生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_レイノー病を治療する方法および組成物
出願番号:2014504039
年次:2014
IPC分類:A61K 31/5375,A61P 9/08,A61K 47/36,A61K 47/18,A61K 47/14,A61K 9/10,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

フランク,ダニエル,ダブリュー. マーティン,リチャード ダマジュ,バッサム,ビー. JP 2014510156 公表特許公報(A) 20140424 2014504039 20120406 レイノー病を治療する方法および組成物 ネクスメッド ホールディングス,インコーポレイテッド 512264068 高岡 亮一 100114775 小田 直 100121511 高橋 香元 100191086 フランク,ダニエル,ダブリュー. マーティン,リチャード ダマジュ,バッサム,ビー. US 61/472,988 20110407 A61K 31/5375 20060101AFI20140328BHJP A61P 9/08 20060101ALI20140328BHJP A61K 47/36 20060101ALI20140328BHJP A61K 47/18 20060101ALI20140328BHJP A61K 47/14 20060101ALI20140328BHJP A61K 9/10 20060101ALI20140328BHJP A61P 43/00 20060101ALI20140328BHJP JPA61K31/5375A61P9/08A61K47/36A61K47/18A61K47/14A61K9/10A61P43/00 112 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN US2012032577 20120406 WO2012139033 20121011 31 20131001 4C076 4C086 4C076AA16 4C076BB31 4C076CC29 4C076DD45 4C076DD51N 4C076EE30G 4C076FF17 4C076FF34 4C086AA01 4C086AA02 4C086DA03 4C086MA03 4C086MA05 4C086MA27 4C086MA63 4C086NA11 4C086ZA39 4C086ZC12 本発明は、レイノー病およびレイノー現象を治療する方法および組成物に関する。 レイノー病(RD)およびレイノー現象(RP)は有病率が約3%〜5%以上の障害であり、末梢血管を冒し、短時間の血管攣縮により手足の指ならびにまれに鼻、耳、乳頭および唇への血流量の減少を来たす。原因不明で生じるものはレイノー病または原発性レイノーと呼ばれる。原因が推定されるものはレイノー現象または二次性レイノーとして知られる。レイノー病は特発性であり、若年女性で最も頻度が高い(報告された症例の60〜90%)。レイノー現象は他の疾患、例えば結合組織障害、閉塞性動脈疾患(閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎、胸郭出口症候群)、神経性病変、薬物中毒(麦角、メチセルジド)、タンパク異常血症、粘液水腫、原発性肺高血圧症および外傷などに続発するものである。レイノー現象は、全身性硬化症、全身性エリテマトーデスおよび関節リウマチのような特定のリウマチ性疾患に伴ってみられることが多い。二次性レイノーはほかにも、機械的外傷、手腕系振動症候群、パラプロテイン血症および特定の化学物質が原因で生じることがある。リウマチ性疾患による二次性レイノーの患者では多くの場合、+ANA、+抗セントロメアおよび/または+抗−scl−70のような自己抗体ならびに爪郭毛細血管のパターンの明らかな変化がみられる。本明細書中で名詞を伴わずに「レイノー」を使用する場合、この用語はレイノー病とレイノー現象をともに包含する。 低温や情動的ストレスが原発性または二次性レイノーの発作を誘発し得る。低温への曝露に応答すると、遠位の動脈および細動脈の血管攣縮により、血液が指趾にある多数の動静脈吻合を通って四肢から短絡される。熱に応答すると、この吻合を通る血流が減少し、代わって毛細血管血流が増加する。典型的なパターンは、白色(虚血)、青色または紫色(チアノーゼまたは脱酸素)および赤色(再灌流相)からなる三相の色の変化で構成される。患部には拍動感または痺れ感や刺痛感が生じ得る。重症のレイノーになると、発症の延長や反復により、長引く疼痛、ひりひりする痛みまたは組織死(壊疽)を来たすことがある。 情動的ストレスが原発性または二次性レイノーの発作を誘発し得ることから、末梢血管要素のほかに中枢神経系要素があることが示唆される。 この疾患の重症度または治療に対する奏効性を測定する認められた標準的な方法はない。レイノーの発作は誘発するのが困難であり、また誘発された発作の重症度も様々である。患者の多くが三相の色の変化をすべて発現するわけではないため、この状態の適切な診断方法に関しては議論の余地がある。さらに、感覚変化(冷感、痺れ感、刺痛または疼痛)の病訴が患者によって異なるため、このような変化は観察される色の違いと厳密に相関するものではない。 レイノー患者を治療するために様々な種類の薬物が用いられてきた。多くの研究が血管拡張剤に焦点を当てたものである。カルシウムチャネル遮断薬が最もよく用いられている種類の血管拡張剤であり、その有効性が複数の試験で示されている。しかし、頭痛、潮紅および低血圧などの有害作用が頻発するため、多くの患者がこのような薬物に対して奏効しないか、または耐容性がない。血管拡張を促進し得る、アンジオテンシン−II1型受容体アンタゴニスト、局所硝酸、セロトニンアンタゴニスト、非選択性エンドセリン受容体アンタゴニストおよびホスホジエステラーゼ阻害物質を含めた他の薬物に関する試験がいくつか実施されている。 強力な血管拡張剤であるプロスタグランジンおよびプロスタサイクリン類似体が重症のレイノーの治療に有益であるということがいくつかの試験で示されている。残念な点は、プロスタグランジンおよびプロスタサイクリン類似体が通常、静脈内注入により投与されるため、使用する際には入院が必要であることである。プロスタサイクリン類似体の経口使用を検討した試験が数件あるが、一致した結果は報告されておらず、ある試験ではプラセボを上回る有益性が示され、また別の試験ではプラセボを上回る有益性が示されなかった。レイノーを治療するために手に直接塗布する局所薬剤を使用する試験は数件しか実施されておらず、その一部の組成物にはプロスタノイドが含まれていたが、ほとんどが三硝酸グリセリンまたはミノキシジルのような硝酸化合物を用いたものであった。 プロスタサイクリン類似体のイロプロストは強皮症による二次性レイノーに有効である。アルプロスタジルは、盲検試験でイロプロストと同程度に有効であることが示されており、また別の試験では重症のレイノーによる重度の指趾虚血を改善することが示されている。プロスタノイドには血管拡張効果のほか、血管壁構造の損傷の減少作用を示唆し得る内皮損傷マーカーの減少、好中球活性の減少、血小板凝集の阻害およびフィブリン分解活性の調節を含めた効果があることが示されている。したがって、上記薬剤は、即時の血管拡張効果から予想されるものより長い期間にわたる有益な効果を有し得る。上記薬物の使用による持続的な有益性が報告されており、例えば、PGE2の経皮パッチによる効果が少なくとも48時間持続したという報告および上記薬剤の静脈内注入による効果が30日〜12週間持続したという報告がある。 様々な実施形態でレイノー病およびレイノー現象を治療する方法および組成物が提供される。プロスタグランジンE1化合物を含む半固形組成物の局所投与により、全身投与で生じ得る合併症を伴わずにレイノー病またはレイノー現象の所望の軽減がもたらされる。半固形組成物は必要に応じて、または1日当たり複数の用量となるレジメンで投与され得る。 特定の実施形態では、対象のレイノー病およびレイノー現象を治療する方法が提供され、この方法はプロスタグランジンE1化合物を含む半固形組成物を準備する段階と、罹患した身体部位の表面に有効量の半固形組成物を適用する段階とを含む。特定の実施形態では、半固形組成物は、プロスタグランジンE1、プロスタグランジンE1のC1〜C4エステルおよびその薬学的に許容される塩からなる群より選択されるプロスタグランジンE1化合物と、多糖ガム、化学修飾多糖ガムから選択される増粘剤と、N,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステルおよびその薬学的に許容される酸付加塩から選択される皮膚浸透促進剤と、(C1〜C4)−アルキル(C8〜C22)カルボン酸エステルとを含む。いくつかの実施形態では、N,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステルは、ドデシル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−プロピオナート、ドデシル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−アセタート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルドデカノアート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルミリスタート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルオレアートおよびその薬学的に許容される酸付加塩からなる群より選択される。特定の実施形態では、半固形組成物を単位用量ディスペンサで提供する。レイノー病またはレイノー現象の特徴である血管攣縮の誘発または悪化を避けるため、半固形組成物は、罹患した身体部位の表面に適用する際に室温であることが好ましい。特定の実施形態では、半固形組成物を室温で保管する。いくつかの実施形態では、半固形組成物を2つの部分からなる単位用量容器で提供する。好ましい実施形態では、罹患した身体部位の表面に適用されるプロスタグランジンE1化合物の総1日量は約0.5mg〜約5.7mgである。いくつかの実施形態では、総1日量を2〜4つの用量に分割し、12〜24時間にわたって別々に投与するレジメンで投与する。