タイトル: | 特許公報(B1)_ビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル |
出願番号: | 2014501332 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | C07C 69/33,C10M 105/38,C10N 30/02,C10N 30/06,C10N 30/10,C10N 40/30 |
中山 真吾 西村 拓也 稲山 俊宏 JP 5572273 特許公報(B1) 20140704 2014501332 20131022 ビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル KHネオケム株式会社 312004880 特許業務法人 もえぎ特許事務所 110000774 中山 真吾 西村 拓也 稲山 俊宏 JP 2012234840 20121024 20140813 C07C 69/33 20060101AFI20140724BHJP C10M 105/38 20060101ALI20140724BHJP C10N 30/02 20060101ALN20140724BHJP C10N 30/06 20060101ALN20140724BHJP C10N 30/10 20060101ALN20140724BHJP C10N 40/30 20060101ALN20140724BHJP JPC07C69/33C10M105/38C10N30:02C10N30:06C10N30:10C10N40:30 C07C 69/00 C10M 105/00 C10N 30/00 C10N 40/00 CAplus/REGISTRY(STN) 特開2012−102046(JP,A) 特開2011−195631(JP,A) 特開2009−079144(JP,A) 特開2009−079141(JP,A) 特開昭53−088825(JP,A) 米国特許第02464430(US,A) 4 JP2013078513 20131022 23 20140110 前田 憲彦 本発明は、酸化安定性等に優れたビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル、および該ビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを含有する酸化安定性、潤滑性、低温特性等の優れた性能を有する冷凍機油組成物に関する。 近年、オゾン破壊係数がゼロであり、地球温暖化係数(GWP)がより低いハイドロフルオロカーボン(HFC)が冷凍機用の冷媒として使用されている。HFCはクロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)と比較し安定な冷媒であり、潤滑油、有機材、金属に対する影響は少ない。反面、冷媒自体の潤滑性が期待できないことからHFC用冷凍機油には潤滑性の高い冷凍機油が要求される。また、摺動部の発熱による冷凍機油の熱・酸化劣化が促進されるため、熱・化学安定性の高い冷凍機油が要求されている(非特許文献1)。 また、一般に冷凍サイクルにおいて、冷凍機油は冷媒とともに一部サイクル内を循環しているため、高温域と低温域とに曝される。特に低温域では、コンプレッサーから吐出される冷凍機油が一部滞留することがある。低温域に長期間冷凍機油が残留すると、これが結晶化し、冷凍サイクルで冷媒の循環量が低下し、冷却不良になるといった問題が発生することがある。したがって、低温域においても長期間析出しない安定性の高い冷凍機油の開発が冷凍装置の信頼性の点から極めて重要である(特許文献1)。 特許文献2には冷凍機油の添加ポリオールエステル油として、特許文献3には圧縮型冷凍機用の潤滑油として、ジペンタエリスリトールと、3,5,5−トリメチルヘキサン酸および2−エチルヘキサン酸とからなるヘキサエステルが記載されている。しかし、該ヘキサエステルの酸化安定性は満足するものではない。特許4936656号公報特開2012−31239号公報特開平4−72390号公報「月刊トライボロジー」,1998年,7月号,p.45 本発明の目的は、酸化安定性等に優れたビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル、および該ビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを含有する酸化安定性、潤滑性、低温特性等の優れた性能を有する冷凍機油組成物を提供することにある。 本発明は、以下の[1]〜[4]を提供する。[1]式(I)で表されるビスペンタエリスリトールモノホルマールとカルボン酸との混合エステルであり、前記カルボン酸が、炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸と、炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸とからなるビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル。[2]前記炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸が、3,5,5−トリメチルヘキサン酸である[1]に記載のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル。[3][1]または[2]に記載のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを含有する冷凍機油組成物。[4][3]に記載の冷凍機油組成物と冷媒とを含有する冷凍機用作動流体組成物。 本発明により、酸化安定性等に優れたビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル、および該ビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを含有する酸化安定性、潤滑性、低温特性等の優れた性能を有する冷凍機油組成物を提供できる。実施例1で得られたビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルの核磁気共鳴スペクトルを示すチャートである。実施例3で得られたビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルの核磁気共鳴スペクトルを示すチャートである。実施例4で得られたビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルの核磁気共鳴スペクトルを示すチャートである。実施例5で得られたビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルの核磁気共鳴スペクトルを示すチャートである。 本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルは、式(I)で表されるビスペンタエリスリトールモノホルマールとカルボン酸との混合エステルであり、前記カルボン酸が、炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸と、炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸とからなるビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルである。 以下、本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを構成するカルボン酸を構成カルボン酸という。 