タイトル: | 公表特許公報(A)_圧力−温度スイング吸着法 |
出願番号: | 2013556771 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | B01D 53/04,B01J 20/18,B01J 20/22,B01J 20/20,B01J 20/10,B01J 20/34,B01D 53/02,C10L 3/10,C01B 31/20,C01B 39/46,C07C 9/04,C07C 7/12 |
プリーティ・カマコティ ダニエル・ピー・リータ ハリー・ダブリュー・デックマン ピーター・アイ・ラビコビッチ トーマス・エヌ・アンダーソン JP 2014514136 公表特許公報(A) 20140619 2013556771 20120227 圧力−温度スイング吸着法 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー 390023630 EXXON RESEARCH AND ENGINEERING COMPANY 鮫島 睦 100100158 田村 恭生 100068526 言上 惠一 100138863 吉田 環 100132252 福政 充睦 100138885 プリーティ・カマコティ ダニエル・ピー・リータ ハリー・ダブリュー・デックマン ピーター・アイ・ラビコビッチ トーマス・エヌ・アンダーソン US 61/447,848 20110301 US 61/447,869 20110301 US 61/447,877 20110301 US 61/447,812 20110301 US 61/447,835 20110301 US 61/447,806 20110301 US 61/447,824 20110301 B01D 53/04 20060101AFI20140523BHJP B01J 20/18 20060101ALI20140523BHJP B01J 20/22 20060101ALI20140523BHJP B01J 20/20 20060101ALI20140523BHJP B01J 20/10 20060101ALI20140523BHJP B01J 20/34 20060101ALI20140523BHJP B01D 53/02 20060101ALI20140523BHJP C10L 3/10 20060101ALI20140523BHJP C01B 31/20 20060101ALI20140523BHJP C01B 39/46 20060101ALI20140523BHJP C07C 9/04 20060101ALN20140523BHJP C07C 7/12 20060101ALN20140523BHJP JPB01D53/04 FB01D53/04 BB01J20/18 AB01J20/18 CB01J20/22 AB01J20/20 AB01J20/20 DB01J20/10 AB01J20/34 EB01J20/34 HB01J20/34 AB01J20/34 DB01D53/02 ZC10L3/00 BC01B31/20 BC01B39/46C07C9/04C07C7/12 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN US2012026751 20120227 WO2012118742 20120907 23 20131029 4D012 4G066 4G073 4G146 4H006 4D012BA01 4D012BA02 4D012BA03 4D012CA03 4D012CA20 4D012CB12 4D012CD04 4D012CD07 4D012CE01 4D012CE03 4D012CF03 4D012CF05 4D012CF08 4D012CF10 4D012CG01 4D012CG02 4D012CJ02 4D012CJ04 4D012CJ05 4D012CJ06 4D012CK01 4G066AA04B 4G066AA30B 4G066AA50B 4G066AA61B 4G066AB24B 4G066AD10B 4G066BA20 4G066BA22 4G066BA38 4G066CA24 4G066CA35 4G066DA01 4G066FA37 4G066GA14 4G066GA16 4G066GA31 4G066GA32 4G066GA33 4G066GA37 4G073CZ26 4G073GA01 4G073GA40 4G073UA06 4G073UB39 4G146JA02 4G146JC07 4G146JC08 4G146JC18 4G146JC19 4G146JC27 4G146JD10 4H006AA02 4H006AD17 4H006DA15 本発明は、さらなる輸送または処理のための、吸着されたガス状成分の必要な圧縮をなくすかまたは軽減するために、吸着されたガス状成分を、高圧で吸着床から回収することができる圧力−温度スイング吸着法に関する。 ガス分離は、多くの業界で重要であり、典型的に、混合物における吸着されにくい成分と比べてより吸着されやすい成分を優先的に吸着する吸着剤にガスの混合物を流すことによって行われ得る。より重要なタイプのガス分離技術の1つは、圧力スイング吸着(PSA:pressure swing adsorption)などのスイング吸着である。PSA法は、加圧下で、ガスが、微孔質吸着剤材料の細孔構造内またはポリマー材料の自由体積内に吸着される傾向があることに依存する。圧力が高いほど、標的ガス成分が吸着される量が多くなる。圧力が低下されると、吸着された標的成分は、放出されるか、または脱着される。異なるガスが、吸着剤の微細孔または自由体積を異なる程度に充填する傾向があるため、PSA法を用いて、ガス混合物のガスを分離することができる。 別の重要なガス分離技術は、温度スイング吸着(TSA:temperature swing adsorption)である。TSA法も、加圧下で、ガスが、微孔質吸着剤材料の細孔構造内またはポリマー材料の自由体積内に吸着される傾向があることに依存する。吸着剤の温度が上昇されると、吸着されたガスは、放出されるか、または脱着される。吸着床の温度を周期的に変化させることによって、ガス混合物中の成分の1つ以上に対して選択的な吸着剤とともに使用される場合、TSA法を用いて、混合物中のガスを分離することができる。 再生サイクルのために吸着剤に熱を供給する様々な方法が提案されてきた。これらとしては、マイクロ波エネルギー(特許文献1)、吸着器の充填された吸着床の内部の電熱器の設置(特許文献2)および電気的脱着のための吸着器への電流の直接の印加(特許文献3)が挙げられる。しかしながら、従来のTSA法の多くは、多くの場合、12時間もの長さのかなり長いサイクル時間を有し、これにより、システムの全体の吸着および処理能力が低下する。 従来どおりに実施されるTSAには、いくつかの欠点がある。例えば、直接加熱されるTSA法では、高温の流体が、典型的に、吸着剤温度を上昇させるために吸着床に通過される。温度上昇が大きくなるほど、より多くの流体が必要とされる。この際、脱着された不純物は、結局、大量の加熱流体中に分散され、吸着剤温度を上昇させるのに使用される大量の熱は、回収できないことが多い。場合によっては、多くの直接加熱されるTSAシステムが、長い吸着時間(日数)およびそれよりはるかに短い再生時間で操作されるため、熱は回収されない。また、随時および徐々に行われる吸着および再生サイクルにより、下流の設備における濃度および流量の変動が生じ、これは、本来は定常状態の処理プラントで管理することが困難であり得る。吸着床の不適切または不十分な再生が、吸着法からの生成物流の全体的な純度にもかなり影響を与え得る。