生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_臭化チオトロピウムの結晶形態
出願番号:2014078446
年次:2014
IPC分類:C07D 491/18


特許情報キャッシュ

アンドレア・メレウ モレノ・モロソリ ウンベルト・ペンネ マウロ・ペルセギーニ JP 2014201592 公開特許公報(A) 20141027 2014078446 20140407 臭化チオトロピウムの結晶形態 セルビオス − ファルマ・エス・アー 595076617 CERBIOS − PHARMA SA 小野 新次郎 100140109 小林 泰 100075270 竹内 茂雄 100101373 山本 修 100118902 新井 規之 100129311 アンドレア・メレウ モレノ・モロソリ ウンベルト・ペンネ マウロ・ペルセギーニ EP 13162817.4 20130408 C07D 491/18 20060101AFI20140930BHJP JPC07D491/18 10 OL 11 4C050 4C050AA03 4C050BB04 4C050CC07 4C050DD05 4C050EE01 4C050GG03 4C050HH03 本発明は、臭化チオトロピウムの安定な結晶形態、及び高い純度でそれを製造する方法に関する。 臭化チオトロピウム(1)として知られる1α,2β,4β,7β)−7−[(ヒドロキシ−ジ−2−チエニルアセチル)オキシ]−9,9−ジメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナンブロミドは、ムスカリン受容体に対する特異性及び大きな長期間効果を有する非常に効率的な抗コリン薬である。それは、気管支拡張剤として慢性閉塞性肺疾患(COPD)又は喘息の治療において治療上の有利性を与える。 この薬剤成分は、低い10〜20mgの治療用量で用いられ、好ましくは吸入によって投与され、SPIRIVAとして商業的に入手できる。 最初に、塩化メチレン/アセトニトリル中に溶解した対応する環式第3級アミンを、室温においてアセトニトリル中の臭化メチルの溶液と24時間反応させることによって臭化チオトロピウム(1)を製造する方法が、EP−0418716において報告された。EP−0418716において記載されている手順にしたがって得られる無水結晶形態は、その後にUS−8163913B2において記載されたものと同一である。 臭化チオトロピウム一水和物は、WO−2002/30928において、無水臭化チオトロピウムを水中で加熱することによるその製造方法と共に開示されている。 臭化チオトロピウム一水和物を真空下80〜100℃において加熱することによって無水臭化チオトロピウムを製造する方法が、US−6608055において開示されている。 WO−2007/075858において開示されている無水臭化チオトロピウムを製造する別の方法は、臭化チオトロピウムメタノレート又はヘミ−n−ブタノレート若しくはヘミアセテートをオーブン内で160℃において加熱することを含む。これは、非常に高い温度、及び出発物質として特定の溶媒和物が必要である。 幾つかの溶媒和物が、Boehringer IngelheimのWO2006/117299及びWO2006/117300、並びにSicor/TevaのWO2007/075838及びWO−2007/075858に記載されている。 高い化学的純度及び安定な結晶形態を有する生成物を確保する、商業的な規模で臭化チオトロピウムを製造する効率的な工業プロセスを開発することが特に重要である。 同じ出願人の名義のヨーロッパ特許出願11195419.4においては、第3級アミンをアルキル化する連続プロセスが記載されている。特に、この連続プロセスはデスメチルチオトロピウムの4級化のために有用である。 このプロセスは長い反応時間及び更なる精製を必要とせず、高収量で、医薬用途のために好適な高純度の生成物が得られる。 ヨーロッパ特許出願1195419.4において連続アルキル化プロセスのために有用であると報告されている溶媒の1つはN−メチルピロリドン(NMP)である。しかしながら、この先の出願においてはNMPを単独で用いることは記載されておらず、新規な結晶形態を得ることは言及されていない。 驚くべきことに、純粋なN−メチルピロリドン(NMP)中でアルキル化反応を行うことによって純粋な臭化チオトロピウム溶液が得られることが見出された。