生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_遺伝子発現を抑制する治療におけるリポソームによる効率的な送達のプロセスおよび組成物
出願番号:2014251287
年次:2015
IPC分類:A61K 9/127,A61P 35/00,A61P 13/10,A61P 1/16,A61P 3/06,A61P 3/00,A61P 29/00,A61P 19/02,A61P 25/00,A61P 9/00,A61P 31/12,A61K 48/00,A61K 45/00,A61P 43/00,A61K 31/713,A61K 31/7105,A61K 31/711,A61K 31/7088,A61K 47/42,A61P 19/00,A61K 47/08,A61K 47/20,A61K 47/16,A61K 47/10


特許情報キャッシュ

バリー・エー・ポリスカイ ロジャー・シー・アダミー マイケル・ブイ・テンプリン ピエロ・ハービー レイチェル・イー・ジョーンズ ジャヤ・エス・ギヤナニ マイケル・イー・ハウストン JP 2015096529 公開特許公報(A) 20150521 2014251287 20141211 遺伝子発現を抑制する治療におけるリポソームによる効率的な送達のプロセスおよび組成物 マリーナ バイオテック,インコーポレイテッド 507328184 田中 光雄 100081422 山崎 宏 100084146 佐藤 剛 100156122 バリー・エー・ポリスカイ ロジャー・シー・アダミー マイケル・ブイ・テンプリン ピエロ・ハービー レイチェル・イー・ジョーンズ ジャヤ・エス・ギヤナニ マイケル・イー・ハウストン US 61/106,062 20081016 US 61/167,379 20090407 A61K 9/127 20060101AFI20150424BHJP A61P 35/00 20060101ALI20150424BHJP A61P 13/10 20060101ALI20150424BHJP A61P 1/16 20060101ALI20150424BHJP A61P 3/06 20060101ALI20150424BHJP A61P 3/00 20060101ALI20150424BHJP A61P 29/00 20060101ALI20150424BHJP A61P 19/02 20060101ALI20150424BHJP A61P 25/00 20060101ALI20150424BHJP A61P 9/00 20060101ALI20150424BHJP A61P 31/12 20060101ALI20150424BHJP A61K 48/00 20060101ALI20150424BHJP A61K 45/00 20060101ALI20150424BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150424BHJP A61K 31/713 20060101ALI20150424BHJP A61K 31/7105 20060101ALI20150424BHJP A61K 31/711 20060101ALI20150424BHJP A61K 31/7088 20060101ALI20150424BHJP A61K 47/42 20060101ALI20150424BHJP A61P 19/00 20060101ALI20150424BHJP A61K 47/08 20060101ALI20150424BHJP A61K 47/20 20060101ALI20150424BHJP A61K 47/16 20060101ALI20150424BHJP A61K 47/10 20060101ALI20150424BHJP JPA61K9/127A61P35/00A61P13/10A61P1/16A61P3/06A61P3/00A61P29/00A61P19/02A61P25/00A61P9/00A61P31/12A61P29/00 101A61K48/00A61K45/00A61P43/00 105A61K31/713A61K31/7105A61K31/711A61K31/7088A61K47/42A61P19/00A61K47/08A61K47/20A61K47/16A61K47/10 13 2011532268 20091016 OL 286 1.Falcon 2.Millex 3.Watson 4.Marlow 5.Cole−Parmer 6.Sartorius 7.Pierce 8.Vivaflow 本開示は、一般に、生物学的に活性な薬剤および薬物薬剤の送達のためのプロセス、組成物、および使用に関する。本開示のプロセスおよび組成物は、選択された細胞、組織、器官、または対象への治療用薬剤の送達に有用である。本発明の実施形態は、核酸薬剤を含む、医薬品および治療用薬剤の送達、ならびに薬物送達を達成するための物質を作製および使用するための方法を提供し得る。特に、本発明は、リポソームまたはラメラベシクルを含有するプロセスおよび組成物、ならびに他の形態の送達促進組成物および製剤、ならびにこれらの送達物質のための治療方法および使用に関する。 配列表本願は、2009年10月14日に作成された、99,622バイトの大きさで、MD−08−16PCT.txtと名づけられたASCIIファイルとして、EFS−Webを介してこれにより提出された配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。 対象への治療用化合物の送達は、該化合物が、その標的細胞もしくは組織に達する限られた能力によって、または細胞内での該化合物の制限された侵入もしくは行き来(trafficking)によって妨害されることがあり得る。治療用物質の送達は、一般に、細胞の膜によって制限されている。送達に対するこれらの障壁および制限は、結果を達成するために望ましい濃度よりもはるかに高濃度の化合物を使用する必要性を生じ得、これは、毒性効果および副作用のリスクをもたらす。 特定の治療用化合物を送達する際のさらなる制限は、輸送プロセスにおいて、分解から化合物を保護する必要性である。特に、血液循環を介した全身送達は、種々のタンパク質、酵素、および免疫学的な成分および因子に該化合物を曝し得る。 送達のための1つの戦略は、天然もしくは合成の脂質またはポリマー担体分子を用いて細胞内への化合物の輸送を改善することである。これらの物質は、細胞内への選択的侵入のために存在する機序を利用し得るが、依然として核酸およびタンパク質等の外因性分子は排除し得る。例えば、カチオン性脂質は、薬物薬剤と相互作用し、細胞膜との接触を提供し得る。また、特定の天然および合成親油性分子は、薬物薬剤用の担体としてリポソームまたは粒子に組織化され得る。ナノメートルまたはサブミクロンの大きさのリポソームは、エンドサイトーシス等の細胞内への選択的侵入のために存在する機序を利用することができる。リポソーム薬物担体は、薬物分子を分解から保護すると共に、細胞によるその取り込みを改善し得る。また、リポソーム薬物担体は、静電気的および他の相互作用によって特定の化合物をカプセル化またはそれに結合することができ、負に荷電した細胞膜と相互作用して膜を通過する輸送を開始し得る。 リポソームの欠点は、治療用リポソーム製剤の生物学的活性が、一般に、リポソームへの活性薬剤の取り込みの度合いに依存することである。一般に、取り込みの高い度合いが、高い治療活性を得るために望ましい。さらに、リポソームの取り込みは、製剤内で残存するさらなる担体分子を必要とし得る。 薬物薬剤送達用のリポソームの別の制限は、それらを使用することにより、送達製剤の質量を増加させることである。治療用製剤の生物学的活性およびその相対毒性は、製剤を調製するために使用される、たとえば親油性分子および担体等の追加の成分の性質および質量によって影響を受け得る。活性薬剤の送達用の従来の脂質系リポソーム製剤は、活性薬剤の質量に対する10〜15倍以上の脂質分子の質量の比を有し得る。一般に、活性薬剤に対する脂質または担体の低い比が、さらに効率的かつ望ましい。核酸薬剤用のかかるリポソーム製剤は、1リポソーム当たり数百以下の複製の核酸薬剤分子を含有し得る。 調節性RNAの理解、ならびにとりわけ、RNA干渉(RNAi)、RNAi療法、RNA系薬物、アンチセンス療法、および遺伝子療法の開発により、細胞内への活性核酸薬剤の導入に有効な手段の必要性が増大している。一般に、核酸は、細胞または血漿内で限定的な期間のみ安定である。しかしながら、核酸系薬剤は、組成物および製剤中で安定化され得、次いで、これを細胞内送達のために分散させ得る。 必要とされているものは、薬物および生物学的活性分子の全身および局所送達のためのプロセス、組成物、および使用である。とりわけ、生物学的活性分子および治療用分子の送達の効率を増大させる、リポソーム型を含む、送達構造物および担体を作製し、使用するためのプロセスに対する必要性がある。特に、リポソーム製剤、遺伝子発現抑制治療薬、および他の薬剤のために軽減した量の担体物質を用いて、効率的な送達を有すると共に、生物学的に活性を高くすることが望ましい。 概要本開示は、最終的に、治療として用いる薬物薬剤の細胞内および生体内送達のための新規のプロセス、組成物、および製剤を提供し、これは、一般に、細胞保護作用および比較的低い毒性を維持する。本開示の方法および組成物は、選択された細胞、組織、および器官への薬物薬剤の送達に有用である。 幾つかの態様では、本開示は、細胞への活性核酸薬剤または分子を送達するためのプロセス、組成物、および方法を提供する。該活性薬剤は、薬剤作用、あるいは、RNA干渉、またはアンチセンスもしくはリボザイム効果の応答を生じることによって、治療または薬理効果を提供し得る。本開示の活性薬剤は、ゲノム発現の制御、または遺伝子治療のために有用であり得る。 本発明の実施形態は、活性薬剤の水性緩衝溶液を含む第1の流れを提供し、有機溶媒中で1つ以上のリポソーム形成化合物の非水性溶液を含む第2の流れを提供し、該第1の流れを該第2の流れに衝突させ、それによって、約20%〜約50%v/vの有機溶媒の濃度を有する衝突流を形成することによって、1つ以上の活性薬剤を含有するリポソーム組成物を含む、組成物を作製するための様々なプロセスを提供する。該衝突流は、約6〜約7.4のpHを有し得る。該衝突流は、約20℃〜約35℃の温度で、約0.5時間〜約8時間、収集リザーバ中で培養され、それによって、リポソームを含む培養物を形成することができる。 ある実施形態において、1つ以上の活性薬剤を含有する組成物を作製するためのプロセスは、有機溶媒の濃度を約20%v/v未満にするのに十分な緩衝液を培養物に添加することによって培養物の反応を停止させることを含み得る。 幾つかの態様において、本発明のリポソーム形成化合物は、1つ以上のDILA2アミノ酸化合物であり得る。DILA2アミノ酸化合物は、リポソームを形成し得るアミノ酸基を含有する合成有機化合物である。DILA2アミノ酸化合物は、アミノ酸基のN末端あるいはC末端のいずれか、または両末端で、送達促進尾部または親油性尾部を含有することができる。 幾つかの変形において、1つ以上の活性薬剤を含有する組成物を作製するためのプロセスは、さらに、活性薬剤を含有する該第1の流れの体積流量が、リポソーム形成分子を含有する該第2の流れの体積流量の2倍以上であることを含み得る。ある変形において、該第1の流れの体積流量は、該第2の流れの体積流量の3倍以上、または該第2の流れの体積流量の5倍以上である。 本開示の活性薬剤は、UsiRNA、核酸含有薬剤、遺伝子発現抑制剤、遺伝子調節剤、アンチセンス薬剤、ペプチド核酸薬剤、リボザイム薬剤、RNA薬剤、またはDNA薬剤であり得る。幾つかの実施形態において、該活性薬剤は、薬学的化合物、または小分子医薬品であり得る。 1つ以上の活性薬剤を含有するリポソーム組成物を作製するためのプロセスは、有機溶媒の濃度を調節するために、該収集リザーバに緩衝液を添加することをさらに含み得る。該衝突流のpHは、約3〜約6であるように調節され得る。培養ステップは、約3〜約6のpHで行われ得る。 ある態様において、該活性薬剤は、50%を上回るレベルで、または70%を上回るレベルで、リポソーム中にカプセル化され得る。 幾つかの態様において、本発明は、45℃の温度で7日間、遺伝子発現抑制活性を保持するリポソーム組成物を提供し得る。ある態様において、該リポソーム組成物は、45℃の温度で7日間、該活性薬剤のカプセル化を保持し得る。 本発明のプロセスは、接線流濾過および透析濾過によって該培養物を濾過することを含み得る。接線流濾過後、該リポソームは、直径約160nm未満の均一の大きさであり得、約40nm〜約160nm、または約80nm〜約150nmの平均直径を有し得る。さらなる実施形態において、該培養物は、滅菌され得、該有機溶媒は、異なる薬学的に許容される緩衝液と交換され得る。 本開示の幾つかのプロセスにおいて、該培養物は、接線流濾過および透析濾過によって濾過され得る。ある実施形態において、該培養物は、滅菌され得る。 本発明のプロセスは、約1%〜約40%v/vの濃度で、該第1の流れに有機溶媒を添加することを含み得る。 該有機溶媒は、注射用の滅菌水中の約40〜約99%v/v、または約70〜約95%の濃度の(C1−6)アルカノールであり得る。 本開示のプロセスの培養時間は、約1時間〜約4時間の長さであり得る。 本発明は、さらに、本開示のプロセスの任意の変形によって作製される薬学的組成物を企図する。 一般に、本開示は、生体細胞への治療用核酸を送達するための方法を含む。 幾つかの実施形態において、本開示は、本発明のプロセスに従って組成物を調製し、該組成物で生体細胞を処置することによって、該細胞内で遺伝子の発現を阻害するための方法を提供する。 本明細書に開示される哺乳動物において、遺伝子の発現を阻害するための方法は、本発明のプロセスに従って組成物を調製すること、および該哺乳動物に該組成物を投与することを含む。 本発明の実施形態は、さらに、本発明のプロセスに従って組成物を調製し、ヒトに該組成物を投与することによって、ヒトにおいて、疾患を治療するための方法を提供し得、該疾患は、癌、膀胱癌、肝臓癌、肝疾患、高コレステロール血症、炎症性疾患、代謝性疾患、炎症、関節炎、リウマチ性関節炎、脳炎、骨折、心臓疾患、およびウイルス性疾患である。 本開示は、さらに、疾患を治療するための、および疾患を治療するための医薬の調製における、組成物の使用を企図する。 本発明は、細胞への生物学的薬剤を送達するための様々な組成物および製剤を提供する。さらに具体的には、ある態様において、本開示は、リポソーム製剤およびナノメートルスケールサイズの担体粒子を提供する。該担体粒子は、リポソームに取り込まれ得、送達において安定性の増加を示し得、遺伝の発現または活性を調節するための薬物薬剤を効率的に送達することができる。 本開示は、薬物および生物学的活性分子の全身および局所送達を向上するための、組成物、方法、および使用を提供する。とりわけ、本願は、送達効率の増加を伴い、細胞内で活性薬剤を送達することができる送達構造物および担体を作製および使用するための新規の組成物および方法を提供する。 幾つかの実施形態において、本開示は、1つ以上の担体粒子を含有するリポソームを含む組成物を提供し、各担体粒子は、活性核酸薬剤およびペプチドを含み、ペプチドの質量+リポソームの質量/核酸薬剤の質量の比は、約15未満、または約12未満、または約10未満、または約9未満、または約8未満、または約5未満である。 ある実施形態において、本発明は、生体内で、ApoBの遺伝子発現を抑制するために、50%以上、70%以上、または90%以上のノックダウン活性を有する、組成物を提供する。 幾つかの変形において、本開示の組成物は、アミノ酸脂質を含むリポソームを含有し得る。 ある態様において、本開示の組成物は、荷電した担体粒子、負に荷電した担体粒子、または正に荷電した担体粒子を含有し得る。 ある変形において、該活性核酸薬剤は、RNAi誘導薬剤またはアンチセンス薬剤である。各リポソームは、該活性薬剤分子の500個以上の複製、または1000個以上の複製、または5000個以上の複製を含有し得る。 幾つかの変形において、担体粒子用に使用するペプチドは、切断可能なペプチドまたは架橋可能なペプチドである。幾つかの実施形態において、該ペプチドは、PN4110またはPN183である。 本開示は、リポソーム組成物を調製することと、該組成物で細胞を処置することと、を含む、活性核酸薬剤を該細胞に送達するための方法を提供する。 ある態様において、本開示は、リポソーム組成物を調製することと、該組成物で細胞を処置することと、を含む、該細胞内での遺伝子の発現を阻害するための方法を提供する。 幾つかの態様において、本開示は、リポソーム組成物を調製することと、哺乳動物に該組成物を投与することと、を含む、該哺乳動物において、遺伝子の発現を阻害するための方法を提供する。 幾つかの実施形態において、本開示は、ヒトにおいて、疾患を治療するための方法を提供し、該疾患は、リウマチ性関節炎を含む炎症性疾患、高コレステロール血症を含む代謝性疾患、肝疾患、脳炎、骨折、心臓疾患、肝炎およびインフルエンザを含むウイルス性疾患、ならびに癌から選択され、これには、リポソーム組成物を調製することと、該ヒトに該組成物を投与することと、を含む。 ある実施形態において、本開示は、リウマチ性関節炎を含む炎症性疾患、高コレステロール血症を含む代謝性疾患、肝疾患、脳炎、骨折、心臓疾患、肝炎およびインフルエンザを含むウイルス性疾患、ならびに癌を含む疾患を治療するための医薬の調製における、リポソーム組成物の使用を提供する。 幾つかの変形において、本開示は、リウマチ性関節炎を含む炎症性疾患、高コレステロール血症を含む代謝性疾患、肝疾患、脳炎、骨折、心臓疾患、肝炎およびインフルエンザを含むウイルス性疾患、ならびに癌から選択される疾患を治療するためのリポソーム組成物の使用を提供する。 この概要は、本発明の詳細説明、ならびに図、添付の実施例および特許請求の範囲と共に、全体として本発明の開示を包含する。特定のリポソーム形成化合物が、二重層ベシクル10を形成する、本発明のリポソームの実施形態の略図である。本実施形態において、リポソームの外層は、リポソーム形成分子のうちの1つの頭部基に付着したポリエチレングリコール鎖20によって保護される。また、該リポソームの外層は、細胞または組織を特異的に標的とするためのリガンド30も示す。本実施形態において、該リポソームベシクルは、縮合RNAナノ粒子40、二本鎖RNA二重鎖ペプチド結合体50、三本鎖mdRNA60、ダイサー酵素基質RNA70、長いオーバーハング付きdsRNA80、および平滑末端付きsiRNA90を含む活性干渉RNA成分の搭載物を含有する。本開示のリポソーム組成物を調製するための特定の実施形態のフローチャート。活性薬剤溶液、緩衝溶液、および1つ以上のリポソーム形成化合物の溶液を含む試薬溶液は、別個に調製され、リザーバ200に提供される。該活性薬剤溶液およびリポソーム形成化合物の溶液は、衝突流210において接触される。該衝突流は、収集リザーバ220に収集される。該収集された物質は、培養プロセス230のためにリザーバに保持され、そのステップの後、物質は、反応停止240によって安定化される。反応停止した物質は、濾過プロセス250に供される。該濾過出力260は、仕上げプロセスへと続く。本開示のリポソーム組成物を仕上げるための特定の実施形態のフローチャート。リポソーム組成物の調製からの濾過出力物質であり得る、リポソーム組成物は、滅菌される300。滅菌した組成物を担持するための容器は、充填310、仕上げ320され、その後、滅菌組成物は、保管340のために冷凍される330。最終組成物を、使用のために出荷する350。本開示のリポソーム組成物を調製するための特定の実施形態のプロセス図。活性薬剤溶液は、リザーバ400中に維持される。DILA2化合物または脂質等のリポソーム形成成分を含有する溶液は、別個のリザーバ410中に維持される。緩衝溶液は、別のリザーバ420中に維持される。それらの溶液は、独立して選択された流量で別個の蠕動ポンプ430を用いて送り出される。該溶液は、任意に、インラインフィルタを通過し得るか、またはリザーバに充填される前に濾過され得る。衝突プロセスにおいて、該活性薬剤溶液は、接触点434で、リポソーム形成成分を含有する溶液と接触させる。該衝突流は、任意に、1つ以上の混合管436を通過し得る。該衝突流は、培養プロセスのために収集リザーバ440に入る。反応停止プロセスの緩衝溶液は、任意に、別個のリザーバ450に維持され得る。該リポソーム組成物460は、濾過プロセスに入るために、収集リザーバ440を出る。本開示のリポソーム組成物を調製するための特定の実施形態のプロセス図。安定化リポソーム組成物を、収集リザーバの出力460からリザーバ500に提供する。透析濾過緩衝溶液は、別個のリザーバ520中に維持される。蠕動ポンプ502は、中空繊維膜504を含有する管を通ってリザーバ500から安定化リポソーム組成物の循環を提供する。接線流濾過は、この循環を介して生じ、濾液530の除去によって安定化リポソーム組成物を濃縮する。リザーバ520からの緩衝液のさらなる取り替えは、固定または可変容量で透析濾過を可能にする。任意に、安定化リポソーム組成物の透析は、蠕動ポンプ506を用いてリザーバ540からの透析緩衝溶液を起動することによって行われ得る。特定の濃度で、安定化リポソーム組成物は、仕上げプロセスに出力される550。図6は、dsRNAへのポリアルギニン結合領域の結合が、ポリアルギニン結合領域の長さと共に増加したことを示す。図6において、最強の結合(SYBR金の染色を変位させる最大能力)が、PN3499で観察され、これは、合計10個のアルギニンを含有する二量体ペプチドであった。 本発明の実施形態は、核酸薬剤を含む、医薬品および治療用薬剤の送達、ならびに薬物送達を達成するための物質を作製および使用するための方法を提供し得る。 本発明は、さらに、種々の分子および構造物を細胞に送達するために有用である新規の薬物送達促進プロセスおよび組成物に関する。本発明は、最終的に、薬物送達、治療薬、ならびに対象における、遺伝子の発現または活性の調節に応答するものを含む疾患および状態の診断および治療のために行われる、様々なプロセス、化合物、組成物、製剤、ならびに使用を提供する。さらに具体的には、本発明は、リポソームまたはラメラビシクルを含有するプロセスおよび組成物、ならびに他の形態の送達促進組成物および製剤、ならびに治療方法およびこれらの送達物質の使用に関する。 本開示のプロセスおよび組成物は、さらに、核酸薬剤、ポリヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、ならびに小分子化合物および薬物等の、治療用、予防用、および診断用薬剤の送達のために使用され得る。 本開示の組成物および方法は、リポソームまたはラメラビシクル内でのカプセル化等の形態で、治療用薬剤の送達に有用である。これらの形態は、種々の直径のナノ粒子を含み得る。 調節性RNAの理解、ならびにとりわけ、RNA干渉(RNAiもしくはiRNA)、RNAi療法、RNA系薬物、アンチセンスもしくはリボザイム療法、およびDNA遺伝子療法の開発により、細胞内への活性核酸薬剤の導入に有効な手段の必要性が増大している。一般に、核酸は、細胞または血液に導入される場合、限定的な期間のみ安定である。しかしながら、核酸系薬剤は、組成物および製剤中で安定化され得、次いで、これを投与し、細胞内送達のために分散させ得る。 核酸薬剤には、遺伝子発現抑制剤、遺伝子調節剤、アンチセンス薬剤、ペプチド核酸薬剤、リボザイム薬剤、RNA薬剤、およびDNA薬剤等の任意の核酸含有部分が含まれる。 幾つかの実施形態において、本開示の組成物および方法は、リポソーム中にカプセル化された治療用薬剤の送達に有用である。これらの実施形態において、該治療用薬剤は、搭載物と言及され得る。 例えば、図1は、種々の親油性分子が、二重層ベシクル10を形成する、本発明のリポソームの実施形態の略図を示す。本実施形態において、該リポソームの外層は、親油性分子のうちの1つの頭部基に付着したポリエチレングリコール鎖20によって保護される。また、該リポソームの外層は、細胞または組織の特異的標的化のためのリガンド30を示す。本実施形態において、該リポソームベシクルは、本実施形態にプールされる、縮合RNAナノ粒子40、二本鎖RNA二重鎖ペプチド結合体50、三本鎖mdRNA60、ダイサー基質RNA70、長いオーバーハング付きdsRNA80、および平滑末端付きsiRNA90を含む活性干渉RNA成分の搭載物を含有する。治療用搭載物の他の形態は、マイクロRNA、ヘアピンRNA、DNA、またはリボザイムの形態を含み得る。 一般に、いかなる活性薬剤も、本開示のプロセスおよび組成物において、搭載物として利用され得る。幾つかの実施形態において、該搭載物は、小有機分子の医薬品であり得る。ある実施形態において、該搭載物は、負に荷電した、または中性の治療用薬剤であり得る。 本開示の幾つかの態様において提供されるプロセスおよび組成物は、放出可能な形態または組成物中の治療用薬剤を送達し得る。放出可能な形態および組成物は、活性薬剤に結合および放出する分子、活性薬剤に結合しかつ該薬剤の放出を補助する部分を解放する分子、活性薬剤に結合し、かつその後に該薬剤の放出を補助するために生物学的区画内で形態が調節される分子、および放出メディエーター化合物と混合される活性薬剤に結合する分子を含有する組成物を含む。 ある態様において、本開示は、治療用薬剤の送達に好適なリポソーム組成物を作製するための方法および装置を提供する。ある実施形態において、本開示の活性薬剤は、UsiRNAである。本開示の方法は、二本鎖または三本鎖RNA構造物、RNAペプチド結合体、縮合RNAナノ粒子、ダイサー基質RNA、dsRNA、siRNA、マイクロRNA、ヘアピンRNA,および他の活性RNA形態等の核酸薬剤のリポソーム組成物を提供し得る。 本開示の活性薬剤は、活性RNA薬剤のペプチド縮合体であり得る。例えば、ペプチドまたは他の生体分子を活性RNA薬剤を縮合させることによって形成されるナノ粒子、高分子種とのRNAの縮合体は、本発明のリポソーム組成物への搭載物として取り込むことができる。該ナノ粒子は、架橋であり得る。 さらなる実施形態において、本開示の活性薬剤は、ペプチド、タンパク質、プロテアーゼ、抗体、モノクローナル抗体、抗体系薬物、ワクチン薬剤、または小分子薬物であり得る。 活性薬剤を含有する組成物は、水性溶液であり得る。 本明細書で使用される、水性溶液という用語は、水溶液、滅菌水溶液、または溶媒の大部分が水である任意の溶液を指す。水性溶液は、例えば、幾つかの有機溶媒を含有し得る。 水性溶媒の例には、水、注射用の滅菌水、リンガー液、および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。 リポソーム形成分子または親油性分子を含有する組成物は、非水性溶液であり得る。 本明細書で使用される、非水性溶液という用語は、溶媒の大部分が水ではない任意の溶液を指す。非水性溶液は、いくらかの水を含有し得る。 非水性溶媒の例には、水と混合できる有機溶媒、アルカノール、(C1−6)アルカノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、secブタノール、t−ブタノール、アルカノール水、エタノール水、アセトニトリル、アセトン、ケトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、界面活性剤溶液、洗浄用溶液、およびこれらの組み合わせが含まれる。 リポソーム組成物のプロセス本発明の実施形態は、活性薬剤を含有するリポソーム含有組成物を作製するための様々なプロセス、および薬物送達の方法を提供し得る。 幾つかの態様において、リポソーム組成物は、2つの組成物、例えば、1つ以上の活性薬剤を含有する組成物、および1つ以上のリポソーム形成分子を含有する別個の組成物を衝突させることによって作製することができる。 一般に、本開示のリポソーム構造物は、調製プロセスの全てのステップが完了するまで、完全に活性な形態において構成されない。ある一定の期間が、本発明のプロセスにおける各ステップに必要とされる。リポソーム組成物の形成率は、一般に、多くの変数、例えば、流量、温度、pH、各構成成分の濃度等の組み合わせの予測できない効果に依存し得る。幾つかの実施形態において、培養時間が、形成プロセスを管理するために使用される。 図2は、本開示のリポソーム組成物を調製するための特定の実施形態のフローチャートを示す。図2を参照すると、活性薬剤溶液、緩衝溶液、および1つ以上のリポソーム形成化合物の溶液を含む試薬溶液は、別個に調製され、溶液リザーバ200に提供される。該試薬溶液は、任意に、別個に濾過され得るか、または無菌で調製され得る。活性薬剤溶液およびリポソーム形成化合物の溶液は、衝突プロセス210において接触される。該衝突流は、収集リザーバ220に収集される。該収集された物質は、培養プロセス230のためにリザーバに保持されて、それらのステップの後、反応停止によって安定化される240。反応停止した物質は、濾過プロセス250に供される。該濾過出力260は、仕上げプロセスへ取り出される。 本発明は、衝突プロセスを含むリポソーム組成物を作製するプロセスの実施形態を含む。衝突プロセスは、活性薬剤を含有する組成物をリポソーム形成分子を含有する組成物に衝突させることによって衝突流を生み出すための1つ以上のステップを有し得る。 幾つかの態様において、活性薬剤のリポソーム組成物を作製するための本開示のプロセスは、培養プロセスの1つ以上のステップを有し得る。培養プロセスは、リザーバ中に衝突流を収集し、一定の培養時間、保持することを含むことができる。 本発明の実施形態は、さらに、培養した組成物が反応停止処理される、リポソーム組成物を作製するためのプロセスを含み得る。反応停止処理は、溶媒、緩衝液もしくは希釈液を、培養した組成物の流れもしくは混合物に添加することによって行われ得る。反応停止処理は、有機溶媒または分散剤等の特定の成分の濃度を規定レベルを下回るように希釈することであり得る。一般に、培養組成物の反応停止は、さらなるプロセスまたは仕上げステップに関して安定した組成物を形成し得る。反応停止処理のステップは、リポソーム構造を含有し得る培養組成物を安定させるように機能する。 収集リザーバ中の衝突流の培養は、プロセスの他のステップと共に、活性薬剤が、リポソームによって高度にカプセル化される、リポソーム製剤を提供することができる。例えば、ある実施形態において、リポソーム組成物の形成および本開示の構造は、衝突、混合、希釈、収集、培養、pHの調節、反応停止、および濾過のステップのうちのいずれをも必要とし得る。 本開示のリポソーム組成物を作製するためのプロセスは、さらに、1つ以上の濾過ステップを含み得る。濾過ステップは、種々のプロセスパラメータを変更する、例えば、成分の濃度を制御もしくは変える、または粒径もしくは分散度、および他の物理的溶液パラメータを変えるために使用され得る。 図3は、本開示のリポソーム組成物を仕上げるための特定の実施形態のフローチャートを示す。図3を参照すると、リポソーム組成物の調製からの濾過出力物質であり得る、リポソーム組成物は、滅菌される300。滅菌した組成物を担持するためのリザーバは、充填310、仕上げ320され、その後、滅菌組成物は、保管340のために冷凍される330。最終組成物は、使用のために出荷される350。 容器への物質の滅菌、充填、および仕上げ、ならびに最終製剤の保管を含む本開示のプロセスは、Remington’s Pharmaceutical Sciences(18th ed.1990)に記載されるもの等の当該技術分野において既知のステップおよび方法を使用し得る。 カプセル化、サイジング、およびリポソームの一般調製を評価するための幾つかの方法は、例えば、国際公開WO第2001005374号、米国特許公開第20040142025号および第20070252295号、ならびに米国特許第6,843,942号に与えられる。 衝突および混合ある態様において、本発明は、活性薬剤のリポソーム組成物を作製するための様々な方法およびプロセス条件を提供する。 図4は、本開示のリポソーム組成物を調製するための特定の実施形態の略図を示す。図4を参照すると、活性薬剤溶液は、リザーバ400中に維持される。DILA2アミノ酸化合物または脂質等のリポソーム形成成分を含有する溶液は、別個のリザーバ410中に維持される。緩衝溶液は、別のリザーバ420中に維持される。これらの溶液は、独立して選択された流量で別個の蠕動ポンプ430を用いて、移送管402を通して送り出される。該溶液は、任意に、インラインフィルタを通過し得るか、または対応するリザーバに充填される前に濾過され得る。衝突プロセスにおいて、該活性薬剤溶液は、接触点434で、リポソーム形成成分を含有する溶液と接触させることができる。該接触点は、いかなる形状、角度、配向、または大きさであり得る。該衝突流は、1つ以上の乱流混合管436を通過し得る。該衝突流は、収集リザーバ440に入る。緩衝溶液は、リザーバ420から収集リザーバ440にポンプで送り出され得る。収集リザーバ440中で収集された混合物は、培養プロセスにおいて、一期間保持され得る。反応停止プロセスの緩衝溶液は、任意に、別個のリザーバ450中に維持され得る。該反応停止したリポソーム組成物460は、収集リザーバ440を出て濾過プロセスに入る。 ある実施形態において、リザーバ450中の該緩衝溶液は、任意に、衝突流を希釈するために使用され得、収集容器前、または任意の混合管前に衝突流で接触させ得る。 上で論じたように、リポソーム組成物を形成するために、本開示の特定のプロセスは、移送管中、および任意に、乱流混合管中の混合、容器もしくはリザーバ中への収集、培養プロセス、および反応停止処理を行う、衝突流を提供する。反応停止した物質は、濾過および仕上げのために出力される。 衝突流は、一般に、リポソーム形成分子を含有する組成物と活性薬剤の組成物とを接触させることによって生じる。該衝突流は、組成物を接触させて、単一の流れを形成するためのみの機能を果たし得る。該衝突流は、一般に、組成物の完全な相互分散(interdispersion)または相互混合を提供し得ない。任意のステップにおいて、衝突流は、乱流混合条件に供され得る。 該衝突流のpHは、約3〜約9の範囲で制御され得る。幾つかの実施形態において、該衝突流のpHは、約5〜約8、または約6〜約7、または約7.4である。ある変形において、該衝突流のpHは、約3〜約6である。該衝突流のpHは、移送管を通して、または混合管中で、または収集リザーバ中で衝突流を移送する間、調節され得る。ある実施形態において、該衝突流の初期pHは、約5〜約8、または約6〜約7.4であり、該pHは、初期衝突後、約3〜約6の範囲で調節される。ある実施形態において、該衝突流のpHは、常に、約7.4である。 衝突流を形成するために使用される組成物は、衝突前に、濾過され得る。本開示の1つ以上の活性薬剤を含有する組成物は、約200ナノメートル(nm)以上、または約300nm以上、または約500nm以上の大きさの望ましくない粒子もしくは位相を除去するために、例えば、フロー濾過技術によって濾過され得る。種々のリポソーム形成分子を含有する組成物は、約200nm以上、または約300nm以上、または約500nm以上の大きさの望ましくない粒子もしくは相を除去するために、例えば、フロー濾過技術によって濾過され得る。 該衝突流の温度は、約15℃〜約37℃の範囲で制御され得る。 本発明の態様は、さらに、該衝突流の組成物が、衝突される組成物の流量を用いて制御され得ることを提供する。一般に、各組成物は、選択された直径の管を通して流れ、したがって、衝突流中で混合される流れの相対体積流量は、衝突流中の種々の成分の濃度の説明を提供する。 例えば、同一直径の管を通って流れる2つの別個の流れを衝突させることによって衝突流が形成される場合、別個の流れの流量が、元の流れの成分の濃度と比較した、衝突流中の成分の濃度を決定し得る。故に、流量は、特定の特徴を有するリポソーム組成物を作製するために、衝突流中で所望の組成物を提供するために使用することができる。 ある実施形態において、該流れの流量は、リポソーム形成分子と比較した活性薬剤の濃度、ならびに、溶媒もしくは塩の濃度ならびに混合およびせん断力を含む他のパラメータを制御するために使用することができる。本発明の実施形態には、リポソーム製剤を作製するためのプロセスが含まれ、そこでは活性薬剤のカプセル化およびリポソーム粒径は、プロセス装置の流量を適応させることによって、有利に強化される。 ある態様において、本発明のプロセスは、親油性分子を含有する組成物の流れに活性薬剤の組成物の流れを衝突させるために、同一直径の管を採用し得る。ある変形において、該組成物の流量は、同じか、または同じでないことがあり得る。特定の実施形態において、活性薬剤を含有する組成物の流量は、親油性分子を含有する組成物の流量に同じでない場合がある。例えば、ある実施形態において、活性薬剤を含有する組成物の流量は、親油性分子を含有する組成物の流量の2倍であり得る。他の変形例において、活性薬剤を含有する組成物の流量は、親油性分子を含有する組成物の流量の2倍以上であり得るか、または幾つかの実施形態において、親油性分子を含有する組成物の流量の3倍以上、または親油性分子を含有する組成物の流量の5倍以上であり得る。 一般に、装置の管は、いかなる直径であってもよい。ある実施形態において、本発明のプロセスは、活性薬剤の組成物の流れを、リポソーム形成分子を含有する組成物の流れに衝突させるために、異なる直径の管を採用し得る。ある変形において、該管の直径は、同じか、あるいは同じではない場合がある。例えば、ある実施形態において、活性薬剤の溶液を含有する管の直径は、親油性分子の溶液を含有する管の直径の3/4であり得る。他の変形例において、活性薬剤の溶液を含有する管の直径は、親油性分子の溶液を含有する管の直径の半分であり得る。他の変形例において、活性薬剤の溶液を含有する管の直径は、親油性分子の溶液を含有する管の直径よりも大きいものであり得る。 幾つかの実施形態において、該衝突流は、さらに、流入混合のためのある手段を用いて混合され得る。流入混合のための手段は、流れの方法を変化させるように配置された1つ以上のチャネル、毛細管、または経路を有する混合器を含み、該チャネル、毛細管、または経路は、乱流混合を提供するために、1回以上分岐および再接続され得る。流入混合のための手段は、任意に、機械的撹拌機、シェーカー、またはかき混ぜ棒、ブレード、パドル、もしくはプレート、もしくは羽根を含み得る。 乱流混合に対するレイノルズ数は、2000を上回る、または2400を上回り得る。 乱流混合器中の混合流の滞留時間は、衝突流の流量を調節することによって制御することができる。幾つかの変形において、乱流混合器中の衝突流の流量および滞留時間は、リポソーム粒子のサイジングを制御するために使用することができる。 貫流混合の乱流混合管手段の一例は、Cole−Parmer社のインライン静的ミキサーK−04669−52、316ステンレス製管ミキサー、3/16”管OD、21要素である。 本開示の各プロセスに使用される装置の容器、管、および他の流れの構成要素は、使用される反応物および溶媒に不活性、かつ温度およびpH等の反応条件に好適な、任意の物質から作製され得る。物質の例には、ポリマー、金属、ステンレス製、ガラス、およびセラミックが含まれる。また、該容器、管、および他の流れの構成要素は、不活性物質で被覆され得る。 該容器、管、および他の流れの構成要素は、一般に、各ステップにおいて、溶液および混合物の流量の制御を可能にする1つ以上の制御可能なポンプと流体連通される。該装置は、流量を制御するために、種々の弁、例えば、逆止め弁を含み得る。該容器、管、および他の流れの構成要素は、口金またはOリングを含み得る、種々の締め具で連結され得る。該装置は、流れの経路において、種々の点で、温度センサーを含み得る。 本開示の方法および装置は、バッチまたは連続プロセスで使用され得る。 収集リザーバ、培養プロセス、および反応停止プロセス図4を参照すると、幾つかの実施形態において、該衝突流は、収集リザーバ440に入る。収集リザーバ440において、収集された衝突流は、培養プロセスに供される。 培養プロセスは、収集物質を混合する1つ以上のステップ、希釈緩衝液を用いて希釈する1つ以上のステップ、収集リザーバ中でpHを調節する1つ以上のステップ、および特定の温度で培養時間、収集物質を保持する1つ以上のステップを含み得る。 該収集物質は、例えば、機械的撹拌機、ロッカー、またはかき混ぜ棒、ブレード、パドル、もしくはプレート、もしくは羽根を用いて、収集リザーバ中で混合され得る。 幾つかの変形において、衝突流は、リポソーム形成化合物を含有する組成物と活性薬剤の組成物とを接触させ、緩衝液、溶媒、もしくは希釈剤を衝突流に添加することによって形成され得る。緩衝液、溶媒、もしくは希釈剤の添加は、衝突流の混合または収集前に生じ得るか、または培養プロセスの一部として収集リザーバ中で行われ得る。緩衝液、溶媒、もしくは希釈剤の添加は、活性薬剤、リポソーム形成分子、および収集リザーバ中の別の溶媒等の他の成分の濃度を低下させる。 幾つかの実施形態において、移送管中で、あるいは混合管中で、あるいは収集リザーバ中のいずれかにかかわらず、衝突流への緩衝液、溶媒、もしくは希釈剤の添加は、約50%(v/v)以下、または約40%(v/v)以下、または約35%(v/v)以下、または約33%(v/v)以下、または約30%(v/v)以下、または約25%(v/v)以下、または約22%(v/v)以下、または約20%(v/v)以下まで、有機溶媒の濃度を希釈し得る。 収集リザーバ中の収集された混合物または組成物のpHは、約3〜約9の範囲で制御され得る。幾つかの実施形態において、収集された衝突流のpHは、約5〜約8、または約6〜約7.4になるように調節される。ある実施形態において、収集された混合物のpHは、約5〜約8であり、該pHは、初期衝突後、約3〜約6の範囲まで調節される。幾つかの変形において、収集された衝突流のpHは、約7.4で維持される。