TSA法の熱管理および周期性は、システム全体の能力および生成物の純度にも影響を与える。米国特許第4,312,641号明細書米国特許第4,269,611号明細書米国特許第4,094,652号明細書 したがって、特に、温度スイング吸着法に関して、これらの問題の少なくともいくつかを克服できるとともに、より速いサイクル時間を有し、より高いシステム能力をもたらす一方で、最終的な生成物流純度を維持し、または向上させる温度スイング吸着法が、当該技術分野において必要とされている。 本発明によれば、ガス混合物から標的ガス成分を分離するための方法であって: a)前記標的ガス成分を含有するガス混合物を、前記標的ガス成分を吸着するのに選択的な吸着床の原料投入端部に導入することによって、それを吸着工程に送る工程であって、 吸着床が、原料投入端部および生成物排出端部を有し、吸着床が、第1の圧力および第1の温度で操作され、前記標的ガス成分が、吸着床によって吸着され、標的ガス成分が減少されたガス状生成物が、前記吸着床の生成物排出端部を出る工程; b)前記標的ガス成分の破過(又は破過点)が、前記吸着床の生成物排出端部に達する前に、前記吸着床への前記ガス混合物の導入を停止する工程; c)前記吸着床の原料投入端部を密閉(又はシール)する工程; d)密閉された吸着床を、前記第1の温度より高い第2の温度まで加熱し、前記標的ガス成分の少なくとも一部を前記吸着床から脱着させ、それによって、前記標的ガス成分の圧力を上昇させる工程; e)前記標的ガス成分の少なくとも第1の部分を、工程d)の加熱の開始時の圧力より高い第2の圧力で回収する工程; f)吸着床の圧力を、前記第2の圧力より低い第3の圧力になるまで低下させ、標的ガス成分の第2の部分を回収する工程; g)原料端部で、前記吸着床の少なくとも一部を、工程d)の前記第2の温度より低い第3の温度になるまで冷却する工程;及び h)前記吸着床を次の吸着サイクルのために再加圧する工程を含む方法が提供される。 さらに、以下の文献が、本出願に関するものとして、およびそれらの関連する開示内容のために、全体が参照により本明細書に援用される:それぞれ2011年3月1日に出願された、米国仮特許出願第61/447,806号明細書、同第61/447,812号明細書、同第61/447,824号明細書、同第61/447,835号明細書、同第61/447,848号明細書、同第61/447,869号明細書、および同第61/447,877号明細書、ならびにそれらに対する優先権を主張して出願された7つの米国非仮特許出願。さらに、以下の文献が、本出願に関するものとして、およびそれらの関連する開示内容のために、全体が参照により本明細書に援用される:それぞれ2011年3月1日に出願された、米国仮特許出願第61/448,117号明細書、同第61/448,120号明細書、同第61/448,121号明細書、同第61/448,123号明細書、および同第61/448,125号明細書、2012年2月3日に出願された同第61/594,824号明細書、およびこれと同日に出願されたRobert F.Tammera et al.による「Apparatus and Systems having a Rotary Valve Assembly and Swing Adsorption Processes Related Thereto」という発明の名称の出願、ならびにそれらに対する優先権を主張する任意のPCT出願および米国非仮特許出願。 本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲の中の全ての数値は、表示値が「約(about)」または「約(approximately)」によって修飾され、当業者によって予測されるであろう実験誤差および変動を考慮に入れている。 本発明は、圧力および温度スイング吸着(PTSA:pressure and temperature swing adsorption)の組合せによって、標的種を含有するガス混合物から標的種(例えば、「標的ガス」または「標的ガス成分」)を捕捉する分離のための方法に関する。吸着床の再生は、後続の下流の処理設備のために十分に高い圧力を維持しながら、例えば外部手段によって、吸着床の温度を上昇させることによって、優先的に吸着される成分の脱着を可能にする条件によって促進され得る。例えば、下流の処理のための再加圧のコストを削減するために、高圧で成分を回収するのが望ましいことが多い。このような圧力は、40バール超であり得、その場合、入口の原料流流量は、108SCFD超である。 大規模な高速サイクルTSAユニットの従来技術は、大規模なPSAユニットと比べてあまり進んでいない。大規模な商業用のTSAは、典型的に、非常に遅いサイクルを有し(約10時間/サイクル程度)、典型的に、内部加熱される。内部加熱される温度スイング吸着法において吸着剤接触器を加熱するのに使用されるガスまたは流体は、吸着剤材料と直接接触し得る。したがって、ガス/流体は、一般に、吸着工程中に供給ガスと同じ流路に通され得るため、吸着剤材料と直接接触し得る。本発明の好ましい実施形態は、吸着床/接触器への圧力も変動し得る外部加熱される吸着法(すなわち、PTSAとも呼ばれる組合せPSA/TSA法)も含み得る。外部加熱される温度スイング吸着法は、接触器を加熱し、冷却するのに使用される流体を搬送するための別個の組の流路を有する吸着剤接触器を用い得る。接触器内の冷却および加熱流体を搬送するための流路の組は、接触器を加熱/冷却するのに使用される液体またはガスが供給ガスと流体接触していた吸着剤材料との接触を避け得るように密閉され得る。 好ましい実施形態において、本発明のPTSA法は、原料混合物の優先的に吸着される成分(標的種)が、吸着床の吸着剤によって吸着され得る一方、処理圧力で、吸着床の生成物端部で、優先的に吸着されない成分を回収する吸着工程を含み得る。処理圧力は、接触器の出口端部における圧力を表し、好ましくは、供給圧力より8bara以下低く(吸着床の入口、すなわち、接触器の入口端部で測定した際に)、例えば、4bara以下低くまたは1bara以下低くなるように管理され得る。本発明の吸着工程は、−195℃〜300℃、好ましくは20℃〜150℃または30℃〜120℃の第1の温度で行われ得る。吸着工程中の全供給圧力は、1bara〜600bara、例えば、2bara〜200baraまたは10bara〜150baraの範囲であり得る。吸着工程中の吸着の熱による温度上昇を管理するのが好ましいことがある。したがって、本明細書のシステムは、吸着の熱が、吸着される分子のモル当たり5〜150klの範囲であるように設計され得る。吸着の熱を管理するための一方法は、熱質量を吸着床に組み込んで、吸着工程中に温度上昇が生じるのを軽減することであり得る。それに加えてまたはその代わりに、吸着の熱による温度上昇は、冷却流体を、吸着床の外部の通路(すなわち、接触器を加熱し、冷却するのに使用される通路)に通して流すことなどによって、様々な方法で管理され得る。 それに加えてまたはその代わりに、吸着床の外部の通路には、吸着法の間に流動しない流体を充填することができる。この場合、流体の熱容量は、吸着床の温度上昇を軽減するのに役立ち得る。これらの熱管理手法のいくつかまたは全ての組合せを用いることができる。この工程中、これらの熱管理手法を用いても、床の最終温度は、典型的に、供給入口温度よりわずかに高いことがある。好ましくは、吸着および冷却の程度が、接触器内の任意の箇所における最高温度上昇が40℃未満、例えば、20℃未満、10℃未満、または5℃未満であり得るように管理され得る。吸着中、吸着性の最も強い成分が、吸着剤に最も強く付着する傾向があり得るため、最も移動性が低くなり得る。