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タイトル:公開特許公報(A)_骨の修復のための骨形成デバイスおよびその使用
出願番号:2014168198
年次:2014
IPC分類:A61L 27/00,C07K 14/495,C07K 17/02


特許情報キャッシュ

デイビッド シー. ルーガー マージョリー エム. タッカー アン−チェン チャン JP 2014221427 公開特許公報(A) 20141127 2014168198 20140821 骨の修復のための骨形成デバイスおよびその使用 ストライカー コーポレイション 595148888 STRYKER CORPORATION 山本 秀策 100078282 森下 夏樹 100113413 デイビッド シー. ルーガー マージョリー エム. タッカー アン−チェン チャン US 08/822,186 19970320 A61L 27/00 20060101AFI20141031BHJP C07K 14/495 20060101ALN20141031BHJP C07K 17/02 20060101ALN20141031BHJP JPA61L27/00 GA61L27/00 JC07K14/495C07K17/02 1 2012095395 19980320 OL 105 4C081 4H045 4C081AB04 4C081BB06 4C081CD012 4C081CD022 4C081CD112 4C081CD121 4C081CD28 4C081CD31 4C081CD34 4C081CD35 4C081CE11 4C081CF021 4C081CF031 4C081DA16 4H045AA30 4H045CA40 4H045DA01 4H045EA20 4H045FA74 (継続出願のデータ) 本願は、1997年3月20日に出願された同時係属中の米国仮出願番号08/822.186の継続出願であり、その内容の全体が本明細書で参考として援用される。 (発明の分野) 本明細書において開示される発明は、骨形成タンパク質を用いた、骨および軟骨欠損修復のための物質および方法に関する。 (発明の背景) 真の軟骨形成組織モルフォゲンとして作用する能力がある、1つのクラスのタンパク質が現在同定されている。すなわち、これらのタンパク質は、前駆細胞の、機能的な骨、軟骨、腱および/または靭帯組織への増殖および分化をそれ自体で誘導し得る。このクラスのタンパク質を、本明細書中で「骨形成タンパク質」または「形態形成タンパク質」または「モルフォゲン」と呼ぶ。これらには、当初は異所性の軟骨内性骨形態形成を誘導するそれらの能力により同定された、骨形態形成タンパク質(BMP)ファミリーのメンバーが含まれる。骨形成タンパク質は、一般的に、増殖因子のTGF−βスーパーファミリーのサブグループとして当該分野で分類されている(Hogan(1996)Genes&Development 10:1580−1594)。タンパク質のモルフォゲンファミリーのメンバーは、哺乳動物骨形成タンパク質−1(OP−1、BMP−7およびDrosophilaホモログ60Aとしても知られる)、骨形成タンパク質−2(OP−2、BMP−8としても知られる)、骨形成タンパク質−3(OP−3)、BMP−2(BMP−2AまたはCBMP−2A、およびDrosophilaホモログDPPとしても知られる)、BMP−3、BMP−4(BMP−2BまたはCBMP−2Bとしても知られる)、BMP−5、BMP−6、ならびにそのマウスホモログVgr−1、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、GDF3(Vgr2としても知られる)、GDF8、GDF9、GDF10、GDF11、GDF12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、GDF−5(CDMP−1またはMP52としても知られる)、GDF−6(CDMP−2としても知られる)、GDF−7(CDMP−3としても知られる)、XenopusホモログVglおよびNODAL、UNIVIN、SCREW、ADMP、ならびにNEURALを含む。このファミリーのメンバーは、共通の構造特色を共有する。(前駆体「プロ形態」からプロセシングされ、二量体化する能力がある成熟ポリペプチド鎖を生じ、そして約97〜106アミノ酸のカルボキシ末端活性ドメインを含む)分泌ポリペプチド鎖をコードする。全てのメンバーは、このドメインにおけるシステインの保存パターンを共有し、そしてこれらのタンパク質の活性形態は、単一のファミリーメンバーのジスルフィド結合ホモ二量体、または2つの異なるメンバーのヘテロ二量体のいずれかであり得る(例えば、Massague(1990)Annu.Rev.Cell Biol.6:597;Sampathら、(1990)J.Biol.Chem.265:13198を参照のこと)。特許文献1;特許文献2、Ozkaynakら(1990)EMBO J. 9:2085−2093、Whartonら(1991)PNAS 88:9214−9218)、(Ozkaynak(1992)J.Biol.Chem. 267:25220−25227、および特許文献2);(Celesteら(1991)PNAS 87:9843−9847);(Lyonsら(1989)PNAS 86:4554−4558)もまた参照のこと。これらの開示は、これらの骨形成タンパク質の、アミノ酸およびDNAの配列ならびに化学的および物理的特徴を記載する。Wozneyら(1988)Science 242:1528−1534);BMP9(特許文献3、1993年1月7日に公開);DPP(Padgettら(1987)Nature 325:81−84;およびVg−1(Weeks(1987)Cell 51:861−867)もまた参照のこと。 従って、軟骨内性骨形成を生じる形態形成事象の上記のカスケードを誘導し得る真の骨形成タンパク質は、今や、同定され、単離され、そしてクローニングされた。天然に存在しても、または合成的に調製されても、これらの骨形成因子は、遊走性前駆細胞の接着、増殖、および分化を可能にするマトリクスまたは基質に関連して哺乳動物に移植された場合、接近可能な前駆細胞の補充を誘導し得、そしてそれらの増殖を刺激し得、それにより軟骨細胞および骨芽細胞への分化を誘導し得、そして中間軟骨の分化、血管新生、骨形成、再造形、および最後に骨髄分化をさらに誘導し得る。さらに、非常に多くの開業医は、これらの骨形成タンパク質が、天然に存在するマトリクス材料(例えば、コラーゲン)または合成的に調製されたポリマー性マトリクス材料のいずれかと混合された場合に、真の置換骨が他の状態で生じない条件下で、骨形成(軟骨内性骨形成を含む)を誘導する能力を証明した。例えば、マトリクス材料と合わされた場合、これらの骨形成タンパク質は、大きな分節性骨欠損、脊髄固定、および骨折において新骨の形成を誘導する。 天然に存在するマトリクス(例えば、コラーゲン)は、不活性材料(例えば、プラスチック)で置換され得るが、プラスチックは、再吸収せず、そして単純な幾何学的構成を必要とする適用に制限されるので、適切な代用品ではない。現在まで、生分解性ポリマーおよびコポリマーもまた、非癒合欠損の修復のために骨形成タンパク質と混合されるマトリクスとして使用されてきている。このようなマトリクスは、上記の不十分な点のいくつかを克服し得るが、これらのマトリクスの使用は、特性(例えば、ポリマー化学、粒子の大きさ、生体適合性、および操作可能性に重要な他の事項)の決定および制御を必要とする。例えば、孔はマトリクスおよびマトリクスの生体分解物へのタンパク質の吸収を確実にするような様式でポリマー中に形成されねばならない。従って、ポリマー性マトリクスの使用の前に、適切なサイズの孔の形成を誘導するようなポリマーの処理のさらなる工程を行う必要がある。 骨形成タンパク質との混合物においてコラーゲンまたはポリマー性マトリクスのいずれかを含む標準骨形成デバイスは、手術中の操作に対してより受け入れられにくくなる。標準骨形成デバイスはしばしば、乾燥した砂っぽい内容を有し、そして欠損部位が手術中に潅水されか、ならびに/あるいは術後にその部位が血液および/または他の体液で浸潤される場合はいつでも、洗い流され得る。これらの組成物への特定の物質の添加手術中の操作についてより扱いやすい組成物を提供することを補助し得る。米国特許第5,385,887号、同5,520,923号、同5,597,897号および国際公開WO95/24210は、このような目的のための、合成ポリマーマトリクス、骨形成タンパク質、およびキャリアを含む組成物を記載する。しかし、このような組成物は、マトリクスの他の型、特に生物学的に誘導されるマトリクス(いくつかの形態のコラーゲンを含む)との会合が意図される、特定の主張されている有害な免疫学的反応を克服することが所望されているので、合成ポリマーマトリクスに限定されてきた。従って、これらの組成物は、上記のように、ポリマー化学、粒子の大きさ、生体適合性などを最適化するための同様な実施可能性の問題に悩まされている。 手術中の操作をかなり簡単にし、そして合成ポリマーマトリクスにたよらない、骨欠損および軟骨欠損を修復するための組成物および方法の必要性が残存する。新骨形成および新軟骨形成の速度および質を増強し得る方法および組成物の必要性もまた残存する。米国特許第5,011,691号明細書米国特許第5,266,683号明細書国際公開第93/00432号パンフレット米国特許第5,385,887号明細書米国特許第5,520,923号明細書米国特許第5,597,897号明細書国際公開95/24210号パンフレット 従って、本発明の目的は、骨欠損、軟骨欠損、および/または骨軟骨欠損を修復するための、改良された骨形成デバイス、およびその使用方法を提供することである。これらは:手術中の操作をより簡単にし;合成ポリマー化学マトリクスの使用に伴う、ポリマー化学、粒子の大きさ、および生体適合性の問題を除去し;そして現在の当該分野におけるデバイスおよび方法を用いて達成され得るよりも低い用量の骨形成タンパク質を用いて骨形成の加速およびより安定な軟骨修復を可能にする。さらに、本発明の目的は、非治癒性、非癒合性欠損を修復するため、および軟骨欠損および骨軟骨欠損における関節軟骨の修復を促進するための、骨形成デバイスおよびその使用方法を提供することである。本発明のさらに別の目的は、手術を介在させない骨欠損および軟骨欠損の修復のためのデバイスおよび方法を提供することである。これらおよび他の目的は、本明細書において開示される本発明の利点および特徴とともに、以下の説明、図面および請求の範囲から明らかである。 (発明の要旨) 本発明は、骨形成タンパク質および非合成性、非ポリマー性マトリクス(例えば、コラーゲンまたはβリン酸三カルシウム(β−TCP))を、結合剤と混合することによって、骨修復能力および軟骨修復能力の増強を伴う改良された骨形成デバイスを得たという知見に基づく。このような改良されたデバイスは、修復速度を加速し得るのみならず、これらのデバイスはまた、高品質で安定な修復組織(特に、軟骨組織)の形成を促進し得る。さらに、上記の利点は、標準骨形成デバイスによって要求されるよりも有意に少ない骨形成タンパク質を用いて達成され得る。理論に拘束されることを望まないが、上記の予測されない特性は、おそらく、非ポリマー性マトリクスおよび結合剤との間の補完的または相乗的な相互作用に帰し得る。存在する整形技術および再構築技術に鑑みて、これらの知見は、予期されず、そしてこれまで理解されていなかった。 本発明は、1つの局面において、局所的な骨形成および軟骨形成を誘導するための新規のデバイスを提供する。このデバイスは、骨形成タンパク質、非合成性非ポリマー性の物質由来のマトリクス、および結合剤を含む。本明細書において意図される場合、このデバイスは、好ましくは、骨形成タンパク質(例えば、OP−1、OP−2、BMP−2、BMP−4、BMP−5、およびBMP−6であるがこれらに限定されない)を含む。現在好ましい骨形成タンパク質はOP−1である。本明細書において使用される場合、用語「モルフォゲン」、「骨モルフォゲン」、「骨形態形成タンパク質」、「BMP」、「骨形成タンパク質」、および「骨形成因子」は、ヒト骨形成タンパク質1(hOP−1)により代表されるタンパク質のクラスを含む。hOP−1のヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号1および2において提供される。説明を容易にするために、hOP−1を、代表的な骨形成タンパク質として本明細書中以下に引用する。しかし、OP−1は、骨形成タンパク質として作用する能力がある真の組織モルフォゲンのTGF−βサブクラスを代表するのみで、そして記載を制限すると意図されないことが当業者により認識される。他の公知の、および有用なタンパク質は、BMP−2、BMP−3、BMP−3b、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−15、GDF−1、GDF−2、GDF−3、GDF−5、GDF−6、GDF−7、GDF−8、GDF−9、GDF−10、GDF−11、GDF−12、NODAL、UNIVIN、SCREW、ADMP、NEURAL、およびそれらの骨形成的に活性なアミノ酸改変体を含む。好ましい実施態様において、本発明において有用なタンパク質は、任意のこれらのタンパク質の生物学的に活性な種改変体を含み、これは、保存的アミノ酸配列改変体、縮重ヌクレオチド配列改変体によりコードされるタンパク質、および本明細書中に定義されるような保存された7つのシステイン骨格を共有し、そして本明細書中に開示される骨形成タンパク質をコードするDNA配列にハイブリダイズする能力があるDNA配列によりコードされる骨形成的に活性なタンパク質(これらには、OP−1、BPM−5、BMP−6、BMP−2、BMP−4、あるいはGDF−5、GDF−6またはGDF−7を含むがこれらに限定されない)を含む。別の実施態様において、有用な骨形成タンパク質は、保存された7つのシステインドメインを共有し、そして本明細書中で定義されるようなC末端活性ドメイン内で、少なくとも70%のアミノ酸配列相同性(類似性)を共有する骨形成タンパク質を含む。さらに別の実施態様において、本発明の骨形成タンパク質は、OPX(配列番号3)および包括配列7および8、または包括配列9および10を含む、本明細書において定義された包括(generic)配列の任意の一つを有する骨形成的に活性なタンパク質として定義され得る。 OPXは、骨形成OP−1およびOP−2タンパク質の種々の種間での相同性を提供し、そして本明細書中以下および配列番号3に示されるアミノ酸配列により記載される。包括配列9は、hOP−1により定義される6つのシステイン骨格を含む96アミノ酸配列であり(配列番号2の残基330〜431)、そしてここで残りの残基は、OP−1、OP−2、OP−3、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−15、GDF−1、GDF−3、GDF−5、GDF−6、GDF−7、GDF−8、GDF−9、GDF−10、GDF−11、UNIVIN、NODAL、DORSALIN、NURAL、SCREW、およびADMPとの相同性を提供する。すなわち、非システイン残基の各々は、この列挙された群のタンパク質における対応する残基から独立して選択される。包括配列10は、102アミノ酸配列であり、これは、包括配列9のN末端に付加された5アミノ酸配列を含み、そしてhOP−1(配列番号2の330〜431)の7システイン骨格を規定する。包括配列7および8は、それぞれ、96および102アミノ酸配列であり、これらは、hOP−1によって規定される6システイン骨格(包括配列7)または7システイン骨格(包括配列8)のいずれかを含み、そしてここで残りの残基の非システインは、 OP−1、OP−2、OP−3、BMP2、BMP3、BMP4、60A、DPP、Vg1、BMP5、BMP6、Vgr−1、およびGDF−1との相同性を提供する。 以下に教示するように、好ましいマトリクスは非合成性の非ポリマー性材料であり、そして天然に存在し得るか、または生物学的材料に由来し得る。好ましいマトリクスの例には、コラーゲン、鉱物質除去骨、およびβ−TCPが挙げられるがこれらに限定されない。1つの現在好ましいマトリクスはコラーゲンである。別の現在好ましいマトリクスはβ−TCPである。従って、本発明のデバイスは、主要成分として合成ポリマー性マトリクス(例えば、αヒドロキシ酢酸および/またはαヒドロキシプロピオン酸(これらはそれらのラセミ体混合物を含む)のホモポリマーまたはコポリマー)を含まない。 結合剤に関して、本発明のデバイスは、好ましくは、ゲル形成剤、増粘剤、懸濁剤および/または乳化剤として有用な薬剤を含む。現在好ましい結合剤の群は、アルキルセルロース群;特にメチルセルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース)である。他の適切な結合剤には、他のセルロースゴム、アルギン酸ナトリウム、デキストラン、およびゼラチン粉末が含まれる。別の特に好ましい結合剤は、フィブリンのり(glue)である。本明細書において使用される場合、用語「フィブリンのり」とは、哺乳動物フィブリノーゲンおよびトロンビンを含む組成物を意味する。特定の実施態様において、本発明の改良されたデバイスは、さらに、生理食塩水または他の水性生理的溶液のような(しかし、これらに限定されない)湿潤剤を含む。 本発明の改良されたデバイスは、種々の配置が想定され得る。配置は、部分的に、使用される結合剤および湿潤剤の型に依存する。本明細書において開示されるように、1つの現在好ましい実施態様は、パテ・コンシステンシー(putty consistency)有し得る。この特定の配置は、本発明の方法に従って開口欠損を処置するのに特に適している。改良された骨形成デバイスの別の現在好ましい実施態様は、粘性液体コンシステンシーを有し得る。この特定の配置は、本明細書に開示された方法に従って、閉口欠損を処置するのに特に適している。改良されたデバイスの配置に応じて、そのデバイスの欠損部位への提供は、種々の送達態様によって達成され得る。例えば、パテは、欠損中および/または周辺に充填され得るか、または大きな内径の装置からビーズとして押し出され得る。あるいは、粘性液体は、欠損へおよび/または周辺に注入され得るか、または、代替的に、欠損の表面にブラシで塗られるおよび/または塗られ得る。骨欠損および軟骨欠損を修復するためのこれらの可能性のある種々の実施態様の開発は、本明細書において例示される。 好ましい結合剤の特徴のうち、デバイスに以下:柔軟性(pliable)、成型可能性、および/または可鍛性;注入可能性;骨、軟骨、筋肉および他の組織への粘着性;術中の洗浄および/または灌流の際の崩壊に対する抵抗性;および術中、縫合中、および術後の退去に対する抵抗性などを付与する能力が存在する。さらに、特定の好ましい実施胃態様において、結合剤は、低い割合で存在する場合、前述の特性および利点を達成し得る。例えば、現在好ましい改良されたデバイスは、約1部の結合剤および約5部のマトリクスを含む。特定の他の好ましい実施態様において、約1部の結合剤および約10部のマトリクスを含むが、さらに他の実施態様は、約1部の結合剤および約25部のマトリクスを含む。別の現在好ましいデバイスは、約5部のマトリクスに対して約3部の結合剤を含む。特定の結合剤は、マトリクスと等量でまたはそれより多い比率で使用され得る。別の現在好ましいデバイスは、1部の結合剤および3部のマトリクスを含む。本明細書において例示するように、広範に多岐にわたる比率の改良されたデバイスは、骨形成および軟骨形成を誘導し得る。本明細書において例示されているのは、約1:1〜4:1、ならびに約1:2〜1:5、および1:10〜1:25、ならびに1:25〜1:50の範囲の結合剤の部対マトリクスの部を有する改良されたデバイスである。マトリクスに対する結合剤の任意の比率を使用して、本発明を実施し得る。 さらに、本発明は、改良された骨形成デバイスが1つを超えるマトリクス材料を組み合わせて含み得ること;相対比率は所望の臨床結果を達成するのに変更し得、そして日常的に通常の技術を使用して決定し得ることを意図する。現在好ましいマトリクスはコラーゲン、特にウシコラーゲンである。別の適切なマトリクスは、鉱物質除去骨である。さらに他の適切なマトリクスは、種々のカルシウム:リン酸(Ca/P)モル比、種々の空隙率および結晶性を有するヒドロキシアパタイト(HAp);生体活性セラミック;およびリン酸カルシウムセラミックなどである。さらに、HAp/リン酸三カルシウム比率が操作されている上述の混合物もまた、本明細書において意図される。特に好ましい実施態様において、マトリクスはβ−リン酸三カルシウム(β−TCP)である。 別の局面において、本発明は、骨、軟骨または骨軟骨欠損の修復のための局所性の骨形成または軟骨形成を誘導するための方法を提供する。本発明の方法は、少なくとも軟骨内骨、膜内骨、および関節軟骨の形成を誘導するのに有用であることが意図される。本明細書において開示されるように、修復の方法は、上記の改良された骨形成デバイスを用いる閉口および開口欠損の両方の処置を含む。本明細書において教示されるように、本発明の方法は、欠損部位を満たすのに充分な容積である改良されたデバイスを用いて、ならびにそのような容積ではない改良されたデバイスを用いて実施され得る。さらに、本発明の知見の結果として、手術の介入を必要とすることなく骨および/または軟骨欠損修復を促進するための実施態様が今や利用可能である。このような方法の利用可能性は、糖尿病のような易感染性(compromised)個体、喫煙者、肥満個体、および手術の介入が必要な場合に健康全体および体の末端(extremities)への損なわれた血流が危険に晒される他の者にとって意義深い。欠損の例は、重要なサイズ欠損、重要ではないサイズ欠損、非癒合骨折、骨折、骨軟骨欠損、軟骨欠損、および歯周欠損が含まれるがこれらに限定されない。 別の局面において、本発明は、上記の方法の実施のためのキットを提供する。本明細書において意図されるように、局所性の骨形成または軟骨形成を誘導するためのキットの1つの実施態様は、骨形成タンパク質およびマトリクスが同じ容器に包装されている改良されたデバイスを含む。他の実施態様において,骨形成タンパク質、マトリクスおよび結合剤が同じ容器に存在する。さらに他の実施態様において、湿潤剤もまた、他のキット成分から分離されて提供され、そして包装される。 本発明が、開業医に、哺乳動物関節に存在する関節軟骨の修復を含む骨修復および軟骨修復のための改良された材料および方法を提供するので、本発明は、それ以外で、当該分野の方法およびデバイスを用いて遭遇する問題を克服する。例えば、本発明は、欠損部位で線維軟骨ではなく、本物のヒアリン軟骨の形成を誘導し得る。機能的なヒアリン軟骨は、欠損部位で骨の関節をなす(articulate)表面で形成し、そして時とともには線維軟骨に変性しない。対照的に、先行技術の方法は、一般に、最終的には、欠損部位での線維軟骨の発達をもたらす。ヒアリン軟骨とは異なり、線維軟骨は、関節をなす連結をそれらの完全な能力にまで回復させる生理学的能力を欠く。従って、改良された骨形成デバイスを本方法に従って使用する場合、開業医は、機能的に関節をなす連結における骨軟骨欠損または軟骨欠損を実質的に回復させ得、そして先行技術の方法の代表的な線維軟骨の所望されない形成を避け得る。本明細書において意図されるように、本発明は、さらに、関節において機械的および機能的に生存性の置換の形成をもたらす骨格関節において無血管性の組織を修復のための同種異系置換材料を具現化する。 まとめると、本発明の方法、デバイス、およびキットは、自然には治癒しない骨欠損を修復するため、ならびに、特に骨折の修復および固定(fusion)(脊髄固定を含む)において、新骨形成の速度および/または質を促進および増強するために、軟骨形成または内膜骨形成を誘導するために使用され得る。本発明の方法、デバイスおよびキットはまた、骨軟骨欠損および/または肋軟骨下欠損の修復を誘導(すなわち、新骨および/または重層する表面軟骨の形成を誘導)し得る。本発明は、変質または変性疾患(例えば、離断性骨軟骨炎であるがこれに限定されない)から生じる欠損の修復の際の使用に特に適切である。これはまた、反復性再構成手術を必要とする患者、ならびにガン患者における使用に特に適している。他の適用には、補綴修復、脊髄固定、側弯症、頭部/顔部修復、および大量の異種移植片修復が含まれるがこれらに限定されない。 例えば、本発明は以下の項目を提供する。(項目1)局所性の骨形成または軟骨形成を誘導するためのデバイスであって、以下: 骨形成タンパク質; 非合成、非ポリマー性物質に由来するマトリクス;および 結合剤、を含む骨形成デバイス。(項目2)前記骨形成タンパク質が、OP−1;OP−2;OP−3;BMP2;BMP3;BMP4;BMP5;BMP6;BMP9;BMP−10;BMP−11、BMP−12、BMP−15、BMP−16、DPP;Vg1;Vgr;60Aタンパク質;GDF−1;GDF−3、GDF−5、GDF−6、GDF−7、GDF−8、GDF−9、GDF−10、GDF−11;およびそれらの各々のアミノ酸配列改変体からなる群より選択される、項目1に記載のデバイス。(項目3)前記骨形成タンパク質が、OP−1;OP−2、BMP2;BMP4;BMP5;BMP6;およびそれらの各々のアミノ酸配列改変体からなる群より選択される、項目1に記載のデバイス。(項目4)前記骨形成タンパク質が、ヒトOP−1の、保存された7つのシステインドメインを含む、C末端102〜106アミノ酸と少なくとも70%の相同性を有するアミノ酸配列を含む、項目1に記載のデバイス。(項目5)前記骨形成タンパク質がOP−1である、項目1に記載のデバイス。(項目6)少なくとも2つの異なる骨形成タンパク質を含む、項目1に記載のデバイス。(項目7)前記マトリクスが、コラーゲン、鉱質除去骨、アパタイト、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、およびそれらの混合物からなる群より選択される、項目1に記載のデバイス。(項目8)前記マトリクスがコラーゲンである、項目1に記載のデバイス。(項目9)前記マトリクスがβ−リン酸三カルシウムである、項目1に記載のデバイス。(項目10)少なくとも2つの異なるマトリクス物質を含む、項目1に記載のデバイス。(項目11)前記結合剤が、マンニトール、デキストラン、白色ワセリン、マンニトール/デキストランの組合せ、マンニトール/白色ワセリンの組合せ、ゴマ油、アルキルセルロース類、フィブリンのり、およびそれらの混合物からなる群から選択される、項目1に記載のデバイス。(項目12)前記結合剤がアルキルセルロース類からなる群より選択される、項目1に記載のデバイス。(項目13)前記結合剤がメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシアルキルセルロース、およびそれらの混合物からなる群より選択される、項目1に記載のデバイス。(項目14)前記結合剤がカルボキシメチルセルロースまたはそのナトリウム塩である、項目1に記載のデバイス。(項目15)前記結合剤がフィブリンのりであり、該フィブリンのりが哺乳動物フィブリノーゲンおよびトロンビンの混合物である、項目1に記載のデバイス。(項目16)前記デバイスが少なくとも2つの異なる結合剤を含む、項目1に記載のデバイス。(項目17)湿潤剤をさらに含む、項目1に記載のデバイス。(項目18)前記湿潤剤が生理食塩水である、項目17に記載のデバイス。(項目19)局所性の骨形成または軟骨形成を誘導するためのデバイスであって、以下: 約1.25mgの骨形成タンパク質OP−1; 約1000mgのコラーゲンマトリクス;および 少なくとも約180mgのカルボキシメチルセルロース、を含む、デバイス。(項目20)少なくとも約2.5mgのOP−1をさらに含む、項目19に記載のデバイス。(項目21)少なくとも約200mgのカルボキシメチルセルロースをさらに含む、項目19または20に記載のデバイス。(項目22)局所性の骨形成または軟骨形成を誘導するためのデバイスであって、以下: 約0.4mgの骨形成タンパク質; 約1000mgのコラーゲンマトリクス;および 少なくとも約20mgのフィブリンのり、を含む、デバイス。(項目23)約40mgのフィブリンのりをさらに含む、項目22に記載のデバイス。(項目24)局所性の骨形成または軟骨形成を誘導するためのデバイスであって、以下: 約1.2mgの骨形成タンパク質; 約1000mgのβ−リン酸三カルシウム;および 少なくとも約40mgのフィブリンのり、を含む、デバイス。(項目25)約220mgのフィブリンのりをさらに含む、項目22または24に記載のデバイス。(項目26)前記フィブリンのりが哺乳動物フィブリノーゲンとトロンビンとの混合物である、項目22または24に記載のデバイス。(項目27)前記トロンビン含量が約2.0U〜約25Uである、項目26に記載のデバイス。(項目28)前記トロンビン含量が約5.0U〜約25Uである、項目26に記載のデバイス。(項目29)前記トロンビン含量が約2.5U〜約5.0Uである、項目26に記載のデバイス。(項目30)約20mg〜約180mgのフィブリノーゲン含量をさらに含む、項目26に記載のデバイス。(項目31)骨形成タンパク質およびキャリアを含む局所性の骨形成または軟骨形成を誘導するためのデバイスであって、該キャリアが50部(w/w)のマトリクスに対して1部(w/w)の結合剤を含む、デバイス。(項目32)前記キャリアが25部(w/w)のマトリクスに対して1部(w/w)の結合剤を含む、項目31に記載のデバイス。(項目33)前記キャリアが10部(w/w)のマトリクスに対して1部(w/w)の結合剤を含む、項目31に記載のデバイス。(項目34)前記キャリアが5部(w/w)のマトリクスに対して1部(w/w)の結合剤を含む、項目31に記載のデバイス。(項目35)前記キャリアが5部(w/w)未満のマトリクスを含む、項目31に記載のデバイス。(項目36)骨形成タンパク質およびキャリアを含む局所性の骨形成または軟骨形成を誘導するためのデバイスであって、該キャリアが1部(w/w)のマトリクスに対して10部(w/w)の結合剤を含む、デバイス。(項目37)前記キャリアが10部(w/w)未満の結合剤を含む、項目36に記載のデバイス。(項目38)生理食塩水をさらに含む、項目19、22、24、31、または36に記載のデバイス。(項目39)骨欠損、軟骨欠損または骨軟骨欠損の修復のために局所性の骨形成または軟骨形成を誘導するための方法であって、以下の工程: 項目1、19、22、24、31、または36に記載のデバイスを欠損部位に提供する工程、を包含する、方法。(項目40)前記骨形成が軟骨内骨形成である、項目39に記載の方法。(項目41)前記軟骨形成が関節軟骨形成である、項目39に記載の方法。(項目42)前記欠損部位が、以下:重症サイズ欠損、非重症サイズ欠損、分節非癒合欠損、非癒合性骨折、骨折、骨軟骨欠損、および肋軟骨下欠損からなる群より選択される、項目39に記載の方法。(項目43)前記欠損部位に提供される骨形成デバイスの容積が該欠損部位を満たすのに充分である、項目39に記載の方法。(項目44)局所性の骨形成または軟骨形成を誘導するためのデバイスであって、以下: 骨形成タンパク質OP−1; コラーゲンマトリクス;および カルボキシメチルセルロース、を含むデバイス。(項目45)局所性の骨形成または軟骨形成を誘導するためのデバイスであって、以下: 骨形成タンパク質OP−1; コラーゲンマトリクス;および フィブリンのり、を含むデバイス。(項目46)項目1に記載のデバイスを用いる局所性の骨形成または軟骨形成を誘導するためのキットであって、以下: (a)骨形成タンパク質およびマトリクス物質を収容するように適合されている第一の容器;および (b)結合剤を収容するように適合されている第二の容器、を含み、ここで、該骨形成タンパク質およびマトリクス物質が部分(a)の該第一の容器に提供され、そして該結合剤が部分(b)の該第二の容器に提供される、キット。(項目47)湿潤剤を収容するように適合されている第三の容器をさらに含む、項目46に記載のキット。(項目48)前記第一の容器および前記第二の容器が同一である、項目46に記載のキット。 本発明の上記および他の目的、ならびに特徴、ならびに本発明自体は、添付の図面とともに読む場合に、以下の説明からより完全に理解され得る。図1は、標準OPデバイスの部(w/w)に対する種々の結合剤の部(w/w)の粘着特性を示すグラフである。図2は、改良された骨形成デバイスの統合性に対する種々の容積の湿潤剤の効果を示すグラフである。 (好ましい実施態様の詳細な説明) 請求された発明の主題をより明白および正確に記載するために、以下の定義を、以下の記載された説明および添付の請求の範囲において使用される特定の用語の意味に関する指針を提供することが意図される。 「骨形成」とは、軟骨内骨の形成または膜内骨の形成を意味する。ヒトにおいて、骨形成は、胎児発達の最初の6〜8週の間に開始する。間葉性起源の前駆幹細胞は、所定の部位に移動し、そこでそれらは:(a)濃縮、増殖、および骨形成細胞(骨芽細胞)へと分化し、これは、頭蓋骨において観察されるプロセスであり、これは「膜内骨形成」という;または(b)濃縮、増殖、および中間体としての軟骨形成細胞(軟骨芽細胞)へと分化し、これは次いで、骨形成細胞を置換するかのいずれかである。より具体的には、間葉幹細胞は、軟骨細胞へと分化する。次いで、軟骨細胞は、石灰化し、肥大し、そして分化された骨芽細胞によって作製された新たに形成された骨によって置換され、これはここでその部位に存在する。次いで、鉱化した骨は、広範に再造形され、その後、機能性骨髄要素で満たされた小骨によって占められるようになる。このプロセスは、長い骨において観察され、そして「軟骨内骨形成」という。胎児期の後、骨は胚の軟骨内骨発達の細胞プロセスを模倣することによって傷害の際にそれ自身を修復する能力を有する。すなわち、骨髄、骨膜、および筋肉からの間葉前駆幹細胞は、欠損部位に移動し、そして上記の事象のカスケードが開始するように誘導され得る。そこで、それらは、蓄積、増殖、および軟骨へと分化し、これは、次いで、新たに形成された骨と置換する。 「骨」とは、主に、ヒドロキシアパタイト、コラーゲン(主にI型コラーゲン)の形態で沈着したカルシウムおよびリン酸の成分、および骨細胞(例えば、骨芽細胞、骨細胞、および破骨細胞)、ならびに真の軟骨内骨の内部で形成する骨髄を含む石灰化(鉱化)された結合性の組織、をいう。骨組織は、他の組織(軟骨組織を含む)とは有意に異なる。具体的には、骨組織は、細胞、および二相性の媒体(鉱化、無機成分(主にヒドロキシアパタイト結晶)および有機成分(主にI型コラーゲン)を含む)から構成される脈管化した組織である。グリコサミノグリカンは、2%未満のこの有機成分および1%未満の二相性媒体自身、または骨組織自体を構成する。さらに、軟骨組織と比較して、骨組織に存在するコラーゲンは、非常に組織化された平行の配置で存在する。骨欠損は、変性性、外傷性、またはガン性の病因であれ、再構成手術のてごわい挑戦を提起する。特に困難なのは多重組織複合体(例えば、哺乳動物関節において生じる)の部分を含む骨格部分の再構築または修復である。 「軟骨形成」とは、コラーゲンの原線維(IX型およびXI型のような他の少数の型を伴う、主なII型コラーゲン)、種々のプロテオグリカン、他のタンパク質および水を含む、細胞外ネットワーク中に包埋された軟骨細胞を含む結合組織の形成を意味する。「関節軟骨」とは、特に関節中の骨の部分の関節をなす表面を覆い、そして骨と骨が直接接触しない関節での動きを可能にし、これによって、向かい合った骨表面の摩擦および損傷を予防する、無血管非鉱化組織である、硝子軟骨または関節軟骨をいう。正常で健常な関節軟骨は、「硝子質」と呼ばれ、すなわち、すりガラス状の外観の特徴を有する。生理学的条件下において、下にある関節軟骨組織は、非常に血管化した小骨を含有する、助軟骨下骨と呼ばれる、鉱化骨表面にある。関節をなす骨の末端に見出される、関節軟骨、すなわち硝子軟骨は、特殊化した、組織学的に異なる組織であり、そして圧縮圧力に対する負荷耐性の分散、および、関節機能の一部である滑らかな滑りを担う。関節軟骨は、自己再生特性をほとんど、または全く有さない。従って、関節軟骨が裂るか、または厚さがすり減った場合、そうでなければ時間、疾患、または外傷の関数として傷つけられた場合、下にある骨表面を保護する能力が損なわれる(comprised)。正常な関節軟骨において、上記の細胞外ネットワークの合成と破壊との間には平衡が存在する。しかし、例えば、互いに接触した、誤って配置された骨の間の摩擦に起因する反復外傷に供される組織において、または関節軟骨による正味の損失によって特徴付けられる関節性疾患(例えば、変形性関節症)において、合成と分解との間に不均衡が生じる。 骨格関節における関節の別の型には、線維軟骨および弾性軟骨が含まれる。二次的な軟骨性関節が線維軟骨ディスクによって形成され、これは脊柱の中の椎骨を連結させる。線維軟骨において、ムコ多糖ネットワークは顕著なコラーゲン束により組み合わされており、そして軟骨細胞は、硝子軟骨中よりも広範に散乱されている。弾性軟骨は、エラスチン線維と組織学的に類似であるコラーゲン線維を含む。軟骨組織(関節軟骨を含む)は、他の結合組織とは異なり、血管、神経、リンパ管および基底膜を欠失する。軟骨は軟骨細胞からなり、これは水、コラーゲン、プロテオグリカン、および非コラーゲン性のタンパク質ならびに脂質からなる、豊富な細胞外環境を合成する。コラーゲンはプロテオグリカンを捕獲するため、および組織に抗張力を提供するために働く。II型コラーゲンは軟骨組織中の顕著なコラーゲンである。プロテオグリカンは、タンパク質コアに共有結合した、可変数のグルコサミフグリカン鎖、硫酸ケラチン、コンドロイチン硫酸および/またはデルマタン硫酸、ならびにN結合型(lined)およびO結合型オリゴサッカリドから構成される。 関節軟骨、すなわち硝子軟骨は、その形態およびその生化学の両方により他の形態の軟骨から区別され得る。瘢痕組織に生じる線維性軟骨組織のような特定のコラーゲンは、例えば、ケロイドおよび瘢痕型組織の典型であり、すなわち毛細血管および豊富で、不規則な、組織崩壊したI型コラーゲンおよびII型コラーゲンの束から構成される。対照的に、関節軟骨は、表層帯対中間帯対深部帯によって形態学的に特徴付けられ、これは、組織表面から骨に隣接した組織基底部へと、特徴の、特徴的な段階的変化を示す。表層帯において、例えば、軟骨細胞は扁平になっていて、そして細胞外ネットワーク中に埋め込まれた、垂直に配置されたコラーゲンおよび少量のプロテオグリカンを含む表面に平行に存在する。中間帯では、軟骨細胞は球形であり、そしてプロテオグリカンおよび斜めに組織化されたコラーゲン線維かつ豊富な細胞外ネットワークによって囲まれている。深部帯において、骨に接近して、コラーゲン線維は垂直に配向されている。硫酸ケラチンが豊富なプロテオグリカンは、軟骨表面からの距離の増加に伴って濃度が増加する。関節軟骨微細構造の詳細な記載については、例えば、AydelotteおよびKuettener、(1988)、Conn.Tiss.Res.18:205;Zanettiら、(1985)、J.Cell.Biol. 101:53;ならびにPooleら、(1984)、J.Anat.138:13.を参照のこと。生化学的に、関節性コラーゲンは、II型コラーゲンおよびIX型コラーゲンの存在によって、ならびによく特徴付けられているプロテオグリカンの存在によって、ならびに軟骨性骨形成と関連したX型コラーゲンが存在しないことによって、同定され得る。 関節表面において、2つの型の欠損が認識される。すなわち、全層欠損および表層欠損である。これらの欠損は、関節に対する物理的な損傷の状況が異なるだけでなく、各型の損傷が誘発し得る修復反応の性質もまた、異なる。関節をなす表面の全層欠損(本明細書中で「骨軟骨欠損」とも呼ばれる)には、硝子軟骨、石灰化軟骨層、ならびに血管および骨髄を伴う助軟骨下骨組織に対する損傷が含まれる。骨板は感覚神経終末を含むので、全層欠損は重篤な痛みを引き起し得る。このような欠損は、一般に重篤な外傷から、および/または後期段階の変形性関節症(例えば、変形性関節症)の間に起こる。全層欠損は、時として、出血および助軟骨下骨からの修復反応の誘導を導き得る。しかし、このような例において、形成された修復組織は、生体力学的特性が不十分な、血管化した線維型の軟骨であり、そして長期間の基礎としては存続しない。対照的に、関節軟骨組織における表層欠損は、軟骨組織自体に制限される。このような欠損はまた、本明細書中において、「軟骨欠損」または「助軟骨下欠損」と呼ばれ、これは治癒せず、そして修復反応の傾向もみせないので著名である。表層欠損は、軟骨表面における亀裂、くぼみ(divot)または裂溝として現れ得る。これらは、全層欠損において見出されるような、出血する血管を含まない(血斑)。表層欠損は既知の原因を有さかもしれないが、これらはしばしば軟骨組織の摩滅を導く、機械的障害の結果である。このような機械的障害は、関節に対する外傷(例えば、関節への裂傷半月組織の置換、半月板切除術)によって、靭帯の裂傷、関節の配列不正(malalignment)、または骨折による関節の弛緩によって、または遺伝性疾患によって引き起こされ得る。表層欠損はまた、変性性関節症(例えば、変形性関節症)の初期段階の特徴である。軟骨組織は神経支配も血管化もされないので、表層欠損は治癒せず、しばしば全層欠損へと変性する。 本明細書中で意図される「欠損」または「欠損部位」は、修復を必要とする、骨性構造破壊を規定し得る。欠損はさらに、骨軟骨欠損を規定し得、これは骨および重層軟骨の両方の構造破壊を含む。欠損は「間隙」の形態をとり得、これは、例えば、骨または関節の構造的完全性における、裂孔、腔、孔、または他の実質的な破壊などのような三次元的欠損を意味することが理解される。欠損は、事故、疾患、手術および/または補綴破壊の結果であり得る。特定の実施態様において、欠損は内因性修復または自然修復が可能ではない容積を有する間隙である。このような欠損は、一般に対象骨の直径の2倍であり、そしてまた、「重症サイズ」欠損とも呼ばれる。例えば、イヌの尺骨欠損モデルでは、当該分野においてこのような欠損は約3〜4cm、一般に少なくとも約2.5cmの、自然修復し得ない裂孔であると認識される。例えば、Schmitzら、Clinical Orthopaedics and Related Research 205:299−308(1986);およびVukicevicら、Advanced in Molecular and Cell Biology 6巻、207−224頁(1993)(JAI Press,Inc.)を参照のこと。これらの開示は、本明細書中に参考として援用される。ウサギおよびサル分節欠損モデルにおいて、裂孔はそれぞれ約1.5cmおよび2.0cmである。他の実施態様において、欠損は非重症サイズ分節欠損である。たとえ生化学的には本発明の実施により可能な修復より劣っているとはしても、一般に、これらはいくらか自然修復し得る。特定の他の実施態様において、欠損は、骨軟骨栓子のような、骨軟骨欠損である。このような欠損は、重層軟骨全体を通り抜け、そして少なくとも部分的には下にある骨構造に侵入する。対照的に、軟骨欠損または助軟骨下欠損は、それぞれ部分的にまたは全体的に重層軟骨を通り抜けるが、下にある骨を含まない。本発明を用いる修復が可能である他の欠損には、非癒合性骨折;骨腔;腫瘍切除;新しい骨折(伸延性または非伸延性);頭部/顔面奇形;歯周欠損および歯周不正;脊椎固定;ならびにガン、変形性関節炎を含む関節炎、および離断性骨軟骨炎のような他の骨変性性障害のような疾患から生じる欠損が含まれるが、これらに限定されない。 「修復」とは、欠損における間隙または構造的不連続面を少なくとも部分的に充填するために充分な、新規骨形成および/または軟骨形成を意味することが意図される。しかし、修復は、完全な治癒プロセスまたはその欠損前の生理学的/構造的/機械的状態に欠損を回復するのに100%有効な処置を意味しないし、またはさもなければ必要ともしない。 本明細書中で意図されるように、「マトリクス」とは、骨誘導性基質(osteoconductive substrate)として作用し得、そして浸潤細胞が付着し得、増殖し得、そしてついに骨形成となるモルフォゲン性プロセスに関与し得る足場構造を有し得る、非ポリマー性非合成物質を意味する。本明細書中で意図されるように、マトリクスは、α−ヒドロキシ酢酸および/もしくはα−ヒドロキシプロピエン酸(α−hydroxy proponic acid)(これらのラセミ体混合物を含む)のホモポリマーまたはコポリマーを含むポリマー性マトリクスのような、ポリマー性合成物質を含まない。詳細には、本明細書中に意図されるようなマトリクスはグリコール酸、乳酸および酪酸(これらの誘導体を含む)のホモポリマーもコポリマーも含まない。例えば、本発明のマトリクスは、生物学的物質または天然から供給される物質または天然に存在する物質由来であり得る。適切なマトリクスは粒状で多孔質でなければならず、多孔性は、骨形成の誘導、特に軟骨内骨形成での有効性に対して重要な特性である。用語、「マトリクス」とは、軟骨内骨形態形成に関連する特定の細胞事象が生じる際に、本質的に三次元形態を有する構造成分または基質を意味し;マトリクスは、浸潤細胞の付着、増殖および分化のための間隙を有する、浸潤細胞に対する一時的な足場構造として作用することが理解される。本発明は、改良された骨形成デバイスが、組み合わされた1つ以上のマトリクス物質を含み得ること;相対的比率を変更して所望の臨床的結果を達成し得、そして当該分野の技能を使用して日常的に決定し得ることを意図する。現在好ましいマトリクスはコラーゲン、特にウシコラーゲンである。別の適切なマトリクスは、鉱物質除去された骨である。さらに他の適切なマトリクスは、少し名を挙げると、種々のカルシウム:リン酸(Ca/P)モル比、多孔性および結晶性のヒドロキシアパタイト(HAp);生物活性セラミックス;およびリン酸カルシウムセラミックスである。さらに、HAp/リン酸三カルシウム比が操作される、前述の混合物もまた、本明細書中で意図される。これらのマトリクスは、顆粒形態、ブロック形態、および粉末形態で、商業的に得られ得る。例えば、Pyrost(登録商標)はウシ骨由来のHApブロックであり(Osteo AG,Switzerland);Collapta(登録商標)はコラーゲンを含むHApスポンジであり(Osteo AG,Switzerland);リン酸三カルシウム(β−TCP)はPharma GmbH(Germany)からCerasob(登録商標)として、ならびにClarkson Chromatography Products,Inc.(S.Williamsport,PA)またはOsteonics(Netherlands)から得られ得;TCP/HAp顆粒混合物はOsteonics(Netherlands)から得られ得;ならびに100%HAp粉末または顆粒はCAM(Osteotech,NJの子会社)から得られ得る。特定の前述のマトリクスの調製および特徴付けは当該分野において徹底的に記載されており、そして日常的な実験および当該分野の技能しか必要としない。例えば、米国特許4,975,526;米国特許5,011,691;米国特許5,171,574;米国特許5,266,683;米国特許5,354,557および米国特許5,468,845を参照のこと(これらの開示は本明細書中に参考として援用される)。他の前述のマトリクスはまた、当該分野においてよく記載されている。例えば、LeGerosおよびDaculsi Handbook of Bioactive Ceramics,II 17−28頁(1990,CRC Press)のような生体適合物質論文;および、Yang Cao,Jie Weng Biomaterials 17,(1996)419−424頁のような他の公開された記載;LeGeros,Adv.Dent.Res.2,164(1988);Johnsonら、J.Orthopaedic Research,1996,14巻、351−369頁;ならびにPiattelliら、Biomaterials 1996、17巻、1767−1770頁を参照のこと(これらの開示は本明細書中に参考として援用される)。 焼結、高焼性β−TCP(β−リン酸三カルシウム)は現在好ましいマトリクスである。焼結β−TCPは、焼結HApsおよび焼結2相リン酸カルシウム(BCP)よりも高い溶解速度を有する。B−TCPが骨形成を支持する能力は、部分的に、マトリクス中のCa/P顆粒のサイズに基づくようである。約212μmと約425μmとの間の粒子サイズを有する焼結β−TCPが最も好ましく、そしてClarkson Chromatography Products,Inc.(S.Williamsport,P.A.)またはOsteonics(Netherlands)から得られ得る。移植される場合、この範囲内のサイズの粒子を含むデバイスは、本明細書中の他の場所に記載されるように、ラットの皮下部位に移植された場合、画像分析による高い吸収率、および低い炎症応答を示す。 「骨形成デバイス」とは、少なくともマトリクス中に分散された骨形成タンパク質を含む組成物を意味することが理解される。本明細書中に開示されるように、「改良された骨形成デバイス」は、骨形成タンパク質、上に規定されるようなマトリクス、および以下に規定するような結合剤を含む。対照的に、「標準骨形成デバイス」は、骨形成タンパク質およびマトリクスを含むが、結合剤を含まず;標準骨形成デバイスは、合成、ポリマー性マトリクス、または上に規定するようなマトリクスのいずれかを含み得る。以下に記載する実施例および教示において、標準骨形成デバイスはさらに以下の通りに称される;標準デバイス、OPデバイス、OP−1デバイスまたはOP。改良された骨形成デバイスはさらに以下の通りに称される:CMC含有デバイス、CMC含有標準デバイス、CMC/OP−1デバイス、OP−1/CMC/コラーゲン、OPCMC/コラーゲンおよびフィブリンのり含有改良デバイス。本明細書中で使用される場合、「偽デバイス」は骨形成タンパク質を含まず、そして公知の骨誘導性因子を全く含まずに処方される。本発明はまた、本明細書中に規定されるように、少なくとも2つの異なる骨形成タンパク質および/または少なくとも2つの異なるマトリクスを含む改良されたデバイスが意図される。改良されたデバイスの他の実施態様は、本明細書中に規定されるように、少なくとも2つの異なる結合剤をさらに含み得る。さらに他の実施態様において、前述の改良されたデバイスのいずれか1つは、本明細書中に規定されるように、さらに浸潤剤を含み得る。前述の実施態様のいずれかはまた、市販されている造影剤のような放射線不透過性成分を含み得る。一般に、このような薬剤には3つの周知の型(ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウムおよび有機ヨウ素)が存在する。放射線不透過性成分を含有するデバイスは、本明細書中他の場所に記載されるような、閉鎖欠損部位でのデバイス投与に対して特に有用である。適切な放射線不透過性成分の同定は、当該分野の技能および日常的な実験のみを必要とする。例えば、EhrlichおよびMcCloskey,Patient Care in Radiography(Mosby Publisher,1993);Carol,Fuch’s Radiographic Exposure, Processing and Quality Control(Charles C.Thomas Publisher,1993);およびSnopek,Fundamentals of Special Radiographic Procedures,(W.B.Saunders Company,1992)を含むX線撮影の論文(これらの開示は本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。 改良されたデバイスの好ましい実施態様は、骨、軟骨、筋肉および/または他の組織に接着性である。これらは改良された取り扱い特性を有し、そして手術の間の潅注および縫合の際の移動に対して耐性である。同様に、これらは粘着性であり、そして、潅注および/または血液のような体液の浸潤によって洗い流されたり、崩壊したり、または希釈されることはない。好ましい実施態様は、関節をなす連結でさえ、手術後も接着性を保つ。特に重要なことは、改良されたデバイスが欠損部位に容易に限定されるということである。機能的には、本発明の改良された骨形成デバイスは加速された骨形成および/または軟骨形成ならびにより質の高いより安定な修復組織を誘導し、そして標準骨形成デバイスで必要とされるよりも低い用量の骨形成タンパク質で、利点を達成し得る。従って、骨形成タンパク質と、非合成非ポリマー性マトリクスおよび結合剤との混合物は、今や当業者が本明細書中に例示するように利用し得る、予想外の特性を有する。1つの現在好ましい実施態様は、OP−1、コラーゲンマトリクス、および結合剤カルボキシメチルセルロース(CMC)を含む。以下に議論するように、結合剤CMCに関連する利点は、比較的少ない量で存在する場合でさえも、その有効性が存在することである。例えば、本明細書中に例示される特定の実施態様において、OP−1は約1000mgのコラーゲン当たり、および約180〜200mgのCMC当たり、約1.25〜2.50mgの範囲の量において使用され得る。他の現在好ましい実施態様は、OP−1、コラーゲンマトリクスおよび結合剤フィブリンのり;またはOP−1、β−TCPマトリクスおよび結合剤フィブリンのりを含む。本明細書中に例示される特定の実施態様において、約40mgのフィブリンのりが1000mgのβ−TCPまたは1000mgのコラーゲンとともに使用され得る。なお他の実施態様において、約20mgのフィブリンのりは1000mgのコラーゲンとともに使用されて骨形成および/または軟骨形成を支持し得る。これらのマトリクスおよび結合剤は、改良された骨形成デバイスに関連する、上述の好ましい取扱い特徴の全てを示す。 特定の他の実施態様において、これらの量のタンパク質、マトリクスおよび結合剤は、欠損の修復に関係する状態および状況に従って、増加または減少され得る。生理食塩水のような湿潤剤がさらに添加され得る。以下に例示されるように、開口欠損部位での移植について好ましい構造は、パテのコンシステンシーを呈する。これは、移植の前に外科医によって成形および適合される。この構造は、本明細書中に教示されるのと同様の方法で、マトリクス対結合剤対湿潤剤の割合を調整することによって達成される。以下にさらに例示されるように、閉鎖欠損は、よりゆるんだ、より流動性の、粘性液体に似たデバイス構造で処置され得る。このような構造は、外科的介入を伴わずに欠損部位に注入され得る。さらに、マトリクス対結合剤対湿潤剤の割合を単に調整することにより本実施態様を達成し得る。現在好ましい改良されたデバイスは、約1部の結合剤(w/w)対約5部のマトリクス(w/w)を含む。本明細書中以下に記載されるように、改良されたデバイスを調製するために他の割合が使用され得、これは結合剤および/またはマトリクスの性質に依存する。 もちろん、改良された骨形成デバイスの任意の処方物に必須である特徴は、処方物が欠損部位で、たとえ一過性であるとしても、骨形成タンパク質の少なくとも局所的な供給源を提供するのに有効でなければならないことである。以下に例示するように、改良された骨形成デバイスの結合剤含量は、タンパク質の放出/保持の反応速度には影響を与えない。これは、タンパク質の脱着が大きすぎたので隔離性物質(セルロース誘導体物質を含むと規定される)の非存在下では、ポリマー含有標準デバイスが臨床的に有意な骨誘導効果を示さなかったという対照的な所見に鑑みれば予想外である。(例えば、米国特許5,597,897を参照のこと)以下に例示されるように、本明細書中に規定される結合剤が存在する場合でさえ、タンパク質は改良されたデバイスからなお脱着されるが、骨誘導性効果は容易に明らかである。理論によって拘束されることを所望しないが、本発明に関連する予想外の特徴および利益は、タンパク質結合剤相互作用にはあまり関連しないようであり、そして結合剤−マトリクス相互作用により関連するようである。詳細には、本明細書中に規定される結合剤は、本発明によって必要とされるマトリクスと相乗的に補完および/または相互作用するようである。このことは、これまで認められておらず、そしてこの組合せは先行技術の教示によって思いとどませられていた(例えば、米国特許5,520,923;5,597,897およびWO95/24210を参照のこと)。 用語「単一」デバイスとは、骨形成タンパク質、マトリクス、および結合剤を含む、単一の、予め混合された処方物として開業医に提供される、改良された骨形成デバイスをいう。用語「非単一」デバイスとは、使用前に混合するように、少なくとも2つの別々の包装で開業医に提供される、改良された骨形成デバイスをいう。代表的には、非単一デバイスは、少なくとも骨形成タンパク質およびマトリクスとは別々に包装された結合剤を含む。用語「キャリア」は、各々が本明細書中に規定されるような、結合剤とマトリクスとの混合物をいう。従って、例えば、本明細書中に開示されるような改良された骨形成デバイスとは、骨形成タンパク質およびキャリアを包含する。 骨形成タンパク質に加えて、種々の増殖因子、ホルモン、酵素、治療用組成物、抗生物質、または他の生物活性薬剤もまた、改良された骨形成デバイスの内に含まれ得る。従って、EGF、PDGF、IGF、FGF、TGF−αおよびTGF−βのような種々の公知の増殖因子は改良された骨形成デバイスと組み合わされ得、そして欠損部位に送達され得る。改良された骨形成デバイスはまた、化学療法剤、インシュリン、酵素、酵素インヒビターおよび/または化学誘引物質/走化因子を送達するために使用され得る。 「骨形成タンパク質」、すなわち骨モルフォゲンタンパク質は、一般的に、最終的に骨軟骨内性骨形成になる、モルフォゲン性事象の完全なカスケードを誘導し得るタンパク質を意味すると理解される。本明細書中の他の場所に記載されるように、このクラスのタンパク質は、ヒト骨形成タンパク質(hOP−1)により代表される。本発明の実施に有用な他の骨形成タンパク質は、OP−1、OP−2、OP−3、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP9、DPP、Vg1、Vgr、60Aタンパク質、GDF−1、GDF−3、GDF−5,GDF−6,DGF−7、BMP10、BMP11、BMP13、BMP15、UNIVIN、NODAL、SCREW、ADMP、またはNEURAL,およびそれらのアミノ酸配列改変体の骨形成的に活性な形態を含む。1つの現在好ましい実施態様において、骨形成タンパク質は、以下のいずれか1つを含む:OP−1、OP−2、OP−3、BMP2、BMP4、BMP5、BMP6、BMP9、ならびにそれらのアミノ酸配列改変体およびホモログ(それらの種ホモログを含む)。特に好ましい骨形成タンパク質は、ヒトOP−1、BMP2、および関連タンパク質の、保存された7システインドメインを定義する、C末端102〜106アミノ酸と、少なくとも70%の相同性を有するアミノ酸配列を含むものである。本発明の特定の好ましい実施態様は、骨形成タンパク質OP−1を含む。特定の他の好ましい実施態様は、生理学的生理食塩水に可溶化された成熟OP−1を含む。本明細書中の他の場所でさらに記載されるように、出願人の発明での使用に適した骨形成タンパク質は、ReddiおよびSampathにより記載される当該分野で認識されるバイオアッセイを用いる日常的な実験により同定され得る。「アミノ酸配列相同性」は、アミノ酸配列の類似性を意味すると本明細書中で理解される。相同配列は、同一のまたは類似したアミノ酸残基を共有し、ここで類似した残基は、整列された参照配列における対応アミノ酸残基の保存的置換であるか、または対応アミノ酸残基の許容される点変異である。従って、参照配列と70%アミノ酸相同性を共有する候補ポリペプチド配列は、任意の70%の整列された残基が、参照配列における対応残基と同一か、またはその保存的置換のいずれかである配列である。保存的変化の例は、1つの疎水性残基(例えば、イソロイシン、バリン、ロイシン、もしくはメチオニン)への別の疎水性残基の置換、または1つの極性残基への別の極性残基の置換(例えば、アルギニンへのリジンの置換、グルタミン酸へのアスパラギン酸の置換、もしくはグルタミンへのアスパラギンの置換など)を含む。用語「保存的変化」はまた、置換ポリペプチドに対して惹起された抗体がまた非置換ポリペプチドと免疫反応性であれば、非置換親アミノ酸の代わりの置換アミノ酸の使用を含む。 本発明において有用なタンパク質は、骨形成タンパク質として同定された真核生物タンパク質(本明細書中に参考として援用される、米国特許第5,011,691号を参照のこと)(例えば、OP−1、OP−2、OP−3、およびCBMP−2タンパク質、ならびにアミノ酸配列関連タンパク質(例えば、DPP(Drosophilaに由来)、Vgl(Xenopusに由来)、Vgr−1(マウスに由来)、GDF−1(ヒトに由来、Lee(1991),PNAS 88:4250−4254を参照のこと)、60A(Drosophilaに由来、Whartonら(1991)PNAS 88:9214−9218を参照のこと)、ドーサリン−1(ニワトリに由来、Baslerら(1993)Cell 73:687−702およびGenbank登録番号L12032を参照のこと)、およびGDF−5(マウスに由来、Stormら(1994)Nature 368:639−643を参照のこと))を含む。BMP−3もまた好ましい。さらなる有用なタンパク質は、米国特許第5,011,691号に開示される生合成形態形成構築物(例えば、COP−1、3〜5、7、および16)、ならびに当該分野で公知の他のタンパク質を含む。さらに他のタンパク質は、BMP−3b(Takaoら、(1996)Biochem.Biophys.Res.Comm.219:656−662を参照のこと)、BMP−9(WO95/33830を参照のこと)、BMP−15(WO96/35710を参照のこと)、BMP−12(WO95/16035を参照のこと)、CDMP−1(WO94/12814を参照のこと)、CDMP−2(WO94/12814を参照のこと)、BMP−10(WO94/26893を参照のこと)、GDF−1(WO92/00382を参照のこと)、GDF−10(WO95/10539を参照のこと)、GDF−3(WO94/15965を参照のこと)、およびGDF−7(WO95/01802)の骨形成的に活性な形態を含む。 さらに他の有用なタンパク質は、本明細書中に記載されるような骨形成タンパク質をコードするDNAにハイブリダイズする能力があるDNAによりコードされるタンパク質、および関連アナログ、ホモログ、ムテイン(生合成改変体)などを含む(以下を参照のこと)。改良された骨形成デバイスの、本明細書中で意図された、特定の実施態様は、マトリクスに機能的におよび/または安定に結合された骨形成タンパク質を含む。 本明細書中で使用される場合、「結合剤」とは、本明細書中に規定されるような骨形成タンパク質およびマトリクスと混合した場合に、骨形成および/または軟骨形成を促進する、任意の生理学的に適合性である物質を意味する。特定の好ましい結合剤は、標準骨形成デバイスより少ない骨形成タンパク質を使用して、このような修復を促進する。他の好ましい結合剤は、標準の骨形成デバイスと同量の骨形成タンパク質を使用して修復を促進し得る一方、いくつかは修復を促進するためにより多くを必要とする。本明細書中に教示されるように、当業者は任意の適切な結合剤の使用に有効な量のタンパク質を、日常的な実験のみを用いて、決定し得る。好ましい結合剤の他の特徴の中でも、少しだけ名前を挙げるとデバイスを以下のようにする能力である:柔軟、成形可能および/または可鍛性;注入可能;骨、軟骨、筋肉および他の組織に対して接着する;手術中の洗浄および/または灌注の際の崩壊に対して耐性;ならびに手術中、縫合中および術後の移動に対して耐性。さらに、特定の好ましい実施態様において、結合剤は、低い割合で存在する場合に、前に記載した特徴および利点を達成し得る。例えば、現在好ましい改良されたデバイスは、約1部の結合剤および約5部のマトリクスを含む。別の現在好ましいデバイスは、約3部の結合剤および約5部のマトリクスを含む。さらに他の好ましいデバイスは、約1部の結合剤および約10部のマトリクスを含む一方、他のデバイスは約1部の結合剤および約25部または約50部のマトリクスを含む。特定の結合剤はマトリクスに対して同じ割合またはより多い割合で使用され得るが、このような薬剤は以下で教示されるように、可能なマトリクス希釈効果を同定するために試験されるべきである。 本明細書中で有用であるとして意図されるそれらの結合剤は、以下を含むが、これらに限定されない:当該分野で認識される懸濁剤、粘度生成剤、および乳化剤。特に、セルロースガム誘導体、アルギン酸ナトリウム、およびゼラチン粉末のような当該分野で認識される薬剤が使用され得る。より詳細には、アルキルセルロースのようなセルロース薬剤が好ましく、これは、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびヒドロキシアルキルセルロースのような薬剤(ほんの数例を示す)を包含する。現在、とりわけもっとも好ましいのは、カルボキシメチルセルロース(そのナトリウム塩を包含する)である。