生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ジアミン、ポリイミド、ならびに、ポリイミドフィルムおよびその利用
出願番号:2014500173
年次:2014
IPC分類:C07C 237/40,C08G 73/10,G02B 5/20,G02F 1/1333,H05B 33/02,H05B 33/12


特許情報キャッシュ

長谷川 匡俊 石井 淳一 JP 5581463 特許公報(B2) 20140718 2014500173 20130204 ジアミン、ポリイミド、ならびに、ポリイミドフィルムおよびその利用 株式会社カネカ 000000941 増井 義久 100127030 比村 潤相 100125944 長谷川 匡俊 石井 淳一 JP 2012031971 20120216 20140827 C07C 237/40 20060101AFI20140807BHJP C08G 73/10 20060101ALI20140807BHJP G02B 5/20 20060101ALI20140807BHJP G02F 1/1333 20060101ALI20140807BHJP H05B 33/02 20060101ALI20140807BHJP H05B 33/12 20060101ALI20140807BHJP JPC07C237/40C08G73/10G02B5/20G02F1/1333H05B33/02H05B33/12 C07C 237/40 C08G 73/10 G02B 5/20 G02F 1/1333 H05B 33/02 H05B 33/12 CAplus/REGISTRY(STN) 特開2012−62344(JP,A) 特開平7−33876(JP,A) 特開平6−145351(JP,A) 13 JP2013052511 20130204 WO2013121917 20130822 30 20140424 松澤 優子 本発明は溶液加工性が良く、線熱膨張係数が低く、透明性の高いポリイミドおよびその製法に関する。さらには、本発明は、上記ポリイミドから得られるポリイミドフィルム、並びに、当該ポリイミドフィルムを含有する基板、カラーフィルター、画像表示装置、光学材料および電子デバイスに関する。また、本発明は、上記ポリイミドを製造する場合に好適に利用できるジアミンに関する。 現在液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの各種表示機器においてガラス基板が用いられている。ガラス基板は耐熱性が高く、線熱膨張係数が低く、透明性が高いという点において優れた材料である。一方、これらのディスプレイに対しては、軽量化およびフレキシブル化が求められており、ガラスに変わる材料が強く求められている。これらの要求を満足する材料として種々のポリイミド材料が検討されている。 さて、ポリイミドはその化学構造ゆえに高い耐熱性を有する。しかしながら、下記の点で、ポリイミドはガラスに変わる材料として用いるには課題を有する。 ポリイミドをガラスに代わる材料として使用する場合、とりわけ高精細な表示機器用に使用する場合には低い線熱膨張係数が必要となる。しかしながら一般のポリイミドフィルムは線熱膨張係数が低いとは言えず、使用することができる用途は限られている。 またポリイミドの多くは分子内・分子間電荷移動に起因する着色を有する。それゆえポリイミドフィルムを高い透明性が必要なディスプレイ材料などに使用することは困難であった。 さらにポリイミドの多くは、溶剤に不溶であり、ポリイミド溶液の塗工プロセスを用いての均一なフィルム化が困難である。それゆえ、溶剤に可溶なポリイミド前駆体であるポリアミド酸を均一にフィルム化し、ポリイミドフィルムへと変換する方法が広く採用されている。しかしかかる方法によれば、ポリアミド酸からポリイミドへと変換する工程は、300℃以上での加熱を必要とし、大きな反応収縮を伴う。そのため、かかる方法では、基板との線熱膨張係数のミスマッチにより反りが生じるばかりでなく、副生する水によりフィルム欠陥が生じるという問題があった。 上記の課題に対し、例えば特許文献1では、無色透明で熱安定性に優れたポリイミドフィルムが開示されている。また特許文献2では可溶性であり、かつ透明なポリイミドが開示されている。日本国公表特許公報「特表2010−538103号(2010年12月9日公表)」日本国公開特許公報「特開2011−225820号(2011年11月10日公開)」 しかしながら特許文献1に開示されたポリイミドの製法は、ポリイミド前駆体からポリイミドへの変換を伴うものであり、上記の問題が懸念される。また、特許文献2においては、線熱膨張係数に関しては言及がない。よって、特許文献2に記載のポリイミド溶液については、低い線熱膨張係数を必要とする用途での使用は制限される。以上の観点から低い線熱膨張係数、高い透明性、さらには優れた溶液加工性を満足するポリイミドが強く求められていた。 本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、溶液加工性が優れ、透明で耐熱性が高く、線熱膨張係数の低いポリイミドを提供することを課題とする。 以上の課題を鑑み、鋭意検討を行った結果、下記式(1)で表されるジアミンを用いて製造されることを特徴とするポリイミドを用いることにより、上記課題を解決するに至った。 本発明の構成を以下に示す。 1.下記式(1)で表されることを特徴とするジアミン。(ここで式中のzはNHまたはOである。) 2.下記式(3)で表される繰り返し単位を有することを特徴とするポリイミド。(ここで式中のAは4価の脂肪族基であり、zはNHまたはOである。) 本発明によれば、溶液加工性が優れ、透明で耐熱性が高く、線熱膨張係数の低いポリイミドを提供することができる。ここでいう透明とは、外観上無色であり、波長400nmにおける光透過率が60%以上であることをいう。本発明の実施例1のジアミンにかかるDSCチャート図である。本発明の実施例1のジアミンにかかるIRスペクトル図である。本発明の実施例1のジアミンにかかるNMRスペクトル図である。本発明の実施例5のジアミンにかかるDSCチャート図である。本発明の実施例5のジアミンにかかるIRスペクトル図である。本発明の実施例5のジアミンにかかるNMRスペクトル図である。 以下に本発明の実施形態について詳細に説明するが、これらは本発明の一態様であり、本発明はこれらの内容に限定されない。 ポリイミドの線熱膨張係数を低減するためには、分子の直線性を高くし、かつ分子間の相互作用を強くする必要がある。本発明のポリイミドは下記式(1)で表されるジアミンを用いることを特徴とする。このジアミンは分子内にアミド結合もしくはエステル結合を有する。そのため、このジアミンを用いて得られるポリイミドでは分子が直線状になり、線熱膨張係数が低くなると考えられる。(ここで式中のzはNHまたはOである。) 上記式(1)で表されるジアミンとしては、特に下記式(2)で表されるジアミンが好ましい。下記式(2)で表されるジアミンは、分子内にアミド結合を有する。