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タイトル:公開特許公報(A)_テルミサルタン含有錠剤
出願番号:2014077631
年次:2014
IPC分類:A61K 31/4184,A61K 47/34,A61K 47/12,A61K 9/24,A61K 9/20,A61K 47/16


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小川 芳之 伊豆井 航 樋崎 雅也 JP 2014210772 公開特許公報(A) 20141113 2014077631 20140404 テルミサルタン含有錠剤 沢井製薬株式会社 000209049 特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ 110000408 小川 芳之 伊豆井 航 樋崎 雅也 JP 2013078554 20130404 A61K 31/4184 20060101AFI20141017BHJP A61K 47/34 20060101ALI20141017BHJP A61K 47/12 20060101ALI20141017BHJP A61K 9/24 20060101ALI20141017BHJP A61K 9/20 20060101ALI20141017BHJP A61K 47/16 20060101ALI20141017BHJP JPA61K31/4184A61K47/34A61K47/12A61K9/24A61K9/20A61K47/16 4 OL 11 4C076 4C086 4C076AA36 4C076AA40 4C076BB01 4C076CC11 4C076DD09A 4C076DD41 4C076DD48 4C076EE23A 4C076FF63 4C086AA01 4C086BC39 4C086MA02 4C086MA05 4C086MA35 4C086NA03 4C086NA20 4C086ZA42本発明は、テルミサルタン含有錠剤に関する。特に、保存時の安定性と打錠性を改善したテルミサルタン含有錠剤に関する。アンジオテンシンII受容体拮抗薬であるテルミサルタンは、高血圧症の治療薬の1つとして広く普及している。テルミサルタンは、胃腸管の生理的pH条件下では溶解性が低いため、例えば、特許文献1には、テルミサルタンにメグルミンなどの塩基性物質と界面活性剤を添加することなどにより、溶解性が改善されることが記載されている。しかし、テルミサルタン錠剤を記載する非特許文献1には、分包後は吸湿して軟化、黄変することがあるので、高温・多湿を避けて保存する旨が記載されている。また、テルミサルタンと利尿薬であるヒドロクロロチアジドを含む配合錠について、非特許文献2には、分包後は吸湿して軟化することがあるので、高温・多湿を避けて保存する旨が記載されている。さらに、テルミサルタンと持続性カルシウム拮抗薬であるアムロジピンベシル酸塩を含む配合錠について、非特許文献3には、分包後は吸湿して軟化することがあるので、高温・多湿を避けて保存する旨が記載されているなど、テルミサルタン含有錠剤の保存時の安定性は十分に満足できるものではない。特表2006−502194号公報ミカルディス錠添付文書 2011年6月改定ミコンビ配合錠添付文書 2011年6月改定ミカムロ配合錠添付文書 2012年7月改定本発明は、上述の課題を解決するものであって、保存時の安定性を向上させたテルミサルタン含有錠剤を提供することを目的とする。さらに、上述の課題を解決するために種々の検討を行ったなかで、従来技術のテルミサルタン含有錠剤は、十分な打錠性を有していないという課題を発見した。本発明は、打錠性も改善したテルミサルタン含有錠剤を提供することを目的とする。本発明の一実施形態によると、テルミサルタンと、ラウロマクロゴールまたはポリソルベートと、を含有する医薬組成物からなるテルミサルタン含有錠剤が提供される。本発明の一実施形態に係るテルミサルタン含有錠剤は、前記医薬組成物にマクロゴール6000をさらに含んでもよい。本発明の一実施形態に係るテルミサルタン含有錠剤は、前記医薬組成物からなる第1の層を含む多層錠剤でも良い。本発明の一実施形態に係るテルミサルタン含有錠剤は、前記医薬組成物からなる第1の層に、ヒドロクロロチアジドを含む第2の層をさらに含んでもよい。本発明の一実施形態に係るテルミサルタン含有錠剤は、前記医薬組成物からなる第1の層に、アムロジピンベシル酸塩を含む第2の層をさらに含んでもよい。本発明によると、保存時の安定性を向上させたテルミサルタン含有錠剤が提供される。さらに、打錠性も改善したテルミサルタン含有錠剤が提供される。以下、本発明に係るテルミサルタン含有錠剤について説明する。