生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_AGE産生抑制剤
出願番号:2014022651
年次:2014
IPC分類:A61K 31/7034,A61K 36/73,A61K 36/00,A61P 9/00,A61P 9/10,A61P 13/12,A61P 17/00,A61P 27/02,A61P 43/00,A61Q 19/00,A61Q 19/08,A61K 8/60,A61K 31/7048,A23L 1/30,A61K 8/97


特許情報キャッシュ

下田 博司 渡邉 貴 村井 弘道 吉川 雅之 JP 2014094966 公開特許公報(A) 20140522 2014022651 20140207 AGE産生抑制剤 オリザ油化株式会社 594045089 熊崎 陽一 100119792 下田 博司 渡邉 貴 村井 弘道 吉川 雅之 JP 2010039465 20100225 JP 2010027351 20100210 A61K 31/7034 20060101AFI20140425BHJP A61K 36/73 20060101ALI20140425BHJP A61K 36/00 20060101ALI20140425BHJP A61P 9/00 20060101ALI20140425BHJP A61P 9/10 20060101ALI20140425BHJP A61P 13/12 20060101ALI20140425BHJP A61P 17/00 20060101ALI20140425BHJP A61P 27/02 20060101ALI20140425BHJP A61P 43/00 20060101ALI20140425BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20140425BHJP A61Q 19/08 20060101ALI20140425BHJP A61K 8/60 20060101ALI20140425BHJP A61K 31/7048 20060101ALI20140425BHJP A23L 1/30 20060101ALI20140425BHJP A61K 8/97 20060101ALN20140425BHJP JPA61K31/7034A61K35/78 HA61K35/78 XA61P9/00A61P9/10A61P13/12A61P17/00A61P27/02A61P43/00 107A61P43/00 111A61Q19/00A61Q19/08A61K8/60A61K31/7048A23L1/30 BA61K8/97 12 1 2011553894 20110210 OL 47 4B018 4C083 4C086 4C088 4B018LB01 4B018LB07 4B018LB08 4B018MD48 4B018ME03 4B018MF01 4C083AA082 4C083AA112 4C083AA122 4C083AB032 4C083AB352 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC182 4C083AC242 4C083AC302 4C083AC342 4C083AC392 4C083AC422 4C083AC442 4C083AC582 4C083AC642 4C083AD172 4C083AD391 4C083AD392 4C083AD572 4C083AD622 4C083CC04 4C083CC05 4C083CC25 4C083DD23 4C083DD27 4C083DD31 4C083DD41 4C083EE12 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA04 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA01 4C086ZA33 4C086ZA36 4C086ZA81 4C086ZA89 4C086ZC41 4C088AB52 4C088AC01 4C088AC03 4C088AC05 4C088BA08 4C088BA14 4C088BA31 4C088NA14 4C088ZA01 4C088ZA33 4C088ZA36 4C088ZA81 4C088ZA89 4C088ZC41 本発明は、新規なAGE産生抑制剤に関する。本発明に係るAGE産生抑制剤は、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用も有するものであり、食品、医薬品、化粧品等の素材として広く利用される。 終末糖化産物;AGE(Advanced Glycation End-products、以下、本明細書においてAGEと称する。)の生成過程に関しては未だ不明の点が多いが、非酵素的糖化反応がその主体であると考えられている。すなわちAGEは、初期反応で蛋白質中に存在するアミノ基とグルコースなどの還元糖のアルデヒド基とが、非酵素的に反応(Glycation)し、シッフ塩基を経由してアマドリ転移生成物が形成され、後期反応でこれが長時間の複雑な開裂や縮合などを経て形成されると考えられている。 糖尿病合併症は、網膜症、腎症、神経障害、虚血性心疾患、脳血管障害などであり、これら疾患の原因の1つに高血糖状態の生体で生成したAGEが関与していることが確認されている(例えば、非特許文献1参照)。 糖尿病性腎症は、糖尿病に起因する腎の細小血管障害であり、糸球体基底膜肥厚とメサンギウム領域拡大が基本的病理変化である。近年、糖尿病患者の増加とともに糖尿病性腎症で末期腎不全となり、透析治療に至る患者が増加している。高血糖状態の持続によりできるAGEは、1)血管透過性の亢進、2)タンパクやリポタンパクの沈着促進、3)一酸化窒素(NO)不活性化、4)細胞外基質産生促進、などを介して腎症発症に関与すると考えられている(例えば、非特許文献2参照)。 従来、糖尿病合併症の予防と改善を目的として、AGEの生成を阻害を目的とした種々のAGE産生抑制剤が研究・開発されている。 例えば、腎症、網膜症などの糖尿病合併症などを引き起こす成因となるAGEの生成を合成医薬(合成化合物)により阻害するものが開示されているが(特許文献1および2参照)、AGE産生抑制剤のような合成医薬はまだ開発段階であり、また、このような合成医薬には予期せぬ副作用が伴うことが多い。 これに対し、合成医薬を用いることなく食生活を通じて疾患を予防、抑制、改善及び治療できる機能を持った成分または食品成分に対する研究が注目されるようになってきた。例えば特許文献3〜5には、食品である植物の抽出物を含有するAGEの生成阻害組成物が開示されている。 しかしながら、このような植物抽出物中に存在するAGE阻害活性成分の阻害活性は、一般的に合成医薬(合成化合物)に比べ極めて低く、また活性成分の抽出物中での存在量も極めて低い。 糖尿病合併症の予防または治療にあたっては、長期間に継続して行うことが必要なため、効果的なAGEの生成抑制と副作用の回避との両方を達成し得るAGE産生抑制剤が所望されているが、従来の植物抽出物にはこのような要請に十分に応えられるものはほとんど知られていない。 一方、近年、AGEが糖尿病のみならず皮膚の老化にも密接な関連があることが明らかとなってきた。AGEは加齢に伴って増加するが、皮膚のタンパク質であるコラーゲン部分でメイラード反応が生じると、タンパク質中のリジン残基のアミノ基あるいはアルギニン残基のグアニジル基と糖のカルボニル基が非酵素的に反応し、AGEが生成しコラーゲン部分同士を架橋させてしまう。架橋構造が形成されると分子が硬くなり、皮膚本来の弾力性が失われる。また、架橋物を異物と判断し、分解酵素(コラゲナーゼ、エラスターゼ)の分泌量が増える。これらのことから肌のハリや弾力性が失われ、また肌が脆くなり、さらにはシワ、たるみ、くすみの発生につながる。 このようにAGEは糖尿病性合併症の引き金としての観点だけでなく、アンチエイジングの観点からもAGEの生成機構が注目されるようになってきた。特開平10−324629号公報特開2005−170935号公報特開2006−28090号公報特開2005−343842号公報特開2005−320262号公報ヒガシ,ティ.(Higasi, T)ら、バイオ・クリニカ(BIO Clinica)、1997年、第12巻、第2号、p.19−21ババ,ティ.(Baba, T)ら、バイオ・クリニカ(BIO Clinica)、1997年、第12巻、第2号、p.39−48 このような背景の下、本発明者らは、種々の植物由来の抽出物について、含有成分・含有量等を調査し、ポリフェノールを豊富に含有する“桜”に着目するに至った。そして、各種実験を行った結果、桜の花および葉の抽出物、特に、これらの抽出物に含まれるフェニルプロパノイド配糖体(カフェオイルグルコース、クマロイルグルコース、シンナモイルグルコース)、およびフラボノイド配糖体(ケンフェロールグルコシド、ケルセチングルコシド、ケンフェロールマロニルグルコース、ケルセチンマロニルグルコース)に、AGEの生成を効果的に抑制し、線維芽細胞のコラーゲン格子形成を促進しうる成分が含まれることを知見した。 さらに、桜抽出物の新規な生理活性として、AGEの1種であるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して効果的な抑制作用を有することを知見し、本発明を完成するに至ったものである。 本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的とするところは、AGE生成を効果的に阻害し、生体に対する安全性が向上したAGE産生抑制剤を提供することにある。 他の目的は、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)によるヒト線維芽細胞のアポトーシスを抑制するアポトーシス抑制剤を提供することにある。 他の目的は、線維芽細胞におけるコラーゲン格子形成促進剤を提供することにある。 他の目的は、線維芽細胞内でAGE生成を効果的に阻害しうるAGE産生抑制剤を提供することにある。 上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。1.本発明のAGE産生抑制剤は、桜の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。2.本発明のAGE産生抑制剤は、桜の花の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。3.本発明のAGE産生抑制剤は、桜の葉の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。4.本発明のAGE産生抑制剤は、下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する。5.本発明のAGE産生抑制剤は、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有する。6.本発明のAGE産生抑制剤は、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有する。 上記1〜6に係る本発明のAGE産生抑制剤によれば、食材として安全な桜由来の抽出物によりAGEの生成を効果的に抑制し、副作用を回避することができる。これにより、糖尿病合併症の効果的な予防または治療に役立つ食品、医薬品、化粧品等の素材を提供することができる。7.本発明のアポトーシス抑制剤は、桜の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有する。8.本発明のアポトーシス抑制剤は、桜の花の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有する。9.本発明のアポトーシス抑制剤は、桜の葉の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有する。10.本発明のアポトーシス抑制剤は、下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有する。11.本発明のアポトーシス抑制剤は、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有する。12.本発明のアポトーシス抑制剤は、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)および/またはケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有する。 上記7〜12に係る本発明のAGE産生抑制剤によれば、食材として安全な桜由来の抽出物によりCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスを効果的に抑制することができる。これにより、皮膚老化の防止・改善に役立つ食品、医薬品、化粧品等の素材を提供することができる。13.本発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤は、桜の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。14.本発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤は、桜の花の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。15.本発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤は、桜の葉の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。16.本発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤は、下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する。17.本発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤は、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有する。18.本発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤は、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有する。 上記13〜18に係る発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤によれば、食材として安全な桜由来の抽出物によりヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成を効果的に促進することができる。これにより、皮膚老化の防止・改善に役立つ食品、医薬品、化粧品等の素材を提供することができる。19.本発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤は、桜の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。20.本発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤は、桜の花の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。21.本発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤は、桜の葉の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。22.本発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤は、下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する。23.本発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤は、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有する。24.本発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤は、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有する。 上記19〜24に係る発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤によれば、食材として安全な桜由来の抽出物により線維芽細胞内でAGEの生成を効果的に抑制することができる。これにより、皮膚老化の防止・改善に役立つ食品、医薬品、化粧品等の素材を提供することができる。25.本発明の桜抽出物は、下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を含有してなる。26.本発明の桜抽出物は、下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)の全種を含有してなる。27.本発明の桜抽出物は、下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)の全種を含有する桜抽出物であって、 下記工程(a)〜(c)、(a)桜の花および/または葉を20〜50wt%の含水エタノールで抽出する工程(b)前記工程(a)で得られた抽出物を吸着剤に吸着させた後、水で溶出して水溶出部を取り除く工程(c)前記工程(b)に続いて前記抽出物を水溶性溶媒で溶出し、この溶出液を濃縮する工程を含む製造方法により製造される。28.本発明のAGE産生抑制剤は、上記27記載の桜抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。29.