本開示のリポソーム組成物はまた、pHが各ステップにおいて、7.4であるプロセスにおいて形成され得る。 幾つかの態様において、収集リザーバ中で収集された混合物または組成物は、培養保持期間に供される。収集リザーバ中の培養物の保持期間の長さは、数分間〜数時間、または約15分間〜約8時間、または約0.5時間〜約8時間、または約0.5時間〜約4時間、または約1時間〜約4時間、または約1時間〜約2時間の範囲に及び得る。 プロセスの幾つかの変形において、緩衝液、溶媒、もしくは希釈剤を用いた衝突流の希釈後、乱流混合が生じ、培養物の保持期間は、0.5時間〜約8時間、または約1時間〜約4時間、または約1時間〜約2時間の範囲に及び得る。 ある変形において、乱流混合は、緩衝液、溶媒、もしくは希釈剤を用いた衝突流の希釈前に生じ、培養物の保持期間は、数分間〜数時間、または約15分間〜約8時間、または約0.5時間〜約8時間、または約0.5時間〜約4時間、または約1時間〜約4時間、または約1時間〜約2時間の範囲に及び得る。 培養プロセスの培養時間の長さは、一般に、衝突流の流量、ならびに温度およびpH等の他のプロセスパラメータに依存し得る。 保持期間中、収集リザーバ中の収集された組成物の温度は、約15℃〜約37℃、または約22℃〜約35℃の範囲で制御され得る。 幾つかの態様において、培養プロセスは、緩衝液、溶媒、もしくは希釈剤の急速添加を用いて培養物を反応停止させることによって終了され得る。反応停止ステップは、約20%(v/v)以下、または約15%(v/v)以下、または約10%(v/v)以下、または約5%(v/v)以下まで、有機溶媒の濃度を低下させ得る。 幾つかの実施形態において、反応停止プロセスは、さらに、活性薬剤をカプセル化するリポソームを含有する安定化リポソーム組成物を提供し得る。 濾過および仕上げ上で論じられたように、幾つかの実施形態において、衝突流は、混合、収集、培養プロセス、および反応停止プロセスを経る。反応停止した物質は、濾過および仕上げのために出力される、安定化リポソーム組成物であり得る。 図5は、濾過および仕上げにより本開示のリポソーム組成物を調製するための特定の実施形態の略図を示す。図5を参照すると、反応停止したリポソーム組成物460等の安定化リポソーム組成物は、リザーバ500に入れられる。透析濾過緩衝溶液は、別個のリザーバ520中に維持される。蠕動ポンプ502は、中空繊維膜504を含有する管を通ってリザーバ500から安定化リポソーム組成物の循環を提供する。接線流濾過は、この循環を介して生じて、安定化したリポソーム組成物を濃縮し、濾液530は、中空繊維膜504を含有する管から除去される。リザーバ520からの緩衝液の取り替えの追加により、固定または可変容量で透析濾過を可能にする。安定化リポソーム組成物はまた、製剤中の活性薬剤の最終濃度を得るために緩衝液を添加することにより希釈され得る。任意に、安定化リポソーム組成物の透析は、リザーバ540からの透析緩衝溶液を起動するために蠕動ポンプ506を用いて行われ得る。特定の濃度の安定化されたリポソーム組成物が、仕上げ過程に出力される550。 一般に、濾液530は、有機溶媒およびカプセル化されていない活性薬剤を含み得る。故に、濾液の除去は、安定化リポソーム組成物中の有機溶媒の濃度を低下させ、カプセル化されていない活性薬剤を除去し得る。 一般に、反応停止した培養物は、薬学的組成物を調製するために望ましい範囲を下回る活性薬剤の濃度を有し得る。幾つかの実施形態において、反応停止した培養物は、薬学的組成物を調製するには高すぎる非水性溶媒の濃度を有し得る。これらの濃度は、上で論じたように、接線流濾過および透析濾過によって調節され得る。 幾つかの実施形態において、反応停止した培養物は、接線流濾過装置、またはカートリッジもしくはカセット接線流濾過装置に循環される。緩衝液または溶媒を添加しないで循環させる場合、接線流濾過は、緩衝液および溶媒の体積の減少した状態で、リポソーム組成物を保持し、それによって、その濃度を増加させる。 同様の装置は、非水性溶媒を除去し、それを透析濾過緩衝液と取り替えるために、透析濾過モードにおいて使用され得る。透析濾過モードにおいて、循環する残余物の体積は、本来、透析濾過緩衝液を添加することによって一定に保たれる。故に、有機溶媒の濃度は、それが浸透物に入り、除去される場合、減少する。 活性薬剤の濃度は、透析濾過ステップの残余物に緩衝液を添加することによって調節され、所望の最終濃度を達成し得る。濃度調節された残余物は、その後、直接フロー濾過を使用して、残余産物溶液を滅菌するために使用される、滅菌ユニットに提供され得る。滅菌された産物は、滅菌バイアル充填プロセスに使用され得、産物のバイアルは低温で保管される。瞬間冷凍、凍結乾燥、および低温凍結乾燥、ならびに他の手段を、産物を調製し、保管するために使用することができる。 ある実施形態において、所望の活性薬剤濃度に達するために、反応停止した培養物は、最初に、接線流濾過し、続いて、有機溶媒を除去するために透析濾過し、次いで、さらに接線流濾過し、最後に、緩衝液、溶媒、もしくは希釈剤を用いて希釈することによって濃縮され得る。 濾過のための方法および物質の例は、Mark C.Porter,Handbook of Industrial Membrane Technology (Noyes 1990),pp186−87に与えられる。濾過の幾つかの態様は、Munir Cheryan,Ultrafiltration and Microfiltration Handbook(1998)において与えられる。 活性薬剤のカプセル化リポソーム粒子による活性薬剤のカプセル化の度合いは、一般に、多くのプロセスパラメータによって影響を受ける。 幾つかの実施形態において、培養プロセス後のリポソーム粒子による活性薬剤のカプセル化の度合いは、50%以上、または60%以上、または70%以上、または80%以上、または90%以上、または95%以上、または96%以上、または97%以上、または98%以上、または99%以上、または本質的に100%である。 活性薬剤の、本開示のリポソーム組成物は、一般に、均一な大きさのリポソーム粒子を含有する。リポソーム粒径は、直径約300nm以下、または約250nm以下、または約200nm以下、または約180nm以下、または約160nm以下、または約150nm以下、または約140nm以下、または約130nm以下、または約120nm以下、または約110nm以下、または約100nm以下、または約90nm以下、または約80nm以下、または約70nm以下であり得る。 リポソーム粒径は、約50nm〜約500nm、または約60nm〜約400nm、または約70nm〜約300nm、または約70nm〜約200nm、または約70nm〜約160nm、または約80nm〜約160nmの範囲に及び得る。 幾つかの変形において、安定化リポソーム組成物は、約10%未満のリポソーム粒子の外側であり、カプセル化されていない活性薬剤、または約8%未満のカプセル化されていない活性薬剤、または約5%未満のカプセル化されていない活性薬剤、または約4%未満のカプセル化されていない活性薬剤、または約3%未満のカプセル化されていない活性薬剤、または約2%未満のカプセル化されていない活性薬剤、または約1%未満のカプセル化されていない活性薬剤を含有し得る。 安定化リポソーム組成物中の活性薬剤のカプセル化レベルは、約70%〜約99%、または約80%〜約99%、または約90%〜約99%、または約95%〜約99%の範囲に及び得る。安定化リポソーム組成物中の活性薬剤のカプセル化レベルは、本質的に100%であり得る。 遺伝子の発現を停止する治療における効率的な送達本開示は、一般に、新規の化合物および組成物、ならびに生物学的に活性な薬剤および薬物薬剤の送達のための方法およびその使用に関する。本開示の化合物および組成物は、選択された細胞、組織、器官、または対象への治療用薬剤の送達に有用である。さらに具体的には、本開示は、生物学的に活性な薬剤および薬物薬剤の送達をもたらすための、核酸薬剤を含む治療用薬剤の送達、ならびにペプチドを含有する物質を作成および使用するための方法に関する。 本開示は、薬物および生物学的活性分子の効率的な全身および局所送達のための、様々な化合物、組成物、方法および使用を提供する。効率的な送達は、ペプチドを含む種々の担体分子を用いて、リポソームへの活性薬剤の高度の充填によって提供され得る。本開示の化合物および組成物は、活性薬剤の高効率の送達を達成することができる。 送達の効率性の1つの尺度は、送達効率比である。本明細書で使用される、送達効率比は、担体分子の全質量/活性薬剤の質量の比である。送達効率比が低いほど、活性薬剤と比較して担体物質の質量が少なく、不要な毒性および副作用の可能性が低い。本明細書で使用される場合、低送達効率比が、さらに有利かつ望ましい。 本発明は、一般に、核酸の送達のための担体および製剤の分野に関する。核酸のための担体は、架橋可能かつ切断可能なペプチド構造を含む、ペプチド成分で形成される化合物および組成物を含む。さらに具体的には、本発明は、核酸と結合して複合体または縮合組成物を形成する、架橋可能なペプチド構造および切断可能なペプチド構造を提供する。 幾つかの実施形態において、本開示は、ペプチドおよび核酸から形成される複合体を提供する。これらの複合体は、ペプチドおよび核酸の複合体を有するコア構造を含み、コア構造は、ペプチドおよび核酸の種々の層を有する。核酸を用いて本発明の複合体の形成に好適なペプチドは、任意のカチオン性ペプチドを含む。 幾つかの態様において、ペプチドおよび核酸の複合体、縮合体、またはナノ粒子は、リポソーム製剤に充填され得る。本開示のリポソーム製剤は、生物学的に活性な薬剤および薬物薬剤、特に、核酸薬剤のための安定な送達を提供することができる。 幾つかの態様において、本開示の組成物および製剤は、毒性の低下を伴う生物学的活性を提供することができる。 また、遺伝子の発現または活性を修飾させる時に、担体、ペプチド、核酸構築体、またはペプチド複合体、ならびに本開示の製剤を使用する方法も、細胞標的成分および他の薬学的製剤成分と組み合わせて、任意に提供される。 本発明は、生物学的に活性な薬剤を細胞に送達するための様々な担体組成物を提供する。さらに具体的には、本開示は、小分子に縮合された核酸薬剤を有するナノメートルの規模の様々な担体構造を提供する。担体粒子は、送達において安定性を増加させ得、活性薬剤を効率的に送達し得る。リポソームに充填された担体粒子の製剤は、安定性および送達効率性の増加を提供することができる。 本開示の新規の化合物および組成物は、有利な範囲の送達効率比を達成することができる。幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、RNAi誘導薬剤に対して、15未満、または10未満の送達効率比を提供する。 本開示の組成物および方法は、核酸、ポリヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、ならびに小分子化合物および薬物等の、治療用、予防用、および診断用薬剤の送達のために有用であり得る。これらの組成物は、種々の直径のナノ粒子を含み得る。 本開示は、最終的に、治療として用いる活性薬剤の細胞内および生体内送達のための新規の化合物、組成物、および製剤を提供し、これは、一般に、細胞保護作用および比較的低い毒性を維持する。本開示の化合物および組成物は、病状または表現型を修飾するために、選択された細胞、組織、器官、または区画への活性薬剤の送達に有用である。 幾つかの態様において、本開示は、RNA干渉、アンチセンス効果、またはゲノム発現の制御もしくは調節の応答を生じるために、RNA構造物を細胞に送達するための化合物、組成物、方法を提供する。 幾つかの変形において、本開示は、DNA構造物またはDNA含有物質を細胞に送達するための化合物、組成物、および方法を提供する。 本明細書で使用される、「ペプチド核酸複合体」という用語は、核酸に結合された、または複合体化されたペプチドを指す。 RNAi誘導およびアンチセンス薬剤の効率的な送達幾つかの態様において、本発明の組成物および方法は、高濃度または密度の活性薬剤分子を有する担体粒子を提供することによって、活性薬剤の効率的な送達を提供する。該担体粒子は、リポソームに充填され、薬学的製剤中に高濃度または密度の活性薬剤分子を提供することができる。 ある態様において、本発明の組成物および方法は、ある範囲の送達効率比を有するRNAi誘導薬剤またはアンチセンス薬剤の製剤を提供する。本開示のRNAi誘導薬剤またはアンチセンス薬剤用の製剤は、15未満、または12未満、または10未満、または9未満、または8未満、または5未満の送達効率比を有利に有し得る。 ある実施形態において、効率的な送達は、カチオン性ペプチドで縮合された核酸薬剤からなる担体粒子を用いて達成することができる。例えば、RNAi誘導薬剤またはアンチセンス薬剤等の核酸薬剤と組み合わせたカチオン性ペプチドの荷電に基づいて、担体粒子は、最大6つ以上のペプチド結合領域が、活性RNA薬剤に結合し得る構造を含むことができる。 幾つかの変形において、RNAi誘導薬剤またはアンチセンス薬剤等の核酸薬剤からなり、かつリポソームに充填される担体粒子を含有する製剤において、リポソームは、1粒子当たりRNAi誘導薬剤またはアンチセンス薬剤分子の500を超える、または1,000を超える、または5,000を超える、または6,000を超える、または7,000を超える、または8,000を超える、または9,000を超える、または10,000を超える、もしくはそれ以上の複製を有し得る。 例えば、幾つかの態様において、2のN:P、1g/ccの密度、1.26×106nm3の粒子体積を有する球状粒子については、3781.2の分子量(正味7カチオン性荷電)を有するペプチドおよび13,500の分子量(正味40アニオン性荷電)を有する二重鎖RNAからなり、粒子の質量は、1.26×10−9マイクログラムであり、該粒子は、二重鎖RNA当たり11.4ペプチドを有する。この例について、該送達効率比は、ペプチドの質量/RNAの質量の比であり、それは3.2である。RNAによって表される粒子の質量の割合は、0.24であり、粒子中の二重鎖RNA分子数は、13,369であり、1粒子当たりペプチド分子数は、1.53×105である。言い換えれば、これらの担体粒子を含有し、追加の担体分子がない製剤は、粒子に基づいて、3.2の送達効率比、および24%のRNAi−薬剤の質量分率ローディング値を有し得る。 リポソーム製剤幾つかの態様において、本発明の担体粒子は、リポソーム製剤中に充填またはカプセル化され得る。例えば、幾つかの実施形態において、担体粒子は、米国特許出願第12/114,284号に開示されるもの等のリポソーム製剤中にカプセル化されるように送達され得る。 ある実施形態において、リポソーム製剤中にカプセル化されるように送達される本発明の担体粒子の薬学的製剤は、本発明のペプチド担体粒子組成物を有さないRNAのリポソーム製剤と比較して、二重鎖RNAのペイロードを20倍増加させ得る。 例えば、幾つかの実施形態において、リポソーム製剤中にカプセル化されるように送達される本発明の担体粒子の薬学的製剤は、本発明のペプチド担体粒子組成物を有さないRNAのリポソーム製剤と比較して、担体質量を45%減少させ得る。 幾つかの実施形態において、RNA薬剤用の担体粒子の薬学的製剤は、核酸を送達する時、ペプチドを使用するペプチド含有送達システムを含む。このシステムは、リポソーム製剤に取り込まれ得るRNA薬剤のペイロードを増加させ得る。ペプチド含有のナノ粒子を用いて、送達の効率、および送達システムの組織分布パターンを、強化し得る。幾つかの実施形態において、該送達システムは、リポソーム粒子当たり最大20倍のRNAペイロードの増加を示し得る、一方、担体賦形剤の全量の約45%減少させる。幾つかの変形において、該システムは、ペプチドを有さないリポソーム製剤と比較して、例えば、ApoBの生体内のノックダウンによって測定されるように、RNA薬剤の用量の30%減少を達成し得、一方、マウス肝臓において、85%ノックダウン、およびマウス空腸において、ノックダウンを維持する。故に、本発明の担体粒子の薬学的製剤は、siRNA、mdRNA、またはアンチセンス薬剤等のRNA薬剤の送達効率を大幅に改善し得る。 担体ナノ粒子幾つかの実施形態において、本発明の担体粒子は、2008年10月16日に出願の米国特許出願第61/106,062号に記載されるように、調製され得る。 本開示の担体粒子は、一般に、均一粒径からなる。担体粒径は、直径約300nm以下、または約250nm以下、または約200nm以下、または約180nm以下、または約160nm以下、または約150nm以下、または約140nm以下、または約130nm以下、または約120nm以下、または約110nmそれ以下、または約100nm以下、または約90nm以下、または約80nm以下、または約70nm以下であり得る。 本開示の活性薬剤担体粒子は、様々な粒径、例えば、約50nm〜約500nm、または約60nm〜約400nm、または約70nm〜約300nm、または約70nm〜約200nm、または約70nm〜約160nm、または約80nm〜約160nmを有し得る。 幾つかの実施形態において、本開示の活性薬剤担体粒子は、負荷電であり得る。例えば、RNAi薬剤およびカチオン性ペプチドからなる担体粒子は、粒子が負荷電を保持するように縮合され得る。 幾つかの実施形態において、本開示の活性薬剤担体粒子は、正荷電であり得る。例えば、RNAi薬剤およびカチオン性ペプチドからなる担体粒子は、粒子が正荷電を必要とするように縮合され得る。 担体およびペプチド結合領域幾つかの態様において、本開示の担体化合物および組成物は、核酸に結合して、ナノメートルの大きさの粒子を形成することによって、生物学的活性核酸成分で縮合するペプチド成分で形成され得る。 幾つかの実施形態において、本開示の担体組成物に好適なペプチドは、2008年11月19日出願の米国特許出願第61/116,258号に記載されている。 1つ以上の結合領域を有する1個のペプチドが核酸に結合する場合、担体が、形成され得る。 ある変形において、ペプチドの1つ以上のカチオン性結合領域は、同一または異なる核酸分子に結合し得る。 本開示の架橋可能かつ切断可能なペプチド構造物は、1つ以上の結合領域において、ペプチド鎖に沿って分布される複数のカチオン性残基を有利に有し得る。カチオン性残基の数および分布の変形は、活性薬剤へのペプチドの結合の強度で異なって使用することができる。 本発明のペプチドには、核酸および1つ以上のリンカー基に結合するのに十分な正荷電を有する結合領域を有するカチオン性ペプチドが含まれる。本発明のペプチドの結合領域は、核酸に結合するのに十分な正荷電を有し得る。リンカー基は、互いに連結されて、2個以上のペプチドを単一分子に架橋することができる。 活性核酸薬剤と縮合して、本開示の担体粒子を形成することが可能なペプチドは、核酸に結合するのに十分な正荷電、および結合された核酸を含む自己架橋された構築物を形成するのに十分なリンカー基を有し得る。 本開示は、核酸に結合するのに十分な正に荷電した残基を有し、架橋されたペプチドを形成することが可能なペプチドを提供する。 幾つかの実施形態において、生物学的に活性な薬剤は、カチオン性ペプチドで結合することができる核酸薬剤である。核酸薬剤は、1個、2個、3個、4個、5個、または6個もしくはそれ以上のペプチドに結合して、複合体を形成することができる。縮合粒子は、核酸−ペプチド複合体を凝集し、結合することによって形成され得る。 幾つかの実施形態において、核酸薬剤は、ペプチドが1つ以上の核酸薬剤に付着するように1つ以上のペプチドの部分に結合し得る。 担体構造物または構築物は、ペプチドが結合する生物学的に活性な薬剤と本発明の架橋可能なまたは切断可能なペプチドを混合することによって形成され得る。薬剤へのペプチドの結合は、ペプチドの架橋が生じると同時に、またはペプチドが架橋される前もしくは後に行われ得る。 幾つかの態様において、担体は、ペプチドおよび核酸の縮合物であり得る架橋されたペプチド構築物である。縮合物は、核酸等の生物学的に活性な薬剤を組み込むことができるナノメートルの大きさの担体粒子を形成し得る。 架橋可能なペプチド幾つかの実施形態において、本発明の架橋可能なペプチドは、架橋可能な末端残基または基を含有し得る。 例えば、架橋可能なペプチドは、ペプチドの二量体をもたらすペプチド間ジスルフィド結合を形成することによって架橋され得る単一末端システイン残基を有し得る。 幾つかの変形において、ペプチドは、架橋して、生物学的に活性な薬剤結合する、および生物学的に活性な薬剤のための担体となり得る、多量体ペプチド構築物を形成することができる1つ以上のスルフヒドリル基を含み得る。 幾つかの実施形態において、架橋可能な基は、低pHで切断され得るか、またはタンパク質もしくは酵素の作用によって切断され得る切断可能な架橋を形成し得る。切断可能な架橋の例には、化学的に切断可能な酸に不安定な架橋および酵素切断可能な架橋が含まれる。 架橋可能な基の例には、最大1000個の原子を有する有機基、二官能性リンカー、二官能性架橋剤、およびへテロ二官能性リンカーが含まれる。架橋可能な基は、ペプチド残基の置換基であり得るか、またはペプチドの末端で付着され得る。 ある実施形態において、架橋可能なペプチド構造物には、各末端で架橋可能な基を有するペプチドが含まれる。幾つかの変形において、架橋可能なペプチド構造物には、各末端で架橋可能な基を有するペプチドの二量体、三量体、多量体が含まれる。 切断可能なペプチド幾つかの態様において、本開示は、ペプチド配列の部分間に位置する、内部で切断可能なリンカー基を含有する切断可能なペプチドを提供する。 幾つかの実施形態において、切断可能なペプチドは、切断可能な基によって一緒に連結される2つのカチオン性結合領域を有し得る。切断可能な基は、ペプチドの種々の結合領域を互いから引き離すように切断され得る。 カチオン性結合領域は、核酸等の生物学的に活性な薬剤に結合し得る。 幾つかの変形において、結合領域を引き離すためのペプチドのリンカー基の切断は、切断されないペプチドと比較して、生物学的に活性な薬剤からペプチドのさらなる急速解離を可能にし得る。 細胞内に切断可能なリンカーは、化学的還元によって、または細胞内環境において種々のタンパク質もしくは酵素の作用によって切断され得る。 縮合粒子および放出可能な形態本開示の化合物および組成物には、1つ以上のペプチド成分および1つ以上の活性薬剤からなる縮合粒子または担体が含まれる。 一般に、ペプチドおよび活性薬剤で形成される縮合粒子は、アニオン性、中性、またはカチオン性であり得る。生体内での担体粒子の送達については、中性またはカチオン性形態が好ましい。縮合粒子は、コア粒子とも称され得る。 幾つかの実施形態において、縮合粒子は、架橋可能なペプチドの第1の部分および活性薬剤で形成され得る。同一または異なる架橋可能なペプチドの1つ以上のさらなる層が、粒子に添加され得る。 幾つかの変形において、縮合粒子は、切断可能なペプチドの第1の部分および活性薬剤で形成され得る。同一または異なる切断可能なペプチドの1つ以上のさらなる層が、粒子に添加され得る。 ある実施形態において、縮合粒子は、切断可能なペプチドの第1の部分および活性薬剤で形成され得る。架橋可能なペプチドの1つ以上のさらなる層が、粒子に添加され得る。 幾つかの変形において、縮合粒子は、架橋可能なペプチドの第1の部分および活性薬剤で形成され得る。切断可能なペプチドの1つ以上のさらなる層が、粒子に添加され得る。 幾つかの実施形態において、アニオン性の縮合粒子は、架橋可能なまたは切断可能なペプチドの第1の部分および活性核酸薬剤で形成され得る。カチオン性架橋可能なまたは切断可能なペプチドのさらなる層が、アニオン性粒子に添加され、中性またはカチオン性担体粒子を形成し得る。 ある変形において、アニオン性の縮合粒子は、架橋可能なまたは切断可能なペプチドの第1の部分および活性核酸薬剤で形成され得る。カチオン性架橋可能なまたは切断可能なペプチドのさらなる層が、アニオン性粒子に添加され、中性またはカチオン性担体粒子を形成し得る。アニオン性エンドソーム溶解性化合物の更なる層を、中性またはカチオン性担体粒子に添加し、層状の中性またはカチオン性担体粒子を形成し得る。 幾つかの態様において、該活性薬剤は、1つ以上の薬物化合物、1つ以上のアンチセンス薬剤、1つ以上のRNAi誘導薬剤、または1つ以上のDNA含有薬剤であり得る。 幾つかの実施形態において、本開示の組成物または製剤は、縮合粒子または層状担体粒子をカチオン性リポソームに取り込むことによって調製され得る。 幾つかの実施形態において、本開示の組成物および方法は、放出可能な形態または組成物中の治療用薬剤を提供し得る。放出可能な形態および組成物は、活性薬剤に結合および放出する分子、活性薬剤に結合し、かつ該薬剤の放出を補助する部分を解放する分子、活性薬剤に結合し、かつその後に該薬剤の放出を補助するために生物学的区画内の形態において調節される分子、および放出メディエーター化合物と混合される活性薬剤に結合する分子を含有する組成物を含む。 本明細書で使用される、放出可能な形態には、本開示の架橋可能なまたは切断可能なペプチドを含有するもの、またはエンドソーム溶解化合物もしくは物質を含有する形態が含まれる。 縮合または担体粒子は、切断可能なペプチド構造物またはマトリックスを含有し得る。ペプチド構造物の切断は、ペプチド架橋を切断することができる化合物を含有する生物環境または区画に、担体の侵入等の特定の事象によって引き起こされ得る。ペプチドリンカー基の切断は、細胞質ゾル中または種々の細胞内または細胞外の区画中の細胞内に発生し得る。 ジスルフィドペプチドリンカー基の切断は、化学的に、例えば、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)、ジチオスレイトール(DTT)、またはメルカプトエタノールによるジスルフィドの還元によって行われ得る。 ある実施形態において、ジスルフィド還元酵素が、ペプチドジスルフィド結合を切断するために使用され得る。 細胞内に入ると、ジスルフィド架橋は還元され得、それによって効率的な送達のために活性薬剤を放出する。エンドソームの環境は、還元環境であり、ジスルフィド還元、および活性薬剤の放出を媒介すると考えられる。 細胞内での放出は、ペプチド架橋の破壊または切断によって、ならびにペプチドからの生物学的に活性な薬剤の解離によって発生し得る。 本発明のペプチドおよびペプチド構築物は、1つ以上の正に荷電したアミノ酸残基を有する1つ、2つ、またはそれ以上の結合領域を有利に含有し得る。該結合領域は、1つの正に荷電した結合領域は、切断可能な架橋によって、次の結合領域に切断可能に結合される鎖に付着され得る。 カチオン性領域は、核酸薬剤等の活性薬剤の結合領域としての役割を果たし得、幾つかのカチオン性領域は、ペプチドを活性薬剤に協調的に付着させるために同一の活性薬剤に結合し得る。 ある実施形態において、本開示の放出可能な形態には、ペプチドおよび核酸の縮合粒子が含まれ、ペプチド成分には、核酸の放出をもたらすように切断され得る架橋が含まれる。ペプチドのリンカー基の切断は、細胞外ドメインから細胞内ドメインに輸送において、またはエンドサイトーシス中、もしくは細胞によるエンドソームの取り込みおよび送達に発生するようなペプチドの環境の変化によって引き起こされ得る。 ペプチドにおける切断可能なリンカーの例には、エンドサイトーシス中、もしくはリソソームとの細胞内相互作用を通して切断され得るヒドラゾン等の酸切断可能な基が含まれる。 幾つかの実施形態において、活性薬剤の放出は、酸不安定性リンカーによって提供され得る。 酸不安定性リンカーの例には、オルトエステル基、ヒドラゾン、cis−アセトニル、アセタール、ケタール、シリルエーテル、シラザン、イミン、シトラコン酸無水物(citriconic anhydride)、マレイン酸無水物、クラウンエーテル、アザクラウンエーテル、チアクラウンエーテル、ジチオベンジル基、cis−アコニット酸、cis−カルボン酸アルカトリエン、メタクリル酸、およびこれらの混合物を含むリンカーが含まれる。 酸不安定性基およびリンカーの例は、米国特許第7,098,032号、第6,897,196号、第6,426,086号、第7,138,382号、第5,563,250号、および第5,505,931号に与えられる。 ペプチドにおける切断可能なリンカーの例には、細胞内カテプシンによって切断され得るVal−Cit等のカテプシン切断可能なリンカーが含まれる。カテプシンB、D、およびLにおける基質配列の例を、それぞれ、表1、2、および3に示す。切断可能なリンカーには、カテプシンB、D、およびL基質(P2−P2′)のジ−、トリ−、テトラペプチドサブユニットが含まれる。幾つかの変形において、本開示の放出可能な形態には、ペプチドおよび核酸の縮合粒子ならびにエンドソーム溶解性化合物が含まれる。これらの変形において、エンドソーム溶解性化合物は、エンドソームから細胞にコア粒子および活性薬剤の放出を補助し得る、一方、ペプチド成分には、細胞内のコア縮合粒子から核酸の放出および解離をもたらすように切断され得る架橋が含まれ得る。 エンドソーム溶解性化合物の例には、クロロキン、4−アミノキノリン、アミノキノリン、アモジアキン、細胞透過性ペプチド、トランスポータン、ペネトラチン、インフルエンザウイルスからのヘマグルチニンの融合ペプチド(例えば、Han et al.,Nat.Struct.Biol.Vol.8,715−720,2001を参照のこと)、およびインフルエンザに基づくペプチドdiINF7が含まれる。 ある実施形態において、担体粒子または構築物は、細胞または細胞内送達における標的化剤と共に製剤化され得る。幾つかの変形において、担体粒子は、ポリエチレングリコール(PEG)等の合成ポリマーと組み合わせて、非特異的効果または血液成分との相互作用を軽減し得る。好適な合成ポリマーには、ポリエチレングリコール鎖(PEG)、またはPEG−ポリウレタンもしくはPEG−ポリプロピレン等のPEGコポリマーが含まれる。例えば、J.Milton Harris,Poly(ethylene glycol)chemistry:biotechnical and biomedical applications(1992)を参照のこと。 使用方法本開示は、核酸薬剤を含有する担体粒子を含有する組成物を調製することと、組成物を用いて細胞を処置することと、を含む、治療用核酸を細胞に送達するための方法を含む。 本開示は、核酸薬剤を含有する担体粒子を含有する組成物を調製することと、組成物を用いて細胞を処置することと、を含む、細胞内の遺伝子の発現を阻害するための方法を含む。 本開示は、核酸薬剤を含有する担体粒子を含有する組成物を調製することと、哺乳動物に組成物を投与することと、を含む、哺乳動物において、遺伝子の発現を阻害するための方法を含む。 本開示は、ヒトにおいて、疾患を治療するための方法を含み、該疾患は、リウマチ性関節炎を含む炎症性疾患、高コレステロール血症を含む代謝性疾患、肝疾患、脳炎、骨折、心臓疾患、肝炎およびインフルエンザを含むウイルス性疾患、ならびに癌から選択され、これには、リポソーム組成物を調製することと、該ヒトに該組成物を投与することと、を含む。 活性薬剤幾つかの態様において、本開示は、治療用薬剤の送達に好適な組成物を作製するための方法を提供する。本開示の方法は、縮合RNAナノ粒子、二本鎖または三本鎖RNA構造物、RNAペプチド結合体、ダイサー基質RNA、dsRNA、siRNA、マイクロRNA、ヘアピンRNA、他の活性および調節性RNA形態等の核酸薬剤の組成物、アンチセンスRNAおよびDNAを含むアンチセンス治療用形態、ならびにDNAおよびDNA含有形態を提供し得る。 本開示の活性薬剤は、一本鎖または二本鎖核酸であり得る。本開示の活性薬剤は、抗原もしくは免疫原性タンパク質またはポリペプチドであり得る。 本開示の活性薬剤は、活性薬剤のペプチド縮合体であり得る。例えば、活性薬剤は、ペプチドもしくは他の生体分子と活性薬剤を縮合することによって形成されるナノ粒子、またはペプチド、生体分子、もしくは高分子を有する活性薬剤の縮合体もしくは複合体からなり得る。ナノ粒子または縮合体は、架橋され得る。ナノ粒子または縮合体は、リポソーム組成物への搭載物として取り込むことができる。 本開示の活性薬剤は、アンチセンスもしくはセンス、DNAもしくはRNAオリゴヌクレオチド、または修飾DNAもしくはRNAオリゴヌクレオチドであり得、これは、標的核酸配列に結合して、種々の相互作用によって標的配列の転写もしくは翻訳を遮断する。アンチセンスまたはセンス薬剤は、ヌクレオチド二重と共に三重らせんを形成し得るか、またはリボザイムであり得るか、またはプロモーター配列もしくはエンハンサー配列を含む転写もしくは翻訳調節塩基配列をコードし得る。アンチセンスもしくはセンスオリゴヌクレオチドは、タンパク質の発現を遮断するために使用され得、修飾核酸塩基もしくは糖基、もしくは他の基を有し得るか、または強化された安定性もしくは活性における、生体分子、ペプチド、もしくはタンパク質との結合体であり得る。アンチセンスもしくはセンスオリゴヌクレオチドは、本明細書に記載の組成物および方法によって、その標的核酸を含有する細胞に送達され得る。アンチセンスもしくはセンスオリゴヌクレオチドは、本明細書に記載される、オリゴヌクレオチド−担体の複合体、もしくはリポソーム製剤を用いて、その標的核酸を含有する細胞に送達され得る。 架橋可能なおよび切断可能なペプチド本発明の架橋可能なペプチドは、式Iに示される構造を有するものを含む。 A−B 式Iここで、Aは、カチオン性結合領域を含有し得る、2〜約16個のアミノ酸残基からなるペプチドであり、Bは、架橋可能な基であり、ここで、Aは、pH7で、1個以上の正に荷電した残基を含有する。 Bの例は、システインを含む。 Bの他の例には、最大1000個の原子を有する有機基、二官能性リンカー、二官能性架橋剤、およびへテロ二官能性リンカー、カルバメート、およびエステルが含まれる。 Aの例は、カチオン性ペプチドを含む。 Aの例には、式IIに示される構造を有するカチオン性ペプチドが含まれる。 (Xaa1)m−(Xaa2)n−(Xaa3)o−(Xaa4)p 式IIXaaは、アミノ酸残基であり、Xaa1、Xaa2、Xaa3、およびXaa4のそれぞれは独立して、同一または異なるアミノ酸残基が選択され、m、n、o、およびpのそれぞれは、0から4であり、m、n、o、およびpの合計が、2以上である事を条件とし、Xaa1、Xaa2、Xaa3、およびXaa4のうちの1つ以上は、pH7で、正に荷電した残基である。 カチオン性ペプチドは、例えば、Aの残基が塩基性側鎖を有する場合、調製され得る。塩基性側鎖を有するアミノ酸の例には、アルギニン(Arg)、ホモアルギニン(ホモArg)(側鎖−(CH2)4NH(C=NH)NH2)、ノルアルギニン(ノルArg)(側鎖−(CH2)2NH(C=NH)NH2)、ノル−ノルアルギニン(ノルノルArg)(側鎖−(CH2)NH(C=NH)NH2)、オルニチン、リジン、ホモリジン、ヒスチジン、1−メチルヒスチジン、ピリジルアラニン(Pal)、アスパラギン、N−エチルアスパラギン、グルタミン、および4−アミノフェニルアラニン、ならびにこれらの側鎖修飾誘導体が含まれる。 本明細書で使用される、「ホモ」という用語は、アミノ酸に言及する場合、さらなる炭素がその側鎖に付加されていることを意味し、「ノル」という用語は、アミノ酸に言及する場合、炭素が、その側鎖から差し引かれていることを意味する。故に、ホモリジンとは、側鎖−(CH2)5NH2を指す。 カチオン性ペプチドはまた、残基の側鎖が、イオン性基または置換基を含む場合、調製することもできる。 幾つかの実施形態において、該カチオン性残基は、NG−メチルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジメチルアルギニン、NG−メチル−ホモアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジメチル−ホモアルギニン、NG−メチル−ノルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジメチル−ノルアルギニン、またはNG−メチル−ノル−ノルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジメチル−ノル−ノルアルギニンである。 幾つかの実施形態において、該カチオン性残基は、NG−エチルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジエチルアルギニン、NG−エチル−ホモアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジエチル−ホモアルギニン、NG−エチル−ノルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジエチル−ノルアルギニン、またはNG−エチル−ノル−ノルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジエチル−ノル−ノルアルギニンである。 ある実施形態において、該カチオン性残基は、NG−アルキルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジアルキルアルギニン、NG−アルキル−ホモアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジアルキル−ホモアルギニン、NG−アルキル−ノルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジアルキル−ノルアルギニン、またはNG−アルキル−ノル−ノルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジアルキル−ノル−ノルアルギニンである。 幾つかの実施形態において、該カチオン性残基は、グアニジンもしくはアミジンを含有する側鎖を有するアミノ酸である。例えば、該Xaa残基の側鎖は、グアニド、アミジノ、ジヒドロイミダゾール、4−グアニド−フェニル、4−アミジノ−フェニル、N−アミジノ−ピペリジン、N−アミジノ−ピペラジン、4,5−ジヒドロイミダゾール、2−(N−アミジノ)−ピロリジニル、もしくは4−[(2−アミノピリミジニル)]エチルのような基を含み得る。 カチオン性残基の例は、以下の構造物およびそれらの塩形態を含む側鎖を有し得る。本発明の切断可能なペプチドは、式Iに示される構造物の二量体であるもの、例えば、二量体A−B−B−Aを含み、ここでリンカー基Bは、互いに連結可能であり、連結−B−B−は切断され得る。 例えば、二量体A−B−B−Aは、A−B−(S−S)−B−Aであり得、ここで(S−S)は、ジスルフィド連結である。 連結−B−B−の他の例には、最大1000個の原子を有する有機基、二官能性リンカーで形成された連結、二官能架橋剤で形成された連結、へテロ二官能性リンカーで形成された連結、ヒドラゾンリンカー、カルバメート連結、およびエステル連結が含まれる。 本発明の架橋可能なペプチドは、式IIに示される構造を有するものを含み、B−A−B 式IIここで、Aは、約2〜約16個のアミノ酸残基からなるペプチドであり、Bは、上記で定義される、架橋可能な基であり、ここでAは、pH7で、1個以上の正に荷電した残基を含有する。 Bの例は、システインを含む。 Aの例は、カチオン性ペプチドを含む。 本発明の切断可能なペプチドは、式IIに示される構造の二量体、三量体、または多量体であるもの、例えば、二量体B−A−B−B−A−Bおよび多量体−(B−A−B)n−を含み、ここで、リンカー基Bは、互いに連結可能であり、連結−B−B−は切断され得る。一部のこれらの切断可能なペプチドは、各末端で架橋可能な基を保持するため、架橋可能なままである。 本開示のペプチドの調製に好適なカチオン性結合領域の例を表4に示す。本開示の架橋可能なペプチドは、表4に示されるペプチドのN末端またはC末端のいずれかで付着したシステインを伴い、表4に示される結合領域を有し得る。本開示の架橋可能なペプチドは、二量体を形成し得る。本開示の切断可能なペプチドの例を表5に示す。本明細書で使用される、アミノ酸名および名称とは、対応するアミノ酸の任意の立体異性体を指す。 表5において、ペプチド配列の内部にある基は、切断部位を提供し得る。例えば、内部切断部位は、ジスルフィド結合またはVal−Cit連結であり得る。 切断可能な連結の例には、米国特許公開第20080166363号に記載の、Phe−Lys、Val−Cit、Ala−Leu、Leu−Ala−Leu、およびAla−Leu−Ala−Leu(配列番号376)が含まれる。 投与経路本開示の活性薬剤の組成物は、薬学的組成物において使用され得る。対象への本開示のリポソーム製剤の投与は、非経口、経口、吸入による、局所、粘膜、直腸、または口腔であり得る。非経口用は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内(intersternal)、くも膜下内、病巣内、および頭蓋内注射もしくは注入技術を含む。 有効な量特定の疾患を処置するための本開示の有効な量の活性薬剤組成物は、一般に、疾患の症状を改善するか、または軽減するのに十分な量である。本開示の有効な量の活性薬剤組成物は、薬剤に起因するいずれかの生物学的効果を生じるのに十分な量であり得る。該組成物は、単回投与として投与され得るか、または反復投与によって投与され得る。 DILA2アミノ酸リポソーム形成化合物本開示のリポソーム組成物は、米国第2008−0317839 A1号に開示されている、1つ以上のDILA2アミノ酸化合物を含み得る。 DILA2アミノ酸化合物は、特定の条件下で、リポソーム構成を形成し得る合成有機化合物である。DILA2アミノ酸化合物は、アミノ酸のN末端あるいはC末端のいずれか、または両末端で、送達促進尾部または親油性尾部を置換することによって形成され得る。幾つかの実施形態において、該アミノ酸コアは、1つ以上のアミノ酸を含み得るか、または2〜20個のアミノ酸残基のペプチドであり得る。 