タイトル: | 公開特許公報(A)_有機過酸化物組成物及びこれを用いたビニルモノマーの重合方法 |
出願番号: | 2014010295 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | C07C 409/04,C08F 4/34,C07C 409/16 |
森保 慎吾 盛田 正美 西川 徹 JP 2015137262 公開特許公報(A) 20150730 2014010295 20140123 有機過酸化物組成物及びこれを用いたビニルモノマーの重合方法 日油株式会社 000004341 特許業務法人岡田国際特許事務所 110000394 森保 慎吾 盛田 正美 西川 徹 C07C 409/04 20060101AFI20150703BHJP C08F 4/34 20060101ALI20150703BHJP C07C 409/16 20060101ALI20150703BHJP JPC07C409/04C08F4/34C07C409/16 3 OL 12 4H006 4J015 4H006AA01 4H006AA03 4H006AB40 4J015BA04 4J015BA05 本発明は、有機過酸化物組成物に関する。詳しくは、重合後の残存モノマーが少なく、水酸基を含有し、かつ多分散度が小さいポリマーを得ることができる、重合開始剤として使用可能な有機過酸化物組成物に関する。また、この有機過酸化物組成物を用いたビニルモノマーの重合方法に関する。 近年、環境保全、安全衛生等の観点より、塗料、接着剤、粘着剤、紙加工剤等、各種被覆剤等の分野において無公害化、安全衛生化が強く求められ、各分野で種々の水性化製品が開発されている。これら水性化製品の多くは、種々のビニルモノマー単量体または2種類以上の混合体を乳化重合法により重合したエマルジョンから製造されており、重合開始剤には過硫酸塩が使用されている(例えば、特許文献1)。 しかし、過硫酸塩を使用した乳化重合では、得られたラテックス中に未反応のビニルモノマー(以下、残存モノマーと称する)が残存し、機械的物性値の低下や臭気の残存、環境問題等の問題を引き起こすことがある。そこで、残存モノマーを低減するための技術として、下記特許文献2が提案されている。 特許文献2には、ビニルモノマーの一種であるアクリル酸エステルを乳化重合するにあたって、重合開始剤として水に対する溶解度が500ppm以上の有機過酸化物を使用することで、残存モノマーが少なく臭気の少ないアクリル樹脂ラテックスが得られると開示されている。特公昭55−24476号公報特開平11−35614号公報 しかしながら、特許文献2に開示されている有機過酸化物であるt−ブチルハイドロパーオキサイドを用いて実際に重合評価を行ったところ、残存モノマーの低減には不十分であった。また、t−ブチルハイドロパーオキサイドから生成するt−ブチルパーオキシラジカルは、活性が高いために生成したポリマーから水素を引き抜いてしまい、得られるポリマーの多分散度が大きくなってしまうといった問題があった。 そこで、本発明の目的は、上記問題を考慮し、重合後の残存モノマーが少なく、かつ多分散度が小さいポリマーを得ることができる、重合開始剤として使用可能な有機過酸化物組成物を提供することにある。 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の有機過酸化物を用いることによって、本発明の目的を達成する有機過酸化物組成物を発明するに至った。 すなわち本発明は、下記式1に示す有機過酸化物(A)、下記式2に示す有機過酸化物(B)及び水を含む有機過酸化物組成物である。〔式中、R1は水素又はメチル基〕〔式中R1は水素又はメチル基〕 この有機過酸化物組成物は、好ましくは、前記有機過酸化物(A)が70〜90重量%、前記有機過酸化物(B)が1〜10重量%、残りが水である。なお、本発明において数値範囲を示す「○○〜××」とは、特に明示しない限り「○○以上××以下」を意味する。 また、この有機過酸化物組成物を重合開始剤として用いてビニルモノマーを重合することができる。 本発明によれば、特定の有機過酸化物を含む組成物を重合開始剤に使用することにより、得られるポリマーの物性値の低下や臭気の原因となる残存モノマーを低減することができる。具体的には、本発明の有機過酸化物組成物はハイドロパーオキサイドである有機過酸化物(A)、ジアルキルパーオキサイドである有機過酸化物(B)が含まれている。有機過酸化物(A)は、還元剤を併用することによりレドックス反応による活性ラジカルを生じる。一方、有機過酸化物(B)のようなジアルキルパーオキサイドは、一般に酸化還元電位が小さいことから還元剤によるレドックス反応を起こし難い。