本発明のヘキサエステルには、下記(i)〜(iii):(i)同一分子内における構成カルボン酸が、炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸と、炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸の双方からなるビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル(ii)ビスペンタエリスリトールモノホルマールと炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸とのヘキサエステル、およびビスペンタエリスリトールモノホルマールと炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸とのヘキサエステルの混合物(iii)上記(i)および(ii)の混合物の各態様が含有される。 本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルには、ビスペンタエリスリトールモノホルマールの水酸基の一部がエステル化されずに水酸基のまま残っているビスペンタエリスリトールモノホルマールの部分エステルが不純物として含まれていても良い。 本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを構成する、炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、2−メチルオクタン酸、2,2−ジメチルヘプタン酸、2−プロピル−4−メチルペンタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸等から選ばれる一種の炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。その中でも、3,5,5−トリメチルヘキサン酸が好ましい。 本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを構成する、炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸としては、例えば、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、イソ酪酸、2−メチル酪酸、3−メチル酪酸、2,2−ジメチルプロパン酸、2−エチル酪酸、2−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチル−2−メチル酪酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2−メチルヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、3−エチルヘキサン酸、2−エチル−2−メチルペンタン酸、2−エチル−4−メチルペンタン酸等が挙げられる。その中でも、入手性等の観点から、ペンタン酸、イソ酪酸、3−メチル酪酸、2−エチルヘキサン酸が好ましい。 前記炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸と、炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸とのモル比(炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸:炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸)は、酸化安定性、潤滑性および低温特性の観点から、90:10〜10:90の範囲であることが好ましく、80:20〜30:70の範囲であることがより好ましい。 次に、本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルの製造方法について、例を挙げて説明する。 本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを構成するビスペンタエリスリトールモノホルマールは、公知の方法、例えば非特許文献(「South African Journal of Chemistry」,1991年,44巻,4号,p.122)に記載の方法に準じて、ペンタエリスリトールを無水酢酸によってトリアセチル化させ、得られたペンタエリスリトールトリアセテートを酸触媒の存在下でジメトキシメタンと縮合させ、得られた縮合物のアセチル基を加水分解することにより得ることができる。また、例えば米国特許第2464430号明細書に記載の方法に準じて、アセトアルデヒドとホルムアルデヒドとを塩基の存在下で反応させてペンタエリスリトールを製造し、その過程で副生するビスペンタエリスリトールモノホルマールを、酢酸ブチル等によって抽出することにより得ることもできる。また、その他の方法として、後述の製造例1に記載のとおり、ペンタエリスリトールと1,1,1−トリメトキシエタンとを反応させ、得られた化合物(後述の化合物(i))を塩基の存在下でジブロモメタンと反応させ、得られた化合物(後述の化合物(ii))のオルトエステル基を加水分解することにより得ることができる。 本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルは、例えば、ビスペンタエリスリトールモノホルマールと、炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸と、炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸とを、120〜300℃で、5〜60時間反応させることにより製造することができる(以下、この方法を製造法1という)。この際、それぞれのカルボン酸を、例えば、反応系に一括して加えてもよく、逐次的に加えてもよい。 製造法1において、触媒を用いてもよく、触媒としては、例えば、鉱酸、有機酸、ルイス酸、有機金属、固体酸等が挙げられる。鉱酸の具体例としては、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸等が挙げられる。有機酸の具体例としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ブタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、エタンスルホン酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。ルイス酸の具体例としては、例えば、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化スズ、四塩化チタン等が挙げられる。有機金属の具体例としては、例えば、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン等が挙げられる。固体酸の具体例としては、例えば、陽イオン交換樹脂等が挙げられる。 製造法1において、生成する水を反応混合物から取り除きながら反応を行うことが好ましい。また、炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸と、炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸の使用量の合計が、ビスペンタエリスリトールモノホルマールの水酸基に対して、1.1〜1.4倍モルであるのが好ましい。 