DILA2アミノ酸化合物は、カチオン性もしくは非カチオン性であり得、ここで、非カチオン性には、中性およびアニオン性が含まれる。本明細書で使用される、種の物理的状態もしくはイオン性とは、別途特定されない限り、約pH7を有する環境を指す。 幾つかの態様において、DILA2アミノ酸化合物は、放出可能な形態において、治療用薬剤の送達を提供し得る。放出可能な形態および組成物は、治療効果を提供するために、細胞による薬剤の十分な取り込みを提供するように設計される。 放出可能な形態は、活性薬剤に結合およびそれを放出するDILA2アミノ酸化合物を含む。幾つかの実施形態において、活性薬剤の放出は、酸不安定性リンカーによって提供され得る。 酸不安定性リンカーの例には、オルトエステル基、ヒドラゾン、cis−アセトニル、アセタール、ケタール、シリルエーテル、シラザン、イミン、シトラコン酸無水物(citriconic anhydride)、マレイン酸無水物、クラウンエーテル、アザクラウンエーテル、チアクラウンエーテル、ジチオベンジル基、cis−アコニット酸、cis−カルボン酸アルカトリエン、メタクリル酸、およびこれらの混合物を含むリンカーが含まれる。 酸不安定性基およびリンカーの例は、米国特許第7,098,032号、第6,897,196号、第6,426,086号、第7,138,382号、第5,563,250号、および第5,505,931号に与えられる。 本開示の化合物および組成物の放出可能な形態は、活性薬剤に結合し、かつ該薬剤の放出を補助する部分を解放する分子を含む。幾つかの実施形態において、DILA2アミノ酸化合物は、細胞への薬剤の送達を補助するエタノール等の小分子を放出する基を含み得る。DILA2アミノ酸化合物は、活性薬剤に結合し得、細胞との接触後、または生理学的pHより低い局所的pHを有する生物学的区画内に輸送された後、その酸性環境において加水分解されて、エタノールを放出して、該薬剤の送達を補助し得る。幾つかの実施形態において、該薬剤の送達を補助するエタノール等の小分子は、親油性成分に結合され得る。 幾つかの実施形態において、DILA2アミノ酸化合物は、細胞への薬剤の送達を補助するエタノール等の小分子を放出する化合物と混合され得る。 本開示の化合物および組成物の放出可能な形態には、活性薬剤に結合して、細胞との接触後、または生理学的pHより低い局所的pHを有する生物学的区画内に送達された後、その酸性環境においてカチオン性形態へと変化されて、該薬剤の放出を補助し得る、DILA2アミノ酸化合物が含まれる。 幾つかの実施形態において、DILA2アミノ酸化合物は、活性薬剤に結合し得、酸性環境においてカチオン性形態へと変化されて、活性薬剤の放出を補助し得る化合物と混合され得る。 加水分解可能かつ変化可能な基の例は、米国特許第6,849,272号、第6,200,599号、ならびにZ.H.Huang and F.C.Szoka,“Bioresponsive liposomes and their use for macromolecular delivery,”in: G.Gregoriadis(ed.),Liposome Technology,3rd ed.(CRC Press 2006)に与えられる。 幾つかの実施形態において、本開示の化合物および組成物の放出可能な形態には、活性薬剤に結合し得、酸性環境において中性形態へと変化されて、活性薬剤の放出を補助し得る脂質もしくは化合物と混合され得るDILA2アミノ酸化合物が含まれる。該酸性環境は、細胞と接触した後に、または生理学的pHより低い局所的pHを有する生物学的区画内に輸送された後に、侵入され得る。 アニオン性形態から中性形態へと変化可能な化合物の例には、米国特許第6,897,196号、第6,426,086号、および第7,108,863号に記載されるようなコレステリルヘミサクシネート(CHEMS)が含まれる。幾つかの例において、CHEMSは、Cullis,1463 Biochimica et Biophysica Acta 107−14(2000)に記載されるようなpH感受性ポリモフィズム(polymorphism)を示す。 幾つかの実施形態において、本開示の化合物および組成物の放出可能な形態は、活性薬剤に結合し得、pH感受性ポリマー物質と混合され得るDILA2アミノ酸化合物を含む。 pH感受性ポリマー物質の例は、米国特許第6,835,393号に与えられる。 幾つかの実施形態において、該活性薬剤の放出は、酵素切断可能なペプチドによって提供され得る。 幾つかの態様において、本開示は、式Iに示されるような、様々なDILA2アミノ酸化合物を提供する。 R3−(C=O)−Xaa−Z−R4 式I式中、Xaaは、一般式−NRN−CR1R2−(C=O)−を有する任意のD−またはL−アミノ酸残基、または2〜20アミノ酸残基のペプチドであり、式中、R1は、非水素、アミノ酸の、置換もしくは非置換の側鎖であり、R2は、水素、または炭素、酸素、窒素、硫黄、および水素原子からなり、かつ1〜20個の炭素原子を有する有機基、またはC(1−5)アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、C(3−5)アルケニル、C(3−5)アルキニル、C(1−5)アルカノイル、C(1−5)アルカノイルオキシ、C(1−5)アルコキシ、C(1−5)アルコキシ−C(1−5)アルキル、C(1−5)アルコキシ−C(1−5)アルコキシ、C(1−5)アルキル−アミノ−C(1−5)アルキル−、C(1−5)ジアルキル−アミノ−C(1−5)アルキル−、ニトロ−C(1−5)アルキル、シアノ−C(1−5)アルキル、アリール−C(1−5)アルキル、4−ビフェニル−C(1−5)アルキル、カルボキシル、もしくはヒドロキシルであり、RNは、水素、または炭素、酸素、窒素、硫黄、および水素原子からなり、かつ1〜20個の炭素原子を有する有機基、またはC(1−5)アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、C(3−5)アルケニル、C(3−5)アルキニル、C(1−5)アルカノイル、C(1−5)アルカノイルオキシ、C(1−5)アルコキシ、C(1−5)アルコキシ−C(1−5)アルキル、C(1−5)アルコキシ−C(1−5)アルコキシ、C(1−5)アルキル−アミノ−C(1−5)アルキル−、C(1−5)ジアルキル−アミノ−C(1−5)アルキル−、ニトロ−C(1−5)アルキル、シアノ−C(1−5)アルキル、アリール−C(1−5)アルキル、4−ビフェニル−C(1−5)アルキル、カルボキシル、もしくはヒドロキシルであり、 R3は、天然に存在するか、もしくは合成のリン脂質、糖脂質、トリアシルグリセロール、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、セラミド、スフィンゴミエリン、セレブロシド、もしくはガングリオシドに由来する親油性尾部;または置換もしくは非置換の、C(3−22)アルキル、C(6−12)シクロアルキル、C(6−12)シクロアルキル−C(3−22)アルキル、C(3−22)アルケニル、C(3−22)アルキニル、C(3−22)アルコキシ、もしくはC(6−12)アルコキシ−C(3−22)アルキル;または任意の他の天然に存在するか、もしくは合成の脂質の親油性尾部、または本明細書において以下に記載の脂質のうちのいずれか1つの親油性尾部であり、ステロイドを含み得;R4は、天然に存在するか、もしくは合成のリン脂質、糖脂質、トリアシルグリセロール、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、セラミド、スフィンゴミエリン、セレブロシド、もしくはガングリオシドに由来する親油性尾部;または置換もしくは非置換の、C(3−22)アルキル、C(6−12)シクロアルキル、C(6−12)シクロアルキル−C(3−22)アルキル、C(3−22)アルケニル、C(3−22)アルキニル、C(3−22)アルコキシ、もしくはC(6−12)アルコキシ−C(3−22)アルキル;または任意の他の天然に存在するか、もしくは合成の脂質の親油性尾部、または本明細書において以下に記載の脂質のうちのいずれか1つの親油性尾部であり、ステロイドを含み得;Zは、NH、O、S、−CH2S−、−CH2S(O)−、または水素、炭素、酸素、窒素、および硫黄原子から選択される1〜40個の原子からなる有機リンカー、ならびにその塩である。 幾つかの実施形態において、R3は独立して、置換もしくは非置換の、C(6−22)アルキルもしくはC(6−22)アルケニルであり;R4は独立して、置換もしくは非置換の、C(6−22)アルキルもしくはC(6−22)アルケニルである。 残基Xaaは、D−立体中心もしくはL−立体中心であり得る。 幾つかの実施形態において、R1は、非水素、アミノ酸の、置換もしくは非置換の側鎖であり、ここで、側鎖の置換基は、水素、炭素、酸素、窒素、および硫黄原子から選択される1〜40個の原子からなる有機基である。 幾つかの実施形態において、Zは、アルキルもしくは有機リンカー合成ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール鎖(PEG))、もしくはPEGコポリマー(例えば、PEG−ポリウレタンもしくはPEG−ポリプロピレン)である。例えば、J.Milton Harris,Poly(ethylene glycol)chemistry:biotechnical and biomedical applications(1992)を参照のこと。 幾つかの実施形態において、本発明は、上記式に示されるような、様々なDILA2アミノ酸化合物を提供し、Xaaは、一般式−NRN−CR1R2−(C=O)−を有する任意のD−アミノ酸もしくはL−アミノ酸であり、式中、R1は、非水素、アミノ酸の、置換もしくは非置換の塩基性側鎖であり、R2は、水素、もしくはC(1−5)アルキルであり、RNは、水素、もしくはC(1−5)アルキルであり、R3は、天然に存在するか、もしくは合成のリン脂質、糖脂質、トリアシルグリセロール、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、セラミド、スフィンゴミエリン、セレブロシド、もしくはガングリオシドに由来する親油性尾部;または置換もしくは非置換の、C(3−22)アルキル、C(6−12)シクロアルキル、C(6−12)シクロアルキル−C(3−22)アルキル、C(3−22)アルケニル、C(3−22)アルキニル、C(3−22)アルコキシ、もしくはC(6−12)アルコキシ−C(3−22)アルキル;または任意の他の天然に存在するか、もしくは合成の脂質の親油性尾部、または本明細書において以下に記載の脂質のうちのいずれか1つの親油性尾部であり、ステロイドを含み得;R4は、天然に存在するか、もしくは合成のリン脂質、糖脂質、トリアシルグリセロール、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、セラミド、スフィンゴミエリン、セレブロシド、もしくはガングリオシドに由来する親油性尾部;または置換もしくは非置換の、C(3−22)アルキル、C(6−12)シクロアルキル、C(6−12)シクロアルキル−C(3−22)アルキル、C(3−22)アルケニル、C(3−22)アルキニル、C(3−22)アルコキシ、もしくはC(6−12)アルコキシ−C(3−22)アルキル;または任意の他の天然に存在するか、もしくは合成の脂質の親油性尾部、または本明細書において以下に記載の脂質のうちのいずれか1つの親油性尾部であり、ステロイドを含み得;Zは、NH、O、S、−CH2S−、−CH2S(O)−、または水素、炭素、酸素、窒素、および硫黄原子から選択される1〜40個の原子からなる有機リンカーである。 幾つかの実施形態において、本発明は、上記式Iに示されるような、様々なDILA2アミノ酸化合物を提供し、Xaaは、一般式−NRN−CR1R2−(C=O)−を有する任意のD−アミノ酸もしくはL−アミノ酸であり、式中、R1は、非水素、アミノ酸の、置換もしくは非置換の塩基性側鎖であり、 R2は、水素、もしくはC(1−5)アルキルであり、RNは、水素、もしくはC(1−5)アルキルであり、R3は、置換もしくは非置換の、C(3−22)アルキル、C(6−12)シクロアルキル、C(6−12)シクロアルキル−C(3−22)アルキル、C(3−22)アルケニル、C(3−22)アルキニル、C(3−22)アルコキシ、もしくはC(6−12)アルコキシ−C(3−22)アルキルであり、R4は、置換もしくは非置換の、C(3−22)アルキル、C(6−12)シクロアルキル、C(6−12)シクロアルキル−C(3−22)アルキル、C(3−22)アルケニル、C(3−22)アルキニル、C(3−22)アルコキシ、もしくはC(6−12)アルコキシ−C(3−22)アルキルであり、Zは、NH、O、S、−CH2S−、−CH2S(O)−、または水素、炭素、酸素、窒素、および硫黄原子から選択される1〜40個の原子からなる有機リンカーである。 幾つかの実施形態において、本発明は、上記式に示されるような、様々なDILA2アミノ酸化合物を提供し、Xaaは、一般式−NRN−CR1R2−(C=O)−を有する任意のD−アミノ酸もしくはL−アミノ酸であり、式中、R1は、非水素、アミノ酸の、置換もしくは非置換の塩基性側鎖であり、R2は、水素、もしくはC(1−5)アルキルであり、RNは、水素、もしくはC(1−5)アルキルであり、R3は、置換もしくは非置換の、C(3−22)アルキル、C(6−12)シクロアルキル、C(6−12)シクロアルキル−C(3−22)アルキル、C(3−22)アルケニル、C(3−22)アルキニル、C(3−22)アルコキシ、もしくはC(6−12)アルコキシ−C(3−22)アルキルであり、R4は、置換もしくは非置換の、C(3−22)アルキル、C(6−12)シクロアルキル、C(6−12)シクロアルキル−C(3−22)アルキル、C(3−22)アルケニル、C(3−22)アルキニル、C(3−22)アルコキシ、もしくはC(6−12)アルコキシ−C(3−22)アルキルであり、ZはNHである。 幾つかの実施形態において、本発明は、上記式に示されるような、様々なDILA2アミノ酸化合物を提供し、Xaaは、一般式−NRN−CR1R2−(C=O)−を有する任意のD−アミノ酸もしくはL−アミノ酸であり、式中、R1は、非水素、アミノ酸の、置換もしくは非置換の塩基性側鎖であり、R2は、水素、もしくはC(1−5)アルキルであり、RNは、水素、もしくはC(1−5)アルキルであり、R3は、置換もしくは非置換の、C(3−22)アルキル、C(6−12)シクロアルキル、C(6−12)シクロアルキル−C(3−22)アルキル、C(3−22)アルケニル、C(3−22)アルキニル、C(3−22)アルコキシ、もしくはC(6−12)アルコキシ−C(3−22)アルキルであり、R4は、置換もしくは非置換の、C(3−22)アルキル、C(6−12)シクロアルキル、C(6−12)シクロアルキル−C(3−22)アルキル、C(3−22)アルケニル、C(3−22)アルキニル、C(3−22)アルコキシ、もしくはC(6−12)アルコキシ−C(3−22)アルキルであり、ZはOである。 例えば、Xaaが塩基性側鎖を有するカチオン性DILA2アミノ酸化合物が、調製され得る。塩基性側鎖を有するアミノ酸の例には、アルギニン(Arg)、ホモアルギニン(ホモArg)(側鎖−(CH2)4NH(C=NH)NH2)、ノルアルギニン(ノルArg)(側鎖−(CH2)2NH(C=NH)NH2)、ノル−ノルアルギニン(ノルノルArg)(側鎖−(CH2)NH(C=NH)NH2)、オルニチン、リジン、ホモリジン、ヒスチジン、1−メチルヒスチジン、ピリジルアラニン(Pal)、アスパラギン、N−エチルアスパラギン、グルタミン、および4−アミノフェニルアラニン、ならびにこれらの側鎖修飾誘導体が含まれる。 本明細書で使用される、「ホモ」という用語は、アミノ酸に言及する場合、さらなる炭素がその側鎖に付加されていることを意味し、「ノル」という用語は、アミノ酸に言及する場合、炭素が、その側鎖から差し引かれていることを意味する。故に、ホモリジンとは、側鎖−(CH2)5NH2を指す。 例えば、Xaaがグルタミン酸もしくはアスパラギン酸であるアニオン性DILA2アミノ酸化合物が調製され得る。 また、該アミノ酸側鎖がイオン性基もしくは置換基を含む、カチオン性およびアニオン性DILA2アミノ酸化合物が、調製され得る。 例えば、Xaaがロイシン、バリン、アラニン、もしくはセリンである非カチオン性DILA2アミノ酸化合物が調製され得る。 幾つかの実施形態において、Xaaは、NG−メチルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジメチルアルギニン、NG−メチル−ホモアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジメチル−ホモアルギニン、NG−メチル−ノルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジメチル−ノルアルギニン、またはNG−メチル−ノル−ノルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジメチル−ノル−ノルアルギニンである。 幾つかの実施形態において、Xaaは、NG−エチルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジエチルアルギニン、NG−エチル−ホモアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジエチル−ホモアルギニン、NG−エチル−ノルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジエチル−ノルアルギニン、またはNG−エチル−ノル−ノルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジエチル−ノル−ノルアルギニンである。 ある実施形態において、Xaaは、NG−アルキルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジアルキルアルギニン、NG−アルキル−ホモアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジアルキル−ホモアルギニン、NG−アルキル−ノルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジアルキル−ノルアルギニン、またはNG−アルキル−ノル−ノルアルギニン、対称もしくは非対称のNG,NG−ジアルキル−ノル−ノルアルギニンである。 幾つかの実施形態において、Xaaは、グアニジンもしくはアミジンを含有する側鎖を有するアミノ酸である。例えば、該Xaa残基の側鎖は、グアニド、アミジノ、ジヒドロイミダゾール、4−グアニド−フェニル、4−アミジノ−フェニル、N−アミジノ−ピペリジン、N−アミジノ−ピペラジン、4,5−ジヒドロイミダゾール、2−(N−アミジノ)−ピロリジニル、もしくは4−[(2−アミノピリミジニル)]エチルのような基を含み得る。 Xaa側鎖の例には、以下の構造物およびそれらの塩形態が含まれる。DILA2アミノ酸化合物の放出可能な形態に適したアミノ酸の置換された側鎖の例には、約5〜約7.5、または約6〜約7のpKaを有する放出官能基(releasing functional group)が含まれる。一般に、弱塩基である放出官能基は、pKaより高い局所的pHにおいて顕著な中性形態を示し得、pKaより低い局所的pHにおいて顕著なイオン性形態を示し得る。弱酸である放出官能基は、pKaより高い局所的pHにおいてイオン性形態を示し得、pKaより低い局所的pHにおいて中性形態を示し得る。例えば、P.Heinrich Stahl,Handbook of Pharmaceutical Salts(2002)を参照のこと。 幾つかの実施形態において、Xaaは、5〜7.5のpKaを有する官能基を含む側鎖を有し得る。 DILA2アミノ酸化合物の放出可能な形態に好適なアミノ酸の置換された側鎖の例は、1−メチルヒスチジンを含む。 DILA2アミノ酸化合物の放出可能な形態に好適なアミノ酸の置換された側鎖の例は、3,5−ジヨード−チロシンを含む。 DILA2アミノ酸化合物の放出可能な形態に好適なアミノ酸の置換された側鎖の例は、以下の構造物を含む。DILA2アミノ酸化合物の例は、以下の構造物を含む。DILA2アミノ酸化合物の放出可能な形態に適したアミノ酸の側鎖上の置換基の例には、以下に由来する放出官能基が含まれる:3,5−ジヨード−チロシン、1−メチルヒスチジン、2−メチル酪酸、2−o−アニシルプロパン酸、meso−酒石酸、4,6−ジメチルピリミジンアミン、p−フタル酸、クレアチニン、酪酸、N,N−ジメチル−1−ナフチルアミン、ペンタン酸、4−メチルペンタン酸、N−メチルアニリン、1,10−フェナントロリン、3−ピリジンカルボン酸、ヘキサン酸、プロパン酸、4−アミノ安息香酸、2−メチルプロパン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、キノリン、3−キノリンアミン、2−アミノ安息香酸、4−ピリジンカルボン酸、ノナン酸(Nonanic acid)、メラミン、8−キノリノール、トリメチル酢酸、6−メトキシキノリン、4−(メチルアミノ)安息香酸、p−メチルアニリン、3−(メチルアミノ)安息香酸、リンゴ酸、N−エチルアニリン、2−ベンジルピリジン、3,6−ジニトロフェノール、N,N−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルピペラジン、p−フェネチジン、5−メチルキノリン、2−フェニルベンゾイミダゾール、ピリジン、ピコリン酸、3,5−ジヨードチロシン(diiodityrosine)、p−アニシジン、2−(メチルアミノ)安息香酸、2−チアゾールアミン、グルタル酸、アジピン酸、イソキノリン、イタコン酸、o−フタル酸、ベンゾイミダゾール、ピペラジン、ヘプタン二酸、アクリジン、フェナントリジン、コハク酸、メチルコハク酸、4−メチルキノリン、3−メチルピリジン、7−イソキノリノール、マロン酸、メチルマロン酸、2−メチルキノリン、2−エチルピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、ヒスタミン、ヒスチジン、マレイン酸、cis−1,2−シクロヘキサンジアミン、3,5−ジメチルピリジン、2−エチルベンゾイミダゾール、2−メチルベンゾイミダゾール、カコジル酸、ペリミジン、クエン酸、イソクエン酸、2,5−ジメチルピリジン、パパベリン、6−ヒドロキシ−4−メチルプテリジン、L−チロキシン、3,4−ジメチルピリジン、メトキシピリジン、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン、2,5−ピリジンジアミン、l−1−メチルヒスチジン、l−3−メチルヒスチジン、2,3−ジメチルピリジン、キサントプテリン、1,2−プロパンジアミン、N,N−ジエチルアニリン、アロキサン酸(Alloxanic acid)、2,6−ジメチルピリジン、L−カルノシン、2−ピリジンアミン、N−b−アラニルヒスチジン、ピロカルピン、1−メチルイミダゾール、1H−イミダゾール、2,4−ジメチルピリジン、4−ニトロフェノール、2−ニトロフェノール、チロシンアミド、5−ヒドロキシキナゾリン、1,1−シクロプロパンジカルボン酸、2,4,6−トリメチルピリジン、ベロナール、2,3−ジクロロフェノール、1,2−エタンジアミン、1−イソキノリンアミン、ならびにこれらの組み合わせ。 幾つかの実施形態において、式Iに対応する様々なDILA2アミノ酸化合物は、以下の構造によって表され、式中、R1、R2、RN、R3、およびR4は、上記の通りに定義される。 幾つかの実施形態において、R3およびR4は独立して、十分な親油性特徴もしくは親油性(例えば、水/オクタノール分配によって定義される)を付与して、膜を横断する送達もしくは細胞による取り込みを提供する選択された親油性尾部である。これらの尾部は、DILA2アミノ酸化合物に使用する場合、両親媒性分子を提供する。親油性尾部は、とりわけ、リン脂質、糖脂質、トリアシルグリセロール、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、セラミド、スフィンゴミエリン、セレブロシド、もしくはガングリオシドに由来し得、ステロイドを含み得る。 ある実施形態において、R3およびR4は独立して、グリセロール骨格を有する親油性尾部であり得る。 幾つかの実施形態において、R3およびR4は独立して、C10アルキル、C11アルキル、C12アルキル、C13アルキル、C14アルキル、C15アルキル、C16アルキル、C17アルキル、C18アルキル、C19アルキル、C20アルキル、C21アルキル、もしくはC22アルキルであり得る。 幾つかの実施形態において、R3およびR4は独立して、以下の構造のうちの1つを有する親油性尾部であり得る。上記の構造において、Xは、該アミノ酸残基末端に直接結合され、かつ数字の名称(例えば、「18:3」)における原子のうちの1つとして計数される、該尾部の原子を表す。幾つかの実施形態において、Xは、炭素、窒素、もしくは酸素原子であり得る。 幾つかの実施形態において、R3およびR4は独立して、以下の構造のうちの1つを有する親油性尾部であり得る。ここでXは、上で定義される通りである。 幾つかの実施形態において、R3およびR4は独立して、コレステロール、ステロール、もしくはステロイド(例えば、ゴナン、エストラン、アンドロスタン、プラグナン、コラン、コレスタン、エルゴスタン、カンペスタン、ポリフェラスタン、スチグマスタン、ゴルゴスタン、ラノスタン、シクロアルタン、および前述のうちのいずれかのステロール誘導体もしくは動物ステロール誘導体、ならびにそれらの生物学的中間体および前駆体)を含み得る選択された親油性尾部であり、これらには、例えば、コレステロール、ラノステロール、スチグマスタノール、ジヒドロラノステロール、チモステロール、チモステノール、デスモテロール、7−デヒドロコレステロール、ならびにこれらの混合物および誘導体が含まれ得る。 ある実施形態において、R3およびR4は独立して、脂肪酸様尾部(例えば、ミリスチン酸(C14:0)アルケニル、パルミチン酸(C16:0)アルケニル、ステアリン酸(C18:0)アルケニル、オレイン酸(C18:1,炭素9において二重結合)アルケニル、リノール酸(C18:2,炭素9もしくは炭素12において二重結合)アルケニル、リノレン酸(linonenic acid)(C18:3,炭素9、炭素12、もしくは炭素15において二重結合)アルケニル、アラキドン酸(C20:4,炭素5、炭素8、炭素11、もしくは炭素14において二重結合)アルケニル、およびエイコサペンタエン酸(C20:5,炭素5、炭素8、炭素11、炭素14、もしくは炭素17において二重結合)アルケニルに由来する尾部)に由来し得る。脂肪酸様尾部の他の例は、Donald Voet and Judith Voet,Biochemistry,3rd Edition(2005),p.383に見出される。 幾つかの実施形態において、R3およびR4は独立して、イソプレノイドに由来し得る。 本明細書で使用される、「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸および天然に存在しないアミノ酸を含む。故に、DILA2アミノ酸化合物は、遺伝的にコードされるアミノ酸、天然に存在する遺伝的にコードされていないアミノ酸、もしくは合成アミノ酸から作製され得る。 アミノ酸の例には、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、およびValが含まれる。 アミノ酸の例には、アゼチジン、2−アミノオクタデカン酸、2−アミノアジピン酸、3−アミノアジピン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、2,3−ジアミノ酪酸、2,4−ジアミノ酪酸、2−アミノイソ酪酸、4−アミノイソ酪酸、2−アミノピメリン酸、2,2’−ジアミノピメリン酸、6−アミノヘキサン酸、6−アミノカプロン酸、2−アミノヘプタン酸、デスモシン、オルニチン、シトルリン、N−メチルイソロイシン、ノルロイシン、tert−ロイシン、フェニルグリシン、t−ブチルグリシン、N−メチルグリシン、サルコシン(sacrosine)、N−エチルグリシン、シクロヘキシルグリシン、4−オキソ−シクロヘキシルグリシン、N−エチルアスパラギン、シクロヘキシルアラニン、t−ブチルアラニン、ナフチルアラニン、ピリジルアラニン、3−クロロアラニン、3−ベンゾチエニルアラニン、4−ハロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、2−フルオロフェニルアラニン、3−フルオロフェニルアラニン、4−フルオロフェニルアラニン、ペニシラミン、2−チエニルアラニン、メチオニン、メチオニンスルホキシド、ホモアルギニン、ノルアルギニン、ノル−ノルアルギニン、N−アセチルリジン、4−アミノフェニルアラニン、N−メチルバリン、ホモシステイン、ホモセリン、ヒドロキシリジン、アロ−ヒドロキシリジン、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ−イソロイシン、6−N−メチルリジン、ノルバリン、O−アリル−セリン、O−アリル−スレオニン、α−アミノヘキサン酸、α−アミノ吉草酸、ピログルタミン酸が含まれる。 本明細書で使用される、「アミノ酸」という用語は、α−アミノ酸およびβ−アミノ酸を含む。 他のアミノ酸残基は、Fasman,CRC Practical Handbook of Biochemistry and Molecular Biology,CRC Press,Inc.(1989)において見出され得る。 一般に、化合物は、1個以上のキラル中心を含み得る。1個以上のキラル中心を含有する化合物は、「異性体」、「立体異性体」、「ジアステレオマー」、「鏡像異性体」、「光学異性体」、もしくは「ラセミ混合物」として記載されるものを含み得る。立体化学的命名法の約束ごとは、例えば、Cahn,IngoldおよびPrelogの立体異性体命名規則、ならびに立体化学の決定および立体異性体の分離のための方法が、当該分野において公知である。例えば、Michael B.Smith and Jerry March,March’s Advanced Organic Chemistry,5th edition,2001を参照のこと。本開示の化合物および構造物は、特定された化合物もしくは構造物について存在すると理解される、全ての考えられる異性体、立体異性体、ジアステレオマー、鏡像異性体、および/もしくは光学異性体を包含することを意味し、これには、その任意の混合物、ラセミ混合物もしくは他のものを含む。 DILA2アミノ酸化合物の例には、R3−(C=O)−Arg−NH−R4が含まれ、ここでArgは、D−アルギニンもしくはL−アルギニンであり、R3およびR4は独立して、アルキルもしくはアルケニルである。 DILA2アミノ酸化合物の例には、以下の構造物が含まれる。DILA2アミノ酸化合物の例には、以下の構造物が含まれる。DILA2アミノ酸化合物の例には、以下の構造物が含まれる。DILA2アミノ酸化合物の例には、R3−(C=O)−ノルArg−NH−R4が含まれ、ここでノルArgは、D−ノルアルギニンもしくはL−ノルアルギニンであり、R3およびR4は独立して、アルキルもしくはアルケニルである。 DILA2アミノ酸化合物の例には、以下の構造物が含まれる。DILA2アミノ酸化合物の例には、R3−(C=O)−ノルノルArg−NH−R4が含まれ、ここでノルノルArgは、D−ノル−ノルアルギニンもしくはL−ノル−ノルアルギニンであり、R3およびR4は独立して、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、およびウンデシル等のアルキルである。 DILA2アミノ酸化合物の例には、以下の構造物が含まれる。DILA2アミノ酸化合物の例には、R3−(C=O)−ホモArg−NH−R4が含まれ、ここでホモArgは、D−ホモアルギニンもしくはL−ホモアルギニンであり、R3およびR4は独立して、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、およびウンデシル等のアルキルである。 DILA2アミノ酸化合物の例には、R3−(C=O)−4−ピリジルアラニン−NH−R4が含まれ、ここで該ピリジルアラニンは、D−ピリジルアラニンもしくはL−ピリジルアラニンであり、R3およびR4は独立して、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、およびウンデシル等のアルキルである。R3−(C=O)−ピリジルアラニン−NH−R4DILA2アミノ酸化合物の例は、4−[N−メチルピリジル]アラニンクロリド等の薬学的に許容されるピリジル塩を含む。ピリジルアラニンDILA2アミノ酸化合物の例には、以下の構造物が含まれる。DILA2アミノ酸化合物の例には、R3−(C=O)−Lys−NH−R4が含まれ、ここでR3およびR4は独立して、アルキルもしくはアルケニルである。 DILA2アミノ酸化合物の例には、以下の構造物が含まれる。DILA2アミノ酸化合物の例には、R3−(C=O)−His−NH−R4が含まれ、ここでR3およびR4は独立して、アルキルもしくはアルケニルである。His DILA2アミノ酸化合物の例には、以下の構造物が含まれる。DILA2アミノ酸化合物の例には、R3−(C=O)−Xaa−O−R4が含まれ、ここでR3はアルキルであり、R4はスフィンゴイド(sphingoid)である。 DILA2アミノ酸化合物の例には、以下の構造物が含まれる。DILA2アミノ酸化合物の例には、R3−(C=O)−Xaa−NH−R4が含まれ、ここでR3およびR4は、アルキルもしくはアルケニルである。DILA2アミノ酸化合物の例には、以下の構造物が含まれる。DILA2アミノ酸化合物の例には、以下の構造物が含まれる。DILA2アミノ酸化合物の例には、以下の構造物が含まれる。DILA2アミノ酸化合物の例には、以下の構造物が含まれる。DILA2アミノ酸化合物の例には、(C10アシル)−Arg−NH−(C10アルキル)(配列番号11)、(C12アシル)−Arg−NH−(C12アルキル)(配列番号11)、(C14アシル)−Arg−NH−(C14アルキル)(配列番号11)、(C16アシル)−Arg−NH−(C16アルキル)(配列番号11)、(C18アシル)−Arg−NH−(C18アルキル)(配列番号11)、(C10アシル)−ホモArg−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−ホモArg−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−ホモArg−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−ホモArg−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−ホモArg−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−ノルArg−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−ノルArg−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−ノルArg−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−ノルArg−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−ノルArg−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−ノルノルArg−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−ノルノルArg−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−ノルノルArg−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−ノルノルArg−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−ノルノルArg−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−4−Pal−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−4−Pal−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−4−Pal−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−4−Pal−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−4−Pal−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−4−Pal(Me)−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−4−Pal(Me)−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−4−Pal(Me)−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−4−Pal(Me)−NH−(C16アルキル)、および(C18アシル)−4−Pal(Me)−NH−(C18アルキル)が含まれる。 一般に、名称「C14−ノルArg−C14」とは、例えば、(C13アルキル)−(C=O)−ノルArg−NH−(C14アルキル)を指し、これは、(C14アシル)−ノルArg−NH−(C14アルキル)と同一である。 DILA2アミノ酸化合物の例には、(C10アシル)−D−Arg−L−Arg−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−D−Arg−L−Arg−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−D−Arg−L−Arg−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−D−Arg−L−Arg−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−D−Arg−L−Arg−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−D−ホモArg−L−ホモArg−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−D−ホモArg−L−ホモArg−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−D−ホモArg−L−ホモArg−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−D−ホモArg−L−ホモArg−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−D−ホモArg−L−ホモArg−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−D−ノルArg−L−ノルArg−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−D−ノルArg−L−ノルArg−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−D−ノルArg−L−ノルArg−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−D−ノルArg−L−ノルArg−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−D−ノルArg−L−ノルArg−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−D−ノルノルArg−L−ノルノルArg−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−D−ノルノルArg−L−ノルノルArg−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−D−ノルノルArg−L−ノルノルArg−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−D−ノルノルArg−L−ノルノルArg−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−D−ノルノルArg−L−ノルノルArg−NH−(C18アルキル)が含まれる。 