生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_リンス剤
出願番号:2014038553
年次:2015
IPC分類:A61K 8/31,A61K 8/81,A61K 8/34,A61K 8/84,A61Q 5/12,A61K 8/41


特許情報キャッシュ

田尻 美喜 津村 亜紗子 JP 2015160838 公開特許公報(A) 20150907 2014038553 20140228 リンス剤 株式会社マンダム 390011442 細田 芳徳 100095832 田尻 美喜 津村 亜紗子 A61K 8/31 20060101AFI20150811BHJP A61K 8/81 20060101ALI20150811BHJP A61K 8/34 20060101ALI20150811BHJP A61K 8/84 20060101ALI20150811BHJP A61Q 5/12 20060101ALI20150811BHJP A61K 8/41 20060101ALI20150811BHJP JPA61K8/31A61K8/81A61K8/34A61K8/84A61Q5/12A61K8/41 5 OL 15 4C083 4C083AC011 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC071 4C083AC072 4C083AC122 4C083AC302 4C083AC421 4C083AC422 4C083AC641 4C083AC691 4C083AC692 4C083AD021 4C083BB06 4C083CC39 4C083DD31 4C083EE28 本発明は、頭髪に使用するリンス剤に関する。 従来、ヘアトリートメント剤、ヘアコンディショイング剤などのヘアリンス剤には、頭髪の指通り感を高めるとともに、滑らかさを付与する目的でシリコーン油が配合されている。 しかしながら、シリコーン油は、いったん頭髪に付着するとシャンプー処理を施したとしても頭髪からの洗い落ちが悪いという傾向があり、連続使用により頭髪表面に蓄積され易く、パサつきなどが生じる要因となり、頭髪に対して悪影響を及ぼすといった問題や、これらシリコーン油が蓄積された頭髪は、シャンプーの泡立ちを阻害するといった問題が指摘されることがある。 また、シリコーン油が配合された組成物を頭皮に適用すると、シリコーン油が頭皮の毛穴に詰まってしまう点が指摘されることもある。 そのため、近年では、シリコーン油を配合しなくとも、従来品と同等、若しくはそれ以上のコンディショニング効果を付与する試みがなされている。 具体的には、脂肪酸アミドアミンと、高級アルコールと、特定の動粘度を有する水添ポリイソブテンとを含有し、シリコーン類を含有しないことを特徴とするヘアリンス組成物(特許文献1)、脂肪酸アミドアミンと、高級アルコールと、特定の脂肪酸エステル油とを含有し、シリコーン類を含有しないことを特徴とするヘアリンス組成物(特許文献2)、植物性油脂と水添植物性油脂とのエステル交換油脂を含有する毛髪化粧料(特許文献3)、並びにカチオン性界面活性剤と、高級アルコールと、25℃でペースト状の油と、ポリオキシプロピレンブチルエーテルとを含み、シリコーン油を実質的に配合しない毛髪化粧料(特許文献4)などが提案されている。 しかしながら、これらの試みでは、コンディショニング成分である特定の油剤が頭髪から容易に洗い落ちてしまうために優れたコンディショニング効果が得られ難く、シリコーン油を含むものと同等以上の効果が得られないといった欠点がある。 また、これら処理剤を頭皮へ塗布した場合、容易に洗い落ちてしまうことから、頭皮の豊かな潤い感が得られないといった欠点もある。特開2010−024167号公報特開2010−024169号公報特開2013−103929号公報特開2013−189423号公報 従って、本発明の課題は、実質的にシリコーン油を含まないリンス剤であって、頭髪へのコンディショニング効果を発揮するリンス剤を提供することにある。さらに本発明の課題は、実質的にシリコーン油を含まないリンス剤であって、かかるコンディショニング効果だけでなく、頭皮の潤い感を付与することができるリンス剤を提供することにある。 即ち、本発明の要旨は、 (A)高融点マイクロクリスタリンワックス及び/又は高融点ポリエチレンワックス、(B)カチオン性界面活性剤、(C)高級アルコール、並びに(D)ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルを含有し、実質的にシリコーン油を含有しないことを特徴とするリンス剤、に関するものである。 本発明のリンス剤の主な効果は、(1)頭髪に対しては滑らか、かつ、指通りの良い柔らかな潤いのある髪へと導くことができる、(2)頭皮に対しては豊かな潤いを与え、頭皮の乾燥を防ぐことができる、というものである。 