生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_イオン輸送体の調節方法
出願番号:2013549635
年次:2014
IPC分類:A61K 31/5575,A61P 3/12,A61P 43/00,A61P 1/04,A61K 31/558


特許情報キャッシュ

上野 隆司 JP 2014515004 公表特許公報(A) 20140626 2013549635 20120427 イオン輸送体の調節方法 スキャンポ・アーゲー 501131276 Sucampo AG 山田 卓二 100101454 青山 葆 100062144 松谷 道子 100106518 橋本 諭志 100146259 上野 隆司 US 61/479,594 20110427 US 61/552,715 20111028 A61K 31/5575 20060101AFI20140530BHJP A61P 3/12 20060101ALI20140530BHJP A61P 43/00 20060101ALI20140530BHJP A61P 1/04 20060101ALI20140530BHJP A61K 31/558 20060101ALI20140530BHJP JPA61K31/5575A61P3/12A61P43/00 105A61P1/04A61K31/558 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA JP2012061793 20120427 WO2012148002 20121101 29 20131224 4C086 4C086AA01 4C086AA02 4C086BA08 4C086DA03 4C086DA05 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA66 4C086ZB21 4C086ZC21 本発明は、イオン輸送体の調節方法に関する。 イオン輸送体は、イオンを濃度勾配に反して細胞膜を通過して移動させ、それにより特定の輸送機能および細胞の恒常性の調節において重要な役割を果たす、膜貫通型蛋白質である。上皮組織は、吸収性および分泌性のイオン輸送過程を媒介し、イオンおよび体液の生理学的平衡状態を維持している。これらの過程は、一部では、胃腸管や腎臓のネフロンを含む、全身にわたって発現しているイオン輸送蛋白質に媒介されている。 Na+、K+およびCl-の吸収/分泌/排出における主要なイオン輸送体は、例えば、Na+/K+/Cl-共輸送体(NKCC)、例えばNKCC1およびNKCC2、Na+炭酸水素イオン共輸送体 (NBCe)、例えばNBCelおよびNBCe2、およびNa+/H+交換輸送体(NHE)、例えばNHE1、NHE2およびNHE3、ならびにNa+/K+-ATPaseを含む。 アニオン交換輸送体、例えばDRA(down-regulated in adenoma、SLC26A3) およびPAT1 (the putative anion transporter-l、SLC26A6)は、腸管のイオン輸送に関連していることもまた知られている。 Na+/K+/Cl-共輸送体 (NKCC) は、細胞の恒常性において中心的な役割を果たす、細胞膜輸送蛋白質である。この膜輸送蛋白質には、2つの種類、またはアイソフォームがあり、NKCC1およびNKCC2とよばれる。NKCC1は、全身に広く分布している。非極性細胞において、NKCC1アイソフォームは、細胞体積の調節に関わっている。分泌上皮において、NKCC1は、Clチャネル、NaポンプおよびKチャネルとともに機能し、調節された塩移動をもたらす。NKCC1はまた、中枢神経系の多くの領域で発現している。このNKCC1の存在の変化は、神経伝達物質GABAおよびグリシンに対する、興奮性から抑制性への応答の変化の原因であると考えられ、この応答の変化は初期の神経発生に重要であることが提唱された。 別のアイソフォームである、NKCC2は、腎臓の基本的な機能単位である、ネフロンのヘンレ係蹄の太い上行脚の上皮細胞に存在する。 脂肪酸誘導体は、ヒトまたは他の哺乳類の組織または器官に含有され、広範囲の生理学的活性を示す有機カルボン酸の1群である。天然に存在するいくつかの脂肪酸誘導体は一般に、式(A)に示すプロスタン酸骨格を有する。 一方、いくつかのプロスタグランジン(PG)の合成類似体は修飾された骨格を持っている。天然PG類は5員環部分の構造によって、PGA類、PGB類、PGC類、PGD類、PGE類、PGF類、PGG類、PGH類、PGI類およびPGJ類に分類され、さらに炭素鎖部分の不飽和結合の数と位置によって、以下の3つのタイプに分類される。 タイプ1(下付1):13,14-不飽和-15-OH タイプ2(下付2):5,6-および13,14-ジ不飽和-15-OH タイプ3(下付3):5,6-、13,14-および17,18-トリ不飽和-15-OH。 さらに、PGF類は9位のヒドロキシ基の配置によってαタイプ(ヒドロキシ基がα配置である)およびβタイプ(ヒドロキシ基がβ配置である)に分類される。 PG類は、種々の薬理学的および生理学的な活性、例えば血管拡張作用、炎症誘導、血小板凝集、子宮筋刺激、腸管筋刺激、抗潰瘍効果などを有することが知られている。 プロスタン酸骨格の15位にオキソ基(15-ケト型) および13-14位の間に単結合と、15位にオキソ基を有する (13, 14-ジヒドロ-15-ケト型)のプロストンは、天然のPG類の代謝の間に酵素反応によって天然に産生する物質として知られる脂肪酸誘導体であり、何らかの治療上の効果を有する。