そのため、下記式(2)で表されるジアミンを用いて得られるポリイミドでは、分子が直線状になると共に、分子間水素結合が形成されると考えられる。 上記式(2)で表されるジアミンの中でも、特に、透明性を向上させる観点から、下記式(8)で表されるジアミンが好ましい。 上記式(1)で表されるジアミンとしては、下記式(9)で表されるジアミンを用いてもよい。当該式(9)で表されるジアミンは、分子内にエステル結合を有する。そのため、当該式(9)で表されるジアミンを用いて得られるポリイミドにおいても、分子が直線状になると考えられる。 また、上記式(9)で表されるジアミンとして、透明性を向上させる観点から、下記式(10)で表されるジアミンを用いてもよい。 ポリイミドが溶媒に可溶であるためには、分子鎖間に溶媒分子が容易に侵入できる構造が必要である。本発明のポリイミドは、トリフルオロメチル基を有するジアミンを用いることを特徴とする。トリフルオロメチル基は立体的に嵩高いため、トリフルオロメチル基の導入により結晶化が妨げられることで、ポリイミドの分子鎖間に溶媒分子が容易に進入することが出来、その結果溶媒に可溶なポリイミドを得ることができるものと考えられる。 ポリイミドが黄色ないし茶色に着色する原因は、ポリイミド分子内および/または分子間の電荷移動によるものである。透明なポリイミドを得るためには、これらの電荷移動を抑制する必要がある。ここでいう透明とは、外観上無色であり、波長400nmにおける光透過率が60%以上であることをいう。 上記電荷移動を抑制するための一つの手段は、ポリイミドの合成に用いられるモノマーであるテトラカルボン酸二無水物成分またはジアミン成分のいずれかまたは両方に、脂肪族骨格を導入することである。ポリイミド前駆体の重合の際に使用可能な脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されないが、(1S,2R,4S,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(シス、シス、シス−1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物)、(1S,2S,4R,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、(1R,2S,4S,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(ジオキソテトラヒドロフリル−3−メチル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,4−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。またこれらを2種類以上併用することもできる。 上記の脂環式テトラカルボン酸二無水物の内、ポリイミドの物性および入手性の観点から下記式(11)で表されるシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物が好ましい。 また上記シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物の内、立体構造が制御された下記式(12)で表される(1S,2S,4R,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物が、ポリイミド分子の直線性を良好にし、線熱膨張係数を低くするという観点から特に好ましい。 本発明で用いるジアミンは、式(1)で表されるが、その他のジアミンを併用してもよい。その他のジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、4,4'−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4'−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4'−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4'−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、6,6'−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン、6,6'−ビス(4−アミノフェノキシ)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス[(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロトキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、trans−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,4−ジアミノ−2−フルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,5−ジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,6−ジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3,5−トリフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3,5,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2−フルオロベンジジン、3−フルオロベンジジン、2,3−ジフルオロベンジジン、2,5−ジフルオロベンジジン、2,6−ジフルオロベンジジン、2,3,5−トリフルオロベンジジン、2,3,6−トリフルオロベンジジン、2,3,5,6−テトラフルオロベンジジン、2,2’−ジフルオロベンジジン、3,3’−ジフルオロベンジジン、2,3’−ジフルオロベンジジン、2,2’,3−トリフルオロベンジジン、2,3,3’−トリフルオロベンジジン、2,2’,5−トリフルオロベンジジン、2,2’,6−トリフルオロベンジジン、2,3’,5−トリフルオロベンジジン、2,3’,6,−トリフルオロベンジジン、2,2’,3,3’−テトラフルオロベンジジン、2,2’,5,5’−テトラフルオロベンジジン、2,2’,6,6’−テトラフルオロベンジジン、2,2’,3,3’,6,6’−ヘキサフルオロベンジジン、2,2’,3,3’,5,5’、6,6’−オクタフルオロベンジジン、2−(トリフルオロメチル)ベンジジン、3−(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2、6−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,5,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,3’−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3’,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3’,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,3,3’−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記のように共重合する場合、式(1)で表されるジアミンの使用量(共重合組成)は、好ましい範囲として、ジアミン総物質量の10mol%以上、更に好ましい範囲は、50mol%以上である。