タイトル: | 公開特許公報(A)_OPHのAGEs分解活性増強剤 |
出願番号: | 2014108498 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 36/28,A61K 36/73,A61K 36/18,A61K 36/53,A61P 43/00,A61K 8/97,A61Q 19/00,A61P 17/00,A61P 35/00,A61P 9/12,A61P 9/10,A61P 25/28,A23L 1/30 |
八木 雅之 米井 嘉一 篠田 和利 JP 2015224201 公開特許公報(A) 20151214 2014108498 20140526 OPHのAGEs分解活性増強剤 学校法人同志社 503027931 株式会社アンチエイジングコミュニケーション 506164198 株式会社ひかわ 505049582 工藤 一郎 100109553 八木 雅之 米井 嘉一 篠田 和利 A61K 36/28 20060101AFI20151117BHJP A61K 36/73 20060101ALI20151117BHJP A61K 36/18 20060101ALI20151117BHJP A61K 36/53 20060101ALI20151117BHJP A61P 43/00 20060101ALI20151117BHJP A61K 8/97 20060101ALI20151117BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20151117BHJP A61P 17/00 20060101ALI20151117BHJP A61P 35/00 20060101ALI20151117BHJP A61P 9/12 20060101ALI20151117BHJP A61P 9/10 20060101ALI20151117BHJP A61P 25/28 20060101ALI20151117BHJP A23L 1/30 20060101ALI20151117BHJP JPA61K35/78 TA61K35/78 HA61K35/78 CA61K35/78 QA61P43/00 111A61K8/97A61Q19/00A61P17/00A61P35/00A61P9/12A61P9/10 101A61P25/28A23L1/30 B 7 1 OL 7 特許法第30条第2項適用申請有り 刊行物名 「第14回日本抗加齢医学会総会 プログラム・抄録」 発行所 日本抗加齢医学会 発行日 平成26年5月19日 4B018 4C083 4C088 4B018MD48 4B018MD53 4B018ME10 4B018MF01 4C083AA111 4C083BB51 4C083CC03 4C083EE12 4C088AB12 4C088AB26 4C088AB38 4C088AB51 4C088AB99 4C088NA14 4C088ZA16 4C088ZA42 4C088ZA45 4C088ZA89 4C088ZB26 4C088ZC01 本発明は、酸化蛋白質を分解する生体内酵素である酸化蛋白質分解酵素(oxidized protein hydrolase:OPH)のAGEs分解作用を活性化させる「OPHのAGEs分解活性増強剤」、及び、「OPHのAGEs分解活性増強剤を含有する飲食品や医薬品」などに関する。 生体内での蛋白質糖化反応が皮膚老化、認知症、癌、高血圧、動脈硬化症などの加齢による機能低下や疾病に関与していることが明らかになっている。例えば、糖化反応により蛋白質は褐変化するが、これにより、肌などにくすみが生じることになる。このような加齢により生じる疾病や機能低下をもたらす要因となる糖化反応を阻害するための研究が種々行われている(特許文献1)。また、蛋白質の糖化反応により生じる最終生成物であるAGEs(Advanced Glycation End Products)を分解することについての研究も行われている(特許文献2)。 本発明者らはAGEsを分解する作用が、酸化蛋白質を分解する酵素であるOPHに備わることを明らかにした。そして、OPHのAGEs分解作用を増強させる植物抽出物を見出すことができた(特願2012−277209号など)。特許第4195840号公報特開2007−119373号公報 本発明においては、OPHのAGEs分解活性を増強し得る材料をさらに示すことを課題とする。 