したがって、本発明における有機過酸化物組成物を重合開始剤として使用することにより、重合初期から後半にかけては有機過酸化物(A)から生じた活性ラジカルによりポリマーが生成する。重合後半においては、有機過酸化物(B)の熱分解により生じた活性ラジカルにより残存モノマーを低減することが可能となる。 また、従来重合開始剤として使用されている過硫酸塩やt−ブチルハイドロパーオキサイドから生じる活性ラジカルは、酸素中心ラジカルである。この酸素中心ラジカルは極めて活性が高く、生成したポリマー鎖から水素を引き抜く反応が起こり、ポリマーラジカルが生成する。このポリマーラジカルはβ開裂反応による分解や再結合反応による架橋を引き起こすため、多分散度が増大する傾向にある。一方、有機過酸化物(A)や有機過酸化物(B)も過硫酸塩やt−ブチルハイドロパーオキサイドと同様に酸素中心ラジカルを生じる。しかし、これらの酸素ラジカルの多くはβ開裂反応により炭素中心ラジカルへと変化する。炭素中心ラジカルは酸素ラジカルと比較して活性が低く、ポリマー鎖から水素を引き抜く反応が起こり難くなるため、上述したポリマーの分解や架橋が生じず、多分散度の小さいポリマーを得ることが可能となる。 また、本発明によれば、有機過酸化物(A)および有機過酸化物(B)は何れも分子内に水酸基を有している。一般に有機過酸化物を用いた重合では、有機過酸化物から生じた活性ラジカルから重合が進行するため、ポリマーの末端に重合開始剤の一部が導入される。したがって、本発明の有機過酸化物組成物を重合開始剤として使用したポリマーの末端には、重合開始剤由来の水酸基が導入される。水酸基を含むポリマーは、塗料、粘接着剤、ウレタンフォーム、ゲルコート剤、各種成型材料、床材等の用途に用いることができる。<有機過酸化物組成物> 本発明の有機過酸化物組成物は、ハイドロパーオキサイドである下記式1に示す有機過酸化物(A)、ジアルキルパーオキサイドである下記式2に示す有機過酸化物(B)及び水を含む。〔式中、R1は水素又はメチル基〕〔式中R1は水素又はメチル基〕 この有機過酸化物組成物は、種々のビニルモノマーを乳化重合する際の重合開始剤として有効に使用される。有機過酸化物(A)は、還元剤を併用することによりレドックス反応による活性ラジカルを生じる。一方、有機過酸化物(B)のようなジアルキルパーオキサイドは、一般に酸化還元電位が小さいことから還元剤によるレドックス反応を起こし難い。したがって、この有機過酸化物組成物を重合開始剤として使用することにより、重合初期から後半にかけては有機過酸化物(A)から生じた活性ラジカルによりポリマーが生成する。重合後半においては、有機過酸化物(B)の熱分解により生じた活性ラジカルにより残存モノマーを低減することが可能となる。 また、有機過酸化物(A)および有機過酸化物(B)は何れも分子内に水酸基を有している。一般に有機過酸化物を用いた重合では、有機過酸化物から生じた活性ラジカルから重合が進行するため、ポリマーの末端に重合開始剤の一部が導入される。したがって、この有機過酸化物組成物を重合開始剤として使用して得られるポリマーの末端には、重合開始剤由来の水酸基が導入される。水酸基を含むポリマーは、塗料、粘接着剤、ウレタンフォーム、ゲルコート剤、各種成型材料、床材等の用途に用いることができる。例えば、2液型(反応型)の塗料や粘接着剤などにおいて、水酸基を含むポリマーとイソシアネート基を含むポリマーとの反応によりウレタン結合などを形成することにより、3次元的な架橋構造をとることで塗膜の硬化(強度向上)や接着を可能とすることができる。 有機過酸化物組成物中の各成分の含有量は、有機過酸化物(A)が70〜90重量%、有機過酸化物(B)が1〜10重量%であり、残りが水であるのが好ましい。有機過酸化物(A)の含有量が70重量%より少ないと、重合初期から後期にかけてのラジカル生成量が減少するため、残存モノマーが多くなりやすい。90重量%より多いと、有機過酸化物(B)の含有量が相対的に少なくなり、残存モノマーの低減効果が小さくなりやすい。一方、有機過酸化物(B)の含有量は、1重量%以上であれば残存モノマーの低減効果が認められ、10重量%より多く含有してもその効果の更なる向上は期待できないため、10重量%以下に抑えるのが望ましい。<ビニルモノマーの重合方法> 本発明の有機過酸化物組成物を重合開始剤に用いてビニルモノマーを乳化重合するにあたっては、その方法に特に制限はなく従来公知の乳化重合方法が採用される。ビニルモノマーの重合系への添加方法においては、初期に全ビニルモノマーを一括して添加する方法、ビニルモノマーの一部を添加して重合を開始した後残りのビニルモノマーを逐次的にあるいは間欠的に添加する方法、ビニルモノマーと分散安定剤水溶液をあらかじめ乳化しておきそれを添加する方法等が挙げられる。 ビニルモノマーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン類、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩のアクリルアミド系単量体類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物、スチレン、α−メチルスチレン、P−メチルスチレンスルホン酸およびそのナトリウム、カリウム塩等のスチレン系単量体類が挙げられ、これら1種または2種類以上の混合体が使用される。なお、使用されるビニルモノマーは上記に限定されるものではない。 本発明の有機過酸化物組成物の使用量は従来公知の乳化重合用重合開始剤の通常の使用量の範囲で任意に使用することができるが、概ね、上記ビニルモノマー100質量部に対して0.01〜5質量部、好ましくは0.01〜1質量部が良い。 本発明の有機過酸化物組成物を重合開始剤に用いる乳化重合では、この有機過酸化物組成物と共に、還元剤を使用することが好ましい。 還元剤としては、L−アスコルビン酸、ロンガリット、グルコース、ホルマリン、硫酸第一鉄、硫酸銅、重亜硫酸ナトリウム、チオ尿素などが挙げられるが、それらに限定されるものではない。その使用量としては、使用される有機過酸化物組成物と同一モル数が好ましいが、0.2〜2倍モル数の範囲で適宜使用量を加減することができる。 以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中に記載される「部」は、全て質量基準である。 <有機過酸化物組成物の製造>(実施例1−1) 攪拌機を備えた1000ml四つ口フラスコに、60%過酸化水素354.3質量部を加えた後、98%硫酸250.2質量部を加えた。反応容器内を20℃に保ったまま、ヘキシレングリコール295.4質量部を20分かけて滴下し、反応温度を20℃に保ちながら2時間攪拌した。反応終了後、反応容器内に硫酸アンモニウム280質量部を加えて油相と水相を分離した。得られた油相を40%硫酸ナトリウム水溶液で3回洗浄した後、炭酸水素ナトリウムを加えて油相を中和した。硫酸マグネシウムを用いて脱水後、濾過を行うことで、表1に示される組成の有機過酸化物組成物を得た。(実施例1−2〜1−6) 反応に用いた原料の使用量および洗浄に用いた硫酸アンモニウム水溶液の濃度を表1に記載の量に変更した以外は、実施例1−1と同様にして有機過酸化物組成物を得た。(実施例2−1) 反応に用いた原料をヘキシレングリコールからイソプレングリコールに変更した以外は、実施例1−1と同様にして有機過酸化物組成物を得た。(比較例1−1〜1−2) 攪拌機を備えた500ml四つ口フラスコに、実施例1−1で得られた有機過酸化物組成物100質量部を加えた。反応容器内を20℃に保ったまま、10%水酸化ナトリウム水溶液300質量部を加えて有機過酸化物(I)を水相に抽出した。回収した水相を酢酸で中和した後、ジエチルエーテル300質量部を用いて有機過酸化物(I)を油相に抽出した。得られた油相を硫酸マグネシウムで脱水し、ジエチルエーテルを留去した後、所定量の水を加えて、比較例1−1に示す有機過酸化物組成物を調製した。 実施例2−1で得られた有機過酸化物組成物を用いて同様の操作を行い、比較例1−2に示す有機過酸化物組成物を得た。<乳化重合物の製造>(実施例3−1) 攪拌機、原料投入口、窒素吹き込み口を備えた500mlフラスコに、イオン交換水256.7質量部、アニオン製界面活性剤としてラピゾールA−80(日油製)3.9質量部、還元剤としてL−アスコルビン酸(和光純薬製)0.05質量部を混合し、窒素を10ml/min吹き込みながら、300rpm/minで攪拌した。反応容器内を60℃に昇温した後に、アクリル酸ブチル68.8質量部、メタクリル酸メチル10.3質量部、スチレン24.0質量部、アクリル酸6.9質量部および重合開始剤として実施例1−1に示す有機化酸化物組成物0.10質量部を混合したモノマー溶液を4時間かけて滴下し、反応温度を60℃に保ちながら1時間攪拌して乳化重合物を得た。(実施例3−2〜3−3) 重合に使用した重合開始剤および還元剤を表2に記載する添加量に変更した以外は、実施例3−1と同様にして乳化重合物を得た。(実施例3−4、3−5) 重合に使用した還元剤をそれぞれロンガリット、硫酸第一鉄に変更した以外は、実施例3−1と同様にして乳化重合物を得た。(実施例3−6〜3−10、3−11) 重合に使用した重合開始剤を表1に記載の有機過酸化物組成物(実施例1−2〜1−6、2−1)に変更した以外は、実施例3−1と同様にして乳化重合物を得た。