生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_シトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング剤、及び劣化臭マスキング方法
出願番号:2014252685
年次:2015
IPC分類:C11B 9/00,A23L 1/22,A61K 8/37,A61K 8/35,A61K 8/34,A61K 8/36,A61Q 13/00,A23L 2/00


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藤本 紀和 岩渕 久克 服部 雄飛 JP 2015180715 公開特許公報(A) 20151015 2014252685 20141215 シトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング剤、及び劣化臭マスキング方法 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 000175283 藤本 紀和 岩渕 久克 服部 雄飛 JP 2013259942 20131217 JP 2014043713 20140306 C11B 9/00 20060101AFI20150918BHJP A23L 1/22 20060101ALI20150918BHJP A61K 8/37 20060101ALI20150918BHJP A61K 8/35 20060101ALI20150918BHJP A61K 8/34 20060101ALI20150918BHJP A61K 8/36 20060101ALI20150918BHJP A61Q 13/00 20060101ALI20150918BHJP A23L 2/00 20060101ALN20150918BHJP JPC11B9/00 SC11B9/00 TC11B9/00 PC11B9/00 RC11B9/00 DC11B9/00 JA23L1/22 101ZA61K8/37A61K8/35A61K8/34A61K8/36A61Q13/00 101A23L2/00 B 8 OL 10 4B017 4B047 4C083 4H059 4B017LC02 4B017LK06 4B017LK08 4B017LK09 4B017LL01 4B047LB08 4B047LG05 4B047LG06 4B047LG08 4B047LP02 4C083AC211 4C083AC212 4C083AC241 4C083AC242 4C083AC341 4C083AC342 4C083AC351 4C083AC352 4C083AC371 4C083AC372 4C083AC391 4C083AC392 4C083AC421 4C083AC422 4C083AD531 4C083AD532 4C083KK02 4H059BA14 4H059BA19 4H059BA23 4H059BA26 4H059BA30 4H059BA35 4H059BB13 4H059BB14 4H059BB18 4H059BB45 4H059BB55 4H059BC23 4H059DA09 4H059EA31 4H059EA32 4H059EA35 本発明は、シトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング剤、及び劣化臭マスキング方法に関する。 シトラールはレモン様の特徴的な香りを有する重要な成分であり、柑橘系のフレッシュ感に寄与しているが、加熱により、あるいは経時的に減少して不快な劣化臭(オフフレーバー)が生成することが知られている。 シトラール由来の不快な劣化臭の原因物質として、p−クレゾールやp−メチルアセトフェノンなどがあり、これらの劣化臭の原因物質の生成を抑制するために、いくつかの試みがなされている。 特許文献1では、シトラール又はシトラール含有製品に、アシタバ、アボカド、オオバコ、半発酵茶葉、発酵茶葉、エビスグサおよびサンザシからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒抽出物を用いている。 特許文献2では、カリン、マンゴー、マンゴスチン、ミロバラン、ザクロまたはカカオから溶媒抽出された各抽出物、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、酵素処理ルチン、クエルセチン、フェルラ酸、カフェー酸、ロズマリン酸、シリンガ酸および没食子酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を用いている。 特許文献3では、エピガロカテキンを用いて、シトラール由来の不快な劣化臭の原因物質の生成を抑制している。 さらに、特許文献4では、杜仲葉、エンメイソウ、ハイビスカス、ビート、ライチ種子、オリーブ葉、月見草種子、タヒボ、グァバ葉、マリーゴールド、ブラッククミン、マリアアザミ、アーティチョーク、アイブライト、エキナセアプルプレア、エキナセアアングスティフォリアおよびエキナセアパリダの抽出物を1種または2種以上を用いている。 一方、香気成分であるエチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、ヘリオトロピン、ベンジルアルコール、ブチルブチリルラクテート、L−メントール、シス−3−ヘキセン−1−オール、ターピネオール、ターピネン−4−オール、アセトフェノン、エチルマルトール、フラネオール、アセトイン、ドデカノイックアシッド、シンナミルアセテート、ベンジルアセテートなどは、基剤臭、アミン臭、アンモニア臭、硫黄臭、酸臭、錆臭、煙草臭、動物臭、ハロゲン臭などの不快臭をマスキングする頭髪化粧料用マスキング組成物に使用されることが知られている(特許文献5)。