共重合組成が10mol%以上の場合、線熱膨張係数、溶液加工性、光透過率の悪化をより防ぐことができる。 本発明のポリイミドは上記式(1)で表されるジアミンを用いることを特徴とする。上記式(1)で表されるジアミンの合成は、特に限定されず、既知の合成方法を用いた任意の手段を用いることができる。合成ルートの一例としては式(13)で示されるように対応するジアミンと酸クロライドを反応させ前駆体となるジニトロ化物を得、得られたジニトロ化物を触媒存在下において水素還元する方法などが挙げられる。例えば、式(13)で示される方法によれば、上記式(2)で表されるジアミンを得ることができる。 また、上記式(1)で表されるジアミンの他の合成ルートとして、まず式(14)で示されるようにジアミンから中間体を合成してもよい。そして、式(15)で示されるように、当該中間体と酸クロライドとを反応させて前駆体となるジニトロ化合物を得、得られたジニトロ化合物を触媒存在下において水素還元する方法を用いてもよい。当該方法によれば、例えば、上記式(9)で表されるジアミンを得ることができる。 本発明のポリイミドの製造方法は、特に限定されず、任意の方法を用いて得ることができる。ポリイミドは、例えば式(16)または式(17)で示されるように、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミンをN‐メチル‐2‐ピロリドン(以下、「NMP」という場合がある)溶媒中において攪拌することで前駆体となるポリアミド酸を得、さらに塩基触媒存在下で無水酢酸を脱水試薬として用いる反応により得ることができる。(ここで式中のAは、4価の脂肪族基である。) 本発明のポリイミドを製造する場合、上記式(2)および(9)で表されるジアミンのいずれか一方のみを用いてもよいし、両方を用いてもよい。上記式(2)および(9)で表されるジアミンを両方用いる場合、モル比は適宜決定されればよい。 このようにして得られるポリイミドは、下記式(3)で表される繰り返し単位を有する。(ここで式中のAは4価の脂肪族基であり、zはNHまたはOである。) 上記ポリイミドとしては、下記式(4)で表される繰り返し単位を有するポリイミドが好ましい。(ここで式中のAは、4価の脂肪族基である。) 透明性を向上させる観点から、下記式(5)で表される繰り返し単位を有するポリイミドが好ましい。(ここで式中のAは、4価の脂肪族基である。) また、下記式(6)で表される繰り返し単位を有するポリイミドがより好ましい。 透明性を向上させる観点から、下記式(18)で表される繰り返し単位を有するポリイミドがさらに好ましい。 線熱膨張係数をより低くする観点から、下記式(19)で表される繰り返し単位を有するポリイミドがさらに好ましい。 本発明のポリイミドの総繰り返し単位を100モル%とした場合に、式(3)〜(6)、(18)、(19)のうちの1つ以上で表される繰り返し単位の含有量の合計は、70モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。式(3)〜(6)、(18)、(19)の少なくともいずれか1つで表される繰り返し単位の含有量が70モル%以上であれば、より溶液加工性が優れ、透明で耐熱性が高く、線熱膨張係数の低いポリイミドを提供することができる。 透明性を向上させる観点から、式(3)〜(6)、(18)、(19)の少なくともいずれか1つで表される繰り返し単位に加えて、下記式(7)で表される繰り返し単位をさらに有するポリイミドが好ましい。(ここで式中のBは、4価の脂肪族基である。) 本発明のポリイミドの総繰り返し単位を100モル%とした場合に、上記式(7)で表される繰り返し単位の含有量は、1モル%以上50モル%以下であることが好ましく、10モル%以上50モル%以下であることがより好ましく、20モル%以上50モル%以下であることがさらに好ましい。 線熱膨張率を低くする観点から、式(3)〜(6)、(18)、(19)の少なくともいずれか1つで表される繰り返し単位に加えて、下記式(20)で表される繰り返し単位をさらに有するポリイミドが好ましい。 本発明のポリイミドの総繰り返し単位を100モル%とした場合に、上記式(20)で表される繰り返し単位の含有量は、1モル%以上50モル%以下であることが好ましく、10モル%以上50モル%以下であることがより好ましく、20モル%以上50モル%以下であることがさらに好ましい。 また、本発明のポリイミドは、式(3)においてzがNHである繰り返し単位(式(4)で表される繰り返し単位)と式(3)においてzがOである繰り返し単位とのいずれか一方のみを含んでいてもよいし、両方を含んでいてもよい。 重合時に用いる溶媒は、ポリアミド酸およびポリイミドが均一に溶解できるものであればよく、反応を阻害するものでなければ、限定されるものではない。例えば上述のNMP以外にも、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等の環状エステル溶媒が好適に用いられる。 本発明のポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応によって得られるポリアミド酸をイミド化することにより製造することができる。イミド化の方法は特に限定されず、公知の方法(化学イミド化法および熱イミド化法)を適用することが出来る。 まず化学イミド化によるポリイミドの製造方法について説明する。重合して得られたポリイミド前駆体ワニス、または重合時に用いる溶媒と同一の溶媒で適度に希釈したポリイミド前駆体ワニスに、攪拌下で有機酸の酸無水物と、触媒として3級アミンとからなる化学イミド化試薬を滴下し、0〜100℃、好ましくは20〜50℃で0.5時間〜48時間攪拌することで容易にイミド化反応を完結することができる。 上記化学イミド化において使用可能な有機酸無水物としては特に限定されないが、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等が挙げられる。このうち、コストおよび後処理(除去)のしやすさの観点から無水酢酸が好適に用いられる。また3級アミンとしては特に限定されず、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等が使用可能であるが、安全性の観点から好ましくはピリジンが用いられる。 投入する化学イミド試薬中の有機酸無水物量は、特に限定されないが、ポリイミド前駆体の理論脱水量の1〜10倍モルの範囲であり、反応の完結、反応速度および後処理の観点から2〜5倍モルの範囲であることが好ましい。