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タイトル:公開特許公報(A)_アモルファス化合物ゲル、アモルファス化合物ゲルの製造方法、酸化物結晶体の製造方法、金属結晶体の製造方法、酸化物結晶体、及び金属結晶体
出願番号:2014261166
年次:2015
IPC分類:B01J 13/00,H01B 13/00,H01L 21/368,H01L 21/208,C01B 13/32,C07C 31/08,C07C 31/32,H01L 21/316,H01L 21/288,C07F 1/08,C07F 3/06,C07F 7/22,C07F 1/10,C07F 7/04


特許情報キャッシュ

石井 智紘 藤原 英道 JP 2015157280 公開特許公報(A) 20150903 2014261166 20141224 アモルファス化合物ゲル、アモルファス化合物ゲルの製造方法、酸化物結晶体の製造方法、金属結晶体の製造方法、酸化物結晶体、及び金属結晶体 古河電気工業株式会社 000005290 白坂 一 100161322 中 敦士 100120570 石井 智紘 藤原 英道 JP 2014008840 20140121 B01J 13/00 20060101AFI20150807BHJP H01B 13/00 20060101ALI20150807BHJP H01L 21/368 20060101ALI20150807BHJP H01L 21/208 20060101ALI20150807BHJP C01B 13/32 20060101ALI20150807BHJP C07C 31/08 20060101ALI20150807BHJP C07C 31/32 20060101ALI20150807BHJP H01L 21/316 20060101ALI20150807BHJP H01L 21/288 20060101ALI20150807BHJP C07F 1/08 20060101ALN20150807BHJP C07F 3/06 20060101ALN20150807BHJP C07F 7/22 20060101ALN20150807BHJP C07F 1/10 20060101ALN20150807BHJP C07F 7/04 20060101ALN20150807BHJP JPB01J13/00 DH01B13/00 503BH01L21/368 ZH01L21/208 ZC01B13/32C07C31/08C07C31/32H01L21/316 GH01L21/288 ZC07F1/08 BC07F3/06C07F7/22 HC07F1/10C07F7/04 K 33 OL 45 4G042 4G065 4H006 4H048 4H049 4M104 5F053 5F058 5G323 4G042DA01 4G042DB08 4G042DB10 4G042DB11 4G042DB15 4G042DD02 4G042DE07 4G065AA05 4G065AA07 4G065AB01Y 4G065AB03X 4G065AB03Y 4G065AB18X 4G065AB30X 4G065BA09 4G065BA15 4G065CA14 4G065DA09 4G065EA05 4G065FA01 4H006AA01 4H006AA03 4H006AB84 4H006FE11 4H048AA01 4H048AA03 4H048AB84 4H048VA56 4H048VA57 4H048VA66 4H048VB10 4H049VN01 4H049VN03 4H049VP01 4H049VQ21 4H049VR42 4H049VR44 4H049VU36 4H049VW02 4M104AA08 4M104AA09 4M104BB04 4M104BB08 4M104BB36 4M104BB37 4M104BB39 4M104DD51 4M104DD79 4M104DD80 4M104GG04 4M104GG05 4M104GG09 4M104HH12 5F053AA06 5F053DD01 5F053DD20 5F053FF01 5F053GG03 5F053HH05 5F053PP20 5F058BD05 5F058BF46 5F058BH04 5G323BA04 5G323BB02 5G323BC03 本発明は、アモルファス化合物ゲル、アモルファス化合物ゲルの製造方法、酸化物結晶体の製造方法、金属結晶体の製造方法、半導体の製造方法、透明導電体の製造方法、酸化物結晶体、及び金属結晶体に関する。 非晶質な複合金属酸化物の製造方法として、無機金属塩の水溶液に酸やアルカリを添加することにより金属酸化物あるいは金属水酸化物を沈殿させる方法と、金属アルコキシドをエタノールやプロパノールなどに溶解しこれに水を添加し加水分解を行い金属酸化物あるいは金属水酸化物を得る方法とが知られている。前者の方法は手軽であるが、原料中に含まれる不純物を除去しにくい上に、微少の沈殿を核として生じるので沈殿の成長の際に必ずしも均質性が保持できないという欠点がある。これに対して後者の方法は、金属アルコキシドを蒸留や昇華により簡単に精製できるので、不純物を排除することは比較的容易であるが、均質性を保つことは前者の場合と同様必ずしも容易ではない。加水分解の条件によっては、ゲル化が円滑に進行せず、しばしば前者の場合と同様沈殿が析出するので、均一ゲル化は困難である。特許文献1には、2種以上のアルコキシドを、多座あるいは架橋配位能を有する極性化合物を含む溶液中で混合して均一溶液とし、次いで加水分解により均一なゾルからゲル化させ、該ゲルを低温乾燥後ゲル中に残存する極性化合物を加熱下に飛散させることにより、非晶質な複合金属酸化物を製造する方法が開示されている。 一方、金属成膜の製造方法は、スパッタリング法を用いたパターニングから金属ナノ粒子を用いた印刷技術適用まで、プロセスの幅が広がってきている。特に薄膜型半導体(thin film transistor (TFT))の電極を形成する場合などにおいて、インクジェット法を用いたソース、ドレイン、ゲート電極の形成が進められている。その他、金属含有薄膜の液相塗布による形成方法として、金属、無機ナノ粒子ではなく、金属を含有するアモルファス材料を溶解した溶液を塗布、エネルギー照射することで、金属や半導体膜を形成する技術が開示されている(特許文献2参照)。酸化物半導体においては、IGZO(In−Ga−Zn−O)系などの実用化が進んでいるが、これらは直流マグネトロンスパッタ法などの気相法などが用いられている(特許文献3参照)。この場合、酸化物ターゲット材の作製、スパッタによるパターニング、アニールなどの工程が必要になる。 下記特許文献4には、塩化銅(II)とアルコールをアミンの存在下に低温で反応させる、銅(II)アルコキシドの合成法が開示されている。下記特許文献5には、一般式Zn(OR1)2、及びM(OR2)3(式中、Mはアルミニウム、鉄等を示し、R1、R2はそれぞれアルキル基を示す)で表される金属アルコキシド化合物を含有していて、1〜100mPa・sの粘度を有する金属アルコキシド溶液を用いた半導体デバイスの作製法が開示されている。 また酸化物絶縁体においては、高い誘電特性をもつ薄膜を得るために、シリコンの熱酸化法から、より誘電率の高い酸化物薄膜を形成するために、金属錯体原料を用いた化学気相蒸着(chemical vapor deposition(CVD))や多元素スパッタリング法などが応用されるようになってきている。Hf窒化物系材料を形成する場合ECRスパッタ法を用いてHfNを形成後、プラズマ酸化処理するなどの手法が用いられてきている(非特許文献1参照)。特開昭61−83603号公報米国特許5534312号公報明細書国際公開第2009/084537号特開平06−080674号公報特許第4767616号公報“Interface reaction at TiN/HfSiON gate stacks: Dependence on the electrode structure and deposition method” Sci. Technol. Adv. Mater.、 8、 pp. 219-224、 (2007) 特許文献1に開示の方法は簡易なプロセスとはいえず、得られたゲルには2種以上の金属元素が含まれており、また得られたゲルを焼成する際には水素または水素含有ガスの雰囲気下で行う必要があることが記載されている。特許文献2に開示の金属含有薄膜の液相塗布による形成方法ではアモルファス材料の焼成に水素ガス雰囲気等の還元性雰囲気が必要であり、実用化には至っていない。上記薄膜型半導体の電極を形成する場合などにおいて、インクジェット法を用いたソース、ドレイン、ゲート電極の形成では、厚さ精度やフラットネスが金属ナノ粒子の形状や分散性に依存しているため、微細なTFT形成に用いるには制約がある。特許文献3に開示の酸化物半導体の製造方法においては、酸化物ターゲット材の作製、スパッタによるパターニング、アニールなど多くの工程が必要になり、その中でも、アニール処理で温度をかける際に400℃程度の高温処理が必要になり、酸素欠陥が消失して移動度の低下などの懸念があるため、アニール雰囲気の細かい制御が必要になっていた。特許文献4に開示の銅(II)アルコキシドは水で分解し易いので無水、乾燥状態に保つことが必要であり、また特許文献5に開示の金属アルコキシド溶液から半導体デバイスの製造にはレーザ光線の使用が必要であること等から簡易なプロセスとはなりえない。上記酸化物絶縁体においては、金属錯体原料を用いた化学気相蒸着(CVD)や、非特許文献1に開示されたHf窒化物系材料を形成する場合ECRスパッタ法を用いてHfNを形成後、プラズマ酸化処理するなどの手法では、プロセスが煩雑になっている。 本発明は、上記課題を解決して、金属塩または半金属塩を含む反応溶液から特定の条件下の合成によって得られるアモルファス化合物を提供することにある。また、本発明は、前記アモルファス化合物を加熱、又は光照射して形成される酸化物結晶体、金属結晶体等を提供することにある。 本発明は上記従来技術に鑑みて、金属塩または半金属塩を含む反応溶液を、特定の有機添加剤が介在したアルコキシド化反応とすることで、低い結晶性を安定に維持し、均一な結晶化も可能なアモルファスのアルコキシド化合物ゲルの状態で析出され、前記アモルファス化合物と有機溶媒からなる混合物を特定の条件化で、加熱、光照射等することにより、それぞれ導体、半導体、絶縁体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下の(1)ないし(33)に記載する発明を要旨とする。(1)金属元素または半金属元素に、1つ以上のアルコキシ基が結合してなる、結晶化度が5%以下のアモルファス化合物と、常温で液体である有機溶媒(S)とから構成されている、アモルファス化合物ゲル(以下、第1の実施形態ということがある)。(2)金属元素または半金属元素に、1つ以上のアルコキシ基が結合してなる、結晶化度が3%以下のアモルファス化合物と、常温で液体である有機溶媒(S)とから構成されている、アモルファス化合物ゲル。(3)前記金属元素が銀、銅、亜鉛、スズ、ハフニウム、及びアルミニウムの中から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載のアモルファス化合物ゲル。(4)前記半金属元素が珪素、及びゲルマニウムの中から選択される1種又は2種であることを特徴とする、前記(1)から(3)のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲル。(5)前記有機溶媒(S)の常圧における沸点が60℃以上であることを特徴とする、前記(1)から(4)のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲル。(6)前記有機溶媒(S)の常圧における沸点が350℃以下であることを特徴とする、前記(1)から(5)のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲル。(7)前記有機溶媒(S)が、少なくとも1つのヒドロキシル基を有していて、該ヒドロキシル基の結合している炭素原子に1又は2の水素原子が結合している有機化合物(S1)を含むことを特徴とする、前記(1)から(6)のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲル。(8)前記有機化合物(S1)がメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2,2ジメチル−1−プロパノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−2−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、4−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、及び1,2,4−ブタントリオールの中から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(1)から(7)のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲル。(9)前記アモルファス化合物ゲル中に、ラクタム系化合物(L)が混合されていることを特徴とする、前記(1)から(8)のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲル。(10)前記ラクタム系化合物(L)が炭素原子数4〜12の五員環構造を有する、2−ピロリドン、アルキル−2−ピロリドン、及びヒドロキシアルキル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(9)に記載のアモルファス化合物ゲル。(11)前記アルキル−2−ピロリドンがN−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−n−プロピル−2−ピロリドン、N−n−ブチル−2−ピロリドン、N−iso−ブチル−2−ピロリドン、N−n−オクチル−2−ピロリドン、3−メチル−2−ピロリドン、4−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−3−メチル−2−ピロリドン、及びN−メチル−4−メチル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(10)に記載のアモルファス化合物ゲル。(12)前記ヒドロキシアルキル−2−ピロリドンがN−(ヒドロキシメチル)−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、及びN−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(10)に記載のアモルファス化合物ゲル。(13)前記アモルファス化合物が100nm以上の長周期構造を有しないことを特徴とする、前記(1)から(12)のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲル。(14)金属塩または半金属塩と、ラクタム系化合物(L)とを、アルコールの存在下で、該アルコールの沸点より10℃低い温度以上で、かつラクタム系化合物(L)の沸点より50℃低い温度以下の温度範囲で反応させて金属または半金属アルコキシドからなるアモルファス化合物を析出させ、該アモルファス化合物を有機溶媒(S)と混合させることを特徴とする、アモルファス化合物ゲルの製造方法(以下、第2の実施形態ということがある)。(15)前記金属塩を構成する金属元素が銀、銅、亜鉛、スズ、ハフニウム、及びアルミニウムの中から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(14)に記載のアモルファス化合物ゲルの製造方法。(16)前記半金属塩を構成する半金属元素が珪素、及びゲルマニウムの中から選択される1種又は2種であることを特徴とする、前記(14)に記載のアモルファス化合物ゲルの製造方法。(17)前記ラクタム系化合物(L)が炭素原子数4〜12の五員環構造を有する、2−ピロリドン、アルキル−2−ピロリドン、及びヒドロキシアルキル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(14)から(16)のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲルの製造方法。(18)前記アルキル−2−ピロリドンがN−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−n−プロピル−2−ピロリドン、N−n−ブチル−2−ピロリドン、N−iso−ブチル−2−ピロリドン、N−n−オクチル−2−ピロリドン、3−メチル−2−ピロリドン、4−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−3−メチル−2−ピロリドン、及びN−メチル−4−メチル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(17)に記載のアモルファス化合物ゲルの製造方法。