タイトル: | 公開特許公報(A)_CYP3A5の検出方法 |
出願番号: | 2014002263 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | C12Q 1/68,C12N 15/09 |
曽家 義博 JP 2015128399 公開特許公報(A) 20150716 2014002263 20140109 CYP3A5の検出方法 東洋紡株式会社 000003160 曽家 義博 C12Q 1/68 20060101AFI20150619BHJP C12N 15/09 20060101ALN20150619BHJP JPC12Q1/68 AC12N15/00 A 8 OL 17 申請有り 4B024 4B063 4B024AA11 4B024CA04 4B024CA09 4B024CA20 4B024HA12 4B024HA14 4B063QA12 4B063QQ03 4B063QQ42 4B063QR32 4B063QR56 4B063QR62 4B063QS25 4B063QS34 4B063QX02本発明は、薬物代謝酵素CYP3A5遺伝子上の一塩基多型(single nucleotide polymorphism:以下、略して「SNP」という場合がある)を検出する分野に関する。薬物等の化学物質は、人体において、シトクロムP450による触媒作用によって無毒化される。このうち、シトクロムP450のCYP3Aサブファミリーは、既存薬物の半数以上の代謝に関与するといわれる重要な酵素である。CYP3Aサブファミリーには、互いに相同性が高い3つのタンパク質(CYP3A4、CYP3A5、CYP3A7)の存在が知られており、これらのタンパク質は互いに異なった遺伝子にコードされている。成人肝臓に存在するCYP3A4は、主要なCYP3A酵素の一つであり、これまで検査された殆どすべての成人肝臓で検出されている。一方、CYP3A5は、成人肝臓の10〜30%のみで発現しているとの報告があり、その発現には多様性が認められている。CYP3A4とCYP3A5とは、約85%のアミノ酸配列が一致しており、基質となる薬物(化学物質)も一部オーバーラップするが、同じ基質に対する触媒能力などの点において相違が認められる。両酵素が相補的に機能することによって多種多様な薬物の代謝が行われていると考えられている。上記CYP3A酵素の活性には、著しい個体差が認められる。このことは、上記CYP3A酵素により代謝される薬物の有効性および安全性に少なからず影響を及ぼす。最近の研究では、上記CYP3Aの活性が個体間で多様性を有する理由は、遺伝的要因が全体の80%を超えると報告されている。さらに最近、上記CYP3A5酵素の遺伝子上の2つの一塩基多型(SNP)が報告された(非特許文献1)。第1のSNPは、GenBank アクセッション番号AC005020の塩基配列(即ち、上記CYP3A5のゲノムDNA配列)上の22,893番目に存在する一塩基多型である。この22,893番目の多型部位は、遺伝子のイントロン3上に位置し、この位置の塩基がA(アデニン)のアレルと、G(グアニン)のアレルとが存在する。このうち、上記22,893番目の多型部位の塩基がAであるアレルはCYP3A5*1と命名され、GであるアレルはCYP3A5*3と命名されている。第2のSNPは、同アクセッション番号の塩基配列上の30,597番目に存在する一塩基多型である。この30,597番目の多型部位は、遺伝子のエクソン7上に位置し、この位置の塩基がG(グアニン)のアレルと、A(アデニン)のアレルとが存在する。このうち、上記30,597番目の多型部位の塩基がGであるアレルはCYP3A5*1と命名され、AであるアレルはCYP3A5*6と命名されている。上記CYP3A5*3およびCYP3A5*6のアレルは、いずれも、スプライシング異常を引き起こし、フレームシフトによって途中ストップコドンが現れ、正常なCYP3A5タンパク質をつくることができない。従って、例えばCYP3A5*3アレルのホモ接合体では、正常なCYP3A5タンパク質は発現しない。正常なCYP3A5タンパク質の発現には、少なくとも1つのCYP3A5*1アレルが必要である。 上記多型の検出方法としては、様々な種類の解析方法が考案されてきた。これらには、PCR−SSCP(single−strand conformation polymorphism)法、インベーダー法、TaqMan法、一塩基伸長法、PCR−RFLP法等の解析方法がある。これらの解析方法は、単一の一塩基多型を複数の患者において解析する際には有用であるが、検出に要する時間が長くなるといった問題を抱えている。臨床応用を踏まえて単純な検出系でこのような一塩基多型解析を行うためには、多数の試料を迅速かつ簡便に検出可能な一塩基多型解析方法の考案が必要である。Kuehl et al., Nat. Genet. 2001;27:383−391上記論文によれば、上記CYP3A5タンパク質の肝臓および小腸における発現量は、以前の報告よりも遥かに高く、全CYP3A発現量の約50%と報告されているが、CYP3A5の発現量が従来考えられていたよりも高いとすると、CYP3A5の上記2つの一塩基多型は、CYP3Aが関与する薬物代謝における多様性を生む要因の一つになっていることが考えられる。つまり、CYP3A5の上記2つの一塩基多型が、CYP3A酵素の薬物代謝能の個体差を生み、これまで知られていたCYP3A4が代謝酵素とされる薬物の血中濃度がばらつく要因の一つとなっている可能性がある。だとすれば、CYP3A5の上記2つの一塩基多型は、CYP3Aによる薬物代謝の多様性を解明する上で非常に重要な意義を持っている。