好ましい実施形態では、1日に3用量を適用する。罹患した身体部位は通常、四肢、手および/または足である。特定の実施形態では、患部および状態の重症度に応じて、総1日量を両手または片手に適用する。 他の実施形態では、罹患した身体部位の表面への組成物の局所投与によるレイノー病またはレイノー現象の治療で使用する、プロスタグランジンE1化合物を含む医薬組成物が提供される。特定の実施形態では、医薬組成物は、プロスタグランジンE1、プロスタグランジンE1のC1〜C4エステルおよびその薬学的に許容される塩からなる群より選択されるプロスタグランジンE1化合物と、多糖ガム、化学修飾多糖ガムから選択される増粘剤と、N,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステルおよびその薬学的に許容される酸付加塩から選択される皮膚浸透促進剤と、(C1〜C4)−アルキル(C8〜C22)カルボン酸エステルとを含む。いくつかの実施形態では、N,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステルは、ドデシル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−プロピオナート、ドデシル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−アセタート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルドデカノアート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルミリスタート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルオレアートおよびその薬学的に許容される酸付加塩からなる群より選択される。特定の実施形態では、医薬組成物を単位用量ディスペンサで提供する。レイノー病またはレイノー現象の特徴である血管攣縮の誘発または悪化を避けるため、医薬組成物は、罹患した身体部位の表面に適用する際に室温であることが好ましい。特定の実施形態では、半固形組成物を室温で保管する。いくつかの実施形態では、医薬組成物を2つの部分からなる単位用量容器で提供する。好ましい実施形態では、罹患した身体部位の表面に適用されるプロスタグランジンE1化合物の総1日量は約0.5mg〜約5.7mgである。いくつかの実施形態では、総1日量を2〜4つの用量に分割し、12〜24時間にわたって別々に投与するレジメンで投与する。好ましい実施形態では、1日に3用量を適用する。罹患した身体部位は通常、四肢、手および/または足である。特定の実施形態では、患部および状態の重症度に応じて、総1日量を両手または片手に適用する。 他の実施形態では、レイノー病またはレイノー現象の治療のための半固形医薬組成物の製造におけるプロスタグランジンE1化合物の使用が提供され、ここでは、罹患した身体部位の表面への半固形医薬組成物の局所投与によりレイノー病またはレイノー現象を治療する。特定の実施形態では、半固形医薬組成物は、プロスタグランジンE1、プロスタグランジンE1のC1〜C4エステルおよびその薬学的に許容される塩からなる群より選択されるプロスタグランジンE1化合物と、多糖ガム、化学修飾多糖ガムから選択される増粘剤と、N,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステルおよびその薬学的に許容される酸付加塩から選択される皮膚浸透促進剤と、(C1〜C4)−アルキル(C8〜C22)カルボン酸エステルとを含む。いくつかの実施形態では、N,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステルは、ドデシル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−プロピオナート、ドデシル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−アセタート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルドデカノアート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルミリスタート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルオレアートおよびその薬学的に許容される酸付加塩からなる群より選択される。特定の実施形態では、半固形組成物を単位用量ディスペンサで提供する。レイノー病またはレイノー現象の特徴である血管攣縮の誘発または悪化を避けるため、半固形医薬組成物は、罹患した身体部位の表面に適用する際に室温であることが好ましい。特定の実施形態では、半固形医薬組成物を室温で保管する。いくつかの実施形態では、半固形医薬組成物を2つの部分からなる単位用量容器で提供する。好ましい実施形態では、罹患した身体部位の表面に適用されるプロスタグランジンE1化合物の総1日量は約0.5mg〜約5.7mgである。いくつかの実施形態では、総1日量を2〜4つの用量に分割し、12〜24時間にわたって別々に投与するレジメンで投与する。好ましい実施形態では、1日に3用量を適用する。罹患した身体部位は通常、四肢、手および/または足である。特定の実施形態では、患部および状態の重症度に応じて、総1日量を両手または片手に適用する。図1は、動物モデルにおける16℃での寒冷刺激に応答した末梢血流に対する局所プロスタグランジン組成物の効果の試験結果をグラフで表したものである。図2は、動物モデルにおける16℃での寒冷刺激に応答した末梢温度に対する局所プロスタグランジン組成物の効果の試験結果をグラフで表したものである。 (発明の詳細な説明) 測定技術 レイノーにおける主要な問題は、指趾の動脈および細動脈の血管が収縮し、血流が指趾から短絡されることであるため、様々な方法を用いて血流量が測定されてきた。このような方法としては、プレチスモグラフィー、レーザードップラー血流測定(LDF)、レーザードップラーイメージング(LDI)、温度測定(直接的なデジタルおよびサーモグラフィー)およびドップラー超音波検査が挙げられる。大きな個体差がみられる場合が多く、正常な対象で得られる値の範囲は、レイノーで得られる範囲と重複するのが一般的である。ほかにも、試験装置を患者と直接接触させる必要のあるプレチスモグラフィー、レーザードップラー血流測定法、直接的なデジタル温度測定法およびドップラー超音波法のような方法では、患者の血液循環が乱れる恐れがある。さらに、精確で再現性のあるプローブ装着を行うことは難しく、上記方法の一部では、対象から多数の測定値を得る必要がある場合、再現性の問題が新たに生じる。これに対し、LDIおよびサーモグラフィーではより広い領域を調べることが可能であり、かつ患者に直接触れることがないため、より多くのデータを収集することが可能であり、直接的な患者との接触またはプローブ装着による変動が最小限に抑えられる。LDIの血流勾配とサーモグラフィーにより測定される温度勾配との相関性は低いと思われるが、両方法とも有用な情報を提供するものであると考えられる。患者の報告による尺度として頻繁に用いられるものには、頻度、重症度、トリガーおよび持続時間を記録する発作日誌ならびに疼痛または重症度および疾患の全般的状態を記録する視覚的アナログ尺度(VAS)がある。 血流量の間接的な尺度としての皮膚温度は、内因性因子および外因性因子の影響を受ける可能性がある。サーモグラフィーは、このような因子が測定値に与える影響を最小限に抑えるために、温度および湿度が制御された部屋で実施するべきものである。同一患者に対して異なる時間に測定を行うと、患者内で大きな変動がみられることがあるが、このような場合、効果の尺度として患者内での比較(遠位部と近位部との間の比を求めるか、または処置側の手とプラセボ側の手を比較する)を用いればよい。 レイノー患者では健常対象者よりベースラインの皮膚温度が低いことがサーモグラフィーにより示されている。また、女性レイノー患者の方が男性患者よりさらにベースラインが低いことも報告されている。ベースライン温度の2℃以上の変化が有意な変化を表すことが、複数の研究で見出されている。カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、PGI2およびPGE1の静脈内投与後、ニフェジピンの経口または舌下投与後あるいは患者の手首へのニトログリセリンテープ(NTG)装着後に平均皮膚温度が有意に上昇することが複数の研究で報告されている。 レイノー患者は寒冷刺激試験からの回復が異常であり、寒冷刺激後、復温開始が遅れる、回復速度が遅い、および設定時点における温度が低いということが、複数の研究者によりサーモグラフィーを用いて示されている。このほか、復温のパターンが異なる場合があり、健常対象者が指腹から始まって近位に広がる復温を示すのに対し、レイノー患者では復温が指の付け根から始まって遠位に広がる。CGRPでは10分で復温が2倍になることが認められており、またフルオキセチンではこれより少ないが、それでも有意な復温の改善が認められている。 レーザードップラー血流測定(LDF)およびレーザードップラーイメージング(LDI)は移動する粒子の密度と流量を測定するものであり、血流量を表すためには流量が用いられる。光を約1mm透過させると、様々な波長の光を用いて、表面の栄養毛細血管およびこれより深部にある温度を調節する血管を測定することができる。LDFは試験対象と直接接触させることが必要な測定法であり、位置をわずかに変えただけで流量が大きく変化するため、異なる部位を互いに比較することが難しく、また有意な個体内変動が認められている。LDIは手全体を走査し、部位間の変動を最小限に抑えることが可能であるが、この技術を用いた研究は少数しかない。LDIに関して報告されている単位は任意のものであるため、LDIは、絶対的な基準値を求める研究よりも比較研究に用いる方が有用である。LDFとLDIとの間には良好な相関関係が認められている。 指の血流量に対する局所三硝酸グリセリン(GTN)効果をワセリンまたは無処置と比較して評価するためにLDIが用いられた。局所GTN適用の直後および10分後に血流が有意に増加したことが報告されている。バルデナフィル処置の後、LDFにより測定したところ、指趾血流量の有意な増加がみられたという報告がある。