TEM8に特異的に結合する抗体またはそのコンジュゲートは、腫瘍の処置の前または後に、対象に投与され得る。腫瘍は、乳がん、結腸直腸がん、肺がんまたは皮膚がんであり得る(がこれらに限定されない)。免疫複合体の存在(または非存在)は、処置の有効性を示す。例えば、免疫複合体が、処置前に試験された対照と比較して増加していることは、その処置が有効でないことを示し、免疫複合体が、処置前に試験された対照と比較して減少していることは、その処置が有効であることを示す。VII.処置方法 TEM8に特異的に結合する治療有効量の抗体(もしくは抗原結合フラグメント)またはそのコンジュゲートは、病理学的な血管新生を処置するために、例えば、腫瘍、例えば癌腫を処置するために、対象に投与され得る。いくつかの態様において、TEM8に特異的に結合する治療有効量の抗体(もしくは抗原結合フラグメント)またはそのコンジュゲートの投与は、病理学的な血管新生、例えば、様々なタイプのがん、例えば乳がん、結腸直腸がん、肺がんまたは皮膚がんにおいて発生する病理学的な血管新生を減少させる。したがって、腫瘍、例えば癌腫を有する、有する疑いがある、または進展する危険がある対象が、処置のために選択され得る。 いくつかの例において、本明細書に開示される抗体、組成物およびコンジュゲートは、対象において病理学的な血管新生を減少させるために、腫瘍の成長もしくは転移を遅らせるもしくは阻害するために、または角膜もしくは網膜変性を処置するために、対象に投与され得る。これらの適用において、TEM8に特異的に結合する治療有効量の抗体(もしくは抗原結合フラグメント)またはそのような抗体(もしくは抗原結合フラグメント)を含むコンジュゲートもしくは組成物は、TEM8との免疫複合体を形成しそれによって腫瘍の成長もしくは転移もしくはその他の病理学的な血管新生を遅らせるもしくは阻害するのに、またはがんの兆候もしくは症候を阻害するのに十分な量および条件の下で、対象に投与される。適当な対象の例には、がんを有すると診断されたまたは疑いがある対象(例えば、腫瘍を有する対象)、例えば、癌腫、例えば乳癌、肺癌、結腸直腸癌または黒色腫、を有する対象、が含まれる。 抗体(もしくは抗原結合フラグメント)またはコンジュゲートの治療有効量は、疾患の重篤度および患者の全般的な健康状態に依存するであろう。抗体(もしくは抗原結合フラグメント)またはコンジュゲートの治療有効量は、症候の主観的な緩和または医師もしくはその他の有資格観察者により認識される客観的で同定可能な改善のいずれかを提供する量である。1つの態様において、コンジュゲートまたは抗体(もしくは抗原結合フラグメント)の治療有効量は、腫瘍の成長(例えば、乳癌、肺癌、結腸直腸癌もしくは黒色腫の成長)や病理学的な血管新生を阻害するのに必要な量、または腫瘍の兆候もしくは症候を減少させるのに効果的な量、である。投与される剤の治療有効量は、望まれる効果および処置される対象に依存して様々であり得る。いくつかの例において、治療量は、患者の腫瘍量を排除するもしくは減少させる量または転移性細胞の増殖を予防するもしくは減少させる量または病理学的な血管新生を予防するもしくは減少させる量である。 開示される方法からの利益を享受することができる対象には、ヒト対象および獣医学的対象が含まれる。対象は、開示される治療を開始する前に、例えば、その対象が腫瘍もしくは病理学的な血管新生または両方を有するかどうかを決定するために、スクリーニングされ得る。腫瘍もしくは病理学的な血管新生または両方の存在は、その腫瘍または病理学的な血管新生が本明細書に提供される方法を用いて処置され得ることを示す。 局部および全身投与を含む任意の投与方法を、開示されるコンジュゲート、抗体、組成物および追加の剤に使用することができる。例えば、局所、経口、血管内、例えば静脈内、筋内、腹腔内、鼻腔内、皮内、くも膜下および皮下投与が使用され得る。個々の投与様式および投薬計画は、担当医が、治療の詳細(例えば、対象、疾患、関連する疾患状態、および処置が予防的かどうか)を考慮して選択するであろう。2つ以上の剤または組成物が投与される場合、1つまたは複数の投与経路が使用され得;例えば、化学療法剤は経口投与され得、本明細書に開示される抗体(もしくは抗原結合フラグメント)またはコンジュゲートまたは組成物は静脈内投与され得る。投与方法には注射が含まれ、その場合、コンジュゲート、抗体または組成物は、非毒性の薬学的に許容される担体、例えば、水、生理食塩水、リンガー溶液、デキストロース溶液、5%ヒト血清アルブミン、固定油、オレイン酸エチルまたはリポソームに入れられて提供される。いくつかの態様においては、開示される化合物の局部投与が、例えば抗体(または抗原結合フラグメント)を腫瘍が取り除かれた組織の領域または腫瘍の進展の傾向が疑われる領域に適用することによって、使用され得る。いくつかの態様において、治療有効量の抗体(または抗原結合フラグメント)を含む薬学的調製物の持続的な腫瘍内(または腫瘍近傍)放出が有益であり得る。他の例において、コンジュゲートは、点眼剤として、角膜に局所適用または眼に硝子体内適用される。 TEM8に特異的に結合する抗体(もしくは抗原結合フラグメント)またはそのコンジュゲートを含む組成物は、正確な用量の個別投与に適した単位剤形に処方され得る。加えて、組成物は、単回投薬または複数回投薬スケジュールで投与され得る。複数回投薬スケジュールは、初期処置過程が1回より多くの別個の投薬、例えば1〜10回の投薬によって行われ、その後の期間に組成物の作用を維持または増強するために必要な他の投薬が行われ得るスケジュールである。処置は、数日〜数ヶ月、さらには数年の期間にわたる、化合物の毎日の(daily)投薬または連日の(multi-daily)投薬を含み得る。したがって、投薬計画は、少なくとも部分的に、処置される対象の個々のニーズに基づいても決定され、それは投与担当者の判断に依存するであろう。 抗体、コンジュゲート、組成物または追加の剤の典型的な用量は、約0.01〜約30 mg/kg、例えば約0.1〜約10 mg/kgの範囲であり得る。いくつかの例において、用量は、少なくとも約0.1 mg/kg、少なくとも約0.2 mg/kg、少なくとも約0.3 mg/kg、少なくとも約0.4 mg/kg、少なくとも約0.5 mg/kg、少なくとも約1 mg/kg、少なくとも約4 mg/kg、少なくとも約3 mg/kg、少なくとも約5 mg/kg、少なくとも約6 mg/kg、少なくとも約7 mg/kg、少なくとも約8 mg/kg、少なくとも約9 mg/kg、少なくとも約10 mg/kg、少なくとも約11 mg/kg、少なくとも約12 mg/kg、少なくとも約13 mg/kg、少なくとも約14 mg/kg、少なくとも約15 mg/kg、少なくとも約16 mg/kg、少なくとも約17 mg/kg、少なくとも約18 mg/kg、少なくとも約19 mg/kg、少なくとも約20 mg/kg、少なくとも約21 mg/kg、少なくとも約22 mg/kg、少なくとも約23 mg/kg、少なくとも約24 mg/kg、少なくとも約25 mg/kg、少なくとも約26 mg/kg、少なくとも約27 mg/kg、少なくとも約28 mg/kg、少なくとも約29 mg/kgまたは少なくとも約30 mg/kgである。 特定の例において、対象は、1つまたは複数のコンジュゲート、抗体、組成物または追加の剤を含む治療組成物を、例えば数週間、数ヶ月または数年の期間、連日投薬スケジュールで、例えば、少なくとも2日連続、10日連続等のスケジュールで、投与される。1つの例において、対象は、少なくとも30日、例えば少なくとも2ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも12ヶ月、少なくとも24ヶ月または少なくとも36ヶ月の期間、コンジュゲート、抗体、組成物または追加の剤を投与される。 追加の態様において、TEM8に特異的に結合する抗体、組成物およびコンジュゲートは、細胞に対する炭疽PAの結合を低減するために使用され得る。例えば、有効量の提供される抗体、組成物およびコンジュゲートが、TEM8との免疫複合体を形成しそれによって細胞に対する炭疽PAの結合を低減させるのに十分な条件下で、細胞と共にインキュベートされ得る。いくつかの例において、TEM8に特異的に結合する有効量の抗体、組成物およびコンジュゲートが、対象における細胞に対する炭疽PAの結合を低減するために、対象に投与され得る。適当な対象には、炭疽感染と診断されたもしくはその進展の危険があるまたは炭疽汚染が疑われる対象が含まれ得る。VIII.様々な態様 第1項:重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントであって、重鎖可変領域が重鎖相補性決定領域(H-CDR)1、H-CDR2およびH-CDR3を含み、H-CDR1、H-CDR2およびH-CDR3がそれぞれ:(a)SEQ ID NO:1のアミノ酸31〜37、52〜67および100〜106に示されるアミノ酸配列(L2);(b)SEQ ID NO:2のアミノ酸残基31〜35、50〜65および96〜102に示されるアミノ酸配列(L1);(c)SEQ ID NO:3のアミノ酸残基31〜37、52〜69および102〜110に示されるアミノ酸配列(L3);(d)SEQ ID NO:4のアミノ酸残基31〜35、50〜66および99〜106に示されるアミノ酸配列(L5);または(e)SEQ ID NO:5のアミノ酸残基31〜37、52〜67および100〜107に示されるアミノ酸配列(1D2)を含み、かつ前記モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントがTEM8に特異的に結合して中和する、単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第2項:重鎖可変領域が、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:5に示されるアミノ酸配列を含む、第1項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第3項:(a)重鎖可変領域がSEQ ID NO:1のアミノ酸31〜37、52〜67および100〜106に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:6のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜96に示されるアミノ酸配列を含むか; (b)重鎖可変領域がSEQ ID NO:2のアミノ酸31〜35、50〜65および96〜102に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:7のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含むか; (c)重鎖可変領域がSEQ ID NO:3のアミノ酸31〜37、52〜69および102〜110に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:8のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜96に示されるアミノ酸配列を含むか; (d)重鎖可変領域がSEQ ID NO:4のアミノ酸31〜35、50〜66および99〜106に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:9のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含むか;または (e)重鎖可変領域がSEQ ID NO:5のアミノ酸31〜37、52〜67および100〜107に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:10のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含む、第1項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第4項:(a)重鎖可変領域がSEQ ID NO:1に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:6に示されるアミノ酸配列を含むか; (b)重鎖可変領域がSEQ ID NO:2に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:7に示されるアミノ酸配列を含むか; (c)重鎖可変領域がSEQ ID NO:3に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:8に示されるアミノ酸配列を含むか; (d)重鎖可変領域がSEQ ID NO:4に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:9に示されるアミノ酸配列を含むか;または (e)重鎖可変領域がSEQ ID NO:5に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:10に示されるアミノ酸配列を含む、第1項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第5項:モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントがヒトフレームワーク領域を含む、第1〜4項のいずれか一項記載の単離されたモノクローナル抗体。 第6項:IgGである、第1〜5項のいずれか一項記載の単離されたモノクローナル抗体。 第7項:第1〜5項のいずれか一項記載の抗原結合フラグメント。 第8項:Fv、Fab、F(ab')2、scFVまたはscFV2フラグメントである、第7項記載の抗原結合フラグメント。 第9項:エフェクター分子にコンジュゲートされた、第1〜8項のいずれか一項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第10項:エフェクター分子が化学療法剤である、第9項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第11項:化学療法剤が、5-フルオロウラシルまたはイリノテカンである、第10項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第12項:エフェクター分子が抗血管新生剤である、第9項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第13項:エフェクター分子が毒素である、第9項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第14項:毒素がメイタンシノイド毒素である、第13項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第15項:メイタンシノイド毒素がDM1である、第14項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第16項:毒素がオーリスタチン毒素である、第13項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第17項:オーリスタチン毒素が、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)またはモノメチルオーリスタチンF(MMAF)である、第16項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第18項:リンカーによりエフェクター分子にコンジュゲートされている、第9〜17項のいずれか一項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第19項:リンカーが切断可能リンカーである、第18項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第20項:リンカーがカテプシン切断可能リンカーである、第19項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第21項:検出可能マーカーにコンジュゲートされている、第1〜8項のいずれか一項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第22項:検出可能マーカーが、蛍光、酵素、重金属または放射性マーカーである、第21項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメント。 