したがって、このような吸着性の最も強い成分は、吸着剤における入口に最も近い領域を占める傾向があり得、一般に、それらの領域から弱く吸着される成分を追い出し得る。 吸着の期間にわたって、吸着質は、接触器の吸着流路の入口から出口まで移動しながら、吸着性の最も強いものから最も弱いものへと自然に整列する傾向があり得る。好ましい実施形態において、供給ガス速度は、比較的急な濃度のフロントが、接触器を通って移動するように、すなわち、吸着質の勾配の振幅を考慮に入れて、吸着質の濃度勾配が比較的短い距離におよぶように選択され得る。 吸着工程は、吸着フロントが吸着床の生成物排出端部を通り抜ける前の所定の時点で停止され得る。特定の好ましい実施形態において、吸着工程を停止する前に、吸着フロントは、床の距離の少なくとも30%、例えば、少なくとも50%または少なくとも80%を移動し得る。それに加えてまたはその代わりに、吸着工程は、供給流量および吸着剤容量によって設定される一定期間にわたって行われ得る。さらにそれに加えてまたはその代わりに、吸着工程は、600秒未満、好ましくは120秒未満、例えば、40秒未満または10秒未満の時間にわたって行われ得る。場合によっては、吸着フロントは、短い持続時間(例えば、数秒以下)の間のみ、排出端部を通り抜けることができるが、通常、吸着フロントが通り抜けられないのが好ましく、それにより、床の利用が最大化され得る。 「破過(又は破過点)」という用語は、吸着床を出る生成ガスが汚染物質成分の標的規格を超える時点と本明細書において定義される。破過点では、吸着床は、「使用済み」とみなされ得るため、単独の使用済み吸着床を通るさらなる実質的な操作は、規格外の生成ガスを生成するであろう。本明細書において使用される際、「破過」は、一般に、「吸着フロント」と一致することができ、すなわち、破過が吸着床の出口で検出される時点で、吸着フロントは、一般に、吸着床の端部に位置する。 吸着工程の後、接触器中の供給ガス流路は、接触器中で吸着された分子の40%未満(例えば、20%未満または10%未満)が脱着するような圧力まで任意に減圧され得る。この圧力は、典型的に、原料中の選択的に吸着される種の逸散の合計より大きくてもよい。 その際、吸着床の原料投入端部は、ガスの通路に対して密閉され得、熱が、吸着床に外部から加えられ得る。「外部加熱される」とは、標的ガス成分が中に脱着されることになる、供給ガス混合物が流れた流路を通って熱が吸着床に直接加えられないことを意味する。熱は、吸着剤の供給ガス流路と、熱連通しているが、流体連通されていない複数の加熱/冷却流路を通して吸着床に供給され得るのが好ましい。吸着床は、供給ガス混合物の流れに対してその長さに沿って並流または向流的に、あるいは並流および向流加熱工程の組合せで、外部加熱され得る。加熱および冷却流体を運ぶことになる流路は、熱伝達を促進するために吸着床と物理的に接触し得るのが好ましい。吸着床は、吸着工程中に使用される第1の温度より高い第2の温度まで加熱され得、第2の温度は、好ましくは、第1の温度より少なくとも10℃高く、例えば、少なくとも20℃高く、少なくとも40℃高く、または少なくとも90℃高く;それに加えてまたはその代わりに、第2の温度は、10℃〜300℃、例えば、20℃〜200℃または40℃〜120℃であり得る。 加熱工程中、流路におけるガス圧力は、上昇する傾向があり得る。床の生成物端部における再生を向上させるために、加熱工程中、床は、吸着床のクリーンな端部(生成物端部)から生成物の回収の箇所へと、クリーンガス、例えば、クリーンな生成ガスでゆっくりとパージされ得るのが有利である。パージは、吸着床における圧力より高い圧力で導入され得る。導入されるパージガスのモルの総数は、接触器中で吸着される分子のモル数より低く、例えば、吸着されるモル数の25%未満または10%未満であるのが好ましいことがある。吸着フロントが破過するのを防ぐことによって、床の生成物端部は、強く吸着される種を実質的に含まないように保たれ得、主に生成物種を含有し得るのが有利である。吸着された標的成分の等温線は、より高い温度で新たな負荷を伴う、平衡状態での優先的に吸着される成分の分圧を決定し得る。この分圧は、場合によっては、供給圧力より40%超高く、または70%以上もの高さであり得る。回収される顕熱に加えてまたはその代わりに、少量の追加の熱が、最終的な所定の温度になるまで床を加熱するのに必要とされ得る。等温線は、化学吸着および物理吸着プロセスの両方についての負荷の量(吸着剤のグラム当たりの吸着される種のmmol)を表し得る。理論によって制約されるものではないが、本発明は、温度の上昇とともに負荷(すなわち、mmol/グラム)が減少するため、効果的であり得る。 熱が吸着工程から再生工程へと移行するにつれて、再生工程から吸着工程へと移行する際、再生工程の少なくとも一部で、および/または吸着工程の少なくとも一部で、外部加熱は、熱波が熱を接触器に通すのに使用されるように行われ得る。同様に、冷却工程に熱波を用いるのが好ましいことがある。温度スイング吸着における熱波の使用が、参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2008/0314245号明細書に詳細に開示されている。熱波は、熱スイング吸着/脱着サイクルの少なくとも1つの工程中、直線的に(すなわち、ほぼ、接触器内の単一の方向で)移動し得る比較的鋭い温度勾配、またはフロントである。熱フロント(すなわち、鋭い温度勾配がある領域)が移動し得る速度は、熱波速度と呼ばれる。熱波速度は、一定である必要がなく、熱波方向は、吸着および再生工程の両方で同じである必要がない。例えば、熱波は、吸着および/または再生工程において、並流的に、向流的に、または直交流で移動し得る。再生工程において著しい熱波が存在する一方、吸着工程において著しい熱波が存在しない方法を設計することも可能である。熱スイング吸着/再生サイクルの少なくとも一部に熱波が存在すると、システム全体が、吸着床を温度−スウィングするのに必要とされる熱を実質的に回復および回収するという目的を達成することが可能になる。ひいては、これにより、プロセス効率が向上され得、および/またはTSA運転について通常考えられないであろう高い脱着温度の使用が可能になる。 本発明の好ましい実施形態において、接触器は、熱波を生成し得るように吸着剤と組み合わされて熱交換構造になる。熱波吸着(TWA:Thermal Wave Adsorption)では、吸着剤は、1つの組の熱交換器流路に入れられ得る一方、他の組の流路は、吸着剤デバイス中に熱を取り入れるか、および/または吸着剤デバイスから熱を取り出すのに使用され得る。吸着剤および加熱/冷却流路に流れ込む流体および/またはガスは、一般に、互いに接触しない。好ましくは、加熱/熱除去流路は、サイクルにおける加熱および冷却工程の際の、吸着剤中のおよび加熱および冷却流体中の比較的鋭い温度波を生成するように設計され、操作され得る。比較的鋭い熱波を生成し得る接触器の一例は、本発明に係る接触器である。 このような接触器中の熱波は、加熱および冷却流体が吸着工程における原料流の方向に流される並流または向流である場合、生成され得る。多くの場合、吸着工程中の加熱または冷却流体の大きな流れを有さないのが好ましいことがある。熱波吸着(TWA)および他の適切な接触器構造のより総合的な説明が、例えば、参照により本明細書に援用される米国特許第7,938,886号明細書に見出される。この参照文献は、熱波の鋭さ(sharpness)および性質を制御するために接触器を設計し、操作する方法を示す。主な操作パラメータには、接触器中の流体速度が含まれ得る。主な設計パラメータには、接触器の質量ならびに接触器を形成するのに使用される材料および伝熱流体の熱容量および熱伝導性が含まれ得る。