一酸化窒素を生成するクリームを指腹に適用したところ、血流量が有意に増加したことがLDFを用いて報告されている。ゲルを除去すると血流量が減少したが、それでもなお、NOクリームとプラセボの間に有意な差が認められた。このほか、舌下ニフェジピンがプラセボに比べて血流量を増加させることが報告されている。静脈内PGI2によりLDFの測定値が増加することが報告されている。CGRP注入によりLDFの測定値が増加し、同時に顔面および手が潮紅したという報告がある。 レイノーの発作は通常、寒冷曝露により突発するため、これまで多くの研究者が、寒冷刺激を用いて発作または発作に典型的にみられる所見の誘発を試みた。しかし、研究者間でその寒冷刺激の方法論に相違がみられ、様々な温度(0℃、10℃、12℃、15℃、16℃、20℃)が約1〜10分の様々な持続時間で用いられてきた。ほとんどの研究が15℃または16℃の温度を1分間用いるものである。患者には、窮屈なものや対象の手の周りに空気が閉じ込められるような過度にゆるいものを避けて、丁度適合する大きさの薄い手袋(ラテックス手袋など)を装着させる。次いで、指定された時間の間、指定の温度の水浴中に手を下ろす。研究によっては中手骨の中程まで手を下ろすよう指定されている。水浴から手を出した後、手袋を外し、試験測定値を測定する。通常、寒冷刺激後に温度および/または血流量を10〜20分間測定する。有意な個体間差がみられるものの、この方法は治療研究に有用であると考えられる。 組成物 本発明の好適な実施形態の実施に適した局所プロスタグランジン組成物が米国特許第6,046,244号、同第6,118,020号、同第6,323,241号および同第6,841,574号に記載されており、上記明細書の内容全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。 好ましい一実施形態では、プロスタグランジンE組成物は、約0.025重量%〜約40重量%の増粘剤(例えば、グアーガム)と、約0.025重量%〜約10重量%のプロスタグランジンE化合物、好ましくはPGE1(アルプロスタジル)またはその薬学的に許容される塩と、約0.025重量%〜約40重量%の(C1〜C4)−アルキル(C8〜C22)カルボン酸エステル(例えば、ラウリン酸エチル)と、約0.025重量%〜約40重量%のN,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステル皮膚浸透促進剤(例えば、ドデシル2−(N,N−ジメチルアミノ)−プロピオナートまたはその塩)とを含む。 プロスタグランジンE(PGE)化合物は、側鎖内に9−オキソ,11α−ヒドロキシ置換基および不飽和を有する。このグループの化合物としては、式により表されるプロスタグランジンE1(PGE1)、式により表されるプロスタグランジンE2(またはPGE2)、式により表されるプロスタグランジンE3(またはPGE3)およびその薬学的に許容される塩が挙げられる。 PGE化合物は血管拡張剤として有用な治療活性をもち、男女の性障害の治療、脂質代謝の調節、潰瘍の治療、炎症性皮膚病変の治療などの治療用途に用いられてきた。 しかし、PGE化合物は比較的不安定であり、特に水溶液または水性環境中では分解しやすい。しかし現在、実質的にC1〜C4アルコールを含まず、ラウリン酸エチルのような(C1〜C4)−アルキル(C8〜C22)カルボン酸エステルを含む非水性媒質中で、PGE化合物を効果的に安定化させることが可能であることがわかっている。本発明のPGE組成物を適切な希釈剤(例えば、緩衝含水アルコールの組合せ)と使用前に組み合わせて、クリーム、ゲル、軟膏などのような局所剤形を形成することができる。増粘剤とエステルの比は約0.5:1〜約1.5:1の範囲内にあるのが好ましい。 PGE組成物を1つの部分からなる剤形で半固体組成物として、または包装され複数の部分からなる剤形として提供することができ、後者では、活性物質の区画がPGE組成物を単位用量として含み、希釈剤の区画が、PGE組成物と組み合わせたときに局所適用のための単位用量を形成する含水アルコール希釈剤を含んでいる。本発明の実施形態である包装され複数の部分からなる剤形において、活性物質の区画はほかにも、シリコーン油(例えば、シクロメチコンUSP、ジメチコンUSPのようなポリジメチルシロキサンなど)、C6〜C22アルコール(例えば、ベンジルアルコールまたは脂肪アルコール)などのような非水性液体の増量剤を含み得る。活性物質の区画および任意選択で希釈剤の区画は、増粘剤、例えば多糖(例えば、デンプン、ガム、デンプン誘導体またはガム誘導体)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、糖(例えば、ラクトース)などを含み得る。 複数の部分からなる剤形は、活性物質の区画と希釈剤の区画との間に破れやすい封がある2つの区画からなるパウチまたはパックを含むものであってよく、このパウチまたはパックを強く握ることにより、封を破って両区画の内容物を組み合わせることができる。次いで、パウチを手で揉んで内容物を十分に混合して乳化し、クリーム、軟膏またはゲルのPGE局所剤形を得る。あるいは、破れやすい封の代わりに鉗子などを用いてもよい。 PGE1およびPGE2は当業者に公知である。その薬理活性、副作用および通常の用量範囲に関しては、様々な参考文献を参照し得る。例えば、Physician’s Desk Reference,第51版(1997)、The Merck Index,第12版,Merck & Co.,N.J.(1996)およびMartindale The Extra Pharmacopoeia,第28版,London、The Pharmaceutical Press(1982)を参照されたい。本明細書で言及されるプロスタグランジンE1および他のPGE化合物は、その生理的に適合する塩およびエステル誘導体を含めたその薬学的に許容される誘導体も包含するものとする。 さらに、1つ以上の非エイコサノイド血管拡張薬との同時投与が望ましいことがあり、場合によっては相乗効果を示す。この点に関して、プラゾシンとプロスタグランジンE1との組み合わせが特に有利であることがわかっている。適切な非エイコサノイド血管拡張薬としては、硝酸、例えばニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、四硝酸エリスリチル、硝酸アミル、ニトロプルッシドナトリウム、モルシドミン、リンシドミンクロルヒドラート(「SIN−1」)およびS−ニトロソ−N−アセチル−d,l−ペニシラミン(「SNAP」);L−アルギニンのようなアミノ酸;長時間作用型および短時間作用型のα−アドレナリン遮断薬、例えばフェノキシベンザミン、ジベナミン、フェントラミン、タムスロシンおよびインドラミンなど、特にキナゾリン誘導体、例えばアルフゾシン、ブナゾシン、ドキサゾシン、テラゾシン、プラゾシンおよびトリマゾシンなど;血管拡張性の天然薬草組成物およびその生物活性抽出物、例えば牛車腎気丸、Satureja obovata、白花前胡、リポタブ、柴朴湯、ビンポセチン、イチョウ(Gingko biloba)、バコパ、アマチャズル(Gynostemma pentaphyllum)、ギペノシド、ゴシュユ(Evodia rutaecarpa)、ルテカルピン、デヒドロエボジアミン、丹参、丹参根、小柴胡湯、タイソウ(Zizyphi fructus)、人参およびこれらの混合物(米国特許第6,007,824号)など;エルゴタミンおよびエルゴタミン類似体のような麦角アルカロイド、例えば、アセテルガミン、ブラゼルゴリン、ブロメルグリド、シアネルゴリン、デロルゴトリル、ジスレルギン、エルゴノビンマレイン酸、エルゴタミン酒石酸塩、エチスレルギン、レルゴトリル、リセルギド、メスレルギン、メテルゴリン、メテルゴタミン、ニセルゴリン、ペルゴリド、プロピセルギド、プロテルグリドおよびテルグリド;ジアゾキシド、ヒドララジンおよびミノキシジルのような抗高血圧薬;血管拡張薬、例えばニモデピン(nimodepine)、ピナシジル、シクランデラート、ジピリダモールおよびイソクスプリンなど;クロルプロマジン;ハロペリドール;ヨヒンビン;トラゾドンならびに血管作動性腸ペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。 医薬組成物中のプロスタグランジンE1などの血管作動性プロスタグランジンの量は治療上有効な量であり、所望の用量、剤形および使用する血管作動性プロスタグランジンの具体的な形態に応じて必然的に異なるものである。本明細書で総称的に使用される「プロスタグランジン」という用語は、例えばプロスタグランジンE1(PGE1)、その薬学的に許容されるおよびその低級アルキルエステル(本明細書で使用される「低級アルキル」という用語は、1〜4個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルキルを意味する)を含めた、プロスタグランジン遊離酸およびその薬学的に許容される誘導体を指す。組成物は一般的には、組成物の総重量を基準として、血管作動性プロスタグランジン、例えばプロスタグランジンE1を0.001%〜1%含有し、通常は0.05%〜1%、好ましくは0.1%〜0.5%含有する。 本発明のプロスタグランジンE組成物を用いて、包装され複数の部分からなる剤形を提供することが好ましく、この剤形では、活性物質の区画がプロスタグランジンE組成物を単位用量として含み、希釈剤の区画が、プロスタグランジンE組成物と組み合わせたときに局所適用のための単位用量を形成する含水アルコール希釈剤を含んでいる。本発明の実施形態である包装され複数の部分からなる剤形において、活性物質の区画はほかにも、シリコーン油(例えば、シクロメチコンUSP、ジメチコンUSPのようなポリジメチルシロキサンなど)、C6〜C22アルコール(例えば、ベンジルアルコールまたは脂肪アルコール)などのような非水性液体の増量剤を含み得る。活性物質の区画および任意選択で希釈剤の区画は、増粘剤、例えば多糖(例えば、デンプン、ガム、デンプン誘導体またはガム誘導体)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、糖(例えば、ラクトース)などを含み得る。 