タイトル: | 公開特許公報(A)_潤滑油組成物及び製造ラインの管理方法 |
出願番号: | 2014100817 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | C10M 133/44,G01N 21/64,D06H 3/08 |
菅原 常年 別府 幸治 JP 2015218202 公開特許公報(A) 20151207 2014100817 20140514 潤滑油組成物及び製造ラインの管理方法 JX日鉱日石エネルギー株式会社 000004444 長谷川 芳樹 100088155 黒木 義樹 100113435 清水 義憲 100128381 平野 裕之 100169454 菅原 常年 別府 幸治 C10M 133/44 20060101AFI20151110BHJP G01N 21/64 20060101ALI20151110BHJP D06H 3/08 20060101ALI20151110BHJP JPC10M133/44G01N21/64 ZD06H3/08 5 1 OL 32 2G043 3B154 4H104 2G043AA01 2G043BA17 2G043CA03 2G043EA01 3B154AB01 3B154AB18 3B154BA53 3B154BC42 3B154CA22 3B154CA25 3B154CA29 3B154DA13 3B154DA28 4H104BE29C 本発明は潤滑油組成物及び製造ラインの管理方法に関し、特に紡績機、織機又は編み機などの、潤滑油を含む薬剤類による汚染を嫌う製品の製造装置で使用される潤滑油組成物、ならびに該潤滑油組成物を用いた製造ラインの管理方法に関する。 紡績機、織機又は編み機による繊維、織物、ニット製品などの製造ラインにおいて、各部に潤滑油が使用されている。このような製造ラインにおいて、潤滑油が漏洩・飛散などして製品を汚染・汚損することがある。そのため、従来、潤滑油に蛍光染料を添加し、ブラックライトの紫外線を照射して可視光を発光させ、汚染を可視化して製品管理する方法が行われている。 また、繊維、織物、ニット製品等の偽造防止のために、織ラベルとして蛍光繊維が織り込まれた製品が開発されている(例えば、特許文献1)。 さらに、食品や化粧品関連製品の製造装置あるいは塗装ラインにおいても、潤滑油による製品の汚染は避けなければならない。そのため、汚染物の可視化管理が求められている。特開2007−92254号公報 本発明者の知見によれば、紡績機、織機あるいは編み機による繊維、織物及びニット製品の製造ラインなど多くの製造ラインにおいては、潤滑油の他に消臭剤、ホルマリンなど合成化学薬品の複数の汚染源がある。そのため、ブラックライトの照射により潤滑油が発光すると、潤滑油以外の汚染源を見分けることが困難になる。 また、ブラックライトの照射により潤滑油が発光すると、織ラベルとして蛍光繊維が織り込まれた製品の管理にも支障がある。 さらに、複数の潤滑油を用いている場合には、汚染源を1つの潤滑油に特定することが難しい。 本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、潤滑油以外の汚染源(薬品等)による汚染の管理を容易にする製造ラインの管理方法及び潤滑油組成物を提供することにある。 本発明は、上記の課題を解決するために、下記[1]及び[2]に示す製造ラインの管理方法、並びに下記[3]〜[5]に示す潤滑油組成物を提供する。[1]基油及び紫外線吸収剤を含有し、且つ、ブラックライトにより紫外線を照射したときに可視光を発光しない潤滑油組成物を用意する工程と、 潤滑油が使用される製造ラインにおいて、前記潤滑油組成物を用い、紫外線に対して発光性を有する物質による製品の汚染、汚損又は劣化を、該製品に紫外線を照射して看視する工程と、を備える製造ラインの管理方法。[2]前記紫外線吸収剤が、分子内に芳香族構造を含有し、且つ、芳香族構造を構成する原子を含む11以上の原子が共役している構造を有する化合物であり、 前記潤滑油組成物が前記化合物を潤滑油組成物全量基準で0.005質量%以上含有する、[1]に記載の製造ラインの管理方法。[3]基油及び紫外線吸収剤を含有し、且つ、ブラックライトにより紫外線を照射したときに可視光を発光しない潤滑油組成物。[4]前記紫外線吸収剤が、分子内に芳香族構造を含有し、且つ、芳香族構造を構成する原子を含む11以上の原子が共役している構造を有する化合物であり、 前記潤滑油組成物が前記化合物を潤滑油組成物全量基準で0.005質量%以上含有する、[3]に記載の潤滑油組成物。[5]紡績機、織機、編み機、食品もしくは化粧品関連製品の製造装置又は塗装ラインの潤滑に使用される、[3]又は[4]に記載の潤滑油組成物。 本発明の製造ラインの管理方法及び潤滑油組成物は、潤滑油以外の汚染源(薬品等)による汚染の管理を容易に行うことが出来る、という優れた効果を有する。 例えば、本発明によれば、紡績機、織機あるいは編み機による繊維、織物及びニット製品の製造ラインなど多くの製造ラインにおいて、消臭剤、ホルマリンなど合成化学薬品等の複数の汚染源を検出し製造管理することができる。また織ラベルとして蛍光繊維を織り込んだ製品の製造管理も容易になる。 また、複数の潤滑油を使用する製造ラインにおいて、汚染源が本願発明の潤滑油組成物以外の潤滑油であることを特定することができる。図1は紫外線照射試験における評価Aの発光状態を示す写真である。図2は紫外線照射試験における評価Bの発光状態を示す写真である。図3は紫外線照射試験における評価Cの発光状態を示す写真である。 以下、本発明の好適な実施形態について説明する。 本発明の実施形態に係る製造ラインの管理方法は、基油及び紫外線吸収剤を含有し、且つ、ブラックライトにより紫外線を照射したときに可視光を発光しない潤滑油組成物を用意する工程と、 潤滑油が使用される製造ラインにおいて、前記潤滑油組成物を用い、紫外線に対して発光性を有する物質による製品の汚染、汚損又は劣化を、該製品に紫外線を照射して看視する工程と、を備える。 また、本発明の実施形態に係る潤滑油組成物は、基油及び紫外線吸収剤を含有し、且つ、ブラックライトにより紫外線を照射したときに可視光を発光しない潤滑油組成物である。 ここで、ブラックライト(black light)とは、長波長の紫外線を放射するライトのことであり、蛍光管を使う方式のブラックライトあるいは紫外線発光ダイオードを用いる方法などあるがいずれの方式でも使用できる。ブラックライトにより照射される紫外線としては、例えば波長380〜200nmの範囲内に特性ピークを有する近紫外線(near UV)が挙げられる。また、「紫外線を照射したときに可視光を発光しない」ことは、具体的には、例えば、当該基油をろ紙に付着させ、暗室内でブラックライトを照射した時に、目視により発光が認められないことを意味する。 本実施形態において、潤滑油組成物に紫外線吸収剤を配合することにより、潤滑油組成物に、ブラックライトにより紫外線を照射したときに可視光を発光しないという特性を有効に付与することができる。 本実施形態における潤滑油基油は、鉱油系基油又は合成系基油のいずれであってもよく、あるいはこれらの基油の2種以上の混合物であってもよい。 鉱油系基油としては、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の1種もしくは2種以上の精製手段を適宜組み合わせて適用して得られるパラフィン系又はナフテン系の鉱油が挙げられる。 