本発明者らは、主に整髪剤に用いられてきた成分、具体的には高融点マイクロクリスタリンワックス及び/又は高融点ポリエチレンワックスをリンス剤に適用することによって、意外にも上記の効果を発揮できることを見出し、本発明を完成させた。(A)成分 本明細書における(A)成分は、高融点マイクロクリスタリンワックス及び/又は高融点ポリエチレンワックスである。本発明のリンス剤に(A)成分を適用することによって、乾燥後の頭髪の指通りを良好にし、乾燥後の頭髪に柔らかな潤い感を与えるとともに、頭皮にも豊かな潤いを付与するという効果が発揮される。 (A)成分としては、高融点マイクロクリスタリンワックスのみから構成されていてもよく、高融点ポリエチレンワックスのみから構成されていてもよく、両者を併用してもよい。 高融点マイクロクリスタリンワックス及び高融点ポリエチレンワックスにおける「高融点」とは、融点が50℃以上のものをいう。 高融点マイクロクリスタリンワックスとしては、本発明の効果を発揮すれば特に限定されないが、上記の効果を更に高める観点から、融点が72〜104℃のマイクロクリスタリンワックスを用いることが好ましい。具体的には、例えば、融点が75℃のマイクロクリスタリンワックス、融点が88℃のマイクロクリスタリンワックス、融点が101℃のマイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。高融点マイクロクリスタリンワックスは、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。 かかる高融点マイクロクリスタリンワックスは市販品として容易に入手することができる。市販品の具体例としては、例えば、商品名:HI−MIC−2065(融点75℃)、HI−MIC−1090(融点88℃)、HI−MIC−2095(融点101℃)(いずれも日本精蝋社製)等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。 高融点ポリエチレンワックスとしては、本発明の効果を発揮すれば特に限定されないが、上記の効果を更に高める観点から、融点が83〜105℃のポリエチレンワックスを用いることが好ましい。具体的には、例えば、融点が83〜90℃のポリエチレンワックス、融点が95〜105℃のポリエチレンワックス等が挙げられる。高融点ポリエチレンワックスは、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。 かかる高融点ポリエチレンワックスは市販品として容易に入手することができる。市販品の具体例としては、例えば、商品名:PERFORMALENE PL POLYETHYLENE(融点83〜90℃)、PERFORMALENE 655 POLYETHYLENE(融点95〜105℃)(いずれもNew Phase Technologies社製)等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。 本発明のリンス剤における(A)成分の含有量は、所望の効果が発揮される限り限定されるものではないが、乾燥後の頭髪の指通りを良好にし、乾燥後の頭髪に柔らかな潤い感を与え、頭皮に潤いを付与する観点から、0.5〜5質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。 また、(A)成分として、高融点マイクロクリスタリンワックス及び高融点ポリエチレンワックスを併用する場合の両者の比率は、所定の効果が発揮される限り限定されないが、高融点マイクロクリスタリンワックス1質量部に対して高融点ポリエチレンワックス0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。(B)成分 本明細書における(B)成分はカチオン性界面活性剤である。本発明のリンス剤に(B)成分を適用することによって、洗い流し時の滑らかさを付与するという効果が発揮される。 カチオン性界面活性剤としては、本発明の効果を発揮すれば特に限定されないが、例えば、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩、アルキルアミン、脂肪酸アミドアミン等が挙げられる。カチオン性界面活性剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。好適なカチオン性界面活性剤としては、上記観点から、モノアルキル型4級アンモニウム塩及び/又は脂肪酸アミドアミンを用いることが好ましい。かかる(B)成分は市販品として容易に入手することができる。 モノアルキル型4級アンモニウム塩の具体例としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベへニルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル(16,18)トリメチルアンモニウム、塩化アルキル(20〜22)トリメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム、塩化ジ(ポリオキシエチレン)オレイルメチルアンモニウム等が挙げられる。