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タイトル:特許公報(B1)_ノックアウトマウス、内側側頭葉てんかんを抑制する物質のスクリーニング方法、及び内側側頭葉てんかんを抑制する手法の選択方法
出願番号:2014210085
年次:2015
IPC分類:A01K 67/027,C12N 15/09,G01N 33/50,G01N 33/15


特許情報キャッシュ

浅井 真人 高橋 雅英 浅井 直也 榎本 篤 内山 孝蔵 JP 5765720 特許公報(B1) 20150626 2014210085 20141014 ノックアウトマウス、内側側頭葉てんかんを抑制する物質のスクリーニング方法、及び内側側頭葉てんかんを抑制する手法の選択方法 国立大学法人名古屋大学 504139662 松本 征二 100167689 浅井 真人 高橋 雅英 浅井 直也 榎本 篤 内山 孝蔵 20150819 A01K 67/027 20060101AFI20150730BHJP C12N 15/09 20060101ALI20150730BHJP G01N 33/50 20060101ALI20150730BHJP G01N 33/15 20060101ALI20150730BHJP JPA01K67/027C12N15/00 AG01N33/50 ZG01N33/15 Z A01K 67/00−67/027 C12N 15/00−15/90 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII) PubMed Thomson Innovation 神経疾患・腫瘍分子医学研究センター年報(2011−2012版),2013年,P. 1-20,<http://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical/dbps_data/_material_/nu_medical/_res/2013center_for_neurological_diseases_and_cancer.pdf>、検索日:2014-12-10 科学研究費助成事業データベース,生後の血管新生、神経新生を制御する分子メカニズムと病態形成,2012年度 研究実績報告書,2012年,<https://kaken.nii.ac.jp/d/p/23249020/2012/3/ja.ja.html>、検索日:2014-12-10 日薬理誌,2014年 6月,Vol. 143,P. 289-294 The Journal of Neuroscience,2011年,Vol. 31, No. 22,P. 8109-8122 Biochemical and Biophysical Research Communications,2012年,Vol. 426,P. 533-538 あたらしい眼科,2012年 9月,Vol. 29, No. 9,P. 1245-1247 6 19 20141022 鈴木 崇之 本発明は、ノックアウトマウス、内側側頭葉てんかんを抑制する物質のスクリーニング方法、及び内側側頭葉てんかんを抑制する手法の選択方法に関する。 内側側頭葉てんかん(MTLE; mesial temporal epilepsy)は成人の代表的な薬剤治療抵抗性のてんかんで、海馬歯状回を発作焦点とする。意識を失い転倒しひきつけるいわゆるてんかん発作(強直間代発作=大発作)だけでなく、夢うつつの状態で行動する自動症が自動車運転者におこると暴走事故につながる重大な病気である。 発作間欠期にもMTLE患は特有の「感覚−辺縁系過剰結合症候群 syndrome of sensory−limbic hyperconnection」(Bear DM 1979)と表現されるすべての感覚(視覚、触覚、聴覚、味覚、嗅覚)に対して過敏で衝動的な異常性格を呈する。MTLE発症の根本原因はよく分かっておらず、現状では、海馬扁桃核切除以外に有効な治療がない。そのため、薬物治療標的の同定が求められており、薬物治療標的同定や治療薬のスクリーニング、及び治療手法の選択を行うために、人間のMTLEを正確に模した動物モデルが必要である。 権威ある専門書であるJohn Libbey Eurotext出版 Felix Rosenow, Philippe Ryvlin, Hans Luders編、Progress in Epileptic Disorders “The Mesial Temporal Lobe Epilepsies”では、MTLE動物モデルに求められる条件は、(1)海馬硬化をもつこと。(2)海馬外の脳損傷が限定的であること。(3)海馬起源といえる自発的なてんかんがあること。となっている。 MTLE動物モデルとしては、ELマウス(非特許文献1参照)やIharaラット(非特許文献2参照)など自然発症てんかんモデル、カイニン酸(非特許文献3参照)、ピロカルピン(非特許文献4参照)、PTZ(非特許文献5参照)、電撃(非特許文献6参照)等を用いた誘発性モデルマウスが知られている。