第23項:有効量の第1〜22項のいずれか一項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントおよび薬学的に許容される担体を含む、組成物。 第24項:第1〜8項のいずれか記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする単離された核酸分子。 第25項:(a)重鎖可変領域がSEQ ID NO:1のアミノ酸31〜37、52〜67および100〜106に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:6のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜96に示されるアミノ酸配列を含むか; (b)重鎖可変領域がSEQ ID NO:2のアミノ酸31〜35、50〜65および96〜102に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:7のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含むか; (c)重鎖可変領域がSEQ ID NO:3のアミノ酸31〜37、52〜69および102〜110に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:8のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜96に示されるアミノ酸配列を含むか; (d)重鎖可変領域がSEQ ID NO:4のアミノ酸31〜35、50〜66および99〜106に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:9のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含むか;または (e)重鎖可変領域がSEQ ID NO:5のアミノ酸31〜37、52〜67および100〜107に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:10のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含む、モノクローナル抗体の重鎖ドメインおよび軽鎖ドメインをコードする、第24項記載の単離された核酸分子。 第26項:(a)重鎖可変領域がSEQ ID NO:1に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:6に示されるアミノ酸配列を含むか; (b)重鎖可変領域がSEQ ID NO:2に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:7に示されるアミノ酸配列を含むか; (c)重鎖可変領域がSEQ ID NO:3に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:8に示されるアミノ酸配列を含むか; (d)重鎖可変領域がSEQ ID NO:4に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:9に示されるアミノ酸配列を含むか;または (e)重鎖可変領域がSEQ ID NO:5に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:10に示されるアミノ酸配列を含む、モノクローナル抗体の重鎖ドメインおよび軽鎖ドメインをコードする、第24項記載の単離された核酸分子。 第27項:腫瘍を有する対象を選択する工程;および 治療有効量の第23項記載の組成物を、免疫複合体の形成に十分な条件下で対象に投与する工程であって、免疫複合体の形成が対象の腫瘍を処置する、工程を含む、腫瘍を有する対象を処置する方法。 第28項:治療有効量の追加の剤を対象に投与する工程をさらに含む、第27項記載の方法。 第29項:追加の剤が抗血管新生剤である、第28項記載の方法。 第30項:追加の剤が化学療法剤である、第29項記載の方法。 第31項:化学療法剤が、5-フルオロウラシルまたはイリノテカンである、第30項記載の方法。 第32項:腫瘍が、乳がん、結腸直腸がん、肺がんまたは皮膚がんである、第27項項記載の方法。 第33項:腫瘍が癌腫である、第27項記載の方法。 第34項:腫瘍の処置が、腫瘍量の減少を含む、第27項記載の方法。 第35項:単離されたモノクローナル抗体がエフェクター分子にコンジュゲートされており、エフェクター分子が毒素であり、毒素がメイタンシノイド毒素またはオーリスタチン毒素である、第27項記載の方法。 第36項:メイタンシノイド毒素がDM1である、第35項記載の方法。 第37項:オーリスタチン毒素がモノメチルオーリスタチンE(MMAE)である、第36項記載の方法。 第38項:対象由来の内皮細胞と有効量の第23項記載の組成物とを、免疫複合体の形成に十分な条件下で接触させる工程;および 対象由来の内皮細胞において免疫複合体の存在を検出する工程であって、対象由来の内皮細胞における免疫複合体の存在が、対象におけるTEM8を発現する内皮細胞の存在を示す、工程を含む、対象におけるTEM8を発現する内皮細胞の存在を検出する方法。 第39項:接触させる工程がインビボである、第35項記載の方法。 第40項:接触させる工程がインビトロである、第35項記載の方法。 第41項:対象におけるTEM8を発現する内皮細胞の存在の検出が、対象における病理学的な血管新生を検出する、第35項記載の方法。 第42項:内皮細胞が、対象由来の生物学的サンプル中に存在する、第35項記載の方法。 第43項:TEM8を発現する内皮細胞が癌腫の中に存在する、第35項記載の方法。 第44項:有効量の第1〜20項のいずれか一項記載の単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントを、免疫複合体の形成に十分な条件下で細胞と接触させる工程であって、免疫複合体の形成が細胞に対する炭疽防御抗原の結合を低減させる工程を含む、細胞に対する炭疽防御抗原の結合を低減させる方法。 第45項:有効量のモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントと細胞とを接触させる工程が、対象に対する治療有効量のモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントの投与を含む、第41項記載の方法。 第46項:対象において病理学的な血管新生を検出する、対象において腫瘍を処置するまたは細胞に対する炭疽防御抗原の結合を低減させるキットであって、第1〜22項のいずれか一項記載の単離されたモノクローナル抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは第23項記載の組成物を含む容器;および該キットを使用するための指示を含む、キット。 抗体およびコンジュゲートの投与はまた、他の抗がん剤もしくは抗血管新生剤の投与または治療処置(例えば、腫瘍の外科的摘出もしくは放射線療法)を伴うものであり得る。例えば、治療量の抗体またはコンジュゲートの投与の前、同時または後に、対象は、1つまたは複数の追加の治療を受けることができる。1つの態様において、対象は、腫瘍または病理学的な血管新生の処置のための治療有効量の1つまたは複数の剤の投与の前に、腫瘍または病理学的な血管新生を除去するまたは減少させるための1つまたは複数の処置を受ける。例えば、追加の剤には、化学療法剤、抗血管新生剤またはそれらの組み合わせが含まれ得るがこれらに限定されない。別の例においては、治療有効量の抗体(もしくは抗原結合フラグメント)またはコンジュゲートの投与の前に、腫瘍の少なくとも一部が外科的にまたは他の方法で切除されるまたはサイズもしくは容積に関して減らされる。 使用することができる追加の治療剤の特定の例には、微小管結合剤、DNA挿入剤または架橋剤、DNA合成阻害剤、DNAおよびRNA転写阻害剤、抗体、酵素、酵素阻害剤、遺伝子調節剤、および血管新生阻害剤が含まれる。(治療有効量で投与される)これらの剤および処置は、単独でまたは組み合わせて使用することができる。例えば、任意の適当な抗がん剤または抗血管新生剤を、本明細書に開示される抗体、コンジュゲートと組み合わせて投与することができる。そのような剤の方法および治療用量は、当業者に公知であり、かつ医師が決定することができる。1つの態様において、化学療法剤は、5-FUもしくはIRTまたは両方を含む。 微小管結合剤は、チューブリンと相互作用して微小管形成を安定化または不安定化させそれによって細胞分裂を阻害する剤を表す。開示される治療と組み合わせて使用することができる微小管結合剤の例には、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン(ナベルビン)、エポチロン、コルヒチン、ドラスタチン15、ノコダゾール、ポドフィロトキシンおよびリゾキシンが含まれるがこれらに限定されない。そのような化合物のアナログおよび誘導体もまた使用することができ、これらは当業者に公知である。例えば、適当なエポチロンおよびエポチロンアナログは、国際特許出願公開第WO 2004/018478号に記載されている。タキソイド、例えば、米国特許第6,610,860号;同第5,530,020号;および同第5,912,264号に教示されているパクリタキセルおよびドセタキセルならびにパクリタキセルのアナログを使用することができる。 アクチノマイシンD、ダウノルビシン、ドキソルビシンならびにそれらの誘導体およびアナログを含むがこれらに限定されない適当なDNAおよびRNA転写調節剤もまた、開示される治療と組み合わせて使用するのに適している。対象に投与することができるDNA挿入剤および架橋剤には、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシン、例えばマイトマイシンC、ブレオマイシン、クロラムブシル、シクロホスファミドならびにそれらの誘導体およびアナログが含まれるがこれらに限定されない。治療剤として使用するのに適したDNA合成阻害剤には、メトトレキサート、5-フルオロ-5'-デオキシウリジン、5-FUおよびそれらのアナログが含まれるがこれらに限定されない。適当な酵素阻害剤の例には、カンプトテシン、エトポシド、フォルメスタン、トリコスタチンならびにそれらの誘導体およびアナログが含まれるがこれらに限定されない。遺伝子調節に影響を及ぼす適当な化合物には、1つまたは複数の遺伝子の発現を増大または低減する剤、例えば、ラロキシフェン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジン、タモキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、ミフェプリストンならびにそれらの誘導体およびアナログが含まれる。 一般的に使用される化学療法薬の例には、アドリアマイシン、アルケラン、Ara-C、BiCNU、ブスルファン、CCNU、カルボプラチナム(Carboplatinum)、シスプラチナム(Cisplatinum)、サイトキサン、ダウノルビシン、DTIC、5-FU、フルダラビン、ハイドレア、イダルビシン、イホスファミド、メトトレキサート、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ナイトロジェンマスタード、タキソール(またはその他のタキサン、例えばドセタキセル)、ベルバン(Velban)、ビンクリスチン、VP-16が含まれ、いくつかのより新しい薬物には、ゲムシタビン(ジェムザール)、ハーセプチン、IRT(カンプト(Camptosar)、CRT-11)、ロイスタチン、ナベルビン、リツキサンSTI-571、タキソテレ、トポテカン(ハイカムチン)、ゼローダ(カペシタビン)、ゼヴァリン(Zevelin)およびカルシトリオールが含まれる。使用することができる免疫修飾剤の非限定的な例には、AS-101(Wyeth-Ayerst Labs.)、ブロピリミン(Upjohn)、ガンマインターフェロン(Genentech)、GM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子;Genetics Institute)、IL-2(CetusまたはHoffman-LaRoche)、ヒト免疫グロブリン(Cutter Biological)、IMREG(New Orleans, La.のImreg製)、SK&F 106528およびTNF(腫瘍壊死因子;Genentech)が含まれる。 したがって、開示されるTEM8特異的抗体、抗原結合フラグメントまたはそれらのコンジュゲートと組み合わせて使用される化学療法剤の非限定的な例には、化学療法剤、例えば、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genentech/OSI Pharm.)、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millenium Pharm.)、フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、AstraZeneca)、スーテント(SU11248、Pfizer)、レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis)、メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、Novartis)、PTK787/ZK 222584(Novartis)、オキサリプラチン(Eloxatin(登録商標)、Sanofi)、5-FU(5-フルオロウラシル)、ロイコボリン、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、Wyeth)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、GlaxoSmithKline)、ロナファルニブ(SCH 66336)、ソラフェニブ(BAY43-9006、Bayer Labs.)およびゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、AstraZeneca)、AG1478、AG1571(SU 5271;Sugen)、アルキル化剤、例えば、チオテパおよびCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミド(cyclosphosphamide);アルキルスルホネート、例えば、ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファン;抗葉酸抗新生物剤、例えば、ペメトレキセド(ALIMTA(登録商標)Eli Lilly)、アジリジン、例えば、ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボクオン、メトウレドーパ(meturedopa)およびウレドーパ(uredopa);アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミドおよびトリメチロメラミン(trimethylomelamine)を含む、エチレンイミンおよびメチラメラミン(methylamelamines);アセトゲニン(特に、ブラタシンおよびブラタシノン);カンプトテシン(合成アナログであるトポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン(callystatin);CC-1065(そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成アナログを含む);クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成アナログであるKW-2189およびCB1-TM1を含む);エレウテロビン(eleutherobin);パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンギスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノボエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチンおよびラニムスチン(ranimnustine);抗生物質、例えば、エンジイン抗生物質、カリケアマイシン、カリケアマイシンガンマIIおよびカリケアマイシンオメガII;ジネマイシンAを含む、ジネマイシン;ビスホスホネート、例えば、クロドロネート;エスペラマイシン;ならびにネオカルジノスタチン発色団および関連する色素タンパク質であるエンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)ドキソルビシン(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、例えば、マイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗物質、例えば、メトトレキサートおよび5-フルオロウラシル(5-FU);葉酸アナログ、例えば、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート;プリンアナログ、例えば、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジンアナログ、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン;アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎物質、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸リプレニシャー、例えば、フロリン酸(frolinic acid);アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジクオン;エフロルニチン(elfornithine);エリプチニウム酢酸塩;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン(lonidainine);メイタンシノイド、例えば、メイタンシンおよびアンサマイトシン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products, Eugene, Oreg.);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT-2毒素、ベラキュリンA(verracurin A)、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb Oncology, Princeton, N.J.)、ABRAXANE(商標)クレモホールフリー、アルブミン、パクリタキセルのナノ粒子処方物(American Pharmaceutical Partners, Schaumberg, Ill)およびTAXOTERE(登録商標)ドセタキセル(doxetaxel)(Rhone-Poulenc Rorer, Antony, France);クロラムブシル(chloranbucil);GEMZAR(登録商標)ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金アナログ、例えば、シスプラチンおよびカルボプラチン;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;CPT-11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えば、レチノイン酸;カペシタビン;ならびに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体、が含まれる。 抗血管新生剤の非限定的な例には、血管の成長を減少させるまたは阻害さえする機能を有するタンパク質、酵素、多糖、オリゴヌクレオチド、DNA、RNAおよび組み換えベクターならびに低分子等の分子が含まれる。適当な血管新生阻害剤の例には、アンギオスタチンK1〜3、スタウロスポリン、ゲニステイン、フマギリン、メドロキシプロゲステロン、スラミン、インターフェロン-アルファ、メタロプロテイナーゼ阻害剤、血小板因子4、ソマトスタチン、トロンボスポンジン、エンドスタチン、サリドマイドならびにそれらの誘導体およびアナログが含まれるがこれらに限定されない。例えば、いくつかの態様において、抗血管新生剤は、VEGF(例えば、AVASTIN(登録商標)、Roche)またはVEGF受容体(例えば、VEGFR2抗体)に特異的に結合する抗体である。1つの例において、抗血管新生剤には、VEGFR2抗体もしくはDMXAA(バディメザンまたはASA404としても公知;例えば、Sigma Corp., St. Louis, MOから市販されている)または両方が含まれる。例示的なキナーゼ阻害剤には、成長因子のリン酸化および活性化を防止するGLEEVAC(登録商標)、IRESSA(登録商標)およびTARCEVA(登録商標)が含まれる。使用することができる抗体には、成長因子および血管新生経路をブロックするHERCEPTIN(登録商標)およびAVASTIN(登録商標)が含まれる。 いくつかの例において、追加の剤は、モノクローナル抗体、例えば、3F8、アバゴボマブ、アデカツムマブ、アフツズマブ、アラシズマブ(Alacizumab)、アレムツズマブ、ペンテト酸アルツモマブ(Altumomab pentetate)、アナツモマブ・マフェナトクス(Anatumomab mafenatox)、アポリズマブ、アルシツモマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベシレソマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブ・メルタンシンン(Bivatuzumab mertansine)、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブ・ベドチン、カンツズマブ・メルタンシン、カプロマブ・ペンデチド(Capromab pendetide)、カツマキソマブ、CC49、セツキシマブ、シタツズマブ・ボガトクス(Citatuzumab bogatox)、シクスツムマブ、クリバツズマブ・テトラキセタン、コナツムマブ、ダセツズマブ、デツモマブ(Detumomab)、エクロメキシマブ、エクリズマブ、エドレコロマブ、エプラツズマブ、エルツマクソマブ(Ertumaxomab)、エタラシズマブ、ファルレツズマブ、フィギツムマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、ギレンツキシマブ、グレムバツムマブ・ベドチン(Glembatumumab vedotin)、イブリツモマブ・チウキセタン、イゴボマブ(Igovomab)、イムシロマブ、インテツムマブ、イノツズマブ・オゾガマイシン、イピリムマブ、イラツムマブ、ラベツズマブ、レクサツムマブ、リンツズマブ、ロルボツズマブ・メルタンシン、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、マパツムマブ、マツズマブ、メポリズマブ、メテリムマブ(Metelimumab)、ミラツズマブ、ミツモマブ(Mitumomab)、モロリムマブ(Morolimumab)、ナコロマブ・タフェナトクス(Nacolomab tafenatox)、ナプツモマブ・エスタフェナトクス、ネシツムマブ、ニモツズマブ、ノフェツモマブ・メルペンタン(Nofetumomab merpentan)、オファツムマブ、オララツマブ、オポルツズマブ・モナトクス(Oportuzumab monatox)、オレゴボマブ、パニツムマブ、ペムツモマブ(Pemtumomab)、ペルツズマブ、ピンツモマブ(Pintumomab)、プリツムマブ、ラムシルマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、サツモマブ・ペンデチド、シブロツズマブ(Sibrotuzumab)、ソネプシズマブ(Sonepcizumab)、ソラフェニブ、スニチニブ、タカツズマブ・テトラキセタン(Tacatuzumab tetraxetan)、タプリツモマブ・パプトクス(Taplitumomab paptox)、テナツモマブ(Tenatumomab)、TGN1412、チシリムマブ(=トレメリムマブ)、チガツズマブ、TNX-650、トラスツズマブ、トレメリムマブ、ツコツズマブ・セルモロイキン(Tucotuzumab celmoleukin)、ベルツズマブ、ボロシキシマブ、ボツムマブ、ザルツムマブである。 いくつかのタイプのがんに対する別の一般的な処置は、外科的処置、例えば、がんまたはその一部の外科的摘出である。処置の別の例は、放射線療法、例えば、腫瘍を根絶するまたは外科的摘出の前にそれを縮小するのを助ける腫瘍部位への放射性物質またはエネルギー(例えば、体外照射療法)の投与である。 上記分類の1つまたは複数に包含される場合もされない場合もある他の治療剤、例えば、抗腫瘍剤もまた、開示される治療と組み合わせて投与するのに適している。例として、そのような剤には、アドリアマイシン、アピゲニン、ラパマイシン、ゼブラリン、シメチジンならびにそれらの誘導体およびアナログが含まれる。 追加の剤の調製および投薬スケジュールは、製造元の指示にしたがいまたは当業者によって経験的に決定されるように使用され得る。そのような化学療法の調製および投薬スケジュールは、Chemotherapy Service, (1992) Ed., M. C. Perry, Williams & Wilkins, Baltimore, Mdにも記載されている。 併用療法は、相乗作用を提供し、相乗作用性を示し得る、すなわち、活性成分が一緒に使用されたときに達成される効果が、それらの化合物を別々に使用することで得られる効果の和よりも大きくなる。相乗効果は、活性成分が:(1)同時処方(co-formulate)されそして組み合わされた単位投薬処方物として同時に投与または送達される;(2)別個の処方物として交互にもしくは並行して;または(3)いくつかの他の投薬計画によって、投与されるときに発揮され得る。交代療法で送達されるとき、相乗効果は、その化合物が、連続的に、例えば別の注射器による異なる注射によって投与または送達されるときに発揮され得る。一般に、交代療法では、有効用量の各活性成分は、連続的に、すなわち直列的に投与され、一方、併用療法では、有効用量の2つまたはそれ以上の活性成分は一緒に投与される。VIII.組成物 担体(例えば、薬学的に許容される担体)中に、TEM8に特異的に結合する開示されるコンジュゲート、抗体またはその抗原結合フラグメントを1つまたは複数含む組成物が提供される。組成物は、対象に投与するための単位剤形で調製することができる。所望の結果を達成するための投与の量およびタイミングは、処置担当医の裁量による。組成物は、全身(例えば、静脈内)または局部(例えば、腫瘍内)投与用に処方することができる。1つの例において、TEM8に特異的に結合する抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたはそのような抗体もしくは抗原結合フラグメントを含むコンジュゲートは、非経口投与、例えば静脈内投与用に処方される。本明細書に開示されるコンジュゲート、抗体または抗原結合フラグメントを含む組成物は、例えば、腫瘍、例えば乳がん、結腸直腸がん、肺がんまたは皮膚がんにおいて発生する腫瘍の処置および検出のために使用される。いくつかの例において、組成物は、癌腫の処置または検出に有用である。本明細書に開示されるコンジュゲート、抗体または抗原結合フラグメントを含む組成物はまた、例えば、病理学的な血管新生の検出のために使用される。本明細書に開示されるコンジュゲート、抗体または抗原結合フラグメントを含む組成物はまた、例えば、TEM8に対する炭疽PAの結合を阻害するために使用される。 投与用組成物は、薬学的に許容される担体、例えば、水性担体中に溶解されたコンジュゲート、抗体または抗原結合フラグメントの溶液を含み得る。様々な水性担体、例えば緩衝生理食塩水等、を使用することができる。これらの溶液は、滅菌性であり、かつ一般に、望ましくない物質を含まないものである。これらの組成物は、従来的な周知の滅菌技術によって滅菌され得る。組成物は、生理学的条件に近づけるために必要な薬学的に許容される補助物質、例えば、pH調整・緩衝剤、毒性調整剤等、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等、を含み得る。これらの処方物中の抗体(もしくは抗原結合フラグメント)またはコンジュゲートの濃度は様々であり得、主として、選択される個々の投与様式および対象のニーズにしたがい、流体容積、粘度、体重等に基づき選択される。そのような剤形を調製する実際の方法は、当業者に公知であるかまたは明らかである。 典型的な静脈内投与用組成物は、対象1人1日あたり約0.01〜約30 mg/kgの抗体(もしくは抗原結合フラグメント)(または抗体(もしくは抗原結合フラグメント)を含むコンジュゲートの対応する用量)を含む。投与可能な組成物を調製する実際の方法は、当業者に公知であるかまたは明らかであり、そしてRemington's Pharmaceutical Science, 19th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA (1995)等の刊行物に詳細に記載されている。 抗体またはコンジュゲートは、凍結乾燥形態で提供され、投与前に滅菌水で再水和され得るが、それらは既知濃度の滅菌溶液としても提供される。抗体(もしくは抗原結合フラグメント)またはコンジュゲートの溶液は、その後、0.9%塩化ナトリウム、USPを含む注入バッグに添加され、そしていくつかの場合では0.5〜15 mg/kg体重の用量で投与される。抗体(もしくは抗原結合フラグメント)およびコンジュゲート薬物の投与に関して当技術分野の多くの経験を活かすことができ;例えば、抗体薬物は米国において1997年のRITUXAN(登録商標)の承認以来販売されている。抗体またはコンジュゲートは、静脈内へのプッシュまたはボーラスではなく、緩やかな注入により投与され得る。1つの例において、より多量の負荷用量が投与され、その後により低レベルの維持用量が投与される。例えば、4 mg/kgの抗体(もしくは抗原結合フラグメント)(または対応する用量の抗体(もしくは抗原結合フラグメント)を含むコンジュゲート)の初回の負荷用量が約90分間かけて注入され、その後に、4〜8週間、2 mg/kgの週ごとの維持用量が、前回の用量が十分に寛容化された場合に、30分間かけて注入され得る。 制御放出非経口処方物は、インプラント、油性注射液または粒子系として製造され得る。