接触器のさらなる主な設計目標は、熱が伝達されるべき距離を減少させ/最小限に抑えるための1つ以上の方法を見出すことであり得、そのため、比較的鋭い熱波が望ましいことがある。 好ましい実施形態において、加熱工程中、流体が生成される接触器の端部より10℃以下だけ高い温度における流体の体積は、加熱のために接触器中に導入される流体の体積の少なくとも25%(例えば、少なくとも50%または少なくとも75%)を表し得る。同様に、本発明が、熱波を得るように操作される場合、冷却工程中、低温の流体(加圧水など)が接触器に流れ込むことができ、回収工程の終了時の接触器の温度に近い高温の流体が、接触器から流れ出ることができるのが好ましいことがある。回収工程のほとんどは、一般に、接触器が加熱された後に行われ得る。ここで、それに加えてまたはその代わりに、冷却工程中、流体が生成される接触器の端部より10℃以下低い温度における流体の体積は、冷却のために接触器中に導入される流体の体積の少なくとも25%(例えば、少なくとも50%または少なくとも75%)を表し得る。 本発明に係る装置中で熱波を効率的に用いるための一方法は、熱回収のためのものであり得る。回収されたエネルギーは、接触器の加熱および冷却のためのエネルギー必要量を減少させるために、連続方法に必要とされる複数の接触器の異なる接触器のために、および/または任意の他の目的のために使用され得る。より具体的には、冷却工程中に接触器を出る高温流に含まれるエネルギーを用いて、加熱工程中に供給されるべきエネルギーを減少させることができる。同様に、加熱工程中に接触器を出る低温流を用いて、冷却工程中に接触器に供給される低温流体に供給されるべきエネルギーを減少させることができる。エネルギーを回収するための多くの方法がある。例えば、1つの接触器から流れ出る高温の熱流体は、間に中間加熱(trim heating)を伴う別の接触器に送ることができ、および/または1つの接触器から流れ出る低温の流体は、間に中間の冷却(trim cooling)を伴う別の接触器に送ることができる。接触器間の熱流体流路は、全スイング吸着サイクルにおける適切な時点で接触器間で熱流体の経路を決定するようにタイミングを合わされた弁によって決定され得る。熱流体が接触器間で流れる実施形態において、熱流体はまた、流れる熱流体から熱を加えるかまたは除去する熱交換器を通過してもよく、および/または熱流体が接触器を通る所望の速度で流れることができるように熱流体を加圧する、圧縮機、ポンプ、および/または送風機などのデバイスを通過してもよい。蓄熱媒体が、1つの接触器を通って移動する熱波からのエネルギーが蓄積され得るように構成され得る。非限定的な例は、高温および低温流体を別々に保存するタンクシステムであり、これらの流体はそれぞれ、それを生成した接触器中におよび/または別の接触器に送り戻すことができる。多くの実施形態において、接触器を通る熱流体の流れが、接触器を通る流体の一般的な流れの方向における流体の混合を最小限に抑えるように、および温度波の鋭さに対する流体の熱伝導性の影響を最小限に抑えるように構成され得る。 エネルギーが回収される場合、回収されたエネルギーが、接触器を加熱および冷却するために供給されるべき顕熱の量を減少させるのに使用されるのが好ましいことがある。顕熱は、接触器の熱容量および温度上昇(または低下)によって決定される。いくつかの好ましい実施形態において、接触器を加熱するのに必要とされる顕熱の少なくとも60%(例えば、少なくとも80%または少なくとも95%)が回収され、および/または接触器を冷却するのに必要とされる顕熱の少なくとも60%(例えば、少なくとも80%または少なくとも95%)が回収される。 部分的に密閉された吸着床の外部加熱により、標的種の少なくとも一部が、吸着床から脱着される。それにより、得られる標的種成分流の圧力の上昇も得られ、これは、本発明の目的のために望ましい。脱着される標的種成分の少なくとも一部が、加熱工程の開始時の圧力より高い圧力で回収されるのが好ましい。すなわち、標的ガスの回収は、吸着床の最小限の減圧でまたは減圧なしで、加熱工程の終わり頃に行われるのが好ましい。圧力が、加熱工程の開始時の圧力より少なくとも2バール、より好ましくは少なくとも5バール高いのが好ましい。 次に、吸着床における圧力を、好ましくは並流または向流中での一連の排出工程で低下させ、パージガス流を用いてまたは用いずに、最終的な標的ガス回収圧力になるまで行うことができる。圧力の低下は、好ましくは、8工程未満、例えば、4工程未満で行うことができ、標的種が、各工程において回収される。好ましい一実施形態において、圧力は、各工程において約3分の1だけ低下される。減圧は、向流的に行われ、減圧工程中、パージガスが、吸着床を介して(生成物端部から原料端部へと)通される向流であることも好ましい。パージガスは、いわゆる「クリーンガス」であることも好ましい。「クリーンガス」とは、標的ガス成分を実質的に含まないガスを意味する。例えば、標的ガスが酸性ガスである場合、クリーンガスは、H2SおよびCO2などの酸性ガスを実質的に含まない流れであろう。好ましい実施形態において、クリーンガスは、H2SおよびCO2を合わせて5モル%未満、さらにより好ましくはH2SおよびCO2を合わせて1モル%未満含有するであろう。好ましいクリーンガスの一例は、生成ガス自体であり得る。本発明が、天然ガス流からの酸性ガスの除去に用いられる場合、好ましい実施形態において、「クリーンガス」は、炭化水素生成物流の少なくとも1つを含み、別の好ましい実施形態において、C3−炭化水素を含み、最も好ましい実施形態において、メタンを含む。他の好ましい実施形態において、別の「クリーンガス」が使用され得る。これらの実施形態の1つにおいて、「クリーンガス」は、窒素を含む。 好ましい実施形態において、吸着工程以外の任意の工程において、クリーンガスは、床の端部が確実に標的種を実質的に含まないように、吸着床を通って向流的に送られる。より好ましい実施形態において、クリーンガスは、脱着工程の少なくとも一部において、吸着床を通って向流的に送られる。床の生成物端部が標的種を実質的に含まないように確実に保たれるように、質量拡散を克服するために、これらの工程中、向流的に流れるクリーンガスの有効な速度が好ましい。 標的ガスが回収された後、吸着床は、冷却および再加圧され得る。一般に、再加圧の前に床を冷却するのが好ましいことがある。吸着床は、好ましくは、供給ガス混合物の温度より40℃以下高い、例えば、20℃以下高いまたは10℃以下高い温度まで冷却され得る。それに加えてまたはその代わりに、吸着床は、熱波が床を通過することができるように、並流的または向流的に外部冷却によって冷却され得る。いくつかのこのような実施形態において、吸着床の第1の部分が冷却されてから、再加圧されるのが好ましいことがある。それらの実施形態のいくつかにおいて、吸着床の長さの90%未満、例えば、50%未満が冷却され得る。吸着床は、それに加えてまたはその代わりに、冷却中にクリーンガスでパージされ得る。 本明細書において使用される際、比較的鋭い熱波は、装置中の物質移動/熱伝達流の長さに対する距離に対する標準温度差について表され得る。物質移動/熱伝達に関して、最高温度、Tmax、および最低温度、Tmin、ならびにTmin(T10)より約10%高くかつTmax(T90)より約10%低い有利な温度を定義することができる。熱波は、少なくとも(T90−T10)の温度差が、物質移動/熱伝達に関与する装置の長さの50%以下(例えば、40%以下、30%以下、または25%以下)にわたって生じる場合、比較的鋭いと称され得る。それに加えてまたはその代わりに、比較的鋭い熱波は、加熱/冷却流体の軸方向速度を、流体流の方向にほぼ垂直な拡散熱伝達と比較するために定義される最大ペクレ数、Peについて表され得る。