タイトル: | 公開特許公報(A)_染料化合物およびこの化合物を製造する方法 |
出願番号: | 2014165432 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | C07D 239/74 |
ジェフリー・エイチ・バニング ボー・ウー ネイサン・スタール スティーブン・ヴィ・ドラッペル JP 2015042639 公開特許公報(A) 20150305 2014165432 20140815 染料化合物およびこの化合物を製造する方法 ゼロックス コーポレイション 596170170 XEROX CORPORATION 特許業務法人YKI国際特許事務所 110001210 ジェフリー・エイチ・バニング ボー・ウー ネイサン・スタール スティーブン・ヴィ・ドラッペル US 13/975,837 20130826 C07D 239/74 20060101AFI20150206BHJP JPC07D239/74 10 OL 16 1.TEFLON 本開示は、ワックス可溶性ペリミジンカップリング剤化合物およびこれを製造する方法に関する。 染料産業において、色原体の電子供与体要素としてペリミジンカップリング剤が使用され、多種多様な染料で使用することができる。このような色原体の例としては、市販の染料、例えば、Solvent Black 3(CI 26150)およびAcetone Acid Blue(CI 20540)が挙げられ、両方ともColour Index中に見出される。 ペリミジンカップリング剤は、一般的に、比較的強い電子供与体である。このように、ペリミジンカップリング剤を使用し、電磁スペクトルの近赤外(NIR)領域(例えば、約700nm〜約1400nmの波長)にラムダマックスが存在するような十分な深色シフトを有する染料を製造することができる。このような染料は、NIRを吸収する染料として知られている。 しかし、市販のペリミジンカップリング剤は、ジメチル突起を有する(1,8−ジアミノナフタレンおよびアセトンの縮合によって調製されるような)。このような染料を、非極性環境、例えば、ワックスに由来する組成物(例えば、ワックスに由来する相変化ホットメルトインク組成物)に可溶性にするのは困難である。十分な溶解度がない染料は、溶液から沈殿し、凝集し、および/または「濁る」ことがあり、これは、染料が溶液から分離し、表面に移動することを意味する。染料が凝集すると、色の鮮やかさが減ることがある。従って、ワックスに由来する組成物への市販のペリミジンの溶解度が低いと、染料の品質が低下し、および/またはワックスに由来する製剤での使用が制限されることがある。 従って、ワックス可溶性ペリミジンカップリング剤は、当該技術分野で望ましい進化であろう。 本開示の一実施形態は、式1のペリミジンカップリング剤に関し、 式中、RおよびR’は、独立して、水素原子、C1〜C4アルキル、または置換または非置換のC10〜C70ヒドロカルビル基を含む可溶化部分からなる群から選択される置換基である。RおよびR’のうち、少なくとも1つは、水素原子でもC1〜C4アルキルでもない。R’’およびR’’’は、独立して、水素原子、C1〜C6アルキル基およびハロゲンからなる群から選択されてもよい。 本開示の別の実施形態は、ペリミジンカップリング剤を製造する方法に関する。この方法は、1,8−ジアミノナフタレンおよび置換または非置換のC10〜C70ヒドロカルビル基を含む少なくとも1種類のカルボニル官能基化された化合物を反応させることを含む。一実施形態では、カルボニル官能基化された化合物は、ステアロンである。一実施形態では、この段落の方法によって製造されるペリミジンカップリング剤は、場合により1個以上のヘテロ原子を含む直鎖、分枝鎖または環状のC10〜C70アルキル基からなる群から選択される少なくとも1種類の置換基を含む。 本開示のさらに別の方法は、ペリミジンカップリング剤を製造する方法に関する。この方法は、1,8−ジアミノナフタレンおよびカルボニル官能基化された化合物を反応させ、置換中間体ペリミジン構造を生成することを含む。置換中間体ペリミジン構造と第2の化合物とを反応させ、C10〜C70ヒドロカルビル置換ペリミジンカップリング剤を生成し、第2の化合物が、C10〜C70ヒドロカルビル置換酸、C10〜C70ヒドロカルビル置換イソシアネート、C10〜C70ヒドロカルビル置換アミンおよびC10〜C70ヒドロカルビル置換アルコールからなる群から選択される。