タンパク質送達系の概要については、Banga, A.J., Therapeutic Peptides and Proteins: Formulation, Processing, and Delivery Systems, Technomic Publishing Company, Inc., Lancaster, PA, (1995)を参照のこと。粒子系には、マイクロスフィア、マイクロ粒子、マイクロカプセル、ナノカプセル、ナノスフィアおよびナノ粒子が含まれる。マイクロカプセルは、中心コアとして、治療タンパク質、例えば、細胞毒または薬物を含む。マイクロスフィアでは、治療剤は、粒子全体に分散される。約1μmより小さい粒子、マイクロスフィアおよびマイクロカプセルは、一般に、それぞれ、ナノ粒子、ナノスフィアおよびナノカプセルと称される。キャピラリーは、ナノ粒子のみが静脈内投与されるよう、およそ5μmの直径を有する。マイクロ粒子は、典型的に、およそ100μm径であり、皮下または筋内投与される。例えば、Kreuter, J., Colloidal Drug Delivery Systems, J. Kreuter, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, NY, pp. 219-342 (1994);およびTice & Tabibi, Treatise on Controlled Drug Delivery, A. Kydonieus, ed., Marcel Dekker, Inc. New York, NY, pp. 315-339 (1992)を参照のこと。 ポリマーは、本明細書に開示される抗体(もしくは抗原結合フラグメント)またはコンジュゲート組成物のイオン制御放出のために使用され得る。制御薬物送達に使用される様々な分解性および非分解性ポリマーマトリクスが、当技術分野で公知である(Langer, Accounts Chem. Res. 26: 537-542, 1993)。例えば、ブロックコポリマーであるポラキサマー(polaxamer)407は、低温では粘性であるが流動性の液体として存在するが、体温では半固形のゲルを形成する。これは、組み換えインターロイキン-2およびウレアーゼの処方および持続送達に効果的なビヒクルであることが示されている(Johnston et al., Pharm. Res. 9: 425-434, 1992;およびPec et al., J. Parent. Sci. Tech. 44(2): 58-65, 1990)。あるいは、ヒドロキシアパタイトが、タンパク質の制御放出のためのマイクロ担体として使用されている(Ijntema et al., Int. J. Pharm. 112: 215-224, 1994)。さらに別の局面においては、リポソームが、液体内包薬物の制御放出および薬物標的化のために使用される(Betageri et al., Liposome Drug Delivery Systems, Technomic Publishing Co., Inc., Lancaster, PA (1993))。治療タンパク質の制御放出のための多くのさらなるシステムが公知である(米国特許第5,055,303号;米国特許第5,188,837号;米国特許第4,235,871号;米国特許第4,501,728号;米国特許第4,837,028号;米国特許第4,957,735号;米国特許第5,019,369号;米国特許第5,055,303号;米国特許第5,514,670号;米国特許第5,413,797号;米国特許第5,268,164号;米国特許第5,004,697号;米国特許第4,902,505号;米国特許第5,506,206号;米国特許第5,271,961号;米国特許第5,254,342号;および米国特許第5,534,496号を参照のこと)。IX.キット キットもまた提供される。例えば、対象におけるTEM8を発現する細胞(例えば、内皮細胞または周皮細胞)を検出するため、対象における腫瘍を処置するため、または細胞に対する炭疽PAの結合を低減するためのキット。キットは、典型的に、TEM8に特異的に結合する抗体(もしくは抗原結合フラグメント)またはそのコンジュゲートを含むであろう。 TEM8に特異的に結合する2つ以上のコンジュゲートまたは抗体をキットに含めることができる。したがって、キットは、TEM8に特異的に結合する2つまたはそれ以上の抗体、TEM8に特異的に結合する抗体(もしくは抗原結合フラグメント)およびそのコンジュゲート、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの態様において、抗体フラグメントまたは抗体フラグメントを含むコンジュゲート、例えばFvフラグメント、がキットに含まれる。1つの例、例えば、インビボ用途において、抗体はscFvフラグメントであり得る。 1つの態様において、キットは、TEM8に特異的に結合する抗体またはそのコンジュゲートの使用手段を開示する指示資料を含む。指示資料は、電子形態(例えば、コンピュータディスケットまたはコンパクトディスク)に記述され得、または視覚的なもの(例えば、映像ファイル)であり得る。キットはまた、そのキットが想定している個別の用途を容易にするための追加の要素を含み得る。したがって、例えば、キットはさらに、標識を検出する手段(例えば、酵素標識のための酵素基質、蛍光標識を検出するためのフィルターセット、適当な2次標識、例えば2次抗体等)を含み得る。キットはさらに、個々の方法を実施する上で通常使用される緩衝液およびその他の試薬を含み得る。そのようなキットおよび適当な内容物は、当業者に周知である。 以下の実施例は、特定の詳細な特徴および態様を解説するために提供されるものであり、限定とみなされるべきではない。実施例1TEM8の遺伝子欠失は動物モデルにおいて腫瘍の成長を阻害する この実施例では、インビボでの腫瘍の成長に対するTEM8の遺伝子欠失の効果を解説する。インビボ研究用の免疫不全マウスを作製するため、TEM8ノックアウトマウスを、胸腺欠損ヌードの背景に交雑させ(TEM8 KO)、得られたマウスを、黒色腫、乳がん、肺がんおよび結腸がんを含む様々な腫瘍タイプを用いてチャレンジした。結果は、TEM8の欠失が、動物モデルにおいてこれらの腫瘍タイプの各々の成長を阻害することを示している。 免疫不全の背景の胸腺欠損TEM8 KOマウス(TEM8-/-、nu/nu)を、C57BL/6の背景のTEM8 KOマウス(Cullen et al., Cancer Research, 69: 6-21-6026, 2009)と胸腺欠損NCr-nu/nuマウスとの交雑によって作製した。TEM8 KOマウスを用いる腫瘍研究では、比較のために、TEM8ヘテロ接合型異種交雑から生まれたTEM8 WTおよびKOの同腹仔のみを使用した。TEM8 KOマウスを用いない腫瘍研究は、胸腺欠損NCr-nu/nuマウスで行った。 TEM8-KO/ヌードマウスまたは対照動物に、様々な腫瘍細胞株を接種した。DLD-1、HCT116、LS174TおよびSW620細胞はATCCから入手し、NCI-H460、LOX IMVI(LOX)およびUACC-64(UACC)はNCIのDCTD Tumor Repository(Frederick, MD)から入手した。MDA-MB-231細胞は、ATCCから入手可能である(Cat No: HTB-26)。細胞を、10% FBSを補充したRPMI 1640中で培養した。2.5x106から5x106個の腫瘍細胞を、乳房脂肪体に、または側腹部に皮下的に、注射した。腫瘍を電子カリパスで測定し、腫瘍容積を式LxW2x0.5を用いて計算し、平均±SEで表した。腫瘍重量は、外科的除去後に計算した。 図1に示されているように、黒色腫(UACCおよびLOX)、乳がん(MDA-MB-231)、肺がん(NCI-H460)ならびに結腸がん(SW620、HCT116およびDLD-1)を含む様々な腫瘍タイプを用いてチャレンジしたとき、腫瘍の成長は、TEM8-/-(TEM8ノックアウトまたはKOとしても知られる)マウスにおいて、TEM8+/+(TEM8野生型またはWTとしても知られる)同腹仔対照と比較して阻害された。MDA-MB-231乳房腫瘍(図1C)は乳房脂肪体において同所的に成長させ、黒色腫および他の腫瘍タイプ(図1A〜1Bおよび1D〜1G)は皮下に移植した。腫瘍の成長は、一貫して、WTマウスよりもKOマウスにおいて緩やかであり、SW620腫瘍は、平均サイズが800 mm3に達するのに、WT同腹仔ではわずか35日であったのに対して、100日超を必要とした(図1G)。これらの研究は、宿主由来のTEM8が、様々な発生源のヒト腫瘍異種移植片の皮下および同所成長を促進する機能を有することを明らかにするものである。実施例2抗TEM8 mAbの開発 この実施例では、抗体ファージディスプレイを用いる完全ヒト抗TEM8 Fabのパネルの開発について説明する。選択ストラテジーは、TEM8トランスフェクト哺乳動物細胞および哺乳動物細胞から得られた精製組み換えTEM8-EDタンパク質の両方に対するFabライブラリの連続パンニングを含むものであり、それによってL1、L2、L3、L5および1D2と命名した5つのTEM8 Fabを同定した。方法TEM8-FcおよびTEM8-APの構築および精製 候補Fabの試験には、精製されたTEM8の細胞外ドメイン(ED)が必要であった。ヒトTEM8の細胞外ドメイン(SEQ ID NO:13のアミノ酸1〜321)をpFuse-mIgG2Aa-Fc1ベクター(InvivoGen, San Diego, CA)中のマウスIgG2aのFcドメインとインフレームになるようクローニングすることによって、TEM8(ED)-Fc融合タンパク質をコードするTEM8(ED)-Fc/pFuseベクターを構築した。配列を確認した後、変異フリープラスミドをヒト胎児由来腎臓293(293)細胞に安定的にトランスフェクトした。TEM8(ED)-Fc融合タンパク質を、プロテインGアガロース(Roche)上での親和性精製を用いて培養上清から精製した。クマシーゲル染色によって少なくとも95%の純度であったタンパク質のみを、ファージライブラリの免疫選択に使用した。TEM8-APは、以前に記載されたようにして構築した(Nanda et al., Cancer Res., 64: 817-820, 2004)。抗体ファージディスプレイ 完全ヒト合成ファージディスプレイライブラリを、抗ヒトTEM8抗体に関してスクリーニングした。完全に合成性であるこのライブラリは、正常な免疫応答で見られる寛容機構に供されず、そのためマウスとヒトの間で100%保存されているTEM8細胞外ドメインの領域に対する抗体を生成することが可能である。ファージディスプレイライブラリのインビトロ選択は、ビオチニル化精製組み換えTEM8(ED)-Fc融合タンパク質に対する2回の連続パンニングおよびヒトTEM8でトランスフェクトした293細胞(293/Flag-hTEM8)に対する1回のパンニングを含むものであった。最終回のパンニングの後、Fabの重鎖および軽鎖のDNAインサートを発現ベクターにサブクローニングしてプールし、形質転換クローンを(以下に記載されるように)ELISAによってTEM8結合Fabの発現について評価した。細胞株および培養条件 293細胞は、ATCCから入手した。293細胞を、10% FBSを補充したDMEM中で培養した。マウス(293-mTEM8)またはフラッグタグ付きヒトTEM8(293/Flag-huTEM8)を発現する293細胞を、mTEM8/pcDNA3またはFlag-huTEM8/pcDNA3発現ベクターを用いた293細胞のリポフェクタミン2000による安定なトランスフェクションにより作製した(Yang et al., Biochim Biophys Acta 1813(1): 39-49, 2011)。トランスフェクト細胞は様々なレベルのTEM8を発現したので(図8Cの293/mTEM8細胞を参照のこと)、それらをその後に、抗AF344(293/mTEM8)(Yang et al., Biochim Biophys Acta 1813(1): 39-49, 2011)または抗FLAG抗体(293/Flag-hTEM8)(M2クローン、Sigma)を用いた蛍光活性化細胞選別(FACS)によって表面発現について濃縮した。フローサイトメトリー トリプシン処理した細胞を、冷PBS/0.5% BSA(PBS/BSA)でリンスし、10%ヤギ血清を含むPBS/BSA中、4℃で、抗TEM8 Fab(ヒト)または完全IgG(ヒト-マウス)1次抗体により標識した。細胞をPBS/BSAでリンスし、FITCコンジュゲートヤギ抗ヒトFabまたは抗マウスIgG 2次抗体(Jackson Immunoresearch, West Grove, PA)と共にインキュベートし、再度リンスし、そしてCellQuest(商標)ソフトウェアを用いてFACScaliburフローサイトメーター(Beckton Dickinson, Franklin Lakes, NJ)で分析した。ELISA NUNC(登録商標)IMMULON(登録商標)プレートを、1μg/mlのニュートラアビジンで一晩コーティングした。次の日に、プレートをPBSTで洗浄し、1% BSAでブロックし、そして25 ngのビオチニル化ヒトTEM8-Fcを充填した。対照プレートには、ヒトTEM8-Fcタンパク質を添加しなかった。インキュベーション後、プレートを洗浄し、そしてファージディスプレイ由来のFabインサートを含む大腸菌TG-1形質転換体のペリプラズム抽出物と共にインキュベートした。IPTG誘導されたクローンのペリプラズム抽出物を、細菌ペレットのリゾチーム消化(PBS、1 mg/mlリゾチーム、2mM MgCl2、ベンゾナーゼ)によって調製し、非特異的結合を、1% BSAの添加によってブロックした。標的および対照ELISAプレートを、等量の抽出物と共に1時間インキュベートし、PBSTで洗浄し、そしてFabの結合を、HRPコンジュゲートヤギ抗ヒトカッパ軽鎖(Sigma、A7164)およびラムダ軽鎖(Sigma、A5175)抗体の添加により検出した。HRP基質の添加後、吸光度(A450nm)を分光光度計で測定した。同様に、精製されたFabの希釈物を用いてEC50 ELISAを行った。結果 以前に作製された抗TEM8抗体シリーズ(SBシリーズの抗体;Nanda et al., 2004)は、細胞表面におけるTEM8の主要なネイティブ形態に結合しなかった。これらの問題を克服しかつ寛容の突破に関する潜在的な困難を回避するため、別の完全ヒト抗TEM8抗体パネルを、インビトロで抗体ファージディスプレイを用いて開発した。その選択ストラテジーは、Tem8トランスフェクト哺乳動物細胞および精製組み換え哺乳動物由来TEM8-EDに対するFabライブラリのパンニングを含むよう設計した。これにより、L1、L2、L3、L5および1D2という5個の独立したFabを同定した。これらのクローンを配列決定し、そしてその配列が本明細書でSEQ ID NO:1〜10として開示されている特有の重鎖および軽鎖可変ドメイン領域を有することが見出された。L1、L2、L3、L5および1D2 Fabの重鎖および軽鎖の配列もまた、本明細書でSEQ ID NO:24〜33として開示されている。 図8に示されるように、L1、L2、L3、L5および1D2 Fabは各々、ELISAにおいて(図8A)、免疫蛍光染色(図8B)およびフローサイトメトリー(図8C)により、生きたTEM8陽性細胞の表面上で、マウスおよびヒトの両方のTEM8タンパク質と反応することが見出された。このようにして、各初期スクリーニングで陽性でありかつ特有の可変ドメインを含む5個のヒト抗TEM8 Fabが同定された。これらの抗体におけるCDRの位置を決定した。実施例3TEM8 FabはTEM8に対する炭疽PAの結合を中和する この実施例では、本明細書に開示されるTEM8 FabがTEM8に対する炭疽毒素の結合の細胞傷害性効果を中和することについて説明する。