以下に例示されるように、本発明において使用するために適切な他の結合剤は、以下を包含するが、これらに限定されない:デキストラン、マンニトール、白色ワセリン、ゴマ油、およびそれらの混合物。最後に、またとりわけ最も好ましい結合剤は、フィブリンのりであり、これは、哺乳動物フィブリノーゲンおよびトロンビンの混合物を含む。本明細書中に示される教示を考慮すると、当業者は、単なる日常的な実験および通常の技術を用いて、上記の結合剤の適切な等価物を同定し得る。 本明細書中で使用する「湿潤剤」とは、骨および/または軟骨形成を妨害しない限り、任意の生理学的に適合性の水溶液を意味する。本発明の特定の実施態様では、湿潤剤は、欠損修復の様式によって必要とされるコンシステンシーを達成させるために、改良されたデバイスと混合される。本明細書中で教示されるように、湿潤剤は、パテ配置(putty configulation)または、あるいは、粘性液体配置を達成させるために用いられ得る。現在好ましい湿潤剤は、生理食塩水である。等価物は、当業者によって、単なる日常的な実験および通常の技術を用いて同定し得る。 本発明の方法、移植片、およびデバイスを作り、そして使用するための手段、ならびにそれらの性質および有用性に関する他の具体的な局面(請求された主題を作る方法および使用する方法を含む)は、本発明を実施するために一般的に意図される最も良い態様を構成する以下からさらに理解される。本発明は、このような例示的な研究、またはこれらの実施例において示された特定の詳細に制限されないことが認識される。 1タンパク質考察A.骨形態形成タンパク質の生化学的、構造的、機能的特性 骨形成タンパク質または骨形態形成タンパク質であると本明細書中で同定および/または認識した天然に生じるタンパク質は、TGF−βスーパーファミリーまたはスーパー遺伝子ファミリーとして知られる配列関連タンパク質の緩い進化的グループ分け内の、別個のサブグループを形成する。天然に生じる骨モルフォゲンは、それらのC末端領域(ドメイン)において実質的なアミノ酸配列相同性を共有する。代表的に、上述の天然に生じる骨形成タンパク質は、N末端シグナルペプチド配列(代表的に、約30残基未満)、続いて成熟C末端ドメインを生じるために切断される「プロ」ドメインを有する前駆体として翻訳される。シグナルペプチドは、Von Heijne(1986)Nucleic Acids Research 14:4683−4691の方法を用いて所定の配列において予測され得る切断部位で、翻訳の際に迅速に切断される。プロドメインは、代表的に、完全にプロセシングされた成熟C末端ドメインより約3倍大きい。 好ましい実施態様において、形態形成ポリペプチド対は、各々が参照モルフォゲンのアミノ酸配列と定義された関係を共有する配列を含むアミノ酸配列を有する。本明細書中で、好ましい骨形成ポリペプチドは、骨形成的に活性なヒトOP−1(配列番号2)に存在する配列と定義された関係を共有する。しかし、本明細書中に開示される天然に生じる配列または生合成配列のいずれか1つ以上は、同様に、参照配列として使用され得る。好ましい骨形成ポリペプチドは、少なくとも、ヒトOP−1のC末端6システインドメイン(配列番号2の残基335〜431)と定義された関係を共有する。好ましくは、骨形成ポリペプチドは、少なくとも、ヒトOP−1のC末端7システインドメイン(配列番号2の残基330〜431)と定義された関係を共有する。すなわち、骨形態形成活性を有する二量体タンパク質における好ましいポリペプチドはそれぞれ、参照配列に対応するか、またはそれに対して機能的に等価な配列を含む。 機能的に等価な配列は、参照配列内に配置されるシステイン残基の機能的に等価な配置(これらのシステインの線状配置を変えるが、二量体モルフォゲンタンパク質のフォールディングされた構造においてそれらの関係(形態形成活性に必要であり得る、このような鎖内または鎖間ジスルフィド結合を形成するそれらの能力を含む)を実質的に損わない、アミノ酸挿入または欠失を含む)を含む。機能的に等価な配列は、1つ以上のアミノ酸残基が参照配列(例えば、ヒトOP−1のC末端7システインドメイン(本明細書中で保存7システイン骨格とも呼ばれる))の対応残基とは異なる配列を(差異が骨形態形成活性を破壊しなければ)さらに含む。従って、参照配列における対応アミノ酸の保存的置換が好ましい。参照配列における対応残基への保存的置換であるアミノ酸残基は、対応参照残基に物理的または機能的に類似する(例えば、類似した大きさ、構造、電荷、化学的特性(共有結合または水素結合を形成する能力を含む)などを有する)アミノ酸残基である。特に好ましい保存的置換は、Dayhoffら(1978),5 Atlas of Protein Sequence and Structure,補遺3,第22章(354−352頁),Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,D.C.20007(この教示は本明細書中に参考として援用される)における容認された点変異について定義された基準を満たす置換である。 保存的置換の例は、以下を包含する:保存的置換は、代表的には、類似の特徴を有する別のアミノ酸についてのあるアミノ酸の置換、例えば以下の群内の置換を包含する:バリン、グリシン;グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アルパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、トレオニン;リジン、アルギニン;およびフェニルアラニン、チロシン。用語「保存的バリエーション」もまた、置換ポリペプチドに対して惹起される抗体もまた非置換ポリペプチドと免疫反応する限り、非置換親(parent)アミノ酸の代わりの置換アミノ酸の使用を包含する。 その成熟したネイティブな形態の天然に供給される骨形成タンパク質は、SDS−PAGEにより決定されるように、代表的に、約30〜36kDaの見かけの分子量を有するグリコシル化二量体である。還元された場合、30kDaタンパク質は、約16kDaおよび18kDaの見かけの分子量を有する、2つのグリコシル化ペプチドサブユニットを生じさせる。還元された状態において、このタンパク質は、検出可能な骨形成活性を有さない。非グリコシル化タンパク質(これもまた骨形成活性を有する)は、約27kDaの見かけの分子量を有する。還元された場合、27kDaタンパク質は、哺乳動物において軟骨内性骨形成を誘導し得る、約14kDa〜16kDaの分子量を有する2つの非グリコシル化ポリペプチドを生じさせる。上記のように、特に有用な配列は、DPP(Drosophilaに由来する)、Vgl(Xenopusに由来する)、Vgr−1(マウスに由来する)、OP1およびOP2タンパク質、タンパク質(米国特許第5,011,691号およびOppermannらを参照のこと)、ならびにBMP2、BMP3、BMP4(WO88/00205、米国特許第5,013,649号、およびWO91/18098を参照のこと)、BMP5およびBMP6(WO90/11366、PCT/US90/01630を参照のこと)、BMP8およびBMP9のC末端96または102アミノ酸配列を含む配列を含む。 本発明の実施に有用な他の骨形成タンパク質は、OP−1、OP−2、OP−3、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP9、GDF−5、GDF−6、GDF−7、DPP、Vg1、Vgr、60Aタンパク質、GDF−1、GDF−3、GDF−5、GDF−6、GDF−7、BMP10、BMP11、BMP13、BMP15、UNIVIN、NODAL、SCREW、ADMP、またはNURAL、およびそれらのアミノ酸配列改変体の骨形態形成的に活性な形態を含む。1つの現在好ましい実施態様において、骨形成タンパク質は、以下のいずれか1つを含む:OP−1、OP−2、OP−3、BMP2、BMP4、BMP5、BMP6、BMP9、ならびにそれらのアミノ酸配列改変体およびホモログ(それらの種ホモログを含む)。 これらの配列、ならびにそれらの化学的および物理的特性を開示する刊行物は、以下を包含する:OP−1およびOP−2: 米国特許第5,011,691号、米国特許第5,266,683, Ozkaynakら (1990) ENBO J. 9: 2085−2093; OP−3: W094/10203 (PCT US93/10520); BMP2、BMP3、BMP4: W088/00205、Wozneyら、(1988) Science 242: 1528−1534); BMP5およびBMP6: Celesteら (l991) PNAS 87: 9843−9847; Vgr−1: Lyonsら、(1989) PNAS 86: 4554−4558; DPP: Padgettら (1987) Nature 325: 81−84: Vg−1: Weeks (1987) Cel1 51: 861−867; BMP−9: W095/33830 (PCT/US95/07084); BMP10: W094/26893 (PCT/US94/05290); BMP−11: W094/26892 (PCT/US94/05288); BMP12: W095/16035 (PCT/US94/14030); BMP−13: W095/16035 (PCT/US94/14030); GDF−1: W092/00382 (PCT/US91/04096) およびLeeら (1991) PNAS 88: 4250−4254; GDF−8: W094/21681 (PCT/US94/03019); GDF−9: W094/15966 (PCT/US94/00685); GDF−10: W095/10539 (PCT/US94/11440); GDF−11: W096/01845 (PCT/US95/08543); BMP−15: W096/36710 (PCT/US96/06540); MP121: W096/01316 (PCT/EP95/02552); GDF−5 (CDMP−1、MP52): W094/15949 (PCT/US94/00657) およびW096/14335 (PCT/US94/12814)およびW093/16099 (PCT/EP93/00350); GDF−6 (CDMP−2、BMP13): W095/01801 (PCT/US94/07762)およびW096/14335およびW095/10635 (PCT/US94/14030); GDF−7 (CDMP−3、BMP12):W095/10802 (PCT/US94/07799)およびW095/10635 (PCT/US94/14030)。別の実施態様では、有用なタンパク質は、生物学的に活性な生合成構築物を包含する。これは、新規な生合成モルフォゲンタンパク質、および2つ以上の公知のモルフォゲン由来の配列を用いて設計されたキメラタンパク質を包含する。米国特許第5,011,691号に開示される生合成構築物(この開示内容は本明細書中に参考として援用される(例えば、COP−1、COP−3、COP−4、COP−5、COP−7、およびCOP−16))もまた参照のこと。 特定の好ましい実施態様において、本明細書中で有用な骨形態形成タンパク質は、アミノ酸配列が、前述の天然に生じるタンパク質から選択される参照形態形成タンパク質と、少なくとも70%のアミノ酸配列相同性または「類似性」、および好ましくは80%の相同性または類似性を共有する配列を含むものである。好ましくは、参照タンパク質はヒトOP−1であり、そしてその参照配列は、ヒトOP−1の骨形成的に活性な形態に存在するC末端7システインドメイン、配列番号2の残基330〜431である。特定の実施態様では、参照モルフォゲンポリペプチドに対して機能的に等価であると思われるポリペプチドを、コンピュータープログラム(例えば、Alignプログラム(DNAstar, Inc.)により便宜的に実施される、Needlemanら((1970) J. Mol. Biol. 48:443−453)の方法を用いてそれらと並置する。 上述のように、候補配列中の内部ギャップおよびアミノ酸挿入は、候補配列と参照配列との間の定義された関係(アミノ酸配列相同性または同一性のレベルで従来表される)を算定する目的のために無視される。「アミノ酸配列相同性」とは、本明細書中では、アミノ酸同一性および類似性の両方を包含すると理解される。相同配列は、同一および/または類似のアミノ酸残基を共有し、ここで、類似の残基は、並置した参照配列において相当するアミノ酸残基についての保存置換、またはその「許容される点変異」である。従って、参照配列と70%のアミノ酸相同性を共有する候補ポリペプチド配列は、並置した残基の任意の70%が参照配列において相当する残基に同一であるか、またはその保存的置換のいずれかであるものである。現在好ましい実施態様では、参照配列はOP−1である。従って、本明細書中で有用な骨形態形成タンパク質は、天然に生じても、生合成的に生成されても、好ましい参照配列の対立遺伝子改変体、系統発生的対照改変体および他の改変体(例えば、「ムテイン」または「変異体タンパク質」を含む)、ならびに一般的な形態形成ファミリータンパク質の新規のメンバー(上記で示され、そして同定されたものを含む)を含む。特定の特に好ましい形態形成ポリペプチドは、ヒトOP−1の好ましい参照配列と少なくとも60%のアミノ酸同一性、さらにより好ましくはそれと少なくとも65%のアミノ酸同一性を共有する。 他の好ましい実施態様において、本発明において有用な骨形態形成ポリペプチドファミリーおよびそのメンバーは、一般アミノ酸配列により定義される。例えば、以下に開示される包括配列7(配列番号4)および包括配列8(配列番号5)は、現在まで同定された好ましいタンパク質ファミリーメンバー(少なくとも、OP−1、OP−2、OP−3、CBMP−2A、CBMP−2B、BMP−3、60A、DPP、Vg1、BMP−5、BMP−6、Vgr−1、およびGDF−1を含む)間で共有される相同性を提供する。これらのタンパク質のアミノ酸配列は、上記で概説されたように、本明細書中でおよび/または当該分野で記載される。包括配列は、6および7システイン骨格(それぞれ、包括配列7および8)により定義される、C末端ドメインにおけるこれらの配列により共有されるアミノ酸同一性、ならびにこの配列内の可変位置の代替残基の両方を含む。包括配列は、分子間または分子内ジスルフィド結合が形成し得、そしてフォールディングされたタンパク質の3次構造に影響するようである特定の重要なアミノ酸を含み得る、適切なシステイン骨格を提供する。さらに、包括配列は、36位(包括配列7)または41位(包括配列8)でのさらなるシステイン残基を考慮に入れ、それにより、OP−2およびOP−3の形態形成的に活性な配列を含む。 包括配列7ここで、各Xaaは、独立して、以下の通りに定義される1つ以上の特定のアミノ酸の群から選択される:「Res」は「残基」を意味し、そして残基2のXaa=(TyrまたはLys);残基3のXaa=(ValまたはIle);残基4のXaa=(Ser、Asp、またはGlu);残基6のXaa=(Arg、Gln、Ser、Lys、またはAla);残基7のXaa=(AspまたはGlu);残基8のXaa=(Leu、Val、またはIle);残基11のXaa=(Gln、Leu、Asp、His、Asn、またはSer);残基12のXaa=(Asp、Arg、Asn、またはGlu);残基13のXaa=(TrpまたはSer);残基14のXaa=(IleまたはVal);残基15のXaa=(IleまたはVal);残基16のXaa=(AlaまたはSer);残基18のXaa=(Glu、Gln、Leu、Lys、Pro、またはArg);残基19のXaa=(GlyまたはSer);残基20のXaa=(TyrまたはPhe);残基21のXaa=(Ala、Ser、Asp、Met、His、Gln、Leu、またはGly);残基23のXaa=(Tyr、Asn、またはPhe);残基26のXaa=(Glu、His、Tyr、Asp、Gln、Ala、またはSer);残基28のXaa=(Glu、Lys、Asp、Gln、またはAla);残基30のXaa=(Ala、Ser、Pro、Gln、Ile、またはAsn);残基31のXaa=(Phe、Leu、またはTyr);残基33のXaa=(Leu、Val、またはMet);残基34のXaa=(Asn、Asp、Ala、Thr、またはPro);残基35のXaa=(Ser、Asp、Glu、Leu、Ala、またはLys);残基36のXaa=(Tyr、Cys、His、Ser、またはIle);残基37のXaa=(Met、Phe、Gly、またはLeu);残基38のXaa=(Asn、Ser、またはLys);残基39のXaa=(Ala、Ser、Gly、またはPro);残基40のXaa=(Thr、Leu、またはSer);残基44のXaa=(Ile、Val、またはThr);残基45のXaa=(Val、Leu、Met、またはIle);残基46のXaa=(GlnまたはArg);残基47のXaa=(Thr、Ala、またはSer);残基48のXaa=(LeuまたはIle);残基49のXaa=(ValまたはMet);残基50のXaa=(His、Asn、またはArg);残基51のXaa=(Phe、Leu、Asn、Ser、Ala、またはVal);残基52のXaa=(Ile、Met、Asn、Ala、Val、Gly、またはLeu);残基53のXaa=(Asn、Lys、Ala、Glu、Gly、またはPhe);残基54のXaa=(Pro、Ser、またはVal);残基55のXaa=(Glu、Asp、Asn、Gly、Val、Pro、またはLys);残基56のXaa=(Thr、Ala、Val、Lys、Asp、Tyr、Ser、Gly、Ile、またはHis);残基57のXaa=(Val、Ala、またはIle);残基58のXaa=(ProまたはAsp);残基59のXaa=(Lys、Leu、またはGlu);残基60のXaa=(Pro、Val、またはAla);残基63のXaa=(AlaまたはVal);残基65のXaa=(Thr、Ala、またはGlu);残基66のXaa=(Gln、Lys、Arg、またはGlu);残基67のXaa=(Leu、Met、またはVal);残基68のXaa=(Asn、Ser、Asp、またはGly);残基69のXaa=(Ala、Pro、またはSer);残基70のXaa=(Ile、Thr、Val、またはLeu);残基71のXaa=(Ser、Ala、またはPro);残基72のXaa=(Val、Leu、Met、またはIle);残基74のXaa=(TyrまたはPhe);残基75のXaa=(Phe、Tyr、Leu、またはHis);残基76のXaa=(Asp、Asn、またはLeu);残基77のXaa=(Asp、Glu、Asn、Arg、またはSer);残基78のXaa=(Ser、Gln、Asn、Tyr、またはAsp);残基79のXaa=(Ser、Asn、Asp、Glu、またはLys);残基80のXaa=(Asn、Thr、またはLys);残基82のXaa=(Ile、Val、またはAsn);残基84のXaa=(LysまたはArg);残基85のXaa=(Lys、Asn、Gln、His、Arg、またはVal);残基86のXaa=(Tyr、Glu、またはHis);残基87のXaa=(Arg、Gln、Glu、またはPro);残基88のXaa=(Asn、Glu、Trp、またはAsp);残基90のXaa=(Val、Thr、Ala、またはIle);残基92のXaa=(Arg、Lys、Val、Asp、Gln、またはGlu);残基93のXaa=(Ala、Gly、Glu、またはSer);残基95のXaa=(GlyまたはAla)、および残基97のXaa=(HisまたはArg)。 包括配列8(配列番号5)は包括配列7の全てを含み、そしてさらに以下の配列(配列番号8)をそのN末端に含む:従って、残基7から始まる包括配列8における各「Xaa」は、包括配列7について記載された各残基数が包括配列8において5だけ移されるという特徴を有する、包括配列7について定義された特定のアミノ酸である。従って、包括配列7における「残基2のXaa=(TyrまたはLys)」とは、包括配列8における残基7のXaaをいう。包括配列8において、残基2のXaa=(Lys、Arg、Ala、またはGln);残基3のXaa=(Lys、Arg、またはMet);残基4のXaa=(His、Arg、またはGln);および残基5のXaa=(Glu、Ser、His、Gly、Arg、Pro、Thr、またはTyr)である。 別の実施態様において、有用な骨形成タンパク質は、以下に定義される包括配列9および10により定義されるタンパク質を含む。 詳細には、包括配列9および10は、以下のタンパク質の複合アミノ酸配列である:ヒトOP−1、ヒトOP−2、ヒトOP−3、ヒトBMP−2、ヒトBMP−3、ヒトBMP−4、ヒトBMP−5、ヒトBMP−6、ヒトBMP−8、ヒトBMP−9、ヒトBMP10、ヒトBMP−11、Drosophila 60A、Xenopus Vg−1、ウニUNIVIN、ヒトCDMP−1(マウスGDF−5)、ヒトCDMP−2(マウスGDF−6、ヒトBMP−13)、ヒトCDMP−3(マウスGDF−7、ヒトBMP−12)、マウスGDF−3、ヒトGDF−1、マウスGDF−1、ニワトリDORSALIN、dpp、Drosophila SCREW、マウスNODAL、マウスGDF−8、ヒトGDF−8、マウスGDF−9、マウスGDF−10、ヒトGDF−11、マウスGDF−11、ヒトBMP−15、およびラットBMP3b。包括配列7と同様に、包括配列9は、C末端の6システイン骨格に適合し、そして包括配列8と同様に、包括配列10は、7システイン配列に適合する。 包括配列9(配列番号6)ここで、各Xaaは、独立して、以下の通りに定義される1つ以上の特定のアミノ酸の群から選択される:「Res」は「残基」を意味し、そして、 残基1のXaa=(Phe、LeuまたはGlu); 残基2のXaa=(Tyr、Phe、His、Arg、Thr、Lys、Gln、ValまたはGlu); 残基3のXaa=(Val、Ile、LeuまたはAsp); 残基4のXaa=(Ser、Asp、Glu、AsnまたはPhe); 残基5のXaa=(PheまたはGlu); 残基6のXaa=(Arg、Gln、Lys、Ser、Glu、AlaまたはAsn); 残基7のXaa=(Asp、Glu、Leu、AlaまたはGln); 残基8のXaa=(Leu、Val、Met、IleまたはPhe); 残基9のXaa=(Gly、HisまたはLys); 残基10のXaa=(TrpまたはMet); 残基11のXaa=(Gln、Leu、His、Glu、Asn、Asp、SerまたはGly); 残基12のXaa=(Asp、Asn、Ser、Lys、Arg、GluまたはHis); 残基13のXaa=(TrpまたはSer); 残基14のXaa=(IleまたはVal); 残基15のXaa=(IleまたはVal); 残基16のXaa=(Ala、Ser、TyrまたはTrp); 残基18のXaa=(Glu、Lys、Gln、Met、Pro、Leu、Arg、HisまたはLys); 残基19のXaa=(Gly、Glu、Asp、Lys、Ser、Gln、ArgまたはPhe); 残基20のXaa=(TyrまたはPhe); 残基21のXaa=(Ala、Ser、Gly、Met、Gln、His、Glu、Asp、Leu、Asn、LysまたはThr); 残基22のXaa=(AlaまたはPro); 残基23のXaa=(Tyr、Phe、Asn、AlaまたはArg); 残基24のXaa=(Tyr、His、Glu、PheまたはArg); 残基26のXaa=(Glu、Asp、Ala、Ser、Tyr、His、Lys、Arg、GlnまたはGly); 残基28のXaa=(Glu、Asp、Leu、Val、Lys、Gly、Thr、AlaまたはGln); 残基30のXaa=(Ala、Ser、Ile、Asn、Pro、Glu、Asp、Phe、GlnまたはLeu); 残基31のXaa=(Phe、Tyr、Leu、Asn、GlyまたはArg); 残基32のXaa=(Pro、Ser、AlaまたはVal); 残基33のXaa=(Leu、Met、Glu、PheまたはVal); 残基34のXaa=(Asn、Asp、Thr、Gly、Ala、Arg、LeuまたはPro); 残基35のXaa=(Ser、Ala、Glu、Asp、Thr、Leu、Lys、GlnまたはHis); 残基36のXaa=(Tyr、His、Cys、Ile、Arg、Asp、Asn、Lys、Ser、GluまたはGly); 残基37のXaa=(Met、Leu、Phe、Val、GlyまたはTyr); 残基38のXaa=(Asn、Glu、Thr、Pro、Lys、His、Gly、Met、ValまたはArg); 残基39のXaa=(Ala、Ser、Gly、ProまたはPhe); 残基40のXaa=(Thr、Ser、Leu、Pro、HisまたはMet); 残基41のXaa=(Asn、Lys、Val、ThrまたはGln); 残基42のXaa=(His、TyrまたはLys); 残基43のXaa=(Ala、Thr、LeuまたはTyr); 残基44のXaa=(Ile、Thr、Val、Phe、Tyr、MetまたはPro); 残基45のXaa=(Val、Leu、Met、IleまたはHis); 残基46のXaa=(Gln、ArgまたはThr); 残基47のXaa=(Thr、Ser、Ala、AsnまたはHis); 残基48のXaa=(Leu、AsnまたはIle); 残基49のXaa=(Val、Met、Leu、ProまたはIle); 残基50のXaa=(His、Asn、Arg、Lys、TyrまたはGln); 残基51のXaa=(Phe、Leu、Ser、Asn、Met、Ala、Arg、Glu、GlyまたはGln); 残基52のXaa=(Ile、Mel、Leu、Val、Lys、Gln、AlaまたはTyr); 残基53のXaa=(Asn、Phe、Lys、Glu、Asp、Ala、Gln、Gly、LeuまたはVal); 残基54のXaa=(Pro、Asn、Ser、ValまたはAsp); 残基55のXaa=(Glu、Asp、Asn、Lys、Arg、Ser、Gly、Thr、Gln、ProまたはHis); 残基56のXaa=(Thr、His、Tyr、Ala、Ile、Lys、Asp、Ser、GlyまたはArg); 残基57のXaa=(Val、Ile、Thr、Ala、LeuまたはSer); 残基58のXaa=(Pro、Gly、Ser、AspまたはAla); 残基59のXaa=(Lys、Leu、Pro、Ala、Ser、Glu、ArgまたはGly); 残基60のXaa=(Pro、Ala、Val、ThrまたはSer); 残基61のXaa=(Cys、ValまたはSer); 残基63のXaa=(Ala、ValまたはThr); 残基65のXaa=(Thr、Ala、Glu、Val、Gly、AspまたはTyr); 残基66のXaa=(Gln、Lys、Glu、ArgまたはVal); 残基67のXaa=(Leu、Met、ThrまたはTyr); 残基68のXaa=(Asn、Ser、Gly、Thr、Asp、Glu、LysまたはVal); 残基69のXaa=(Ala、Pro、GlyまたはSer); 残基70のXaa=(Ile、Thr、LeuまたはVal); 残基71のXaa=(Ser、Pro、Ala、Thr、AsnまたはGly); 残基72のXaa=(Val、Ile、LeuまたはMet); 残基74のXaa=(Tyr、Phe、Arg、Thr、TyrまたはMet); 残基75のXaa=(Phe、Tyr、His、Leu、Ile、Lys、GlnまたはVal); 残基76のXaa=(Asp、Leu、AsnまたはGlu); 残基77のXaa=(Asp、Ser、Arg、Asn、Glu、Ala、Lys、GlyまたはPro); 残基78のXaa=(Ser、Asn、Asp、Tyr、Ala、Gly、Gln、Met、Glu、AsnまたはLys); 残基79のXaa=(Ser、Asn、Glu、Asp、Val、Lys、Gly、GlnまたはArg); 残基80のXaa=(Asn、Lys、Thr、Pro、Val、Ile、Arg、SerまたはGln); 残基81のXaa=(Val、Ile、ThrまたはAla); 残基82のXaa=(Ile、Asn、Val、Leu、Tyr、AspまたはAla); 残基83のXaa=(Leu、Tyr、LysまたはIle); 残基84のXaa=(Lys、Arg、Asn、Tyr、Phe、Thr、GluまたはGly); 残基85のXaa=(Lys、Arg、His、Gln、Asn、GluまたはVal); 残基86のXaa=(Tyr、His、GluまたはIle); 残基87のXaa=(Arg、Glu、Gln、ProまたはLys); 残基88のXaa=(Asn、Asp、Ala、Glu、GlyまたはLys); 残基89のXaa=(MetまたはAla); 残基90のXaa=(Val、Ile、Ala、Thr、SerまたはLys); 残基91のXaa=(ValまたはAla); 残基92のXaa=(Arg、Lys、Gln、Asp、Glu、Val、Ala、SerまたはThr); 残基93のXaa=(Ala、Ser、Glu、Gly、ArgまたはThr); 残基95のXaa=(Gly、AlaまたはThr); 残基97のXaa=(His、Arg、Gly、LeuまたはSer)。さらに、rBMP3bおよびmGDF−10においては残基53の後にIleが存在し; GDF−1においては残基54の後にTが存在し; BMP3においては残基54の後にVが存在し; BMP−8およびDorsalinにおいては残基78の後にGが存在し; hGDF−1においては残基37の後にPro、Gly、Gly、Proが存在する。 一般的配列10(配列番号7)は、一般的配列9(配列番号6)の全てを含み、そしてさらに、そのN末端に以下の配列(配列番号9)を含む。 従って、残基6で始まる一般的配列10の各々の「Xaa」は、一般的配列9について記載される各々の残基数が、一般的配列10において5つシフトするという特徴を有する一般的配列9に関して規定される特定のアミノ酸である。従って、配列番号9における「残基1のXaa =( Tyr、 Phe、 His、 Arg、 Thr、 Lys、Gln、ValまたはGlu)」とは一般的配列10の残基6でのXaaをいう。一般的配列10において、残基2のXaa=(Lys、Arg、Gln、Ser、His、Glu、AlaまたはCys);残基3のXaa=(Lys、Arg、Met、Lys、Thr、Leu、Tyr、またはAla);残基4のXaa=His、Gln、Arg、Lys、Thr、Leu、Val、Pro、またはTyr);および残基5のXaa=(Gln、Thr、His、Arg、Pro、Ser、Ala、 Gln、Asn、Tyr、Lys、Asp、またはLeu) 。 上記のように、本発明で有用な特定の現在好ましい骨形成ポリペプチド配列は、hOP−1の好ましい参照配列を規定するアミノ酸配列と、60%を超える同一性、好ましくは65%を超える同一性を有する。これらの特に好ましい配列はDrosophila60Aタンパク質を含むOP−1およびOP−2タンパク質の対立遺伝子変異体および統発生的対照改変体を含む。従って、特定の特に好ましい実施態様において、有用な形態形成タンパク質は、「OPX」配列番号3、として表される本明細書中の一般的なアミノ酸配列内に1組のポリペプチド鎖を含む活性タンパク質を含み、これは、7つのシステイン骨格を規定し、そしていくつかの同定された改変体のOP−1とOP−2との間の相同性に適合する。本明細書中に記載されるように、所定の位置での各々のXaaは、マウスまたはヒトOP−1またはOP−2のC末端配列において対応する位置で生じる残基から独立して選択される。 ここで残基2のXaa=(LysまたはArg); 残基3のXaa=(LysまたはArg); 残基11のXaa= (ArgまたはGln); 残基16のXaa=(GlnまたはLeu); 残基19のXaa=(IleまたはVal); 残基23のXaa=(GluまたはGln); 残基26のXaa=(AlaまたはSer); 残基35のXaa=(AlaまたはSer); 残基39のXaa=(AsnまたはAsp); 残基41のXaa=(TyrまたはCys); 残基50のXaa=(ValまたはLeu); 残基52のXaa=(SerまたはThr); 残基56のXaa=(PheまたはLeu); 残基57のXaa=(IleまたはMet); 残基58のXaa=(AsnまたはLys); 残基60のXaa=(Glu、AspまたはAsn); 残基61のXaa=(Thr、AlaまたはVal);残基65のXaa=(ProまたはAla); 残基71のXaa=(GlnまたはLys); 残基73のXaaの(AsnまたはSer); 残基75のXaa=(IleまたはThr); 残基80のXaa=(PheまたはTyr); 残基82のXaa=(AspまたはSer); 残基84のXaa=(SerまたはAsn); 残基89のXaa=(LysまたはArg); 残基91のXaa=(TyrまたはHis);および残基97のXaa=(ArgまたはLys)。 