生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_スティック状のリップクリーム
出願番号:2014115341
年次:2015
IPC分類:A61K 8/31,A61Q 1/06


特許情報キャッシュ

磯久 太郎 JP 2015229637 公開特許公報(A) 20151221 2014115341 20140604 スティック状のリップクリーム 株式会社ケイエスシー 514141385 久留 徹 100111349 磯久 太郎 A61K 8/31 20060101AFI20151124BHJP A61Q 1/06 20060101ALI20151124BHJP JPA61K8/31A61Q1/06 3 1 OL 5 4C083 4C083AC011 4C083AC012 4C083CC13 4C083DD11 本発明は、唇に塗布されるリップクリームに関するものであり、より詳しくは、刺激性を少なくした際に、折れなどを生じないようにしたものである。 一般的に、リップクリームは、唇の乾燥を防ぐことを主目的として使用されるものであって、ミツロウ、ワセリン、ラノリン、メントール、ショウノウなどに対して、香料やビタミン、ミョウバン、サリチル酸、アスピリン、ココアバター、アロエベラなどを加えて作られている。また、近年では、これに使用感や付着の良さ、一回の塗布量の適正化、色合いなどを考慮して種々の成分を含有させるようにしたリップクリームが提案されている。 これらのリップクリームのうち、例えば、下記の特許文献1には、(A)炭化水素ワックスを1〜20重量パーセント、(B)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)を1〜20重量パーセント、(C)高級アルコールを0.1〜5重量パーセント、(D)イソステアリン酸とジグリセリルとのエステルを5〜40重量パーセント、(E)30μm以下の有機粉体を1〜20重量パーセント、(F)その他、動物油、植物油、合成油起源の固形油、半固形油、液体油などの性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、工科油類、エステル油類、脂肪酸類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類などを添加させるようにしたものが開示されており、これによって、軽くなめらかな使用感や、均一な化粧膜、唇への付着性、化粧膜の持続性などの効果を得られるようにしている。特開2013−121945号公報 しかしながら、従来の一般的なリップクリームのうち、メントールなどを含んでいるものは、唇への刺激性があるばかりでなく、また、リンゴ酸ジイソステアリルなどの保湿剤や、イソステリアリン酸グリセリルなどの界面活性剤、ジグリセリルオリゴエステルなどの油剤、パラベンなどの防腐剤を含んでいる場合は、それらの成分比率が高くなるとと、人によってはアレルギーを引き起こさせてしまう場合があった。一方、これらの刺激性のある成分を含有しないようにすると、皮膚への刺激性などはなくなるが、今度は逆に、繰り出し時に折れ等を生じる可能性があり、また、経年変化によって変色や分離を生じやすかった。 そこで、本発明は上記課題を解決するために、刺激性やアレルギー性を引き起こさせる成分を除去するとともに、繰り出し時における折れを防止できるようにしたリップクリームを提供することを目的とする。 すなわち、本発明は上記課題を解決するために、スティック状に成型されるリップクリームにおいて、(a)ワセリンを90〜92重量パーセントと、(b)合成ワックスを8〜10重量パーセントとを含有し、当該(a)および(b)の成分の合計が100重量パーセントとなるようにしたものである。 また、このような発明において、前記合成ワックスとして、フィッシャートロプシュワックスを用いるようにする。 さらに、前記ワセリンとして、クロラータムを使用する。 本発明では、スティック状に成型されるリップクリームにおいて、(a)クロラータムなどのワセリンを90〜92重量パーセントと、(b)フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックスを8〜10重量パーセントとを含有し、当該(a)および(b)の成分の合計が100重量パーセントとなるようにしたので、唇への刺激性やアレルギー性を低減することができるとともに、スティックの繰り出し時における折れを防止することができるようになる。本実施の形態におけるワセリンの製造工程を示す図 以下、本発明の一実施の形態について説明する。 この実施の形態におけるリップクリームは、スティック状に成型されて回転部材を回転させながら繰り出せるようにしたものであって、(a)ワセリンを90〜92重量パーセントと、(b)合成ワックスを8〜10重量パーセントとを含有し、当該(a)および(b)の成分の合計が100重量パーセントとなるようにしたものである。そして、このように二種類の成分のみを含有させることによって、唇への低刺激性を確保するとともに、スティックの繰り出し時における折れなどを防止できるようにしたものである。以下、本実施の形態におけるリップクリームの成分について詳細に説明する。 (a)合成ワックス 合成ワックスは、リップクリームをスティック形状に保つために固化させる役割を果たすものであって、一般的には、天然ワックスや合成ワックスなどが存在する。