生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_薄膜中の不純物濃度の測定方法及びその測定装置
出願番号:2014056448
年次:2015
IPC分類:G01N 23/223,G01N 21/45


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佐久間 哲也 JP 2015179015 公開特許公報(A) 20151008 2014056448 20140319 薄膜中の不純物濃度の測定方法及びその測定装置 セイコーインスツル株式会社 000002325 内野 則彰 100142837 木村 信行 100123685 谷川 徹 100166305 佐久間 哲也 G01N 23/223 20060101AFI20150911BHJP G01N 21/45 20060101ALI20150911BHJP JPG01N23/223G01N21/45 A 6 1 OL 7 2G001 2G059 2G001AA01 2G001BA04 2G001CA01 2G001FA02 2G001KA01 2G001KA11 2G001LA11 2G001MA05 2G001NA07 2G001NA15 2G059AA01 2G059BB10 2G059CC02 2G059EE09 2G059MM05 本発明は、主として半導体ウェハ上に設けられた薄膜中の不純物濃度の測定方法及びその測定装置に関する。 蛍光X線分析装置は、一次X線を試料に照射することによって、当該試料から放出される蛍光X線を検出し、試料中に含まれる元素の同定分析及び定量分析を行う装置である。従来から、蛍光X線分析装置は、半導体製造分野等においてシリコン基板上の各種薄膜の組成及び膜厚の分析に用いられている。例えば、シリコン基板上に成膜した、ボロン(B)、リン(P)を不純物として含有するシリコン酸化膜(BPSG膜)のボロン(B)あるいはリン(P)の濃度管理に蛍光X線分析装置は用いられている。蛍光X線分析装置の構成図を図4に示す。X線管1で発生した一次X線2は試料3に照射され、試料3から発生した蛍光X線4はスレット5を通過後、分光結晶6によって分光され、ゴニオメータなどの検出器7を用いて検出される。因みに、本構成は波長分散型の蛍光X線分析装置の概略構成である。 上記蛍光X線分析装置において定量分析を行う場合、検出器7のゲインのずれ、周囲の環境温度の変化、X線管1の劣化、分光系6のズレなどに起因する装置のX線強度のドリフトを補正するために、校正用の標準試料のX線強度を測定することによって校正(強度の補正)を行う。特にBPSG膜の分析の場合には、ボロン(B)の蛍光X線の強度が弱いため校正は重要である。この標準試料は、あらかじめICP発光分析等によって組成分析を行って、濃度、膜厚が既知の試料を使用する。 一方、精度の高い分析をするためには、標準試料の変質等に伴う標準試料起因のX線強度のドリフトを考慮し、適正に校正する必要がある。BPSG膜は非常に吸湿性が高いため、標準試料の保管には変質を防ぐために窒素デシケーターや真空デシケーター等の清潔で乾燥された雰囲気が用いられている。また、分析装置自体に試料を保管するための真空保管室を有する装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。特開平6−331574号公報 しかしながら、上記装置では、吸湿自体は軽減できるが、他の要因、例えば、分析装置内外で試料が受けた汚染を回避するものではない。例えば、蛍光X線分析装置の校正に用いる標準試料は校正の度にX線照射を受けることになる。繰り返しX線を照射すると、試料表面に炭素を含む有機物が付着して汚染され、その付着膜の吸収により長波長スペクトルのX線強度が減少することになる。このような校正時の基準となるべき標準試料から得られるX線強度が変化することによって、日々の分析試料の測定値が信頼のおけないものとなる。 本発明は、試料が変質し易い分析方法においても信頼性の高い測定値を得ることが可能な半導体ウェハ上に設けられた薄膜中の不純物濃度の測定方法及びその測定装置を提供することを目的とする。 上記課題解決のために、本発明では以下の手段を用いた。 まず、半導体基板上に形成した薄膜中の不純物濃度の測定方法において、第1の分析試料の薄膜の膜厚を蛍光X線分析装置で測定して第1の膜厚値を得るステップと、前記第1の分析試料の薄膜の膜厚を光学式膜厚計で測定して第2の膜厚値を得るステップと、前記第2の膜厚値に対する前記第1の膜厚値の比からなる基準膜厚比を算出し、前記膜厚比の管理幅を決定するステップと、第2の分析試料を蛍光X線分析装置で測定して第3の膜厚値及び前記薄膜中の前記不純物濃度を得るステップと、前記第2の分析試料を光学式膜厚計で測定して第4の膜厚値を得るステップと、前記第4の膜厚値に対する前記第3の膜厚値の比からなるサンプル膜厚比を算出するステップと、前記サンプル膜厚比が前記管理幅内かを判断するステップと、前記サンプル膜厚比が前記管理幅内であれば、前記不純物濃度を正しいと判断するステップと、からなることを特徴とする薄膜中の不純物濃度の測定方法を用いた。 