本発明のアポトーシス抑制剤は、上記27記載の桜抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有する。30.本発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤は、上記27記載の桜抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。31.本発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤は、上記27記載の桜抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。32.本発明の糖尿病合併症の予防・治療剤は、上記27記載の桜抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。33.本発明の皮膚老化防止・改善剤は、上記27記載の桜抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。 上記25〜33に係る本発明によれば、食材として安全な桜由来の抽出物によりAGEの生成を効果的に抑制し、副作用を回避することができる。これにより、糖尿病合併症の効果的な予防または治療に役立つ食品、医薬品、化粧品等の素材を提供することができる。 また、上記25〜33に係る本発明によれば、CML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスを効果的に抑制し、ヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成を効果的に促進し、線維芽細胞内でAGEの生成を効果的に抑制することができる。これにより、皮膚老化の防止・改善に役立つ食品、医薬品、化粧品等の素材を提供することができる。桜の花抽出物の含有成分の探索方法を示す説明図である。本発明の実施例の桜花エキスについてCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞の鏡検写真を示す図である。グリオキサール(Glyoxal)で糖化された線維芽細胞のコラーゲン格子形成の様子を示すものであって、24および48時間培養後における肉眼観察の写真を示す図である。図3において24時間培養後の顕微鏡写真(100倍)を示す図である。図3において48時間培養後の顕微鏡写真(200倍)を示す図である。グリオキサール(Glyoxal)による線維芽細胞(ヒト正常二倍体線維芽細胞)内AGE(Carboxy methyllysinタンパク)生成に及ぼす作用(ウェスタンブロッティング)を示す図である。本発明の実施例の桜花エキスによるグリオキサール(Glyoxal)誘発皮内AGE生成に及ぼす作用(ウェスタンブロッティング)を示す図である。本発明の実施例の桜花エキスによるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)誘発真皮細胞アポトーシスに及ぼす作用を示すものであって、TUNNEL染色陽性細胞の顕微鏡写真(400倍)を示す図である。 以下、本発明の実施形態を説明する。 本発明のAGE産生抑制剤、線維芽細胞のアポトーシス抑制剤、ヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤、線維芽細胞内AGE産生抑制剤、および桜抽出物(以下、これらを纏めて示すときは、「AGE産生抑制剤等」という。)は、その生理活性の有効成分として、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を含有する。 1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)は、下記化学式(1)に示される化合物である。 1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)は、下記化学式(2)に示される化合物である。1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)は、下記化学式(3)に示される化合物である。ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)は、下記化学式(4)に示される化合物である。 ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)は、下記化学式(5)に示される化合物である。 ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)は、下記化学式(6)に示される化合物である。 ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)は、下記化学式(7)に示される化合物である。 上記化学式(1)〜(7)に記載された化合物のうち、特に、化学式(1)の1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)および化学式(5)のケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)のうちの少なくとも1種、更には、少なくとも化学式(1)即ち1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を含有することが好ましい。 上記化学式(1)〜(7)に示される化合物を得る方法は特に限定されないが、植物から抽出することが好ましい。より容易にこれらを得ることができるからである。また、上記化合物を植物から抽出する場合、桜から抽出することが最も好ましい。 サクラ(桜、櫻)は、バラ科サクラ属の植物のうち、ウメ、モモ、アンズなどを除いた総称であり、一般にはサクラ亜属 (Subgen. Cerasus) に属するものを指す。 本発明で用いる桜の種は特に限定されず、例えば、ヤマザクラ群、エドヒガン群、マメザクラ群、チョウジザクラ群、ミヤマザクラ群、シナミザクラ群等の群に属する桜を用いることができ、更にこれらの群に限定されない。 本発明の原料で用いる桜の部位は特に限定されず、葉、茎、幹、花、根、果実等が挙げられるが、葉又は花を用いることが好ましい。 ここで、極性溶媒抽出にて抽出する場合、用いる極性溶媒は特に限定されないが、たとえば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン等が挙げられる。これらのうち、水、メタノール、エタノールが好ましい。有効成分を効率よく抽出できるからである。尚、これらは1種のみ用いても良いし、2種以上併用しても良い。 抽出溶媒として水を使用する場合には、抽出温度20〜100℃、好ましくは40〜70℃程度で行うとよい。これは、抽出温度が低すぎると、有効成分が抽出されにくく、抽出温度が高すぎると桜に含有している、シアン化合物が残留しやすくなり、また、有効成分が分解されやすくなるため、好ましくない。抽出用の水の種類は、特に限定されず、水道水、蒸留水、ミネラル水、アルカリイオン水等を使用することができる。 抽出溶媒として含水アルコールを使用する場合、アルコール濃度20wt%好ましくは25wt%〜50wt%、さらに好ましくは25wt%〜30wt%であることが好ましい。アルコール濃度が20wt%未満の場合、高い抽出量の有効成分を得ることが困難となり、アルコール濃度が50wt%を超えると不純物等の影響で収率が低下するからである。 また、アルコール濃度が30wt%以上の場合、抽出温度は、0〜95℃、好ましくは0〜60℃程度で行うとよい。なお、含水エタノール抽出は、有効成分の含有率を向上させるため、種々の濃度で繰り返すとよい。 また、極性溶媒にて抽出する場合、その抽出方法は特に限定されず、例えば、連続抽出、浸漬抽出、向流抽出等任意の方法を採用することができ、室温ないし還流加熱下において任意の装置を使用することができる。尚、上述した方法にて抽出を行う場合、これらのうちの1つのみを行っても良いし、これらの方法を組み合わせても良い。また、これらの抽出は、1回のみ行っても良いし、2回以上行っても良い。 具体的な方法としては、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、攪拌しながら有効成分を溶出させる。例えば、抽出溶媒として水または含水アルコールを用いる場合には、抽出原料の3〜100倍量程度(重量比)の極性溶媒を使用し、1分〜150時間程度抽出を行う。溶媒中に有効成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣を除くことによって、抽出液を得る。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、高濃度の上記化学式(1)〜(7)等のポリフェノールを含有する抽出物を得る。 なお、精製方法としては、例えば、活性炭処理、樹脂吸着処理、シリカゲル処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配、膜分離等の方法が挙げられる。 更に、超臨界抽出により抽出を行う場合、このときに用いる超臨界流体は特に限定されないが、たとえば、二酸化炭素及び窒素等が挙げられる。尚、これらは1種のみを用いても良いし、2種類以上併用しても良い。また、これらのうち特に二酸化炭素が好ましい。より容易に有効成分を抽出することができるからである。また、このときの抽出方法は、公知の方法にて行えばよい。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、高濃度の上記化学式(1)〜(7)等のポリフェノールを含有する抽出物を得る。 上記化学式(1)〜(7)のポリフェノールを得るための望ましい製法としては、下記工程(a)〜(c)、(a)桜の花および/または葉を20〜50wt%の含水エタノールで抽出する工程(b)前記工程(a)で得られた抽出物を吸着剤に吸着させた後、水で溶出して水溶出部を取り除く工程(c)前記工程(b)に続いて前記抽出物を水溶性溶媒で溶出し、この溶出液を濃縮する工程を含む製造方法を採用するとよい。 このような製法によれば、桜の花および葉から上記化学式(1)〜(7)のポリフェノールを高濃度に含む抽出物を効率よく得ることができる。 前記工程(b)における吸着剤は、イオン交換樹脂、合成吸着樹脂、活性炭、キレート樹脂、シリカゲル、アルミナゲル系吸着剤、多孔質ガラス等の公知の吸着剤を単独で又は組み合わせて用いることができる。好ましくは、多孔性合成吸着樹脂であるダイヤイオンHP−20(三菱化学株製)、セパビーズSP−207(三菱化学株製)等の多孔性合成吸着剤を用いたカラムクロマトグラフィーを用いるとよい。 前記工程(c)水溶性溶媒としては、炭素数1〜5の低級アルコールを用いることができ、特にメタノールおよび/またはエタノールを用いることが好ましい。 本発明のAGE産生抑制剤等は、AGEの産生を効果的に抑制するため、腎症、網膜症などの糖尿病合併症を効果的に予防することができる。 また、更にAGEの産生を抑制することにより特に線維芽細胞内のAGEの産生を抑制することにより、皮膚内のコラーゲン部分同士の架橋化を改善し、皮膚の硬化を防止することができる。 更に、AGEが生成した後における線維芽細胞のアポトーシスを抑制するため、皮膚の弾力性を保持することができ、更にシワやくすみの発生を予防することができる。 また、AGEが生成した後におけるコラーゲン架橋化を改善するため、皮膚の硬化を防止することができる。 本発明のAGE産生抑制剤等は、各種飲食品の素材として使用することができる。飲食品としては、例えば、食用油(サラダ油、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明のAGE産生抑制剤等を適宜配合するとよい。 これら飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができる。さらに、健康維持機能をもった本AGE産生抑制剤等には、他の抗酸化物質や健康食品素材など、例えば、還元型アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンE、還元型グルタチン、トコトリエノール、ビタミンA誘導体、リコピン、β−クリプトキサンチン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、フコキサンチン、尿酸、ユビキノン、コエンザイムQ10、葉酸、ニンニクエキス、アリシン、セサミン、リグナン類、カテキン、イソフラボン、カルコン、タンニン類、フラボノイド類、クマリン、イソクマリン類、ブルーベリーエキス、健康食品素材)V.(ビタミン)A、V.B1、V.B2、V.B6、V.B12、V.C、V.D、V.E、V.P、コリン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸カルシウム、EPA、オリゴ糖、食物繊維、スクアレン、大豆レシチン、タウリン、ドナリエラ、プロテイン、オクタコサノール、DHA、卵黄レシチン、リノール酸、ラクトフェリン、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン、カリウム、ヘム鉄、カキ肉エキス、キトサン、キチンオリゴ糖、コラーゲン、コンドロイチン、エラスチン、ウコン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、シジミエキス、スッポン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、セイヨウ、サンザシ、生姜、霊芝、オオバコ、カミツレ、カモミール、セイヨウタンポポ、ハイビスカス、ハチミツ、ボーレン、ローヤルゼリー、ライム、ラベンダー、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、ビフィズス菌、フェーカリス菌、ラクリス、小麦胚芽油、ゴマ油、シソ油、大豆油、中鎖脂肪酸、アガリクス、イチョウ葉エキス、コンドロイチン、玄米胚芽エキス、レイシ、タマネギ、DHA、EPA、DPA、甜茶、冬虫夏草、ニンニク、蜂の子、パパイヤ、プーアル、プロポリス、メグスリの木、ヤブシタケ、ロイヤルゼリー、ノコギリヤシ、ヒアルロン酸、ギャバ、ハープシールオイル、サメ軟骨、グルコサミン、レシチン、ホスファチジルセリン、田七ニンジン、桑葉、大豆抽出物、エキナセア、エゾウコギ、大麦抽出物、オリーブ葉、オリーブ実、ギムネマ、バナバ、サラシア、ガルシニア、キトサン、セントジョーンズワート、ナツメ、ニンジン、パッションフラワー、ブロッコリー、プラセンタ、ハトムギ、ブドウ種子、ピーナッツ種皮、ビルベリー、ブラックコホシュ、マリアアザミ、月桂樹、セージ、ローズマリー、ラフマ、黒酢、ゴーヤー、マカ、紅花、亜麻、ウーロン茶、花棘、カフェイン、カプサイシン、キシロオリゴ糖、グルコサミン、ソバ、シトラス、食物繊維、プロテイン、プルーン、スピルリナ、大麦若葉、核酸、酵母、椎茸、梅肉、アミノ酸、深海鮫抽出物、ノニ、カキ肉、スッポン、シャンピニオン、オオバコ、アセロラ、パイナップル、バナナ、モモ、アンズ、メロン、イチゴ、ラズベリー、オレンジ、フコイダン、メシマコブ、クランベリー、亜鉛、鉄、シルクペプチド、グリシン、ナイアシン、チェストツリー、セラミド、L−システイン、赤ワイン果汁、ミレット、ホーステール、ビオチン、センテラアジアティカ、ハスカップ、ピクノジェノール、フキ、ルバーブ、クローブ、プーアル、クエン酸、ビール酵母、メリロート、ブラックジンガー、ショウガ、ガジュツ、ナットウキナーゼ、ベニコウジ、トコトリエノール、ラクトフェリン、韃靼ソバ、ココア、ドクダミ、キウイ、ヒハツ、ハスの葉、パフィア、スターフルーツなども配合することができる。 具体的な製法としては、桜抽出物を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥し、これを粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品(インスタント食品等)に含有させることができる。 桜抽出物を、例えば、油脂、エタノール、グリセリンあるいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲料に添加するか、固形食品に添加することが可能である。必要に応じてアラビアガム、デキストリン等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、飲料に添加するか固形食品に添加することも可能である。 本発明のAGE産生抑制剤等を飲食品に適用する場合の添加量としては、病気予防や健康維持が主な目的であるので、飲食品に対して有効成分の含量が合計1〜20wt%以下であるのが好ましい。 本発明のAGE産生抑制剤等は、薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)の素材として用いてもよい。薬品製剤用の原料に、本発明のAGE産生抑制剤等を適宜配合して製造することができる。本発明のAGE産生抑制剤等に配合しうる製剤原料としては、例えば、賦形剤(ブドウ糖、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等)、結合剤(蒸留水、生理食塩水、エタノール水、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(アルギン酸ナトリウム、カンテン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖、アラビアゴム末、ゼラチン、エタノール等)、崩壊抑制剤(白糖、ステアリン、カカオ脂、水素添加油等)、吸収促進剤(第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等)、吸着剤(グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、硅酸等)、滑沢剤(精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。 