Peは、(U*L)/αとして定義することができ、式中、Uが、加熱/冷却流体の速度(m/秒)を表し、Lが、流体流にほぼ垂直な方向に(吸着剤を温める/冷却するために)熱が伝達される特性距離を表し、αが、距離Lに対する接触器の有効熱拡散率(m2/秒)を表す。長さに対する温度差に加えてまたはその代わりに、Peが10未満、例えば1未満または0.1未満である場合、熱波は、比較的鋭いと称され得る。流路への損傷をほとんどまたは全く伴わずに接触器の加熱/冷却のための時間を最小限に抑えるために、Uが、約0.01m/秒〜約100m/秒、例えば、約0.1m/秒〜約50m/秒または約1m/秒〜約40m/秒の範囲であるのが好ましいことがある。それに加えてまたはその代わりに、サイズおよびエネルギー必要量を最小限に抑えるために、Lが、0.1メートル未満、例えば、0.01メートル未満または0.001メートル未満であるのが好ましいことがある。 次に、吸着床は、冷却工程中および/または冷却工程後、再加圧の第1の段階後に、例えば、クリーンな生成ガスを用いて、または別の床から排出されるガスで向流的に、再加圧され得る。再加圧工程の最終的な圧力は、好ましくは、流入する供給ガス混合物の圧力と実質的に等しくなり得る。 いくつかの実施形態において、吸着床は、好ましくは、開放流路、例えば、平行流路コネクタの形態であり得、この流路では、開放気孔体積の大部分が、微孔質細孔径によるものであり、例えば、その開放気孔体積の40%未満、より好ましくは20%未満、例えば15%未満または10%未満が、20オングストローム超の細孔径(かつ約1ミクロン未満;すなわち、メソ多孔質およびマクロ多孔質細孔径)から生じ得る。定常状態の圧力差が、原料流が接触器に入る点/箇所と、生成物流が接触器から出る点/箇所との間で加えられる場合、流路は、接触器におけるガスが流れる該当部分として本明細書において定義される。本明細書の「開放気孔体積」とは、吸着剤材料によって包含される体積において占有されない開放気孔の隙間の全てを意味する。開放気孔体積は、以下に限定はされないが、構造化されたまたは非晶質材料の細孔体積を含む吸着剤材料自体の内部の全ての体積、ならびに吸着剤材料を含む床の部分の構造内に介在するあらゆる間隙体積を含む、吸着剤材料によって包含される体積中の全ての隙間を含む。本明細書に使用される際、開放気孔体積は、ガスの流入、流出、または分配のための容器中の間隙体積(ノズルまたは分配器領域など)、開放流路、および/または充填材および/または固体の熱吸着材料が占める体積などの、吸着剤材料を伴わない空間を含まない。「平行流路接触器」は、実質的に平行な流路が吸着剤構造に組み込まれた(典型的に、吸着剤は、このような流路の壁上/壁中に組み込まれ得る)構造化された(工学的に作製された(engineered))吸着剤を含む吸着剤接触器のサブセットとして本明細書において定義される。平行流路接触器の幾何学形状の非限定的な例には、モノリスの一端から他端へと延在する複数の実質的に平行な流路を有する様々な形状のモノリス;複数の管状部材、各シート間にスペーサを伴うかまたは伴わない吸着剤シートの積層;多層のらせん状ロール;らせん状に巻かれた吸着剤シート;中空繊維の束;ならびに実質的に平行な固体繊維の束;およびそれらの組合せが含まれ得る。平行流路は、例えば、いずれも参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2008/0282892号明細書および同第2008/0282886号明細書に詳細に記載されている。これらの流路は、様々な方法によって形成され得、吸着剤材料に加えて、吸着剤接触器構造は、以下に限定はされないが、担体材料、ヒートシンク材料、空隙減少構成要素、および加熱/冷却通路などの物品を含み得る。 本発明の実施の際、いくつかが加熱/冷却操作に関連付けられ、その他が吸着(および/または脱着)に関与する多数の接触器ユニットで動作するのが望ましいことがある。このような操作において、接触器は、伝熱媒体を吸着に使用するために切り替える前に、伝熱媒体を循環させることによって実質的に冷却され得る。このような操作の1つの利点は、床をスイングするのに使用される熱エネルギーが、伝熱媒体中に保持されることであり得る。吸着が冷却と同時に進行された場合、床中の熱のかなりの部分が、吸着質を含まない原料へと失われるおそれがあり、伝熱媒体の高温を回復させるのに、より高い熱負荷が必要とされ得る。 使用され得る吸着剤材料の例としては、以下に限定はされないが、大きい表面積(約10m2/g超、好ましくは約75m2/g超)のアルミナ、微孔質ゼオライト(好ましくは、約1mm未満の粒径を有する)、他の微孔質材料、メソ多孔質材料、秩序あるメソ多孔質材料など、およびそれらの組合せが挙げられる。これらの材料の非限定的な例には、炭素、カチオン性ゼオライト、高シリカゼオライト、高シリカ質の秩序あるメソ多孔質材料、ゾルゲル材料、ALPO材料(主に、アルミニウム、リン、および酸素を含有する微孔質および/またはメソ多孔質材料)、SAPO材料(主に、ケイ素、アルミニウム、リン、および酸素を含有する微孔質および/またはメソ多孔質材料)、MOF材料(金属有機骨格を含む微孔質および/またはメソ多孔質材料)、ZIF材料(ゼオライト型イミダゾレート骨格を含む微孔質および/またはメソ多孔質材料)、官能基で官能化された微孔質および/またはメソ多孔質収着剤(例えば、第1級、第2級、および第3級アミン、アミジン、グアニジン、ビグアニドなどの他の非プロトン性の塩基性基、ならびにそれらの組合せを含む)、ならびにそれらの組合せおよび連晶(intergrowth)が含まれ得る。天然ガス流に典型的に見られる硫化水素および二酸化炭素などの酸性ガスの吸着および除去の場合、カチオン性ゼオライト、アミン官能化メソ多孔質材料、スズケイ酸塩、および炭素などの吸着剤が、有利に用いられ得る。 本発明の接触器の好ましい用途では、CO2が、スイング吸着法において天然ガスから除去され得る。本明細書において、動的選択性を有する特定の種類の8員環ゼオライト材料を用いて吸着剤を配合するのが好ましいことがあるが、平衡に基づく吸着が代替案であり得る。この種類の8員環ゼオライト材料の動的選択性により、メタンの輸送を妨げながらCO2がゼオライト結晶に迅速に送られることが可能になり、それによって、CO2とメタンとの混合物からCO2を選択的に分離することが可能である。天然ガスからのCO2の除去では、この特定の種類の8員環ゼオライト材料は、約250超、例えば、約500超、約1000超、2〜約1000、約10〜約500、または約50〜約300のSi/Al比を有し得る。本明細書において使用される際、Si/Al比は、ゼオライト構造のシリカ対アルミナのモル比として定義される。この種類の8員環ゼオライトにより、メタンに対するCO2の単一成分拡散係数の比率(すなわち、DCO2/DCH4)が10超、好ましくは約50超、約100超、または約200超であり得るように、CO2が、8員環窓を通って内部細孔構造に到達することが可能になる。 それに加えてまたはその代わりに、多くの場合、窒素は、望ましくは、天然ガスまたは油の生成に付随するガスから除去されて、窒素含有ガスからの精製されたメタン生成物の高い回収率が得られる。メタンからの窒素分離についてかなりの平衡または動的選択性を有する分子篩収着剤は非常に少なかった。天然ガスからのN2分離については、CO2と同様に、動的選択性を有する種類の8員環ゼオライト材料を用いて吸着剤を配合するのが好ましいことがある。この種類の8員環材料の動的選択性により、メタンの輸送を妨げながらN2がゼオライト結晶に迅速に送られることが可能になり、それによって、N2とメタンとの混合物からN2を選択的に分離することが可能である。