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タイトル:公開特許公報(A)_ナルコレプシーまたは摂食障害の治療剤
出願番号:2014062684
年次:2014
IPC分類:A61K 31/7008,A61P 25/26,A23L 1/30


特許情報キャッシュ

塩田 邦郎 八木 慎太郎 広澤−高森 瑞子 新井 大祐 早川 晃司 菊水 健史 JP 2014208625 公開特許公報(A) 20141106 2014062684 20140325 ナルコレプシーまたは摂食障害の治療剤 国立大学法人 東京大学 504137912 学校法人麻布獣医学園 502341546 高島 一 100080791 土井 京子 100125070 鎌田 光宜 100136629 田村 弥栄子 100121212 山本 健二 100122688 村田 美由紀 100117743 小池 順造 100163658 當麻 博文 100174296 塩田 邦郎 八木 慎太郎 広澤−高森 瑞子 新井 大祐 早川 晃司 菊水 健史 JP 2013062298 20130325 A61K 31/7008 20060101AFI20141010BHJP A61P 25/26 20060101ALI20141010BHJP A23L 1/30 20060101ALI20141010BHJP JPA61K31/7008A61P25/26A23L1/30 Z 11 OL 24 (出願人による申告)平成24年度、独立行政法人医薬基盤研究所基礎研究推進事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願 4B018 4C086 4B018MD18 4B018ME14 4B018MF02 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA02 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA02 本発明は、ナルコレプシーまたは摂食障害の治療剤に関し、オレキシンニューロン再生により改善される疾患の治療分野に関する。 オレキシンは、覚醒を促す脳内ペプチドで、広く脳内に分布するオレキシン受容体を介して、オレキシン制御系を形成し、覚醒-睡眠の調節の中心的な機能を果たしている(非特許文献1)。実験的には、オレキシン欠損は、ナルコレプシー(突然発作的に短い睡眠に陥る病態)を来たす(非特許文献2および3)。さらに、ナルコレプシー患者の脳脊髄液中のオレキシンの濃度は、健常者の約1/3程度と低く、オレキシンニューロンの数の減少も認められる。オレキシン系の機能低下は、覚醒-睡眠サイクルに影響を及ぼし、恒常性の維持にも悪影響を及ぼすことが明らかになっている。正常な覚醒-睡眠の維持や恒常性の維持には、適切なオレキシン系の活動が欠かせない(非特許文献4)。そのため、オレキシン作用促進剤(アゴニスト)や阻害剤(アンタゴニスト)の開発に関心が集まっている。一方、オレキシン産生細胞(オレキシンニューロン)が欠損もしくは減少した場合、促進剤や阻害剤の有効性は限定的である。しかし、これまでに、オレキシンニューロンの誘導は、in vivo実験で成功した報告はない。 N−アセチル−D−グルコサミンの異性体であるN−アセチル−D−マンノサミンは、例えば、医薬品や医薬品原料となるシアル酸(N−アセチルノイラミン酸)の酵素合成原料として知られている。また、N−アセチル−D−マンノサミンは、その誘導体から、シアル酸誘導体を酵素合成することが可能であり、産業上、重要な物質である。N−アセチル−D−マンノサミンの製造方法として、N−アセチルグルコサミンをアルカリ条件下で異性化する際に、ホウ酸またはホウ酸塩を添加することにより、N−アセチルマンノサミンへのモル変換収率を増大させる方法が知られている(特許文献1)。また、シアル酸を基質としてN−アセチルノイラミン酸リアーゼを反応させることにより、N−アセチル−D−マンノサミンを製造する方法も知られている(特許文献2)。N−マンノサミンのアシル化体を細胞に接触させることにより、細胞表面へのレクチン結合を調節する方法または神経細胞の増殖を調節する方法が提案されている(特許文献3)。 本発明者らは、N−アセチル−D−マンノサミンが脳機能低下の改善や睡眠障害の改善に有効であることを見出している(特許文献4および5)。特開平10−182685号公報特開2001−78794号公報米国特許第6274568号公報国際公開第2010/027028号公報特開2011−178702号公報Pharmacological Reviews 61:162-176, 2009Cell 98: 365-376, 1999Cell 98: 437-451, 1999Neuroscience 178: 82-88, 2011 ナルコレプシーは、世界の人口の0.2%が罹患しているとされる。実験的にはオレキシン遺伝子またはその受容体遺伝子欠損でナルコレプシー症状を呈するが、患者でオレキシン遺伝子またはその受容体遺伝子の変異や欠損は稀である。ナルコレプシーの根本療法はなく、精神賦活剤(メチルフェニデート(リタリン)、ぺモリン(ベタナミン)、モダフィニル(モディオダール)等)治療の他、向精神薬や麻酔薬が使われているが、薬物依存の問題がある。ナルコレプシーの原因は、オレキシン産生細胞の減少または欠損である。よって、ナルコレプシーの根本治療薬の開発が望まれており、本発明の目的は、ナルコレプシーの根本治療薬を提供することにある。 本発明者らは、ナルコレプシーの治療または予防にはオレキシン細胞が減少することを防ぐか、オレキシン細胞を増加させることが必要であると考え、鋭意検討した結果、意外にもN−アセチル−D−マンノサミンを動物に投与することで、視床下部外側野においてオレキシン遺伝子を発現する細胞が増加することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。〔1〕 N−アセチル−D−マンノサミンを含有してなる、生体内でのオレキシンニューロンの誘導に基づく、ナルコレプシーまたは摂食障害の治療剤。〔2〕 オレキシンニューロンの誘導が視床下部外側野におけるものである、〔1〕に記載の治療剤。〔3〕 摂食障害が拒食症である、〔1〕または〔2〕に記載の治療剤。〔4〕 保健機能食品または食品添加物である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の治療剤。〔5〕 N−アセチル−D−マンノサミンの有効量および医薬として許容されうる担体を含有してなり、生体内でのオレキシンニューロンの誘導に基づいてナルコレプシーまたは摂食障害を治療するための医薬組成物。〔6〕 オレキシンニューロンの誘導が視床下部外側野におけるものである、〔5〕に記載の医薬組成物。〔7〕 摂食障害が拒食症である、〔5〕または〔6〕に記載の医薬組成物。〔8〕 生体内でのオレキシンニューロンの誘導に基づく、ナルコレプシーまたは摂食障害の治療用医薬を製造するためのN−アセチル−D−マンノサミンの使用。〔9〕 N−アセチル−D−マンノサミンの有効量をそれを必要とする対象に投与する工程を含む、生体内でのオレキシンニューロンの誘導に基づく、ナルコレプシーまたは摂食障害の治療方法。〔10〕 オレキシンニューロンの誘導が視床下部外側野におけるものである、〔9〕に記載の治療方法。〔11〕 摂食障害が拒食症である、〔9〕または〔10〕に記載の治療方法。 オレキシンニューロンの減少または欠損による症状を呈するナルコレプシーに対して、N−アセチル−D−マンノサミンは有効であり、安全性も高い。N−アセチル−D−マンノサミンを用いて、オレキシンニューロンの減少を防止、あるいは回復を目指した医療に貢献することができる。N−アセチル−D−マンノサミンの投与により、本来食欲の制御に関する神経ペプチドとして見出されたオレキシンの産生も誘導されるので、N−アセチル−D−マンノサミンは、摂食障害の治療薬としても有用である。若齢マウス、老齢マウスおよびManNAc投与老齢マウスの視床下部外側野におけるオレキシン遺伝子の発現状態を示す図である。ManNAc誘導体添加培地を用いた神経分化細胞におけるHcrt遺伝子の発現を示す図である。ManNAc誘導体添加培地を用いた神経分化細胞におけるHcrt遺伝子の発現およびオレキシンニューロンの誘導を示す図である。ManNFAcの脳室内投与実験の概要を示す。