CYP3A酵素による薬物代謝は薬物代謝において非常に重要な機能であることから、CYP3A5の上記2つの一塩基多型を検出する判定方法は重要である。CYP3A5遺伝子上の上記2つの一塩基多型を検出するための簡便で信頼性の高い判定方法があれば、例えば、1)新薬開発段階における臨床試験での利用、2)薬物代謝異常の原因を調べる検査・診断での利用、3)投与する薬の種類や薬の投与量を決定するための治療段階での利用、といった幅広い利用が期待できる。本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、薬物代謝酵素CYP3A5遺伝子上の一塩基多型の簡便で信頼性の高い判定方法を提供することにある。本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、薬物代謝酵素CYP3A5遺伝子上の一塩基多型のうち、*3アレルに関する多型部位を含む領域を特異的に増幅し得るように設計された一対のプライマーセットを用いることにより、CYP3A5の遺伝多型を検出できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は以下のような構成からなる。[1]試料中のCYP3A5の遺伝多型を検出する方法であって、以下の(A)に示す工程により試料中のCYP3A5*3を検出する手段を含むことを特徴とする、CYP3A5*3の検出方法。(A)(1)配列番号1と95%以上相同な塩基配列で示される核酸配列のうち一部領域を核酸増幅するための核酸プライマーセットであって、以下の(I)または(II)のいずれか1つ以上に該当する核酸プライマーセットを用意する工程。(I)フォワードプライマーが、配列番号2で示される塩基配列からなる核酸プライマーである。(II)リバースプライマーが、配列番号3で示される塩基配列からなる核酸プライマーである。(2)被検核酸および核酸プライマーセットを含む反応液によって、被検核酸を増幅する工程。(3)工程(2)によって得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部と複合体を形成せしめるように設計された核酸プローブとをハイブリダイズさせ複合体を形成せしめる工程。(4)工程(3)で得られた複合体を検出する工程。[2]前記[1]に記載のCYP3A5*3の検出方法において、工程(A)に記載の核酸プローブが、配列番号4に示される核酸配列からなる核酸プローブである、CYP3A5*3の検出方法。[3]前記[1]または[2]に記載のCYP3A5*3の検出方法において、核酸プローブが末端のシトシンのうち少なくとも一つが蛍光色素で標識されている核酸プローブである、CYP3A5*3の検出方法。[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載のCYP3A5*3の検出方法において、核酸増幅を、α型DNAポリメラーゼ、および、α型DNAポリメラーゼを変異させた変異型、のうち1つ以上を含む系で行う、CYP3A5*3の検出方法。[5]配列番号2で示される塩基配列からなるフォワードプライマーと、配列番号3で示される塩基配列からなるリバースプライマーとからなる、プライマーセット。[6]配列番号4で示される塩基配列からなる、CYP3A5*3を検出するためのプローブ。[7]前記[5]に示されるプライマーセットと、前記[6]に示されるプローブとを組み合わせてなる、CYP3A5*3検出用のプライマー・プローブのセット。[8]前記[5]〜[7]のいずれかに記載のプライマーセット、プローブ、または、プライマーセットとプローブとのセットを含む、CYP3A5*3検出キット。本発明によれば、CYP3A5*3を特異的に検出することにより、CYP3A5の遺伝多型を検出することができる。実施例1における融解曲線分析時の蛍光強度変化量を示す。グラフ縦軸は蛍光強度変化量、横軸は温度を示す。(CYP3A5の遺伝子型がヘテロである場合)実施例1における融解曲線分析時の蛍光強度変化量を示す。グラフ縦軸は蛍光強度変化量、横軸は温度を示す。(CYP3A5の遺伝子型がメジャーホモである場合)本発明はCYP3A5*3を検出するためのプライマーセット、前記プライマーセットを用いてCYP3A5*3を検出する方法、および前記方法を実施するためのキットに係る。本発明のCYP3A5*3検出方法は、(1)後述の核酸プライマーセットを用意する工程、(2)被検核酸および前記核酸プライマーセットを含む反応液によって、被検核酸を増幅する工程、(3)工程(2)によって得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部と複合体を形成せしめるように設計された核酸プローブとをハイブリダイズさせ複合体を形成せしめる工程、および、(4)工程(3)で得られた複合体を検出する工程、を含む。[プライマーセット]本発明のCYP3A5*3検出方法で用いる、前記(1)に記載のプライマーセットとしては、配列番号1と95%以上相同な塩基配列で示される核酸配列のうち一部領域を核酸増幅するための核酸プライマーセットであって、以下の(I)または(II)のいずれか1つ以上に該当する核酸プライマーセットが例示される。(I)フォワードプライマーが、配列番号2で示される塩基配列からなる核酸プライマーである。(II)リバースプライマーが、配列番号3で示される塩基配列からなる核酸プライマーである。上記の配列番号2は配列番号1で示される塩基配列の一部分である。