生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_シャーベット状飲料
出願番号:2014038657
年次:2015
IPC分類:A23G 9/32,A23G 9/44,A23G 9/52,A23G 9/04,C12G 3/04


特許情報キャッシュ

川久保 武 廣田 徹 日下部 真理 JP 2015159790 公開特許公報(A) 20150907 2014038657 20140228 シャーベット状飲料 キリン株式会社 311002447 麒麟麦酒株式会社 307027577 廣田 雅紀 100107984 小澤 誠次 100102255 東海 裕作 100096482 松田 一弘 100188352 堀内 真 100131093 山内 正子 100150902 藤本 昌平 100177714 園元 修一 100141391 川久保 武 廣田 徹 日下部 真理 A23G 9/32 20060101AFI20150811BHJP A23G 9/44 20060101ALI20150811BHJP A23G 9/52 20060101ALI20150811BHJP A23G 9/04 20060101ALI20150811BHJP C12G 3/04 20060101ALI20150811BHJP JPA23G9/02A23G9/04C12G3/04 7 OL 11 4B014 4B015 4B115 4B014GB21 4B014GB23 4B014GE11 4B014GK08 4B014GL11 4B014GT14 4B015LH12 4B015LP01 4B115LH12 4B115LP01 本発明は、常温流通を可能とし、冷凍してシャーベット状飲料として飲用する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料に関し、特に、常温流通型容器詰めシャーベット状飲料を、可撓性容器に充填した形態で常温流通させ、飲用時に冷凍凍結した場合にもすぐにもみほぐし、飲用することが可能な柔軟凍結状態を有するとともに、甘味の調整された高味覚の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料に関する。 シャーベットやアイスクリーム等は、清涼感を求めて多くの人に好まれていると共に、現代では、その冷菓の味覚自体が好まれて、多くの人に愛されている。冷菓は、糖類、酸味料、香料、色素等が基本となり、安定剤や、果汁等を配合し、凍結させることにより製造されるが、これらの冷菓は、凍結によって、凍結硬化を起こし、喫食に際して、冷凍庫から取り出してもしばらくは硬すぎてスプーンで簡便に掬うことができない状態のものとなり、その喫食に際して不便をきたす。このような状態を回避するための方法として、ソフトな冷菓を製造すべく、各種の方法が提案されている。 例えば、ソフトな冷菓を製造するものとして、シャーベットベースにおける糖含量を上げ、Brixを高くする方法が開示されている(特開平7−132048号公報)。しかし、この方法では甘味が高くなりすぎて、味覚上のバランスをとることが難しくなるという問題がある。そこで、甘味度を抑えても、凍結した冷菓中に容易にスプーンが挿入することができるようなソフトな冷菓を製造するために、ゲル化剤を用いる方法が開示されている(特開2009−106181号公報、特開2010−68751号公報、特開2013−81421号公報)。該ゲル化剤としては、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、寒天、グアーガム、アルギン酸類、ゼラチン等各種のゲル化剤が用いられている。かかる冷菓の物性としては、スプーンが挿入することができるというようなソフトな物性のものとして開示されている。 冷菓の流通形態で、常温で流通させ、喫食時に冷凍庫で凍結して食するタイプのシャーベットが開示されている。該シャーベットにおいては、凍結しても、スプーンが通りやすい硬さのシャーベットとするために、例えば、特開平10−295280号公報には、マルトース及びグルコースからなる糖類とキサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガムを併用した増粘剤を用いたフローズンデザート用液体食品が開示されている。該液体食品は、そのまま凍結することにより、食感がなめらかで、離水が少なく、スプーンが入る硬さのシャーベット様デザートを製造することができる液体食品として開示されている。また、特開平11−155490号公報では、澱粉質製品や、乳製品のような粘性食材と寒天、カラギーナン、ゼラチン、ペクチン、ガム類のような安定剤を用いる方法が、特開2011−229483号公報には、特定のアルコール濃度及び炭酸ガス濃度と、ゲル化剤濃度を設定したシャーベットミックスを用いる方法が開示されている。