但し、本発明のテルミサルタン含有錠剤は、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明者らは、後述する実施例においても示すように、テルミサルタン含有錠剤の加湿条件下での保管安定性を改善すべく種々の添加剤について検討を行ったところ、特定の界面活性剤を添加することにより、テルミサルタン含有錠剤の保管安定性を向上させることが可能であるとことを新たに見出した。本発明に係るテルミサルタン含有錠剤は、テルミサルタンとラウロマクロゴール(ポリオキシエチレンラウリルエーテルともいう)とを含有する医薬組成物を含む。本実施形態において、テルミサルタン含有錠剤は、所定量のテルミサルタンを含み、テルミサルタンの含有量は、例えば、20mg、40mgまたは80mg/錠である。本実施形態において添加するラウロマクロゴールとしては、ポリオキシエチレンラウリルエーテルであって、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(4.2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル、または、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテルを用いることができる。ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル及びポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテルが好ましく、特にポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル(日光ケミカルズ株式会社:商品名BL−25)は、本発明に係るテルミサルタン含有錠剤に好適に用いることができる。一実施形態において、テルミサルタン含有医薬組成物に添加するラウロマクロゴールは、テルミサルタン含有医薬組成物100重量部に対して、0.5重量部以上2.5重量部以下の範囲であることが好ましく、1.0重量部以上2.5重量部以下がより好ましい。また、一実施形態において、テルミサルタン含有医薬組成物は、ラウロマクロゴールに替えて、ポリソルベートを用いることもできる。本実施形態において利用可能なポリソルベートとしては、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80等が挙げられるが、ポリソルベート80を好適に用いることができる。一実施形態において、テルミサルタン含有医薬組成物に添加するポリソルベートは、テルミサルタン含有医薬組成物100重量部に対して、0.5重量部以上3.0重量部以下の範囲であることが好ましく、1.0重量部以上2.5重量部以下がより好ましい。また、本実施形態において、テルミサルタン含有医薬組成物は、所定量の塩基性物質を含む。塩基性物質としては、メグルミンが好ましい。メグルミンの含有量は、テルミサルタンの溶解性を改善するために必要な量であればよく、例えば、テルミサルタンの含有量と同量であり、20mg、40mgまたは80mg/錠である。なお、本発明に係るテルミサルタン含有医薬組成物に含まれるテルミサルタン及びメグルミンの量はこれらに限定されるものではなく、任意に変更可能である。本実施形態において、テルミサルタン含有医薬組成物は、好ましくは、マクロゴール6000をさらに含む。本発明者らは、上述の保管安定性の改善のために、種々の添加剤を用いて探索を行ったところ、テルミサルタン含有医薬組成物にマクロゴール6000を添加することにより、テルミサルタン含有錠剤の打錠性を改善可能であることを期せずして発見した。テルミサルタン含有医薬組成物にマクロゴール6000を添加することにより、テルミサルタン含有錠剤の打錠工程のうち、特に、成形された錠剤を臼から押し出す際に生じるバインディングを改善することができる。本発明に係るテルミサルタン含有錠剤において、マクロゴール6000は打錠性の改善に寄与する。一実施形態において、テルミサルタン含有医薬組成物に添加するマクロゴール6000は、テルミサルタン含有医薬組成物100重量部に対して、2.0重量部以上10.0重量部以下の範囲であることが好ましく、4.5重量部以上7.5重量部以下がより好ましい。本発明においては、マクロゴール6000に替えて、平均分子量の異なるマクロゴール(ポリエチレングリコール(PEG))を用いることができる。平均分子量の異なるマクロゴールとしては、例えば、マクロゴール1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール20000等が挙げられる。本実施形態において、テルミサルタン含有医薬組成物には、他に水溶性希釈剤、賦形剤及び/又は補助剤を含む。水溶性希釈剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、グルコース等の単糖、スクロース、無水ラクトース、ラクトース1水和物等のオリゴ糖、ソルビトール、エリスリトール、マンニトール、ズルシトール、リビトール、キシリトール等の糖アルコールを含む炭水化物が挙げられる。