本発明のプロスタグランジンE組成物を用いて、包装され複数の部分からなる剤形を提供することが好ましく、この剤形では、活性物質の区画がプロスタグランジンE組成物を単位用量として含み、希釈剤の区画が、プロスタグランジンE組成物と組み合わせたときに局所適用のための単位用量を形成する含水アルコール希釈剤を含んでいる。本発明の実施形態である包装され複数の部分からなる剤形において、活性物質の区画はほかにも、シリコーン油(例えば、シクロメチコンUSP、ジメチコンUSPのようなポリジメチルシロキサンなど)、C6〜C22アルコール(例えば、ベンジルアルコールまたは脂肪アルコール)などのような非水性液体の増量剤を含み得る。活性物質の区画および任意選択で希釈剤の区画は、増粘剤、例えば多糖(例えば、デンプン、ガム、デンプン誘導体またはガム誘導体)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、糖(例えば、ラクトース)などを含み得る。 本発明のプロスタグランジンE組成物は、N,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステルまたはその薬学的に許容される酸付加塩である皮膚浸透促進剤を含む。本明細書で使用される「(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステル」という用語は、(C4〜C18)アルコールと(C2〜C18)カルボン酸のエステルを意味する。(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステルに関連する「N,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換」という用語は、エステルが調製されるアルコール部分またはカルボン酸部分がアミノ置換基NRxRyを有することを意味し、式中、RxおよびRyは、それぞれ独立して(C1〜C8)アルキル基である。好ましくは、RxおよびRyはともにメチル基である。 好適なN,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステルは、ドデシル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−プロピオナート(DDAIP);ドデシル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−アセタート(DDAA);1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルドデカノアート(DAIPD);1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルミリスタート(DAIPM);1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルオレアート(DAIPO);およびその薬学的に許容される酸付加塩である。特に好適なものは、単独のDDAIPまたは補助的な透過促進剤と組み合わせたDDAIPである。DDAIPはSteroids社(Chicago、IL)から入手可能である。DDAIPおよびその結晶酸付加塩の調製については、Biiyuktimkinらに対する米国特許第6,118,020号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。長鎖である同様のアミノ置換アルキルカルボン酸エステルを、Wongらに対する米国特許第4,980,378号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている通りに、容易に入手可能な化合物から合成することができる。このようなアミノ置換カルボン酸エステルの浸透促進剤はほかにも、アルキル−2−(N−置換アミノ)−アルカノアートやアルカン酸(N−置換アミノ)−アルカノールと呼ばれることもある。参照しやすいように、アルキル−2−(N−置換アミノ)−アルカノアートとアルカン酸(N−置換アミノ)−アルカノールをアルキル(N−置換アミノ)エステルという用語にまとめることもある。 浸透促進剤は、プロスタグランジンE化合物の組織内への浸透を促進するのに十分な量で存在する。その具体的な量は、所望の放出速度および使用するプロスタグランジンE化合物の具体的な形態に応じて必然的に異なるものである。この量は一般的に、本明細書に記載の通りに本発明のプロスタグランジンE組成物と含水アルコール希釈剤とを混合することにより調製される局所用量の総重量を基準として約0.01%〜約20%の範囲内にある。 天然および修飾多糖(例えば、ガム)をプロスタグランジンE組成物の粘度増強剤として使用することができる。このような増粘剤は、任意選択で、希釈剤中またはプロスタグランジンE組成物と希釈剤の両方の中に存在していてよい。適切なガムとして代表的なものに天然および修飾ガラクトマンナンガムがある。ガラクトマンナンガムとは、D−ガラクトースとD−マンノースの単位を含む糖質ポリマーまたはこのようなポリマーの他の誘導体のことである。比較的多くの種類のガラクトマンナンが存在し、その起源によって組成が異なる。ガラクトマンナンガムは、β−D−マンノピラノシル単位が結合した(1−>4)直線構造を特徴とする。一体になったα−D−マンノピラノシル単位が主鎖と結合し(1−>6)、側鎖として存在している。ガラクトマンナンガムとしては、2種類のマメ科植物(Cyamposis tetragonalobusおよびCyamposis psoraloids)のいずれかの種子の胚乳を粉砕したものであるグアーガムおよびイナゴマメ(Ceratonia siliqua)の種子の胚乳に存在するローカストビーンガムが挙げられる。適切な修飾多糖ガムとしては、カルボキシルメチルエーテル、エチレングリコールエーテルおよびプロピレングリコールエーテルのような天然または置換多糖ガムのエーテルが挙げられる。 他の適切なガムの代表的なものとしては、アガーガム、カラギーナンガム、ガティガム、カラヤガム、ラムザンガムおよびキサンタンガムが挙げられる。本発明の組成物は、様々なガムの混合物またはガムと酸性ポリマーとの混合物を含有しる。 ガム、特にガラクトマンナンガムはよく知られている材料である。例えば、Industrial Gums:Polysaccharides & Their Derivatives,Whistler R.L.およびBeMiller J.N.(編),第3版,Academic Press(1992)ならびにDavidson R.L.,Handbook of Water−Soluble Gums and Resin,McGraw−Hill,Inc.,N.Y.(1980)を参照されたい。ほとんどのガムが様々な形態で、多くの場合は粉末で市販されており、食品や局所組成物に使用できる状態になっている。例えば、Tic Gums社(Belcam,MD)から粉末状のローカストビーンガムを入手すること可能である。 増粘剤は、本発明のプロスタグランジンE組成物中に約0.025重量%〜約40重量%の範囲で、またプロスタグランジンE組成物と希釈剤とを混合することにより調製される局所剤形の総重量を基準として約0.1%重量%〜約5重量%の範囲で存在するのが好ましい。局所剤形中に存在する増粘剤の好ましい範囲は約0.5〜3%である。 別の増粘剤としては、架橋ポリアクリル酸ポリマーおよびセルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)が挙げられる。 よく用いられる種類のポリアクリル酸ポリマーは、一般的に「カルボマー」として知られているものである。カルボマーとは、ポリアルケニルポリエーテルで弱く架橋されたポリアクリル酸ポリマーのことである。カルボマーは、B.F.Goodrich社(Akron、Ohio)により「CARBOPOL(登録商標)」の名称で市販されている。特に好適な種類のカルボマーは、「CARBOPOL(登録商標)940」という名称のものである。 使用に適した他のポリアクリル酸ポリマーには、「PEMULEN(商標)」(B.F.Goodrich社)および「POLYCARBOPHIL(商標)」(A.H.Robbins社、Richmond、VA)の名称で市販されているものがある。PEMULEN(商標)ポリマーは、C10〜C30アルキルアクリル酸と、アクリル酸、メタクリル酸またはスクロースのアリルエーテルもしくはペンタエリスリトールのアリルエーテルで架橋されたその単純エステルのうちの1つの1つ以上のモノマーとのコポリマーである。POLYCARBOPHIL(商標)製品は、ジビニルグリコールで架橋されたポリアクリル酸である。ポリアクリル酸ポリマーが存在する場合、それは組成物の総重量を基準として、組成物の約0.5%〜約5%に相当する割合になる。 本発明のプロスタグランジンE組成物中の(C1〜C4)−アルキル(C8〜C22)カルボン酸エステル(例えば、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸イソプロピルまたはその2つ以上の混合物)の濃度は、所望の半固体の粘稠度および所望の皮膚浸透促進効果のような様々な因子に応じて必然的に異なるものである。(C1〜C4)−アルキル(C8〜C22)カルボン酸エステルの濃度は、プロスタグランジンE組成物の総重量を基準として約0.025重量%〜約40重量%の範囲内にあるのが適切である。好適な組成物は、プロスタグランジンE組成物の総重量を基準として約0.5重量%〜約35重量%の範囲内で(C1〜C4)−アルキル(C8〜C22)カルボン酸エステルを含有する。 任意選択であるが好ましい成分には乳化剤があり、これはプロスタグランジンE組成物中または希釈剤中に存在してよい。適切な乳化剤は一般に、10を上回る数値の親水性−親油性バランスを示す。スクロースエステル、特にスクロースステアリン酸エステルが組成物の乳化剤として働き得る。スクロースステアリン酸エステルは、様々な商業的供給源から入手可能なよく知られている乳化剤である。乳化剤を使用する場合、スクロースステアリン酸エステルが組成物の総重量を基準として約2%以下の量で存在するのが好ましい。スクロースステアリン酸エステル乳化剤の好ましい量は、乳化剤と多糖ゴムの重量比で表すことができる。 他の適切な乳化剤には、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、長鎖アルコール、好ましくはセトステアリルアルコールおよび脂肪酸グリセリドがある。