また、配列番号3は配列番号1で示される塩基配列の相補配列の一部分である。本発明のプライマーセットは、薬物代謝酵素CYP3A5遺伝子上の一塩基多型のうち、*3アレルに関する多型部位を含む領域を特異的に増幅し得るように設計されている。ここで、上記「*3アレルに関する多型部位」とは、上述のように、GenBankアクセッション番号AC005020の塩基配列(即ち、上記CYP3A5のゲノムDNA配列)上の22,893番目に存在する多型部位を意味する。上記本発明のプライマーセットを用いることによって多型を含む領域を特異的に増幅させることが可能である。[被検核酸]本発明のCYP3A5*3検出方法において、被検核酸を含みうる試料は特に制限されない。例えば、血液、口腔粘膜擦過物などが挙げられる。試料の採取方法、DNAやRNA等の核酸の調製方法等は、制限されず、従来公知の方法が採用できる。血液の場合、pH7.5以上の溶液に1〜10%程度に希釈することで本発明の検出法に供することが可能である。[核酸増幅法] 続いて、試薬に混合されたゲノムDNAを鋳型として、上述のプライマーセットを用いて、PCR等の核酸増幅法によって、検出目的の塩基部位を含む配列を増幅させる。なお、PCR等の条件は、特に制限されず、従来公知の方法により行うことができる。 本発明のCYP3A5*3の検出方法において、核酸の増幅工程に用いられる具体的な核酸増幅方法は特に限定されず、適宜公知の方法を用いることができる。例えば、PCR(Polymerase Chain Reaction)法があげられる。なお、増幅反応の条件は特に制限されず、従来公知の方法により行うことができる。PCR法は、試料核酸、4種類のデオキシヌクレオシド三リン酸、一対のプライマー及び耐熱性DNAポリメラーゼの存在下で、変性、アニーリング、伸長の3工程からなるサイクルを繰り返すことにより、上記一対のプライマーで挟まれる試料核酸の領域を指数関数的に増幅させる方法である。すなわち、変性工程で試料の核酸を変性し、続くアニーリング工程において各プライマーと、それぞれに相補的な一本鎖試料核酸上の領域とをハイブリダイズさせ、続く伸長工程で、各プライマーを起点としてDNAポリメラーゼの働きにより鋳型となる各一本鎖試料核酸に相補的なDNA鎖を伸長させ、二本鎖DNAとする。この1サイクルにより、1本の二本鎖DNAが2本の二本鎖DNAに増幅される。従って、このサイクルをn回繰り返せば、理論上上記一対のプライマーで挟まれた試料DNAの領域は2n倍に増幅される。増幅されたDNA領域は大量に存在するので、電気泳動等の方法により容易に検出できる。よって、遺伝子増幅法を用いれば、従来では検出不可能であった、極めて微量(1分子でも可)の試料核酸をも検出することが可能であり、非常に広く用いられている技術である。増幅反応としては、最初の熱変形工程が80〜100℃で10秒〜15分、繰り返しの熱変形工程が80〜100℃で1〜300秒、アニーリンクが40〜80℃で1〜300秒、伸長反応工程が60〜85℃で1〜300秒程度行い、この繰り返しを30〜70回繰り返すことが好ましい。核酸増幅にPCR法を用いる場合、DNAポリメラーゼには、α型DNAポリメラーゼを用いることが好ましい。その理由を以下に説明する。本発明のCYP3A5*3検出方法において、プローブが含まれる反応系でCYP3A5の核酸配列を増幅する場合、核酸増幅工程中に該核酸プローブが試料のCYP3A5核酸配列またはそれらの増幅産物と結合しうる。核酸増幅工程中にCYP3A5の核酸配列と結合した該核酸プローブは、核酸プライマーとDNAポリメラーゼによる核酸増幅反応を阻害する。Taq DNA PolymeraseなどPolI型のDNAポリメラーゼは5’− 3’エキソヌクレアーゼ活性を持つことが知られている。この活性のため、核酸増幅反応中に鋳型となるCYP3A5核酸配列と結合した核酸がある場合、該結合核酸はエキソヌクレアーゼ活性によって分解されてしまう。このため、反応系中の該核酸プローブが減少し核酸検出工程に問題が生じる可能性がある。従って、PolI型DNAポリメラーゼを用いて本発明を実施することは好ましくない。 他方、KOD DNA polymerase(超好熱始原菌Thermococcus kodakaraensis KOD1由来)、Pfu DNA polymeraseなどα型のDNAポリメラーゼは5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を持たず、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を持つ。従って、α型DNAポリメラーゼを用いれば上記問題を解決できるのみならず、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性により核酸増幅工程において高い正確性が発揮される。 通常、α型DNAポリメラーゼは3’→ 5’エキソヌクレアーゼ活性のため、核酸増幅速度はPolI型酵素と比較して低い傾向がある。しかし、KOD DNA Polymeraseはα型DNAポリメラーゼでありながらDNA合成活性が高く100塩基/秒以上のDNA合成速度を有し伸長効率が優れている。従って、本発明の実施にはα型DNAポリメラーゼの中でも、KOD DNA Polymerase(東洋紡製、商標)を用いることが好ましい。 さらに、α型DNAポリメラーゼを変異させて100塩基/秒以上のデオキシリボ核酸合成速度を達成させた変異型、あるいは、野生型および/または変異型の組み合わせにより当該性能を達成させたDNAポリメラーゼ組成物も、本発明の実施に適したDNAポリメラーゼとして用いることができる。