上記課題を解決するための手段として、以下の発明などを提供する。すなわち、第一の発明として、チコリ、メイグイ、サラシア、シソ葉、ドクダミの抽出物を1種類以上含み、酸化蛋白質分解酵素(OPH)のAGEs分解活性を増強する「OPHのAGEs分解活性増強剤」を提供する。 第二の発明として、第一の発明に記載の「OPHのAGEs分解活性増強剤」を含有する飲食品、健康食品、食品添加物、医薬品、医薬部外品、化粧品を提供する。 本発明により、OPHのAGEs分解活性を増強する「OPHのAGEs分解活性増強剤」を提供することが可能となる。各サンプルのAGEs分解活性増強率の測定結果を示す図 以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、これらの実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。<実施形態><概要> 本実施形態は、OPHのAGEs分解作用活性について、コントロール(サンプル無添加)と比較して、増強作用が試験によって認められた植物の抽出物を含むOPHのAGEs分解活性増強剤を提示する。<構成> 本実施形態に係るOPHのAGEs分解活性増強剤は、チコリ、メイグイ、サラシア、シソ葉、ドクダミの抽出物を1種類以上含む。ここに挙げられた5種の植物抽出物それぞれは、後述するOPHのAGEs分解活性増強作用の測定試験を行った38種サンプルの中で、サンプルを添加しないコントロールに対して優れたAGEs分解活性増強作用が認められたものである。 「OPH」は、生体組織中に広く分布する生体内酵素であり、酸化蛋白質を優先的に分解するセリンプロテアーゼの一種であり、蛋白質のN末端アシル化アミノ酸を遊離する酵素であるアシルアミノ酸遊離酵素(Acylamino−acid−releasing enzyme:AARE)として知られている。 本実施形態における抽出物は、植物のどの部位から抽出したものであってもよく、例えば、全草、花、種子、果実、枝、茎、樹皮、根などから抽出したものであってよい。また、抽出物の性状を限定するものではない。以下に、本実施形態で用いられる植物を説明する。 「チコリ」(Cichorium intybus)は、キク科キクニガナ属の植物であり、菊苣とも称される。サンプルとして、乾燥させたチコリの根を原料とする茶外茶であるチコリ茶を用いた。なお、茶外茶とは、チャノキ以外の植物の葉、芽、花、樹皮、根などを材料として水又は湯を注ぎ抽出した飲料のことをいう。 「メイグイ」は、バラ科バラ属の植物であるハマナス(Rosa rugosa)の中国名である。サンプルとして、メイグイの花のつぼみを乾燥させたものを原料とする茶外茶であるメイグイ茶を用いた。 「サラシア」は、ニシキギ科サラシア属の植物であり、この属には、サラシア・オブロンガ(Salacia oblonga)、サラシア・レティキュラータ(Salacia reticulata)などがある。サンプルとして、サラシア・レティキュラータの根や地下茎を原料とする茶外茶であるサラシア茶を用いた。なお、サラシア・オブロンガはインド産やブラジル産のものが知られており、サラシア・レティキュラータはスリランカ産のものが知られている。いずれのサラシアも基本的な性質は同様であるが、サラシア・レティキュラータの方が、糖尿病予防などについての効能がより高いと言われることがある。 「シソ」は、シソ科シソ属の植物であり、この属には、アオジソ(Perilla frutescens var. crispa f. viridis)、アカジソ(Perilla frutescens var. crispa f. purpurea)などがある。サンプルとして、アカジソの葉を原料とする茶外茶であるシソ葉茶を用いた。 「ドクダミ」(Houttuynia cordata)は、ドクダミ科ドクダミ属の植物である。サンプルとして、ドクダミの葉や茎を乾燥させたものを原料とする茶外茶であるドクダミ茶を用いた。 上述した5種の植物抽出物を含有するOPHのAGEs分解活性増強剤は、これを含有する飲食品、健康食品、食品添加物、医薬品、化粧品、医薬部外品などとして応用することが可能である。例えば、本実施形態の医薬品や医薬部外品とする場合には、OPHのAGEs分解活性増強剤を粉体や粒体としカプセルに充填したり、あるいは、賦形剤、結合剤、崩壊剤などを添加して打錠機等を用いて錠剤としてもよい。