本発明によるAGE産生抑制剤等の投与方法は、一般的には、錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤、液剤等の形態で経口投与することができるが、非経口投与であってもよい。非経口剤として投与する場合は、溶液の状態、または分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、ハップ剤、ローション剤、軟膏剤、チンキ剤、クリーム剤などの剤形で適用することができる。 投与量は、投与方法、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、大人では、通常、1日当たり有効成分として1〜1000mg、子供では通常0.5〜500mg程度投与することができる。 AGE産生抑制剤等の配合比は、剤型によって適宜変更することが可能であるが、通常、経口または粘膜吸収により投与される場合は約0.3〜15.0wt%、非経口投与による場合は、0.01〜10wt%程度にするとよい。なお、投与量は種々の条件で異なるので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。 本発明のAGE産生抑制剤等を配合しうる皮膚外用材の形態としては、例えば、乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、トリートメント、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。 また、本発明のAGE産生抑制剤等を配合しうる医薬品または医薬部外品の形態としては、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等が挙げられる。 上記形態の皮膚外用剤には、本発明によるAGE産生抑制剤等の他に、そのAGE生成抑制効果を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。 例を以下に羅列するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。 (1)油分の例 エステル系の油相成分:トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアルキル(C12−18)、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。 炭化水素系の油相成分:スクワラン、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。 動植物油とその硬化油、および天然由来のロウ:牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油およびその硬化油、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、カカオ脂、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、シソ油、茶実油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油等の植物油およびその硬化油、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ等のロウ等が挙げられる。 シリコーン系の油相成分:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性シリコーン油、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等が挙げられる。 フッ素系の油相成分:パーフルオロポリエーテル、フッ素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。 (2)高級アルコールの例 ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、2−エチルヘキサノール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。 (3)脂肪酸の例 カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、2−エチルヘキサン酸等が挙げられる。 (4)紫外線吸収剤の例 パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸オクチルジメチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2−エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンソフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2、4、6−トリアニリノ−p−(カルボ−2−エチルヘキシル−1−オキシ)−1、3、5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート、フェニルベンゾイミダゾール硫酸、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、イソプロピルジベンゾイルメタン、4−(3、4−ジメトキシフェニルメチレン)−2、5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル等、およびこれらの高分子誘導体やシラン誘導体等が挙げられる。 (5)粉体・顔料の例 赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号ALレーキ、黄色203号BAレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、デンプン、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の金属セッケン、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。 これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)および粒子径に特に制限はない。なおこれらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属セッケン処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。 (6)界面活性剤の例 アニオン性界向活性剤:脂肪酸セッケン、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。 カチオン性界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。 両性界面活性剤:カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミタゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。 ノニオン性界面活性剤:プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。 天然系界面活性剤:レシチン、サポニン、糖系界面活性剤等が挙げられる。 (7)多価アルコール、糖の例 エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1、3−ブタンジオール、1、3−ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等も使用可能である。(8)高分子の例 アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ、互応化学社製)、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(レジン28−1310、NSC社製)、酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体(28−2930、NSC社製)、メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES、ISP社製)、T−ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(ルビマー、BASF社製)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセットCA、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP、BASF社製)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス、BASF社製)、アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド、BASF社製)、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリラート共重合体(アドバンテージ、ISP社製)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール、BFGoodrich社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレン、BFGoodrich社製)等のアニオン性高分子化合物や、ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー、三菱化学社製)、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER、NSC社製)等の両性高分子化合物、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAFQUAT、ISP社製)、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート、BASF社製)等のカチオン性高分子化合物、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK、BASF社製)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA、BASF社製)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマー937、ISP社製)、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマーVC713、ISP社製)等のノニオン性高分子化合物等がある。 また、セルロースまたはその誘導体、ケラチン及びコラーゲンまたはその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。 (9)生理活性成分の例 生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。これらの好適な配合成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバ−エキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セ−ジエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、イチゴエキス、ヒハツエキス、ハスの葉エキス、パフィアエキス、スターフルーツエキス等を挙げることができる。 また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、加水分解ペプチド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシンなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、フィトスフィンゴシン、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコールチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL−α−トコフェロール、酢酸DL−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタテカン酸グリセリル、L−メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコールチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤などが挙げられる。 (10)酸化防止剤の例 亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、トコフェロール、トリルビグアナイド、ノルジヒドログアヤレチン酸、パラヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、リンゴエキスやチョウジエキスなとの酸化防止効果の認められる植物エキス等が挙げられる。 (11)溶媒の例 精製水、エタノール、低級アルコール、エーテル類、LPG(液化石油ガス)、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎮状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。 以下、本発明の実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明によって得られる組成物のAGE抑制作用等の確認をするために説明するもので、本発明の範囲は、これらの製品および製法に限定されるものではない。[1]桜の抽出物(葉、花)の製造 桜[ヤエザクラ (カンザン), Prunus lannesiana Wils. cv. Sekiyama]の花部を30%(W/W)含水エタノールで1時間抽出(60℃)を行った。その後、ろ過、濃縮を行い、桜の花抽出物(以下、桜花エキスともいう。)を得た(収率5wt%)。同様にして、桜の葉抽出物(以下、桜葉エキスともいう。)を得た(収率4wt%)。これらの桜花エキスおよび桜葉エキスをぞれぞれ実施例1および実施例2とした。[2]桜の花の含有成分の分離 桜花の含有成分の探索の方法を図1に示す。即ち、実施例1の桜花エキス (90.10 g)をHP−20(三菱化学株製) カラムクロマトグラフィー(column chromatography)に付し, 水(H2O)溶出部(62.16 g, 68.99%)、メタノール(MeOH)溶出部(28.21g, 31.31%), およびアセトン(Acetone)溶出部(0.60g,0.67%)を得た。 得られたメタノール(MeOH)溶出部 (26.00 g)を順相シリカゲルクロマトグラフィー(silica-gel column chromatography)、 逆相ODSカラムクロマトグラフィー(column chromatography)およびHPLCを用いて繰り返し分離精製し、3種の既知フェニルプロパノイド配糖体;1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(8.73g,9.6%)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(22.1mg,0.0245%)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(21.0mg,0.0233%)、および4種の既知フラボノイド配糖体;ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド (32.6 mg, 0.0361%)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(86.0 mg, 0.0954%)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(55.3mg, 0.0613%)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(66.2 mg, 0.0734%)を単離した(実施例3〜5および実施例6〜9)。 これらの既知化合物については, 文献値の1H-NMR, 13C-NMR, MSスペクトルデータおよび旋光度の比較により同定した。 なお、図1に示されるこれら単離成分の収率(w/w)は実施例1の桜花エキスからの単離収率である。[3]効果確認試験[試験例1:AGE産生抑制作用] 桜花エキスおよびその含有成分並びに桜葉エキスのAGE形成に及ぼす作用について下記の方法で試験を行った。 D-グルコース(10%)とウシ血清アルブミン(fraction 5, 1%) を含有するリン酸緩衝液(pH: 7.4, 900 mL)に,桜花エキス(実施例1)およびその含有成分、並びに桜葉エキス(実施例2)を下記表1に示された濃度で含有するサンプル溶液(100 mL)を添加し,60℃で2日間静置した。反応液を蛍光光度が500付近になるように精製水で希釈し,蛍光光度(測定波長:370 nm, 励起波長:440 nm)を測定した。なお,エキスは精製水で希釈,成分はDMSOに溶解後,最終DMSO濃度が1%になるようにリン酸緩衝液で希釈して使用した。その結果を下記表1に示す。表1において各値は3例の平均値と標準誤差で示した。アスタリスクはサンプル未処理群とのDunnettの多重比較検定による有意差*:p<0.05、**:p<0.01を表す。[試験例1:結果および実施例の効果] 表1によれば、桜花エキス(実施例1)および桜葉エキス(実施例2)のいずれも濃度100〜300(μg/mL)でAGEの生成を抑制していることが確認された。 また、表1に示すように、桜の花の主ポリフェノールである1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(実施例3)は、高濃度(300μg/mL)で30%の阻害活性を示した。