例えば、PrimeSTAR HS DNAポリメラーゼ(タカラバイオ製、登録商標)、PfuTurbo DNAポリメラーゼ(アジレント・テクノロジー)なども利用できる。 また、さらに好適には、増幅反応における非特異的な反応を低減するためα型ポリメラーゼに対する抗体を用いること、または化学修飾により低温におけるポリメラーゼの活性をブロックさせることが望ましい。[プローブと増幅産物との複合体形成]増幅された領域に対し多型領域を含む相補的な配列を有する蛍光標識オリゴヌクレオチドをプローブとして用いることによって、多型部位の塩基に応じた融解曲線解析で特徴的な波形を得ることが可能である。本方法によって*3アレルに関する一塩基多型を簡便かつ信頼性高く検出することができる。上記蛍光標識オリゴヌクレオチドを用いる方法は、Qプローブ法として報告されており一塩基多型の解析にも応用されている。しかし、CYP3A5*3を検出する場合、CYP3A4とCYP3A5の塩基配列は非常に相同性が高いことから、「多型部位を含みかつCYP3A5を特異的に増幅させることが可能であり、しかも、Qプローブ法が応用可能な増幅長を与えるプライマー」を設計することは非常に困難であった。本発明のCYP3A5*3検出方法で用いる、前記(3)に記載のプローブとしては、配列番号4に示される核酸配列からなる核酸プローブが例示される。このプローブ内のシトシンに蛍光色素を標識することにより(例えば、末端のシトシンのうち少なくとも一つを蛍光色素で標識することにより)、Qプローブ法に使用することができる。本発明者らの検討では、CYP3A5*3の検出において、検討に用いた複数のプローブの中で、本法で用いた配列のみが、CYP3A5*3を検出できるものとして唯一使用可能であった。本発明のCYP3A5*3検出方法では、工程(2)において、得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部と複合体を形成せしめるように設計された核酸プローブとをハイブリダイズさせ複合体を形成せしめる。核酸増幅産物を含む試料に核酸プローブを添加するタイミングは、特に制限されず、例えば、前述の核酸増幅反応前、核酸増幅反応途中および核酸増幅反応後のいずれに、増幅反応の反応系に添加してもよい。中でも、増幅反応と、後述の検出反応とを連続的に行うことができるため、増幅反応前に添加することが好ましい。このように核酸増幅反応の前に前記プローブを添加する場合は、例えば、後述のように、その3’末端に、蛍光色素を付加したり、リン酸基を付加したりすることが好ましい。本発明において用いられる標識としては磁性体、電子伝達体、酵素、ビオチン、蛍光物質、ハプテン、抗原、抗体、放射性物質および発光団などがある。磁性体としては、酸化鉄、二酸化クロム、コバルト、フェライトなどが挙げられる。電子伝達体としては、フェロセン、PQQ、レドックス化合物が挙げられる。酵素としては、アルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼなどが挙げられる。蛍光物質としては、例えば,Cy5(登録商標),Cy3(登録商標),FITC,ローダミン,ランタニド蛍光体,テキサスレッド,FAM,JOE,Cal Fluor Red 610(登録商標),Quasar 670(登録商標)、放射性同位体(例えば,32P,35S,3H,14C,125I,131I),高電子密度試薬(例えば金),酵素(例えば,西洋ワサビペルオキシダーゼ,ベータ−ガラクトシダーゼ,ルシフェラーゼ,アルカリホスファターゼ),比色標識(例えば金コロイド),磁気標識(例えば,Dynabeads(商標)),ビオチン,ジゴキシゲニン,または抗血清またはモノクローナル抗体が利用可能なハプテンおよび蛋白質が挙げられる。他の標識としては,それぞれ対応するレセプターまたはオリゴヌクレオチド相補体と複合体を形成しうるリガンドまたはオリゴヌクレオチドが挙げられる。標識は,検出すべき核酸中に直接取り込ませてもよく,または検出すべき核酸にハイブリダイズまたは結合するプローブ(例えばオリゴヌクレオチド)または抗体に結合させてもよい。好ましい検出可能な標識は蛍光標識である。本明細書において用いる場合,“蛍光標識”とは,特定の波長(励起周波数)の光を吸収し,次により長い波長(放射周波数)の光を放出する分子を表す。本明細書において用いる場合,“ドナー蛍光団”との用語は,消光剤成分と近接している場合に,放出エネルギーを消光剤に供与ないし移動させる蛍光団を意味する。消光剤成分にエネルギーを供与した結果,ドナー蛍光団それ自体は,近接して配置された消光剤成分が存在しない場合よりも少ない特定の放出周波数の光を放出する。本明細書において用いる場合,“消光剤成分”との用語は,ドナー蛍光団の近傍に位置して,ドナーにより生成された放出エネルギーを取り込み,エネルギーを熱またはドナーの放出波長より長い波長の光として消散させる分子を意味する。後者の場合,消光剤はアクセプター蛍光団であると考えられる。消光成分は,近接(すなわち衝突)クエンチングにより,または蛍光共鳴エネルギー移動(“FRET”)により作用する。