若齢マウス、老齢マウスおよびManNFAc投与老齢マウスの視床下部外側野におけるオレキシンニューロンの数を示すグラフである。 本発明において、オレキシンニューロンとは、オレキシン(hypocretin: Hcrt)遺伝子を発現している神経細胞をいう。オレキシンニューロンは、生体内では主に視床下部の外側核に分布している。神経細胞がオレキシンニューロンであるか否かは、当該細胞におけるHcrt遺伝子の発現の有無をPCR法、in situハイブリダイゼーション、抗体を用いた免疫学的検出(免疫染色、ウェスタンブロッティング、酵素免疫アッセイ(ELISA))、さらに該ニューロンの各種刺激に対する反応を検出する等の公知の手法により調べ、同定することにより確認することができる。 Hcrtは、ヒトHcrtのmRNAおよびタンパク質が、NCBI Reference Sequence: NM_001524.1として、およびマウスHcrtのmRNAおよびタンパク質がNCBI Reference Sequence: NM_010410.2として公表されている。 本発明において、N−アセチル−D−マンノサミンとは、下記式(I):で示される、D−マンノサミンのN−アセチル体であってもよい。式(I)で示される化合物を「ManNAc」と省略する場合がある。 本発明において、N−アセチル−D−マンノサミンとは、上記式(I)で示される単体に限定されるものではなく、その誘導体、前駆体もしくはプロドラッグ、その塩、その溶媒和物(以下、「誘導体等」と省略する場合がある)を含む概念である。 N−アセチル−D−マンノサミンは、例えば、下記式(II)で示される化合物であってもよい。〔式中、R1、R2、R3およびR4は各々独立して水素(H)、R6、−C(=O)R6、−C(=O)OR6、−C(=O)NR6R7を示し、R6は置換基を有していてもよいC1−7の鎖状炭化水素または環状炭化水素を示し、R7は水素(H)、置換基を有していてもよいC1−7の鎖状炭化水素または環状炭化水素を示す。R5は水素(H)、R6、−C(=O)OR6、−C(=O)NR6R7、−C(=O)−CH2−R8を示し、R6は置換基を有していてもよいC1−7の鎖状炭化水素もしくは環状炭化水素を示し、R7は水素(H)、置換基を有していてもよいC1−7の鎖状炭化水素または環状炭化水素を示し、R8は置換基を有していてもよいC1−7の鎖状炭化水素もしくは環状炭化水素、−(CH2)n−C(=O)R9(nは1〜6の整数であり、R9はC1−6アルキルである)、−NH−C(=O)R10(R10は置換基を有していてもよいC1−7の鎖状炭化水素である)、アジド、オキシカルボニル−C1−6アルキル、チオカルボニル−C1−6アルキルを示す。〕 置換基としてはハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)を用いることができる。 N−アセチル−D−マンノサミンは、例えば、下記式(IIa)〜(IIc)および(IIIa)〜(IIIc)で示される化合物であってもよい。 N−アセチル−D−マンノサミンの誘導体等は、文献(Metabolic glycoengineering: Sialic acid and beyond Glycobiology 2009 vol. 19 (12) pp. 1382-1401(特にFig.4)、Metabolic oligosaccharide engineering with N-Acyl functionalized ManNAc analogs: Cytotoxicity, metabolic flux, and glycan-display considerations Biotechnol Bioeng 2011 vol. 109 (4) pp. 992-1006(特にFigure 2))にも記載されており、本発明においても好適に用いることができる。 N−アセチル−D−マンノサミンの塩としては、薬理学的に許容し得る塩、例えば、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などがあげられる。 無機酸との塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩があげられる。 有機酸との塩の例としては、安息香酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩があげられる。 塩基性アミノ酸との塩の例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩があげられ、酸性アミノ酸との塩の例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩があげられる。 溶媒和物としては、好ましくは水和物(例、一水和物、二水和物など)、エタノレートなどがあげられる。 N−アセチル−D−マンノサミンは、市販品を用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。式(I)で示されるN−アセチル−D−マンノサミンの製造方法として、N−アセチルグルコサミンをアルカリ条件下で異性化する方法(特開平10−182685号公報)、シアル酸を基質としてN−アセチルノイラミン酸リアーゼを反応させることにより製造する方法(特開2001−78794号公報)があげられるが、これに限定されるものではない。N−アセチル−D−マンノサミンの誘導体等も、式(I)で示されるN−アセチル−D−マンノサミンを原料として自体公知の方法により製造することができる。 本発明の剤が治療対象とする「ナルコレプシー」は、DSM-IVに規定され、その診断にあたって、The International Classification of Sleep Disorder(ICSD-2)の使用が推奨されている。具体的には、日本睡眠学会が作成したナルコレプシーの診断・治療ガイドラインに詳述されている。ヒトを始めとする動物の場合、簡便には当該動物の脳脊髄液を採取し、液中のオレキシン濃度を常法によりナルコレプシーと判定することも可能である。ヒトの場合、ナルコレプシー患者は、脳脊髄液中のオレキシンAが低値(110pg/mL未満)〜検出限界以下であるとされる。 本発明の剤の作用機序は、生体内、特に視床下部外側野におけるオレキシンニューロンの誘導である。かかる作用機序から本発明の剤は、ナルコレプシー以外に摂食障害の治療にも適用可能である。 本発明において、「摂食障害」とは、DSM-IVに規定され、神経性無食欲症(拒食症)と神経性大食症(過食症)とに大別される。神経性無食欲症は、制限型と無茶喰い/排出型に分類され、神経性大食症は、排出型と非排出型に分類される。本発明においては、視床下部外側野におけるオレキシンニューロンの誘導作用により、特に、神経性無食欲症の症状が改善されることが期待される。 本発明の剤がナルコレプシーに対して奏功したか否かは、診断時に使用した複数の質問項目から成るテストならびに脳波測定や脳波測定を含む複数の項目を計測する睡眠ポリグラフィーを利用し、投与前と比べて投与後のテスト結果の改善および睡眠ポリグラフィーが正常波形に近づいていることから確認することができる。あるいは、脳脊髄液中のオレキシンA濃度が投与前よりも高値にシフトしていることによっても確認することができる。 本発明の剤が摂食障害に対して奏功したか否かは、標準体重への回帰、食欲や摂食行動の正常化により判定することができる。 本発明の剤は、N−アセチル−D−マンノサミン単独で、あるいは賦形剤(例えば、乳糖、ショ糖、デンプン、シクロデキストリン等)、場合によっては、香料、色素、調味料、安定剤、保存剤等も含有し、錠剤、丸剤、顆粒、細粒、粉末、ペレット、カプセル、溶液、乳液、懸濁液、シロップおよびトローチ等に製剤化して、医薬または保健機能食品もしくは食品添加物として用いることができる。また、本発明の剤は、研究用試薬として用いることもできる。 本発明の剤に含まれるN−アセチル−D−マンノサミンの量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されるものではないが、通常0.0001〜100重量%であり、好ましくは0.001〜99.9重量%である。 また、本発明は、有効量のN−アセチル−D−マンノサミンおよび医薬として許容されうる担体を含有する、生体内でのオレキシンニューロンの誘導に基づいてナルコレプシーまたは摂食障害を治療するための医薬組成物を提供する。 