生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_胃瘻用半固形栄養組成物
出願番号:2014036051
年次:2015
IPC分類:A61K 9/06,A61K 47/26,A61K 47/36


特許情報キャッシュ

佐藤宏樹 入倉篤史 上田善継 JP 2015160822 公開特許公報(A) 20150907 2014036051 20140226 胃瘻用半固形栄養組成物 テルモ株式会社 000109543 佐藤宏樹 入倉篤史 上田善継 A61K 9/06 20060101AFI20150811BHJP A61K 47/26 20060101ALI20150811BHJP A61K 47/36 20060101ALI20150811BHJP JPA61K9/06A61K47/26A61K47/36 9 OL 22 4C076 4C076AA09 4C076BB01 4C076CC40 4C076EE30P 4C076EE38M 4C076FF31 4C076FF35 本発明は、胃瘻用半固形栄養組成物に関する。 経腸栄養は、静脈栄養と比較して生理的であり、消化管本来の機能である消化吸収、あるいは腸管免疫系の機能が維持され、また感染性合併症発生頻度が少なく、安全に管理できる。咀嚼・嚥下機能の著しい低下や意識障害等によって、経口摂取が困難な患者向けの重要な栄養投与法である。 経腸栄養法には、投与経路によって経鼻経管栄養法や胃瘻経管栄養投与法等がある。栄養組成物としては、液状、半固形状、とろみ状等がある。経鼻経管栄養法は、鼻腔を経由して胃内に挿入した細くかつ長いチューブを介して栄養組成物を投与するため、液状栄養組成物を用いる。この場合、急速な投与は下痢を起こすため、経腸栄養ポンプや栄養セットに付属しているローラークレンメで流量を調整する必要がある。そのため、結果として投与に数時間程度の長時間を要し、患者やその介護者への負担が大きい。また、経鼻経管栄養法により長期で経腸栄養を施行した場合では、液状栄養組成物の胃食道逆流に起因する誤嚥性肺炎等の呼吸器合併症に悩まされる症例も少なくない。 胃瘻経管栄養投与法は、経皮内視鏡的胃瘻造設術(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy、PEG)を施行して胃に接続した胃瘻カテーテルにより体外から直接、胃内部へ栄養を投与する栄養管理法である。従来行われてきた経鼻経管栄養法と比較し、管理が容易であること、患者の苦痛が少ないこと、摂食・嚥下リハビリテーションが容易であることから、最近では有用な経管栄養法の一つとして注目されている。 半固形状栄養組成物は、液状栄養組成物に伴う合併症として大きな問題であった胃食道逆流による誤嚥性肺炎等の呼吸器合併症、液状栄養組成物を胃に急速に投与した場合、胃壁の進展はみられず、胃から腸への排出により、糖質が急速に吸収されて起こる高血糖や下痢の症状等が解消される。その結果として、褥瘡を防止したり、患者の負担を軽減し、患者のQOLの向上に貢献できる。一方、半固形状栄養組成物を投与する際、胃瘻カテーテルから栄養組成物を押し出す際の吐出抵抗が高いため、栄養組成物を押し出す際に大きな力が必要となり、医療従事者や介護者の身体的負担が大きい場合があった。 例えば、特許文献1では、栄養組成物に寒天を添加する方法が開示されている。また、寒天、キサンタンガムおよびカラギーナンを含むゲル状流動食(特許文献2)、たんぱく質の等電点ゲルとペクチン、キサンタンガム等のゲル化剤ゲルとの複合ゲルからなる嚥下障害者に適したゲル状組成物(特許文献3)等が開示されている。しかし、寒天を用いて調製された半固形栄養組成物は一度破砕されると再結着しにくい性質を有する。そのため、容器やシリンジ等から胃瘻カテーテルに注入する段階でゲルが崩れ、小さなゲル状の破片となって、胃瘻カテーテル内に残るという問題があった。 また、従来の市販されてる栄養組成物では、ある種の疾患の患者、乳幼児、高齢者、要介護者等を様々な状態を一括して、標準となる熱量および栄養成分の濃度になるように配合されているのが現状である。この場合、ある栄養成分が不足の場合は追加投与は可能であるが、過剰の場合は抜き出すことはできない。このため、過剰に投与される栄養成分、特に三大栄養素であるたんぱく質、脂質、糖質で合併症を引き起こす可能性がある。経管栄養療法を受ける患者は、年齢、性別、病歴、病勢等は様々であるが、一般的に高齢者が多い。高齢者は、生理機能が低下しており、各臓器の予備能力も低下している。その中でも、特に腎機能、耐糖能が低下している。そのため、投与される蛋白質が多い場合、腎機能に負荷がかかる。通常の糖質であれば、血糖値が高くなる場合がある。この状態が長期間続くと、腎不全や糖尿病を合併する可能性がある。 さらに、患者等の多様な人々の状態に応じて、市販の栄養組成物に、水や塩化ナトリウム等を添加して調整することになるため、その人毎の必要量に合わせた水や塩化ナトリウム等の添加作業が必要となり、臨床現場等における作業は極めて煩雑となっている。一般に半固形栄養組成物の投与は、連続して数時間行われるものであり、水分や塩化ナトリウムを胃瘻カテーテルから直接を投与した場合、何度の胃瘻カテーテルへの接続を行うため、細菌汚染のリスクがあり、衛生的な問題も生じる。また、水分によって栄養素が希釈され、特に塩化ナトリウムが少なくなり、低ナトリウム症を引き起こす可能性がある。特開2003−201230号公報特開2008−237186号公報国際公開第99/34690号 したがって、たんぱく質が少なく、糖質として遅吸収性デキストリンを利用して、水分および塩化ナトリウムを多く含みながらも適度な粘度を有し、合併症に配慮し、また、介護者が栄養組成物を押し出す際に大きな力が必要なく、栄養組成物を投与する際の水分および塩化ナトリウムの追加作業の負担が低減される半固形栄養組成物が求められている。 本発明の目的は、胃瘻カテーテルに直接接続して胃瘻から投与する場合に一定の粘度が付与され、かつ介護者による水分および塩化ナトリウム等を添加する作業を低減でき、頻回に行われる胃瘻カテーテル接続による細菌汚染のリスクを解消できる胃瘻用半固形栄養組成物を提供することである。 上記課題は以下の本発明により解決される。 (1)たんぱく質、脂質および糖質を含む栄養素を含む胃瘻用半固形栄養組成物であって、前記たんぱく質の配合量が前記半固形栄養組成物の全量に対して2〜3質量%である半固形栄養組成物である。 (2)糖質として遅消化性デキストリンを含み、その配合量が前記胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して7〜12質量%である上記(1)に記載の胃瘻用半固形栄養組成物である。 (3)ゼリー強度が30〜90g/cm2の低強度寒天、ゼリー強度が650〜850g/cm2の高強度寒天、および加工デンプンを含み、前記低強度寒天の配合量が前記胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して0.3〜0.7質量%、前記ゼリー強度650〜850g/cm2の高強度寒天の配合量が前記胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して0.05〜0.09質量%、前記加工デンプンの配合量が前記胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して0.8〜1.2質量%である上記(1)または(2)に記載の胃瘻用半固形栄養組成物である。 (4)熱量が0.6〜0.8kcal/gである上記(1)から(3)のいずれかに記載の胃瘻用半固形栄養組成物である。 (5)水分を含み、その配合量が前記胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して80〜90質量%である上記(1)から(4)のいずれかに記載の胃瘻用半固形栄養組成物である。 (6)ナトリウムを含み、その配合量が前記胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して90〜140mg/gである上記(1)から(5)のいずれかに記載の胃瘻用半固形栄養組成物である。 (7)25℃での粘度が15,000〜42,000mPa・sである上記(1)から(6)のいずれかに記載の胃瘻用半固形栄養組成物である。 (8)pHが3.0〜4.5である上記(1)から(7)のいずれかに記載の胃瘻用半固形栄養組成物である。 (9)シリンジから60mm/分の速度で排出する際の吐出圧力が15kPa以下である上記(1)から(8)のいずれかに記載の胃瘻用半固形栄養組成物である。 以上述べたように、本発明の胃瘻用半固形栄養組成物は、直接胃瘻カテーテルに接続して投与した場合にも急速に投与されることなく、かつ水分投与の必要がない胃瘻用半固形栄養組成物である。したがって、投与された患者が下痢を起こすことなく、確実に安心かつ容易に栄養を摂取することが可能となる。さらに、一定の粘度が付与されているため、胃内に投与された際、胃食道逆流を防止することができる。また、胃瘻カテーテル内への付着による洗浄の作業負荷を低減できる。胃瘻カテーテルからの栄養組成物を押出しやすく、身体的負担が低願される。 以下、本発明の胃瘻用半固形栄養組成物を詳細に説明する。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物は、たんぱく質をその胃瘻用半固形栄養組成物全量に対して2〜3質量%配合するものである。たんぱく質の配合量が2質量%より少ないと、必要なたんぱく質量が摂取できないため、好ましくない。たんぱく質の配合量が3質量%を超えると、高齢者の腎機能に負荷がかかる可能性があるため、好ましくない。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に使用するたんぱく質は、従来より栄養組成物で利用されてきている公知の各種のもののいずれも使用できる。また、本発明においては、たんぱく質とは、動物性たんぱく質および植物性たんぱく質のほか、アミノ酸、ペプチドも含むものである。 動物性たんぱく質としては、卵、肉類、魚介類、牛乳等に含まれるたんぱく質が挙げられる。植物性たんぱく質としては、米等の穀類、大豆、豆腐等の豆類等に含まれるたんぱく質が挙げられる。なお、大豆たんぱく質については、胆汁酸と結合してコレステロールの排泄を促進する等の保健機能を有しうる。 これらのうち、牛乳(乳清)を原料とするホエイたんぱく質、牛乳に含まれるカゼインたんぱく質、大豆たんぱく質を用いることが好ましく、ホエイたんぱく質を用いることがより好ましい。当該ホエイたんぱく質としては、ホエイプロテインコンセントレート(WPC)、ホエイプロテインアイソレート(WPI)、加水分解ホエイペプチド(WPH)等が挙げられる。WPCやWPI、大豆たんぱく等は市販されているものを用いてもよく、市販品としては、WPI8855(Fonterra社製)、WPI8899(Fonterra社製)、WPI895(Fonterra社製)、WPC392(Fonterra社製)、WPC80(Fonterra社製)、WPC7009(Fonterra社製)、WPC164(Fonterra社製)、WPC162(Fonterra社製)、WPC132(Fonterra社製)、WPC472(Fonterra社製)、プロリーナ900(不二製油株式会社製)、ニューフジプロ3000(不二製油株式会社製)、ニューフジプロ1700N(不二製油株式会社製)等が挙げられる。 アミノ酸としては、バリン、ロイシン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、ヒスチジン等の必須アミノ酸;およびグリシン、アラニン、セリン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン等の非必須アミノ酸が挙げられる。これらの他、4−ヒドロキシプロリン、5−ヒドロキシリジン、γ−カルボキシグルタミン酸、O−ホスホセリン、O−ホスホチロシン、N−アセチルセリン、Nω−メチルアルギニン、ピログルタミン酸、M−ホルミルメチオニン等の修飾アミノ酸;オルニチン、シトルリン、γ−アミノ酪酸(GABA)、チロキシン、S−アデニルメチオニン等の特殊アミノ酸も包含されうる。また、前記アミノ酸は、それぞれ立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)であっても、位置異性体であってもよく、これらの混合物であっても良い。さらに、前記アミノ酸は、無機酸塩(塩酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩等)、生体内で加水分解可能なエステル体(メチルエステル等)の形態であっても良い。 ペプチドとしては、上記アミノ酸の2以上がペプチド結合(アミド結合)を介して重合したものが用いられうる。当該ペプチドは、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド(アミノ酸が約10個程度のもの)、ポリペプチド(アミノ酸が数十〜数百個のもの)のいずれであっても良い。前記ポリペプチドは、植物たんぱく質や動物性たんぱく質等のたんぱく質を含む。なお、一部のオリゴペプチド、例えば、ラクトトリペプチド、カゼインドデカペプチド、バリルチロシン配合サーデンペプチド等は降圧作用等の保健機能を有しうる。 上述のたんぱく質、アミノ酸またはペプチドは、単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物は、糖質として、遅消化性デキストリンを含むことが好ましい。「遅消化性デキストリン」とは、通常のマルトデキストリンと比較して摂取後の血糖値の上昇が低いデキストリンのことである。具体的には、α−1,6結合からなる分岐構造の多い高分岐デキストリンが好ましい。市販品としては、HBD−20(松谷化学工業株式会社)等がある。 なお、本発明においては、遅消化性デキストリン以外の糖質を併用して配合しても良い。使用できる糖質としては、従来より栄養組成物で利用されてきている公知の各種のもののいずれも使用でき、例えば、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトース等の単糖類、スクロース(ショ糖)、ラクトース(乳糖)、マルトース(麦芽糖)、イソマルトース、トレハロース等の二糖類、デンプン(アミロース、アミロペクチン)、デキストリン等の多糖類や水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、粉飴、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)等が挙げられる。これらは1種用いても良いし、2種以上を組み合わせても良い。 また、従来公知もしくは将来知られうる甘味成分も糖類の代わりに用いることができる。具体的には、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア末等の甘味成分を用いても良いが、前述の脂質およびたんぱく質のエネルギー%に関する記載から明らかな通り、これら甘味成分の配合には糖質のエネルギー%に留意して配合する必要がある。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物の糖質の配合量は、胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して7〜12質量%、8〜11質量%がより好ましい。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に示される「半固形」とは、15,000〜42,000mPa・sの粘度を有することである。