しかしながら、自然発症のものは原因遺伝子が分からないので生まれたときにどの仔マウスが将来てんかんになるのか予測できず、薬剤や電撃による誘発性マウスは、薬や電撃の用量の調節が難しいという問題がある。また、誘発が海馬歯状回以外を広く傷害するという難点があり、発作回数を予め期待することができず、さらに発作が海馬から始まる保証がないという問題がある。現在のところ、Felix Rosenowらが求める条件を満たしたマウスは知られていない。 また、MTLEを含むてんかん患者の治療に求められる治療薬(治療法)は、「自動症」、「大発作」が消失又は減少することである。意識の有無の判定や定義が難しい「自動症」に比べて、「大発作」は他覚的な定義が容易で、開始と終了が明確なため回数を数えることができる。大発作を経時的に観察する主な技術として、脳波とビデオ観察の2つが挙げられる。マウスを用いた脳波測定は、マウスの頭皮を開いて電極を頭蓋骨から刺入する熟練の技術と高価な測定システム及び解析システムが必要である。これに対して、ビデオ撮影による大発作判定は、熟練の技術を必要とせずに、比較的簡単に行うことができ且つ治療薬や手法の効果の有無を明確に確認することができる。しかしながら、何れの方法においても、Felix Rosenowらが求める条件を満たしたマウスが知られていないことから、治療薬や手法の効果の有無を、長期間に渡り観察することができないという問題がある。 ところで、アクチン結合タンパク質Girdin(Girders of actin filament)というタンパク質が知られている。このタンパク質は、生体内では未熟な血管内皮細胞、海馬の神経細胞、嗅球の形成に重要な脳室下帯やRMS(rostral migratory stream)を構成する神経細胞で強く発現することが知られている。また、Girdinのノックアウトマウスを作製し、生体内における役割を解析した結果、ノックアウトマウスは生まれた直後においては野生型との間に明瞭な肉眼的な変化を認めないものの、組織学的には生後形成される網膜および大脳の血管ネットワークと海馬および嗅球の構造異常が認められることが知られている(非特許文献7参照)。 上記非特許文献7に記載されているGirdinノックアウトマウスは、Girdin遺伝子のExon2にLacZを挿入してGirdinノックアウトマウスを作製しているが、本発明者らも、Girdin遺伝子のExon3をLoxP配列で囲み(flox)、Nestinプロモータにより作動された組換えタンパクCreのtransgenicマウスを交配させることでGirdinノックアウトマウスの作製に成功している(非特許文献8参照)。非特許文献7に記載されているGirdinノックアウトマウスは、後述するヘテロ接合型の両親からメンデルの法則により、1/4の確率で野生型、1/2の確率でヘテロ型、1/4の確率でホモ型のGirdinノックアウトマウスが生まれる。非特許文献8で記載されているGirdinノックアウトマウスも、Cre陽性かつヘテロflox型の親とCre陰性かつホモflox型の親の交配で、Cre陽性かつホモflox型であるノックアウトマウスは1/4の確率で生まれる。 上記のとおり、Girdinノックアウトマウス自体は既に知られている。しかしながら、このGirdinノックアウトマウスは乳児期の間に全て死亡してしまい、成獣が得られないという問題がある。 図1は非特許文献7のFigure S5.Cに記載されているグラフで、図1(1)は、野生型(n=14)、ヘテロ型(n=32)、ホモ型(Girdinノックアウトマウス、n=17)の体重曲線を示し、図1(2)は、生存率を示している。図1(1)及び(2)から明らかなように、ホモ型は生後8日頃から野生型やヘテロ型の同腹兄弟マウスより生育が遅れ始めている。また、離乳期である生後約30日において、野生型ではほぼ100%、ヘテロ型では約90%の同腹兄弟マウスが生存していたのに対して、ホモ型では、生後25日で全て死亡している。 図2は非特許文献8のFig.4に記載されているグラフで、図2(1)は体重曲線を示し、図2(2)は、生存率を示している。図2(1)及び(2)から明らかなように、↓で示されるGirdinノックアウトマウス(n=14)は生後5日頃から他の同腹兄弟マウス(n=53)より生育が遅れ始めている。また、離乳期である生後約30日において、他の同腹兄弟マウスでは約90%が生存していたのに対して、Girdinノックアウトマウスでは、生後29日で全て死亡している。 したがって、Girdinノックアウトマウス自体は知れているものの、成獣になる前に全て死亡してしまうため、当該ノックアウトマウスを使用した実験等には応用し難いという問題がある。今泉清,伊藤昭吾,沓掛源四郎,滝沢隆安,藤原公策,土川清、「マウスのてんかん様異常について」、1958 4月、実験動物 8(1):p6−10Amano S et.al “Microdysgenesis in the Hippocampal Formation of Ihara’s Genetically Epileptic Rats (IGER):Comparative Study of IGER and its Original Strain ICR and Substrain IGER/c(−)”, Epilepsia,1997 Vol.38 supplement p61Ben−Ari, Y. “Kainate and Temporal Lobe Epilepsies: Three decades of progress“, Epilepsia,2010 51(Suppl. 