類縁化合物で水酸基数の少ない1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(実施例4)および1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(実施例5)の阻害活性は減弱した。これに対し、フラボノイド配糖体の活性は総じて強く、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(実施例7)およびケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(実施例9)の活性は、対応するケンフェロール(kaempferol)をアグリコンとする化合物の2倍以上(IC50で)強い活性を示した。[試験例2−1:CML化コラーゲンによる線維芽細胞アポトーシスに対する桜花エキスの抑制作用] 皮膚に生じる 主AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)は皮膚細胞に障害を与えることが知られている。試験例2−1では、CML化コラーゲンよるヒト線維芽細胞のアポトーシスに対する桜花エキス(実施例1)の作用を下記の方法により検討した。(1)CML化コラーゲンの作製 ウシ皮膚由来コラーゲン(50 mg)に1mM HCl(25 mL)を加え、37℃で必要に応じて揺り動かしながら2時間インキュベートして溶解した。これにPBS(pH7.4, 25 mL)、シアノ水素化ほう素ナトリウム(sodium cyanoborohydride)1.42 gおよびグリオキシル酸(glyoxylic acid)0.9 gを加えて混合し,37℃で24時間反応させた。反応溶液を透析用セル(透析分子量10000)に入れ,水で1日,PBSで6日間透析した。透析物をフリーズドライすることで、CML化コラーゲン21mgを得た。(2)線維芽細胞の培養 正常二倍体線維芽細胞(40歳女性,正常皮膚由来,PDL20)を10%ウシ胎仔血清(FCS),ペニシリン(100 units/mL)およびストレプトマイシン(100 mg/mL)含有培地中で増殖・前培養を行い実験に使用した。(3)CML化コラーゲンによる線維芽細胞アポトーシス誘導試験 線維芽細胞(7×104 cells)を0.5%FCS、ペニシリン(100 units/mL)およびストレプトマイシン(100 mg/mL)含有D-MEM培地にサスペンドし、96-wellプレートに播種(100 mL/well)した。24時間培養後、培地に溶解したCML化コラーゲン溶液(2 mg/mL)およびサンプル溶液を添加(13 mL)し、24時間培養を行った。Normal群には、CML化コラーゲンの代わりにコラーゲンを添加した。(4)細胞生存率およびアポトーシスの測定 細胞生存率はMTTアッセイにより測定した。その結果を表2に示す。また、その際、鏡検による観察も行った。その結果として線維芽細胞(100倍鏡検)のホルマザン生成の様子を図2に示す。アポトーシスはカスパーゼ(caspase)3/7活性を蛍光法で測定することで調べた。その結果を下記表3に示す。なお、表2および3において各値は6例の平均値と標準誤差で示した。アスタリスクはDunnettの多重比較検定による有意差*:p<0.05、**:p<0.01、fはFisher's PLSD検定によるp<0.05を表す。[試験例2−1:結果および実施例の効果](1)細胞生存率 上記表2によれば、Control群の吸光度はnormal群より低く、CML化コラーゲンによる生存率の低下が観察された。鏡検像においても図2に示されるように、細胞内へのホルマザン蓄積の抑制が認められた。この様子からCML化コラーゲンによる線維芽細胞のアポトーシスが惹起されているものと推測された。これに対し、桜花エキス(実施例1)1000 mg/mLを添加した群では,ホルマザン生成の有意な増加が認められた。(2)アポトーシス抑制 上記表3は、表3に示されるようにControl群ではnormal群と比較して,カスパーゼ3/7活性の増加が見られ,CML化コラーゲンによるアポトーシスが惹起されていることが確認された。これに対し,桜花エキス(100 mg/mL以上)を添加した群ではカスパーゼ3/7活性の低下が見られた。300 mg/mL以上ではnormal群より活性が低かったことから桜花エキスはカスパーゼ 3/7の酵素活性や酵素発現を抑制している可能性が示唆された。[試験例2−2:CML化コラーゲンによる線維芽細胞アポトーシスに対する桜花エキス、桜葉エキス及びその含有成分の抑制作用] 試験例2−2では、桜花エキス(実施例1)、桜葉エキス(実施例2)、および桜花エキス(実施例1)に含まれる7種の含有成分:1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(実施例3〜9)について、試験例2−1と同様の方法でCML化コラーゲンによるヒト線維芽細胞のアポトーシスに対する作用を検証した。なお、この試験例2−2では、正常二倍体線維芽細胞としてPDL22-32の細胞を使用した。比較対照として糖化抑制の医薬品である塩酸アミノグアニジンについても同様な方法で試験を行った。結果を下記表4に示す。表4において各値は5例の平均値と標準誤差で示した。アスタリスクはCML化コラーゲンを添加したサンプル未処理群とのDunnettの多重比較検定による有意差*:p<0.05、**:p<0.01を表す。[試験例2−2:結果および実施例の効果] 表4に示されるように、桜花エキス(実施例1)10〜100 mg/mLでカスパーゼ3/7活性の低下が見られた。この結果より,桜花エキス(実施例1)がCML化コラーゲンによるアポトーシスを抑制していることが示唆された。含有成分では試験例1に示したAGE産生抑制試験で強い活性を示したケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(実施例7)の抑制作用が最も強く、類似化合物のケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(実施例6)やケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(実施例9)にも強い活性が認められた。しかしながら,ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(実施例8)は比較的活性が弱いものであった。一方,ケイヒ酸誘導体では含有量が最も高い1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(実施例3)が特に強い抑制作用を示した。 このように桜花エキス(実施例1)、桜葉エキス(実施例2)及びその含有成分がCML化コラーゲンによる線維芽細胞のアポトーシスを抑制する理由については、AGE産生抑制作用が関与するものと考えられるが、上記の結果から推察すると、これらの有効成分がAGEであるCML化コラーゲンを分解するブレーカーの機能を果たすと見ることもできる。この点で、本発明のAGE産生抑制剤は、AGE分解・除去剤としても適用しうる。[試験例3:線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進作用] 線維芽細胞をコラーゲン溶液存在下で培養すると、コラーゲン格子の形成が認められる。一方で、この系に糖化刺激作用のある中間糖化物(グリオキサール)で糖化した線維芽細胞を添加すると、コラーゲン格子の形成が抑制されることが知られている。試験例3では、糖化したヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成に対する桜花エキスの作用を下記の方法により検討した。(1)線維芽細胞の糖化 新生児由来NB1RGB(継代数22)をD-MEM完全培地にサスペンドし(1.86×104 cells/mL),14 cmディッシュに15 mLずつ播種した。24時間培養後に,各種濃度のサンプルおよびグリオキサール(Glyoxal)を200 mMになるように添加し,5日間培養を行った。(2)コラーゲン格子の形成 ウシ皮膚由来コラーゲン(25 mg)を0.1%酢酸(8.3 mL)に溶解し,10倍濃縮Hanks液(1.66 L)を添加した。これに0.1%酢酸(3.5 mL)をさらに添加し,1M NaOHを滴下して溶液を中和した。この溶液をろ過滅菌して,コラーゲン液とした。 回収した線維芽細胞(5.4×104 cell)をFCS(50μm)にサスペンドした液に対して,コラーゲン450 mLを添加した混液を24穴プレートに播種した。24および48時間培養後,肉眼および顕微鏡による観察を行った。これらのうち、肉眼で観察し、撮影したものを図3、24時間場培養後の顕微鏡写真(100倍)を図4、48時間培養後の顕微鏡写真(200倍)を図5にそれぞれ示した。なお、比較対照として抗糖化剤である塩酸アミノグアニジンについても同様な方法で試験を行った。[試験例3:結果および実施例の効果] 線維芽細胞とコラーゲン溶液を培養した結果,図3に示すようにコラーゲン格子の形成が見られた。図3において白いもやが線維芽細胞の伸展突起とコラーゲン格子である。グリオキサールで処理したcontrolではnormalと比較して、コラーゲン格子の形成量は明らかに減少した。これに対し,桜花エキス(実施例1)100および1000 mg/mLをグリオキサールとともに処理した線維芽細胞を用いたウェルでは、格子形成量の増加が認められた。一方、塩酸グアニジン100 mg/mLで処理した線維芽細胞を用いたウェルでは、controlと比較して格子の形成量の増加は見られなかった。また、24時間培養後の鏡検像(図4)を見ると,normal,controlおよび塩酸グアニジンでは線維芽細胞が球状であるのに対し,桜花エキス(実施例1)100および1000 mg/mLのウェルでは明らかな線維芽細胞の伸展が認められた。また、48時間培養後の200倍に拡大した鏡検像(図5)では、controlで若干の線維芽細胞の伸展が見られたが、桜花エキス(実施例1)100および1000 mg/mLのウェルと比較すると弱いものであった。[試験例4:線維芽細胞内AGE産生抑制作用] 試験例4では、桜花エキス(実施例1)および1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(実施例3)がグリオキサールによる線維芽細胞(ヒト正常二倍体線維芽細胞)内AGE(carboxy methyl lysinタンパク)産生に及ぼす作用を下記の方法により検討した。 ヒト正常二倍体線維芽細胞(継代数30)をD-MEM完全培地にサスペンドし、14 cmディッシュに20 mLずつ播種した。48時間培養後、80%コンフルエントの細胞に各種濃度のサンプルおよびグリオキサールを400 mMになるように添加し,5日間培養を行った。細胞を回収、破砕後、タンパク10 mgについて、抗AGE抗体を用いたウェスタンブロッティング法によりAGEの検出を行った。その結果を図6に示す。なお図6は抗AGE抗体で検出(HRP染色)したものである。図6において「CaGlu」は1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(実施例3)を意味する。[試験例4:結果および実施例の効果] 図6に示されるように、抗AGE抗体を用いたAGEの検出の結果,グリオキサール刺激によりAGE量は増加した(ControlとNonの比較)。これに対し、桜花エキス(実施例1)は10 mg/mLでAGEの生成を強く抑制した。100 mg/mLでは効果は減弱したが抑制作用が見られた。含有成分の1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(CaGlu:実施例3) も1および10 mg/mLでAGEの生成を抑制した。以上の結果から,桜花エキスとその主成分はAGEの生成を抑制することが、細胞レベルで明らかになった。[試験例5:グリオキサール皮内投与によるAGE産生抑制作用] 桜花エキス(実施例1)を各種濃度で継続投与した後、AGEの前駆体であるグリオキサールを皮内投与し、AGE生成に及ぼす作用を調査した。また、この結果をもとに桜花エキス(実施例1)の推奨摂取量を設定した。試験方法は下記の通りである。 マウス(ICR, ♂, 5週齢)に桜花エキス(実施例1)の水溶液(10, 50および100 mg/kg)を1日1回10日間経口投与した。投与後、剃毛した背部皮内にグリオキサール800mMを皮内投与(100mL)した。21時間後に桜花エキス(実施例1)の最終投与を行い、その3時間後にマウスをエーテル麻酔で犠牲にし、グリオキサール投与部位を摘出した。摘出した皮膚を2 mLのlysis buffer (50 mM tris, 150 mM NaCl, 1% Triton X100, pH: 7.2) 中で、ポリトロンホモジナイザーを用いて破砕した。破砕物を遠心分離(1000×g, 7 min)後、上清を回収した。回収した上清は、−20℃で凍結保存した。 解凍した上清のタンパク含量をBCA法で測定後、グルコース由来AGEs測定用ELISAキット(Trans Genic Inc)を用いてAGE含量を測定した。また併せてウェスタンブロッティングによるAGEの検出も行った。結果を表5および図7に示す。[試験例5:結果および実施例の効果] 表5および図7に示すように、桜花エキス(実施例1)は用量依存性は見られなかったが、10〜100mg/kgの経口投与でAGEの生成を抑制することが確認された。また、この結果より、桜花エキス(実施例1)の推奨摂取量は10〜100mg/日となる。[試験例6:CML化コラーゲン皮内投与による真皮細胞のアポトーシス抑制作用] 桜花エキス(実施例1)を各種濃度で継続投与した後、CML化コラーゲンを皮内投与し、線維芽細胞をはじめとする真皮細胞のアポトーシスに及ぼすを調査した。試験方法は下記の通りである。 マウス(ICR, ♂, 5週齢)に桜花エキス(実施例1)の水溶液(10, 50および100 mg/kg)を1日1回10日間経口投与した。投与後、剃毛した後頭部両耳介を結ぶ線と正中線が交差する部分の皮内にCML化コラーゲン (100 mg/100 mL) を皮内投与(100 mL)した。Normal群にはコラーゲンを投与した。21時間後に桜花エキス(実施例1)の最終投与を行い,その3時間後にマウスをエーテル麻酔で犠牲にし、CML化コラーゲン投与部位を摘出した。摘出した皮膚は4%パラホルムアルデヒド液に浸漬固定後、切片をTUNNEL染色した。TUNNEL染色陽性の真皮細胞数は、鏡検(400倍)下で皮膚断面を撮影後、画像処理を行い、紫色から橙色に染色された細胞数をカウントした。真皮の面積は、印刷した画像の真皮部分の断面積をデジタルプラニメーターで測定後、縮尺を乗じて算出した。結果を表6および図8に示す。図8において「▲」矢印に示す部分がTUNNEL染色陽性細胞である。[試験例6:結果および実施例の効果] CML化コラーゲンの投与により,真皮のTUNNEL染色陽性細胞数は増加した。これに対し,桜花エキス(実施例1)は用量依存的にTUNNEL染色陽性細胞数を減少させた。この結果より,桜花エキス(実施例1)はin vivoにおいてもCML化コラーゲンによる真皮の線維芽細胞のアポトーシスを抑制することが判明した。 以下、本発明によるAGE産生抑制剤等として桜花エキス(実施例1)を用いた配合例を示した。但し、これらの配合例により本発明が限定されるものではない。 なお、上記配合例1〜13では、桜花エキス(実施例1)を用いたが、これに代えて桜葉エキス(実施例2)、または上記7種の含有成分:1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(実施例3〜9)のいずれか1種を用いてもよい。桜花エキス(実施例1)、桜葉エキス(実施例2)、および上記7種の含有成分(実施例3〜9)を組み合わせた混合物を配合することももちろん可能である。 以上、説明したように、本発明によれば、AGEの生成を抑制し、また、AGEによる細胞及び細胞間のマトリックスの障害を防ぐことができる。これにより、糖尿病および糖尿病合併症の予防・治療を効果的に行うことができ、さらには皮膚の老化を効果的に抑制することができる。 下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するAGE産生抑制剤。 1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有するAGE産生抑制剤。 ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有するAGE産生抑制剤。 下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有するアポトーシス抑制剤。 1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有するアポトーシス抑制剤。 ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)および/またはケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有するアポトーシス抑制剤。 下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤。 1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有するヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤。 ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有するヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤。 下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する線維芽細胞内AGE産生抑制剤。 1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有する線維芽細胞内AGE産生抑制剤。 ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有する線維芽細胞内AGE産生抑制剤。 【課題】終末糖化産物であるAGE生成を効果的に阻害するとともに、生体に対する安全性が向上したAGE産生抑制剤等を提供する。【解決手段】本発明のAGE産生抑制剤等は、下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシドから選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する。【選択図】図1