好適な蛍光成分としては,当該技術分野において知られる下記の蛍光団が挙げられる:4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸,アクリジンおよび誘導体(アクリジン,アクリジンイソチオシアネート),Alexa Fluor(登録商標)350,Alexa Fluor(登録商標)488,Alexa Fluor(登録商標)546,Alexa Fluor(登録商標)555,Alexa Fluor(登録商標)568,Alexa Fluor(登録商標)594,Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probe),5−(2’−アミノエチル)アミノナフタレン−1−スルホン酸(EDANS),4−アミノ−N−[3−ビニルスルホニル)フェニル]ナフタルイミド−3,5ジスルホネート(Lucifer Yellow VS),N−(4−アニリノ−1−ナフチル)マレイミド,アントラニルアミド,BODIPY(登録商標)CR−6G,BOPIPY(登録商標)530/550,BODIPY(登録商標)FL,ブリリアントイエロー,クマリンおよび誘導体(クマリン,7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC,クマリン120),7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリン(クマリン151)),Cy2(登録商標),Cy3(登録商標),Cy3.5(登録商標),Cy5(登録商標),Cy5.5(登録商標),シアノシン,4’,6−ジアミニジノ−2−フェニルインドール(DAPI),5’,5”−ジブロモピロガロール−スルホネフタレイン(Bromopyrogallol Red),7−ジエチルアミノ−3−(4’−イソシアナトフェニル)−4−メチルクマリン,ジエチレントリアミン四酢酸,4,4’−ジイソチオシアナトジヒドロ−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸,4,4’−ジイソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸,塩化5−[ジメチルアミノ]ナフタレン−1−スルホニル(DNS,塩化ダンシル),4−(4’−ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL),4−ジメチルアミノフェニルアゾフェニル−4’−イソチオシアネート(DABITC),Eclipse(商標)(Epoch Biosciences Inc.),エオシンおよび誘導体(エオシン,エオシンイソチオシアネート),エリスロシンおよび誘導体(エリスロシンB,エリスロシンイソチオシアネート),エチジウム,フルオレセインおよび誘導体(5−カルボキシフルオレセイン(FAM),5−(4,6−ジクロロトリアジン−2−イル)アミノフルオレセイン(DTAF),2’,7’−ジメトキシ−4’5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(JOE),フルオレセイン,フルオレセインイソチオシアネート(FITC),ヘキサクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(HEX),QFITC(XRITC),テトラクロロフルオレセイン(TET)),フルオレスカミン,IR144,IR1446,マラカイトグリーンイソチオシアネート,4−メチルウンベリフェロン,オルトクレゾールフタレイン,ニトロチロシン,パラローザニリン,フェノールレッド,B−フィコエリスリン,R−フィコエリスリン,o−フタルジアルデヒド,Oregon Green(登録商標),ヨウ化プロピジウム,ピレンおよび誘導体(ピレン,酪酸ピレン,酪酸スクシンイミジル1−ピレン),QSY(登録商標)7,QSY(登録商標)9,QSY(登録商標)21,QSY(登録商標)35(Molecular Probe),リアクティブレッド4(Cibacron(登録商標)ブリリアントレッド3B−A),ローダミンおよび誘導体(6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX),6−カルボキシローダミン(R6G),リサミンローダミンB塩化スルホニル,ローダミン(Rhod),ローダミンB,ローダミン123,ローダミングリーン,ローダミンXイソチオシアネート,スルホローダミンB,スルホローダミン101,スルホローダミン101の塩化スルホニル誘導体(テキサスレッド)),N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA),テトラメチルローダミン,テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC),リボフラビン,ロゾール酸,テルビウムキレート誘導体。適当な消光剤は,特定の蛍光団の蛍光スペクトルに基づいて選択する。有用な消光剤としては,例えば,the Black Hole(商標)消光剤であるBHQ−1,BHQ−2,およびBHQ−3(Biosearch Technologies,Inc.),およびATTOシリーズの消光剤(ATTO540Q,ATTO580Q,およびATTO612Q;Atto−TecGmbH)が挙げられる。検出可能な標識は,核酸中に取り込ませるか,会合させるか,またはコンジュゲートさせることができる。標識は,種々の長さのスペーサーアームにより結合させて,立体傷害または他の有用なまたは望ましい特性に与える影響を低減させることができる(例えば,Mansfield,9 Mol.Cell.Probes 145−156(1995)を参照。)。ハプテンとしては、ビオチン、ジゴキシゲニンなどが挙げられる。放射性物質としては、32P、35Sなどが挙げられる。発光団としては、ルテニウム、エクオリンなどが挙げられる。該標識は、核酸検出反応に影響を与えることがなければなにを用いても良い。