5),p40Curia G, Longo D, Biagini G, Jones RS, Avoli M.“The pilocarpine model of temporal lobe epilepsy.“Journal of Neuroscience Methods 2008 Jul 30,Vol.172(2−4):p143−57Charles R. Craig et.al “A Study of Pentylenetetrazol Kindling in Rats and Mice” Pharmacology Biochemistry & Behavior,1989,Vol.31,p867−70Jose M. R. Delgado,Manuel Sevillano.“Evolution of repeated hippocampal seizures in the cat”Electroencephalography and clinical neurophysiology., 1961,Vol.13,p722-33Kitamura.T et al., ”Regulation of VEGF−mediated angiogenesis by the Akt/PKB substrate Girdin”, Nature Cell Biology, Vol.10, No.3, March 2008, p329−337 & SUPPLEMENTARY INFORMATION, p1−7Masato.A et al., “Similar phenotypes of Girdin germ−line and conditional knockout mice indicate a crucial role for Girdin in the nestin lineage”, Biochemical and Biophysical Research Communications,2012 Oct 5;Vol.426(4):p533−8 本発明は、上記従来の問題を解決するためになされた発明であり、鋭意研究を行ったところ、(1)マウスの給餌方法を変えることで、Girdinノックアウトの成獣マウスが得られること、(2)成獣マウスの観察の過程でMTLEを発症することが明らかとなり、更にマウスの脳組織分析の結果、Girdinノックアウトマウスは上記のMTLE動物モデルに求められる条件を満たすこと、(3)Girdinノックアウトの成獣マウスが得られることで、MTLEを抑制する物質のスクリーニング、及びMTLEを抑制する手法の選択が可能となること、(4)本発明により得られたGirdinノックアウトは生存期間が長いため、熟練の技術が不要で且つビデオ観察により、MTLEを抑制する物質の長期間に渡るスクリーニング、及びMTLEを抑制する手法の長期間に渡る選択が可能となること、を新たに見出した。 すなわち、本発明の目的は、ノックアウトマウス、内側側頭葉てんかんを抑制する物質のスクリーニング方法、及び内側側頭葉てんかんを抑制する手法の選択方法を提供することである。 本発明は、以下に示す、ノックアウトマウス、内側側頭葉てんかんを抑制する物質のスクリーニング方法、及び内側側頭葉てんかんを抑制する手法の選択方法に関する。[1]少なくとも神経組織でGirdin遺伝子の機能が失われ、且つ、以下の(1)及び(2)及び(3)の表現型を示し、 ゼリー状の餌で飼育する30日齢以上のノックアウトマウス。(1)海馬硬化をもつこと。(2)海馬外の脳損傷が限定的であること。(3)海馬起源といえる自発的なてんかんがあること。[2]少なくとも神経組織でGirdin遺伝子の機能が失われ、ゼリー状の餌で飼育する30日齢以上のノックアウトマウス。[3]上記[1]又は[2]に記載のノックアウトマウスに、 候補物質を投与する工程、 内側側頭葉てんかんを抑制する物質を選択する工程、を含む内側側頭葉てんかんを抑制する物質のスクリーニング方法。[4]上記[1]又は[2]に記載のノックアウトマウスに、 内側側頭葉てんかんを抑制する手法を実施する工程、 内側側頭葉てんかんを抑制する手法を選択する工程、を含む内側側頭葉てんかんを抑制する手法の選択方法。[5]前記内側側頭葉てんかんを抑制する物質を選択する工程が、 ノックアウトマウスをビデオ観察し、発作の発生頻度及び/又は発症程度の抑制により物質を選択する上記[3]に記載の内側側頭葉てんかんを抑制する物質のスクリーニング方法。[6]前記内側側頭葉てんかんを抑制する手法を選択する工程が、 ノックアウトマウスをビデオ観察し、発作の発生頻度及び/又は発症程度の抑制により手法を選択する上記[4]に記載の内側側頭葉てんかんを抑制する手法の選択方法。 従来のGirdinノックアウトマウスは、乳児期である生後29日までしか生存することができなかったが、本発明のGirdinノックアウトマウスは成獣として1年以上飼育することができた。