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特許公報(B2)_AGE産生抑制剤

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_AGE産生抑制剤
出願番号:2014022651
年次:2015
IPC分類:A61K 31/7034,A61K 36/736,A61K 8/60,A61K 8/97,A61P 9/00,A61P 9/10,A61P 13/12,A61P 17/00,A61P 27/02,A61P 43/00,A61Q 19/00,A61Q 19/08,A23L 1/30


特許情報キャッシュ

下田 博司 渡邉 貴 村井 弘道 吉川 雅之 JP 5792844 特許公報(B2) 20150814 2014022651 20140207 AGE産生抑制剤 オリザ油化株式会社 594045089 熊崎 陽一 100119792 下田 博司 渡邉 貴 村井 弘道 吉川 雅之 JP 2010039465 20100225 JP 2010027351 20100210 20151014 A61K 31/7034 20060101AFI20150928BHJP A61K 36/736 20060101ALI20150928BHJP A61K 8/60 20060101ALI20150928BHJP A61K 8/97 20060101ALI20150928BHJP A61P 9/00 20060101ALI20150928BHJP A61P 9/10 20060101ALI20150928BHJP A61P 13/12 20060101ALI20150928BHJP A61P 17/00 20060101ALI20150928BHJP A61P 27/02 20060101ALI20150928BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150928BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20150928BHJP A61Q 19/08 20060101ALI20150928BHJP A23L 1/30 20060101ALI20150928BHJP JPA61K31/7034A61K36/736A61K8/60A61K8/97A61P9/00A61P9/10A61P13/12A61P17/00A61P27/02A61P43/00 107A61P43/00 111A61Q19/00A61Q19/08A23L1/30 B A61K 31/7034 A23L 1/30 A61K 8/60 A61K 8/97 A61K 36/736 A61P 9/00 A61P 9/10 A61P 13/12 A61P 17/00 A61P 27/02 A61P 43/00 A61Q 19/00 A61Q 19/08 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII) CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) 特開2009−096731(JP,A) 特開2002−220334(JP,A) 特開2004−217544(JP,A) 特表2009−545604(JP,A) YOO NAM HEE ET AL,Erigeroflavanone, a Flavanone Derivative from the Flowers of Erigeron annuus with Protein Glycation and Aldose Reductase Inhibitory Activity,J NAT PROD,2008年,vol.71,no.4,pages 713 - 715 ニュースリリース,2010年 2月23日,pp.1-6,URL,http://www.oryza.co.jp/pdf/sakura_news100303.pdf Du,Qizhen et al, Antioxidant constituents in the fruits of Luffa cylindrica (L.) Roem,Journal of Agricultural and Food Chemistry,2006年,Vol.54,No.12,pp.4186-4190 1 2011553894 20110210 2014094966 20140522 44 20140207 鶴見 秀紀 本発明は、新規なAGE産生抑制剤に関する。本発明に係るAGE産生抑制剤は、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用も有するものであり、食品、医薬品、化粧品等の素材として広く利用される。 終末糖化産物;AGE(Advanced Glycation End-products、以下、本明細書においてAGEと称する。)の生成過程に関しては未だ不明の点が多いが、非酵素的糖化反応がその主体であると考えられている。すなわちAGEは、初期反応で蛋白質中に存在するアミノ基とグルコースなどの還元糖のアルデヒド基とが、非酵素的に反応(Glycation)し、シッフ塩基を経由してアマドリ転移生成物が形成され、後期反応でこれが長時間の複雑な開裂や縮合などを経て形成されると考えられている。 糖尿病合併症は、網膜症、腎症、神経障害、虚血性心疾患、脳血管障害などであり、これら疾患の原因の1つに高血糖状態の生体で生成したAGEが関与していることが確認されている(例えば、非特許文献1参照)。 糖尿病性腎症は、糖尿病に起因する腎の細小血管障害であり、糸球体基底膜肥厚とメサンギウム領域拡大が基本的病理変化である。近年、糖尿病患者の増加とともに糖尿病性腎症で末期腎不全となり、透析治療に至る患者が増加している。高血糖状態の持続によりできるAGEは、1)血管透過性の亢進、2)タンパクやリポタンパクの沈着促進、3)一酸化窒素(NO)不活性化、4)細胞外基質産生促進、などを介して腎症発症に関与すると考えられている(例えば、非特許文献2参照)。 従来、糖尿病合併症の予防と改善を目的として、AGEの生成を阻害を目的とした種々のAGE産生抑制剤が研究・開発されている。 例えば、腎症、網膜症などの糖尿病合併症などを引き起こす成因となるAGEの生成を合成医薬(合成化合物)により阻害するものが開示されているが(特許文献1および2参照)、AGE産生抑制剤のような合成医薬はまだ開発段階であり、また、このような合成医薬には予期せぬ副作用が伴うことが多い。 これに対し、合成医薬を用いることなく食生活を通じて疾患を予防、抑制、改善及び治療できる機能を持った成分または食品成分に対する研究が注目されるようになってきた。例えば特許文献3〜5には、食品である植物の抽出物を含有するAGEの生成阻害組成物が開示されている。 しかしながら、このような植物抽出物中に存在するAGE阻害活性成分の阻害活性は、一般的に合成医薬(合成化合物)に比べ極めて低く、また活性成分の抽出物中での存在量も極めて低い。 糖尿病合併症の予防または治療にあたっては、長期間に継続して行うことが必要なため、効果的なAGEの生成抑制と副作用の回避との両方を達成し得るAGE産生抑制剤が所望されているが、従来の植物抽出物にはこのような要請に十分に応えられるものはほとんど知られていない。 一方、近年、AGEが糖尿病のみならず皮膚の老化にも密接な関連があることが明らかとなってきた。AGEは加齢に伴って増加するが、皮膚のタンパク質であるコラーゲン部分でメイラード反応が生じると、タンパク質中のリジン残基のアミノ基あるいはアルギニン残基のグアニジル基と糖のカルボニル基が非酵素的に反応し、AGEが生成しコラーゲン部分同士を架橋させてしまう。架橋構造が形成されると分子が硬くなり、皮膚本来の弾力性が失われる。また、架橋物を異物と判断し、分解酵素(コラゲナーゼ、エラスターゼ)の分泌量が増える。これらのことから肌のハリや弾力性が失われ、また肌が脆くなり、さらにはシワ、たるみ、くすみの発生につながる。 このようにAGEは糖尿病性合併症の引き金としての観点だけでなく、アンチエイジングの観点からもAGEの生成機構が注目されるようになってきた。特開平10−324629号公報特開2005−170935号公報特開2006−28090号公報特開2005−343842号公報特開2005−320262号公報ヒガシ,ティ.(Higasi, T)ら、バイオ・クリニカ(BIO Clinica)、1997年、第12巻、第2号、p.19−21ババ,ティ.(Baba, T)ら、バイオ・クリニカ(BIO Clinica)、1997年、第12巻、第2号、p.39−48 このような背景の下、本発明者らは、種々の植物由来の抽出物について、含有成分・含有量等を調査し、ポリフェノールを豊富に含有する“桜”に着目するに至った。そして、各種実験を行った結果、桜の花および葉の抽出物、特に、これらの抽出物に含まれるフェニルプロパノイド配糖体(カフェオイルグルコース、クマロイルグルコース、シンナモイルグルコース)、およびフラボノイド配糖体(ケンフェロールグルコシド、ケルセチングルコシド、ケンフェロールマロニルグルコース、ケルセチンマロニルグルコース)に、AGEの生成を効果的に抑制し、線維芽細胞のコラーゲン格子形成を促進しうる成分が含まれることを知見した。 さらに、桜抽出物の新規な生理活性として、AGEの1種であるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して効果的な抑制作用を有することを知見し、本発明を完成するに至ったものである。 本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的とするところは、AGE生成を効果的に阻害し、生体に対する安全性が向上したAGE産生抑制剤を提供することにある。 他の目的は、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)によるヒト線維芽細胞のアポトーシスを抑制するアポトーシス抑制剤を提供することにある。 他の目的は、線維芽細胞におけるコラーゲン格子形成促進剤を提供することにある。 他の目的は、線維芽細胞内でAGE生成を効果的に阻害しうるAGE産生抑制剤を提供することにある。 上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。1.本発明のAGE産生抑制剤は、桜の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。2.本発明のAGE産生抑制剤は、桜の花の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。3.本発明のAGE産生抑制剤は、桜の葉の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。4.本発明のAGE産生抑制剤は、下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する。5.本発明のAGE産生抑制剤は、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有する。6.本発明のAGE産生抑制剤は、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有する。 上記1〜6に係る本発明のAGE産生抑制剤によれば、食材として安全な桜由来の抽出物によりAGEの生成を効果的に抑制し、副作用を回避することができる。これにより、糖尿病合併症の効果的な予防または治療に役立つ食品、医薬品、化粧品等の素材を提供することができる。7.本発明のアポトーシス抑制剤は、桜の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有する。8.本発明のアポトーシス抑制剤は、桜の花の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有する。9.本発明のアポトーシス抑制剤は、桜の葉の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有する。10.本発明のアポトーシス抑制剤は、下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有する。11.本発明のアポトーシス抑制剤は、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有する。12.本発明のアポトーシス抑制剤は、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)および/またはケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有する。 上記7〜12に係る本発明のAGE産生抑制剤によれば、食材として安全な桜由来の抽出物によりCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスを効果的に抑制することができる。これにより、皮膚老化の防止・改善に役立つ食品、医薬品、化粧品等の素材を提供することができる。13.本発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤は、桜の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。14.本発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤は、桜の花の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。15.本発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤は、桜の葉の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。16.本発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤は、下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する。17.本発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤は、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有する。18.本発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤は、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有する。 上記13〜18に係る発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤によれば、食材として安全な桜由来の抽出物によりヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成を効果的に促進することができる。これにより、皮膚老化の防止・改善に役立つ食品、医薬品、化粧品等の素材を提供することができる。19.本発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤は、桜の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。20.本発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤は、桜の花の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。21.本発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤は、桜の葉の抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。22.本発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤は、下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する。23.本発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤は、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有する。24.本発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤は、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有する。 上記19〜24に係る発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤によれば、食材として安全な桜由来の抽出物により線維芽細胞内でAGEの生成を効果的に抑制することができる。これにより、皮膚老化の防止・改善に役立つ食品、医薬品、化粧品等の素材を提供することができる。25.本発明の桜抽出物は、下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を含有してなる。26.本発明の桜抽出物は、下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)の全種を含有してなる。