プロストン類は、米国特許第5,073,569号、第5,534,547号、第5,225,439号、第5,166,174号、第5,428,062号、第5,380,709号、第5,886,034号、第6,265,440号、第5,106,869号、第5,221,763号、第5,591,887号、第5,770,759号および第5,739,161号明細書に記載されており、これらの参考文献の内容は、引用により本明細書内に包含される。 上野らによる、米国特許第7,064,148号明細書には、塩素イオンチャネル、特にClCチャネル、具体的にはClC-2チャネルを開き、活性化させるプロスタグランジン化合物が記載されている。上野らによる、米国特許第7,868,045号明細書には、炭酸水素イオン分泌を促進するプロスタグランジン化合物が記載されている。米国特許第5,073,569号明細書米国特許第5,534,547号明細書米国特許第5,225,439号明細書米国特許第5,166,174号明細書米国特許第5,428,062号明細書米国特許第5,380,709号明細書米国特許第5,886,034号明細書米国特許第6,265,440号明細書米国特許第5,106,869号明細書米国特許第5,221,763号明細書米国特許第5,591,887号明細書米国特許第5,770,759号明細書米国特許第5,739,161号明細書米国特許第7,064,148号明細書米国特許第7,868,045号明細書 しかしながら、脂肪酸誘導体がどのようにしてイオン輸送体、特に腸内のイオン輸送体に作用するのかは知られていない。 本発明は、哺乳類対象においてイオン輸送体を調節する方法であって、かかる処置を必要としている対象に、式(I)[式中、L、MおよびNは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここでLおよびMの少なくとも1つは水素以外の基であり、該5員環は少なくとも1つの二重結合を有してよく; Aは、-CH3もしくは-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり; Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり; Zは、であり、ここで、 R4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく; R1は、非置換、またはハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の、低級または中級の脂肪族炭化水素残基であり、該脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は酸素、窒素または硫黄により置換されてよく;そして Raは、非置換、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基によって置換された、飽和または不飽和の、低級または中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり、該脂肪族炭化水素の炭素原子の少なくとも1つは酸素、窒素または硫黄により置換されてよい。]によって示される脂肪酸誘導体を有効量投与することを含む、方法に関する。 本発明はまた、哺乳類対象の疾患状態における、電解質輸送障害を処置する方法であって、必要としている対象に、有効量の、上記式(I)で表される脂肪酸誘導体を投与することを含む、方法に関する。 本発明はさらに、医薬組成物またはイオン輸送体の調節または疾患状態における電解質輸送障害の処置のための組成物であって、上記式(I)で表される脂肪酸誘導体を有効量含む、組成物に関する。 本発明はさらに、イオン輸送体の調節または疾患状態における電解質輸送障害の処置のための医薬の製造のための、上記式(I)で表される脂肪酸誘導体の使用に関する。 本発明はさらに、イオン輸送体の調節または疾患状態における電解質輸送障害の処置における、上記式(I)で表される脂肪酸誘導体の使用に関する。 態様の一において、上記式(I)で表される脂肪酸誘導体は、イオン輸送体、例えばNa+/K+/Cl-共輸送体を活性化させる。 本明細書中で用いる脂肪酸誘導体の命名は、上記式(A)に示したプロスタン酸の番号付けシステムに基づく。 式(A)は、C-20脂肪酸誘導体の基本骨格を示すが、本発明は同じ炭素原子数を持つものに限定されない。式(A)において、脂肪酸誘導体の基本骨格を構成する炭素原子の番号は、カルボン酸から始まり(1と番号付け)、5員環に向かって2〜7をα鎖上の炭素原子に、8〜12を5員環の炭素原子に、13〜20をω鎖上の炭素原子に付している。炭素原子数がα鎖上で減少する場合、2位から順次番号を抹消し;α鎖上で炭素原子数が増加する場合、2位にカルボキシ基(C-1)に代わる各置換基を有する置換化合物として化合物を命名する。同様に、ω鎖上で炭素原子数が減少する場合、20位から番号を順次抹消し;ω鎖上で炭素原子数が増加する場合、21位以上の炭素原子は、20位の置換基として命名する。化合物の立体配置は、特にことわりのない限り、上記式(A)と同じである。 一般的に、PGD、PGEおよびPGFはそれぞれ、9位および/または11位にヒドロキシ基を有する脂肪酸誘導体を表すが、本明細書中では、これらはまた、9および/または11位にヒドロキシ基以外の置換基を有するものをも包含する。かかる化合物は、9-デオキシ-9-置換-脂肪酸誘導体または11-デオキシ-11-置換-脂肪酸誘導体とよばれる。ヒドロキシ基のかわりに水素を有する脂肪酸誘導体は、単純に9-または11-デオキシ-脂肪酸誘導体と命名される。 上述のように、脂肪酸誘導体の命名はプロスタン酸骨格に基づく。化合物が天然のPGと類似の部分的構造を有する場合には、「PG」の略語を利用することがある。