天然ガスからのN2の除去については、この特定の種類の8員環ゼオライト材料は、約2〜約1000、例えば、約10〜約500または約50〜約300のSi/Al比を有し得る。この種類の8員環ゼオライトにより、メタンに対するN2の単一成分拡散係数の比率(すなわち、DN2/DCH4)が、5超、好ましくは約20超、約50超、または100超であり得るように、N2が、8員環窓を通って内部細孔構造に到達することが可能になる。天然ガスからのN2の除去の際のスイング吸着法における付着物への抵抗性が、この種類の8員環ゼオライト材料によって提供される1つの利点であり得る。 CO2に加えてまたはその代わりに、約0.001体積%のH2S〜約70体積%のH2S(例えば、約0.001体積%〜約30体積%、約0.001体積%〜約10体積%、約0.001体積%〜約5体積%、約0.001体積%〜約1体積%、約0.001体積%〜約0.5体積%、または約0.001体積%〜約0.1体積%)を含有し得る天然ガスからH2Sを除去するのが望ましいことがある。用途によっては、H2Sがppmまたはppbレベルまで除去されるのが望ましいことがある。 いくつかの好ましい実施形態において、スイング吸着法は、高速サイクルで行うことができ、その場合、本発明に係る方法は、高速サイクル圧力−温度スイング吸着(RCPTSA:rapid cycle pressure-temperature swing adsorption)と呼ばれる。合計サイクル時間は、2400秒未満、好ましくは600秒未満、例えば、120秒未満または60秒未満であり得るのが有利である。これは、典型的に、60分間〜1200分間の範囲である従来のPTSA法と対照的である。 上記の吸着動的分離方法、装置、およびシステムは、ガスおよび油の処理などの、炭化水素の開発および生成に有用である。特に、提供される方法、装置、およびシステムは、ガス混合物からの様々な標的ガスの高速で大規模で効率的な分離に有用であり得る。 提供される方法、装置、およびシステムは、汚染物質を除去することによって天然ガス生成物を調製するのに使用されてもよい。提供される方法、装置、およびシステムは、露点の制御、スウィートニング/汚染除去(detoxification)、腐食防止/制御、脱水、発熱量(heating value)、調整処理(conditioning)、および精製などの分離用途を含む実用に使用するためのガス状の原料流を調製するのに有用であり得る。1つ以上の分離用途を用いる実用の例には、燃料ガス、シールガス(seal gas)、非飲用水、ブランケットガス、計測器用(instrument)および制御ガスの生成、冷媒、不活性ガス、および炭化水素の回収が含まれ得る。例示的な「上限の(not to exceed)」生成物(または「標的」)酸性ガス除去規格には以下が含まれ得る:(a)2体積%のCO2、4ppmのH2S;(b)50ppmのCO2、4ppmのH2S;または(c)1.5体積%のCO2、2ppmのH2S。 提供される方法、装置、およびシステムは、炭化水素流から酸性ガスを除去するのに使用されてもよい。酸性ガス除去技術は、残りのガス埋蔵量がより高い割合の酸性(acid(sour))ガス資源を示すにつれてますます重要になってきた。炭化水素原料流は、数百万分率〜90体積%などの酸性ガスの量で幅広く変動し得る。例示的なガス埋蔵量からの酸性ガス濃度の非限定的な例には、少なくとも以下の濃度が含まれ得る:(a)1体積%のH2S、5体積%のCO2;(b)1体積%のH2S、15体積%のCO2;(c)1体積%のH2S、60体積%のCO2;(d)15体積%のH2S、15体積%のCO2;または(e)15体積%のH2S、30体積%のCO2。 以下のうちの1つ以上が、比較的高い炭化水素回収率を維持しながら、望ましい生成物流を調製するために、本明細書において提供される方法、装置、およびシステムとともに用いられ得る: (a)圧力スイング吸着(PSA)、熱スイング吸着(TSA)、および分圧スイングまたは置換パージ吸着(PPSA)などの1つ以上の動的スイング吸着法を、これらの方法の組合せを含めて使用すること;各スイング吸着法は、例えば、1つ以上の高速サイクル圧力スイング吸着(RC−PDS)ユニットを用いて、1つ以上の高速サイクル温度スイング吸着(RC−TSA)ユニットまたは1つ以上の高速サイクル分圧スイング吸着(RC−PPSA)ユニットとともに、高速サイクルで用いられてもよく;例示的な動的なスイング吸着法は、それぞれ全体が参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2008/0282892号明細書、同第2008/0282887号明細書、同第2008/0282886号明細書、同第2008/0282885号明細書、および同第2008/0282884号明細書に記載されており; (b)ともに全体が参照により本明細書に援用される、2011年3月1日に出願された米国仮特許出願第61/447,858号明細書、ならびにそれに対する優先権を主張する米国特許出願代理人整理番号2011EM060−US2に記載されるような先進サイクルおよびパージを用いたRC−TSAによって酸性ガスを除去すること; (c)それぞれ全体が参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2008/0282892号明細書、同第2008/0282885号明細書、および同第2008/028286号明細書に記載されるように、吸着剤に捕捉されるメタンの量を減少させ、全炭化水素回収率を増加させるためにメソ細孔性充填材を使用すること; (d)それぞれ全体が参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2008/0282887号明細書および同第2009/0211441号明細書に記載されるゼオライトのうちの1つ以上などの、高い選択性を提供し、メタンおよび他の炭化水素の吸着(および損失)を減少させ/最小限に抑えるための適切な吸着剤材料を選択すること; (e)酸性ガスの排気がより高い平均圧力で捕捉され得るように、複数の工程において1つ以上のRC−TSAユニットを中間圧力まで減圧し、それによって、酸性ガス噴射に必要な圧縮を減少させること;中間の減圧工程の圧力レベルが、全圧縮系を最適化するために酸性ガス圧縮機の中間圧力に適合されてもよく; (f)再噴射または通気の代わりに燃料ガスとして1つ以上のRC−TSAユニットからの排気流などを用いて、処理および炭化水素の損失を最小限に抑えるために、排気またはリサイクル流を使用すること; (g)単一の床において複数の吸着剤材料を用いて、H2Sなどの微量の第1の汚染物質を除去してから、CO2などの第2の汚染物質を除去すること;このような区分された床は、最小のパージ流量でRC−TSAユニットを用いてppmレベルまでの正確な酸性ガス除去を提供することができ; (h)1つ以上のRC−TSAユニットの前に原料の圧縮を用いて、所望の生成物純度を得ること; (j)メルカプタン、COS、およびBTEXなどの非酸性ガス汚染物質の同時除去;それを達成するための選択プロセスおよび材料; (k)気固接触器に構造化された吸着剤を用いて、従来の充填床と比較して圧力降下を最小限に抑えること; (l)吸着剤材料の動力学に基づいてサイクル時間およびサイクル工程を選択すること;および (m)設備の中でも特に、連続する2つのRC−TSAユニットを使用するプロセスおよび装置を使用すること、ここで、第1のRC−TSAユニットが、原料流を所望の生成物純度まで清浄化し、第2のRC−TSAユニットが、メタンを捕捉し、高い炭化水素回収率を維持するために第1のユニットからの排気を清浄化し;この一連の設計の使用が、メソ細孔性充填材の必要性を低下させ得る。 