一実施形態では、カルボニル官能基化された化合物は、ヒドロキシアルキル置換カルボニル化合物であり、置換中間体ペリミジン構造は、ヒドロキシアルキル置換ペリミジンであり;第2の化合物は、C10〜C70ヒドロカルビル置換酸およびC10〜C70ヒドロカルビル置換イソシアネートからなる群から選択される。一実施形態では、ヒドロキシアルキル置換カルボニル化合物は、式6の化合物であり、 式中、R1およびR2は、独立して、水素原子、C1〜C4アルキル、ヒドロキシメチルおよびヒドロキシエチルからなる群から選択され、R1およびR2のうち、少なくとも1つは、水素原子でもC1〜C4アルキルでもない。一実施形態では、ヒドロキシアルキル置換ペリミジンをヒドロカルビル置換酸と反応させ、この酸は、式7の化合物であり、 式中、nは、12〜50の範囲の整数である。一実施形態では、nは、15〜25の範囲の整数である。一実施形態では、ヒドロキシアルキル置換ペリミジンをヒドロカルビル置換イソシアネートと反応させ、このイソシアネートは、式8の化合物であり、 式中、nは、10〜50の範囲の整数である。一実施形態では、nは、12〜20の範囲の整数である。 本開示の一実施形態は、式1のペリミジンカップリング剤に関し、 式中、RおよびR’は、独立して、水素原子、C1〜C4アルキル、例えば、メチルまたはエチル、または置換または非置換のC10〜C70ヒドロカルビル基を含む可溶化部分からなる群から選択される置換基であり;RおよびR’のうち、少なくとも1つは、水素原子でもC1〜C4アルキルでもなく;R’’およびR’’’は、独立して、水素原子、C1〜C6アルキル基、ニトロまたはハロゲン、例えば、クロロ基、フルオロ基またはブロモ基からなる群から選択されてもよい。一実施形態では、R’’およびR’’’は、両方とも水素原子である。 RおよびR’の可溶化部分の例は、C10〜C70ヒドロカルビル基、例えば、直鎖、分枝鎖または環状のアルキル;官能基、例えば、カルバメート基、オキシアルキル基、エーテル基、アミド基、アミン基またはカルボキシレート基であってもよく、官能基は、置換または非置換のC10〜C70ヒドロカルビル尾部;またはC10〜C70炭化水素骨格を含むポリマー、例えば、カルボニル置換ポリエチレンまたはポリプロピレンを含む。置換基がヒドロカルビルの望ましい可溶化効果を実現することができる限り、可溶化部分のヒドロカルビル基は、潜在的に、非極性基(例えば、アルキル側鎖)または極性官能基(例えば、カルボニル基)を含む任意の望ましい基で置換することができる。 一実施形態では、RおよびR’の片方または両方がカルバメートエステルである。適切なカルバメートエステル置換基の例としては、式2の基が挙げられ、 式中、R2は、C1〜C4アルキル架橋、例えば、メチレン架橋またはエチル架橋であり、R4は、C12〜C25またはC50アルキルである。一実施形態では、R4は、C15〜C22アルキル、例えば、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシルまたはn−オクタデシルである。 一実施形態では、RおよびR’の片方または両方がカルボン酸エステルである。適切なカルボン酸エステルの例としては、式3の置換基が挙げられ、 式中、R2は、C1〜C4アルキル架橋、例えば、メチレン架橋またはエチル架橋からなる群から選択され、R5は、C12〜C25またはC50アルキルである。一実施形態では、R5は、C15〜C22アルキル、例えば、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシルまたはn−オクタデシルである。 一実施形態では、RおよびR’の片方または両方が、直鎖、分枝鎖または環状のC10〜C70アルキル、例えば、C12〜C25またはC50アルキル、またはC16〜C20アルキルである。一実施形態では、RおよびR’の片方または両方が、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシルおよびn−オクタデシルからなる群から選択される。 一実施形態では、ペリミジンカップリング剤の可溶化部分は、1個以上の置換または非置換の芳香族環、例えば、ベンジルまたはフェニルを含有する基、縮合環部分、例えば、置換ナフタレン、または芳香族ヘテロ環を含有する基を含んでいてもよい。