これらのものも、喫食に際してソフトな物性のものを提供することが目的であるが、そのソフトな物性は、それを飲料形態で飲用するタイプのシャーベットとして供することが可能なようなソフトな物性のものではない。 最近、冷菓を飲料形態で飲用するタイプの冷菓が開示されている。例えば、特開2010−259335号公報には、ショ糖及び/又はトレハロースを含み、pHが2.0〜4.0に調整されたなめらかな食感のシャーベット状飲料が開示されている。該開示のものは、半凍結或いは凍結後半凍解することにより飲用するものである。また、冷菓を凍結アルコール飲料として提供する方法も開示されている。例えば、特表平9−508027号公報には、約6〜28度数の飲用アルコールに、ローカストビーンガムとグァーガムとを混合した安定剤混合物を混合し、pHを3.0〜5.0に調整することにより、よく凍結し優れた質感と微細な氷結晶を有し、冷凍庫から取り出された後も、凍結又は半凍結状態を維持することができるアルコール入り簡易冷凍飲料が開示されている。特表2012−529905号公報には、フルクトース、グルコース、スクロースのような糖類と、ゼラチン加水分解物、プロピレングリコール、トレハロース、エリスリトール、ソルビトールのような糖アルコール、グリセロール、マルチデキストリン等を配合することにより、冷凍庫から取出した後、簡単な振り混ぜでフローズン飲料として、飲用に供することができるアルコール飲料組成物が開示されている。 また、特開平10−117763号公報には、アルコール濃度が1〜18容量%であり、エリスリトール及び/又はキシリトールのような糖アルコールを含有し、かつ総糖質量が30重量%以下に調整され、更に、キサンタンガム、カラギーナン、グァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガムを配合した組成からなり、凍結により、シャーベット状のソフトアイス状の凍結アルコール性飲料が開示されている。しかし、該凍結アルコール性飲料は、流動せず、氷晶部分と凍結によって濃縮された溶液部分とが混在する不均一系の状態のものと記載されているのみで、冷凍凍結した場合にもすぐにもみほぐし飲用することが可能な柔軟凍結状態のものを特定したものではない。 更に、最近、可撓性袋状容器により、シャーベット状の冷菓を飲用する形式の冷菓の提供方法が開示されている。例えば、特開2002−27917号公報には、キャップ付きの口部を有する可撓性袋状容器に、糖類及びゲル化剤とを含有し、糖度10〜24度に調整された溶液を充填し、冷凍庫で凍結し、飲用時に適度に解凍することにより、流動性を生じさせ、袋状容器の口部から吸い出して、手軽に飲用するものであり、シャーベットのような舌触りの冷菓を提供するものとして開示されている。また、特開2010−17163号公報には、糖類に、タマリンドガム、ローカストビーンガム、及びグァーガムのような増粘安定剤を含有させ、糖度を25〜35度に調整し、凍結解凍後の回転粘度計で測定した場合に特定粘度となるように調整した液体食品を可撓性容器に充填した、凍結して喫食するための可撓性容器入り液体食品が開示されており、該可撓性容器入り液体食品は、凍結後に手でもみほぐしやすく、なめらかな舌触りを有するものであることが示されている。これら開示のものでは、冷凍庫から取り出して、手でもみほぐせるようになる時間(流動性が出るまでの時間)は、10〜15分以内であることが示されている。したがって、これらの可撓性容器入り液体食品は、冷凍庫から取り出して、手でもみほぐせるものとして開示されているが、飲用には、凍結後、解凍して、流動性を生じさせることが必要である。 以上のように、シャーベットのような冷菓については、ソフトのような冷菓とするための工夫がなされた各種製品が開示され、また、常温流通や可撓性容器への充填等、その流通、喫食、飲用形態も、各種のものが開示されているが、消費者の更なるニーズに対応するためには、より便利に飲用、喫食することができ、しかも、味覚に優れた製品の提供が望まれるところである。特開平7−132048号公報。特開平10−117763号公報。特開平10−295280号公報。特開平11−155490号公報。特開2002−27917号公報。特開2009−106181号公報。特開2010−17163号公報。特開2010−68751号公報。特開2010−259335号公報。特開2011−229483号公報。特開2013−81421号公報。特表平9−508027号公報。特表2012−529905号公報。 本発明の課題は、常温流通を可能とし、冷凍してシャーベット状飲料として飲用する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料を提供すること、特に、常温流通型容器詰めシャーベット状飲料を、可撓性容器に充填した形態で常温流通させ、飲用時に冷凍凍結した場合にもすぐにもみほぐし、飲用することが可能な柔軟凍結状態を有するとともに、甘味の調整された高味覚の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料を提供することにある。 