中でも、40℃における動粘度が5〜1000mm2/sの溶剤精製鉱油が好適である。 潤滑油基油は、紫外線吸収剤以外の添加剤の溶解性に起因する貯蔵安定性を向上させる観点から、溶剤精製基油(例えば、APIの分類によるグループ1基油など)を含有することが好ましい。この場合、溶剤精製基油の含有量は、潤滑油基油全量基準で10質量%以上、20質量%以上、40質量%以上、又は、100質量%とすることができる。 また、潤滑油基油として、40℃における動粘度が1〜500mm2/sの水素化精製鉱油を用いることができる。ここで、水素化精製鉱油には、分解及び/又は異性化を伴う水素化反応により生成された基油も含まれる。 上記水素化精製鉱油の芳香族分は特に限定されないが、好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、最も好ましくは3質量%以下である。芳香族分が8質量%を超えると酸化安定性が低下するため好ましくない。 本発明でいう芳香族分とは、ASTM D2549を参考に開発したカラムクロマト分析法により測定される芳香族分を意味する。本方法では、ASTM D2549とは異なりカラム充填ゲルにはシリカゲルを下層に、活性アルミナを上層に155:25の割合で充填して用いる。また、飽和分の溶出にはn−ヘプタンを、芳香族の溶出にはベンゼンを用いる。ベンゼンの代わりにトルエンを用いても同等の結果が得られるため、トルエンを使用することもできる。 水素化精製鉱油の多環芳香族(PCA)は特に限定されないが、好ましくは3質量%未満であり、より好ましくは2質量%以下であり、最も好ましくは1質量%以下である。多環芳香族分が3質量%を超えると環境衛生上、特に人体に対する発がん性の観点から好ましくない。 合成系基油としては、エチレン、プロピレン及びαオレフィンから選ばれる1種以上のモノマーから合成されるオレフィン重合体(ポリマー及びオリゴマーの双方を包含する)が挙げられる。かかるオレフィン重合体の40℃のおける動粘度は1〜5000mm2/sが好ましい。 また、合成系基油として、潤滑油脱ろう工程により得られるワックス(スラックワックス)及び/又はガストゥリキッド(GTL)プロセスにより得られる合成ワックス(フィッシャートロプシュワックス、GTLワックス)を水素化異性化して得られる潤滑油留分も用いることができる。また、テルペン類のような天然由来の不飽和炭化水素を水添して得られる炭化水素基油等も潤滑油留分として例示できる。かかる潤滑油留分の40℃における動粘度は1〜500mm2/sであることが好ましい。また、該潤滑油留分の芳香族分(%CA)は0.5以下であることが好ましく。多環芳香族(PCA)は3質量%以下であることが好ましい。 ここで、多環芳香族とは、IP(英国石油学会)346法によって定量した基油中のジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide、DMSO、以下、DMSOと言う)抽出物量を意味する。 潤滑油基油のアニリン点は、好ましくは80〜140℃、より好ましくは90〜135℃、最も好ましくは100〜130℃である。アニリン点が80℃以下になるとシール材として用いられるOリングなどの合成ゴムや合成樹脂類を膨潤させるため好ましくない。また140℃を超えると合成ゴムや合成樹脂類を収縮させるため好ましくない。 また、潤滑油基油はソルベントを含むことができる。 潤滑油基油の40℃における動粘度は特に限定されないが、好ましくは1.5mm2/s以上、より好ましくは6mm2/s以上、最も好ましくは30mm2/s以上である。また、40℃における動粘度は、好ましくは1000mm2/s以下、より好ましくは700mm2/s以下、最も好ましくは400mm2/s以下である。潤滑油基油の40℃における動粘度が1.5mm2/s未満であると、シール部位からの漏洩が多いため好ましくなく、また、1000mm2/sを超えると軸受け内部の粘性抵抗及び/又はギヤでの粘性抵抗及び/又は油圧ポンプ内部での粘性抵抗及び/又は配管での圧力損失が大きくのため好ましくない。 本実施形態においては、上記以外の合成油や動植物油を潤滑油基油として使用してもよい。使用可能な潤滑油基油としては、例えば以下のものが挙げられる。アルキルベンゼン等の合成炭化水素油;モノエステル(ブチルステアレート、オクチルラウレートなど)、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセパケートなど)、ポリエステル(トリメリット酸エステルなど);ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネートなど);ポリオキシアルキレングリコール及びその誘導体;含フッ素化合物(パーフルオロポリエーテル、フッ素化ポリオレフィンなど);シリコーン油;牛脂、豚脂、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油及びこれらの水素添加物などの油脂;及び上記の2種以上の混合物。 また、潤滑油基油は、紫外線吸収剤以外の添加剤の溶解性に起因する貯蔵安定性を向上させる観点から、アニリン点と40℃における動粘度とが下記式(A):10≦0.4×(アニリン点)−15×log(40℃における動粘度)<20…(A)で表される条件を満たす基油を潤滑油組成物全量基準で10質量%以上含有することが好ましく、20質量%以上含有することがより好ましく、40質量%以上含有することが更に好ましい。なお、上記式(A)中の「0.4×(アニリン点)−15×log(40℃における動粘度)」を発光指数と言う場合もある。 貯蔵安定性が向上する一方で、上記潤滑油基油は紫外線を照射したときに可視光の発光が大きい傾向にあるが、紫外線吸収剤と組み合わせることにより、ブラックライトにより紫外線を照射したときに可視光を発光しないという特性を有する潤滑油組成物が実現可能となる。本実施形態によれば、ブラックライトにより紫外線を照射したときに可視光を発光しないという特性を有しつつ、潤滑油組成物に配合する潤滑油添加剤の選択の自由度をより高めることができる。 本実施形態に係る潤滑油組成物において、潤滑油基油の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、50質量%以上であり、好ましくは80質量%以上、より好ましくは95質量%以上である。 本実施形態に係る紫外線吸収剤は、分子内に芳香族構造を含有し、且つ、芳香族構造を構成する原子を含む11以上の原子が共役している構造を有する化合物が好ましい。 ここで共役しているとは、π電子又は非共有電子対を有する原子が隣接していることを意味する。 本実施形態に係る潤滑油組成物は、上記化合物を潤滑油組成物全量基準で0.005質量%以上含有することができる。非発光性とコストの観点から、潤滑油組成物は、上記化合物を潤滑油組成物全量基準で0.02〜0.5質量%含有することが好ましく、0.05〜0.3質量%含有することがより好ましい。 上記化合物としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合物、及びオギザニリド系化合物などが挙げられる。 