モノアルキル型4級アンモニウム塩は、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。 脂肪酸アミドアミンの具体例としては、例えば、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミドが挙げられる。脂肪酸アミドアミンは、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。 本発明において脂肪酸アミドアミンは、有機酸又は無機酸により塩として用いられる。用いられる有機酸としては、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、酢酸等を、無機酸としては、リン酸、塩酸、硫酸等を例示することができ、乳酸を用いるのが好ましい。有機酸又は無機酸の含有量は、配合される脂肪酸アミドアミンを中和できる量であれば特に限定されない。 本発明のリンス剤における(B)成分の含有量は所望の効果が発揮される限り限定されないが、洗い流し時の滑らかさを付与する観点から、1〜5質量%が好ましく、1〜4質量%がより好ましい。(C)成分 本明細書における(C)成分は高級アルコールである。本発明のリンス剤に(C)成分を適用することによって、乾燥後の頭髪の指通りを良好にし、乾燥後の頭髪を柔らかにするという効果が発揮される。 高級アルコールとしては、炭素数12〜22のものが好ましく、炭素数16〜20のものがより好ましい。かかる(C)成分は市販品として容易に入手することができる。 高級アルコールの具体例としては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、べへニルアルコール等が挙げられる。高級アルコールは、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。好適な高級アルコールとしては、上記観点から、セチルアルコール、ステアリルアルコール、べへニルアルコールを用いることが好ましい。 本発明のリンス剤における(C)成分の含有量は、所望の効果が発揮される限り限定されるものではないが、乾燥後の頭髪の指通りを良好にし、乾燥後の頭髪を柔らかにする観点から、2〜10質量%が好ましく、4〜8質量%がより好ましい。 本発明においては、洗い流し時の滑らかさをより良好とする観点、さらには乾燥後の頭髪の指通りをより良好にし、乾燥後の頭髪に優れた柔らかさ付与する観点から、上記した(B)成分であるカチオン性界面活性剤の含有量と、上記した(C)成分である高級アルコールの含有量とを、質量含有比(B:C)として、B:C=1:1〜1:4の範囲で用いることが好ましく、B:C=1:2〜1:3の範囲で用いることがより好ましい。(D)成分 本明細書における(D)成分はポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルである。本発明のリンス剤に(D)成分を適用することによって、乾燥後の頭髪に柔らかな潤い感を与え、頭皮に潤いを付与するという効果が発揮される。 (D)成分の好ましい例としては、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル等のアルキレン基の炭素数が2〜3のポリオキシアルキレンジグリセリルエーテル等が挙げられる。また、酸化エチレンの付加モル数、若しくは酸化プロピレンの付加モル数は、所望の効果が発揮される限り限定されるものではないが、5〜20であることが好ましく、8〜15であることがより好ましい。ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルは、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。好適なポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルとしては、上記観点から、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルを用いることが好ましい。 かかる(D)成分は市販品として容易に入手することができる。市販品の具体例としては、例えば、商品名:SY−DP9(付加モル数9)、SY−DP14T(付加モル数14)(いずれも阪本薬品工業社製)、ユニルーブDGP−950(付加モル数14)(日油社製)等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。 本発明のリンス剤における(D)成分の含有量は、所望の効果が発揮される限り限定されるものではないが、乾燥後の頭髪に柔らかな潤い感を与え、頭皮に潤いを付与する観点から、0.1〜2質量%が好ましく、0.3〜1.3質量%がより好ましい。