本実施形態において、水溶性希釈剤としては、吸湿性の低いマンニトールを好適に用いることができる。その他の賦形剤及び/又は補助剤としては、例えば、結合剤、崩壊剤、希釈剤、担体、滑沢剤、流動化剤、着色剤、pH制御剤が挙げられる。本実施形態において、結合剤は、乾燥結合剤としては、例えば、結晶セルロースが挙げられる。また、湿顆粒結合剤としては、コーンスターチ、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー(コポビドン)、又はヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体が挙げられる。本実施形態において、崩壊剤は、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、乾燥コーンスターチ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルメロース、結晶セルロースが挙げられる。その他の賦形剤や補助剤には、希釈剤及び担体として、例えば、セルロース末、結晶セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体、二塩基性リン酸カルシウム、コーンスターチ、アルファ化デンプン、ポリビニルピロリドン(ポビドン)等が挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、三ベヘン酸グリセロール、軽質無水ケイ酸等を挙げられる。流動化剤としては、例えば、コロイドシリカ、軽質無水ケイ酸、タルク等を挙げられる。染料や顔料を含む着色剤としては、例えば、酸化鉄レッド又はイエロ、二酸化チタン、タルク等が挙げられる。pH制御剤としては、例えば、クエン酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カルシウム、二塩基性リン酸ナトリウム等が挙げられる。また、これらの賦形剤及び/又は補助剤の2種以上の混合物を選択することができる。本発明に係るテルミサルタン含有錠剤は、ラウロマクロゴールまたはポリソルベートを含むことにより、保管安定性を向上させることができる。マクロゴール6000を含むことにより、打錠性を改善することができる。(多層錠剤)本発明に係るテルミサルタン含有錠剤は、テルミサルタンと、ラウロマクロゴールまたはポリソルベートと、を含有する医薬組成物からなる第1の層を含む多層錠剤とすることもできる。多層錠剤を構成する第1の層以外の層は、活性成分を含有する層でもよく、あるいは活性成分を含有しない層でもよい。公知のテルミサルタン含有錠剤においては、第2の層に含有可能な活性成分として、ヒドロクロロチアジドまたはアムロジピンベシル酸塩を含有するものが有り、本発明に係るテルミサルタン含有錠剤においても、これらの活性成分を第2の層に含有した多層錠剤として提供することができる。本発明に係る多層錠剤を構成する第1の層以外の層に含有可能な活性成分は、これらに限定されるものではなく、テルミサルタンとともに摂取することにより、薬学的効果を得られる成分であればよい。なお、本発明に係る多層錠剤としては、複数の層からなっていればよく、例えば垂直方向に層が積み重ねられた積層錠剤や、内部層(内核)と外部層を有する有核錠剤などが挙げられる。積層錠剤としては、例えば二層錠剤などが挙げられる。一実施形態において、本発明に係るテルミサルタン含有錠剤は、第2の層に所定量のヒドロクロロチアジドを含む。ヒドロクロロチアジドの含有量は、例えば、12.5mgまたは25mg/錠である。なお、本発明に係るテルミサルタン含有錠剤において、第2の層に含まれるヒドロクロロチアジドの量はこれらに限定されるものではなく、任意に変更可能である。また、一実施形態において、本発明に係るテルミサルタン含有錠剤は、第2の層に所定量のアムロジピンベシル酸塩を含む。アムロジピンベシル酸塩の含有量は、例えば、6.93mg(アムロジピンとして5mg)または13.87mg(アムロジピンとして10mg)/錠である。なお、本発明に係るテルミサルタン含有錠剤において、第2の層に含まれるアムロジピンベシル酸塩の量はこれらに限定されるものではなく、任意に変更可能である。本実施形態において、テルミサルタン含有錠剤の第2の層は、充填剤、結合剤、滑沢剤を含む。また、テルミサルタン含有錠剤の第2の層は、任意に他の賦形剤や補助剤を含んでもよい。充填剤には、公知のものを用いることができ、例えば、結晶セルロース、グルコース、ラクトース、スクロースなどの糖、ソルビトール、エリスリトール、マンニトール、ズルシトール、リビトール、キシリトールなどの糖アルコールを含む炭水化物から選択することができる。