ベンゾトリアゾール系化合物は、ベンゾトリアゾール構造を有し、且つ、その窒素原子の1つに芳香族炭化水素基が結合している化合物が好ましい。より好ましくは、結合している芳香族炭化水素基がフェニル基誘導体であり、さらに好ましくは、水酸基を有するフェニル基誘導体である。また、ベンゾトリアゾール系化合物は、化合物全体として非対称の構造を有する化合物が好ましい。 ベンゾトリアゾール系化合物としては、下記の式(X−1)、(X−2)、(X−3)、(X−4)、(X−5)、又は(X−6)で表される化合物の中から選ばれる1種又は2種以上のベンゾトリアゾール系化合物が好ましいものとして挙げられる。 また、本実施形態に係る潤滑油組成物は、必要に応じて潤滑油用添加剤を含有することができる。かかる添加剤としては、例えば酸化防止剤、極圧剤、腐食防止剤、油性剤、さび止め剤、摩耗防止剤、消泡剤;粘度指数向上剤;流動点降下剤;清浄分散剤等が挙げられる。 更に、本実施形態に係る潤滑油組成物は、ブラックライトに対して可視光を発光する潤滑油用添加剤が配合される場合であっても、上記紫外線吸収剤が配合されることにより、ブラックライトにより紫外線を照射したときに可視光を発光しないという特性を有することができる。 酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤等の潤滑油に一般的に使用されているものであれば使用可能である。 フェノール系酸化防止剤としては、潤滑油の酸化防止剤として用いられる任意のフェノール系化合物が使用可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、下記の一般式(1)又は一般式(4)で表される化合物の中から選ばれる1種又は2種以上のアルキルフェノール化合物が好ましいものとして挙げられる。[式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R3は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、下記一般式(2)で表される基又は下記一般式(3)で表される基を示す。(式中、R4は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R5は炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を示す。)(式中、R6は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R7は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R8は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは0又は1を示す。)][式中、R9及びR13は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示し、R10及びR14は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R11及びR12は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Wは炭素数1〜18のアルキレン基又は下記一般式(5)で表される基を示す。−R15−S−R16− (5)(式中、R15及びR16は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す。)] 一般式(1)において、R1としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられるが、酸化安定性に優れる点から、tert−ブチル基が好ましい。また、R2としては、水素原子、及び上述したような炭素数1〜4のアルキル基が挙げられるが、熱・酸化安定性に優れる点から、メチル基又はtert−ブチル基が好ましい。 一般式(1)において、R2が炭素数1〜4のアルキル基である場合は、具体的にはR2としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられるが、酸化安定性に優れる点から、メチル基又はエチル基であるのが好ましい。 一般式(1)で表されるアルキルフェノール化合物の中で、R2が炭素数1〜4のアルキル基である場合の化合物として好ましいものは、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール及びこれらの混合物等であり、中でも、ブラックライトに対して可視光の発光が無いことから特に好ましいのは、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)である。 これらのフェノール系酸化防止剤の配合量は、潤滑油組成物全量基準で、下限値が0.01質量%、好ましくは0.1質量%であり、一方、上限値が5質量%、好ましくは3質量%である。酸化防止剤の配合量が0.01質量%未満の場合は、配合による酸化安定性向上効果が十分でなく、一方、配合量が5質量%を超える場合は、配合量に見合うだけの酸化安定性向上効果が得られず経済的に不利であるため、それぞれ好ましくない。 アミン系酸化防止剤としては特に限定されるものではないが、炭素数C3〜C18のアルキル基を有するジアルキルジフェニルアミン、特にp,p’−ジアルキルジフェニルアミン、又はその誘導体は酸化防止剤としての性能が高く、かつブラックライトに対して可視光の発光が比較的少ないことから好適に用いられる。また、アルキルフェニルα−ナフチルアミンも、好適に用いることができる。酸化防止性能及び耐スラッジ性に長じているため、分枝アルキル基を有するものが好ましく、C9〜C18の分岐アルキル基を有するものがさらに好ましい。 これらのアミン系酸化防止剤は、組成物全量基準で、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下である。アミン系酸化防止剤の含有量が1質量%を超えても、含有量に見合うだけの熱・酸化安定性及びスラッジ抑制性の更なる向上効果は見られず、また潤滑油基油に対する溶解性が不十分となる傾向にある。一方、アミン系酸化防止剤の含有量の下限値は、添加効果の観点からは組成物全量基準で、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.02質量%以上である。 更に、上記フェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤は組み合せて使用してもよい。 また、本実施形態に係る潤滑油組成物には、硫黄系酸化防止剤を配合することができる。この場合であっても、上記紫外線吸収剤が配合されることにより、ブラックライトにより紫外線を照射したときに可視光を発光しないという特性を有することができる。 硫黄系酸化防止剤としては、ZnDTP、硫化油脂類、硫化エステル類を含むスルフィド類が挙げられる。 これらの硫黄系酸化防止剤の配合量は、潤滑油組成物全量基準で、下限値が0.0005質量%、好ましくは0.001質量%であり、最も好ましくは0.01質量%である。一方、上限値が5質量%、好ましくは2質量%である。