また、本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルは、例えば、ビスペンタエリスリトールモノホルマールと、炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸の無水物と、炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸の無水物とを、50〜100℃で、1〜10時間反応させることにより製造することもできる(以下、この方法を製造法2という)。この際、それぞれのカルボン酸の無水物を、例えば、反応系に一括して加えてもよく、逐次的に加えてもよい。 製造法2において、触媒を用いてもよく、触媒としては、例えば、有機塩基、有機塩、固体酸等が挙げられる。有機塩基の具体例としては、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン等が挙げられる。有機塩の具体例としては、酢酸ナトリウム、スカンジウム(III)トリフルオロメタンスルホン酸イミド、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル等が挙げられる。固体酸の具体例としては、例えば陽イオン交換樹脂等が挙げられる。 製造法2において、炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸の無水物と、炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸の無水物の使用量の合計が、ビスペンタエリスリトールモノホルマールの水酸基に対して、0.5〜1.4倍モルであるのが好ましい。 製造法1および製造法2において、ビスペンタエリスリトールモノホルマールに対する、炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸もしくはその無水物と、炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸もしくはその無水物との反応性が異なることがある。そのため、得られたビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを構成する、炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸と炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸とのモル比が、仕込時のモル比とは異なることがある。 製造法1および製造法2において、溶媒を用いてもよく、溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、イソヘキサン、イソオクタン、イソノナン、デカン等の炭化水素系溶媒等が挙げられる。 製造法1および製造法2において、反応後、必要に応じて、本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを有機合成化学で通常用いられる方法(水および/またはアルカリ水溶液を用いた洗浄、活性炭、吸着剤等による処理、各種クロマトグラフィー、蒸留等)で精製してもよい。 本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルは、ビスペンタエリスリトールモノホルマールと、炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸と、炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸とから構成しているため、酸化安定性等の優れた性能を有する。本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルは、優れた酸化安定性以外にも、十分な低温特性、十分な低温流動性、十分な潤滑性を有している。 本発明の冷凍機油組成物は、本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを含有するものをいう。例えば、該ヘキサエステルのみからなる冷凍機油組成物であってもよく、該ヘキサエステルと冷凍機油用基油とからなる冷凍機油組成物であってもよい。 本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを冷凍機油組成物の一成分として用いるとき、該ヘキサエステル中の酸の残存量が多いと、冷凍機または配管に用いられる金属に対する腐食性および該ヘキサエステルの安定性が悪化するため、該ヘキサエステルの酸価は0.5mgKOH/g以下であるのが好ましく、0.1mgKOH/g以下であるのがより好ましい。また、該ヘキサエステル中の水酸基の残存量が多いと、冷凍機油が低温で白濁し、冷凍サイクルのキャピラリー装置を閉塞させる等、好ましくない現象が起こるため、該ヘキサエステルの水酸基価は20mgKOH/g以下であるのが好ましく、10mgKOH/g以下であるのがより好ましい。 本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを冷凍機油組成物の一成分として用いるとき、該冷凍機油組成物に、酸化安定性、潤滑性および低温特性等の優れた性能を付与することができる。 本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルは、核磁気共鳴分光法(以下、NMRという)、ガスクロマトグラフィー(以下、GCという)、ガスクロマトグラフ質量分析法(以下、GC−MSという)等の分析方法により同定される。また、本発明の冷凍機油組成物において、冷凍機油組成物中に含まれる本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルは、同様の分析方法により同定されるが、必要に応じて、カラムクロマトグラフィー、蒸留、溶媒抽出、晶析等の方法により、冷凍機油組成物からビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを予め分離しておくことで、同定が容易となる。 本発明の冷凍機油組成物において、本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルの含有量は、潤滑性、低温特性および酸化安定性等の各種性能を損なわない限りにおいて特に制限されないが、該ヘキサエステルと冷凍機油用基油とからなる冷凍機油組成物においては、冷凍機油組成物中、該ヘキサエステルの含有量は、0.1〜50重量%であるのが好ましく、1〜30重量%であるのがより好ましく、1〜10重量%であるのが更により好ましい。 本発明の冷凍機油組成物において、冷凍機油用基油としては、例えば、鉱物油、合成基油等が挙げられる。 鉱物油としては、例えば、パラフィン基系原油、中間基系原油、ナフテン基系原油等が挙げられる。また、これらを蒸留等により精製した精製油も使用可能である。 合成基油としては、例えば、ポリ−α−オレフィン(ポリブテン、ポリプロピレン、炭素数8〜14のα−オレフィンオリゴマー等)、本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル以外の脂肪族エステル(脂肪酸モノエステル、多価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族多塩基酸エステル等)、芳香族エステル(芳香族モノエステル、多価アルコールの芳香族エステル、芳香族多塩基酸エステル等)、ポリアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリカーボネート、アルキルベンゼン等が挙げられる。