また、食品添加物や健康食品とする場合には、医薬品などのようにカプセルや錠剤のような形態で提供してもよいし、飲料、調味料、菓子等の各種の食品にOPHのAGEs分解活性増強剤を添加した態様で提供することもできる。また、利用者が水や湯を注ぐことで喫飲可能となるように製造されたものも飲食物に含まれる。<試験> 本試験は、38種の植物由来の健康茶を対象として、OPHのAGEs分解活性増強作用の測定するものである。サンプル調製及び試験方法、結果などについて以下に詳述する。 (1)サンプルの調製 各乾燥サンプル3.75gを恒温水槽中で80℃に加温した蒸留水150mL中に加えて1時間インキュベートした。その後、抽出液を4500rpmで15分間遠心分離して上清を回収し、サンプル抽出液とした。 (2)AGEs分解活性増強作用の測定 OPHの反応基質としてはAGE‐HAS(AGE化したヒト血清アルブミン)を調製した。すなわち100mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4) 25mL、2mol/Lグルコース(Glc)5mL、40mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)10mL、蒸留水10mLを混合し、60°Cで40時間インキュベートした。同様にOPHの反応基質としてAGE‐Collagen(AGE化したコラーゲン)を調整した。 OPHとしてはアシルアミノ酸遊離酵素AARE(タカラバイオ株式会社)を使用した。AARE酵素(0.5U/mL)は、AARE酵素0.5U(U:酵素活性の単位)を入れたチューブに250mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液(酵素の付属品)の5倍希釈溶液を1mL入れ攪拌して作製した。 AGE‐HASを反応基質とした際の反応液を、以下の表1に基づいて4種(反応液A−D)調製し、それぞれ37°Cで18時間インキュベートした。また、AGE‐Collagenを反応基質とした際の反応液についても、以下の表2に基づいて4種(反応液A−D)調製し、それぞれ37°Cで18時間インキュベートした。 インキュベート終了後は、反応液をそれぞれ96ウェルマイクロプレート(黒)に200μL添加し、マイクロプレートリーダーで励起波長370nm、検出波長440nmにおけるAGEs由来蛍光を測定した。 各反応液の蛍光値は、5μL/mLの0.1N硫酸キニーネ水溶液の測定値を1000とした時の相対値を算出した。OPHのAGEs分解活性増強率は、各反応液の蛍光値を下記の式1に当てはめて求めた。(式1)AGEs分解活性増強率(%)={1−(A−C−D)÷(B−C)}×100 (3)結果 AGEs分解活性増強率の測定結果を図1に示す。図示するように、チコリ、メイグイ、サラシア、シソ葉、ドクダミの抽出物について、AGE−HASとAGE−Collagenのいずれに対してもOPHのAGEs分解活性増強作用が認められた。<実施形態 効果> チコリ、メイグイ、サラシア、シソ葉、ドクダミの抽出物のいずれか1種類以上を含有させることにより、OPHのAGEs分解を活性化する「OPHのAGEs分解活性増強剤」を提供することが可能となる。 チコリ、メイグイ、サラシア、シソ葉、ドクダミの抽出物を1種類以上含み、酸化蛋白質分解酵素(OPH)のAGEs分解活性を増強するOPHのAGEs分解活性増強剤。 請求項1に記載のOPHのAGEs分解活性増強剤を含有する飲食品。 請求項1に記載のOPHのAGEs分解活性増強剤を含有する健康食品。 請求項1に記載のOPHのAGEs分解活性増強剤を含有する食品添加物。 請求項1に記載のOPHのAGEs分解活性増強剤を含有する医薬品。 請求項1に記載のOPHのAGEs分解活性増強剤を含有する化粧品。 請求項1に記載のOPHのAGEs分解活性増強剤を含有する医薬部外品。 【課題】酸化蛋白質を分解する酵素であるOPHの蛋白質の糖化反応による最終生成物であるAGEsに対する分解活性を増強するOPHのAGEs分解活性増強剤を提供することを課題とする。【解決手段】上記課題を解決するために、チコリ、メイグイ、サラシア、シソ葉、ドクダミの抽出物を1種類以上含み、酸化蛋白質分解酵素(OPH)のAGEs分解活性を増強するOPHのAGEs分解活性増強剤及びOPHのAGEs分解活性増強剤を含有する飲食品などを提供する。【選択図】図1