結合剤としては、例えば、セルロース末及び結晶セルロース、コーンスターチ、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー(コポビドン)及びヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル−セルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体等から選択することができる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、三ベヘン酸グリセロール、軽質無水ケイ酸等から選択することができる。その他の賦形剤や補助剤には、希釈剤及び担体として、例えば、セルロース末、結晶セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体、二塩基性リン酸塩カルシウム、コーンスターチ、アルファ化デンプン、ポリビニルピロリドン(ポビドン)等から選択することができる。崩壊剤としては、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び乾燥コーンスターチ等から選択することができる。流動化剤としては、例えば、コロイドシリカ、軽質無水ケイ酸、タルク等から選択することができる。染料や顔料を含む着色剤としては、例えば、酸化鉄レッド又はイエロ、二酸化チタン、タルク等から選択することができる。pH制御剤としては、例えば、クエン酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カルシウム、二塩基性リン酸ナトリウム等から選択することができる。界面活性剤や乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ポロクサマー、プルロニック)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエトキシレート化及び水素化ヒマシ油等から選択することができる。また、これらの賦形剤及び/又は補助剤の2種以上の混合物を選択してもよい。本発明に係るテルミサルタン含有錠剤は多層錠剤とした場合、第1の層にラウロマクロゴールまたはポリソルベートを含むことにより、テルミサルタン含有錠剤の保管安定性が向上し、マクロゴール6000を含むことにより、打錠性、特に成形された錠剤を臼から押し出す際に生じるバインディングを改善することができる。(製造方法)本発明に係るテルミサルタン含有錠剤は、薬学分野において公知の製造方法に従って製造することができる。例えば、水溶性希釈剤、滑沢剤を混合し、この混合物にテルミサルタン、メグルミン、ラウロマクロゴールまたはポリソルベート、マクロゴール6000の水溶液をスプレーし、造粒物を得る。得られた造粒物を整粒して整粒物とし、滑沢剤を混合して、テルミサルタンを含む打錠前粉末を得ることができる。このテルミサルタンを含む打錠前粉末を打錠することにより、本発明に係るテルミサルタン含有錠剤を製造することができる。なお、打錠は、市販の打錠機を使用して、常法により行うことができる。また、本発明に係るテルミサルタン含有錠剤を多層錠剤とする場合、上記テルミサルタンを含む打錠前粉末を得ると共に、別途、ヒドロクロロチアジドまたはアムロジピンベシル酸塩、水溶性希釈剤を混合し、この混合物に結合剤の水溶液をスプレーし、造粒物を得る。得られた造粒物を整粒して整粒物とし、滑沢剤を混合して第2の層用の打錠前粉末を得る。第1の層として前記テルミサルタンを含む打錠前粉末を充填し、次に第2の層用の打錠前粉末を充填して打錠することにより、本発明に係るテルミサルタン含有錠剤を製造することができる。なお、打錠は、市販の多層打錠機を使用して、常法により行うことができる。上述した本発明に係るテルミサルタン含有錠剤の具体的な製造例及び試験結果を示して、より詳細に説明する。(実施例1)流動層造粒機(パウレック社製、機種:MP−01)にて、D−マンニトール(303.6g)、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101(フロイント産業)、0.40g)を給気温度90℃で混合した。そこにテルミサルタン(160.0g)、メグルミン(160.0g)、マクロゴール6000(日油、32.0g)、ラウロマクロゴール(NIKKOL BL-25(日光ケミカルズ)、16.0g)の水溶液(728.0g)を約3.3g/分でスプレーし、造粒物を得た。これを22号篩で整粒し、この整粒物に、軽質無水ケイ酸(2.40g)、ステアリン酸マグネシウム(5.6g)を混合して打錠前粉末(1)を得た。この打錠前粉末(1)を打錠機(菊水製作所製、単発打錠機)に充填して、打錠し、テルミサルタン含有錠剤を製した。(実施例2)実施例1のラウロマクロゴールに替えてポリソルベート80を用いた。流動層造粒機(パウレック社製、機種:MP−01)にて、D−マンニトール(303.6g)、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101(フロイント産業)、0.40g)を給気温度90℃で混合した。