酸化防止剤の配合量が0.0005質量%未満の場合は、配合による酸化安定性向上効果が十分でなく、一方、配合量が5質量%を超える場合は、配合量に見合うだけの酸化安定性向上効果が得られず経済的に不利であるため、それぞれ好ましくない。 また、アルキル亜リン酸エステル系酸化防止剤も好適に用いることができる。アルキル亜リン酸エステル系酸化防止剤の配合量は、潤滑油組成物全量基準で、下限値が0.0005質量%、好ましくは0.001質量%であり、最も好ましくは0.01質量%である。一方、上限値が5質量%、好ましくは2質量%である。酸化防止剤の配合量が0.0005質量%未満の場合は、配合による酸化安定性向上効果が十分でなく、一方、配合量が5質量%を超える場合は、配合量に見合うだけの酸化安定性向上効果が得られず経済的に不利であるため、それぞれ好ましくない。 極圧剤としては、硫黄化合物及びリン化合物が挙げられる。 極圧剤としての硫黄化合物は、潤滑油組成物の特性を損なわない限りにおいて特に制限されないが、ジヒドロカルビルポリサルファイド、硫化エステル、硫化鉱油、ジチオリン酸亜鉛化合物、ジチオカルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリン酸モリブデン化合物及びジチオカルバミン酸モリブデンが好ましく用いられる。 ジヒドロカルビルポリサルファイドとは、一般的にポリサルファイド又は硫化オレフィンと呼ばれる硫黄系化合物である。 硫化エステルとしては、具体的には、牛脂、豚脂、魚脂、菜種油、大豆油などの動植物油脂を任意の方法で硫化した、いわゆる硫化油脂や、不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸又は上記の動植物油脂から抽出された脂肪酸類などを含む)と各種アルコールとを反応させて得られる不飽和脂肪酸エステルを任意の方法で硫化したもの、及び動植物油脂と不飽和脂肪酸エステルの混合物を任意の方法で硫化したものが挙げられる。中でも、オレイン酸メチルの硫化物が好ましい。 硫化鉱油とは、鉱油に単体硫黄を溶解させたものをいう。硫化鉱油における硫黄含有量に特に制限はないが、通常、硫化鉱油全量を基準として好ましくは0.05〜1.0質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。 上記硫黄化合物の中でも、ブラックライトに対して可視光の発光が無いことからジヒドロカルビルポリサルファイド及び硫化油脂が特に好ましい。 また、極圧剤としてのリン化合物としては、具体的には例えば、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、リン含有カルボン酸、塩素化リン酸エステル、亜リン酸エステル、フォスフォロチオネート、酸性リン酸エステルのアミン塩及びそれらの金属塩等が挙げられる。これらのリン化合物は、リン酸、亜リン酸又はチオリン酸とアルカノール、ポリエーテル型アルコールとのエステルあるいはその誘導体が挙げられる。 より具体的には、 リン酸エステルとしては、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシルホスフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリ(プロピルフェニル)ホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等; 酸性リン酸エステルとしては、モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、ジオレイルアシッドホスフェート等; リン含有カルボン酸としては、下記一般式(6)で示されるβ−ジチオホスフォリル化プロピオン酸;[式中、R15、R16は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、R17、R18、R19及びR20は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、R17、R18、R19及びR20の炭素数の合計は6以下である。また、好ましくは、R17、R18、R19及びR20は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基を示し、R17、R18、R19及びR20の炭素数の合計は5以下である。さらに好ましくは、R17、R18、R19及びR20は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1又は2の炭化水素基を示し、R17、R18、R19及びR20の炭素数の合計は4以下である。特に好ましくは、R17、R18、R19及びR20は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜2の炭化水素基を示し、R17、R18、R19及びR20の炭素数の合計は3以下である。最も好ましくは、R19又はR20のいずれかがメチル基であり残りの3基が水素原子である。] 塩素化リン酸エステルとしては、トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・クロロフェニルホスフェート、ポリオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェート等; 亜リン酸エステルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等;フォスフォロチオネートとしては、トリブチルフォスフォロチオネート、トリペンチルフォスフォロチオネート、トリヘキシルフォスフォロチオネート、トリヘプチルフォスフォロチオネート、トリオクチルフォスフォロチオネート、トリノニルフォスフォロチオネート、トリデシルフォスフォロチオネート、トリウンデシルフォスフォロチオネート、トリドデシルフォスフォロチオネート、トリトリデシルフォスフォロチオネート、トリテトラデシルフォスフォロチオネート、トリペンタデシルフォスフォロチオネート、トリヘキサデシルフォスフォロチオネート、トリヘプタデシルフォスフォロチオネート、トリオクタデシルフォスフォロチオネート、トリオレイルフォスフォロチオネート、トリフェニルフォスフォロチオネート、トリクレジルフォスフォロチオネート、トリキシレニルフォスフォロチオネート、クレジルジフェニルフォスフォロチオネート、キシレニルジフェニルフォスフォロチオネート、トリス(n−プロピルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(n−ブチルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(イソブチルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(s−ブチルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(t−ブチルフェニル)フォスフォロチオネート等; 酸性リン酸エステルのアミン塩としては、前記酸性リン酸エステルのアルキルアミンとの塩;が挙げられる。 本実施形態においては、上記リン化合物の中でも、ブラックライトに対して可視光の発光が無いか小さいことから、トリクレジルホスフェート、トリ(プロピルフェニル)ホスフェート、トリフェニルチオホスフェート、トリオクチルホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート及びβ−ジチオホスフォリル化プロピオン酸が好ましい。 