本発明者は、上記課題を解決すべく、常温流通型容器詰めシャーベット状飲料として、常温流通を可能とし、しかも、可撓性容器に充填した形態で、便利に飲用できる形態のシャーベット状飲料について、その望ましい物性と、味覚の調製について鋭意検討する中で、常温流通が可能であり、冷凍してシャーベット状飲料として飲用する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料において、シャーベット状飲料用ベース液を、特定のアルコール濃度、特定の組合せの増粘剤の含量、及び、特定量の糖アルコールを含有する糖質の総糖質濃度を特定量に調整することにより、該シャーベット状飲料用ベース液を可撓性容器に充填した形態で、常温流通型容器詰めシャーベット状飲料とした場合に、飲用時に、冷凍凍結した場合にもすぐにもみほぐすことが可能な柔軟凍結状態を有するシャーベット状飲料を調製することができ、しかも、シャーベット状飲料の甘味を調整して、飲用時の好ましい物性と、味覚に優れたシャーベット状飲料を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は、常温流通を可能とし、冷凍してシャーベット状飲料として飲用する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料において、シャーベット状飲料用ベース液を、アルコール濃度が5容量(v/v)%以上であり、キサンタンガム及びローカストビーンガムの組合せ、キサンタンガム及びκ−カラギナンの組合せ、又は、キサンタンガム及びグアガムの組合せからなる増粘剤のいずれかを合計量で、0.055w/v%以上、0.2w/v%以下の含有量とし、少なくとも、飲料中濃度で3.2w/v%以上の糖アルコールを含有する糖質を、総糖質濃度で、10w/v%以上、17w/v%以下の含有量であるように調製したことを特徴とする、冷凍凍結した場合にもすぐにもみほぐすことが可能な柔軟凍結状態を有する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料からなる。 本発明の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料におけるシャーベット状飲料用ベース液において、該ベース液のアルコール濃度は、5容量(v/v)%以上に調整されるが、好ましくは、5容量(v/v)%以上、10容量(v/v)%以下に調整されることが好ましい。また、本発明の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料におけるシャーベット状飲料用ベース液において、キサンタンガム及びローカストビーンガムの組合せ、キサンタンガム及びκ−カラギナンの組合せ、又は、キサンタンガム及びグアガムの組合せからなる増粘剤は、そのいずれかを合計量で、0.055w/v%以上、0.2w/v%以下に調整されるが、好ましくは、0.055w/v%以上、0.15w/v%以下に調製することが好ましい。該増粘剤の組合せにおいて、キサンタンガムの含有量は、少なくとも0.02w/v%以上、0.07w/v%以下に調整されるか、或いは、ローカストビーンガム含有量は、少なくとも0.03w/v%以上、0.1w/v%以下に調整されることが好ましい。 本発明の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料におけるシャーベット状飲料用ベース液において、配合される糖アルコールとしては、各種糖アルコールを挙げることができるが、特に好ましくは、グリセリン又はエリスリトールを挙げることができる。本発明の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料におけるシャーベット状飲料用ベース液は、可撓性の飲料容器に充填されるが、該可撓性の飲料容器としては、キャップ付きの口部を有する可撓性袋状容器を用いることができる。 本発明は、常温流通を可能とし、冷凍してシャーベット状飲料として飲用する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料の製造方法において、シャーベット状飲料用ベース液を、アルコール濃度が5容量(v/v)%以上であり、キサンタンガム及びローカストビーンガムの組合せ、キサンタンガム及びκ−カラギナンの組合せ、或いは、キサンタンガム及びグアガムの組合せからなる増粘剤のいずれかを合計量で、0.055w/v%以上、0.2w/v%以下の含有量とし、少なくとも、3.2w/v%以上の糖アルコールを含有する糖質を、総糖質濃度で、10w/v%以上、17w/v%以下の含有量であるように調製し、該シャーベット状飲料用ベース液を可撓性の飲料容器に充填することからなる、冷凍凍結した場合にもすぐにもみほぐすことが可能な柔軟凍結状態を有する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料の製造方法を包含する。 