医薬として許容されうる担体としては、例えば、賦形剤(例えば、乳糖、ショ糖、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等)、溶剤(例えば、水、食塩水、大豆油等)、保存剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸エステル等)などがあげられるが、これらに限定されるものではない。 N−アセチル−D−マンノサミンの有効量は、医薬としての効果を奏する限り特に限定されるものではないが、通常0.0001〜99.5重量%であり、好ましくは0.001〜99.0重量%である。 本発明の剤または医薬組成物は、哺乳動物(例、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、サル、ヒト)に対して、経口的あるいは非経口的に安全に投与することができる。 本発明は、ナルコレプシーまたは摂食障害の治療剤としてのN−アセチル−D−マンノサミンを添加してなる食品を提供する。 本発明の「食品」は、食品全般を意味するが、いわゆる健康食品を含む一般食品の他、厚生労働省の保健機能食品制度に規定される特定保健用食品や栄養機能食品等の保健機能食品をも含むものであり、さらにサプリメント、飼料等も本発明の食品に包含される。 食品用途の場合、N−アセチル−D−マンノサミンを、例えば、パン、菓子等の一般食品(いわゆる健康食品を含む)に含有させて用いることもできる。また、N−アセチル−D−マンノサミンを、賦形剤(例えば、乳糖、ショ糖、デンプン等)、場合によっては、香料、色素等と共に、錠剤、丸剤、顆粒、細粒、粉末、ペレット、カプセル、溶液、乳液、懸濁液、シロップおよびトローチ等に製剤化して、特定保健用食品や栄養機能食品等の保健機能食品、サプリメントとして用いることができる。また、本発明の食品は、飼料用途にも適用することができ、家禽や家畜等には、通常の飼料に添加して摂取または投与することができる。 食品または飼料として摂取する場合、食品または飼料の1日当たりの摂取回数および1回当たりの摂取量の目安を概算し、1日摂取量を規定した上で1日摂取量の食品または飼料に含まれるN−アセチル−D−マンノサミンの量を決定する。N−アセチル−D−マンノサミンの含有量は、後述する用量に基づいて決定することができる。 本発明の剤、食品または医薬組成物の摂取または投与量は、摂取または投与対象の年齢、体重、健康状態によって異なり、一概に決定することはできない。例えば、ナルコレプシーの予防もしくは改善または正常な摂食行動の維持を目的とする場合は、通常、食品の形態にして、一方、ナルコレプシーまたは摂食障害の治療や健康回復を目的とする場合には、通常、医薬品または食品の形態にして、N−アセチル−D−マンノサミンとして、成人1日当たり0.1〜10g、好ましくは0.2g〜7gを1日1回から数回に分けて摂取または服用することが好ましい。 本発明の医薬(剤または医薬組成物)の投与方法としては、上記疾患または障害に対する予防的および治療的な効果が得られる経路であれば特に限定されない。例えば、非経口的投与(静脈内投与、筋肉内投与、組織内直接投与、鼻腔内投与、皮内投与、髄液内投与など)または経口投与により投与することができ、特に、該医薬をヒトに適用するには、静脈内、筋肉内または経口投与によって投与することができる。また、剤型としても特に制限されることなく、各種投与剤型、例えば、経口剤(顆粒剤、散剤、錠剤、舌下錠、フィルムコーティング剤、舌下フィルム製剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤など)、注射剤、点滴剤、外用剤(経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤など)として投与することが可能である。 また本発明は、ナルコレプシーまたは摂食障害の治療用医薬を製造するためのN−アセチル−D−マンノサミンの使用を提供する。具体的には、N−アセチル−D−マンノサミンを使用したナルコレプシーまたは摂食障害の予防、改善または治療用医薬の製造方法を提供する。 本発明の医薬の製造方法は、製剤分野において自体公知の方法を限定なく用いることができる。 ManNAcを始めとするN−アセチル−D−マンノサミンは、ヒトの細胞内に中間体として微量含まれており、毒性(例、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、薬物相互作用、癌原性)を有さず、ヒトに対する安全性は高いと考えられる。 本発明の医薬は、本発明の医薬または他の薬物が有用性を有し得る疾病または状態の危険性の治療、予防、寛解、または低下において、1つまたはそれ以上の他の薬物との組み合わせで使用され得、その場合、薬物の組み合わせは互いに、いずれの薬物単独よりも安全であるかまたはより効果的である。このような他の薬物は、当該薬物に関して一般的に使用される経路及び量で、本発明の医薬と同時に又は連続して投与され得る。本発明の医薬が1つまたはそれ以上の他の薬物と同時に使用される場合には、このような他の薬物及びN−アセチル−D−マンノサミンを含有する単位剤形中の医薬組成物が好ましい。しかしながら、組み合わせ療法には、N−アセチル−D−マンノサミン及び1つ以上の他の薬物が異別の重複スケジュールで投与される療法も含まれ得る。1つまたはそれ以上の他の活性成分との組み合わせで使用される場合には、N−アセチル−D−マンノサミン及び前記他の活性成分が、各々単独で使用される場合よりも少量の用量で使用され得ることも想定される。従って、本発明の医薬組成物には、N−アセチル−D−マンノサミンに加え、1つまたはそれ以上の他の活性成分を含有するものが含まれる。上述の組み合わせには、N−アセチル−D−マンノサミンと1つの他の活性化合物だけでなく、2つまたはそれ以上の他の活性化合物との組み合わせが含まれる。 第二の活性成分に対するN−アセチル−D−マンノサミンの重量比は変動し得、各成分の効果的な用量に依存する。一般的に、各々の効果的な用量が使用される。従って、例えば、N−アセチル−D−マンノサミンが別の薬物と組み合わされるとき、他の薬物に対するN−アセチル−D−マンノサミンの重量比は一般的に、約1000:1ないし約1:1000、好ましくは約200:1ないし約1:200の範囲である。N−アセチル−D−マンノサミンと他の活性成分との組み合わせも一般的に、上述の範囲内であるが、各場合において、各活性成分の効果的な用量が使用されるべきである。このような組み合わせにおいて、N−アセチル−D−マンノサミン及び他の活性薬物は、個別にまたは共に投与され得る。さらに、1つの要素の投与は、他の薬物の投与前、投与と同時、投与後であり得る。 本発明の医薬は、ナルコレプシーの治療に現在用いられている薬物または現在ナルコレプシーの治療剤として開発中の薬物と組み合わせて用いることができる。本発明の医薬は、リタリン(メチルフェニデート)、モディオダール(モダフィニル)、アルモダフィニル(CEP-10953)、ペモリン(ベタナミン)、Clarithromycin、BF2.649(Pitolisant)、Vigil、PF-03654746、GSK189254、ADK-N05、Flumazenil、オレキシンA、Sodium Oxybate(Xyrem)、APD916、Methylphenidate、NRP104、Pramipexole、Almorexant、カフェインおよびこれらの組み合わせなどを含む、ナルコレプシーを治療するのに有用であることが本分野で公知の他の化合物との組み合わせで投与され得る。 本発明の医薬は、摂食障害(特に拒食症)の治療に現在用いられている薬物または現在摂食障害(特に拒食症)の治療剤として開発中の薬物と組み合わせて用いることができる。本発明の医薬は、Risperidone、Estrogen/Progesterone、オメガ-3脂肪酸、Teriparatide、Somatropine、経皮17-ベータエストラジオール、ヒト成長ホルモン(遺伝子組換え)、RM-131、Quetiapine、Olanzapine、Methylphenidate、ヒトインスリン様成長因子(遺伝子組換え:rhIGF-1)、Teriparatide、Somatropine、DHEA(Dehydroepiandrosterone、Prasterone)、Dronabinol、Ghrelin、Testosterone、Testosterone cypionate、Fluoxetine、Aripiprazole、ERT(Aviane)、Norgestimate、Ethinylestradiol、Alprazolam、Atomoxetine、Duloxetine、アミノ酸、セロトニン、hydroxyzine、hydroxyzine HCl、オキシトシンおよびこれらの組み合わせなどを含む、摂食障害(特に拒食症)を治療するのに有用であることが本分野で公知の他の化合物との組み合わせで投与され得る。 