DILA2アミノ酸化合物の例には、(C10アシル)−His−Arg−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−His−Arg−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−His−Arg−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−His−Arg−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−His−Arg−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−His−Arg−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−His−Arg−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−His−Arg−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−His−Arg−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−His−Arg−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−His−Arg−(C10アルキル)、(C12アシル)−His−Arg−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−His−Arg−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−His−Arg−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−His−Arg−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−His−Arg−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−His−Arg−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−His−Arg−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−His−Arg−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−His−Arg−NH−(C18アルキル)が含まれる。 DILA2アミノ酸化合物の例には、(C10アシル)−His−Asp−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−His−Asp−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−His−Asp−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−His−Asp−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−His−Asp−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−His−Asp−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−His−Asp−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−His−Asp−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−His−Asp−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−His−Asp−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−His−Asp−(C10アルキル)、(C12アシル)−His−Asp−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−His−Asp−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−His−Asp−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−His−Asp−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−His−Asp−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−His−Asp−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−His−Asp−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−His−Asp−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−His−Asp−NH−(C18アルキル)が含まれる。 DILA2アミノ酸化合物の例には、(C10アシル)−Pal−Arg−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−Pal−Arg−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−Pal−Arg−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−Pal−Arg−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−Pal−Arg−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−Pal−Arg−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−Pal−Arg−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−Pal−Arg−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−Pal−Arg−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−Pal−Arg−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−Pal−Arg−(C10アルキル)、(C12アシル)−Pal−Arg−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−Pal−Arg−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−Pal−Arg−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−Pal−Arg−NH−(C18アルキル)、(C10アシル)−Pal−Arg−NH−(C10アルキル)、(C12アシル)−Pal−Arg−NH−(C12アルキル)、(C14アシル)−Pal−Arg−NH−(C14アルキル)、(C16アシル)−Pal−Arg−NH−(C16アルキル)、(C18アシル)−Pal−Arg−NH−(C18アルキル)が含まれる。 DILA2アミノ酸化合物は、二量体、三量体、もしくは四量体等のポリマーもしくはマルチマーとして調製され得る。該ポリマーもしくはマルチマーは、単一のDILA2アミノ酸化合物から調製され得るか、または1つより多くの種から調製され得る。ポリマーもしくはマルチマーのDILA2アミノ酸化合物は、幾つかの実施形態において、該アミノ酸の側鎖上にスルフヒドリル基もしくは他の架橋可能な基を、またはデスモシンもしくはシトルリン等の連結されるか、もしくは固定された(tethered)アミノ酸構造物を提供することによって、調製され得る。他の実施形態において、ポリマーもしくはマルチマーのDILA2アミノ酸化合物は、生体結合体リンカー化合物で調製され得る。 DILA2アミノ酸化合物の例には、以下の構造物が含まれる。DILA2アミノ酸化合物は、該アミノ酸側鎖に共有結合したペプチドもしくはポリマー鎖を有する結合体として調製され得る。ペプチドもしくはポリマー鎖は、該アミノ酸側鎖の反応性基を用いて、例えば、システインもしくはメチオニンの、それぞれ、チオール基もしくはメチルメルカプタン基を、またはセリンのアルコール基、もしくはリジンのアミノ基を用いて、結合され得る。該ペプチドもしくはポリマー鎖は、置換されたかもしくは修飾されたアミノ酸側鎖の任意の反応性基を用いて結合され得る。NHS、マレイミド、ならびに生体結合体技術およびリンカー等の種々のリンカー基が、使用され得る。 DILA2アミノ酸化合物は、オリゴマーもしくはポリマーフレームワークに結合された構築物として調製され得る。例えば、DILA2アミノ酸化合物は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、オリゴヌクレオチドネットワークもしくは格子、ポリ(アミノ酸)、炭水化物、デキストラン、ヒドロゲル、またはデンプンに結合され得る。 DILA2アミノ酸化合物は、薬学的薬物化合物もしくは組成物、または生物学的に活性な薬剤に結合された構築物として調製され得る。例えば、DILA2アミノ酸化合物は、制御性RNAもしくは干渉RNA等の核酸薬物に結合体化され得る。 DILA2アミノ酸化合物の例には、以下の構造物が含まれる。ここでRは、任意のアミノ酸側鎖である。 本開示の化合物および組成物は、ポリマー構造を含む、可溶化もしくは官能化する基もしくは構造を組み込み得る。例えば、R.L.Dunn and R.M.Ottenbrite,Polymeric Drugs and Drug Delivery Systems,ACS Symp.Ser.469(1991)を参照のこと。DILA2アミノ酸化合物は、可溶性を増強するために、例えば、ジオールを結合するために、四級アンモニウムもしくは荷電した基を調製するために、アルコール、ポリオール、もしくはポリエーテル等のヒドロキシルもしくはアミン基を結合するために、またはポリエチレンイミン、ポリエチレングリコールもしくはポリプロピレングリコールを結合するために、誘導体化され得る。ポリエチレングリコール等の結合されたポリマー成分の分子量は、例えば、200、300、400、500、750、1000、1250、1500、2000、3000、4000、5000、7500、10,000、15,000、20,000、25,000、または30,000Daもしくはそれ以上の任意の値であり得る。例えば、ポリエチレングリコール鎖は、アミノ酸側鎖のアミノ基もしくは他の反応性基を介して結合され得る。 一般に、本明細書で使用される、一般的な化学用語は、別段特定されない限り、原子の任意の数およびタイプを有する基を含む特定されたタイプのうちの全ての基を指す。例えば、「アルケニル」は、広義に、下で定義されるように、2〜22個の炭素原子を有するアルキルを指し、(C18:1)アルケニルは、18個の炭素原子および1個の二重結合を有するアルケニルを指す。 本明細書で使用される、「アルキル」という用語は、飽和、分枝もしくは非分枝の、置換もしくは非置換の、1〜22個の炭素原子を含有する脂肪族基を指す。この定義は、例えば、アルコキシ、アルカノイル、アラルキル、および以下に定義される他の基等の他の基のアルキル部分に適用される。本明細書で使用される、「シクロアルキル」という用語は、飽和の、置換もしくは非置換の、3〜12個の炭素原子を含有する環式アルキル基を指す。 本明細書で使用される、「アルケニル」という用語は、不飽和の、分枝もしくは非分枝の、置換もしくは非置換の、2〜22個の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有するアルキルもしくはシクロアルキルを指す。本明細書で使用される、「アルキニル」という用語は、不飽和の、分枝もしくは非分枝の、置換もしくは非置換の、2〜22個の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有するアルキルもしくはシクロアルキルを指す。 本明細書で使用される、「アルコキシ」という用語は、酸素原子に共有結合されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル基を指す。本明細書で使用される、「アルカノイル」という用語は、−C(=O)−アルキルを指し、これは、代替として、「アシル」とも称され得る。本明細書で使用される、「アルカノイルオキシ」という用語は、−O−C(=O)−アルキル基を指す。本明細書で使用される、「アルキルアミノ」という用語は、基−NRR’を指し、ここでRおよびR’は、各々、水素もしくはアルキルのいずれかであり、かつRおよびR’のうちの少なくとも一方は、アルキルである。アルキルアミノは、ピペリジノ等の基を含み、ここでRおよびR’は環を形成する。「アルキルアミノアルキル」という用語は、−アルキル−NRR’を指す。 本明細書で使用される、「アリール」という用語は、各環中に4〜12個の原子の任意の安定な単環式、二環式、もしくは多環式の炭素環系を指し、ここで少なくとも1個の環は、芳香族である。アリールの幾つかの例には、フェニル、ナフチル、テトラヒドロ−ナフチル、インダニル、およびビフェニルが含まれる。アリール置換基が、二環式であり、かつ一方の環が非芳香族である場合、結合は、該芳香族環に対してであることが理解される。アリールは、置換もしくは非置換であり得る。 本明細書で使用される、「ヘテロアリール」という用語は、各環において4〜12個の原子の任意の安定な単環式、二環式、もしくは多環式の炭素環系を指し、ここで少なくとも一方の環が芳香族であり、かつ酸素、窒素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む。ヘテロアリールの幾つかの例には、アクリジニル、キノキサリニル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、およびテトラヒドロキノリニルが含まれる。ヘテロアリールとしては、窒素含有ヘテロアリールのN−オキシド誘導体が含まれる。 本明細書で使用される、「複素環」もしくは「ヘテロシクリル」という用語は、5〜22個の原子の芳香族もしくは非芳香族の環系を指し、ここで該環原子のうちの1〜4個は、酸素、窒素、および硫黄から選択されるヘテロ原子である。故に、複素環は、そのヘテロアリールまたはジヒドロもしくはテトラヒドロ形態であり得る。 本明細書で使用される、「アロイル」という用語は、置換された安息香酸等の芳香族カルボン酸に由来するアリールラジカルを指す。本明細書で使用される、「アラルキル」という用語は、例えば、ベンジル基等のアルキル基に結合したアリール基を指す。 本明細書で使用される、「カルボキシル」という用語は、式−C(=O)OHもしくは−C(=O)O−の基を表す。本明細書で使用される、「カルボニル」および「アシル」という用語は、酸素原子が炭素原子に二重結合している基>C=Oを指す。本明細書で使用される、「ヒドロキシル」という用語は、−OHもしくは−O−を指す。本明細書で使用される、「ニトリル」もしくは「シアノ」という用語は、−CNを指す。「ハロゲン」もしくは「ハロ」という用語は、フルオロ(−F)、クロロ(−Cl)、ブロモ(−Br)、およびヨード(−I)を指す。 本明細書で使用される、「置換されている」という用語は、1個以上の置換もしくは置換基を有する原子を指し、これらは、同じであっても異なっていてもよく、かつ水素置換基を含み得る。故に、本明細書で使用される、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アルキルアミノ,アルキルアミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アロイル、およびアラルキルという用語は、置換されている変形を含む基を指す。置換されている変形は、直鎖状の、分枝状の、および環式の形態、ならびに該基のうちの任意の炭素原子に結合された1個以上の水素を置換する置換基を有する基を含む。該基のうちの炭素原子に結合され得る置換基としては、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アロイル、アラルキル、アシル、ヒドロキシル、シアノ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アミノアシル、アルキルアミノアシル、アシルオキシ、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、メルカプト、ニトロ、カルバミル、カルバモイル、および複素環が含まれる。例えば、エチルという用語としては、−CH2CH3、−CHFCH3、−CF2CH3、−CHFCH2F、−CHFCHF2、−CHFCF3、−CF2CH2F、−CF2CHF2、−CF2CF3、および上記の他の変形が含まれるが、これらに限定されない。一般に、置換基は、任意の原子もしくは原子の基でさらに置換され得る。 DILA2アミノ酸化合物は、当該分野において公知の方法によって合成され得る。 種々の有機基および保護基を調製するための方法は、当該分野において公知であり、それらの使用および修飾は、一般に、当業者の能力の範囲内である。例えば、Stanley R.Sandler and Wolf Karo,Organic Functional Group Preparations(1989)、Greg T.Hermanson,Bioconjugate Techniques(1996)、Leroy G.Wade,Compendium Of Organic Synthetic Methods(1980)を参照のこと、保護基の例は、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups In Organic Synthesis(3rd ed.1991)において見出される。 例えば、DILA2アミノ酸化合物PONAは、以下のスキームに従って合成され得る。十分に塩基性である本発明のペプチドおよびタンパク質組成物の薬学的に許容される塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、クロロスルホン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、もしくは酒石酸等の無機酸もしくは有機酸、ならびにメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、およびカンファースルホン酸等のアルカンスルホン酸もしくはアレーンスルホン酸との酸付加塩であり得る。 十分に酸性である本発明のペプチドおよびタンパク質組成物の薬学的に許容される塩は、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩もしくはカリウム塩、またはアルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩もしくはマグネシウム塩、または亜鉛塩もしくはマンガン塩、またはアンモニウム塩もしくは生理学的に許容されるカチオンを提供する有機塩基との塩、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン、ピペリジン、モルホリンもしくはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンとの塩であり得、アルギネート等のアミノ酸の塩、およびグルクロン酸もしくはガラクツロン酸等の有機酸との塩を含む。例えば、Berge et al.,J.Pharm.Sci.66:1−19,1977を参照のこと。 他の成分の中でも、干渉RNA薬剤、およびDILA2アミノ酸化合物、脂質、ペプチド、もしくはタンパク質を含む本開示の組成物の塩もしくは薬学的に許容される塩は、該干渉RNA薬剤、および該DILA2アミノ酸化合物、脂質、ペプチド、もしくはタンパク質の塩複合体を含み得る。該干渉RNA薬剤、および該DILA2アミノ酸化合物、脂質、ペプチド、もしくはタンパク質の塩複合体は、干渉RNA薬剤の薬学的に許容される塩から、または該DILA2アミノ酸化合物、脂質、ペプチド、もしくはタンパク質の薬学的に受容可能な塩から形成され得る。 本開示の幾つかの化合物は、該化合物を塩基付加塩もしくは酸付加塩のいずれかへと作製させ得る塩基性官能基および酸性官能基の両方を含み得る。 本発明の幾つかの化合物、ペプチドおよび/もしくはタンパク質組成物は、1個以上のキラル中心および/もしくは幾何異性中心(E−異性体およびZ−異性体)を有し得、本発明は、全てのこのような光学異性体、ジアステレオマー、幾何異性体、およびこれらの混合物を包含することが理解されるべきである。 本開示は、本明細書で開示される化合物、ペプチド、および/もしくはタンパク質組成物の任意のおよび全ての、互変異形態、溶媒和もしくは非溶媒和の形態、水和もしくは非水和の形態、ならびに任意の原子同位体形態を包含する。 脂質本発明の幾つかの態様において、1つ以上のDILA2アミノ酸化合物および1つ以上の脂質は、調節性RNA成分、RNAアンタゴニスト、干渉RNA、もしくは核酸の送達および投与のために使用され得る。さらに具体的には、本発明の組成物は、カチオン性脂質および非カチオン性脂質と共に、1つ以上のDILA2アミノ酸化合物を含み得る。 カチオン性脂質は、モノカチオン性またはポリカチオン性であり得る。幾つかのカチオン性脂質は、中性脂質および特定のpHにおいてほぼゼロの正味の荷電を有する脂質、例えば、双性イオン性脂質を含む。非カチオン性脂質はまた、アニオン性脂質も含む。 幾つかの実施形態において、組成物は、RNA成分と、DILA2アミノ酸化合物およびカチオン性脂質との混合物もしくは複合体である。幾つかの実施形態において、組成物は、1つ以上の調節性もしくは干渉RNA薬剤と、1つ以上のDILA2アミノ酸化合物および1つ以上のカチオン性脂質との混合物もしくは複合体であり得る。 本開示の化合物および組成物は、種々の標的化リガンドもしくは薬剤と混合もしくは結合されて、生物の細胞、組織、器官、もしくは領域へと、活性薬剤を送達し得る。標的化剤の例には、抗体、受容体のリガンド、ペプチド、タンパク質、レクチン、(ポリ)サッカリド、ガラクトース、マンノース、シクロデキストリン、核酸、DNA、RNA、アプタマー、およびポリアミノ酸が含まれる。 カチオン性脂質の例には、N−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA);1,2−ビス(オレオイルオキシ)−3−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン(DOTAP)、1,2−ビス(ジミリストイルオキシ(dimyrstoyloxy))−3−3−(トリメチルアンモニア)プロパン(DMTAP);1,2−ジミリスチルオキシ(dimyristyloxy)プロピル−3−ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE);ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB);3−(N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)カルバモイル)コレステロール(DC−Chol);3β−[N’,N’−ジグアニジノエチル−アミノエタン)カルバモイルコレステロール(BGTC);2−(2−(3−(ビス(3−アミノプロピル)アミノ)プロピルアミノ)アセトアミド)−N,N−ジテトラデシルアセトアミド(RPR209120);これらの薬学的に許容される塩、およびこれらの混合物が含まれる。 カチオン性脂質の例には、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン等の1,2−ジアルカノイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン(EPC)、これらの薬学的に許容される塩、およびこれらの混合物が含まれる。 カチオン性脂質の例には、1,2−ジステアリルオキシ−N,N−ジメチル−3−アミノプロパン(DSDMA)、1,2−ジオレイルオキシ−N,Nジメチル−3−アミノプロパン(DODMA)、1,2−ジリノレイルオキシ−N,N−ジメチル−3−アミノプロパン(DLinDMA)、および1,2−ジリノレニルオキシ−N,N−ジメチル−3−アミノプロパン(DLenDMA)が含まれる。 ポリカチオン性脂質の例には、テトラメチルテトラパルミトイルスペルミン(TMTPS)、テトラメチルテトラオレイルスペルミン(TMTOS)、テトラメチルテトララウリルスペルミン(TMTLS)、テトラメチルテトラミリスチルスペルミン(TMTMS)、テトラメチルジオレイルスペルミン(TMDOS)、これらの薬学的に許容される塩、およびこれらの混合物が含まれる。 ポリカチオン性脂質の例には、2,5−ビス(3−アミノプロピルアミノ)−N−(2−(ジオクタデシルアミノ)−2−オキソエチル)ペンタンアミド(DOGS);2,5−ビス(3−アミノプロピルアミノ)−N−(2−(ジ(Z)−オクタデカ−9−ジエニルアミノ)−2−オキソエチル)ペンタンアミド(DOGS−9−エン);2,5−ビス(3−アミノプロピルアミノ)−N−(2−(ジ(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエニルアミノ)−2−オキソエチル)ペンタンアミド(DLinGS);3−β−(N4−(N1,N8−ジカルボベンゾキシスペルミジン)カルバモイル)コレステロール(GL−67);(9Z,9’Z)−2−(2,5−ビス(3−アミノプロピルアミノ)ペンタンアミド)プロパン−1,3−ジイル−ジオクタデカ−9−エノエート(DOSPER);2,3−ジオレイルオキシ−N−[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]−N,N−ジメチル−1−プロパンアミニウム(propanaminium)トリフルオロ−アセテート(DOSPA);これらの薬学的に許容される塩、およびこれらの混合物が含まれる。 カチオン性脂質の例には、DS404−28 BGTC(CAS 182056−06−0)、DOSPER(CAS 178532−92−8)、GL−67(179075−30−0)、RPR209120(CAS 433292−13−8)、DOGS(12050−77−7)、DOGS(9−エン,C18:1)、DLinGS(C18:2)、およびDOTMA(104162−48−3)が含まれる。 カチオン性脂質の例は、米国特許第4,897,355号;同第5,279,833号;同第6,733,777号;同第6,376,248号;同第5,736,392号;同第5,334,761号;同第5,459,127号;同第2005/0064595号;同第5,208,036号;同第5,264,618号;同第5,279,833号;同第5,283,185号;同第5,753,613号;同第5,785,992号に記載されている。 幾つかの実施形態において、該組成物は、RNA成分と、DILA2アミノ酸化合物および非アミノ酸非カチオン性脂質との混合物もしくは複合体である。幾つかの実施形態において、該組成物は、1つ以上のRNA成分と、1つ以上のDILA2アミノ酸化合物および1つ以上の非カチオン性脂質との混合物もしくは複合体である。 非カチオン性脂質としては、中性、双イオン性、およびアニオン性の脂質が含まれる。故に、非カチオン性の双イオン性脂質は、カチオン性のヘッド基を含み得る。 非カチオン性脂質の例には、1,2−ジラウロイル−sn−グリセロール(DLG);1,2−ジミルストイル−sn−グリセロール(DMG);1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロール(DPG);1,2−ジステアロイル−sn−グリセロール(DSG);1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジン酸(ナトリウム塩;DLPA);1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジン酸(ナトリウム塩;DMPA);1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジン酸(ナトリウム塩;DPPA);1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジン酸(ナトリウム塩;DSPA);1,2−ジアラキドニル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DAPC);1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DLPC);1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DMPC);1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−0−エチル−3−ホスホコリン(クロリドもしくはトリフレート;DPePC);1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC);1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC);1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DLPE);1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DMPE);1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DPPE);1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE);1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスホグリセロール(ナトリウム塩;DLPG);1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホグリセロール(ナトリウム塩;DMPG);1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−sn−1−グリセロール(アンモニウム塩;DMP−sn−1−G);1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホグリセロール(ナトリウム塩;DPPG);1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホグリセロ(ナトリウム塩;DSPG);1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−sn−1−グリセロール(ナトリウム塩;DSP−sn−1−G);1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−L−セリン(ナトリウム塩;DPPS);1−パルミトイル−2−リノレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(PLinoPC);1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(POPC);1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホグリセロール(ナトリウム塩;POPG);1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホグリセロール(ナトリウム塩;POPG);1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホグリセロール(アンモニウム塩;POPG);1−パルミトイル−2−4o−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(P−lyso−PC);1−ステアロイル−2−lyso−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(S−lyso−PC);およびこれらの混合物が含まれる。 非カチオン性脂質の例には、ポリマー化合物およびポリマー脂質結合体もしくはポリマー脂質(例えば、300、500、1000、1500、2000、3500、もしくは5000の分子量のPEG領域を有するpeg化脂質(ポリエチレングリコール、N−(カルボニル−メトキシポリエチレングリコール−2000)−1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(ナトリウム塩;DMPE−MPEG−2000);N−(カルボニル−メトキシポリエチレングリコール−5000)−1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(ナトリウム塩;DMPE−MPEG−5000);N−(カルボニル−メトキシポリエチレングリコール2000)−1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(ナトリウム塩;DPPE−MPEG−2000);N−(カルボニル−メトキシポリエチレングリコール5000)−1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(ナトリウム塩;DPPE−MPEG−5000);N−(カルボニル−メトキシポリエチレングリコール750)−1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(ナトリウム塩;DSPE−MPEG−750);N−(カルボニル−メトキシポリエチレングリコール2000)−1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(ナトリウム塩;DSPE−MPEG−2000);N−(カルボニル−メトキシポリエチレングリコール5000)−1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(ナトリウム塩;DSPE−MPEG−5000);コレステリル硫酸ナトリウム(SCS);これらの薬学的に許容される塩、およびこれらの混合物が含まれる))が含まれる。 非カチオン性脂質の例には、DOPE−PEG、DLPE−PEG、DDPE−PEG DLinPE−PEG、およびジアシルグリセロール−PEG−2000もしくは−5000等のポリマー脂質が含まれる。 非カチオン性脂質の例には、例えば、DSPE−PTE020およびDSPE−AM0530K等の複数分枝のpeg化化合物等のポリマー脂質が含まれる。 非カチオン性脂質の例には、DSPE−PG8Gポリグリセリン脂質等のポリマー脂質が含まれる。 非カチオン性脂質の例には、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジフィタノイルホスファチジルエタノールアミン(DPhPE)、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DOPC)、および1,2−ジフィタノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPhPC)が含まれる。 非カチオン性脂質の例には、コレステロール、ステロール、およびステロイド(例えば、ゴナン、エストラン、アンドロスタン、プラグナン、コラン、コレスタン、エルゴスタン、カンペスタン、ポリフェラスタン、スチグマスタン、ゴルゴスタン、ラノスタン、シクロアルタン)、ならびに前述のうちのいずれかのステロールもしくは動物ステロール誘導体、ならびにこれらの生物学的中間体および前駆体が含まれ、これらとしては、例えば、コレステロール、ラノステロール、スチグマステロール、ジヒドロラノステロール、チモステロール、チモステノール、デスモテロール、7−デヒドロコレステロール、ならびにこれらの混合物もしくは誘導体が含まれ得る。 非カチオン性脂質の例には、peg化コレステロール、およびコレスタン3−オキソ(C1−22アシル)−誘導体(例えば、コレステリルアセテート、コレステリルアラキドネート、コレステリルブチレート、コレステリルヘキサノエート、コレステリルカプリレート、コレステリル n−デカノエート、コレステリルドデカノエート、コレステリルミリステート、コレステリルパルミテート、コレステリルベヘネート、コレステリルステアレート、コレステリルネルボネート、コレステリルペラルゴネート、コレステリルn−バレレート、コレステリルオレエート、コレステリルエライデート、コレステリルエルケート、コレステリルヘプタノエート、コレステリルリノレライデート、コレステリルリノレエート)、ならびにこれらの混合物および誘導体が含まれる。 非カチオン性脂質の例には、植物ステロール(フィトステロール、β−シトステロール、カンペステロール、エルゴステロール、ブラシカステロール、δ−7−スチグマステロール、δ−7−アベナステロール、ならびにこれらの混合物および誘導体を含む)に由来する化合物が含まれる。 非カチオン性脂質の例には、胆汁酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、グリココール酸、タウロコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、メチル−リトコール酸、ならびにこれらの混合物および誘導体が含まれる。 非カチオン性脂質の例には、ステロイド(グルココルチコイド、コルチゾール、ヒドロコルチゾン、コルチコステロン、Δ5−プレグネノロン、プロゲステロン、デオキシコルチコステロン、17−OH−プレグネノロン、17−OH−プロゲステロン、11−ジオキシコルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン、硫酸デヒドロエピアンドロステロン、アンドロステンジオン、アルドステロン、18−ヒドロキシコルチコステロン、テトラヒドロコルチゾール、テトラヒドロコルチゾン、コルチゾン、プレドニゾン、6α−メチルプレドニゾン、9α−フルオロ−16α−ヒドロキシプレドニゾロン、9α−フルオロ−16α−メチルプレドニゾロン、9α−フルオロコルチゾール、ならびにこれらの混合物および誘導体を含む)に由来する化合物が含まれる。 非カチオン性脂質の例には、ステロイド(アンドロゲン、テストステロン、ジヒドロテストステロン、アンドロステンジオール、アンドロステンジオン、アンドロステンジオン、3α,5α−アンドロスタンジオール、ならびにこれらの混合物および誘導体を含む)に由来する化合物が含まれる。 非カチオン性脂質の例には、ステロイド(エストロゲン、エストリオール、エストロン、エストラジオール、ならびにこれらの混合物および誘導体を含む)に由来する化合物が含まれる。 非カチオン性脂質の例には、ルミステロールおよびビタミンD化合物に由来する化合物が含まれる。 非カチオン性脂質の例には、例えば、DDPE(C10:0)(CAS 253685−27−7)、DLPE(C12:0)(CAS 59752−57−7)、DSPE(C18:0)(CAS 1069−79−0)、DOPE(C18:1)(CAS 4004−05−1)、DLinPE(C18:2)(CAS 20707−71−5)、DLenPE(C18:3)(CAS 34813−40−6)、DARAPE(C20:4)(CAS 5634−86−6)、DDHAPE(C22:6)(CAS 123284−81−1)、DPhPE(16:0[(CH3)4])(CAS 201036−16−0)等のC10:0〜C22:6に及ぶ尾部を有する脂質が含まれる。 アニオン性脂質の例には、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、血小板活性化因子(PAF)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジル−DL−グリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルイノシトール(pi(4)p,pi(4,5)p2)、カルジオリピン(ナトリウム塩)、リゾホスファチド、水素化リン脂質、スフィンゴ脂質、ガングリオシド、フィトスフィンゴシン、スフィンガニン、これらの薬学的に許容される塩、およびこれらの混合物が含まれる。 RNA治療薬を送達するための使用幾つかの態様において、本開示は、一般に、調節性RNAおよびRNA干渉、アンチセンス治療薬、ならびにRNA治療薬の送達の分野に関する。さらに具体的には、本発明は、リボ核酸のための組成物および製剤、ならびに医薬のためおよび治療薬としての送達のためのこれらの使用に関する。本発明は、一般に、細胞における遺伝子発現の遺伝子特異的阻害のためのRNA干渉において、または疾患状態もしくは表現型を変化させるための哺乳動物において、リボ核酸を使用するための方法に関する。 RNA干渉は、短い干渉RNA(siRNA)と称される二本鎖RNA(dsRNA)によって媒介される配列特異的な転写後遺伝子発現抑制の方法に関する。Fire,et al.,Nature 391:806,1998およびHamilton,et al.,Science 286:950‐951,1999を参照のこと。RNAiは、多様な叢(flora)および門(phyla)によって共有され、外来遺伝子の発現に対する、進化的に保存された細胞性防御機序であると考えられる。Fire,et al.,Trends Genet.15:358,1999を参照のこと。 したがって、RNAiは、小さな非コードRNAを使用して、遺伝子発現を抑制する、遍在性の内因性機序である。