その他の成分 本明細書においては、化粧品に配合でき得る例えば下記の成分を必要に応じて本発明のリンス剤に添加することができる。例えば、水、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、油脂、上記(A)成分以外の炭化水素油、ロウ類、高級脂肪酸、脂肪酸エステル油、低級アルコール、多価アルコール、ステロール類、保湿剤、無機顔料、色素、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ビタミン類、収斂剤、美白剤、動植物抽出物、金属イオン封鎖剤等が挙げられる。上記した成分の他にも、化粧品に通常用いられる成分を適宜任意に配合することができる。 本発明のリンス剤における水の量は特に限定されるものではないが、例えば、リンス剤の60〜95質量%を占めることが好ましく、70〜90質量%を占めることがより好ましい。本発明のリンス剤 本発明のリンス剤の一つの特徴は、実質的にシリコーン油を含有しないことである。即ち、本発明の組成によれば、シリコーン油を実質的に含有しなくても、所定の効果を発揮することができる。なお、本発明における「実質的にシリコーン油を含有しない」とは、「別途、シリコーン油を含有させることはしない」という意味であり、リンス剤を構成する各配合原料中に含まれるシリコーン油まで除外するものではない。例えば、リンス剤にシリコーン油が全く含有されない場合、又はリンス剤に0.2質量%以下含有される場合が好ましい例として挙げられる。 本発明のリンス剤のpHは特に限定されないが、人体への影響の観点から25℃において例えば3〜7が好ましく、4〜6.5がより好ましい。リンス剤のpHの調整は、酸又はアルカリを適宜添加することにより実施できる。 本発明のリンス剤は、常法により製造することができる。例えば、上記した各構成成分を混合し、公知の方法、具体的には、ホモミキサー等で撹拌する方法等が挙げられる。本発明のリンス剤の剤型としては、特に限定されないが、例えば、ゲル、乳液、クリーム等が挙げられる。 以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。尚、配合量は特記しない限り「質量%」を表す。また、配合成分は全て純分に換算した。(試料の調製) 表1〜2に記した組成に従い、実施例1〜11及び比較例1〜11のリンス剤を調製し、下記評価試験に供した。結果をそれぞれ表1〜2に併記する。なお、これら実施例及び比較例のリンス剤のpHはいずれも4〜6.5の範囲内であった。(標準試験用毛束の調製) 23℃、湿度60%の恒温恒湿下で一晩放置した試験用直毛毛束(長さ30cm、重量10g)に、GBパーフェクトクリアシャンプー(商品名、マンダム社製)を3g塗布し、1分間馴染ませた後、約40℃の温水で1分間洗い流したものを標準試験用毛束とした。(試験例1:洗い流し時の滑らかさの評価) 標準試験用毛束に実施例1で得られた試料5gを均一に塗布した。次いで2分間十分に馴染ませた後、約40℃の温水で1分間洗い流した。残りの実施例及び比較例についても、それぞれ同様の操作を行った。 また、標準試験用毛束に何も塗布せずに約40℃の温水で1分間洗い流したものを比較対象毛束とした。 評価は官能評価パネル10名により、上記の洗い流し時の毛束の滑らかさについて下記の評価基準に従ってスコア付けを行い、平均スコアを算出し評価を行った。(洗い流し時の滑らかさの評価基準)スコア3:比較対象毛束と比較して滑らかさに劣るスコア4:比較対象毛束と同等の滑らかさを有するスコア5:比較対象毛束と比較して滑らかさが若干優れているスコア6:比較対象毛束と比較して滑らかさが明らかに優れているスコア7:比較対象毛束と比較して滑らかさが格段に優れている<評価>◎(非常に良好):スコア平均値が6より大きく7以下○(良好):スコア平均値が5より大きく6以下△(不十分):スコア平均値が4より大きく5以下×(不良):スコア平均値が4以下(試験例2:乾燥後の指通り、並びに柔らかな潤い感の評価) 試験例1の評価後、タオルドライにより毛束の水分を十分に拭き取ってもらった。 次いで、試験例1と同じ評価パネル10名により、それぞれの毛束の乾燥後の指通り、並びに柔らかな潤い感について下記の評価基準に従ってスコア付けを行い、平均スコアを算出し評価を行った。