前記多価アルコールの脂肪酸エステルにおいて、多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール(ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、テトラペンタエリスリトール等のペンタエリスリトールの縮合物)、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン等のヒンダードアルコールが挙げられ、脂肪酸としては、例えば、炭素数4〜18の、直鎖または分岐の脂肪族モノカルボン酸等が挙げられる。 前記多価アルコールの脂肪酸エステルの具体例としては、ペンタエリスリトールとイソ酪酸と2−エチルヘキサン酸とのエステル、ペンタエリスリトールとイソ酪酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸とのエステル、ペンタエリスリトールとペンタン酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸とのエステル、ペンタエリスリトールとペンタン酸とヘプタン酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸とのエステル、ペンタエリスリトールと2−メチル酪酸と2−エチルヘキサン酸とのエステル、ペンタエリスリトールと3−メチル酪酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸とのエステル、ペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸とのエステル、ジペンタエリスリトールとイソ酪酸と2−エチルヘキサン酸とのエステル、ジペンタエリスリトールとイソ酪酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸とのエステル、ジペンタエリスリトールとペンタン酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸とのエステル、ジペンタエリスリトールとペンタン酸とヘプタン酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸とのエステル、ジペンタエリスリトールと2−メチル酪酸と2−エチルヘキサン酸とのエステル、ジペンタエリスリトールと3−メチル酪酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸とのエステル、ジペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸とのエステル、ネオペンチルグリコールとイソ酪酸と2−エチルヘキサン酸とのエステル、ネオペンチルグリコールとイソ酪酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸とのエステル、ネオペンチルグリコールと2−エチルヘキサン酸とのエステル、およびこれら2種以上の混合物等が挙げられる。 本発明の冷凍機油組成物は、必要に応じて潤滑油用添加剤を含有していてもよい。潤滑油用添加剤としては、例えば、金属不活性化剤、酸化防止剤、摩耗低減剤(耐摩耗剤、焼付き防止剤、極圧剤等)、摩擦調整剤、酸捕捉剤、防錆剤、消泡剤等が挙げられる。これらの添加剤の含有量は、冷凍機油組成物中、それぞれ、0.001〜5重量%であるのが好ましい。 金属不活性化剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール(以下、BZTという)、N,N’−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパン等が挙げられ、冷凍機油組成物や、冷凍機油組成物を用いる機器等の寿命を長くするために、冷凍機油組成物に溶解して用いられる。一般的にBZTは、鉱油および/または合成油に対する溶解度が低い(特開昭59−189195号公報)のでその使用量が制限されることがある。しかし、本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを冷凍機油組成物の一成分として冷凍機油組成物に含有させると、該冷凍機油組成物に対するBZTの溶解性が向上し、その使用量を増やすことができる。 本発明の冷凍機油組成物は、ビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを含有しているため、酸化安定性、潤滑性および低温特性等の優れた性能を有している。 冷凍機油組成物は、家庭用ルームエアコン等の冷凍機に使用されるが、該冷凍機の設置時に、冷凍サイクル内に空気が混入し、冷凍機油組成物が酸素の影響を受けることがある。そのため、冷凍機油組成物は高い酸化安定性が必要となる。 本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル、および冷凍機油組成物の酸化安定性は、酸化安定度試験によって、RBOT寿命等を測定することにより評価できる。本明細書において、RBOT寿命は後述の試験例に記載の方法で測定したものをいう。 また、環境保護の観点からCFC冷媒やHCFC冷媒からHFC冷媒への代替が進んでいるが、HFC冷媒は分子構造に塩素を含まないため、潤滑性に課題がある。そのためHFC冷媒に用いられる冷凍機油組成物には、より優れた潤滑性が求められる。潤滑性には、摩擦低減性、摩耗低減性(耐摩耗性)、極圧性等が挙げられる。 冷凍機油組成物は、温度変化が大きい場所で長期間保管するまたは使用する場合には、高温域での揮発性等がなく、低温域での固化や析出等がない冷凍機油組成物が好ましい。温度範囲としては特に制限はないが、高温域では150℃程度、低温域では−20℃程度で安定して使用できる冷凍機油組成物が好ましい。本明細書において、低温域で、固化や析出物が出ない特性を低温特性と定義する。 本発明の冷凍機油組成物は、優れた酸化安定性、潤滑性および低温特性以外にも、十分な熱安定性、十分な酸化・加水分解安定性を有している。 本発明の冷凍機用作動流体組成物は、本発明の冷凍機油組成物と冷媒とを含有するものをいう。本発明の冷凍機油組成物と冷媒とを混合する割合は特に制限されないが、冷媒100重量部に対して、本発明の冷凍機油組成物1〜1000重量部であるのが好ましく、2〜800重量部であるのがより好ましい。 ここで冷凍機用作動流体組成物の冷媒としては、例えば、含フッ素冷媒、自然冷媒等が挙げられる。 含フッ素冷媒としては、例えば、ジフルオロメタン(HFC32)、トリフルオロメタン(HFC23)、ペンタフルオロエタン(HFC125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC143a)等のハイドロフルオロカーボン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234yf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234ze)、1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234ye)、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO1225ye)等の不飽和フッ化炭化水素およびこれらの混合物等が挙げられる。 自然冷媒としては、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン等の炭化水素、二酸化炭素、アンモニア等が挙げられる。 