Dykxhoorn,D.M.and J.Lieberman,Annu.Rev.Biomed.Eng.8:377−402,2006を参照のこと。RNAiは、細胞死、分化、および発生に関与する重要な遺伝子を制御し得る。RNAiはまた、トランスポゾンおよびウイルスによってコードされる侵入遺伝的要素からゲノムを防御し得る。siRNAが細胞に導入されると、内因性RNAi機序に結合して、相補的配列を含むmRNAの発現を高い特異性で妨害する。任意の疾患を引き起こす遺伝子および任意の細胞型もしくは組織が、潜在的に標的とされ得る。この技術は、遺伝子機能分析、ならびに薬物標的発見および確認のために迅速に利用されている。RNAiの利用はまた、治療に非常に有望であるが、siRNAを生体内で細胞へ導入することには、重大な障害が未だ残っている。 RNAiの機序は、未だ完全には特徴付けられていないものの、標的mRNAの切断を介している。該RNAi応答には、RNA誘発発現抑制複合体(RISC)として公知であるエンドヌクレアーゼ複合体が関与し、これは、該siRNA二重鎖のアンチセンス鎖に対して相補的な一本鎖RNAの切断を媒介する。該標的RNAの切断は、該siRNA二重鎖のアンチセンス鎖に対して相補的な領域の中央部で起こる(Elbashir,et al.,Genes Dev.15:188,2001)。 RNAiを行うための1つの方法は、細胞内にsiRNAを導入するかまたは発現させることである。もう1つの方法は、ダイサーと称される内因性リボヌクレアーゼIII酵素を使用することである。ダイサーの1つの活性は、長いdsRNAをsiRNAへと処理することである。Hamilton,et al.,Science 286:950−951,1999、Berstein,et al.,Nature 409:363,2001を参照のこと。ダイサーに由来するsiRNAは、典型的には、全体的な長さが約21〜23ヌクレオチドであり、約19塩基対が二重鎖になっている。Hamilton,et al.,上記を参照;Elbashir,et al.,Genes Dev.15:188,2001を参照のこと。本質的に、長いdsRNAは、siRNAの前駆体として細胞内に導入され得る。 本発明は、DILA2アミノ酸化合物、脂質、および中性もしくは合成のポリマーを含む種々の成分と組み合わせて、調節性RNA、干渉核酸、もしくはその前駆体を含む、様々な組成物、製剤、および方法を提供する。 本明細書で使用される、「dsRNA」という用語は、例えば、RNA干渉(「RNAi」もしくは「iRNA」)、または配列特異的様式で遺伝子発現抑制を促進することによって、遺伝子発現を阻害もしくは下方制御することができる任意の二本鎖RNA分子を指す。本開示のdsRNAは、RNAiによる遺伝子発現抑制を媒介するために、ダイサーのため、またはRISCと会合するために好適な基質であり得る。該dsRNAの一方のもしくは両方の鎖は、5’−ホスフェートまたは5’,3’−ジホスフェート等の末端ホスフェート基をさらに含むことができる。本明細書で使用される、dsRNA分子は、少なくとも1つのリボヌクレオチドに加えて、置換、化学的に修飾されたヌクレオシド、および非ヌクレオチドをさらに含むことができる。 dsRNA分子の例には、例えば、米国特許出願第11/681,725号、米国特許第7,022,828号および第7,034,009号、ならびにPCT国際出願公開第WO/2003/070897号において見出され得る。 本開示の核酸薬剤の例は、PCT国際出願公開第WO2008/147824号に記載の1つ以上の非環式モノマーを含み得る。非環式モノマーの例は、第WO2008/147824号の図1および2に示されるモノマーD〜Jを含む。 本開示の活性薬剤の例は、第WO2008/147824号の非環式モノマーを含有する核酸分子を含む。 本開示の活性薬剤の例は、UsiRNAを含む。UsiRNAは、UNA含有siRNAであり、ここでUNAは、「ロックされない核酸塩基アナログ(unlocked nucleobase analog)」である。第WO2008/147824号の非環式モノマーD〜Jは、UNAの例である。 修飾されたヌクレオシドの例は、米国特許第6,403,566号、同第6,509,320号、同第6,479,463号、同第6,191,266号、同第6,083,482号、同第5,712,378号、および同第5,681,940号に見出される。修飾されたヌクレオシドは、以下の構造を有し得る。ここでXは、OもしくはCH2であり、YはOであり、ZはCH2であり;R1は、アデニン、シトシン、グアニン、ヒポキサンチン、ウラシル、チミン、および複素環の群から選択され、ここで該複素環は、置換1,3−ジアジン、非置換1,3−ジアジン、および非置換7H イミダゾ[4,5]1,3ジアジンの群から選択され;R2、R3は、独立して、H、OH、DMTO、TBDMSO、BnO、THPO、AcO、BzO、OP(NiPr2)O(CH2)2CN、OPO3 H、ジホスフェート、およびトリホスフェートの群から選択され、ここでR2およびR3は一緒になって、PhCHO2、TIPDSO2もしくはDTBSO2であり得る。本明細書で使用される、「Ac」という略語は、アセチルを指す、「Bn」という略語は、ベンジルを指す、「Bz」という略語は、ベンゾイルを指す、「DMT」という略語は、ジメトキシトリチルを指す、「THP」という略語は、テトラヒドロピラニルを指す、「TBDMS」という略語は、t−ブチルジメチルシリルを指す、「TIPDS」という略語は、テトライソプロピルジシリルを指す、「DTBS」という略語は、ジ(t−ブチル)シリルを指す。 加えて、本明細書で使用される、「dsRNA」、「RNAi誘導剤」、および「RNAi薬剤」という用語は、部分二重鎖RNA(mdRNA)、ニック形成(nicked)dsRNA(ndsRNA)、ギャップ形成(gapped)dsRNA(gdsRNA)、短い干渉核酸(siRNA)、siRNA、マイクロRNA(miRNA)、一本鎖RNA、短いヘアピンRNA(shRNA)、短い干渉オリゴヌクレオチド、短い干渉置換オリゴヌクレオチド、短い干渉修飾オリゴヌクレオチド、化学修飾dsRNA、および転写後遺伝子発現抑制RNA(ptgsRNA)、ならびに上記のうちのいずれかの前駆体を含む、配列特異的RNAiを誘導することが可能な核酸分子を記載するために使用される他の用語と同義であることを意味する。 「大きな二本鎖(ds)RNA」という用語は、約40塩基対(bp)〜約100bp以上、特に、最大約300bp〜約500bpまでより長い任意の二本鎖RNAを指す。大きなdsRNAの配列は、mRNAのセグメントまたはmRNA全体を表し得る。二本鎖構造は、自己相補性核酸分子によって、または2つ以上の別個の相補的核酸分子鎖のアニーリングによって形成され得る。 幾つかの態様において、dsRNAは、第1鎖(アンチセンス)および第2鎖(センス)を含む2つの別個のオリゴヌクレオチドを含み、ここで該アンチセンス鎖およびセンス鎖は、自己相補的であり(すなわち、各鎖は、二重鎖もしくは二本鎖構造を形成する、他方の鎖および2つの別個の鎖中のヌクレオチド配列に対して相補的であるヌクレオチド配列を含み、例えば、ここで該二本鎖領域は、約15〜約24塩基対もしくは約26〜約40塩基対である)、該アンチセンス鎖は、標的核酸分子もしくはその一部分(例えば、ヒトmRNA)におけるヌクレオチド配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含み、該センス鎖は、標的核酸配列もしくはその一部分に対応する(すなわち、相同な)ヌクレオチド配列(例えば、約15〜約25ヌクレオチドもしくは約26〜約40ヌクレオチドのセンス鎖は、標的核酸もしくはその一部分に対応する)を含む。 幾つかの実施形態において、該dsRNAは、単一のオリゴヌクレオチドから組み立てられ得、該dsRNAの自己相補的センス鎖およびアンチセンス鎖は、核酸ベースのリンカーもしくは非核酸ベースのリンカーによって一緒に連結される。幾つかの実施形態において、該dsRNA分子の第1(アンチセンス)鎖および第2(センス)鎖は、本明細書において記載され、かつ当該分野において公知のヌクレオチドリンカーもしくは非ヌクレオチドリンカーによって共有結合される。幾つかの実施形態において、第1のdsRNA分子は、当該分野において公知のヌクレオチドリンカーもしくは非ヌクレオチドリンカーによって、少なくとも1つの第2のdsRNA分子に共有結合され、ここで該第1のdsRNA分子は、同じであるかもしくは異なり得る複数の他のdsRNA分子、またはこれらの任意の組み合わせに連結され得る。幾つかの実施形態において、連結されたdsRNAは、連結されたdsRNAとの部分二重鎖(meroduplex)を形成する第3の鎖を含み得る。 幾つかの点で、本明細書に記載されるdsRNA分子は、3本以上の鎖、例えば、「A」(第1のもしくはアンチセンス)鎖、「S1」(第2の)鎖、および「S2」(第3の)鎖、ここで「S1」鎖および「S2」鎖は、「A」鎖の重複しない領域と相補的であり、かつ塩基対(bp)を形成する(例えば、mdRNAは、A:S1S2の形態を有し得る)を有する部分二重鎖RNA(mdRNA)を形成する。S1、S2、またはより多くの鎖は一緒に、「A」鎖に対するセンス鎖を本質的に含む。「S1」鎖および「A」鎖のアニーリングによって形成される二本鎖領域は、「S2」鎖および「A」鎖のアニーリングによって形成される二本鎖領域と異なり、かつ重複しない。mdRNA分子は、「ギャップ形成」分子であり、これは、0ヌクレオチドから最大約10ヌクレオチドまでの範囲に及ぶ「ギャップ」を意味する。幾つかの実施形態において、A:S1二重鎖は、A:S1二重鎖とA:S2二重鎖との間に位置する、該「A」鎖において少なくとも1つの不対ヌクレオチド(最大約10個までの不対ヌクレオチド)から生じ、該「A」鎖、「S1」鎖、もしくは「S2」鎖のうちの1つ以上の3’末端において任意の1つ以上の不対ヌクレオチドとは異なるギャップによって、該A:S2二重鎖から分離される。幾つかの実施形態において、A:S1二重鎖は、A:B2二重鎖から、A:S1二重鎖と、A:S2二重鎖との間でゼロヌクレオチドのギャップ(すなわち、2つのヌクレオチドの間のホスホジエステル結合のみがポリヌクレオチド分子において破壊されているかもしくは失われているニック)によって隔てられており、これはまた、ニック形成dsRNA(ndsRNA)とも称され得る。例えば、A:S1S2は、合計約14塩基対〜約40塩基対を合わせた少なくとも2つの二本鎖領域を有するdsRNAからなり得、該二本鎖領域は、約0〜約10ヌクレオチド(任意に、平滑末端を有する)のギャップによって分離されるか、またはA:S1S2は、最大10個のヌクレオチドのギャップによって分離される少なくとも2つの二本鎖領域を有するdsRNAを含み得、ここで該二本鎖領域のうちの少なくとも一方は、約5塩基対〜13塩基対を含む。 本明細書で記載される、3本以上の鎖を含むdsRNA分子は、「meroduplex」RNA(mdRNA)と称され得る。mdRNA分子の例は、米国仮特許出願第60/934,930号および第60/973,398号において見出され得る。 dsRNAまたは大きなdsRNAは、置換もしくは修飾を含み得、ここで該置換もしくは修飾は、ホスフェート骨格結合、糖、塩基、もしくはヌクレオシドにおいて存在し得る。かかるヌクレオシド置換は、天然の標準でないヌクレオシド(例えば、5−メチルウリジンもしくは5−メチルシチジンもしくは2−チオリボチミジン)を含み得、かかる骨格、糖、もしくはヌクレオシド修飾は、メチル、アルコキシアルキル、ハロゲン、窒素もしくは硫黄等のアルキルもしくはヘテロ原子置換または付加、または当該分野において公知の他の修飾を含み得る。 加えて、本明細書で使用される、「RNAi」という用語は、転写後遺伝子発現抑制、翻訳阻害、もしくはエピジェネティクス等の配列特異的RNA干渉を記載するために使用される他の用語と等価であることを意味する。例えば、本開示のdsRNA分子は、転写後レベルもしくは転写前レベルまたはこれらの任意の組み合わせにおいて、遺伝子をエピジェネティクス的に(epigenetically)発現抑制するために使用され得る。 幾つかの態様において、本発明は、1つ以上の送達成分と共に、1つ以上の遺伝子もしくは標的転写物に対して標的化される1つ以上のRNAi誘導薬剤を含有する組成物を提供する。送達成分の例には、DILA2アミノ酸化合物、脂質、ペプチド、ポリマー、ポリマー脂質、およびこれらの結合体が含まれる。 本開示の組成物および製剤は、無傷の哺乳動物対象において、dsRNA、siRNA、mdRNA、miRNA、shRNA、もしくはRNAi誘導ベクター等のRNAi誘導実体の細胞への送達のために使用され得、また、培養物中の細胞へのこれら薬剤の送達のためにも使用され得る。 本開示はまた、哺乳動物の身体内の細胞、器官、および組織への、1つ以上のRNA誘導薬剤もしくは実体の送達のための方法も提供する。幾つかの点において、RNAi誘導実体を含む組成物は、身体内に輸送されるべき種々の経路によって導入され得、標的転写物の発現を調節する1つ以上の器官もしくは組織内の細胞によって取り込まれ得る。 一般に、本開示は、種々の異常なプロセスによって特徴付けられる疾患もしくは障害を予防および治療するために有用な治療薬であるRNA誘導薬剤を包含する。例えば、哺乳動物に感染するウイルスは、宿主細胞の細胞機序を支配することによって、複製することができる。例えば、Fields Virology(2001)を参照のこと。故に、dsRNAは、ウイルス生成もしくは複製を制御するウイルス経路を妨害するために有用である。 本開示は、標的ウイルス株に対して広範囲の効力を有する1つ以上の治療的RNA誘導薬剤を使用することによって、対象におけるウイルス感染を処置もしくは予防するための方法を含む。本発明のRNA誘導薬剤は、公知の変異株もしくはウイルスの変異体におけるウイルス遺伝子の配列に標的化され得、これら変異体の標的化されたウイルス遺伝子の配列特異的な遺伝子発現抑制を示し得る。例えば、RNAi誘導薬剤は、季節性インフルエンザウイルス株、およびインフルエンザの変異株に対して標的化され得、これらに対する効力を示し得る。 本開示の組成物および製剤は、体外で、種々の細胞へ薬物薬剤もしくは生物学的に活性な薬剤を送達するために使用され得る。体外送達が包含される細胞の例には、とりわけ、A549等の上皮細胞、HeLa等の不死化細胞株、HepG2等の肝癌細胞、9L/LacZ等のラット神経膠肉腫細胞、THP−1等のヒト単球、Madin−Darbyイヌ腎臓細胞(MDCK)、種々の線維芽細胞株、および種々の血清の存在もしくは非存在下で初代培養細胞が含まれる。 本開示の組成物および製剤は、生体内で、種々の細胞、組織、もしくは器官に薬物薬剤もしくは生物学的に活性な薬剤を送達するために使用され得る。生体内で薬剤を送達するための様式としては、局所経路、経腸経路、および非経口経路が含まれる。薬剤を生体内で送達するための様式の例には、粒子もしくは小滴の吸入、経鼻液滴もしくは経鼻−咽頭(pharngyl)液滴、粒子、または懸濁液の送達、経皮的および経粘膜経路、ならびに筋肉内、皮下、静脈内、動脈内、心臓内、鞘内、骨内、腹腔内、および硬膜外経路による注射もしくは注入が含まれる。 幾つかの実施形態において、薬剤は、哺乳動物対象に由来する細胞、組織、もしくは器官への直接的な暴露によって、生体外で投与され得る。 本開示の組成物もしくは製剤を使用して送達されるべき薬物薬剤または生物学的に活性な薬剤は、例えば、純粋な形態、結晶形態、固体形態、ナノ粒子、濃縮形態、複合体化形態、もしくは結合体化形態を含む任意の形態において見出され得る。 本発明はまた、哺乳動物の身体内の器官および組織への1つ以上のRNAi誘導実体の送達のための方法も提供する。幾つかの実施形態において、RNAi誘導実体、1つ以上のDILA2アミノ酸化合物、および1つ以上の脂質成分を含有する組成物は、種々の経路によって導入されて、身体内に輸送され、1つ以上の器官もしくは組織内の細胞によって取り込まれ、ここで標的転写物の発現が調節される。 本開示は、核酸および遺伝子発現抑制RNAの治療的送達に有用な種々のDILA2アミノ酸化合物または脂質を含む薬学的に許容される核酸組成物を提供する。特に、本発明は、標的核酸配列の翻訳または遺伝子の発現をを低下させるか、下方制御するか、または発現抑制するための、dsRNAsの体外および生体内での送達のための組成物および方法を提供する。これらの組成物および方法は、哺乳動物において、疾患の予防および/または治療のために使用され得る。本発明の例示的方法において、siRNAまたはshRNA等のリボ核酸分子を、細胞または哺乳動物等の対象に投与され得る組成物を製剤化するために、DILA2アミノ酸化合物と接触させる。幾つかの実施形態において、本発明は、核酸含有組成物と、細胞とを接触させることによって、siRNAまたはshRNAを細胞内に送達するための方法を提供する。 例示的な実施形態において、本発明は、核酸分子の細胞内送達を増強する組成物を形成するために、DILA2アミノ酸化合物、およびポリマー脂質と混合または複合体化されて、二本鎖RNA(dsRNA)、短い干渉RNA(siRNA)、もしくは短いヘアピンRNA(shRNA)等の核酸分子を含有する組成物を含む。幾つかの実施形態において、本発明の送達組成物は、dsRNA、および1つ、2つ、またはそれ以上のDILA2アミノ酸化合物を含有し得、これは、カチオン性または非カチオン性であり得る。幾つかの変形において、送達組成物は、dsRNA、DILA2アミノ酸化合物、および1つ以上のポリマー脂質を含有し得る。幾つかの実施形態において、送達組成物は、dsRNA、1つ以上のDILA2アミノ酸化合物、1つ以上の脂質、および1つ以上のポリマー脂質を含有し得る。本発明の組成物は、干渉RNA薬剤としてdsRNAを組み込み得る安定な粒子を形成することができる。本発明の組成物および製剤は、さらなる送達増強成分または賦形剤を含み得る。 幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、約5nm〜約400nmの直径を有する安定なRNA含有粒子を含有する。幾つかの実施形態において、該粒子は、約10nm〜約300nmの均一な直径を有し得る。幾つかの実施形態において、該粒子は、約50nm〜約150nmの均一な直径を有し得る。 本発明の例示的な組成物において、二本鎖RNAは、DILA2アミノ酸化合物と混合もしくは複合体化されて、標的細胞と裸のdsRNAとを接触させることに比較して、該dsRNAの細胞内送達を増強する組成物を形成し得る。 幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、1つ以上のDILA2アミノ酸化合物を含有し得、これは、DILA2アミノ酸化合物および脂質、ならびに、もしあれば、任意のポリマー成分を含むが、該RNA成分は含まない、送達増強成分の総量の約0.5%〜約70%(モル%)である。幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、約10%〜約55%の1つ以上のDILA2アミノ酸化合物を含有し得る。幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、約15%〜約35%の1つ以上のDILA2アミノ酸化合物を含有し得る。 ある実施形態において、本発明の組成物は、1つ以上の非カチオン性脂質を含有し得、ここで該非カチオン性脂質は、DILA2アミノ酸化合物および脂質、ならびに、もしあれば、任意のポリマー成分を含むが、該RNA成分は含まない、送達増強成分の総量の約2%〜約95%(モル%)である。幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、約20%〜約75%、または約45%〜約75%、または約45%〜約55%の1つ以上の非カチオン性脂質を含有し得る。幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、約10%〜約50%の1つ以上の非カチオン性脂質を含有し得る。 幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、1つ以上のポリマー脂質を含有し得、ここで該ポリマー脂質は、DILA2アミノ酸化合物および脂質、ならびに、もしあれば、任意のポリマー成分を含むが、該RNA成分は含まない、送達増強成分の総量の約0.2%〜約20%(モル%)である。幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、約0.5%〜約10%の1つ以上のポリマー脂質を含有し得る。幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、該組成物の約1%〜約5%の1つ以上のポリマー脂質を含有し得る。 核酸治療薬の組成物および使用幾つかの実施形態において、本発明は、哺乳動物対象において、疾患もしくは障害を治療する方法を提供する。干渉RNA、DILA2アミノ酸化合物、非カチオン性脂質、ポリマー脂質、および1つ以上の送達増強成分または賦形剤を含有する本発明の治療上有効な量の組成物は、該組成物によって減少され得るか、低下され得るか、下方制御され得るか、または発現抑制され得る遺伝子の発現または過剰発現と関連する疾患または障害を有する対象に、投与され得る。 本発明は、該対象に治療上有効な量の組成物を投与することによって、呼吸窮迫、喘息、嚢胞性線維症、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、気管支炎、または肺気腫等の肺の疾患を治療するための方法を包含する。 本発明は、癌、膀胱癌、肝臓癌、肝疾患、高コレステロール血症、炎症性疾患、代謝性疾患、炎症、関節炎、リウマチ性関節炎、脳炎、骨折、心臓疾患、ウイルス性疾患、肝炎、およびインフルエンザを含む疾患を治療するための方法を包含する。 リポソームを作製するための方法は、例えば、G.Gregoriadis,Liposome Technology(CRC Press 1984)、およびM.J.Ostro,Liposomes(Marcel Dekker 1987)に与えられる。 核酸成分、DILA2アミノ酸化合物、および他の成分は、最初に、細胞培養培地等の好適な培地中で一緒に混合され得、その後、1つ以上の脂質または化合物が、該混合物に添加され得る。代替として、DILA2アミノ酸化合物は、最初に、細胞培養培地等の好適な培地中で一緒に混合され得、その後、核酸成分が、添加され得る。 本発明のある実施形態において、dsRNAは、1つ以上のDILA2アミノ酸化合物、または1つ以上のDILA2アミノ酸化合物と非アミノ酸非カチオン性脂質との組み合わせと混合される。 干渉RNA薬剤はまた、DILA2アミノ酸化合物またはポリマー脂質と複合体化され得るか、または結合体化され得、1つ以上の非カチオン性脂質、または1つ以上の非カチオン性とカチオン性脂質との組み合わせと混合され得る。 干渉RNA薬剤およびDILA2アミノ酸化合物は、最初に、一緒に混合され得、続いて、1つ以上の非カチオン性脂質が添加されるか、または非カチオン性脂質とカチオン性脂質との組み合わせが、細胞培養培地等の好適な培地中で添加され得る。代替として、DILA2アミノ酸化合物および脂質成分は、最初に、混合され得、続いて、好適な培地中でRNA薬剤が添加され得る。 幾つかの実施形態において、本開示は、DILA2アミノ酸化合物および分散剤と混合または複合体化されて、薬物または活性薬剤の細胞内送達を提供する組成物を形成する薬物または活性薬剤を含有するミセル分散組成物を含む。 ある実施形態において、本開示の分散組成物は、1つ以上の薬物または活性薬剤、1つ以上のDILA2アミノ酸化合物、および1つ以上の分散剤を含有し得る。幾つかの変形において、送達組成物は、薬物または活性薬剤、分散剤、DILA2アミノ酸化合物、および任意のポリマー脂質を含有し得る。本開示の分散組成物は、該薬物または活性薬剤を組み込み得る安定な粒子を形成することができる。 幾つかの態様において、本開示の分散組成物は、約5nm〜約400nmの直径を有する安定な核酸分散粒子を含有し得る。幾つかの実施形態において、該粒子は、約10nm〜約300nmの均一な直径を有し得る。幾つかの実施形態において、該粒子は、約50nm〜約150nmの均一な直径を有し得る。 ミセル分散物は、RNAi治療薬を含む薬物または活性薬剤を製剤化し、そのバイオアベイラビリティーを改善するために使用することができる。ミセル分散物は、疎水性油様コアを有する分散液滴またはナノ粒子を提供することができる。分散ナノ粒子は、連続水相に懸濁され得る。分散構造は、活性薬剤を送達するためにリポソーム構造を使用することに本来伴うの幾つかの欠点を回避することができ、親油性コアのため、送達における利点を提供することができる。 本開示は、薬物または医薬のために、およびRNA薬剤の送達および投与のために、DILA2アミノ酸化合物または脂質および分散剤を含有する様々なミセル分散組成物を提供する。 分散剤の例には、ポリグリコール化(polyglycolated)カプリルグリセリド等のポリオキシグリセリド、エトキシジグリコール、peg化脂肪グリセリド、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、およびこれらの混合物を含む合成化合物が含まれる。分散剤の例には、LABRAFIL、LABRASOL、ARLATONE、TRANSCUTOL、およびこれらの混合物が含まれる。分散剤の例には、アルキルホスホ−N−メチルエタノールアミンおよびアルコキシサルコシン等の合成化合物が含まれる。分散剤の例には、FOS−MEAおよびCRODASINICが含まれる。 幾つかの実施形態において、本開示の送達組成物は、薬物または活性薬剤、1つ以上の油、1つ以上のDILA2アミノ酸化合物、ならびに乳化剤および安定化脂質(stabilizer lipid)を含有し得る。幾つかの変形において、送達組成物は、薬物または活性薬剤、油、脂質乳化剤、DILA2アミノ酸化合物、非カチオン性脂質、およびポリマー脂質を含有し得る。 本開示の組成物は、薬物または活性薬剤を組み込み得る安定な粒子を形成することができる。幾つかの態様において、本開示の組成物は、約5nm〜約400nmの直径を有する、安定な薬物または活性薬剤のエマルジョン粒子を含有する。幾つかの実施形態において、該粒子は、約10nm〜約300nmの均一な直径を有し得る。幾つかの実施形態において、該粒子は、約50nm〜約150nmの均一な直径を有し得る。 幾つかの実施形態において、薬物または活性薬剤は、油、乳化剤、DILA2アミノ酸化合物、およびポリマー安定化脂質と混合または複合体化されて、該薬物または活性薬剤の細胞内送達を増強する組成物を形成し得る。 水中油型エマルジョンは、RNAi治療薬を含む薬物または活性薬剤を製剤化し、そのバイオアベイラビリティーを改善するために使用することができる。 水中油型エマルジョンは、疎水性油コアを囲んでいるDILA2アミノ酸化合物または脂質層を有するエマルジョン液滴またはナノ粒子を提供することができる。エマルジョン液滴またはナノ粒子は、連続水相に懸濁され得る。エマルジョン構造は、活性薬剤を送達するためにリポソーム構造を使用することに本来伴うの幾つかの欠点を回避することができ、親油性コアのため、送達における利点を提供することができる。 油、乳化剤、ならびにDILA2アミノ酸化合物および脂質成分と干渉RNA薬剤との新規な組成物および使用を含む様々な新規なエマルジョン組成物が、本開示において提供される。 油の例には、合成油、プロピレングリコールの脂肪酸エステル、エチレングリコールのエーテル、グリセリル油、コレステリル油、植物性油、堅果油、精油、鉱油、トコフェロールおよびビタミンE等の脂溶性化合物、およびこれらの混合物が含まれる。油の例には、CAPRYOL90(プロピレングリコールモノエステル)、CAPRYOL PGMC(プロピレングリコールモノエステル)、LABRAFAC PC(プロピレングリコールモノエステル)、LABRAFAC PG(プロピレングリコールジエステル)、LAUROGLYCOL90(プロピレングリコールモノエステル)、LAUROGLYCOL FCC(プロピレングリコールモノエステル)、PLUROL OLEIQUE CC497(プロピレングリコールモノエステル)、LABRAFAC LIPOPHILE WL1349(トリグリセリド)、PECEOL(グリセリルモノエステル)、MAISINE35−1(グリセリルモノエステル)、およびこれらの混合物等の合成油が含まれる。 RNA治療薬のための組成物および方法本発明は、RNA干渉等による調節性RNAを用いて、遺伝子発現を調節するための組成物および方法を提供する。本発明の組成物は、リボ核酸薬剤を、RNAiの応答を生じ得る細胞に送達することができる。本発明にとって有用な核酸薬剤の例には、二本鎖核酸、修飾または分解耐性核酸、RNA、siRNA、siRNA、shRNA、miRNA、piRNA、RNAアンタゴニスト、一本鎖核酸、DNA−RNAキメラ、アンチセンス核酸、およびリボザイムが含まれる。本明細書で使用される、siRNA、siRNA、およびshRNAという用語は、それぞれ、siRNA、siRNA、およびshRNAの前駆体を含む。例えば、siRNAという用語は、ダイサー酵素の基質として好適な、RNAまたは二本鎖RNAを含む。 本発明にとって有用なリボ核酸薬剤は、種々の遺伝子に標的化され得る。標的として好適なヒト遺伝子の例には、とりわけ、TNF、FLT1、VEGFファミリー、ERBBファミリー、PDGFRファミリー、BCR−ABL、およびMAPKファミリーが含まれる。標的およびそれに対する核酸配列として好適なヒト遺伝子の例には、PCT/US08/55333、PCT/US08/55339、PCT/US08/55340、PCT/US08/55341、PCT/US08/55350、PCT/US08/55353、PCT/US08/55356、PCT/US08/55357、PCT/US08/55360、PCT/US08/55362、PCT/US08/55365、PCT/US08/55366、PCT/US08/55369、PCT/US08/55370、PCT/US08/55371、PCT/US08/55372、PCT/US08/55373、PCT/US08/55374、PCT/US08/55375、PCT/US08/55376、PCT/US08/55377、PCT/US08/55378、PCT/US08/55380、PCT/US08/55381、PCT/US08/55382、PCT/US08/55383、PCT/US08/55385、PCT/US08/55386、PCT/US08/55505、PCT/US08/55511、PCT/US08/55515、PCT/US08/55516、PCT/US08/55519、PCT/US08/55524、PCT/US08/55526、PCT/US08/55527、PCT/US08/55532、PCT/US08/55533、PCT/US08/55542、PCT/US08/55548、PCT/US08/55550、PCT/US08/55551、PCT/US08/55554、PCT/US08/55556、PCT/US08/55560、PCT/US08/55563、PCT/US08/55597、PCT/US08/55599、PCT/US08/55601、PCT/US08/55603、PCT/US08/55604、PCT/US08/55606、PCT/US08/55608、PCT/US08/55611、PCT/US08/55612、PCT/US08/55615、PCT/US08/55618、PCT/US08/55622、PCT/US08/55625、PCT/US08/55627、PCT/US08/55631、PCT/US08/55635、PCT/US08/55644、PCT/US08/55649、PCT/US08/55651、PCT/US08/55662、PCT/US08/55672、PCT/US08/55676、PCT/US08/55678、PCT/US08/55695、PCT/US08/55697、PCT/US08/55698、PCT/US08/55701、PCT/US08/55704、PCT/US08/55708、PCT/US08/55709、およびPCT/US08/55711に開示されているものが含まれる。 送達されるべき本開示のRNAは、ウイルス遺伝子の領域に相補的な配列を有し得る。例えば、本発明の幾つかの組成物および方法は、インフルエンザウイルスのウイルスゲノムの発現を制御するために有用である。幾つかの実施形態において、本発明は、RNA干渉によるインフルエンザの発現および感染活性を調節するための組成物および方法を提供する。インフルエンザの発現および/または活動は、例えば、インフルエンザのRNAポリメラーゼサブユニットの領域に相補的な配列を有する短い干渉RNA分子を細胞に送達することによって調節され得る。インフルエンザウイルスに標的化されるRNAの例は、米国特許公開第20070213293 A1号に与えられる。 幾つかの実施形態において、本発明は、対象に、短い干渉オリゴヌクレオチド分子、またはその前駆体等の有効量のRNAi誘導化合物を含む組成物を投与することによって、対象における標的転写物の発現を阻害するための組成物および方法を提供する。RNAiは、メッセンジャーRNA(mRNA)を標的化し、翻訳を減少させるために、小さな干渉RNA(siRNA)を使用する。本発明において使用される、siRNAは、例えば、siRNAに処理される長いdsRNA等のダイサープロセシングのための前駆体であり得る。本発明は、標的転写物の発現または該標的転写物によってコードされるペプチドまたはタンパク質の活性と関連する疾患または状態を治療または予防する方法を提供する。 RNAiに基づく治療戦略は、ウイルスまたは微生物の増殖または機能を停止することによって、および疾患の経路における内因性遺伝子産物の機能を停止することによって、広範囲の疾患を治療するために使用することができる。 幾つかの実施形態において、本発明は、短い干渉オリゴヌクレオチド分子、およびその前駆体等のRNAi誘導実体の送達のための新規の組成物および方法を提供する。特に、本発明は、対象の細胞、組織、および/または器官の1つ以上の転写物に標的化されるRNAi誘導実体を含有する組成物を提供する。 siRNAは、相補性約19ヌクレオチド長の領域を有する2つのRNA鎖であり得る。siRNAは、任意に、1つまたは2つの一本鎖オーバーハングまたはループを含む。 shRNAは、自己相補性の領域を有する単一のRNA鎖であり得る。該単一のRNA鎖は、ステムおよびループを有し、必要に応じて、該RNAの5’部分および/または3’部分において1つ以上の不対部分を有するヘアピン構造を形成し得る。 活性治療薬剤は、生体内でのヌクレアーゼ分解に対して改善された耐性、および/またはRNAi活性を維持する改善された細胞取り込みを有する、化学的に修飾されたRNAであり得る。 本発明のsiRNA薬剤は、標的遺伝子の領域に相補的な配列を有し得る。本発明のsiRNAは、29〜50塩基対、例えば、標的遺伝子の領域に相補的な配列を有するdsRNAを有し得る。代替として、二本鎖核酸は、dsDNAであり得る。 ある実施形態において、活性薬剤は、遺伝子産物の発現を調節させ得る短い干渉核酸(siRNA)、短い干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA、または短いヘアピンRNA(shRNA)であり得る。 発現が、選択される疾患状態と関連する原因因子または寄与因子として異常に増大することが公知である多数の遺伝子のうちのいずれかを含む、対象において、特定の疾患状態と関連する1つ以上の異なる遺伝子の発現を標的とする、類似の方法および組成物が、提供される。 本発明のRNAi誘導化合物は、疾患状態のための他の公知の処置と共に投与され得る。 幾つかの実施形態において、本発明は、送達増強化合物と混合または複合体化されるか、または結合体化される、短い干渉核酸、短い干渉RNA、二本鎖RNA、マイクロRNA、または短いヘアピンRNA等の小さな核酸分子を含有する組成物を特徴とする。 本明細書で使用される、「調節性RNA」、「短い干渉核酸」、「siRNA」、「短い干渉RNA」、「短い干渉オリゴヌクレオチド分子」、および「化学的に修飾された短い干渉核酸分子」という用語は、配列特異的様式においてRNA干渉(RNAi)または遺伝子発現抑制を媒介することによって、遺伝子発現、または例えば、ウイルス複製を制御、阻害または下方制御することができる任意の核酸分子を指す。調節性RNAには、一本鎖RNAアンタゴニストが含まれる。 幾つかの実施形態において、該siRNAは、自己相補性のセンス領域およびアンチセンス領域を含む二本鎖ポリヌクレオチド分子であり、ここでアンチセンス領域は、発現、またはその一部を下方制御するための標的リボ核酸分子におけるヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含み、センス領域は、標的リボ核酸配列またはその一部に対応する(すなわち、標的リボ核酸配列またはその一部に配列において実質的に同一である)ヌクレオチド配列を含む。 本明細書で使用される、「siRNA」とは、比較的短い二本鎖核酸である小さい干渉リボ核酸、または必要に応じてそのより長い前駆体を意味する。本発明内の有用なsiRNAの長さは、幾つかの実施形態において、約20〜50bpの長さであることが好ましい。しかしながら、siRNAを含む有用なsiRNAの長さに特定の限定はない。例えば、siRNAは、最初に、siRNAの最終的または処理された形態とは実質的に異なる前駆体形態にある細胞へと示され得、これは、送達する際に、または送達後、標的細胞への遺伝子発現抑制活性が存在し、発揮し得る。siRNAの前駆体形態は、例えば、送達時にまたは送達した後、処理、分解、修飾、または切断されて、遺伝子発現抑制を媒介するために細胞内で活性であるsiRNAを生じる前駆体配列要素を含み得る。幾つかの実施形態において、有用なsiRNAは、該標的細胞内で活性な処理されたsiRNAを生じる、例えば、約100〜200塩基対、または50〜100塩基対、または約50塩基対未満の前駆体長を有する。他の実施形態において、有用なsiRNAまたはsiRNA前駆体は、約10〜49bp、または15〜35bp、または約21〜30bpの長さである。 本発明のある実施形態において、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドは、siRNAの大きな核酸前駆体を含む核酸分子の送達を促進するために使用され得る。例えば、本明細書中の方法および組成物は、所望のsiRNAに「前駆体」を示すより大きな核酸の送達を増強するために使用され得、ここで前駆体アミノ酸は、切断され得るか、またはそうでなければ、標的細胞への送達前、送達の間、または送達後、処理されて、標的細胞内での遺伝子発現を調節するために活性なsiRNAを形成し得る。 例えば、dsRNA前駆体ポリヌクレオチドは、2つ以上のループ構造、ならびに自己相補的なセンス領域およびアンチセンス領域を含むステムを有する環状の一本鎖ポリヌクレオチドとして選択され得、ここでアンチセンス領域は、標的核酸分子またはその一部分におけるヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含み、センス領域は、標的核酸配列またはその一部分に対応するヌクレオチド配列を有し、ここで環状ポリヌクレオチドは、生体内または体外のいずれかで処理されて、RNAiを誘導することが可能である活性dsRNA分子を生成し得る。 本発明のsiRNA分子、特に、非前駆体形態は、30塩基対未満、または約17〜19bp、または19〜21bp、または21〜23bpであり得る。 siRNAは、哺乳動物系において選択的遺伝子発現抑制を媒介することができる。短いループおよびステム中に19〜27塩基対を有するヘアピンRNAはまた、選択的に、二本鎖ステム中の配列に相同的な遺伝子の発現を抑制する。哺乳動物細胞は、短いヘアピンRNAをsiRNAに変換して、選択的遺伝子発現抑制を媒介することができる。 RISCは、siRNA二重鎖のアンチセンス鎖に相補的な配列を有する一本鎖RNAの切断を媒介する。標的RNAの切断は、siRNA二重鎖のアンチセンス鎖に相補的な領域内で起こる。21ヌクレオチドのsiRNA二重鎖は、典型的には、2つのヌクレオチド3’オーバーハングを含む場合に最も活性である。 2−ヌクレオチド3’オーバーハングを有する21量体siRNA二重鎖の3’オーバーハングセグメントを、デオキシリボヌクレオチドで置き換えることは、RNAi活性に悪影響を与えない可能性がある。siRNAの各鎖上の最大4ヌクレオチドを、デオキシリボヌクレオチドで置き換えることは、許容され得る。 代替として、siRNAは、単一または複数のsiRNAをコードし、標的細胞内のそれらの発現を指向するポルヌクレオチドベクターによって発現される単一または複数の転写生成物として送達され得る。これらの実施形態において、標的細胞内で発現されるべきsiRNAの最終転写産物の二本鎖部分は、例えば、15〜49bp、15〜35bp、または約21〜30bpの長さであり得る。 本発明の幾つかの実施形態において、2つの鎖が対形成されるsiRNAの二本鎖領域は、突出またはミスマッチ部分、またはその両方を含み得る。2つの鎖が対形成されるsiRNAの二本鎖部分は、完全に対形成されたヌクレオチドセグメントに限定されず、例えば、ミスマッチ(対応するヌクレオチドが相補的でない)、突出(一方の鎖で対応する相補的ヌクレオチドを欠いている)、またはオーバーハングに起因して、不対部分を含み得る。不対部分は、これらがsiRNA形成を干渉しない程度まで含まれ得る。幾つかの実施形態において、「突出(bulge)」は、1〜2個の不対ヌクレオチドを含み得、2つの鎖が対形成するsiRNAの二本鎖領域が、約1〜7個、または約1〜5個の突出を含み得る。