本発明の医薬は、例えば鎮静薬、催眠薬、抗不安薬、抗ヒスタミン、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩、シクロピロロン、GABAアゴニスト、5HT−2Aアンタゴニスト及び5HT−2A/2Cアンタゴニストを含む5HT−2アンタゴニスト、ヒスタミンH3アンタゴニスト、ヒスタミンH3逆アゴニスト、イミダゾピリジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニスト及びアンタゴニスト、メラトニン作動薬、オレキシンアゴニスト、プロキネチシンアゴニスト及びアンタゴニスト、ピラゾロピリミジン、T型カルシウムチャネルアンタゴニスト、トリアゾロピリジン、及びアジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、APD−125、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスピリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプロモレリン、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼプ酸塩、クロレテート(clorethate)、クロザピン、コナゼパム、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロルアルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、EMD−281014、エプリバンセリン、エスタゾラム、エスゾピクロン、エスクロリノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、フォサゼパム、ガボキサドール、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イブタモレン、イミプラミン、インジプロン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、LY−156735、マプロチリン、MDL−100907、メクロクアロン、メラトニン、メフォバルビタール、メプロバメート、メタクアロン、メチプリロン、ミダフルル、ミダゾラム、モダフィニル、ネファゾドン、NGD−2−73、ニソバマート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、ラメルテオン、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、ラメルテオン、テマゼパム、チオリダジン、チアギャビン、トラカゾラート、トラニルシプロマイン(tranylcypromaine)、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロフォス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾピクロン、ゾルピデム、及びこれらの塩、これらの組み合わせなどを含む、睡眠の質を向上させ、睡眠障害を予防及び治療するのに有用であることが本分野で公知の他の化合物との組み合わせで投与され得る。 別の実施形態において、本発明の医薬は、本分野で公知の、個別に投与されるかまたは同一の医薬組成物中にあるかのいずれかの、(a)グリタゾン(例えば、シグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、イサグリタゾン(MCC−555)、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、トログリタゾン、チュラリック、BRL49653、CLX−0921、5−BTZD)、GW−0207、LG−100641、LY−300512などのPPARγアンタゴニスト;(b)メトホルミン及びフェンフォルミンなどのビグアニド;(c)インスリン、またはビオタ、LP−100、ノバラピド、インスリンデテミル、インスリンリスプロ、インスリングラルジン、インスリン亜鉛懸濁液(レンテ及びウルトラレンテ)などのインスリン擬似薬、Lys−Proインスリン、GLP−1(73−7)(インスリントロピン)、GLP−1(7−36)−NH2;(d)アセトヘキサミド、クロルプロパミド、ジアビニース(diabinese)、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド、グリペンチド、グリキドン、グリソラミド、トラザミド、トルブタミドなどのスルホニル尿素;(e)アカルボース、アディポシンなどのα−グルコシダーゼ阻害剤、カミグリボース、エミグリテート、ミグリトール、ボグリボース、プラジマイシン−Q、サルボスタチン、CKD−711、MDL−25,637、MDL−73,945、MOR14など;(f)(i)HMG−CoA還元酵素阻害剤(アトルバスタチン、イタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、シムバスタチン、及び他のスタチン)、(ii)コレスチルアミン、コレスチポール、交差架橋したデキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体などの胆汁酸吸収剤/捕捉剤、Colestid(登録商標)、LoCholest(登録商標)など、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸、またはそれらの塩、(iv)フェノフィブリン酸誘導体(ジェムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベンザフィブレート)などの増殖因子活性化因子受容体αアゴニスト、(v)スタノールエステル、β−シトステロール、チケシドなどのステロールグリコシド、エゼチミブなどのアセチジノンなど、アバシミブ、及びメリナミドなどの(アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT))阻害剤、(vi)プロブコールなどの抗酸化剤、(vii)ビタミンE、(viii)甲状腺ホルモン様擬似薬(thyromimetic);(g)ベクロフィブレート、ベンザフィブレート、シプロフィブレート、クロフィブレート、エトフィブレート、フェノフィブレート、ゲムフィブロジルなどのPPARαアゴニスト、及びAtromid(登録商標)及びTricor(登録商標)などの他のフィブリン酸(fibric acid)誘導体、及びWO97/36579に記載のPPARαアゴニスト;(h)PPARδアゴニスト;(i)ムラグリタザール及び米国特許第6,414,002号に開示される化合物などのPPARα/δアゴニスト;(j)(1)成長ホルモン分泌促進物質、NN703、ヘキサレリン、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692,429、L−163,255などの成長ホルモン分泌促進物質受容体アゴニスト/アンタゴニスト、(2)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、(3)カンナビノイドCB1受容体アンタゴニストなどのカンナビノイド受容体リガンドまたはリモナバント(Sanofi Synthelabo)、AMT−251、SR−14778及びSR141716A(Sanofi Synthelabo)などのインバースアゴニスト、SLV−319(Solvay)、BAY65−2520(Bayer)、(4)フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミンなどの抗肥満薬、(5)AD9677/TAK677(Dainippon/Takeda)、CL−316,243、SB418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、トレカドリン、Zeneca