したがって、Girdinノックアウトマウスを利用した様々な実験に用いることができる。 従来の薬剤や電撃による誘発マウスは、MTLEの原因となる海馬以外も広く傷害してしまう欠点があったが、本発明のGirdinノックアウトマウスは、MTLE動物モデルに求められる条件を全て満たしている。したがって、Girdinノックアウトマウスを、MTLEを抑制する物質のスクリーニング、及びMTLEを抑制する手法の選択に使用することができる。 本発明のGirdinノックアウトマウスは、Girdin遺伝子の機能を失わせることでてんかんを発症するため、作製したマウスのてんかん発症メカニズムは同じである。そのため、作製したGirdinノックアウトマウスの個体差による影響がほとんどないことから、てんかんを抑制する物質のスクリーニング、及びてんかんを抑制する手法の選択を効率化することかできる。 本発明のGirdinノックアウトマウスは、生存期間が長いため、MTLEを抑制する物質のスクリーニング、及びMTLEを抑制する手法の選択の効能を長期間に渡り観察することができる。 本発明のGirdinノックアウトマウスは生存期間が長いことから、ビデオ観察によりMTLEを抑制する物質のスクリーニング、及びMTLEを抑制する手法の選択を行うことができ、脳波測定に要する熟練の技術と高価な測定システム及び解析システムを用いることなく、市販のビデオ装置を用いることができる。また、ビデオ撮影は脳波に比べて、睡眠、摂食、それ以外の行動を明確に区別して観察することができる。図1は、非特許文献7のFigure S5.Cに記載されているグラフで、図1(1)は、野生型(○印、Wild type、n=14)、ヘテロ型(■印、Girdin +/−、n=32)、ホモ型(◆印、Girdin −/−、Girdinノックアウトマウス、n=17)の体重曲線を示し、図1(2)は、生存率を示している。図2は、非特許文献8のFig.4に記載されているグラフで、図2(1)は↓がCre陽性かつホモflox型、すなわちGirdinノックアウトマウスの体重曲線を示し、△、●、▲はその他の核型マウスを示す。図2(2)は、図2(1)と同じシンボルで各核型のマウスの生存率を示している。図3は、非特許文献7に記載されているGirdinノックアウトマウスの遺伝子改変図を示している。図4は、非特許文献8に記載されているGirdinノックアウトマウスの遺伝子改変図を示している。図5は、図面代用写真で、図5(1)は餌を切り替える前の給餌方法を示す写真で、図5(2)は餌を切り替えた後の給餌方法を示す写真である。図6(1)は実施例2で飼育したGirdinノックアウトマウスの体重曲線を示すグラフで、図6(2)は生存率を示すグラフである。図7は、図面代用写真で、実施例2で飼育した、280日齢のGirdinノックアウトマウスの写真である。図8は、図面代用写真で、比較例1の方法で飼育した8日齢で死亡したGirdinノックアウトマウス(矢印)と同腹兄弟の写真である。図9は、実施例4で作製したビデオ観察システムの概略を示す図である。図10は、図面代用写真で、大発作の瞬間の動画像データから切り抜いた画像である。図11は、図面代用写真で、図11(1)は、実施例1及び野生型マウスの脳の矢状断パラフィン切片を、GFAP抗体を用いて免疫染色してヘマトキシリン核染色した切片の写真で、図11(2)は、図11(1)の□部分を拡大した写真である。図12は、図面代用写真で、図12(1)は、実施例2及び野生型マウスの脳の冠状断パラフィン切片を、GFAP抗体を用いて免疫染色してヘマトキシリン核染色した切片の写真で、図12(2)は、図12(1)の□部分を拡大した写真である。図13は、マウスの頭蓋骨に電極(EEG1、EEG2、EEG3)を埋めた位置を示す。図14(1)は野生型の安静時、図14(2)は実施例2のマウスの安静時、図14(3)は実施例2のマウスの大発作時の脳波を示す。 以下に、本発明のノックアウトマウス、内側側頭葉てんかんを抑制する物質のスクリーニング方法、及び内側側頭葉てんかんを抑制する手法の選択方法について詳しく説明する。 先ず、本発明のMLTE動物に求められる条件の内、(1)「海馬硬化をもつこと」とは、内側側頭葉てんかんの病変の代表であり、海馬アンモン角の特にCA1領域の錐体細胞層や、海馬歯状回顆粒細胞層で神経細胞脱落、活性化アストロサイトの増生を認めることを意味する。(2)「海馬外の脳損傷が限定的であること」とは、GFAP抗体による染色で、活性化アストロサイトで特徴づけられる硬化が海馬外に無いこと、又は海馬外の硬化があっても、扁桃体や頭頂大脳皮質など海馬隣接部位であることを意味する。(3)「海馬起源といえる自発的なてんかんがあること」とは、薬剤や電撃等による薬理的、物理的誘発無しでてんかん発作を起こすことを意味する。 本発明における「内側側頭葉てんかんを抑制する物質」、「内側側頭葉てんかんを抑制する手法」とは、内側側頭葉てんかんの発症を完全に抑制することのみならず、種々のレベルのてんかん発作の頻度及び/又はてんかんの症状を軽減する物質、手法を意味する。