適切なポリオキシエチレンソルビタンエステルとしては、モノラウリン酸エステル(TWEEN(登録商標)20、SPAN(登録商標)20)、モノパルミチン酸エステル(TWEEN(登録商標)40)、モノステアリン酸エステル(TWEEN(登録商標)60)およびモノオレイン酸エステル(TWEEN(登録商標)80)ならびにその混合物が挙げられる。好適な脂肪酸グリセリドとしては、モノオレイン酸グリセリル、トリオレイン、トリミリスチンおよびトリステアリンが挙げられる。 別の任意選択の成分には、最終調製物が振盪または撹拌時に泡を形成する傾向を抑制する化学物質である消泡剤がある。シリコーンが好適な消泡剤であるが、多種多様なアルコールおよび脂質が同様の特性を示す。アルコールを除いては、選択される消泡剤は、比較的低濃度で効果が得られるものでなくてはならず、微量に使用されるものである。消泡剤の例としては、ジメチコン、セチルジメチコン、ジメチコンシリラート、ジメチコノール、ジメチコンと水和シリカの混合物、イソプロピルアルコール、ヘキシルアルコール、トリメチルシロキシケイ酸、トリフェニルトリメチコンなどが挙げられる。特に好適な消泡剤は、平均鎖長200〜300のジメチルシロキサン単位を有するジメチコンと水和シリカとの混合物であり、Dow Corning社(Michigan)によりSIMETHICONE(登録商標)USPの名称で市販されている。 本発明のプロスタグランジンE組成物は実質的にC1〜C4アルコール(例えば、メタノール、エタノールなど)を含まない。エタノールのような低級アルキルアルコールは、長期間(例えば、数週間〜数か月)にわたる保管の間にロスタグランジンE化合物の分解を生じさせるということがわかっている。本明細書で使用される「C1〜C4アルコールを実質的に含まない」という語句は、組成物が不安定性をもたらす量の低級アルキルアルコールを含有しないことを意味する。組成物は、プロスタグランジンE組成物の1つ以上の成分に由来する副生成物または夾雑物として存在し得る微量レベル以下の低級アルキルアルコール(例えば、ラウリン酸エチルに由来する微量のエタノール)を含有するのが好ましい。本発明のプロスタグランジンE組成物は通常、希釈剤と混合する前の時点で約0.5重量%以下のC1〜C4アルコールを含有する。 本発明のプロスタグランジンE組成物と混合するのに有用な含水アルコール希釈剤は、必要に応じて1つ以上の緩衝剤(すなわち、緩衝剤系)を含み得る。緩衝剤系を選択して、組成物のpHを所望の範囲内に維持または緩衝する。本明細書で使用される「緩衝剤系」または「緩衝剤」という用語は、水溶液中にある場合に、その溶液に酸または塩基が加えられてもpH(または水素イオン濃度または水素イオン活量)が大きく変化しないように溶液を安定化させる、1つまたは複数の溶質物質を指す。上に示した範囲内での開始緩衝pH値からのpHの抵抗または変化に関与する1つまたは複数の溶質物質はよく知られている。適切な緩衝剤が無数に存在するが、本発明の組成物にはリン酸カリウム緩衝剤(例えば、リン酸カリウム一水和物、KH2P04N.F.など)が有効であることが証明されており、好ましい緩衝剤である。 プロスタグランジンE組成物と希釈剤との組み合わせにより調製される局所組成物の最終的なpH値は、生理的に適合する範囲内で変化し得る。最終的なpH値は、ヒトの皮膚を刺激しないもの、かつ好ましくはプロスタグランジンE化合物の経皮輸送を促進するものである必要がある。この制約が破られない限り、必要に応じてpHを選択し、プロスタグランジンE化合物の安定性を向上させたり、粘稠度を調節したりしてもよい。一実施形態では、好ましいpH値は約3.0〜約7.4、より好ましくは約3.0〜約6.5、最も好ましくは約3.5〜約6.0である。 希釈剤中に存在する水は精製された水、例えば脱イオン水であることが好ましい。希釈剤は、希釈剤の総重量を基準として約5重量%〜約95重量%以上の範囲内で水を含有することが好ましい。しかし、特定量の水が存在することは重要ではなく、それはプロスタグランジンE組成物と混合したときに所望の粘度(通常は約50cps(約0.05Pa・s)〜約30,000cps(約30Pa・s)および/または組合せの濃度が得られるように調節可能なものである。プロスタグランジンE組成物と希釈剤とを混合することにより形成される局所組成物は、粘度が少なくとも約30センチポアズ(約0.03Pa・s)であることが好ましい。粘度増強剤を含ませて所望のレベルの粘度にすることができる。希釈剤はこのほか、約95重量%以下のC1〜C4アルコール(例えば、エタノール)を含むことが好ましい。 プロスタグランジンE化合物の安定性または浸透を制限しない程度に、プロスタグランジンE化合物安定化剤ならびに添加剤、例えば、シクロデキストリン、着色剤、レオロジー剤および保存剤などを添加することができる。 上に挙げた成分は、好ましくは実質的に全体に均等に分散した、プロスタグランジンE1などのようなプロスタグランジンE化合物を最終的に支える組成物が生成される任意の順序および方法で組み合わせてよい。本発明のプロスタグランジンE組成物のような医薬組成物を混合し調合する方法は当該技術分野で周知である。 本発明の2つの部分からなる包装された剤形で使用するのに好適な希釈剤は、1〜約20重量%のエタノールと、80〜99重量%の水と、プロスタグランジンE組成物と希釈剤を混合することにより調製される局所剤形における所望の生理的に適合するpHを維持する適切な量の1つ以上の緩衝剤とを含む。 プロスタグランジンE化合物の有効性に悪影響を与えない治療組成物の変形形態が当業者には明らかであり、本発明の範囲に含まれる。例えば、得られた製剤が上記のような望ましい特性を保持する限り、追加の成分、例えば着色剤、抗菌保存剤、乳化剤、滑沢剤、香料、プロスタグランジンE化合物安定化剤などを含ませてもよい。保存剤が存在する場合、通常、約0.05%〜約0.30%の量でこれを添加する。適切な保存剤としては、メチルパラベン(メチルPABA)、プロピルパラベン(プロピルPABA)およびブチルヒドロキシトルエン(BHT)が挙げられる。組成物中に組成物の総重量を基準として約5重量%以下の量で芳香剤を含ませてもよい。適切な香料および芳香剤は当該技術分野で公知である。適当な芳香剤の非限定的な例にはミルテノールがあり、好ましくは約2重量%以下の量でこれを使用する。 本発明の組成物はこのほか、必要に応じて少量(例えば、約0.01重量%〜約4重量%)の局所麻酔薬を含み得る。典型的な局所麻酔薬としては、リドカイン、ベンゾカイン、ジクロニン、ジブカイン、その薬学的に許容されるおよびこれらの混合物が挙げられる。好ましい一実施形態では、局所麻酔薬は、組成物の重量を基準として約0.5%のジクロニンである。 2構成要素の剤形の例を下の表1に記載する: このほか、必要に応じてPGE組成物および/または希釈剤に保存剤、例えばメチルパラベン、プロピルパラベン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどを含ませてもよい。プロスタグランジンE組成物および希釈剤を撹拌により混合して、局所プロスタグランジンE剤形を形成することができる。 別の実施形態では、プロスタグランジンE群の化合物を、非水性液体またはフィルムもしくは粉末形態の固体であり得る増量剤とともにこの化合物を含む非水性組成物として安定化させる。任意選択で皮膚浸透促進剤が存在していてもよい。適切なこのような組成物は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,841,574号に開示されている。このような好適な非水性固形剤形は、担体シートまたはフィルム中に実質的に均一に分布したプロスタグランジンE群の化合物を含む。このシートもしくはフィルムの所定の大きさの一部分を、湿らせた身体部分の表面に適用するか、または湿潤な体腔内に直接導入して、プロスタグランジン化合物を放出させることができる。あるいは、プロスタグランジン化合物を含むシートもしくはフィルムの所定の大きさの一部分を、プロスタグランジン化合物の生理的に適合する送達溶媒として働く水性または非水性溶媒に溶解させてもよい。局所適用には、局所送達溶媒をクリーム、ゲルまたは軟膏のような粘稠性で実質的に非流動性のものとする。 プロスタグランジンE化合物を、生理的に適合するポリマー物質、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのようなセルロールエーテル、デンプン、ポリビニルピロリドンなどのような多糖からなるシート状材料中、すなわちシートまたはフィルム中に実質的に均一に分布した固体として組み込むことができる。厚さが約10ミル(約250μm)以下のシート状材料を通常、フィルムと呼び、厚さが約10ミル(約250μm)を超えるものを通常、シートと呼ぶ。本明細書および添付の「特許請求の範囲」で使用される「シート状」という用語は、シートのみならずフィルムも指す。シート状材料は固体材料であっても、例えばスポンジなどの多孔性の材料であってもよい。必要に応じて、分散したプロスタグランジンE化合物を含有するシート状材料をディスク、錠剤、ペレットなどに変形させてもよい。 上記シート状の製品は、湿潤した体腔内に直接導入するために水溶性であってよく、あるいは局所適用に適したクリームまたは軟膏を調製するために生理的に適合する非水性溶媒に可溶性であってもよい。当然のことながら、プロスタグランジンを含むシート状材料の水溶性部分を、ポリカルボフィル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(例えば、いわゆるポロキサマー)およびこれらの混合物に基づく水性ゲルならびにポリソルベート、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの液体ブロックコポリマーなどに基づく非水性ゲルの調製に用いてもよい。 また必要に応じて、本発明のプロスタグランジンE化合物を含むシート状材料に、生理的に適合する可塑剤、溶解促進剤(例えば、ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン)などを含ませてもよい。 上記プロスタグランジンEを含むシート状材料は、まず所望のプロスタグランジンE化合物をC2〜C4脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのような非水性溶媒にポリマー物質とともに、場合によっては皮膚浸透促進剤とともに溶かした溶液を形成し、次いで、この溶液を連続的にローラーに流し込むか、バッチ式に浅い皿状の器具に流し込んだ後、そこから溶媒を蒸発させることにより調製することができる。