本明細書において、粘度は、第8版食品添加物公定書「B.一般試験法、28.粘度測定法 第2法 回転粘度計法」に記載された方法に準じて測定される。例えば、B形回転粘度計DV‐II+Pro(Brookfield社)、RB80L(東機産業株式会社)等を用いて測定した値をいう。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物においては、ゼリー強度が10〜50g/cm2の低強度寒天、ゼリー強度が650〜850g/cm2の高強度寒天、および加工デンプンによって、その粘度が調整されることが好ましい。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物の粘度は、15,000〜42,000mPa・sであり、好ましくは15,000 〜30,000mPa・sである。粘度が15,000mPa・sより低いと、胃壁の伸展を認めず、蠕動運動が惹起されないので、胃食道逆流や誤嚥性肺炎などが生じやすくなる可能性があるため、好ましくない。粘度が42,000mPa・sを超えると、胃瘻用半固形栄養組成物の粘度が高くなり、投与に時間がかかり過ぎるため、好ましくない。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物のシリンジから60mm/分の速度で排出する際の吐出圧力は、15kPa以下であり、好ましくは10kPa以下である。シリンジから60mm/分の速度で排出する際の吐出圧力が15kPaを超えると、注入抵抗が大きくなり、栄養組成物の投与において身体的な負担が増大するため、好ましくない。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に示される「ゼリー強度」とは、寒天0.8〜1.5%水溶液を20℃で15時間放置し、凝固させたゲルの固さを測定し、寒天ゲルの表面積1cm2あたり20秒間耐える最大重量(g)のことである。ゲルの固さは、通常に使用されるレオメーター等で測定できる。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に使用する寒天は、特に制限されず、従来の方法によって製造されるものが使用できる。一般的に、寒天は、テングサ、オゴノリ等の紅藻類の粘液質を凍結・乾燥したものであり、アガロースやアガロペクチン等の多糖類を主成分として含む。前記アガロースやアガロペクチンは、ガラクトースおよび3,6−アンデヒドロガラクトースが交互に重合した構造を有する。寒天は、アガロースやアガロペクチンの重合度や分子量、寒天中の硫酸基およびピルビン酸基の配合量等によって性状が異なる場合があるが、本発明の胃瘻用半固形栄養組成物においては、特に制限されず、いずれのものを用いても良い。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に使用する寒天は、低強度および高強度の寒天を用いる。ゼリー強度の異なる寒天を組み合わせることによって、従来の寒天を使用した場合と比較して、胃瘻カテーテルへの付着性が抑制される。特に、低強度の寒天を組み合わせて使用することによって、胃瘻カテーテルへ胃瘻用半固形栄養組成物を注入する際の抵抗が抑制され、医療従事者や介護者の負担が低減されるとともに、胃瘻用半固形栄養組成物に存在する凝集物の不均一性が低減される。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に使用する低強度寒天と高強度寒天との配合比率は、低強度寒天:高強度寒天=1:0.12〜0.16であり、好ましくは1:0.13〜0.15である。この範囲であると、注入抵抗の抑制が発揮されるため好ましい。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に使用する低強度寒天のゼリー強度は、10〜50g/cm2のものが好ましい。低強度寒天のゼリー強度が10g/cm2より低いと、胃瘻用半固形栄養組成物に存在する凝集物の不均一性が増加するため、好ましくない。低強度寒天のゼリー強度が50g/cm2を超えると、胃瘻用半固形栄養組成物を注入する際の抵抗が増加するため、好ましくない。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に使用する高強度寒天のゼリー強度は、650〜850g/cm2のものが好ましい。高強度寒天のゼリー強度が650g/cm2より低いと、胃瘻用半固形栄養組成物の粘度が低下し、胃瘻カテーテルを急速に流れ、胃瘻カテーテル周辺から栄養組成物が漏出したり、患者が下痢を起こす可能性があるため、好ましくない。高強度寒天のゼリー強度が850g/cm2を超えると、胃瘻用半固形栄養組成物の粘度が上昇し、胃瘻カテーテルから栄養組成物を投与する場合、胃瘻カテーテルを通過するのに長時間要し、好ましくない。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に使用する低強度寒天の配合量は、胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して0.3〜0.7質量%であり、好ましくは0.4〜0.6質量%である。低強度寒天の配合量が0.3質量%より少ないと、高強度寒天と併用することによる注入抵抗の抑制が発揮されない可能性があるため、好ましくない。低強度寒天の配合量が0.7質量%を超えると、胃瘻カテーテルから胃瘻用半固形栄養組成物を投与する際の注入抵抗が高くなるため、好ましくない。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に使用する高強度寒天の配合量は、胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して0.05〜0.09質量%であり、好ましくは0.06〜0.08質量%である。高強度寒天の配合量が0.05質量%より少ないと、低強度寒天と併用することによる注入抵抗の抑制が発揮されない可能性があり、また、粘度低下により、胃食道逆流などの問題が起こる可能性があり、好ましくない。高強度寒天の配合量が0.09質量%を超えると、胃瘻用半固形栄養組成物の粘度が急上昇し、胃瘻用半固形栄養組成物に凝集が不均一となったり、胃瘻カテーテルへの付着が増加するため、好ましくない。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に使用することのできる低強度寒天として、具体的には、ウルトラ寒天イーナ(伊那食品工業株式会社、ゼリー強度:30g/cm2)、ウルトラ寒天AX−30(伊那食品工業株式会社、ゼリー強度:30g/cm2)、ウルトラ寒天BX−30(伊那食品工業株式会社、ゼリー強度:30g/cm2)、ウルトラ即溶性寒天UX−30(伊那食品工業株式会社、ゼリー強度:30g/cm2)、高強度寒天として、具体的には、伊那寒天カリコリカン(伊那食品工業株式会社、ゼリー強度:750g/cm2)等があげられる。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に使用する加工デンプンは、デンプンに物理的、化学的、生物学的処理を行ったものである。物理的処理としては、湿熱処理、高周波処理、放射線処理、漂白処理、酸処理、塩基処理等が挙げられる。化学的処理としては、酸化処理、エステル化処理、アセチル化処理、エーテル化処理、架橋処理等が挙げられる。生物学的処理としては、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼ等の酵素による処理が挙げられる。