D7114、SR59119A、(6)オーリスタット(Xenical(登録商標)、トリトンWR1339、RHC80267、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、茶サポニン、リン酸ジエチルウンベリフェリルなどの膵リパーゼ阻害剤、(7)BIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879Aなどの神経ペプチドY1アンタゴニスト、(8)GW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A、JCF−104などの神経ペプチドY5アンタゴニスト、(9)メラニン凝集ホルモン(MCH)受容体アンタゴニスト、(10)T−226296(Takeda)などのメラニン凝集ホルモン1受容体(MCH1R)アンタゴニスト、(11)メラニン凝集ホルモン2受容体(MCH2R)アゴニスト/アンタゴニスト、(12)フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリンなどのセロトニン再取り込み阻害剤、(13)メラノタンIIなどのメラノコルチンアゴニスト、(14)CHIR86036(Chiron)、ME−10142、ME−10145(Melacure)、CHIR86036(Chiron)などの他のMc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト、(15)5HT−2アゴニスト、(16)BVT933、DPCA37215、WAY161503、R−1065などの5HT2C(セロトニン受容体2C)アゴニスト、(17)ガラニンアンタゴニスト、(18)CCKアゴニスト、(19)AR−R15849、GI181771、JMV−180、A−71378、A−71623、SR14613などのCCK−A(コレシストキニン−A)アゴニスト、(20)コルチコトロピン放出ホルモンアゴニスト、(21)ヒスタミン受容体−3(H3)修飾因子、(22)ヒオペラミド、N−(4−ペンテニル)カルバミン酸3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピル、クロベンプロピト、ヨードフェンプロピト、イモプロキシファン、GT2394(Gliatech)、O−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノール]−カルバミン酸塩などのヒスタミン受容体−3(H3)アンタゴニスト/インバースアゴニスト、(23)テオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム、シロミラストなどのPDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤、(24)ホスホジエステラーゼ−3B(PDE3B)阻害剤、(25)GW320659、デスピラミン、タルスプラム、ノミフェンシンなどのNE(ノルエピネフリン)輸送阻害剤、(26)グレリン受容体アンタゴニスト、(27)組換えヒトレプチン(PEG−OB、Hoffman La Roche)及び組換えメチオニルヒトレプチン(Amgen)を含む、レプチン、(28)レプチン誘導体、(29)[D−Phe6,β−Ala11,Phe13,Nle14]Bn(6−14)及び[D−Phe6,Phe13]Bn(6−13)プロピルアミドなどのBRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト、Pept.Sci.2002 Aug; 8(8): 461−75に開示される化合物、(30)GI−181771(Glaxo−SmithKline)、SR146131(Sanofi Synthelabo)、ブタビンジド(butabindide)、PD170,292、PD149164(Pfizer)などのCNTF(繊毛様神経栄養因子)、(31)アキソキン(Regeneron)などのCNTF誘導体、(32)シブトラミンなどのモノアミン再取り込み阻害剤、(33)フィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、レチノイン酸などのUCP−1(脱共役タンパク質−1)、2、または3活性化因子、(34)KB−2611(KaroBioBMS)などの甲状腺ホルモンβアゴニスト、(35)セルレニン及びC75などのFAS(脂肪酸合成酵素)阻害剤、(36)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)阻害剤、(37)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)阻害剤、(38)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)阻害剤、(39)グルココルチコイドアンタゴニスト、(40)del Mar−Grasa,M. et al., Obesity Research, 9:202−9(2001)に開示される、オレオイル−エストロンなどのアシルエストロゲン、(41)イソロイシンチアゾリジド、バリンピロリジド、NVPDPP728、LAF237、MK−431、P93/01、TSL225、TMC−2A/2B/2C、FE999011、P9310/K364、VIP0177、SDZ274−444などのジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害剤、(42)ジカルボン酸塩トランスポーター阻害剤、(43)グルコーストランスポーター阻害剤、(44)リン酸塩トランスポーター阻害剤、(45)トピラメート(Topimax(登録商標))、(46)ペプチドYY、PYY3−36、ペプチドYYアナログ、誘導体、BIM−43073D、BIM−43004Cなどの断片(Olitvak,D.A.et al., Dig.Dis.Sci.44(3):643−48(1999))、(47)NPY3−36、Nアセチル[Leu(28,31)]NPY24−36、TASP−V、シクロ−(28/32)−Ac−[Lys28−Glu32]−(25−36)−pNPYなどの神経ペプチドY2(NPY2)受容体アゴニスト、(48)膵ペプチド(PP)などの神経ペプチドY4(NPY4)及び1229U91などの他のY4アゴニスト、(49)エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、BMS347070、チラコキシブまたはJTE522、ABT963、CS502、GW406381などのシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、及び医薬として許容されるそれらの塩、(50)BIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879Aなどの神経ペプチドY1(NPY1)、(51)ナルメフェン(Revex(登録商標))、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソンなどのオピオイドアンタゴニスト、(52)BVT3498、BVT2733などの11βHSD−1(11−βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型)阻害剤、(53)アミノレックス、(54)アンフェクロラル、(55)アンフェタミン、(56)ベンズフェタミン、(57)クロルフェンテルミン、(58)クロベンゾレックス、(59)クロフォレックス、(60)クロミノレックス、(61)クロルテルミン、(62)シクレキセドリン、(63)デクストロアンフェタミン、(64)ジフェメトキシジン、(65)N−エチルアンフェタミン、(66)フェンブトラゼート、(67)フェニソレックス、(68)フェンプロポレックス、(69)フルドレックス、(70)フルミノレックス、(71)フルフリルメチルアンフェタミン、(72)レバンフェタミン、(73)レボファセトペラン、(74)メフェノレックス、(75)メタンフェプラモン、(76)メタンフェタミン、(77)ノルシュードエフェドリン、(78)ペントレックス、(79)フェンジメトラジン、(80)フェンメトラジン、(81)ピシロレックス、(82)フィトファーム57、(83)ゾニサミドなどを含む(但し、これらに限定されるわけではない。)