(19)前記ヒドロキシアルキル−2−ピロリドンがN−(ヒドロキシメチル)−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、及びN−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(17)に記載のアモルファス化合物ゲルの製造方法。(20)前記(1)から(13)のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲルを基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点以下の温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行うことを特徴とする、酸化物結晶体の製造方法(以下、第3の実施形態ということがある)。(21)前記光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が1000〜3000Vの範囲であり、酸化物結晶体が銅、亜鉛、及びスズの中から選択される1種又は2種以上の酸化物の半導体または導電体であることを特徴とする、前記(20)に記載の酸化物結晶体の製造方法。(22)前記光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が300〜3000Vの範囲であり、前記酸化物結晶体がアルミニウム、及び珪素の中から選択される1種又は2種の酸化物絶縁体であることを特徴とする、前記(20)に記載の酸化物結晶体の製造方法。(23)前記(1)から(13)のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲルを基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点以下の温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行うことを特徴とする、金属結晶体の製造方法(以下、第4の実施形態ということがある)。(24)前記光照射の光源がキセノンランプで、かつ放電発光電圧が500〜5000Vの範囲であり、金属結晶体が銅、及び銀の中から選択される1種又は2種の導電体であることを特徴とする、前記(23)に記載の金属結晶体の製造方法。(25)前記(1)から(13)のいずれかに記載の金属元素又は半金属元素が珪素、ハフニウム、及びゲルマニウムの中から選択される1種又は2種以上であるアモルファス化合物ゲルを基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点より低い温度で予備乾燥を行った後、光源がキセノンランプで、かつ放電発光電圧が500〜2000Vの範囲で光照射を行うことを特徴とする、半導体の製造方法(以下、第5の実施形態ということがある)。(26)前記(1)から(13)のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲルの2種以上を混合して、基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点より低い温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行うことを特徴とする、透明導電体の製造方法(以下、第6の実施形態ということがある)。(27)前記(1)から(13)のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲルと金属元素又は半金属元素の化合物塩とを混合して、基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点より低い温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下で光照射を行うことを特徴とする、透明導電体の製造方法(以下、第7の実施形態ということがある)。(28)前記(1)から(13)のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲルを基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点より低い温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行って形成された酸化物結晶体が、X線源としてCuKαを用いたX線回折において、最大強度であるメインピークの2θでの半価幅が0.2°以下の範囲にあることを特徴とする酸化物結晶体(以下、第8の実施形態ということがある)。(29)前記酸化物結晶体がオープンセル型3次元網目構造であって、該網目構造の網目の平均径が20〜500nmであることを特徴とする、前記(28)に記載の酸化物結晶体。(30)前記酸化物結晶体表面の十点平均粗さ(JISB−0601)が20〜200nmであることを特徴とする、前記(28)又は(29)に記載の酸化物結晶体。(31)前記(1)から(13)のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲルを基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点より低い温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行って形成された金属結晶体が、X線源としてCuKαを用いたX線回折において、最大強度であるメインピークの2θでの半価幅が0.2°以下の範囲にあることを特徴とする金属結晶体(以下、第9の実施形態ということがある)。(32)前記金属結晶体がオープンセル型3次元網目構造であって、該網目構造の網目の平均径が20〜500nmであることを特徴とする、前記(31)に記載の金属結晶体。(33)前記金属結晶体表面の十点平均粗さ(JISB−0601)が20〜200nmであることを特徴とする、前記(31)又は(32)に記載の金属結晶体。 本発明のアルコキシド法によるアモルファス化合物の製造方法は、有機添加剤の種類と反応条件を調整することで生成状態を制御させることが容易なため、高活性なアモルファスのアルコキシド化合物を簡便に生成できる製造方法となる。さらに、ドーパントとなる成分も反応溶液中へ添加させることによって半導体の特性(p型、n型)も制御可能である。このようなアモルファス化合物ゲルは、低いエネルギーでの加熱や光照射によって容易に金属結晶体や酸化物結晶体を形成することが可能で、形成条件によって導電体、半導体、絶縁体へ作り分けすることができる。更に、本発明のアモルファス化合物ゲルから形成される金属結晶体や酸化物結晶体は、ナノオーダーの平滑性や構造の制御が可能で、オープンセル型3次元網目構造のナノ多孔質膜も形成可能である。金属結晶体や酸化物結晶体の構造制御によって、透過率、熱伝導性、触媒活性などの新たな特性を実現する新規材料となり得る。実施例1において生成したアモルファス化合物ゲルの電子顕微鏡(SEM)写真である。実施例12−1において作製した金属結晶体の電子顕微鏡(SEM)写真である。比較例6−2において作製した金属結晶体の電子顕微鏡(SEM)写真である。実施例1において生成したアモルファス化合物ゲルのX線回折(XRD)の結果である。実施例12−1において作製した金属結晶体のX線回折(XRD)の結果である。 以下に本発明の〔1〕アモルファス化合物ゲル(第1の実施形態)、〔2〕アモルファス化合物ゲルの製造方法(第2の実施形態)、〔3〕酸化物結晶体の製造方法(第3の実施形態)、〔4〕金属結晶体の製造方法(第4の実施形態)、〔5〕導電体の製造方法(第5の実施形態)、〔6〕透明導電体の製造方法(第6の実施形態)、〔7〕透明導電体の製造方法(第7の実施形態)、〔8〕酸化物結晶体(第8の実施形態)、及び〔9〕金属結晶体(第9の実施形態)について説明する。尚、本発明における「アモルファス」とは、上記のように結晶化度が5%以下のものを意味し、必ずしも完全な非晶質である必要はない。〔1〕アモルファス化合物ゲル(第1の実施形態)本発明の第1の実施形態である「アモルファス化合物ゲル」は、金属元素または半金属元素に、1つ以上のアルコキシ基が結合してなる、結晶化度が5%以下、または3%以下のアモルファス化合物と、常温で液体である有機溶媒(S)とから構成されていることを特徴とする。結晶化度が5%以下、特に好ましくは3%以下のアルコキシ基を有するアモルファス化合物は、導体である金属、または半導体及び絶縁体を構成する酸化物へ変換させる際の選択性が高い。更に、好ましくは、アモルファス化合物ゲルへの有機添加剤の種類と添加量を調整することで、活性ラジカル種の発生量や構造変化後の結晶性の制御、すなわち、切断されたアルコキシ基、及び錯体を形成していた配位子中の分子と、金属元素または半金属元素との間で多分子結合による立体構造化(オレーション)の制御が可能となる。 このアモルファス化合物中のアルコキシ基と、金属元素または半金属元素との結合は加熱や光照射で容易に切断され、その際、2次元構造であるアモルファスゲル中では原子拡散が金属結晶中よりも容易に起こるため、結晶構造をとっている場合よりも構造変化が起こり易い。拡散する原子が金属元素の場合、金属微粒子の一般的な焼結反応よりも低いエネルギーで導体形成が可能となる。また、加熱や光照射のエネルギー条件を調整することで、切断されたアルコキシ基、及び錯体を形成していた配位子中の分子と、金属元素または半金属元素との間で多分子結合による立体構造化(オレーション)を生じることで、特有の構造をもつ金属結晶体や酸化物結晶体の形成も可能となる。 本発明の第1の形態で主に使用される有機添加剤である低分子系のラクタム系化合物は、従来の電解銅微粒子の製造プロセスにおいて、銅微粒子の微細化作用を示すことが報告されている(特開2014−156627号公報)。しかし、アルコキシド法による製造方法にこれらの有機添加剤を導入することで上記特有の構造をもつ金属結晶体や酸化物結晶体の形成が容易なアルコキシ基を有するアモルファス化合物ゲルが生成可能となる。このようなアモルファス化合物ゲルが生成するメカニズムは明らかではないが、ラクタム系化合物が特異的に金属元素等に吸着する作用によってアルコキシ基と金属との結合性に影響を及ぼしていると推定される。有機添加剤としてポリマーであるポリビニルピロリドンを用いてもよいが、添加効果が低分子系のラクタム系化合物よりも低い。(1)金属元素または半金属元素前記第1の態様で使用する金属元素は、銀、銅、亜鉛、スズ、ハフニウム、及びアルミニウムの中から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。また前記半金属元素は、珪素、及びゲルマニウムの中から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。これらの金属は、後述する、半導体、導電体、絶縁体等の製造方法に対応可能な金属元素である。前記製造方法に対応可能な元素は、また本願におけるアモルファス化合物の形成性が高いともいえる。(2)アモルファス化合物(イ)アモルファス化合物の官能基、結晶化度本発明のアモルファス化合物ゲルを構成するアモルファス化合物は、アルコキシ基が結合してなる、結晶化度が5%以下、又は特に好ましくは3%以下のアモルファス化合物である。このようなアモルファス化合物のゲルは、光や熱による後処理を加えて、導体パターンや触媒などの用途に適した構造とすることが可能になる。本発明では、アモルファス化合物が必ずしも完全なアモルファスである必要はないが、ゲルの結晶化が進みすぎると低いエネルギーで所望の結晶構造体へ変化させることが難しくなるので、その上限の結晶化度は5%である。(ロ)アモルファス化合物の分子構造アモルファス化合物の分子構造にはアルコキシ基が存在しているが、アルコキシ基に加えてヒドロキシル基も存在していることが好ましい。アモルファス化合物にアルコキシ基に加えてヒドロキシル基が存在しているとゲルの安定性の向上と、活性ラジカル種の発生量や構造変化後の結晶性の制御がより可能となる。(ハ)アモルファス化合物の長周期構造アモルファス化合物は100nm以上の長周期構造(long period structure)を有しないことが好ましい。アモルファス化合物が100nm以上の長周期構造を有しないと、結晶化度が低くなり、結晶金属とは異なって長周期の規則構造は減少することになる。このことは、電子顕微鏡(SEM、TEM)から得られる画像等の観察から確認することが可能である。(3)有機溶媒(S)本発明のアモルファス化合物ゲルは、アモルファス化合物が常温で液体である有機溶媒(S)と混合している状態で存在している。該有機溶媒(S)は、基板に塗布後、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、加熱または光照射して半導体、導体、絶縁体等を形成するために、前記有機溶媒(S)の常圧における沸点が60℃以上であることが望ましく、350℃以下であることが望ましい。アモルファス化合物ゲルが室温で安定した状態となるための有機溶媒の揮発性の点から、有機溶媒(S)の常圧における沸点が60℃以上であることが望ましい。該沸点が60℃未満であると、有機溶媒(S)が蒸発する結果、ゲルが不安定化するおそれがある。一方、アモルファス化合物ゲルから光や熱によって構造変化させる際に、炭素原子の不純物として有機溶媒を残存させないようにするためには、有機溶媒(S)の常圧における沸点が350℃以下であることが望ましい。 前記有機溶媒(S)が、少なくとも1つのヒドロキシル基を有していて、該ヒドロキシル基の結合している炭素原子に1又は2の水素原子が結合している有機化合物(S1)を含有していることが好ましい。有機溶媒の中でも特に、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物であることにより、アモルファス化合物ゲルの安定性が高まることが期待できる。また、ヒドロキシル基の結合している炭素原子に1又は2の水素原子が結合している有機化合物(S1)は、更にアモルファス化合物ゲルの安定性を高めることと、光照射や加熱時に水素を脱離し易くして還元力を高めることが可能となる。(イ)有機化合物(S1)上記から、有機化合物(S1)として、アルコールである、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2,2ジメチル−1−プロパノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−2−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、4−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−オクタノール、及び2−オクタノール;ジオールである、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、及びオクタンジオール;トリオールである、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、及び1,2,4−ブタントリオール;の中から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。(ロ)他の有機溶媒(S)アモルファス化合物と混合することによりアモルファス化合物ゲルを形成させる際に使用できる有機溶媒(S)として、上記有機化合物(S1)の他に、環状エステルであるラクトン系化合物として、γ―ブチルラクトン、δ−バレロラクトン等、また炭素原子数12〜17の脂肪族炭化水素であるn−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン等が挙げられる。(ハ)ラクタム系化合物(L)前記アモルファス化合物に、ラクタム系化合物(L)を混合させることが好ましい。本発明のアモルファス化合物に、ラクタム系化合物(L)が混合していると、ゲルの安定性向上と、光照射や加熱により金属結晶体又は酸化物結晶体を形成させる際に、結晶化構造体への反応を促進させる作用を有していることが想定される。尚、ラクタム系化合物(L)の好ましい化学構造等については、「第2の実形態」の項で説明する。〔2〕アモルファス化合物ゲルの製造方法(第2の実施形態)本発明の第2の実施形態である「アモルファス化合物ゲルの製造方法」は、金属塩または半金属塩と、ラクタム系化合物(L)とを、アルコールの存在下で、該アルコールの沸点より10℃低い温度以上で、かつラクタム系化合物(L)の沸点より50℃低い温度以下の温度範囲で反応させて金属または半金属アルコキシドからなるアモルファス化合物を析出させ、該アモルファス化合物を有機溶媒(S)と混合させることを特徴とする。(1)金属塩、半金属塩前記金属塩を構成する金属元素が銀、銅、亜鉛、スズ、ハフニウム、及びアルミニウムの中から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。また、前記半金属塩を構成する半金属元素が珪素、及びゲルマニウムの中から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。(2)アモルファス化合物ゲルの製造方法上記アルコキシド法によるアモルファス化合物ゲルの製造方法を以下に例示する。尚、本発明は下記の例示に限定されるものではない。