(乾燥後の指通りの評価基準)スコア3:比較対象毛束と比較し指通りに劣るスコア4:比較対象毛束と同等の指通りを有するスコア5:比較対象毛束と比較し指通りが若干優れているスコア6:比較対象毛束と比較し指通りが明らかに優れているスコア7:比較対象毛束と比較し指通りが格段に優れている<評価>◎(非常に良好):スコア平均値が6より大きく7以下○(良好):スコア平均値が5より大きく6以下△(不十分):スコア平均値が4より大きく5以下×(不良):スコア平均値が4以下(乾燥後の柔らかな潤い感の評価基準)スコア3:比較対象毛束と比較し柔らかな潤い感に劣るスコア4:比較対象毛束と同等の柔らかな潤い感を有するスコア5:比較対象毛束と比較し柔らかな潤い感が若干優れているスコア6:比較対象毛束と比較し柔らかな潤い感が明らかに優れているスコア7:比較対象毛束と比較し柔らかな潤い感が格段に優れている<評価>◎(非常に良好):スコア平均値が6より大きく7以下○(良好):スコア平均値が5より大きく6以下△(不十分):スコア平均値が4より大きく5以下×(不良):スコア平均値が4以下(試験例3:頭皮の潤いの評価) 官能評価パネル10名により、GBパーフェクトクリアシャンプー(マンダム社製)5gを用いてパネル自身の頭髪のシャンプー処理を行い、約40℃の温水で1分間洗い流してもらった。 次いで、頭部右半分の頭皮部全体に実施例1で得られた試料5gを行き渡るように塗布してもらい、2分間頭皮を揉み込むようにマッサージしてもらった。尚、頭部左半分の頭皮部には何も塗布せずに、2分間頭皮を揉み込むようにマッサージしてもらった。 次いで、約40℃の温水で頭部全体を1分間洗い流した後、頭髪、並びに頭皮をタオル及びドライヤーを用いて充分に乾燥してもらい、乾燥後の頭皮の潤いについて下記の評価基準に従って評価した。 残りの実施例及び比較例のそれぞれについて、同様の操作を行い、下記の評価基準に従って評価した。<頭皮の潤いの評価基準>◎(非常に良好):10名中8名以上が、頭部左半分の頭皮部と比べて頭部右半分の頭皮部の方が潤いがあると回答○(良好):10名中6〜7名が、頭部左半分の頭皮部と比べて頭部右半分の頭皮部の方が潤いがあると回答△(不十分):10名中4〜5名が、頭部左半分の頭皮部と比べて頭部右半分の頭皮部の方が潤いがあると回答×(不良):10名中3名以下が、頭部左半分の頭皮部と比べて頭部右半分の頭皮部の方が潤いがあると回答(結果と考察) 下記表1及び2に結果を示す。 表中及び処方例中の各原料の詳細は次の通りである。マイクロクリスタリンワックス※1(日本精蝋社製、商品名:HI−MIC−2065、融点75℃)マイクロクリスタリンワックス※2(日本精蝋社製、商品名:HI−MIC−1090、融点88℃)マイクロクリスタリンワックス※3(日本精蝋社製、商品名:HI−MIC−2095、融点101℃)ポリエチレンワックス※4(New Phase Technologies社製、商品名:PERFORMALENE PL POLYETHYLENE、融点83−90℃)ポリエチレンワックス※5(New Phase Technologies社製、商品名:PERFORMALENE 655 POLYETHYLENE、融点95−105℃)カルナウバロウ※6(東亜化成社製、商品名:TOWAX−1F8、融点80−86℃)キャンデリラロウ※7(ミツバ貿易社より入手、商品名:精製キャンデリラワックス R−2CGM、融点68−72℃)流動イソパラフィン(日油社製、商品名:パールリーム EX)ワセリン(Sonnborn社製、商品名:WHITE PROTOPET 1S)ミツロウ※8(三木化学工業社製、商品名:コウサンダッシュウミツロウ、融点60−67℃)塩化アルキル(20〜22)トリメチルアンモニウム(Clariant社製、商品名:GENAMIN KDMP−J)ポリオキシプロピレン(14)ジグリセリルエーテル(阪本薬品工業社製、商品名:SY−DP14T)流動パラフィン(Sonnborn社製、商品名:CARNATION) 上記の表に示された結果から、本発明のリンス剤は、シリコーン油を配合しなくとも、洗い流し時の滑らかさ、乾燥後の指通り、乾燥後の柔らかな潤い感及び頭皮の潤いの点で、非常に良好又は良好であることが分かった。 一方、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分のいずれかを欠いた組成では、乾燥後の柔らかな潤い感及び頭皮の潤いの点で不良であったり(比較例1及び4)、あるいは全ての成分が溶解せずに分離してしまい、リンス剤としての剤型を維持できなかった(比較例2及び3)。 さらに、整髪剤の分野で高融点マイクロクリスタリンワックス及び高融点ポリエチレンワックスと同様に用いられているロウ類(カルナウバロウ、キャンデリラロウ及びミツロウ)を用いた組成(比較例5、6及び9)や、整髪剤の分野で汎用されている油性成分(流動イソパラフィン、ワセリン、2−エチルヘキサン酸セチル及びトリ2−エチルヘキサン酸グリセリルカル)を用いた組成(比較例7、8、10及び11)では、上記の四種の評価項目のいずれかにおいて、不十分又は不良であった。 このような結果から、本発明の効果は以下のようなメカニズムによって発揮されることが推定される。即ち、本発明の(A)成分である高融点マイクロクリスタリンワックスは、一般的なパラフィンワックスと比較すると融点が高く、かつイソパラフィンやシクロパラフィンを多く含んでいるために、パラフィンワックスと比較すると微結晶構造をとり易く、その結果、リンス剤中に該結晶構造が形成されていると思料される。