他の化合物との組み合わせにおいて採用され得る。 別の実施形態において、本発明の医薬は、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(第三級アミン三環系及び第二級アミン三環系を含む。)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMA)、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、非定型抗鬱薬、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aアゴニストまたはアンタゴニスト、特に5−HT1A部分的アゴニスト、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストを含む抗鬱薬または抗不安薬と組み合わせて使用され得る。特定の薬物には、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン及びトリイミプラミン、アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン及びプロトリプチリン、フルキセチン、フルボキサミン、パロキセチン及びセルトラリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン及びセレギリン、モクロベミド、ベンラファキシン、アプレピタント、ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン及びビロキサジン、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム及びプラゼパム、ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロン及びイプサピロン、及び医薬として許容されるそれらの塩が含まれる。 別の実施形態において、本発明の医薬は、抗アルツハイマー薬、ベータ−セクレターゼ阻害剤、ガンマ−セクレターゼ阻害剤、成長ホルモン分泌促進物質、組換え成長ホルモン、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、イブプロフェンを含むNSAID、ビタミンE、抗アミロイド抗体、CB−1受容体アンタゴニストまたはCB−1受容体インバースアゴニスト、ドキシサイクリン及びリファンピンなどの抗生物質、メマンチンなどのN−メチル−D−アスパラギン酸塩(NMDA)受容体アンタゴニスト、ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル、タクリンなどのコリンエステラーゼ阻害剤、イブタモレン、メシル酸イブタモレン、カプロモレリンなどの成長ホルモン分泌促進物質、ヒスタミンH3アンタゴニスト、AMPAアゴニスト、PDE IV阻害剤、GABAAインバースアゴニスト、または神経型ニコチン性アゴニストと組み合わせて使用され得る。 別の実施形態において、本発明の医薬は、レボドパ(カルビドパまたはベンセラジドなどの選択的脳外脱炭酸酵素阻害剤を有するかまたは有さない。)、(必要に応じてその塩酸塩または乳酸塩としての)ビペリデン及び塩酸トリへキシフェニジル(ベンズヘキソール)などの抗コリン作動薬、エンタカポンなどのCOMT阻害剤、MOA−B阻害剤、抗酸化剤、A2aアデノシン受容体アンタゴニスト、コリン作動性アゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、セロトニン受容体アンタゴニスト、アレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリド、プラミペキソールなどのドーパミン受容体アゴニストと組み合わせて使用され得る。ドーパミンアゴニストが、医薬として許容される塩、例えば臭化水素酸アレンテモール、メシル酸ブロモクリプチン、メシル酸フェノルドパム、塩酸ナキサゴリド、メシル酸ペルゴリドの形態にあり得る。リスリド及びプラミペキソールは、非塩の形態で一般的に使用される。 別の実施形態において、本発明の医薬は、アセトフェナジン、アレンテモール、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドパ、ベンセラジドを有するレボドパ、カルビドパを有するレボドパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドロン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシフェニジル、チオリダジン、チオチキセン、またはトリフルオペラジンと組み合わせて使用され得る。 別の実施形態において、本発明の医薬は、アミノレックス、アンフェクロラール、アンフェタミン、ベンズフェタミン、クロルフェンテルミン、クロベンゾレックス、クロフォレックス、クロミノレックス、クロルテルミン、シクレキセドリン、デクスフェンフルラミン、デクストロアンフェタミン、ジエチルプロピオン、ジフェメトキシジン、N−エチルアンフェタミン、フェンブトラザート、フェンフルラミン、フェニソレックス、フェンプロポレックス、フルドレックス、フルミノレックス、フルフリルメチルアンフェタミン、レバンフェタミン、レボファセトペラン、マジンドール、メフェノレックス、メタンフェプラモン、メタンフェタミン、ノルシュードエフェドリン、ペントレックス、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、ピシロレックス、シブトラミンなどの食欲低下薬、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、クロルフェンテルミン、クロフォレックス、クロルテルミン、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、ピシロレックス、シブトラミンを含むハロゲン化アンフェタミン誘導体、及び医薬として許容されるそれらの塩と組み合わせて使用され得る。 N−アセチル−D−マンノサミンの投与のための医薬組成物は、単位剤形で都合よく与えることができ、薬学の分野で周知の方法のいずれかによって調製され得る。全ての方法には、1つまたはそれ以上の補助成分を構成する担体と活性成分を一緒にする工程が含まれる。一般的に、医薬組成物は、液体担体または細かく分割された固体担体またはその両者と活性成分を均一かつ完全に混合した後、必要に応じて、製品を望ましい剤形へと成形することによって調製される。医薬組成物において、目的の活性化合物は、疾病のプロセスまたは状態に及ぼす望ましい効果を生じるのに十分な量で包含される。本明細書で使用される「組成物」という用語は、指定された量の指定された成分を含む製品及び指定された量の指定された成分の組み合わせから直接的にまたは間接的に得られる全ての製品を包含するものとする。 経口使用のための医薬組成物は、医薬組成物の製造に関して本分野で公知のいずれかの方法に従って調製され得、このような組成物は、薬学的に上質であり、味のよい調製物を提供するために、甘味料、香料、着色料、保存料からなる群から選択される1つまたはそれ以上の薬剤を含有し得る。錠剤は、錠剤の製造に適した、医薬として許容される無毒の賦形剤との混合された活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤、例えばトウモロコシデンプン、アルギン酸などの顆粒化剤及び崩壊剤、例えば、デンプン、ゼラチン、アカシアなどの結合剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、滑石などの潤滑剤であり得る。錠剤はコーティングされ得ないか、または胃腸管における崩壊及び吸収を遅延させる公知の技術によってコーティングされ得、これにより、より長時間にわたって持続した作用を提供する。経口使用のための組成物は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリンと混合される硬質ゼラチンカプセルとして与えることもでき、または活性成分が水若しくは油媒体、例えばピーナッツ油、液体パラフィン、オリーブ油と混合される軟質ゼラチンカプセルとしても与えることもできる。