金属元素または半金属元素の供給源として塩化物、ヨウ化物、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、硫酸塩、水酸化物塩等が挙げられるが、塩化物が特に好ましい。また、有機添加剤として、反応溶液にラクタム系化合物(L)を存在させることにより、ラクタム系化合物(L)が特異的に金属元素に吸着する作用によってアルコキシ基と金属との結合性を変化させて、析出物の結晶性低下を促進する効果も発揮する。ラクタム系化合物は、一般的にカルボキシル基とアミノ基が脱水縮合して環を成している化合物の総称で、環の一部に−CO−NR−(Rは水素でもよい)結合を有しており、本発明で使用するラクタム系化合物(L)は、炭素原子数4〜12の五員環構造を有する、2−ピロリドン、アルキル−2−ピロリドン、及びヒドロキシアルキル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることが好ましい。 前記アルキル−2−ピロリドンは、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−n−プロピル−2−ピロリドン、N−n−ブチル−2−ピロリドン、N−iso−ブチル−2−ピロリドン、N−n−オクチル−2−ピロリドン、3−メチル−2−ピロリドン、4−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−3−メチル−2−ピロリドン、及びN−メチル−4−メチル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることが好ましい。また、前記ヒドロキシアルキル−2−ピロリドンがN−(ヒドロキシメチル)−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、及びN−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることが好ましい。 金属塩または半金属塩と、ラクタム系化合物(L)を含む反応槽へ反応溶媒としてアルコールを添加して、不活性雰囲気中にて大気圧下で攪拌しながら、加熱保持することで金属アルコキシドまたは半金属アルコキシドに由来するアモルファス化合物を生成することができる。本製造方法で用いられるアルコールは極性溶媒であることが好ましく、メタノール、エタノールなどの低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールなどが挙げられるが、これらに限定されない。 アモルファス化合物を生成する際の反応温度は、アルコールの沸点より10℃低い温度以上で、かつラクタム系化合物(L)の沸点より50℃低い温度以下の温度範囲で反応させることが好ましい。前記温度範囲の下限未満であると、アルコールとの反応効率が低下し、一方、上記温度範囲の上限を超えると、ラクタム系化合物(L)が揮発や分解し始めて添加効果が低下する。また、反応溶液中に半導体特性を制御するためのドーパントの元素を含む化合物などを添加しておくことで、アモルファス化合物ゲル中にドーパント元素を導入することも可能である。反応時間に関しては、アルコールと充分に反応させるために1時間以上行うことが好ましい。反応終了後に、アモルファス化合物を含む反応溶液を濾過しながら、0.1〜3質量%の水を含有したアルコール溶媒で数回洗浄することで、ゲル化が進行する。得られたゲル状の生成物を、溶媒として好ましくは、アルコール等の常温で液体の有機溶媒(S)と混合、及び撹拌することで、本発明のアモルファスのアルコキシド化合物ゲルを得ることができる。〔3〕酸化物結晶体の製造方法(第3の実施形態)本発明の第3の実施形態である「酸化物結晶体の製造方法」は、前記第1の実施形態に記載のアモルファス化合物ゲルを基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点以下の温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行うことを特徴とする。(1)アモルファス化合物ゲルの基材への塗布基材上にアモルファス化合物ゲルを塗布する方法としては特に制限されず、グラビア印刷、スクリーン印刷、スプレーコート、スピンコート、ディップコート、バーコート、ナイフコート、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷などの方法を用いることができる。これらのうち、厚く均一な塗布膜を効率的に形成することができるという観点から、スクリーン印刷、及びスピンコートが好ましい。本発明のアモルファス化合物ゲルを塗布し、結晶構造を形成させるための基材としては、加熱や光照射によってエネルギーが付加される各工程における温度範囲において形状を維持しうるものであれば、特に制限はない。例えば、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)などのセラミックスや各種ガラス等の無機材料、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミドなどのプラスチック類)等の高分子材料などで形成された板状物、シート状物、フィルム状物等を用いることができる。(2)予備乾燥予備乾燥は、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点以下の温度で行う。基材上のアモルファス化合物ゲルは塗布後、通常の方法で予備乾燥を行ってよい。例えば、熱処理炉やホットプレート等を用いて、0.5〜10分間加熱してアモルファス化合物ゲル中のアモルファス化合物の濃度が10質量%程度から40〜80質量%程度になるまで予備乾燥することが好ましい。この際、有機溶媒(S)の沸点を超える温度で乾燥すると、急激に体積が減少し、ゲルの構造が不安定化して均一な膜形成が阻害されるおそれがあるので、沸点以下の温度で乾燥する必要がある。乾燥温度は有機溶媒(S)の沸点を30℃下回ることが好ましい。乾燥時のアモルファス化合物の濃度が、低すぎると加熱又は光照射後に有機溶媒の分解物が残留してしまう可能性があり、一方、該濃度が高すぎると次の焼成までにゲルが劣化してしまうおそれがある。また、乾燥は大気雰囲気中、又は窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気で行い、乾燥させた後は、直ちに試料を取り除いて室温まで冷すことが望ましい。(3)加熱、光照射、及び加熱下での光照射本発明においては、このようにして基材上に設けられたアモルファス化合物ゲルを、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気下で、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行って、酸化物結晶体を形成する。加熱処理の方法について、特に制限はなく、例えば熱処理炉やホットプレート等を用いることができる。加熱時の雰囲気と昇温速度を制御するために、雰囲気置換型の熱処理炉を使うことが望ましい。光照射の方法について、光(電磁波)を発生させる手段に特に制限はなく、例えば、キセノンランプ、水銀灯、連続レーザー発振器やパルスレーザー発振器等の光源を用いることができる。これらのうち、形成される酸化物結晶体の特性を光照射条件によって制御するという観点から、紫外線から赤外線まで連続した広いスペクトル分布をもっており、放電発光電圧の変化に対して分光分布も一定で、本発明のアモルファス化合物ゲルとの反応性が良好なキセノンランプを用いることが好ましい。更に、加熱下で光照射すると、形成される酸化物結晶体の特性の制御性も大きくなることが期待できる。 上記加熱、光照射、又は加熱下での光照射により酸化物結晶体を形成する具体的条件は、使用するアモルファス化合物ゲルの金属元素、有機溶媒(S)の種類等により変動するので、一概にはいえないが、以下の(4)項の(イ)〜(ハ)に記載する条件を参考にして、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行って形成される酸化物結晶体をX線解析、顕微ラマン分光装置での解析により、好ましい条件を容易に見出すことができる。加熱する場合、一般に加熱温度が低くなるほど、また加熱時間が短くなるほどアモルファス化合物から酸化物結晶体への結晶化が遅くなるか又は不十分になる傾向があり、一方、加熱温度が高くなるほど、また加熱時間が長くなるほど更に金属結晶体にまで結晶化が進むおそれがある。また、光源としてキセノンランプを用いて光照射する場合、一般に放電発光電圧が低くなるほど、照射時間が短くなるほど酸化物結晶体への結晶化が遅くなるか又は不十分になる傾向があり、一方、放電発光電圧が高くなるほど、照射時間が長くなるほど更に金属結晶体にまで結晶化が進むおそれがある。尚、加熱又は光照射を行った後に、アモルファス化合物が残存している場合もある。(4)酸化物結晶体の製造方法の例示上記アモルファス化合物ゲルを用いた酸化物結晶体の製造方法を以下に例示する。尚、本発明は下記の例示に限定されるものではない。まず、アモルファス化合物ゲル中のアモルファス化合物の濃度を10質量%程度に調整した後、超音波ホモジナイザーを用いてよく撹拌する。次に、基材上にアモルファス化合物ゲルをスピンコータ等で塗布した後、ホットプレート等を用いて、アモルファス化合物ゲル中のアモルファス化合物の濃度が10質量%程度から40〜80質量%程度になるまで有機溶媒(S)の沸点以下の温度で乾燥する。その後、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気下で、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行う。(イ)加熱加熱処理の温度については、有機溶媒(S)の沸点近傍(約10℃前後以内)が好ましい。加熱温度が低すぎると結晶構造化の反応速度が低下し、一方、加熱温度が高すぎると不均一な結晶構造を形成するおそれがある。また、昇温速度は5〜50℃/minの範囲とすることが好ましい。所定の加熱温度に到達後は、5〜60分間保持することで、結晶構造化が充分に進行する。(ロ)光照射光照射する際の光の波長は、100〜4000nmの波長、特に紫外域から近赤外域までの波長を使うことが好ましい。光照射の光源としては、キセノンランプ(波長範囲300〜1300nm)を用いることが特に好ましく、キセノンランプの光照射条件を調整することで、照射条件に特有の酸化物結晶体が得られる。キセノンランプの放電発光電圧300〜3000Vの範囲で、パルス幅500〜5000μsec、光照射時間は、一般に1回の照射あたり100μsec〜3msec程度が好ましく、150μsec〜700μsecの範囲が特に好ましい。また、キセノンランプの光源と基材の距離は5〜100mmの距離とすることが好ましい。(ハ)加熱下での光照射加熱下で光照射する方法においても、上記の加熱条件と光照射条件の範囲において、結晶構造化を進行させて、目的の酸化物結晶体を得ることができる。(5)酸化物の半導体または導電体の製造方法本発明の第3の実施形態の一例である「酸化物の半導体または導電体の製造方法」は、第3の実施形態の「酸化物結晶体の製造方法」に記載の光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が1000〜3000Vの範囲であり、酸化物結晶体が銅、亜鉛、及びスズの中から選択される1種又は2種以上の酸化物の半導体または導電体であることを特徴とする。(イ)酸化物結晶体が銅、亜鉛、及びスズの中から選択される酸化物の半導体または導電体前記アモルファス化合物ゲルを用いた酸化物結晶体の製造方法において、酸化物の半導体または導電体膜を高い効率で、低コスト、低エネルギーで作製することができる。例えば、銅、亜鉛、及びスズのアモルファス化合物ゲルから亜酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズの酸化物の半導体または導電体が形成されるが、本発明の「酸化物の半導体または導電体の製造方法」はこれらの例示に限定されるものではない。(ロ)酸化物の半導体または導電体の製造方法本発明の「酸化物の半導体または導電体の製造方法」において、光源にキセノンランプを用いた光照射を用いることが特に好ましく、亜酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズの酸化物の半導体と導電体を形成するための光照射条件としてキセノンランプの放電発光電圧は1000〜3000Vの範囲とすることが好ましい。前記アモルファス化合物ゲルを用いた酸化物の半導体と導電体の製造方法を以下に例示する。尚、本発明は下記の例示に限定されるものではない。まず、銅、亜鉛、スズ等のアモルファス化合物ゲル中のアモルファス化合物の濃度を10質量%程度に調整した後、超音波ホモジナイザーを用いてよく撹拌する。次に、基材上にアモルファス化合物ゲルをスピンコータ等で塗布した後、ホットプレート等を用いて、アモルファス化合物ゲル中のアモルファス化合物の濃度が40〜80質量%程度になるまで乾燥する。その後、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気下で、光照射、又は加熱下で光照射を行う。(i)光照射本発明においては、キセノンランプの光照射条件を調整することで、照射条件に特有の酸化物の半導体または導電体が得られる。キセノンランプの放電発光電圧1000〜3000Vの範囲で、パルス幅500〜5000μsec、光照射時間は、一般に1回の照射あたり100μsec〜3msec程度が好ましく、150μsec〜700μsecの範囲が特に好ましい。放電発光電圧が1000V未満であると酸化物の半導体または導電体の膜形成に必要なエネルギーが不足し、3000Vを超えるとゲルの結晶化反応が不安定化し、均一な構造が得られないおそれがある。また、キセノンランプの光源と基材の距離は5〜100mm程度とすることが好ましい。(II)加熱下での光照射加熱下で光照射する場合においても、上記の光照射条件の範囲で、加熱条件については有機溶媒(S)の沸点の40〜50℃程度低い温度以下で加熱することが好ましい。(6)酸化物絶縁体の製造方法本発明の第3の実施形態の一例である「酸化物絶縁体の製造方法」は、第3の実施形態の「酸化物結晶体の製造方法」に記載の光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が300〜3000Vの範囲であり、前記酸化物結晶体がアルミニウム、及び珪素の中から選択される1種又は2種の酸化物絶縁体であることを特徴とする。(イ)酸化物結晶体がアルミニウム、及び珪素の中から選択される酸化物絶縁体前記アモルファス化合物ゲルを用いた酸化物絶縁体の製造方法において、アルミニウム、及び珪素の中から選択される1種又は2種のアモルファス化合物ゲルから酸化アルミニウム、二酸化珪素の酸化物絶縁体膜を高い効率で、低コスト、低エネルギーで作製することができる。(ロ)酸化物絶縁体の製造方法本発明の酸化物絶縁体の製造において、光源にキセノンランプを用いた光照射を用いて、酸化アルミニウム、二酸化珪素の酸化物絶縁体を形成するための光照射条件としてキセノンランプの放電発光電圧300〜3000Vの範囲とすることが好ましい。前記アモルファス化合物ゲルを用いた酸化物絶縁体の製造方法を以下に例示する。尚、本発明は下記の例示に限定されるものではない。まず、アルミニウム、及び珪素の中から選択される1種又は2種のアモルファス化合物ゲル中のアモルファス化合物の濃度を10質量%程度に調整した後、超音波ホモジナイザーを用いてよく撹拌する。次に、基材上にアモルファス化合物ゲルをスピンコータ等で塗布した後、ホットプレート等を用いて、アモルファス化合物ゲル中のアモルファス化合物の濃度が40〜80質量%程度になるまで有機溶媒(S)の沸点以下の温度で乾燥する。その後、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気下、光照射、又は加熱下で光照射等を行う。(i)光照射本発明においては、キセノンランプの光照射条件を調整することで、照射条件に特有の酸化物絶縁体が得られる。キセノンランプの放電発光電圧300〜3000Vの範囲で、パルス幅500〜5000μsecとすることが好ましい。放電発光電圧が300V未満であると酸化物絶縁体の膜形成に必要なエネルギーが不足し、3000Vを超えるとゲルの結晶化反応が不安定化し、均一な構造が得られない恐れがある。また、キセノンランプの光源と基材の距離は5〜100mmの距離とすることが好ましい。(ii)加熱下での光照射加熱下で光照射する場合においても、上記の光照射条件を採用することが可能で、加熱条件については有機溶媒(S)の沸点の40〜50℃程度低い温度以下の温度範囲で加熱することが好ましい。〔4〕金属結晶体の製造方法(第4の実施形態)本発明の第4の実施形態である「金属結晶体の製造方法」は、前記第1の実施形態に記載のアモルファス化合物ゲルを基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点以下の温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行うことを特徴とする。(1)アモルファス化合物ゲルを基材に塗布前記第3の実施形態における(1)項の記載と同様である。