さらに別の好ましい実施態様において、有用な骨形成的に活性なタンパク質は、低い、中程度の、または高度にストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下で、参照モルフォゲン配列(例えば、OP−1、OP−2、BMP2、4、5、6、60A、GDF3、GDF6、GDF7などの保存的な7つのシステインドメインを規定するC末端配列)をコードするDNAまたはRNAにハイブリダイズする核酸によりコードされる配列を含む、アミノ酸配列を有するポリペプチド鎖を有する。本明細書中で使用されるように、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、40%ホルムアミド、5×SSPE、5×デンハルト溶液、および0.1%SDS中の37℃、一晩での公知の技術に従うハイブリダイゼーション、ならびに0.1×SSPE、0.1%SDS中の50℃での洗浄として規定される。標準的なストリンジェンシー条件は、市販の標準的な分子クローニングテキストにおいて十分に特徴付けられている。例えば、Molecular Cloning A Laboratory Manual、第2版、Sambrook、FritschおよびManiatis編(Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1989); DNA Cloning、I巻およびII巻(D.N.Glover編、1985);Oligonucleotide Synthesis (M.J. Gait編、1984):Nucleic Acid Hybridization(B.D. HamesおよびS.J. Higgins編 1984);およびB.Perbal、A Practical Guide To Molecular Cloning (1984)を参照のこと。 上記のように、一般的に、本発明において有用なタンパク質は、上記の折り畳まれたポリペプチドの1対を含む、二量体タンパク質である。このような形態形成タンパク質は、還元された場合不活性であるが、酸化型ホモ二量体として活性であり、および本発明の他のタンパク質と組み合せて酸化されてヘテロ二量体を生成した場合、活性である。従って、形態形成的に活性なタンパク質における折り畳まれた1対の形態形成ポリペプチドのメンバーは、独立して、上記で述べられた特定のポリペプチドのいずれかから選択され得る。 本発明の材料および方法において有用な骨形成タンパク質は、上記のポリペプチド鎖のいずれかを含むタンパク質(天然に存在する供給源から単離されるか、または組換えDNAもしくは他の合成技術により生成される)を含み、そしてこれらのタンパク質の対立遺伝子変異体および系統発生的対照改変体、ならびにそのムテイン、ならびに種々の短縮型構築物および融合構築物を含む。欠失変異体または付加変異体もまた活性であると想像され、この変更が折り畳まれた構造においてこれらのシステインの関係を機能的に破壊しなければ、保存的C末端6または7システインドメインを変更し得る欠失変異体または付加変異体を含む。従って、このような活性形態は、本明細書中に開示される詳細に記載された構築物の等価物とみなされる。タンパク質は、可変的なグリコシル化パターンを有する形態、可変的なN末端を有する形態、アミノ酸配列相同性の領域を有する関連タンパク質ファミリー、および宿主細胞における組換えDNAの発現により生成された、ネイティブなまたは生合成タンパク質の活性な短縮形態または変異形態を含み得る。 本明細書中で意図される骨形成タンパク質は、原核生物または真核生物宿主細胞においてインタクトなもしくは短縮型cDNAから、または合成DNAから発現され得、そして精製され、切断され、再折り畳みされ、そして二量体化されて、形態形成的に活性な組成物を形成し得る。現在好ましい宿主細胞は、原核生物(E.coliを含む)または真核生物(酵母を含む)、哺乳動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、またはBSC細胞)を含むがこれらに限定されない。当業者は、他の宿主細胞が有利に使用され得ることを理解する。本発明の実施において有用な骨形態形成タンパク質の詳細な説明(それらを作製する方法、使用する方法、および骨形成活性について試験する方法を包含する)は、非常に多くの刊行物(米国特許第5,266,683号および同第5,011,691号を含み、これらの開示は本明細書中に参考として援用される)、ならびに本明細書中に引用される任意の刊行物(その開示は本明細書中に参考として援用される)において開示される。 従って、この開示および当該分野において入手可能な知識を考慮して、熟練した遺伝子技術者は、適切なアミノ酸配列をコードする、種々の異なる生物学的種のcDNAまたはゲノムライブラリーから遺伝子を単離し得るか、またはDNAをオリゴヌクレオチドから構築し得、次いでそれらを宿主細胞の種々の型(原核生物および真核生物の両方を含む)において発現させて、軟骨内骨形成を哺乳動物において刺激し得る多量の活性なタンパク質を生成し得る。 II.結合剤の考慮 すでに説明したように、本明細書で使用される「結合剤」とは、本明細書中で規定される骨形成タンパク質およびマトリクスと混合される場合、骨形成および/または軟骨形成を促進する任意の生理学的に適合性の物質を意味する。特定の現在好ましい実施態様において、結合剤は、標準骨形成デバイスよりも劣性の骨形成タンパク質を使用してこのような修復を促進する。好ましい結合剤の他の特徴の中には、いくつかの例をあげると、デバイスを次のようにさせる能力がある:柔軟性、成形可能、および/または可鍛性;注射可能;骨、軟骨、筋肉および他の組織に対して接着性;洗浄および/または手術間の灌注の際の崩壊に対して耐性;および手術(縫合および術後の間の除去(dislodging)に対する耐性。さらに、現在の好ましい実施態様において、結合剤は、比較的低い割合で存在する場合、前述の特徴および利益を達成し得る。例えば、現在好ましい改良されたデバイスは、約1量部の結合剤および5量部のマトリクスを含む。別の現在好ましいデバイスは、1量部結合剤および3量部マトリクスを含む。本明細書中で例証されるように、広く分散する割合の改良されたデバイスは、骨形成および軟骨形成を誘導し得る。約1:1〜4:1から10:1に達し、少なくとも10:1を含む、ならびに約1:2〜1:5から1:10に達し、少なくとも1:10を含み、さらに1:25〜1:50に及ぶ、結合剤の量部対マトリクスの量を有する改良されたデバイスが本明細書において例示される。結合剤対マトリクスの任意の割合が、本発明を実行するために使用され得る。必要とされるのは、骨形成および軟骨形成を達成するために、マトリクスおよび骨形成タンパク質と結合剤とを混合することのみである。以下で議論するように、特定の結合剤は、マトリクスに対して同じ割合またはそれを越える割合で使用され得るが、しかしこのような薬剤は、任意のマトリクス希釈効果を測定するために本明細書中で教示されるように試験されるべきである。 本明細書中で有用であることが意図される結合剤は、当該技術分野において認識されるゲル化剤、懸濁化剤、粘性生成剤および乳化剤を含むが、これらに限定されない。特にセルロースガム誘導体およびアルギン酸ナトリウム、ゼラチン粉末ならびにデキストランのような当該技術分野において認識される薬剤が使用され得る。いくつかの例をあげると、より詳細には、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびヒドロキシアルキルセルロースのような薬剤を含むアルキルセルロースのようなセルロース剤である。現在最も好ましい結合剤の中には、カルボキシメチルセルロース(そのナトリウム塩を含む)がある。以下にに例証されるように、即座の本発明における使用に適切な他の結合剤には、デキストラン、マンニトール、白色鉱油、ゴマ油およびそれらの混合物が含まれるがこれらに限定されない。 最後に、また最も好ましい結合剤の中には、哺乳動物フィブリノーゲンとトロンビンの混合物を含むフィブリン接着剤(fibrin glue)がある。本明細書中に例示されるように、好ましい結合剤であるフィブリン接着剤は、広範なフィブリノーゲンおよびトロンビンを含み得る。1量部のフィブリン接着剤および25量部のβ−TCPマトリクスを含む特定の実施態様において、トロンビン含量は、約2.0U〜25U、好ましくは5U〜10U、そして最も好ましくは約2.5U〜5Uの範囲に及び得る。フィブリン接着剤およびコラーゲンマトリクスを含む特定の他のデバイスにおいて、トロンビン含量は、約2.0U〜25U;好ましくは5U〜25U、より好ましくは2.0U〜10U、そして最も好ましくは2.5U〜5Uの範囲に及び得る。フィブリノーゲン含量は、例えば、約40mg/1000mg β−TCPの範囲に及び得る。コラーゲン含有の改良されたデバイスにおいて、フィブリノーゲン含量は、例えば、約20mg/1000mgコラーゲン〜約180mg/1000mgコラーゲンの範囲におよび得る。 本明細書に記載する教示を考慮して、当業者は、単なる日常的な実験および通常の技術を使用して、上で同定した結合剤の適切な等価を同定し得る。適切な結合剤候補物は、同定され、特徴づけられ、試験され、次いで以下に記載されるような骨形成デバイスにおいて使用され得る。 一般に、薬学的技術において懸濁剤または粘性生成剤として当該分野で認識される薬剤は、本発明における結合剤としての使用に適切である。USP XXII−NF XVII(The Nineteen Ninety U.S. Pharmacopeia and the National Formulary (1990))のような参照手引書が、このような薬剤を分類し、そして記載する。例えば、結合剤候補物は、注射用および非経口投与のための形成薬、乳化剤、ゲル剤、結合剤、または粘性生成剤と同じく有用であると記載された結合剤である。他の候補物は、局所的、経口または非経口投与のための成分を懸濁するために使用される薬剤である。さらに他の候補物は錠剤結合剤、崩壊剤または乳化安定剤として有用である薬剤である。さらに他の候補物は、化粧品、洗面用化粧品および食品において使用される薬剤である。任意の前述の適用のために使用される場合、候補薬物は、約0.1〜6.0%までの範囲の濃度で、通常の適用のために代表的に存在するとして記載される。最も高い標準濃度(4〜6%)で、特定の前述の候補薬物が、例えばゲルまたはペーストの形態の医薬を製造するために、製薬産業において使用される。 従って、それゆえ当業者は結合剤候補物を同定し得、そして日常的技術および日常的実験のみを使用して本明細書中で特に同定された好ましい結合剤の等価物を同様に認識し得る。適切な候補物が同定されると、次いで当業者は、好ましい結合剤の最終的な選択に関する以下に記載の指針に従い得る。 本明細書に記載された研究に類似の研究に基づいて、本明細書で開示される改良されたデバイスにおいて有用な適切な結合剤の例は、マニントール/デキストランの組み合わせ;デキストラン単独;マンニトール/白色鉱油の組み合わせ;およびゴマ油を含むがこれらに限定されない。マンニトール/デキストラン含有の改良されたデバイスは、以下のように処方された。1量部デキストラン40、3量部マンニトール、1量部OPデバイス。このように改良されたデバイスは、用量骨形成タンパク質によって、コラーゲン1gまたはコラーゲン0.5gあたり骨形成タンパク質2.5mgで処方し、それによって骨形成タンパク質の用量を変化させた。本方法における使用のために、処方物を、2.5gマンニトール/デキストラン含有デバイスあたり約0.8ml生理食塩水で湿潤させた。次いで、4割合デキストランまたは1割合デキストランのどちらかからデキストラン単独含有デバイスを1量部OPデバイスに処方し、そして2.0gデバイスあたり約0.8mlの生理食塩水で湿潤させた。デキストランは、3,000〜40,000m.w.の範囲に及び得る。次に、マニントール/白色鉱油デバイスを1.5量部マンニトール、1.5量部鉱油、および1量部OPデバイスで処方した。この処方物は湿潤を要求しない。最終的に、ゴマ油含有の改良されたデバイスを、1量部のオイルおよび1量部のOPデバイスで処方した。この処方物は湿潤を要求しない。上記の改良されたデバイスは、特定結合剤、改良されたデバイスにおける割合、および即時の発明の改良されたデバイスにおいて使用され得る湿潤剤の容積の範囲を示す。化学、割合および湿潤の必要性は多様であるが、さらに全ては当該技術の範囲内である。本明細書中に記載されたラット皮下バイオアッセイにおいて試験された場合、各々の前述の改良されたデバイスが、骨形成を誘導した(カルシウム含量および%骨で測定された場合)。 A.結合剤としてのCMC 本明細書中で教示されるように、カルボキシメチルメチルセルロース(CMC)は、現在好ましい結合剤である。CMCは,Hercules Inc.、Aqualon(登録商標)Division、Delaware; FMC Corporation, Pennsylvania; British Celanese,Ltd.,United Kingdom;およびHenkel KGaA,United Kingdomのような供給業者から市販されるがこれらに限定されない。カロボキシメチルセルロースナトリウムは、90,000〜700,000の範囲に及ぶ代表的な分子量の範囲を有するセルロースのカルボキシメチルエーテルのナトリウム塩である。CMCは、部分的に以下に基づいて候補結合剤として同定された:CMCは粘性増強剤として経口および局所的薬学的組成で広く使用される。CMCはまた、乳化剤(0.25〜1.0%)、ゲル化剤(4.0〜6.0%)、注射用剤(0.05〜0.75%)、および錠剤結合剤(1.0〜6.0%)として、化粧品、洗面用化粧品および食料品において使用される。 前述の特徴が、結合剤としての適合性を示唆的にする一方、以下で詳述される実験は、CMCが本明細書で開示される改良された骨形成デバイスにおける使用に適切であることを確証した。このような確認実験は、前述の適用が、本明細書中に開示される改良された骨形成デバイスが有用である骨または軟骨の修復と少しも似ていないために必要であった。例えば、前述した適用は6%を越えるCMCを少しも必要とせず、本発明の現在好ましい移植可能な改良されたデバイスは、約6%(w/w)を越えるCMC、そして好ましくは少なくとも約10%のCMC、より好ましくは約12〜20%のCMCを含み、およそ約16%(w/w)すなわち5量部の標準骨形成ダデバイスは移植可能なデバイスに最も現在好ましいCMCの1つである。これらのだいたいのパーセントは、骨形成タンパク質および湿潤剤を除いて結合剤と混合したマトリクスの総重量の計算に基づく。 本発明を実施するために重要なことは、異なる粘性を有する種々の等級のカルボキシメチルセルロースナトリウムが市販されているという事実である。カルボキシメチルセルロースナトリウムの種々の等級の粘性は報告され、以下の表1に示される(Handbook of Pharmaceutical Excipients(第2版),American Pharmaceutical AssociationおよびRoyal Pharmaceutical Society of Great Britainを参照のこと)。 多くの等級のカルボキシメチルセルロースが市販されており、0.7の置換の程度(DS)を有する等級が最も頻繁に使用される。DSは、無水グルコース単位あたり、置換されるヒドロキシル基の平均数として規定される。ポリマーの水溶性を決定するのはこのDSである。置換の程度および記述される濃度の水溶液の標準的な粘性が、任意のカルボキシメチルセルロースナトリウム標識について示される。低粘度のCMC(Aqualon(登録商標)Divison, Hercules Inc., Wilmington,DE)が、現在好ましい。現在好ましい置換の程度は、0.65〜0.90の範囲に及ぶ(DS=0.07,Aqualon(登録商標)Type7L)。 上記のように、CMCはいくつかの等級−低粘度、中粘度、および高粘度で使用可能である。この点について、改良された骨形成デバイスを処方するために使用されるカルボキシメチルセルロース(CMC)の粘度が、骨形成に重要であることが決定された。当該分野の教示とは対照的に、本明細書中で規定されるようなマトリクスを含む改良された骨形成デバイスにおいて使用される場合、高い粘性のCMCが骨形成に悪影響を及ぼすことが現在発見されている。米国特許第5,587,897号(「‘897特許」)は、骨形成を誘導するための高い粘性(2480cP)(表1(上記)を参照のこと)のCMCの使用を教示している。しかし、「‘897特許’」のデバイスは、コラーゲンのような生物学的マトリクスではなく合成ポリマーマトリクスを必要とする。意外なことに、コラーゲンのような生物学的物質がマトリクスとして使用される場合、本明細書中で教示されるように、改良されたデバイスは、骨形成および/または軟骨形成を誘導するために低い粘性のCMC(約10〜50cp、または50〜200)と共に処方されなければならない。 CMCデバイスを使用する毒性試験 毒性試験は、CMC含有の改良されたデバイスを、標準デバイスの毒性と比較することで行った。標準デバイスを、2.5mg OP−1/gのコラーゲンマトリクスを用いて作製した。CMC含有の改良されたデバイスを、1:5の比率で標準デバイスに低い粘性のCMC(Aqualon(登録商標))を添加し、続いて照射することによって作製した。標準デバイスまたは偽デバイス(すなわち骨形成タンパク質なし)の25mgアリコートおよびCMC含有の改良デバイスまたは偽CMCデバイスの30mgアリコートを、本明細書中の他の部分に記載されるようにラット皮下部位に移植した(動物一匹あたり1つの移植片)。各処方からの3つの移植片を移植後7日、14日、21日および28日で除去し、そして骨形成および軟骨形成について、そして局部的組織反応について組織学的に評価した。有害な細胞反応は観測されず、そして炎症および線維芽形成を評価することによって決定されるように、CMCの任意の有害な効果を示す証拠はなかった。CMC含有の改良デバイスの組織学的プロフィールは、一般に標準OP−デバイスと類似した。標準的な教示を使用して測定される血清カルシウムおよびアルカリホスファターゼレベルはまた、標準骨形成デバイスのレベルに伴った。最終的に、未成熟ラットおよび成熟ラットについての標準的な毒性分析を使用したが、有意な病変は検出されなかった。 改良されたデバイス生物活性研究 以下に記載する一連の日常的な試験に基づいて、標準骨形成デバイスの生物活性は、CMCとの混合によって悪影響を受けなかった。むしろ生物活性は、少なくとも両方のデバイス配置と比較し得るが、手術中にデバイスを操作する能力ならびに手術および創傷縫合間に欠損部位でデバイスを保持する能力は、CMCによって増強される。これらの試験のために、照射されたCMCを、移植前に標準デバイスに添加した。 簡単には、標準デバイス+/−CMCからのOP−1のインビボ遊離を測定する、2つの研究を実施した。1つの実験において、75mgの照射されたデバイス+/−15mgの照射されたCMCを、本明細書中に記載したようにラットの皮下部位に移植した。移植されたデバイスを、移植後1時間、1日、3日および6日で除去し続いて、8M尿素緩衝液で抽出し、;OP−1含有量を日常的なELISAおよびウエスタンブロット分析によって分析した。OP−1デバイス(動物へは移植されない)を、8M尿素緩衝液で抽出し、そして内部標準として使用した。一般に、標準OPデバイスおよびCMC含有の改良されたデバイスからのOP−1のインビボ遊離の速度論は、類似であった。対コラーゲンマトリクスとCMCとの組み合わせを含む標準デバイス改良されたデバイスによるOP−1隔離(sequestration)または保持における差異はないという知見は、予想外の結果である。CMCを非生物学的ポリマーマトリクスと組み合わせる場合、CMCは、骨形成タンパク質を隔離するように作用することが報告されている(例えば、米国特許第5,597,897号を参照のこと)。 またインビトロ試験を行った。これらの研究において、デバイス中に残っているOP−1を測定した上記のインビボ研究とは対照的に、遊離したOP−1を測定した。1つの研究において、25mgのOPデバイスまたはCMCデバイスを生理食塩水で湿潤させた。次いで、1mlのウシ血清を各デバイスへ添加し、そしてデバイスを37℃でインキュベートした。上清を除去し、そして1時間および3時間で新しい血清と交換した。デバイスとなお結合する任意のOP−1を抽出するために、6時間で8M尿素を添加した。上清中のOP−1濃度を日常的なELISAおよびウエスタンブロット技術によって分析した。標準OPデバイスおよびCMC含有の改良されたデバイスの両方が、試験した6時間について類似のタンパク質放出速度論を有した。さらに、これらの結果は、CMCが骨形成タンパク質を隔離するように作用し、それによって合成ポリマーマトリクスとの混合物からのタンパク質の放出を遅延および/または防ぐという早期の報告を考慮すると予想外であった(例えば、米国特許第5,597,897号を参照のこと)。 結論として、CMCは、インビボまたはインビトロにおけるコラーゲンマトリクス含有骨形成デバイスからのOP−1の保持または放出を実質的に阻止しない。 安定性の研究 CMC含有の標準デバイスに対する標準的OPデバイスの安定性を比較する試験(表2を参照のこと)を実施した。インビトロ分析および骨形成バイオアッセイ(本明細書中の他の場所に記載される)の両方に基づいて、CMC含有の改良されたデバイスは、少なくとも1年間30℃で保存した場合、標準デバイスと同じ位に安定であることが観測された。データはまた、CMCが標準OPデバイスと予め混合され得、そして単一の生成物配置のために最後に(terminally)滅菌され得ることを示唆する。このような単一生成物は、以下に例示されるような局部的な骨および軟骨欠損の修復のために有用である。 CMCを含有する標準デバイスの処方の間、CMCおよび骨形成タンパク質を、例えば、γ照射への曝露により別々に滅菌し、次いで滅菌された成分を合わせて、CMCを含有する標準デバイスを生成し得る。さらに、CMCは、例えば、γ照射への曝露により滅菌された、標準OPデバイスおよび得られた処方物と予め混合され得る。後者のプロセスは、当該分野で最終滅菌といわれ、他の骨形成デバイスを滅菌するために用いられている。例えば、1996年12月19日にWO 96/40297として公開されたPCT/US96/10377、および1997年10月7日に発行された米国特許第5,674,292号(それらの開示は、参考として援用される)を参照のこと。本明細書中で用いる用語「滅菌」および「滅菌された」は、本発明のデバイスに結合した実質的に全ての生存可能な生物(特に、微生物、ウイルス、および他の病原体)を除去するために物理的または化学的ないずれかの手段を用いるプロセスをいう。本発明の滅菌されたデバイスは、好ましくは、Federal Drug Administration(FDA)標準により決定される場合に10−6の滅菌保証レベルを有する。例えば、γ照射されたデバイスの場合、特定のデバイスを滅菌するために必要な適切な照射線量は、1992年に出版された参考書「Associate for the Advancement of Medical Instrumentation Guidelines」を調べることにより、容易に決定され得る。特定の生体負荷(bioburden)のデバイスについて所定の滅菌保証レベルを達成するために必要な照射線量を決定するためのガイドラインはその中に提供される。本発明のデバイスを滅菌するための線量は、好ましくは約0.5〜約4.0メガラドの範囲内であり、そして最も好ましくは約2.0〜約3.5メガラドの範囲内である。 さらに、CMCおよび生理食塩水が添加された骨形成デバイスの短期間の安定性を評価するために研究を行った。この研究は、200mgの別々に包装され照射されたCMCが添加された標準デバイスを用いた。CMCを含有する改良されたデバイスのサンプルを取出し、そして生理食塩水で湿らせた。0、1、3、6、および22時間で、8M尿素緩衝液を用いてOP−1を抽出し、そして逆相HPLCにより還元条件下で分析した。抽出物をまた、アルカリホスファターゼを測定する標準的な細胞に基くアッセイにより、OP−1の生物学的活性について分析した。データは、OP−1が、これらの条件下で生物学的活性を保持することを示した。これらのデータはまた、これらの成分部分(標準骨形成デバイス/CMC/生理食塩水)の混合により生じる、CMCを含有する改良された構造デバイスが、デバイス調製後の数時間使用可能であり、産物が効力を保持する有意な手術中時間を実施者に提供することを示唆した。 結合剤の統合性および他の特徴の試験 当該分野で認識されるUSP法を、CMCのようなバルク結合剤の同定および特徴付けのために用いた。試験は、化学的同一性、粘度、pH、乾燥時の損失、および重金属についての試験を含んでいた。材料をまた、滅菌前の生体負荷について、ならびに内毒素、pH、外観、および照射後の滅菌性についても試験した。照射された材料の粘度、外観、およびpHをモニターするために安定性試験を行った。全てのレベルおよび特徴は、標準的な方法および技術を用いて決定した場合に受容可能であった。 例えば、CMC(Aqualon(登録商標)−低粘度)を、生体負荷および内毒素含量について評価した。Aqualon(登録商標) CMC(ロット番号FP10 12342)を、BioWhittaker(Walkersville, MD, 21793)からのKinetic Chromogenic LALアッセイを用いて内毒素(LAL)の存在について評価した。 「生体負荷」は、以下の通りに測定され得る。例えば、200mgのCMCサンプルを、100mlのリン酸緩衝化水に可溶化し、そして0.45μmフィルターを通して濾過した。フィルターを、TSAプレート上におき、そして48時間インキュベートした。可溶化したCMCの2つのサンプルに、10〜100CFUのBacillus subtilisを接種し、増殖コントロールとして用いた。データは、CMCの生体負荷が少なく、そしてCMCが、細菌の殺傷または細胞増殖の阻害により、この分析において妨害しないことを示唆する。 照射後のCMC特徴付け 照射前および照射(γ照射、2.5〜3.0メガラド)後のCMCの粘度を比較する研究を行った。データは、当該分野で報告されたように、照射後に粘度が減少することを示した。これは、生物学的活性にも結合剤としてのその全体的な有用性にも影響を与えない(本明細書中に示す研究を参照のこと)が、当業者は、改良された骨形成デバイスの粘度または流動率特性を評価する場合にこの特徴を考慮すべきである。研究をまた、照射CMCの安定性を評価するために行った。結果は、照射されたCMCが4℃および30℃の両方で少なくとも6ヶ月間安定であることを示した。粘度を、安定性のパラメーターとして測定した。同様の分析および評価を、所望の処方物において使用される他の結合剤またはデバイス材料について行い得る。 B.結合剤としてのフィブリンのり 本明細書中で教示される「フィブリンのり」は、別の現在好ましい結合剤である。フィブリンのりは、哺乳動物フィブリノーゲンおよびトロンビンの混合物を含む。ヒトフィブリノーゲンは、Tissucol(登録商標)(ImmunoAG, Vienna, Austria)、Beriplast(登録商標)(Behringwerke、Marburg、Germany)、Biocoll(登録商標)(Centre de Transfusion Sanguine de Lille(Pours, France))およびTransglutine(登録商標)(CNTS Fractionation Centre, Strasbourg, France)のような製品(しかし、これらに限定されない)において市販される。ヒトトロンビンは、ImmunoAG, Vienna, Austriaから市販される。フィブリンのりはまた、他の哺乳動物供給源(例えば、ウシおよびマウスの供給源など)からのフィブリノーゲンおよびトロンビンから作製され得る。 フィブリンのりを、マトリクス材料(例えば、コラーゲンまたはβ−TCPなど)と混合された場合のそのゲル様特性およびその改良された取扱い特徴に基いて候補結合剤として同定した。フィブリンのりはまた、低炎症応答を誘発すること(以下を参照のこと)および骨形成を促進することを示した。 フィブリンのりデバイスを用いる毒性研究 フィブリンのりを含有する改良されたデバイスを標準デバイスと比較する毒性研究を行った。標準デバイスを、47.5%エタノール/0.01% TFA中の10μgのOP−1および25mgコラーゲンを混合し、そしてこの混合物を一晩凍結乾燥することにより調製した。標準デバイスを、移植前に100μLリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で湿らせた。フィブリンのりを含有する改良されたデバイスを、50μLウシフィブリノーゲン(Sigma F8630, 10mg/ml)および50μLウシトロンビン(50 U/mL)を、上記の通りに調製した標準デバイスに、移植直前に添加することにより調製した。次いで、標準デバイスおよびフィブリンのりを含有する改良されたデバイスを、ラットの皮下部位に本明細書中の他の場所に記載の通りに移植した。移植片を、骨および軟骨形成について、ならびに局所組織反応について組織学的に評価した。フィブリンのりを含有する改良されたデバイスは、低炎症応答および低い線維性形成を誘発した。フィブリンのりを含有する改良されたデバイスの組織学的プロフィールは、標準デバイスの組織学的プロフィールにほぼ類似していた。炎症応答と、フィブリンのりを含有する改良されたデバイスが骨形成を促進する能力との間の相関は全く現れなかった。 改良されたデバイスの生物学的活性研究 研究を、インビトロでの異なるトロンビン濃度での、フィブリンのりを含有する改良されたデバイスからのOP−1の放出反応速度を評価するために行った。放出反応速度は、より多量のトロンビンの添加により改良された。この研究では、5%ラクトース溶液中の12.5μLのOP−1を、50mgのβ−TCP、25μLのヒトフィブリノーゲン、および25 U/mLのヒトトロンビンまたは50 U/mLのヒトトロンビンのいずれかと混合した。混合物をガラスのバイアルに移し、そして1mLの仔ウシ血清を各々に添加した。次いで、サンプルを37℃/60rpmにてインキュベートさせた。0〜1時間、1〜3時間、3〜5時間、および5〜24時間にて血清サンプルを採取し、そして日常的なELISAにより分析した。結果を以下の表にまとめる。III.処方物および送達の考察 一般的な考察 本発明のデバイスは、日常的な方法を用いて処方され得る。必要とされる全てのことは、デバイスの送達される容積は、欠損部位での容積未満であり得る(しかし、必ずしもそうである必要はない)を心に留めた上での、1デバイスあたりの骨形成タンパク質の所望の最終濃度の決定である。タンパク質の所望の最終濃度は、タンパク質の比活性、ならびに欠損の型、容積、および/または解剖学的位置に依存する。さらに、タンパク質の所望の最終濃度は、レシピエントの年齢、性別、および/または総合的な健康に依存し得る。代表的には、少なくとも約2.5cm長の重症サイズ分節欠損について、ギャップを修復するのに充分な骨形成を誘導するために標準デバイスを用いて0.5mg〜1.75mgの骨形成タンパク質が観察されている。非重症サイズ欠損または新たな骨折の場合、欠損を修復するために標準骨形成デバイスを用いて約0.1〜0.5mgのタンパク質が観察されている。一般に、本明細書中に記載される好ましいマトリクスで使用するためのタンパク質濃度は、1デバイスあたり約0.4mg〜約3.0mgの範囲であり得る。投与量の最適化は単に日常的な実験を必要とし、そして当業者の技術レベル内である。 本明細書中に例示されるように、骨形成タンパク質および結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース(低粘度、Aqualon(登録商標))またはフィブリンのり)を混合してパテを形成し得る。いくつかの実施態様では、生理食塩水が結合剤に添加されて、ペーストまたはパテを形成し、この中でOP−1のような骨形成タンパク質が分散している。腔のような欠損の表面に塗るために、ペースト構造が用いられ得る。ペーストは、骨折欠損、軟骨欠損または骨軟骨欠損、ならびに補綴移植部位において骨欠損に塗るために用いられ得る。より流体状の構造は、欠損中または欠損の表面に沿って、チューブから歯磨き粉を押出すかまたはコーキングするのと類似の様式で注入または押出され得、その結果、デバイスのビーズが欠損部位の長さに沿って送達される。