このうち、天然ワックスには、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋などの動物系ワックス、モンタンワックスなどの鉱物系ワックスなどが存在するが、これらの天然ワックスの中には、黄色もしくは茶色となる不純物が含まれているため、これらの不純物によってかぶれを生じてしまう可能性がある。そこで、ここでは不純物を可能な限り含まない純度の高いフィッシャートロプシュワックスを用いる。 このフィッシャートロプシュワックスは、フィッシャートロプシュ法によって精製される合成の炭化水素ワックスである。このようなフィッシャートロプシュワックスとしては、例えば、SASOLWAX C80、SASOLWAX H1(SASOL社製)、CIREBELLE108、CIREBELLE109L、CIREBELLE303(CIREBELLE社製)等の市販品を使用することができ、融点が70〜120℃のものであると、常温の環境下でも適度な固さを確保することができるというメリットがある。また、このフィッシャートロプシュワックスの成分比率としては、成分比率が多すぎると固化しすぎてスティックに折れを生じてしまい、一方、成分比率が少なすぎると柔らかくなりすぎてスティック形状を保てなくなってしまう。このため、好ましくは8重量パーセント〜10重量パーセントの割合でフィッシャートロプシュワックスを含有させる。 (b)ワセリン ワセリンは、リップクリームに保湿力を持たせるようにしたものであって、石油から得られた炭化水素類の混合物を脱色して精製された分岐鎖を有するパラフィンや脂環式炭化水素(シクロパラフィン、ナフテン)を含むものである。 このようなワセリン(白色ワセリン)を使用する場合、防腐効果を高めるために純度の高いワセリンとしてクロラータムを使用するようにしている。一般的にワセリンを製造する場合、図1に示すように、原料油脂に対してリン酸を加えて脱ガム処理を施し、その後、水酸化カリウムを加えて脱酸処理を行う。そして、活性炭や白土を加えて脱色し、脱ロウ処理や脱臭処理を行って濾過してワセリンを製造するが、これでは純度の高いワセリンを精製することができない。このため、この実施の形態では、クロラータムを製造するに際して、原油油脂に対してカラム吸着精製を行う。 このカラム吸着精製では、極性成分の除去や、色相、臭いなどの改良を行い、過酸化物および酸化分解物の除去、殺虫剤、ノニルフェノール類の除去を行う。そして、その後、濾過処理を行ってクロラータムを抽出する。このような製法で得られたクロラータムを用いれば、防腐剤を使用しなくても唇への低刺激性を確保しつつ品質を保つことが可能になる。このようなワセリンとしては、含有成分が高すぎればスティック形状を保てなくなるため、ここでは90重量パーセント〜92重量パーセントの範囲内で含有させ、フィッシャートロプシュワックスとで合計100重量パーセントとなるようにする。すなわち、フィッシャートロプシュワックスとワセリン(クロラータム)の二種類の成分のみを含有させて、それ以外の成分を含ませないようにする。 このような成分によってリップクリームを構成すれば、唇への低刺激性を実現することが可能になるとともに、スティック状に成型した場合であっても折れなどを改善することができるようになる。また、含有成分を二種類のみにすることにより、アレルギー性接触皮膚炎の可能性を低減することができるようになるとともに、二成分とも純度の高いものを使用することにより、防腐剤や界面活性剤を使用することなく商品化を行うことが可能となった。 次に、ワセリンと混合するワックスを種々変更して実験した際の実験データを表1に説明する。 下記の実験における比較例は、同じワセリンに対してワックスを「マイクロクリスタリンワックス」、「カルナウバロウ」「キャンデリラロウ」に変更し、同じ条件で繰り出し時の折れの有無を検証したものである。比較例においては、ワックスの成分比率を91.5重量パーセント、ワセリンの成分比率を8.5重量パーセントとしている。 下記の実験例から分かるように、フィッシャートロプシュワックス以外のワックスでは繰り出し時における折れを生じてしまうことが分かり、フィッシャートロプシュワックスでは折れを生じないことが分かった。 また、クロラータムとフィッシャートロプシュワックスを上記成分比率で配合したところ、他のワセリンやワックスと使用した場合と比べて、変色や分離を生じにくいことが分かった。スティック状に成型されるリップクリームにおいて、(a)ワセリンを90〜92重量パーセントと、(b)合成ワックスを8〜10重量パーセントと、そ含有し、上記(a)および(b)の成分の合計が100重量パーセントとなるようにしたことを特徴とするリップクリーム。前記合成ワックスが、フィッシャートロプシュワックスである請求項1に記載のリップクリーム。前記ワセリンが、クロラータムである請求項1に記載のリップクリーム。 【課題】刺激性やアレルギー性を引き起こさせる成分を除去するとともに、繰り出し時における折れを防止できるようにしたリップクリームを提供する。【解決手段】スティック状に成型されるリップクリームにおいて、(a)クロラータムなどのワセリンを90〜92重量パーセントと、(b)フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックスを8〜10重量パーセントとを含有し、当該(a)および(b)の成分の合計が100重量パーセントとなるようにする。そして、このように含有成分を二種類のみにすることにより、アレルギー性接触皮膚炎の可能性を低減することができるようにする。【選択図】図1


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