(2)大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点以下の温度で予備乾燥前記第3の実施形態における(2)項の記載と同様である。(3)加熱、光照射、及び加熱下での光照射本発明においては、基材上に設けられたアモルファス化合物ゲルを、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気下、加熱、光照射、及び加熱下で光照射を行って、金属結晶体を形成する。加熱の方法、及び光照射の方法については前記第3の実施形態における(3)項の記載と同様である。さらに、加熱下で光照射を行ってもよく、この場合、形成される金属結晶体の特性の制御性も大きくなることが期待できる。 上記加熱、光照射、又は加熱下での光照射により金属結晶体を形成する具体的条件は、使用するアモルファス化合物ゲルの金属元素、有機溶媒(S)の種類等により変動するので、一概にはいえないが、以下の(4)項の(イ)〜(ハ)に記載する条件を参考にして、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行って形成される金属結晶体をX線解析、顕微ラマン分光装置での解析により、好ましい条件を容易に見出すことができる。加熱処理する場合、一般に加熱温度が低くなるほど、また加熱時間が短くなるほどアモルファス化合物から金属結晶体への結晶化が遅くなるか又は不十分になる傾向があり、一方、加熱温度が高くなるほど、また加熱時間が長くなるほど金属結晶体までの結晶化が進行する傾向がある。また、光源としてキセノンランプを用いて光照射する場合、一般に放電発光電圧が低くなるほど、照射時間が短くなるほど金属結晶体への結晶化が遅くなるか又は不十分になる傾向があり、一方、放電発光電圧が高くなるほど、照射時間がながくなるほど更に金属結晶体までの結晶化が進行する傾向がある。尚、加熱又は光照射を行った後に、アモルファス化合物が残存している場合もある。(4)金属結晶体の製造方法の例示上記アモルファス化合物ゲルを用いた金属結晶体の製造方法を以下に例示する。尚、本発明は下記の例示に限定されるものではない。まず、アモルファス化合物ゲル中のアモルファス化合物の濃度を10質量%程度に調整した後、超音波ホモジナイザーを用いてよく撹拌する。次に、基材上にアモルファス化合物ゲルをスピンコータ等で塗布した後、ホットプレート等を用いて、アモルファス化合物ゲル中のアモルファス化合物の濃度が40〜80質量%程度になるまで乾燥する。その後、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気下、加熱、光照射、及び加熱下で光照射を行う。(イ)加熱前記第3の実施形態における(4)項の記載と同様である。(ロ)光照射光照射する際の照射する光の波長は、100〜4000nmの波長、特に紫外域から近赤外域までの波長を使うことが好ましい。本発明においては、光源としてキセノンランプ(波長範囲300〜1300nm)を用いることが特に好ましく、光照射条件を調整することで、照射条件に特有の金属結晶体が得られる。キセノンランプの放電発光電圧500〜5000Vの範囲で、パルス幅500〜5000μsec、光照射時間は、一般に1回の照射あたり800μsec〜10msec程度が好ましく、1msec〜5msecの範囲が特に好ましい。また、キセノンランプの光源と基材の距離は5〜100mmの距離とすることが好ましい。(ハ)加熱下での光照射加熱下で光照射する場合においても、上記の加熱条件と光照射条件を採用することができる。(5)導電体の製造方法本発明の第4の実施形態の一例である「導電体の製造方法」は、第4の実施形態の「金属結晶体の製造方法」に記載の光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が500〜5000Vの範囲であり、金属結晶体が銅、及び銀の中から選択される1種又は2種の導電体であることを特徴とする。(イ)金属結晶体が銅、及び銀の中から選択される導電体前記アモルファス化合物ゲルを用いた金属結晶体の製造方法において、銅、及び銀の中から選択される1種又は2種のアモルファス化合物ゲルからそれぞれ導電体膜を高い効率で、低コスト、低エネルギーで作製することができる。(ロ)導電体の製造方法本発明の導電体の製造において、光源にキセノンランプを用いた光照射を用いることが特に好ましく、銅、銀の導電体を形成するための光照射条件としてキセノンランプの放電発光電圧500〜5000Vの範囲とすることが好ましい。前記アモルファス化合物ゲルを用いた導電体の製造方法を以下に例示する。尚、本発明は下記の例示に限定されるものではない。まず、銅、及び銀等のアルファス化合物ゲル中のアモルファス化合物の濃度を10質量%程度に調整した後、超音波ホモジナイザーを用いてよく撹拌する。次に、基材上にアモルファス化合物ゲルをスピンコータ等で塗布した後、ホットプレート等を用いて、アルファス化合物ゲル中のアモルファス化合物の濃度が40〜80質量%程度になるまで乾燥する。その後、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気下、加熱、光照射、又は加熱下で光照射を行う。(i)光照射本発明においては、光源としてキセノンランプを用いて光照射条件を調整することで、照射条件に特有の導電体が得られる。キセノンランプの放電発光電圧500〜5000Vの範囲で、パルス幅500〜5000μsecとすることが好ましい。放電発光電圧が500V未満である導電体の膜形成に必要なエネルギーが不足し、5000Vを超えるとゲルの結晶化反応が不安定化し、均一な構造が得られないおそれがある。また、キセノンランプの光源と基材の距離は5〜100mmの距離とすることが好ましい。(ii)加熱下での光照射加熱下で光照射する場合においても、上記の光照射条件を採用することが可能で、加熱条件については有機溶媒(S)の沸点の40〜50℃程度低い温度以下の温度範囲することが好ましい。〔5〕半導体の製造方法(第5の実施形態)本発明の第5の実施形態である「半導体の製造方法」は、前記第1の実施形態に記載の金属元素又は半金属元素が珪素、ハフニウム、及びゲルマニウムの中から選択される1種又は2種以上であるアモルファス化合物ゲルを基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点より低い温度で予備乾燥を行った後、光源がキセノンランプで、放電発光電圧が500〜2000Vの範囲で光照射を行うことを特徴とする。(1)アモルファス化合物ゲル金属元素又は半金属元素が珪素、ハフニウム、及びゲルマニウムの中から選択されるアモルファス化合物ゲルが使用される。本発明の珪素、ハフニウム、及びゲルマニウムの中から選択される1種又は2種以上であるアモルファス化合物ゲルを用いることで、半導体膜を高い効率で、低コスト、低エネルギーで作製することができる。(2)アモルファス化合物ゲルの塗布、予備乾燥、及び光照射アモルファス化合物ゲルの基材への塗布は前記第3の実施形態における(1)項の記載と、予備乾燥については前記第3の実施形態における(2)の記載とそれぞれ同様である。予備乾燥を行った後、光源がキセノンランプで、放電発光電圧が500〜2000Vの範囲で光照射をおこなう。本発明の半導体の製造において、光源にキセノンランプを用いた光照射を用いることが特に好ましく、珪素、ハフニウム、ゲルマニウムの半導体を形成するための光照射条件としてキセノンランプの放電発光電圧500〜2000Vの範囲とすることが好ましい。(3)半導体の製造方法の例示前記アモルファス化合物ゲルを用いた半導体の製造方法を以下に例示する。尚、本発明は下記の例示に限定されるものではない。まず、珪素、ハフニウム、及びゲルマニウム等のアルファス化合物ゲル中のアモルファス化合物の濃度を10質量%程度に調整した後、超音波ホモジナイザーを用いてよく撹拌する。次に、基材上にアモルファス化合物ゲルをスピンコータ等で塗布した後、ホットプレート等を用いて、アルファス化合物ゲル中のアモルファス化合物の濃度が40〜80質量%程度になるまで乾燥する。その後、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気下、光照射、又は加熱下での光照射を行う。(イ)光照射本発明においては、キセノンランプの光照射条件を調整することで、照射条件に特有の半導体が得られる。キセノンランプの放電発光電圧500〜2000Vの範囲で、パルス幅500〜5000μsec、光照射時間は、一般に1回の照射あたり800μsec〜10msec程度が好ましく、1msec〜5msecの範囲が特に好ましい。放電発光電圧が500V未満であると半導体の膜形成に必要なエネルギーが不足し、2000Vを超えるとゲルの結晶化反応が不安定化し、均一な構造が得られない恐れがある。また、キセノンランプの光源と基材の距離は5〜100mmとすることが好ましい。(ロ)加熱下での光照射加熱下で光照射する場合においても、上記の光照射条件を採用することが可能で、加熱条件については有機溶媒(S)の沸点の40〜50℃程度低い温度以下で加熱することが好ましい。〔6〕透明導電体の製造方法(第6の実施形態)本発明の第6の実施形態である「透明導電体の製造方法」は、前記第1の実施形態に記載のアモルファス化合物ゲルの2種以上を混合して、基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点より低い温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下で光照射を行うことを特徴とする。(1)「アモルファス化合物ゲルの2種以上との混合」について本発明のアモルファス化合物ゲルを2種以上混合することで、透明導電体膜を高い効率で、低コスト、低エネルギーで作製することができる。例えば、金属元素が銅、亜鉛、スズ、アルミニウム、及びゲルマニウムのアモルファス化合物ゲルの2種以上を用いて、銅−アルミニウム−酸素(CuAlO2)、亜鉛−スズ−酸素(ZnSnO3、Zn2SnO4)、亜鉛−アルミニウム−酸素(ZnO−Al)等に由来する透明導電体が形成される。尚、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。尚、2種類のアモルファス化合物ゲルの組み合わせは上記例示に限定されるものではなく、透明導電体を形成可能な金属元素の組み合わせは、公知の透明導電体を参考にして選択することが可能である。(2)「予備乾燥、加熱、光照射、及び加熱下での光照射」についてアモルファス化合物ゲルの基材への塗布は前記第3の実施形態における(1)項の記載と、予備乾燥については前記第3の実施形態における(2)項の記載と同様である。尚、本発明のアモルファス化合物ゲルの混合物を塗布し、透明導電膜を形成させるための透明基材としては、加熱や光照射によってエネルギーが付加される各工程における温度範囲において形状を維持しうるものであれば、特に制限はない。例えば、各種ガラス等の無機材料、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミドなどのプラスチック類)等の高分子材料などで形成された板状物、シート状物、フィルム状物等を用いることができる。透明基材の可視光透過率は、通常、90%以上、好ましくは95%以上であるのがよい。本発明の透明導電体の製造において、光源にキセノンランプを用いた光照射を用いることが特に好ましく、透明導電体を形成するための光照射条件としてキセノンランプの放電発光電圧1000〜3000Vの範囲とすることが好ましい。(3)透明導電体の製造方法の例示前記アモルファス化合物ゲルの混合物を用いた透明導電体の製造方法を以下に例示する。尚、本発明は下記の例示に限定されるものではない。まず、銅、亜鉛、スズ、アルミニウム、及びゲルマニウム等のアモルファス化合物ゲルの混合物の濃度を30質量%程度に調整した後、よく撹拌する。アモルファス化合物ゲルを有機溶媒に混合して分散させる際の方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の分散手法を適宜採用すればよい。例えば、機械的粉砕あるいは超音波を使用した粉砕を行いながら、有機溶媒中に分散させればよい。この場合、必要により、導電率を高めるためのドーパント元素を有機溶媒中に溶かし込む操作をしてもよい。次に、基材上にアモルファス化合物ゲルの混合物をスピンコータ等で塗布した後、ホットプレート等を用いて、30質量%程度から40〜80質量%程度まで乾燥する。その後、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気下、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行う。(イ)加熱加熱処理する際の温度については、有機溶媒(S)の沸点近傍、具体的には沸点の約10℃前後以内が好ましい。加熱温度が低すぎると結晶構造化の効率が低下し、一方、加熱温度が高すぎると不均一な結晶構造を形成するおそれがある。また、昇温速度は5〜50℃/minの範囲とすることが好ましい。加熱温度に到達後は、2〜60分間保持することにより結晶構造化が進行して、目的とする透明導電体を得ることが可能になる。(ロ)光照射本発明においては、キセノンランプの光照射条件を調整することで、照射条件に特有の透明導電体が得られる。キセノンランプの放電発光電圧1000〜3000Vの範囲で、パルス幅500〜5000μsec、一般に1回の照射あたり500μsec〜5msec程度が好ましく、1msec〜3msecの範囲が特に好ましい。放電発光電圧が1000V未満であると透明導電体の膜形成に必要なエネルギーが不足し、3000Vを超えるとゲルの結晶化反応が不安定化し、均一な構造が得られないおそれがある。また、キセノンランプの光源と基材の距離は5〜100mmの距離とすることが好ましい。(ハ)加熱下での光照射加熱下で光照射する方法においても、上記の光照射条件の範囲で、加熱条件については有機溶媒(S)の沸点の40〜50℃程度低い温度以下の温度範囲で加熱することが好ましい。以上のような方法によって、金属−金属酸化物等からなる透明導電膜が透明基材上に形成される。この透明導電膜は、2種以上の金属を含む多結晶体からなる薄膜であり、透明性を備えると同時に、導電性を発現するものである。なお、これらの透過率、及び抵抗率は、例えば実施例で後述する方法によって測定することができる。第6の実施形態の製造方法により得られた透明導電体は、例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ、LED(発光素子)、有機ELディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイ電極、太陽電池の電極、窓ガラスの熱線反射膜、帯電防止膜等の用途に好適に用いられる。なお、上述した第6の実施形態の製造方法では、アモルファス化合物ゲルの混合物は透明基材上に直接塗布しているが、例えば液晶ディスプレイのようなデバイス等の透明電極用途においては、透明基材の上に着色膜(カラーフィルター)等の中間膜を介在させ、それらの上に直接アモルファス化合物ゲルの混合物を塗布するようにしてもよい。〔7〕透明導電体の製造方法(第7の実施形態)本発明の第7の実施形態の1例である「透明導電体の製造方法」は、前記第1の実施形態に記載のアモルファス化合物ゲルと、金属元素又は半金属元素の化合物塩とを混合して、基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点より低い温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行うことを特徴とする。(1)アモルファス化合物ゲルと金属元素又は半金属元素の化合物塩との混合本発明のアモルファス化合物ゲルと、金属元素又は半金属元素の化合物塩とを混合することで、透明導電体膜を高い効率で、低コスト、低エネルギーで作製することができる。例えば、銅、亜鉛、スズ、アルミニウム、及びゲルマニウムのアモルファス化合物ゲルの1種以上を用いて、必要に応じてニッケル、及び珪素等の金属塩も混合する等して、銅−アルミニウム−酸素(CuAlO2)、亜鉛−スズ−酸素(ZnSnO3、Zn2SnO4)、亜鉛−アルミニウム−酸素(ZnO−Al)等に由来する透明導電体が形成される。尚、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。尚、アモルファス化合物ゲルと、金属元素又は半金属元素の化合物塩との組み合わせは上記例示に限定されるものではなく、透明導電体を形成可能な金属元素の組み合わせは、公知の透明導電体を参考にして選択することが可能である。(2)「予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下での光照射」についてアモルファス化合物ゲルの基材への塗布は前記第3の実施形態における(1)項の記載と同様で、予備乾燥については前記第3の実施形態における(2)項の記載と同様である。尚、本発明のアモルファス化合物ゲルの混合物を塗布し、透明導電膜を形成させるための透明基材としては、加熱や光照射によってエネルギーが付加される各工程における温度範囲において形状を維持しうるものであれば、特に制限はない。