代表的には、押出されるビーズの直径は、欠損の型および欠損部位の空隙の容積により決定される。 上記のように、本明細書中に定義されるような他の結合剤が、パテ様の構造を有するデバイスを処方するために用いられ得る。当業者に明らかなように、このような構造は、湿潤剤に対するキャリアの比率を調整することから生じ、湿潤剤が少なければ少ないほど、より乾燥したデバイスが生成され、そして多ければ多いほど、より湿ったデバイスを生成する。欠損を修復するために適切な正確なデバイス構造は、少なくとも欠損の型および欠損のサイズに依存する。当業者は、可変性を認識する。 A.結合剤としてのCMC−−処方物研究 以下の型の研究に基いて、約1.0gの標準骨形成デバイスに対する約0.2gのCMCが、現在好ましい取扱い特性を有する改良されたデバイスを生じることを確立した。種々の比のCMCおよびコラーゲンを合わせ、次いで生理食塩水を用いて湿らせた。CMCおよびマトリクスの、得られた各混合物を、15mlのコニカル遠心管中の水に懸濁し、そして旋回式シェーカー(100rpm)中に置いた。沈澱時間を、緩んだかまたは放出されたコラーゲンマトリクスの粒子がチューブ上の所定のマークまで沈澱する時に記録した。表3および図1にまとめたデータは、約0.15〜0.25g CMC/gコラーゲンの範囲が粘着性、統合性、および取扱い特性を最大にし得ることを示唆する。 CMCデバイスを湿らすのに好ましい量の生理食塩水もまた、研究した。この研究では、約0.2gのCMCを、約1gの標準骨形成デバイスと混合した。種々の量の生理食塩水を添加し、そして得られるデバイスのコンシステンシーを書き留めた。この研究からの定性的および定量的な結果を、それぞれ、表4および図2にまとめる。一般に、これらのデータは、デバイスの統合性および粘着性をデバイスに保持させるのを可能にしつつ、実施者が順応させ得る湿潤剤の容積の範囲が存在することを示す。CMCのような結合剤について、データは、約1.5mlより多くの、約1.8〜2.5mlの生理食塩水が、現在好ましいパテコンシステンシーを有する移植可能なデバイスを達成するために(約200mgの結合剤(例えば、CMC)と混合された約1グラムのデバイスについて)現在好ましい湿潤剤容積であることを示唆する。これを超える量の生理食塩水は、現在好ましい液体コンシステンシーを有する注射可能なデバイスを達成する。本明細書中の他の場所に例示されるように、移植可能なデバイスの構造は、開口欠損部位での使用に適切であり、一方、注射可能なデバイス構造は、閉鎖欠損部位での使用に適切である。グラムでの等価物に関して、約0.5g〜約3.0gの生理食塩水が、所望のコンシステンシーを有する改良されたデバイスを生じることが決定されている;重量が多いほど、その構造はより注射可能である。 (表4:CMC含有デバイスのぬれ) 本発明の特定の実施態様では、実際の改良された骨形成デバイスの調製は、欠損部位へのその送達の直前に起き得る。本明細書中に例示されるように、CMCを含有する改良されたデバイスは、手術の直前に混合するのに適して、現場で調製され得る。1つの実施態様では、低粘度CMC(Aqualon(登録商標))が包装され、そして骨形成OP−1およびコラーゲンマトリクスとは別々に照射された。次いで、コラーゲンマトリクス中のOP−1タンパク質が結合剤と混合された。このような様式で調製されたデバイスは、CMCを含まない標準デバイスと少なくとも同様に生物学的に活性であることが観察された。 B.結合剤としてのフィブリンのり−−処方物研究 以下の型の研究に基いて、約1gのβ−TCPに添加された約500μLのフィブリノーゲン(pH7.4にてPBS中80mg/mL)および500μLのトロンビン(0.9% NaCl中50 U/mLまたは25 U/mL)が、現在好ましい取扱い特性を有する改良されたデバイスを生じることが確立された。取扱い特性に関する論点は、フィブリンのりの凝固時間、およびフィブリンのりを含有する改良されたデバイスのコンシステンシーを含む。成形可能なパテのコンシステンシーを有するデバイスが好ましい。のりが一旦凝固すると、パテの形を変更することは、より困難になる。従って、より長い凝固時間はまた、デバイスの好ましい特徴である。 ウシフィブリンのりの凝固時間を、毛細管ガラスロッドを用いて重量ボート中で連続的に20μLのウシフィブリノーゲン溶液(pH7.4にてPBS中80mg/mL)を20μLのウシトロンビン溶液(生理食塩水中500 U/mLまたは25 U/mL)と混合することにより決定した。凝固時間をまた、0.6% CaCl2溶液の添加ありまたはなしで評価した。結果を以下の表に示す: フィブリンのりを含有するデバイスのコンシステンシーを、例示的なマトリクスとしてβ−TCPを含有するデバイスを用いて評価した。異なる量のウシフィブリンのりを、100mgまたは1000mgのβ−TCP顆粒に添加し、そしてコンシステンシーを決定した。結果を以下の表にまとめる:1.Autocolle(登録商標)およびBiocoll(登録商標)は、Centre de Transfusion Sanguine de Lille(Tours, France)からである。2.Tissucol(登録商標)は、Immuno AG(Vienna, Austria)からである。3.Beriplast(登録商標)は、Behringwerke(Marburg, Germany)からである。4.Transglutine(登録商標)は、CNTS Franctionation Centre(Strasbourg, France)からである。 上記の研究に基いて、約1000mgのβ−TCPに対する約40mgのフィブリンのりが本明細書中で意図されたような改良されたデバイスを生じることが確立された。同じ研究に基いて、約1000mgのコラーゲンに対する約20mgのフィブリンのりが本明細書中に示される好ましい特性を有するデバイスを生じることが確立された。一般的に、データは、約20〜220mgのフィブリンのり/1000mgマトリクスの範囲は、正確な環境および意図される使用に依存して、粘着性、統合性、および取扱い特性を最大にし得ることを示唆する。 IV.他の材料の考慮 本発明の特定の実施態様では、好ましいマトリクス材料はβ−TCPである。本発明においてマトリクスとして使用するための非合成、非ポリマー性材料の好ましい特徴は、以下を含むがこれらに限定されない:周囲の組織による高いマトリクス吸収速度および低い炎症応答。上記で考察したように、約212μm〜約425μmの範囲の粒子サイズを有する焼結高燃焼β−TCPは、現在最も好ましいが、他の粒子サイズは本発明の実施に用いられ得る。 画像分析法 β−TCPマトリクスの吸収速度は、標準的な画像分析法を用いて決定した。画像分析は、Ca/P顆粒の粒子サイズ分布を評価する方法である。Ca/P顆粒の粒子サイズは、ラットにおける移植の前および後で比較される。外植片の軟組織は、次亜塩素酸ナトリウムにより溶解され、そして残りのCa/P顆粒は水で数回洗浄され、そして室温にて乾燥される。粒子は、グリセロールと混合され、そしてスライドガラス上に載せられる。粒子サイズは、標準的な画像分析システム(例えば、ビデオカメラにより顕微鏡へ接続されたBioquant OS/2)を用いて顕微鏡検査により決定される。領域および最大直径を示すアレイが、個々の粒子の寸法を表すために選択される。256レベルセットにおける0〜88のグレイスケールを示す粒子の画像を選択し、そして測定する。個々の粒子からの生のデータは、平均および標準偏差を算出するために用いられる。少なくとも50個の粒子が各データセットにおいて測定される。 ラット皮下研究 以下に示す研究では、β−TCP(Clarkson、番号211096、BD=0.86、212〜425μm、9/6/97)は、10μgのOP−1ありまたはなしでCMC/血液ペーストにおいて処方され、そしてラット皮下部位に移植される。移植片を、インビボでの6週間後および12週間後に取り出し、上記の画像分析法を用いて分析する。6週間目の結果を以下の表4Dにまとめる。結果は、6週間後にβ−TCPのサイズが334μmから184μm(OP−1なし)および166μm(OP−1あり)に減少することを示す。OP−1処置サンプルと非処置サンプルとの間のサイズの相違は、有意ではない。しかし、6週間後にβ−TCPの直径において約50%の減少が存在する。 炎症 一般に、小さな粒子は、大きな粒子よりも早く吸収されると仮定され得る。結果は、OP−1なしで、β−TCP(212〜425μm)が、わずかに上昇した炎症応答を誘発したことを示した。しかし、炎症反応は、OP−1の用量が10μgから20μgへ増加するにつれて減少した。以前の動物試験は、10μm未満の小さな粒子が、高炎症応答を誘発することを示した。それゆえ、212〜425μmのサイズの焼結β−TCP(100%)粒子の使用は、吸収速度、低炎症、およびラット皮下モデルにおける骨形成を支持する能力の間の平衡である。 V. バイオアッセイA. 骨形成活性のバイオアッセイ:軟骨内骨形成および関連性質 次に述べることは、出願者の発明の範囲内の真正の骨形成または骨形態形成タンパク質を同定および特徴づけるための例示的なプロトコルならびに骨形成デバイスを示す。 SampathおよびReddi(Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1983)80:6591−6595)ならびに米国特許第4,968,590号(これらの開示は、本明細書中に参考として援用される)により記載されるような、当該分野で認識された骨誘導についてのバイオアッセイを、精製プロトコルの効力を確立するために使用する。手短に言えば、このアッセイは、試験サンプルをエーテル麻酔下の同種異系レシピエントラットの皮下部位に蓄積させることからなる。胸部領域上の皮膚において無菌条件下で垂直切開(1cm)し、そしてポケットを平滑末端化解剖(blunt dissection)により調製する。特定の状況において、約25mgの試験サンプルをポケット中深部に移植し、そして切開を、金属の皮膚クリップを用いてふさぐ。異所性部位は、正常位部位の使用から生じる可能な不明瞭さを伴わずに、骨誘導の研究を可能にする。 異所性部位で生じる連続的な細胞反応は複雑である。軟骨内骨形成の多段階カスケードは以下を含む:フィブリンおよびフィブロネクチンの移植マトリクスへの結合、細胞の走化性、線維芽細胞の増殖、軟骨芽細胞への分化、軟骨形成、血管侵入、骨形成、再造形、および骨髄分化。 ラットにおいて、このバイオアッセイモデルは、以下を含むマトリクス誘導性軟骨内性骨発生の段階を通して制御された進行を示す:(1)1日目、多形核白血球による一過的な浸潤;(2)2および3日目、間葉細胞の遊走および増殖;(3)5および6日目、軟骨細胞出現;(4)7日目、軟骨マトリクス形成;(5)8日目、軟骨石灰化;(6)9および10日目、血管侵入、骨芽細胞の出現、および新規骨の形成;(7)12〜18日目、骨芽細胞の出現および骨の再造形;ならびに(8)21日目、小骨における造血性骨髄分化。 組織学的切片化および染色は、移植片における骨形成の程度を決定するために好ましい。トルイジンブルーまたはヘマトキシリン/エオシンを用いた染色は、軟骨内性骨の最終的な発生を明確に実証する。12日のバイオアッセイは、骨誘導活性が試験サンプルに関連するか否かを決定するのに十分である。 さらに、アルカリホスファターゼ活性は、骨形成のマーカーとして使用され得る。酵素活性は、摘出された試験材料の均質化後に分光光度的に決定され得る。活性はインビボで9〜10日でピークに達し、そしてその後、ゆっくりと低下する。組織学により骨発生を示さないサンプルは、これらのアッセイ条件下でアルカリホスファターゼ活性を有さないはずである。このアッセイは、試験サンプルをラットから取り出した後、非常に迅速に、骨形成の定量に、および骨形成の評価を得るために有用である。例えば、いくつかのレベルの純度で骨形成タンパク質を含むサンプルを試験して、工業規模で生成され得る処方物を捜すために、最も効果的な用量/純度レベルを決定した。アルカリホスファターゼ活性レベルにより測定された結果および組織学的評価は、「骨形成単位」として示され得る。1骨形成単位は、12日目の最大骨形成活性の半分に必要とされるタンパク質の量を示す。さらに、種々の濃度のタンパク質をアッセイすることにより、精製スキームの各工程でのインビボでの骨誘導活性についての用量曲線を構築し得る。従って、当業者は、日常的な実験法のみを用いて代表的な用量曲線を構築し得る。 B. 軟骨形成:免疫組織化学、組織学および偏光光学顕微鏡 1. 免疫組織化学および組織学 手短に言えば、真正の関節軟骨の同定が、超微細構造的パラメータおよび/または生物化学的パラメータを使用して達成され得ることは、当該分野に公知である。例えば、関節軟骨は、同一視できる領域を所有する軟骨組織の連続層を形成する。表層領域を、硫酸化プロテオグリカンの相対的欠損を示すために、トルイジンブルーで染色していないかまたは不十分に染色している平板化形態および細胞外ネットワークを有する軟骨細胞によって特徴づける。トルイジンブルーを、一般的に、骨および軟骨を染色するために使用する。これは、青〜紫に色が変化する色素の凝集および重合を導く組織において、高密度にぼんやりしたネガティブ電荷の存在に基づく異なる色を生成する異染色性の染色である。骨は、酸性ムコ多糖を有する軟骨が濃い紫に染色されるのに対して青色に染色される。中央のおよび深い領域の軟骨細胞は、トルイジンブルーで染色することによって証明されたように、球状の外見を有し、そしてマトリクスは、大量の硫酸化プロテオグリカンを含む。コラーゲン線維は、マトリクスの至るところに、拡散的に存在する。軟骨細胞は、大量の粗面小胞体を有し、そして細胞外ネットワークによって包囲される。細胞周囲のネットワークは、無数の薄い、非縞状のコラーゲン線維を含む。領域間のネットワークにおけるコラーゲンは、関節軟骨に類似する電子半透明非結晶物質において緻密ではなく、そして包埋されていない。ネットワークのテリトリー間領域におけるコラーゲン線維は、軟骨組織のテリトリー間領域においてコラーゲン線維の特徴的に周期性のバンド形成を示す。 Von Kossa染色は、鉱化した組織の濃い黒染色を示す。この染色は、明らかに、カルシウム塩において銀析出によって、現存の骨および新たに再生された骨を示す。代表的には、カウンター染色はサフラニン(Safranin)Oであり、これは軟骨を赤−橙色に染色する。新たな骨および現存の骨は、通常従って適宜に切片を染色するうえで、形態学的に容易に区別され得る。サフラニン O/ファストグリーンは、トルイジンブルーよりさらに特色を区別し得る。サフラニン Oは、関節軟骨中の酸性ムコ多糖類を染色する塩基性色素を赤−橙色に、および補助軟骨をわずかに明るく染色するである。ファストグリーンは、細胞質を灰色−緑に染色する酸性色素である。染色は、現存する軟骨および再生された軟骨を明らかに同定し得るだけでなく、プロテオグリカンの含有量において差違を示す修復組織において2つの領域間の差違を区別し得る。 骨が濃い赤を示し、および糖質が豊富にある軟骨がわずかに明るいというヘマトキシリン/エオシン染色もまた、使用し得る。マッソン トリクロームは、修復組織において差違を区別し得る。骨のコラーゲンを青に染色しながら、軟骨および酸性ポリ多糖が豊富な修復組織、筋肉、および赤血球を、赤に染色する。 組織学的な評価はまた、修復軟骨におけるグリコサミノグリカン含有量;軟骨および軟骨細胞の形態学;および、欠損界面の構造完全性および形態学を評価し得る。修復軟骨の形態学を、形成される軟骨型:グリコサミノグリカン含有量の評価による関節性対線維性、軟骨沈着の程度などによって同定し得る。 当該分野でよく特徴づけられた標準方法論を使用する形態学的評価は、新しい骨および骨髄形成の評価を可能にする。例えば、本明細書中で参考として援用する開示である米国特許第5,266,683号を参照のこと。 さらに、生物化学的に、軟骨組織におけるII型およびIX型コラーゲンの存在は、軟骨細胞の異なる表現型の指標であるということは、当該分野において周知である。II型および/またはIX型コラーゲンの存在を、例えば、以下に示すように市販の抗体を使用する標準ゲル電気泳動、ウェスタンブロット分析、および/または免疫組織−化学的染色によって決定し得る。他の生物化学マーカーは、ヘマトキシリン、エオシン、ゴールドナー(Goldner’s)トリクロームおよびサフラニン−Oを含む。 以下のような免疫組織化学的方法を、関節軟骨を含む軟骨組織の形成を同定するのに利用し得る。組織切片を、当該分野で公知の日常的な包埋および切片化技術を使用して調製する。II型コラーゲンについてのエピトープを、プロテアーゼ前処理によって最初に暴露する。例えば、組織サンプルをトリス緩衝化生理食塩水(TBS)中Sigma(St.Louis,MO;カタログナンバー P5147)の1mg/mlプロナーゼ型XIVで約10分間室温で前処理する。次いで、サンプルを、0.2%グリシンを含むTBSにて洗浄した。1%Tween 20(TBST)およびウシ血清アルブミン(BSA)を含むトリス緩衝液生理食塩水溶液中で、サンプルを30分でブロックし、そしてTBSTで洗浄した。次いで、サンプルを室温で約1時間または一晩、アフィニティー精製ポリクローナルヤギ抗ヒトコラーゲンI型およびII型抗体と共にインキュベートする。以下に示される特定の実施例において、ヤギ抗ヒトI型コラーゲン抗体を、例えば、ロットナンバーL055−X916であるカタログナンバー1310−01のSouthern Biotechnoligy Associates(Birmingham,Alabama)から得;ヤギ抗ヒトII型コラーゲン抗体をまた、例えば、ロットナンバーC153−T826であるカタログナンバー1320−01のSouthern Biotechnology Associatesから得た。マウスまたはウサギにおいて生成される抗ヒトI型およびII型コラーゲン抗体、もまた、使用し得る。当業者は、ある種対別の種の使用が適切な環境を評価する。以下に示される特定の実施例のために、インキュベーションするために使用したヤギ抗ヒトI型およびII型コラーゲン抗体の濃度は、例えば、TBSTにおいて1%BSA中に希釈した各抗体について20μg/mlである。抗体とのインキュベーション後、サンプルを、TBSTでリンスし、そして水槽に保持する。次いで、市販の結合抗体を加える。例えば、ヤギ抗ヒトI型およびII型コラーゲン抗体で処理したサンプルを、少なくとも室温で10分間、カタログナンバーHK209−5GであるBioGenex Laboratories(San Ramon,CA)からのヤギ結合抗体と共にインキュベートし得る。マウスまたはウサギ抗体と共にインキュベートしたそれらのサンプルについて、Dako Corporation(Carpinteria,CA)からのキットナンバーK0610であるDako LSAB2を結合抗体として使用し得る。サンプルを、TBSTで再度リンスし、そして水浴に保持する。次に、サンプルを、少なくとも約10分間室温で、上記で同定された供給源のいずれかから市販のストレパビジン(Strepavidin)/アルカリホスファターゼと共にインキュベートさせる。サンプルを、再度TBSTにてリンスする。次いで、サンプルを、約10分間またはそれより少ない間で、適切な基質溶液での処理によって発色させる。例えば、アルカリホスファターゼ検出のために、約100μlの50倍ラバメソール(lavamesole)を使用する。発色のために、Dako Corporationからのファーストレッドを使用する。発色後、サンプルを、Harrisヘマトキシリンおよび1%炭酸リチウムで2分間洗浄することによって対比染色する。次いでサンプルを、水性マウンティング培地にマウントし、そして軟骨形成を引き続き評価する。 I型およびII型コラーゲンを染色することは、再生した副軟骨と修復組織との間の境界を決定するために有用である。一般的に、線維性の修復組織は、あまり染色されない。さらに、新たに形成した副軟骨は、残遺軟骨の小さい小棘における、II型コラーゲン局在によって同定され得る。トルイジンブルーおよびサフラニン−Oはまた、軟骨層ならびに修復組織において酸性プロテオグリカンを染色するために有用である。 2.偏光光学顕微鏡 偏光光学顕微鏡を、修復組織の限度と欠損に隣接する残留関節軟骨との間の接合部における原線維嵌合を評価するために使用し得る。このような顕微鏡法を、欠損からのサフラニン−O染色切片を使用して実施し得る。特定の場合において、偏光光学顕微鏡は、修復プロセスのより正確な見地を当業者に提供する。例えば、光学顕微鏡を使用して、欠損の末梢の修復組織は、残留軟骨と十分に並んで表われ得る。しかし、偏光光学顕微鏡を使用すると、修復組織のコラーゲン線維が、残留軟骨のものとあまり統合しないことが観察され得る。修復軟骨と残存軟骨との間の線維連続性の不足は、最適以下の修復の指標である。従って、修復軟骨と残存軟骨との間の干渉を定性的に評価する場合、原線維の連続性を、好ましくは本明細書以下に例示されるような偏光光学顕微鏡を使用して評価する(Shapiroら、Journal of Bone and Joint Surgery 75:532−553(1993)(この開示を本明細書に参考として援用する)もまた参照のこと)。 本発明の実施は、以下の実施例よりさらに十分に理解され、これは、本明細書に説明のためのみに提示され、そしていかようにも本発明を限定するものとしてみなすべきではない。 VI.動物研究:改良された骨形成デバイスの使用方法A.カルボキシメチルセルロースを含む改良された骨形成デバイスを使用する重症サイズ分節欠損状の修復 1.実験1:単一デバイス一致(イヌ) この研究は、当該分野で認識されるイヌモデルでの重症サイズの尺骨分節の欠損を修復するためのコラーゲンマトリクスとカルボキシメチルセルロースと合わせたOP−1の効力を示す。 手短に言えば、以下に示されるデータは、標準OPデバイスで処置した分節の欠損と比較して、CMC/OP−1デバイスを受け入れた部位に少なくとも匹敵するX線治癒を示す。CMC/OP−1で処置した欠損のための最終のX線等級(最大=6.0)は、標準OP−1デバイスを受け入れた欠損のための4.67±0.58と比較して5.33±0.58であった。一般的には、新しい骨形成は、全ての欠損において術後早くとも2週間かかることが明らかであった。新しい骨は、術後12週間で屠殺するまで、濃密化、硬化、および再造形を続けた。CMC/OP−1デバイスで処置した欠損の破損に対する平均負荷は、59.33N±26.77であった。これは、標準OP−1移植片を受け入れる対側の破損に対する平均負荷は、70%であった。組織学的に、再造形の最終の容量、質および程度は、再造形の最終的な新しい骨形成および程度における変化が動物から動物の比較において記載したが、CMC/OP−1および標準OP−1デバイスで処置した欠損において少なくとも等価なものであった。 CMC/OP−1デバイスで処置した欠損についての平均組織学的等級は、合計可能ポイント16中12.67±1.04であった。標準OP−1デバイスで処置した欠損のための平均組織学的等級は、16の合計可能ポイント中、11.41±0.95である。 試験デバイスの説明 すでに記載しているように、組換えヒト骨形成タンパク質−1(rhOP−1)から成る標準デバイスは、コラーゲンマトリクスの1グラムあたり2.5mgのrhOP−1割合でウシ骨I型コラーゲンマトリクスと混合した。rhOP−1からなる改良デバイスと、ウシ骨I型コラーゲンマトリクスおよびカルボキシメチルセルロース(CMC)と混合した。単一デバイスを、滅菌したバイアルに補充した。 先に記載したように、開口欠損のための現在好ましいCMC含有デバイスは、わずかな一貫性を有する。単一CMC/OP−1デバイスを、小さな鉢に乾燥させて置きそして、生理食塩水と混合した。指を使用して、開業医は、欠損のデバイスを混合し、そして一般形に形成し、次いで欠損部位にデバイスを置いた。改良されたデバイスは、さらに簡単に取り扱われそして形成され、そして手術用手袋に固着していないことが報告された。デバイスは、洗浄中および縫合中/縫合後の欠損に置いた場合、その統合性を維持した。 実験設計 成体雄性雑種イヌを、周知の骨修復および再造形の特徴を理由として、利用した。全ての動物は、少なくとも2年齢であり、そして40〜50ポンドの重量であった。全ての動物は、Martin Creek Kennels,USDA number 71−B−108,Willowford,AKによって供給された。単一のサイズを選択および重量の動物を選択するのに特別な注意を払って、骨の幾何学および負荷における変動を制限する。動物を、手術後にX線でスクリーニングして、適切なサイズ、骨格成熟度、および明らかな骨の異常性が存在しないことを確認する。 合計3匹雄体性犬を利用した。両側の2.5cm尺骨分節欠損を作製した。全ての右側の欠損は、改良デバイスを受け入れた。(CMC/OP−1デバイス)。全ての左側の欠損は、標準OP−1デバイスを受け入れた。隔週のX線像を、治癒の進行を研究するために得、そして0〜6スケールで等級付けした。屠殺時において、全ての尺骨をまとめて回収し、そして手動操作で十分に治癒したものを、ねじれにおいて力学的に試験した。分節を、組織応答、骨構築および再造形、ならびに新しい骨形成および治癒の質および量について組織学的に評価した;等級付けは、0〜16スケールである。 手術 標準無菌的技術を使用して、手術を、ハロタンガス麻酔下で実施した。長さ約4.0cmの外側切開を行い、そして尺骨の露出を、切開および鋭い切開を使用して得た。1つの2.5cm分節の骨膜欠損を、のこぎりを使用して中央−尺骨において作製した。この欠損は、中央軸直径約2〜2.5倍であり、そして重症サイズ欠損を表す。すなわち、欠損は、自然に治癒しない。術間測定を、取り除いた骨の分節から行った。橈骨を、機械的安定性について維持したが、内側固定または外側固定は全く使用しなかった。この部位を、骨の細片を取り除くために生理食塩水で水をひき、そして骨髄細胞に溢流した。そのサイズを乾燥し、そして恒常性を達成した後、移植片を、注意深く欠損中に置いた。軟組織は、移植片を含むために層中に慎重に閉じられた。次いで、手順を、対側において繰り返した。 X線像 前肢のX線像を、術後8週間まで隔週で、次いで術後12週間で屠殺して再び入手した。標準化した照射被爆時間および強度を使用し、そしてサンドバックを、一貫した様式で末端位置に使用した。X線像を、欠損治癒の質およびスピードを評価するために、早期のX線像を評価し、そして比較する。X線像の等級付けは、以下のスケールに従った。 屠殺 研究期間の終わりに、動物を、静脈内にバルビツール酸塩の過剰投与を用いて屠殺した。尺骨および橈骨を、すぐにまとめて集め、そして菱形に浸漬した生理食塩水に置いた。両方の尺骨を、拡大写真にし、そして標識とX線像を接触させた。軟組織を、欠損部位からはなれて注意深く解剖した。水冷のこぎりを、サンプルサンプルの中央においた欠損部位を有する9cmの単一の長さに尺骨を切るために使用し得る。 力学的試験 手動操作による治癒が十分であると思われる場合、切片作成後、直ちに、ストロークコントロールを50mm/分の一定置換速度で作動させたMTS閉鎖式油圧試験装置(Minneapolis,MN)でルーチン的操作法を使用し、標本をねじりの破損について試験した。簡単には、骨切片の各末端を円筒状のアルミニウムスリーブに取り付け、メタクリル酸メチルで接着した。一方の末端をしっかりと固定し、他方を反対時計方向に回転させた。イヌの尺骨は、僅かに湾曲しているので、試験装置の標本と同軸の回転を保つように標本を取り付けた。サーボ油圧材料試験システムにより、6cmのレバーアームにねじり力をかけた。機械ストローク制御装置による測定と同時に、移植片置換を記録し、一方、負荷量を負荷セルから記録した。力―角度置換曲線を作成し、この曲線から、破損に対するねじりおよび角度変形量を得た後、破損に対するエネルギー吸収量を負荷量―置換曲線下の面積として計算した。 組織学 力学的試験の後または未試験標本の切片作成後、直ちに、個々の標本を10%緩衝化ホルマリン溶液に浸積して固定した。水冷ダイアモンド鋸上で標本を縦方向に二分して分けた。この操作により、非脱灰粉砕切片および非脱灰ミクロトーム切片など異なる組織調製物用に各標本から二つの部分を得た。 固定後、非脱灰切片を示す標本を70〜100%に勾配させたエチルアルコール溶液で脱水した。次に、標本をメタクリル酸メチルモノマー内に入れ、ポリマー化させた。粉砕切片は、標本を高速度で水冷Mark V CS600−A(Grandby,CT)切り出し鋸で厚さ約700〜1,000μmの切片に切断して得た。切片をアクリルスライド上に取り付け、治金粉砕ホイールを使用して厚さ100μmに粉砕し、標準的技術を使って微大撮影X線撮影写真を撮った。 微大X線写真撮影後、切片をさらに、約50μmに粉砕し、塩基性フクシンおよびトルイジンブルーで染色して組織学的等級付けを行った。この等級付けにより、以下の修復パラメーターを評価した。癒合の質、皮質および海綿骨の外観および質、骨髄成分の存在、骨再造形および炎症反応。組織学的パラメーターの等級付けは、以下の尺度に従った。 結果 X線写真による評価 本研究において、標準的OPデバイスで処置した部分的欠損と比較して、CMC/OP−1デバイスを投与した部位のX線写真による骨治癒特性に有意差はなかった。一般に、新骨形成は、全欠損において、早くも術後2週間で認められた。新骨形成は、濃密化、圧密化および再造形をし続け、術後12週間目に動物を屠殺した。初期の骨髄腔形成を伴う新皮質の発生が6週間評価と8週間評価との間に生じた。 CMC/OP−1デバイス処置欠損のX線写真による最終的な等級は、5.33±0.58であった。標準的OP−1デバイスを投与した欠損の最終X線写真は、4.67±0.58であった。 例として、一種の試験動物に対する特定の代表的観察結果を、以下に示す。 右欠損(CMC/OP−1デバイス) 術後2週間で、痕跡の放射線濃密物質が右欠損に存在したが、この欠損は、完全に架橋されなかったか、または新骨で満たされなかった。術後4週間までに、新骨の量および放射密度が有意に増加した。欠損は繋がっていたが、新骨は、十分含有されなかった。骨膜縁にそって新骨の圧密が幾分あった。この動物の左欠損と比較して同量の新骨が形成されていた。術後6週間目、新骨の放射線密度は増加し、欠損は、完全に繋がり、広範囲にわたる新骨で満たされた。宿主骨末端に初期再造形が認められ、新骨の組み込みが開始した。術後8週間目、新骨は再造形を続け、さらに多くの新骨容積が欠損縁を接合した。宿主骨末端に新骨が組み込まれ、新皮質の形成を暗示する縁にそった新骨の濃密化があった。残留単体物質は、X線写真により認められなかった。屠殺時、X線透過性領域が右側欠損の中央に存在したが、新骨縁の濃密化は、新皮質の形成を暗示した。X線写真による最終的な等級は、最高スコアの6点中、5点であった。 左欠損(OP−1デバイス) 術後2週間で、痕跡の放射線濃密物質が欠損中に存在したが、この欠損は、新骨で架橋されなかったか、または満たされなかった。術後4週間までに、新骨の量および放射性密度は有意に増加し、欠損は繋がり、新骨で満たされていた。術後6週間目、新骨の放射性密度は増加し、欠損は完全に繋がり、広範囲の新骨で満たされていた。初期再造形が認められ、さらに多くの新骨容積が欠損縁を接合した。新骨は一様な密度で、宿主末端の組み込みが開始した。術後8週間目、新骨は再造形を続け、宿主骨末端が組み込まれ、欠損縁にそって新骨の濃密化が開始していた。屠殺時、欠損縁に沿った新骨の濃密化は、新皮質の初期再形成を暗示した。欠損中央内の新骨密度は、右側欠損に形成された新骨より大きかったが、外観は、この動物の左右の側面で有意差はなかった。X線写真による最終的な等級は、最高スコア6点中、5点であった。 肉眼的観察 全動物の左右の標本は共に、類似した肉眼的外観を有した。動物2例では、左右の欠損はしっかりと癒合され、ほぼ同じ容積の新骨を有した。第3の動物では、左右の側面で同容積の新骨を有したが、左側は、完全に癒合されなかった。 物理学的試験 CMC/OP−1デバイスで処置した欠損平均破砕負荷量は、59.33N±26.77(n=3)であった。平均破砕負荷量は、標準的OP−1デバイスを投与した対側の平均破砕負荷量の79%であった。これは、先に試験した無傷対照強度の91%に相当した。平均角変形量は、38.22±0.69度であった。平均破砕吸収エネルギー量は、97.47±47.21Nm度であった。 標準的OP−1デバイスで処置した欠損の平均破砕負荷量は、75.39N±1.88(n=2)であった。これは、先に試験した無傷対照強度の115%に相当した。平均角変形量は、59.06±27.80度であった。平均破砕吸収エネルギー量は、93.40±17.49Nm度であった。明記したように、標準的OP−1デバイスで処置した欠損の一つは、肉眼的に不安定であったため、試験を行わなかった。 