これらの処理によって得られる加工デンプンとしては、特に制限さないが、焙焼デキストリン、酸処理デンプン、アルカリ処理デンプン、漂白デンプン、酵素処理デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リオクテニルコハク酸架橋デンプン、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸モノエステル化デンプン等が挙げられる。これらのうち、アセチル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプンを用いることがより好ましい。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に使用することのできる加工デンプンとしては、具体的に、WMS(アセチル化リン酸架橋デンプン、松谷化学工業株式会社)、松谷すいせん(アセチル化リン酸架橋デンプン、松谷化学工業株式会社)、ファリネックスVA70WM(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、松谷化学工業株式会社)、ファリネックスVA70X(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、松谷化学工業株式会社)、ファリネックスVA70C(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、松谷化学工業株式会社)、セレクトアミールXF(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、松谷化学工業株式会社)、フードスターチHR−7(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、松谷化学工業株式会社)、パインエース#1(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、松谷化学工業株式会社)、松谷あさがお(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、松谷化学工業株式会社)、松谷ゆうがお(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、松谷化学工業株式会社)、ファリネックスAG100(ヒドロキシプロピルデンプン、松谷化学工業株式会社)、松谷ゆり(ヒドロキシプロピルデンプン、松谷化学工業株式会社)が挙げられる。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に使用する加工デンプンの配合量は、胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して0.8〜1.2質量%であり、好ましくは0.9〜1.1質量%である。加工デンプンの配合量が0.8質量%より少ないと、容器から吐出したした際の胃瘻用半固形栄養組成物の保形性維持の効果が少なくなるため、好ましくない。加工デンプンの配合量が1.2質量%を超えると、胃瘻用半固形栄養組成物の粘着性が上昇し、胃瘻カテーテルへの付着性が増加し、好ましくない。 なお、加工デンプンも糖質であるため、加工デンプンを含む場合、上述した遅消化性デキストリンを含む糖質の配合量は、加工デンプンも含んだ量となる。 なお、本発明の胃瘻用半固形栄養組成物の主旨を逸脱しない範囲において、寒天以外の従来より栄養組成物で利用されてきている公知の食物繊維の使用は特に制限されない。具体的に、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン、キトサン、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアガム分解物、サイリウム種皮、低分子化アルギン酸ナトリウム等の不溶性食物繊維、グアガム、コンニャクマンナン、グルコマンナン、アルギン酸、化学修飾多糖類、ポリデキストロース、難消化性オリゴ糖、マルチトール、イヌリン、カラギナン、小麦ふすま、難消化性デキストリン(例えば、パインファイバーC(松谷化学工業社))等の水溶性食物繊維等が挙げられる。これらの食物繊維は、単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。これらの食物繊維は1種用いても良いし、2種以上を組み合わせても良い。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に使用する食物繊維の配合量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に配合する脂質は、従来より栄養組成物で利用されてきている公知の各種のもののいずれも使用できる。アマニ油、エゴマ油、オリーブ油、ごま油、米ぬか油、サフラワー油、シソ油、大豆油、とうもろこし油、ナタネ油、胚芽油、パーム油、パーム核油、ひまわり油、綿実油、やし油、落花生油等の植物性油脂、魚油、乳脂等の動物性油脂、中鎖脂肪酸、高度不飽和脂肪酸等が挙げられる。これらは1種用いても良いし、2種以上を組み合わせても良い。また、その他にDHA、EPA、ジアシルグリセロール等の加工製剤も添加することができる。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に配合する脂質の配合量は、胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して1.5〜2.5質量%、1.7〜2.3質量%がより好ましい。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に配合するビタミンは、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK等が挙げられ、これら複数をできる限り組み合わせて配合するのが好ましい。ビタミンとして、ビタミン誘導体を使用しても良い。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物中のビタミンの配合量は、胃瘻用半固形栄養組成物100gあたり下記の範囲が適当である。 ビタミンA:好ましくは0〜3000μg、より好ましくは20〜200μg ビタミンD:好ましくは0.1〜50μg、より好ましくは0.1〜5.0μg ビタミンE:好ましくは1〜800mg、より好ましくは0.2〜10mg ビタミンK:好ましくは0.5〜1000μg、より好ましくは2〜50μg ビタミンB1:好ましくは0.01〜40mg、より好ましくは0.1〜10mg ビタミンB2:好ましくは0.01〜20mg、より好ましくは0.05〜10mg ナイアシン:好ましくは0.1〜300mgNE、より好ましくは0.5〜60mgNE パントテン酸:好ましくは0.1〜55mg、より好ましくは0.2〜30mg ビタミンB6:好ましくは0.01〜60mg、より好ましくは0.1〜30mg ビオチン:好ましくは0.1〜1000μg、より好ましくは1〜100μg 葉酸:好ましくは1〜1000μg、より好ましくは10〜200μg ビタミンB12:好ましくは0.01〜100μg、より好ましくは0.2〜60μg ビタミンC:好ましくは1〜2000mg、より好ましくは5〜1000mg 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に使用するミネラルは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、銅、亜鉛、マンガン、セレン、ヨウ素、クロムおよびモリブデン等が挙げられ、これら複数をできる限り組み合わせて配合するのが好ましい。これらは、無機電解質成分として配合されていても良いし、有機電解質成分、として配合されていても良い。無機電解質成分としては、例えば、塩化物、硫酸化物、炭酸化物、リン酸化物等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩類が挙げられる。