この所望の生成物は、直接結晶化して新規な結晶形態を生成させることができる。EP−0418716US−8163913B2WO−2002/30928US−6608055WO−2007/075858WO2006/117299WO2006/117300WO2007/075838ヨーロッパ特許出願11195419.4 本発明の対象は、臭化チオトロピウムの新規な結晶形態、及びNMP中の臭化チオトロピウムの溶液から結晶化することによってそれを製造する方法である。図1は、本発明による臭化チオトロピウム結晶形態のXRPDである。図2は、本発明による臭化チオトロピウム結晶形態のDSCである。図3は、本発明による臭化チオトロピウム結晶形態のTGAである。図4は、本発明による臭化チオトロピウム結晶形態のFT−IRである。図5は、本発明による臭化チオトロピウム結晶形態のFT−ラマンである。 本発明の対象は、約9.44、12.65、15.23、16.91、17.71、17.87、18.86、21.08、22.35、22.70、22.83、22.91、24.09、25.39、25.57、27.47、30.62±0.2°の2θ角のピークから選択される少なくとも3つのピークを含むXRPDパターンを有する結晶質臭化チオトロピウムである。 好ましくは、本発明による結晶質臭化チオトロピウムは、図1に示すXRPDスペクトルを有する。 好ましくは、本発明による結晶質臭化チオトロピウムは、図2に示すDSCスペクトルを有する。 好ましくは、本発明による結晶質臭化チオトロピウムは、図3に示すTGAスペクトルを有する。 好ましくは、本発明による結晶質臭化チオトロピウムは、図4に示すFT−IRスペクトルを有する。 好ましくは、本発明による結晶質臭化チオトロピウムは、図5に示すFT−ラマンスペクトルを有する。 本発明による結晶質臭化チオトロピウムは、99.0%より高い純度を有し、0.15%より高い単一不純物を有しない。 不純物プロファイル及びX線スペクトルは、25℃/60%相対湿度及び40℃/75%RHにおいて少なくとも6ヶ月間変化しなかった。 本発明による結晶質臭化チオトロピウムは、微量の残留溶媒(NMP)を含む可能性がある。残留溶媒としてのNMPの含量は、一般に3%(w/w)より低く、好ましくは0.3%(w/w)より低い。 本発明の他の対象は、臭化チオトロピウムの新規な結晶形態の形成をもたらす結晶化方法である。この結晶化方法は、NMP中の臭化チオトロピウムの溶液を用いて開始する。この溶液は、NMP中においてデスメチルチオトロピウムを4級化(メチル化)することによるか、又は臭化チオトロピウムをNMP中に溶解することによって得ることができる。結晶化は、直接か、又は場合によってはアセトニトリル、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、又はギ酸エチルのような第2の溶媒を加えた後に起こる。結晶化を行うために、制御された冷却プロファイルを用いることができる。濾過し、アセトニトリル、TBME、又はギ酸エチルのような第2の溶媒で洗浄し、窒素流下で乾燥した後に、純粋な生成物が回収される。 本発明による結晶質臭化チオトロピウムの高純度プロファイル及び安定性によって、それは医薬用途のために特に好適である。 ここで、以下の実施例によってそれを限定することなく本発明を例示する。出発物質のデスメチルチオトロピウム(4)の製造を、実施例1及び2において式1にしたがって記載する。 実施例1: スコピン(3)遊離塩基からのNMP中のデスメチルチオトロピウム(4)の製造: 12mLのNMP中の4.0g(25.8ミリモル)のスコピン(3)及び3.0g(21.7ミリモル、0.84当量)の無水炭酸カリウムの混合物を、RTにおいて1時間撹拌した。60℃に加熱した後、混合物に8mLのNMP中の6.56g(25.8ミリモル、1.00当量)のジ(2−チエニル)グリコール酸メチル(2)を充填し、次に1.7g(12.3ミリモル、0.48当量)の無水炭酸カリウムを加えた。温度を70℃に上昇させ、反応容器を真空(20mbar)に19時間接続した。TLC(EtOAc)は、グリコレートが完全に転化したことを示した。0℃に冷却した後、約3のpHになるまで32mLの9%HClをゆっくりと加えた。高密度の沈殿物を20mLの水で希釈し、10mLのトルエンで2回洗浄した。水性層を0℃に冷却し、約9のpHになるまで4.0gの炭酸カリウムで塩基性化した。1時間後、沈殿物を濾過し、洗浄液が中性になるまで水で洗浄した。