27.本発明の桜抽出物は、下記の化合物からなる群、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)の全種を含有する桜抽出物であって、 下記工程(a)〜(c)、(a)桜の花および/または葉を20〜50wt%の含水エタノールで抽出する工程(b)前記工程(a)で得られた抽出物を吸着剤に吸着させた後、水で溶出して水溶出部を取り除く工程(c)前記工程(b)に続いて前記抽出物を水溶性溶媒で溶出し、この溶出液を濃縮する工程を含む製造方法により製造される。28.本発明のAGE産生抑制剤は、上記27記載の桜抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。29.本発明のアポトーシス抑制剤は、上記27記載の桜抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤であって、AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスに対して抑制作用を有する。30.本発明のヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤は、上記27記載の桜抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。31.本発明の線維芽細胞内AGE産生抑制剤は、上記27記載の桜抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。32.本発明の糖尿病合併症の予防・治療剤は、上記27記載の桜抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。33.本発明の皮膚老化防止・改善剤は、上記27記載の桜抽出物および/またはその処理物を有効成分として含有する。 上記25〜33に係る本発明によれば、食材として安全な桜由来の抽出物によりAGEの生成を効果的に抑制し、副作用を回避することができる。これにより、糖尿病合併症の効果的な予防または治療に役立つ食品、医薬品、化粧品等の素材を提供することができる。 また、上記25〜33に係る本発明によれば、CML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞のアポトーシスを効果的に抑制し、ヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成を効果的に促進し、線維芽細胞内でAGEの生成を効果的に抑制することができる。これにより、皮膚老化の防止・改善に役立つ食品、医薬品、化粧品等の素材を提供することができる。桜の花抽出物の含有成分の探索方法を示す説明図である。本発明の実施例の桜花エキスについてCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)による線維芽細胞の鏡検写真を示す図である。グリオキサール(Glyoxal)で糖化された線維芽細胞のコラーゲン格子形成の様子を示すものであって、24および48時間培養後における肉眼観察の写真を示す図である。図3において24時間培養後の顕微鏡写真(100倍)を示す図である。図3において48時間培養後の顕微鏡写真(200倍)を示す図である。グリオキサール(Glyoxal)による線維芽細胞(ヒト正常二倍体線維芽細胞)内AGE(Carboxy methyllysinタンパク)生成に及ぼす作用(ウェスタンブロッティング)を示す図である。本発明の実施例の桜花エキスによるグリオキサール(Glyoxal)誘発皮内AGE生成に及ぼす作用(ウェスタンブロッティング)を示す図である。本発明の実施例の桜花エキスによるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)誘発真皮細胞アポトーシスに及ぼす作用を示すものであって、TUNNEL染色陽性細胞の顕微鏡写真(400倍)を示す図である。 以下、本発明の実施形態を説明する。 本発明のAGE産生抑制剤、線維芽細胞のアポトーシス抑制剤、ヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進剤、線維芽細胞内AGE産生抑制剤、および桜抽出物(以下、これらを纏めて示すときは、「AGE産生抑制剤等」という。)は、その生理活性の有効成分として、1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)から選ばれる少なくとも1種を含有する。 1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)は、下記化学式(1)に示される化合物である。 1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Coumaroyl-β-D-glucopyranoside)は、下記化学式(2)に示される化合物である。1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Cinnamoyl-β-D-glucopyranoside)は、下記化学式(3)に示される化合物である。ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-β-D-glucopyranoside)は、下記化学式(4)に示される化合物である。 ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)は、下記化学式(5)に示される化合物である。 ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Kaempferol 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)は、下記化学式(6)に示される化合物である。 ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-(6''-malony)-β-D-glucopyranoside)は、下記化学式(7)に示される化合物である。 上記化学式(1)〜(7)に記載された化合物のうち、特に、化学式(1)の1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)および化学式(5)のケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(Quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)のうちの少なくとも1種、更には、少なくとも化学式(1)即ち1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を含有することが好ましい。 上記化学式(1)〜(7)に示される化合物を得る方法は特に限定されないが、植物から抽出することが好ましい。より容易にこれらを得ることができるからである。また、上記化合物を植物から抽出する場合、桜から抽出することが最も好ましい。 サクラ(桜、櫻)は、バラ科サクラ属の植物のうち、ウメ、モモ、アンズなどを除いた総称であり、一般にはサクラ亜属 (Subgen. Cerasus) に属するものを指す。 本発明で用いる桜の種は特に限定されず、例えば、ヤマザクラ群、エドヒガン群、マメザクラ群、チョウジザクラ群、ミヤマザクラ群、シナミザクラ群等の群に属する桜を用いることができ、更にこれらの群に限定されない。 本発明の原料で用いる桜の部位は特に限定されず、葉、茎、幹、花、根、果実等が挙げられるが、葉又は花を用いることが好ましい。 ここで、極性溶媒抽出にて抽出する場合、用いる極性溶媒は特に限定されないが、たとえば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン等が挙げられる。これらのうち、水、メタノール、エタノールが好ましい。有効成分を効率よく抽出できるからである。尚、これらは1種のみ用いても良いし、2種以上併用しても良い。 抽出溶媒として水を使用する場合には、抽出温度20〜100℃、好ましくは40〜70℃程度で行うとよい。これは、抽出温度が低すぎると、有効成分が抽出されにくく、抽出温度が高すぎると桜に含有している、シアン化合物が残留しやすくなり、また、有効成分が分解されやすくなるため、好ましくない。抽出用の水の種類は、特に限定されず、水道水、蒸留水、ミネラル水、アルカリイオン水等を使用することができる。 抽出溶媒として含水アルコールを使用する場合、アルコール濃度20wt%好ましくは25wt%〜50wt%、さらに好ましくは25wt%〜30wt%であることが好ましい。アルコール濃度が20wt%未満の場合、高い抽出量の有効成分を得ることが困難となり、アルコール濃度が50wt%を超えると不純物等の影響で収率が低下するからである。 また、アルコール濃度が30wt%以上の場合、抽出温度は、0〜95℃、好ましくは0〜60℃程度で行うとよい。なお、含水エタノール抽出は、有効成分の含有率を向上させるため、種々の濃度で繰り返すとよい。 また、極性溶媒にて抽出する場合、その抽出方法は特に限定されず、例えば、連続抽出、浸漬抽出、向流抽出等任意の方法を採用することができ、室温ないし還流加熱下において任意の装置を使用することができる。尚、上述した方法にて抽出を行う場合、これらのうちの1つのみを行っても良いし、これらの方法を組み合わせても良い。また、これらの抽出は、1回のみ行っても良いし、2回以上行っても良い。 具体的な方法としては、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、攪拌しながら有効成分を溶出させる。例えば、抽出溶媒として水または含水アルコールを用いる場合には、抽出原料の3〜100倍量程度(重量比)の極性溶媒を使用し、1分〜150時間程度抽出を行う。溶媒中に有効成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣を除くことによって、抽出液を得る。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、高濃度の上記化学式(1)〜(7)等のポリフェノールを含有する抽出物を得る。 なお、精製方法としては、例えば、活性炭処理、樹脂吸着処理、シリカゲル処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配、膜分離等の方法が挙げられる。 更に、超臨界抽出により抽出を行う場合、このときに用いる超臨界流体は特に限定されないが、たとえば、二酸化炭素及び窒素等が挙げられる。尚、これらは1種のみを用いても良いし、2種類以上併用しても良い。また、これらのうち特に二酸化炭素が好ましい。より容易に有効成分を抽出することができるからである。また、このときの抽出方法は、公知の方法にて行えばよい。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、高濃度の上記化学式(1)〜(7)等のポリフェノールを含有する抽出物を得る。 上記化学式(1)〜(7)のポリフェノールを得るための望ましい製法としては、下記工程(a)〜(c)、(a)桜の花および/または葉を20〜50wt%の含水エタノールで抽出する工程(b)前記工程(a)で得られた抽出物を吸着剤に吸着させた後、水で溶出して水溶出部を取り除く工程(c)前記工程(b)に続いて前記抽出物を水溶性溶媒で溶出し、この溶出液を濃縮する工程を含む製造方法を採用するとよい。 このような製法によれば、桜の花および葉から上記化学式(1)〜(7)のポリフェノールを高濃度に含む抽出物を効率よく得ることができる。 前記工程(b)における吸着剤は、イオン交換樹脂、合成吸着樹脂、活性炭、キレート樹脂、シリカゲル、アルミナゲル系吸着剤、多孔質ガラス等の公知の吸着剤を単独で又は組み合わせて用いることができる。好ましくは、多孔性合成吸着樹脂であるダイヤイオンHP−20(三菱化学株製)、セパビーズSP−207(三菱化学株製)等の多孔性合成吸着剤を用いたカラムクロマトグラフィーを用いるとよい。 前記工程(c)水溶性溶媒としては、炭素数1〜5の低級アルコールを用いることができ、特にメタノールおよび/またはエタノールを用いることが好ましい。 本発明のAGE産生抑制剤等は、AGEの産生を効果的に抑制するため、腎症、網膜症などの糖尿病合併症を効果的に予防することができる。 また、更にAGEの産生を抑制することにより特に線維芽細胞内のAGEの産生を抑制することにより、皮膚内のコラーゲン部分同士の架橋化を改善し、皮膚の硬化を防止することができる。 更に、AGEが生成した後における線維芽細胞のアポトーシスを抑制するため、皮膚の弾力性を保持することができ、更にシワやくすみの発生を予防することができる。 また、AGEが生成した後におけるコラーゲン架橋化を改善するため、皮膚の硬化を防止することができる。 本発明のAGE産生抑制剤等は、各種飲食品の素材として使用することができる。飲食品としては、例えば、食用油(サラダ油、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明のAGE産生抑制剤等を適宜配合するとよい。 これら飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができる。さらに、健康維持機能をもった本AGE産生抑制剤等には、他の抗酸化物質や健康食品素材など、例えば、還元型アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンE、還元型グルタチン、トコトリエノール、ビタミンA誘導体、リコピン、β−クリプトキサンチン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、フコキサンチン、尿酸、ユビキノン、コエンザイムQ10、葉酸、ニンニクエキス、アリシン、セサミン、リグナン類、カテキン、イソフラボン、カルコン、タンニン類、フラボノイド類、クマリン、イソクマリン類、ブルーベリーエキス、健康食品素材)V.(ビタミン)A、V.B1、V.B2、V.B6、V.B12、V.C、V.D、V.E、V.P、コリン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸カルシウム、EPA、オリゴ糖、食物繊維、スクアレン、大豆レシチン、タウリン、ドナリエラ、プロテイン、オクタコサノール、DHA、卵黄レシチン、リノール酸、ラクトフェリン、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン、カリウム、ヘム鉄、カキ肉エキス、キトサン、キチンオリゴ糖、コラーゲン、コンドロイチン、エラスチン、ウコン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、シジミエキス、スッポン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、セイヨウ、サンザシ、生姜、霊芝、オオバコ、カミツレ、カモミール、セイヨウタンポポ、ハイビスカス、ハチミツ、ボーレン、ローヤルゼリー、ライム、ラベンダー、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、ビフィズス菌、フェーカリス菌、ラクリス、小麦胚芽油、ゴマ油、シソ油、大豆油、中鎖脂肪酸、アガリクス、イチョウ葉エキス、コンドロイチン、玄米胚芽エキス、レイシ、タマネギ、DHA、EPA、DPA、甜茶、冬虫夏草、ニンニク、蜂の子、パパイヤ、プーアル、プロポリス、メグスリの木、ヤブシタケ、ロイヤルゼリー、ノコギリヤシ、ヒアルロン酸、ギャバ、ハープシールオイル、サメ軟骨、グルコサミン、レシチン、ホスファチジルセリン、田七ニンジン、桑葉、大豆抽出物、エキナセア、エゾウコギ、大麦抽出物、オリーブ葉、オリーブ実、ギムネマ、バナバ、サラシア、ガルシニア、キトサン、セントジョーンズワート、ナツメ、ニンジン、パッションフラワー、ブロッコリー、プラセンタ、ハトムギ、ブドウ種子、ピーナッツ種皮、ビルベリー、ブラックコホシュ、マリアアザミ、月桂樹、セージ、ローズマリー、ラフマ、黒酢、ゴーヤー、マカ、紅花、亜麻、ウーロン茶、花棘、カフェイン、カプサイシン、キシロオリゴ糖、グルコサミン、ソバ、シトラス、食物繊維、プロテイン、プルーン、スピルリナ、大麦若葉、核酸、酵母、椎茸、梅肉、アミノ酸、深海鮫抽出物、ノニ、カキ肉、スッポン、シャンピニオン、オオバコ、アセロラ、パイナップル、バナナ、モモ、アンズ、メロン、イチゴ、ラズベリー、オレンジ、フコイダン、メシマコブ、クランベリー、亜鉛、鉄、シルクペプチド、グリシン、ナイアシン、チェストツリー、セラミド、L−システイン、赤ワイン果汁、ミレット、ホーステール、ビオチン、センテラアジアティカ、ハスカップ、ピクノジェノール、フキ、ルバーブ、クローブ、プーアル、クエン酸、ビール酵母、メリロート、ブラックジンガー、ショウガ、ガジュツ、ナットウキナーゼ、ベニコウジ、トコトリエノール、ラクトフェリン、韃靼ソバ、ココア、ドクダミ、キウイ、ヒハツ、ハスの葉、パフィア、スターフルーツなども配合することができる。 具体的な製法としては、桜抽出物を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥し、これを粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品(インスタント食品等)に含有させることができる。 桜抽出物を、例えば、油脂、エタノール、グリセリンあるいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲料に添加するか、固形食品に添加することが可能である。必要に応じてアラビアガム、デキストリン等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、飲料に添加するか固形食品に添加することも可能である。 本発明のAGE産生抑制剤等を飲食品に適用する場合の添加量としては、病気予防や健康維持が主な目的であるので、飲食品に対して有効成分の含量が合計1〜20wt%以下であるのが好ましい。 