このような芳香族環置換ペリミジン化合物の例を以下の式で示し、 式中、R6は、置換または非置換のヒドロカルビル基、例えば、本明細書に記載する任意の可溶化ヒドロカルビル基であってもよい。一実施形態では、ヒドロカルビル基は、C10〜C25またはC50アルキルである。R’’およびR’’’は、上のように定義される。一実施形態では、R’’およびR’’’は、水素原子である。 ペリミジンカップリング剤を供与体として使用し、NIR、UVおよび可視光スペクトル光を吸収する染料を含む供与体−受容体型の任意の染料を作成することができる。スクアリン酸を用いて作られるNIR染料の例は、同時係属中の米国特許出願第13/975,714号に開示される。他の出願では、ワックス可溶性ペリミジンカップリング剤をアゾ中間体と合わせ、UVおよび可視光を吸収する染料を製造することができる。得られた染料化合物は、ワックスに由来するインク製剤または他の組成物に可溶性であってもよい。 本開示の化合物は、上の式1の構造の化合物を含むが、以下に記載されるように、本開示の合成プロセスによっても作られる他のペリミジンカップリング剤化合物であってもよい。本開示が、式1のものとは異なる任意のカップリング剤を含む、本明細書に記載されるプロセスによって製造される任意のワックス可溶性ペリミジンカップリング剤を包含することを意図している。本開示のワックス可溶性ペリミジンカップリング剤は、10個以上の炭素を含む少なくとも1種類の置換基、例えば、C10〜C70アルキル、C10〜C70カルバミン酸エステル、C10〜C70カルバミド、またはC10〜C70カルボン酸エステルからなる群から選択される置換基を含むと考えられる。 本開示は、ペリミジンカップリング剤化合物を製造する方法にも関する。これらの方法は、少なくとも1種類の可溶化部分、例えば、本明細書に記載する任意の可溶化部分を含むペリミジンカップリング剤を生じる。これらの方法をある程度詳細に記載する。 ワックス可溶性ペリミジンカップリング剤を製造するこのような1つの方法は、1,8−ジアミノナフタレンおよび尾部がケトンまたはアルデヒドのワックス、または他のカルボニル置換長鎖ヒドロカルビル化合物を反応することを含む。カルボニル基を、ナフタレン化合物のアミン基と反応させ、ヒドロカルビル基を可溶化部分として含むペリミジンを生成する。 望ましい可溶化効果を与えるのに十分に長いヒドロカルビル尾部を含む任意の適切なケトンまたはアルデヒドを使用することができる。一実施形態では、ケトンまたはアルデヒドは、式4の化合物であり、 式中、RおよびR’は、独立して、水素原子、C1〜C4アルキル、例えば、メチルまたはエチルまたは置換または非置換のC10〜C70ヒドロカルビル基、例えば、本明細書に記載する10個以上の炭素を含む任意のアルキル基からなる群から選択され、RおよびR’のうち、少なくとも1つは、水素原子でもC1〜C4アルキルでもない。一実施形態では、ケトンは、ステアロンである。 1,8−ジアミノナフタレンおよびケトンまたはアルデヒドを任意の適切な様式で、例えば、バッチプロセスで混合することによって合わせることができる。この反応を無希釈または溶媒中で行ってもよい。適切な溶媒の例としては、トルエンが挙げられる。混合物を加熱し、望ましい縮合反応を与えてもよい。一実施形態では、反応は以下のように進み、副生成物として水を含む。 上の反応でアルデヒドまたはケトンの代わりに使用可能な別のカルボニル置換長鎖ヒドロカルビル化合物の例は、(a)一酸化炭素および(b)1種類以上の短鎖アルケンのコポリマー、例えば、式5のポリマーであり、 式中、mは、1〜8の範囲であり、nは、3以上、例えば、約4〜約25である。式5の適切な化合物の例としては、一酸化炭素およびエチレンおよびプロピレンから選択される少なくとも1種類のモノマーのコポリマーが挙げられる。 代替的な実施形態では、2工程合成経路を使用し、本開示のワックス可溶性ペリミジンカップリング剤を作成する。この代替的なプロセスは、1,8−ジアミノナフタレンおよびヒドロキシアルキル置換カルボニル化合物を反応させ、ヒドロキシアルキル置換ペリミジンを生成することを含む。この反応の第2の工程では、ヒドロキシアルキル置換ペリミジンを、C10〜C70ヒドロカルビル置換酸またはC10〜C70ヒドロカルビル置換イソシアネートからなる群から選択される化合物と反応させ、ペリミジン化合物を生成することができる。