また反応に影響がなければオリゴヌクレオチドのどの位置に結合させてもよい。好ましくは、3’末端、5’末端部位である。前記プローブは、核酸増幅産物を含む液体試料に添加してもよいし、溶媒中で核酸増幅産物と混合してもよい。前記溶媒としては、特に制限されず、例えば、Tris−HCl等の緩衝液、KCl、MgCl2、MgSO4、グリセロール、有機溶媒等、従来公知のものがあげられる。反応液の調整の方法としては、具体的には、反応液25μlあたり、オリゴヌクレオチドが0.5〜50pmol、×10の緩衝液が0.5〜50μl、2mMのdNTPで0.5〜50μl、塩類が25mM濃度液で0.1〜30μl、DNAポリメラーゼが0.1〜30ng程度であることが好ましい。[検出方法]検出方法としては、具体例として、単独でシグナルを示し且つハイブリッド形成によりシグナルを示さない標識化プローブ(例えば、グアニン消光プローブ)を使用した場合、一本鎖DNAとプローブとが解離している状態では蛍光を発しているが、温度の降下によりハイブリッドを形成すると、前記蛍光が減少(または消光)する。したがって、例えば、前記反応液の温度を徐々に降下させて、温度下降に伴う蛍光強度の減少を測定すればよい。他方、単独でシグナルを示さず且つハイブリッド形成によりシグナルを示す標識化プローブを使用した場合、一本鎖DNAとプローブとが解離している状態では蛍光を発していないが、温度の降下によりハイブリッドを形成すると、蛍光を発するようになる。したがって、例えば、前記反応液の温度を徐々に降下させて、温度下降に伴う蛍光強度の増加を測定すればよい。前記解離工程における加熱温度は、前記増幅産物が解離できる温度であれば特に制限されないが、例えば、85〜100℃である。加熱時間も特に制限されないが、通常、1秒〜20分であり、好ましくは1秒〜10分である。また、解離した一本鎖DNAと前記標識化プローブとのハイブリダイズは、例えば、前記解離工程の後、前記解離工程における加熱温度を降下させることによって行うことができる。温度条件としては、例えば、35〜50℃である。ハイブリダイズ工程の反応系(反応系)における各組成の体積や濃度は、特に制限されない。具体例としては、前記反応系において、DNAの濃度は、例えば、0.01〜100μmol/Lであり、好ましくは0.1〜10μmol/L、前記標識化プローブの濃度は、例えば、前記DNAに対する添加割合を満たす範囲が好ましく、例えば、0.01〜100μmol/Lであり、好ましくは0.01〜10μmol/Lである。蛍光強度の変動を測定する際の温度範囲は、特に制限されないが、例えば、開始温度が室温〜85℃であり、好ましくは25〜70℃であり、終了温度は、例えば、40〜105℃である。また、温度の上昇速度は、特に制限されないが、例えば、0.05〜20℃/秒であり、好ましくは0.08〜10℃/秒である。 また、本発明においては、目的の塩基部位における遺伝子型の決定のために、前記シグナルの変動を解析してTm(melting temperature)値として決定してもよい。[プライマー、プローブ、検出キット]本発明はまた、上記で説明したCYP3A5*3を検出するための方法において用いるプライマーセット、プローブ、または、該プライマーセットと該プローブとを組合せたセットに関する。本発明はさらに、これらのプライマーセット、プローブ、または、該プライマーセットと該プローブとを組合せたセットを含む、CYP3A5*3検出キットに関する。本発明のキットは、その構成において、プライマーセット、プローブ、または、該プライマーセットと該プローブとを組合せたセットであること以外については特に限定されない。たとえばPCR法など公知の方法において、プライマーおよび/またはプローブとして上記のものを適用すればよい。本明細書で用いられる酵素の活性測定方法について、以下に記す。[DNA合成活性]本発明において、DNA合成活性とは鋳型DNAにアニールされたオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの3’−ヒドロキシル基にデオキシリボヌクレオシド5’−トリホスフェートのα−ホスフェートを共有結合せしめることにより、デオキシリボ核酸にデオキシリボヌクレオシド5’−モノホスフェートを鋳型依存的に導入する反応を触媒する活性をいう。 その活性測定法は、酵素活性が高い場合には、保存緩衝液でサンプルを希釈して測定を行う。本発明では、下記A液25μl、B液およびC液各5μlおよび滅菌水10μlをエッペンドルフチューブに加えて攪拌混合した後、上記酵素液5μlを加えて75℃で10分間反応する。その後、氷冷し、E液50μl、D液100μlを加えて、攪拌後、さらに10分間氷冷する。この液をガラスフィルター(ワットマンGF/Cフィルター)で濾過し、D液及びエタノールで充分洗浄し、フィルターの放射活性を液体シンチレーションカウンター(パッカード社製)で計測し、鋳型DNAへのヌクレオチドの取り込みを測定する。酵素活性の1単位はこの条件下で30分あたり10nモルのヌクレオチドを酸不溶性画分に取り込む酵素量とする。A: 40mM Tris−HCl(pH7.5) 16mM 塩化マグネシウム 15mM ジチオスレイトール 100μg/ml BSAB: 2μg/μl 活性化仔牛胸腺DNAC: 1.5mM dNTP(250cpm/pmol〔3H〕dTTP)D: 20% トリクロロ酢酸(2mMピロリン酸ナトリウム)E: 1μg/μl キャリアーDNA[3’−5’エキソヌクレアーゼ活性] 本発明において、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性とは、DNAの3’末端領域を切除し、5’−モノヌクレオチドを遊離する活性をいう。 