例えば、各種ガラス等の無機材料、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミドなどのプラスチック類)等の高分子材料などで形成された板状物、シート状物、フィルム状物等を用いることができる。透明基材の可視光透過率は、通常、90%以上、好ましくは95%以上であるのがよい。本発明の透明導電体の製造において、光源にキセノンランプを用いた光照射を用いることが特に好ましく、透明導電体を形成するための光照射条件としてキセノンランプの放電発光電圧1000〜3000Vの範囲とすることが好ましい。(3)透明導電体の製造方法の例示前記アモルファス化合物ゲルの混合物を用いた透明導電体の製造方法を以下に例示する。尚、本発明は下記の例示に限定されるものではない。まず、銅、亜鉛、スズ、アルミニウム、ゲルマニウム等のアモルファス化合物ゲルにニッケル、及び珪素等の金属元素又は半金属元素の化合物塩も混合させる場合は、化合物塩濃度はアモルファス化合物ゲル濃度の2倍程度までにすることが均一混合のために好ましい。アモルファス化合物ゲル等を有機溶媒に混合して分散させる際の方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の分散手法を適宜採用すればよい。例えば、機械的粉砕あるいは超音波を使用した粉砕を行いながら、有機溶媒中に分散させればよい。この場合、必要により、金属または半金属の濃度比の調整、あるいは導電率を高めるためのドーパント元素を有機溶媒中に溶かし込む操作をしてもよい。次に、基材上にアモルファス化合物ゲルの混合物をスピンコータ等で塗布した後、ホットプレート等を用いて、30質量%程度から40〜80質量%程度まで乾燥する。その後、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気下、加熱、光照射、又は加熱下で光照射を行う。(イ)加熱加熱処理する際の温度については、有機溶媒(S)の沸点近傍、具体的には沸点の約10℃前後以内が好ましい。加熱温度が低すぎると結晶構造化の効率が低下し、一方、加熱温度が高すぎると不均一な結晶構造を形成するおそれがある。また、昇温速度は5〜50℃/minの範囲とすることが好ましい。加熱温度に到達後は、2〜60分間保持することにより結晶構造化が進行して、目的とする透明導電体を得ることが可能になる。(ロ)光照射本発明においては、キセノンランプの光照射条件を調整することで、照射条件に特有の透明導電体が得られる。キセノンランプの放電発光電圧1000〜3000Vの範囲で、パルス幅500〜5000μsec、一般に1回の照射あたり500μsec〜5msec程度が好ましく、1msec〜3msecの範囲が特に好ましい。放電発光電圧が1000V未満であると透明導電体の膜形成に必要なエネルギーが不足し、3000Vを超えるとゲルの結晶化反応が不安定化し、均一な構造が得られないおそれがある。また、キセノンランプの光源と基材の距離は5〜100mmの距離とすることが好ましい。(ハ)加熱下での光照射加熱下で光照射する場合においても、上記の光照射条件の範囲で、加熱条件については有機溶媒(S)の沸点の40〜50℃程度低い温度以下の温度範囲で加熱することが好ましい。上記方法によって、金属−金属酸化物等からなる透明導電膜が透明基材上に形成される。この透明導電膜は、2種以上の金属または半金属を含む多結晶体からなる薄膜であり、透明性を備えると同時に、導電性を発現するものである。なお、これらの透過率、及び抵抗率は、例えば実施例で後述する方法によって測定することができる。第7の実施形態の製造方法により得られた透明導電体は、例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ、LED(発光素子)、有機ELディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイ電極、太陽電池の電極、窓ガラスの熱線反射膜、帯電防止膜等の用途に好適に用いられる。なお、上述した第7の実施形態の製造方法では、アモルファス化合物ゲルの混合物は透明基材上に直接塗布しているが、例えば液晶ディスプレイのようなデバイス等の透明電極用途においては、透明基材の上に着色膜(カラーフィルター)等の中間膜を介在させ、それらの上に直接アモルファス化合物ゲルの混合物を塗布するようにしてもよい。〔8〕酸化物結晶体(第8の実施形態)本発明の第8の実施形態である「酸化物結晶体」は、前記第1の実施形態に記載のアモルファス化合物ゲルを基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点より低い温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下で光照射を行って形成された酸化物結晶体が、X線源としてCuKαを用いたX線回折において、最大強度であるメインピークの2θでの半価幅が0.2°以下の範囲にあることを特徴とする。(1)アモルファス化合物ゲルの基材への塗布、予備乾燥、その後の加熱、光照射等本発明の第8の実施形態における、「アモルファス化合物ゲルの基材への塗布、予備乾燥、その後の加熱、光照射、又は加熱下での光照射」は、前記第4の実施形態における、(1)から(3)項の記載内容と同様である。(2)酸化物結晶体第8の実施形態における、「酸化物結晶体」の特性を以下の(イ)項に、好ましい特性を以下の(ロ)項から(ハ)項に記載する。(イ)金属結晶体のX線回折におけるピーク半値幅酸化物結晶体が、X線源としてCuKαを用いたX線回折において、最大強度であるメインピークの2θでの半価幅が0.2°以下の範囲にある。一般的に結晶化が進み、結晶子サイズが増大すると、X線回折におけるピーク半値幅が減少する。本発明のアモルファス化合物ゲルから形成される酸化物結晶体では、特にX線源としてCuKαを用いたX線回折において、最大強度であるメインピークの2θでの半価幅が0.2°以下程度となるまで結晶化させることで、結晶子サイズ分布、表面粗さ、空孔率、触媒活性、熱伝導率、抵抗率、反射率などの酸化物結晶構造に特有の性質を安定的に制御できるようになる。電気的な特性においては、粒界密度が多いと特性が悪くなるため、結晶子サイズが大きい方がよい。従って、第8の実施形態の酸化物結晶体は、X線回折において、最大強度であるメインピークの2θでの半価幅が0.2°以下となるまで加熱、光照射、又は加熱下で光照射して形成される。(ロ)酸化物結晶体の結晶構造酸化物結晶体がオープンセル型3次元網目構造であって、該網目構造の網目の平均径が20〜500nmであることが好ましい。第8の実施形態において、オープンセル型3次元網目構造とは、セルを構成する緻密固体の支柱又は平板の相互につなぎ合わさったネットワークからなる固体が3次元的に連なった空間をもつ網目状の多孔質構造体のことである。セル構造体には、オープンセル型のほかにクローズドセル型、及びオープンセル型とクローズドセル型の両方が共存する中間的なセル構造体も知られているが、本発明における「オープンセル型」は、単なるオープンセル型ばかりではなく、上記中間的なセル構造体をも包含する。本発明の第8の実施形態に係る酸化物結晶体は、オープンセル型3次元網目構造をもつ酸化物結晶体であって、該網目の平均径は特に限定するものではないが、20〜500nmであることが好ましい。このような、微細な穴が存在することで、焼結時に残留する溶媒が抜けるため、密着性を損ねない構造形成が可能となる。本発明の酸化物結晶体の製造方法によって、このような網目状の多孔質構造の制御が可能であるので、結晶子サイズ分布、表面粗さ、空孔率、触媒活性、熱伝導率、抵抗率、反射率等といった特性の制御性が大きい特徴がある。(ハ)酸化物結晶体表面の平均粗さ酸化物結晶体表面の十点平均粗さ(JISB−0601)は20〜200nmであることが好ましい。第8の実施形態のアモルファス化合物ゲルから形成される酸化物結晶体は、膜表面の平滑性をナノオーダーで制御が可能であるので、上記表面粗さ、触媒活性、熱伝導率、抵抗率、反射率等の特性の細かい調整が可能となる。〔9〕金属結晶体(第9の実施形態)本発明の第9の実施形態である「金属結晶体」は、前記第1の実施形態に記載のアモルファス化合物ゲルを基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点より低い温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下で光照射を行って形成された金属結晶体が、X線源としてCuKαを用いたX線回折において、最大強度であるメインピークの2θでの半価幅が0.2°以下の範囲にあることを特徴とする。(1)アモルファス化合物ゲルの基材への塗布、予備乾燥、その後の加熱、光照射等本発明の第9の実施形態における、「アモルファス化合物ゲルの基材への塗布、予備乾燥、その後の加熱、光照射、又は加熱下での光照射」は、前記第4の実施形態における、(1)から(5)項の記載内容と同様である。(2)金属結晶体第9の実施形態における、「金属結晶体」の特性を以下の(イ)項に、好ましい特性を以下の(ロ)項から(ハ)項に記載する。(イ)金属結晶体のX線回折におけるピーク半値幅金属結晶体が、X線源としてCuKαを用いたX線回折において、最大強度であるメインピークの2θでの半価幅が0.2°以下の範囲にある。一般的に結晶化が進み、結晶子サイズが増大すると、X線回折におけるピーク半値幅が減少する。第12の実施形態のアモルファス化合物ゲルから形成される金属結晶体では、特にX線源としてCuKαを用いたX線回折において、最大強度であるメインピークの2θでの半価幅が0.2°以下程度となるまで結晶化させることで、結晶子サイズ分布、表面粗さ、空孔率、触媒活性、熱伝導率、抵抗率、反射率などの金属結晶構造に特有の性質を安定的に制御できるようになる。電気的な特性においては、粒界密度が多いと特性が悪くなるため、結晶子サイズが大きい方がよい。従って、第9の実施形態の金属結晶体は、X線回折において、最大強度であるメインピークの2θでの半価幅が0.2°以下となるまで加熱、光照射、又は加熱下で光照射して形成される。(ロ)金属結晶体の結晶構造金属結晶体がオープンセル型3次元網目構造であって、該網目構造の網目の平均径が20〜500nmであることが好ましい。オープンセル型3次元網目構造については前記第8の実施形態(2)と同様である。本発明の第9の実施形態である「金属結晶体」は、オープンセル型3次元網目構造をもつ金属結晶体であって、該網目の平均径は特に限定するものではないが、好ましくは20〜500nmである。このような、微細な穴が存在することで、加熱、光照射等の際に残留する溶媒が抜けるため、密着性を損ねない構造形成が可能となる。本発明の酸化物結晶体の製造方法によって、このような網目状の多孔質構造の制御が可能であるので、結晶子サイズ分布、表面粗さ、空孔率、触媒活性、熱伝導率、抵抗率、反射率等といった特性の制御性が大きい特徴がある。(ハ)金属結晶体表面の平均粗さ金属結晶体表面の十点平均粗さ(JISB−0601)が20〜200nmであることが好ましい。本発明のアモルファス化合物ゲルから形成される金属結晶体は、膜表面の平滑性をナノオーダーで制御が可能であるので、上記表面粗さ、触媒活性、熱伝導率、抵抗率、反射率等の特性の細かい調整が可能となる。 本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下に本実施例、比較例における評価方法を記載する。これらの評価結果は表1〜6にまとめて示す。(1)生成物の観察方法走査型電子顕微鏡(SEM)を使用した観察により、生成したアモルファス化合物ゲル、及び該生成したアモルファス化合物を加熱処理又は光照射して得られたアモルファス化合物ゲルの構造変化を確認した。(2)針状凝集物の有無走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して1000倍の倍率で観察した際に、観察像中にミクロンサイズの針状析出物が1%以下(該百分率は、「[針状に凝縮した構造物が占める面積/全構造物の面積]×100(%)」から求められる割合である。)の場合には針状の凝集は「無し」とし、1%を超える場合には針状の凝集は「有り」とした。(3)生成物の結晶構造分析X線回折測定装置((株)リガク製、型式:Geigerflex RAD−A)を用い、X線源をCuKαとして、生成物の結晶性の分析を行った。下記計算式(1)で示される結晶化度が5%以下のものを、実質的にアモルファス化合物とした。結晶化度(%)=〔Ic/(Ic+Ia)〕×100 ・・・(1)(上記Icは結晶性散乱積分強度、Iaは非晶性散乱積分強度を示す。)(4)生成物の分子構造の同定方法顕微ラマン分光装置((株)東京インスツルメンツ製、型式:Nanofinder@30)とフーリエ変換赤外分光光度計(日本分光(株)製、型式:FT/IR−4100)を用いて、生成物中の金属元素または半金属元素の化合物種を同定した。なお、顕微ラマン分光装置では必要に応じて、局在表面プラズモン共鳴によってラマン散乱強度を高めることが可能なナノサイズの凹凸構造体(AgまたはCu)に試料を塗布して解析した。(5)体積固有抵抗率、キャリア濃度、キャリア移動速度の測定方法各金属結晶体と酸化物結晶体の体積抵抗率、キャリア濃度、キャリア移動度を直流四端子法による低抵抗測定と、Van der Paw法によるホール効果測定を併用することによって求めた。[実施例1]実施例1において、銅系アモルファス化合物ゲルを調製し、生成したアモルファス化合物ゲルの評価を行った。尚、実施例2〜11においても同様にアモルファス化合物ゲルの調製と評価を行った。(1)アルコキシド法による銅系アモルファス化合物ゲルの調製銅塩として塩化銅(II)(CuCl2)67g、有機添加剤としてN−メチル−2−ピロリドン(炭素原子数:5)750g、N−ビニル−2−ピロリドン(炭素原子数:6)100g、反応溶媒として脱水エタノールを窒素雰囲気中で混合して、反応溶液5L(リットル)を調製した。次にこの反応溶液を窒素雰囲気中、大気圧下で、攪拌しながら1時間以上、エタノールの沸点近傍(70〜80℃位)に加熱保持することで銅(II)アルコキシドを生成した。反応終了後、反応溶液を濾過しながら、1質量%の水を含有したエタノールで数回洗浄して得られた生成物15gを、溶媒としてエチレングリコール15gへ添加して、1時間以上、撹拌することで銅系アモルファス化合物ゲルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製した銅系アモルファス化合物ゲルを、フィルター(Whatman社製、商品名:アノディスク)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.1〜500μmの範囲の不定形の構造物が形成されているのを確認した。また、針状の凝集物は観察されなかった。(ロ)生成物の結晶構造分析得られた銅系アモルファス化合物ゲルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が1%であったのでアモルファス状態にあると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られた銅系アモルファス化合物ゲルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として銅ジエトキシド(Cu(OC2H5)2)に帰属するピークが検出されたので、本実施例の生成物は銅ジエトキシドを主成分とする銅系アモルファス化合物ゲルであると判断された。また、水酸化物イオンが吸着した銅のアルコキシド化合物(Cu‐(OH)‐OR)[Rはアルキル基]、水酸化銅(Cu(OH)2)、N−メチル−2−ピロリドンならびにN−ビニル−2−ピロリドンに由来するピロリドン基(C4H6NO)に帰属するピークも副成分として検出された。これらの解析結果から、水酸化銅(Cu(OH)2)と、Cu(OH)(OC2H5)とみられる分子構造の水和物も副生成物として形成されており、N−ビニル−2−ピロリドンとN−メチル−2−ピロリドンは、ゲル中に分散した形(表中に混在物と記載する。以下、同じ)で存在しているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゲル中に微量の塩素が含有されていることも確認した。[実施例2](1)アルコキシド法による銅系アモルファス化合物ゲルの調製ゲル状生成物と混合する溶媒をグリセロールとした以外は実施例1と同様にして、銅系アモルファス化合物ゲルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製した銅系アモルファス化合物ゲルを、フィルター(Whatman社製、商品名:アノディスク)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.1〜500μmの範囲の不定形の構造物が形成されているのを確認した。また、針状の凝集物は観察されなかった。(ロ)生成物の結晶構造分析得られた銅系アモルファス化合物ゲルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が0%であったのでアモルファス状態にあると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られた銅系アモルファス化合物ゲルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として銅ジエトキシド(Cu(OC2H5)2)に帰属するピークが検出されたので、本実施例の生成物は銅ジエトキシドを主成分とする銅系アモルファス化合物ゲルであると判断された。