組織検査 全般的に、コラーゲンマトリクスを有する標準的rhOP−1デバイスで処置した欠損と一致する正常骨形成が観察された。最終容積並びに再造形の質および程度は、CMC/OP−1および標準的OP−1デバイスを比較して、同等であった。動物間比較で、最終新骨形成および再造形度において変動が認められた。CMC/OP−1デバイス処置欠損の平均組織学的等級は、最高総スコア16点中、12.67±1.04点であった。標準的OP−1デバイス処置欠損の平均組織学的等級は、最高総スコア16点中、11.41±0.95点であった。 全般的に、左右の両欠損は、大量の新骨で繋がっていた。新骨の認識が始まり、薄層性であった。欠損縁にそって、新骨は、密度が高くなっており、新皮質を暗示した。特定例で、再造形は、右側ほど、左側では均一に進行しなかった。左側の新骨容積は、特定例で右側よりも僅かに少なかった。全欠損の中央に、延髄成分の再現が認められた。 結論として、改良骨形成デバイス(ユニタリ配置)を使用し、重症サイズの部分欠損を修復した。軟骨性骨修復、物理学的強度指数、X線写真指数および組織学的指数の等級は、改良デバイスによる欠損の修復が、少なくとも標準的骨形成デバイスに匹敵したことを示唆した。 2.実験2:非単一(unitary)デバイス配置を使用するOP−1用量反応(イヌ) さらに、この実験は、イヌ尺骨部分欠損モデルにおける重症サイズの大きな部分欠損を治癒するため、標準的および低用量の両OP−1製剤を使用し、カルボキシメチルセルロース(CMC)を混合した標準的骨形成デバイスの有効性を示す。 下記に詳述したように、種々投与量のOP−1を本実験に用いた。簡単に説明すると、CMC無添加の低用量製剤OP−1デバイスは、新骨形成の誘発に有効であったが、標準用量OP−1デバイスより低いことが認められた。しかし、期待に反して、低用量CMC含有デバイス処置欠損は、CMC無添加の低用量OP−1デバイスと比較して、新骨の形成が早く、容積も大きいことを示した。 OP−1デバイス1gと滅菌生理食塩水3.2mlを混合して標準または低用量OP−1デバイスを調製した。CMCを含む標準的または低用量OP−1デバイスは、CMCを0.2g添加したOP−1デバイス1gを滅菌生理食塩水約2mlと混合して調製した。これらのデバイスを手術中に調製した。X線写真では、CMC添加および無添加の標準用量のOP−1処置部位は、外観的に類似したX線写真であった。標準用量のOP−1部位は、低用量部位と比較して新骨形成が早く、容積も大きかった。組織検査結果より、標準的OP−1デバイスと比較してCMC含有デバイス処置部位でより進行した部分的骨欠損の治癒が示された。CMC含有低用量デバイス処置部位は、標準用量OP−1デバイス処置部位と同等程度の宿主骨の再造形および組み込みを示したが、誘発された新骨容積は少なかった。CMC含有標準用量OP−1デバイスで処置した欠損部位は、他の全処置群と比較して、術後12週間目の最大平均ねじりの破損負荷量を得た(61.91±35.37N、無傷対照ねじり強度の95%)。 CMC部位含有低用量デバイスのねじり強度は、標準的OP−1デバイスと類似し、無傷尺骨強度の78%および先に試験した標準的デバイス処置部位強度の99%であった。逆に、CMC無添加の低用量OP−1部位のねじり強度は、無傷尺骨ねじり強度の44%しかなく、先に試験した標準的OP−1デバイスで処置した部分的欠損強度の56%であった。 試験材料 標準的OP−1デバイス(第11表ではOP−1を表す)は、2.5mg rhOP−1/gコラーゲンマトリクスの割合でウシ骨I型コラーゲンマトリクスと混合した組み換えヒト骨形成蛋白質−1(rhOP−1)からなる。一種のCMCデバイス(標準用量、第11表ではOP−1/CMC,OPCMCを表す)は、カルボキシメチルセルロースと組み合わせたOP−1デバイスからなる。低用量OP−1デバイスは、1.25mg rhOP−1/gコラーゲンマトリクスからなる(第10表ではLOPを表す)。標準および低用量の両用量の各OP−1デバイスは、CMCと別に包装したデバイス1gからなる。CMCは、バイアル当たり200mgを包装した。これは、上記に記載のCMCを他成分のコラーゲンマトリクスおよび骨形成タンパク質と同時包装したユニタリデバイスと対照的である。 実験計画 成熟雑種犬計12匹を使用した。左右相称に2.5cmの重症サイズの尺骨部分的欠損を作製した。動物6例の右側欠損に標準的OP−1デバイスを受けた。この群の左側欠損には、標準用量OP−1/CMCデバイスを受けた。第二群の動物6例の右側欠損に低用量OP−1デバイスを受け、左側欠損には低用量OP−1/CMCデバイスを受けた。隔週でX線写真を撮影し、治癒経過を検討した。屠殺時、全動物をインブロックで回収し、ねじりの物理学試験を行った。尺骨切片を組織反応、残留移植片並びに新骨形成および治癒の質および量について組織検査により評価した。 動物モデル 上記に記載のように、解剖サイズ並びに骨修復および再造形特性が公知のため、成熟雄雑種犬を使用した。全動物は、骨格的に成長し、35〜50ポンドの体重であった。 外科的手術 上記に記載したものと類似した標準的手術法を使用して、長さ約4cmの側面切開を行い、鈍角および鋭角切開法を使って尺骨を暴露した。尺骨の中央に振動鋸を除いて2.5cmの部分的骨骨膜欠損を作製した。この欠損は、中骨幹の約2〜2.5倍で、重症サイズの欠損、すなわち、欠損が自然治癒すると思われる欠損に相当した。手術中の測定は、除去骨切片で行った。切片の長さ、切片の二つの外径および切片の中心径を、手術報告書にmmで記録した。物理学的に安定化させるため、とう骨を維持した。この部位を生理食塩水で洗浄し、骨屑および溢流した骨髄細胞を除去した。部位を乾燥し、生体恒常性が得られた後、移植片を欠損に据えた。軟組織を層で閉じ、移植片を包含させた。次に、この操作を反対側で繰り返した。 X線写真 上記のように、術後8週間まで隔週で前脚のX線写真を得、次いで術後12週間目、屠殺時に再度撮影を行った。 屠殺 手順は上記のものと同様であった。研究期間終了時に、動物を屠殺し、直ちに、尺骨および橈骨をまとめて採取し、そして生理食塩水に浸積したダイヤパー(diaper)内に置いた。欠損部位から軟組織を丁寧に切開して除いた。帯鋸を使用して尺骨を、試験標本の中央を中心とする欠損部位を有する9cmの均一長に切断した。 力学的試験 プロトコルは、上記のものと同様であった。簡単に説明すると、50mm/分の一定置換速度でストロークを制御して作動させたMTS閉鎖型油圧試験機(Minneapolis,MN)上で、標本をねじれ破損について試験した。ねじれ力を、サーボ油圧材料試験システムにより、6cmのレバーアームでかけた。負荷を負荷セルから記録しつつ、機械ストローク制御器により測定するようにして移植物置換の同時記録を行った。力―角度置換曲線を作成し、この曲線から破損ねじりおよび角変形量を得、破損エネルギー吸収量を負荷―置換曲線下の面積として計算した。 組織学的検査 上記に記載のように、非脱灰切片を示す固定標本を70〜100%に勾配させたエチルアルコール溶液中で脱水した。次に、標本をメタクリル酸メチルモノマー中に入れ、そしてポリマー化させた。標本を高速水冷切り出し鋸で厚さ約700〜1,000μmの切片に切断して粉砕切片を得た。これらの切片をアクリルスライドに取り付け、そして厚さ100μmに粉砕した。日常のマイクロラジオグラフィー後、切片を約50μmにさらに粉砕し、そして以下の修復パラメーターを評価する組織学的等級付けのために塩基性フクシンおよびトルイジンブルーで染色した:癒合の質、皮質および海綿骨の外観および質、骨髄成分の存在、骨再造形および炎症応答。 X線写真による評価 術後12週目(屠殺)で、標準用量OP−1/CMC部位は、最大平均X線写真等級、5.17/6.0点に達した。標準的OP−1デバイスの最終的なX線写真等級は、5.00/6.0であった。低用量OP−1部位の平均最終X線写真等級は3.83/6.0であった。低用量OP−1/CMC部位の平均等級は、4.67/6.0であった。全時間の期間で、標準用量OP−1/CMC部位は、CMC無添加の標準的OP−1より大きな平均X線写真等級を有した。全時間の期間で、低用量OP−1/CMC部位は、CMC部位無添加の低用量OP−1より大きな平均X線写真等級を有した。 統計学的分析により、全X線写真等級を合わせた場合(Kruskal−Wallis一元分散分析、p=0.0049)移植片の型について有意な効果を示した。多重比較により、全時間の期間について、標準的OP−1および標準用量OP−1/CMCデバイスの平均X線写真等級が、CMC無添加の低用量OP−1部位より有意に大きいことを示した(それぞれ、α=0.10およびα=0.05で)。多重比較はまた、標準用量OP−1/CMC部位の平均X線写真等級が、低用量OP−1/CMC部位より有意に大きいことを示した(α=0.10)。しかし、そして予想外に、標準用量OP−1デバイスの平均X線写真等級は、低用量OP−1/CMC部位の平均X線写真等級より有意には大きくなかった。 CMC無添加の低用量OP−1部位 術後2週間目で、新骨形成が低用量OP−1で処置した欠損6例中1例で認められた。欠損周辺に微量の放射濃密物質が存在したが、新骨は、欠損を架橋または繋げなかった。術後2週間目での平均X線写真等級は、0.17/6.0点であった。術後4週間目、2週間目に新骨形成を示した同じ部位は、新骨容積の増加を示した。4例の欠損は、繋がり、そして1例の欠損は、4週間目に新骨で満たされた。二つの部位は、術後4週間目ではほとんど活性を示さなかった。4週間目の平均X線写真等級は、1.83/6.0であった。術後6週間までに、低用量OP−1処置部位2例は繋がり、新骨で満たされた。2例の部位は繋がったが、新骨で不完全に満たされていた。1匹の動物は、若干早く新骨の形成を示した。1匹の動物は、新骨形成を全く示さなかった。6週間目の平均X線写真等級は、2.83/6.0であった。6〜8週間で、さらなる新骨の形成は認められなかったが、新骨の濃密化が幾分認められ、そして若干早く再造形が生じた。8週間目の平均X線写真等級は、3.17/6.0であった。屠殺時の術後12週間目で、欠損はすべて、いくつかの良好に含有した新骨を示したが、その密度は、宿主骨周辺より有意に低かった。時に、宿主骨新骨接合部にX線透過性が存在した。12週間目の平均X線写真等級は、3.83/6.0であった。 低用量OP−1/CMC部位 術後2週間目に、早期の新骨形成が低用量OP−1/CMCで処置した欠損6例中3例で認められた。新骨は、繋がらなかったか、または欠損を満たさなかったが、手術部位内にかなり含有された。2週間目の平均X線写真等級は0.83/6.0であった。術後4週間目、新骨形成は、欠損6例中5例に存在し、欠損を繋げ、欠損をほとんど満たしていた。4週間目、平均X線写真等級は2.33/6.0であった。6週間目で、欠損に存在する新骨密度は増加した。欠損6例中3例に宿主骨の早期の取り込みが認められた。1匹の動物は、6週間目に両側の新骨形成を何ら示さなかった。この時点の平均X線写真等級は3.00/6.0であった。6〜8週間で、さらなる新骨形成は生じなかった。早期再造形および宿主骨の取り込みが明白であった。1匹の動物は、X線写真の外観に全く変化はなかった。8週間目での平均X線写真等級は3.33/6.0であった。予想外に、低用量OP−1/CMC部位は、CMC無添加の低用量OP−1部位より、より広範囲な新骨形成および再造形を示した。欠損が新骨で完全に満たされた部位において、新骨の密度は、周囲の宿主骨より低かった。12週間目(屠殺時)の平均X線写真等級は、4.67/6.0であった。 標準的OP−1デバイス部位 本研究における結果は、標準OP−1デバイスのこれまでの実験すべてと一致した。術後2週間目で、OP−1デバイスで処置した欠損6例中4例は、早期の新骨形成を示した。欠損2例で、広範囲に新骨が欠損を繋げたが、新骨は、欠損を満たさなかった。総合的に、新骨は十分含有されなかった。2週間目の平均X線写真等級は1.50/6.0であった。術後4週間目で、欠損6例すべてで新骨の量および密度の増加が生じた。新骨は、全欠損を繋げた。6部位中4部位で、欠損が新骨で完全に満たされていたようであった。4週間目の平均X線写真等級は3.00/6.0であった。術後6週間目で、新骨密度が増加した。残りの欠損には、新骨は十分含まれなかった。全般的に、宿主骨末端の早期取り込みが6部位中3部位で観察された。6週間目の平均X線写真等級は、3.67/6.0であった。6〜8週間目で、宿主骨のほとんど完全な取り込みが、6部位中3部位で明らかとなったが、全欠損において尺骨輪郭方向に再造形が生じていた。8週間目の平均X線写真等級は4.50/6.0であった。術後12週間(屠殺)までに、広範囲な再造形が生じていたが、新骨容積は、まだ尺骨輪郭を接合しなかった。新骨はしばしば、周囲軟組織に広がるが、標準OP−1デバイスで処置した欠損の全例で皮質のいくらかの再形成が認められた。12週間目の平均X線写真等級は5.00/6.0であった。 標準用量OP−1/CMC部位 術後2週間目で、OP−1/CMCデバイスで処置した欠損6例中4例で、早期の新骨形成が認められた。欠損4例中1例でのみ新骨が十分含有されていた。欠損6例中2例で、新骨が欠損を繋げ、そして満たしたようであった。2週間目の平均X線写真等級は1.67/6.0であった。術後4週間目で、欠損6例すべてにおいて、広範囲に新骨が生じていた。新骨は、十分に含有されていなかったが、宿主の早期の取り込みが2部位で観察された。4週間目の平均X線写真等級は1.67/6.0であった。4〜6週間で、宿主の広範囲な再造形および取り込みが欠損の全例で生じた。新骨は、十分に含まれていなかったが、軟組織における新骨は再吸収を開始していた。6週間目での平均X線写真等級は、4.33/6.0であった。8週間目までに、宿主骨の完全な取り込みが2部位で認められ、そして少なくとも1部位で早期の新皮質形成が明らかであった。8週間目での平均X線写真等級は4.67/6.0であった。術後12週間(屠殺)目で、欠損6例中3例は、宿主骨末端に広範囲な取り込みを有した。新骨は、なお欠損の外側に存在したが、広範囲な再造形が生じていた。12週間目での平均X線写真等級は5.17/6.0であった。 肉眼観察 CMC添加および無添加の低用量移植片での処置部位は、CMC添加および無添加の高用量OP−1部位と比較して、より少ない新骨容積を示した。高用量部位はすべて、肉眼的にしっかりと癒合されたが、低用量OP−1での処置部位12例中、3例は、屠殺時でもまだしっかりと癒合されていなかった。 CMC無添加の低用量OP−1部位 全例で、形成された新骨の量は、元の欠損容積を超えなかった。新骨形成はかなり含まれていたが、6切片中2切片で骨は完全に癒合されていなかった。 低用量OP−1/CMC部位 低用量OP−1で処置した欠損と同様に、新骨形成をかなり含有した。低用量OP−1/CMCでの処置部位6例中1例は、完全に癒合されなかった。代表的に、新骨容積は、元の欠損容積よりも少なかった。 標準的OP−1デバイス部位 前の実験と同様に、標準OP−1デバイスでの処置部位の新骨容積は、元の欠損容積の2〜3倍大きかった。欠損はすべて、しっかりと癒合された。欠損6例中5例で、新骨が広範囲に軟組織に広がり、橈骨に融合された。欠損1例で、形成した新骨の容積は、他の部位より低かった。 標準用量OP−1/CMC部位 OP−1/CMCで処置した欠損6例中5例の新骨容積は、元の宿主骨容積を超え、そして軟組織へ広がった。新骨容積は、元の欠損容積の2〜3倍であった。1匹の動物で上記に明記したように、両側で骨容積の減少が観察された。 力学的試験 力学的試験の要約を表7および表8に示す。 予想外に、標準用量のOP−1/CMCデバイスで処置した欠損部位は、標準デバイス群を含む他の全処置群と比較して、術後12週間目に最大平均ねじり破損負荷を得た。平均破損負荷は61.91±35.37N(n=6)であった。これは、以前に試験した無傷尺骨のねじり強度の95%および以前に試験した標準OP−1デバイスで処置した分節欠損強度の121%に相当した。標準OP−1デバイスで処置した部位は、55.85±37.26N(n=6)の平均ねじり強度、以前に試験した無傷コントロール尺骨の86%、および以前に試験したOP−1デバイスで処置した分節欠損の110%を有した。低用量OP−1/CMC部位の平均破損負荷は50.66±31.68N(n=5)、または無傷コントロール尺骨強度の78%および以前に試験した標準OP−1デバイスで処置した分節欠損強度の99%であった。低用量OP−1部位についての平均破損負荷は、28.72±14.71N(n=4)であった。これは、以前に試験した無傷コントロール尺骨のねじり強度の44%および以前に試験した標準OP−1デバイスで処置した分節欠損の56%に相当した。 予想外に、動物内の破損負荷の対t検定により、低用量OP−1標準デバイスを低用量OP−1/CMCデバイスと比較する場合、移植片型についての有意な効果を示した(p=0.0597)。低用量OP−1部位についての対平均負荷は28.72±14.71(4)であった。低用量OP−1/CMC部位についての対平均破損負荷は62.89±18.47(4)であった。標準用量のOP−1/CMCデバイスの平均破損負荷と比較した標準OP−1デバイスの平均破損負荷の対t検定において、有意差は認められなかった。 組織学 予想外に、標準OP−1/CMCデバイスで処置した部位は、最大平均組織学的スコア、12.08/16.0点を達成した。低用量OP−1/CMC部位は、標準OP−1デバイス部位の平均組織学的スコア、10.88/16.0点より僅かに高い11.07/15.0点を達成した。低用量OP−1部位の平均組織学的等級は、9.58/16.0点であった。 処置群ごとの平均組織学的等級の統計分析により、移植片型について有意な効果が示された(Kruskal−Wallis一元分散分析、p=0.0282)。群平均値の多重比較により、標準OP−1/CMCデバイスの平均総等級がCMC無添加の低用量OP−1部位より有意に大きいことが示された(α=0.05)。 また、癒合の質に関する等級の統計分析により、移植片型についての有意な効果が示された。予想外に、標準OP−1/CMC部位(3.5/4.0)の癒合等級の質の平均もまた、低用量OP−1部位より有意に大きかった(2.0/4.0,α=0.05)。皮質の発生、残留移植片および炎症応答の平均等級と比較する場合、移植片型について有意差は認められなかった。 CMC無添加の低用量OP−1部位 新骨形成は、全低用量OP−1での処置欠損で明白であったが、欠損内の新骨量はしばしば、欠損を満たさず、そして宿主骨末端と連続しなかった。1部位では、欠損は組織学的に完全に癒合された。新骨は、組織化および再造形の早期の段階においてであった。新たに鉱化した骨の領域もまた若干認められた。 低用量OP−1/CMC部位 低用量OP−1/CMC部位は、低用量OP−1部位と比較して類似した組織学的外観を有した。しかし、そして予想外に、新骨は、低用量OP−1部位と比較して低用量OP−1/CMC部位において、より頻繁に宿主骨と連続的であった。骨が宿主骨と連続した例では、新骨縁の早期再造形および濃密化が明らかであった。新骨治癒が完全でなかった例では、新たに鉱化した骨の領域ならびに欠損内の線維組織領域が明らかであった。一般的に、新骨は十分含有された。欠損境界にそって進行した再造形領域が若干観察された。 標準OP−1デバイス部位 広範囲の新骨形成は、全欠損を架橋した。新骨縁の早期濃密化が生じていた。若干例において、新たに鉱化した骨の領域は、成熟骨領域を接合した。欠損中央部では、小領域の残留キャリア物質が時に存在した。炎症応答は観察されなかった。新骨は、しばしば軟組織に広がっていた。再造形は、欠損/新骨境界で最も進行した。これらの領域で骨は、層板構造に再造形していた。 標準OP−1/CMC部位 標準OP−1部位と標準用量OP−1/CMC部位との間での組織学的外観に顕著な差は存在しなかった。新骨は広範囲に欠損を繋げ、そして欠損を満たした。最も広範囲な再造形は、新骨/宿主境界で生じた。再造形した骨は、これらの領域で層板構造を有した。新たな皮質の濃密化が認められたが、まだ完全ではなかった。時に、新骨形成によって取り囲まれた少量の捕捉された残留キャリア物質が観察された。付随する炎症応答はなかった。 結論 改良された骨形成デバイスは、低用量OP−1で、予想外に、低用量OP−1の標準的デバイスによる誘導より、早くかつ大容積の新骨形成を誘導した。さらに、予想外に、改良された骨形成デバイスで処置した欠損部位は、術後12週間目に最大平均ねじり破損負荷を達成した。組織学的に、改良されたデバイスは、予想外に、最大平均スコアを達成し、そしてより頻繁に、宿主骨と連続的な新骨を示した。 B.カルボキシメチルセルロースを含有する、改良された骨形成デバイスを使用する非重症的なサイズの分節欠損の修復 1.実験1:ユニタリデバイスで処置されるような閉鎖された欠損の修復の時間過程(イヌ) この非重症的サイズギャップ研究を、改良された骨形成デバイスの注射可能な配置を評価するために行った。研究設計は、4週間モデルでの3mmギャップを使用した。研究は、OP−1/CMC/コラーゲンマトリクス配置の注射後の欠損の治癒を評価した。各動物の対側アームは、コントロールであった。さらに、未処置の欠損についての治癒の時間過程を、4、8、および12週間で評価した。 使用したプロトコルの詳細を、以下にまとめる。 試験系 目的のために飼育した成体雑種イヌ(18)を、それらの解剖学的サイズ、ならびに公知の骨修復および再造形の特徴のために、この研究において使用した。動物は、研究の開始時に約2〜4年齢であり、および20〜30kg(約)の重量であった。動物を、X線撮影的にスクリーニングし、正確なサイズ、骨格の成熟度、および明らかな骨異常が何も存在しないことを確認した。 試験材料の説明 CMCと混合されたコラーゲンマトリクス中に組換えヒト骨形成タンパク質−1(rhOP−1)を含有する、改良された骨形成デバイス処方物を試験した。コントロールは、偽デバイス単独からなった。 処方物1 :コラーゲンマトリクスを有さない100μl CMCゲル(7%)中の0.350mg rhOP−1 処方物2 :100μl酢酸/ラクトース緩衝液中の0.350mg rhOP−1 処方物3 :生理食塩水で湿潤された170mgコラーゲン−CMCマトリクス中の0.350mg rhOP−1 コントロール1:100μlゲル中の0mg rhOP−1 コントロール2:100μl酢酸/ラクトース緩衝液中の0mg rhOP−1 コントロール3:生理食塩水で湿潤された170mgコラーゲン−CMCマトリクス中の0mg rhOP−1 実験設計 両側の3mm尺骨分節欠損を、全ての動物において作製した。9匹の動物は、右側欠損において3つの実験試験処方物のうちの1つを受け、それによって各型の3つの部位を試験した。左側欠損に偽デバイスを移植した。これらの動物を、術後4週間で屠殺した。残存する9匹の動物は、両側に非移植欠損を受け、そして4、8、および12週間での時期で屠殺した(各時期で3匹)。上記のように、X線写真を撮影し、治癒の進行を研究した。rhOP−1処方物を受けた9匹の動物の屠殺の日の最終決定は、毎週のX線写真に基づいた。屠殺時に、全ての尺骨をひとまとめにして回収し、そしてねじりにおいて力学的に試験した。分節を、上述のように、組織応答、ならびに新規な骨形成の質および量、ならびに治癒の程度について、組織学によって評価した。 標準的な外科技術を使用して、約2センチメートル長の側面切開を作製し、そして平滑および鋭利な切開を使用して、尺骨の曝露を得た。振動鋸を使用して右中央の尺骨において3mmの欠損を作製した。橈骨は、力学的安定性のために維持したが、内部および外部の固定は何も使用しなかった。軟組織を、欠損の周囲の層において非常に注意深く閉鎖した。次いで、rhOP−1サンプルまたは偽デバイスを、処置スケジュールに従って部位に注射した。次いで、手順を、対側において、適切なサンプルを用いて反復した。 生存する動物において、術後6週間まで、毎週、次いで、12週間まで、2週間毎に、前肢のX線写真を得た。1つのさらなるX線を、術後12週間での屠殺時に残存する動物から得た。X線写真を、0〜6等級のスケールの検査器によって等級づけし、そして初期のX線写真と比較して、欠損治癒の質およびスピードを評価した。 試験手順 上記に考察したように、動物を設計した時間で屠殺し、そして尺骨および橈骨をひとまとめに迅速に採集した。両方の尺骨を拡大写真撮影し、そして接触X線写真を撮影した。軟組織を、非常に注意深く、欠損部位から切開してとりだした。水冷却した鋸を使用して9cmの均一な長さに尺骨を切断し、欠損部位を試験標本の中央においた。切片化後すぐに、標本を、上述のように、MTS閉ループ液圧試験機器(Minneapolis、MN)における破損に対するねじりにおいて試験した。 試験した標本および未試験の標本の両方を、既に上述したように、組織学的評価のために調製した。顕微鏡X線写真後、切片を約50μmにさらに粉砕し、そして修復のパラメータの組織学的評価(癒合の質、皮質骨および海綿状骨の出現および質、ならびに炎症応答を含む)のために、塩基性フクシンおよびトルイジンブルーで染色した。 力学的試験、X線写真等級づけ、および組織学の記述的な統計値を評価して、治癒を特徴づけした。 結果 以下の観察および代表的なデータを、(術後4週間の)日に採集した。 力学的試験のまとめは、表9、10、および11に示す。表11は、以前の無関係の実験におけるコントロール被験体のまとめである。一般におよび全体に、この研究の結果は、OP−1で処置された動物が加速された治癒を示すことを示す。OP−1処置された欠損は、未処置のコントロールの3分の1〜2分の1の時間において治癒された。さらに、そして予期されないことに、CMC/OP−1/コラーゲン形成は、CMCの不在において観察されるよりもより良好な骨含有を生じた。これらの所見は、力学的に、X線写真的に、および組織学的に確認された。 結論 CMCを含有する骨形成デバイス(注射可能な配置)は、閉鎖された欠損部位での非重症的なサイズの3mm尺骨分節欠損を修復するために使用され得る。2.実験2:ユニタリデバイスでの処置のような閉鎖された骨折欠損の加速された修復(イヌ) 以下は、イヌにおける骨折治癒の加速のための、注射可能な、CMCを含有するrhOP−1処方物の効力の比較実験研究である。 試験系 この目的のために飼育した成体雄性雑種イヌをこの研究において利用した。骨の幾何学および負荷における変動性を制限するために、均一なサイズおよび重量の動物を選択するにおいて特別な注意が払われた。動物を、2週間の検疫期間の間、急性および慢性の医学的状態を排除するように、臨床学的におよびX線写真的にスクリーニングした。 標準的な無菌的技術を使用して、手術をイソフルオラン(isofluorane)ガス麻酔下で行い、そして心電図および心拍速度モニターによってモニターした。手術前の投薬を、麻酔誘導の約20〜30分前に投与した。この手術前の投薬は、アトロピン(投薬量0.02mg/lb体重)およびアセプロミジン(投薬量0.1mg/lb体重)からなった。麻酔を、5.0mg/lb体重の投薬量でのペントサルナトリウムの静脈内注射によって投与した。誘導後、気管内チューブを置き、そして麻酔をイソフルオラン吸入によって維持した。両方の前肢を準備し、そして滅菌様式で覆った。約2センチメートル長の側面切開を作製し、そして平滑および鋭利な切開を使用して、尺骨の曝露を得た。3.0mmの非重症的なサイズの欠損を、振動鋸を使用して尺骨の中央に作製した。橈骨は、力学的安定性のために維持したが、内部および外部の固定は何も使用しなかった。部位を生理食塩水で洗浄し、そして軟組織を、欠損の周囲の層において、非常に注意深く閉鎖した。適切な移植片デバイスを、処置スケジュールに従って欠損部位に注射した。次いで、手順を適切な移植片を使用して対側に対して反復した。 アセプロミジン(0.75cc/50 lb体重)および酒石酸ブトルファノール(0.025mg/lb体重)を、術後必要とされるように投与した。動物に、手術後4日間、抗生物質を筋肉内投与し、そして日常的な前側−後側X線写真を手術の直後に撮影し、正確な外科的配置を保証した。動物を、体重負荷が示されるまで3×4フィートの回復籠に維持し、その後。それを、飼育場に移して、非制限的な動作を許容した。 前肢のX線写真を、標準化された露光時間および強度を使用して、生存する動物において、4週間まで毎週、次いで、16週間まで2週間毎に得た。X線写真を評価し、初期のX線写真に対して比較して、欠損治癒の質およびスピードを評価した。X線写真的な外見における変化を、新規な骨形成の存在および密度、欠損架橋の程度、および宿主骨皮質の取り込みに基づいて評価した。 試験材料の説明 移植片材料は、酢酸緩衝液処方物中の組換えヒト骨形成タンパク質−1(rhOP−1)、およびCMC−コラーゲン中のrhOP−1からなった。rhOP−1処方物を、ベヒクルのみのコントロールに対して比較した。酢酸緩衝液rhOP−1処方物は、100μl容積中に送達される、ラクトース/酢酸緩衝液中の3.5mg/ml OP−1からなった。ベヒクルコントロールは、ラクトース/酢酸緩衝液の100μl容積からなった。rhOP−1/CMC−コラーゲン処方物は、約0.43mlの生理食塩水で湿潤された、170mg CMC−コラーゲンマトリクス中の0.35mg rhOP−1からなり、ペーストのコンシステンシーを有した。コントロールCMC−コラーゲンは、約0.43mlの生理食塩水で湿潤された、170mg CMC−コラーゲンマトリクスからなり、そしてまた、100μlの注射可能な容積で送達された。 実験設計 合計36匹の成体雑種イヌを利用した。両側の尺骨分節欠損(3.0mm長)を全ての動物において作製した。14匹の動物は、一方の欠損に0.35mg rhOP−1/酢酸緩衝液処方物の注射を受け、そして対側の欠損にrhOP−1非含有の酢酸緩衝液の注射を受けた。9匹の動物は、一方の欠損に03.5mgのrhOP−1/CMC−コラーゲン形成の注射を受け、そして対側の欠損にCMC−コラーゲン単独の注射を受けた。23匹の動物を、術後4、8、および12週間の時期に屠殺した。13匹のイヌは、移植片を伴わない両側の欠損を受け(欠損のみ)、そして術後4、8、12、および16週間の時期に評価した。 試験手順 研究期間の終わりに、静脈内のバルビツール酸の過剰用量を使用して動物を屠殺した。尺骨および橈骨をひとまとめに迅速に採取し、そして生理食塩水を浸漬したダイアパー中に置いた。軟組織を欠損部位から注意深く切開して取り出す前に、両方の尺骨を拡大写真撮影し、そして接触X線写真を撮影した。次いで、生体力学的な試験評価のために、水冷却した鋸を使用して9cmの均一な長さに尺骨を切断し、欠損を試験標本の中央においた。 欠損治癒が、手動操作に基づいて十分であった場合、標本を、50mm/分の一定の置換速度でのストローク制御において操作した、MTS閉ループ液圧試験機器(Minneapolis、MN)でのねじりにおける破損に対して試験した。骨分節の各末端を、円柱状のアルミニウムスリーブ中に取り付け、そしてメチルメタクリレートで固めた。一方の末端を、堅く固定し、そして他方の末端を反時計周りに回転した。イヌの尺骨はわずかな湾曲を有するので、標本を偏心的に取り付け、標本の回転を試験デバイスの回転と同軸に維持した。ねじり力を、6cmのレバーアームで適用した。力−角置換曲線を作製し、これから破損に対するねじれおよび角変形を得、そして破損に対するエネルギー吸収を、負荷−置換曲線までの範囲として計算した。 試験した標本および未試験の標本の両方を、組織学的評価のために調製した。個々の標本を、力学的試験の直後に、または未試験の標本における切片化後に、10%緩衝化ホルマリン溶液中の浸漬によって固定した。水で冷却したダイアモンド鋸において、標本を、その長軸を二分することによって分割した。この手順は、組織学的調製のために各標本の2つの部分を生じ、未脱石灰化グラウンドの切片化および未脱石灰化ミクロトームの切片化を含む。組織学的切片を、癒合の質、皮質骨および海綿状骨の出現および質、ならびに骨再造形について評価した。 結果 肉眼的な観察 全てのrhOP−1処置した欠損は、術後4週間の速さで新規な骨形成を有した。全ての処置した欠損は、手動で安定であり、および術後8週間と12週間との間で再造形を開始する硬い(solid)新規な骨と架橋した。いくつかの欠損において、新規な骨は、欠損末端を越えて、そして欠損の周囲の重層する軟組織にまで伸長した。 大部分のコントロール欠損は、大部分を力学的に試験したが、術後4週間では、手動操作に対して完全には安定でなかった。線維性組織が、しばしば存在し、そして欠損末端は、新規な骨のいくつかの徴候とともになお見られた。術後12週間までに、大部分のコントロール欠損は安定であり、欠損の末端の時折の僅かな動作のみを伴った。 X線写真の評価 rhOP−1処置した欠損において、新規な骨の痕跡が、術後2週間までに、欠損部位においておよびその周囲に見られた。