また、前記サンプル膜厚比が前記管理幅外であれば、前記分析試料の再測定または、同一ロットの他の分析試料を測定することを特徴とする薄膜中の不純物濃度の測定方法を用いた。 また、前記サンプル膜厚比が前記管理幅外であれば、蛍光X線分析装置及び光学干渉式膜厚計を再校正することを特徴とする薄膜中の不純物濃度の測定方法を用いた。 また、薄膜中の不純物濃度の測定装置を、蛍光X線分析装置に光学膜厚計が内蔵されているものとした。 上記手段を用いることで、薄膜中の不純物濃度の測定信頼性を向上させることができる。本発明の分析装置の管理方法を示す図本発明の管理方法を説明する管理図本発明の管理方法を説明する例図蛍光X線分析装置の構成図 以下、本発明の実施例を説明する。 図1は、本発明の実施例に係る半導体基板上に形成した薄膜中の不純物濃度の測定方法を示す図である。 本実施例の測定方法では、まず、シリコン基板にBPSG膜を成膜した標準試料を用いて校正された蛍光X線分析装置、光学干渉式膜厚計を準備する。そして、シリコン基板上に薄膜、例えばBPSG膜を成膜した第1の分析試料のBPSG膜の膜厚を蛍光X線分析装置で測定し、膜厚値Aを得る(Step1)。 次に、同一の第1の分析試料のBPSG膜の膜厚を光学干渉式膜厚計で測定し、膜厚値Bを得る(Step2)。なお、第1の分析試料は成膜直後に直ちに膜厚測定することで大気暴露時間を少なくし、表面汚染が極力少ないものとした。また、ここで光学干渉式膜厚計に代えて分光式エリプソメーターなどを用いても構わない、さらに、蛍光X線分析装置に光学干渉式膜厚計を内蔵させてStep1およびStep2の測定を連続して自動で行う構成としても良い。 次に、Step3に示すように、得られた膜厚値AおよびBより、基準膜厚比(膜厚値A/膜厚値B)を算出する。蛍光X線分析装置及び光学干渉式膜厚計が正常に校正されていれば、膜厚値A、Bは近い値を示すが、BPSG膜の膜厚域やボロン(B),リン(P)の濃度域によっては多少異なることもあり、各膜厚域、各濃度域における基準膜厚比を膜種毎(膜厚、濃度)に算出・記録しておくことが重要である。測定された基準膜厚比に基づいて、サンプル膜厚比の管理幅を設定する。 Step4は、標準試料を用いて蛍光X線分析装置や光学干渉式膜厚計を定期的に校正するステップである。光学干渉式膜厚計用の標準試料が劣化することはあまりないが、蛍光X線分析装置用の標準試料はX線の長時間照射によって試料から発せられる蛍光X線の強度が低下することになる。よって、ここで用いる標準試料の管理は重要であり、汚染されていると判断すれば交換する必要がある。 次に、日々の半導体装置の生産活動において行われる第2の分析試料の濃度測定は以下の手順で実施される。なお、第2の分析試料は第1の分析試料と同じ条件で成膜したものである。 まず、step5に示すように、シリコン基板上に薄膜、例えば、BPSG膜を成膜した第2の分析試料を蛍光X線分析装置で測定し、BPSG膜の膜厚値C及び膜中のボロン(B)濃度,リン(P)濃度を得る。 次に、同一のBPSG膜サンプルの膜厚を光学干渉式膜厚計で測定し、BPSG膜の膜厚値Dを得る(Step6)。そして、膜厚値C/膜厚値Dからなるサンプル膜厚比を算出し、それが、先に決めた管理幅内であるか否かを判断する(Step7)。管理幅内であれば、Step4で得たボロン(B)濃度,リン(P)濃度が正しいものと判断し、その濃度値を記録する(Step8)。 図2は、本発明の半導体基板上に形成した薄膜中の不純物濃度の測定方法を正しく実施するための管理図を示した。(a)は管理上限(UCL)および管理下限(LCL)を用いた図である。本例では、標準試料から得られた基準膜厚比は98%、UCLは100%、LCLは96%であり、UCLやLCLを越えた場合や連の数などカウントして修正の要否が判断される。 図のポイント1〜7は管理幅内であり、連の数も所定の数を越えないことから正常であると判断できる。ポイント8及び12では管理幅を越えて異常点8となっており、第2の分析試料や標準試料、または、蛍光X線分析装置や光学干渉式膜厚計に異常があったと判断できる。 このような管理幅外の場合は、まず、図1のStep9のルートに従い、同一ウェハの再測定または、同一ロットの他ウェハを測定する。これで正常なサンプル膜厚比が得られれば、Step8に移行するが、それでも所望のサンプル膜厚比が得られない場合はStep10のルートに従い、新たな標準試料による再校正を行い、そして、最終的にStep8まで進んで測定終了となる。 