本明細書において提供される方法、装置、およびシステムは、500万標準立方フィート/日(MSCFD)を超える天然ガス、例えば15MSCFD超、25MSCFD超、50MSCFD超、100MSCFD超、500MSCFD超、10億標準立方フィート/日(BSCFD)超、または2BSCFD超を処理する設備などの大規模なガス処理設備に有用であり得る。 従来の技術と比較して、提供される方法、装置、およびシステムは、より少ない設備投資、より少ない運転コスト、および/またはより少ない物理的な空間を必要とすることができ、それによって、海外および北極圏環境などの遠隔地での実装を可能にする。提供される方法、装置、およびシステムは、上記の利点を提供することができる一方、従来の技術と比較して高い炭化水素回収率を提供する。 それに加えてまたはその代わりに、本発明は、以下の実施形態の1つ以上を含み得る。 実施形態1。ガス混合物から標的ガス成分を分離するための方法であって:a)前記標的ガス成分を含有するガス混合物を、前記標的ガス成分を吸着するのに選択的な吸着床の原料投入端部に導入することによって、それを吸着工程に送る工程であって、吸着床が、原料投入端部および生成物排出端部を有し、吸着床が、第1の圧力および第1の温度で操作され、前記標的ガス成分が、吸着床によって吸着され、標的ガス成分が減少されたガス状生成物が、前記吸着床の生成物排出端部を出る工程と;b)前記標的ガス成分の破過が、前記吸着床の生成物排出端部に達する前に、前記吸着床への前記ガス混合物の導入を停止する工程と;c)前記吸着床の原料投入端部を密閉する工程と;d)密閉された吸着床を、前記第1の温度より高い第2の温度まで加熱し、前記標的ガス成分の少なくとも一部を前記吸着床から脱着させ、それによって、前記標的ガス成分の圧力を上昇させる工程と;e)前記標的ガス成分の少なくとも第1の部分を、工程d)の加熱の開始時の圧力より高い第2の圧力で回収する工程と;f)吸着床の圧力を、前記第2の圧力より低い第3の圧力になるまで低下させ、標的ガス成分の第2の部分を回収する工程と;g)原料端部で、前記吸着床の少なくとも一部を、工程d)の前記第2の温度より低い第3の温度になるまで冷却する工程と;h)前記吸着床を次の吸着サイクルのために再加圧する工程とを含む方法。 実施形態2。吸着剤床が、第1の圧力より低い圧力になるまで工程c)の前に向流的に減圧される、実施形態1に記載の方法。 実施形態3。以下のうちの1つ以上が満たされる:第1の温度が、−195℃〜300℃(例えば、20℃〜150℃)であり;第1の圧力が、1bara〜600bara(例えば、2bara〜200bara)であり;第2の温度が、10℃〜300℃(例えば、20℃〜200℃)であり;第3の温度が、−195℃〜300℃であり;ガス混合物が、天然ガス流である、実施形態1または実施形態2に記載の方法。 実施形態4。標的ガス成分が、CO2、H2S、およびそれらの組合せからなる群から選択される、前の実施形態のいずれか1つの方法。 実施形態5。標的種が、H2Sを含み、前記吸着床の生成物出口端部が、4vppm以下のH2Sを含有し、供給ガス混合物が、6vppm〜10,000vppmのH2Sを含有する、実施形態4に記載の方法。 実施形態6。吸着床が、ガス混合物が流れるその全長にわたって開放流路を有し、および/または平行流路接触器である、前の実施形態のいずれか1つの方法。 実施形態7。(i)工程f)の圧力の低下が、2つ以上の工程において行われ、各工程が、吸着床の圧力を、前の工程より低い圧力まで低下させ、および/または(ii)工程d)の外部加熱が、吸着床を通るガス混合物の流れの方向に対して並流的にまたは吸着床を通るガス混合物の流れの方向に対して向流的に行われる、前の実施形態のいずれか1つの方法。 実施形態8。吸着床が、500を超えるSi/Al比を有する8員環ゼオライトであり;DDR、Sigma−1、ゼオライト−58、ならびにそれらの組合せおよび連晶からなる群から選択され;10を超える、メタンに対するCO2の拡散係数(DCO2/DCH4)を有し;10を超える、メタンに対するN2の拡散係数(DN2/DCH4)を有し;および/または10を超える、メタンに対するH2Sの拡散係数(DH2S/DCH4)を有する吸着剤材料を含む、前の実施形態のいずれか1つの方法。 実施形態9。以下のうちの1つ以上が満たされる:H2SおよびCO2を合わせて1モル%未満含むクリーンなガス流が、吸着床を通るガス混合物の流れの方向に対して向流の流れ方向において(例えば、工程e)、f)およびg)の少なくとも一部など、工程e)の少なくとも一部と同時に)、吸着床を通って送られ;第1の圧力が、少なくとも500psigであり;N2を含むクリーンなガス流が、ガス混合物が吸着床を通って流れる方向に対して向流の流れ方向において、吸着床を通って送られる、実施形態8に記載の方法。 実施形態10。工程d)の加熱が、熱波を、吸着床に沿って、例えば、ガス混合物が流れる方向に対して並流的に移動させるように行われる、前の実施形態のいずれか1つの方法。 実施形態11。(T90−T10)の温度差が、吸着床の長さの50%以下にわたって生じるように、T90およびT10が、第2の温度および第1の温度に関して定義され得る、実施形態10に記載の方法。 実施形態12。熱波が、10未満の最大ペクレ数、Peを示し、ここで、Pe=(U*L)/αであり、式中、Uが、熱交換流体速度を表し、Lが、流体流にほぼ垂直な方向に熱が伝達される特性距離を表し、αが、距離Lに対する接触器の有効熱拡散率を表し、ここで、Uが、約0.01m/秒〜約100m/秒であり、Lが、0.1メートル未満である、実施形態10に記載の方法。 実施形態12。吸着床の開放気孔の約40%未満が、約20オングストローム超かつ約1ミクロン未満の直径を有する、前の実施形態のいずれか1つの方法。 実施形態13。吸着床が、ゼオライト、AlPO、SAPO、MOF、ZIF、炭素、およびそれらの組合せから選択される微孔質吸着剤材料を含む、前の実施形態のいずれか1つの方法。 実施形態14。吸着床が、カチオン性ゼオライト、アミン官能化メソ多孔質材料、スズケイ酸塩、炭素、およびそれらの組合せから選択される吸着剤材料を含む、前の実施形態のいずれか1つの方法。 以下の概念的実施例が、本発明の実施形態を例示するために提供され、権利請求される発明の範囲を必ずしも限定することを意味しない。実施例1 約109SCFDの供給流量を有し、約72%の酸性ガス(CO2+H2S)を含有する天然ガスからの酸性ガス除去のための方法を評価した。この方法は、高シリカ菱沸石(CHA)ゼオライト吸着剤について得られる理想的な線形の吸着等温線を有する吸着剤を使用する。吸着工程中に知られている等温線、および約25kJ/モルの吸着の熱に基づいて、吸着等温線を、約104℃、約120℃、約150℃、約175℃、約200℃、および約220℃で生成した。 この実施例の方法は、以下の工程を含んでいた: 1)高圧の吸着を、約104℃で行う。この工程中、吸着の熱が放出され、吸着床および熱質量中に蓄えられる。この顕熱は、流体との交差交換などの手段によって、床から回収することができる。この工程中、床の最終的な温度を、吸着温度よりわずかに高くすることができる。 2)第2の工程において、床を密閉し、その温度を、床を熱的に再生するためにより高い温度まで上昇させる。上記の計算により、より高い温度で新たな負荷を伴う、平衡状態でのCO2の分圧が予測される。回収される顕熱に加えて、少量の追加の熱が、最終的な温度になるまで床を加熱するのに必要とされ得る。 理想的な平均回収圧力を、約5バールの最終的な排出圧力、および線形の回収の仮定に基づいて計算する。実際の回収圧力は、典型的に、上限とみなされるべきこの値より低いであろう。