新規な骨の量および密度は、2から4週間増加し、宿主骨皮質は、不透明になりはじめた。術後4週間と8週間との間で、rhOP−1処置した欠損は、欠損末端にX線高密度な新規な骨の有意な量および側方で欠損の架橋を有した。12週間までに、宿主皮質は、X線高密度な架橋結合を伴って不透明化された。 処置および未処置のコントロール欠損のX線写真の外見は、rhOP−1処置した欠損の外見と有意に異なった。術後2週間と3週間との間では、術後の外見に比較される、X線写真の外見における有意な変化は存在しなかった。4週間までに、宿主骨欠損末端のX線密度における僅かな変化が見られた。8〜12週間まで、骨内膜領域および宿主骨末端からいくつかの新規な骨が伸長されたが、架橋は完全ではなかった。術後16週間までには、未処置のコントロールのわずか2分の1が、完全な骨欠損治癒のX線写真的な徴候を示した。 力学的試験 処置群および時期による平均の力学的試験の結果を、表11Aおよび11Bにまとめる。rhOP−1で処置した欠損のねじり強度は、未処置のコントロールおよびベヒクルのみのコントロールよりも有意に大きく、そして以前に試験した無傷の尺骨の強度に接近した。rhOP−1/酢酸緩衝液処方物欠損の力学的強度は、術後4週間で無傷の尺骨強度の59%であり、術後8週間で77%であり、および術後12週間で98%であった。rhOP−1/CMC−コラーゲン欠損の力学的強度は、それぞれ、4週間、8週間、および12週間で、無傷の強度の36%、53%、および66%であった。 力学的に、コントロール欠損部位は、早期の時期で、ほとんど力学的安定性を有しなかったが、欠損強度は、時間とともに改良された。コントロール酢酸緩衝液を受けた欠損の力学的強度は、等しい時期での、rhOP−1/酢酸緩衝液処置された欠損の23%〜30%の間であった。コントロール欠損は、術後4週間で無傷の尺骨強度の16%、8週間で18%、および12週間で29%に等価な力学的強度を有した。CMC−コラーゲンのみの欠損は、コントロール酢酸緩衝液欠損に、力学的強度において類似した。未処置の欠損の力学的強度は、術後4週間で9%から、術後12週間で70%に増加した。術後16週間での平均の力学的強度は、28%に減少し、これは8週間の強度の29%に類似した。組織学的評価 rhOP−1欠損およびコントロール欠損の組織学は、全体的な結果、X線写真的な結果、および力学的試験の結果と十分に相関した。rhOP−1処置された欠損において、欠損を橋渡しする増殖性の新規な骨形成が観察され、そしていくつかの場合において皮下組織に伸長した。新規な骨は、骨内膜尺骨領域および欠損皮質の近くの骨膜から形成した。新規な骨との架橋は、術後8週間までに通常完了したが、鉱化する軟骨の範囲が存在した。欠損は、高密度の編み合わされた骨と架橋および充填され、そして宿主骨皮質の再編成が、12週間までに観察された。 処置されたおよび未処置のコントロール欠損は、線維組織癒合の徴候のみを示し、術後4週間で、小量の新規な骨が、側面の尺骨骨膜に沿って、または骨内膜領域から形成された。8週間で、線維軟骨は、コントロール欠損を充填し、鉱化軟骨の領域が、新規な骨成長の間に存在した。有意な量の新規な骨が、宿主骨皮質で形成し、そして欠損に伸長した。欠損皮質は、高密度の新規な骨形成を伴って、不透明になり、そして軟骨内の治癒が進行されたが、癒合は、完全ではなかった。16週間までに、コントロール欠損は、新規な骨と架橋され、鉱化軟骨のいくつかのギャップが存在した。新規な骨は、宿主皮質および隣接する骨膜組織層から欠損を横切って伸長した。 結論 この研究の結果は、非重症的なサイズの欠損に注入された骨形成タンパク質が、骨修復を加速し得ることを実証する。イヌの尺骨における非重症的なサイズの欠損へのrhOP−1の局所的な経皮的な注入は、未処置のおよびベヒクルのみで処置されたコントロール欠損に比較して、増殖性の骨膜および骨内膜の新規な骨の形成を生じた。X線写真で、rhOP−1注入は、術後2〜3週間の早さで、新規な骨の散在性の石灰化および初期の骨折仮骨形成を生じ、術後8〜12週間までに有意な骨架橋および宿主皮質の組込みを伴った。rhOP−1で処置された非重症的なサイズの欠損の力学的強度は、12週目で無傷の尺骨の強度に達し、そしてコントロール欠損の治癒において観察される強度の2〜3倍であった。 C.カルボキシメチルセルロースを含有する改良された骨形成デバイスを使用する骨折欠損の修復 1.実験1:OP−1の種々の用量を使用するヤギ骨折研究(閉鎖された欠損部位) 以下は、ヤギにおける新鮮に閉鎖された脛骨中央軸骨折欠損(5mmへの伸延)の比較的ランダム化された実験研究である。 実験動物の選択 ヤギが、ヒトの骨治癒速度に比較し得る骨治癒速度を有することが、当該分野において一般に認識される。従って、本研究の結果は、臨床学的設定に外挿され得る。さらに、ヤギの骨が、サイズ、構造、および力学的負荷に関してヒトの骨に対して類似性を示すことが、当業者によって理解される。 本明細書中に開示および記載されるように、閉鎖された骨幹骨折についての動物モデルが、開発された。このモデルは、後肢の再現可能な標準的な骨折を許容することによって、内部骨折固定化デバイスを伴ってまたはこれを伴うことなく、自然のおよび加速された骨折の治癒の研究を促進する。簡潔には、十分に麻酔されたヤギにおいて、脛骨の中央軸の閉鎖された骨折を、3点屈曲デバイスの補助を用いて作製する。骨折の閉鎖された陥落(reduction)および5mmへの伸延の後、外部のギブス包帯を適用する。後肢の膨潤の減少のために、ギブス包帯は、安定性を保持するために2週間毎に取り替える。2週間後、動物は骨折された足で全体重を耐え、そして4〜6週間後、骨折は臨床学的およびX線写真的に治癒される。ギブス包帯は、6週間後に除去される。 動物は、ヤギを飼育する専門家のRuiter(Netherlands)から購入する。ランダムに飼育された成体雌性乳ヤギを使用する。結果に対する発達する骨格の影響を回避するために、成体動物を使用する。動物は、骨格が成熟し、1から2年齢であり、および約50kgの重量である。 実験手順 前投薬として、ケタミン10mg/kg筋肉内およびアトロピン1.5mg筋肉内(または当該分野において認識される前述の投薬の等価物)を、完全に動物を麻酔する約15分前に投与する。後者を、エトミデート(または当該分野において認識されるその等価物)0.3mg/kg静脈内で達成する。挿管後、麻酔を、1〜2%イソフラン(または当該分野において認識されるその等価物)で補充されたO2/N2O−混合物(1:1容量/容量)で維持する。 3点湾曲デバイスとともに、閉鎖された中央軸骨折が得られるまで、内反の外傷を左脛骨に適用する。次いで、骨折を、手作業で整復し、そして骨折範囲の上方の皮膚を剃る。全左後肢を、注入による閉鎖された骨形成デバイスの投与のために、およびその後のギブス包帯固定について皮膚を乾燥するために、消毒薬を含有するアルコールでヨウ素処置する。骨形成デバイスを、骨折ギャップの近傍における骨折部位で注入し、骨髄腔との接触を最大にする。例えば、骨形成デバイスを、厚い骨髄吸引針を用いて髄骨内に注入する。注入後、ギブス包帯の固定を適用する。 研究設計 動物を、処置:上記のように処方される、少なくともOP−1、コラーゲンマトリクス、および結合剤(例えば、CMC)を含有する骨形成デバイスの注入可能な配置中の0.5mg OP−1(骨折の作製後直接的に)(群I)、少なくともOP−1、コラーゲン、および結合剤(例えば、CMC)を含有する注入可能なデバイス中の1.0mg OP−1(骨折の作製後直接的に)(群IV)、骨折の作製後直接的に注入されるOP−1デバイスの標準配置中の1.0mg OP−1(0.4グラムのOP−1デバイスに対応する)(群V)、およびOP−1での処置なし(群VI、コントロール)に従って、3匹の動物の5つの群(I〜V)に、および9匹の動物の1つの群(VI)に分割する。処置群は、以下のように要約される: 骨折の作成後2、4、および6週間で、動物を屠殺する。群I〜Vにおいて、1匹の動物を、各時間間隔で屠殺し、そして群VIにおいて、3匹の動物を各時間間隔で屠殺する。コントロールに対して処置された群を比較することによって、骨折治癒に対する処置の加速された効果が決定され得る。OP−1用量の効果および注入時間についての情報は、それぞれ、群IIに対する群Iの比較、および群IIIに対する群IIの比較によって得られ得る。異なる配置間の効力における差異は、群II、IV、およびVの結果を評価することによって評価される。 他の関連の実験において、骨形成タンパク質(例えば、OP−1)の用量は、約0.125〜10.0mgの範囲である。改良された骨形成デバイスの一定の他の配置は、結合剤(例えば、CMC)の、200mg未満のCMC/1000mgコラーゲンマトリクスから200mgを超えるCMC/1000mgコラーゲンマトリクスまでの範囲の、種々の量を含む。湿潤剤の容量は、骨形成デバイスの所望のコンシステンシー/配置を達成するために、初期に記載されるように変化される。さらに別の関連の実験において、他の結合剤(例えば、フィブリンのり)および/または他のマトリクス(例えばβ−TCP)が使用される。 欠損修復の評価 X線写真 X線は、標準化された手順に従ってなされ、2方向(前後および中間側面)において骨折部位を描写する。第1のX線写真を、骨折の作製のすぐ後に、そしてその後動物の屠殺まで2週間毎に撮影する。屠殺時でのX線写真は、ギブス包帯材料の除去後に作製され;その他全ては、インサイチュでギブス包帯材料を伴って作製される。これらは、2人の知らされていないX線写真家および外科医によって定性的に判断され、そして可能である場合、治癒プロセスを評価するための以下の等級づけスケールを適用する: 等級0:骨折の作製後に直接的に比較される差異なし 等級1:小量の仮骨 等級2:中程度の量の仮骨 等級3:多量の仮骨 等級4:骨折末端の消失特別な注意が、骨折およびアラインメントの型に払われる。 計算された断層撮影 左肢およびギブス包帯材料の除去後、ならびにX線写真の作製後、骨折範囲のCTスキャンを作製する。軟部組織は、より良好な質のスキャンのためにインサイチュで残存するべきである。骨折ギャップおよび仮骨の残存物が、この方法において可視可能にされ得る。さらに、仮骨の量を算定し得る。治癒プロセスの進行についてのより詳細な情報が、平面X線写真を用いるよりも、CTスキャンを用いて得られ得る。 生体力学的試験 CTスキャンおよびその後の脛骨からの全ての軟部組織の除去後、生体力学研究を行う。骨の高度な力学的試験のための方法を、以下のように開発する:15°の角度増加での24方向における屈曲剛性を測定し、そしてX−Y座標系におけるベクトルとして記載し、それによって長円を得る。長円を、対側の無傷の脛骨の長円と比較する。パラメータは、治癒効力の測定として作用するこの比較に由来し得る。最後に、破損に対するねじり試験を行い、そしてねじり強度、ねじり剛性、角度置換、および破損に対するエネルギー吸収を、対側の健常な脛骨のパーセントとして表す。対側の脛骨とのこの比較は、個体間の変化を減少するためになされる。 組織学 生体力学的試験後、骨フラグメントを組織学的実験のために、特別なリングとともに保持する。骨および軟骨についての、標準的な固定、包埋、および染色技術が、使用される。特別な注意が、線維性の、骨軟骨性の、または骨性の癒合の徴候に対して払われる。組織学的スコアリング系を、骨折ギャップにおける線維組織、軟骨、新規に形成された骨、および骨髄の量を定量するために適用する。 実験結果 力学的、X線写真的、および断層撮影的、および組織学的なデータは、改良された骨形成デバイスの注入可能な配置が、閉鎖された部位骨折欠損の加速された修復を導き得ることを示すことが予測される。 結論 改良された骨形成デバイス(注入可能な配置)が、閉鎖された欠損部位での新鮮な脛骨中央軸骨折欠損(5mmに伸延される)を修復するために使用され得る。 2.実験2:種々の時間で種々の用量のOP−1を使用するヤギ骨折研究(閉鎖された欠損部位) この独立した研究はまた、改良された骨形成デバイスを使用する骨折欠損の修復を研究するための動物モデルとして、ヤギを使用する。上述の技術に類似の技術を使用して、外部固定および5mmへの伸延とともに陥落を伴う新鮮に閉鎖された(ほとんど横行性のおよび単純な斜位の)骨幹骨折を、CMCを含有する骨形成デバイスを使用して処置する。 研究設計は以下のようである: 各群における5匹のヤギを、処置後2週間で屠殺し、および各群における5匹のヤギを、処置後4週間で屠殺する。 他の関連の研究は、4週間を超える時点での骨折欠損の修復を調査し、そしてOP−1のより低い投薬量およびより高い投薬量の両方を調査する。さらに、欠損部位で投与されたCMCを含有するOP−1デバイスの異なる全量(mg)を使用する骨折欠損の修復を研究する。1つの研究は、欠損部位に投与される400mg全重量のデバイスを利用する。さらに別の関連の研究は、任意の上述の結合剤(例えば、フィブリンのり)、および/または任意の上述のマトリクス(例えば、β−TCP)を利用する。 欠損修復は、種々の日常的な臨床学的プロトコルを使用して評価され、上記により詳細に記載されるような、X線写真、CTスキャン、生体力学的試験、および組織学を含む。 実験結果 力学的、X線写真的、断層撮影的、組織学的なデータは、改良された骨形成デバイスの注入可能な配置が、閉鎖された部位骨折欠損の加速された修復を誘導し得ることを示すことが予測される。ある好ましい実施態様において、低用量の骨形成タンパク質が、特に改良された骨形成デバイスにおいて、修復を誘導するために効果的であることがまた予測される。 結論 改良された骨形成デバイス(注入可能な配置)は、閉鎖された欠損部位で、新鮮に閉鎖された骨幹骨折(5mmに伸延される)を修復するために使用され得る。 D.カルボキシメチルセルロースを含有する改良された骨形成デバイスを使用する骨軟骨欠損の修復 1.実験1:十分な厚さの骨軟骨欠損(イヌ) イヌ骨軟骨栓欠損モデルを使用する研究を、骨軟骨/軟骨欠損を修復するための改良された骨形成デバイスの効力を実証するために行った。移植片の4つの処方物を評価した。これらは(1)rhOP−1およびコラーゲンマトリクスを含む標準骨形成デバイス、(2)rhOP−1、コラーゲンマトリクス、およびカルボキシメチレルセルロース(CMC)結合剤を含む改良された骨形成デバイス、(3)コラーゲンマトリクスのみ、または(4)コラーゲンマトリクスおよびCMC結合剤を包含する。 簡潔には、十分な厚さの欠損(直径5mmおよび軟骨下の骨に6mm伸長する)を、4匹の成体雑種イヌの内側大腿顆に対して、両側に作製した。成体雄性雑種イヌを、それらの解剖学的なサイズ、ならびに骨修復および再造形の特徴の理由で選択した。特別な注意が、骨幾何学および関節充填における可変性を制限するために、均一なサイズおよび重量の動物を選択するうえで払われた。動物を、適切なサイズ、骨格成熟度、および明白な骨異常が何も存在しないことを確実にするために、手術の前にX線写真的にスクリーニングした。左側の欠損は、2匹の動物において、標準骨形成デバイスを受け、そして他の2匹の動物において、改良された骨形成デバイスを受けた。右側の欠損は、1匹の動物においてマトリクス単独を受け、1匹の動物においてマトリクス/結合剤を受け、そして残りの2匹の動物においては処置されなかった。 試験デバイスの記載 標準骨形成デバイスは、ウシI型骨コラーゲンマトリクスとともに混合されたrhOP−1からなった(2.5mg rhOP−1/gマトリクス)。改良された骨形成デバイスは、20mgのCMCと組み合わされた、100mgのOP−1/コラーゲンマトリクスの標準骨形成デバイスを含んだ(合計120mg)。コントロールは、ウシI型骨コラーゲンマトリクス単独、およびCMCを伴うコラーゲンマトリクスからなった。両方を、100mgの量において供給した。 研究設計 研究設計を表12にまとめる。 手術 標準的な無菌技術を使用して、手術をイソフルオランガス麻酔下で行った。麻酔を、5.0mg/lb体重の投薬量で、ペントサルナトリウムの静脈内注射によって投与した。約4センチメートルの長さの内側の膝蓋傍(parapatellar)の切開を作製した。膝蓋を、大腿顆を曝露するために、側方に引っ込めた。欠損深度(6mm)の過剰なドリリングを防止するために特別に設計された鋸を有する5mmのドリルビットを使用して、最終的な欠損を作製した。滅菌生理食塩水を、移植の直前に、改良された骨形成デバイスに添加し、そして混合した。生理食塩水で欠損を洗浄し、骨残渣およびこぼれた髄細胞を除去した後、適切なデバイスを平滑なプローブ(probe)を使用して欠損部位に充填した。デバイスが関節をなす表面と平らになるように十分なデバイスを欠損内に置いた。次いで、関節被膜および軟組織を、層中に閉鎖した。手順を、適切な移植片を用いて、対側に対して反復した。 評価および末端手順 以下に記載するように、骨軟骨治癒を、日常的な手順を使用して肉眼的におよび組織学的に評価した。ラジオグラフを使用して治癒を評価した。 術後12週間で、各動物を、静脈内のバルビツール酸過剰用量によって屠殺した。右側および左側の両方の遠位の大腿骨を、ひとまとめに採集し、そして肉眼的な等級づけおよび顕微鏡写真を完了するまで冷却生理食塩水中に維持した。次いで、標本を、4% パラホルムアルデヒド固定液中に置き、全ての必要な同定物で標識し、そして屠殺後約10日間、輸送される(shipped)まで4℃で保存した。標本を輸送する直前に、関節欠損を中央にして標本を小さなブロックに切って調整した。 肉眼的な分析 各々の採集された欠損を、肉眼的な見かけについて等級づけした。この分析は、関節内癒着の形成、関節表面の回復、軟骨の侵食および出現に基づく点を配分する。合計8点が最高である。肉眼的な等級づけのスケールを、表13に記載する。 組織学 全ての標本を、組織学的評価のために調製した。個々の標本を、4%パラホルムアルデヒド溶液中の浸漬によ0って固定した。さらに、本明細書中の他の場所に記載されるように、日常的な手順を使用して、組織分類づけ分析を、コラーゲンの型および組織組成のパーセントを特徴づけするために行った。各標本からの1つの、サフラニン−Oおよびファスト グリーン染色で染色した(マトリクス中のグリコサミノグリカン含量を示すために)脱石灰されていない切片を、評価のために戻した。 組織学的切片は、修復軟骨の性質、構造的特性、および細胞の変化に基づいた。組織学的等級づけのスケールを、表14に記載する。 結果 全ての手術は、術後の合併症を伴わずに平穏無事であった。概して、いくつかの医学的な膝の膨潤が、術後4日目に、全ての4匹の動物において両側に観察され、そして術後10日目までに静まった。動物は、移植された物質または実験手順に関連する任意の有害な反応を経験しなかった。 肉眼的な評価 平均の肉眼的な評価の等級のまとめを、表15に示す。 組織学的な評価 未処置の欠損、およびOP−1、コラーゲンマトリクス、およびCMCの改良された骨形成デバイスで処置された欠損は、それぞれ、24の最高点のうちの15および16.5の最も高い平均の組織学的な等級を受けた。しかし、これらの群のそれぞれにおいて、1つの標本は、他のものよりも顕著により良好に見えた。しかし、コラーゲンマトリクスのみ、CMCを伴うコラーゲンマトリクス、および標準骨形成デバイスで処置された部位は、改良された骨形成デバイスで処置された部位よりも、わずかにより一貫して、およびより低くスコアされた(n<2)。平均の組織学的な等級のまとめを表16に示す。 予期されないことに、改良された骨形成デバイスで処置された部位は、新規な修復組織の性質について、修復の構造的特性について、および修復軟骨または周囲のインタクトな軟骨の分解を最小化するについて、最も高い平均スコアを達成した。改良された骨形成デバイス部位はまた、最も高い全体の総スコアを受けた。これらの結果は、1匹の動物のスコアによって加重値を与えられ、この動物において、細胞および組織の形態学は、関節軟骨と一致した。修復軟骨は、インタクトな軟骨と連続され、そして修復の厚さは、インタクトな軟骨と同じであった。肋軟骨下の骨層はまた、完全に回復された。治癒は、CMCを伴うかまたは伴わないOP−1/コラーゲンマトリクスで処置された他の部位で進行しなかった。より低いスコアは、修復組織の不完全な分化、不完全な肋軟骨下の骨回復、および修復の一様でない厚さの結果であった。残余の移植片またはキャリア物質は、任意の切片において観察されなかった。 動物内での比較は、3匹の動物において、CMCを伴うか、またはCMCを伴わないでOP−1を含有するデバイスを受ける欠損(全て、左側の欠損)は、コントロールマトリクスを受けたかまたは未処置の、対側の欠損に等しいかまたはより優れた組織学的な等級を達成した。 予期されないことに、CMCを伴わないOP−1デバイスは、骨および軟骨の形成を誘導したが、かなりの線維組織の存在を伴うより無秩序な様式であった。未処置のまたはキャリア単独のサンプルは、線維軟骨および高密度の結合組織によって充填された。 これらのデータは、改良された骨形成デバイスで達成された予期されない優れた修復が、次いで欠損部位でのデバイス自身の混入を影響する、結合剤を伴わない標準骨形成デバイスと比較した、その一貫性の差異と関連すること示唆する。処方物の癒着および分解特性は、関節の動力学的な性質を与えられる関節軟骨欠損において重要であることが予測される。 I型およびII型コラーゲンの免疫染色、ならびに偏光光学顕微鏡 この研究はまた、デバイスなし、2つの型のマトリクスのみの組成物(マトリクスおよびマトリクス/結合剤)、またはOP−1を伴う両方のマトリクス組成物で処置された欠損部位でのコラーゲン修復を比較するために、切片を染色した。 概して、コラーゲンI型抗体を使用して、既存の横たわる肋軟骨下の骨、ならびに新規に再生された骨の染色を観察した。新規に再生された骨は、位相差顕微鏡下で観察される場合、より無秩序なマトリクスの領域の存在によって既存の骨とは僅かに異なった。II型コラーゲン抗体を使用して、既存の関節軟骨が、欠損における修復された組織と同様に定性的に染色されたが、新規な組織の染色は、あまり強くなかった。改良された骨形成デバイスで処置された少なくとも1つの欠損において、完全な肋軟骨下の骨の再生が、上部に沿って再生された関節様軟骨とともに観察された。この再生された軟骨の細胞マトリクスは、既存の関節軟骨に同一ではなかったが、大きなゆるい束から構成される可視可能な細胞マトリクスが、位相差下で見られ得た。 改良された骨形成デバイスで処置された欠損。改良された骨形成デバイスで処置された欠損において、少なくとも1匹の動物が、巨視的レベルで関節軟骨の修復を証明した。肋軟骨下の骨が再生され、そしてほぼ正常な厚さの新規な軟骨層が、トルイジンブルーおよびサファルニンOでの組織学的染色によって見られた。これらの層および組織は、肋軟骨下の骨において局在化されるI型抗体および新規な軟骨様層において局在化されるII型コラーゲンで、適切に染色された。石灰化軟骨の帯の再生、および再生された軟骨の異なる時機点(tidemark)のいくつかの証拠がまた存在した。しかし、いくつかの差異が、新規な関節軟骨層と既存の軟骨関節層との間に見られた。新規な軟骨は、軟骨細胞のより高い密度を有し、そして位相差顕微鏡によってまたは偏光で可視可能な、線維ビヒクルのゆるい、無秩序な束を含んだ。修復のプロセスの間の単一の時点のみが、この実験において示されること、およびより長いまたはより短い期間の結果は知られていないことに注意すべきである。 標準骨形成デバイスで処置された欠損。標準骨形成デバイスで処置された欠損は、欠損部位において約50%の骨が再生されたことを示し、欠損の縁からの関節軟骨の内部伸長を伴った。修復された組織で充填された欠損の残りとともに、新規に再生された骨に隣接する関節軟骨形成のいくつかのさらなる範囲があるようであった。修復組織は、II型コラーゲン抗体で軽度に染色されたが、I型コラーゲン抗体では染色されなかった。より多くの軟骨細胞が、細胞の周囲のマトリクスの大きなゆるい束とともに存在した。標準骨形成デバイスでの処置は、肋軟骨下の骨がその正常なレベルに再生することができないこと、および高密度の無秩序な線維組織が新規な軟骨上に出現し、欠損の上部をでこぼこな表面を伴って隆起させること、において改良された骨形成デバイスの処置とは異なった。この線維組織は、関節表面に平行に配置される線維束を伴ってより線維芽様の細胞を有するようであった。 マトリクス/結合剤で処置された欠損。OP−1を伴わずにマトリクス/結合剤のみを伴った欠損は、除去された肋軟骨下の骨の約3分の1の再生を示し、残りは修復組織で充填された。この再生された組織は、I型コラーゲン抗体で、特に欠損の底部近くで軽度に染色され、II型コラーゲン抗体でより強力な染色を示し、表面近くで最も強く染色した。高密度の無秩序なベシクルマトリクスは、修復組織の上半分において明白であり、そして線維のより組織化された水平方向のパターンが、下半分において出現する。トルイジンブルーは、修復組織を染色しなかったが、サフラニンOは上半分および下半分を、差示的に染色した。関節表面近くの半分が、サフラニンOで軽度に染色され、そして底部がファストグリーンで染色された。類似の区別が、マソントリクロム(Masson Trichrom)で染色された場合に修復組織の半分の2つの間で観察された。修復組織は関節軟骨のように見えなかったが、関節表面近くの領域は、II型コラーゲン、おそらくいくつかのムコ多糖を含有する酸性マトリクスを含むようであった。下半分は、ほとんど炭水化物を含有しない、より多くのI型コラーゲンを有し、性質においてより結合組織様であり得る。 コラーゲンマトリクス単独で処置された単一の欠損は、肋軟骨下の骨の任意の再生を示さなかった。欠損を充填した修復組織は、両方のコラーゲンI型およびII型抗体で軽度に染色された。この組織は、線維芽様細胞を伴う増加された線維マトリクスを有し、いくつかの範囲において、線維軟骨に類似するようであった。このサンプルは、CMC/コラーゲンマトリクス単独での処置に類似し、修復組織におけるI型およびII型コラーゲンの両方の僅かな局在化をともなった。さらに、欠損部位は、サフラニンO/ファストグリーンでのいくつかの特異的な染色を示し、サフラニンOでの修復組織の上半分、およびファストグリーンでの底部の染色を伴った。 まとめおよび結論 改良された骨形成デバイスで処置された骨軟骨欠損は、標準骨形成デバイス、コラーゲンマトリクスタンパク質単独、またはCMCと混合されたコラーゲンマトリクスで処置された欠損(これらのすべては、ほとんど組織化されない修復軟骨および肋軟骨下の骨形成を実証した)と比較して、より向上した軟骨再生、軟骨細胞および軟骨の表現型を、予想外に実証した。コラーゲンマトリクス、またはCMCを伴うコラーゲンマトリクスでの処置による不十分な修復は、コラーゲン足場単独の存在は、治癒を誘導するのに十分ではなく、そして治癒の進行および修復組織の組織化を、実際に阻止し得ることを示す。 十分な厚さの骨軟骨欠損は、本発明の方法に従うCMCを含有する骨形成デバイスを使用して修復され得る。十分な厚さの骨形成欠損はまた、任意の上述の好ましい結合剤(例えば、フィブリンのり)および/または任意の上述の好ましいマトリクスを含有する、改良された骨形成デバイスを使用して修復され得ることが予測される。 2.実験2:十分な厚さの骨軟骨欠損の修復の長期の評価(イヌ) この研究は、改良された骨形成デバイスによる骨軟骨/軟骨欠損の修復をさらに評価するために行われた。今日までに、研究は、6および12週間での改良された骨形成デバイスの効果を試験し、そして26および56週間での効果を試験することを継続する。これは、長期の修復安定性のデータを提供する。経時的な新規な軟骨の組織化を追跡し、これが、構造および機能に関して正常な組織に近づくか否かを決定した。デバイスの2つの処方物を、骨軟骨/軟骨欠損において評価し、以下を含んだ:1)改良された骨形成デバイス、または2)CMCおよびコラーゲンマトリクスのみを含有する擬似デバイス。 簡潔には、十分な厚さの欠損(5mmの直径、肋軟骨下の骨に6mm伸長する)を、16匹の成体雑種イヌの内側大腿顆に対して、両側に作製した。成体雑種を、その解剖学的サイズ、ならびに公知の骨修復および再構築の特性のために、本発明研究で利用した。全ての動物は、1と4年齢との間であり、および約20〜30kgの体重であった。特定の注意が、関節充填の可変性を制限するために、均一なサイズおよび体重の動物を選択するために払われた。動物を、X線写真的にスクリーニングし、正確なサイズ、骨格の成熟度、および明白な骨異常が何も存在しないことを確実にした。4匹のイヌの各群において、左側の欠損は、改良された骨形成デバイスを受けた。右側の欠損は、2匹の動物においてマトリクス/結合剤を受け、および残りの2匹の動物は、処置されなかった。屠殺時に、遠位の大腿骨をひとまとめに回収し、そして欠損部位を、上記のスキームに基づいて、組織学的におよび肉眼的に評価した。 改良された骨形成デバイスは、CMCと混合された標準デバイス(2.5mg rhOP−1/1gマトリクス)を含む。改良されたデバイスを処方するために、移植の前に、100mgのrhOP−1/コラーゲン混合物を、20mgのCMCとともに混合した(合計120mg)。コラーゲンのみのデバイスは、ウシI型コラーゲン(100mg)からなった。研究設計を、表17にまとめる。 手術 標準無菌技術を使用して、イソフルオランガス麻酔下で手術を行った。約4センチメートルの長さの内側の膝蓋傍の切開を作製した。膝蓋を、大腿顆を曝露するために、側方に引っ込めた。1/8インチのドリルビットを使用して、試験的な穴を、内側大腿顆の体重ベアリング領域において作製した。欠損深度(6mm)の過剰なドリリングを防止するために特別に設計された鋸を有する5mmのドリルビットを使用して、最終的な欠損を作製した。生理食塩水で豊富に洗浄し、骨残渣およびこぼれた髄細胞を除去した後、適切な実験デバイスを平滑なプローブ(probe)を使用して欠損部位に充填した、次いで、関節被膜および軟組織を、層中に非常に注意深く閉鎖した。この手順を、適切な移植片を用いて、反対側にも繰り返した。 評価 4匹の動物それぞれを、6および12週間で屠殺し、そして4匹の動物を術後26および53週間で屠殺する。動物を、静脈内のバルビツール酸の過剰用量を使用して屠殺した。大腿骨をひとまとめに即座に回収し、そして生理食塩水を浸漬したダイアパーに置いた。欠損部位の高倍率の写真を撮影した。軟組織を、欠損部位から非常に注意深く切開して取り出した。大腿骨の近位末端を除去した。 欠損部位および修復部位の肉眼的な外見を、処置の割り当てを知らされていない2人の独立した観察者によって、上記のパラメーターに基づいて等級づけした。点は、関節内癒着、関節表面の回復、軟骨の侵食および外観の存在に従って、割り当てた。 全ての標本を、肉眼での等級づけおよび写真撮影後すぐに、組織学的評価のために調製した。個々の遠位の大腿骨を、10%緩衝化ホルマリン溶液中の、または4%パラホルムアルデヒド溶液中の浸漬によって固定した。水冷却したダイアモンド鋸において、各欠損部位を単離した。3つのレベルからの3つの切片を、各ブロックから切断した。レベル1および3は、欠損周辺に最も近接した。レベル2は、欠損中央に局在化された。各レベルからの3つの切片を、ヘマトキシリンおよびエオシン、Goldnerトリクロム、サフラニンO、またはファストグリーンのいずれかで染色した。次いで、切片を、上記のスキームに基づいて等級づけした。この分析は、修復組織の性質、構造的な特徴、および細胞の変化に基づいて、点を割り当てた。合計24点が最高である。 結果および結論 6週間後、いくつかの上述の処置された動物を屠殺し、そして免疫組織学的評価を本明細書中のほかの場所で記載されるように行った。結果は以下のようである:全ての場合において、OP−1 CMC/コラーゲンデバイスで処置された欠損は、優れた修復を示した。OP−1 CMC/コラーゲンデバイスを用いて、軟骨組織と欠損との、予期されない完全なまたはほぼ完全な架橋が存在した。II型コラーゲン染色が、修復軟骨において観察されたが、I型コラーゲン染色はほとんどまたは全くなかった。プロテオグリカン染色は、II型コラーゲン局在化を追跡し、成熟な硝子質軟骨により密接に類似する範囲においてより暗い染色を伴った。サフラニンO染色に基づいて、軟骨の表面層における再生は、処置後6週目でなお完全でなかった。 12週間後、治癒は、改良されたデバイスで処置された欠損において有意に進行された。コントロールにおいて、認識可能な治癒は、何も観察されなかった。12週間にて、改良されたデバイスで観察される平均の肉眼的な等級づけスコアは、6.50±0.89(n=8)であり;コントロールは、3.69±0.70(n=8)であった。全ての残余の時点で、改良された骨形成デバイスで処置された欠損は、コラーゲン/CMCのみで処置された欠損または左側の未処置の欠損に比べて、より進行された軟骨再生、軟骨細胞および軟骨表現型を、加速された様式において実証することが理解される。