また3級アミン触媒の使用量は、特に限定されないが、反応の完結、反応速度および後処理(除去のしやすさ)の観点から有機酸無水物量に対して0.1〜1倍モルの範囲であることが好ましい。 本発明にかかるポリイミドは、熱的手法によるイミド化(熱イミド化)によっても得ることができる。熱的手法によるイミド化は、ポリアミド酸溶液を加熱して行えばよい。あるいは、ガラス板、金属板、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の支持体に、ポリアミド酸溶液を流延または塗布した後、80℃〜500℃の範囲内で熱処理を行えばよい。さらに、フッ素系樹脂によるコーティング等の離型処理を施した容器に直接ポリアミド酸溶液を入れ、減圧下で加熱乾燥することによって、ポリアミド酸の脱水閉環を行うこともできる。このような熱的手法によるポリアミド酸の脱水閉環により、ポリイミド樹脂を得ることができる。なお、上記各処理の加熱時間は、脱水閉環を行うポリアミド酸溶液の処理量や加熱温度により異なるが、一般的には、処理温度が最高温度に達してから1分〜5時間の範囲で行うことが好ましい。 また、共沸溶媒を用いた共沸法を用いる場合は、ポリアミド酸溶液にトルエンまたはキシレン等の水と共沸する溶媒を加え、170〜200℃に昇温して、脱水閉環により生成してくる水を積極的に系外へ除去しながら、1時間〜5時間程度反応させればよい。反応終了後、アルコール等の貧溶媒中にて沈殿させ、必要に応じてアルコール等で洗浄を行ったのち、乾燥を行ってポリイミド樹脂を得ることができる。 上記のようにしてイミド化した反応溶液を大量の貧溶媒中に滴下することで、ポリイミドを析出させ、繰り返し洗浄して反応溶媒、化学イミド化剤、触媒等を除去した後、減圧乾燥してポリイミドの粉末を得ることができる。使用可能な貧溶媒としては、ポリイミドを溶解しないものであればよく、特に限定されないが、反応溶媒や化学イミド化剤との親和性および乾燥による除去のしやすさの観点から水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等やこれらの混合溶媒が好適に用いられる。 ポリイミド、イミド化促進剤及び脱水剤を含有するポリイミド溶液を貧溶媒中に投入する際、ポリイミド溶液の固形分濃度は、撹拌が可能な粘度であるならば特に制限されないが、粒径を小さくするという観点から濃度は希薄である方が好ましい。しかし、当該濃度が希薄すぎる場合、ポリイミドを析出させるために、大量の貧溶媒を使用することとなり、好ましくない。これらの観点より、ポリイミド溶液の固形分濃度が15%以下、好ましくは10%以下の状態になるように希釈を行った後に、ポリイミド溶液に貧溶媒を投入することが好ましい。使用する貧溶媒量はポリイミド溶液の等量以上の量を使用することが好ましく、2〜3倍量がより好ましい。ここで得られたポリイミドは、少量のイミド化促進剤や脱水剤を含んでいるため、上記貧溶媒で数回洗浄することが好ましい。 こうして化学イミド化法または熱イミド化法で得られたポリイミドの乾燥方法は、真空乾燥でも、熱風乾燥でもよい。樹脂に含まれる溶媒を完全に乾燥させるためには、真空乾燥が望ましく、乾燥温度は、残留溶媒の分解および残留溶媒による樹脂の劣化を防ぐ観点から80〜200℃の範囲が好ましい。また乾燥時間は樹脂に含まれる溶媒を完全に乾燥できる時間であれば任意であるが、製造プロセスコストの観点から15時間以下であることが好ましく、残留溶媒を十分に乾燥させるという観点から8時間以上であることが好ましい。 本発明のポリイミドの重量平均分子量は、その用途にもよるが、5,000〜500,000の範囲であることが好ましく、10,000〜300,000の範囲であることがさらに好ましく、30,000〜200,000の範囲であることがさらに好ましい。重量平均分子量が5,000以上であれば、塗膜又はフィルムとした場合により十分な強度を得ることができる。一方、重量平均分子量が500,000以下であれば、粘度の上昇が少なく、また、良好な溶解性を保つことができるため、表面が平滑で膜厚が均一な塗膜又はフィルムを得ることができる。ここで用いている分子量とは、ゲルパーミレーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリエチレングリコール換算の値のことをいう。またポリイミドがGPC測定に用いる溶媒に不溶の場合は、ポリイミドそのものの分子量の代わりにその前駆体であるポリアミド酸の分子量を用いることができる。 本発明のポリイミドは、任意の方法を用いてフィルム化することができる。フィルム化方法の一例としては、ポリイミドを任意の有機溶媒に溶解し得られた溶液を基材に塗布、乾燥する方法などが挙げられる。使用する有機溶媒は特に限定されないが、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN−メチルピロリドン(NMP)等のアミド系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロペンタノン及びシクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン(THF)、1,3−ジオキソラン及び1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ‐ブチロラクトン、α-アセトラクトン、β-プロピオラクトン、およびδ-バレロラクトンなどのエステル系溶媒、メチルモノグライム(1,2-ジメトキシエタン)、メチルジグライム(ビス(2-メトキシエチル)エーテル)、メチルトリグライム(1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)、メチルテトラグライム(ビス[2-(2-メトキシエトキシエチル)]エーテル)、エチルモノグライム(1,2-ジエトキシエタン)、エチルジグライム(ビス(2-エトキシエチル)エーテル)、ブチルジグライム(ビス(2-ブトキシエチル)エーテル)等の対称グリコールジエーテル類、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキソラン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類等を挙げることができる。使用される有機溶媒は上記の例の中から少なくとも1つ選択されることが好ましい。またさらに、本発明のポリイミドは、上記のアミド系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒の全てに溶解することが、塗工する基板に合わせた溶媒を都度選定できるという点で特に好ましい。この中で、使用される有機溶媒としては、塗工中、乾燥途上の塗膜が吸湿することにより、白化、不均一化、固化等の不具合を防止するという観点から、アミド系溶媒と、ケトン系溶媒またはエーテル系溶媒との混合溶媒が好ましく、更には、ケトン系溶媒またはエーテル系溶媒単体か、またはそれらの混合溶媒での使用がより好ましい。