特開2008−280539号公報特開2002−180081号公報特開2002−338990号公報特開2008−31230号公報特開2003−137758号公報 上記特許文献1〜4に記載された発明では、シトラール由来の不快な劣化臭の原因物質の生成を抑制することはできるが、一旦生成した不快な劣化臭をマスキングする効果は十分とはいえなかった。 そこで本発明は上記従来技術における問題点に鑑み、簡便で、安全性が高く、しかも最終製品本来の香味又は香気に影響を与えることなく、生成したシトラールの劣化臭をマスキングすることができる劣化臭マスキング剤及び劣化臭マスキング方法を提供することを目的とする。 本発明者らは、生成したシトラール由来の不快な劣化臭をマスキングできる物質を鋭意検討した結果、香気成分であるエチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールに、シトラール由来の不快な劣化臭を顕著にマスキングする効果があることを見出して、本発明を完成した。 すなわち、本発明は下記に掲げる、シトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング剤、及びシトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング方法に関するものである。(シトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング剤)項1.エチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールからなる群から選択される1種以上を含有することを特徴とする、シトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング剤。項2.劣化臭がp−クレゾール又はp−メチルアセトフェノンによる劣化臭である、項1記載のシトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング剤。項3.シトラール含有製品が、シトラス系香料、シトラス系飲料、シトラス系菓子類、又はシトラス系香粧品である、項1又は2記載のシトラール含有製品の劣化臭マスキング剤。(シトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング方法)項4.シトラール又はシトラール含有製品に、エチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールからなる群から選択される1種以上を添加することを特徴とする、シトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング方法。項5.劣化臭がp−クレゾール又はp−メチルアセトフェノンによる劣化臭である、項4記載のシトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング方法。項6.シトラール含有製品が、シトラス系香料、シトラス系飲料、シトラス系菓子類、又はシトラス系香粧品である、項4又は5記載のシトラール含有製品の劣化臭マスキング方法。 さらに、本発明は下記に掲げるシトラール含有製品の製造方法、及びシトラール含有製品に関するものでもある。(シトラール含有製品の製造方法)項7.シトラール含有製品に、エチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールからなる群から選択される1種以上を、0.00002〜1ppm配合することを特徴とするシトラール含有製品の製造方法。(シトラール含有製品)項8.エチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールからなる群から選択される1種以上が、0.00002〜1ppm含有されてなるシトラール含有製品。 本発明の劣化臭マスキング剤をシトラール又はシトラールを含有する製品に使用することにより、加熱や経時変化により生成したシトラール由来の劣化臭を、効果的にマスキングすることができる。 そのため、本発明の劣化臭マスキング剤の使用により、シトラール含有製品の製造、流通、保存期間中などにおいて生成する劣化臭が効率的にマスキングされ、フレッシュ感を維持することができる。 本発明は、エチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールからなる群から選択される少なくとも1種以上を含有することを特徴とする、シトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング剤である。 また、本発明は、シトラール又はシトラール含有製品に、エチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールからなる群から選択される少なくとも1種以上を添加することを特徴とする、シトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング方法である。 本発明に使用されるエチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールは、いずれも既知の香気成分であって、市販品を利用することができる。 本発明では、これらの香気成分を2種以上併用することもできる。 特に、エチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、メントール、及びラウリン酸からなる群から選択される化合物を単独使用又は併用することが好ましい。 本発明の劣化臭マスキング剤は、上記の香気成分の1種以上を原材料として用いたものであれば、その形態や濃度は特に限定されない。例えば、香気成分そのものの1種以上からなる液剤や、水、アルコール、グリセリン、プロピレングリコール等の単独又は混合の溶剤に、香気成分を適当な濃度で溶解させた希釈液剤とすることで調製することができる。また、例えば、香気成分の溶液にデキストリン等の賦形剤を添加して、噴霧乾燥によりパウダー状剤にすることも可能であり、用途に応じて種々の剤形にすることができる。