加えて、siRNAの二本鎖領域に含まれる「ミスマッチ」部分は、約1〜7、または約1〜5の数で存在し得る。ほとんどの場合、ミスマッチの場合には、ヌクレオチドのうちの1つは、グアニンであり、他方はウラシルである。かかるミスマッチ形成は、例えば、センスRNAをコードする対応するDNA中のCからTへの変異、GからAへの変異、またはこれらの混合物に起因し得るが、他の原因もまた、企図される。 本発明のsiRNAの末端構造は、siRNAが、標的遺伝子の発現を抑制するためにその活性を保持する限りにおいて、平滑または粘着性(オーバーハング)のいずれかであり得る。粘着性(オーバーハング)末端構造は、3’オーバーハングに制限されず、遺伝子発現抑制を誘導するための活性を保持する限りにおいて、5’オーバーハング構造を含む。加えて、オーバーハングヌクレオチドの数は、2ヌクレオチドまたは3ヌクレオチドに制限されず、遺伝子発現抑制を誘導するための活性を保持する限りにおいて、任意のヌクレオチド数であり得る。例えば、オーバーハングは、1〜約8ヌクレオチド、または2〜4ヌクレオチドを含み得る。 オーバーハング末端構造を有するsiRNAの長さは、対形成された二重鎖部分および各末端の任意のオーバーハング部分に関して表され得る。例えば、2−bp 3’アンチセンスオーバーハングを有する25/27量体siRNA二重鎖は、25量体センス鎖および27量体アンチセンス鎖を有し、ここで対形成された部分は、25bpの長さを有する。 任意のオーバーハング配列は、標的遺伝子に対して低い特異性を有し得、上記標的遺伝子配列に対して相補的(アンチセンス)でなくてもよいし、同一(センス)でなくてもよい。siRNAが遺伝子発現抑制についての活性を保持している限りにおいて、siRNAは、オーバーハング部分において、低分子量構造、例えば、tRNA、rRNA、ウイルスRNA、または人工RNA分子等の天然のRNA分子を含み得る。 siRNAの末端構造は、二本鎖核酸のうちの一方側の末端がリンカー核酸、例えば、リンカーRNAによって接続されているステム−ループ構造を有し得る。二本鎖領域(ステム部分)の長さは、例えば、15〜49bp、または15〜35bp、または約21〜30bpの長さであり得る。代替として、標的細胞内で発現されるべきsiRNAの最終転写産物である二本鎖領域の長さは、例えば、約15〜49bp、または15〜35bp、または約21〜30bpの長さであり得る。 siRNAは、標的核酸分子内のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列、またはその一部分を有する一本鎖ポリヌクレオチドを含み得、ここで一本鎖ポリヌクレオチドは、5’−ホスフェート(例えば、Martinez,et al.,Cell.110:563−574,2002、およびSchwarz,et al.,Molecular Cell 10:537−568,2002を参照のこと)、または5’,3’−ジホスフェート等の末端ホスフェート基を含み得る。 本明細書で使用される、siRNAという用語は、天然に存在するRNAまたはDNAのみを含む分子に限定されず、化学的に修飾されたヌクレオチドおよび非ヌクレオチドも包含する。幾つかの実施形態において、本発明の短い干渉核酸分子は、2’−ヒドロキシ(2’−OH)含有ヌクレオチドを欠いている。短い干渉核酸は、RNAiを媒介するための2’−ヒドロキシ基を有するヌクレオチドの存在を要せず、よって、本発明の短い干渉核酸分子は、任意に、いかなるリボヌクレオチド(例えば、2’−OH基を有するヌクレオチド)をも含まない。しかしながら、RNAiを補助するためにsiRNA分子内にリボヌクレオチドの存在を要しないsiRNA分子は、2’−OH基を有する1つ以上のヌクレオチドを含む結合されたリンカーまたは他の結合または会合された基、部分、または鎖を有し得る。siRNA分子は、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、または50%のヌクレオチド位置においてリボヌクレオチドを含み得る。 本明細書で使用される、siRNAという用語は、例えば、とりわけ、短い干渉RNA(siRNA)分子、二本鎖RNA(dsRNA)分子、マイクロRNA分子、短いヘアピンRNA(shRNA)分子、短い干渉オリゴヌクレオチド分子、短い干渉核酸分子、短い干渉修飾オリゴヌクレオチド分子、化学的に修飾されたsiRNA分子、および転写後遺伝子発現抑制RNA(ptgsRNA)分子等の配列特異的RNAiを媒介することが可能な核酸分子を包含する。 幾つかの実施形態において、siRNA分子は、別個のセンス配列または領域およびアンチセンス配列または領域を含み、ここでセンス領域およびアンチセンス領域は、ヌクレオチドリンカー分子または非ヌクレオチドリンカー分子によって共有結合されるか、またはイオン性共有結合、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、および/または積み重ね(stacking)相互作用によって、非共有結合的に連結される。 「アンチセンスRNA」は、標的遺伝子mRNAに結合することによってRNAiを誘導し得る、標的遺伝子mRNAに相補的な配列を有するRNA鎖である。 「センスRNA」は、アンチセンスRNAに相補的な配列を有するRNA鎖であり、その相補的アンチセンスRNAにアニールして、siRNAを形成する。 本明細書で使用される、「RNAi構築物」または「RNAi前駆体」という用語は、小さな干渉RNA(siRNA)、ヘアピンRNA等のRNAi誘導化合物、および生体内で切断されて、siRNAを形成し得る他のRNA種を指す。本明細書中のRNAi前駆体はまた、細胞内でdsRNAまたはヘアピンRNAを形成する転写物および/または生体内でsiRNAを生じ得る転写物を生じ得る発現ベクター(RNAi発現ベクターとも称される)を含む。 siハイブリッド分子は、siRNAに類似の機能を有する二本鎖核酸である。二本鎖RNA分子の代わりに、siハイブリッドは、RNA鎖およびDNA鎖からなる。好ましくは、該RNA鎖は、標的mRNAに結合するアンチセンス鎖である。DNA鎖とRNA鎖のハイブリダイゼーションによって作製されたsiハイブリッドは、ハイブリダイズした相補的部分および好ましくは、少なくとも1つの3’オーバーハング末端を有する。 本発明において使用するためのsiRNAは、2つの別個のオリゴヌクレオチドから組み立てられ得、ここで一方の鎖はセンス鎖であり、他方はアンチセンス鎖であり、アンチセンス鎖およびセンス鎖は、自己相補性である(すなわち、各鎖は、他方の鎖におけるヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含む;例えば、アンチセンス鎖およびセンス鎖が二重鎖または二本鎖構造(例えば、二本鎖領域が、約19塩基対である)を形成する)。該アンチセンス鎖は、標的核酸分子またはその一部分におけるヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含み得、センス鎖は、標的核酸配列またはその一部分に対応するヌクレオチド配列を含み得る。代替として、siRNAは、単一のオリゴヌクレオチドから組み立てられ得、ここでsiRNAの自己相補性のセンス領域およびアンチセンス領域は、核酸ベースまたは非核酸ベースのリンカーによって連結される。 幾つかの実施形態において、細胞内送達のためのsiRNAは、自己相補性のセンス領域およびアンチセンス領域を有する二重鎖、非対称二重鎖、ヘアピンまたは非対称ヘアピン二次構造を有するポリヌクレオチドであり得、ここでアンチセンス領域は、別個の標的核酸分子またはその一部分におけるヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含み、センス領域は、標的核酸配列またはその一部分に対応するヌクレオチド配列を含む。 siRNAにおいてなされ得る化学的修飾の例には、ホスホロチオエートヌクレオチド間連結、2’−デオキシリボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロリボヌクレオチド、「ユニバーサル塩基」ヌクレオチド、「非環式」ヌクレオチド、5−C−メチルヌクレオチド、ならびに末端グリセリルおよび/または逆方向(inverted)デオキシ脱塩基残基の組み込みが含まれる。 siRNA分子のアンチセンス領域は、該アンチセンス領域の3’末端においてホスホロチオエートヌクレオチド間連結を含み得る。該アンチセンス領域は、該アンチセンス領域の5’末端において約1〜約5個のホスホロチオエートヌクレオチド間連結を含み得る。siRNA分子の3’末端ヌクレオチドオーバーハングは、核酸の糖、塩基、または骨格において化学的に修飾されている、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドを含み得る。3’末端ヌクレオチドオーバーハングは、1つ以上のユニバーサル塩基リボヌクレオチドを含み得る。3’末端ヌクレオチドオーバーハングは、1つ以上の非環式ヌクレオチドを含み得る。 例えば、化学的に修飾されているsiRNAは、1つの鎖において1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、またはそれ以上のホスホロチオエートヌクレオチド間連結を有し得るか、または各鎖において1〜8個またはそれ以上のホスホロチオエートヌクレオチド間連結を有し得る。ホスホロチオエートヌクレオチド間連結は、siRNA二重鎖の一方または両方のオリゴヌクレオチド鎖に、例えば、センス鎖、アンチセンス鎖、またはその両方の鎖に、存在し得る。 siRNA分子は、センス鎖、アンチセンス鎖、または両方の鎖の、3’末端、5’末端、または3’末端および5’末端の両方において1個以上のホスホロチオエートヌクレオチド間連結を含み得る。例えば、例示的なsiRNA分子は、センス鎖、アンチセンス鎖、またはその両方の鎖の5’末端において1個、2個、3個、4個、5個、またはそれ以上の連続するホスホロチオエートヌクレオチド間連結を含み得る。 ある実施形態において、siRNA分子は、センス鎖、アンチセンス鎖、またはその両方の鎖において、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれ以上のピリミジンホスホロチオエートヌクレオチド間連結を含む。 幾つかの実施形態において、siRNA分子は、センス鎖、アンチセンス鎖、またはその両方の鎖において、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれ以上のプリンホスホロチオエートヌクレオチド間連結を含む。 siRNA分子は、環状核酸分子を含み得、ここでsiRNAは、約38〜約70ヌクレオチド、例えば、約38、40、45、50、55、60、65、または70ヌクレオチド長であり、約18〜約23塩基対、例えば、約18、19、20、21、22、または23を有し、ここで環状オリゴヌクレオチドは、約19塩基対を有するダンベル形構造および2つのループを形成する。 環状siRNA分子は、2つのループモチーフを含み得、ここでsiRNA分子の一方または両方のループ部分は生分解性である。例えば、環状siRNA分子のループ部分は、約2ヌクレオチドを含む3’末端ヌクレオチドオーバーハング等の3’末端オーバーハングを有する二本鎖siRNA分子を生じるように、生体内で形質転換され得る。 siRNA分子において、修飾ヌクレオチドは、アンチセンス鎖、センス鎖、またはその両方に存在し得る。例えば、修飾ヌクレオチドは、ノーザンコンフォメーション(例えば、ノーザン疑回転サイクル(Northern pseudorotation cycle);例えば、Saenger,Principles of Nucleic Acid Structure,Springer−Verlag ed.,1984を参照のこと)を有し得る。ノーザンコンフォメーションを有するヌクレオチドの例には、ロックされた核酸(LNA)ヌクレオチド(例えば、2’−O、4’−C−メチレン−(D−リボフラノシル)ヌクレオチド)、2’−メトキシエトキシ(MOE)ヌクレオチド、2’−メチル−チオ−エチル、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−クロロヌクレオチド、2’−アジドヌクレオチド、および2’−O−メチルヌクレオチドが含まれる。 化学的に修飾されているヌクレオチドは、ヌクレアーゼ分解に対して耐性であり得ると同時に、RNAiを媒介する能力を維持し得る。 二本鎖siRNA分子のセンス鎖は、センス鎖の3’末端、5’末端、または3’末端および5’末端の両方において、逆方向デオキシ脱塩基部分等の末端キャップ部分を有し得る。 結合体の例には、Vargeeseら、2003年4月30日出願の米国特許出願第10/427,160号に記載の結合体およびリガンドが含まれ、これは、参照することにより、図面を含め、その全体が本明細書に組み込まれる。 本発明の幾つかの実施形態において、結合体は、化学的に修飾されているsiRNA分子に、生分解性リンカーを介して共有結合され得る。例えば、結合体分子は、化学的に修飾されているsiRNA分子のセンス鎖、アンチセンス鎖、またはその両方の鎖のいずれかの3’末端において付着され得る。 ある実施形態において、結合体分子は、化学的に修飾されているsiRNA分子のセンス鎖、アンチセンス鎖、またはその両方の鎖のいずれかの5’末端において付着される。幾つかの実施形態において、結合体分子は、化学的に修飾されているsiRNA分子のセンス鎖、アンチセンス鎖、またはその両方の鎖のいずれかの3’末端および5’末端の両方、またはこれらの任意の組み合わせに付着される。 幾つかの実施形態において、結合体分子は、化学的に修飾されているsiRNA分子を細胞等の生物学的系への送達を促進する分子を含む。 幾つかの実施形態において、化学的に修飾されているsiRNA分子に付着された結合体分子は、ポリエチレングリコール、ヒト血清アルブミン、または細胞取り込みを媒介し得る細胞受容体のリガンドである。化学的に修飾されているsiRNA分子に付着され得る、本発明によって企図される特定の結合体分子の例は、Vargeeseら、米国特許公開第20030130186号および同第20040110296号に記載されている。 siRNAは、siRNAのセンス領域を、siRNAのアンチセンス領域につなぐ、ヌクレオチドリンカー、非ヌクレオチドリンカー、または混合したヌクレオチド/非ヌクレオチドリンカーを含み得る。幾つかの実施形態において、ヌクレオチドリンカーは、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長であり得る。幾つかの実施形態において、該ヌクレオチドリンカーは、核酸アプタマーであり得る。本明細書で使用される、「アプタマー」または「核酸アプタマー」という用語は、標的分子に特異的に結合する核酸分子を包含し、ここで核酸分子は、その天然の状況において、標的分子によって認識される配列を含有する。代替として、アプタマーは、標的分子に結合する核酸分子であって、標的分子が核酸に天然には結合しないものであり得る。 例えば、アプタマーは、タンパク質のリガンド結合ドメインに結合し、それによって、天然に存在するリガンドと、タンパク質との相互作用を妨げるために使用され得る。例えば、Gold,et al.,Annu.Rev.Biochem.64:763,1995、Brody and Gold,J.Biotechnol.74:5,2000、Sun,Curr.Opin.Mol.Ther.2:100,2000、Kusser,J.Biotechnol.74:27,2000、Hermann and Patel,Science 287:820,2000、およびJayasena,Clinical Chemistry 45:1628,1999を参照のこと。 非ヌクレオチドリンカーは、脱塩基ヌクレオチド、ポリエーテル、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、炭水化物、脂質、ポリ炭化水素、または他のポリマー化合物(例えば、2〜100の間のエチレングリコール単位を有するもの等のポリエチレングリコール)であり得る。具体的な例には、Seela and Kaiser,Nucleic Acids Res.18:6353,1990、およびNucleic Acids Res.15:3113,1987、Cload and Schepartz,J.Am.Chem.Soc.113:6324,1991、Richardson and Schepartz,J.Am.Chem.Soc.113:5109,1991、Ma,et al.,Nucleic Acids Res.21:2585,1993、およびBiochemistry 32:1751,1993、Durand,et al.,Nucleic Acids Res.18:6353,1990、McCurdy,et al.,Nucleosides & Nucleotides 10:287,1991、Jaschke,et al.,Tetrahedron Lett.34:301−304,1993、Ono,et al.,Biochemistry 30:9914,1991、Arnoldら、国際公開WO第89/02439号、Usmanら、国際公開WO第95/06731号、Dudyczら、国際公開WO第95/11910号、ならびにFerentz and Verdine,J.Am.Chem.Soc.113:4000,1991によって記載されるものが含まれる。 「非ヌクレオチドリンカー」は、糖および/またはホスフェート置換のいずれかを含み、その残りの塩基がそれらの酵素活性を示すことを可能にする、1つ以上のヌクレオチド単位の代わりに核酸鎖へ組み込まれ得る基もしくは化合物を指す。基もしくは化合物は、例えば、糖のC1位において、アデノシン、グアニン、シトシン、ウラシルもしくはチミン等の一般に認識されるヌクレオチド塩基を含まない点において脱塩基性であり得る。 幾つかの実施形態において、修飾siRNA分子は、ホスフェート骨格修飾を有し得、これには、1つ以上のホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、モルホリノ、アミデートカルバメート、カルボキシメチル、アセトアミデート、ポリアミド、スルホネート、スルホンアミド、スルファメート、ホルムアセタール、チオホルムアセタール、および/もしくはアルキルシリル置換を含む。オリゴヌクレオチド骨格修飾の例は、Hunziker and Leumann, Nucleic Acid Analogues: Synthesis and Properties,in Modern Synthetic Methods,VCH,pp.331−417,1995、およびMesmaeker,et al.,Novel Backbone Replacements for Oligonucleotides,in Carbohydrate Modifications in Antisense Research,ACS,pp.24−39,1994に与えられる。 化学的に修飾され得るsiRNA分子は、(a)該siRNA分子の2つの相補鎖の合成;および(b)該2つの相補鎖を、二本鎖siRNA分子を得るのに好適な条件下で一緒にアニールすることによって合成され得る。幾つかの実施形態において、該siRNA分子の相補性部分の合成は、固相オリゴヌクレオチド合成によって、または固相直列オリゴヌクレオチド合成によってである。 オリゴヌクレオチド(例えば、特定の修飾されたオリゴヌクレオチドまたはリボヌクレオチドを欠いているオリゴヌクレオチドの一部)は、例えば、Caruthers,et al.,Methods in Enzymology 211:3−19,1992、Thompsonら,国際PCT公開WO第99/54459号、Wincott,et al.,Nucleic Acids Res. 23:2677−2684,1995、Wincott,et al.,Methods Mol.Bio.74:59,1997、Brennan,et al.,Biotechnol Bioeng. 61:33−45,1998、およびBrennan,米国特許第6,001,311号に記載されているように、当該分野において公知のプロトコルを使用して合成される。本発明の特定のsiRNA分子を含むRNAの合成は、例えば、Usman,et al.,J.Am.Chem.Soc.109:7845,1987、Scaringe,et al.,Nucleic Acids Res. 18:5433,1990、およびWincott,et al.,Nucleic Acids Res.23:2677−2684,1995、Wincott,et al.,Methods Mol.Bio.74:59,1997に記載されるように、一般的手順に従う。 本明細書で使用される、「非対称ヘアピン」とは、アンチセンス領域、ヌクレオチドもしくは非ヌクレオチドを含み得るループ部分、およびセンス領域が該アンチセンス領域と塩基対形成して、ループを有する二重鎖を形成するに十分相補的なヌクレオチドを有する程度にまで、該アンチセンス領域より少ないヌクレオチドを含むセンス領域を含む直鎖状のsiRNA分子である。 本明細書で使用される、「非対称二重鎖」とは、センス領域およびアンチセンス領域を含む2つの別個の鎖を有するsiRNA分子であって、ここで該センス領域は、該アンチセンス領域と塩基対形成して、二重鎖を形成するに十分相補的なヌクレオチドを有する程度にまで、該アンチセンス領域より少ないヌクレオチドを含むものである。 本明細書で使用される、「遺伝子発現を調節する」こととは、細胞に存在するmRNAレベルの、またはmRNA翻訳の、または標的遺伝子によってコードされるタンパク質もしくはタンパク質サブユニットの合成の、上方制御もしくは下方制御を含み得る、該標的遺伝子の発現を上方制御するか下方制御することである。 本明細書で使用される、「阻害する」、「下方制御する」、もしくは「発現を低下させる」という用語は、該遺伝子の発現、または1つ以上のタンパク質もしくはタンパク質サブユニットをコードするRNA分子もしくは同等のRNA分子のレベル、または標的遺伝子によってコードされる1つ以上のタンパク質もしくはタンパク質サブユニットのレベルもしくは活性が、本発明の核酸分子(例えば、siRNA)の非存在下で認められるものより低く低下させることを意味する。 本明細書で使用される、「遺伝子発現抑制」とは、細胞内の遺伝子発現の部分的もしくは完全な阻害を指し、「遺伝子ノックダウン」とも称され得る。遺伝子発現抑制の程度は、当該分野において公知の方法によって決定され得、これらのうちの幾つかは、国際公開WO第99/32619号にまとめられている。 本明細書で使用される、「リボ核酸」および「RNA」という用語は、少なくとも1つのリボヌクレオチド残基を含む分子を指す。リボヌクレオチドは、β−D−リボ−フラノース部分の2’部分においてヒドロキシル基を有するヌクレオチドである。これらの用語には、二本鎖RNA、一本鎖RNA、単離されたRNA(例えば、部分的に精製されたRNA、本質的に純粋なRNA、合成RNA、組換え生成RNA、ならびに1個以上のヌクレオチドの付加、欠失、置換、修飾、および/もしくは変化によって、天然に存在するRNAとは異なる、修飾および変化させたRNA)が含まれる。RNAの変化は、例えば、siRNAの末端に対してまたは内部に、例えば、RNAの1個以上のヌクレオチドにおいて、非ヌクレオチド物質を付加することを含み得る。 RNA分子中のヌクレオチドには、天然に存在しないヌクレオチドまたは化学合成されたヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチド等の標準的でないヌクレオチドが含まれる。これらの変化させられたRNAは、アナログと称され得る。 「高度に保存された配列領域」とは、標的遺伝子中の1つ以上の領域のヌクレオチド配列が、一方の世代から他方の世代へ、または一方の生物学的系から他方の生物学的系へ顕著に変動していないことを意味する。 「センス領域」とは、siRNA分子のアンチセンス領域に対して相補性を有するsiRNA分子のヌクレオチド配列を意味する。加えて、siRNA分子のセンス領域は、標的核酸配列と相同性を有する核酸配列を含み得る。 「アンチセンス領域」とは、標的核酸配列に対して相補性を有するsiRNA分子のヌクレオチド配列を意味する。加えて、siRNA分子のアンチセンス領域は、該siRNA分子のセンス領域に対して相補性を有する核酸配列を含み得る。 「標的核酸」とは、発現もしくは活性が調節されるべき任意の核酸配列を意味する。標的核酸は、DNAもしくはRNAであり得る。 「相補性」とは、伝統的なワトソン−クリックあるいは他の非伝統的な結合モードのいずれかによって、核酸が別の核酸配列と水素結合を形成し得ることを意味する。 本明細書で使用される、「生分解性リンカー」という用語は、一方の分子を別の分子に、例えば、生物学的活性分子をsiRNA分子もしくはsiRNA分子のセンス鎖およびアンチセンス鎖につなぐための生分解性リンカーとして設計される、核酸もしくは非核酸リンカー分子を指す。生分解性リンカーは、その安定性が特定の組織もしくは細胞型への送達等の特定の目的のために調節され得るように設計される。核酸ベースの生分解性リンカー分子の安定性は、例えば、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、ならびに2’−O−メチル、2’−フルオロ、2’−アミノ、2’−O−アミノ、2’−C−アリル、2’−O−アリル、および他の2’−修飾もしくは塩基修飾ヌクレオチド等の化学的に修飾されているヌクレオチドの組み合わせによって、種々に調節され得る。該生分解性核酸リンカー分子は、二量体、三量体、四量体、もしくはそれより長い核酸分子、例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドであり得るか、またはリンベースの結合、例えば、ホスホルアミデートもしくはホスホジエステル結合を有する単一のヌクレオチドを含み得る。該生分解性核酸リンカー分子はまた、核酸骨格、核酸糖、もしくは核酸塩基の修飾も含み得る。 本明細書に記載される、2’−修飾ヌクレオチドとの関連において、「アミノ」とは、修飾され得るかもしくは非修飾であり得る2’−NH2もしくは2’−O−NH2を意味する。かかる修飾された基は、例えば、Ecksteinら、米国特許第5,672,695号およびMatulic−Adamicら、米国特許第6,248,878号に記載されている。 本発明において使用するために核酸分子を送達するための補助的もしくは補完的方法は、例えば、Akhtar et al.,Trends Cell Bio. 2:139,1992,、“Delivery Strategies for Antisense Oligonucleotide Therapeutics,” ed.Akhtar,1995,Maurer et al.,Mol.Membr.Biol.16:129−140,1999、Hofland and Huang,Handb.Exp.Pharmacol.137:165−192,1999、およびLee et al.,ACS Symp.Ser.752:184−192,2000に記載されている。Sullivanら、国際PCT公開WO第94/02595号は、酵素性核酸分子の送達のための一般的方法をさらに記載する。 核酸分子は、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、アジュバント、乳化剤、緩衝化剤、安定化剤、もしくは保存剤等の1つ以上の成分を含む製剤内で投与され得る。 本明細書で使用される、「担体」という用語は、薬学的に許容される固体もしくは液体希釈剤、溶媒、充填剤、または封入物質(encapsulating material)を意味する。担体の例には、生理食塩水、生物学的および薬学的緩衝系、および生物学的に許容される媒体が含まれる。水含有液体担体は、薬学的に許容される添加剤(例えば、酸性化剤、アルキル化剤、抗微生物性保存剤、抗酸化剤、緩衝化剤、キレート化剤、錯化剤、可溶化剤、保湿剤、溶媒、懸濁剤および/もしくは増粘剤、張性剤(tonicity agent)、湿潤剤、または他の生物適合性の物質を含み得る。上記の分類の成分の例は、U.S.Pharmacopeia National Formulary,1990,pp.1857−1859、ならびにRaymond C.Rowe,et al.,Handbook of Pharmaceutical Excipients,5th ed.,2006、および“Remington: The Science and Practice of Pharmacy,”21st ed.,2006,editor David B.Troyにおいて見出され得る。 保存剤の例には、フェノール、メチルパラベン、パラベン、m−クレゾール、チオメルサール(thiomersal)、塩化ベンザルコニウム、およびこれらの混合物が含まれる。 界面活性剤の例には、オレイン酸、ソルビタントリオレエート、ポリソルベート、レシチン、ホスファチジルコリン(phosphotidylcholine)、種々の長鎖ジグリセリドおよびリン脂質、ならびにこれらの混合物が含まれる。 リン脂質の例には、ホスファチジルコリン、レシチン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、およびホスファチジルエタノールアミン、ならびにこれらの混合物が含まれる。 分散剤の例には、エチレンジアミン四酢酸が含まれる。 気体の例には、窒素、ヘリウム、クロロフルオロカーボン(CFC)、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、二酸化炭素、空気、およびこれらの混合物が含まれる。 ある実施形態において、siRNAおよび/もしくはポリペプチドは、リポソーム中にカプセル化され得るか、またはリポソームに対して内部もしくは外部のいずれかに存在し得るか、またはリポソーム層内に存在し得るか、またはイオン導入法によって投与され得るか、またはヒドロゲル、シクロデキストリン、生分解性ナノ粒子、生体接着性ミクロスフェア、もしくはタンパク質性ベクター等の他のビヒクルに組み込まれ得る。例えば、O’Hare and Normand,PCT国際公開WO第00/53722号を参照のこと。代替として、核酸組成物は、直接注射によって、もしくは注入ポンプの使用によって、局所的に送達され得る。本発明の核酸分子の直接注射は、皮下、筋肉内、もしくは皮内であろうと、標準的な針およびシリンジの方法を使用して、またはConry et al.,,Clin.Cancer Res.5:2330−2337,1999、およびBarry et al.,国際PCT公開WO第99/31262号に記載されているもの等のニードルレス技術によって行い得る。 本発明の組成物は、薬学的薬剤として有効に使用され得る。薬学的薬剤は、患者における疾患状態もしくは他の有害な状態の発生もしくは重篤度を予防させるか、調節させるか、またはこれらを治療する(検出可能なもしくは測定可能な程度にまで1つ以上の症状を緩和する)。 幾つかの実施形態において、本発明は、DILA2アミノ酸化合物もしくは脂質と組み合わせるか、複合体化させるか、または結合体化され、希釈剤、安定化剤、もしくは緩衝剤等の薬学的に許容される担体と共にさらに製剤化され得る、1つ以上のポリ核酸、典型的には、1つ以上のsiRNAの存在もしくは投与を特徴とする薬学的組成物および方法を提供する。 典型的には、該siRNAは、該対象の疾患状態もしくは有害な状態と関連する原因因子もしくは寄与因子として、上昇したレベルで発現される遺伝子を標的とする。この文脈において、該siRNAは、1つ以上の関連する疾患症状の重篤度もしくは再発を予防するか、緩和するか、または低下させるレベルまで、遺伝子の発現を効率的に下方制御する。代替として、該標的遺伝子の発現が疾患もしくは他の有害な状態の結果もしくは結末として必ずしも上昇するわけではない種々の異なる疾患モデルについて、該標的遺伝子の下方制御は、それでもなお、遺伝子発現を低減させる(すなわち、該標的遺伝子の選択されたmRNAおよび/もしくはタンパク質産物のレベルを低下させる)ことによって、治療的結果を生じ得る。代替として、本発明のsiRNAは、ある遺伝子の発現を低減させるために標的化され得、発現が該標的遺伝子の産物もしくは活性によって負に調節される「下流」遺伝子の上方調節を生じ得る。 本開示のこのsiRNAは、任意の形態において、例えば、経皮的にもしくは局所注射によって(例えば、乾癬を治療するための乾癬斑(psoriatic plaque)の部位での、または乾癬性関節炎もしくはRAに罹患している患者の関節への局所投与)投与され得る。より詳細な実施形態において、本発明は、TNF−αのmRNAに対して向けられる治療上有効な量のsiRNA(これは、該TNF−αのRNAを効率的に下方調節し、それによって、1つ以上のTNF−α関連炎症状態を低下させる、もしくは予防する)を投与するための製剤および方法を提供する。発現が、選択される疾患状態と関連する原因因子もしくは寄与因子として異常に増大することが公知である多数の遺伝子のうちのいずれかを含む、動物対象において、選択される疾患状態と関連する1つ以上の異なる遺伝子の発現を標的とする、類似する方法および組成物が、提供される。 本発明の組成物はまた、経口投与のための錠剤、カプセル剤、もしくはエリキシル剤、直腸投与のための坐剤、滅菌液剤、注射用投与のための懸濁液、および当該分野において公知の他の形態として製剤化および使用され得る。 薬理学的組成物または製剤は、細胞もしくは例えば、ヒトを含む患者への投与、例えば、全身投与に好適な形態にある組成物もしくは製剤を指す。好適な形態は、部分的に、例えば、経口、経皮、経上皮、または注射によって、用途もしくは侵入経路に依存する。かかる形態は、該組成物もしくは製剤が標的細胞(すなわち、負に荷電した核酸が送達に望ましい細胞)に達しないように妨げないことが必要である。例えば、血流に注射された薬理学的組成物は、可溶性でなければならない。他の因子は、当該分野において公知であり、毒性等の考慮事項を含む。 「全身投与」とは、血流における薬物の生体内の全身吸収もしくは蓄積、続いて、身体全体への分布を意味する。全身吸収をもたらす投与経路としては、静脈内、皮下、腹腔内、吸入、経口、肺内、および筋肉内が挙げられるが、これらに限定されない。 本発明の核酸分子を有する製剤に好適な薬剤の例としては、CNSへの薬物の侵入を増強し得るP−糖タンパク質阻害剤(Pluronic P85等)(Jolliet−Riant and Tillement,Fundam.Clin.Pharmacol.13:16−26,1999);脳内移植後の徐放性送達のための生分解性ポリマー(例えば、ポリ(DL−ラクチド−コグリコリド)ミクロスフェア(Emerich,D.F.et al.,Cell Transplant 8:47−58,1999,Alkermes,Inc.,Cambridge,Mass.);および血液脳関門を超えて薬物を送達し得、かつ神経取り込み機序を変化させ得る充填されたナノ粒子(例えば、ポリブチルシアノアクリレートから作製されたもの)(Prog.Neuropsychopharmacol Biol.Psychiatry 23:941−949,1999)が含まれる。本発明の核酸分子の送達戦略の他の例には、Boado,et al.,J.Pharm.Sci.87:1308−1315,1998、Tyler,et al.,FEBS Lett. 421:280−284,1999、Pardridge,et al.,PNAS USA. 92:5592−5596,1995、Boado,Adv. Drug Delivery Rev.15:73−107,1995、Aldrian−Herrada et al.,Nucleic Acids Res.26:4910−4916,1998、およびTyler,et al.,PNAS USA.96:7053−7058,1999に記載の物質が含まれる。 本発明はまた、薬学的に有効な量の所望の化合物を薬学的に許容される担体または希釈剤中に含む、保管または投与のために調製された組成物も含む。治療的使用のための受容可能な担体または希釈剤は、薬学分野で周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.(A.R.Gennaro ed.1985)に記載されている。例えば、保存剤、安定化剤、色素、および香料添加剤が提供され得る。これらには、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、およびp−ヒドロキシ安息香酸のエステルが含まれる。加えて、抗酸化剤および懸濁剤が使用され得る。 薬学的に有効な用量は、疾患状態の症状の発生を予防、阻害、または疾患状態を治療、またはある程度の疾患状態にまで、緩和するために必要とされる用量である。活性核酸の0.01mg/kg〜50mg/kg体重/日の量が、投与されるべきである。 水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤と混合した状態で、活性な物質を含む。かかる賦形剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピル−メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、およびアカシアガム等の懸濁剤である。分散剤もしくは湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、例えば、レシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合産物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合産物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合産物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、またはエチレンオキシドと脂肪酸由来の部分エステルおよびヘキシトール無水物との縮合産物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。該水性懸濁液はまた、例えば、エチル、もしくはn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエート等の1つ以上の保存剤、1つ以上の着色剤、1つ以上の香料添加剤、およびスクロースもしくはサッカリン等の1つ以上の甘味剤も含み得る。 油性懸濁液は、該活性成分を、植物性油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ごま油、もしくはココナツ油中で、または流動パラフィン等の鉱油中で懸濁することによって製剤化され得る。該油性懸濁液は、濃化剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィン、もしくはセチルアルコールを含み得る。甘味剤および香料添加剤は、味の良い経口調製物を提供するために添加され得る。これらの組成物は、アスコルビン酸等の抗酸化剤の添加によって保存され得る。 水を添加することによって水性懸濁液の調製に好適な分散性の粉末および顆粒は、分散剤もしくは湿潤剤、懸濁液および1つ以上の保存剤と混合した状態で、該活性成分を提供する。他の賦形剤、例えば、甘味剤、香料添加剤、および着色剤もまた、存在し得る。 本発明の薬学的組成物はまた、水中油エマルジョンの形態で存在し得る。該油相は、植物性油もしくは鉱油またはこれらの混合物であり得る。好適な乳化剤は、天然に存在するガム(例えば、アカシアガムもしくはトラガカントガム)、天然に存在するホスファチド(例えば、ダイズ、レシチン、および脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来するエステルもしくは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート))、およびエチレンオキシドとの該部分エステルの縮合産物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。該エマルジョンはまた、甘味剤および香料添加剤を含み得る。 該薬学的組成物は、滅菌注射用水性もしくは滅菌注射用油性懸濁液の形態で存在し得る。この懸濁液は、上で言及した好適な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁剤を用いて、公知の技術に従って製剤化され得る。該滅菌注射用懸濁液はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒中の、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液としての、滅菌注射用溶液もしくは懸濁液であり得る。使用され得る該許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル溶液、および等張性の塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌の固定油が、溶媒もしくは懸濁媒体として使用され得る。この目的のために、合成ものグリセリドもしくはジグリセリドを含む任意の刺激の少ない固定油が使用され得る。加えて、オレイン酸等の脂肪酸は、注射用調製物中での使用が見出される。 該siRNAはまた、例えば、薬物の直腸投与のために坐剤の形態で投与され得る。これらの組成物は、該薬物と、常温で固体であるが、直腸温で液体であり、したがって、直腸で溶解して、該薬物を放出する好適な非刺激性賦形剤と混合することによって、調製され得る。