改良された骨形成デバイスで処置された欠損は、軟骨および肋軟骨下の骨組織を示すことが理解されるが、コラーゲン/CMC処置されたまたは未処置の欠損は、無秩序な骨および軟骨形成を誘導し、かなりの線維組織が存在することが予測される。 十分な厚さの骨軟骨欠損は、本発明の方法に従って、CMC含有骨形成デバイスを使用して安定に修復され得る。他の好ましい結合剤(例えば、フィブリンのり)が評価される上述の実験に類似の実験は、改良された骨形成デバイスが、十分な厚さの骨軟骨欠損を安定に修復し得ることを実証する。 E.カルボキシメチルセルロースを含む改良された骨形成デバイスを使用する軟骨欠損の修復 1.実験1:軟骨欠損修復対骨軟骨欠損修復の長期評価(ヒツジ) 本実験は、大型動物モデルを使用する改良された骨形成デバイスによる、軟骨および骨軟骨欠損の両方の修復を評価する。関節軟骨の増加した厚さ、ならびに、サイズ、および体重を支える特徴がヒトと類似していることから、ヒツジが、ヒトでの臨床適用がそれから推定され得るモデル、特に軟骨欠損の修復のための改良された骨形成デバイスの臨床適用のためのモデルとされる。実験群は以下のとおりである: 各ヒツジの両方の前膝関節を手術して、1関節当たり2つの欠損を作製する(内側顆および外側顆上に各1つ)。一方の関節は、各顆に2つの標準化部分層性軟骨欠損(直径5mm)を作製され、他方の関節は、2つのより深い全層性骨軟骨欠損(軟骨下骨中に約1〜2mm)を作製される。各群は、1つの亜群を早期に8週間後に屠殺され、別の亜群を長期評価のために6〜7カ月維持される。 実験群は全部で20群あり、1群あたり12欠損である。従って、欠損の総数は240であり、ヒツジの総数は60頭である。5つの異なる処置群がある:各欠損型について、3つのコントロール(処置なし、および2の異なる模擬デバイス)および2の異なるOP−1処方。CMC/コラーゲン中にOP‐1を含む改良された骨形成デバイスは、骨軟骨欠損修復および軟骨欠損修復に使用される。本デバイスは、本改良された骨形成デバイスを受容する各欠損部位に、2.5mg OP−1/gコラーゲンを添加するように処方される。修復を8週間目と6〜7ヶ月目に評価する。処置プロトコルを表18に示す。 2つの膝の手術は、第2の膝の手術前に第1の膝を治癒させるために2週間ずらして行う。第1の手術は、軟骨欠損を作製するため、第2の手術は骨軟骨欠損の作製のために使用する。手術は、十分な装備の手術室で、ヒト手術に使用する標準技法および器具を使用して実施する。手術後、ヒツジは、牧場内を自由に歩き回ることを許される。時差手術は、軟骨欠損に8週間の治癒期間および骨軟骨欠損に6週間の治癒期間をもたらす。屠殺時に、関節を標準細胞学プロトコルに従って、灌流、固定および処理する。 実験期間終了時に、動物を屠殺して、関節を一括して収集する。欠損部位および修復組織の肉眼的外観を、前記のような常套方法を使用して等級付ける。関節内癒着、関節表面の回復、軟骨のびらんおよび外観の存在に従ってポイントを割り当てる。 前記のものと同様な方法を使用して、肉眼的等級付けおよび写真撮影直後に組織学的評価のために標本を調製する。 OP−1/CMC/コラーゲンデバイスで処置した欠損は、前記の実験D.2と同様な優れた修復を示すと予測される。さらに、フィブリンのりのような上記の好ましい結合剤のいずれかを含む改良された骨形成デバイスはまた、軟骨欠損および骨軟骨欠損の両方の修復を示すと予測される。 2.実験2:種々の用量のOP−1を使用する軟骨下欠損修復の長期評価(ヤギ) 骨格的に成熟した乳ヤギを使用する研究を、骨軟骨/軟骨欠損の修復のための改良された骨形成デバイスの効力を証明するために実施する。様々な濃度のrhOP−1を含む改良された骨形成デバイスの処方物を、模擬デバイスコントロールまたはデバイスなしコントロールと共に使用する。模擬デバイスは、カルボキシメチルセルロース(CMC)と混合されたコラーゲンからなる。さらに、手術後4、12、24ヶ月目に動物群を屠殺して、欠損修復率およびその安定性を比較する。以下に実験パラメータを要約する。 簡潔には、軟骨下欠損を56頭の骨格的に成熟した乳ヤギの左膝に作製する:欠損は直径が8mmで深さが3mmである。この欠損の構造は、コラーゲンI型形成を誘導する、欠損における非常に高い剪断応力を防止する。約2年齢で約50kgの体重のオランダ乳ヤギ(Dutch milk−goat)を本実験に使用する。2.5mg rhOP−1/gコラーゲンに相当するデバイスを提供する。各症例において、標準骨形成デバイスに0.2gのCMCを添加して、次に約2.6mlの生理食塩水を添加して混合する。これにより、約3〜4mlの改良された骨形成デバイスの材料を生じる。本材料を次に欠損容積を充填するために使用する。 手術技法 麻酔を誘導して、内側膝蓋アプローチにより左膝を開口する。膝蓋骨を外側にずらし内側顆を露出させる。鋭利な中空チューブで、内側顆の前方の体重を支える部分に欠損の外郭を作製する。チューブ内に配置された四角な尖った祖砥で、軟骨下骨に達する欠損を作製する。次に近位脛骨を露出させ、内側顆の欠損と同じ直径の骨膜弁(periosteal flap)を取る。骨膜弁を、欠損に形成層を向けて、レムナントに部分的に固定する。欠損を適切な試験物質で充填して、再吸収性縫合糸を使用して骨膜弁で覆う。CMCデバイスを欠損が充填されるまで注射器で添加して、その後弁を完全に縫合する。コントロール動物においては、コラーゲンおよびCMCのみを含む模擬デバイスを使用する。第2のコントロール群は、移植片を全く与えられないが、骨膜弁のみを与えられる。 手術後処置 無制限の、体重を支える活動が、手術後に許容され得る限り許可される。 臨床作業 体重を支えるパターンを、2、4、6、および8週間目、そしてその後は4週間毎に評価する。 肉眼的分析 前記のスキームに基づいて肉眼評価を行う。動物を屠殺後、膝拘縮の存在または不在を記録して、大腿の膝蓋骨および顆の両方を、癒着、関節表面の外形、回復軟骨の外観、および軟骨びらんの存在または不在について検査する。これらの特性のそれぞれについてスコア付けをする。マクロレンズを使用してカラースライドを撮影する。 組織学的分析 組織学的評価の間、再生軟骨下骨の可視化を補助するため、および欠損の境界を定位するために、屠殺前、ヤギに二重標識テトラサイクリンを与える。これにより、欠損のより深い部分の骨充填の組織形態計測が可能となる。組織学的サンプルをまた、偏光顕微鏡観察を組み込むことによって検査し、通常の構造的特徴に関する情報を提供する。 組織学的分析のために、軟骨下骨を含む標本を10%リン酸緩衝化ホルマリンで固定し、メチルメタクリレート(MMA)中で脱石灰化せずに包埋する。高能率ミクロトームを使用して、5μm厚の切片を作製する。切片を軟骨同定のためにトルイジンブルーで、骨同定のためにゴルドナーのトリクロームで染色する。組織硝子質度、トルイジンブルーに対するマトリクスの親和性(異染性)、表面不規則性、軟骨細胞がクラスター化している再生軟骨下骨、隣接関節軟骨への結合、移植片周囲の炎症性細胞浸潤、および隣接軟骨に退行性変化がないことについて評価を行う。これらの特性の各々についてスコアを与える。 生化学的分析 プロテオグリカンの抽出:生化学的分析のために、欠損由来のコントロール軟骨および組織を、冷リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中に収集する。プロテオグリカンを、プロテイナーゼインヒビター(5mMベンズアミジン、0.1M 6‐アミノ‐n‐ヘキサン酸、10mM EDTA、5mMフェニルメチルスルホニルフルオライド、および5mM n‐エチルマレイミド)の存在下で、4℃で60時間、pH5.8の4MグアニジンHCl、0.15M酢酸カリウムを用いて処理することにより、凍結乾燥切片から抽出する。抽出物と残渣を分離する。残渣を抽出緩衝液で十分にリンスし、抽出物に添加する。抽出物をコンドロイチンスルフェート含量について分析して、ゲル濾過に使用する。 ゲル濾過:抽出物のアリコートを、Sepharose C12Bカラム(0.66×145cm)(Pharmacia AB、Uppsala, Sweden)に適用して、4MグアニジンHCl、0.1M硫酸ナトリウム、0.05M酢酸ナトリウム、および0.1%triton X−100を含む、pH6.1の解離緩衝液で溶出させる。流速は1.2ml/時間である。画分をコンドロイチンスルフェート含量について分析する。おそらくアグレカンである、軟骨特異的高分子の量を計算し得る。 MRI 磁気共鳴画像法(MRI)を2つの目的のために実施する。第一には、手術1カ月後に弁および移植片が適所に維持されていることをモニターするためである。第二には、群1C(術後2年またはそれ以上)を、4カ月め、12カ月めおよび屠殺時に、MRIで長期間追跡する。 要約 改良された骨形成デバイスで処置された欠損は、模擬デバイスコントロールまたはデバイスなしコントロールと比較して、優れた軟骨再生、軟骨細胞および軟骨表現型を示すと予測される。低用量のOP−1は、少なくとも、より高い用量と同様な量的および質的修復を達成することもまた予測される。 F.骨形成タンパク質を使用する軟骨欠損の修復 本研究は、哺乳動物の軟骨形成を、組換え型ヒト骨形成タンパク質−1(rhOP−1)(単独で、またはコラーゲンマトリクスとの組合せで)および/または自己軟骨膜で処置された軟骨下病変において研究する。 材料および方法 15頭のヤギの左膝関節の内側大腿顆において、直径9mmの軟骨下欠損を作製した。その欠損を、以下の(a)または(b)または(c)と混合した新鮮な凝固血液からなる移植片で充填した:(a)自己耳軟骨膜の小粒子;(b)rhOP−1;(c)rhOP−1および耳軟骨膜。rh−OP−1を、コラーゲンマトリクス(OP−1デバイス)との組合せ、またはコラーゲンマトリクスなし(OP−1単独)のいずれかで添加した。欠損を骨膜弁で閉じ、これを軟骨に縫合した。1、2、および4カ月の移植期間後、各欠損の修復程度を標準的な組織学的技法(異染性および硝子質度)および周知の生化学的方法(プロテオグリカンのゲルクロマトグラフィー)により調査した。 結果 この特定の研究において1および2カ月後に、コントロール(上記(a)の移植片)と種々のOP−1処置欠損との間には明確な差異はなかった。しかし、4カ月後には、3つのコントロール欠損のうち1つのみが、検出可能な軟骨形成を示したが、表19に示された組織学的および生化学的分析により示されるように、4つのOP−1処置欠損全てが、軟骨で完全にまたは部分的に充填された。 1 欠損は同質な部分に分割された、%で表示される。 2 以下のように計算した:%×(A+B)、例えば、0.86×(0.7+0.0)=0.60 表19は、コラーゲンマトリクスの存在または非存在在で、OP−1なし(コントロール)で、またはOP−1+/−軟骨膜で、4カ月間処置された顆欠損の軟骨スコアを示す。 生化学的スコア(A)は、ゲルクロマトグラフィーに基づいて0〜5の値を割り当てた。 組織学スコア(B)は、0〜6の等級スケールの非脱石灰化プラスチック切片に基づいた。 結論 本研究結果は、ヤギの大きな軟骨下欠損においてOP−1が軟骨促進効用を有することを確認する。これは、OP−1が、関節軟骨の大きな病変を処置することにおいて臨床的妥当性を有し、そして哺乳動物において外傷または疾病により引き起こされる、体重を支える骨格の欠損の軟骨修復に特に有用であることを示す。 関連研究において、フィブリンのり含有デバイスのような他の改良された骨形成デバイスが、大きな軟骨下欠損の修復をもたらすことが予測される。さらには、このような修復は、より安定な新鮮関節軟骨の再生を伴う。コラーゲンのみと混合したOP−1と比較して、コラーゲンマトリクスおよびCMCのような結合剤と混合された場合には、低量のO−1で、加速された速度の軟骨下欠損修復が起こることがまた予測される。さらには、そのような修復は、より安定な新鮮関節軟骨の再生を伴う。G.アパタイトおよび/またはリン酸三カルシウム(TCP)および/またはコラーゲンマトリクスを含む改良された骨形成デバイスを使用する、分節欠損修復(重症サイズおよび非重症サイズ) 様々なマトリクスまたはその混合物を含む改良されたデバイスを使用して、ウサギおよびイヌにおいて、種々の用量のOP−1で、分節尺骨欠損(重症サイズおよび非重症サイズ)を修復する。改良されたデバイスは、Pyrostaマトリクス(Osteo AG, Switzerland)、ウシ骨由来のHApブロック;100%HAp顆粒(約300〜400または350〜450μ);100%TCP(約400μ);および50%HAp/50%TCP(約400μ)を含む。他の実施態様は、1またはそれ以上の適切な有孔性の前述のマトリクスを含む。改良された骨形成デバイスの特に好ましい1つの実施態様は、HApおよびコラーゲンのスポンジである、Collapataマトリクス(Osteo AG, Switzerland)を含む。特に好ましい別の実施態様は、パテー状のコンシステンシーを有するデバイスを所望する場合には特に、1gのHAp顆粒または1gの75%HAp/25%TCP顆粒当たり約0.6gのCMCを含む。上記の別の好ましい実施態様は、β‐TCPおよびフィブリンのりを含む。 改良されたデバイス(例えば、上記のもの)は分節欠損の修復を誘導し、そして特定の好ましい実施態様は、低用量のOP−1で修復を誘導することが予測される。 H.結合剤としてフィブリンのりを使用する骨形成 骨形成に対してフィブリンのりOP−1処方物を評価するために、4つのラット皮下研究を実施した。フィブリンのりの3つの異なる供給源を使用して、10μg OP−1での骨形成の量は同様であり、25%〜40%の範囲であった(表19A〜19Fを参照)。これらの研究においては、炎症と骨形成との間には明らかな相関は存在しなかった。結果は、ラットが、異なる種由来のフィブリンのりに対して異なって反応することを示した;例えば、0〜4のスケールに基づいて、Tissucolaからのヒトフィブリンのりは、2〜2.7の炎症応答を誘発し(表19A参照)、ウシフィブリンのりは、2〜3.5の炎症応答を引き起こし(表19Bおよび19C参照)、そしてラットフィブリンのりは、1〜1.3の最も低い炎症応答を有した(表19D参照)。代表的には、3〜4の炎症応答は重症と定義され、1〜2は軽症から中程度と定義される。 20μL OP−1(5%ラクトース中10μgまたは20μg)を、皮下移植片前に、50μLフィブリノーゲン(70〜110mg/mL)および50μLトロンビン溶液(500U/mL)と混合した。 20μL OP−1(5%ラクトース中10μg)を、皮下移植片前に、50μLウシフィブリノーゲン(60mg/mL)および50μLウシトロンビン溶液(300U/mL)と混合した。 20μL OP−1(5%ラクトース中10μg)を、皮下移植片前に、50μLウシフィブリノーゲン(40mg/mL)および50μLウシトロンビン溶液(200U/mL)と混合した。20μlのOP−1(5%ラクトース中に10μg)を、皮下移植前に50μLのウシフィブリノーゲン(40mg/mL)および50μLのウシトロンビン溶液(200U/mL)と混合した。 2つの他のラットのインビボ研究を、骨形成におけるフィブリンのりおよびOP−1を含むデバイスの評価のために完了した。第1の研究では、皮下移植直前に、ウシフィブリノーゲン(50μL、Sigma F8630、10mg/mL)およびウシトロンビン(50μL、50U/mL)をOP−1デバイスと混合した。ポジティブコントロールは100μLのリン酸緩衝化生理食塩水で湿潤したOP−1デバイスである。OP−1デバイスを、47.5%エタノール/0.01%TFA中に10μg OP−1を25mgコラーゲンと混合して調製し、一晩凍結乾燥した。結果を表19Eに示す。標準OP−1デバイスとウシフィブリンのりを組合せたOP−1デバイスとの間において骨形成に有意な差異は見られなかった。また、液体OP−1ウシフィブリンのりの組合せと比較して、OP−1デバイス/ウシフィブリンのり処方物に、より低い炎症応答が観察された(表19Bおよび19C参照)。 表19E: OP−1デバイスを有するウシフィブリンのりのインビボデータ 第2の研究においては、異なる濃度のTissucolaを標準OP−1デバイスと組合せた。すなわち、1つの凍結乾燥OP−1デバイス(25mg総重量、10μg OP−1)を、移植の直前に、ヒトフィブリノーゲン溶液(50μLのフィブリノーゲン70‐110mg/mLまたはリン酸緩衝化生理食塩水で2、4、または8倍希釈液)およびトロンビン溶液(50μL 500U/mLまたはリン酸緩衝化生理食塩水で2、4、または8倍希釈液)と組合せた。ポジティブコントロールは100μLのリン酸緩衝化生理食塩水で湿潤したOP−1デバイスである。結果を表19Fに示す。標準OP−1デバイスと異なる濃度のTissucolaを組合せたOP−1デバイスとの間の骨形成に有意な差異は見られなかった。また、フィブリノーゲン濃度は骨形成に有意な効果を持たなかった。 要約すると、標準OP−1デバイスの取り扱い特性は、フィブリンのりを使用することにより改良され、例えば、コラーゲン粒子はのりとともに組み込まれて残留する。インビボデータはフィブリンのりを有するOP−1デバイスが骨形成を促進することを示した。 I.結合剤としてフィブリンのりを含む改良された骨形成デバイスを使用する欠損修復 種々のマトリクスまたはその混合物を含むフィブリンのりを含有する改良されたデバイスを、当該分野で認識されている動物モデルでOP−1の投与量を変化させて、骨、骨軟骨性、または軟骨性欠損を修復するために使用する。好ましいデバイスの特定の実施態様は:フィブリンのり、コラーゲンおよびOP−1を含む。好ましいデバイスの他の実施態様は:フィブリンのり、β‐TCP、およびOP−1を含む。最後に、さらなる試験は、本発明における使用に適切な任意の前述のマトリクス材料を含む。 前記のようなフィブリンのりを含有する改良されたデバイスは、重症サイズおよび非重症サイズ欠損、非癒合性骨折、および骨折における骨形成を促進および加速することが予測され、そして骨軟骨性および軟骨性欠損の修復を促進および加速することが予測される。 J.フィブリンのりを含有する改良されたデバイスを使用する分節欠損修復(重症サイズおよび非重症サイズ) 以下は、分節(重症サイズおよび非重症サイズ)欠損を治癒するための、フィブリンのりを含有する改良されたデバイスの効力に関する比較実験的研究である。 試験系 上記のように、本目的のために交配させた成犬雄性雑種イヌを本実験に使用する。骨の結合構造および負荷の変動を限定するために、均一のサイズおよび体重の動物を選択することに特別の注意を払う。 前記にまた説明のように、イソフルオランガス麻酔下で、標準無菌技術を使用して手術を実施する。両前肢を手術準備をして滅菌様式で被覆する。約2cmの長さの外側切開を作製し、平滑かつ鋭利な切開を使用して尺骨を露出する。振動鋸子を使用して尺骨中間部に重症サイズまたは非重症サイズいずれかの欠損を作製する。撓骨は物理的安定性を維持し、内部または外部固定は使用しない。部位を生理食塩水で灌注して、欠損周囲層において軟組織を注意深く縫合する。適切な移植片デバイスを欠損部位中に移植するか、または注入する。次に、この手順を対側において適切な移植片を用いて反復する。 動物に、手術後4日間筋肉内に抗生物質を投与し、適切な手術的配置を保証するために手術直後に日常的な前方‐後方X線撮影をする。動物を3×4フィートの回復ケージ内に体重に耐えられることが実証されるまで保持し、体重に耐えられることが実証されると飼育場に移動して自由に運動させる。 前肢のX線を4週間まで毎週撮影し、次には生存動物において、標準化された露出時間および強度を使用して16週間目まで隔週にX線撮影をする。X線像を評価して、欠損治癒の性質および速度を評価するために初期のX線像と比較する。X線像外観における変化を新骨形成の存在および密度、欠損の架橋の度合、ならびに宿主骨皮質の取り込みの有無に基づいて評価する。 試験材料の説明 移植片材料を、酢酸緩衝液処方物中に組換えヒト骨形成タンパク−1(rhOP‐1)、フィブリンのりおよびコラーゲンまたはフィブリンのりおよびβ‐TCP中のいずれかにrhOP−1を含む。rhOP−1処方物を、ビヒクルのみであるコントロールと比較する。酢酸緩衝液rhOP−1処方物は、100μlの容量で導出されるラクトース/酢酸緩衝液中の3.5mg/ml OP−1から成る。ビヒクルコントロールは、100μl容量のラクトース/酢酸緩衝液から成る。試験処方物は、rhOP−1/フィブリンのり‐コラーゲンまたはrhOP−1/フィブリンのりβ‐TCPを含む。 実験設計 両側の尺骨分節欠損、重症サイズまたは非重症サイズを全ての動物に作製する。動物の1群は、1つの欠損に0.35mgのrhOP−1/酢酸緩衝液処方物の注入を受容し、対側の欠損にはrhOP−1を含まない酢酸緩衝液を受容する。動物のその他の群は、rhOP−1/フィブリンのり‐コラーゲンまたはrhOP−1/フィブリンのり‐β‐TCP処方物の注入を一方の欠損に受容し、対側欠損にはフィブリンのり‐β‐TCPまたはコラーゲンのみを受容する。動物を手術後4、8、および12週間目に屠殺する。あるイヌは移植片を受けない(欠損のみ)両側欠損を受容し、術後4、8、12、および16週間目に評価される。 試験方法 実験期間終了時に、静脈内バルビツール酸塩の過剰投与により動物を屠殺する。尺骨と撓骨を直後に一括して収集して、生理食塩水に浸潤した布内に置く。両尺骨を拡大写真に撮り、欠損部位から注意深く軟組織を切除する前に接触X線撮影をする。次に水冷却による鋸子を使用して、生体力学的試験評価のために、試験標本の中間部に欠損が位置するように尺骨を9cmの均一長さに切除する。 触診に基づく欠損治癒が十分である場合に、50mm/分の一定変位率でストローク制御で操作されたMTS閉環水圧試験器械(Minneapolis、MN)において、標本のねじれにおける破損を試験する。骨分節の各端を円筒状アルミニウムスリーブにマウントして、メチルメタクリル酸塩で接着する。1端を厳密に固定して、他方は反時計回りに回転させる。イヌ尺骨は軽微な湾曲を有するために、標本の回転が試験デバイスと同軸であるように、標本を偏心的にマウントする。ねじり力を6cmのレバーアームにより作動させる。ねじれと破損に対する角度変位から力‐角度変位曲線が作製され、そして破損に対するエネルギー吸収が、負荷‐変位曲線までの面積として計算される。 試験および非試験標本の両方を組織学的評価のために調製する。個々の標本を、機械的試験の直後または非試験標本においては切片化後に、10%緩衝ホルマリンに浸潤することにより固定する。水冷却ダイヤモンド鋸子で、標本をその長軸にそって二分することにより分割する。この方法は、組織学的調製のための、非石灰化粉砕切片および非石灰化ミクロトーム切片を含む、各標本の2部分が生じる。組織切片は癒合、外観および皮質性および網状骨の性質、および骨の再造形について評価される。 結果 コラーゲンまたはβ‐TCPのような、前述の任意の好ましいマトリクスを持つフィブリンのりを含有する改良されたデバイスは、重症サイズおよび非重症サイズの分節欠損の両方の修復を促進することが予測される。 VII. ヒト臨床試験:改良された骨形成デバイスの使用方法A.骨欠損の修復1.治験1:新たな開放脛骨骨折 この実験は、骨折部位に手術的介入を必要とする脛骨の新たな骨折を有する患者についての、多施設的、予測的、無作為化研究である。 序論 現在では世界的に年間に約2600万例の骨折がある。大多数の骨折が合併症なしに治癒し、「問題」とは見なされていない。しかし、患者が休職したり、通常活動に従事出来なくなり、活動に復帰することが不能になったり、活動する場合には、継続する痛みに苦しむ患者に伴う「生活の質への影響」がある。特に西洋社会の患者はこれらの問題に対する解決を期待するようになっている。 骨折治療の費用は驚嘆に値する。1988年の米国における骨折治療の費用は200億ドルと概算された。最大部分である約44%、すなわち、72億ドルは入院処置に関連した。同年において、およそ900,000人が骨折のために入院し、入院期間は平均8.8日、延べ79万日であった。養護ホームの費用は、第2位で28億ドルであり、通院治療は第3位で18億ドルであった。 骨折の経済的負担が生活の質への影響と関連すると見なされる場合、実際に治療方法論の改良、特に潜在的な問題があると見なされる骨折の改良の必要性がある。これらは、その負傷の性質または宿主の膿を緩和するために、さらなる手術的介入を必要とし、治癒に長期間を要し、および/または完全な機能回復を妨げる可能性のある骨折である。 従って、以下に説明する実験は、ヒトにおける新たな骨折の治癒促進剤、および治癒過程を増進するための負傷後生じる問題治癒に必要な介入の可能性を減少させるための手段としての改良された骨形成デバイスを調査するために設計される。さらに、本実験に含まれる特定の患者は、負傷後骨移植を必要とするか、または治癒の遅延症例の患者における骨移植片代用として、改良された骨形成デバイスで治療される。 本明細書中で意図され、そして上記のように、改良された骨形成デバイスの現在の好ましい実施態様は、大きなゲージの針を通じて注入し得るか、または血液環境において一般的に局所に残留するように開放切開を通して配置し得る。より伝統的パッケージに加えて、注入可能である改良された骨形成デバイスを、用時調製できる塗布体/シリンジにパッケージされ得る。種々のノズルおよび注射針を付加して、適用をカスタマイズし得る。その他の実施態様はまた、前記に説明するようなX線不透過成分の添加によりX線不透過にさせる。 本発明の改良された骨形成デバイス(注入可能また移植可能)はさらなる介入の発生を減少し、治癒率を加速し、生活の質を改良し、そして通常活動への復帰を早めると予測される。さらには、本明細書中に開示される改良された骨形成デバイスは、治癒促進、介入(再手術を含む)の発生を減少し、治癒の速度を増加し、通常活動への復帰率を増加し、また罹患率を減少させるために、全ての長さの骨、鎖骨、および肩甲骨の骨折において使用されることが予測される。現在適用可能な骨折修復様式と対照的に、本明細書中に開示される改良されたデバイスおよび方法に伴う生体力学的必要条件は、存在しない。 実験設計 患者は、外傷に付随して生じる脛骨の開放骨折の手術的治療を必要とする。骨折は、治癒を可能とするために骨折部位において適切に安定化し得る可能性を持たなければならない。患者の骨格的成熟がX線画像で証明される。 治療の型 型#1: 初期負傷時から7日以内に明確に閉合する。 型#2: 骨移植を必要とする患者において初期負傷後6週間まで。 型#1骨折は、骨移植を必要としない骨折である。患者を、標準的処置(骨折部位の挫滅組織除去手術、整復および安定化)の1:1の比率で無作為化する。これは、コントロール群対カルボキシメチルセルロース(CMC)のような結合剤を含むものと含まない標準的処置およびOP−1デバイスであった。特定の患者では、骨形成タンパクOP−1の投与量を変化させる。上記のように、改良された骨形成デバイスの現在の好ましい処方物は、2.5mgのOP−1/1000gコラーゲン/200mgのCMCを含む。OP−1投与量は、1/2から最大量4倍まで変化させる;CMC含量は100‐300mgで変化させる。また、上記のように、湿潤剤容量の変化を、デバイスの所望のコンテンシー/構成を達成するために参加外科医/医師が調査する。処置6カ月後に治癒していない第一群からの患者を再び骨移植(コントロール)対OP−1に1:1の比率で無作為化する。 型#2骨折は、骨移植を必要とする骨折である。患者を骨移植(コントロール)対OP−1に1:1の比率で無作為化する。処置6カ月後に治癒していない第一群からの患者を、骨移植からOP−1へおよびOP−1から骨移植へ交換する。 研究計画 患者を、処置後最低1年間追跡調査して、治癒を評価し、状態評価のために24ヶ月追跡調査する。 追跡調査は、処置後2週間、4週間、および6カ月までは4週間毎に、ならびに8、10および12カ月に実施する。全ての患者を、24カ月にさらなる追跡調査を行い、全体的な健康状態および骨折部位状態を決定する。以下の評価が実施される:身体検査における変化;X線画像;臨床的疼痛の評価;体重負荷の臨床的評価;機能の臨床的評価;生活の質の評価(退院前、6カ月後、12カ月後);ならびに治癒の増進/促進(外科的および非外科的)のための任意の介入に関する調査および金属部品破損/置換。 改良された骨形成原で処置した骨折は、治癒率の促進が証明されることが予測される。 さらに、改良された骨形成デバイスで処置された患者は、少なくとも以下のさらなる恩恵に預かることが予測される:1)機能、体重負荷、および歩行のより早い回復による治癒時間減少の可能性;2)遅延/破損/非癒合防止の可能性;3)休職/欠席期間から、より早い/より短い期間での通常活動への復帰;4)治癒促進のためのさらなる介入/手術手順の可能性の保留;5)金属部品の合併症の低減;および6) 骨移植を必要とする患者では、関連した様式で骨を収集するための第二の部位の手術を必要としないという恩恵。 2.治験2:新たな閉鎖骨幹骨折 ヒト被験者における新たな閉鎖骨幹骨折の修復を改良された骨形成デバイスを使用して評価する。特に、患者を、注入可能な改良された骨形成デバイスを用いて、閉鎖欠損部位にデバイスを注入することにより処置する。改良された骨形成デバイスを用いて処置されない患者と比較して、欠損修復の促進が予測される。 3.その他のヒト治験 上記のように、治験1および2を、フィブリンのりを含む改良された骨形成デバイスの様々な構成を使用して反復する。そのようなデバイスが骨形成を促進することがさらに予測され、特定の実施態様においては、未処置被験者と比較して欠損修復を促進する。 B.骨軟骨性欠損の修復実験1: 離断性骨軟骨炎 骨軟骨性欠損モデルは、離断性骨軟骨炎(OD)および外傷性欠損の治療のためのrhOP−1の臨床的使用を支持する。ODは、骨軟骨性欠損の局在した領域に生じる疾病である。この疾患の1つの原因は、局在した領域への虚血性損傷であるが、その正確な病因は知られていない。OD患者において、患部は、無血管状となり、引き続き重層関節軟骨内に変化を伴う。膝にODを罹患する患者は、関節の固定化、局在性の疼痛、腫脹および膝蓋骨後方摩擦音を含む症状を経験する。膝のOD患者を含む実験を、OD欠損を修復するために、標準骨形成デバイスの能力に対して、改良された骨形成デバイスの能力を比較するために実施した。 OD処置のための当該分野において公知である現在の方法は、高度に侵襲性の手術技術の使用を含む。ほとんどの骨格的に成熟であるOD患者において、手術が必要である。手術技術は、無傷病巣の関節鏡下の穿孔を必要とする。その結果、患者は手術の間、全身麻酔の投与を受けなければならない。術後、患者は固定化装具により膝の運動を制限されなければならず、治癒が証明されるまで松葉づえの使用なくしては歩行出来ない。 この研究において、OD処置のためのより侵襲性の低い技術を実施する。この技術は、注入により欠損部位に送達される改良された骨形成デバイスの使用を含む。OD修復における改良された骨形成デバイスの活性を標準骨形成デバイスの活性と比較する。 任意の前述のマトリクスおよび結合剤を含む改良された骨形成デバイスで処置された患者は、標準的骨形成デバイスで処置された患者より、OD症状のより大きな軽減を示すことが予測される。改良された骨形成デバイスで処置された患者は、標準骨形成デバイスで処置された患者より、少なくとも、膝の疼痛、腫脹、および固定化において顕著な低減を経験する。これらの全ては、欠損の緩和および/または修復の印である。 等価物 本発明は、その精神または本質的特性を逸脱することなくその他の特定の形態に含まれ得る。それゆえ、前述の実施態様は、本明細書中に記載の本発明を限定するのではなく、全ての局面の例示であると見なされるべきである。従って、本発明の範囲は、前述の記載よりはむしろ添付の請求の範囲により示され、それゆえ、請求の範囲の等価物の意図および範囲内にある全ての変化は、請求の範囲内に包含されることが意図される。 (配列表)明細書に記載の発明。 【課題】骨欠損、軟骨欠損、および/または骨軟骨欠損を修復するための、改良された骨形成デバイス、およびその使用方法を提供すること。【解決手段】骨欠損および軟骨欠損の修復のための改良された骨形成デバイスおよびそれを使用する方法が本明細書において開示される。このデバイスおよび方法は、当該分野におけるデバイスよりもより少ない骨形成タンパク質を用いて増強された安定性を有する修復組織の加速された形成を促進する。本発明の修復に受容可能である欠損は、重症サイズ欠損、非重症サイズ欠損、非癒合性骨折、骨折、骨軟骨欠損、肋骨下欠損、および離断性骨軟骨炎のような変性疾患から生じる欠損を含むがこれらに限定されない。【選択図】なし配列表


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