生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾールおよび合成方法
出願番号:2014018977
年次:2015
IPC分類:C07D 235/18


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松田 晃和 溝部 昇 池田 雄一 JP 2015145348 公開特許公報(A) 20150813 2014018977 20140204 2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾールおよび合成方法 四国化成工業株式会社 000180302 松田 晃和 溝部 昇 池田 雄一 C07D 235/18 20060101AFI20150717BHJP JPC07D235/18 2 OL 7 本発明は、新規なベンズイミダゾール化合物に関し、より詳細には、2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾールおよび該イミダゾールの合成方法に関するものである。 イミダゾール化合物は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の硬化剤や硬化促進剤として、また、銅の防錆剤や電解質(イオン性液体)としての他、種々の医薬、農薬、染料等の中間原料としても有用な物質である。 本発明に関連する従来技術について、文献を引用して以下に述べる。 特許文献1には、化学式(IV)で示される2−置換ベンズイミダゾール化合物を有効成分とする農園芸用殺菌剤に関する発明が記載されているが、該ベンズイミダゾール化合物が、オルトフェニレンジアミンと安息香酸類との脱水縮合反応により合成される点が開示されている(反応スキーム(A)参照)。 そして、置換基Xがメチル基である場合の合成例として、2−(m−トリル)ベンズイミダゾールと2−(p−トリル)ベンズイミダゾールが挙げられている。(式中、Xはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基またはアミノ基を表し、nは0〜2の整数を表す。) 特許文献2には、化学式(V)で示される複素環式化合物の合成方法に関する発明が記載され、o−アミノ(フェノール、アニリン、チオフェノール)と芳香族ハロゲン化物との、パラジウム触媒縮合に続く脱水環化により、2−アリールベンズ(オキサ、イミダ、チア)ゾールが合成される点が開示されている(反応スキーム(B)参照)。 そして、置換基R1がメチル基の場合の合成例として、2−(4−メチルフェニル)ベンズイミダゾールが挙げられている。(式中、R1およびR2は、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、二置換アミノ、シアノ、クロロ、アリール、アセチル、ニトロ、カルボン酸(およびエステル類のような誘導体類)、スルホンまたはアミドを表し、Xは臭化物またはヨウ化物を表し、nは0〜4の整数を表す。) 本発明の2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾールは、ベンズイミダゾールの2位に、5つのメチル基で置換されたフェニル基が結合した構造を有するが、特許文献1に開示されたベンズイミダゾール化合物の2位に結合したフェニル基は、2つのメチル基によって置換されるに留まり、特許文献2に開示されたベンズイミダゾール化合物の場合においては、4つのメチル基に置換されるに留まっている。 即ち、何れの特許文献においても、本発明の2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾールが開示されているとは云えない。特開昭53−29934号公報特開平4−264074号公報 本発明は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の硬化剤や硬化促進剤、銅の防錆剤や電解質(イオン性液体)、また、種々の医薬、農薬、染料等の中間原料として有用な、新規なベンズイミダゾール化合物および該ベンズイミダゾール化合物の合成方法を提供することを目的とする。 本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、化学式(I)で示される2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾールを合成し得ることを認め、本発明を完成するに至ったものである。 即ち、第1の発明は、化学式(I)で示される2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾールである。 また、第2の発明は、化学式(II)で示されるオルトフェニレンジアミンと、化学式(III)で示されるペンタメチル安息香酸を反応させることを特徴とする前記2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾールの合成方法である。 本発明の2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾールは、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の硬化剤や硬化促進剤としての利用、銅、銀、ニッケル、錫等の金属の防錆剤、電解質(イオン性液体)、プロトン伝導膜やイオン交換樹脂としての利用、また、抗癌剤、抗菌剤、抗ウイルス剤等の医薬中間体、農薬、染料等の中間原料としての利用が期待される。 本発明の2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾールは、前記の化学式(I)で示される物質である。また、本発明の2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾールは、化学式(II)で示されるオルトフェニレンジアミンと、化学式(III)で示されるペンタメチル安息香酸を、酸の存在下において、加熱反応させることにより合成することができる(反応スキーム(C)参照)。 なお、この反応は無溶媒で行うことができるが、所望により溶媒を使用してもよい。 オルトフェニレンジアミンとペンタメチル安息香酸を反応させる際の反応温度は、160〜280℃とすることが好ましく、また、同反応時間は1〜10時間とすることが好ましい。 オルトフェニレンジアミンの使用量(仕込量)は、ペンタメチル安息香酸の使用量(仕込量)に対して、1.0〜1.2倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。 前記の酸は、反応を促進する為に使用され、この酸の例としては、パラトルエンスルホン酸一水和物、ポリリン酸、硫酸等の高沸点を有する強酸を好ましく挙げることができる。 酸の使用量(仕込量)は、ペンタメチル安息香酸の使用量(仕込量)に対して、1.0〜2.0倍モルの範囲における適宜の割合とすればよい。 以下、本発明を実施例に示した合成試験によって具体的に説明するが、合成試験において使用した主原料は、以下のとおりである。[主原料]・オルトフェニレンジアミン:和光純薬工業社製・パラトルエンスルホン酸一水和物:同上・ペンタメチル安息香酸:ブロモペンタメチルベンゼンを原料として、「Synthesis,1974,443.」に記載された方法に準拠して合成した。〔実施例1〕 100mlナスフラスコに、オルトフェニレンジアミン3.71g(34.3mmol)、ペンタメチル安息香酸5.50g(28.6mmol)およびパラトルエンスルホン酸一水和物8.60g(45.2mmol)を投入して、原料混合物を調製した。 この原料混合物を220℃にて6時間撹拌し、その後、室温まで冷却した。 得られた固形物を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液40gと水20mlを使用して順次洗浄し、メタノール40gを使用して再結晶操作を行い、白色結晶2.58g(収率:29%)を得た。 得られた結晶の融点および1H−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。・融点:367.6-371.2℃・1H-NMR(d6-DMSO) δ:12.36(s, 1H),7.65(d, 1H), 7.46(d, 1H), 7.19(m, 2H), 2.27(s, 3H), 2.20(s, 6H), 1.89(s, 6H). また、この結晶のIRスペクトルデータは、図1に示したチャートのとおりであった。 これらのスペクトルデータより、得られた生成物は、前記の化学式(I)で示される2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾールであるものと同定した。実施例1で得られた結晶のIRスペクトルチャートである。 本発明の2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾールは、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の硬化剤や硬化促進剤としての利用、銅、銀、ニッケル、錫等の金属の防錆剤、電解質(イオン性液体)、プロトン伝導膜やイオン交換樹脂としての利用、また、抗癌剤、抗菌剤、抗ウイルス剤等の医薬中間体、農薬、染料等の中間原料としての利用が期待されるので、その産業上の利用可能性は多大である。 化学式(I)で示される2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾール。 化学式(II)で示されるオルトフェニレンジアミンと、化学式(III)で示されるペンタメチル安息香酸を反応させることを特徴とする請求項1記載の2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾールの合成方法。 【課題】 エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の硬化剤や硬化促進剤、銅の防錆剤や電解質(イオン性液体)、また、種々の医薬、農薬、染料等の中間原料として有用な、新規なベンズイミダゾール化合物および該ベンズイミダゾール化合物の合成方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 化学式(I)で示される2−ペンタメチルフェニルベンズイミダゾール。化学式(II)で示されるオルトフェニレンジアミンと、化学式(III)で示されるペンタメチル安息香酸を反応させることにより合成される。 【化1】【選択図】 なし


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