デスメチルチオトロピウムの純度(HPLC):99.8%。 LCMS EI+ 378.0; EI- 376.0。 1H-NMR (300 MHz, d6-DMSO): 7.50 (dd, J=5.1Hz, 1.1, 2H), 7.25 (s, 1H), 7.07 (dd, J=3.6, 1.2Hz, 2H), 7.00 (dd, J=5.0, 3.7Hz, 2H), 4.95 (t, J=5.3Hz, 1H), 3.00 (s, 4H), 2.36 (s, 3H), 2.05-2.01 (m, 1H), 2.00-1.95 (m, 1H), 1.50 (s, 1H), 1.45 (s, 1H)。 13C-NMR (75.5 MHz, d6-DMSO): 170.5, 147.4, 127.1, 126.5, 126.1, 76.7, 69.1, 57.9, 56.4, 43.4, 31.6。 実施例2: スコピンヒドロクロリドからのデスメチルチオトロピウム(4)の製造: 350mLのDMF中の100g(0.522モル)のスコピンヒドロクロリドの懸濁液に、72g(0.521モル、1.0当量)の無水炭酸カリウムを充填した。気体の発生が終了した後、300mLのDMF中の159g(0.625モル、1.2当量)のジ(2−チエニル)グリコール酸メチル(2)の溶液を加えた。反応混合物を70℃に加熱し、真空(40mbar)を加えた。1日後、氷を用いて混合物を冷却し、9%のHClを用いてpHを3に低下させ、温度を25℃より低く保持した。混合物を400mLのトルエンで2回洗浄した。水性層を炭酸カリウムで塩基性化し、得られた沈殿物を濾過によって回収し、中性のpHになるまで水で洗浄した。粗生成物をアセトニトリルから結晶化することによって精製して、142g(72%)の生成物を明褐色の結晶として得た。純度(HPLC):99.8%。 1H-NMR (300 MHz, d6-DMSO): 7.50 (dd, J=5.1Hz, 1.1, 2H), 7.25 (s, 1H), 7.07 (dd, J=3.6, 1.2Hz, 2H), 7.00 (dd, J=5.0, 3.7Hz, 2H), 4.95 (t, J=5.3Hz, 1H), 3.00 (s, 4H), 2.36 (s,3H), 2.05-2.01 (m, 1H), 2.00-1.95 (m, 1H), 1.50 (s, 1H), 1.45 (s, 1H)。 13C-NMR (75.5 MHz, d6-DMSO): 170.5, 147.4, 127.1, 126.5, 126.1, 76.7, 69.1, 57.9, 56.4, 43.4, 31.6。 実施例3: NMP中での臭化チオトロピウム(1)の製造: 30mLのNMP中の13.2g(39.1ミリモル)のデスメチルチオトロピウム(4)の溶液に、NMP中の16.5mL(115ミリモル、2.93当量)の臭化メチルの1:1(w/w)溶液を加えた。混合物を室温において一晩撹拌することによって、高濃度の懸濁液が形成された。20mLのアセトニトリルを加えた後、懸濁液を濾過し、20mLのアセトニトリルで洗浄し、高真空を用いて30℃において一晩乾燥して、15.51gの灰白色の粉末を得た。GC分析によって残留溶媒が検出された。XRPDパターンは図1に示すものに適合していた。 1H-NMR (300 MHz, d6-DMSO): 7.52 (dd, J=5.0Hz, 1.1, 2H), 7.41 (s, 1H), 7.13 (dd, J=3.6, 1.1Hz, 2H), 7.01 (dd, J=5.0, 3.7Hz, 2H), 5.12 (t, J=5.8Hz, 1H), 4.13 (bd, J=5.8Hz, 2H), 3.50 (s, 2H), 3.25 (s, 3H), 3.05 (s, 3H), 2.8-2.6 (m, 2H), 1.93 (s, 1H), 1.87(s, 1H)。 13C-NMR (75.5 MHz, d6-DMSO): 170.2, 147.1, 127.3, 126.7, 126.3, 76.8, 65.0, 64.2, 56.5, 54.1, 47.6, 28.7。 実施例4: NMP及びTBMEからの臭化チオトロピウム(1)の結晶化: 60℃において、3mLのNMPを少しずつ加えることによって臭化チオトロピウム(0.60g)を溶解した。3mLのTBMEを加えた後に白色の結晶体が形成され、これを次に5時間かけて−10℃に冷却し、その温度に一晩保持した。