その中でも特に好ましいアミド系溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN−メチルピロリドン(NMP)、ケトン系溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、エーテル系溶媒としてはメチルモノグライム(1,2-ジメトキシエタン)、メチルジグライム(ビス(2-メトキシエチル)エーテル)、メチルトリグライム(1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)などが挙げられる。本発明のポリイミド溶液の濃度は、5〜40重量%が好ましく、塗工されたフィルムの平滑性を確保する観点から5〜20重量%であることがさらに好ましい。 ポリイミド溶液の粘度は塗工する厚み及び塗工環境に応じて、随時選択されるが、0.1〜50Pa・sであることが好ましく、0.5〜30Pa・sであることがさらに好ましい。ポリイミド溶液の粘度が0.1Pa・s以上であれば、十分な溶液粘度を確保でき、その結果、十分な膜厚精度を確保することができる。また、ポリイミド溶液の粘度が50Pa・s以下であれば、膜厚精度を確保できるとともに、塗工後すぐに乾燥する部分が発生することによるゲル欠陥等の外観欠陥の発生をより確実に防ぐことができる。上記粘度は、23℃における動粘度を、E型粘度計を用いて測定したものである。 本発明のポリイミドフィルムは、支持体にポリイミド溶液を塗工し、乾燥することで製造することができる。また、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸を支持体に塗工し、得られた膜を加熱してイミド化、乾燥することでもポリイミドフィルムを得ることができる。得られるポリイミドフィルムの熱膨張特性や寸法安定性の観点から、ポリイミド溶液を塗工し、乾燥する方法がより好ましい。 上記のポリイミド溶液を塗工する基板としては、ガラス基板、SUS等の金属基板あるいは金属ベルト、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエチレンナフタレート及びトリアセチルセルロース等のプラスチックフィルム等が使用されるが、これに限定されるものではない。現行のバッチタイプのデバイス製造プロセスに適応させるためには、ガラス基板を用いることが好ましい。 ポリイミドフィルム製造時の乾燥温度に関しては、プロセスに合わせた条件を選択することが可能であり、特性に影響を与えない限り、特に制限されない。 本発明に係るポリイミドは、そのまま製品や部材を作製するためのコーティングや成形プロセスに供してもよいが、フィルム状に成形された成形物にさらにコーティング等の処理を行い積層物として用いることが出来る。コーティングあるいは成形プロセスに供するために、該ポリイミドを必要に応じて溶剤に溶解又は分散させ、さらに、光又は熱硬化性成分、本発明に係るポリイミド以外の非重合性バインダー樹脂、その他の成分を配合して、ポリイミド樹脂組成物を調製してもよい。 本発明に係るポリイミド樹脂組成物に加工特性や各種機能性を付与するために、その他に様々な有機又は無機の低分子又は高分子化合物を配合してもよい。例えば、染料、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、微粒子、増感剤等を用いることができる。微粒子には、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子、コロイダルシリカ、カーボン、層状珪酸塩等の無機微粒子等が包含され、それらは多孔質や中空構造であってもよい。また、上記低分子又は高分子化合物の機能又は形態としては顔料、フィラー、繊維等がある。 本発明に係るポリイミドフィルムは、その表面に金属酸化物や透明電極等の各種無機薄膜を形成していても良い。これら無機薄膜の製膜方法は特に限定されるものではなく、例えばCVD法、ならびに、スパッタリング法、真空蒸着法およびイオンプレーティング法等のPVD法等が挙げられる。 本発明に係るポリイミドフィルムは、耐熱性、絶縁性等のポリイミド本来の特性に加えて、高い寸法安定性及び高い有機溶媒への溶解性を有することから、これらの特性が有効とされる分野および製品、例えば、基板、カラーフィルター、印刷物、光学材料、電子デバイス、画像表示装置などに使用されることが好ましく、さらには現在ガラスや透明材料が使用されている部分の代替材料とすることがさらに好ましい。基板は、TFT基板、フレキシブルディスプレイ基板および透明導電膜基板などである。電子デバイスは、タッチパネルおよび太陽電池などである。画像表示装置は、フレキシブルディスプレイ、液晶表示装置、有機EL、電子ペーパーおよび3−Dディスプレイ等である。光学材料は、光学フィルム等である。 本発明は、さらに以下のように構成することも可能である。 3.下記式(2)で表されることを特徴とする上記1に記載のジアミン。 4.下記式(4)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする上記2に記載のポリイミド。(ここで式中のAは、4価の脂肪族基である。) 5.下記式(5)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする上記2または4に記載のポリイミド。(ここで式中のAは、4価の脂肪族基である。) 6.下記式(6)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする上記2または4に記載のポリイミド。 7.下記式(7)で表される繰り返し単位をさらに有することを特徴とする2、4〜6のいずれか1つに記載のポリイミド。(ここで式中のBは、4価の脂肪族基である。) 8.上記2、4〜7のいずれか1つに記載のポリイミドから得られたポリイミドフィルム。 9.上記8に記載のポリイミドフィルムを含有する基板。 10.上記8に記載のポリイミドフィルムを含有するカラーフィルター。 11.上記8に記載のポリイミドフィルムを含有する画像表示装置。 12.上記8に記載のポリイミドフィルムを含有する光学材料。 13.上記8に記載のポリイミドフィルムを含有する電子デバイス。 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例における物性値は、次の方法により測定した。 (平均線熱膨張係数の測定)100〜200の平均線熱膨張係数(以下、「CTE」という場合がある)の測定は、Bruker−AXS製TMA4000を用いて(サンプルサイズ 幅5mm、長さ20mm(測定治具間隔15mm))、荷重を膜厚(μm)×0.5gとして行った。上記平均線熱膨張係数は、乾燥窒素雰囲気中、5℃/minで150℃まで一旦昇温させた後、20℃まで冷却し、さらに5℃/minで昇温させて2回目の昇温時のTMA曲線より計算した。 (ガラス転移温度の測定)Bruker−AXS製TMA4000を用い、測定長(測定治具間隔)を15mmとして、正弦的に荷重(振幅15g)をかけ動的粘弾性測定を行い、損失エネルギーが最大となる温度をガラス転移温度(Tg)とした。 (熱分解温度の測定)TG−DTA2000(Bruker−AXS社)を用い、アルミパンに5〜10mg程度の試料を精秤し、もう一方のアルミパンは空の状態でセットした。重量値をゼロセット後に窒素雰囲気中で昇温速度10℃/minで550℃まで昇温させ、5%重量減少時の温度を測定することで、熱分解温度(Td5)を測定した。 (機械特性の測定)TENSILON UTM−2(エー・アンド・デイ社製)を用い、ポリイミドフィルムを3mm×35mmに切りだして治具に固定し、チャック間距離20mmになるように引張試験機にセットし、クロスヘッドスピード8mm/minで引張り試験を行い、平均伸び、最大伸び、引張弾性率、破断強度の測定を行った。 (光透過率の測定)紫外−可視分光光度計V−530(日本分光社製)を用い、波長200〜800nmにおけるポリイミドフィルムの光透過率(T%)を測定した。光透過率が0.5%以下になったときの波長をカットオフ波長とし、透明性の指標とした。また波長400nmでの光透過率をもう一つの透明性の指標として求め、透明性の評価を行った。 (屈折率の測定)Abbe屈折計4T(ATAGO社製)を用い、光源としてNaD線(589.3nm)を用い、中間液としてヨウ化メチレン溶液に硫黄を飽和させた溶液(nD=1.72〜1.80)およびテストピース(nD=1.72)を用いて、屈折率の測定を行った。 (固有粘度の測定)0.5wt%のポリイミド溶液およびポリアミド酸溶液を用い、30℃にてオストワルド粘度計(柴田科学製 粘度計番号2)を用いて測定した。この溶液の溶媒として、実施例1、2ではNMP、比較例1〜5ではDMAcを用いた。 (溶液加工性の評価)ポリイミド粉末を99倍重量の溶剤に加え、試験管ミキサーを用いて5分間撹拌して溶解状態を目視で確認した。使用する溶剤はクロロホルム、アセトン、THF、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、DMAc、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ‐ブチロラクトンとした。評価は、常温で溶解する場合を++、加熱により溶解し、且つ室温まで放冷後も均一性を保持していた場合を+、膨潤または一部溶解した場合を±、不溶の場合を−とした。尚、加熱温度は、クロロホルム、アセトン、THF、酢酸エチルの場合を50℃、1,4−ジオキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンの場合を100℃、DMAc、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ‐ブチロラクトンの場合を150℃とした。 (用いた原料の略称)以下の化合物名については下記の略号を用いて書く場合がある。テトラヒドロフラン=THF2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン=TFMB(1S,2S,4R,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物=H’‐PMDAN,N−ジメチルアセトアミド=DMAc4,4’‐ジアミノベンズアニリド=DABA。 〔実施例1〕 (ジアミンの合成) 上記式(8)で表されるジアミン(以下、「ABMB」という)を上記式(13)に示す方法により合成した。具体的な合成方法を以下に示す。 <ABMB前駆体(NBMB)の合成> 3.2023g(10mmol)の2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)、1.75mLのTHF、および3.3mL(40mmol)のピリジン溶液を、3.8023g(20.5mmol)の4−ニトロベンゼンカルボン酸クロライド(4−NBC)を6.26mLのテトラヒドロフラン(以下、「THF」という)に溶かした溶液に氷浴下にてシリンジを用いて添加した。その結果、多量の黄白色沈殿が生じた。12時間静置後、得られた黄白色沈殿をろ過し、THF、イオン交換水で十分洗浄した。得られた粉末を100℃で12時間減圧乾燥し、ABMB前駆体であるニトロ化物(以下、「NBMB」という。収量:5.9216g、収率:95.7%)を得た。得られた生成物はプロトンNMR、FT−IRにより同定した。 <ABMBの合成> 9.2410g(14.94mmol)のNBMB、0.9279gのPd/Cを120mLのエタノールに溶解および分散した。得られた溶液に80℃にて水素ガスをバブリングし7時間反応を行なった。反応終点は薄層クロマトグラフィーにより確認した。反応終了後、反応混合物を熱ろ過し、ろ液を水中に滴下したところ白色沈殿を生じた。12時間攪拌後、得られた粉末を分取し、水で十分洗浄した。その後100℃で12時間減圧乾燥を行い、ABMB粗生成物7.9811g(収率:95.6%)を得た。 ABMBの精製は次のように行なった。ABMB粗生成物0.5012gを0.5gの活性炭存在下、エタノール40mL、イオン交換水10mLに65℃にて溶解し、熱ろ過を行なった。ろ液にイオン交換水20mLを追加し、冷却することにより、精製されたABMB生成物0.4212g(再結晶収率:84.0%)を得た。 図1に示されるように、この生成物の融点を示差走査熱量分析装置DSC3100(Bruker−AXS社製)によって測定したところ、317℃にシャープな吸熱ピークが現れ、純度の高い生成物であることを確認した。 図2に示されるように、得られた生成物についてフーリエ変換赤外分光光度計FT/IR5300(日本分光社製)を用いたKBr錠剤法を行うことにより、3512、3417、3303cm−1にアミンおよびN−H伸縮振動、1651cm−1にアミドC=O伸縮振動を確認した。 図3に示されるように、得られた生成物についてフーリエ変換核磁気共鳴JNM―ECP400(JEOL社製)を用いたプロトンNMR測定を行うことにより(400MHz、DMSO−d6,δ,ppm):5.86(s,NH2,4H),6.62(d,J=8.6Hz,ArH,4H),7.31(d,J=8.5Hz,ArH,2H),7.76(d,J=8.6Hz,ArH,4H),8.06(d,J=8.6Hz,ArH,2H),8.33(s,ArH,2H),10.15(s,NH,2H)と帰属でき、目的物であることを確認した。 〔実施例2〕 1.6754g(3mmol)のABMBを5.4784gのNMPに溶解した。得られた溶液に0.6725g(3mmol)のH’‐PMDAを加え、室温で7時間攪拌した。得られた溶液をNMPによって固形分濃度10.2重量%に希釈後、得られた希釈液に3.0627g(30mmol)の無水酢酸と1.1865g(15mmol)のピリジンとの混合溶媒を室温下でゆっくりと滴下し、その後24時間攪拌した。得られた溶液を大量のメタノールに加え、目的生成物を沈殿させた。得られた白色沈殿をメタノールで十分洗浄し、真空乾燥した。 得られたポリイミド粉末をシクロペンタノンに溶解し、3重量%の溶液を調製した。当該溶液をガラス基板上に流延し、60℃で2時間熱風乾燥器で乾燥した。その後基板から剥がし、真空中250℃で1時間乾燥し、ポリイミドフィルム(以下、「フィルム」という)を作製した。