(比較例2−1、2−2) 重合に使用した重合開始剤を表1に記載の有機過酸化物組成物(比較例1−1、1−2)に変更した以外は、実施例3−1と同様にして乳化重合物を得た。(比較例2−3) 重合に使用した重合開始剤をt−ブチルハイドロパーオキサイド(日油製、製品名:パーブチルH−69)に変更した以外は、実施例3−1と同様にして乳化重合物を得た。(比較例2−4) 攪拌機、原料投入口、窒素吹き込み口を備えた500mLフラスコに、イオン交換水256.7質量部、アニオン製界面活性剤としてラピゾールA−80(日油製)3.9質量部、重合開始剤として過硫酸カリウム(和光純薬製)0.10質量部を混合し、窒素を10ml/min吹き込みながら、300rpm/minで攪拌した。反応容器内を60℃に昇温した後に、アクリル酸n−ブチル68.8質量部、メタクリル酸メチル10.3質量部、スチレン24.0質量部、アクリル酸6.9質量部を混合したモノマー溶液を4時間かけて滴下し、反応温度を60℃に保ちながら1時間攪拌して乳化重合物を得た。 続いて、上記各実施例および比較例の乳化重合物の各物性を評価し、その結果を表2、表3に示す。なお、各物性の測定方法および評価方法は、次の通りである。<残存モノマー測定> スクリュー管瓶中に乳化重合物を1g入れた後、メタノール10mlを加えポリマーを析出させた。次に、n−ノナン(内部標準物質)0.25gをメタノール50mlで希釈した溶液2mlを加え、0.45μlのメンブランフィルターで濾過した後、測定した。検量線は各モノマーと内部標準物質n−ノナンをメタノールで希釈し3点で求めた。<分析条件>GC :SHIMADZU GC−2014カラム :HR−1、信和化工社製、15m、内径0.53mm、膜厚1.0μmカラム温度:40℃で10分間保持→250℃まで毎分10℃の昇温INJ :100℃DET :250℃<重量平均分子量、数平均分子量、及び多分散度> スクリュー管瓶中に乳化重合物を3g入れた後、メタノール100mlを加えポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾別し、150℃の乾燥機で重量が恒量するまで乾燥した。乾燥したポリマー0.05〜0.08gをスクリュー管瓶に計り取り、テトラヒドロフラン約25mlを加えて完全に溶解させ、0.20μlのメンブランフィルターで濾過した後、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)にて測定した。<分析条件>GPC装置:TOSOH HLC−8320GPCカラム:TOSOH TSKgel Super Multipore Hz−M、15cm、4.6mID、2本カラム温度:40℃展開溶媒:テトラヒドロフラン、0.35ml/min<平均末端水酸基数> JIS-K-1557に準じて求めた水酸基価(KOHmg/g)と上記で測定した数平均分子量の値を元に、次の式より算出した。平均末端水酸基数(個/ポリマー)={(水酸基価/1000)/56.11}/(1/数平均分子量) 表2及び表3に示されるように、実施例3−1〜3−11と比較例2−1及び2−2では、従来の重合開始剤を用いた比較例2−3及び2−4に比べて多分散度の低いポリマーが得られ、重合開始剤に有機過酸化物(A)が含まれることにより、多分散度の低いポリマーが得られることがわかる。更に、比較例2−1,2−2に比べて実施例3−1〜3−11では、残存モノマーが少なく、重合開始剤に有機過酸化物(B)をも含まれることで、残存モノマーを少なくすることができることが明らかとなった。 また、実施例3−1〜3−11で得られたポリマーには、1分子鎖あたり平均0.6〜0.7の水酸基が含まれており、ポリマーの末端に重合開始剤由来の水酸基が導入されることが確認された。 下記式1に示す有機過酸化物(A)、下記式2に示す有機過酸化物(B)及び水を含む有機過酸化物組成物。〔式中、R1は水素又はメチル基〕〔式中R1は水素又はメチル基〕 前記有機過酸化物(A)が70〜90重量%、前記有機過酸化物(B)が1〜10重量%、残りが水である請求項1に記載の有機過酸化物組成物。 請求項1又は請求項2に記載の有機過酸化物組成物を重合開始剤として用いる、ビニルモノマーの重合方法。 【課題】残存モノマーが少なく、多分散度が小さくかつ水酸基を含有するポリマーを得ることができる重合開始剤として利用可能な、有機過酸化物組成物を提供する。【解決手段】下記式1に示す有機過酸化物(A)、下記式2に示す有機過酸化物(B)及び水を含む有機過酸化物組成物を重合開始剤として使用する。【化1】 〔式中、R1は水素又はメチル基〕【化2】〔式中R1は水素又はメチル基〕【選択図】なし