したがって、α鎖の炭素原子が2個延長された脂肪酸誘導体、すなわち、α鎖の炭素原子数が9である脂肪酸誘導体は、2-デカルボキシ-2-(2-カルボキシエチル)-PG化合物と命名する。同様に、α鎖の炭素原子数が11である脂肪酸誘導体は、2-デカルボキシ-2-(4-カルボキシブチル)-PG化合物と命名する。また、ω鎖の炭素原子が2個延長された、すなわち、ω鎖の炭素原子数が10である脂肪酸誘導体は、20-エチル-PG化合物と命名する。なお、これらの化合物はIUPAC命名法に基づいて命名することも可能である。 上記脂肪酸誘導体の置換化合物または誘導体を含む類似体の例には、α鎖末端のカルボキシ基がエステル化された脂肪酸誘導体;α鎖が延長された脂肪酸誘導体;それらの生理学的に許容される塩;2-3位に二重結合を、または5-6位に三重結合を有する脂肪酸誘導体;3、5、6、16、17、18、19および/または20位の炭素原子上に置換基を有する脂肪酸誘導体;9位および/または11位にヒドロキシ基の代わりに低級アルキルまたはヒドロキシ(低級)アルキル基を有する脂肪酸誘導体が含まれる。 本発明において、3、17、18および/または19位の炭素原子の好ましい置換基には、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、特にメチルおよびエチルが含まれる。16位の炭素原子の好ましい置換基には、低級アルキル、例えばメチルおよびエチル、ヒドロキシ、ハロゲン原子、例えば塩素およびフッ素、およびアリールオキシ、例えばトリフルオロメチルフェノキシが含まれる。17位の炭素原子の好ましい置換基には、低級アルキル、例えばメチルおよびエチル、ヒドロキシ、ハロゲン原子、例えば塩素およびフッ素、アリールオキシ、例えばトリフルオロメチルフェノキシが含まれる。20位の炭素原子の好ましい置換基には、飽和または不飽和の低級アルキル、例えばC1-4アルキル、低級アルコキシ、例えばC1-4アルコキシ、および低級アルコキシアルキル、例えばC1-4アルコキシ-C1-4アルキルが含まれる。5位の炭素原子の好ましい置換基には、ハロゲン原子、例えば塩素およびフッ素が含まれる。6位の炭素原子の好ましい置換基には、カルボニル基を形成するオキソ基が含まれる。9位および11位の炭素原子にヒドロキシ、低級アルキルまたはヒドロキシ(低級)アルキル置換基を有するPG類の立体配置は、α、βまたはそれらの混合でありうる。 さらに、上記の類似体または誘導体は、天然のPG類よりもω鎖が短く、その切断型ω鎖の末端に、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、フェノキシおよびフェニルのような置換基を有してよい。 本発明で用いる脂肪酸誘導体は、式(I):[式中、 L、MおよびNは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここで、LおよびMの少なくとも1つは水素以外の基であり、該5員環は少なくとも1つの二重結合を有してよく; Aは、-CH3もしくは-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり; Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり; Zは、であり、ここで、 R4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく; R1は、非置換、またはハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の、低級または中級の脂肪族炭化水素残基であり、該脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は酸素、窒素または硫黄により置換されてよく;そして Raは、非置換、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基によって置換された、飽和または不飽和の、低級または中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり、該脂肪族炭化水素の炭素原子の少なくとも1つは、酸素、窒素または硫黄で置換されてよい。]で表される。 本発明で用いる好ましい化合物は、式(II):[式中、 LおよびMは、水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここでLおよびMの少なくとも1つは水素以外の基であり、該5員環は1つ以上の二重結合を有してよく; Aは、-CH3もしくは-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり; Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり; Zは、であり、ここで、 R4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく; X1およびX2は、水素、低級アルキル、またはハロゲンであり; R1は、非置換、またはハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の、低級または中級の脂肪族炭化水素残基であり、該脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は酸素、窒素または硫黄により置換されてよく; R2は、単結合または低級アルキレンであり;そして R3は、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基であり、該脂肪族炭化水素の炭素原子の少なくとも1つは酸素、窒素、または硫黄により置換されていてよい。]