得られたシートまたはフィルムには、非水性媒体全体に実質的に均一に分布したプロスタグランジンE化合物が含まれており、これをそれぞれが所定のPGE含有量になるよう容易に所望の用量に細分し配分することができる。また、キャストシートまたはキャストフィルムを固体表面上に保持したまま保管し、使用する直前に溶かすこともできる。 他の実施形態では、プロスタグランジンE化合物を経皮パッチに組み込む。例えば、米国特許第5,480,648号および同第7,087,240号に適切な経皮パッチが開示されている。 上記単位用量を用いて、活性物質の区画が単位用量のプロスタグランジンE化合物を含み、不活性物質の区画が局所適用のための送達溶媒を含む包装され対の区画からなる剤形に提供することができる。本発明の実施形態である包装され対の区画からなる剤形では、活性物質の区画は、プロスタグランジンE化合物を非水性液体状、微粒子状または粒状の増量剤とともに含む。適切な液体増量剤には、ポリジメチルシロキサンのようなシリコーン油、例えば、シクロメチコンUSP、ジメチコンUSPなどがある。この特定の目的に適切な固体増量剤には、ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン、ベータシクロデキストリン、ガンマシクロデキストリンなどのようなシクロデキストリン、デンプン、ガムなどのような多糖、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、糖などがある。 特に好適な本固形剤形は、少なくとも1つのPGE化合物、好ましくはPGE1とアルキル(N−置換アミノ)エステルとを含み、この2つの化合物が担体シート中に実質的に均一に分布しているか、または包装され対の区画からなる剤形の活性物質の区画中で混ざり合っている。本目的にはPGE1およびPGE2が特に好適な血管作動性物質である。 本固形剤形での使用に適した浸透促進剤のうち、一般にドデシル2−(,N−ジメチルアミノ)−プロピオナートおよびその結晶塩が好ましい。このような結晶塩の調製に関しては、Buyuktimkinらに対する米国特許第6,118,020号に記載されている。 浸透促進剤は、プロスタグランジンE化合物の組織内への浸透を促進するのに十分な量で存在する。その具体的な量は、所望の放出速度および使用するプロスタグランジンE化合物の具体的な形態に応じて必然的に異なるものである。一般的には、この量は、組成物の総重量を基準として約0.01%〜約20%の範囲内にある。 また、活性化合物の制御された放出または徐放を含めた所望の放出速度を、局所送達溶媒、例えば、ポリジメチルシロキサンなどのような疎水性溶媒の選択により調節することができる。このほか、カルボキシ末端化ポリジメチルシロキサンが活性化合物による皮膚浸透を促進し得る。 また、天然および修飾多糖ガムが担体シートまたは局所送達溶媒の一部として存在していてもよい。適切なガム剤の代表的なものにとは、上記のような天然および修飾ガラクトマンナンガム剤がある。適切な修飾多糖ガムとしては、カルボキシルメチルエーテル、エチレングリコールエーテルおよびプロピレングリコールエーテルのような天然または置換多糖ガムのエーテルが挙げられる。 多糖ガムが存在する場合、それは組成物の総重量を基準として約0.1%〜約5%の範囲内で存在し、好ましい範囲は約0.5%〜3%の範囲である。好ましい一実施形態では、約2.5重量%の多糖ゴムが存在する。任意選択で多糖ゴムに代わるものには、上記のようなポリアクリル酸ポリマーがある。 必要な脂溶性化合物の濃度は、所望の半固体の粘稠度および所望の皮膚浸透促進効果のような他の因子に応じて必然的に異なるものである。脂溶性化合物の適切な濃度は、組成物の総重量を基準として約0.5重量%〜約40重量%の範囲である。好適な局所組成物は、組成物の総重量を基準として約7重量%〜約40重量%の範囲で脂溶性化合物を含有する。 脂肪族アルコールと脂肪族エステルの混合物を用いる場合、適切なアルコールの量は約0.5%〜約75%の範囲内にある。好ましい一実施形態では、(同様に組成物の総重量を基準として)アルコールの量が約5%〜約15%の範囲内にあり、脂肪族エステルの量が約2%〜約15%の範囲内にある。別の好ましい実施形態では、(同様に組成物の総重量を基準として)アルコールの量が約0.5%〜約10%の範囲内にあり、脂肪族エステルの量が0%〜約10%の範囲内にある。 任意選択であるが好ましい成分には乳化剤がある。適切な乳化剤は一般に、10を上回る数値の親水性−親油性バランスを示す。スクロースエステル、特にスクロースステアリン酸エステルが組成物の乳化剤として働き得る。スクロースステアリン酸エステルは、様々な商業的供給源から入手可能なよく知られている乳化剤である。乳化剤を使用する場合、スクロースステアリン酸エステルが組成物の総重量を基準として約2%以下の量で存在するのが好ましい。スクロースステアリン酸エステル乳化剤の好ましい量は、乳化剤と多糖ゴムの重量比で表すことができる。 他の適切な乳化剤には、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、長鎖アルコール、好ましくはセトステアリルアルコールおよび脂肪酸グリセリドがある。適切なポリオキシエチレンソルビタンエステルとしては、モノラウリン酸エステル(TWEEN(登録商標)20、SPAN(登録商標)20)、モノパルミチン酸エステル(TWEEN(登録商標)40)、モノステアリン酸エステル(TWEEN(登録商標)60)およびモノオレイン酸エステル(TWEEN(登録商標)80)ならびにこれらの混合物が挙げられる。好適な脂肪酸グリセリドとしては、モノオレイン酸グリセリル、トリオレイン、トリミリスチンおよびトリステアリンが挙げられる。別の任意選択の成分には、最終調製物が振盪または撹拌時に泡を形成する傾向を抑制する化学物質である消泡剤がある。 組成物は、必要に応じて緩衝剤系を含み得る。緩衝剤系を選択して、組成物のpHを所望の範囲内に維持または緩衝する。本明細書で使用される「緩衝剤系」または「緩衝剤」という用語は、水溶液中にある場合に、その溶液に酸または塩基が加えられてもpH(または水素イオン濃度または水素イオン活量)が大きく変化しないように溶液を安定化させる、1つまたは複数の溶質物質を指す。上に示した範囲内での開始緩衝pH値からのpHの抵抗または変化に関与する1つまたは複数の溶質物質はよく知られている。適切な緩衝剤が無数に存在するが、本発明の組成物にはリン酸カリウム一水和物が有効であることが証明されており、好ましい緩衝剤である。 医薬組成物の最終的なpH値は、生理的に適合する範囲内で変化し得る。最終的なpH値は、ヒトの皮膚を刺激しないもの、かつ好ましくはプロスタグランジンE化合物の経皮輸送を促進するものである必要がある。この制約が破られない限り、必要に応じてpHを選択し、プロスタグランジンE化合物の安定性を向上させたり、粘稠度を調節したりしてもよい。一実施形態では、好ましいpH値は約3.0〜約7.4、より好ましくは約3.0〜約6.5、最も好ましくは約3.5〜約6.0である。 好適な局所送達溶媒では、組成物の残りの成分は水であり、これは精製水、例えば脱イオン水であることが必要である。このような送達溶媒組成物は、組成物の総重量を基準として約50%〜約95%以上の範囲内で水を含有する。しかし、特定量の水が存在することは重要ではなく、それはプロスタグランジンE組成物と混合したときに所望の粘度(通常は約50cps(約0.05Pa・s)〜約10,000cps(約10Pa・s)および/または他の成分の濃度が得られるように調節可能なものである。局所送達溶媒は、粘度が少なくとも約30センチポアズ(約0.03Pa・s)であることが好ましい。 プロスタグランジンE化合物の安定性または浸透を制限しない程度に、有機酸およびアルコールのようなプロスタグランジンE化合物安定化剤、シクロデキストリン、着色剤、レオロジー剤ならびに保存剤を添加することができる。 上に挙げた成分は、好ましくは実質的に全体に均等に分散した、PGE1などのようなプロスタグランジンE化合物を最終的に支える組成物が生成される任意の順序および方法で組み合わせてよい。このような組成物を調製するのに利用可能な1つの方法は、予め混合した水/緩衝剤溶液中に多糖ゴム(またはポリアクリル酸)を均等に分散させ、次いで、得られた混合物を十分にホモジナイズ(すなわち、混合)するものである。乳化剤が存在する場合、多糖ゴムを分散させる前に乳化剤を水/緩衝剤溶液に加える。例えば、濃縮されたリン酸または水酸化ナトリウムを添加することにより、pH値を所望のレベルに調節する任意の適切な方法を用い得る。 次いで使用前に、プロスタグランジンE化合物を、場合によっては浸透促進剤とともに、混合により上記のものと組み合わせる。 一実施形態では、適用できる状態の製剤は、それぞれ製剤の重量を基準として、約0.01%〜約5%の修飾多糖ゴム;約0.001%〜約1%のプロスタグランジンE化合物、好ましくはPGE1またはその薬学的に許容される塩、その低級アルキルエステルおよびこれらの混合物;約0.5%〜約10%のドデシル2−(N,N−ジメチルアミノ)−プロピオナートまたはその塩;エタノール、プロパノール、イソプロパノールおよびこれらの混合物からなる群より選択される約0.5%〜約10%の低級アルコール;ラウリン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸イソプロピルおよびこれらの混合物からなる群より選択される約0.5%〜約10%のエステルを酸緩衝剤とともに含む。製剤はこのほか、約2重量%以下のスクロースステアリン酸エステルを含むのが好ましい。 プロスタグランジンE化合物の有効性に悪影響を与えない治療組成物の変形形態が当業者には明らかであり、本発明の範囲に含まれる。例えば、得られた製剤が上記のような望ましい特性を保持する限り、追加の成分、例えば着色剤、抗菌保存剤、乳化剤、滑沢剤、香料、プロスタグランジンE化合物安定化剤などを含ませてもよい。保存剤が存在する場合、通常、約0.05%〜約0.30%の量でこれを添加する。適切な保存剤としては、メチルパラベン(メチルPABA)、プロピルパラベン(プロピルPABA)およびブチルヒドロキシトルエン(BHT)が挙げられる。