生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ピラジン−2,5−ジプロピオン酸モノエステル及びその製造方法
出願番号:2014061477
年次:2015
IPC分類:C07D 241/12


特許情報キャッシュ

観野 亜紀 立谷 尚久 JP 2015182981 公開特許公報(A) 20151022 2014061477 20140325 ピラジン−2,5−ジプロピオン酸モノエステル及びその製造方法 コスモ石油株式会社 000105567 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 観野 亜紀 立谷 尚久 C07D 241/12 20060101AFI20150925BHJP JPC07D241/12 3 OL 7 本発明は、ピラジン−2,5−ジプロピオン酸モノエステル及びその製造方法に関する。 5−アミノレブリン酸の製造方法は、化学合成法と微生物発酵法に大別される。微生物発酵法においては、微生物触媒として、嫌気性菌、藻類、光合成細菌、各種遺伝子組み換え菌などを使用する方法が報告されている。特に、光合成細菌ロドバクター属の微生物を未知いた発酵法が代表的である(特許文献1)。 5−アミノレブリン酸の微生物発酵法にて製造においては、副生成物として5−アミノレブリン酸の二量体であるピラジン−2,5−ジプロピオン酸(以下、「PDPA」とも言う)が生成することが分かっている。また、5−アミノレブリン酸塩酸塩は、悪性神経膠腫の腫瘍組織と正常組織とを識別するための診断薬として使用されており、当該診断薬においてもPDPAが夾雑物として示されている。 一方、ジカルボン酸はポリマー原料として汎用的に使用される材料であり、特にテレフタル酸は工業的に使用され、エチレングリコールとの反応により、ポリエチレンテレフタレートが大規模に製造されている。かようにPDPAもポリマー原料として応用できる可能性がある。特開平11−42083号公報 しかしながら、PDPAはジカルボン酸であることから分子内脱水反応が進行する可能性があることから長期安定性に課題があり、その利用にあたっては問題があった。 従って、容易にPDPAに変換し得る、より安定なPDPA誘導体が望まれている。 そこで本発明者は、PDPAのより安定な誘導体を求めて検討した結果、PDPAにアルコールを反応させて得られるPDPAのモノエステルが長期安定であり、かつ容易にPDPAに変換できることを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔3〕を提供するものである。〔1〕(式1) (式中、R1は、炭素数1〜16のアルキル基を示す) で表されるピラジン−2,5−ジプロピオン酸モノエステル。〔2〕R1がイソプロピル基である、〔1〕に記載のピラジン−2,5−ジプロピオン酸モノエステル。〔3〕ピラジン−2,5−ジプロピオン酸又はその反応性誘導体と式(2) R2OH (2)(式中、R2は、炭素数1〜16のアルキル基を示す)で表されるアルコールを反応させることを特徴とする、〔1〕に記載のピラジン−2,5−ジプロピオン酸モノエステルの製造方法。 ピラジン−2,5−ジプロピオン酸モノエステル(1)は、通常の保存条件では安定であり、かつ容易にPDPAに変換できることから、用時PDPAの製造に利用できる。本発明実施例1の1H−NMR測定結果である。本発明実施例1の13C−NMR測定結果である。 本発明のPDPAモノエステルは、次の式(1)で表される化合物である。(式中、R1は、炭素数1〜18のアルキル基を示す) R1で示される炭素数1〜18のアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチルヘプチル基、n−ノニル基、イソノニル基、1−メチルオクチル基、エチルヘプチル基、n−デシル基、1−メチルノニル基、n−ウンデシル基、1,1−ジメチルノニル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基等が挙げられる。 これらのアルキル基のうち、炭素数1〜7のアルキル基が好ましい。炭素数1〜7のより好ましいアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基が挙げられる。 これらのアルキル基のうち、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、イソプロピル基がさらに好ましい。 