かかる物質には、カカオ脂およびポリエチレングリコールが含まれる。 該siRNAは、ヌクレアーゼ耐性基、例えば、2’−アミノ、2’−C−アリル、2’−フルオロ、2’−O−メチル、2’−Hでの修飾によって安定性を増強するために広範囲に修飾され得る。概説については、Usman and Cedergren,TIBS 17:34,1992、Usman,et al.,Nucleic Acids Symp.Ser.31:163,1994を参照のこと。siRNA構築物は、一般的な方法を用いてゲル電気泳動によって精製され得るか、または高速液体クロマトグラフィーによって精製され得、水に再懸濁され得る。 修飾(塩基、糖、および/もしくはホスフェート)を有する化学合成されている核酸分子は、血清リボヌクレアーゼによるそれらの分解を防止し得、それらの効力を増大させ得る。例えば、Ecksteinら、国際公開WO第92/07065号、Perrault et al.,Nature 344:565,1990、Pieken,et al.,Science 253,314,1991、Usman and Cedergren,Trends in Biochem.Sci.17:334,1992、Usmanら、国際公開WO第93/15187号、およびRossiら、国際公開WO第91/03162号、Sproat、米国特許第5,334,711号、およびGoldら、米国特許第6,300,074号を参照のこと。上記参考文献の全ては、本明細書に記載される核酸分子の塩基、ホスフェート、および/または糖部分に対して行われ得る種々の化学的修飾を記載する。 それらのヌクレアーゼ安定性および効力において顕著な増強を有する、核酸分子へと導入され得る糖、塩基、およびホスフェート修飾を記載している当該分野の幾つかの例がある。例えば、オリゴヌクレオチドは、例えば、2’−アミノ、2’−C−アリル、2’−フルオロ、2’−O−メチル、2’−O−アリル、2’−H、ヌクレオチド塩基修飾等のヌクレアーゼ耐性基での修飾によって、安定性を増強、および/もしくは生物学的活性を増強するために修飾される。概説については、Usman and Cedergren,TIBS 17:34,1992、Usman,et al.,Nucleic Acids Symp.Ser.31:163,1994、Burgin,et al.,Biochemistry 35:14090,1996を参照のこと。核酸分子の糖修飾は、当該分野において広範囲に記載されている。Ecksteinら、国際公開PCT WO第92/07065号、Perrault,et al. Nature 344:565−568,1990、Pieken,et al. Science 253:314‐317,1991、Usman and Cedergren,Trends in Biochem.Sci.17:334−339,1992、Usmanら、国際公開PCT WO第93/15187号、Sproat、米国特許第5,334,711号およびBeigelman,et al.,J.Biol.Chem.270:25702,1995、Beigelmanら、国際PCT公開WO第97/26270号、Beigelmanら、米国特許第5,716,824号、Usmanら、米国特許第5,627,053号、Woolfら、国際PCT公開WO第98/13526号、Thompson,et al.,Karpeisky,et al.,Tetrahedron Lett. 39:1131,1998、Earnshaw and Gait,Biopolymers(Nucleic Acid Sciences)48:39−55,1998、Verma and Eckstein,Annu.Rev.Biochem.67:99−134,1998、ならびにBurlina,et al.,Bioorg.Med.Chem.5:1999−2010,1997を参照のこと。かかる刊行物は、触媒作用を調節することなく、糖、塩基、および/またはホスフェート修飾等を核酸分子に組み込む位置を決定するための一般的な方法および戦略を記載する。かかる教示に鑑みると、類似の修飾が、細胞内のRNAiを促進するsiRNAの能力が顕著に阻害されない限りにおいて、本発明のsiRNA核酸分子を修飾するために本明細書に記載されるように使用され得る。 オリゴヌクレオチドヌクレオチド間連結の、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、および/または5’−メチルホスホネート連結での化学的修飾が、安定性を改善する一方で、過剰な修飾は、幾つかの毒性もしくは低下した活性を引き起こし得る。したがって、核酸分子を設計する場合、これらのヌクレオチド間連結の量は、最小化されるべきである。これらの連結の濃度の低下は、毒性を低減させるはずであり、これらの分子の増大した有効性およびより高い特異性を生じる。 幾つかの実施形態において、本発明は、1つ以上のホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、モルホリノ、アミデートカルバメート、カルボキシメチル、アセトアミデート、ポリアミド、スルホネート、スルホンアミド、スルファメート、ホルムアセタール、チオホルムアセタール、および/またはアルキルシリル置換を含むホスフェート骨格修飾による修飾siRNA分子を特徴とする。骨格修飾の概説については、Hunziker and Leumann,Nucleic Acid Analogues: Synthesis and Properties,in Modern Synthetic Methods,VCH,1995,pp.331−417、およびMesmaeker,et al.,“Novel Backbone Replacements for Oligonucleotides,in Carbohydrate Modifications in Antisense Research,” ACS,1994,pp.24−39を参照のこと。 核酸分子の送達のための方法は、Akhtar,et al.,Trends Cell Bio.2:139,1992、“Delivery Strategies for Antisense Oligonucleotide Therapeutics,”ed.Akhtar,1995、Maurer,et al.,Mol.Membr.Biol.16:129−140,1999、Hofland and Huang,Handb.Exp.Pharmacol.137:165−192,1999、およびLee,et al.,ACS Symp.Ser.752:184−192,2000に記載されている。Beigelmanら、米国特許第6,395,713号、およびSullivanら、PCT WO第94/02595号は、核酸分子の送達のための一般的方法をさらに記載する。これらのプロトコルは、実質的にいかなる核酸分子の送達のためにも利用され得る。核酸分子は、当業者に公知の種々の方法によって、細胞に投与され得る(リポソームによって、イオン導入法によって、または他のビヒクル(例えば、生分解性ポリマー、ヒドロゲル、シクロデキストリン(例えば、Gonzalez,et al.,Bioconjugate Chem.10:1068‐1074,1999、Wangら、国際PCT公開WO第03/47518号およびWO第03/46185号を参照のこと)、ポリ(乳酸−コ−グリコール)酸(PLGA)およびPLCAマイクロスフェア(例えば、米国特許第6,447,796号および米国特許出願公開第US2002130430号を参照のこと)、生分解性ナノカプセル、ならびに生体接着性マイクロスフェア)への組み込みによって、あるいはタンパク質性ベクターによって(O’Hare and Normand,国際PCT公開WO第00/53722号)、内部もしくは外部へカプセル化されることが挙げられるが、これらに限定されない)。代替として、核酸/ビヒクルの組み合わせは、直接注射によって、または注入ポンプの使用によって、局所的に送達される。本発明の核酸分子の直接注射は、皮下、筋肉内、もしくは皮内であろうと、標準的な針およびシリンジの方法を使用して、またはConry et al.,,Clin.Cancer Res.5:2330−2337,1999、およびBarryら、国際PCT公開WO第99/31262号に記載されるもの等のニードルレス技術によって行い得る。本発明の分子は、薬学的薬剤として使用され得る。薬学的薬剤は、対象における疾患状態の発生を予防するか、調節するか、または対象における疾患状態を治療する(ある程度まで症状を緩和し、好ましくは、該症状の全てを緩和する)。 「RNA」とは、少なくとも1つのリボヌクレオチド残基を含む分子を意味する。「リボヌクレオチド」とは、β−D−リボ−フラノース部分の2’位においてヒドロキシル基を有するヌクレオチドを意味する。この用語には、二本鎖RNA、一本鎖RNA、単離されたRNA(例えば、部分的に精製されたRNA、本質的に純粋なRNA、合成RNA、組換え生成RNA、ならびに1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失、置換、修飾、および/もしくは変化によって、天然に存在するRNAとは異なる、変化させたRNAが含まれる。かかる変化は、例えば、該siRNAの末端に対して、または内部に(例えば、該RNAの1つ以上のヌクレオチドにおいて)、非ヌクレオチド物質を付加することを含み得る。本発明のRNA分子中のヌクレオチドはまた、天然に存在しないヌクレオチドまたは化学合成されたヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチド等の標準的ではないヌクレオチドも含み得る。これらの変化させられたRNAは、アナログもしくは天然に存在するRNAのアナログとして言及され得る。 「キャップ構造」とは、該オリゴヌクレオチドのいずれかの末端において組み込まれている化学的修飾を意味する(例えば、Adamicら、米国特許第5,998,203号を参照のこと、参照することにより本明細書に組み込まれる)。これらの末端修飾は、該核酸分子がエキソヌクレアーゼ分解しないように保護し、細胞内の送達および/もしくは局在化を補助し得る。該キャップは、5’末端(5’キャップ)もしくは3’末端(3’キャップ)において存在してもよいし、または両方の末端に存在していてもよい。非限定的な例において、該5’キャップとしては、グリセリル、逆方向デオキシ脱塩基残基(部分);4’,5’−メチレンヌクレオチド;1−(β−D−エリスロフラノシル)ヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド;炭素環式ヌクレオチド;1,5−無水ヘキシトールヌクレオチド;L−ヌクレオチド;α−ヌクレオチド;修飾塩基ヌクレオチド;ホスホロジチオエート連結;スレオ−ペントフラノシルヌクレオチド;非環式3’,4’−セコヌクレオチド;非環式3,4−ジヒドロキシブチルヌクレオチド;非環式3,5−ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、3’−3’−逆方向ヌクレオチド部分;3’−3’−逆方向脱塩基部分;3’−2’−逆方向ヌクレオチド部分;3’−2’−逆方向脱塩基部分;1,4−ブタンジオールホスフェート;3’−ホスホルアミデート;ヘキシルホスフェート;アミノヘキシルホスフェート;3’−ホスフェート;3’−ホスホロチオエート;ホスホロジチオエート;または架橋もしくは非架橋メチルホスホネート部分が挙げられるが、これらに限定されない。 該3’キャップの例としては、グリセリル、逆方向デオキシ脱塩基残基(部分)、4’,5’−メチレンヌクレオチド;1−(β−D−エリスロフラノシル)ヌクレオチド;4’−チオヌクレオチド、炭素環式ヌクレオチド;5’−アミノ−アルキルホスフェート;1,3−ジアミノ−2−プロピルホスフェート;3−アミノプロピルホスフェート;6−アミノヘキシルホスフェート;1,2−アミノドデシルホスフェート;ヒドロキシプロピル;1,5−無水ヘキシトールヌクレオチド;L−ヌクレオチド;α−ヌクレオチド;修飾塩基ヌクレオチド;ホスホロジチオエート;スレオ−ペントフラノシルヌクレオチド;非環式3’,4’−セコヌクレオチド;3,4−ジヒドロキシブチルヌクレオチド;3,5−ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、5’−5’−逆方向ヌクレオチド部分;5’−5’−逆方向脱塩基部分;5’−ホスホルアミデート;5’−ホスホロチオエート;1,4−ブタンジオールホスフェート;5’−アミノ;架橋および/もしくは非架橋5’−ホスホルアミデート、ホスホロチオエートおよび/またはホスホロジチオエート、架橋もしくは非架橋メチルホスホネートならびに5’−メルカプト部分(より詳細については、Beaucage and Lyer,Tetrahedron 49:1925,1993を参照のこと、参照することにより本明細書に組み込まれる)が挙げられるが、これらに限定されない。 「非ヌクレオチド」という用語は、糖および/またはホスフェート置換のいずれかを含み、その残りの塩基が、それらの酵素活性を示すことを可能にする、1つ以上のヌクレオチド単位の代わりに核酸鎖へ組み込まれ得る任意の基もしくは化合物を意味する。該基または化合物は、アデノシン、グアニン、シトシン、ウラシル、またはチミン等の一般に認識されるヌクレオチド塩基を含まず、したがって、1’位において塩基を欠いているという点で、脱塩基である。 本明細書で使用される、「ヌクレオチド」とは、当該分野で認識されているように、天然の塩基(標準的)および当該分野において周知の修飾塩基を含む。かかる塩基は、一般に、ヌクレオチド糖部分の1’位に位置する。ヌクレオチドは、一般に、塩基、糖、およびホスフェート基を含む。該ヌクレオチドは、該糖、ホスフェート、および/または塩基部分において非修飾であり得るか、または修飾であり得る(また、ヌクレオチドアナログ、修飾ヌクレオチド、非天然のヌクレオチド、非標準的なヌクレオチド等として交換可能に言及される;例えば、Usman and McSwiggen,上記参照;Ecksteinら、国際PCT公開WO第92/07065号;Usmanら,国際PCT公開WO第93/15187号;Uhlman&Peyman,上記参照を参照のこと、全ては、参照することにより本明細書に組み込まれる)。当該分野において公知の修飾された核酸塩基の幾つかの例があり、Limbach,et al.,Nucleic Acids Res.22:2183,1994によってまとめられる。核酸分子に導入され得る塩基修飾の非限定的な例の幾つかには、イノシン、プリン、ピリジン−4−オン、ピリジン−2−オン、フェニル、プソイドウラシル、2,4,6−トリメトキシベンゼン、3−メチルウラシル、ジヒドロウリジン、ナフチル、アミノフェニル、5−アルキルシチジン(例えば、5−メチルシチジン)、5−アルキルウリジン(例えば、リボチミジン)、5−ハロウリジン(例えば、5−ブロモウリジン)または6−アザピリミジンまたは6−アルキルピリミジン(例えば、6−メチルウリジン)、プロピン等が含まれる(Burgin,et al.,Biochemistry 35:14090,1996;Uhlman&Peyman,上記参照)。本態様における「修飾された塩基」とは、1’位のアデニン、グアニン、シトシン、およびウラシルまたはその等価物以外のヌクレオチド塩基を意味する。 「標的部位」または「標的配列」または「標的化配列」とは、該標的配列に相補的なそのアンチセンス領域内の配列を含むsiRNA構築物によって媒介される切断に対して「標的化」される標的核酸(例えば、RNA)内の配列を意味する。 siRNA分子は、DILA2アミノ酸化合物またはカチオン性脂質と複合体化され得るか、リポソーム内にパッケージされ得るか、または別の方法で標的細胞または組織に送達され得る。核酸または核酸複合体は、生体ポリマー中へのそれらの組み込みありまたはなしで、注射、注入ポンプ、またはステントを介して局所投与され得る。別の実施形態において、ポリエチレングリコール(PEG)が、本発明のsiRNA化合物、ポリペプチドに、または両方に共有結合され得る。該結合されたPEGは、任意の分子量、好ましくは、約2,000〜約50,000ダルトン(Da)であり得る。 該センス領域は、ポリヌクレオチドリンカーまたは非ヌクレオチドリンカー等のリンカー分子を介して、アンチセンス領域に接続され得る。 「逆方向反復(inverted repeat)」とは、該反復が転写された場合に、二本鎖siRNAを形成することができるように位置したセンス要素およびアンチセンス要素を含む核酸配列を指す。該逆方向反復は、任意に、該反復の2つの要素の間に、リンカー、または自己切断リボザイム等の異種配列を含み得る。該逆方向反復の要素は、二本鎖RNAを形成するに十分な長さを有する。典型的には、該逆方向反復の各要素は、約15〜約100ヌクレオチド長、好ましくは約20〜30塩基ヌクレオチド長、好ましくは、約20〜25ヌクレオチド長、例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチド長である。 「核酸」とは、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド、および一本鎖形態または二本鎖形態のそれらのポリマーを指す。この用語は、公知のヌクレオチドアナログまたは修飾骨格残基または連結を含む核酸を包含し、これらは、合成、天然に存在する、および天然に存在しない、参照核酸と類似の結合特性を有し、該参照ヌクレオチドに類似の様式で代謝される。かかるアナログの例としては、ホスホロチオエート、ホスホルアミデート、メチルホスホネート、キラル−メチルホスホネート、2’−O−メチルリボヌクレオチド、ペプチド−核酸(PNA)が挙げられるが、これらに限定されない。 「大きな二本鎖RNA」とは、約40bpより大きい、例えば、100bpより大きい、またはさらに具体的には、300bpより大きいサイズを有する任意の二本鎖RNAを指す。大きなdsRNAの配列は、mRNAのセグメントまたはmRNA全体を表し得る。大きなdsRNAの最大サイズは、本明細書において限定されない。該二本鎖RNAは、該修飾が該ホスフェート糖骨格に対してまたは該ヌクレオシドに対してであり得る修飾塩基を含み得る。かかる修飾は、窒素または硫黄、ヘテロ原子または当該分野において公知の任意の他の修飾を含み得る。 該二本鎖構造は、ヘアピンまたはマイクロRNAに対して生じるような自己相補的RNA鎖によって、または2つの異なる相補的RNA鎖のアニーリングによって、形成され得る。 「重複(overlapping)」とは、2つのRNAフラグメントが、一方の鎖上の複数のヌクレオチドによって重複する配列を有する場合であり、例えば、該複数のヌクレオチド(nt)が2〜5ヌクレオチド程度の、または5〜10ヌクレオチドまで、またはそれ以上に達する場合を指す。 「1つ以上のdsRNA」とは、一次配列に基づいて互いに異なるdsRNAを指す。 「標的遺伝子またはmRNA」とは、対象となる任意の遺伝子またはmRNAを指す。標的遺伝子またはmRNAは、発生的遺伝子および調節性遺伝子、ならびに代謝遺伝子または構造遺伝子または酵素をコードする遺伝子を含み得る。標的遺伝子は、内因性、または外因性であり得る。標的遺伝子は、表現型が調査されているこれらの細胞において、または生物において、表現型の特徴に直接的または間接的に影響を及ぼす様態において発現され得る。かかる細胞には、不死化細胞株または一次細胞培養物中に生じるような配偶子または任意の単離された細胞を含む、成体もしくは胚性動物、または植物の体の任意の細胞が含まれる。 活性薬剤の送達のための使用本発明の化合物および組成物は、上記のように、または当該分野において公知のように、任意の生理学的もしくは生物学的に活性な薬剤、ならびに活性薬剤の任意の組み合わせの送達のために使用され得る。該活性薬剤は、所望の生理学的または改善効果を提供するに十分な量において、本発明の組成物および使用において存在し得る。 本発明の化合物および組成物は、低分子化合物および薬物、ペプチド、タンパク質、抗体、モノクローナル抗体、抗体系薬物、およびワクチン薬剤を含む、哺乳動物対象において、様々な薬物薬剤および生物学的に活性な薬剤の送達を増強することに関する。 活性薬剤の例には、ペプチド、タンパク質、核酸、二本鎖RNA、増血剤、抗感染剤;抗痴呆剤;抗ウイルス剤、抗腫瘍剤、解熱剤、鎮痛剤、抗炎症剤、抗潰瘍剤、抗アレルギー剤、抗鬱剤、向精神薬、強心剤、抗不整脈薬(antiarrythmic)、血管拡張薬、抗高血圧薬、降圧利尿薬、抗糖尿病薬、抗凝固薬、コレステロール低下剤、骨粗鬆症のための治療剤、ホルモン、抗生物質、ワクチン、サイトカイン、ホルモン、増殖因子、心血管因子、細胞接着因子、中枢もしくは末梢神経系因子、体液性電解質因子(humoral electrolyte factor)、血管の有機物質(hemal organic substance)、骨増殖因子、胃腸因子、腎臓因子、結合組織因子、感覚器官因子、免疫系因子、呼吸器系因子、生殖器因子、アンドロゲン、エストロゲン、プロスタグランジン、ソマトトロピン、ゴナドトロピン、インターロイキン、ステロイド、細菌トキソイド、抗体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト化抗体、抗体フラグメント、および免疫グロブリンが含まれる。 活性薬剤の例には、エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、インスリン、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、インターフェロン、ヘパリン、ヒルゲン(hirugen)、ヒルロス、およびヒルジンが含まれる。 活性薬剤の例には、モルフィン、ヒドロモルフォン、オキシモルフォン、ラボルファノール(lovorphanol)、レバロルファン、コデイン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロゾン(nalozone)、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、またはナルブフィン(nalbufine)、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、パラメタゾン(paramethosone)、フルオシノロン、コルヒチン、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症剤 NSAID、アシクロビル、リババリン(ribavarin)、トリフルオロチミジン、Ara−A アラビノフラノシルアデニン、アシルグアノシン、ノルデオキシグアノシン、アジドチミジン、ジデオキシアデノシン、ジデオキシシチジン、スピロノラクトン、テストステロン、エストラジオール、プロゲスチン、ゴナドトロピン、エストロゲン、プロゲステロン、パパベリン、ニトログリセリン、血管作動性腸管ペプチド、カルシトニン関連遺伝子ペプチド、シプロヘプタジン、ドキセピン、イミプラミン、シメチジン、デキストロメトルファン、クロザリル、スーパーオキシドジスムターゼ、ニューロエンケファリナーゼ(neuroenkephalinase)、アムホテリシンB、グリセオフルビン、ミコナゾール、ケトコナゾール、チオコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、セファロスポリン、テトラサイクリン、アミノグルコシド、エリスロマイシン、ゲンタマイシン、ポリミキシンB、5−フルオロウラシル、ブレオマイシン、メトトレキセート、ヒドロキシ尿素、ジデオキシイノシン、フロクスウリジン、6−メルカプトプリン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、タキソール、パクリタキセル、トコフェロール、キニジン、プラゾシン、ベラパミル、ニフェジピン、ジルチアゼム、組織プラスミノゲン活性化因子TPA、上皮増殖因子EGF、線維芽細胞増殖因子FGF−酸性または塩基性、血小板由来増殖因子PDGF、トランスホーミング増殖因子TGF−αまたはβ、血管作動性腸管ペプチド、腫瘍壊死因子TNF、視床下部放出因子(hypothalmic releasing factor)、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモンTSH、副腎皮質刺激ホルモンACTH、副甲状腺ホルモンPTH、濾胞刺激ホルモンFSF、黄体形成ホルモン放出ホルモンLHRH、エンドルフィン、グルカゴン、カルシトニン、オキシトシン、カルベトシン、アルドエテコン(aldoetecone)、エンケファリン、ソマトスタチン、ソマトトロピン、ソマトメジン、α−メラニン細胞刺激ホルモン、リドカイン、スフェンタニル(sufentainil)、テルブタリン、ドロペリドール、スコポラミン、ゴナドレリン、シクロピロックス、ブスピロン、クロモリンナトリウム、ミダゾラム、シクロスポリン、リシノプリル、カプトプリル、デラプリル、ラニチジン、ファモチジン、スーパーオキシドジスムターゼ、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニンデアミナーゼ、アデノシンデアミナーゼリボヌクレアーゼ、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、ボンベシン、サブスタンスP、バソプレッシン、α−グロブリン、トランスフェリン、フィブリノゲン、β−リポタンパク質、β−グロブリン、プロトロンビン、セルロプラスミン、α2−糖タンパク質、α2−グロブリン、フェチュイン、α1−リポタンパク質、α1−グロブリン、アルブミン、およびプレアルブミンが含まれる。 活性薬剤の例には、モルフィン、ヒドロモルフォン、オキシモルフォン、ラボルファノール(lovorphanol)、レバロルファン、コデイン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロゾン(nalozone)、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、およびナルブフィン(nalbufine)等のオピオイドまたはオピオイドアンタゴニスト;コルチゾン、ヒドロコルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、パラメタゾン(paramethosone)、およびフルオシノロン等のコルチコステロン;コルヒチン、イブプロフェン、インドメタシン、およびピロキシカム等の他の抗炎症剤;アシクロビル、リババリン(ribavarin)、トリフルオロチリジン、アラ−A(アラビノフラノシルアデニン)、アシルグアノシン、ノルデオキシグアノシン、アジドチミジン、ジデオキシアデノシン、およびジデオキシシチジン等の抗ウイルス剤;スピロノラクトン等の抗アンドロゲン;テストステロン等のアンドロゲン;エストラジオール等のエストロゲン;プロゲスチン;パパベリン等の筋弛緩剤;ニトログリセリン、血管作動性腸管ペプチド、およびカルシトニン関連遺伝子ペプチド等の血管拡張剤;シプロヘプタジン等の抗ヒスタミン剤;ドキセピン、イミプラミン、およびシメチジン等のヒスタミン受容体部位遮断活性を有する薬剤;デキストロメトルファン等の鎮咳剤;クロザリル等の神経遮断薬;抗不整脈剤;抗てんかん薬;スーパーオキシドジスムターゼおよびニューロエンケファリナーゼ(neuroenkephalinase)等の酵素;アムホテリシンB、グリセオフルビン、ミコナゾール、ケトコナゾール、チオコナゾール、イトラコナゾール、およびフルコナゾール等の抗真菌剤;ペニシリン、セファロスポリン、テトラサイクリン、アミノグルコシド、エリスロマイシン、ゲンタマイシン、ポリミキシンB等の抗菌薬;5−フルオロウラシル、ブレオマイシン、メトトレキセート、およびヒドロキシ尿素、ジデオキシイノシン、フロクスウリジン、6−メルカプトプリン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、タキソール、およびパクリタキセル等の抗癌剤;トコフェロール、レチノイド、カロテノイド、ユビキノン、金属キレート剤、およびフィチン酸等の抗酸化剤;キニジン等の抗不整脈剤;ならびにプラゾシン、ベラパミル、ニフェジピン、およびジルチアゼム等の血圧降下薬;アセトアミノフェンおよびアスピリン等の鎮痛薬;ヒト化抗体、および抗体フラグメントを含む、モノクローナルおよびポリクローナル抗体;アンチセンスオリゴヌクレオチド;ならびに、RNA、調節性RNA、干渉RNA、DNA、ならびに治療用ペプチドおよびタンパク質をコードする遺伝子を含むウイルスベクターが含まれる。 投与のための組成物および製剤本明細書で使用される、「投与する」および「投与」という用語は、化合物または組成物を作用部位に直接的にまたは間接的に送達するための全ての手段を包含する。本開示の化合物および組成物は単独、または本明細書で開示されていない他の化合物、組成物、もしくは治療剤と組み合わせて投与され得る。 本発明の組成物および方法は、経口、直腸、膣、経鼻、肺内、もしくは皮内送達によるもの、または眼、耳、皮膚、もしくは他の粘膜表面への局所送達によるものを含む種々の粘膜投与様式によって、対象に投与され得る。本発明の幾つかの態様において、該粘膜組織層は、上皮細胞層を含む。該上皮細胞は、肺、気管、気管支、肺胞、鼻、口内、表皮、または胃腸のものであり得る。本発明の組成物は、機械式スプレーデバイス、および加圧式、電子作動式、または他のタイプの作動器等の作動器を用いて、投与することができる。 本発明の組成物は、鼻または肺スプレーとして水溶液中で投与され得、当業者に公知の種々の方法によって、スプレー形態で分注され得る。本発明の組成物の肺送達は、小滴、粒子、またはスプレーの形態において、達成され得、これらは、例えば、エアロゾル化、霧状、または噴霧され得る。肺送達は、該組成物を、小滴、粒子、またはスプレーの形態において、鼻または気管支経路を介して投与することによって行われ得る。該組成物、スプレー、またはエアロゾルの粒子は、液体形態または固体形態のいずれかにおいて存在し得る。鼻スプレーとして液体を分注するために好ましいシステムは、米国特許第4,511,069号において開示されている。かかる製剤は、本発明に従う組成物を水中に溶解して、水溶液を生成し、該溶液を滅菌状態にすることによって、従来通りに調製され得る。該製剤は、複数用量容器において、例えば、米国特許第4,511,069号で開示されている密封分注システムにおいて、示され得る。他の好適な鼻スプレー送達システムは、Transdermal Systemic Medication,Y.W.Chien ed.,Elsevier Publishers,New York,1985、および米国特許第4,778,810号において記載されている。さらなるエアロゾル送達形態には、例えば、圧縮空気式、ジェット、超音波式、および圧電式ネブライザーが含まれ得、これらは、薬学的溶媒、例えば、水、エタノール、またはこれらの混合物に溶解または懸濁される該生物学的に活性な薬剤を送達する。 本発明の鼻および肺スプレー溶液は、典型的には、送達される薬物、任意に、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート−80)等の表面活性剤および1つ以上の緩衝液と共に製剤化される薬物を含む。本発明の幾つかの実施形態において、鼻スプレー溶液は、噴射剤をさらに含む。該鼻スプレー溶液のpHは、約pH6.8〜7.2であり得る。使用される薬学的溶媒はまた、pH4〜6の弱酸性の水性緩衝液であり得る。他の成分は、保存剤、界面活性剤、分散剤またはガスを含む、化学的安定性を増強または維持するために添加され得る。 幾つかの実施形態において、本発明は、本発明の組成物を含有する溶液と、肺、粘膜、または鼻内スプレーもしくはエアロゾルのための作動器と、を含む薬学的製品である。 本発明の組成物の投薬形態は、液滴またはエマルジョンの形態の、またはエアロゾルの形態の、液体であり得る。 本発明の組成物の投薬形態は、固体であり得、これは、投与前に液体中で再構成され得る。該固体は、粉末剤として投与され得る。該固体は、カプセル剤、錠剤、またはゲルの形態で存在し得る。 本発明の範囲内の肺送達のための組成物を製剤化するために、該生物学的に活性な薬剤は、種々の薬学的に許容される添加剤または送達増強成分、ならびに該活性薬剤の分散のための基剤または担体と合わせられ得る。添加剤または送達増強成分の例には、アルギニン、水酸化ナトリウム、グリシン、塩酸、クエン酸、およびこれらの混合物等のpH制御薬剤が含まれる。他の添加剤または送達増強成分には、局所麻酔剤(例えば、ベンジルアルコール)、等張剤(isotonizing agent)(例えば、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール)、吸着阻害剤(例えば、Tween80)、溶解度増強剤(例えば、シクロデキストリンおよびその誘導体)、安定化剤(例えば、血清アルブミン)、ならびに還元剤(例えば、グルタチオン)が含まれる。粘膜送達のための組成物が液体である場合、該製剤の等張性は、統一性として投与される0.9%(w/v)生理食塩水溶液の等張性に関して測定される場合、典型的には、実質的な、不可逆的な組織損傷が投与部位の粘膜において誘導されない値に調節される。一般には、該溶液の等張性は、約1/3〜3、より典型的には、1/2〜2、および最も頻繁には、3/4〜1.7の値に調節される。 該生物学的に活性な薬剤は、基剤またはビヒクル中に分散され得、これは、該活性薬剤を分散させる能力を有する親水性化合物および任意の所望の添加剤を含み得る。基剤は、ポリカルボン酸またはその塩、カルボン酸無水物(例えば、マレイン酸無水物と、他のモノマー(例えば、メチル(メタ)アクリレート、アクリル酸等)とのコポリマー、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の親水性ビニルポリマー、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、ならびにキトサン、コラーゲン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、ヒアルロン酸、およびこれらの非毒性金属塩等の天然のポリマーが挙げられるが、これらに限定されない、広い範囲の好適な担体から選択され得る。生分解性ポリマーは、基剤または担体として選択され得、例えば、ポリ乳酸、ポリ(乳酸−グリコール酸)コポリマー、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ(ヒドロキシ酪酸−グリコール酸)コポリマー、およびこれらの混合物が挙げられる。ポリグリセリン脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル等の合成脂肪酸エステルは、担体として使用され得る。親水性ポリマーおよび他の担体は、単独で、または組み合わせて使用され得、増強された構造完全性が、部分的結晶化、イオン結合、架橋等によって、該担体に付与され得る。担体は、流体または粘性の溶液、ゲル、ペースト、粉末剤、マイクロスフェア、および鼻粘膜への直接適用のためのフィルムを含む種々の形態に提供され得る。この文脈において選択される担体の使用は、該生物学的に活性な薬剤の吸収の促進を生じ得る。 該生物学的に活性な薬剤は、種々の方法に従って該基剤または担体と合わせられ得、該活性薬剤の放出は、拡散、担体の分解、または水チャネルの関連製剤によってであり得る。幾つかの状況において、該活性薬剤は、好適なポリマー(例えば、イソブチル2−シアノアクリレート)から調製されたマイクロカプセル(マイクロスフェア)またはナノ粒子(ナノスフェア)に分散され(例えば、Michael,et al.,J.Pharmacy Pharmacol.43:1−5,1991を参照のこと)、鼻粘膜に適用される生体適合性分散媒体中に分散され、これにより、長時間にわたる徐放性送達および生物学的活性を生じる。 粘膜、鼻、または肺送達のための製剤は、基剤または賦形剤として、親水性低分子量化合物を含み得る。かかる親水性低分子量化合物は、通過媒体(passage medium)を提供し、この媒体を介して、生理学的に活性なペプチドまたはタンパク質等の水溶性活性薬剤が、該基剤を介して、該活性薬剤が吸収される体表面へと拡散され得る。該親水性低分子量化合物は、任意に、該粘膜または該投与雰囲気から水分を吸収し、該水溶性活性ペプチドを溶解する。該親水性低分子量化合物の分子量は、一般に、10,000以下であり、好ましくは、3000以下である。親水性低分子量化合物の例には、オリゴ糖、二糖、および単糖(スクロース、マンニトール、ラクトース、L−アラビノース、D−エリトロース、D−リボース、D−キシロース、D−マンノース、D−ガラクトース、ラクツロース、セロビオース、ゲンチビオース(gentibiose)、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびこれらの混合物を含む)等のポリオール化合物が含まれる。親水性低分子量化合物のさらなる例には、N−メチルピロリドン、アルコール(例えば、オリゴビニルアルコール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等)、およびこれらの混合物が含まれる。 本発明の組成物は、代替として、生理学的条件に近づけるために必要とされる、薬学的に許容される担体物質として、pH調節剤および緩衝化剤、等張性調節剤、および湿潤剤等、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、およびこれらの混合物を含み得る。固体組成物については、非毒性の薬学的に許容される担体が使用され得、これには、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウム等が含まれる。 本発明のある実施形態において、該生物学的に活性な薬剤は、持続放出製剤、例えば、遅延放出ポリマーを含む組成物において投与され得る。活性薬剤は、急速な放出に対して保護する担体、例えば、ポリマー、マイクロカプセル化送達系、または生体接着性ゲル等の制御放出ビヒクルと共に調製され得る。活性薬剤の長期送達は、本発明の種々の組成物において、吸収を遅延させる組成物薬剤、例えば、アルミニウムモノステアレートヒドロゲルおよびゼラチン中に含めることによって、もたらされ得る。 本発明のある実施形態において、組成物は、1つ以上の天然または合成界面活性剤を含有し得る。特定の天然界面活性剤は、ヒト肺(肺界面活性剤)中に見出され、肺胞の空気−液体界面において単層を形成し、呼息時に表面張力をほぼゼロへと低下させ、肺胞虚脱を防止するリン脂質およびタンパク質の複合混合物である。肺界面活性剤のうちの90%超(重量で)が、約40〜80%がDPPCであり、その残りが不飽和ホスファチジルコリンPOPG、POPC、およびホスファチジルグリセロールである、リン脂質から構成される。界面活性剤の残りの10%(重量で)は、表面タンパク質(SP)−A、SP−B、SP−C、およびSP−D等の血漿タンパク質およびアポプロテインから構成される。 本発明において使用され得る天然界面活性剤の例には、SURVANTA(商標)(ベラクタント)、CUROSURF(商標)(ポラクタントα)、およびINFASURF(商標)(カルファクタント)、ならびにこれらの混合物が含まれる。 合成界面活性剤の例には、シナプルチド(sinapultide);ジパルミトイルホスファチジルコリン、パルミトイルオレオイルホスファチジルグリセロール、およびパルミチン酸の混合物;SURFAXIN(商標)(ルシナクタント(lucinactant));ならびにEXOSURF(商標)(コルフォスセリル(colfosceril));チロキサポール、DPPC、およびヘキサデカノールを含有し得る成分;ならびにこれらの混合物が含まれる。 送達組成物を作製する方法には、エタノール注入法、および規定された細孔径の積層(stacked)ポリカーボネート膜フィルタを備えるNorthern Lipids Lipex Extruderシステムを用いる押し出し法が含まれる。プローブチップおよびバス超音波処理器を使用する超音波処理は、均一の大きさの脂質粒子を生成するために使用され得る。均質かつ単分散性粒径は、該核酸成分を添加することなく得られ得る。体外の形質移入組成物については、該核酸成分は、形質移入剤が作製され、緩衝剤成分によって安定化した後に、添加され得る。生体内の送達組成物については、該核酸成分は、該製剤の一部である。 本発明の組成物および製剤は、種々の経路によって、例えば、静脈内経路、非経口経路、または腹腔内経路を介した全身送達をもたらすために投与され得る。幾つかの実施形態において、薬剤は、細胞内に、例えば、肺もしくは肝臓等の標的組織の細胞に、または炎症組織に送達され得る。対象の細胞を取り出し、取り出された細胞に薬剤を送達し、該細胞を対象に再導入することによる、薬剤の送達のための組成物および方法が、本開示内に含まれる。幾つかの実施形態において、本発明は、生体内で薬剤を送達するための方法を提供する。組成物は、対象に、静脈内、皮下、または腹腔内投与され得る。幾つかの実施形態において、本発明は、哺乳動物対象の肺へ薬剤を生体内で送達するための方法を提供する。 本開示の活性薬剤リポソーム組成物は、生体内で薬学的組成物において使用され得る。対象への本開示の活性薬剤リポソーム組成物の投与は、非経口、経口、吸入による、局所、粘膜、直腸、または口腔経路であり得る。非経口用は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内(intersternal)、くも膜下内、病巣内、および頭蓋内注射もしくは注入技術を含む。 