一実施形態では、ヒドロカルビル置換イソシアネートは、フェニルイソシアネートである。 ヒドロキシアルキル置換カルボニル化合物は、ケトンおよびアルデヒドからなる群から選択することができる。例えば、ヒドロキシアルキル置換カルボニル化合物は、式6の化合物であってもよく、 式中、R1およびR2は、独立して、水素原子、C1〜C4アルキル、例えば、メチルまたはエチルおよびC1〜C4ヒドロキシアルキル、例えば、ヒドロキシメチルまたはヒドロキシエチルからなる群から選択され、R1およびR2のうち、少なくとも1つは、水素原子でもC1〜C4アルキルでもない。 1,8−ジアミノナフタレンおよびヒドロキシアルキル置換カルボニル化合物を、任意の適切な様式で合わせ、例えば、バッチプロセスで混合することによって、ヒドロキシアルキル置換ペリミジンを生成することができる。縮合反応を進めるのに十分なほど混合物を加熱しつつ、この反応を無希釈または溶媒中で行ってもよい。 ヒドロキシアルキル置換ペリミジン化合物が製造された後、望ましい酸またはイソシアネートと混合し、ペリミジンカップリング剤を生成することができる。一実施形態では、ヒドロキシアルキル置換ペリミジンをC10〜C70ヒドロカルビル置換酸と反応させる。適切な酸の例としては、式7のヒドロカルビル置換カルボン酸化合物が挙げられ、 式中、nは、約10〜約70、例えば、約12〜約50の範囲の整数である。別の実施形態では、nは、約15〜約18の範囲の整数である。 一実施形態では、ヒドロキシアルキル置換ペリミジンをC10〜C70ヒドロカルビル置換イソシアネートと反応させる。適切なイソシアネートの例としては、式8の化合物が挙げられ、 式中、nは、約10〜約70、例えば、約12〜約50の範囲の整数である。別の実施形態では、nは、約15〜約18の範囲の整数である。 カルバメート置換ペリミジンを生成するためのイソシアネート反応の例としては、以下のものが挙げられる。 上述のヒドロカルビル置換カルボン酸およびヒドロキシアルキル置換ペリミジンの反応の例としては、以下のものが挙げられる。 上の反応A1〜A4のために、R1、R2、R4、R5、R’’およびR’’’は、式1、2および3について上に記載したように定義することができる。別の実施形態では、R1は、水素原子、メチルまたはエチルからなる群から選択され;R2は、メチレン架橋またはエチル架橋から選択され;R’’およびR’’’は、式1について上のように定義され;R4およびR5は、C15〜C22アルキル、例えば、n−ヘプタデシルまたはn−オクタデシルである。反応を任意の適切な溶媒中で行ってもよい。ある場合には、当業者によって理解されるように、触媒を使用し、および/または反応させるために熱を使用することが望ましいだろう。 本開示のペルミジンカップリング剤を生成するためのさらに他のプロセスは、アミド交換またはエステル交換の経路を含んでいてもよい。いずれかの場合に、このプロセスの第1の工程によって、短鎖カルボキシレート置換ペリミジン中間体を与えることができる。このような中間体を作成するための経路の一例は、以下の反応F1によって示されるように、ジアルキルメソキサレートと1,8 ジアミノナフタレンとを反応させることを含む。 上の反応では、R1は、C1〜C4アルキル基、例えば、メチルまたはエチルであり;R’’およびR’’’は、式1の化合物について上のように定義される。適切なジアルキルメソキシレートの一例は、ジエチルメソキサレートであり、Product No.M0866として、ポートランド、オレゴンのTCI−Chemicalsから市販されている。 一実施形態では、以下の反応F2に示されるように、中間体のアミド交換を行い、−OR1基を−NHR8基と置き換え、置換ペリミジンカップリング剤を作成することができる。R8基は、置換または非置換のC10〜C70ヒドロカルビル、例えば、本明細書に記載する10個以上の炭素を含む任意のアルキル基であってもよい。 別の実施形態では、以下の反応F3で示されるように、F1で作られる中間体のエステル交換を行い、−OR1基を−OR8基と置き換え、カルボキシレート置換ペリミジンカップリング剤を作成してもよい。R8基は、置換または非置換のC10〜C70ヒドロカルビル、例えば、本明細書に記載する10個以上の炭素を含む任意のアルキル基であってもよい。 (比較例) 100mLフラスコにTeflonコーティングした攪拌磁石を入れ、これに20.9gの1,8−ジアミノナフタレン(H.O.Houseら、J.Org Chem.1972、v37 n7、p.1003の手順に従って調製)および大過剰のアセトン(56g)を入れ、室温で約65時間攪拌した。次いで、アセトンを、固体生成物のみが残るまで、フラスコに窒素を流すRT蒸留プロセスによって除去した。次いで、薄層クロマトグラフィー(TLC−移動相としてトルエンを用いる順相シリカ)を反応生成物について行い、出発物質(アセトンまたは1,8−ジアミノナフタレン)は観察されなかった。生成物のIRスペクトルを作成し、ピークは、予想した結果に対応しており、上に示す構造であると考えられる(モデル化合物)。 (実施例1:2,3−ジヒドロ−2,2−ジステアリルペリミジンを調製) 1000mLの3ッ口24/40丸底フラスコに、2つの口にストッパーを取り付け、中央の口に凝集器を備えたDean−Starkトラップを取り付け、Teflonコーティングした攪拌磁石を入れ、これに、80グラムのステアロン(市販のサンプルを使用したが、ステアロンの調製についてORG SYN coll.vol 4 p854を参照)、27.5グラムの1,8−ジアミノナフタレン(H.O.Houseら、J.Org Chem.1972、v37 n7、p.1003の手順に従って調製)(わずかに過剰をあらわす)を入れ、0.1グラムのPTSAおよび約170グラムのトルエンを入れた。反応容器を130℃のシリコーン油浴に入れ、反応混合物を約16時間環流させた。Dean−Starkトラップを用い、水をトルエンとともに集めた。次いで、薄層クロマトグラフィー(TLC−移動相としてトルエンを用いる順相シリカ)を反応生成物について行い、出発物質のステアロンは観察されないが、過剰量で行うとき、ある程度の1,8−ジアミノナフタレンが観察された。反応混合物を、400mLのメタノールが入った1リットルビーカーに注ぎ、攪拌した。次いで、固体生成物を減圧濾過(すなわち、Buchner漏斗)によって集め、集めた固体を乾燥させた。次いで、精製した生成物について薄層クロマトグラフィー(TLC−移動相としてトルエンを用いる順相シリカ)を行い、出発物質(ステアロンまたは1,8−ジアミノナフタレン)は観察されなかった。生成物のIRスペクトルを作成し、ピークは、予想した結果に対応しており、以下に示す構造であると考えられる(2,3−ジヒドロ−2,2−ジステアリルペリミジン)。 (実施例2:2,3−ジヒドロ−2−メチル−2−ヒドロキシエチルペリミジンの調製) 100mLフラスコにTeflonコーティングした攪拌磁石を入れ、これに33.4グラムの4−ヒドロキシ−2−ブタノンおよび20グラムの1,8−ジアミノナフタレンを加えた。反応容器を70℃のシリコーン油浴に入れ、攪拌を開始した。約3時間後、サンプルを採取し、薄層クロマトグラフィー(重量比で90/10 MeOH/トルエンを移動相としてトルエンを用いる順相シリカ)を反応生成物について行い、出発反応剤は観察されなかった。反応生成物を、300mLのDI水が入った1Lビーカーに注いだ。固体が析出し、減圧濾過(すなわち、Buchner漏斗)によって集め、減圧オーブン中で乾燥させた。生成物のIRスペクトルを作成し、ピークは、予想した結果に対応しており、以下に示す構造であると考えられる(2,3−ジヒドロ−2−メチル−2−ヒドロキシエチルペリミジン)。約24.9gの生成物を得て、収率86%をあらわす。 (実施例3:ポリマーペリミジン) 1000mLの3ッ口24/40丸底フラスコに、2つの口にストッパーを取り付け、中央の口に凝集器を備えたDean−Starkトラップを取り付け、Teflonコーティングした攪拌磁石を入れ、これに、50グラムのエチレン−一酸化炭素コポリマーおよび200グラムのキシレンを加え、混合物を140℃シリコーン油浴にいれ、ポリマーが溶解するまで攪拌した。約5.0グラムの1,8−ジアミノナフタレン(モル過剰のポリマーカルボニルを用いる)を加え、溶解するまで加熱して攪拌した。次いで、反応混合物を約16時間環流させた。Dean−Starkトラップを用い、水をトルエンとともに集めた。次いで、薄層クロマトグラフィー(重量比で90/10 MeOH/トルエンを移動相としてトルエンを用いる順相シリカ)を反応生成物について行い、出発物質の1,8−ジアミノナフタレンは観察されなかった。