炭疽致死毒素は、TEM8またはCMG2受容体に結合することによって細胞に侵入し、発芽から宿主を死に至らせる血管虚脱の誘導までの炭疽感染のすべての段階で中心的な役割を果たす、炭疽菌によって産生される多機能ビルレンス因子である(Moayeri and Leppla, Curr Opin Microbiol 7(1): 19-24, 2004)。L1、L2、L3およびL5 Fabを、TEM8発現細胞の表面に対するFITC標識炭疽毒素PAの結合をブロックする能力についてスクリーニングした。 (以下に記載される)CHO-TEM8細胞をトリプシン処理し、これをアッセイの残りの時間、氷上で維持した。細胞を、0.5% BSAを含有するDMEM(DMEM/BSA)中の抗TEM8 Fabまたは完全IgGの連続希釈物と共にインキュベートした。1μgのPA-FITC(List Biologicals, Campbell, CA)を添加し、30分間インキュベートした。細胞をDMEM/BSAでリンスし、(上記のようにして)フローサイトメトリーによって分析した。GraphPad Prismソフトウェア(San Diego, CA)を用いて、各ヒストグラムの幾何学平均をFabの濃度に対してプロットし、EC50を計算した。 図9Aに示されるように、各Fabは、用量依存的な様式で、CHO-TEM8細胞に対するFITC-PAの結合をブロックし、これにより、L1、L2、L3およびL5 Fabが、PAの、その細胞表面受容体であるTEM8に対する結合を中和することが実証された。加えて、これらの結果はさらに、同定されたFabのTEM8に対する特異性を示している。実施例4L2およびL5 Fabの再フォーマットによるマウス/ヒトキメラIgGの作製 この実施例では、マウス/ヒトキメラIgGを作製するためのL2およびL5 Fabの再フォーマットについて記載する。2つのFab(L2およびL5)を、マウスモデルで使用するため、半減期を増加させるためにマウスIgG2aを用いて完全IgGに再フォーマットした。結果は、再フォーマットされたL2-mIgG2aおよびL5-mIgG2aキメラ抗体がTEM8に特異的に相互作用することを示している。TEM8を発現するCHO細胞に対する炭疽毒素の細胞傷害性効果を中和するためのこれらのキメラ抗体の使用についても記載されている。結果は、L2およびL5の両方のキメラ抗体が炭疽毒素の細胞傷害性効果を中和したことを示している。 L2およびL5 Fabを、マウスIgG2aの定常ドメイン(CH1、CH2、CH3およびCL)とこのFab重鎖のヒトVH可変ドメインおよびラムダ軽鎖のVLの遺伝子を融合することによって、マウス/ヒトキメラIgGが生成されるよう再フォーマットした。マウス定常領域は、前臨床マウス研究において潜在的な免疫応答を減少させ、全体安定性を高め、そして抗体のインビボ半減期を最大化させるために付加した。キメラ重(ジェネティシン耐性遺伝子)および軽(ゼオシン耐性遺伝子)鎖を含むベクターを、HEK293T細胞に安定的に共トランスフェクトした。マウスIgG-Fc ELISA(Bethyl Laboratories, Montgomery, TX)を用いて、クローンをキメラIgGの発現について試験した。抗TEM8抗体を、無血清培地中で生育した培養物の上清から収集し、プロテインAおよびサイズ排除クロマトグラフィーによって精製した。インビボ研究で使用する抗体調製物は<5%の凝集物を含むものとし、内毒素レベルは10 EU/mg未満とした。293細胞を上記のようにして培養した。CHO細胞を、10%ウシ胎仔血清(FBS)を補充したHam's F12培地中で維持した。 再フォーマット後、再フォーマットされたL2(L2-mIgG2a)および再フォーマットされたL5(L5-mIgG2a)は両方とも、Fabの試験に使用したのと同じスクリーン(上記)においてTEM8に対するそれらの活性を維持していることが見出されたが、炭疽毒素受容体欠損CHO細胞株CHO/PR230のCMG2トランスフェクト体に対する試験では、TEM8に最も近いホモログであるCMG2とは反応しなかった(図2A〜D)。驚くべきことに、非飽和濃度での滴定および比較では、L2は、L5よりも7倍高い親和性でTEM8発現細胞に結合した(それぞれ、EC50 0.4nMおよび2.8nM、図9Bを参照のこと)。同様に、L2は、TEM8に対するFITC標識PAの結合のブロックに関しておよそ4倍強力であり、炭疽致死毒素により引き起こされる細胞傷害性の防止に関しておよそ9倍強力であった(図2E〜2G)。実施例5L2抗体処置は動物モデルに対して非毒性である この実施例では、L2-mIgG2a抗体が動物モデルに対して非毒性であることについて説明する。マウスモデルを用いて用量加増(dose-escalation)および連続用量毒性学(serial dose toxicology)研究を行った。 用量加増処置では、C57BL/6マウスに、PBS(ビヒクル対照)、20、50または100 mg/kgのL2-mIgG2aを1日おきに投与し3回の処置を行った。最後の処置から24時間後に、サンプルを、全血球数(CBC)、血清化学、臓器重量およびH&E染色のために処理した。H&E染色した切片の組織病理学的評価では、参加した獣医病理学者が、PBS対照グループおよび100 mg/kg L2-mIgG2a処置グループ(オス3匹およびメス3匹、計6匹のマウス/グループ)の中から44個の臓器または組織の包括的なセットを評価した。図10Aおよび10Bならびに表5に示されるように、対照または処置グループの間で有意差は観察されなかった。表5は、100 mg/kgおよび対照(PBS)の投薬に関する選択されたパラメータを示している。すべての血清化学および血球数が、対照グループのそれと類似しており、用量依存的な変化は観察されなかった。処置されたマウスは、対照動物と同様に食物を消費し、行動し、体重および臓器重量の両方とも変化しなかった。さらに、6匹のマウス/グループ由来の44個の臓器または組織のH&E切片の包括的な組織病理学的分析は、いかなる異常も発見しなかった。 長期・単回用量毒性学研究では、マウスを20 mg/kgのL2-mIgG2aで週に3回、最大6週間処置し、その後に用量加増研究と同一の毒性学パラメータの分析を行った。HCT-116またはSW620のいずれかの腫瘍を保有し、20 mg/kgのL2-mIgG2aで6週間(L2-mIgG2a単独)またはそれより長期間(併用グループ)のいずれかの間処置された胸腺欠損NCrヌードマウスにおいて、CBC、血清化学プロフィールおよびH&Eの評価も行った。ここでも、異常は示されなかった(表6)。(表5)100 mg/kgのL2-mIgG2aによる処置後のマウスにおいて毒性パラメータおよび臓器重量は変化しなかった(表6)20 mg/kgのL2-mIgG2aによる6週間の処置後のマウスにおいて毒性パラメータおよび臓器重量は変化しなかった実施例6TEM8特異的抗体処置はマウスモデルにおいて腫瘍の成長を阻害しがんの治療を補強する この実施例では、L2-およびL5-mIgG2aキメラ抗体処置がマウスモデルにおいて腫瘍の成長を阻害し、複数のがんの治療を補強し、腫瘍に関連する血管系を検出することについて説明する。この実施例はまた、TEM8に特異的に結合するmAbおよび検出可能マーカーを含むコンジュゲートに関する説明も提供する。方法動物および腫瘍研究 免疫不全の背景の胸腺欠損ヌードTEM8 KOマウス(TEM8-/-、nu/nu)については上記の通りである。C57BL/6 Tem8 KOマウスと同様、ヌードTem8 KOマウスでも歯並び異常の切歯(misaligned incisors)が見られる。切歯は生涯を通じて絶えず成長し、適切な歯並びは歯の長さの維持のための歯研ぎ(shearing)に必要となるため、げっ歯類にとって切歯の歯並び異常は特に問題となる。食物消費との潜在的な干渉を防ぐため、Tem8 KOマウスの切歯は常に、およそ3月齢の始めに抜き取ることとする。TEM8 KOマウスを用いる腫瘍研究では、比較のために、TEM8ヘテロ接合型異種交雑から生まれたTEM8 WTおよびKOの同腹仔のみを使用した。TEM8 KOマウスを用いない腫瘍研究は、胸腺欠損NCr-nu/nuマウスで行った。2.5x106〜5x106個の腫瘍細胞を胸腺欠損ヌードマウスの側腹部に皮下注射した。B16腫瘍細胞の注射については、5x105個の細胞をC57BL/6マウスに皮下注射した。腫瘍を電子カリパスで測定し、腫瘍容積を式LxW2x0.5を用いて計算し、平均±SEで表した。腫瘍重量は、外科的除去後に計算した。 KOマウスを用いるL2-mIgG2a処置については、処置を、腫瘍細胞の注射の1日後に開始した。その他すべての治療研究については、治療開始前に、マウスを同じ平均サイズの腫瘍を含むグループに分類した。これらの研究における腫瘍のばらつきを最小化するため、分類時に、それらの腫瘍がそのグループの平均腫瘍サイズの半分未満であった場合またはその平均腫瘍サイズの2倍超であった場合、マウスを分析から除外した。マウスを、2 mg/kg〜100 mg/kgの範囲の様々な用量のL2-mIgG2aまたはL5-mIgG2a抗TEM8抗体で処置した。DC101または様々な用量のL2-mIgG2aもしくはL5-mIgG2a抗体を、週に3回、典型的には月、水、金曜日のスケジュールで、または個々の図に示されている時点で、投与した。DC101は、40 mg/kgを投与し(Prewett et al., Cancer Res., 59(20): 5209-5218, 1999)、DMXAA(Sigma)は、25 mg/kg(MTD)を一度、その後に5 mg/kg/日を2日間投与し(Zhao et al., Clin. Cancer Res., 9(17): 6545-6550, 2003)、5-FUは、週に一度、100 mg/kg(MTD)を3週間与え、そしてIRTは、週に一度、80 mg/kg(2/3 MTD)を3週間与えた。IRT処置のスケジュールは、2週間の休息期間の後に繰り返した。DC101ハイブリドーマをATCCから入手し、そしてDC101をプロテインAクロマトグラフィーによって馴化培地から精製した。L2-mIgG2aおよびL5-mIgG2a抗体は、上記のようにして調製した。免疫蛍光および微小血管密度研究 インビボでの標的の同定のために、FITCにコンジュゲートさせたL2-mIgG2a(FLUOREPORTER FITC PROTEIN KIT(登録商標)、Invitrogen)を75μg、1 mgの非特異的マウスIgGと共に、DLD-1腫瘍保有TEM8 WTおよびTEM8 KOマウスの腹腔内に共注射した。3時間後に動物を安楽死させ、そして正常および腫瘍組織を切除し、凍結させ、凍結切片化させ、TBSTでリンスし、Leukoperm(AdB Serotec, Raleigh, NC)で固定した。内皮細胞を、ラット抗PV-1(Meca-32)またはラット抗CD31(Becton Dickenson, Franklin Lakes, NJ)のいずれかの抗体で、その後に、ビオチン標識ロバ抗ラット(Jackson Immunoresearch Laboratories, West Grove, PA)およびTexasレッド-ストレプトアビジン(Vector laboratories, Burlingame, CA)で、標識した。L2-mIgG2a-FITCを、488ヤギ抗FITCで、その後に、488ロバ抗ヤギで、増幅した。微小血管密度研究では、LEUKOPERM(登録商標)で固定した凍結切片を、ラット抗CD31(BD)で、その後にFITC標識ヤギ抗ラット(Jackson Immunoresearch Laboratories, West Grove, PA)で、染色した。その平均MVDは、MIPAV(医療用画像処理、分析および可視化)ソフトウェアパッケージ(CIT、NIH、mipav.cit.nih.gov)を用いて、最も高い血管密度を有する領域(3つの異なる腫瘍の4つの顕微鏡視野)から得られたCD31陽性面積を平均化することによって、決定した。一元ANOVAを使用して統計差を計算した。 インビボでL2処置後の腫瘍内皮細胞の増殖またはアポトーシスを測定するため、L2(20 mg/kg)またはビヒクル(PBS)を、DLD1腫瘍(平均腫瘍サイズ500 mm3)を有するマウスに腹腔内投与した。24時間後に、腫瘍を切除し、凍結し、そして凍結切片化した。血管を、ラット抗PV-1(Meca-32)およびラット抗CD31(BD)の両抗体で標識した。増殖性の細胞を、ウサギ抗ホスホヒストンH3(Ser10)有糸分裂マーカー(Millipore)で染色し、アポトーシスを起こした細胞を、APOPTAG(商標)Fluorescein Direct In Situ Apoptosis Detection Kit(Millipore)で標識した。定量的共局在分析を、IMARIS(商標)ソフトウェアスイート(Bitplane AG, Zurich, Switzerland)を用いて行った。 ヒト結腸がんサンプル(Cooperative Human Tissue Network)の免疫蛍光染色では、凍結ブロックから得た組織切片を切片化し、外来抗原(シクロスポリンA)に対して作製された過剰な非特異的キメラ(ヒトFab、マウスFc)抗体でブロックした。TEM8を、上記のようにL2-mIgG2a標識FITCを用いて検出し、ウサギ抗フォン・ビレブランド因子(Dako, Carpinteria, CA)、その後にビオチニル化ロバ抗ウサギおよびTexas Red-ストレプトアビジンで共染色した。すべての免疫蛍光画像を、Carl Zeiss LSM 510レーザー走査共焦点顕微鏡を用いて取り込んだ。フローサイトメトリーを、上記のようにして行った。ウェスタンブロット ウェスタンブロットを、以前に記載されたように(Cullen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U S A., 108: 5759-5764, 2011)、SB5抗TEM8抗体(Nanda et al., Cancer Res 64(3): 817-820, 2004)、CMG2抗体または抗アクチン抗体(Chemicon)を用いて行った。創傷治癒アッセイ B16腫瘍が一方の側腹部で成長したC57BL6マウスを剃毛し、6 mm径の単パンチ生検機器(Premier)を用いてその反対の側腹部に創傷を形成した。創傷を、電子カリパスで毎日測定した。第6日に、抗CD31抗体を用いる血管の免疫蛍光染色のために創傷を取り出した。MIPAVソフトウェアを用いて、グループあたり5つの創傷(創傷あたり4つの切片)から、関心対象の領域(ROI、肉芽面積)内のCD31陽性表面積の平均を計算し、これをROI面積の百分率として報告した。MATRIGEL(商標)プラグアッセイ 胸腺欠損ヌードマウスに、300 ngのmFGF(Peprotech)を含む500lのMATRIGEL(商標)(BD Biosciences)を皮下注射した。マウスを、i.p.注射により20 mg/kgの非特異的マウスIgGまたはL2(n=6マウス/グループ)で処置し、この処置を1日おきに計3回行った。6日後にマウスを屠殺し、そしてMATRIGEL(商標)プラグを取り出し、4%パラホルムアルデヒドで固定した。このプラグをパラフィンに包埋し、切片化し、そしてヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。切片を、光学顕微鏡によって試験し、そして血管密度を、MIPAVソフトウェアを用いて、プラグあたり4〜5つの視野から計算した。ADCCアッセイ マウス単核細胞を、リンホライト(lympholyte)-M(Cedarlane Laboratories)を製造元の指示にしたがい用いた密度遠心分離によって、胸腺欠損ヌードマウスの脾臓から単離し、10%低濃度IgG FBS(Invitrogen)を含むPF-DMEM:フェノールフリーDMEM中に再懸濁した。