また、水酸化物イオンが吸着した銅のアルコキシド化合物(Cu‐(OH)‐OR)[Rはアルキル基]、水酸化銅(Cu(OH)2)、N−メチル−2−ピロリドンならびにN−ビニル−2−ピロリドンに由来するピロリドン基(C4H6NO)に帰属するピークも副成分として検出された。これらの解析結果から、水酸化銅(Cu(OH)2)と、Cu(OH)(OC2H5)とみられる分子構造の水和物も副生成物として形成されており、N−ビニル−2−ピロリドンとN−メチル−2−ピロリドンは、ゲル中に分散した形で存在しているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゲル中に微量の塩素が含有されていることも確認した。[実施例3](1)アルコキシド法による銅系アモルファス化合物ゲルの調製ゲル状生成物と混合する溶媒をエタノールとした以外は実施例1と同様にして、銅系アモルファス化合物ゲルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製した銅系アモルファス化合物ゲルを、フィルター(Whatman社製、商品名:アノディスク)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.1〜500μmの範囲の不定形の構造物が形成されているのを確認した。また、針状の凝集物は観察されなかった。(ロ)生成物の結晶構造分析得られた銅系アモルファス化合物ゲルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が3%であったのでアモルファス状態にあると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られた銅系アモルファス化合物ゲルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として銅ジエトキシド(Cu(OC2H5)2)に帰属するピークが検出されたので、本実施例の生成物は銅ジエトキシドを主成分とする銅系アモルファス化合物ゲルであると判断された。また、水酸化物イオンが吸着した銅のアルコキシド化合物(Cu‐(OH)‐OR)[Rはアルキル基]、水酸化銅(Cu(OH)2)、N−メチル−2−ピロリドンならびにN−ビニル−2−ピロリドンに由来するピロリドン基(C4H6NO)に帰属するピークも副成分として検出された。これらの解析結果から、水酸化銅(Cu(OH)2)と、Cu(OH)(OC2H5)とみられる分子構造の水和物も副生成物として形成されており、N−ビニル−2−ピロリドンとN−メチル−2−ピロリドンは、ゲル中に分散した形で存在しているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゲル中に微量の塩素が含有されていることも確認した。[実施例4](1)アルコキシド法による銅系アモルファス化合物ゲルの調製有機添加剤としてN−ビニル−2−ピロリドンの代わりに1−n−オクチル−2−ピロリドン(炭素原子数:12)25gを添加し、ゲル状生成物と混合する溶媒をγ−ブチロラクトンとした以外は実施例1と同様にして、銅系アモルファス化合物ゲルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製した銅系アモルファス化合物ゲルを、フィルター(Whatman社製、商品名:アノディスク)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.1〜500μmの範囲の不定形の構造物が形成されているのを確認した。また、針状の凝集物は観察されなかった。(ロ)生成物の結晶構造分析得られた銅系アモルファス化合物ゲルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が0%であったのでアモルファス状態にあると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られた銅系アモルファス化合物ゲルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として銅ジエトキシド(Cu(OC2H5)2)に帰属するピークが検出されたので、本実施例の生成物は銅ジエトキシドを主成分とする銅系アモルファス化合物ゲルであると判断された。また、水酸化物イオンが吸着した銅のアルコキシド化合物(Cu‐(OH)‐OR)[Rはアルキル基]、水酸化銅(Cu(OH)2)、N−メチル−2−ピロリドンならびに1−n−オクチル−2−ピロリドンに由来するピロリドン基(C4H6NO)に帰属するピークも副成分として検出された。これらの解析結果から、水酸化銅(Cu(OH)2)と、Cu(OH)(OC2H5)とみられる分子構造の水和物も副生成物として形成されており、1−n−オクチル−2−ピロリドンとN−メチル−2−ピロリドンは、ゲル中に分散した形で存在しているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゲル中に微量の塩素が含有されていることも確認した。[実施例5](1)アルコキシド法による銅系アモルファス化合物ゲルの調製有機添加剤としてN−ビニル−2−ピロリドンの代わりにN−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン(炭素原子数:6)25gを添加し、ゲル状生成物と混合する溶媒をn−ヘキサデカンとした以外は実施例1と同様にして、銅系アモルファス化合物ゲルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製した銅系アモルファス化合物ゲルを、フィルター(Whatman社製、商品名:アノディスク)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.1〜500μmの範囲の不定形の構造物が形成されているのを確認した。また、針状の凝集物は観察されなかった。(ロ)生成物の結晶構造分析得られた銅系アモルファス化合物ゲルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が0%であったのでアモルファス状態にあると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られた銅系アモルファス化合物ゲルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として銅ジエトキシド(Cu(OC2H5)2)に帰属するピークが検出されたので、本実施例の生成物は銅ジエトキシドを主成分とする銅系アモルファス化合物ゲルであると判断された。また、水酸化物イオンが吸着した銅のアルコキシド化合物(Cu‐(OH)‐OR)[Rはアルキル基]、水酸化銅(Cu(OH)2)、N−メチル−2−ピロリドンならびにN−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドンに由来するピロリドン基(C4H6NO)に帰属するピークも副成分として検出された。これらの解析結果から、水酸化銅(Cu(OH)2)と、Cu(OH)(OC2H5)とみられる分子構造の水和物も副生成物として形成されており、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドンとN−メチル−2−ピロリドンは、ゲル中に分散した形で存在しているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゲル中に微量の塩素が含有されていることも確認した。[実施例6](1)アルコキシド法による銅系アモルファス化合物ゲルの調製有機添加剤としてN−ビニル−2−ピロリドンの代わりにポリビニルピロリドン(分子量:3500)25gを添加し、ゲル状生成物と混合する溶媒をグリセロールとした以外は実施例1と同様にして、銅系アモルファス化合物ゲルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製した銅系アモルファス化合物ゲルを、フィルター(Whatman社製、商品名:アノディスク)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.3〜500μmの範囲の不定形の構造物が形成されているのを確認した。また、針状の凝集物は観察されなかった。(ロ)生成物の結晶構造分析得られた銅系アモルファス化合物ゲルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が5%であったのでアモルファス状態にあると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られた銅系アモルファス化合物ゲルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として銅ジエトキシド(Cu(OC2H5)2)に帰属するピークが検出されたので、本実施例の生成物は銅ジエトキシドを主成分とする銅系アモルファス化合物ゲルであると判断された。また、水酸化物イオンが吸着した銅のアルコキシド化合物(Cu‐(OH)‐OR)[Rはアルキル基]、水酸化銅(Cu(OH)2)、N−メチル−2−ピロリドンとポリビニルピロリドンに由来するピロリドン基(C4H6NO)に帰属するピークも副成分として検出された。これらの解析結果から、水酸化銅(Cu(OH)2)と、Cu(OH)(OC2H5)とみられる分子構造の水和物も副生成物として形成されており、N−メチル−2−ピロリドンとポリビニルピロリドンは、ゲル中に分散した形で存在しているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゲル中に微量の塩素が含有されていることも確認した。[実施例7](1)アルコキシド法による亜鉛系アモルファス化合物ゲルの調製亜鉛塩として塩化亜鉛(II)(ZnCl2)68g、有機添加剤としてN−メチル−2−ピロリドン(炭素原子数:5)750g、2−ピロリドン(炭素原子数:4)150g、反応溶媒として脱水エタノールを窒素雰囲気中で混合して、反応溶液5L(リットル)を調製した。次にこの反応溶液を窒素雰囲気中、大気圧下で、攪拌しながら1時間以上、エタノールの沸点近傍(70〜80℃位)に加熱保持することで亜鉛(II)アルコキシドを生成した。反応終了後、反応溶液を濾過しながら、1質量%の水を含有したエタノールで数回洗浄して得られた生成物15gを、溶媒としてエチレングリコール15gへ添加して、1時間以上、撹拌することで亜鉛系アモルファス化合物ゲルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製した亜鉛系アモルファス化合物ゲルを、フィルター(Whatman社製、商品名:アノディスク)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.15〜500μmの範囲の不定形の構造物が形成されているのを確認した。また、針状の凝集物は観察されなかった。(ロ)生成物の結晶構造分析得られた亜鉛系アモルファス化合物ゲルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が1%であったのでアモルファス状態にあると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られた亜鉛系アモルファス化合物ゲルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として亜鉛ジエトキシド(Zn(OC2H5)2)に帰属するピークが検出されたので、本実施例の生成物は亜鉛ジエトキシドを主成分とする亜鉛系アモルファス化合物ゲルであると判断された。また、水酸化物イオンが吸着した亜鉛のアルコキシド化合物(Zn‐(OH)‐OR)[Rはアルキル基]、水酸化亜鉛(Zn(OH)2)、N−メチル−2−ピロリドン、及び2−ピロリドンに由来するピロリドン基(C4H6NO)に帰属するピークも副成分として検出された。これらの解析結果から、水酸化亜鉛(Zn(OH)2)と、Zn(OH)(OC2H5)とみられる分子構造の水和物も副生成物として形成されており、2−ピロリドンとN−メチル−2−ピロリドンは、ゲル中に分散した形で存在しているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゲル中に微量の塩素が含有されていることも確認した。[実施例8](1)アルコキシド法によるスズ系アモルファス化合物ゲルの調製スズ塩として塩化スズ(II)(SnCl2)95g、有機添加剤としてN−メチル−2−ピロリドン(炭素原子数:5)750g、2−ピロリドン(炭素原子数:4)150g、反応溶媒として脱水エタノールを窒素雰囲気中で混合して、反応溶液5L(リットル)を調製した。次にこの反応溶液を窒素雰囲気中、大気圧下で、攪拌しながら1時間以上、エタノールの沸点近傍(70〜80℃位)に加熱保持することでスズ(II)アルコキシドを生成した。反応終了後、反応溶液を濾過しながら、1質量%の水を含有したエタノールで数回洗浄して得られた生成物15gを、溶媒としてエチレングリコール15gへ添加して、1時間以上、撹拌することでスズ系アモルファス化合物ゲルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製したスズ系アモルファス化合物ゲルを、フィルター(Whatman社製、商品名:アノディスク)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.15〜500μmの範囲の不定形の構造物が形成されているのを確認した。また、針状の凝集物は観察されなかった。(ロ)生成物の結晶構造分析得られたスズ系アモルファス化合物ゲルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が1%であったのでアモルファス状態にあると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られたスズ系アモルファス化合物ゲルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分としてスズジエトキシド(Sn(OC2H5)2)に帰属するピークが検出されたので、本実施例の生成物はスズジエトキシドを主成分とするスズ系アモルファス化合物ゲルであると判断された。また、水酸化物イオンが吸着したスズのアルコキシド化合物(Sn‐(OH)‐OR)[Rはアルキル基]、水酸化スズ(Sn(OH)2)、N−メチル−2−ピロリドンならびに2−ピロリドンに由来するピロリドン基(C4H6NO)に帰属するピークも副成分として検出された。これらの解析結果から、水酸化スズ(Zn(OH)2)と、Sn(OH)(OC2H5)とみられる分子構造の水和物も副生成物として形成されており、2−ピロリドンとN−メチル−2−ピロリドンは、ゲル中に分散した形で存在しているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゲル中に微量の塩素が含有されていることも確認した。[実施例9](1)アルコキシド法による銀系アモルファス化合物ゲルの調製銀塩として塩化銀(AgCl)72g、及び炭酸銀(Ag2CO3)27.5g、有機添加剤としてN−メチル−2−ピロリドン(炭素原子数:5)750g、N−ビニル−2−ピロリドン(炭素原子数:6)100g、反応溶媒として脱水エタノールを窒素雰囲気中で混合して、反応溶液5L(リットル)を調製した。次にこの反応溶液を窒素雰囲気中、大気圧下で、攪拌しながら1時間以上、エタノールの沸点近傍(70〜80℃位)に加熱保持することで銀アルコキシドを生成した。反応終了後、反応溶液を濾過しながら、1質量%の水を含有したエタノールで数回洗浄して得られた生成物15gを、溶媒としてエチレングリコール15gへ添加して、1時間以上、撹拌することで銀系アモルファス化合物ゲルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製した銀系アモルファス化合物ゲルを、フィルター(Whatman社製、商品名:アノディスク)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.3〜500μmの範囲の不定形の構造物が形成されているのを確認した。また、針状の凝集物は観察されなかった。(ロ)生成物の結晶構造分析得られた銀系アモルファス化合物ゲルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が3%であったのでアモルファス状態にあると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られた銀系アモルファス化合物ゲルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として銀エトキシド(Ag(OC2H5))に帰属するピークが検出されたので、本実施例の生成物は銀エトキシドを主成分とする銀系アモルファス化合物ゲルであると判断された。