もし、それでも解決しなければ、蛍光X線分析装置及び光学干渉式膜厚計に異常がないかどうかの調査と以上があった場合には異常の除去を行うことになる。ただ、第2の分析試料は成膜後に直ちに測定することから、第2の分析試料が汚染されている可能性は低く、むしろ、定期的な校正をする際に用いる標準試料が連続使用されているため、その表面が汚染されていることが多い。本発明は標準試料と日々の第2の分析試料の両方の異常を察知する上で有効な手法である。 図2(b)は、UCL/LCLに代えて上限規格値/下限規格値を用いた例である。管理上限(UCL)および管理下限(LCL)を用いるか、上限規格値および下限規格値を用いるかは製品や工程で要求される精度に従って使い分ければ良い。 また、以上では、BPSG膜を例に説明したが、BSG膜中のボロン濃度、PSG膜中のリン濃度の測定などにも利用できることは言うまでもない。 参考に、図3に、標準試料の汚染有無での膜厚比(蛍光X線/光学膜厚計)の違いを示す。表面汚染の無い通常標準試料の場合は98%前後の値であるのに対し、汚染のある劣化標準試料の場合は86%程度に低下している。もし、劣化標準試料で校正したとすると、第2の分析試料の測定値が本来の値から大きくずれることが容易に理解できる。この場合、第2の分析試料のB、P濃度は本来より高めに、膜厚値は薄い方向にシフトする。膜厚値が薄い方向にシフトするのは、膜厚値はSiの蛍光X線であるSi−Kα線と負の相関があるからである。 なお、通常標準試料は、成膜後に直ちに測定を行った試料で汚染の無い状態のものである。また、劣化標準試料は、その表面にX線を長時間照射し、目視にて表面に付着物の色ムラが確認できる状態になった試料を用いている。 以上説明したように、上記手順に従って工程管理することで、BPSG膜のB、P濃度を正しく測定することができる。 また、膜厚比を管理することにより、標準試料起因の校正ずれの他に、突発的に装置の励起X線の強度が変動した場合も検知できるので、分析全般の信頼性の指標として使用することが可能である。 本発明は、半導体ウェハ上の薄膜等に限らず、他の薄膜の分析に用いられる蛍光X線分析装置の分析精度の管理に利用することが可能である。1 X線管2 一次X線3 試料4 蛍光X線5 スリット6 分光結晶7 検出器8 異常点 半導体基板上に形成した薄膜中の不純物濃度の測定方法において、 第1の分析試料の薄膜の膜厚を蛍光X線分析装置で測定して第1の膜厚値を得るステップと、 前記第1の分析試料の薄膜の膜厚を光学式膜厚計で測定して第2の膜厚値を得るステップと、 前記第2の膜厚値に対する前記第1の膜厚値の比からなる基準膜厚比を算出し、前記基準膜厚比に基づいてサンプル膜厚比の管理幅を決定するステップと、 第2の分析試料を蛍光X線分析装置で測定して第3の膜厚値及び前記薄膜中の前記不純物濃度を得るステップと、 前記第2の分析試料を光学式膜厚計で測定して第4の膜厚値を得るステップと、 前記第4の膜厚値に対する前記第3の膜厚値の比からなる前記サンプル膜厚比を算出するステップと、 前記サンプル膜厚比が前記管理幅内かを判断するステップと、 前記サンプル膜厚比が前記管理幅内であれば、前記不純物濃度を正しいと判断するステップと、を備えた薄膜中の不純物濃度の測定方法。 前記サンプル膜厚比が前記管理幅外であれば、前記第2の分析試料の再測定または、同一ロットの他の第2の分析試料を測定することを特徴とする請求項1記載の薄膜中の不純物濃度の測定方法。 前記サンプル膜厚比が前記管理幅外であれば、前記蛍光X線分析装置を新たな標準試料で再校正することを特徴とする請求項1または請求項2記載の薄膜中の不純物濃度の測定方法。 前記サンプル膜厚比の管理幅を決定するステップにおいて、前記管理幅を上限規格値と下限規格値で決めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の薄膜中の不純物濃度の測定方法。 薄膜中の不純物濃度の測定装置であって、蛍光X線分析装置に光学膜厚計が内蔵されていることを特徴とする薄膜中の不純物濃度の測定装置。 前記光学膜厚計は光学干渉式膜厚計であることを特徴とする請求項5記載の薄膜中の不純物濃度の測定装置。 【課題】蛍光X線分析装置によるBPSG膜中の不純物濃度の測定信頼性を向上させる。【解決手段】蛍光X線分析装置と光学膜厚計を用いて、BPSG膜試料の膜厚を測定し、基準膜厚比を算出する。次いで、日々の分析試料の膜厚を蛍光X線分析装置と光学膜厚計を用いて測定し、サンプル膜厚比を算出する。基準膜厚比とサンプル膜厚比が近いものであれば、蛍光X線分析装置で得られたB.P濃度を正しいものと判断する。【選択図】図1


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