本実施形態に係る潤滑油組成物は、極圧剤として、硫黄化合物又はリン化合物の一方のみを含有するものであってもよく、双方を含有するものであってもよい。耐摩耗性の点からは、リン化合物、あるいは硫黄化合物とリン化合物との双方を含有することが好ましく、硫黄化合物とリン化合物との双方を含有することがより好ましい。 また、本実施形態に係る潤滑油組成物は、酸性リン酸エステルのアミン塩が配合される場合であっても、上記紫外線吸収剤が配合されることにより、ブラックライトにより紫外線を照射したときに可視光を発光しないという特性を有することができる。 極圧剤の含有量は任意であるが、組成物全量基準で、0.001質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらにより好ましい。また、極圧剤の含有量は、組成物全量基準で、1.0質量%以下であることが好ましく、0.8質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらにより好ましい。0.001質量%未満であると添加効果が不十分となり、1.0質量%を超えると添加量に見合った効果が得られない。 また、本実施形態に係る潤滑油組成物は、腐食防止剤としてトリアゾール及び/又はその誘導体を含有することが好ましい。 トリアゾール及び/又はその誘導体として好ましい化合物は、ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体である。 ベンゾトリアゾール誘導体としては、例えば、アルキルベンゾトリアゾールや、(アルキル)アミノアルキルベンゾトリアゾール等が挙げられ、アルキルベンゾトリアゾールとしては、メチルベンゾトリアゾール(トリルトリアゾール)、ジメチルベンゾトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、エチルメチルベンゾトリアゾール、ジエチルベンゾトリアゾール又はこれらの混合物等が挙げられ、(アルキル)アミノアルキルベンゾトリアゾールとしては、ジアルキルアミノアルキルベンゾトリアゾールやジアルキルアミノアルキルトリルトリアゾール又はこれらの混合物等が挙げられる。 トリアゾール及び/又はその誘導体の含有量は任意であるが、非アミノアルキル形の場合には、潤滑油組成物全量基準で、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上である。トリアゾール及び/又はその誘導体の含有量が0.001質量%未満の場合には、その添加による腐食防止効果が不十分となる傾向にある。また、アミノアルキル形の場合には組成物全量基準で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上である。トリアゾール及び/又はその誘導体の含有量が0.01質量%未満の場合には、その添加による腐食防止効果が不十分となる傾向にある。 また、トリアゾール及び/又はその誘導体の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。1.0質量%を超える場合は、含有量に見合うだけの腐食防止効果が得られず、経済的に不利となるおそれがある。 分散型粘度指数向上剤としては、特に限定されるものではないが、潤滑油の分散型粘度指数向上剤として用いられる任意の化合物が使用可能であるが、例えば、エチレン性不飽和結合を有する含窒素モノマーを共重合成分として含む共重合体が好ましい。 具体的には、 炭素数1〜18のアルキルアクリレート、炭素数1〜18のアルキルメタクリレート、炭素数の2〜20のオレフィン、スチレン、メチルスチレン、無水マレイン酸エステル、無水マレイン酸アミド及びこれらの混合物から選ばれる1種又は2種以上のモノマーと、 ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジエチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−メチル−5−ビニルピリジン、モルホリノメチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドン及びこれらの混合物から選ばれる1種又は2種以上のモノマーと、の共重合体が好ましい。 得られる共重合体の数平均分子量も任意であるが、好ましくは1,000〜1,500,000、より好ましくは10,000〜200,000である。 分散型粘度指数向上剤の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。分散型粘度指数向上剤の含有量が10質量%を超えても、含有量に見合うだけのスラッジ抑制性のさらなる向上は見られず、またせん断による粘度低下を引き起こすため、好ましくない。また、分散型粘度指数向上剤の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である。分散型粘度指数向上剤の含有量が0.01質量%に満たない場合は、その添加によるスラッジ抑制性の向上効果が不十分となる傾向にある。 油性剤としては、アルコール、カルボン酸、不飽和カルボン酸の硫化物、下記一般式(7)で表される化合物、下記一般式(8)で表される化合物、ポリオキシアルキレン化合物、多価アルコールのヒドロカルビルエーテル、アミンなどを挙げることができる。[式中、R21は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、aは1〜6の整数を表し、bは0〜5の整数を表す。][式中、R22は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、cは1〜6の整数を表し、dは0〜5の整数を表す。] アルコールは、1価アルコールでも多価アルコールでもよい。これらのアルコールは直鎖状でも分枝を有していてもよく、また飽和でも不飽和でもよい。 カルボン酸は、1塩基酸でも多塩基酸でもよい。直鎖状でも分枝を有していてもよく、飽和でも不飽和でもよい。 不飽和カルボン酸の硫化物としては、例えばオレイン酸の硫化物を挙げることができる。 上記一般式(7)で表される化合物の例としては、p−tert−ブチルカテコールを挙げることができる。 上記一般式(8)で表される化合物の例としては、2,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレンを挙げることができる。 ポリオキシアルキレン化合物としては、例えば下記一般式(9)又は(10)で表される化合物を挙げることができる。R23O−(R24O)e−R25 (9)[式中、R23及びR25は各々独立に水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、R24は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、eは数平均分子量が100〜3500となるような整数を表す。]