その活性測定法は以下のとおりである。50μlの反応液(120mM Tris−HCl(pH8.8 at 25℃), 10mM KCl, 6mM 硫酸アンモニウム,1mM MgCl2, 0.1% Triton X−100, 0.001% BSA,5 μg トリチウムラベルされた大腸菌DNA)を1.5mlのエッペンドルフチューブに分注し、DNAポリメラーゼを加える。75℃で10分間反応させた後、氷冷によって反応を停止し、次にキャリアーとして、0.1%のBSAを50μl加え、さらに10%のトリクロロ酢酸、2%ピロリン酸ナトリウム溶液を100μl加え混合する。氷上で15分放置した後、12,000回転で10分間遠心し沈殿を分離する。上清100μlの放射活性を液体シンチレーションカウンター(パッカード社製)で計測し、酸可溶性画分に遊離したヌクレオチド量を測定する。以下実施例をもって本発明を具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。実施例1 CYP3A5*3の検出[CYP3A5を増幅するオリゴヌクレオチドの合成] パーキンエルマー社製DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号2,3、4に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ2、3、4と示す)を合成した。合成はマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃、一夜実施した。オリゴヌクレオチドの精製はパーキンエルマー社OPCカラムにて実施した。もしくはDNA合成受託会社((株)日本バイオサービス、シグマジェノシス(株)、北海道システムサイエンス、日本遺伝子研究所等)に依頼した。 オリゴ2はセンス鎖であり、オリゴ3がアンチセンス鎖であり組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。オリゴ4はプローブとして使用され、3’末端は蛍光標識される。[CYP3A5*3の検出] PCR法による増幅反応 ヒト血液より抽出したDNA溶液をサンプルとして使用して、下記試薬を添加して、下記条件によりCYP3A5*3を検出した。[試薬] 以下の試薬を含む10μl溶液を調製した。KODplus DNAポリメラーゼ 0.5Uオリゴ2 2pmol、オリゴ3 25 pmol、オリゴ4(3’末端をFITCにより標識) 4pmol、×10緩衝液 1μl、2mM dNTP 1μl、25mM MgSO4 2μl、DNA溶液 100ng[増幅条件]94℃・30秒、97℃・1秒、58℃・3秒、63℃・5秒(50サイクル)40℃・30秒40℃から75℃に温度上昇させながら蛍光検出する。温度上昇速度は0.09℃/秒[融解曲線解析による検出] 融解温度解析の結果、−dF(蛍光強度変化量)/dT(温度変化量)の最も大きな値を示す温度(Tm)は、57℃および61℃付近を示し、その時の蛍光強度変化量は下記の通りであった。結果を表1、図1および図2に示す。 図1および図2のグラフから、CYP3A5*3が存在する場合には、明らかなピークが得られることが確認された。図1で用いた試料と図2で用いた試料とは異なる遺伝子型を有しており、CYP3A5*3のメジャーホモ(図2)とヘテロ(図1)の区別も可能である。実施例2 CYP3A5を検出するオリゴヌクレオチドの合成パーキンエルマー社製DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号2、3、5に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ2、3、5と示す)を合成した。合成はマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃、一夜実施した。オリゴヌクレオチドの精製はパーキンエルマー社OPCカラムにて実施した。もしくはDNA合成受託会社((株)日本バイオサービス、シグマジェノシス(株)、北海道システムサイエンス、日本遺伝子研究所等)に依頼した。 オリゴ2はセンス鎖であり、オリゴ3がアンチセンス鎖であり組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。オリゴ5はプローブとして使用され、3’末端は蛍光標識される。[CYP3A5の検出]PCR法による増幅反応 ヒト血液より抽出したDNA溶液をサンプルとして使用して、下記試薬を添加して、下記条件によりCYP3A5*3を検出した。[試薬] 以下の試薬を含む10μl溶液を調製した。KODplus DNAポリメラーゼ 0.5Uオリゴ2 25pmol、オリゴ3 2 pmol、オリゴ5(3’末端をFITCにより標識) 4pmol、×10緩衝液 1μl、2mM dNTP 1μl、25mM MgSO4 2μl、DNA溶液 100ng[増幅条件]94℃・30秒、97℃・1秒、58℃・3秒、63℃・5秒(50サイクル)40℃・30秒40℃から75℃に温度上昇させながら蛍光検出する。温度上昇速度は0.09℃/秒融解曲線解析による検出CYP3A5のDNAが存在する試料を用いた場合でも、オリゴ5を用いた場合は蛍光強度変化量が得られなかった。