本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルは、冷凍機油組成物、および冷凍機用作動流体組成物に用いられる他、エンジン油、ギア油、ハイブリッド車や電気自動車に利用されるモーター油、グリース、潤滑油用添加剤、金属部品の洗浄剤、可塑剤、化粧品等にも用いることができる。また、本発明の冷凍機油組成物および冷凍機用作動流体組成物は、ルームエアコン、パッケージエアコン、カーエアコン、除湿機、冷蔵庫、冷凍庫、冷凍冷蔵庫、自動販売機、ショーケース、化学プラント等の冷凍機等に好ましく用いられる。 以下、製造例、実施例、比較例、および試験例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。<NMR> 以下の製造例1で得られたビスペンタエリスリトールモノホルマール、ならびに、製造例4、実施例1〜5、10、11、および比較例1で得られたエステルおよび冷凍機油組成物を、NMRで測定した。NMRでの測定は、以下の測定機器、測定手法により行った。 測定機器;GSX−400(400MHz)(日本電子社製) 測定条件; ・核種;1H ・標準物;テトラメチルシラン ・溶媒;CDCl3またはd6−DMSO<GC> 以下の製造例1で得られたビスペンタエリスリトールモノホルマールの純度、ならびに、実施例1〜5、10、および11で得られたエステルおよび冷凍機油組成物の主要ピークの保持時間をGCで測定した。GCでの測定は、以下の方法で検液を調製後、以下の測定機器、測定条件により行った。検液の調製法;1)ビスペンタエリスリトールモノホルマールの検液の調製 反応器に以下の製造例1で得られたビスペンタエリスリトールモノホルマール10mgとトリメチルシリル化剤(東京化成工業社製、製品名:TMS−HT)1mLとを仕込み、混合液を80℃で10分間攪拌した。反応後、反応液をメンブレンフィルター(PTFE、0.5μm)で濾過し、濾液を検液とした。2)エステルおよび冷凍機油組成物の検液の調製 以下の実施例1〜11、比較例2および比較例3で得られたエステルおよび冷凍機油組成物の各0.1gと、アセトン0.5gとを混合し、検液とした。 測定機器;Agilent7890A(アジレント・テクノロジー社製) 測定条件; ・カラム;HP−5(長さ30m×内径0.320mm×膜厚0.25μm)(アジレント・テクノロジー社製) ・キャリアガス;窒素、流量1.0mL/分 ・INJ/DET温度;330℃/350℃ ・注入法;スプリット法(1μL注入、比1/50) ・検出器;FID ・測定プログラム;100℃から10℃/分の速度で昇温し、325℃に達してからその温度で97.5分間保持<GC−MS> 以下の実施例1、3および4で得られたエステルを、GC−MSで測定した。GC−MSでの測定は、以下の測定機器、測定条件により行った。 測定機器;Agilent7890A(アジレント・テクノロジー社製) 日本電子JMS−T100GCv質量分析計(日本電子社製) 測定条件; ・カラム; DB−5(長さ30m×内径0.25mm×膜厚0.25μm)(アジレント・テクノロジー社製) ・キャリアガス;ヘリウム、流量1.0mL/分 ・注入温度;300℃ ・注入法;スプリット法(比1/50) ・イオン化法;CI(反応ガス;アンモニア)、EI ・測定プログラム;100℃から10℃/分の速度で昇温し、325℃に達してからその温度で97.5分間保持<高速液体クロマトグラフィー> 以下の製造例1で得られたビスペンタエリスリトールモノホルマールの純度を高速液体クロマトグラフィー(以下、LCという)で測定した。LCでの測定は、以下の方法で検液を調製後、以下の測定機器、測定条件により行った。 検液の調製法;以下の製造例1で得られたビスペンタエリスリトールモノホルマール2.5mgと0.1重量%リン酸水溶液497.5mgとを混合し、検液とした。 測定機器;Agilent1200Series(アジレント・テクノロジー社製) 測定条件; ・カラム;YMC−Pack ODS−AM(球状、粒子径5μm、細孔径12nm、長さ300mm×内径4.6mm)(ワイエムシィ社製) ・展開液;0.1重量%リン酸水溶液、流速0.7mL/分 ・カラム温度;40℃ ・サンプル注入量;5μL ・検出器;RI[製造例1][ビスペンタエリスリトールモノホルマールの製造](1)化合物(i)の製造 ディーンスタークトラップを取り付けた反応器にペンタエリスリトール544.6g(4.00モル、広栄化学工業社製、製品名;ペンタリット−S)と1,1,1−トリメトキシエタン480.6g(4.00モル、東京化成工業社製)とp−トルエンスルホン酸一水和物6.9g(0.04モル、東京化成工業社製)とトルエン2Lとを仕込み、混合液を70〜100℃で14時間撹拌した。ディーンスタークトラップを、モレキュラーシーブスを充填した滴下漏斗に取り替えた後、混合液を110〜120℃で10時間攪拌した。反応後、反応液を濃縮し、トリエチルアミン20.4gを添加した。これをジクロロメタン2.6Lで晶析して、化合物(i)を234.6g得た。1H−NMR(CDCl3、δppm);1.46(s、3H)、3.47(s、2H)、4.02(s、6H)(2)化合物(ii)の製造 反応器に流動パラフィンで希釈した水素化ナトリウム72.8g(水素化ナトリウムの濃度60重量%、東京化成工業社製)と化合物(i)224.2gとジメチルホルムアミド3.5Lとを仕込み、ジブロモメタン121.7g(0.70モル、東京化成工業社製)を0℃で滴下した。混合液を室温で1時間攪拌後、メタノール130mLを添加した。反応後、反応液を1.3kPaの減圧下、70℃で濃縮した。濃縮液をジクロロメタン2.5Lで希釈し、水1Lで洗浄した。有機層を濃縮し、濃縮物をメタノール10.6Lで晶析して、化合物(ii)を62.7g得た。1H−NMR(CDCl3、δppm);1.46(s、6H)、3.24(s、4H)、3.98(s、12H)、4.53(s、2H)(3)ビスペンタエリスリトールモノホルマールの製造 反応器に化合物(ii)78.3gと水320gとを仕込み、混合液を100℃で2時間撹拌した。次いで、強塩基性陰イオン交換樹脂1905.0g(三菱化学社製、製品名;ダイヤイオンSA11A)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を濾過した後、濾液を濃縮した。濃縮物をエタノール1.7Lで晶析して、ビスペンタエリスリトールモノホルマールを53.6g得た。1H−NMR(d6−DMSO、δppm);3.32−3.40(m、16H)、4.25(t、6H)、4.54(s、2H)GCで測定した純度:95面積%以上LCで測定した純度:95面積%以上[製造例2][3,5,5−トリメチルヘキサン酸の無水物の製造] 反応器に3,5,5−トリメチルヘキサン酸633.0g(4.00モル、KHネオケム社製)と無水酢酸817.5g(8.00モル、和光純薬工業社製)とを仕込み、混合液を120℃で1時間撹拌した。反応後、反応液を0.4kPaの減圧下、157〜162℃で蒸留して、3,5,5−トリメチルヘキサン酸の無水物を496.4g得た。[製造例3][2−エチルヘキサン酸の無水物の製造] 反応器に2−エチルヘキサン酸721.1g(5.00モル、KHネオケム社製)と無水酢酸919.7g(9.00モル、和光純薬工業社製)とを仕込み、混合液を120℃で1時間撹拌した。反応後、反応液を0.1kPaの減圧下、126〜133℃で蒸留して、2−エチルヘキサン酸の無水物を509.8g得た。