また、有機電解質成分としては、有機酸、例えばクエン酸、乳酸、アミノ酸(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、アルギン酸、リンゴ酸またはグルコン酸と、無機塩基、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属との塩類が挙げられる。例えば、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアロイル乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、未焼成カルシウム、塩化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸三マグネシウム、塩化第二鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、クエン酸鉄、クエン酸鉄アンモニウム、グルコン酸第一鉄、乳酸鉄、ピロリン酸第二鉄、硫酸第一鉄、グルコン酸亜鉛、硫酸亜鉛、グルコン酸銅、硫酸銅等が挙げられる。また、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、マンガン等は、高濃度の微量元素化合物を含有する培地内で培養して得られる微量元素蓄積性を有する微生物由来の微量元素含有微生物菌体を用いても良い。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物のナトリウムは、90〜140mg/gであり、好ましくは95〜135g/gである。水分が90mg/gより少ないと、ナトリウム不足となり、低ナトリウム症となる可能性があるため、好ましくない。水分が140mg/gを超えると、ナトリウム過剰となり、患者等が溢水状態となる可能性があるため、好ましくない。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物中のナトリウム以外のミネラルの配合量は、下記の範囲が適当である。 カリウム:好ましくは1〜3500mg、より好ましくは25〜1800mg カルシウム:好ましくは10〜2300mg、より好ましくは30〜300mg リン:好ましくは1〜3500mg、より好ましくは25〜1500mg マグネシウム:好ましくは1〜740mg、より好ましくは10〜150mg 鉄:好ましくは0.1〜55mg、より好ましくは1〜10mg 亜鉛:好ましくは0.1〜30mg、より好ましくは1〜15mg 銅:好ましくは0.01〜10mg、より好ましくは0.06〜6mg ヨウ素:好ましくは0.1〜3000μg、より好ましくは1〜150μg マンガン:好ましくは0.01〜11mg、より好ましくは0.1〜4mgセレン:好ましくは0.1〜450μg、より好ましくは1〜35μg クロム:好ましくは0.1〜40μg、より好ましくは1〜35μg モリブデン:好ましくは0.1〜320μg、より好ましくは1〜25μg 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物の水分は、80〜90質量%であり、好ましくは82〜98質量%である。水分が80質量%より少ないと、水分不足となり、患者等が脱水状態となる可能性があるため、好ましくない。水分が90質量%を超えると、水分過剰となり、患者等が溢水状態となる可能性があるため、好ましくない。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物は、さらにその他の公知の成分、例えば、機能性添加物、食品添加物等を含んでいても良い。 機能性添加物とは、摂取することによって生体に対し一定の機能を発揮する成分である。例えば、難消化性オリゴ糖、糖アルコール、クエン酸リンゴ酸カルシウム(CCM)およびカゼインホスホペプチド(CPP)、キトサン、L−アラビノース、グァバ葉ポリフェノール、小麦アルブミン、豆鼓エキス、ジアシルグリセロール、ジアシルグリセロール植物性ステロール、大豆イソフラボン、乳塩基性たんぱく質等が挙げられる。 難消化性オリゴ糖とは、単糖類がグリコシド結合によって結合した化合物のうち、多糖類ほどは分子量が大きくない(300〜3000程度)糖類である。前記難消化性オリゴ糖はヒトの消化酵素では分解されず、ヒトの消化酵素で分解されるものについては、上述の糖質に包含されうる。難消化性オリゴ糖を摂取することにより、整腸効果が得られうる。 難消化性オリゴ糖としては、特に制限されないが、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラクチュロース、ガラクトオリゴ糖等が挙げられる。これらの難消化性オリゴ糖は、単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。 胃瘻用半固形栄養組成物中の難消化性オリゴ糖の配合量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。 糖アルコールとは、アルドースやケトースのカルボニル基が還元されて生成する糖の一種であり、小腸から体内への吸収が悪くカロリーになりにくいものである。糖アルコールは、口内細菌によって酸に代謝されにくく、歯垢の形成を防止しうる。当該糖アルコールは、低カロリー甘味料として用いられうる。 糖アルコールとしては、エリトリトール、マルチトール、パラチノース等が挙げられる。これらの糖アルコールは、単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。 胃瘻用半固形栄養組成物中の糖アルコールの配合量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。 クエン酸リンゴ酸カルシウム(CCM)およびカゼインホスホペプチド(CPP)は、カルシウムの吸収を促進し、骨形成を促進しうる。当該CCMおよびCPPは、単独で用いても、混合して用いても良い。また、CCMおよびCPPは、カルシウムと併用することが好ましい。 胃瘻用半固形栄養組成物中のCCMおよびCPPの配合量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。 食品添加物は、食品の加工もしくは保存の目的で、食品に添加、混和、湿潤その他の方法によって使用するものである。食品添加物としては、栄養強化の目的以外にも、例えば、グルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅、アスコルビン酸2−グルコシド、並びにシクロデキストリン、保存料、防かび剤、酸化防止剤、着色料、甘味料、pH調整剤、酸味剤、乳化剤、香料等が挙げられる。 グルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅は、グルコン酸の重金属イオンとの高いキレート能を利用したグルコン酸塩である。グルコン酸塩の形態とすると吸収されやすくなることから、亜鉛や銅を効果的に吸収することができる。当該グルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅は、単独で用いても、混合して用いても良い。 胃瘻用半固形栄養組成物中のグルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅の配合量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。 シクロデキストリンとは、グルコースがグルコシド結合によって結合し、環状構造をとった環状オリゴ糖である。6個のグルコースからなるものをα−シクロデキストリン、7個のグルコースからなるものをβ−シクロデキストリン、8個のグルコースからなるものをγ−シクロデキストリンという。