キシレンを留去し、溶融した生成物をアルミニウムトレーに注ぎ、固化させた。生成物のIRスペクトルを作成し、ピークは、予想した結果に対応しており、以下に示す構造であると考えられる(カルボニルのすべてがペリミジンに変換されていないポリマーペリミジン)。 式1のペリミジンカップリング剤。 〔式中、RおよびR’は、独立して、水素原子、C1〜C4アルキル、または置換または非置換のC10〜C70ヒドロカルビル基を含む可溶化部分からなる群から選択される置換基であり、RおよびR’のうち、少なくとも1つは、水素原子でもC1〜C4アルキルでもなく;R’’およびR’’’は、独立して、水素原子、C1〜C6アルキル基およびハロゲンからなる群から選択されてもよい。〕 RおよびR’の可溶化部分は、場合により1個以上のヘテロ原子を含むC10〜C70直鎖、分枝鎖または環状アルキル基;置換または非置換のC10〜C70ヒドロカルビル尾部を有するオキシアルキル;置換または非置換のC10〜C70ヒドロカルビル尾部を有するエーテル;置換または非置換のC10〜C70ヒドロカルビル尾部を有するカルバメート;置換または非置換のC10〜C70ヒドロカルビル尾部を有するアミド;置換または非置換のC10〜C70ヒドロカルビル尾部を有するアミン;置換または非置換のC10〜C70ヒドロカルビル尾部を有するカルボキシレート;およびC10〜C70炭化水素骨格を含むポリマーからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。 RおよびR’のうち、少なくとも1つが、式2の置換基 であり、R2は、メチレンおよびエチルの架橋からなる群から選択され、R4は、C12〜C50アルキルである、請求項1に記載の化合物。 RおよびR’のうち、少なくとも1つが、式3の置換基 であり、R2は、メチレンおよびエチルの架橋からなる群から選択され、R5は、C12〜C50アルキルである、請求項1に記載の化合物。 RおよびR’が両方ともC12〜C50アルキルである、請求項1に記載の化合物。 ペリミジンカップリング剤を製造する方法であって、この方法は、1,8−ジアミノナフタレンおよび置換または非置換のC10〜C70ヒドロカルビル基を含む少なくとも1種類のカルボニル官能基化された化合物を反応させることを含む、方法。 カルボニル官能基化された化合物が、式4の化合物 であり、式中、RおよびR’は、独立して、水素原子、C1〜C4アルキルまたはC10〜C70アルキルからなる群から選択され、RおよびR’のうち、少なくとも1つは、水素原子でもC1〜C4アルキルでもない、請求項6に記載の方法。 ペリミジンカップリング剤を製造する方法であって、この方法は、 1,8−ジアミノナフタレンおよびカルボニル官能基化された化合物を反応させ、置換中間体ペリミジン構造を生成することと; 置換中間体ペリミジン構造と第2の化合物とを反応させ、C10〜C70ヒドロカルビル置換ペリミジンカップリング剤を生成することとを含み、第2の化合物が、C10〜C70ヒドロカルビル置換酸、C10〜C70ヒドロカルビル置換イソシアネート、C10〜C70ヒドロカルビル置換アミンおよびC10〜C70ヒドロカルビル置換アルコールからなる群から選択される、方法。 カルボニル官能基化された化合物は、ヒドロキシアルキル置換カルボニル化合物であり、置換中間体ペリミジン構造は、ヒドロキシアルキル置換ペリミジンであり; 第2の化合物は、C10〜C70ヒドロカルビル置換酸およびC10〜C70ヒドロカルビル置換イソシアネートからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。 C10〜C70カルバメートエステル、C10〜C70カルボン酸エステルおよびC10〜C70アミドからなる群から選択される少なくとも1種類の置換基を含む、請求項8に記載の方法によって製造されるワックス可溶性ペリミジンカップリング剤。 【課題】ワックス可溶性ペリミジンカップリング剤化合物および製造方法の提供。【解決手段】式(1)で表わされるペリミジンカップリング剤。(R及びR’は独立して、H、C1〜C4アルキル、又は置換若しくは非置換のC10〜70ヒドロカルビル基を含む可溶化部分から選択される置換基;R及びR’のうち、少なくとも1つは、HでもC1〜C4アルキルでもない;R’’及びR’’’は独立して、H、C1〜C6アルキル基及びハロゲン)【選択図】なし