内側側頭葉てんかんを抑制する物質としては、例えば、天然化合物、有機化合物、無機化合物、タンパク質、抗体、ペプチドなどの単一化合物、並びに、化合物ライブラリー、遺伝子ライブラリーの発現産物、細胞抽出物、細胞培養上清、発酵微生物産生物、海洋生物抽出物、植物抽出物等を挙げることができる。また、前記物質は、経口投与、皮膚への貼着、又は注射等による体内投与等、ノックアウトマウスの体内に取り込まれるものであれば特に制限は無い。 内側側頭葉てんかんを抑制する手法としては、例えば、迷走神経刺激法(VNS)などのようなてんかん発作治療法や、マッサージ、装具、生活習慣(食事量、食事の種類、運動等)に関する処置等が挙げられる。本発明のGirdinノックアウトマウスを用いて、内側側頭葉てんかんを抑制する物質又は手法を夫々スクリーニングを行ってもよいし、物質及び手法を組合せてスクリーニングを行ってもよい。 マウス、ヒトのGirdin遺伝子情報、cDNA配列およびアミノ酸配列は公知である。例えば、マウスについては、GenBank Gene ID:CCDC88Aの遺伝子情報、GenBankアクセッション番号NM_176841に記載のcDNA、GenBankアクセッション番号Q5SNZ0に記載のアミノ酸配列情報を入手することができる。また、ヒトについては、GenBank Gene ID:CCDC88Aの遺伝子情報、GenBankアクセッション番号NM_018084.4に記載のcDNA、GenBankアクセッション番号Q3V6T2に記載のアミノ酸配列情報を入手することができる。 Girdin遺伝子の機能が失われたノックアウトマウスは、公知の方法で作製すればよく、例えば、以下の手順で作製すればよい。(a)ノックアウトする遺伝子をマウスのゲノムから分離する。そして、その遺伝子と周辺部分を含む塩基配列を創り出すが、全く同じではなく、不活性化するように一部変更する。一般的には、観察可能な差異(色や蛍光など)をもたらすマーカー遺伝子を組み込むことで、一部変更を行う。(b)マウスの胚盤胞(初期のマウスの胚であり、球状の未分化細胞が胚体外細胞に囲まれている)由来の胚性幹細胞を分離する。胚性幹細胞は、例えば、白色マウスの胚性幹細胞を用い、in vitroで細胞培養ができる。(c)上記(b)で得られた胚性幹細胞に、上記(a)で作製した塩基配列を、電気穿孔法等の手段を用いて遺伝子導入する。次に、上記(a)で組み入れたマーカー遺伝子を利用し、実際に新しい塩基配列へ組換えを起こした胚性幹細胞(ヘテロ接合型)を分離する。(d)上記(c)で分離した相同組換えを起こした胚性幹細胞を、例えば、グレー色のマウスの胚盤胞に注入し、当該胚盤胞は雌マウスの子宮に注入され、子マウスが出産される。この子マウスは、体の一部がオリジナルの胚盤胞に由来し、他の部分は遺伝子操作された細胞に由来する2つの細胞を含んだキメラになる。そのため、毛色は白とグレーのまだらになる。(e)新たに生まれたマウスのうち、生殖細胞(卵子もしくは精子)が、遺伝子操作された細胞由来のものだけが利用される。これらのマウスを白色マウスと掛け合わせると、全身が白色のマウスが生まれる。これらのマウスはまだ、機能的な遺伝子を1個以上持っている(ヘテロ接合型)が、同系交配によってオリジナルの機能的な遺伝子を持たない(すなわち、ホモ接合型の)マウスを創り出す。 図3は非特許文献7に記載されているGirdinノックアウトマウスの遺伝子改変図を示しており、図4は非特許文献8に記載されているGirdinノックアウトマウスの遺伝子改変図を示している。Girdin遺伝子は33個のExonで構成されており、遺伝子上流側のExonを改変することで、当該Exon以下の下流側の遺伝子の読み枠をずらすことでアミノ酸配列やストップコドンの位置を変更し、作製したマウスのGirdinの機能を失わせることができる。なお、図3及び図4に示す遺伝子改変図は単なる例示に過ぎず、例えば、Exon4、Exon5を改変したり、LacZ遺伝子やNeomycin耐性遺伝子等のマーカー遺伝子をノックインする等、作製したマウスからGirdinの機能を失わせることができれば、Girdin遺伝子の他の部分を改変してもよい。 本発明では、マウスの給餌方法を工夫することでGirdinノックアウトマウスの成獣が得られることを新たに見出した。非特許文献7及び8に記載されているように、従来のGirdinノックアウトマウスは、最長で29日までしか飼育することができなかった。本発明者らは、従来の飼育ケージ天井の骨組みに固形状の餌を置く方法に換え、ゼリー状の餌を飼育ケージ内に置く方法を採用した。前記方法によりGirdinノックアウトマウスの成獣が得られた原因は不明であるが、(1)育児中の親マウスが飼育ケージ天井の骨組みの餌を取って食べ、且つ授乳するというストレスが軽減すること、(2)ゼリー状の餌が飼育ケージ内に配置されていることから、Girdinノックアウトマウスの離乳から採餌までの過程がストレスなく移行できること、が要因ではと推測される。ゼリー状の餌としては、公知のマウス用の粉末状の餌を寒天で固めたものを用い、飼育ケージのおが屑上のプラスチック皿の上に配置しておけばよい。 