懸濁液を濾過し、2mL及び1mLのTBMEで2回洗浄し、窒素流下で70分間乾燥した。GCによる残留溶媒の分析は3%より低いNMP含量を与えた。XRPDパターンは図1に示すものと適合していた。 1H-NMR (300 MHz, d6-DMSO): 7.52 (dd, J=5.0Hz, 1.1, 2H), 7.41 (s, 1H), 7.13 (dd, J=3.6, 1.1Hz, 2H), 7.01 (dd, J=5.0, 3.7Hz, 2H), 5.12 (t, J=5.8Hz, 1H), 4.13 (bd, J=5.8Hz, 2H), 3.50 (s, 2H), 3.25 (s, 3H), 3.05 (s, 3H), 2.8-2.6 (m, 2H), 1.93 (s, 1H), 1.87(s,1H)。 13C-NMR (75.5 MHz, d6-DMSO): 170.2, 147.1, 127.3, 126.7, 126.3, 76.8, 65.0, 64.2, 56.5, 54.1, 47.6, 28.7。 実施例5: 臭化チオトロピウム(1)に関する安定性の研究: 上記の実施例において記載したようにして製造した医薬物質を40±2℃/75±5%RHにおいて貯蔵して、臭化チオトロピウムの加速安定性研究を行った。安定性は、スクリューキャップを有する暗色のガラスバイアル内で評価した。行った分析の頻度は、5つの試験点:0日、7日、1月、3月、及び6月を含んでいた。Eur.Ph.手順(07/2010:2420)にしたがって、臭化チオトロピウムの関連物質の量をHPLCによって測定した。 結果を表1に示す。 約9.44、12.65、15.23、16.91、17.71、17.87、18.86、21.08、22.35、22.70、22.83、22.91、24.09、25.39、25.57、27.47、30.62±0.2°の2θ角のピークから選択される少なくとも3つのピークを含むXRPDパターンを有する結晶質臭化チオトロピウム。 図1に示すXRPDスペクトルを有する、請求項1に記載の結晶質臭化チオトロピウム。 図2に示すDSCスペクトルを有する、請求項1〜2のいずれかに記載の結晶質臭化チオトロピウム。 図3に示すTGAスペクトルを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の結晶質臭化チオトロピウム。 図4及び5に示すFT−IR又はFT−ラマンスペクトルを有する、請求項1〜4のいずれかに記載の結晶質臭化チオトロピウム。 99.0%より高いHPLC純度を有し、0.15%より高い低い不純物を有しない、請求項1に記載の結晶質臭化チオトロピウム。 3%以下のN−メチルピロリドンを含む、請求項1に記載の結晶質臭化チオトロピウム。 0.3%以下のN−メチルピロリドンを含む、請求項1及び7に記載の結晶質臭化チオトロピウム。 N−メチルピロリドン溶液から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含む、請求項1に記載の結晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。 結晶化を、tert−ブチルメチルエーテル、ギ酸エチル、及びアセトニトリルの中から選択される1種類以上の更なる溶媒の存在下で行う、請求項9に記載の方法。 【課題】ムスカリン受容体に対する特異性及び大きな長期間効果を有する非常に効率的な抗コリン薬である臭化チオトロピウムの安定な結晶形態、及び高い純度でそれを製造する方法の提供。【解決手段】N−メチルピロリドン(NMP)中でアルキル化反応を行うことによって得られる臭化チオトロピウム((1α,2β,4β,7β)−7−[(ヒドロキシ−ジ−2−チエニルアセチル)オキシ]−9,9−ジメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナンブロミド)の溶液から、臭化チオトロピウムを結晶化させる方法及びその方法により得られる結晶形態。更には、結晶化を、tert−ブチルメチルエーテル、ギ酸エチル、及びアセトニトリルの中から選択される1種類以上の更なる溶媒の存在下で行う、結晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。【選択図】なし


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