そこにテルミサルタン(160.0g)、メグルミン(160.0g)、マクロゴール6000(日油、32.0g)、ポリソルベート80(NIKKOL TO-10M(日光ケミカルズ)、16.0g)の水溶液(728.0g)を約3.3g/分でスプレーし、造粒物を得た。これを22号篩で整粒し、この整粒物に、軽質無水ケイ酸(2.40g)、ステアリン酸マグネシウム(5.6g)を混合して打錠前粉末を得た。この打錠前粉末を打錠機(菊水製作所製、単発打錠機)に充填して、打錠し、テルミサルタン含有錠剤(1錠当たりのテルミサルタン含有量は実施例1と同じ)を製した。(比較例1)流動層造粒機(パウレック社製、機種:MP−01)にて、エリスリトール(322.0g)、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101(フロイント産業)、0.40g)を給気温度90℃で混合した。そこにテルミサルタン(160.0g)、メグルミン(160.0g)、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール(プルロニックF−68(旭電化工業)、32.0g)の水溶液(728.0g)を約3.3g/分でスプレーし、造粒物を得た。これを22号篩で整粒し、この整粒物に、ステアリン酸マグネシウム(5.6g)を混合して打錠前粉末を得た。この打錠前粉末を打錠機(菊水製作所製、単発打錠機)に充填して、打錠し、テルミサルタン含有錠剤(1錠当たりのテルミサルタン含有量は実施例1と同じ)を製した。(比較例2)流動層造粒機(パウレック社製、機種:MP−01)にて、D−マンニトール(303.6g)、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101(フロイント産業)、0.40g)を給気温度90℃で混合した。そこにテルミサルタン(160.0g)、メグルミン(160.0g)、マクロゴール6000(日油、32.0g)、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール(プルロニックF−68(旭電化工業)、16.0g)の水溶液(728.0g)を約3.3g/分でスプレーし、造粒物を得た。これを22号篩で整粒し、この整粒物に、軽質無水ケイ酸(2.40g)、ステアリン酸マグネシウム(5.6g)を混合して打錠前粉末を得た。この打錠前粉末を打錠機(菊水製作所製、単発打錠機)に充填して、打錠し、テルミサルタン含有錠剤(1錠当たりのテルミサルタン含有量は実施例1と同じ)を製した。(比較例3)流動層造粒機(パウレック社製、機種:MP−01)にて、エリスリトール(322.0g)、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101(フロイント産業)、0.40g)を給気温度90℃で混合した。そこにテルミサルタン(160.0g)、メグルミン(160.0g)、マクロゴール6000(日油、32.0g)の水溶液(728.0g)を約3.3g/分でスプレーし、造粒物を得た。これを22号篩で整粒し、この整粒物に、ステアリン酸マグネシウム(5.6g)を混合して打錠前粉末を得た。この打錠前粉末を打錠機(菊水製作所製、単発打錠機)に充填して、打錠し、テルミサルタン含有錠剤(1錠当たりのテルミサルタン含有量は実施例1と同じ)を製した。(参考例1)流動層造粒機(パウレック社製、機種:MP−01)にて、D−マンニトール(335.6g)、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101(フロイント産業)、0.40g)を給気温度90℃で混合した。そこにテルミサルタン(160.0g)、メグルミン(160.0g)、マクロゴール6000(日油、16.0g)の水溶液(728.0g)を約3.3g/分でスプレーし、造粒物を得た。これを22号篩で整粒し、この整粒物に、軽質無水ケイ酸(2.40g)、ステアリン酸マグネシウム(5.6g)を混合して打錠前粉末を得た。この打錠前粉末を打錠機(菊水製作所製、単発打錠機)に充填して、打錠し、テルミサルタン含有錠剤(1錠当たりのテルミサルタン含有量は実施例1と同じ)を製した。(参考例2)流動層造粒機(パウレック社製、機種:MP−01)にて、エリスリトール(335.6g)、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101(フロイント産業)、0.40g)を給気温度90℃で混合した。そこにテルミサルタン(160.0g)、メグルミン(160.0g)、マクロゴール1500(日油、16.0g)の水溶液(728.0g)を約3.3g/分でスプレーし、造粒物を得た。これを22号篩で整粒し、この整粒物に、軽質無水ケイ酸(2.40g)、ステアリン酸マグネシウム(5.6g)を混合して打錠前粉末を得た。この打錠前粉末を打錠機(菊水製作所製、単発打錠機)に充填して、打錠し、テルミサルタン含有錠剤(1錠当たりのテルミサルタン含有量は実施例1と同じ)を製した。