適切な香料および芳香剤は当該技術分野で公知であり、組成物の総重量を基準として、適切な芳香剤は約5%以下であり、芳香剤は当該技術分野で公知であり、適切な芳香剤は5%以下のミルテノールであり、好ましくは約2%のミルテノールである。本発明の組成物はこのほか、必要に応じて少量(約0.01重量%〜約4重量%)の局所麻酔薬を含み得る。典型的な局所麻酔薬としては、リドカイン、ベンゾカイン、ジクロニン、ジブカイン、その薬学的に許容されるおよびこれらの混合物が挙げられる。好ましい一実施形態では、局所麻酔薬は、組成物の重量を基準として約0.5%のジクロニンである。 実施例 実施例1 16℃の寒冷刺激への応答における局所プロスタグランジンE1組成物の適用の効果を検討するために、レイノー病の動物モデルを用いたプラセボ対照試験を実施した。試験結果は、プロスタグランジンE1を0.22重量%含有する組成物の局所適用により血流量が実質的に増加することを示すものであった。 試験群およびプラセボ群に雌性無毛ラット(約250g、Harlan Laboratories,Inc.、Indianapolis、IN)を用いた(1群当たりラット10匹)。表2に記載の成分を有する試験組成物およびプラセボ組成物を調製し、4℃で保管した。ラットを拘束状態に置き、寒冷刺激の10分前、室温になるまで放置した試験組成物またはプラセボ組成物を各ラットの尾部全体に適用した。試験群には試験組成物をアルプロスタジル220μgの用量で投与し、対照群にはプラセボ組成物を投与した。尾部を16℃の冷水浴中に浸すことにより寒冷刺激を実施した。 クリーム適用前(tマイナス10分)、クリーム適用の10分後(t0に寒冷刺激を開始する直前)ならびに16℃(60.8°F)での寒冷刺激開始の30分、60分および90分後の各時点で、レーザードップラー血流計および赤外線放射温度計を用いて尾基部皮膚の血流量および温度を測定した。測定時、尾部を水浴から取り出し、水を拭き取った後に血流量および温度を測定した。測定後、直ちに尾部を水浴中に入れた。 試験の結果を図1および図2に示す。図1は、16℃での寒冷刺激に応答した末梢血流に対する局所プロスタグランジン組成物の効果の試験結果をグラフで表したものである。試験アルプロスタジル組成物(黒三角)およびプラセボ組成物(黒四角)による処置に関して、平均尾部血流量(電束=V*mとして)および標準誤差が時間に対してプロットされている。アルプロスタジル治療群では、60分後をピークとする血流量の有意な増加がみられる。図2は、16℃(60.8°F)での寒冷刺激に応答した末梢温度に対する局所プロスタグランジン組成物の効果の試験結果をグラフで表したものである。アルプロスタジル組成物で処置した個体が対照群に比べて血流量の実質的な増加を示したのに対し、試験群およびプラセボ群ともに尾部温度が同じように低下して水浴の温度とほぼ等しくなった(図1と図2の30分、60分および90分後を比較されたい)。 実施例2 全身性硬化症に続発するレイノー現象に対するアルプロスタジルの効果および忍容性ならびに試験化合物が被験者の指の血流量を増加させる能力を評価するために、プラセボ(溶媒)を対照とする無作為化二重盲検クロスオーバーデザインの用量範囲探索試験を実施する。 目的: 第一の目的は、様々な用量の局所アルプロスタジルによる4週間の生存期間にわたる治療後に、全身性硬化症に続発するレイノー現象の患者におけるレイノー現象の複合指数(レイノー状態スコア(RCS)、患者による包括的評価、医師による包括的評価、発作頻度、発作持続時間および発作症状スコア(疼痛、痺れ感および刺痛)を含む)を減少させることならびに臨床利用のための至適用量を決定することである。 第二の目的には、忍容性ならびに生活の質および被験者の機能状態の他の臨床的尺度ならびに指趾先端部の虚血性潰瘍の治癒および予防に対する臨床的効果の予備的情報を評価することが含まれる。 サブ試験には、急性および慢性の両投与後の15−ケト−PGの定量(薬物動態)ならびに生理学的効果を明らかにするための寒冷刺激時の指灌流のレーザードップラー速度測定試験(薬力学)が含まれる。 試験デザイン: この試験は、全身性硬化症に続発するレイノー現象を有する被験者における局所アルプロスタジルの第III相、多施設、前向き、無作為化、二重盲検、コホート内クロスオーバーデザイン試験である。被験者、治験責任医師(PI)、臨床スタッフおよびメディカルモニターは試験薬の投与に対して盲検性が維持される。インフォームドコンセントが得られる適格な被験者を次の3つの治療群のうちの1つに無作為に割り付ける:グループ1:プラセボ導入;1日3回、左右の手にクリーム50mg中0.33%(w/w)(アルプロスタジル165μg)のアルプロスタジル局所クリームまたはプラセボを適用;ウォッシュアウト;1日3回、左右の手にプラセボまたはクリーム50mg中0.33%(w/w)(アルプロスタジル165μg)のアルプロスタジル局所クリームを適用。1日に適用されるアルプロスタジルの総用量は990μgとなる。グループ2:プラセボ導入;1日3回、左右の手にクリーム112.5mg中0.42%(w/w)(アルプロスタジル472.5μg)のアルプロスタジル局所クリームまたはプラセボを適用;ウォッシュアウト;1日3回、左右の手にプラセボまたはクリーム112.5mg中0.42%(w/w)(アルプロスタジル472.5μg)のアルプロスタジル局所クリームを適用。1日に適用されるアルプロスタジルの総用量は2835μgとなる。グループ3:プラセボ導入;1日3回、左右の手にクリーム225mg中0.42%(w/w)(アルプロスタジル945μg)のアルプロスタジル局所クリームまたはプラセボを適用;ウォッシュアウト;1日3回、左右の手にプラセボまたはクリーム225mg中0.42%(w/w)(アルプロスタジル945μg)のアルプロスタジル局所クリームを適用。1日に適用されるアルプロスタジルの総用量は5670μgとなる。 治療のプラセボと実薬の順序を無作為化する。 プラセボ(溶媒のクリーム)を投与する前に、被験者を1週間観察する。局所プラセボクリーム(溶媒)の自己投与の2週間後、被験者が指定された用量の局所実薬またはプラセボを自己投与する。4週間にわたる実薬治療の後、2週間のウォッシュアウト期間を設ける。ウォッシュアウト期間の後、被験者を他方の治療(プラセボまたは指定された用量の実薬)に4週間切り替える。次いで治療を終了し、被験者を2週間観察する(表3を参照)。割付けスケジュールを下の表4に示す。 次の試験薬レジメンを実施する前に診療所で被験者を評価する。被験者に治療レジメンへの忍容性が認められれば、被験者を次の治療段階に進ませる。有害事象(AE)発生の記録ならびにバイタルサイン、検査値および身体検査結果の変化により安全性を評価する。 試験組成物:1)アルプロスタジル局所クリーム、クリーム100mg中0.33%(w/w)(アルプロスタジル330μg)。2)アルプロスタジル局所クリーム、クリーム225中0.42%(w/w)(アルプロスタジル945μg)。3)単回適用で1日3回、両手に適用する対応プラセボクリーム。選択基準:1.18〜70歳の男女。2.チアノーゼおよび/または紅斑症の有無にかかわらず寒冷環境または情動ストレスに応答した発作性の指趾蒼白と定義される、活動性のレイノー現象が認められる者。3.アメリカリウマチ学会(American College of Rheumatology)の予備分類基準を満たすことにより全身性硬化症であると診断される者。4.1週間の患者日誌において、レイノー現象の発作が1週間で少なくとも7回認められる者。5.過去2か月間にわたり、疾患が臨床的に安定し、カルシウムチャネル遮断薬およびホスホジエステラーゼV阻害薬を含む他のレイノー治療法を安定に使用している者。6.3か月間にわたり、安定に免疫抑制薬治療を受けている者。7.書面によるインフォームドコンセントを提出する意志があり、かつそれが可能な者。ただし、許可が得られる場合、法的に認められた被験者の代理人が書面によるインフォームドコンセントを提出してもよい。8.妊娠可能な女性(無月経期間が2年以内の女性または不妊手術を受けていない女性であると定義される)の場合、投与前1週間以内に受けた妊娠検査結果が陰性であること。9.すべての試験方法および条件に同意する意志があり、かつそれが可能な者。10.試験組成物を自己投与するのに十分な手の機能を有する者。除外基準:1.現在、喫煙者であるか、またはニコチン製品を使用している者。以前喫煙者であった者は、試験登録の6か月超前から禁煙していること。2.脳卒中、心筋梗塞、致死的な不整脈、コントロール不良な高血圧、100/60未満の全身血圧、コントロール不良な糖尿病または不安定狭心症の既往歴を有する者。3.肝硬変、活動性肝炎、急性または慢性腎不全を有する者。4.過去6か月以内に上肢の外科的交感神経切除術の既往歴を有する者。5.過去5年以内に活動性のアルコール依存症または薬物乱用が認められたもの。6.妊娠中もしくは授乳中の者、または今後4か月以内に妊娠する可能性がある者。7.主要な精神疾患の既往歴または現病歴を有する者。8.過去30日以内に別の治験に参加した者。9.過去6か月以内に経口、吸入または非経口プロスタサイクリンを使用した者。除外基準を変更した場合、PIおよび試験依頼者との協議後であれば、上記のいずれかの理由で除外した被験者の参加に関して再スクリーニングを実施してよい。 結果判定法には、プラセボで治療した手および試験組成物で治療した手の両方で実施する手および指の背部のレーザードップラーイメージング(LDI)が含まれる。全患者に対して同じ波長、走査速度、走査距離、DC値および画像正規化を用いる。指および手の異なる領域から、または指(1本または複数本)全体の平均測定値から判定を行う。指背部および手背部上の輪郭を描いた異なる領域から収集したLDIデータの平均値を求めるか、または遠位と近位の血流量の比を計算する。指(1本または複数本)の平均値の測定を実施する場合、指節骨底から爪床までを含めた指全体の平均皮膚血流量を用いる。複数の時点でLDIを実施する。室温での平衡化後、その10分後、試験組成物の適用直前、試験組成物の適用直後、試験組成物適用の5分後および試験組成物適用の10分後にベースライン値を測定する;10分の測定時点は寒冷刺激の直前、寒冷刺激の直後および寒冷刺激後の複数の時点(5分後、10分後、15分後、20分後、30分後、1時間後、3時間後、6時間後)とする。 LDIの直後に両手の手背部および手掌表面に対してコンピュータ制御式の赤外線サーモグラフィーを実施し、上記と同じ時点で測定を行う。