[実施例1] [3,5,5−トリメチルヘキサン酸と2−エチルヘキサン酸のモル比(3,5,5−トリメチルヘキサン酸/2−エチルヘキサン酸比)が50/50であるビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル(ヘキサエステル1)の製造] 反応器に製造例1で製造したビスペンタエリスリトールモノホルマール8.5g(0.03モル)、製造例2で製造した3,5,5−トリメチルヘキサン酸の無水物32.2g(0.11モル) 、製造例3で製造した2−エチルヘキサン酸の無水物24.3g(0.09モル)およびピリジン42.7g(0.54モル、和光純薬工業社製)を仕込み、混合液を20kPaの減圧下、室温で15分間窒素バブリングを行うことで脱気した。次いで、脱気後の混合液を90℃で6時間、窒素バブリングを行いながら撹拌した。反応後、反応液を1.3kPaの減圧下、150〜220℃で2時間濃縮した。濃縮液を濃縮液の酸価に対して2倍モルの水酸化ナトリウムを含むアルカリ水溶液20mLで1回、水20mLで3回洗浄し、1.3kPaの減圧下、100℃で1時間、窒素バブリングを行いながら脱水した。次いで、吸着剤0.2g(協和化学工業社製、製品名;キョーワード500)と活性炭0.3g(日本エンバイロケミカルズ社製、製品名;白鷺P)を加え、1.3kPaの減圧下、110℃で1時間、窒素バブリングを行いながら撹拌した。次いで、メンブレンフィルター(PTFE、0.2μm)で濾過することにより、ヘキサエステル1を24.7g得た。ヘキサエステル1の核磁気共鳴スペクトルを測定し、ヘキサエステル1を構成する3,5,5−トリメチルヘキサン酸と2−エチルヘキサン酸のモル比を算出した。得られた核磁気共鳴スペクトルのチャートを図1に示す。また、ヘキサエステル1をGCおよびGC−MSで測定した。GCより、主要なピークの保持時間(66.3分、73.1分、80.7分、88.7分、96.6分、105.5分、115.5分)を確認した。GC−MSより、主要なピークの保持時間とそのフラグメントを確認した。GC−MSの結果を表1に示す。 表1より、各ピークに帰属される化合物は以下のように推定される。ピーク1−1は、ビスペンタエリスリトールモノホルマール1分子に結合するカルボン酸[3,5,5−トリメチルヘキサン酸/2−エチルヘキサン酸]の分子数が[0/6]であるヘキサエステル「分子量1041g/mol」のピーク。ピーク1−2は、上記カルボン酸の分子数が[1/5]であるヘキサエステル「分子量1056g/mol」のピーク。ピーク1−3は、上記カルボン酸の分子数が[2/4]であるヘキサエステル「分子量1070g/mol」のピーク。ピーク1−4は、上記カルボン酸の分子数が[3/3]であるヘキサエステル「分子量1084g/mol」のピーク。ピーク1−5は、上記カルボン酸の分子数が[4/2]であるヘキサエステル「分子量1098g/mol」のピーク。ピーク1−6は、上記カルボン酸の分子数が[5/1]であるヘキサエステル「分子量1112g/mol」のピーク。ピーク1−7は、上記カルボン酸の分子数が[6/0]であるヘキサエステル「分子量1126g/mol」のピーク。[実施例2][3,5,5−トリメチルヘキサン酸と2−エチルヘキサン酸のモル比(3,5,5−トリメチルヘキサン酸/2−エチルヘキサン酸比)が74/26であるビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル(ヘキサエステル2)の製造] ビスペンタエリスリトールモノホルマール、3,5,5−トリメチルヘキサン酸の無水物および2−エチルヘキサン酸の無水物の使用量のモル比(ビスペンタエリスリトールモノホルマール/3,5,5−トリメチルヘキサン酸の無水物/2−エチルヘキサン酸の無水物比)を1.00/5.04/1.80にする以外は、実施例1と同様に操作して、ヘキサエステル2を得た。ヘキサエステル2の核磁気共鳴スペクトルを測定し、ヘキサエステル2を構成する3,5,5−トリメチルヘキサン酸と2−エチルヘキサン酸のモル比を算出した。また、ヘキサエステル2をGCで測定したところ、実施例1のヘキサエステル1と同じ保持時間にピークが検出された。[実施例3][3,5,5−トリメチルヘキサン酸とイソ酪酸のモル比(3,5,5−トリメチルヘキサン酸/イソ酪酸比)が70/30であるビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル(ヘキサエステル3)の製造] 2−エチルヘキサン酸の無水物の代わりにイソ酪酸の無水物(和光純薬社製)を用い、ビスペンタエリスリトールモノホルマール、3,5,5−トリメチルヘキサン酸の無水物およびイソ酪酸の無水物の使用量のモル比(ビスペンタエリスリトールモノホルマール/3,5,5−トリメチルヘキサン酸の無水物/イソ酪酸の無水物比)を1.00/3.75/2.70にする以外は、実施例1と同様に操作して、ヘキサエステル3を得た。ヘキサエステル3の核磁気共鳴スペクトルを測定し、ヘキサエステル3を構成する3,5,5−トリメチルヘキサン酸とイソ酪酸のモル比を算出した。得られた核磁気共鳴スペクトルのチャートを図2に示す。また、ヘキサエステル3をGCおよびGC−MSで測定した。GCより、主要なピークの保持時間(24.6分、27.9分、33.2分、41.9分、56.2分、79.5分、115.7分)を確認した。GC−MSより、主要なピークの保持時間とそのフラグメントを確認した。GC−MSの結果を表2に示す。 表2より、各ピークに帰属される化合物は以下のように推定される。ピーク3−1は、ビスペンタエリスリトールモノホルマール1分子に結合するカルボン酸[3,5,5−トリメチルヘキサン酸/イソ酪酸]の分子数が[0/6]であるヘキサエステル「分子量705g/mol」のピーク。ピーク3−2は、上記カルボン酸の分子数が[1/5]であるヘキサエステル「分子量775g/mol」のピーク。ピーク3−3は、上記カルボン酸の分子数が[2/4]であるヘキサエステル「分子量845g/mol」のピーク。ピーク3−4は、上記カルボン酸の分子数が[3/3]であるヘキサエステル「分子量915g/mol」のピーク。ピーク3−5は、上記カルボン酸の分子数が[4/2]であるヘキサエステル「分子量985g/mol」のピーク。ピーク3−6は、上記カルボン酸の分子数が[5/1]であるヘキサエステル「分子量1056g/mol」のピーク。ピーク3−7は、上記カルボン酸の分子数が[6/0]であるヘキサエステル「分子量1126g/mol」のピーク。[実施例4][3,5,5−トリメチルヘキサン酸とペンタン酸のモル比(3,5,5−トリメチルヘキサン酸/ペンタン酸比)が71/29であるビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル(ヘキサエステル4)の製造] 2−エチルヘキサン酸の無水物の代わりにペンタン酸の無水物(東京化成工業社製)を用い、ビスペンタエリスリトールモノホルマール、3,5,5−トリメチルヘキサン酸の無水物およびペンタン酸の無水物の使用量のモル比(ビスペンタエリスリトールモノホルマール/3,5,5−トリメチルヘキサン酸の無水物/ペンタン酸の無水物比)を1.00/5.76/1.20にする以外は、実施例1と同様に操作して、ヘキサエステル4を得た。ヘキサエステル4の核磁気共鳴スペクトルを測定し、ヘキサエステル4を構成する3,5,5−トリメチルヘキサン酸とペンタン酸のモル比を算出した。得られた核磁気共鳴スペクトルのチャートを図3に示す。また、ヘキサエステル4をGCおよびGC−MSで測定した。GCより、主要なピークの保持時間(34.0分、39.4分、46.8分、57.0分、70.6分、88.6分、111.4分)を確認した。GC−MSより、主要なピークの保持時間とそのフラグメントを確認した。GC−MSの結果を表3に示す。 表3より、各ピークに帰属される化合物は以下のように推定される。