(保管安定性試験)実施例1、2及び比較例1〜3において製した錠剤について、保管安定性を評価した。保管安定性の評価は、25℃、75%RHの加湿条件下、無包装状態において1週間保存後、第十六改正日本薬局方に記載されている崩壊試験法に従い、崩壊試験を行い、評価した。崩壊試験は、試験液として水を用い、各錠剤6錠の平均崩壊時間を測定した。(打錠性評価)実施例1、2、比較例1〜3及び参考例1、2において、それぞれの打錠前粉末を打錠した際の、打錠障害(バインディング)について、評価した。本発明の実施例及び比較例の測定結果を表1に示す。表中、打錠障害について、明らかなバインディングが生じた場合を(+)とし、わずかにバインディングが生じた場合を(±)とし、バインディングが認められなかった場合を(−)とした。表1の結果から明らかなように、ラウロマクロゴールを含む実施例1及びポリソルベートを含む実施例2においては、加湿条件下保存後のサンプルにおいても、崩壊時間の遅延が認められなかったのに対して、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(プルロニック、ポロクサマー)を含むあるいは界面活性剤を含まない比較例1〜3においては、大幅な崩壊時間の遅延が認められた。また、マクロゴール6000を含む実施例1及び2、比較例2及び3においては、打錠障害は認められなかったのに対して、マクロゴール6000を添加していない比較例1ではバインディングが生じ、錠剤を製すること自体、容易ではなかった。これらの結果から、ラウロマクロゴールまたはポリソルベートを添加することにより、加湿条件下保存後のサンプルの崩壊遅延が抑制されることが明らかである。また、マクロゴール6000を添加することにより、打錠障害を抑制することができることが示された。参考例の測定結果を表2に示す。表中、打錠障害について、明らかなバインディングが生じた場合を(+)とし、わずかにバインディングが生じた場合を(±)とし、バインディングが認められなかった場合を(−)とした。マクロゴール6000の添加量を比較例3の半分とした参考例1では、比較例3に比して打錠障害の抑制効果が低下した。この結果から、打錠障害の抑制効果は、マクロゴール6000の添加量に依存することが示された。また、マクロゴールのグレードを低分子量のものに変更した参考例2においても、打錠障害をある程度抑制できた。(実施例3)流動層造粒機(パウレック社製、機種:MP−01)にて、ヒドロクロロチアヂド(37.5g)、D−マンニトール(304.5g)、結晶セルロース(66.0g)を給気温度90℃で混合した。ヒドロキシプロピルセルロース(9.0g)の水溶液(180.0g)を約4.5g/分でスプレーし、造粒物を得た。これを22号篩で整粒し、この整粒物に、ステアリン酸マグネシウム(3.0g)を混合して打錠前粉末(2)を得た。打錠機(菊水製作所製、ロータリー式二層打錠機)に、第1の層として実施例1の打錠前粉末(1)を充填し、次に第2の層として打錠前粉末(2)を充填して打錠し、1錠あたり480.0mgの二層錠を得た。この二層錠の打錠工程において、打錠障害(バインディング)は認められなかった。また、この二層錠について、上記保管安定性試験と同様の試験を行ったところ、崩壊時間の遅延は認められなかった。以上説明したように、本実施例に係るテルミサルタン含有錠剤においては、テルミサルタンにラウロマクロゴールまたはポリソルベートを添加することにより、保管安定性を向上させることができる。また、マクロゴール6000を含むことにより、打錠性を改善することができる。テルミサルタンと、ラウロマクロゴールまたはポリソルベートと、を含有する医薬組成物からなることを特徴とする、テルミサルタン含有錠剤。前記医薬組成物にマクロゴール6000をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のテルミサルタン含有錠剤。請求項1または2に記載の医薬組成物からなる第1の層、および、ヒドロクロロチアジドを含む第2の層を有することを特徴とする、テルミサルタン含有錠剤。請求項1または2に記載の医薬組成物からなる第1の層、および、アムロジピンベシル酸塩を含む第2の層を有することを特徴とする、テルミサルタン含有錠剤。 【課題】保存時の安定性を向上させたテルミサルタン含有錠剤を提供する。また、打錠性も改善したテルミサルタン含有錠剤を提供する。【解決手段】テルミサルタンとラウロマクロゴールまたはポリソルベートとを含有する医薬組成物からなるテルミサルタン含有錠剤が提供される。また、前記医薬組成物にマクロゴール6000をさらに含んでもよい。前記医薬組成物からなる第1の層とヒドロクロロチアジドまたはアムロジピンベシル酸塩を含む第2の層からなる、テルミサルタン含有錠剤でもよい。【選択図】なし


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