劣化臭マスキング剤の利用上の利便性からは、香気成分を溶剤中に溶解した希釈液剤、もしくは、粉体化したパウダー状剤であることが好ましい。 本発明の劣化臭マスキング剤が希釈液剤、あるいはパウダー状剤であるときの、劣化臭マスキング剤中のエチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールからなる群から選択される1種以上の量は、通常0.01〜10000ppm、好ましくは0.05〜5000ppm、さらに好ましくは0.1〜1000ppmである。 本発明の劣化臭マスキング剤、又は劣化臭マスキング方法を適用するシトラール含有製品としては、シトラス系香料や、シトラールを含有する果汁飲料、清涼飲料、乳酸菌飲料、炭酸飲料、紅茶、栄養ドリンク剤などのシトラス系飲料、キャンディー、ケーキ、チョコレート、ガム、ゼリー、アイスクリームなどのシトラス系菓子類などが挙げられる。 さらに、飲食品以外では、シトラールを含有する香水、化粧品、歯磨、洗剤、石鹸、シャンプー、入浴剤、芳香剤などのシトラス系香粧品が挙げられる。 これらのシトラール含有製品中に、シトラールは通常0.1〜1000ppm含有されている。 本発明の劣化臭マスキング剤は、シトラール含有製品の製造・加工段階で適宜添加することができる。 劣化臭マスキング剤の添加量については、対象となるシトラール含有製品の種類やシトラールの含有量などにより異なるが、劣化臭マスキング剤成分のエチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールからなる群から選択される1種以上を、シトラール含有製品中に0.00002〜1ppm、好ましくは0.00005〜0.5ppm、さらに好ましくは0.0001〜0.2ppmになるように添加すれば、シトラール含有製品の劣化臭をマスキングすることができる。添加量が0.00002ppmより少ないとシトラール含有製品の劣化臭のマスキング効果が不十分となるため好ましくなく、一方、添加量が1ppmより多いと、劣化臭マスキング剤の香味又は香気が、シトラール含有製品の香味又は香気に影響を与えるため好ましくない。 また、劣化臭マスキング剤成分がエチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレートからなる群から選択される1種以上である場合においては、シトラール含有製品中の劣化臭マスキング剤成分の量は0.0001〜1ppm、好ましくは0.0002〜0.5ppm、さらに好ましくは0.0005〜0.2ppmであってよく、劣化臭マスキング剤成分がメントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールからなる群から選択される1種以上である場合においては、シトラール含有製品中の劣化臭マスキング剤成分の量は0.00002〜0.2ppm、好ましくは0.00005〜0.1ppm、さらに好ましくは0.0001〜0.05ppmであってよい。 以下、本発明を以下の実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。実施例1 シトラールの劣化臭の原因物質であるp−クレゾールを95%エタノール中に1質量%濃度となるように希釈し、この希釈液を、p−クレゾールの濃度が0.1ppmとなるように精製水に添加した。このようにして調製したp−クレゾール含有水溶液に、表1の物質を表中記載の濃度となるようにそれぞれ添加して、p−クレゾール臭のマスキング効果を確認した。 試験は、習熟したパネル10名を選んで官能評価を行い、p−クレゾールのみを添加した試験区を「評価:4点」とし、p−クレゾールを添加していない精製水を「評価:0点」として、各物質添加区のp−クレゾール臭のマスキング度合いを以下の評価基準にしたがって、相対評価した。結果は表1のとおりであり、各パネルの評価結果の平均点を示した。(評価基準) p−クレゾール臭を強く感じる :4点 p−クレゾール臭を感じる :3点 p−クレゾール臭を少し感じる :2点 p−クレゾール臭を殆ど感じない:1点 p−クレゾール臭を全く感じない:0点 表1の結果から明らかなように、エチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン及びマルトールイソブチレートに、p−クレゾール臭のマスキング効果が認められた。 特に、エチルピルベート、メチルジャスモネート、及びメチルジヒドロジャスモネートに、p−クレゾール臭の顕著なマスキング効果が認められた。 一方、ヘリオトロピン、ベンジルアルコール、ブチルブチリルラクテート、イソホロン、及びステアリン酸には、p−クレゾール臭のマスキング効果がほとんど認められなかった。実施例2 シトラールの劣化臭の原因物質であるp−メチルアセトフェノンを95%エタノール中に1質量%濃度となるように希釈し、この希釈液を、p−メチルアセトフェノンの濃度が0.1ppmとなるように精製水に添加した。このようにして調製したp−メチルアセトフェノン含有水溶液に、表2の物質を表中記載の濃度となるようにそれぞれ添加して、p−メチルアセトフェノン臭のマスキング効果を確認した。 試験は、習熟したパネル10名を選んで官能評価を行い、p−メチルアセトフェノンのみを添加した試験区を「評価:4点」とし、p−メチルアセトフェノンを添加していない精製水を「評価:0点」とし、各種添加区のp−メチルアセトフェノン臭のマスキング度合いを相対評価した。結果は表2のとおりであり、各パネルの評価結果の平均点を示した。(評価基準) p−メチルアセトフェノン臭を強く感じる :4点 p−メチルアセトフェノン臭を感じる :3点 p−メチルアセトフェノン臭を少し感じる :2点 p−メチルアセトフェノン臭を殆ど感じない:1点 p−メチルアセトフェノン臭を全く感じない:0点 表2の結果から明らかなように、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールに、p−メチルアセトフェノン臭のマスキング効果が認められた。 