近位部と遠位部の差に注目する。これまでの試験は、レイノー病患者の指先背部と手背部との差を検出するものであった。 上記の時点ではこのほか、視覚的アナログ尺度(VAS)による疼痛報告および痺れ感、刺痛、灼熱感、冷感、疼痛、脂気のような感覚を含めた患者の報告を記録する。上に挙げた患者の報告を記録する際に、患者の心拍数および血圧も記録する。 試験組成物で治療した指とプラセボで治療した指との間で、LDIおよびサーモグラフィーの測定値を比較する。患者の反応によっては、一方の手の全指測定値の平均を求めて他方の手の全指の平均測定値と比較するよりも、対応する指を個々に比較する方がよい場合がある。レイノー病の血管攣縮は、一部の指または指の一部分で選択的に生じることがある。手の遠位部と近位部で測定を実施する場合、その値の比を比較することができる。治療に反応する領域では比が1に近くなるはずであり、典型的なレイノー病の発作では、その比は1未満になると考えられる。ベースライン温度の変化が2℃以上であれば有意な変化であることが他の研究で見出されている。 試験組成物とプラセボ組成物を識別番号以外は同一の包装で提供する。包装の内容物を知らされていない2名の試験者/技師が同時に、一方の試験組成物をそれぞれの手に適用する。熱の伝導を最小限に抑えるために、試験組成物を室温の塗布具を用いて、擦らないように、蹼を含めた手全体に適用する。 一次結果尺度:・レイノー複合指数(紙面に書かれた日誌)二次結果尺度:・SF−36による包括的な生活の質の改善・強皮症健康状態質問票を用いた患者機能の改善・指の総潰瘍量の減少・新たな指潰瘍出現の予防・既存の指潰瘍治癒の増強サブ試験:・最初の投与および長期投与後の血漿中15−ケト−PG濃度の定量・指灌流に対する効果を評価するための制御された寒冷刺激時のレーザードップラー速度測定 Intent−to−Treat(ITT)集団には、無作為に割り付けた被験者全例を含める。修正したIntent−to−Treat(MITT)集団には、無作為に割り付けて試験薬を投与した被験者全例を、その投与量に関係なく含める。 本明細書で引用されるすべての特許、特許出願および刊行物の開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。 プロスタグランジンE1化合物を含む半固形組成物を提供する段階と、 有効量の前記半固形組成物を罹患した身体部位の表面に適用する段階と 含む、対象のレイノー病およびレイノー現象を治療する方法。 前記半固形組成物が、 プロスタグランジンE1、プロスタグランジンE1のC1〜C4エステルおよびその薬学的に許容される塩からなる群より選択されるプロスタグランジンE1化合物と、 多糖ゴム、化学修飾した多糖ゴムから選択される増粘剤と、 N,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステルおよびその薬学的に許容される酸付加塩から選択される皮膚浸透促進剤と、(C1〜C4)−アルキル(C8〜C22)カルボン酸エステルと を含む、請求項1に記載の方法。 前記N,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステルが、ドデシル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−プロピオナート、ドデシル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−アセタート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルドデカノアート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルミリスタート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルオレアートおよびその薬学的に許容される酸付加塩からなる群より選択される、請求項2に記載の方法。 前記半固形組成物を単位用量ディスペンサで提供する、請求項1に記載の方法。 前記半固形組成物を前記罹患した身体部位の表面に適用する際に、レイノー病またはレイノー現象の特徴である血管攣縮の誘発または悪化を避けるために前記半固形組成物が室温になっている、請求項1に記載の方法。 前記半固形組成物を室温で保管する、請求項1に記載の方法。 前記半固形組成物を2つの部分からなる単位用量容器で提供する、請求項1に記載の方法。 前記罹患した身体部位の表面に適用されるプロスタグランジンE1化合物の総1日量が約0.5mg〜約5.7mgである、請求項1に記載の方法。 前記総1日量を2〜4つ用量に分割する、請求項8に記載の方法。 前記罹患した身体部位が両手である、請求項8に記載の方法。 前記罹患した身体部位が片手である、請求項8に記載の方法。 罹患した身体部位の表面への局所投与によりレイノー病またはレイノー現象の治療で使用される、プロスタグランジンE1化合物を含む医薬組成物。 プロスタグランジンE1、プロスタグランジンE1のC1〜C4エステルおよびその薬学的に許容される塩からなる群より選択されるプロスタグランジンE1化合物と、 多糖ゴム、化学修飾した多糖ゴムから選択される増粘剤と、 N,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステルおよびその薬学的に許容される酸付加塩から選択される皮膚浸透促進剤と、(C1〜C4)−アルキル(C8〜C22)カルボン酸エステルと を含む、請求項12に記載の組成物。 前記N,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステルが、ドデシル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−プロピオナート、ドデシル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−アセタート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルドデカノアート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルミリスタート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルオレアートおよびその薬学的に許容される酸付加塩からなる群より選択される、請求項13に記載の組成物。 単位用量ディスペンサで提供される、請求項12に記載の組成物。 前記罹患した身体部位の表面に局所投与される際に、レイノー病またはレイノー現象の特徴である血管攣縮の誘発または悪化を避けるために室温になっている、請求項12に記載の組成物。 室温で保管される、請求項12に記載の組成物。 2つの部分からなる単位用量容器で提供される、請求項12に記載の組成物。 前記罹患した身体部位の表面に投与される前記プロスタグランジンE1化合物の総1日量が約0.5〜約5.7mgである、請求項12に記載の組成物。 前記総1日量が2〜4つの用量に分割される、請求項19に記載の組成物。 前記罹患した身体部位が両手である、請求項12に記載の組成物。 前記罹患した身体部位が片手である、請求項12に記載の組成物。 レイノー病またはレイノー現象の治療のための半固形医薬組成物の製造におけるプロスタグランジンE1化合物の使用。 前記半固形医薬組成物を罹患した身体部位の表面に局所投与することにより前記レイノー病またはレイノー現象を治療する、請求項23に記載の使用。 前記半固形医薬組成物が、 プロスタグランジンE1、プロスタグランジンE1のC1〜C4エステルおよびその薬学的に許容される塩からなる群より選択されるプロスタグランジンE1化合物と、 多糖ゴム、化学修飾した多糖ゴムから選択される増粘剤と、 N,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステルおよびその薬学的に許容される酸付加塩から選択される皮膚浸透促進剤と、(C1〜C4)−アルキル(C8〜C22)カルボン酸エステルと を含む、請求項23に記載の使用。 前記N,N−ジ(C1〜C8)アルキルアミノ置換(C4〜C18)アルキル(C2〜C18)カルボン酸エステルが、ドデシル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−プロピオナート、ドデシル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−アセタート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルドデカノアート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルミリスタート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロピルオレアートおよびその薬学的に許容される酸付加塩からなる群より選択される、請求項25に記載の使用。 前記半固形医薬組成物を単位用量ディスペンサで提供する、請求項23に記載の使用。 前記半固形医薬組成物が、前記罹患した身体部位の表面に局所投与される際に、レイノー病またはレイノー現象の特徴である血管攣縮の誘発または悪化を避けるために室温になっている、請求項23に記載の使用。 前記半固形医薬組成物を室温で保管する、請求項23に記載の使用。 前記半固形医薬組成物を2つの部分からなる単位用量容器で提供する、請求項23に記載の使用。 前記罹患した身体部位の表面に投与される前記プロスタグランジンE1化合物の総1日量が約0.5mg〜約5.7mgである、請求項24に記載の使用。 前記総1日量を2〜4つの用量に分割する、請求項31に記載の使用。 前記罹患した身体部位が両手である、請求項24に記載の使用。 前記罹患した身体部位が片手である、請求項24に記載の使用。 様々な実施形態で、レイノー病およびレイノー現象を治療する方法および組成物が提供される。プロスタグランジンE1化合物を含む半固形組成物の局所投与により、全身投与で生じ得る合併症を伴わずにレイノー病またはレイノー現象の所望の軽減がもたらされる。半固形組成物は必要に応じて、または1日当たり複数の用量となるレジメンで投与され得る。【選択図】図1


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