すなわち、具体的には本発明は、[1]常温流通を可能とし、冷凍してシャーベット状飲料として飲用する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料において、シャーベット状飲料用ベース液を、アルコール濃度が5容量(v/v)%以上であり、キサンタンガム及びローカストビーンガムの組合せ、キサンタンガム及びκ−カラギナンの組合せ、又は、キサンタンガム及びグアガムの組合せからなる増粘剤のいずれかを合計量で、0.055w/v%以上、0.2w/v%以下の含有量とし、少なくとも、3.2w/v%以上の糖アルコールを含有する糖質を、総糖質濃度で、10w/v%以上、17w/v%以下の含有量であるように調製したことを特徴とする、冷凍凍結した場合にもすぐにもみほぐすことが可能な柔軟凍結状態を有する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料や、[2]シャーベット状飲料用ベース液のアルコール濃度が5容量(v/v)%以上、10容量(v/v)%以下に調整されていることを特徴とする上記[1]に記載の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料や、[3]キサンタンガム及びローカストビーンガムの組合せ、キサンタンガム及びκ−カラギナンの組合せ、又は、キサンタンガム及びグアガムの組合せからなる増粘剤の組合せにおいて、キサンタンガムの含有量は、少なくとも0.02w/v%以上、0.07w/v%以下に調整されるか、或いは、ローカストビーンガム含有量は、少なくとも0.03w/v%以上、0.1w/v%以下に調整されることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料や、[4]糖アルコールが、グリセリン又はエリスリトールであることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料や、[5]シャーベット状飲料用ベース液が、可撓性の飲料容器に充填されていることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料や、[6]可撓性の飲料容器が、キャップ付きの口部を有する可撓性袋状容器であることを特徴とする上記[5]に記載の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料からなる。 また、本発明は、[7]常温流通を可能とし、冷凍してシャーベット状飲料として飲用する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料の製造方法において、シャーベット状飲料用ベース液を、アルコール濃度が5容量(v/v)%以上であり、キサンタンガム及びローカストビーンガムの組合せ、キサンタンガム及びκ−カラギナンの組合せ、又はキサンタンガム及びグアガムの組合せからなる増粘剤のいずれかを合計量で、0.055w/v%以上、0.2w/v%以下の含有量とし、少なくとも、3.2w/v%以上の糖アルコールを含有する糖質を、総糖質濃度で、10w/v%以上、17w/v%以下の含有量であるように調製し、該シャーベット状飲料用ベース液を可撓性の飲料容器に充填することを特徴とする、冷凍凍結した場合にもすぐにもみほぐすことが可能な柔軟凍結状態を有する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料の製造方法からなる。 本発明は、常温流通を可能とし、冷凍してシャーベット状飲料として飲用する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料において、常温流通型容器詰めシャーベット状飲料を、可撓性容器に充填した形態で常温流通させ、飲用時に冷凍凍結した場合にもすぐにもみほぐし、便利に飲用することが可能であり、しかも、その柔軟な凍結状態とともに、甘味の調整された高味覚の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料を提供する。 本発明は、常温流通を可能とし、冷凍してシャーベット状飲料として飲用する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料において、シャーベット状飲料用ベース液を、アルコール濃度が5容量(v/v)%以上であり、キサンタンガム及びローカストビーンガムの組合せ、キサンタンガム及びκ−カラギナンの組合せ、或いは、キサンタンガム及びグアガムの組合せからなる増粘剤のいずれかを合計量で、0.055w/v%以上、0.2w/v%以下の含有量とし、少なくとも、3.2w/v%以上の糖アルコールを含有する糖質を、総糖質濃度で、10w/v%以上、17w/v%以下の含有量であるように調製した、冷凍凍結した場合にもすぐにもみほぐすことが可能な柔軟凍結状態を有する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料、及びその製造方法からなる。 