個々にCD3e、CD4、CD5、CD8a、CD19、Ly-6GおよびTer-119(eBioscience)に対するビオチニル化抗体で事前武装されているストレプトアビジンM-280磁性DYNABEADS(登録商標)(Invitrogen)のカクテルを用いた陰性選択を通じて単核画分からNK細胞を濃縮した(以下の磁性ビーズアッセイの記載を参照のこと)。NK濃縮画分は、抗CD49b抗体(eBioscience)を用いたフローサイトメトリーによる評価で、少なくとも50%の純度であった。293-TEM8(標的、T)細胞をトリプシン処理し、リンスし、PF-DMEMに再懸濁し、そして示された濃度の抗体(対照IgGまたはL2)と共に氷上で30分間インキュベートした。96ウェルプレートのウェル上で、10,000個の標的細胞を様々な数のNK(エフェクター、E)細胞と混合した。20時間後、細胞生存度を、CYTOTOX-GLO(登録商標)細胞傷害性アッセイ(Promega)を用いて測定した。比細胞溶解の百分率を、次式を用いることによって計算した:100 x [(A-C)/(B-D)]、式中、Aは試験ウェルで得られた発光(実験放出)を表し、Bは1% TRITON X-100(商標)による全標的細胞の溶解によって得られた発光(最大放出)を表し、Cは抗体をエフェクターおよび標的細胞に添加しなかったときに得られた発光を表し、そしてDは標的細胞からの自然放出である。この計算が負の値を提供した場合、結果に0.0%を割り当てた。CDCアッセイ 293-TEM8細胞をトリプシン処理し、リンスし、PF-DMEMに再懸濁し、そして示された濃度の抗体(対照IgGまたはL2)と共に氷上で30分間インキュベートした。次に、50,000個の細胞を、5、10および20%のウサギ補体(LOW-TOX-M(商標)ウサギ補体;Cedarlane)と共に37℃で2時間インキュベートした。細胞生存度を、CYTOTOX-ONE(商標)均質系膜完全性アッセイ(Promega)を用いて測定した。比細胞溶解の百分率を、次式を用いることによって計算した:100 x [(A-C)/(B-C)]、式中、Aは実験ウェルで得られた蛍光(560 nm Ex、595 nm Em)を表し、Bは1% TRITON X-100(商標)による全標的細胞の溶解によって得られた蛍光(最大放出)を表し、そしてCは標的細胞を抗体の非存在下でウサギ補体と共にインキュベートしたときに得られた蛍光を表す。この計算が負の値を提供した場合、結果に0.0%を割り当てた。結果 L2-およびL5-mIgG2aキメラ抗体を、胸腺欠損ヌードマウス中のUACC、HCT-116およびDLD-1結腸腫瘍異種移植片に対する活性について、インビボで試験した。これらの研究では、腫瘍が50 mm3の平均サイズに達してからマウスをL2-またはL5-mIgG2aで週に3回処置した。図3に示されるように、分析した各腫瘍タイプの、L2-mIgG2a処置グループの各々において、ビヒクル(PBS)単独と比較して顕著な腫瘍成長阻害が観察された。抗腫瘍活性は、抗VEGFR2抗体のそれに匹敵するものであった(図3B)。次に、L2-およびL5-mIgG2a抗体を、最適腫瘍成長阻害に必要となる抗体の量を決定するため、用量加増研究において比較した。この研究では、UACC腫瘍保有マウスを、2、15または30 mg/kgの抗体を週に3回与えるグループに分割した。マウスに2 mg/kgのL2-mIgG2aを与えた場合、部分的な成長阻害が観察され、最大の成長阻害は15 mg/kgで観察された(図3D)。L5-mIgG2aは、15 mg/kgで、2 mg/kg L2-mIgG2a処置グループで観察されたのと同様の部分的な成長阻害を示し、そして各腫瘍研究においてその生物学的至適用量(OBD)を達成するのに30〜40 mg/kgを必要とした。L5-mIgG2aは最大効果を達成するためにL2-mIgG2aよりも高用量を必要とするが、両方の抗体は、それらのOBDで、同様の抗腫瘍活性を示した。まとめると、これらの研究は、2つの独立した抗TEM8抗体の顕著なインビボ抗腫瘍活性を実証している。 上記の研究を、免疫力低下マウスにおいて実施した。L2がインタクトな免疫系の存在下で腫瘍成長を抑制できるかどうかを決定するため、マウスB16黒色腫細胞を同系のC57BL6マウスに注射し、腫瘍サイズが50 mm3となった時点でL2によるマウスの処置を開始した。L2処置グループは、研究終了までに腫瘍成長の60%減少を示した(図5C)。L2処置が創傷治癒に干渉するかどうかを決定するため、各腫瘍保有マウスに、治療過程の途中で、6 mm径の創傷を与えた。創傷閉塞率は、L2によって有意に変化しなかった(図5D)が、それは同じマウスにおいて明らかな抗腫瘍活性を示していた。CD31の免疫蛍光染色は、治癒段階の創傷の肉芽組織内に存在する血管系の量に変化がないことを示した(図5E)。MATRIGEL(登録商標)により誘導される血管形成もまた、L2処置に影響されなかった(図5F)。したがって、L2抗体は、生理学的な血管新生に基づく正常な治癒プロセスに干渉することなく、持続的な病理学的腫瘍成長を阻害した。 L2-mIgG2aの抗腫瘍活性が宿主のTEM8の機能を阻害する能力に依存するならば、L2-mIgG2aは、使用された腫瘍細胞自体がインビボでの成長に関して内因性のTEM8に依存しない限り、TEM8 WTマウス内の腫瘍に対してのみ活性を有し、TEM8 KOマウスでは活性を有さないはずである。RT-PCRおよびフローサイトメトリー分析は、培養された腫瘍細胞株間でTEM8発現が様々であることを明らかにした(図11A)が、DLD-1腫瘍細胞は、細胞培養物中およびインビボで樹立した腫瘍からの精製後の両方においてTEM8陰性であることが見出された(図11Aおよび11B)。したがって、インビボでのL2-mIgG2a抗体の特異性を試験するため、TEM8 WTおよびKOマウスを、TEM8陰性のDLD-1腫瘍細胞でチャレンジし、そしてL2-mIgG2aまたは対照IgGで週に3回処置した(図4A)。予想通り、腫瘍は、対照IgGで処置したWTマウスと比較してTEM8 KOにおいてより緩やかに成長した。L2-mIgG2a抗体がTEM8 WTマウスに投与された場合、腫瘍の成長はIgG対照グループよりも阻害されたが、KOグループのそれとは区別がつかなかった。重要なことは、TEM8 KO腫瘍保有マウスのL2-mIgG2a処置は、さらなる腫瘍の成長阻害を示さなかったことである。まとめると、これらの結果は、TEM8がインビボでL2の標的であること、およびL2-mIgG2aが機能遮断性(中和性)のモノクローナル抗体であること、を示している。 L2-IgG2aのインビボでの標的が腫瘍に関連する血管系であるかどうかを評価するため、DLD-1腫瘍グループにおいてCD31血管染色を行い、TEM8 KOまたはL2-mIgG2a処置マウス由来の腫瘍において血管数が減少していることが見出された(図4B)。フローサイトメトリーを用いた腫瘍内のCD31陽性内皮細胞の数の定量は、TEM8の薬理学的および遺伝的除去後に内皮細胞数が有意に低下することを明らかにした(図4C)。内皮の増殖を促進する上でのCMG2の役割を示した以前の研究(Reeves et al., Oncogene, 29: 789-801, 2010)に基づき、TEM8が腫瘍内皮細胞の増殖を促進する可能性を調査した。しかし、DLD1腫瘍における内皮の増殖はL2処置によって変化せず(図4D)、アポトーシス性のECの数が有意に増加した(p<0.02、図4E)。 インビボでのL2-mIgG2aの特異性をさらに評価するため、L2-mIgG2aを(上記のようにして)FITCにコンジュゲートし、これを腫瘍保有マウスの尾静脈に注射した。免疫蛍光分析は、TEM8が腫瘍関連血管系に選択的に局在化され、脳、心臓、腸、肝臓、筋肉、脾臓および胃を含む分析された正常な対照組織のいずれにも局在化されないことを明らかにした(図5A)。細胞培養物中の腫瘍関連血管周囲間質細胞および平滑筋細胞におけるTEM8の発現を記載した以前の報告(Yang et al., Biochim Biophys Acta 1813(1): 39-49, 2011; Fernando and Fletcher, Cancer Res 69(12): 5126-5132, 2009)と同じように、腫瘍内皮に加えて、内皮を取り囲む腫瘍関連血管周囲細胞、おそらくは周皮細胞、も高頻度で陽性であった。間質細胞の染色は、TEM8 WTマウスの腫瘍領域に限定され、TEM8 KOマウスの腫瘍では見られず、これにより抗体染色の特異性が確認された(図5B)。この結果は、L2抗体が腫瘍関連血管系を特異的に検出することを示している。 TEM8が潜在的に抗体依存細胞傷害性(ADCC)の標的として機能し得るかどうかを決定するため、エフェクターNK細胞を様々な比率でTEM8発現293標的細胞と混合し、そしてL2は抗体およびエフェクター細胞の両方の濃度に依存的な細胞傷害性を惹起できるが、対照IgGはそうでないことが見出された(図5Fおよび5G)。同様に、L2は、抗体および補体の両方に依存的な様式で補体依存細胞傷害性(CDC)を惹起した(図5Hおよび5I)。この発見に関する非限定的な説明は、TEM8はADCCおよびCDCにおいて機能する、ということである。 TEM8 KOにおける腫瘍成長の遅延および比較的小さい樹立した50 mm3の腫瘍に対するL2-mIgG2aの強い抗腫瘍活性は、我々に、より大きな腫瘍に対するL2-mIgG2aの活性を決定するよう促した(図6)。重要なことは、L2-mIgG2a処置前に200 mm3サイズであった腫瘍さえもこの抗体に対して有意な反応を示し、対照腫瘍が平均サイズ2000 mm3に達した時点で、処置された腫瘍は平均サイズ1288 mm3であった(図6A)。しかし、L2-mIgG2aを介した成長阻害は完全ではなかったため、L2-mIgG2aと他のクラスの抗がん剤の併用を試験し、これにより抗腫瘍効果が向上するかどうかを決定した。L2-mIgG2a処置を、VEGFのVEGFR2に対する結合を防止する抗血管新生剤である抗VEGFR2抗体DC101と併用した。図6Aに示されるように、L2-mIgG2aは、樹立した腫瘍を有するマウスを両抗体で週に3回処置したときに、UACC黒色腫に対するDC101の活性を有意に向上させた(p<0.05)。次に、NCI-H460肺がん異種移植片に対する、L2-mIgG2aと血管標的化剤であるDMXAA(ASA404)の併用を試験した(図6B)。DMXAAは、初期臨床試験で肺がんに対して良好な活性を示した血管標的化剤である(Baguley and McKeage, Future Oncol., 6(10): 1537-1543, 2010)。この研究では、DMXAAを第7日および第30日に投与し(下の矢印)、L2-mIgG2aを週に3回与えた(上の矢印)。L2-mIgG2aおよびDMXAAは両方とも、腫瘍成長を有意に遅らせたが、その併用はより効果的であり、DMXAAの2回目の処置は、腫瘍がこの剤に対して引き続き感受性であることを明らかにした。最後に、L2-mIgG2aと、現在結腸直腸がん患者の処置に使用されている化学療法剤である5-FUまたはIRTの併用を試験した。L2-mIgG2aは、HCT116腫瘍に対する5-FUおよびIRTの効果を有意に向上させた(図6C〜6D)。L2-mIgG2aはまた、別の結腸がん腫瘍モデル(SW620、図6E)に対するIRTの効果も向上させ、これによりこの応答の汎用性が実証された。L2とIRTの併用は非常に効果的であり、HCT116研究においては11匹中5匹のマウスおよびSW620研究においては11匹中4匹のマウスの腫瘍が接種100日後までに完全に退縮し、これらのマウスはさらに7ヶ月間の研究期間の間、無腫瘍状態を維持した(図6Dおよび6E)。いずれの単剤処置部門でも完全な腫瘍応答は観察されなかった。L2とIRTの併用の阻害活性を長期間治療後にさらに評価するため、処置を100日後に中止したところ、完全に退縮していなかった残存腫瘍が迅速に拡大した。 これらの併用薬物試験における体重、食物消費、血清化学および血液学的プロフィールの分析は、化学療法剤にL2-mIgG2aを加えることにより引き起こされる毒性の変化を示さなかった(図6Fおよび表7)。表7に示されるように、毒性学研究は、L2-mIgG2aおよび化学療法で処置したマウスにおいて、化学療法単独の場合に対するいかなる追加の毒性も示さなかった。様々な毒性学パラメータ(表7A)および臓器重量(表7B)は、5-FUまたはIRT処置スケジュールへの週3回の20 mg/kg L2の追加によって変化しなかった。まとめると、これらの研究は、L2処置が、様々なクラスの抗がん剤の抗腫瘍応答を、毒性を追加することなく向上させることができることを実証している。(表7)毒性学研究はL2-mIgG2aおよび化学療法で処置したマウスにおいて化学療法単独の場合に対するいかなる追加の毒性も示さなかった マウスおよびヒトの両方のTEM8タンパク質を認識するL2-mIgG2a抗TEM8抗体を開発した。インビボでのヒトTEM8の発現パターンをさらに調査するため、6例の、そのうちの4つは患者一致の、後期段階の結腸直腸がん由来の結腸直腸腫瘍または隣接する正常結腸粘膜のL2-mIgG2aによる免疫蛍光染色を試験した。これらの研究では、サンプルを、任意の潜在的な非特異的結合をブロックするために過剰なアイソタイプ一致非特異的IgGの存在下で、FITCコンジュゲートL2-mIgG2aによって染色した。染色はすべての正常結腸粘膜で検出できなかったが、各腫瘍サンプルでは、L2-mIgG2a-FITCは、vWF陽性内皮細胞、血管周皮細胞および線維芽細胞様細胞を含む腫瘍間質を強く標識した(図7)。染色は、非標識L2-mIgG2aの添加によって完全にブロックされたので、特異的であるとみなされた。したがって、マウスおよびヒトの両方由来の腫瘍において、TEM8は、腫瘍関連血管系および血管周囲間質細胞で見出される。実施例7ヒトにおけるTEM8を発現する内皮細胞の検出 この実施例では、対象においてTEM8を発現する内皮細胞を検出するのに使用することができる特定の方法について記載する。しかし、当業者は、類似の方法を使用できることを理解するであろう。そのような検出は、例えば、TEM8に特異的に結合する抗体またはそのコンジュゲートによる対象の処置前、処置中もしくは処置後(またはその組み合わせ)に実施され得る。 TEM8特異的モノクローナル抗体(例えば、SEQ ID NO:1のアミノ酸31〜37、52〜67および100〜106に示されるアミノ酸配列を含む、それぞれ、H-CDR1、H-CDR2およびH-CDR3を含む重鎖可変領域ならびにSEQ ID NO:6のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜96に示されるアミノ酸配列を含む、それぞれ、L-CDR1、L-CDR2およびL-CDR3を含む軽鎖可変領域を含むTEM8特異的モノクローナル抗体であるがこれに限定されない)ならびに検出可能マーカーを含むコンジュゲートを、対象に投与する。投与は、当技術分野で公知の任意の十分な方法によって行うことができるが、典型的には静脈内投与である。典型的に、コンジュゲートは、そのコンジュゲートおよび薬学的に許容される担体を含む組成物の一成分として投与される。 有効量のコンジュゲートを対象に投与する。投与するコンジュゲートの量は、対象においてTEM8と検出可能な免疫複合体を形成するのに十分なものとする。有効量は、例えば、用量応答曲線を作成する慣用的な試験を用いることで、当業者が容易に決定することができる。加えて、特定の例示的な用量が本明細書に提供されている。コンジュゲートは、単回用量もしくは多用量送達によってまたは長期間の連続送達を通じて投与することができる。 対象における病理学的な血管新生を検出するのに使用されるコンジュゲートは、診断画像化に有用な検出可能マーカーを含む。例えば、磁気共鳴画像化に使用される検出可能マーカー、例えば、超常磁性酸化鉄ナノ結晶である。個々の検出可能マーカーは利用される個々の診断画像化のタイプに依存し、これは当業者に明らかであろう。 