で示される。 上記式において、R1およびRaについての定義における「不飽和」なる用語は、主鎖および/または側鎖の炭素原子間に孤立して、分離してまたは連続して存在する、少なくとも1つ以上の二重結合および/または三重結合を含むことを意図している。通常の命名法に従って、2つの連続した位置の間の不飽和結合は、2つの位置のうち低い数を表示することによって表され、2つの遠位の間の不飽和結合は、その両方の位置を表示することによって表される。 用語「低級または中級の脂肪族炭化水素」は、1〜14個の炭素原子(側鎖については、1〜3個の炭素原子が好ましい)、好ましくは1〜10個、特に1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味する。 用語「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含する。 用語「低級」は、本明細書を通して、特にことわりのない限り、1〜6個の炭素原子を有する基を含むことを意図する。 用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含有する、直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含む。 用語「低級アルキレン」は、1〜6個の炭素原子を含有する、直鎖または分枝鎖の、二価の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン、ペンチレンおよびヘキシレンを含む。 用語「低級アルコキシ」は、低級アルキル-O-の基を意味し、ここで低級アルキルは上に定義する通りである。 用語「ヒドロキシ(低級)アルキル」は、少なくとも1つのヒドロキシ基、例えばヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチルおよび1-メチル-1-ヒドロキシエチルにより置換されている、上に定義する低級アルキルを意味する。 用語「低級アルカノイルオキシ」は、式RCO-O-により表される基を意味し、ここでRCO-は、上に定義する低級アルキル基の酸化により形成されるアシル基、例えばアセチルである。 用語「シクロ(低級)アルキル」は、上に定義する低級アルキル基の環化により形成されるが、3以上の炭素原子を含有する、環状基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む。 用語「シクロ(低級)アルキルオキシ」は、シクロ(低級)アルキル-O-の基を意味し、ここでシクロ(低級)アルキルは上に定義する通りである。 用語「アリール」は、非置換または置換芳香族炭化水素環(好ましくは単環式の基)、例えば、フェニル、トリル、キシリルを含みうる。置換基の例は、ハロゲン原子およびハロ(低級)アルキルであり、ここでハロゲン原子および低級アルキルは上に定義する通りである。 用語「アリールオキシ」は、式ArO-により表される基を意味し、ここでArは上に定義するアリールである。 用語「複素環基」は、置換されてよい炭素原子、および、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1種または2種のヘテロ原子を1〜4個、好ましくは1〜3個有する、5〜14員、好ましくは5〜10員環の、単環式〜三環式の、好ましくは単環式の複素環基を含みうる。複素環基の例は、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピラニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジニル、2−ピロリニル、ピロリジニル、2−イミダゾリニル、イミダゾリジニル、2−ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル、モルホリノ、インドリル、ベンゾチエニル、キノリル、イソキノリル、プリニル、キナゾリニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナントリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾリニル、ベンゾチアゾリル、フェノチアジニルを含む。この場合、置換基の例は、ハロゲン、およびハロゲン置換低級アルキル基を含み、ここでハロゲン原子および低級アルキル基は上記の通りである。 用語「複素環オキシ基」は、式HcO-により表される基を意味し、ここでHcは上記の複素環基である。 用語、Aの「官能性誘導体」は、塩(好ましくは医薬上許容される塩)、エーテル、エステルおよびアミドを含む。 好適な「医薬上許容される塩」は、慣用される非毒性塩、例えば、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩)、アンモニウム塩のような無機塩基との塩;または、例えばアミン塩(例えばメチルアミン塩、ジメチルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、ベンジルアミン塩、ピペリジン塩、エチレンジアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチルアミノ)エタン塩、モノメチル−モノエタノールアミン塩、プロカイン塩およびカフェイン塩)、塩基性アミノ酸塩(例えばアルギニン塩およびリジン塩)、テトラアルキルアンモニウム塩などのような有機塩基との塩を含む。これらの塩類は、例えば対応する酸および塩基から常套の反応によって、または塩交換によって製造しうる。 