A−[(R26O)f−R27]g (10)[式中、Aは水酸基を3〜10個有する多価アルコールの水酸基の水素原子の一部又は全てを取り除いた残基を表し、R26は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R27は水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、fは数平均分子量が100〜3500となるような整数を表し、gはAの水酸基から取り除かれた水素原子の個数と同じ数を表す。] 多価アルコールのヒドロカルビルエーテルを構成する多価アルコールの例としては、具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、2−メチルプロパンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールアルカン及びこれらの2〜8量体、ペンタエリスリトール及びこれらの2〜4量体、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;及びこれらの混合物等が挙げられる。 多価アルコールのヒドロカルビルエーテルとしては、上記多価アルコールの水酸基の一部又は全部をヒドロカルビルエーテル化したものが使用できる。多価アルコールの水酸基の一部をヒドロカルビルエーテル化したもの(部分エーテル化物)が好ましい。 アミンとしては、モノアミンが好ましく使用される。さらに、モノアミンとしては、第1級モノアミン、第2級モノアミン、第3級モノアミンの何れもが使用可能であるが、第1級モノアミンが好ましい。 本実施形態においては、上記油性剤の中から選ばれる1種のみを用いてもよく、また2種以上の混合物を用いてもよい。油性剤の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。油性剤の含有量が10質量%を超えても、含有量に見合うだけの油性効果は見られない。また、油性剤の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である。油性剤の含有量が0.01質量%に満たない場合は、その添加による油性向上効果が不十分となる傾向にある。 本実施形態に係る潤滑油組成物は、ザルコシン型化合物、ノニオン系界面活性剤、スルホン酸塩、エステル、アミン、カルボン酸、脂肪酸アミン塩、カルボン酸塩、パラフィンワックス、酸化ワックス塩及びホウ素化合物からなる群から選ばれる1種以上の特定のさび止め添加剤を含有してもよい。 ザルコシン型化合物は、下記一般式(11)又は(12)で表される構造を有する。 R28−CO−NR29−(CH2)p−COOX (11)(式中、R28は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基、R29は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水素原子、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数1〜30のアルケニル基、pは1〜4の整数を示す。)[R30−CO−NR31−(CH2)q−COO]rY (12)(式中、R30は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基、R31は炭素数1〜4のアルキル基、Yはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、qは1〜4の整数、rはYがアルカリ金属の場合は1、アルカリ土類金属の場合は2を示す。) 上記一般式(11)及び(12)で表されるザルコシンの中でも、よりさび止め性に優れる点から、一般式(11)で表される化合物であることが好ましい。また、一般式(11)及び(12)の中から選ばれる1種の化合物のみを単独で使用しても良く、2種以上の化合物の混合物を使用しても良い。 ザルコシンの含有量は、特に制限されないが、潤滑油組成物全量を基準として、好ましくは0.001〜0.5質量%、より好ましくは0.005〜0.1質量%、更に好ましくは0.01〜0.05質量%である。当該ザルコシンの含有量が前記下限値未満の場合、さび止め性及びその長期維持性が不十分となる傾向にある。また、当該ザルコシンの含有量が前記上限値を超えても、含有量に見合うさび止め性及びその長期維持性の向上効果が得られない傾向にある。 さび止め剤としてのノニオン系界面活性剤としては、具体的には例えば、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、多価アルコールのポリオキシアルキレン付加物の脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。これらの中でも、さび止め性により優れることから、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミンが好ましく、特に、ポリオキシアルキレンアルキルアミンが好ましい。 上記アルキレングリコールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、へキシレングリコール、ヘプチレングリコール、オクチレングリコール、ノニレングリコール、デシレングリコール等が挙げられる。 ポリオキシアルキレングリコールとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを単独重合あるいは共重合したものが用いられる。また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、上記ポリオキシアルキレングリコールのアルキルエーテル等が挙げられる。 また、ポリオキシアルキレンアリールエーテルとしては、上記ポリオキシアルキレングリコールのフェニルエーテル、アルキルフェニルエーテル等が挙げられる。中でも、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、アルキル−モノシクロアルキルアミン及びジシクロアルキルアミンのポリアルキレンオキサイド付加物が好ましく、モノシクロヘキシルアミンのポリオキシアルキレンオキサイド付加物が特に好ましい。 なお、上記のノニオン系界面活性剤は1種を単独で用いても良いし、2種以上を用いても良い。本実施形態に係る潤滑油組成物において、ノニオン系界面活性剤を含有量する場合は、組成物全量基準で、0.01〜10質量%であることが好ましい。含有量の上限値は、さび止め性の点から、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、6質量%以下であることがさらに好ましく、5質量%以下であることが最も好ましい。 スルホン酸塩の好ましい例としては、スルホン酸アルカリ金属塩、スルホン酸アルカリ土類金属塩又はスルホン酸アミン塩が挙げられる。スルホン酸塩はいずれも人体や生態系に対して十分に高い安全性を有するものであり、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアミンとスルホン酸とを反応させることにより得ることができる。スルホン酸塩を構成するアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。また、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム等が挙げられる。