そして、微細な結晶が頭髪に付着することで、乾燥後の指通りや柔らかな潤い感を実現し、更には頭皮の潤い感をも発揮しているものと思料される。通常のエステル油などは高融点マイクロクリスタリンワックスのような微細な結晶構造をとらないために、乾燥後の指通りや柔らかな潤い感に劣るだけでなく、頭皮の潤い感も劣ってしまうものと思料される。 以下、本発明にかかるリンス剤の処方例を示す。尚、含有量は質量%である。(処方例1)高融点マイクロクリスタリンワックス(融点88℃) 2.0%塩化アルキル(20〜22)トリメチルアンモニウム液(80%) 1.0%ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 0.8%ポリオキシプロピレン(14)ジグリセリルエーテル 0.7%ステアリルアルコール 4.0%乳酸 0.23%流動パラフィン 4.0%フィトステロール 0.3%ユビデカレノン 0.001%l−メントール 0.3%エタノール 2.0%濃グリセリン 3.0%イソプロピルメチルフェノール 0.1%防腐剤 適 量香料 適 量精製水 残 部 合計 100.0%(処方例2)高融点マイクロクリスタリンワックス(融点101℃) 1.0%高融点ポリエチレンワックス(融点83−90℃) 1.5%塩化アルキル(20〜22)トリメチルアンモニウム液(80%) 1.2%ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド 0.8%ポリオキシプロピレン(14)ジグリセリルエーテル 0.5%ステアリルアルコール 4.5%乳酸 0.25%流動パラフィン 3.0%ジプロピレングリコール 3.0%アラントイン 0.2%紅茶エキス 0.5%防腐剤 適 量香料 適 量精製水 残 部 合計 100.0%(処方例3)高融点マイクロクリスタリンワックス(融点75℃) 2.0%塩化アルキル(20〜22)トリメチルアンモニウム液(80%) 2.0%ポリオキシプロピレン(14)ジグリセリルエーテル 1.0%ステアリルアルコール 1.5%セチルアルコール 2.0%流動パラフィン 2.5%ヒドロキシステアリン酸コレステリル 0.5%1,3−ブチレングリコール 2.0%海藻エキス 0.5%カンゾウ抽出末 0.1%ケイ皮エキス 0.5%クエン酸 適 量防腐剤 適 量香料 適 量精製水 残 部 合計 100.0%(処方例4)高融点ポリエチレンワックス(融点95−105℃) 1.0%塩化ステアリルトリメチルアンモニウム液(50%) 2.0%ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 1.5%ポリオキシプロピレン(14)ジグリセリルエーテル 1.2%ベヘニルアルコール 5.0%乳酸 0.46%流動パラフィン 4.0%濃グリセリン 3.0%加水分解ヒアルロン酸 0.2%グリチルリチン酸ジカリウム 0.1%防腐剤 適 量香料 適 量精製水 残 部 合計 100.0% 本発明のリンス剤は、頭髪用のヘアトリートメント剤、ヘアコンディショイング剤などのヘアリンス剤だけでなくスカルプケア剤として用いることができる。 (A)高融点マイクロクリスタリンワックス及び/又は高融点ポリエチレンワックス、(B)カチオン性界面活性剤、(C)高級アルコール、並びに(D)ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルを含有し、実質的にシリコーン油を含有しないことを特徴とするリンス剤。 高融点マイクロクリスタリンワックスが融点72〜104℃のマイクロクリスタリンワックスであり、高融点ポリエチレンワックスが融点83〜105℃のポリエチレンワックスである、請求項1に記載のリンス剤。 前記(A)成分の含有量が1〜3質量%である請求項1又は2に記載のリンス剤。 前記(B)成分がモノアルキル型四級アンモニウム塩及び脂肪酸アミドアミンからなる群より選択されるカチオン性界面活性剤である請求項1〜3の何れかに記載のリンス剤。 前記(D)成分がポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルである請求項1〜4の何れかに記載のリンス剤。 【課題】実質的にシリコーン油を含まないリンス剤であって、頭髪へのコンディショニング効果を発揮するだけでなく、頭皮の潤い感を付与することができるリンス剤を提供すること。【解決手段】(A)高融点マイクロクリスタリンワックス及び/又は高融点ポリエチレンワックス、(B)カチオン性界面活性剤、(C)高級アルコール、並びに(D)ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルを含有し、実質的にシリコーン油を含有しないことを特徴とするリンス剤。【選択図】なし


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