内側側頭葉てんかんを抑制する物質のスクリーニングは、作製したGirdinノックアウトマウスを飼育ケージに入れ、候補物質を含むゼリー状の餌を与える、又は餌とは別に注射等により体内に候補物質を投与し、ビデオ観察すればよい。なお、ビデオ観察システムは、公知のビデオ観察システムを用いればよいが、何日も24時間連続観察するためには、暗視ができる観察システムを用いることが好ましい。 内側側頭葉てんかんを抑制する手法の選択方法は、作製したGirdinノックアウトマウスを飼育ケージに入れ、迷走神経刺激法(VNS)などのようなてんかん発作治療を実施、マッサージを実施、コルセット、音波や振動など刺激発生器等の装具を装着、生活習慣(食事量及び/又は種類の調整、運動の実施等)に関する療法を実施し、上記と同様にビデオ観察し、どの手法が効果を示すのか観察すればよい。物質のスクリーニングと併用する場合には、候補物質を投与しながら手法の選択を行えばよい。なお、内側側頭葉てんかんを抑制する物質のスクリーニング方法、及び内側側頭葉てんかんを抑制する手法の選択方法としては、上記のとおりビデオ観察を用いると24時間連続観察を行うことができるが、ビデオ観察に限定はされない。本発明のGirdinノックアウトマウスは100%MTLEを発症することから、候補物質を投与及び/又は内側側頭葉てんかんを抑制する手法を実施した後、病理組織観察、脳RNA抽出・分析、赤外線ビームによる行動量測定などの方法により、内側側頭葉てんかんを抑制する物質のスクリーニング、及び内側側頭葉てんかんを抑制する手法の選択をしてもよい。 以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具体的な態様の参考のために提供されているものである。これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明するためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。<実施例1>[Girdinノックアウトマウスの作製] 上記非特許文献7に記載されている手順にしたがって、Girdinノックアウトマウスを作製した。<実施例2> 上記非特許文献8に記載されている手順にしたがって、Girdinノックアウトマウスを作製した。<実施例3>[Girdinノックアウトマウスの飼育] 実施例1において、親マウスの出産後8日目に、それまで与えていた固形状の餌(日本クレア社製、CLEA Rodent Diet CE−2)から、以下の配合のゼリー状の餌に切り替えた。また、Girdinノックアウトマウスの離乳後は、そのまま同じゼリー状の餌を与え続けた。・粉寒天(森田商店、型番73017):234g・粉末餌(日本クレア社、CLEA Rodent Diet CA−1):2,754g・水道水:18L 図5(1)は、餌を切り替える前の給餌方法を示す写真で、飼育ケージの外側に固形状の餌を置いた。また、図5(2)は、餌を切り替えた後の給餌方法を示す写真で、ゼリー状の餌を飼育ケージのおが屑の上のプラスチック皿の上に置いた。 図6(1)は、実施例3で飼育したGirdinノックアウトマウスの体重曲線を示すグラフで、日数と共にマウスの体重は順調に増加した。また、図6(2)は生存率を示すグラフで、12日目に1匹、16日目に更に1匹が死亡したものの、それ以外のマウスは、成獣にまで成長した。 なお、実施例3と同様の手法で別途育てたGirdinノックアウトマウスは、平成26年9月30日現在、130日齢で生存している。また、同様の手法で育てたさらに別のGirdinノックアウトマウスの中には、382日齢、353日齢までそれぞれ健康に生きて実験のために屠殺されたマウスもいた。図7は、実施例3と同様の手法で育てた280日齢時点のGirdinノックアウトマウスの写真である。<比較例1> 実施例2のマウスを用い、親マウスが出産後も餌を切り替えずに固形状の餌を与え続けた以外は、実施例3と同様にGirdinノックアウトマウスの飼育を行った。図8は、比較例1の方法で飼育した8日齢のマウスの写真である。写真に示すように、同腹兄弟は順調に生存していたが、矢印のGirdinノックアウトマウスは、非常に小さい体で死亡しているのが確認された。また、他のGirdinノックアウトマウスも、図2に示すとおり、生後10日頃から体重がほとんど増加せず、29日までに全ての死亡が確認された。 以上の結果より、給餌方法を調整することで、Girdinノックアウトマウスの成獣が得られることが明らかとなったので、非特許文献7及び8に記載されている実験目的の他、様々な実験にGirdinノックアウトマウスを用いることができる。 また、飼育の過程で、Girdinノックアウトマウスが、MTLEの症状を示したことから、以下に、MTLEの症状についてより詳しく調べた。<実施例4>〔MTLEを抑制する物質のスクリーニング及びMTLEを抑制する手法の選択用のビデオ監視システムの構築、並びにスクリーニング方法及び選択方法〕 次に、本発明のGirdinノックアウトマウスを用い、MTLEを抑制する物質のスクリーニング及びMTLEを抑制する手法の選択を行うためのビデオ観察システムを構築した。図9は、実施例4で作製したビデオ観察システムの概略を示す図である。 