また、酸化銀(Ag2O)、N−メチル−2−ピロリドンならびにN−ビニル−2−ピロリドンに由来するピロリドン基(C4H6NO)に帰属するピークも副成分として検出された。これらの解析結果から、酸化銀(Ag2O)も副生成物として形成されており、N−ビニル−2−ピロリドンとN−メチル−2−ピロリドンは、ゲル中に分散した形で存在しているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゲル中に微量の塩素が含有されていることも確認した。[実施例10](1)アルコキシド法によるアルミニウム系アモルファス化合物ゲルの調製アルミニウム塩として塩化アルミニウム(III)(AlCl3)70g、有機添加剤としてN−メチル−2−ピロリドン(炭素原子数:5)750g、N−ビニル−2−ピロリドン(炭素原子数:6)100g、反応溶媒として脱水エタノールを窒素雰囲気中で混合して、反応溶液5L(リットル)を調製した。次にこの反応溶液を窒素雰囲気中、大気圧下で、攪拌しながら1時間以上、エタノールの沸点近傍(70〜80℃位)に加熱保持することでアルミニウム(III)アルコキシドを生成した。反応終了後、反応溶液を濾過しながら、1質量%の水を含有したエタノールで数回洗浄して得られた生成物15gを、溶媒としてエチレングリコール15gへ添加して、1時間以上、撹拌することでアルミニウム系アモルファス化合物ゲルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製したアルミニウム系アモルファス化合物ゲルを、フィルター(Whatman社製、商品名:アノディスク)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.2〜500μmの範囲の不定形の構造物が形成されているのを確認した。また、針状の凝集物は観察されなかった。(ロ)生成物の結晶構造分析得られたアルミニウム系アモルファス化合物ゲルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が3%であったのでアモルファス状態にあると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られたアルミニウム系アモルファス化合物ゲルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分としてアルミニウムトリエトキシド(Al(OC2H5)3)に帰属するピークが検出されたので、本実施例の生成物はアルミニウムトリエトキシドを主成分とするアルミニウム系アモルファス化合物ゲルであると判断された。また、水酸化物イオンが吸着したアルミニウムのアルコキシド化合物(Al‐(OH)‐OR)[Rはアルキル基]、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、N−メチル−2−ピロリドンならびにN−ビニル−2−ピロリドンに由来するピロリドン基(C4H6NO)に帰属するピークも副成分として検出された。これらの解析結果から、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)と、Al(OH)(OC2H5)2とみられる分子構造の水和物も副生成物として形成されており、N−ビニル−2−ピロリドンとN−メチル−2−ピロリドンは、ゲル中に分散した形で存在しているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゲル中に微量の塩素が含有されていることも確認した。[実施例11](1)アルコキシド法による珪素系アモルファス化合物ゲルの調製珪素塩として四塩化珪素(SiCl4)85g、リン原子の供給源としてピロリン酸(H2P2O7)10g、有機添加剤としてN−メチル−2−ピロリドン(炭素原子数:5)750g、N−ビニル−2−ピロリドン(炭素原子数:6)100g、反応溶媒として脱水エタノールを窒素雰囲気中で混合して、反応溶液5L(リットル)を調製した。次にこの反応溶液を窒素雰囲気中、大気圧下で、攪拌しながら1時間以上、エタノールの沸点近傍(70〜80℃位)に加熱保持することで珪素アルコキシドを生成した。反応終了後、反応溶液を濾過しながら、1質量%の水を含有したエタノールで数回洗浄して得られた生成物15gを、溶媒としてエチレングリコール15gへ添加して、1時間以上、撹拌することで珪素系アモルファス化合物ゲルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製した珪素系アモルファス化合物ゲルを、フィルター(アノディスク、Whatman社製)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.2〜500μmの範囲の不定形の構造物が形成されているのを確認した。また、針状の凝集物は観察されなかった。(ロ)生成物の結晶構造分析得られた珪素系アモルファス化合物ゲルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が3%であったのでアモルファス状態にあると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られた珪素系アモルファス化合物ゲルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として珪素テトラエトキシド(Si(OC2H5)4)に帰属するピークが検出されたので、本実施例の生成物は珪素テトラエトキシドを主成分とする珪素系アモルファス化合物ゲルであると判断された。また、水酸化物イオンが吸着した珪素のアルコキシド化合物(Si‐(OH)‐OR)[Rはアルキル基]、水酸化珪素(Si(OH)4)、N−メチル−2−ピロリドンならびにN−ビニル−2−ピロリドンに由来するピロリドン基(C4H6NO)に帰属するピークも副成分として検出された。これらの解析結果から、水酸化珪素(Si(OH)4)と、Si(OH)(OC2H5)3とみられる分子構造の水和物も副生成物として形成されており、N−ビニル−2−ピロリドンとN−メチル−2−ピロリドンは、ゲル中に分散した形で存在しているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゲル中に微量の塩素とリンが含有されていることも確認した。[比較例1](1)アルコキシド法による銅系アモルファス化合物ゲルの調製ゲル状生成物と混合する溶媒を水とした以外は実施例1と同様にして、銅系化合物ゲルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製した銅系アモルファス化合物ゲルを、フィルター(Whatman社製、商品名:アノディスク)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.1〜500μmの範囲の不定形の構造物が形成されているのを確認した。また、1〜100μmの範囲の針状の凝集物が形成されているのを確認した。(ロ)生成物の結晶構造分析得られた銅系化合物ゲルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが検出され、結晶化度が10%であったので結晶化が進行していると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られた銅系化合物ゲルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として銅ジエトキシド(Cu(OC2H5)2)に帰属するピークが検出されたので、銅ジエトキシドを主成分とする銅系化合物ゲルであると判断された。また、酸化銅(CuO)と、水酸化銅(Cu(OH)2)、N−メチル−2−ピロリドンならびにN−ビニル−2−ピロリドンに由来するピロリドン基(C4H6NO)に帰属するピークも副成分として検出された。これらの解析結果から、酸化銅(CuO)、水酸化銅(Cu(OH)2)も副生成物として形成されており、N−ビニル−2−ピロリドンとN−メチル−2−ピロリドンは、ゲル中に分散した形で存在しているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゲル中に微量の塩素が含有されていることも確認した。[比較例2](1)アルコキシド法による銅系化合物ゾルの調製有機添加剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、銅系化合物ゾルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製した銅系化合物ゾルを、フィルター(Whatman社製、商品名:アノディスク)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.5〜500μmの範囲の不定形の構造物と、1〜100μmの範囲の針状の凝集物が形成されているのを確認した。(ロ)生成物の結晶構造分析得られた銅系化合物ゾルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が15%であったので結晶化が進行していると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られた銅系化合物ゾルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として銅ジエトキシド(Cu(OC2H5)2)に帰属するピークが検出されたので、銅ジエトキシドを主成分とする銅系化合物ゾルであると判断された。また、亜酸化銅(Cu2O)と水酸化銅(Cu(OH)2)に帰属するピークも副成分として検出された。これらの解析結果から、亜酸化銅(Cu2O)と水酸化銅(Cu(OH)2)が副生成物として形成されているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゾル中に微量の塩素が含有されていることも確認した。[比較例3](1)アルコキシド法による銅系アモルファス化合物ゾルの調製有機添加剤としてN−ビニル−2−ピロリドンとN−メチル−2−ピロリドンの代わりに2−アミノエタノール750gを添加した以外は実施例1と同様にして、銅系化合物ゾルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製した銅系化合物ゾルを、フィルター(Whatman社製、商品名:アノディスク)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.5〜500μmの範囲の不定形の構造物と、1〜100μmの範囲の針状の凝集物が形成されているのを確認した。(ロ)生成物の結晶構造分析得られた銅系化合物ゾルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が17%であったので結晶化が進行していると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られた銅系化合物ゾルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として銅ジエトキシド(Cu(OC2H5)2)に帰属するピークが検出されたので、銅ジエトキシドを主成分とする銅系化合物ゲルであると判断された。また、亜酸化銅(Cu2O)と、水酸化銅(Cu(OH)2)に帰属するピークも検出された。さらに、フーリエ変換赤外分光光度計による解析も行ったところ、2−アミノエタノールに由来するアミノ基の帰属ピークが得られた。これらの解析結果から、亜酸化銅(Cu2O)と水酸化銅(Cu(OH)2)が副生成物として形成されており、2−アミノエタノールは、コロイド表面に付着しているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゾル中に微量の塩素が含有されていることも確認した。[比較例4](1)アルコキシド法による銅系アモルファス化合物ゾルの調製有機添加剤としてN−ビニル−2−ピロリドンとN−メチル−2−ピロリドンの代わりにN,N−ジメチルホルムアミド750gを添加した以外は実施例1と同様にして、銅系化合物ゾルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製した銅系化合物ゾルを、フィルター(Whatman社製、商品名:アノディスク)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.5〜500μmの範囲の不定形の構造物と、1〜100μmの範囲の針状の凝集物が形成されているのを確認した。(ロ)生成物の結晶構造分析得られた銅系化合物ゾルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が18%であったので結晶化が進行していると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られた銅系化合物ゾルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として銅ジエトキシド(Cu(OC2H5)2)に帰属するピークが検出されたので、銅ジエトキシドを主成分とする銅系化合物ゲルであると判断された。また、亜酸化銅(Cu2O)と、水酸化銅(Cu(OH)2)に帰属するピークも検出された。さらに、フーリエ変換赤外分光光度計による解析も行ったところ、N,N−ジメチルホルムアミドに由来するアミド基の帰属ピークが得られた。これらの解析結果から、亜酸化銅(Cu2O)と水酸化銅(Cu(OH)2)が副生成物として形成されており、N,N−ジメチルホルムアミドは、コロイド表面に付着しているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゾル中に微量の塩素が含有されていることも確認した。[比較例5](1)アルコキシド法による銅系アモルファス化合物ゾルの調製有機添加剤としてN−ビニル−2−ピロリドンとN−メチル−2−ピロリドンの代わりにポリビニルアルコール(分子量:200)750gを添加した以外は実施例1と同様にして、銅系化合物ゾルを得た。(2)生成物の評価(イ)生成物の構造観察上記調製した銅系化合物ゾルを、フィルター(Whatman社製、商品名:アノディスク)に通過させながら水洗して溶媒を乾燥除去した後、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。その結果、0.5〜500μmの範囲の不定形の構造物と、1〜100μmの範囲の針状の凝集物が形成されているのを確認した。(ロ)生成物の結晶構造分析得られた銅系化合物ゾルをガラス基板上に塗布後、真空乾燥させてX線回折による分析を行ったところ、結晶性の回折ピークが明確に見られず、結晶化度が16%であったので結晶化が進行していると判断された。(ハ)生成物の分子構造の同定得られた銅系化合物ゾルをナノ構造電極上に塗布して顕微ラマン分光装置で解析したところ、主成分として銅ジエトキシド(Cu(OC2H5)2)に帰属するピークが検出されたので、銅ジエトキシドを主成分とする銅系化合物ゲルであると判断された。また、亜酸化銅(Cu2O)と、水酸化銅(Cu(OH)2)に帰属するピークも検出された。さらに、フーリエ変換赤外分光光度計による解析も行ったところ、ポリビニルアルコールの帰属ピークが得られた。これらの解析結果から、亜酸化銅(Cu2O)と水酸化銅(Cu(OH)2)が副生成物として形成されており、ポリビニルアルコールは、コロイド表面に付着しているものと判断された。また、ICP発光分光分析から、ゾル中に微量の塩素が含有されていることも確認した。[実施例12](1)アモルファス化合物ゲルの調製上記実施例1〜3、6〜11で得られたアモルファス化合物ゲルを試験管に入れ、それぞれの分散溶媒で濃度を10質量%に調整した後、超音波ホモジナイザーを用いてよく撹拌し、酸化物半導体、酸化物導電体、金属導電体、半導体、及び絶縁体として評価するためのアモルファス化合物ゲルを調製した。(2)アモルファス化合物ゲルの結晶化による酸化物、及び金属結晶体の製造(イ)光照射による酸化物結晶体、及び金属結晶体の製造得られたアモルファス化合物ゲルをスピンコータでガラス基板(サイズ:2cm×2cm)に塗布して、窒素ガス雰囲気中、ホットプレートを用いて50〜180℃の温度範囲でそれぞれ1〜5分間加熱して塗膜を70質量%となるまで乾燥させた後、直ちに試料を取り除いて室温まで冷した。その後、表4、5に示す通り、キセノンランプの光(波長範囲300〜1300nm)を25mmの距離から、放電発光電圧300〜5000Vの範囲で、パルス幅500〜5000μsecとして1〜3回(1回当たりの照射時間2msec)の範囲で照射した。(ロ)加熱による酸化物結晶体、及び金属結晶体の製造得られたアモルファス化合物ゲルをスピンコータでガラス基板(サイズ:2cm×2cm)に塗布して、窒素ガス雰囲気中、ホットプレートを用いて50〜180℃の温度範囲でそれぞれ1〜5分間加熱して塗膜を40質量%となるまで乾燥させた後、直ちに試料を取り除いて室温まで冷した。その後、試料を雰囲気制御型の熱処理炉内に設置し、窒素ガス雰囲気中、30℃/minの昇温速度にて加熱した。200℃に到達後、30分間保持した後、熱処理炉中でゆっくりと室温まで炉冷した。