シクロデキストリンは、アレルギー抑制効果、血糖値上昇抑制効果、乳化作用等の機能を有しうる。当該シクロデキストリンは、単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。 胃瘻用半固形栄養組成物中のシクロデキストリンの配合量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。 酸化防止剤は、胃瘻用半固形栄養組成物の酸化による変質を防止する機能を有する。 酸化防止剤としては、特に制限されないが、アスコルビン酸およびそのナトリウム塩、エリソルビン酸およびそのナトリウム塩等が用いられうる。これらの酸化防止剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。 着色料は、胃瘻用半固形栄養組成物を美しくする機能を有する。 着色料としては、特に制限されないが、食用タール色素(食用赤色2号、3号、40号、102号、104号、105号、および106号、食用青色1号および2号、食用黄色4号および5号、食用緑色3号等)、β−カロテン、水溶性アナトー、クロロフィル誘導体(クロロフィルa、クロルフィルb、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム等)、リボフラビン、三二酸化鉄、二酸化チタン、ベニバナ黄色素、コチニール色素、クチナシ黄色素、ウコン色素、赤キャベツ色素、ビートレッド、ブドウ果皮色素、パプリカ色素、カラメル等が用いられうる。これらの着色料は、単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。 甘味料は、胃瘻用半固形栄養組成物に甘味を付与する機能を有する。 甘味料としては、特に制限されないが、サッカリンおよびそのナトリウム塩、キシリトール、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ズルチン、チクロ(サイクラミン酸)、ネオテーム、トレハロース、エリスリトール、マルチトース、パラ地ノース、ソルビトール、甘草抽出物、ステビア加工の甘味料、ソーマチン、クルクリン、リチルリチン酸二ナトリウム等が用いられうる。これらの甘味料は、単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。 pH調整剤は、胃瘻用半固形栄養組成物のpHを調整する機能を有する。 pH調整剤としては、特に制限されないが、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アジピン酸等が用いられうる。これらのpH調整剤は単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。 酸味料は、胃瘻用半固形栄養組成物への酸味の付与、食品の酸化の防止、およびpHの調整等の機能を有する。 酸味料としては、特に制限されないが、酢酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、リン酸等が用いられうる。これらの酸味料は単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。 乳化剤は、脂質等の油溶性成分の水への溶解性の向上等の機能を有する。 乳化剤としては、特に制限されないが、レシチン、サポニン、カゼインナトリウム等の天然乳化剤;グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の合成乳化剤等が挙げられる。これらの乳化剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。 香料は、胃瘻用半固形栄養組成物を着香・嬌臭する機能を有する。 香料としては、特に制限されないが、アセトフェノン、α−アミルシンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、シンナムアルデヒド、ケイ皮酸、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、デカナール、デカノール、アセト酢酸エチル、ケイ皮酸エチル、デカン酸エチル、エチルバニリン、オイゲノール、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酪酸イソアミル、フェニル酢酸イソアミル、dl−メントール、l−メントール、サリチル酸メチル、ピペロナール、プロピオン酸、テルピネオール、バニリン、d−ボルネオール等が挙げられる。これらの香料は、単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。 α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースイソメラーゼ、トレハロース生成酵素、トレハロース遊離酵素、グルタミナーゼ等の酵素や酵母等が用いられうる。 胃瘻用半固形栄養組成物中の上記食品添加物の配合量は、適用する対象者等によって適宜調節されうる。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物の熱量は、0.6〜0.8kcal/gであり、好ましくは0.50〜0.60kcal/gである。熱量が0.6kcal/gより少ないと、胃瘻用半固形栄養組成物の水分が多くなり、患者に投与される栄養素が少なくなって栄養不足になる可能性があるため、好ましくない。熱量0.8kcal/gを超えると、胃瘻用半固形栄養組成物の水分が少なくなり、胃瘻カテーテルから水分を追加して投与するので、細菌感染のリスクが大きくなるため、好ましくない。 なお、熱量は、糖質、脂質、たんぱく質、および食物繊維等の添加量を適宜設定することで調節することができる。なお、本明細書において、「熱量」とは、Atwaterのエネルギー換算係数を参考にして算出された値である。具体的には、熱量=(4kcal×糖質含量)+(9kcal×脂質含量)+(4kcal×たんぱく質含量)+(2kcal×食物繊維含量)として計算し、試料g当たりのkcalとして示す。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物のpHは、3.0〜4.5であり、好ましくは3.5〜4.0である。pHが3.0より低いと、酸性が強くなり、清涼感が得られず、好ましくない。pHが4.0を超えると、栄養組成物使用時の胃瘻カテーテル内の細菌の増殖を抑制しづらくなり、好ましくない。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物のpHは、pH調整剤や酸味料等の添加量を適宜設定することで調節することができる。なお、本明細書において、pHは、第8版食品添加物公定書「B.一般試験法、31.pH測定法」に記載された方法に準じて測定された値である。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物に必須の成分以外に添加されうる成分については、特に制限されず、投与方法、胃瘻用半固形栄養組成物を適用する高齢者や患者の状態等に応じて適宜設定されうる。また、全身管理を要する患者には、栄養状態を保つために必要とするビタミンやミネラルを配合することが好ましい。消化機能が低下している高齢者等には、胃瘻用半固形栄養組成物の投与による便秘を改善するために、食物繊維を添加することが好ましい。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物は、低強度寒天、高強度寒天、および加工デンプンにより適切な粘度に調整され且つ必要な栄養源をバランスよく配合されているため、加齢に伴い胃が縮小した高齢者、脳血管障害、神経筋障害等により嚥下・咀嚼能力が低下した患者、意識障害等により経口摂取が困難である患者、術後の患者等の胃腸管機能の治療用、低栄養状態の治療用、逆流性食道炎予防・治療用、誤嚥性肺炎予防・治療用に適している。