本発明の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料において、そのシャーベット状飲料用ベース液において用いられるアルコールには、醸造用アルコールを用いることができるが、ジン、ラム酒、ウォッカ、テキーラ、ブランデーのようなスピリッツ、ワイン、リキュール、ウイスキー、日本酒、焼酎のような各種酒類を用いることができる。該ベース液のアルコール濃度は、5容量(v/v)%以上に調整されるが、好ましくは、5容量(v/v)%以上、10容量(v/v)%以下に調整されることが好ましい。 シャーベット状飲料用ベース液において用いられる増粘剤としては、キサンタンガム及びローカストビーンガムの組合せ、κ−カラギナン及びローカストビーンガムの組合せ、及び、キサンタンガム及びグアガムの組合せからなる増粘剤のいずれかが用いられる。該増粘剤の含有量は、合計量で、0.055w/v%以上、0.2w/v%以下の範囲で用いられる。該増粘剤の組合せにおいて、キサンタンガムの含有量は、少なくとも0.02w/v%以上、0.07w/v%以下に調整されるか、或いは、ローカストビーンガム含有量は、少なくとも0.03w/v%以上、0.1w/v%以下に調整されることが好ましい。 本発明の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料において、そのシャーベット状飲料用ベース液において用いられる糖質としては、少なくとも、3.2w/v%以上の糖アルコールを含有する糖質を、総糖質濃度で、10w/v%以上、17w/v%以下の範囲で用いられる。シャーベット状飲料用ベース液においては、「総糖質濃度」が高くなれば、すぐにもみほぐすことができる柔らかい凍結状態が得られるが、味が甘すぎる欠点がある。また、甘味を調整するために、17w/v%以下というように、総糖質濃度を低く調整した場合には、すぐにもみほぐすには固すぎる凍結状態になる。この凍結状態を改善するために、増粘剤、糖アルコールなどの成分について、表2の比較例3〜6のように増粘剤のキサンタンガム、ローカストビーンガム、κ−カラギナン、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどをそれぞれ単独で配合するだけでは、すっきりした甘さとすぐにもみほぐすことができる凍結状態の両立は実現できない。また、用いる増粘剤を組合せて見ても、比較例7のカラギーナンとグアーガムのように、ほとんどの組合せで、凍結状態と味覚の改善の両立を実現できないが、キサンタンガム及びローカストビーンガムの組合せ、キサンタンガム及びκ−カラギナンの組合せ、又は、キサンタンガム及びグアガムの組合せのいずれかを特定の濃度範囲で用いることで、すっきりした甘さとすぐにもみほぐすことができる凍結状態を達成することができる。 糖アルコールとしては、グリセリン、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、パラチニット、還元水飴等が挙げられるが、グリセリン又はエリスリトールを好ましい糖アルコールとして挙げることができる。特に好ましくは、グリセリン(濃度3.2%以上)を用いる場合を、挙げることができる。糖質のその他の糖類としては、砂糖、ブドウ糖、果糖ブドウ糖液糖、トレハロース、水飴などが挙げられるが、非糖質の甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファムK、ステビア、ジヒドロカルコン類、ソーマチンなどを挙げることができる。本発明においては、糖アルコール及び糖類を、上記範囲の糖アルコール濃度、総糖質濃度で用いられるが、該糖質濃度に調整することにより、シャーベット状飲料の柔軟凍結状態を調製すると共に、シャーベット状飲料の甘味度の増大を抑制して、甘味の調整された高味覚の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料を提供することができる。 本発明のシャーベット状飲料は、アルコール原料、特定組合せの増粘剤、糖アルコール、糖類を特定された含有量で含有するものであるが、その他に、本発明の目的を損なわない限り、他の食品成分や、果汁、香料、着色料、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の酸味料などの食品添加成分を含有するものであってもよい。各種香料の添加により、シャーベット状飲料に適度な風味と香りを付与することができる。また、各種果汁の添加により、シャーベット状飲料に各種果汁の香味と味覚を付与することができる。例えば、ライム、レモン、オレンジ、ユズ、カボスなどの柑橘類の果汁やパイナップル、リンゴ、グレープなどの果汁、更に、トマトなどの野菜類の果汁等の添加により、嗜好性に優れたシャーベット状飲料を提供することができる。 