具体的には、ネットワークカメラ2台(I−O DATA社;型番TS−WLC2及び型番TS−WPTCAM)、NAS(I−O DATA社;型番HDL−XR4.0)、ルーター(I−O DATA社;LAN Gigabitルーター 型番WN−AC1600DGR)、大容量HDD(WESTERNDIGITAL社;WD My Book 4.0TB 型番WDBFJK0040HBK−SESN)、ハブ(ELECOM社;ギガビットスイッチングHUB5ポートメタル 白 型番LAN−GSW05P)を組み合わせて撮影装置を構築した。また故障時の遠隔再起動用に、リブーター(明京電機社;WATCH BOOT light、型番 RPC−M5C)を組み込んだ。マウスケージ(Neuroscience社;マウス用 EEG/EMG測定ケージ 型番8228)にマウスを入れ、通気性のよい金網ケージをかぶせ、カメラをその内側に装着した。装置全体を動物飼育室に設置し、LANケーブルを用いて学内ネットワークと接続し、VPN(Virtual Private Network)を通じて学内の実験室、あるいは学外からの画像解析やリブート(再起動)を可能にした。Girdinノックアウトマウスは、通常のマウス飼育条件である摂氏25℃、12時間点灯(9AM−9PM)、12時間消灯(9PM−9AM)の照明サイクルのもとに置かれた。2台のカメラによる撮影は、I−O DATA社のブラウザー上のソフト(QWATCH)を用いてコントロールし、連続撮影(Manual file)とマウスが動いた時だけ画像を蓄積する動体検知撮影(Event file)の両方のモードを並列で撮影した。動体検知は感度を70%、閾値70に固定した。動体検知の感度を点灯時と消灯時で一定にするために24時間赤外線による暗視モードで撮影した。すべてのファイルは大容量HDDに蓄積した。Manual file解析は、ノートパソコン(Apple社 MacBook Pro 15−inch, Mid 201, processor 2.8 GHz Intel Core i7, MacOSX Lion 10.7.5)を用いて行った。画像ソフト QuickTime Player 7(Apple社 OSX用)を用い、大発作の場面は前後数十秒を含めてトリミングして別に保存し、発作時刻をリストにまとめた。Event file解析は、VideoLAN association社のフリーウェア VLC media player (Version 2.1.4 Rincewind intel 64bit)を用いて解析した。 実施例1及び2のGirdinノックアウトマウスを、実施例3の手順により33−290日齢まで飼育した。実施例1のExon2を改変したGirdinノックアウトマウスを8匹、実施例2のExon3を改変したGirdinノックアウトマウスを6匹、合計14匹を実施例4で作製したビデオ監視システムのマウスケージに別々に入れ、常時カメラを稼働させ約半年間観察を行った。約半年の間で、全てのマウスで合計873回の大発作を撮影記録し、大発作に伴うさまざまな付帯条件(明期に多い、睡眠中に発症する、餌を摂食している間に発症するのは稀など)を発見した。図10は、大発作の瞬間の動画像データから切り抜いた代表的な画像である。また、死の直前まで順調に餌を食べて元気でいたマウスが10分近く続く大発作の末に死ぬ「てんかん重積死」の撮影にも成功した。 上記のとおり、実施例1及び実施例2のGirdinノックアウトマウスは、100%MTLEの症状を示すことから、MTLEを抑制する物質のスクリーニング、及びMTLEを抑制する手法の選択に用いることができる。MTLEを抑制する物質のスクリーニングは、例えば、候補物質を餌に含ませ、実施例4で作製したビデオ観察システムを用いて、発作の発生頻度及び/又は発症程度を抑制するか否かを判断すればよい。MTLEを抑制する手法の選択は、迷走神経刺激法(VNS)などのようなてんかん発作治療を実施、マッサージを実施、コルセット、音波や振動など刺激発生器等の装具を装着、生活習慣(食事量及び/又は種類の調整、運動の実施等)に関する療法を実施した後、ビデオ観察システムを用いて、発作の発生頻度及び/又は発症程度を抑制するか否かを判断すればよい。<実施例5>〔MTLE動物モデルに求められる条件の確認〕 実施例4のビデオ観察により、本発明のGirdinノックアウトマウスがMTLEを発症することが明らかとなったため、脳組織の分析を行った。分析には、実施例3に記載の方法で飼育した、生後数ヶ月の実施例1及び2のGirdinノックアウトマウスを用い、以下の手順により行った。<脳組織の染色> 成獣マウス脳を取り出し、常法により作製したパラフィン切片を抗GFAP抗体で染色して、ヘマトキシリンで核を染色した。また、対照として野生型のマウスについても、同様の手順で染色を行った。図11(1)は、実施例1及び野生型マウスの脳の矢状断部分を染色した切片写真で、図11(2)は、図11(1)の□部分を拡大した写真である。図12(1)は、同様の手順で実施例2及び野生型マウスの脳の冠状断部分を染色した切片写真で、図12(2)は、図12(1)の□部分を拡大した写真である。 