TEM8を発現する内皮細胞の検出は、使用される検出可能マーカーに対応する診断画像化法を用いて対象において固定されたコンジュゲートを検出することによって達成される。例えば、検出可能マーカーが超常磁性酸化鉄ナノ結晶である場合、診断画像化法は、典型的に、磁気共鳴画像化を含むであろう。実施例8TEM8特異的抗体および毒素を含むコンジュゲートを用いた処置はマウスモデルにおいて大きな腫瘍の成長を阻害する この実施例では、L2-mIgG2aキメラ抗体およびサポリンを含むコンジュゲートがマウスモデルにおいて腫瘍の成長を阻害することについて説明する。マウスに、上記のようにしてUACCヒト黒色腫異種移植片を接種した。腫瘍サイズが200 mm3に達した時点で、1.2 mg/kgのL2-mIgG2a-サポリンまたは非特異的IgG対照を投与し;投与を2日ごとに繰り返し、計3回の処置を行った。図12に示されるように、L2-mIgG2a-サポリンを用いた処置は、対照または未処置条件と比較して腫瘍の成長を阻害した。実施例9TEM8は病理学的な血管新生で機能するが生理学的な血管新生では機能しない この実施例では、TEM8が病理学的な血管新生で機能するが、生理学的な血管新生では機能しないことについて説明する。定量RT-PCR 標準的な方法にしたがい、かつ以前に記載されたようにして(Cullen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 108: 5759-5764, 2011)、mRNAを単離し、定量RT-PCRを行った。正規化のためのハウスキーピング遺伝子として、トランスクリプトーム研究により多様な細胞タイプの間で均一に発現されることが示されており(Velculescu et al., Nat. Genet., 23: 387-388, 1999)かつそのハウスキーピング遺伝子としての使用が以前の研究で検証されている(Cullen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 108: 5759-5764, 2011: Seaman, et al., Cancer cell, 11: 539-554, 2007)という理由から、真核生物翻訳開始因子4H(Eif4h)を選択した。共培養および低酸素アッセイ ヒト皮膚微小血管内皮細胞(HMEC-1またはHMEC)を、Centers for Disease Control(CDC)から入手した。HMECおよびDLD1細胞(各々1x106個)を48時間共培養した。DLD1細胞を、BerEP4抗体に結合させたDYNABEADS(登録商標)(Epithelial Enrichビーズ、Invitrogen, Carlsbad, CA)を用いた磁気分離によって混合物から単離した。HMECを、ビオチン標識ヤギ抗ヒトVEカドヘリンポリクローナル抗体(R&D Systems)で事前武装したストレプトアビジンM-280 DYNABEADS(登録商標)を用いて混合物から単離した。細胞を溶解させた後、ビーズを磁気により除去した。低酸素実験のために、HMECを、1% O2または150μM塩化コバルト(CoCl2)のいずれかと共に、24時間、EGM-2完全培地中でインキュベートした。細胞溶解産物を、以前に記載されたようにウェスタンブロットによって、TEM8、β-アクチンおよびHIF-1αについて分析した(Cullen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 108: 5759-5764, 2011)。磁性ビーズを用いた細胞の分離 内皮細胞を、以前に記載されたようにしてビオチン標識抗CD105抗体(eBioscience)で事前武装したストレプトアビジンM-280磁性ビーズ(Invitrogen)を用いて様々な腫瘍、静止期の肝臓(quiescent liver)または再生期の肝臓から単離した(Seaman, et al., Cancer cell, 11: 539-554, 2007)。すべての内皮細胞を、未分画の対照組織と比較してVEカドヘリン等の内皮マーカーで少なくとも100倍濃縮した上で分析に使用した。骨髄細胞および造血細胞を、それぞれ、ビオチン連結抗CD11bおよびビオチン連結抗CD45(eBioscience)で事前武装したストレプトアビジンM-280ビーズを用いて腫瘍から単離した。HCT116およびDLD1腫瘍細胞の単離(図11B)においては、腫瘍細胞を、ヒト上皮共通性(pan-epithelial)EpCAM受容体と特異的に反応するEpithelial Enrich磁性DYNABEADS(登録商標)(Invitrogen)を用いて散在する腫瘍から単離した。成長因子研究 経時研究のために、HMECを完全内皮成長培地(100 ng/mlの塩基性線維芽細胞成長因子(FGF/FGF2)(Pepro Tech)、50 ng/mlのVEGF165(Pepro Tech)および5%のウシ胎仔血清を補充したEBM-2(Lonza))にプレーティングした。24時間後(第0日)に、培地を、完全培地または基本培地(EBM-2のみ)のいずれかと交換した。成長因子レベルの任意の潜在的な経時的増減を最小化するため、完全または基本培地を毎日補充し、RNAまたはタンパク質の単離のために細胞を第0、2、4、6、8および10日に収集した。第2、6および10日に、細胞を明視野顕微鏡で撮像した。TEM8発現に対するVEGF、FGFおよび血清の効果を決定するため、HMECを完全培地に一晩プレーティングした。24時間後、培地を基本培地(EBM-2単独)または100 ng/mlのFGF、50 ng/mlのVEGF、5%血清のいずれかもしくは3つすべて(すなわち、FGF、VEGFおよび血清)を補充した基本培地と交換した。培地を毎日補充し、そして96時間後に、RNAおよびタンパク質分析のために細胞を収集した。VEGFおよびFGFの経時研究のために、1% FBSを含有するEBM-2基本培地中で維持されているHMECを、50 ng/mlのVEGFまたは100 ng/mlのFGFで、0時間(対照)、24時間、48時間または72時間刺激した。結果 TEM8が病理学的な血管新生に選択的に関与しているさらなる証拠を得るため、腫瘍の内皮細胞(EC)と成体の再生期の肝臓のECの間のTem8の発現パターンを比較した。70%部分肝切除の後、残りの肝臓は、高度に調節された血管新生依存的プロセスにより急速に成長する(Seaman, et al., Cancer cell, 11: 539-554, 2007; Drixler et al., Ann Surg., 236; 703-711, 2002)。このモデルにおいて、静止期のECは、術後およそ24時間で同期して細胞周期に入り、約72時間後に増殖を止める。遺伝子発現を試験するため、DLD1、HCT116もしくはLS174T細胞由来の腫瘍異種移植片から精製されたECまたは静休止期(quiescent resting)の肝臓(0時間)もしくは術後の様々な時点(6、18、48、72もしくは96時間)で採取した再生期の肝臓から単離されたECにおいて定量RT-PCR(QPCR)を行った。増殖のマーカー、例えばKi67、細胞質分裂タンパク質調節因子1(Prc1)およびチミジンキナーゼ(TK)は、肝ECにおいて、部分肝切除の48時間後までに高度に誘導されたが、Tem8の発現レベルは、再生期の肝ECにおいてベースラインで維持されていた。対照的に、Tem8は、腫瘍EC画分の各々において、休止期の肝ECと比較して32〜55倍高度に発現された(図13A)。再生期の肝ECにおける細胞周期遺伝子のピーク発現レベルは、腫瘍ECにおけるそれよりも高かったが、これはおそらく、増殖期の肝EC集団の同期的な性質によるものである。 Tem8が、腫瘍関連炎症細胞、例えばCD11b+骨髄細胞または腫瘍の血管新生を促進することが示されているおよび腫瘍のVEGF阻害に対する不応性に関与し得るその他の骨髄由来細胞(Shojaei et al., Nat. Biotechnol., 25: 911-920, 2007)によって発現されるかどうかを調査するため、腫瘍から単離されたCD45+(汎造血)、CD11b+(骨髄)およびCD105+(内皮)細胞におけるTEM8の発現を試験した。Tem8は、内皮画分においてのみ高度に発現されていた(図14A)。腫瘍血管系においてTEM8発現を誘導する潜在的な腫瘍微小環境因子を決定するため、培養されたヒト微小血管内皮細胞(HMEC)を様々な条件に対して試験した。腫瘍細胞との共培養も低酸素への暴露もTEM8を誘導しなかった(図14Bおよび14C)。しかし、血清の欠乏により、TEM8レベルは、通常低い内因性TEM8レベルを示すこれらの細胞において明らかに上昇し、第10日までにTEM8 mRNAに関して4倍増加(図13B)およびTEM8タンパク質に関して5倍増加(図13C)を示した。対照的に、完全培地中で維持された細胞においては、TEM8レベルは、低い状態で維持され、その後の時点で見られたTEM8発現のわずかな増加(図13Bおよび13C)は、細胞数の増加により引き起こされた成長因子の急速な喪失に起因するものと考えられる(図13D、上パネル)。細胞数を一定にして表面積を変えて行ったまばらな細胞と密集細胞の比較によれば、成長因子の欠乏によるTEM8発現の増加は、細胞・細胞接触の量に影響されなかった。重要なことは、成長因子欠乏細胞におけるTEM8の上昇は、FGF、VEGFまたは血清処置によって阻害され得、3つすべての併用により最低のTEM8レベルとなったことである(図13Eおよび13Fならびに14D)。したがって、TEM8は、少なくとも部分的に、局部的に不十分となった血管新生成長因子によって活性化される補完的な血管新生または生存経路の一部であり得る。実施例10ヒトにおけるがんの処置 この実施例では、ヒトにおける原発性または転移性腫瘍を、TEM8に特異的に結合する1つもしくは複数の抗体またはそのコンジュゲートの投与により処置するのに使用することができる特定の方法について記載する。特定の方法、用量および投与様式が提供されるが、当業者は、その処置に実質的な影響を与えずに変更を加えることができることを理解するであろう。 ヒト患者は、少なくとも1μg(例えば、0.001〜1000mg)の、TEM8に特異的に結合する1つもしくは複数の抗体またはそのコンジュゲート、例えば、SEQ ID NO:1のアミノ酸31〜37、52〜67および100〜106に示されるアミノ酸配列を含む、それぞれ、H-CDR1、H-CDR2およびH-CDR3を含む重鎖可変領域ならびにSEQ ID NO:6のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜96に示されるアミノ酸配列を含む、それぞれ、L-CDR1、L-CDR2およびL-CDR3を含む軽鎖可変領域を含む抗体であるがこれに限定されない、を用いて、例えば、少なくとも1日、1週間、1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年もしくは少なくとも5年またはそれより長いもしくは短い期間、静脈内処置される。コンジュゲートの投与は、通常のがん治療と併用して(例えば、その治療と置き換えるのではなく)使用することができる。したがって、コンジュゲートを、個々の腫瘍タイプに対して従来的に使用されている常用および常套の抗血管新生、化学療法、外科、照射処置(またはそれらの組み合わせ)に追加することができる。コンジュゲートの投与は、常套の治療を中止した後も継続することができ、かつ長期間(例えば、数ヶ月または数年)をかけて行うことができる。 簡潔に説明すると、この方法は、対象が腫瘍、例えば原発性または転移性腫瘍を有するかどうかを決定するために対象をスクリーニングする工程を含む。腫瘍を有する対象が選択される。臨床試験においては、対象の半分が、既存の腫瘍処置プロトコル(例えば、通常の抗血管新生/化学療法/放射線療法/外科手術計画)を受けることになるであろう。残りの半分は、上記の抗体またはコンジュゲートの投与と組み合わせて、既存の腫瘍処置プロトコル(例えば、通常の抗血管新生/化学療法/放射線療法/外科手術計画)を受けることになるであろう。いくつかの例において、腫瘍(の全体または一部)が、コンジュゲートによる処置の前に外科的に切除される。対象のスクリーニング 対象は、最初に、腫瘍を有するかどうかを決定するためにスクリーニングされる。腫瘍についてスクリーニングするために使用することができる方法の例には、超音波、組織生検または腫瘍関連血管系の検出の組み合わせが含まれる。しかし、そのような事前スクリーニングは、本明細書に開示される抗体またはコンジュゲートの投与前に必要なものではない。対象の事前処置 対象は、TEM8に特異的に結合する抗体またはそのコンジュゲートの投与の前に処置される。しかし、そのような事前処置は、常に必要となるものではなく、担当医が決定できることである。例えば、1つまたは複数の抗体またはコンジュゲートの投与の前に、腫瘍(の全体または一部)を外科的に切除することができる。加えて、対象を、存在する特定の腫瘍の処置のための既存のプロトコル(例えば、通常の抗血管新生/化学療法/放射線療法計画)を用いて処置することができる。投与 投与は、当技術分野で公知の任意の十分な方法によって行うことができるが、典型的には静脈内投与である。典型的に、抗体またはコンジュゲートは、その抗体またはコンジュゲートおよび薬学的に許容される担体を含む組成物の一成分として投与される。 治療有効量の抗体またはコンジュゲートが、対象に投与される。投与される抗体またはコンジュゲートの量は、腫瘍を有する対象を処置するのに十分なものである。治療有効量は、例えば、用量応答曲線を作成する慣用的な試験を用いることで、当業者が容易に決定することができる。加えて、特定の例示的な用量が上記されている。コンジュゲートは、単回用量で毎日、または長期間にわたる連続送達を通じて、反復投与プロトコル(例えば、毎日、毎週もしくは毎月の反復投与プロトコル)により、投与することができる。評価 1つのまたは複数の治療の施行後、腫瘍を有する対象は、腫瘍の処置について、例えば退縮または腫瘍量の減少(例えば、転移性病巣の減少)について、観察され得る。特定の例において、対象は、処置7日後から1回または複数回分析される。 対象は、当技術分野で公知の任意の方法を用いて観察され得る。例えば、診断画像化(例えば、x線、CTスキャン、MRI、超音波、光ファイバー試験および腹腔鏡試験)ならびに対象由来の生物学的サンプルの分析(例えば、血液、組織生検またはその他の生物学的サンプルの分析)、例えば存在する細胞のタイプの分析または特定の腫瘍マーカーの分析、が使用され得る。1つの例において、対象が転移性腫瘍を有する場合、評価は、超音波、MRIまたはCATスキャンおよび組織生検に含まれる細胞のタイプの分析を用いて行われ得る。 開示されている発明の原理が適用され得る多くの潜在的な態様に鑑みて、例示されている態様は本発明の好ましい例にすぎず、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでないことが理解されるべきである。そうではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるものである。したがって我々は、これらの特許請求の範囲の範囲および精神に包含されるすべてを我々の発明として特許請求する。 モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントに共有結合により連結されたエフェクター分子または検出可能マーカーを含むコンジュゲートであって、前記モノクローナル抗体が重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域が重鎖相補性決定領域(H-CDR)1、H-CDR2およびH-CDR3を含み、軽鎖可変領域が軽鎖相補性決定領域(L-CDR)1、L-CDR2およびL-CDR3を含み、H-CDR1、H-CDR2およびH-CDR3がそれぞれ:(a)SEQ ID NO:1のアミノ酸31〜37、52〜67および100〜106に示されるアミノ酸配列(L2);(b)SEQ ID NO:2のアミノ酸残基31〜35、50〜65および96〜102に示されるアミノ酸配列(L1);(c)SEQ ID NO:3のアミノ酸残基31〜37、52〜69および102〜110に示されるアミノ酸配列(L3);(d)SEQ ID NO:4のアミノ酸残基31〜35、50〜66および99〜106に示されるアミノ酸配列(L5);または(e)SEQ ID NO:5のアミノ酸残基31〜37、52〜67および100〜107に示されるアミノ酸配列(1D2)を含み、かつ前記モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントが腫瘍内皮細胞マーカー8に特異的に結合して中和する、コンジュゲート。 重鎖可変領域が、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:5に示されるアミノ酸配列を含む、請求項1記載のコンジュゲート。 (a)重鎖可変領域がSEQ ID NO:1のアミノ酸31〜37、52〜67および100〜106に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:6のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜96に示されるアミノ酸配列を含むか; (b)重鎖可変領域がSEQ ID NO:2のアミノ酸31〜35、50〜65および96〜102に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:7のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含むか; (c)重鎖可変領域がSEQ ID NO:3のアミノ酸31〜37、52〜69および102〜110に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:8のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜96に示されるアミノ酸配列を含むか; (d)重鎖可変領域がSEQ ID NO:4のアミノ酸31〜35、50〜66および99〜106に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:9のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含むか;または (e)重鎖可変領域がSEQ ID NO:5のアミノ酸31〜37、52〜67および100〜107に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:10のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含む、請求項1記載のコンジュゲート。 (a)重鎖可変領域がSEQ ID NO:1に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:6に示されるアミノ酸配列を含むか; (b)重鎖可変領域がSEQ ID NO:2に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:7に示されるアミノ酸配列を含むか; (c)重鎖可変領域がSEQ ID NO:3に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:8に示されるアミノ酸配列を含むか; (d)重鎖可変領域がSEQ ID NO:4に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:9に示されるアミノ酸配列を含むか;または (e)重鎖可変領域がSEQ ID NO:5に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:10に示されるアミノ酸配列を含む、請求項1記載のコンジュゲート。 モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントがヒトフレームワーク領域を含む、請求項1〜4のいずれか一項記載のコンジュゲート。 抗体がIgGである、請求項1〜4のいずれか一項記載のコンジュゲート。 モノクローナル抗体の抗原結合フラグメントを含む、請求項1〜5のいずれか一項記載のコンジュゲート。 抗原結合フラグメントがFv、Fab、F(ab')2、scFVまたはscFV2フラグメントである、請求項7記載のコンジュゲート。 エフェクター分子が化学療法剤である、請求項1〜8のいずれか一項記載のコンジュゲート。 化学療法剤が5-フルオロウラシルまたはイリノテカンである、請求項9記載のコンジュゲート。 エフェクター分子が抗血管新生剤である、請求項1〜8のいずれか一項記載のコンジュゲート。 エフェクター分子が毒素である、請求項1〜8のいずれか一項記載のコンジュゲート。 毒素がメイタンシノイド毒素である、請求項12記載のコンジュゲート。 メイタンシノイド毒素がDM1である、請求項13記載のコンジュゲート。 毒素がオーリスタチン毒素である、請求項12記載のコンジュゲート。 オーリスタチン毒素がモノメチルオーリスタチンE(MMAE)またはモノメチルオーリスタチンF(MMAF)である、請求項15記載のコンジュゲート。 検出可能マーカーを含む、請求項1〜8のいずれか一項記載のコンジュゲート。 検出可能マーカーが蛍光、酵素、重金属または放射性マーカーである、請求項17記載のコンジュゲート。 単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントが、リンカーによりエフェクター分子または検出可能マーカーにコンジュゲートされている、請求項1〜18のいずれか一項記載のコンジュゲート。 リンカーが切断可能リンカーである、請求項19記載のコンジュゲート。 リンカーがカテプシン切断可能リンカーである、請求項20記載のコンジュゲート。 有効量の請求項1〜21のいずれか一項記載のコンジュゲートおよび薬学的に許容される担体を含む、組成物。 腫瘍を有する対象を選択する工程;および 治療有効量の請求項22記載の組成物を、免疫複合体の形成に十分な条件下で対象に投与する工程であって、免疫複合体の形成が対象の腫瘍を処置する、工程を含む、腫瘍を有する対象を処置する方法。 治療有効量の追加の剤を対象に投与する工程をさらに含む、請求項23記載の方法。 追加の剤が抗血管新生剤である、請求項24記載の方法。 追加の剤が化学療法剤である、請求項24記載の方法。 対象由来の内皮細胞と有効量の請求項22記載の組成物とを、免疫複合体の形成に十分な条件下で接触させる工程;および 対象由来の内皮細胞において免疫複合体の存在を検出する工程であって、対象由来の内皮細胞における免疫複合体の存在が、対象におけるTEM8を発現する内皮細胞の存在を示す、工程を含む、対象におけるTEM8を発現する内皮細胞の存在を検出する方法。 接触させる工程がインビボである、請求項27記載の方法。 接触させる工程がインビトロである、請求項27記載の方法。 対象におけるTEM8を発現する内皮細胞の存在の検出が、対象における病理学的な血管新生を検出する、請求項27記載の方法。 内皮細胞が、対象由来の生物学的サンプル中に存在する、請求項27記載の方法。 TEM8を発現する内皮細胞が癌腫の中に存在する、請求項27記載の方法。 腫瘍を有する対象を選択する工程; 有効量の化学療法剤、抗血管新生剤またはそれらの組み合わせを対象に投与する工程;および 腫瘍内皮細胞マーカー8に特異的に結合して中和する治療有効量のモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントを、免疫複合体の形成に十分な条件下で対象に投与する工程であって、免疫複合体の形成が対象の腫瘍を処置する、工程を含む、腫瘍を有する対象を処置する方法であって、前記モノクローナル抗体が重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域が重鎖相補性決定領域(H-CDR)1、H-CDR2およびH-CDR3を含み、軽鎖可変領域が軽鎖相補性決定領域(L-CDR)1、L-CDR2およびL-CDR3を含み、かつH-CDR1、H-CDR2およびH-CDR3がそれぞれ:(a)SEQ ID NO:1のアミノ酸31〜37、52〜67および100〜106に示されるアミノ酸配列(L2);(b)SEQ ID NO:2のアミノ酸残基31〜35、50〜65および96〜102に示されるアミノ酸配列(L1);(c)SEQ ID NO:3のアミノ酸残基31〜37、52〜69および102〜110に示されるアミノ酸配列(L3);(d)SEQ ID NO:4のアミノ酸残基31〜35、50〜66および99〜106に示されるアミノ酸配列(L5);または(e)SEQ ID NO:5のアミノ酸残基31〜37、52〜67および100〜107に示されるアミノ酸配列(1D2)を含む、方法。 化学療法剤が5-フルオロウラシルもしくはイリノテカンまたは両方を含む、請求項26または請求項33記載の方法。 腫瘍が肺がん、結腸直腸がん、乳がんまたは皮膚がんである、請求項23または請求項33記載の方法。 腫瘍が癌腫である、請求項23または請求項33記載の方法。 腫瘍の処置が、腫瘍量の減少を含む、請求項23または請求項33記載の方法。 腫瘍内皮マーカー8(TEM8)に特異的に結合して中和する有効量のモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントと細胞とを、免疫複合体の形成に十分な条件下で接触させる工程であって、免疫複合体の形成が細胞に対する炭疽防御抗原の結合を低減させる工程を含む、細胞に対する炭疽防御抗原の結合を低減させる方法であって、前記モノクローナル抗体が重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域が重鎖相補性決定領域(H-CDR)1、H-CDR2およびH-CDR3を含み、軽鎖可変領域が軽鎖相補性決定領域(L-CDR)1、L-CDR2およびL-CDR2を含み、かつH-CDR1、H-CDR2およびH-CDR3がそれぞれ:(a)SEQ ID NO:1のアミノ酸31〜37、52〜67および100〜106に示されるアミノ酸配列(L2);(b)SEQ ID NO:2のアミノ酸残基31〜35、50〜65および96〜102に示されるアミノ酸配列(L1);(c)SEQ ID NO:3のアミノ酸残基31〜37、52〜69および102〜110に示されるアミノ酸配列(L3);(d)SEQ ID NO:4のアミノ酸残基31〜35、50〜66および99〜106に示されるアミノ酸配列(L5);または(e)SEQ ID NO:5のアミノ酸残基31〜37、52〜67および100〜107に示されるアミノ酸配列(1D2)を含む、方法。 重鎖可変領域がSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:5に示されるアミノ酸配列を含む、請求項33または請求項38記載の方法。 (a)重鎖可変領域がSEQ ID NO:1のアミノ酸31〜37、52〜67および100〜106に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:6のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜96に示されるアミノ酸配列を含むか; (b)重鎖可変領域がSEQ ID NO:2のアミノ酸31〜35、50〜65および96〜102に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:7のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含むか; (c)重鎖可変領域がSEQ ID NO:3のアミノ酸31〜37、52〜69および102〜110に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:8のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜96に示されるアミノ酸配列を含むか; (d)重鎖可変領域がSEQ ID NO:4のアミノ酸31〜35、50〜66および99〜106に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:9のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含むか;または (e)重鎖可変領域がSEQ ID NO:5のアミノ酸31〜37、52〜67および100〜107に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:10のアミノ酸23〜33、49〜55および88〜98に示されるアミノ酸配列を含む、請求項33または請求項38記載の方法。 (a)重鎖可変領域がSEQ ID NO:1に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:6に示されるアミノ酸配列を含むか; (b)重鎖可変領域がSEQ ID NO:2に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:7に示されるアミノ酸配列を含むか; (c)重鎖可変領域がSEQ ID NO:3に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:8に示されるアミノ酸配列を含むか; (d)重鎖可変領域がSEQ ID NO:4に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:9に示されるアミノ酸配列を含むか;または (e)重鎖可変領域がSEQ ID NO:5に示されるアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO:10に示されるアミノ酸配列を含む、請求項33または請求項38記載の方法。 モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントがヒトフレームワーク領域を含む、請求項33〜51のいずれか一項記載の方法。 モノクローナル抗体がIgGである、請求項33〜51のいずれか一項記載の方法。 抗原結合フラグメントがFv、Fab、F(ab')2、scFVまたはscFV2フラグメントである、請求項33〜52のいずれか一項記載の方法。 有効量のモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントと細胞とを接触させる工程が、対象に対する治療有効量のモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントの投与を含む、請求項38記載の方法。 対象において病理学的な血管新生を検出するか、対象において腫瘍を処置するか、または細胞に対する炭疽防御抗原の結合を低減させるキットであって、請求項1〜21のいずれか一項記載のコンジュゲートまたは請求項22記載の組成物を含む容器;および該キットを使用するための指示を含む、キット。 TEM8タンパク質に特異的に結合する抗体およびそのコンジュゲートが本願に開示されている。いくつかの例において、このコンジュゲートおよび抗体は、病原性の血管新生を検出および処置する方法において有用である。他の例において、このコンジュゲートおよび抗体は、がんを検出および処置する方法において有用である。さらなる例において、このコンジュゲートおよび抗体は、細胞に対する炭疽防御抗原の結合を低減させる方法において有用である。 配列表


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