ピーク4−1は、ビスペンタエリスリトールモノホルマール1分子に結合するカルボン酸[3,5,5−トリメチルヘキサン酸/ペンタン酸]の分子数が[0/6]であるヘキサエステル「分子量789g/mol」のピーク。ピーク4−2は、上記カルボン酸の分子数が[1/5]であるヘキサエステル「分子量845g/mol」のピーク。ピーク4−3は、上記カルボン酸の分子数が[2/4]であるヘキサエステル「分子量901g/mol」のピーク。ピーク4−4は、上記カルボン酸の分子数が[3/3]であるヘキサエステル「分子量957g/mol」のピーク。ピーク4−5は、上記カルボン酸の分子数が[4/2]であるヘキサエステル「分子量1013g/mol」のピーク。ピーク4−6は、上記カルボン酸の分子数が[5/1]であるヘキサエステル「分子量1070g/mol」のピーク。ピーク4−7は、上記カルボン酸の分子数が[6/0]であるヘキサエステル「分子量1126g/mol」のピーク。[実施例5][3,5,5−トリメチルヘキサン酸と3−メチル酪酸のモル比(3,5,5−トリメチルヘキサン酸/3−メチル酪酸比)が66/34であるビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル(ヘキサエステル5)の製造] 2−エチルヘキサン酸の無水物の代わりに3−メチル酪酸の無水物(東京化成工業社製)を用い、ビスペンタエリスリトールモノホルマール、3,5,5−トリメチルヘキサン酸の無水物および3−メチル酪酸の無水物の使用量のモル比(ビスペンタエリスリトールモノホルマール/3,5,5−トリメチルヘキサン酸の無水物/3−メチル酪酸の無水物比)を1.00/3.60/3.00にする以外は、実施例1と同様に操作して、ヘキサエステル5を得た。ヘキサエステル5の核磁気共鳴スペクトルを測定し、ヘキサエステル5を構成する3,5,5−トリメチルヘキサン酸と3−メチル酪酸のモル比を算出した。得られた核磁気共鳴スペクトルのチャートを図4に示す。また、ヘキサエステル5をGCで測定したところ、各ピーク(保持時間:28.8分、33.0分、39.4分、48.9分、62.8分、82.6分、110.2分)が検出された。[比較例1][3,5,5−トリメチルヘキサン酸と2−エチルヘキサン酸のモル比(3,5,5−トリメチルヘキサン酸/2−エチルヘキサン酸比)が47/53であるジペンタエリスリトールのヘキサエステル(ヘキサエステルA)の製造] ディーンスタークトラップを取り付けた反応器にジペンタエリスリトール63.6g(0.25モル、広栄化学工業社製、製品名;ジペンタリット)、3,5,5,−トリメチルヘキサン酸122.5g(0.77モル、KHネオケム社製)および2−エチルヘキサン酸148.0g(1.03モル、KHネオケム社製)を仕込み、混合液を20kPaの減圧下、室温で30分間窒素バブリングを行うことで脱気した。次いで、脱気後の混合液を190〜240℃で18時間窒素バブリングを行いながら撹拌した。反応後、反応液を1.3kPaの減圧下、210℃で1時間濃縮した。濃縮液を、濃縮液の酸価に対して2倍モルの水酸化ナトリウムを含むアルカリ水溶液100mLで1回、水100mLで3回洗浄した。有機層を1.3kPaの減圧下、100℃で1時間、窒素バブリングを行いながら脱水した。次いで、吸着剤0.3g(協和化学工業社製、製品名;キョーワード500)と活性炭2.6g(日本エンバイロケミカルズ社製、製品名;白鷺P)を加え、1.3kPaの減圧下、100℃で1時間撹拌した。次いで、濾過助剤(昭和化学工業社製、製品名;ラヂオライト#500)を用いて濾過することにより、ヘキサエステルAを210.7g得た。ヘキサエステルAの核磁気共鳴スペクトルを測定し、ヘキサエステルAを構成する3,5,5−トリメチルヘキサン酸と2−エチルヘキサン酸のモル比を算出した。(試験例1)ヘキサエステルの動粘度の測定 キャノン−フェンスケ粘度計を用い、JIS K2283:2000の方法に準じてヘキサエステル1〜5およびヘキサエステルAの40℃および100℃における動粘度を測定した。結果を表4に示す。(試験例2)ヘキサエステルの酸化安定性の評価(RBOT寿命の測定) 回転ボンベ式酸化安定度試験器RBOT−02(離合社製)を用い、酸化安定度試験を行った。ヘキサエステル1〜5およびヘキサエステルAのそれぞれ10gと、紙やすり#400で磨いた電解銅線(直径1.6mm、長さ3m)を耐圧容器に入れ、次いで該耐圧容器に酸素を620kPaまで圧入した。該耐圧容器を150℃の恒温槽に入れ、毎分100回転で回転させて試験を開始し、この時を試験開始時として記録した。該耐圧容器の圧力が最高になったときから35kPaの圧力降下をしている点を終点とし、試験開始時から終点までの時間(RBOT寿命)を求めた。結果を表4に示す。RBOT寿命が長いほど、ヘキサエステルの酸化安定性が優れていることを表す。また、RBOT寿命が長いヘキサエステルほど、冷凍機油組成物の一成分として使用する場合に、その冷凍機油組成物の酸化安定性を長期間にわたり維持させることができる。(試験例3)ヘキサエステルの低温特性の評価(−20℃での固化、析出物有無の確認) ヘキサエステル1〜5のそれぞれ1gをガラス容器に入れ、−20℃に設定した恒温器中で24時間静置した。24時間静置後の固化、析出物の有無を目視にて確認した。結果を以下に示す。 表4より、ヘキサエステル1のRBOT寿命は100分間であり、ヘキサエステル2のRBOT寿命は144分間であり、ヘキサエステル3のRBOT寿命は142分間であり、ヘキサエステル4のRBOT寿命は251分間であり、ヘキサエステル5のRBOT寿命は312分間であり、ヘキサエステル1〜5は優れた酸化安定性を示した。これに対して、ヘキサエステルAのRBOT寿命は58分間であり、ヘキサエステルAは酸化安定性が十分でない。 試験例3において、ヘキサエステル1〜5は固化せず、また析出物も確認されなかった。ヘキサエステル1〜5は酸化安定性および低温特性がバランスよく優れていることがわかる。 次に、製造例4、実施例6〜11、比較例2、比較例3および試験例4〜7により、本発明の冷凍機油組成物の評価を行った。[製造例4][ペンタエリスリトールと、3,5,5−トリメチルヘキサン酸と2−エチルヘキサン酸のモル比(3,5,5−トリメチルヘキサン酸/2−エチルヘキサン酸比)が57/43であるテトラエステル(冷凍機用基油A)の製造] ジペンタエリスリトールの代わりにペンタエリスリトール(広栄化学工業社製、製品名;ペンタリット−S)を用い、ペンタエリスリトール、3,5,5−トリメチルヘキサン酸および2−エチルヘキサン酸の使用量のモル比(ペンタエリスリトール/3,5,5−トリメチルヘキサン酸/2−エチルヘキサン酸比)を1.00/2.40/2.40にする以外は、比較例1と同様に操作して、冷凍機用基油Aを得た。冷凍機用基油Aの核磁気共鳴スペクトルを測定し、冷凍機用基油Aを構成する3,5,5−トリメチルヘキサン酸と2−エチルヘキサン酸のモル比を算出した。[実施例6][冷凍機油組成物1の調製] 製造例4で製造した冷凍機用基油Aと実施例1で製造したヘキサエステル1とを、70:30(冷凍機用基油A:ヘキサエステル1)の重量比率で混合し、冷凍機油組成物1を調製した。[実施例7][冷凍機油組成物2の調製] 製造例4で製造した冷凍機用基油Aと実施例1で製造したヘキサエステル1とを、92:8(冷凍機用基油A:ヘキサエステル1)の重量比率で混合し、冷凍機油組成物2を調製した。[実施例8][冷凍機油組成物3の調製] 製造例4で製造した冷凍機用基油Aと実施例1で製造したヘキサエステル1とを、96:4(冷凍機用基油A:ヘキサエステル1)の重量比率で混合し、冷凍機油組成物3を調製した。