なお、フィルムは、平均線熱膨張係数、ガラス転移温度、機械特性の測定用として膜厚10μmのものと、光透過率、屈折率の測定用として膜厚15μmのものと2種類を作製した。 得られたフィルムの機械特性を測定したところ、平均伸び12%、最大伸び31%、引張弾性率3.4GPa、破断強度0.12GPaであった(試験本数20本の平均、膜厚10μm)。 〔実施例3〕 フィルム作製条件を次の通り変更したほかは、実施例2と同様に行なった。得られたポリイミド粉末をシクロペンタノンに溶解し、3重量%の溶液を調製した。当該溶液をガラス基板上に流延し、60℃で2時間熱風乾器を用いて乾燥した。その後ガラス基板上で真空中250℃の条件で1時間乾燥を行い、その後基板から剥離しさらに真空中250℃で1時間熱処理し、フィルムを作製した。なお、フィルムは、平均線熱膨張係数、機械特性の測定用として膜厚10μmのものと、屈折率の測定用として膜厚15μmのものと2種類を作製した。 得られたフィルムの機械特性を測定したところ、平均伸び12%、最大伸び31%、引張弾性率3.4GPa、破断強度0.12GPaであった(試験本数20本の平均、膜厚10μm)。 〔実施例4〕 1.3403g(2.4mmol)のABMBと0.1921g(0.6mmol)のTFMBを5.1448gのNMPに溶解した。得られた溶液に0.6725g(3mmol)のH’‐PMDAを加え、室温で7時間攪拌した。得られた溶液をNMPによって固形分濃度10.0重量%に希釈後、3.0627g(30mmol)の無水酢酸と1.1865g(15mmol)のピリジンとの混合溶媒を室温下でゆっくりと滴下し、その後24時間攪拌した。得られた溶液を大量のメタノールに加え、目的生成物を沈殿させた。得られた白色沈殿をメタノールで十分洗浄し、真空乾燥した。なお、得られたポリイミドは、上記式(15)で表される繰り返し単位を20モル%含んでいる。 得られたポリイミド粉末をシクロペンタノンに溶解し、18重量%の溶液を調製した。当該溶液をガラス基板上に流延し、60℃で2時間熱風乾燥器を用いて乾燥した。その後ガラス基板上で真空中250℃の条件で1時間乾燥を行い、その後基板から剥離しさらに真空中250℃で1時間熱処理し、フィルムを作製した。なお、フィルムは、平均線熱膨張係数、機械特性の測定用として膜厚20μmのものと、光透過率の測定用として膜厚28μmのものと2種類を作製した。 得られたフィルムの機械特性を測定したところ、平均伸び22%、最大伸び31%、引張弾性率4.5GPa、破断強度0.15GPaであった(試験本数20本の平均、膜厚28μm)。 〔実施例5〕 (ジアミンの合成) 上記式(10)で表されるジアミン(以下、「EBMB」という)を上記式(14)および(15)に示す方法により合成した。具体的な合成方法を以下に示す。 <中間体2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジヒドロキシビフェニル(TFBD)の合成> 中間体TFBDを上記式(14)に示す方法によって合成した。まず窒素雰囲気下、三つ口フラスコに濃塩酸24mL、水100mLを入れ、この水溶液中に3.0128g(9.99mmol)のTFMBを加えて撹拌した。−4℃のこの溶液に、1.3802g(30mmol)の亜硝酸ナトリウムを水8mLで溶解した水溶液をシリンジで滴下した。滴下終了後、得られた溶液を−4℃に保ったまま、2時間撹拌し、0.1009g(10mmol)の尿素を加えて更に30分間撹拌してA液とした。 一方、窒素雰囲気下にて別の三つ口フラスコにリン酸7mL、水500mLを加えて90℃に保ったB液中にA液を少量ずつ滴下し、滴下終了後、1時間環流し、その後室温にて1日撹拌した。得られた溶液をジエチルエーテルで抽出し、溶剤を留去して白黄色粉末の目的物を回収した。収量は、1.5104g、収率は、46.9%であった。 融点を示差走査熱量分析装置DSC3100(Bruker−AXS社製)によって測定したところ、148℃にシャープな吸熱ピークが現れ、純度の高い生成物であることを確認した。得られた生成物はプロトンNMR、FT−IRにより同定した。 <EBMB前駆体(EBNB)の合成> 1.4002g(4.35mmol)のTFBD、7.4mLのTHF、1.4mL(17.4mmol)のピリジン溶液を、4−ニトロベンゼンカルボン酸クロライド(4−NBC)を2.8mLのTHFに溶解した溶液に氷浴下シリンジを用いて添加した。その結果黄白色の沈澱が生じた。12時間後、多量の水に再沈殿して、1日撹拌した。得られた黄白色沈澱を濾過し、洗浄後、濾過回収した。得られた粉末を100℃で12時間減圧乾燥し、EBMB前駆体であるニトロ化合物(以下、EBNBとする)を得た。収量は、2.1672g、収率は80.3%であった。 融点を示差走査熱量分析装置DSC3100(Bruker−AXS社製)によって測定したところ、237℃にシャープな吸熱ピークが現れ、純度の高い生成物であることを確認した。得られた生成物はプロトンNMR、FT−IRにより同定した。 <EBMBの合成> 4.0041g(6.4539mmol)のEBNB、0.4295gのPd/Cを120mLのエタノールに溶解および分散した。得られた溶液に70℃にて水素ガスをバブリングし11時間反応を行なった。反応終点は薄層クロマトグラフィーにより確認した。反応終了後、反応混合物を熱ろ過し、ろ液を水中に滴下したところ白色沈殿を生じた。12時間攪拌後、得られた粉末を分取し、水で十分洗浄した。その後80℃で12時間減圧乾燥を行い、EBMB粗生成物3.2505g(収率:89.9%)を得た。 得られた粗結晶をγ―ブチロラクトン/水(4/3)280mLに加え、100℃で溶解させた。この溶液へ活性炭を滴量加え、しばらく撹拌した後、活性炭を除去した。12時間放置後、結晶を回収し、100℃で12時間真空乾燥した。収量は1.7162g、再結晶収率は52.8%であった。 図4に示されるように、得られた生成物の融点を示差走査熱量分析装置DSC3100(Bruker−AXS社製)によって測定したところ、267℃にシャープな吸熱ピークが現れ、純度の高い生成物であることを確認した。 図5に示されるように、得られた生成物についてフーリエ変換赤外分光光度計FT/IR5300(日本分光社製)を用いたKBrプレート法を行うことにより、3522、3418cm−1にアミン伸縮振動、1724cm−1にエステル伸縮振動が確認された。 図6に示されるように、得られた生成物についてフーリエ変換核磁気共鳴JNM―ECP400(JEOL社製)を用いたプロトンNMR測定を行うことにより(400MHz、DMSO−d6,δ,ppm):6.27(s,NH2,4H),6.66(d,J=8.0Hz,ArH,4H),7.51(d,J=8.4Hz,ArH,2H)、7.62(dd,J=8.4,2.3Hz,ArH,2H),7.76(d,J=2.4Hz,ArH,4H),7.85(d,J=8.4Hz,ArH,4H)と帰属でき、目的物であることを確認した。 (ポリイミドの合成) 0.8406g(1.5mmol)のEBMB、0.8377g(1.5mmol)のABMBを3.91gのNMPに溶解した。