水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合された活性材料を含有する。油性懸濁液は、適切な油の中に活性成分を懸濁することによって製剤され得る。水中油乳剤も採用され得る。水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散可能な粉末及び顆粒によって、分散または湿潤剤、懸濁剤、1つまたはそれ以上の保存料と混合された活性成分が提供される。本化合物の医薬組成物は、滅菌済みの注射可能な水性または油性懸濁液の形態であり得る。本発明の医薬は、直腸投与のための坐薬の形態においても投与され得る。局所使用のため、N−アセチル−D−マンノサミンを含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液、懸濁液等が採用され得る。N−アセチル−D−マンノサミンは、吸入によって投与されるためにも製剤され得る。N−アセチル−D−マンノサミンは、本分野で公知の方法による経皮パッチによっても投与され得る。 以下、実施例を示してさらに具体的に本発明を説明する。以下は代表的な実施例を示すものでこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。実施例1:in vivoにおけるオレキシンニューロンの増加<ManNAc投与条件> ManNAcを飲料水に溶解し、5mg/mlの濃度とした飲水を、老齢マウス(C57BL/6系統、オス)に対して自由飲水投与で53週齢時から61週齢時まで計8週間投与した。投与終了後、前記マウスをすぐに灌流固定して、in situ hybridization法に供した。対照群として、ManNAc非投与の老齢マウス(固定時点で61週齢)ならびに若齢マウス(固定時点で10週齢)を用いた。<in situ hybridization法によるオレキシン遺伝子の発現検出> ManNAc投与ならびに対照群のマウス各3個体にネンブタール麻酔を施し、ホルムアミド系固定液(Genostaff)にてかん流固定を行い、脳を取り出してパラフィン包埋し、矢状断方向に6μm厚の切片を作製した。10枚おきに切片をヘマトキシリン・エオジン染色で染色し、マウス脳アトラス(Paxinos G, Franklin KBJ. The mouse brain in stereotaxic coordinates. 2nd edition, Academic Press, 2001)に従い、切片の位置を特定して、視床下部外側野を含む切片をin situ hybridization法に供した。切片は、キシレンで脱パラフィン処理した後、エタノールとPBSで段階的に再水和した。この切片を4%パラホルムアルデヒド/PBSで15分間固定し、PBSで洗浄した。次いで、8g/ml Proteinase K/PBSで37℃、30分間処理し、PBSで洗浄、4%パラホルムアルデヒド/PBSで15分間再固定し、PBSで洗浄、0.2N HClで10分間処理し、PBSで洗浄した。切片を0.1Mトリエタノールアミン塩酸塩/0.25% 無水酢酸で10分間処理し、PBSで洗浄した。切片をエタノールで段階的に脱水し、Probe Diluent(Genostaff)で300ng/mlに希釈したRNAプローブを60℃、16時間ハイブリダイズさせた。プローブはオレキシン遺伝子の部分配列:cgtgttcctgccgtctctacgaactgttgcacggagctggcaaccacgctgcgggtatcctgactctgggaaagcggcggcctggacctccaggcctccagggacggctgcagcgcctccttcaggccaacggtaaccacgcagctggcatcctgaccatgggccgccgcgcaggcgcagagctagagccacatccctgctctggtcgcggctgtccgaccgtaactaccaccgctttagcaccccggggagggtccggagtctgaacccatcttctatccttgtcctgatccaaacttccccctctgctc(配列番号1)を、pGEM-1 Easy vector(Promega)にクローニングし、プラスミドを鋳型にDIG RNA Labeling Mix (Roche)を用いてジゴキシゲニン標識RNAプローブを作製した。ハイブリダイゼーション後、切片を5×HybriWash(Genostaff)で60℃、20分間それぞれ洗浄した。続いて、50μg/ml RNaseA、10mM Tris−HCl(pH8.0)、1M NaCl、1mM EDTA溶液中で37℃、30分間RNase処理を行った。切片は、2×HybriWashで60℃、20分間を2回、0.2×HybriWashで60℃、20分間を2回洗浄し、TBST(0.1% Tween20/TBS)で1回洗浄した。0.5% blocking reagent(Roche)/TBSTで30分間ブロッキング処理をした後、切片をTBSTで1000倍希釈したanti-DIG AP conjugate(Roche)中で室温、2時間インキュベートした。TBSTで2回洗浄の後、100mM NaCl、50mM MgCl2、0.1% Tween20、100mM Tris−HCl(pH9.5)溶液中でインキュベートした。発色反応は、NBT/BCIP(Sigma)を用いて一晩行い、PBSで洗浄した。染色した切片は、ケルネヒトロート(MUTO PURE CHEMICALS)で対比染色し、マリノール(MUTO PURE CHEMICALS)で封入した、オレキシン遺伝子を発現する細胞を計数し、3個体の平均と標準誤差を求めた。<実験結果> 結果を図1に示す。視床下部外側野において、オレキシン遺伝子発現細胞(オレキシンニューロン)が確認され、無投与の老齢マウスでは若齢マウスと比較して数が減少していた。一方、ManNAcを投与した老齢マウスでは無投与群と比較してオレキシンニューロンが増加していた。実施例2:ヒトiPS細胞からの神経分化誘導の系を用いたManNAcならびにManNAc 誘導体によるオレキシン遺伝子(Hcrt)の発現誘導分化培養 ヒトiPS細胞株201B7(HSP0001)は、ナショナルバイオリソースプロジェクト(MEXT、日本)を介して、理研バイオリソースセンターより入手した。ヒトiPS細胞は、5 ng/mLのrecombinant human bFGF(Wako)を補足した霊長類ES培地(ReproCELL)中、マイトマイシンC処理STO/Neo resistant/LIF(SNL)フィーダー細胞のフィーダー層上で維持した。Stromal cell-derived inducing activity (SDIA)分化培養系とBMP4系による神経への分化誘導のため、ヒトiPS細胞をPA6間質細胞とともに20日間共培養した。5nM BMP4を、7日目から補足した。分化培養開始時(0日)からManNAcまたはManNAc 誘導体を、特定の濃度になるように神経分化培地中に添加し、分化培養7、10および14日目に培地の交換を行った。また、分化培養7日目から5 nM recombinant human BMP4(Wako)を添加した。分化培養20日目に細胞を回収してRT-PCRに供した。RT-PCR法による発現解析 回収した細胞からRNeasy plus Mini Kit (QIAGEN)を用いてtotal RNAを抽出した。次いでSuperScript III First Strand Synthesis System (Invitrogen) を用いて、total RNA 1 μgおよびOligo(dT)を含む反応液中で逆転写反応を行いcDNAを合成した。 PCR反応は10 μlスケールで行い、0.5 μlのcDNA、5 μlの2xGC Buffer I、200 μM各dNTP、1.5 mM MgCl2、終濃度0.2 μM各プライマーに1 UのLA-Taq DNA Polymerase (Takara) を加え、95℃ 3分の熱変性後、(95℃ 30秒、55℃ 30秒、72℃ 30秒)x35サイクル (Actbの場合は20サイクル) の条件で行った。用いたプライマーは以下に示す。