特に、メントール、及びラウリン酸に、p−メチルアセトフェノン臭の顕著なマスキング効果が認められた。 一方、エチルマルトール、シス−3−ヘキセノール、フラネオール、アセトフェノン、及びターピネン−4−オールには、p−メチルアセトフェノン臭のマスキング効果がほとんど認められなかった。実施例3 果糖ぶどう糖液糖75g、砂糖35g、クエン酸2g、クエン酸三ナトリウム1.2g、及びシトラールを含有するレモンオイルをエッセンス化したレモン香料2gに、精製水を添加し全量を1000mlに調整した。この溶液を90℃にてホットパック充填することで殺菌後、缶に詰めてレモン飲料を調製し、一部を約5℃の冷蔵庫中で、残りを40℃の恒温槽中で各々4日間保管した。 別途、表3の物質を95%エタノール中に0.0001質量%溶解した液を調製しておき、この溶液を、40℃で4日間保管したレモン飲料100質量部に対して0.1質量部それぞれ添加して、異臭のマスキング度合いを確認した。 試験は、習熟したパネル10名を選んで官能評価を行い、冷蔵庫で4日間保管した異臭の発生していない対照レモン飲料を「評価:0点」とし、40℃で4日間保管して、p−クレゾールやp−メチルアセトフェノンが生成し、それらの異臭が発生した対照レモン飲料を「評価:4点」とした。その結果は表3のとおりであり、各パネルの評価結果の平均点を示した。(評価基準) 異臭を強く感じる :4点 異臭を感じる :3点 異臭を少し感じる :2点 異臭を殆ど感じない:1点 異臭を全く感じない:0点 表3の結果から明らかなように、エチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート及びメチルベータナフチルケトンを添加したレモン飲料は、シトラールの劣化に伴う異臭のマスキング効果が認められた。 特に、エチルピルベート、メチルジャスモネート、又はメチルジヒドロジャスモネートを添加したレモン飲料に、異臭の顕著なマスキング効果が認められた。 一方、イソホロンやステアリン酸を添加したレモン飲料には、異臭のマスキング効果がほとんど認められなかった。実施例4 レモン飲料に添加する物質を表4に記載のものに変更し、各物質を0.0001質量%含む95%エタノール溶液の、レモン飲料100質量部に対する添加量を0.02質量部とした以外は、実施例3と同様の方法により、異臭のマスキング度合いを評価した。結果を表4に示した。 表4の結果から明らかなように、メントール、ラウリン酸、アセトイン及びα−ターピネオールを添加したレモン飲料において、シトラールの劣化に伴う異臭のマスキング効果が認められた。 特に、メントール、又はラウリン酸を添加したレモン飲料において、異臭の顕著なマスキング効果が認められた。 一方、フラネオールやターピネン−4−オールを添加したレモン飲料においては、異臭のマスキング効果がほとんど認められなかった。 本発明により、シトラールやシトラール含有製品のシトラール由来の不快な劣化臭をマスキングできるので、香料及び飲食品などの分野において有用である。エチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールからなる群から選択される1種以上を含有することを特徴とする、シトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング剤。劣化臭がp−クレゾール及び/又はp−メチルアセトフェノンによる劣化臭である、請求項1記載のシトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング剤。シトラール含有製品が、シトラス系香料、シトラス系飲料、シトラス系菓子類、又はシトラス系香粧品である、請求項1又は2記載のシトラール含有製品の劣化臭マスキング剤。シトラール又はシトラール含有製品に、エチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールからなる群から選択される1種以上を添加することを特徴とする、シトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング方法。劣化臭がp−クレゾール及び/又はp−メチルアセトフェノンによる劣化臭である、請求項4記載のシトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング方法。シトラール含有製品が、シトラス系香料、シトラス系飲料、シトラス系菓子類、又はシトラス系香粧品である、請求項4又は5記載のシトラール含有製品の劣化臭マスキング方法。シトラール含有製品に、エチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールからなる群から選択される1種以上を、0.00002〜1ppm配合することを特徴とするシトラール含有製品の製造方法。エチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールからなる群から選択される1種以上が、0.00002〜1ppm含有されてなるシトラール含有製品。 【課題】シトラールやシトラール含有製品の加熱時や経時的に生成するシトラールの劣化臭である、p−クレゾールやp−メチルアセトフェノンの臭いをマスキングするシトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング剤、及び劣化臭マスキング方法を提供する。【解決手段】エチルピルベート、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート、ジエチルマロネート、メチルベータナフチルケトン、マルトールイソブチレート、メントール、ラウリン酸、アセトイン、シンナミルアセテート、ベンジルアセテート、及びα−ターピネオールからなる群から選択される少なくとも1種以上を含有することを特徴とする、シトラール又はシトラール含有製品の劣化臭マスキング剤である。【選択図】なし


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