中でも、アルカリ金属及びアルカリ土類金属としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びバリウムが好ましく、カルシウムが特に好ましい。 スルホン酸塩がアミン塩である場合、アミンとしては、モノアミン、ポリアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。 前記スルホン酸は、具体的には、一般に鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合物をスルホン化したものやホワイトオイル製造時に副生するいわゆるマホガニー酸等の石油スルホン酸、あるいは洗剤等の原料となるアルキルベンゼン製造プラントから副生するポリオレフィンをベンゼンにアルキル化することにより得られる、直鎖状や分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルベンゼンをスルホン化したものやジノニルナフタレン等のアルキルナフタレンをスルホン化したもの等の合成スルホン酸等、が挙げられる。 上記スルホン酸塩のうち、中でも、アミンスルホネート、カルシウムスルホネート、バリウムスルホネートが好ましく、アルキレンジアミンスルホネート及びカルシウムスルホネートが特に好ましい。 さび止め剤としてのエステルとしては、多価アルコールの部分エステル、エステル化酸化ワックス、エステル化ラノリン脂肪酸、アルキル又はアルケニルコハク酸エステル等が挙げられる。 多価アルコールの部分エステルとは、多価アルコール中の水酸基の少なくとも1個以上がエステル化されておらず水酸基のままで残っているエステルであり、その原料である多価アルコールとしては任意のものが使用可能であるが、中でも、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びソルビタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の多価アルコールを用いることが好ましく、ペンタエリスリトールを用いることがより好ましい。前記エステル化酸化ワックスとは、酸化ワックスとアルコール類とを反応させ、酸化ワックスが有する酸性基の一部又は全部をエステル化させたものをいう。 前記エステル化ラノリン脂肪酸とは、羊の毛に付着するろう状物質を、加水分解等の精製によって得られたラノリン脂肪酸とアルコールとを反応させて得られたものを指す。 アルキル又はアルケニルコハク酸エステルとしては、アルキル又はアルケニルコハク酸の2個のカルボキシル基の双方がエステル化されたジエステル(完全エステル)であってもよく、あるいはカルボキシル基の一方のみがエステル化されたモノエステル(部分エステル)であってもよいが、よりさび止め性に優れる点から、モノエステルが好ましい。具体的には、ラノリンのペンタエリスリトールエステル、ソルビタンモノオレート、ソルビタンイソステアレート等が挙げられる。 前記さび止め成分であるアミンとしては、モノアミン、ポリアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。 上記アミンの中でもモノアミンが好ましく、モノアミンの中でもアルキルアミン、アルキル基及びアルケニル基を有するモノアミン、アルキル基及びシクロアルキル基を有するモノアミン、シクロアルキルアミンならびにアルキルシクロアルキルアミンがより好ましい。 前記さび止め剤としてのカルボン酸としては、好ましくは、脂肪酸、ジカルボン酸、ヒドロキシ脂肪酸、ナフテン酸、樹脂酸、酸化ワックス、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。このような脂肪酸としては、例えば、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、ヘンイコサン酸、ドコサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸等の飽和脂肪酸;ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、ノナデセン酸、イコセン酸、ヘンイコセン酸、ドコセン酸、トリコセン酸、テトラコセン酸等の不飽和脂肪酸;又はこれらの混合物が挙げられる。 さび止め剤としての脂肪酸アミン塩としては、前記のカルボン酸の説明において例示された脂肪酸と、前記アミンの説明において例示されたアミンとの塩をいう。 さび止め剤としてのカルボン酸塩としては、前記カルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩等が挙げられる。カルボン酸塩を構成するアルカリ金属としてはナトリウム、カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属としてはバリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。中でも、カルシウム塩が好ましく用いられる。また、アミンとしてはアミンの説明において例示したアミンが挙げられる。 さび止め剤としてのパラフィンワックスとしては、例えば、石油留分の精製の際に得られるパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムや合成により得られるポリオレフィンワックス等が挙げられる。 酸化ワックス塩としては、パラフィンワックス等のワックスを酸化することによって製造される酸化パラフィンワックス等が挙げられる。酸化ワックス塩が金属塩である場合、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、鉛等が挙げられる。 前記さび止め剤としてのホウ素化合物としては、ホウ酸カリウム、ホウ酸カルシウム等が挙げられる。 本実施形態に係る潤滑油組成物において、さび止め剤の含有量は特に制限されないが、さび止め性の点から、潤滑油組成物全量基準として、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上である。また、貯蔵安定性の点から、組成物全量を基準として、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。 また、さび止め剤としてカルボン酸を用いる場合の含有量は特に制限されないが、さび止め性の点から、組成物全量基準として、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上である。 本実施形態に係る潤滑油組成物は、その他の添加剤として、ブラックライトに非発光という本願潤滑油組成物の特性を損なわない範囲において、消泡剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄分散剤等を含有してもよい。 本実施形態に係る潤滑油組成物の動粘度については特に制限はないが、下限値は、好ましくは1.5mm2/s、より好ましくは6mm2/s、最も好ましくは30mm2/sである。また、40℃における動粘度の上限値は、好ましくは1000mm2/s、より好ましくは700mm2/s、最も好ましくは400mm2/sである。