実施例3 CYP3A5*3の検出[CYP3A5を検出するオリゴヌクレオチドの合成]パーキンエルマー社製DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号2、3、6に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ2、3、6と示す)を合成した。合成はマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃、一夜実施した。オリゴヌクレオチドの精製はパーキンエルマー社OPCカラムにて実施した。もしくはDNA合成受託会社((株)日本バイオサービス、シグマジェノシス(株)、北海道システムサイエンス、日本遺伝子研究所等)に依頼した。 オリゴ2はセンス鎖であり、オリゴ3がアンチセンス鎖であり組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。オリゴ6はプローブとして使用され、3’末端は蛍光標識される。[CYP3A5の検出]PCR法による増幅反応 ヒト血液より抽出したDNA溶液をサンプルとして使用して、下記試薬を添加して、下記条件によりCYP3A5*3を検出した。[試薬] 以下の試薬を含む10μl溶液を調製した。KODplus DNAポリメラーゼ 0.5Uオリゴ2 2pmol、オリゴ3 25 pmol、オリゴ6(3’末端をFITCにより標識) 4pmol、×10緩衝液 1μl、2mM dNTP 1μl、25mM MgSO4 2μl、DNA溶液 100ng[増幅条件]94℃・30秒、97℃・1秒、58℃・3秒、63℃・5秒(50サイクル)40℃・30秒40℃から75℃に温度上昇させながら蛍光検出する。温度上昇速度は0.09℃/秒融解曲線解析による検出CYP3A5のDNAが存在する試料を用いた場合でも、オリゴ6を用いた場合は蛍光強度変化量が得られなかった。実施例4 ヒト血液希釈試料の検出[CYP3A5*3の検出] PCR法による増幅反応 ヒト血液をpH8.5の緩衝液を用いて50倍に希釈した試料液をサンプルとして使用して、下記試薬を添加して、下記条件によりCYP3A5*3を検出した。[試薬] 以下の試薬を含む10μl溶液を調製した。KODplus DNAポリメラーゼ 0.5Uオリゴ2 2pmol、オリゴ3 25 pmol、オリゴ4(3’末端をFITCにより標識) 4pmol、×10緩衝液 1μl、2mM dNTP 1μl、25mM MgSO4 2μl、ヒト血液50倍希釈試料液 2μL [増幅条件]94℃・30秒、97℃・1秒、58℃・3秒、63℃・5秒(50サイクル)40℃・30秒40℃から75℃に温度上昇させながら蛍光検出する。温度上昇速度は0.09℃/秒[融解曲線解析による検出] 融解温度解析の結果、−dF(蛍光強度変化量)/dT(温度変化量)の最も大きな値を示す温度(Tm)は、57℃および61℃付近を示し、その時の蛍光強度変化量は下記の通りであった。ヒト血液希釈液からも検出は可能であった。本発明をCYP3A5*3の検出に利用することで、薬物代謝酵素CYP3A5の遺伝多型を検出することができる。試料中のCYP3A5の遺伝多型を検出する方法であって、以下の(A)に示す工程により試料中のCYP3A5*3を検出する手段を含むことを特徴とする、CYP3A5*3の検出方法。(A)(1)配列番号1と95%以上相同な塩基配列で示される核酸配列のうち一部領域を核酸増幅するための核酸プライマーセットであって、以下の(I)または(II)のいずれか1つ以上に該当する核酸プライマーセットを用意する工程。(I)フォワードプライマーが、配列番号2で示される塩基配列からなる核酸プライマーである。(II)リバースプライマーが、配列番号3で示される塩基配列からなる核酸プライマーである。(2)被検核酸および核酸プライマーセットを含む反応液によって、被検核酸を増幅する工程。(3)工程(2)によって得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部と複合体を形成せしめるように設計された核酸プローブとをハイブリダイズさせ複合体を形成せしめる工程。(4)工程(3)で得られた複合体を検出する工程。請求項1に記載のCYP3A5*3の検出方法において、工程(A)に記載の核酸プローブが、配列番号4に示される核酸配列からなる核酸プローブである、CYP3A5*3の検出方法。請求項1または2に記載のCYP3A5*3の検出方法において、核酸プローブが末端のシトシンのうち少なくとも一つが蛍光色素で標識されている核酸プローブである、CYP3A5*3の検出方法。請求項1〜3のいずれかに記載のCYP3A5*3の検出方法において、核酸増幅を、α型DNAポリメラーゼ、および、α型DNAポリメラーゼを変異させた変異型、のうち1つ以上を含む系で行う、CYP3A5*3の検出方法。配列番号2で示される塩基配列からなるフォワードプライマーと、配列番号3で示される塩基配列からなるリバースプライマーとからなる、プライマーセット。配列番号4で示される塩基配列からなる、CYP3A5*3を検出するためのプローブ。請求項5に示されるプライマーセットと、請求項6に示されるプローブとを組み合わせてなる、CYP3A5*3検出用のプライマー・プローブのセット。請求項5〜7のいずれかに記載のプライマーセット、プローブ、または、プライマーセットとプローブとのセットを含む、CYP3A5*3検出キット。 【課題】試料中のCYP3A5*3を検出する方法を見出すこと。【解決手段】薬物代謝酵素CYP3A5遺伝子上の一塩基多型のうち、*3アレルに関する多型部位を含む領域を特異的に増幅し得るように設計された一対のプライマーセットを用いることにより、CYP3A5の遺伝多型を検出できる。【選択図】なし配列表