投与では下痢や胃食道逆流の恐れがあることから長時間投与を余儀なくされているが、本発明の胃瘻用半固形栄養組成物の使用により、水分補給や食塩の追加投与等の作業が低減され、衛生的な作業が行われ、前記の好ましくない現象が抑制され、短時間且つ容易に注入することができ、患者のQOL向上および介護・看護現場における作業効率性上昇に非常に役立つことが期待される。 本発明の胃瘻用半固形栄養組成物は、公知の方法によって製造することができる。例えば、加温した水に栄養素、寒天、加工デンプン、およびその他必要とする成分を添加し、撹拌することにより製造することができる。また、加温した水に寒天を溶解した溶液と、水にペクチンを溶解した溶液とを準備し、栄養素およびその他所望とする成分をいずれかに添加して、2つの溶液を混合、撹拌することで製造することができる。 得られた胃瘻用半固形栄養組成物は、例えば、連続殺菌した後に容器に充填して、製品化することができる。当該連続殺菌の方法としては、特に制限されないが、超高温短時間(UHT)殺菌、熱水殺菌、バッチ式殺菌、およびこれらの組み合わせが挙げられる。前記殺菌は、短時間で行うことが好ましい。短時間で殺菌を行うことにより、胃瘻用半固形栄養組成物に含まれる成分の劣化を抑制することができる。 胃瘻用半固形栄養組成物を充填する容器としては、特に限定されず、公知の容器が用いられうる。当該容器としては、テトラパック、カート缶、ガラス容器、金属缶、アルミパウチ、プラスチック容器等が挙げられる。これらのうち、プラスチック容器を用いることが好ましい。 前記プラスチック容器の原料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリフルオロカーボン、ポリイミド等を用いることが好ましい。 前記プラスチック容器には、さらにポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリエステル等を含むガスバリア性樹脂層;アルミ箔、アルミ蒸着フィルム、酸化ケイ素皮膜、酸化アルミ被膜等のガスバリア性無機層を適宜組み合わせて用いても良い。当該ガスバリア層を設けることによって、酸素や水蒸気等による胃瘻用半固形栄養組成物の劣化を防止しうる。 また、前記容器はさらに遮光されていても良い。当該遮光によって、例えば、胃瘻用半固形栄養組成物に配合されうるビタミンA、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンK等の光による劣化が抑制されうる。 上述の容器は市販されているものを用いてもよく、例えば、ソフトパウチ(株式会社フジシール)、ボトルドパウチ(凸版印刷株式会社)、スパウチ(大日本印刷株式会社)、チアーパック(株式会社細川洋行)等が用いられうる。 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」または「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」または「質量%」を表す。 (実施例1) 以下に4180g仕込み時の調合方法を記す。各原料の配合量は、表1に示す通りである。10Lのステンレスビーカーに調合水1500gを計量し、湯浴にて80℃以上に加温した。次いで、ゼリー強度30g/cm2の低強度寒天(ウルトラ寒天イーナ、伊那食品工業株式会社)およびゼリー強度650g/cm2の高強度寒天(伊那寒天カリコリカン、伊那食品工業株式会社)を加え、十分に溶解させた後に冷却し、乳清たんぱく(アラセン392、Fonterra社)、および糖質である遅消化性デキストリン(HBD−20、松谷化学工業株式会社)を添加した。当該溶液に、脂質である植物油および魚油、乳化剤であるグリセリン脂肪酸エステルを70℃で混合した分散液を混合した。さらに、ビタミンとして、脂溶性ビタミンミックス(表2に示す。)、水溶性ビタミンミックス(表3に示す。)、ビオチン酵母、アスコルビン酸、ミネラルとして、グルコン酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、クエン酸三カリウム、グルコン酸亜鉛、グルコン酸銅、セレン酵母、モリブデン酵母、クロム酵母、およびマンガン酵母、食物繊維として大豆食物繊維およびグァーガム加水分解物、酸味料としてクエン酸、リンゴ酸、乳酸、乳酸ナトリウム、香料を適宜添加して撹拌した。全量が4180gとなるまで水を添加し、均一な状態となるまで溶解分散させた。得られた溶液は、均質化および連続殺菌し、1個当たり200gとなるように口栓付きのアルミパウチに充填後、90℃で10分間の容器殺菌処理を行った。前記容器殺菌処理の後、冷却することで、ゼリー強度30g/cm2の低強度寒天の配合量が21.8g(0.5質量%)、ゼリー強度650g/cm2の高強度寒天の配合量が3.0g(0.07質量%)、加工デンプンの配合量が40.0g(1.0質量%)の胃瘻用半固形栄養組成物を製造した。 熱量は、(4kcal×糖質含量)+(9kcal×脂質含量)+(4kcal×たんぱく質含量)+(2kcal×食物繊維含量)として計算し、試料g当たりのkcalとして示した。 得られた胃瘻用半固形栄養組成物について性状を観察し、各種物性を評価した。評価方法は以下の通りである。 (1)粘度:胃瘻用半固形栄養組成物を25℃で24時静置後、B形回転粘度計(DV‐II+Pro、Brookfield社、測定条件:回転速度6rpm、測定時間1分、ローターNo.64)を用い測定した。 (2)注入抵抗:シリンジから60mm/分の速度で排出する際の吐出圧力を次のように求めた。試料50gを50mLのカテーテルチップシリンジ(テルモ株式会社)に充填し、胃瘻カテーテル(バードガストロストミーチューブ、C.R.Bard社、外径20Fr.、内径4mm)をシリンジに装着後、オートグラフ(AGS−J、株式会社島津製作所)を用いて60mm/分の速度でシリンジから排出した際の押出し圧力を測定した。結果を表4に示す。 (3)保形性:胃瘻用半固形栄養組成物を充填した50mLのカテーテルチップシリンジ(テルモ株式会社)を内径4mmの胃瘻カテーテル(バードガストロストミーチューブ、C.R.Bard社、外径20Fr.、内径4mm)に接続し、シリンジから胃瘻用半固形栄養組成物の押出し後、形状を目視で確認し、保形性を判断した。なお、保形性は、下記の判断基準によって判断した。 ◎:シリンジから吐出した胃瘻用半固形栄養組成物が、吐出後10分後まで自重で変形しない。 ○:シリンジから吐出した胃瘻用半固形栄養組成物が、吐出後5分後まで自重で変形しない。 △:シリンジから吐出した胃瘻用半固形栄養組成物が、吐出後にやや変形する。 ×:シリンジから吐出した胃瘻用半固形栄養組成物が、吐出後に大きく変形する。 (4)付着性:試料50gを50mLのカテーテルチップシリンジ(テルモ株式会社)に充填し、(バードガストロストミーチューブ、C.R.Bard社、外径20Fr.、内径4mm)をシリンジに装着後、胃瘻カテーテル内を試料で満たし3分間静置する。その後、水10mLを1、2、3、4、5回に渡り通過させ、水が通過した後の胃瘻カテーテル内における試料の付着状況を目視で確認し、以下の基準で評価した。 ◎:10mLの水で胃瘻カテーテル内の洗浄が完了する。 ○:20mLの水で胃瘻カテーテル内の洗浄が完了する。 △:40mLの水で胃瘻カテーテル内の洗浄が完了する。 ×:40mLの水で洗浄しても、胃瘻カテーテル内に半固形栄養組成物が残存する。 (5)凝集:半固形栄養組成物について、下記の評価基準に従い、目視で凝集の評価を行った。 ◎:20cmの直線状に容器から吐出された栄養組成物の表面が滑らかな外観を有する。 ×:20cmの直線状に容器から吐出された栄養組成物の表面がざらついた外観、部分的に凝集を有する。 