40℃における動粘度が1.5mm2/s以下であるとシール部位からの漏洩が多いため好ましくなく、1000mm2/s以上になると軸受け内部での粘性抵抗及び/又はギヤでの粘性抵抗及び/又は油圧ポンプ内部での粘性抵抗及び/又は配管での圧力損失が大きくのため好ましくない。 本実施形態に係る製造ラインの管理方法及び潤滑油組成物によれば、潤滑油以外の汚染源(薬品等)による汚染の管理を容易に行うことが出来る。 例えば、紡績機、織機あるいは編み機による繊維、織物及びニット製品などの製造ラインにおいては、それらの製品が、消臭剤、ホルマリンなど各種化学薬品などの複数の汚染源によって汚染・汚損されることに対してあるいは潤滑油や各種科学薬品等の漏洩に対して、ブラックライトの紫外線を製品に照射して汚染・汚損の有無を看視し製造管理している。このような製造ラインにおいて、本実施形態に係る製造ラインの管理方法及び潤滑油組成物は非常に有用である。 また、ブラックライトの紫外線を照射されても可視光を発光しない本発明の潤滑油組成物は、それらの製造ラインの各部における潤滑剤として使用することができる。 以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。[実施例1〜23、比較例1〜4] 実施例1〜23及び比較例1〜4においては、それぞれ以下に示す成分を用いて、表2〜6に示す組成を有する潤滑油組成物を調製した。<潤滑油基油>基油1:溶剤精製鉱油(40℃における動粘度50.62mm2/s、アニリン点99℃)基油2:水素化精製鉱油(40℃における動粘度19.47mm2/s、アニリン点115.4℃) 基油1及び2の性状を表1に示す。<紫外線吸収剤>X1:下記式(X−1)で表される化合物、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールX2:下記式(X−2)で表される化合物、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールX3:下記式(X−3)で表される化合物、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾールX4:下記式(X−4)で表される化合物、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールX5:下記式(X−5)で表される化合物、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール]X6:下記式(X−6)で表される化合物、6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−tert−オクチル−6’−tert−ブチル−4’−メチル−2,2’−メチレンビスフェノール<酸化防止剤>A1:炭素数4及び8の2個の分枝アルキル基を有するジアルキルジフェニルアミンA2:炭素数12の分枝アルキル基を有するアルキルフェニルα−ナフチルアミン<極圧剤>B1:トリクレジルホスフェートB2:硫化エステル(植物油脂由来のオレイン酸を硫黄含有量10質量%となるように硫化したもの)B3:オレイル酸性亜燐酸エステルとラウリルアミンとの中和物<腐食防止剤>C:N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル−メチルベンゾトリアゾール<その他の添加剤>D:ジメチルシリコーン 次に、実施例1〜23及び比較例1〜4の各潤滑油組成物について以下の試験を行った。<紫外線照射試験> ブラックライトは、AS ONE社製のHandy UV Lamp SLUV−6を使用し、紫外線の波長が365nmに特性ピークを有するモードで測定した。 試験は、潤滑油組成物としての試料油をろ紙に0.03g付着させ、水平にして5分間放置して試料油とろ紙とを馴染ませた後、暗室内でブラックライトを照射して目視にて発光の有無ないしは強度を判定した。 評価は、目視により全く発光が認められなかったものをA,極僅かに認められたものをB、明らかに認められたものをC、と評価した。また、その中間の場合をA−BあるいはB−Cと評価した。得られた結果を表2〜6に示す。また、評価A,B及びCに相当する発光状態の写真を図1〜3に示す。<酸化安定性試験> 試料油40gを50mLビーカーに採取し、銅触媒共存下で、120℃、20日間保持後のスラッジ量を定量した。スラッジの定量は、ポアサイズ0.8μmのセルロースフィルタにより試験後の試料油をろ過し、スラッジを捕集し、フィルターに残存する試料油をn−ヘキサンで洗浄した後、スラッジを定量した。評価は、以下の通りスラッジの量によりA,B及びCのランクとした。得られた結果を表2〜6に示す。 A:1mg以下 B:1mgを超え、5mg以下 C:5mgを超える<4球摩耗試験> 試験は、JPI−5S−40−93 潤滑油の耐荷重能試験方法(シェル四球式)に準拠して行った。測定は、1200rpm、294Nで30分間行い、試験後の試験片の摩耗痕径を測定した。評価は、摩耗痕径により以下A,B及びCのランクとした。得られた結果を表2〜6に示す。 A:0.45mm以下 B:0.45mmを超え、0.65mm以下 C:0.65mmを超える<貯蔵安定性試験> 試験は、組成物を0℃で1週間保持することにより行った。評価は、目視による外観により以下A,B及びCのランクとした。得られた結果を表2〜5に示す。 A:10人の評価者中、9人以上が曇り、沈殿無しと判定 B:10人の評価者中、2〜7人が曇り、沈殿ありと判定 C:10人の評価者中、8人以上が曇り、沈殿ありと判定 基油及び紫外線吸収剤を含有し、且つ、ブラックライトにより紫外線を照射したときに可視光を発光しない潤滑油組成物を用意する工程と、 潤滑油が使用される製造ラインにおいて、前記潤滑油組成物を用い、紫外線に対して発光性を有する物質による製品の汚染、汚損又は劣化を、該製品に紫外線を照射して看視する工程と、を備える製造ラインの管理方法。 前記紫外線吸収剤が、分子内に芳香族構造を含有し、且つ、芳香族構造を構成する原子を含む11以上の原子が共役している構造を有する化合物であり、 前記潤滑油組成物が前記化合物を潤滑油組成物全量基準で0.005質量%以上含有する、請求項1に記載の製造ラインの管理方法。 基油及び紫外線吸収剤を含有し、且つ、ブラックライトにより紫外線を照射したときに可視光を発光しない潤滑油組成物。 前記紫外線吸収剤が、分子内に芳香族構造を含有し、且つ、芳香族構造を構成する原子を含む11以上の原子が共役している構造を有する化合物であり、 前記潤滑油組成物が前記化合物を潤滑油組成物全量基準で0.005質量%以上含有する、請求項3に記載の潤滑油組成物。 紡績機、織機、編み機、食品もしくは化粧品関連製品の製造装置又は塗装ラインの潤滑に使用される、請求項3又は4に記載の潤滑油組成物。 【課題】 潤滑油以外の汚染源(薬品等)による汚染の管理を容易にする製造ラインの管理方法及び潤滑油組成物を提供すること。【解決手段】 製造ラインの管理方法は、基油及び紫外線吸収剤を含有し、且つ、ブラックライトにより紫外線を照射したときに可視光を発光しない潤滑油組成物を用意する工程と、潤滑油が使用される製造ラインにおいて、上記潤滑油組成物を用い、紫外線に対して発光性を有する物質による製品の汚染、汚損又は劣化を、該製品に紫外線を照射して看視する工程と、を備える。【選択図】 図1