本発明の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料におけるシャーベット状飲料用ベース液は、可撓性の飲料容器に充填されるが、該可撓性の飲料容器としては、キャップ付きの口部を有する可撓性袋状容器(スパウト付異形状パウチ)を用いることができる。本発明の容器詰めシャーベット状飲料は、上記のように調製されたシャーベット状飲料用ベース液を可撓性の飲料容器に充填することにより、常温流通を可能とし、飲用に際しては、該シャーベット状飲料用ベース液が充填された可撓性の飲料容器を冷凍庫等で凍結することにより、凍結状態の容器詰めシャーベット状飲料をすぐにもみほぐし、便利に飲用することができる。 以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。 <シャーベット状アルコール飲料の製造>シャーベット状飲料の製造には、表1に示す処方を用いた。アルコール原料としての原料用アルコール(アルコール容量95.3容量%)、ショ糖(グラニュー糖:明治製糖製)、異性化液糖H―100(日本食品化工製)、エリスリトール(三菱化学フーズ株式会社製)、グリセリン(阪本薬品製)を表1に示す割合で使用した。なお、表1の原料アルコールについては、最終溶液のエタノール濃度に換算したものを示した。 更に、増粘剤として、キサンタンガム(DSP五協製)、ローカストビーンガム(シンワフーズケミカル製)を表1に示す割合で使用した。加えてレモン果汁・香料・酸味料(クエン酸、クエン酸ナトリウム)を表1に示す割合で使用した。上記原料を混合して調製した溶液を85℃で10分間加熱した後、冷却し、150ml容アルミパウチ容器に充填した。これを−20℃の冷凍庫に9時間保持して凍結させ、凍結(シャーベット状)アルコール飲料を得た。 <凍結(シャーベット状)アルコール飲料の官能評価>官能評価は、氷の固さの評価を訓練した3名の専門パネルにより実施した。冷凍庫から取り出したシャーベットをすぐに試食し、もみほぐす際の固さと甘さを評価した。固さの評価は、1=「固い」〜5=「柔らかい」とし、0.5点刻みで評価した。パネル全体の平均値が2.5以上で適した固さと判定した。甘さは、実施例1の処方を対照として、それと比較して甘みの強さが、コンセプト上許容できるかどうかを判断した。評価は、「許容できる」=○、「許容できない」=×とした。 <結果>凍結アルコール飲料の固さと甘味の官能評価結果と甘味度合計を表1に示した。甘味度合計は、各糖類の甘味度(ショ糖を1とした際の相対的な甘さであり、グリセリン0.6、エリスリトール0.8などである)の値と糖類の配合量を掛けて合算した値である。アルコール濃度5容量(v/v)%以上であり、少なくとも、3.2w/v%以上の糖アルコールを含有する糖質を、総糖質濃度で、10w/v%以上17w/v%以下の含有量であるように調製することで、すっきりとした甘味と、柔らかい氷感を両立した凍結(シャーベット状)アルコール飲料が得られることが明らかになった。 次に、アルコール濃度・糖アルコール濃度・総糖質濃度を一定としたときの増粘剤の種類と含有量を検討した。 <シャーベット状アルコール飲料の製造>シャーベット状飲料の製造には、表2に示す処方を用いた。アルコール原料としての原料用アルコール(アルコール容量95.3容量%)、ショ糖(グラニュー糖:明治製糖製)、グリセリン(阪本薬品製)を表2に示す割合で使用した。なお、表2の原料アルコールについては、最終溶液のエタノール濃度に換算したものを示した。更に、増粘剤として、キサンタンガム(DSP五協製)、ローカストビーンガム(シンワフーズケミカル製)、カラギナン(MRCポリサッカライド製)、グアガム(明治フードマテリアル製)、アルギン酸プロピレングリコールエステル(キミカ製)を表2に示す割合で使用した。加えてレモン果汁・香料・酸味料(クエン酸、クエン酸ナトリウム)を表2に示す割合で使用した。 上記原料を混合して調製した溶液を実施例1と同様に、85℃で10分間加熱した後、冷却し、150ml容アルミパウチ容器に充填した。これを−20℃の冷凍庫に9時間保持して凍結させ、凍結(シャーベット状)アルコール飲料を得た。 <凍結(シャーベット状)アルコール飲料の官能評価>官能評価は、実施例1と同じ方法で行った。 <結果>凍結アルコール飲料の固さと甘味の官能評価結果と甘味度合計を表2に示した。キサンタンガム及びローカストビーンガムの組合せ、κ−カラギナン及びローカストビーンガムの組合せ、及び、キサンタンガム及びグアガムの組合せからなる増粘剤のいずれかを合計量で、0.055w/v%以上、0.2w/v%以下の含有量であるように調製することで、すっきりとした甘味と、柔らかい氷感を両立した凍結(シャーベット状)アルコール飲料が得られることが明らかになった。 