得られた胃瘻用半固形栄養組成物の粘度は20,000mPa・s、注入抵抗は5.5kPaであり、保形性、付着性、凝集は◎であった。結果を表4に示す。 (実施例2) 実施例1において、低強度寒天の配合量を16.7g(0.4質量%)、高強度寒天の配合量を2.5g(0.06質量%)、加工デンプンの配合量を37.7g(0.9質量%)に変えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して胃瘻用半固形栄養組成物を得た。得られた胃瘻用半固形栄養組成物の粘度は16,000mPa・s、注入抵抗は4.5kPaであり、保形性、付着性、凝集は◎であった。結果を表4に示す。 (実施例3) 実施例1において、低強度寒天の配合量を25.1g(0.6質量%)、高強度寒天の配合量を3.4g(0.08質量%)、加工デンプンの配合量を46.0g(1.1質量%)に変えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して胃瘻用半固形栄養組成物を得た。得られた胃瘻用半固形栄養組成物の粘度は30,000mPa・s、注入抵抗は6.8kPaであり、保形性、付着性、凝集は◎であった。結果を表4に示す。 (実施例4) 実施例1において、低強度寒天の配合量を16.7g(0.4質量%)、高強度寒天の配合量を2.5g(0.06質量%)、加工デンプンの配合量を46.0g(1.1質量%)に変えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して胃瘻用半固形栄養組成物を得た。得られた胃瘻用半固形栄養組成物の粘度は17,500mPa・s、注入抵抗は5.2kPaであり、保形性、付着性、凝集は◎であった。結果を表4に示す。 (実施例5) 実施例1において、低強度寒天の配合量を25.1g(0.6質量%)、高強度寒天の配合量を3.4g(0.08質量%)、加工デンプンの配合量を37.7g(0.9質量%)に変えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して胃瘻用半固形栄養組成物を得た。得られた胃瘻用半固形栄養組成物の粘度は18,000mPa・s、注入抵抗は5.3kPaであり、保形性、付着性、凝集は◎であった。結果を表4に示す。 (比較例1) 実施例1において、低強度寒天の配合量を0g(0質量%)に変えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して胃瘻用半固形栄養組成物を得た。得られた胃瘻用半固形栄養組成物の粘度は10、000mPa・sであり、保形性が×であった。結果を表5に示す。 (比較例2) 実施例1において、高強度寒天の配合量を0g(0質量%)に変えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して胃瘻用半固形栄養組成物を得た。得られた胃瘻用半固形栄養組成物の保形性は△、凝集は×であったた。結果を表5に示す。 (比較例3) 実施例1において、加工デンプンの配合量を0g(0質量%)に変えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して胃瘻用半固形栄養組成物を得た。得られた胃瘻用半固形栄養組成物の付着性、凝集は×であった。結果を表5に示す。 (比較例4) 実施例1において、低強度寒天の配合量を37.7g(0.9質量%)に変えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して胃瘻用半固形栄養組成物を得た。得られた胃瘻用半固形栄養組成物の注入抵抗は18.0kPaであり、保形性は△、凝集は×であった。結果を表5に示す。 (比較例5) 実施例1において、高強度寒天の配合量を4.6g(0.11質量%)に変えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して胃瘻用半固形栄養組成物を得た。得られた胃瘻用半固形栄養組成物の粘度は45,000mPa・s、凝集が×であった。結果を表5に示す。 (比較例6) 実施例1において、加工デンプンの配合量を58.6g(1.4質量%)に変えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して胃瘻用半固形栄養組成物を得た。得られた胃瘻用半固形栄養組成物の粘度は40,000mPa・s、付着性が×であった。結果を表5に示す。たんぱく質、脂質および糖質を含む栄養素を含む胃瘻用半固形栄養組成物であって、前記たんぱく質の配合量が前記半固形栄養組成物の全量に対して2〜3質量%である半固形栄養組成物。糖質として遅消化性デキストリンを含み、その配合量が前記胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して7〜12質量%である請求項1に記載の胃瘻用半固形栄養組成物。ゼリー強度が10〜50g/cm2の低強度寒天、ゼリー強度が650〜850g/cm2の高強度寒天、および加工デンプンを含み、前記低強度寒天の配合量が前記胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して0.3〜0.7質量%、前記高強度寒天の配合量が前記胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して0.05〜0.09質量%、前記加工デンプンの配合量が前記胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して0.8〜1.2質量%である請求項1または2に記載の胃瘻用半固形栄養組成物。熱量が0.6〜0.8kcal/gである請求項1から3のいずれかに記載の胃瘻用半固形栄養組成物。水分を含み、その配合量が前記胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して80〜90質量%である請求項1から4のいずれかに記載の胃瘻用半固形栄養組成物。ナトリウムを含み、その配合量が前記胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して90〜140mg/gである請求項1から5のいずれかに記載の胃瘻用半固形栄養組成物。25℃での粘度が15,000〜42,000mPa・sである請求項1から6のいずれかに記載の胃瘻用半固形栄養組成物。pHが3.0〜4.5である請求項1から7のいずれかに記載の胃瘻用半固形栄養組成物。シリンジから60mm/分の速度で排出する際の吐出圧力が15kPa以下である請求項1から8のいずれかに記載の胃瘻用半固形栄養組成物。 【課題】一定の粘度が付与され、かつ水分および塩化ナトリウム等を添加する作業を省略でき、調製時の汚染の問題を解消できる胃瘻用半固形栄養組成物を提供すること。【解決手段】たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、食物繊維を含む栄養素と、ゼリー強度が80〜120g/cm2の寒天、およびエステル化度が50〜75%のペクチンを配合する胃瘻用半固形栄養組成物であって、前記ゼリー強度10〜120g/cm2以下の寒天の配合量が前記胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して0.13〜0.26質量%、前記エステル化度が50〜75%のペクチンの配合量が前記胃瘻用半固形栄養組成物の全量に対して0.35〜0.45質量%であって、熱量が0.45〜0.65kcal/g、水分が80〜90質量%、ナトリウムが90〜140mg/gである胃瘻用半固形栄養組成物。【選択図】なし20140227A1633001353


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