本発明のPDPAモノエステル(1)は、例えばPDPA又はその反応性誘導体とR1OH(R1は前記と同じ)で表されるアルコールとを反応させることにより製造することができる。 PDPAの反応性誘導体としては、酸ハライド、酸無水物等が挙げられる。かかる反応性誘導体は、原料として単離したものを用いてもよいが、単離することなく反応混合液として用いることもできる。 また、PDPAを直接用いる場合には、ジシクロへキシルカルボジイミド等の縮合剤の存在下に反応を行うことができる。 また、用いることができるアルコールの具体例としては、炭素数が1〜18のアルコール、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール等の直鎖状のアルキルアルコールをはじめ、これらの異性体である2−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール等の分岐アルキルアルコールを用いることができる。 反応は、PDPAとアルコールに約0〜100℃、常圧下で縮合剤、例えば塩化チオニルを滴下することにより行なわれる。ここで、塩化チオニルは、PDPAを酸クロリドとするためのものであり、この目的からは塩化チオニルに代えて三塩化リン、五塩化リン、塩化ホスホリル、塩化オキザリル等も用いることができる。また、PDPAと塩化チオニルとを反応させ、酸クロリドを合成した後にアルコールと反応させてもよい。 原料としてPDPAを用いるため、ジエステル化反応の進行が懸念されるが、一般的な手法を用いて抑制することができる。具体的には、塩化チオニルの低濃度化や反応温度の低温化などである。 次いで、反応の停止は、加熱している場合は加熱を止め、冷却している場合は冷却を止め、液液抽出(溶媒抽出)によって、生成物を回収すればよい。また、必要に応じ、クロマトグラフィーや再結晶などの汎用的手法によって、精製してもよい。 本発明のPDPAモノエステルは、汎用的な酸加水分解や塩基加水分解反応により、保護基を脱離させることにより、PDPAとすることができる。(製造例1)PDPAの製造 5−アミノレブリン酸塩酸塩350gをイオン交換水3.5Lに溶解した。これを攪拌しながら5mol/L 水酸化ナトリウム水溶液750mLを加えて溶液のpHを7.0に合わせた。この溶液を強くバブリングしながら1晩攪拌した。 翌日、溶液に5mol/L塩酸を760mL加えてpHを1.0にし、生成した沈殿物をろ過後回収し、1mol/L塩酸875mLで洗浄した。この固体を風乾後、固体101gを得た。この固体を純水800mL中に入れ1時間懸濁攪拌した。吸引ろ過で固体を回収し、純水で洗浄した後、アセトン8Lで洗浄した。室温にて減圧乾燥し、PDPA58.7gを得た。(製造例2)PDPA−mono−iPr結晶の製造 製造例1で得られたPDPA10gを用いて、イソプロピルアルコール200mLに溶解した。これにクロロホルム10mLと塩化チオニル5.3gの混合溶液を加え、60℃で約40分攪拌し、溶解するのを確認した。その後加熱を停止し、純水400mLとジイソプロピルエーテル200mLを加えて攪拌し、分液ロートで水層を除去した。その後、再度純水200mLを加えて攪拌し、分液ロートで水層を除去した。その後飽和塩化ナトリウム水溶液200mLを加えて攪拌し、分液ロートで水層を除去した。その後、塩化ナトリウム2gを加えて室温下で16時間攪拌し、ろ過して塩化ナトリウムを除去した後濃縮乾固した。これをヘキサン:酢酸エチル=4:1の展開溶媒を用いて遠心クロマトで精留し、濃縮乾固したものを1.99g回収した。PDPAモノイソプロピルエステルの1H−NMRを図1に、13C−NMRを図2に示す。得られたPDPAモノイソプロピルエステルは、通常の室温下で保存しても安定であった。 (式1) (式中、R1は、炭素数1〜16のアルキル基を示す) で表されるピラジン−2,5−ジプロピオン酸モノエステル。 R1がイソプロピル基である、請求項1に記載のピラジン−2,5−ジプロピオン酸モノエステル。 ピラジン−2,5−ジプロピオン酸又はその反応性誘導体と式(2) R2OH (2) (式中、R2は、炭素数1〜16のアルキル基を示す)で表されるアルコールとを反応させることを特徴とする、請求項1に記載のピラジン−2,5−ジプロピオン酸モノエステルの製造方法。 【課題】安定なピラジン−2,5−ジプロピオン酸誘導体の提供。【解決手段】ピラジン−2,5−ジプロピオン酸モノアルキルエステル及びその製造方法。【選択図】なし


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