本発明は、常温流通を可能とし、冷凍してシャーベット状飲料として飲用する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料において、常温流通型容器詰めシャーベット状飲料を、可撓性容器に充填した形態で常温流通させ、飲用時に冷凍凍結した場合にもすぐにもみほぐし、便利に飲用することが可能であり、しかも、その柔軟な凍結状態とともに、甘味の調整された高味覚の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料を提供する。 常温流通を可能とし、冷凍してシャーベット状飲料として飲用する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料において、シャーベット状飲料用ベース液を、アルコール濃度が5容量(v/v)%以上であり、キサンタンガム及びローカストビーンガムの組合せ、キサンタンガム及びκ−カラギナンの組合せ、又は、キサンタンガム及びグアガムの組合せからなる増粘剤のいずれかを合計量で、0.055w/v%以上、0.2w/v%以下の含有量とし、少なくとも、3.2w/v%以上の糖アルコールを含有する糖質を、総糖質濃度で、10w/v%以上、17w/v%以下の含有量であるように調製したことを特徴とする、冷凍凍結した場合にもすぐにもみほぐすことが可能な柔軟凍結状態を有する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料。 シャーベット状飲料用ベース液のアルコール濃度が5容量(v/v)%以上、10容量(v/v)%以下に調整されていることを特徴とする請求項1に記載の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料。 キサンタンガム及びローカストビーンガムの組合せ、キサンタンガム及びκ−カラギナンの組合せ、又は、キサンタンガム及びグアガムの組合せからなる増粘剤の組合せにおいて、キサンタンガムの含有量は、少なくとも0.02w/v%以上、0.07w/v%以下に調整されるか、或いは、ローカストビーンガム含有量は、少なくとも0.03w/v%以上、0.1w/v%以下に調整されることを特徴とする請求項1又は2に記載の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料。 糖アルコールが、グリセリン又はエリスリトールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料。 シャーベット状飲料用ベース液が、可撓性の飲料容器に充填されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料。 可撓性の飲料容器が、キャップ付きの口部を有する可撓性袋状容器であることを特徴とする請求項5に記載の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料。 常温流通を可能とし、冷凍してシャーベット状飲料として飲用する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料の製造方法において、シャーベット状飲料用ベース液を、アルコール濃度が5容量(v/v)%以上であり、キサンタンガム及びローカストビーンガムの組合せ、キサンタンガム及びκ−カラギナンの組合せ、又は、キサンタンガム及びグアガムの組合せからなる増粘剤のいずれかを合計量で、0.055w/v%以上、0.2w/v%以下の含有量とし、少なくとも、3.2w/v%以上の糖アルコールを含有する糖質を、総糖質濃度で、10w/v%以上、17w/v%以下の含有量であるように調製し、該シャーベット状飲料用ベース液を可撓性の飲料容器に充填することを特徴とする、冷凍凍結した場合にもすぐにもみほぐすことが可能な柔軟凍結状態を有する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料の製造方法。 【課題】常温流通型容器詰めシャーベット状飲料ベース液を、可撓性容器に充填し、飲用時に冷凍凍結した場合にもすぐにもみほぐし、飲用することが可能な柔軟凍結状態を有するとともに、甘味の調整された高味覚の常温流通型容器詰めシャーベット状飲料を提供すること。【解決手段】常温流通型容器詰めシャーベット状飲料において、シャーベット状飲料用ベース液を、アルコール濃度が5容量(v/v)%以上であり、キサンタンガム及びローカストビーンガムの組合せ、κ−カラギナン及びローカストビーンガムの組合せ、及び、キサンタンガム及びグアガムの組合せからなる増粘剤のいずれかを合計量で、0.055重量%以上、0.2重量%以下の含有量とし、少なくとも、3.2重量%以上の糖アルコールを含有する糖質を、総糖質濃度で、10重量%以上、17重量%以下の含有量であるように調製したことからなる、冷凍凍結した場合にもすぐにもみほぐすことが可能な柔軟凍結状態を有する常温流通型容器詰めシャーベット状飲料からなる。【選択図】なし


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