図11及び図12に示す写真中、茶色のシグナルがGFAPで染まるアストロサイトを示している。実施例1及び2のいずれのタイプのGirdinノックアウトマウスの成獣も、茶色のシグナルが海馬に集中し、海馬は肥大化していた。また、図11(2)及び図12(2)の拡大写真から、実施例1及び2のマウスには、野生型では見られないほど巨大で腫大化した突起をもつ活性化アストロサイトが見られた。これは、海馬硬化を示している。また、写真を観察した結果、海馬硬化は海馬に隣接する大脳皮質、扁桃体以外には認められなかった。<脳波の測定> 実施例2の成獣マウス脳の頭頂頭皮を除去し、頭蓋骨に電極を埋め込み樹脂で固めた状態で脳波を測定した。図13は、電極(EEG1、EEG2、EEG3)を埋めた位置を示す。図14(1)は野生型の安静時、図14(2)は実施例2のマウスの安静時、図14(3)は実施例2のマウスの大発作時の脳波を示す。その結果、実施例2のマウスでは、いずれの電極でも野生型には見られない高振幅の脳波が24時間絶え間なく観察され、特に海馬直上にある電極(EEG3)は最も大きい振幅を示した。このEEG3からは大発作に同期して背景に比べて高振幅、高周波の脳波(バースト)が観察され、病理組織が常に海馬を中心に病変が見られることを考え合わせれば、大発作は海馬を起源にした発作が全般化したものだと推定できる。 以上の<脳組織の染色>及び<脳波の測定>から明らかなように、本発明のGirdinノックアウトマウスは、Felix Rosenowらが求める、(1)海馬硬化をもつこと。(2)海馬外の脳損傷が限定的であること。(3)海馬起源といえる自発的なてんかんがあること。との要件を満たすことが確認できた。 従来からGirdinノックアウトマウス自体は知られていたが、実施例4のビデオ観察及び実施例5の脳組織の分析及び脳波測定の結果より、GirdinノックアウトマウスがMTLE動物モデルに求められる表現型を有することが、今回初めて明らかとなった。また、本発明のGirdinノックアウトマウスは100%MTLEを発症することも明らかとなった。したがって、本発明で作製したGirdinノックアウトマウスは、MTLEを抑制する物質のスクリーニング、及びMTLEを抑制する手法の選択に極めて有用であることが確認された。更に、実施例3及び比較例1に示すように、給餌方法を変えることで、従来技術では存在しなかった30日齢以上のGirdinノックアウトマウスが得られることから、MTLEを抑制する物質のスクリーニング、及びMTLEを抑制する手法の選択の他、様々な動物実験に用いることができる。 本発明のGirdinノックアウトマウスは、MTLEを抑制する物質のスクリーニング、及びMTLEを抑制する手法の選択用動物に求められる(1)海馬硬化をもつこと、(2)海馬外の脳損傷が限定的であること、(3)海馬起源といえる自発的なてんかんがあること、の全ての要件を満たし、且つ、30日齢以上の成獣に飼育することができる。 したがって、MTLEを抑制する物質のスクリーニング、及びMTLEを抑制する手法の選択の他、成獣を用いた実験に使用することができるので、大学、医療機関、製薬会社等におけるMTLE治療薬や治療手法の開発に有用である。 少なくとも神経組織でGirdin遺伝子の機能が失われ、且つ、以下の(1)及び(2)及び(3)の表現型を示し、 ゼリー状の餌で飼育する30日齢以上のノックアウトマウス。(1)海馬硬化をもつこと。(2)海馬外の脳損傷が限定的であること。(3)海馬起源といえる自発的なてんかんがあること。 少なくとも神経組織でGirdin遺伝子の機能が失われ、ゼリー状の餌で飼育する30日齢以上のノックアウトマウス。 請求項1又は2に記載のノックアウトマウスに、 候補物質を投与する工程、 内側側頭葉てんかんを抑制する物質を選択する工程、を含む内側側頭葉てんかんを抑制する物質のスクリーニング方法。 請求項1又は2に記載のノックアウトマウスに、 内側側頭葉てんかんを抑制する手法を実施する工程、 内側側頭葉てんかんを抑制する手法を選択する工程、を含む内側側頭葉てんかんを抑制する手法の選択方法。 前記内側側頭葉てんかんを抑制する物質を選択する工程が、 ノックアウトマウスをビデオ観察し、発作の発生頻度及び/又は発症程度の抑制により物質を選択する請求項3に記載の内側側頭葉てんかんを抑制する物質のスクリーニング方法。 前記内側側頭葉てんかんを抑制する手法を選択する工程が、 ノックアウトマウスをビデオ観察し、発作の発生頻度及び/又は発症程度の抑制により手法を選択する請求項4に記載の内側側頭葉てんかんを抑制する手法の選択方法。 【課題】内側側頭葉てんかんを抑制する物質及び/又は手法をスクリーニングするために用いられるノックアウトマウスの提供。【解決手段】Girdin遺伝子の機能が失われ、且つ、以下の(1)〜(3)の表現型を示す内側側頭葉てんかんを抑制する物質及び/又は手法をスクリーニングするために用いられるノックアウトマウス。(1)海馬硬化をもつこと。(2)海馬外の脳損傷が限定的であること。(3)海馬起源といえる自発的なてんかんがあること。【選択図】図6


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