特定の疾患を治療するための本開示の有効な量の活性薬剤リポソーム組成物は、一般に、疾患の症状を改善するか、または軽減するのに十分な量である。該組成物は、単回投与として投与され得るか、または繰り返し投与によって投与され得る。 さらなる実施形態本明細書に引用される全ての刊行物、参考文献、特許、特許公開、および特許出願はそれぞれ、その全体が参照することにより本明細書に具体的に組み込まれる。 本発明は、特定の実施形態に関連して記載し、多くの詳細が例示目的で示されたが、本発明がさらなる実施形態を含み、本明細書に記載される詳細のうちの幾つかが、本発明から逸脱することなく、大幅に変化し得ることは、当業者にとって明らかであろう。本発明は、このようなさらなる実施形態、修飾、および等価物を含む。特に、本発明は、種々の例示的成分および例の特徴、用語、または要素の任意の組み合わせを含む。 本発明および特許請求の範囲を記載するにあたって、「a」、「an」、「the」という用語、および類似の用語の本明細書での使用は、単数形および複数形の両方を含むと解釈されるべきである。 「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含有する(containing)」という用語は、例えば、「〜が挙げられるが、これらに限定されない」を意味する、限定的でない用語として解釈されるべきである。故に、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含有する(containing)」等の用語は、包括的であって、排他的ではないと解釈されるべきである。 本明細書中の値の範囲の記載は、範囲内の値のうちの幾つかが明確に記載されようとそうでなかろうと、本明細書に個々に記載されているかのように、範囲内に入る各値および任意の別個の値に個々に言及する。例えば、「4〜12」という範囲は、値5、5.1、5.35、および4以上12以下の任意の他の自然数、整数、分数、または有理数を含むが、これらに限定されない。本明細書において使用される特定の値は、例示として理解され、本発明の範囲を限定するとは理解されない。 本明細書中の炭素原子数の範囲の記載は、範囲内の値のうちの幾つかが明確に記載されようとそうでなかろうと、本明細書に個々に記載されているかのように、範囲内に入る各値および任意の別個の値に個々に言及する。例えば、「C1−22」という用語は、種C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、およびC22を含むが、これらに限定されない。 本明細書に提供される技術用語の定義は、記載されていなくても、当業者に公知のこれらの用語と関連した意味を含むと解釈されるべきであって、本発明の範囲を限定するとは意図されない。本明細書に提供される技術用語の定義は、代替的な定義が本明細書に提供される定義と矛盾する限りにおいて、当該分野での代替的な定義または参照することにより本明細書に組み込まれる定義に優先すると解釈されるものとする。 本明細書に与えられる実施例、および本明細書に使用される例示的な言葉は、例示目的に過ぎず、本発明の範囲を限定することは意図しない。 例の列挙(例えば、本発明に好適な化合物または分子の列挙)が与えられる場合、列挙された化合物または分子の混合物もまた好適であることは、当業者に明らかであろう。 実施例実施例1RNA含有リポソーム製剤を調製するための方法本実施例は、RNA含有リポソーム製剤を作製するための方法の実施形態を記載する。この方法に使用される幾つかの材料を以下にまとめる。 C18:1−ノルArg−C16(パルミトイルオレイルノルアルギニン、PONA)(MDRNA,Inc.)(式量683.3)1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](アンモニウム塩)(DMPE−PEG2k)(Genzyme Pharmaceuticals,Cambridge,Mass.)コレステロール(Solvay Pharmaceuticals)コレステリルヘミサクシネート(CHEMS)GMP(Merck Eprova AG)エタノール(無水,200 試験済み強度);注射用滅菌水リン酸ナトリウム:一塩基、無水、二塩基、無水スクロース、99+%5N 水酸化ナトリウム;2N 塩酸;氷酢酸トロメタミン(Tris)USP等級(Research Organics)150mL 最大体積0.2μm フィルタボトル、PES目盛り付きレイニン 20μL、200μL、および1mL ピペッターIsoディスクフィルタ PTFE25−10コールパーマー(Cole−Parmer)インライン静的ミキサーWatson Marlow 520 Diポンプ;Watson Marlow 523ポンプ;FiltertecポンプVivaflow 50 100,00 MWCO PES(Sartorius)スライド−a−ライザー透析カセット10,000 MWCO(Pierce)緩衝溶液スクロースリン酸塩(SUP)製剤緩衝液(20mM リン酸ナトリウム、215mM スクロース、pH7.4)は、以下のように調製した。2.17g 無水一塩基リン酸ナトリウムおよび8.79g 無水二塩基リン酸ナトリウムを、目盛り付きメスシリンダー中の3600mLのMilli−Q DI水に添加し、撹拌棒で徹底的に混合した。pHは、5N 水酸化ナトリウムまたは2N 塩化水素を用いてpH7.4まで調節した。294.38g スクロースをゆっくりと添加し、完全に溶解させた。最終水体積は、4Lまで調節した。溶液を0.2μm フィルタで濾過した。 90%v/vエタノールUSP中のリポソーム形成分子の25mM原液は、以下のように調製した。90mLのエタノールUSP(200 proof)を、清潔な加圧滅菌した100mLパイレックス(登録商標)製のボトルに分注した。エタノールに、1291μmolのC18:1−ノルArg−C16(PONA)、721.6umolのコレステリルヘミサクシネート(CHEMS)粉末、61.7umolのDMPE−PEG2K粉末、および515umolのコレステロールを連続して添加した。材料を、溶液にそれぞれ添加し、撹拌棒で徹底的に混合した。混合物は、15分間超音波処理した。10mLの注射用滅菌水USPを、徹底的に混合しながら添加した。原液は、ISO−DISCフィルタPTFE−25mm、1um 細孔径を通して濾過した。原液は、80℃で保管し、蒸発光散乱検出器を用いて逆相HPLCによってDILA2アミノ酸化合物および脂質成分について分析した。 siRNA原液は、注射用滅菌水中で以下のように調製した。5mLの注射用滅菌水を、滅菌15mLのFalconチューブに分注した。100mgのsiRNA粉末を、チューブに添加し、徹底的にボルテックスで撹拌した。溶液は、10mL 注射器を用いて、0.22uM Millex GPフィルタユニットを通して濾過した。siRNA溶液は、−20℃で保管し、純度および1:1000の希釈での濃度についてOD(A260およびA280)によって試験した。 Watson Marlow 520Di蠕動ポンプは、40mL/分の流量に調整した。ポンプは、210rpmに設定され、チューブから取り外した。40mLの90%エタノールを、ラインをすすぐために送り出した。エタノールは、15秒間ビーカーに注入し、mL/分の流量を決定するために計量した。ポンプ速度は、40±0.5mL/分の流量を供給するように調節した。siRNAおよびスクロースリン酸塩溶液用のポンプは、同様の様態で調整した。 3つの溶液を用いて、以下のようにsiRNA製剤を調製した。(a)ポンプで流す第1の溶液は、siRNA溶液であった。第1の溶液は、50mLの円錐管中でSUP緩衝液を用いてsiRNAを希釈し、徹底的にボルテックスで撹拌することによって作製した。(b)ポンプで流す第2の溶液は、DILA2アミノ酸化合物+3つの脂質の溶液であった。以下の脂質:CHEMS、コレステロール、およびDMPE−PEGを含有する、90%エタノール中の混合脂質ストックを調製した。脂質ストックに、DILA2アミノ酸化合物を添加した。脂質ストックに、注射用滅菌水中でトリスのアリコートを添加し、溶液中で1:1 トリス:CHEMSモル濃度を作製した。ポンプで流す第2の溶液は、容積式ピペットを用いて、50mLの円錐管にピペットし、90%エタノールで希釈し、徹底的にボルテックスで撹拌することによって、混合脂質ストックを用いて作製した。(c)ポンプで流す第3の溶液は、SUP緩衝溶液であった。 siRNA製剤は、以下のように調製した。第1のsiRNA溶液およびリポソーム形成分子の第2の溶液を、同時に、衝突流にポンプで注入した。流出する衝突流の初めの1mLは、廃棄し、次いで、siRNA製剤を、容器内に収集した。Watson Marlow 323ポンプを用いて、SUP緩衝溶液を容器に注入し、約33%のエタノール濃度に調節した。容器内のsiRNA製剤は、磁気撹拌プレート上にて1時間、緩やかに撹拌させながら培養した。 培養した後、製剤は、10,000MWCOで、Pierceスライド−a−ライザー透析カセットに取り込み、100倍量のSUPに対して、4℃で12〜18時間透析濾過した。 本実施例は、接線流および透析濾過によってRNA含有リポソーム製剤を作製するための方法の実施形態をさらに記載する。最後の透析濾過ステップを、接線流濾過(TFF)プロセスに置き換えることを除いては、上記のようにsiRNA製剤が提供された。 siRNA製剤を、磁気撹拌プレート上にて2分間、緩やかに撹拌させながら10%(v/v)最終エタノール濃度に希釈した。 Sartorius Vivaflow 50 100,000 MWCO PES膜を用いたTFFシステムを、50mLの70%エタノール USPですすぎ、次いで、60mL/分のポンプ流量で、100mLの70%エタノールを用いて再循環した。TFFシステムを、50mLの滅菌水ですすぎ、次いで、60mL/分のポンプ流量で、100mLの滅菌水を用いて再循環した。TFFシステムを、50mLのSUPですすぎ、次いで、60mL/分のポンプ流量で、100mLのSUPを用いて再循環した。 希釈siRNA製剤を、TFF容器に取り込み、0.5mg/mLの最終siRNA濃度(フィード圧約20psi、保持圧0.2psi未満、および約2mL/分の透過流量)になるまで5回濃縮した。膜の1cm2当たり、最大1mgの、リポソーム組成物に製剤化されるsiRNAを処理した。 濃縮siRNA製剤は、5倍量のSUPに対して透析濾過することによって濾過し、2mL/分の流量で、エタノールを除去した。 濃縮siRNA製剤は、1mg/mLのsiRNAで、所望の倍量までさらに濃縮した。 本実施例は、siRNAリポソーム製剤の除菌によってRNA含有リポソーム製剤を作製するための方法の実施形態をさらに記載する。siRNA製剤を、上記のように提供した。10mLのsiRNA製剤は、10mL ポリプロピレン製注射器に吸い上げ、気泡を除去した。siRNA製剤は、0.22uM Millex GPフィルタユニットを通して濾過した。10mgのsiRNA製剤(1mg siRNA/mL)は、注射器に中圧を伴い、Millex GPフィルタユニットを通して濾過した。本薬物産物の1mLのアリコートを、使用前、80℃で、3mLのI型滅菌ガラス製バイアル中に保管した。 実施例2siRNAリポソーム製剤本開示のリポソームsiRNA製剤の実施形態の一例を表6に示す。実施例3RNA含有リポソーム組成物における、物理的プロセスパラメータの影響本実施例において、siRNAリポソーム組成物の特性における、収集、培養、および反応停止についての特定のプロセスパラメータの影響を、観察した。組成物は、実施例1に記載の基本プロトコルを用いることによって調製した。 各実施例において、組成物の活性薬剤は、ApoBを発現抑制するためのdsRNAであった。リポソーム形成成分は、脂質コレステリルヘミサクシネート(CHEMS,Anatrace,CH210)、コレステロール(Anatrace CH200)、およびDMPE−PEG2k(Genzyme)に加えて、DILA2アミノ酸化合物C18:1−ノルArg(NH3Cl)−C16を含有するエタノール−水溶液であった。 第1の実施例において、リポソーム粒径および分散度に対する、収集ステップでの有機溶媒の濃度の影響を、表7に示されるように観察した。有機溶媒エタノールの濃度は、流量および移送管径から算出した。表7の各製剤に対する培養時間は、4時間であった。表7の結果は、一般に、収集リザーバ中の有機溶媒エタノールの濃度が増加するにつれて、リポソーム粒子の大きさが増加することを示した。また、有機溶媒の濃度が増加するにつれて、粒径分布の分散度も増加した。表7の結果は、活性siRNA薬剤の高レベルのカプセル化が、pH7.4で、衝突流および収集リザーバの混合物から調製されたリポソーム組成物で達成されたことを示した。 第2の実施例において、生体内マウスにおいて、リポソームsiRNA製剤の遺伝子発現抑制活性における培養時間の影響を観察した。ApoB遺伝子発現抑制活性は、リポソーム製剤に対する生体内マウス肝臓において決定した。ApoBを発現抑制するための幾つかのRNAi薬剤が、WO第08/109357号に記載されている。 ApoB遺伝子発現抑制活性は、特定のリポソーム製剤に対する生体内マウス肝臓において決定し、マウス血清コレステロール値と比較した。生体内でのApoB mRNAの低減活性および生体内での対応する血清コレステロールの低減を、表8に示す。表8の各リポソーム製剤は、[C18−ノルArg−C16/CHEMS/chol/DMPE−PEG2k(50/28/20/2)]であった。それぞれの場合の用量は、1.0mg/kg/日であった。各製剤は、流量および移送管径に基づいて収集リザーバ中で33%のエタノール濃度で調製した。表8の結果は、培養時間が増加するにつれて、ApoB遺伝子発現抑制RNAi薬剤を含有するリポソーム製剤に対する生体内での遺伝子発現抑制ノックダウン活性が有利な値まで増加したことを示した。 第3の実施例において、リポソームsiRNA製剤の生体内での遺伝子発生の抑制活性に対する培養時間の影響を、表9に示されるように観察した。これらの実験において、リポソームsiRNA製剤は、TFF濾過ではなく透析で調製した。組成物は、pH7.4で、衝突流および収集リザーバの混合物で調製した。収集リザーバ中の有機溶媒エタノールの濃度は、表9に示されるように30〜36%で変化させた。表9の各リポソーム製剤は、[C18−ノルArg−C16/CHEMS/chol/DMPE−PEG2k(50/28/20/2)]であった。表9の結果は、培養時間が使用された場合、ApoB遺伝子発現抑制RNAi薬剤を含有するリポソーム製剤における生体内マウス遺伝子発現抑制活性が、有利な値まで著しく増加したことを示した。 第4の実施例において、それらの生体内マウス遺伝子発現抑制活性に対するリポソームsiRNA製剤の反応停止処理の影響を、表10に示されるように観察した。これらの実験において、リポソームsiRNA製剤は、pH7.4で、1時間の培養時間で、衝突流および収集リザーバの混合物で調製した。収集リザーバ中の有機溶媒エタノールの濃度を、表10に示されるように、33%からより低い濃度で反応停止処理した。表10中の各リポソーム製剤は、[C18−ノルArg−C16/CHEMS/chol/DMPE−PEG2k]であった。製剤の安定性は、反応停止してから1時間後および48時間後、平均粒径およびsiRNA活性薬剤のカプセル化を測定することによって決定した。表10の結果は、RNAi薬剤を含有するリポソーム製剤が、約25%より低いエタノール濃度まで、反応停止してから48時間にわたって安定した平均粒径およびRNAi薬剤の高レベルのカプセル化を維持したことを示した。 実施例4培養によって調製されるリポソーム組成物に対するpHの影響本実施例において、リポソーム組成物の調製に対するpHの影響を観察した。組成物は、実施例1に記載の基本プロトコルを用いて、衝突および培養することによって調製した。 活性薬剤は、水溶液中で1mg/mLに調製されたApoBを発現抑制するためにdsRNAであった。 リポソーム形成成分は、脂質コレステリルヘミサクシネート(CHEMS,Anatrace,CH210)、コレステロール(Anatrace CH200)、およびDMPE−PEG2k(Genzyme)に加えて、DILA2アミノ酸化合物C18:1−ノルArg(NH3Cl)−C16を含有するエタノール溶液であった。DILA2アミノ酸化合物および脂質の相対量(50/28/20/2)は、組成物(C18:1−ノルArg(NH3Cl)−C16/CHEMS/コレステロール/DMPE‐PEG2k)における、DILA2アミノ酸化合物+脂質の総量に対して各成分のパーセント(w/w)を示す。 表11に示されるように、128〜137nmのZ平均粒径を有するdsRNA製剤を、pH7.4およびpH4の両方で作製した。表11の製剤を作製するためのプロトコルは、緩衝液を衝突流に添加し、約33%にエタノール濃度を調節し、乱流混合することである。流れを収集し、収集混合物を、1時間培養した。要約して言えば、表11に示される結果、ならびに実施例3の表7、9、および10に示される結果は、リポソームカプセル化RNAi誘導薬剤の製剤は、7.4のpHで調製されたことを示した。 実施例5流量制御によるRNA含有リポソーム組成物の調製本実施例において、リポソーム組成物は、RNAi薬剤溶液およびリポソーム形成成分の溶液の流量を用いて、衝突流の組成物を制御することによって調製した。組成物は、追加のSUP緩衝液を用いずに、RNAi薬剤溶液およびリポソーム形成成分の溶液の流量を調整して、収集リザーバ中の有機溶媒およびRNAi薬剤の特定の濃度を達成することを除いては、実施例1に記載の基本プロトコルを用いて、衝突および培養することによって調製した。製剤は、収集され、1時間培養された、衝突流を用いて調製した。pHは7.4であり、活性薬剤は、ApoBを発現抑制するためにdsRNAであった。 リポソーム形成成分は、脂質コレステリルヘミサクシネート(CHEMS,Anatrace,CH210)、コレステロール(Anatrace CH200)、およびDMPE−PEG2k(Genzyme)に加えて、DILA2アミノ酸化合物C18:1−ノルArg(NH3Cl)−C16を含有するエタノール溶液であった。DILA2アミノ酸化合物および脂質の相対量は、(50/28/20/2)であった。 表12に示されるように、dsRNA製剤は、RNAi薬剤溶液の流量/リポソーム形成成分の溶液の流量の比の1.7:1、3:1、および5:1を用いて調製した。表12の結果は、ApoB生体内マウスに対して活性薬剤の良好なカプセル化および遺伝子発現抑制活性を有するリポソーム組成物が、RNAi薬剤溶液の流量/リポソーム形成成分の溶液の流量比の約2〜約5で調製されたことを示した。 表12の結果は、80nm程度の低粒径分散度を有する平均粒径が、RNAi薬剤溶液の流量/リポソーム形成成分の溶液の流量の比の約3〜約5で達成されたことを示す。 実施例6RNA含有リポソーム組成物の濾過本実施例において、リポソーム組成物の調製における、接線流濾過による活性RNAi薬剤の濃縮の効果を観察した。組成物は、収集リザーバ中で22%のEtOHで衝突流を収集し、30分間培養することによって、実施例1に記載の基本プロトコルを用いて、pH7.4で調製した。組成物は、接線流濾過のために、10%のEtOH濃度まで反応停止した。 リポソーム形成成分は、脂質コレステリルヘミサクシネート(CHEMS,Anatrace,CH210)、コレステロール(Anatrace CH200)、およびDMPE−PEG2k(Genzyme)に加えて、DILA2アミノ酸化合物C18:1−ノルArg−C16を含有するエタノール溶液であった。DILA2アミノ酸化合物および脂質の相対量は、(50/28/20/2)であった。 製剤は、Amersham PESカラムを用いて接線流濾過によって濾過した。表13に示されるように、組成物は、接線流濾過下で、最大16の因子で活性RNAi薬剤の濃縮を行って、粒径および活性RNAi薬剤のカプセル化について、安定性を保った。活性RNAi薬剤の最終濃度は、最大5mg/mlであった。実施例7RNA含有リポソーム組成物の安定性本実施例において、リポソーム組成物の安定性を、昇温で7日間保持した後、観察した。組成物は、実施例1に記載の基本プロトコルを用いて、衝突させ、1時間培養っせることによって調製した。乱流混合管を使用し、収集リザーバ中のEtOH濃度は、33%であった。調製後、製剤は、45℃の温度で、7日間保持した。7日後、平均粒径は、116nmであり、カプセル化は、71%であった。加熱処理した製剤については、ApoB生体内マウスの遺伝子発現抑制活性の喪失は、7日後には観察されなかった。 実施例8ペプチド結合領域カチオン性ペプチドのRNAi誘導薬剤への結合の相対強度は、染色結合アッセイを用いて測定した。 RNAi誘導薬剤は、20μg/mlの原液を作製するために10ml中で7.8μL、次いで、75μL/ウェルで調製した。SYBR金の希釈は、2.5X原液のために、1:4000の希釈で、15mL中で3.75μLで調製した。 ペプチドは、5% デキストロースを用いてHepes緩衝液中に溶解し、希釈した。ペプチドは、75μLを各ウェルに添加して、所望のN:P(0〜4の範囲)を得るようにさらに希釈した。ペプチドは、50%の純度を有すると推定されたが、実際のペプチド量は、不明であった。 SYBR金の染色結合アッセイを行った。96ウェルプレートは、1ウェル当たり150μLの試料容量を用いてアッセイした。最終dsRNA濃度は、pH7.4で、10mM hepes/5%デキストロース中で10μg/mLであった。ペプチドは、等容量を添加して、異なるN/P比を達するように、異なる作業用溶液に希釈した。添加手順については、dsRNAは、最初に、添加し(20μg/mlの75μl)、次いで、150μlの2.5X SYBR金を添加した。次いで、ペプチド(75μL)を添加し、SYBR染色を完全に取り除いた。全容量は、300μLであった。蛍光は、緩衝液中で、単独で染色のバックグラウンドから修正された。SYBR金 ex/emは、495nm/537nmであり、Molecular Devicesプレートリーダー上で読み取った。 製剤粒径は、Wyatt粒径測定装置を用いて試験するべき384ウェルプレートに移送することによって決定された。96ウェルプレートの各ウェルは、二重で移送された。プレート中の残存している容量は、200μlであった。 ペプチド放出は、必要に応じて、ジスルフィド還元または酵素的切断によって引き起こされた。システイン終端ペプチドは、グルタチオン還元によって切断可能であった。V−Cit含有ペプチドは、カテプシンBによる酵素的切断によって切断可能であった。グルタチオンは、細胞内に0.1〜10mMで存在し、カテプシンBは、リソソーム中で1mMであった。(0.14ng/μlで、カテプシンBについては、Teich et al BMC Gastroenterology 2002, 2:16を参照のこと)。 放出のために、適切な分子を、重複したウェルのうちの1つに、1mMの最終濃度に添加し、次いで、経時的にSYBR金の蛍光の測定を行った。 図6に示されるように、ポリアルギニン結合領域のdsRNAへの結合は、ポリアルギニン結合領域の長さと共に増加した。図6において、最強の結合(SYBR金の染色を変位させる最大能力)が、PN3499、ペプチド(配列番号353)RRRRRCCRRRRRで観察され、これは、合計10個のアルギニンを含有する二量体ペプチドであった。 実施例9A549細胞におけるPPIB遺伝子発現ノックダウンにおける体外アッセイシクロフィリンB(PPIB)遺伝子ノックダウン測定は、干渉RNA送達製剤のための一次活性ベースの体外アッセイとして使用され得る。典型的には、測定は、軽微な変形を伴い、以下に記載されるようになされた。 シクロフィリンB(PPIB)遺伝子発現ノックダウンを、A549ヒト肺胞基底上皮細胞において測定した。PPIB遺伝子ノックダウン測定のために、A549細胞を、干渉RNA製剤で形質移入し、総RNAを、形質移入から24時間後に調製し、PPIB mRNAを、RT−PCRによってアッセイした。36B4(酸性リボソームリンタンパク質PO)mRNA発現のQRT−PCRを、正規化のために行った。 A549細胞を、7,500細胞/ウェル(96ウェル)で播種し、培地中で一晩培養した。形質移入時のコンフルエンシーは、約50%であった。形質移入複合体を、干渉RNAを培地(OptiMEM(商標))に添加し、ボルテックスで撹拌し、送達製剤を培地(OptiMEM(商標))に別個に添加し、ボルテックスで撹拌し、最後に、該培地中の干渉RNAと、該培地中の送達製剤とを混合し、室温で20分間培養して、該形質移入複合体を作製することによって、調製した。培養した細胞のための培地を、新たなOptiMEM(商標)で置き換え、形質移入複合体を各ウェルに添加した。細胞を、5時間、37℃および5% CO2で培養し、次いで、完全培地を、(最終ウシ胎児血清濃度10%になるまで)添加し、培養を、形質移入から24時間後まで継続した。 PPIB遺伝子ノックダウンのために、細胞を溶解し、RNAを調製した(Invisorb RNA Cell HTS 96−Kit/C,Invitek,Berlin、またはRNeasy 96 Kit,Qiagen)。定量的RT−PCRを、DNA Engine Opticon2サーマルサイクラー(BioRad)でOne−Step qRT−PCRキット(Invitrogen)を用いて行った。 PPIBのために使用したプライマーは、以下であった。(配列番号354)5’−GGCTCCCAGTTCTTCATCAC−3’(順方向)および(配列番号355)5’−CCTTCCGCACCACCTC−3’(逆方向)と、(配列番号356)該プローブのための、5’−FAM−CTAGATGGCAAGCATGTGGTGTTTGG−TAMRA−3’。 36B4については、プライマーは、以下であった。(配列番号357)5’−TCTATCATCAACGGGTACAAACGA−3’(順方向)および(配列番号358)5’−CTTTTCAGCAAGTGGGAAGGTG−3’(逆方向)と、(配列番号359)該プローブのための、5’−FAM−CCTGGCCTTGTCTGTGGAGACGGATTA−TAMRA−3’。 本開示の幾つかの二本鎖RNA(dsRNA)の構造を表14に示す。表14において、「mU」は、2’−O−メチルウリジンを表し、「s」は、ホスホロチオエート連結を表す。 実施例10層状担体および刺激応答ペプチドを用いたPPIB遺伝子発現ノックダウンRNAi誘導薬剤のためのナノ粒子担体を、A549細胞における、PPIB遺伝子ノックダウン活性に対して試験した。dsRNA RNAi誘導薬剤と刺激応答ペプチドとの二元複合体は、まず、特定のN/P比で形成された。エンドソーム溶解性薬剤を添加し、N/P比を最終地に調整した。 層状担体の製剤は、一般に、最初に、HEPES/デキストロース緩衝液中にdsRNAをボルテックスで撹拌することによって調製した。刺激応答ペプチドを、複合体dsRNAにボルテックスで撹拌しながら添加した。複合体は、15分間培養した。グルタルアルデヒドを添加し、コアを1.5時間架橋させた。反応物を、1Mのトリス緩衝液pH7.4を添加することにより反応停止させた。エンドソーム溶解性薬剤を添加し、担体混合物を、細胞に添加する前に、15分間培養した。 刺激応答ペプチドを含む層状担体を用いて、PPIB遺伝子発現ノックダウン測定を、表15に示す。表15の結果は、刺激応答ペプチドを含む担体が、エンドソーム溶解性薬剤の存在下で、活性dsRNA薬剤を細胞に送達するのに有効であり、有意な遺伝子発現抑制効果を生じることを示す。本実施例において使用された物質は以下の通りであった。PN4110配列番号373WWHHKKRRCCRRKKHHWWPN3033(diINF7)配列番号374NH2−GLFEAIEGFIENGWEGMIDGWYGC−CO2H刺激応答ペプチドを含む層状担体を用いて、PPIB遺伝子発現ノックダウン測定における最終N/P比の効果を、表16に示す。表16の結果は、刺激応答ペプチドを含む担体が、エンドソーム溶解性薬剤の存在下で、活性dsRNA薬剤を細胞に送達するのに有効であり、有意な遺伝子発現抑制効果を生じることを示す。さらに、表16の結果は、刺激応答ペプチドを含む層状担体に対する体外ノックダウンが、2.5〜3.5のさらに低い最終N/P比で増加されることを示す。実施例11有利に低い送達効率比を有する担体粒子担体ナノ粒子のバッチは、PN4110で濃縮したDX4227を用いて調製した。バッチの送達効率比は、0.63であった。粒径は、223nm(Z平均、PDI0.2)であった。 担体ナノ粒子のバッチは、PN183で濃縮したDX4227を用いて調製した。バッチの送達効率比は、1.28であった。粒径は、208nm(Z平均、PDI0.2)であった。 本実施例において使用された物質は以下の通りであった。 PN183配列番号375NH2−KETWWETWWTEWSQPGRKKRRQRRRPPQ実施例12担体粒子を取り込んだアミノ酸脂質から調製されたリポソーム製剤アミノ酸脂質を有するRNAi薬剤のリポソーム製剤を、表17に示す組成物で調製した。ApoBを対象とするRNAi薬剤は、WO第08/109357号に記載される。実施例13ペプチド縮合担体粒子を取り込んだアミノ酸脂質から調製されたリポソーム製剤を用いた体外HepG2細胞におけるApoB遺伝子発現抑制ノックダウンApoB遺伝子発現抑制活性を、ペプチド縮合担体粒子を取り込んだアミノ酸脂質から調製されたリポソーム製剤のために体外において決定した。ApoB遺伝子ノックダウン活性は、HepG2細胞における、体外アッセイから得られた。製剤のための正規化ApoB mRNA発現値を測定した。 HepG2アッセイについての方法およびプロトコルは、以下の通りであった。 1日目:25μLの複合体を、ウェルに添加し、次いで、75μL 細胞を、10% FBSを有するDMEM中または血清のないOPTIMEM中のウェルに添加した。血清のないOPTIMEM中の場合、20% 血清を有する100μLの完全培地を、最終10% FBS濃度で、4〜5時間後に添加した。 2日目:3日目に、細胞を24時間溶解し、RNAを調製し、qRT−PCRを、ApoBおよび36B4に対して行うか、またはGAPDH mRNAを行った。 リポソーム製剤[C18:1−ノルArg−C16/CHEMS/chol/DMPE−PEG2k(50/32/16/2)]を調製し、C18:1−ノルArg−C16は、米国特許出願第12/114,284号に記載のアミノ酸脂質であった。リポソーム製剤は、ペプチド縮合担体粒子DX4227/PN4110を取り込んだ。初期N/P比は、0.8であった。本製剤は、100nMのDX4227 RNAi薬剤の濃度に対するQnegと比較して、91%ノックダウンを示した。 さらなるリポソーム製剤[C18:1−ノルArg−C16/CHEMS/chol/DMPE−PEG2k(50/32/16/2)]を調製し、表18に示されるように、ペプチド縮合担体粒子DX4227/PN183を取り込んだ。表18に示されるように、これらの製剤は、25nMおよび2.5nMのDX4227 RNAi薬剤の濃度に対するQnegと比較して、有利に高いノックダウン活性を示した。 実施例14ペプチド縮合担体粒子を取り込んだアミノ酸脂質から調製されたリポソーム製剤を用いた生体内でのApoB遺伝子発現抑制ノックダウンリポソーム製剤を、ApoB遺伝子発現抑制RNAi薬剤を含有するペプチド縮合担体粒子を取り込んだアミノ酸脂質で調製した。ApoB遺伝子発現抑制活性は、これらのリポソーム製剤に対する生体内マウスにおいて決定し、マウス血清コレステロール値と比較した。生体内でのApoB mRNAの低減活性および生体内での対応する血清コレステロールの低減を、表19に示す。表19のリポソーム製剤は、[C18:1−ノルArg−C16/CHEMS/chol/DMPE−PEG2k(50/32/16/2)]であり、それぞれの場合の用量は、2mg/kgであった。表19の結果は、ApoB遺伝子発現抑制RNAi薬剤を含有するペプチド縮合担体粒子を取り込んだリポソーム製剤が、ペプチド縮合担体粒子を有さない同一の製剤と比較して、投与から48時間後に、一般に高い体重増加のため、マウスにおいて、有利に良好な耐容性を示すことを示す。 さらに、表19の結果は、ペプチド縮合担体粒子を取り込んだリポソーム製剤が、ApoB mRNAの低減および血清コレステロールの低減の両方に関して、生体内でのApoB遺伝子発現抑制に対して、有利に高い活性であったことを示す。表19の結果は、より高い初期N/Pの1.0およびより低い最終N/Pの0.6〜0.7が好ましいことを示す。 さらなるリポソーム製剤は、ApoB遺伝子発現抑制RNAi薬剤を含有するペプチド縮合担体粒子を取り込んだアミノ酸脂質で調製した。ApoB遺伝子発現抑制活性は、これらのリポソーム製剤に対する生体内マウスにおいて決定し、マウス血清コレステロール値と比較した。生体内でのApoB mRNAの低減活性および生体内での対応する血清コレステロールの低減を、表20に示す。表20のペプチド縮合担体粒子を取り込んだリポソーム製剤については、製剤3の送達効率比が、9.21であり、製剤4の送達効率比が、9.86であった。 表20の結果は、ApoB遺伝子発現抑制RNAi薬剤を含有するペプチド縮合担体粒子を取り込んだリポソーム製剤が、ペプチド縮合担体粒子を有さない同一の製剤の体重減少と比較して、投与から48時間後に、一般に高い体重増加のため、マウスにおいて、有利に良好な耐容性を示すことを示す。 さらに、表20の結果は、ペプチド縮合担体粒子を取り込んだリポソーム製剤が、ApoB mRNAの低減および血清コレステロールの低減の両方に関して、生体内でのApoB遺伝子発現抑制に対して、有利に高い活性であったことを示す。 活性薬剤を含む組成物を作製するためのプロセスであって、 a) 活性薬剤の水性緩衝溶液を含む第1の流れを提供することと、 b) 水と混合できる有機溶媒、アルカノール、(C1−6)アルカノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、secブタノール、t−ブタノール、アルカノール水、エタノール水、アセトニトリル、アセトン、ケトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、界面活性剤溶液、洗浄用溶液、またはこれらの組み合わせ中に1つ以上のリポソーム形成化合物の非水性溶液を含む第2の流れを提供することと、 c) 前記第1の流れと前記第2の流れとを衝突させ、それによって、20%〜50%v/vの前記有機溶媒の濃度を有し、6〜7.4のpHを有する、衝突流を形成することと、 d) 20℃〜35℃の温度で、0.5時間〜8時間、収集リザーバ中で前記衝突流を培養し、それによって、リポソームを含む培養物を形成することと、を含み、 ここに、前記リポソーム形成化合物は、式I:R3−(C=O)−Xaa−Z−R4 式I (式中、 Xaaは、一般式−NRN−CR1R2−(C=O)−を有する任意のD−またはL−アミノ酸残基、または2〜20アミノ酸残基のペプチドであり、式中、 R1は、非水素、アミノ酸の、置換もしくは非置換の側鎖であり、 R2は、水素、または炭素、酸素、窒素、硫黄、および水素原子からなり、かつ1〜20個の炭素原子を有する有機基、またはC(1−5)アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、C(3−5)アルケニル、C(3−5)アルキニル、C(1−5)アルカノイル、C(1−5)アルカノイルオキシ、C(1−5)アルコキシ、C(1−5)アルコキシ−C(1−5)アルキル、C(1−5)アルコキシ−C(1−5)アルコキシ、C(1−5)アルキル−アミノ−C(1−5)アルキル−、C(1−5)ジアルキル−アミノ−C(1−5)アルキル−、ニトロ−C(1−5)アルキル、シアノ−C(1−5)アルキル、アリール−C(1−5)アルキル、4−ビフェニル−C(1−5)アルキル、カルボキシル、もしくはヒドロキシルであり、 RNは、水素、または炭素、酸素、窒素、硫黄、および水素原子からなり、かつ1〜20個の炭素原子を有する有機基、またはC(1−5)アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、C(3−5)アルケニル、C(3−5)アルキニル、C(1−5)アルカノイル、C(1−5)アルカノイルオキシ、C(1−5)アルコキシ、C(1−5)アルコキシ−C(1−5)アルキル、C(1−5)アルコキシ−C(1−5)アルコキシ、C(1−5)アルキル−アミノ−C(1−5)アルキル−、C(1−5)ジアルキル−アミノ−C(1−5)アルキル−、ニトロ−C(1−5)アルキル、シアノ−C(1−5)アルキル、アリール−C(1−5)アルキル、4−ビフェニル−C(1−5)アルキル、カルボキシル、もしくはヒドロキシルであり、 R3は、天然に存在するか、もしくは合成のリン脂質、糖脂質、トリアシルグリセロール、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、セラミド、スフィンゴミエリン、セレブロシド、もしくはガングリオシドに由来する親油性尾部;または置換もしくは非置換の、C(3−22)アルキル、C(6−12)シクロアルキル、C(6−12)シクロアルキル−C(3−22)アルキル、C(3−22)アルケニル、C(3−22)アルキニル、C(3−22)アルコキシ、もしくはC(6−12)アルコキシ−C(3−22)アルキル;または任意の他の天然に存在するか、もしくは合成の脂質の親油性尾部であり; R4は、天然に存在するか、もしくは合成のリン脂質、糖脂質、トリアシルグリセロール、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、セラミド、スフィンゴミエリン、セレブロシド、もしくはガングリオシドに由来する親油性尾部;または置換もしくは非置換の、C(3−22)アルキル、C(6−12)シクロアルキル、C(6−12)シクロアルキル−C(3−22)アルキル、C(3−22)アルケニル、C(3−22)アルキニル、C(3−22)アルコキシ、もしくはC(6−12)アルコキシ−C(3−22)アルキル;または任意の他の天然に存在するか、もしくは合成の脂質の親油性尾部であり; Zは、NH、O、S、−CH2S−、−CH2S(O)−、または水素、炭素、酸素、窒素、および硫黄原子から選択される1〜40個の原子からなる有機リンカーである)を有する、1つ以上のDILA2アミノ酸化合物、ならびにその塩であり、 20%v/v未満の前記有機溶媒の濃度を作製するのに十分な緩衝液を前記培養物に添加することによって、前記培養物を反応停止させること、をさらに含む、プロセス。 前記リポソーム形成化合物の1つは、PONAであり、前記PONAは、C18:1−ノルArg−C16である、請求項1に記載のプロセス。 前記第1の流れの体積流量は、前記第2の流れの体積流量の2倍以上である、請求項1に記載のプロセス。 前記衝突流の前記pHを、3〜6であるように調節することと、 3〜6のpHで培養することとをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。 前記有機溶媒の濃度を調節するために、前記収集リザーバに緩衝液を添加することをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。 前記活性薬剤が、50%を上回るレベルで、または70%を上回るレベルでリポソーム中にカプセル化される、請求項1に記載のプロセス。 前記活性薬剤は、遺伝子発現抑制剤、遺伝子調節剤、アンチセンス薬剤、ペプチド核酸薬剤、リボザイム薬剤、RNA薬剤、DNA薬剤、またはロックされない核酸塩基アナログを含有するsiRNAである、請求項1に記載のプロセス。 接線流濾過後、前記リポソームは、直径160nm未満の均一の大きさであるか、または40nm〜160nm、もしくは80nm〜150nmの平均直径を有する、請求項1に記載のプロセス。 前記有機溶媒は、注射用の滅菌水中で40〜99%v/vの濃度の(C1−6)アルカノールである、請求項1に記載のプロセス。 前記培養時間は、1時間〜4時間である、請求項1に記載のプロセス。 請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載のプロセスによって作製される、薬学的組成物。 生体細胞に治療核酸を送達するための非治療的方法であって、請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載のプロセスに従って組成物を調製することと、前記組成物で前記細胞を処置することと、を含む、方法。 癌、膀胱癌、肝臓癌、肝疾患、高コレステロール血症、炎症性疾患、代謝性疾患、炎症、関節炎、リウマチ性関節炎、脳炎、骨折、心臓疾患、およびウイルス性疾患を含む疾患を治療するための組成物であって、請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載のプロセスに従って作製される組成物。 【課題】遺伝子発現抑制剤等の活性薬剤の全身又は局所送達の効率を増大させる新規リポソーム型組成物及び前記組成物の作成プロセスの提供。【解決手段】活性薬剤を含む水性緩衝溶液と、式Iで表されるリポソーム形成化合物を含む非水性溶液とをpH6〜7.4、20〜35℃で0.5〜8時間培養し、前記活性薬剤をリポソーム中にカプセル化する工程を含むリポソーム型組成物の作成プロセス及び前記プロセスにより作成されたリポソーム型組成物。式I:R3−(C=O)−Xaa−Z−R4(R3及びR4は各々独立に天然又は合成のリン脂質、糖脂質等に由来する親油性尾部等;Xaaは任意のD−又はL−アミノ酸の2〜20残基のペプチド残基;ZはNH、O、S、−CH2S−、−CH2S(O)−、又はH、C、O、N及びSから選択される1〜40個の原子の有機リンカー)【選択図】なし配列表配列表


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る