本発明のAGE産生抑制剤等は、薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)の素材として用いてもよい。薬品製剤用の原料に、本発明のAGE産生抑制剤等を適宜配合して製造することができる。本発明のAGE産生抑制剤等に配合しうる製剤原料としては、例えば、賦形剤(ブドウ糖、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等)、結合剤(蒸留水、生理食塩水、エタノール水、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(アルギン酸ナトリウム、カンテン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖、アラビアゴム末、ゼラチン、エタノール等)、崩壊抑制剤(白糖、ステアリン、カカオ脂、水素添加油等)、吸収促進剤(第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等)、吸着剤(グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、硅酸等)、滑沢剤(精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。 本発明によるAGE産生抑制剤等の投与方法は、一般的には、錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤、液剤等の形態で経口投与することができるが、非経口投与であってもよい。非経口剤として投与する場合は、溶液の状態、または分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、ハップ剤、ローション剤、軟膏剤、チンキ剤、クリーム剤などの剤形で適用することができる。 投与量は、投与方法、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、大人では、通常、1日当たり有効成分として1〜1000mg、子供では通常0.5〜500mg程度投与することができる。 AGE産生抑制剤等の配合比は、剤型によって適宜変更することが可能であるが、通常、経口または粘膜吸収により投与される場合は約0.3〜15.0wt%、非経口投与による場合は、0.01〜10wt%程度にするとよい。なお、投与量は種々の条件で異なるので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。 本発明のAGE産生抑制剤等を配合しうる皮膚外用材の形態としては、例えば、乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、トリートメント、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。 また、本発明のAGE産生抑制剤等を配合しうる医薬品または医薬部外品の形態としては、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等が挙げられる。 上記形態の皮膚外用剤には、本発明によるAGE産生抑制剤等の他に、そのAGE生成抑制効果を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。 例を以下に羅列するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。 (1)油分の例 エステル系の油相成分:トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアルキル(C12−18)、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。 炭化水素系の油相成分:スクワラン、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。 動植物油とその硬化油、および天然由来のロウ:牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油およびその硬化油、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、カカオ脂、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、シソ油、茶実油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油等の植物油およびその硬化油、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ等のロウ等が挙げられる。 シリコーン系の油相成分:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性シリコーン油、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等が挙げられる。 フッ素系の油相成分:パーフルオロポリエーテル、フッ素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。 (2)高級アルコールの例 ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、2−エチルヘキサノール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。 (3)脂肪酸の例 カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、2−エチルヘキサン酸等が挙げられる。 (4)紫外線吸収剤の例 パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸オクチルジメチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2−エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンソフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2、4、6−トリアニリノ−p−(カルボ−2−エチルヘキシル−1−オキシ)−1、3、5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート、フェニルベンゾイミダゾール硫酸、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、イソプロピルジベンゾイルメタン、4−(3、4−ジメトキシフェニルメチレン)−2、5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル等、およびこれらの高分子誘導体やシラン誘導体等が挙げられる。 (5)粉体・顔料の例 赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号ALレーキ、黄色203号BAレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、デンプン、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の金属セッケン、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。 これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)および粒子径に特に制限はない。なおこれらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属セッケン処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。 (6)界面活性剤の例 アニオン性界向活性剤:脂肪酸セッケン、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。 カチオン性界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。 両性界面活性剤:カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミタゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。 ノニオン性界面活性剤:プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。 天然系界面活性剤:レシチン、サポニン、糖系界面活性剤等が挙げられる。 (7)多価アルコール、糖の例 エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1、3−ブタンジオール、1、3−ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等も使用可能である。(8)高分子の例 アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ、互応化学社製)、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(レジン28−1310、NSC社製)、酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体(28−2930、NSC社製)、メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES、ISP社製)、T−ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(ルビマー、BASF社製)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセットCA、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP、BASF社製)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス、BASF社製)、アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド、BASF社製)、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリラート共重合体(アドバンテージ、ISP社製)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール、BFGoodrich社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレン、BFGoodrich社製)等のアニオン性高分子化合物や、ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー、三菱化学社製)、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER、NSC社製)等の両性高分子化合物、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAFQUAT、ISP社製)、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート、BASF社製)等のカチオン性高分子化合物、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK、BASF社製)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA、BASF社製)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマー937、ISP社製)、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマーVC713、ISP社製)等のノニオン性高分子化合物等がある。 また、セルロースまたはその誘導体、ケラチン及びコラーゲンまたはその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。 (9)生理活性成分の例 生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。これらの好適な配合成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバ−エキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セ−ジエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、イチゴエキス、ヒハツエキス、ハスの葉エキス、パフィアエキス、スターフルーツエキス等を挙げることができる。 また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、加水分解ペプチド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシンなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、フィトスフィンゴシン、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコールチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL−α−トコフェロール、酢酸DL−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタテカン酸グリセリル、L−メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコールチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤などが挙げられる。 (10)酸化防止剤の例 亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、トコフェロール、トリルビグアナイド、ノルジヒドログアヤレチン酸、パラヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、リンゴエキスやチョウジエキスなとの酸化防止効果の認められる植物エキス等が挙げられる。 (11)溶媒の例 精製水、エタノール、低級アルコール、エーテル類、LPG(液化石油ガス)、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎮状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。 以下、本発明の実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明によって得られる組成物のAGE抑制作用等の確認をするために説明するもので、本発明の範囲は、これらの製品および製法に限定されるものではない。[1]桜の抽出物(葉、花)の製造 桜[ヤエザクラ (カンザン), Prunus lannesiana Wils. cv. Sekiyama]の花部を30%(W/W)含水エタノールで1時間抽出(60℃)を行った。その後、ろ過、濃縮を行い、桜の花抽出物(以下、桜花エキスともいう。)を得た(収率5wt%)。同様にして、桜の葉抽出物(以下、桜葉エキスともいう。)を得た(収率4wt%)。これらの桜花エキスおよび桜葉エキスをぞれぞれ実施例1および実施例2とした。[2]桜の花の含有成分の分離 桜花の含有成分の探索の方法を図1に示す。即ち、実施例1の桜花エキス (90.10 g)をHP−20(三菱化学株製) カラムクロマトグラフィー(column chromatography)に付し, 水(H2O)溶出部(62.16 g, 68.99%)、メタノール(MeOH)溶出部(28.21g, 31.31%), およびアセトン(Acetone)溶出部(0.60g,0.67%)を得た。 得られたメタノール(MeOH)溶出部 (26.00 g)を順相シリカゲルクロマトグラフィー(silica-gel column chromatography)、 逆相ODSカラムクロマトグラフィー(column chromatography)およびHPLCを用いて繰り返し分離精製し、3種の既知フェニルプロパノイド配糖体;1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(8.73g,9.6%)、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(22.1mg,0.0245%)、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(21.0mg,0.0233%)、および4種の既知フラボノイド配糖体;ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド (32.6 mg, 0.0361%)、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(86.0 mg, 0.0954%)、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(55.3mg, 0.0613%)、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(66.2 mg, 0.0734%)を単離した(実施例3〜5および実施例6〜9)。 これらの既知化合物については, 文献値の1H-NMR, 13C-NMR, MSスペクトルデータおよび旋光度の比較により同定した。 なお、図1に示されるこれら単離成分の収率(w/w)は実施例1の桜花エキスからの単離収率である。