Hcrt Forward; 5'- CTCCAGGCACCATGAACTTT -3'(配列番号:2)Hcrt Reverse; 5'- AGTTCGTAGAGACGGCAGGA -3'(配列番号:3)Actb Forward; 5'- TTCTACAATGAGCTGCGTGTGG -3'(配列番号:4)Actb Reverse; 5'- ATGGCTGGGGTGTTGAAGGT -3'(配列番号:5)各PCR産物は2% アガロースゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイド染色後、UV照射によりバンドの観察を行った。結果(図2および図3) RT-PCRによるオレキシン遺伝子(Hcrt)の発現解析を行った結果、ManNAcと 同程度の活性でAc4ManNAc、Ac3ManNAc-6csP、ManNPrF、 及びManNGlyAcFにおいてはオレキシンニューロンの再生が促進され、また、ManNFAc、ManNAcF2、 及び5S-ManNAcでは、ManNAcよりもオレキシンニューロンの再生誘導活性が高いことが示された。これら一連のManNAcはオレキシンニューロンの生成促進剤として機能し、オレキシンニューロンの機能低下、欠損などを理由とする疾患、例えば、睡眠の質の改善、引いては摂食行動の制御をもたらし得る。実施例3:ManNFAcの脳室内投与による効果 ManNFAcを生理食塩水に溶解し、0.1mol/Lの濃度とした。マウス(C57BL6/J、オス、52週齢、ManNFAc投与群:n=7、コントロール群:n=6)を、イソフルラン2%の麻酔下で、脳定位固定装置(Koph 900)にて固定した。 前記マウスに対して、脳室内カニューラ(Plastic one #313-000)の留置手術(十字縫合に対して0.3 mm後部 かつ 1 mm側部、頭蓋骨表面から3 mm下方)を施した。側脳室に埋め込んだカニューラと背中に埋め込んだ浸透圧ポンプ(alzet(登録商標)、MICRO-OSMIC PUMP MODEL 1004)と繋いだ。 術後、麻酔から離して、個別飼育した。 ManNFAc(0.1mol/L、 100μl)、または生理食塩水(100μl)を0.11μl /hrの速度で4週間持続投与した。 投与開始3週間目と4週間目のマウスを実験に供した。前記マウスをすぐに灌流固定して、in situ hybridization法に供した。対照群として、若齢マウス(固定時点で8〜18週齢)を用いた。<in situ hybridization法によるオレキシン遺伝子の発現検出> ManNFAc投与ならびに対照群のマウス各3個体にネンブタール麻酔を施し、ホルムアミド系固定液(Genostaff)にてかん流固定を行い、脳を取り出してパラフィン包埋し、矢状断方向に6μm厚の切片を作製した。10枚おきに切片をヘマトキシリン・エオジン染色で染色し、マウス脳アトラス(Paxinos G, Franklin KBJ. The mouse brain in stereotaxic coordinates. 2nd edition, Academic Press, 2001)に従い、切片の位置を特定して、視床下部外側野を含む切片をin situ hybridization法に供した。切片は、キシレンで脱パラフィン処理した後、エタノールとPBSで段階的に再水和した。この切片を4%パラホルムアルデヒド/PBSで15分間固定し、PBSで洗浄した。次いで、8g/ml Proteinase K/PBSで37℃、30分間処理し、PBSで洗浄、4%パラホルムアルデヒド/PBSで15分間再固定し、PBSで洗浄、0.2N HClで10分間処理し、PBSで洗浄した。切片を0.1Mトリエタノールアミン塩酸塩/0.25% 無水酢酸で10分間処理し、PBSで洗浄した。切片をエタノールで段階的に脱水し、Probe Diluent(Genostaff)で300ng/mlに希釈したRNAプローブを60℃、16時間ハイブリダイズさせた。プローブはオレキシン遺伝子の部分配列:cgtgttcctgccgtctctacgaactgttgcacggagctggcaaccacgctgcgggtatcctgactctgggaaagcggcggcctggacctccaggcctccagggacggctgcagcgcctccttcaggccaacggtaaccacgcagctggcatcctgaccatgggccgccgcgcaggcgcagagctagagccacatccctgctctggtcgcggctgtccgaccgtaactaccaccgctttagcaccccggggagggtccggagtctgaacccatcttctatccttgtcctgatccaaacttccccctctgctc(配列番号1)を、pGEM-1 Easy vector(Promega)にクローニングし、プラスミドを鋳型にDIG RNA Labeling Mix (Roche)を用いてジゴキシゲニン標識RNAプローブを作製した。ハイブリダイゼーション後、切片を5×HybriWash(Genostaff)で60℃、20分間それぞれ洗浄した。続いて、50μg/ml RNaseA、10mM Tris−HCl(pH8.0)、1M NaCl、1mM EDTA溶液中で37℃、30分間RNase処理を行った。切片は、2×HybriWashで60℃、20分間を2回、0.2×HybriWashで60℃、20分間を2回洗浄し、TBST(0.1% Tween20/TBS)で1回洗浄した。0.5% blocking reagent(Roche)/TBSTで30分間ブロッキング処理をした後、切片をTBSTで1000倍希釈したanti-DIG AP conjugate(Roche)中で室温、2時間インキュベートした。TBSTで2回洗浄の後、100mM NaCl、50mM MgCl2、0.1% Tween20、100mM Tris−HCl(pH9.5)溶液中でインキュベートした。発色反応は、NBT/BCIP(Sigma)を用いて一晩行い、PBSで洗浄した。染色した切片は、ケルネヒトロート(MUTO PURE CHEMICALS)で対比染色し、マリノール(MUTO PURE CHEMICALS)で封入した、オレキシン遺伝子を発現する細胞を計数し、3個体の平均と標準誤差を求めた。<実験結果> 結果を図5に示す。ManNFAc無投与の老齢マウスでは若齢マウスと比較して数が減少していた。一方、ManNFAcを投与した老齢マウスでは無投与群と比較してオレキシンニューロンが増加していた。 本発明により、N−アセチル−D−マンノサミンを有効成分として含有する医薬、食品などが提供される。本発明の医薬または食品の服用または摂取により、生体内でのオレキシンニューロンの誘導に基づく、ナルコレプシーまたは摂食障害を予防、改善または治療することができる。 N−アセチル−D−マンノサミンを含有してなる、生体内でのオレキシンニューロンの誘導に基づく、ナルコレプシーまたは摂食障害の治療剤。 オレキシンニューロンの誘導が視床下部外側野におけるものである、請求項1に記載の治療剤。 摂食障害が拒食症である、請求項1または2に記載の治療剤。 保健機能食品または食品添加物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の治療剤。 N−アセチル−D−マンノサミンの有効量および医薬として許容されうる担体を含有してなり、生体内でのオレキシンニューロンの誘導に基づいてナルコレプシーまたは摂食障害を治療するための医薬組成物。 オレキシンニューロンの誘導が視床下部外側野におけるものである、請求項5に記載の医薬組成物。 摂食障害が拒食症である、請求項5または6に記載の医薬組成物。 生体内でのオレキシンニューロンの誘導に基づく、ナルコレプシーまたは摂食障害の治療用医薬を製造するためのN−アセチル−D−マンノサミンの使用。 N−アセチル−D−マンノサミンの有効量をそれを必要とする対象に投与する工程を含む、生体内でのオレキシンニューロンの誘導に基づく、ナルコレプシーまたは摂食障害の治療方法。 オレキシンニューロンの誘導が視床下部外側野におけるものである、請求項9に記載の治療方法。 摂食障害が拒食症である、請求項9または10に記載の治療方法。 【課題】ナルコレプシーまたは摂食障害の根本治療薬を提供する。【解決手段】N−アセチル−D−マンノサミンを含有してなる、生体内でのオレキシンニューロンの誘導に基づく、ナルコレプシーまたは摂食障害の治療剤。ここで、オレキシンニューロンの誘導は視床下部外側野におけるものであることが好ましい。摂食障害としては拒食症が代表例として挙げられる。【選択図】なし配列表


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