[実施例9][冷凍機油組成物4の調製] 製造例4で製造した冷凍機用基油Aと実施例1で製造したヘキサエステル1とを、98:2(冷凍機用基油A:ヘキサエステル1)の重量比率で混合し、冷凍機油組成物4を調製した。[比較例2][冷凍機油組成物5の調製] 製造例4で製造した冷凍機用基油Aを、冷凍機油組成物5とした。[比較例3][冷凍機油組成物6の調製] 製造例4で製造した冷凍機用基油Aと比較例1で製造したヘキサエステルAとを、70:30(冷凍機用基油A:ヘキサエステルA)の重量比率で混合し、冷凍機油組成物6を調製した。[実施例10][冷凍機油組成物7の製造] ジペンタエリスリトールの代わりにペンタエリスリトール(広栄化学工業社製、製品名;ペンタリット−S)と製造例1で製造したビスペンタエリスリトールモノホルマールの混合物を用い、ペンタエリスリトール、ビスペンタエリスリトールモノホルマール、3,5,5−トリメチルヘキサン酸および2−エチルヘキサン酸の使用量のモル比(ペンタエリスリトール/ビスペンタエリスリトールモノホルマール/3,5,5−トリメチルヘキサン酸/2−エチルヘキサン酸比)を1.00/0.03/2.12/2.68にする以外は、比較例1と同様に操作して、冷凍機油組成物7を得た。冷凍機油組成物7をNMRおよびGCで測定し、ビスペンタエリスリトールモノホルマールと3,5,5−トリメチルヘキサン酸と2−エチルヘキサン酸とからなるヘキサエステルが含まれていることを確認した。また、GCより、該ヘキサエステルのピークの面積比率は1.89面積%であった。検量線法を用いて、該面積%の値を重量%に換算した場合、該重量%の値は該面積%の1.3〜2.0倍程度の値に相当した。[実施例11][冷凍機油組成物8の製造] ジペンタエリスリトールの代わりにペンタエリスリトール(広栄化学工業社製、製品名;ペンタリット−S)と製造例1で製造したビスペンタエリスリトールモノホルマールの混合物を用い、2−エチルヘキサン酸の代わりにペンタン酸(東京化成工業社製)を用い、ペンタエリスリトール、ビスペンタエリスリトールモノホルマール、3,5,5−トリメチルヘキサン酸およびペンタン酸の使用量のモル比(ペンタエリスリトール/ビスペンタエリスリトールモノホルマール/3,5,5−トリメチルヘキサン酸/ペンタン酸比)を1.00/0.03/3.68/1.12にする以外は、比較例1と同様に操作して、冷凍機油組成物8を得た。冷凍機油組成物8をNMRおよびGCで測定し、ビスペンタエリスリトールモノホルマールと3,5,5−トリメチルヘキサン酸とペンタン酸とからなるヘキサエステルが含まれていることを確認した。また、GCより、該ヘキサエステルのピークの面積比率は2.35面積%であった。検量線法を用いて、該面積%の値を重量%に換算した場合、該重量%の値は該面積%の1.3〜2.0倍程度の値に相当した。(試験例4)冷凍機油組成物の動粘度の測定 試験例1の方法に準じて、冷凍機油組成物1〜8の40℃および100℃における動粘度を測定した。結果を表5および表6に示す。(試験例5)冷凍機油組成物の酸化安定性の評価(RBOT寿命の測定) 試験例2の方法に準じて、冷凍機油組成物1〜8の酸化安定度試験を行った。結果を表5および表6に示す。RBOT寿命が長いほど冷凍機油組成物の酸化安定性が優れていることを表す。(試験例6)冷凍機油組成物の潤滑性の評価(摩耗痕径の測定) シェル式四球摩擦試験機(神鋼造機社製)を用い、冷凍機油組成物1〜8の摩耗痕径の測定を行った。荷重100N、回転数600rpm、時間10分間、温度40℃(試験球;SUJ−2)の条件で試験を行い、試験後の摩耗痕径を測定した。摩耗痕径は3つの固定球の垂直方向、水平方向全ての平均値とした。結果を表5および表6に示す。(試験例7)冷凍機油組成物のBZTを含有したときの低温特性(BZTの含有量1.5重量%)の評価(−20℃での固化、析出物有無の確認)(1)BZTを含有する冷凍機油組成物(BZTの含有量1.5重量%)の調製 冷凍機油組成物1の2.955gと、BZTの0.045gとを混合し、60℃で加熱して、冷凍機油組成物1とBZTとの冷凍機油組成物を調製した。同様の方法で、冷凍機油組成物2〜8とBZTとの冷凍機油組成物を調製した。(2)低温特性の評価 冷凍機油組成物1〜8とBZTとの冷凍機油組成物のそれぞれ1gをガラス容器に入れ、−20℃に設定した恒温器中で24時間静置した。固化または析出物が認められなかったものを○、認められたものを×とした。結果を表5および表6に示す。 表5および表6より、冷凍機油組成物1のRBOT寿命は109分間であり、冷凍機油組成物2のRBOT寿命は116分間であり、冷凍機油組成物3のRBOT寿命は106分間であり、冷凍機油組成物4のRBOT寿命は121分間であり、冷凍機油組成物7のRBOT寿命は116分間であり、冷凍機油組成物8のRBOT寿命は563分間であり、冷凍機油組成物5および冷凍機油組成物6と比較して優れた酸化安定性を示した。冷凍機油組成物1の摩耗痕径は0.22mmであり、冷凍機油組成物2の摩耗痕径は0.21mmであり、冷凍機油組成物3の摩耗痕径は0.22mmであり、冷凍機油組成物4の摩耗痕径は0.21mmであり、冷凍機油組成物7の摩耗痕径は0.21mmであり、冷凍機油組成物8の摩耗痕径は0.20mmであり、冷凍機油組成物5と比較して優れた潤滑性を示した。 また、冷凍機油組成物1〜4、7および8は、BZTを1.5重量%含有しても、−20℃で固化または析出物が認められず、冷凍機油組成物5と比較してBZTを含有したときの低温特性に優れていることを示した。本発明のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを含む冷凍機油組成物1〜4、7および8は、酸化安定性、潤滑性およびBZTを含有したときの低温特性等がバランスよく優れていることがわかる。 本発明により、酸化安定性等に優れたビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル、および該ビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを含有する酸化安定性、潤滑性、低温特性等の優れた性能を有する冷凍機油組成物を提供できる。式(I)で表されるビスペンタエリスリトールモノホルマールとカルボン酸との混合エステルであり、前記カルボン酸が、炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸と、炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸とからなるビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル。 前記炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸が、3,5,5−トリメチルヘキサン酸である請求項1に記載のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル。 請求項1または2に記載のビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステルを含有する冷凍機油組成物。 請求項3に記載の冷凍機油組成物と冷媒とを含有する冷凍機用作動流体組成物。式(I)で表されるビスペンタエリスリトールモノホルマールとカルボン酸との混合エステルであり、前記カルボン酸が、炭素数9の分岐脂肪族モノカルボン酸と、炭素数4〜8の脂肪族モノカルボン酸の中から選ばれる一種のカルボン酸とからなるビスペンタエリスリトールモノホルマールのヘキサエステル等を提供する。該ヘキサエステルは、冷凍機油組成物の一成分等として用いられ、酸化安定性、潤滑性、低温特性等の優れた性能を冷凍機油組成物に付与する。