以下の表1の最後の列における本明細書の方法に基づいたデータは、このスキームが、高い回収圧力で酸性ガスを生成する可能性を有することを示唆している。 上に提供されるPTSAスキームは、約175℃を超える高温における供給圧力と同等の回収圧力で酸性ガスを生成する可能性を有する。実施例2 以下の表2は、気体流からの酸性ガス除去のPTSA設計である。原料、生成物、および排気ガスからの対応する回収圧力が、以下に示される。本発明のPTSA設計により、段階的に約527、約176、および約59psiaにおける酸性ガスの回収が可能になる。平均回収圧力が増加される。 この実施例および表2中の対応するデータから分かるように、本発明の方法の実施形態は、生成物の圧力を約500psig超に維持しながら、500psigを大幅に上回る非常に高い原料の圧力で動作することが可能である。また、表2から分かるように、全メタン濃度(原料中約80.0モル%〜生成物中約90.2モル%)を増加させながら、非常に低い濃度のCO2(約0.57モル%)およびH2S(約0.0003モル%)で、生成物(スウィートガス)を回収することが可能であった。 この実施例の方法において、全炭化水素、特にメタンの回収率は非常に高く、排気段階中のメタンはわずか約1.23モル%である。 ガス混合物から標的ガス成分を分離するための方法であって: a)前記標的ガス成分を含有する前記ガス混合物を、前記標的ガス成分を吸着するのに選択的な吸着床の原料投入端部に導入することによって、それを吸着工程に送る工程であって、 吸着床が、原料投入端部および生成物排出端部を有し、 吸着床が、第1の圧力および第1の温度で操作され、 前記標的ガス成分が、前記吸着床によって吸着され、 前記標的ガス成分が減少されたガス状生成物が、前記吸着床の生成物排出端部を出る工程; b)前記標的ガス成分の破過が、前記吸着床の生成物排出端部に達する前に、前記吸着床への前記ガス混合物の導入を停止する工程; c)前記吸着床の原料投入端部を密閉する工程; d)前記密閉された吸着床を、前記第1の温度より高い第2の温度まで加熱し、前記標的ガス成分の少なくとも一部を前記吸着床から脱着させ、それによって、前記標的ガス成分の圧力を上昇させる工程; e)前記標的ガス成分の少なくとも第1の部分を、工程d)の前記加熱の開始時の圧力より高い第2の圧力で回収する工程; f)前記吸着床の圧力を、前記第2の圧力より低い第3の圧力になるまで低下させ、前記標的ガス成分の第2の部分を回収する工程; g)前記原料端部で、前記吸着床の少なくとも一部を、工程d)の前記第2の温度より低い第3の温度になるまで冷却する工程;及び h)前記吸着床を次の吸着サイクルのために再加圧する工程を含む方法。 前記吸着床が、前記第1の圧力より低い圧力になるまで工程c)の前に向流的に減圧される、請求項1に記載の方法。 以下のうちの1つ以上が満たされる: 前記第1の温度が、−195℃〜300℃(例えば、20℃〜150℃)であり; 前記第1の圧力が、1bara〜600bara(例えば、2bara〜200bara)であり; 前記第2の温度が、10℃〜300℃(例えば、20℃〜200℃)であり; 前記第3の温度が、−195℃〜300℃であり; 前記ガス混合物が、天然ガス流である、請求項1または2に記載の方法。 前記標的ガス成分が、CO2、H2S、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 前記標的種が、H2Sを含み、前記吸着床の生成物出口端部が、4vppm以下のH2Sを含有し、前記供給ガス混合物が、6vppm〜10,000vppmのH2Sを含有する、請求項4に記載の方法。 前記吸着床は、前記ガス混合物が流れるその全長にわたって開放流路を有し、および/または平行流路接触器である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。 (i)工程f)の圧力の前記低下が、2つ以上の工程において行われ、各工程が、前記吸着床の圧力を、前の工程より低い圧力まで低下させ、および/または (ii)工程d)の前記外部加熱が、前記吸着床を通る前記ガス混合物の流れの方向に対して並流的にまたは前記吸着床を通る前記ガス混合物の流れの方向に対して向流的に行われる、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。 吸着床が、500を超えるSi/Al比を有する8員環ゼオライトであり; DDR、Sigma−1、ゼオライト−58、ならびにそれらの組合せおよび連晶からなる群から選択され; 10を超える、メタンに対するCO2の拡散係数(DCO2/DCH4)を有し; 10を超える、メタンに対するN2の拡散係数(DN2/DCH4)を有し;および/または 10を超える、メタンに対するH2Sの拡散係数(DH2S/DCH4)を有する吸着剤材料を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。 以下のうちの1つ以上が満たされる: H2SおよびCO2を合わせて1モル%未満含むクリーンなガス流が、前記吸着床を通る前記ガス混合物の流れの方向に対して向流の流れ方向において(例えば、工程e)、f)およびg)の各々の少なくとも一部など、工程e)の少なくとも一部と同時に)、前記吸着床を通って送られ;前記第1の圧力が、少なくとも500psigであり; N2を含むクリーンなガス流が、前記ガス混合物が前記吸着床を通って流れる方向に対して向流の流れ方向において、前記吸着床を通って送られる、請求項8に記載の方法。 工程d)の前記加熱が、熱波を、前記吸着床に沿って、例えば、前記ガス混合物が流れる方向に対して並流的に移動させるように行われる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。 (T90−T10)の温度差が、前記吸着床の長さの50%以下にわたって生じるように、T90およびT10が、前記第2の温度および前記第1の温度に関して定義され得る、請求項10に記載の方法。 前記熱波が、10未満の最大ペクレ数、Peを示し、ここで、Pe=(U*L)/αであり、式中、Uが、熱交換流体速度を表し、Lが、流体流にほぼ垂直な方向に熱が伝達される特性距離を表し、αが、前記距離Lに対する前記接触器の有効熱拡散率を表し、ここで、Uが、約0.01m/秒〜約100m/秒であり、Lが、0.1メートル未満である、請求項10に記載の方法。 前記吸着床の開放気孔の約40%未満が、約20オングストローム超かつ約1ミクロン未満の直径を有する、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。 前記吸着床が、ゼオライト、AlPO、SAPO、MOF、ZIF、炭素、およびそれらの組合せから選択される微孔質吸着剤材料を含む、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。 前記吸着床が、カチオン性ゼオライト、アミン官能化メソ多孔質材料、スズケイ酸塩、炭素、およびそれらの組合せから選択される吸着剤材料を含む、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。 天然ガス流などのガス混合物から、酸性ガスなどの標的種を除去するための圧力−温度スイング吸着法。本明細書において、新規な多段階温度スイング/圧力スイング吸着が、生成物流からの非常に高純度のレベルの汚染物質の除去を維持しながら動作するように用いられる。本発明の方法は、高い吸着圧力(例えば、少なくとも500psig)で天然ガスからCO2および/またはH2Sなどの汚染物質を除去して、非常の高純度(すなわち、非常に低い汚染物質レベル)の生成物流を生成するのに特に有効かつ有益である。