(ハ)加熱下での光照射による酸化物結晶体、及び金属結晶体の製造得られたアモルファス化合物ゲルをスピンコータでガラス基板(サイズ:2cm×2cm)に塗布して、窒素ガス雰囲気中、ホットプレートを用いて、80〜150℃の温度範囲でそれぞれ1〜5分間加熱して塗膜を50質量%となるまで乾燥させた後、直ちに試料を取り除いて室温まで冷した。その後、表4、5に示す通り、100〜200℃の温度範囲で加熱しながら、キセノンランプの光(波長範囲300〜1300nm)を25mmの距離から、放電発光電圧500〜3000Vの範囲で、パルス幅500〜5000μsecとして3〜5回(1回当たりの照射時間2msec)の範囲で照射した。(3)酸化物結晶体、及び金属結晶体の評価得られた酸化物半導体、酸化物導電体、金属導電体、半導体、及び絶縁体について、結晶構造、体積抵抗率、キャリア濃度、キャリア移動度等の評価を行った。評価結果を表4、5にまとめて示す。[比較例6]実施例12におけるアモルファス化合物ゲルを比較例2〜3で得られた生成物とした以外は実施例12と同様の方法で、アモルファス化合物ゲルを調製した後、それぞれ加熱、光照射を行って、形成された結晶体膜の評価を行った。これらの実験条件と評価結果をまとめて表6に示す。[形成された酸化物結晶体、金属結晶体等についての考察]金属化したものについて、比較例2〜3で得たサンプルから加熱又は光照射で得られた結晶体膜の抵抗率は、2.0×10−4〜7.5×10−3μΩcmであったのに対し、実施例1〜3、及び6〜11で得たサンプルから加熱、光照射等で得られた結晶体膜の抵抗率は、10−5μΩcm以下の小さい抵抗率を示した。結晶体組織を走査型電子顕微鏡で観察したところ、アモルファス化合物ゲル(図1(実施例1))から形成された試料は緻密で連続的なナノ多孔質構造(図2(実施例12−1))となっていたが、本発明の範囲外の比較例では、疎で不連続な構造(図3(比較例6−2))となっていた。さらに、図1のアモルファス化合物ゲルのX線回折(図4(実施例1))では結晶性の回折ピークが明確に見られなかったが、図2の光照射後の連続的なナノ多孔質膜のX線回折(図5(実施例12−1))では結晶性の回折ピークが明確に観察された。これらのことから、本発明のアモルファス化合物ゲルは容易に結晶化が可能で、構造制御も可能であることが判った。また、本発明の形態では、光照射条件と加熱条件を調整することで、半導体的なキャリア濃度とキャリア移動度の特性を示す構造物と、絶縁体的な構造物なども得られたが、本発明の範囲外である比較例においては得られなかった。さらに、実施例12における加熱、光照射、又は加熱下での光照射の条件下においては、得られる酸化物結晶体と金属結晶体のナノ多孔質構造は、主にオープンセル型の3次元網目構造を形成し、それらの網目構造の網目の平均径が20〜500nm、表面の十点平均粗さ(JISB−0601)が20〜200nmの範囲で調整可能であることも判った。このように、本発明のアモルファス化合物ゲルは、加熱、光照射、又は加熱下での光照射によって、導電体、半導体、絶縁体を作りわけることが可能であることが確認された。[実施例13]上記実施例1、10で得られたアモルファス化合物ゲルを、重量比6:4となるように試験管に入れ、エチレングリコール溶媒で濃度を30質量%に調整した後、超音波ホモジナイザーを用いてよく撹拌した。調整したアモルファス化合物ゲルをスピンコータで透明基材(無アルカリガラス(コーニング社製、商品名:)1737))に乾燥膜厚100nmとなるように塗布して、窒素ガス雰囲気中、ホットプレートを用いて120℃の温度で3分間加熱して塗膜を乾燥させた後、直ちに試料を取り除いて室温まで冷した。その後、キセノンランプの光(波長範囲300〜1300nm)を25mmの距離から、放電発光電圧1500Vで、パルス幅2000μsecとして3回照射(1回当たりの照射時間1msec)して透明導電性基板を得た。得られた透明導電性基板は、抵抗率が9.0×101Ω・cmであり、透過率が可視領域で約80%、赤外領域で約85%であった。この透明導電性基板における導電性膜の結晶相をX線回折と透過型電子顕微鏡(TEM−EDX)により分析したところ、CuAlO2型の多結晶体であった。[実施例14]上記実施例1で得られたアモルファス化合物ゲルと、化合物塩として二酢酸ストロンチウム0.5水和物(〔CH3COO〕2Sr・0.5H2O)とを、重量比2:1となるように試験管に入れ、エチレングリコール溶媒で濃度を30質量%に調整した後、超音波ホモジナイザーを用いてよく撹拌した。調整したアモルファス化合物ゲルをスピンコータで透明基材(無アルカリガラス(コーニング社製、商品名:)1737))に乾燥膜厚100nmとなるように塗布して、窒素ガス雰囲気中、ホットプレートを用いて120℃の温度で3分間加熱して塗膜を乾燥させた後、直ちに試料を取り除いて室温まで冷した。その後、キセノンランプの光(波長範囲300〜1300nm)を25mmの距離から、放電発光電圧1500Vで、パルス幅2000μsecとして3回照射(1回当たりの照射時間1msec)して透明導電性基板を得た。得られた透明導電性基板は、抵抗率が2.0×102Ω・cmであり、透過率が可視領域で約70%、赤外領域で約75%であった。この透明導電性基板における導電性膜の結晶相をX線回折と透過型電子顕微鏡(TEM−EDX)により分析したところ、SrCu2O2型の多結晶体であった。 金属元素または半金属元素に、1つ以上のアルコキシ基が結合してなる、結晶化度が5%以下のアモルファス化合物と、常温で液体である有機溶媒(S)とから構成されている、アモルファス化合物ゲル。 金属元素または半金属元素に、1つ以上のアルコキシ基が結合してなる、結晶化度が3%以下のアモルファス化合物と、常温で液体である有機溶媒(S)とから構成されている、アモルファス化合物ゲル。 前記金属元素が銀、銅、亜鉛、スズ、ハフニウム、及びアルミニウムの中から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアモルファス化合物ゲル。 前記半金属元素が珪素、及びゲルマニウムの中から選択される1種又は2種であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲル。 前記有機溶媒(S)の常圧における沸点が60℃以上であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲル。 前記有機溶媒(S)の常圧における沸点が350℃以下であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲル。 前記有機溶媒(S)が、少なくとも1つのヒドロキシル基を有していて、該ヒドロキシル基の結合している炭素原子に1又は2の水素原子が結合している有機化合物(S1)を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲル。 前記有機化合物(S1)がメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2,2ジメチル−1−プロパノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−2−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、4−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、及び1,2,4−ブタントリオールの中から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲル。 前記アモルファス化合物ゲル中に、ラクタム系化合物(L)が混合されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲル。 前記ラクタム系化合物(L)が炭素原子数4〜12の五員環構造を有する、2−ピロリドン、アルキル−2−ピロリドン、及びヒドロキシアルキル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項9に記載のアモルファス化合物ゲル。 前記アルキル−2−ピロリドンがN−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−n−プロピル−2−ピロリドン、N−n−ブチル−2−ピロリドン、N−iso−ブチル−2−ピロリドン、N−n−オクチル−2−ピロリドン、3−メチル−2−ピロリドン、4−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−3−メチル−2−ピロリドン、及びN−メチル−4−メチル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項10に記載のアモルファス化合物ゲル。 前記ヒドロキシアルキル−2−ピロリドンがN−(ヒドロキシメチル)−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、及びN−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項10に記載のアモルファス化合物ゲル。 前記アモルファス化合物が100nm以上の長周期構造を有しないことを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲル。 金属塩または半金属塩と、ラクタム系化合物(L)とを、アルコールの存在下で、該アルコールの沸点より10℃低い温度以上で、かつラクタム系化合物(L)の沸点より50℃低い温度以下の温度範囲で反応させて金属または半金属アルコキシドからなるアモルファス化合物を析出させ、該アモルファス化合物を有機溶媒(S)と混合させることを特徴とする、アモルファス化合物ゲルの製造方法。 前記金属塩を構成する金属元素が銀、銅、亜鉛、スズ、ハフニウム、及びアルミニウムの中から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項14に記載のアモルファス化合物ゲルの製造方法。 前記半金属塩を構成する半金属元素が珪素、及びゲルマニウムの中から選択される1種又は2種であることを特徴とする、請求項14に記載のアモルファス化合物ゲルの製造方法。 前記ラクタム系化合物(L)が炭素原子数4〜12の五員環構造を有する、2−ピロリドン、アルキル−2−ピロリドン、及びヒドロキシアルキル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲルの製造方法。 前記アルキル−2−ピロリドンがN−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−n−プロピル−2−ピロリドン、N−n−ブチル−2−ピロリドン、N−iso−ブチル−2−ピロリドン、N−n−オクチル−2−ピロリドン、3−メチル−2−ピロリドン、4−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−3−メチル−2−ピロリドン、及びN−メチル−4−メチル−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項17に記載のアモルファス化合物ゲルの製造方法。 前記ヒドロキシアルキル−2−ピロリドンがN−(ヒドロキシメチル)−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、及びN−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ピロリドンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項17に記載のアモルファス化合物ゲルの製造方法。 前記請求項1から13のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲルを基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点以下の温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行うことを特徴とする、酸化物結晶体の製造方法。前記光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が1000〜3000Vの範囲であり、酸化物結晶体が銅、亜鉛、及びスズの中から選択される1種又は2種以上の酸化物の半導体または導電体であることを特徴とする、請求項20に記載の酸化物結晶体の製造方法。 前記光照射の光源がキセノンランプで、放電発光電圧が300〜3000Vの範囲であり、前記酸化物結晶体がアルミニウム、及び珪素の中から選択される1種又は2種の酸化物絶縁体であることを特徴とする、請求項20に記載の酸化物結晶体の製造方法。 前記請求項1から13のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲルを基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点以下の温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行うことを特徴とする、金属結晶体の製造方法。 前記光照射の光源がキセノンランプで、かつ放電発光電圧が500〜5000Vの範囲であり、金属結晶体が銅、及び銀の中から選択される1種又は2種の導電体であることを特徴とする、請求項23に記載の金属結晶体の製造方法。 前記請求項1から13のいずれかに記載の金属元素又は半金属元素が珪素、ハフニウム、及びゲルマニウムの中から選択される1種又は2種以上であるアモルファス化合物ゲルを基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点より低い温度で予備乾燥を行った後、光源がキセノンランプで、かつ放電発光電圧が500〜2000Vの範囲で光照射を行うことを特徴とする、半導体の製造方法。 前記請求項1から13のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲルの2種以上を混合して、基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点より低い温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下での光照射を行うことを特徴とする、透明導電体の製造方法。 前記請求項1から13のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲルと金属元素又は半金属元素の化合物塩とを混合して、基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点より低い温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下で光照射を行うことを特徴とする、透明導電体の製造方法。 前記請求項1から13のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲルを基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点より低い温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下で光照射を行って形成された酸化物結晶体が、X線源としてCuKαを用いたX線回折において、最大強度であるメインピークの2θでの半価幅が0.2°以下の範囲にあることを特徴とする酸化物結晶体。 前記酸化物結晶体がオープンセル型3次元網目構造であって、該網目構造の網目の平均径が20〜500nmであることを特徴とする、請求項28に記載の酸化物結晶体。 前記酸化物結晶体表面の十点平均粗さ(JISB−0601)が20〜200nmであることを特徴とする、請求項28又は29に記載の酸化物結晶体。 前記請求項1から13のいずれかに記載のアモルファス化合物ゲルを基材に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点より低い温度で予備乾燥を行った後、加熱、光照射、又は加熱下で光照射を行って形成された金属結晶体が、X線源としてCuKαを用いたX線回折において、最大強度であるメインピークの2θでの半価幅が0.2°以下の範囲にあることを特徴とする金属結晶体。 前記金属結晶体がオープンセル型3次元網目構造であって、該網目構造の網目の平均径が20〜500nmであることを特徴とする、請求項31に記載の金属結晶体。 前記金属結晶体表面の十点平均粗さ(JISB−0601)が20〜200nmであることを特徴とする、請求項31又は32に記載の金属結晶体。 【課題】不活性雰囲気中又は雰囲気大気中にて、加熱、光照射等を行うことで、形成される酸化物半導体、導体、絶縁体を形成可能なアモルファス化合物ゲルを提供することにある。前記酸化物半導体、導体、絶縁体は、薄膜型半導体(TFT)、太陽電池などに応用される。【解決手段】金属元素または半金属元素に、1つ以上のアルコキシ基が結合してなる、結晶化度が5%以下のアモルファス化合物と、常温で液体である有機溶媒(S)とから構成されている、アモルファス化合物ゲル。【選択図】なし


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