[3]効果確認試験[試験例1:AGE産生抑制作用] 桜花エキスおよびその含有成分並びに桜葉エキスのAGE形成に及ぼす作用について下記の方法で試験を行った。 D-グルコース(10%)とウシ血清アルブミン(fraction 5, 1%) を含有するリン酸緩衝液(pH: 7.4, 900 mL)に,桜花エキス(実施例1)およびその含有成分、並びに桜葉エキス(実施例2)を下記表1に示された濃度で含有するサンプル溶液(100 mL)を添加し,60℃で2日間静置した。反応液を蛍光光度が500付近になるように精製水で希釈し,蛍光光度(測定波長:370 nm, 励起波長:440 nm)を測定した。なお,エキスは精製水で希釈,成分はDMSOに溶解後,最終DMSO濃度が1%になるようにリン酸緩衝液で希釈して使用した。その結果を下記表1に示す。表1において各値は3例の平均値と標準誤差で示した。アスタリスクはサンプル未処理群とのDunnettの多重比較検定による有意差*:p<0.05、**:p<0.01を表す。[試験例1:結果および実施例の効果] 表1によれば、桜花エキス(実施例1)および桜葉エキス(実施例2)のいずれも濃度100〜300(μg/mL)でAGEの生成を抑制していることが確認された。 また、表1に示すように、桜の花の主ポリフェノールである1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(実施例3)は、高濃度(300μg/mL)で30%の阻害活性を示した。類縁化合物で水酸基数の少ない1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド(実施例4)および1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド(実施例5)の阻害活性は減弱した。これに対し、フラボノイド配糖体の活性は総じて強く、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(実施例7)およびケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(実施例9)の活性は、対応するケンフェロール(kaempferol)をアグリコンとする化合物の2倍以上(IC50で)強い活性を示した。[試験例2−1:CML化コラーゲンによる線維芽細胞アポトーシスに対する桜花エキスの抑制作用] 皮膚に生じる 主AGEであるCML化コラーゲン(Carboxymethyl lysine-collagen)は皮膚細胞に障害を与えることが知られている。試験例2−1では、CML化コラーゲンよるヒト線維芽細胞のアポトーシスに対する桜花エキス(実施例1)の作用を下記の方法により検討した。(1)CML化コラーゲンの作製 ウシ皮膚由来コラーゲン(50 mg)に1mM HCl(25 mL)を加え、37℃で必要に応じて揺り動かしながら2時間インキュベートして溶解した。これにPBS(pH7.4, 25 mL)、シアノ水素化ほう素ナトリウム(sodium cyanoborohydride)1.42 gおよびグリオキシル酸(glyoxylic acid)0.9 gを加えて混合し,37℃で24時間反応させた。反応溶液を透析用セル(透析分子量10000)に入れ,水で1日,PBSで6日間透析した。透析物をフリーズドライすることで、CML化コラーゲン21mgを得た。(2)線維芽細胞の培養 正常二倍体線維芽細胞(40歳女性,正常皮膚由来,PDL20)を10%ウシ胎仔血清(FCS),ペニシリン(100 units/mL)およびストレプトマイシン(100 mg/mL)含有培地中で増殖・前培養を行い実験に使用した。(3)CML化コラーゲンによる線維芽細胞アポトーシス誘導試験 線維芽細胞(7×104 cells)を0.5%FCS、ペニシリン(100 units/mL)およびストレプトマイシン(100 mg/mL)含有D-MEM培地にサスペンドし、96-wellプレートに播種(100 mL/well)した。24時間培養後、培地に溶解したCML化コラーゲン溶液(2 mg/mL)およびサンプル溶液を添加(13 mL)し、24時間培養を行った。Normal群には、CML化コラーゲンの代わりにコラーゲンを添加した。(4)細胞生存率およびアポトーシスの測定 細胞生存率はMTTアッセイにより測定した。その結果を表2に示す。また、その際、鏡検による観察も行った。その結果として線維芽細胞(100倍鏡検)のホルマザン生成の様子を図2に示す。アポトーシスはカスパーゼ(caspase)3/7活性を蛍光法で測定することで調べた。その結果を下記表3に示す。なお、表2および3において各値は6例の平均値と標準誤差で示した。アスタリスクはDunnettの多重比較検定による有意差*:p<0.05、**:p<0.01、fはFisher's PLSD検定によるp<0.05を表す。[試験例2−1:結果および実施例の効果](1)細胞生存率 上記表2によれば、Control群の吸光度はnormal群より低く、CML化コラーゲンによる生存率の低下が観察された。鏡検像においても図2に示されるように、細胞内へのホルマザン蓄積の抑制が認められた。この様子からCML化コラーゲンによる線維芽細胞のアポトーシスが惹起されているものと推測された。これに対し、桜花エキス(実施例1)1000 mg/mLを添加した群では,ホルマザン生成の有意な増加が認められた。(2)アポトーシス抑制 上記表3は、表3に示されるようにControl群ではnormal群と比較して,カスパーゼ3/7活性の増加が見られ,CML化コラーゲンによるアポトーシスが惹起されていることが確認された。これに対し,桜花エキス(100 mg/mL以上)を添加した群ではカスパーゼ3/7活性の低下が見られた。300 mg/mL以上ではnormal群より活性が低かったことから桜花エキスはカスパーゼ 3/7の酵素活性や酵素発現を抑制している可能性が示唆された。[試験例2−2:CML化コラーゲンによる線維芽細胞アポトーシスに対する桜花エキス、桜葉エキス及びその含有成分の抑制作用] 試験例2−2では、桜花エキス(実施例1)、桜葉エキス(実施例2)、および桜花エキス(実施例1)に含まれる7種の含有成分:1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(実施例3〜9)について、試験例2−1と同様の方法でCML化コラーゲンによるヒト線維芽細胞のアポトーシスに対する作用を検証した。なお、この試験例2−2では、正常二倍体線維芽細胞としてPDL22-32の細胞を使用した。比較対照として糖化抑制の医薬品である塩酸アミノグアニジンについても同様な方法で試験を行った。結果を下記表4に示す。表4において各値は5例の平均値と標準誤差で示した。アスタリスクはCML化コラーゲンを添加したサンプル未処理群とのDunnettの多重比較検定による有意差*:p<0.05、**:p<0.01を表す。[試験例2−2:結果および実施例の効果] 表4に示されるように、桜花エキス(実施例1)10〜100 mg/mLでカスパーゼ3/7活性の低下が見られた。この結果より,桜花エキス(実施例1)がCML化コラーゲンによるアポトーシスを抑制していることが示唆された。含有成分では試験例1に示したAGE産生抑制試験で強い活性を示したケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド(実施例7)の抑制作用が最も強く、類似化合物のケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド(実施例6)やケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(実施例9)にも強い活性が認められた。しかしながら,ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(実施例8)は比較的活性が弱いものであった。一方,ケイヒ酸誘導体では含有量が最も高い1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(実施例3)が特に強い抑制作用を示した。 このように桜花エキス(実施例1)、桜葉エキス(実施例2)及びその含有成分がCML化コラーゲンによる線維芽細胞のアポトーシスを抑制する理由については、AGE産生抑制作用が関与するものと考えられるが、上記の結果から推察すると、これらの有効成分がAGEであるCML化コラーゲンを分解するブレーカーの機能を果たすと見ることもできる。この点で、本発明のAGE産生抑制剤は、AGE分解・除去剤としても適用しうる。[試験例3:線維芽細胞のコラーゲン格子形成促進作用] 線維芽細胞をコラーゲン溶液存在下で培養すると、コラーゲン格子の形成が認められる。一方で、この系に糖化刺激作用のある中間糖化物(グリオキサール)で糖化した線維芽細胞を添加すると、コラーゲン格子の形成が抑制されることが知られている。試験例3では、糖化したヒト線維芽細胞のコラーゲン格子形成に対する桜花エキスの作用を下記の方法により検討した。(1)線維芽細胞の糖化 新生児由来NB1RGB(継代数22)をD-MEM完全培地にサスペンドし(1.86×104 cells/mL),14 cmディッシュに15 mLずつ播種した。24時間培養後に,各種濃度のサンプルおよびグリオキサール(Glyoxal)を200 mMになるように添加し,5日間培養を行った。(2)コラーゲン格子の形成 ウシ皮膚由来コラーゲン(25 mg)を0.1%酢酸(8.3 mL)に溶解し,10倍濃縮Hanks液(1.66 L)を添加した。これに0.1%酢酸(3.5 mL)をさらに添加し,1M NaOHを滴下して溶液を中和した。この溶液をろ過滅菌して,コラーゲン液とした。 回収した線維芽細胞(5.4×104 cell)をFCS(50μm)にサスペンドした液に対して,コラーゲン450 mLを添加した混液を24穴プレートに播種した。24および48時間培養後,肉眼および顕微鏡による観察を行った。これらのうち、肉眼で観察し、撮影したものを図3、24時間場培養後の顕微鏡写真(100倍)を図4、48時間培養後の顕微鏡写真(200倍)を図5にそれぞれ示した。なお、比較対照として抗糖化剤である塩酸アミノグアニジンについても同様な方法で試験を行った。[試験例3:結果および実施例の効果] 線維芽細胞とコラーゲン溶液を培養した結果,図3に示すようにコラーゲン格子の形成が見られた。図3において白いもやが線維芽細胞の伸展突起とコラーゲン格子である。グリオキサールで処理したcontrolではnormalと比較して、コラーゲン格子の形成量は明らかに減少した。これに対し,桜花エキス(実施例1)100および1000 mg/mLをグリオキサールとともに処理した線維芽細胞を用いたウェルでは、格子形成量の増加が認められた。一方、塩酸グアニジン100 mg/mLで処理した線維芽細胞を用いたウェルでは、controlと比較して格子の形成量の増加は見られなかった。また、24時間培養後の鏡検像(図4)を見ると,normal,controlおよび塩酸グアニジンでは線維芽細胞が球状であるのに対し,桜花エキス(実施例1)100および1000 mg/mLのウェルでは明らかな線維芽細胞の伸展が認められた。また、48時間培養後の200倍に拡大した鏡検像(図5)では、controlで若干の線維芽細胞の伸展が見られたが、桜花エキス(実施例1)100および1000 mg/mLのウェルと比較すると弱いものであった。[試験例4:線維芽細胞内AGE産生抑制作用] 試験例4では、桜花エキス(実施例1)および1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(実施例3)がグリオキサールによる線維芽細胞(ヒト正常二倍体線維芽細胞)内AGE(carboxy methyl lysinタンパク)産生に及ぼす作用を下記の方法により検討した。 ヒト正常二倍体線維芽細胞(継代数30)をD-MEM完全培地にサスペンドし、14 cmディッシュに20 mLずつ播種した。48時間培養後、80%コンフルエントの細胞に各種濃度のサンプルおよびグリオキサールを400 mMになるように添加し,5日間培養を行った。細胞を回収、破砕後、タンパク10 mgについて、抗AGE抗体を用いたウェスタンブロッティング法によりAGEの検出を行った。その結果を図6に示す。なお図6は抗AGE抗体で検出(HRP染色)したものである。図6において「CaGlu」は1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(実施例3)を意味する。[試験例4:結果および実施例の効果] 図6に示されるように、抗AGE抗体を用いたAGEの検出の結果,グリオキサール刺激によりAGE量は増加した(ControlとNonの比較)。これに対し、桜花エキス(実施例1)は10 mg/mLでAGEの生成を強く抑制した。100 mg/mLでは効果は減弱したが抑制作用が見られた。含有成分の1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(CaGlu:実施例3) も1および10 mg/mLでAGEの生成を抑制した。以上の結果から,桜花エキスとその主成分はAGEの生成を抑制することが、細胞レベルで明らかになった。[試験例5:グリオキサール皮内投与によるAGE産生抑制作用] 桜花エキス(実施例1)を各種濃度で継続投与した後、AGEの前駆体であるグリオキサールを皮内投与し、AGE生成に及ぼす作用を調査した。また、この結果をもとに桜花エキス(実施例1)の推奨摂取量を設定した。試験方法は下記の通りである。 マウス(ICR, ♂, 5週齢)に桜花エキス(実施例1)の水溶液(10, 50および100 mg/kg)を1日1回10日間経口投与した。投与後、剃毛した背部皮内にグリオキサール800mMを皮内投与(100mL)した。21時間後に桜花エキス(実施例1)の最終投与を行い、その3時間後にマウスをエーテル麻酔で犠牲にし、グリオキサール投与部位を摘出した。摘出した皮膚を2 mLのlysis buffer (50 mM tris, 150 mM NaCl, 1% Triton X100, pH: 7.2) 中で、ポリトロンホモジナイザーを用いて破砕した。破砕物を遠心分離(1000×g, 7 min)後、上清を回収した。回収した上清は、−20℃で凍結保存した。 解凍した上清のタンパク含量をBCA法で測定後、グルコース由来AGEs測定用ELISAキット(Trans Genic Inc)を用いてAGE含量を測定した。また併せてウェスタンブロッティングによるAGEの検出も行った。結果を表5および図7に示す。[試験例5:結果および実施例の効果] 表5および図7に示すように、桜花エキス(実施例1)は用量依存性は見られなかったが、10〜100mg/kgの経口投与でAGEの生成を抑制することが確認された。また、この結果より、桜花エキス(実施例1)の推奨摂取量は10〜100mg/日となる。[試験例6:CML化コラーゲン皮内投与による真皮細胞のアポトーシス抑制作用] 桜花エキス(実施例1)を各種濃度で継続投与した後、CML化コラーゲンを皮内投与し、線維芽細胞をはじめとする真皮細胞のアポトーシスに及ぼすを調査した。試験方法は下記の通りである。 マウス(ICR, ♂, 5週齢)に桜花エキス(実施例1)の水溶液(10, 50および100 mg/kg)を1日1回10日間経口投与した。投与後、剃毛した後頭部両耳介を結ぶ線と正中線が交差する部分の皮内にCML化コラーゲン (100 mg/100 mL) を皮内投与(100 mL)した。Normal群にはコラーゲンを投与した。21時間後に桜花エキス(実施例1)の最終投与を行い,その3時間後にマウスをエーテル麻酔で犠牲にし、CML化コラーゲン投与部位を摘出した。摘出した皮膚は4%パラホルムアルデヒド液に浸漬固定後、切片をTUNNEL染色した。TUNNEL染色陽性の真皮細胞数は、鏡検(400倍)下で皮膚断面を撮影後、画像処理を行い、紫色から橙色に染色された細胞数をカウントした。真皮の面積は、印刷した画像の真皮部分の断面積をデジタルプラニメーターで測定後、縮尺を乗じて算出した。結果を表6および図8に示す。図8において「▲」矢印に示す部分がTUNNEL染色陽性細胞である。[試験例6:結果および実施例の効果] CML化コラーゲンの投与により,真皮のTUNNEL染色陽性細胞数は増加した。これに対し,桜花エキス(実施例1)は用量依存的にTUNNEL染色陽性細胞数を減少させた。この結果より,桜花エキス(実施例1)はin vivoにおいてもCML化コラーゲンによる真皮の線維芽細胞のアポトーシスを抑制することが判明した。 以下、本発明によるAGE産生抑制剤等として桜花エキス(実施例1)を用いた配合例を示した。但し、これらの配合例により本発明が限定されるものではない。 なお、上記配合例1〜13では、桜花エキス(実施例1)を用いたが、これに代えて桜葉エキス(実施例2)、または上記7種の含有成分:1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド、1-O-(E)-クマロイル-β-D-グルコピラノシド、1-O-(E)-シンナモイル-β-D-グルコピラノシド、ケンフェロール 3-O-β-D-グルコピラノシド、ケルセチン 3-O-β-D-グルコピラノシド、ケンフェロール3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド、ケルセチン 3-O-(6''-マロニル)-β-D-グルコピラノシド(実施例3〜9)のいずれか1種を用いてもよい。桜花エキス(実施例1)、桜葉エキス(実施例2)、および上記7種の含有成分(実施例3〜9)を組み合わせた混合物を配合することももちろん可能である。 以上、説明したように、本発明によれば、AGEの生成を抑制し、また、AGEによる細胞及び細胞間のマトリックスの障害を防ぐことができる。これにより、糖尿病および糖尿病合併症の予防・治療を効果的に行うことができ、さらには皮膚の老化を効果的に抑制することができる。 1-O-(E)-カフェオイル-β-D-グルコピラノシド(1-O-(E)-Caffeoyl-β-D-glucopyranoside)を有効成分として含有するAGE産生抑制剤。


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