得られた溶液に0.6725g(3mmol)のH’‐PMDAを加え、更にNMPを加えて固形分濃度16.0重量%にて室温で7時間攪拌した。得られた溶液(ポリイミド前駆体)の固有粘度は、2.5dL/gであった。この溶液中に3.0627g(30mmol)の無水酢酸と1.1865g(15mmol)のピリジンとの混合溶媒を室温下でゆっくりと滴下し、その後24時間攪拌した。得られた溶液を大量のメタノールに加え、目的生成物を沈殿させた。得られた白色沈殿をメタノールで十分洗浄し、真空乾燥した。 〔比較例1〕 0.9607g(3mmol)のTFMBをDMAc3.8108gに溶解した。得られた溶液に0.6725g(3mmol)のH’‐PMDAを加え室温にて9時間攪拌した。得られた溶液をDMAcによって固形分濃度13.6重量%に希釈後、得られた希釈液に3.0627g(30mmol)の無水酢酸と1.1865g(15mmol)のピリジンとの混合溶媒を室温下で加え、その後24時間攪拌した。得られた溶液をメタノールに加え、目的生成物を沈殿させた。得られた白色沈殿をメタノールで十分洗浄した。 得られたポリイミド粉末をシクロペンタノンに溶解し、15重量%の溶液を調製した。当該溶液をガラス基板上に流延し、60℃で2時間熱風乾燥器を用いて乾燥した。その後基板から剥がし真空中250℃で1時間乾燥し、フィルムを作製した。なお、フィルムは、平均線熱膨張係数、ガラス転移温度の測定用として膜厚16μmのものと、光透過率、屈折率の測定用として膜厚17μmのものとの2種類を作製した。 〔比較例2〕 0.7686g(2.4mmol)のTFMBと0.1364g(0.6mmol)のDABAとをDMAc3.6808gに溶解した。得られた溶液に0.6725g(3mmol)のH’‐PMDAを加え室温にて9時間攪拌した。得られた溶液をDMAcによって固形分濃度12.4重量%に希釈後、得られた希釈液に3.0627g(30mmol)の無水酢酸と1.1865g(15mmol)のピリジンとの混合溶媒を室温で加え、その後24時間攪拌した。得られた溶液をメタノールに加え、目的ポリイミド粉末を沈殿させた。得られた白色沈殿をメタノールで十分洗浄した。 得られたポリイミド粉末をDMAcに溶解し、12重量%の溶液を調製した。当該溶液をガラス基板上に流延し、60℃にて2時間熱風乾燥機で乾燥した。その後基板から剥がし真空中250℃で1時間乾燥しフィルムを作製した。なお、フィルムは、平均線熱膨張係数、ガラス転移温度の測定用として膜厚15μmのものと、光透過率、屈折率の測定用として膜厚20μmのものとの2種類を作製した。 〔比較例3〕 0.6725g(2.1mmol)のTFMBと0.2045g(0.9mmol)のDABAとをDMAc3.6155gに溶解した。得られた溶液に0.6725g(3mmol)のH’‐PMDAを加え室温で9時間攪拌した。得られた溶液をDMAcによって固形分濃度12.5重量%に希釈後、得られた希釈液に3.0627g(30mmol)の無水酢酸と1.1865g(15mmol)のピリジンとの混合溶媒を室温下で加えたところ、反応混合物がゲル化し、以降の操作を実施することができなかった。 〔比較例4〕 0.5764g(1.8mmol)のTFMBと0.2727g(1.2mmol)のDABAとをDMAc3.5504gに溶解した。得られた溶液に0.6725g(3mmol)のH’‐PMDAを加え室温にて9時間攪拌した。得られた溶液をDMAcによって固形分濃度12.5重量%に希釈後、得られた希釈液に3.0627g(30mmol)の無水酢酸と1.1865g(15mmol)のピリジンとの混合溶媒を室温下で加えたところ、反応混合物がゲル化し、以降の操作を実施することができなかった。 〔比較例5〕 0.6818g(3mmol)のDABAをDMAc3.160gに溶解した。得られた溶液に0.6725g(3mmol)のH’‐PMDAを加え室温にて9時間攪拌した。得られた溶液をDMAcによって固形分濃度12.5重量%に希釈後、得られた希釈液に3.0627g(30mmol)の無水酢酸と1.1865g(15mmol)のピリジンとの混合溶媒を室温下で加えたところ、不溶成分が析出し、以降の操作を実施することができなかった。 実施例2、4および比較例1〜5の重合濃度、ポリアミド酸溶液およびポリイミドの固有粘度、屈折率について表1に示した。 実施例2、5および比較例1、2で得られたポリイミドの溶液加工性の評価について表2に示した。 表中DMSOはジメチルスルホキシドを表す。 実施例2および5で得られたポリイミドは種々の溶液に溶かすことが出来、比較例1、2に比べて溶液加工性に優れていた。また、実施例5において得られたポリイミドは、実施例2において得られたポリイミドと比べても、さらに溶液加工性に優れていた。 実施例2〜4のフィルムおよび比較例1、2のフィルムのTg、Td5、CTE、光透過率について表3に示した。 実施例2〜4のフィルムは、比較例1、2のフィルムに比べて高いTg、低いCTEを有するとともに、同程度の良好な光透過率を有していた。また、実施例2〜4のフィルムは、比較例1、2のフィルムに比べて低いTd5を有していた。 本発明にかかるポリイミドは、例えば、フィルムとして、基板、カラーフィルター、印刷物、光学材料、電子デバイス、画像表示装置などに好適に使用される。また、本発明にかかるポリイミドの製造には、本発明に係るジアミンを好適に使用することができる。下記式(1)で表されることを特徴とするジアミン。(ここで式中のzはNHまたはOである。)下記式(2)で表されることを特徴とする請求項1に記載のジアミン。下記式(3)で表される繰り返し単位を有することを特徴とするポリイミド。(ここで式中のAは4価の脂肪族基であり、zはNHまたはOである。)下記式(4)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項3に記載のポリイミド。(ここで式中のAは、4価の脂肪族基である。)下記式(5)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項3または4に記載のポリイミド。(ここで式中のAは、4価の脂肪族基である。)下記式(6)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項3または4に記載のポリイミド。下記式(7)で表される繰り返し単位をさらに有することを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載のポリイミド。(ここで式中のBは、4価の脂肪族基である。)請求項3〜7のいずれか一項に記載のポリイミドから得られたポリイミドフィルム。請求項8に記載のポリイミドフィルムを含有する基板。請求項8に記載のポリイミドフィルムを含有するカラーフィルター。請求項8に記載のポリイミドフィルムを含有する画像表示装置。請求項8に記載のポリイミドフィルムを含有する光学材料。請求項8に記載のポリイミドフィルムを含有する電子デバイス。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る