エーテルの例には、アルキルエーテル、例えば、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、イソブチルエーテル、t−ブチルエーテル、ペンチルエーテルおよび1−シクロプロピルエチルエーテルのような低級アルキルエーテル;およびオクチルエーテル、ジエチルヘキシルエーテル、ラウリルエーテルおよびセチルエーテルのような中級または高級アルキルエーテル;オレイルエーテルおよびリノレニルエーテルのような不飽和エーテル;ビニルエーテル、アリルエーテルのような低級アルケニルエーテル;エチニルエーテルおよびプロピニルエーテルのような低級アルキニルエーテル;ヒドロキシエチルエーテルおよびヒドロキシイソプロピルエーテルのようなヒドロキシ(低級)アルキルエーテル;メトキシメチルエーテルおよび1−メトキシエチルエーテルのような低級アルコキシ(低級)アルキルエーテル;フェニルエーテル、トシルエーテル、t−ブチルフェニルエーテル、サリチルエーテル、3,4−ジメトキシフェニルエーテルおよびベンズアミドフェニルエーテルのような、置換されてよいアリールエーテル;およびベンジルエーテル、トリチルエーテルおよびベンズヒドリルエーテルのようなアリール(低級)アルキルエーテルが含まれる。 エステルの例には、脂肪族エステル、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステルおよび1−シクロプロピルエチルエステルのような低級アルキルエステル;ビニルエステルおよびアリルエステルのような低級アルケニルエステル;エチニルエステルおよびプロピニルエステルのような低級アルキニルエステル;ヒドロキシエチルエステルのようなヒドロキシ(低級)アルキルエステル;メトキシメチルエステルおよび1−メトキシエチルエステルのような低級アルコキシ(低級)アルキルエステル;および、例えばフェニルエステル、トリルエステル、t−ブチルフェニルエステル、サリチルエステル、3,4−ジメトキシフェニルエステルおよびベンズアミドフェニルエステルのような、置換されてよいアリールエステル;およびベンジルエステル、トリチルエステルおよびベンズヒドリルエステルのようなアリール(低級)アルキルエステルが含まれる。 Aのアミドは、式-CONR’R’’で表される基を意味し、ここでR’およびR’’はそれぞれ水素、低級アルキル、アリール、アルキル−もしくはアリール−スルホニル、低級アルケニルおよび低級アルキニルであり、例えば、メチルアミド、エチルアミド、ジメチルアミドおよびジエチルアミドのような低級アルキルアミド;アニリドおよびトルイジドのようなアリールアミドならびに;メチルスルホニルアミド、エチルスルホニルアミドおよびトリルスルホニルアミドのようなアルキル−もしくはアリール−スルホニルアミドを含む。 好ましいLおよびMの例には、水素、ヒドロキシおよびオキソが含まれ、特に、LおよびMがともにヒドロキシであるか、または、LがオキソでありMが水素もしくはヒドロキシである。 好ましいAの例は、-COOH、その医薬上許容される塩、エステルまたはアミドである。 好ましいX1およびX2の例は、ともにハロゲン原子であることであり、より好ましくは、フッ素原子であることであり、これは16,16-ジフルオロタイプと称される。 好ましいR1は、1〜10個の炭素原子、好ましくは6〜10個の炭素原子を含有する炭化水素残基である。さらに、脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄により置換されてよい。 R1の例には、例えば、以下の基が含まれる:-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH=CH-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-CH2-CH=CH-、-CH2-C≡C-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-CH2-O-CH2-、-CH2-CH=CH-CH2-O-CH2-、-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-、-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH=CH-CH2-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH=CH-、-CH2-C≡C-CH2-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH(CH3)-CH2-、-CH2-CH2-CH2-CH2-CH(CH3)-CH2-、-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH=CH-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH=CH-、-CH2-C≡C-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-および-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH(CH3)-CH2-。 好ましいRaは、1〜10個の炭素原子、より好ましくは1〜8個の炭素原子を含有する炭化水素である。Raは1個の炭素原子を有する1つまたは2つの側鎖を有しうる。さらに、脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄により置換されてよい。 式(I)または式(II)の化合物の例は、 Raがハロゲンにより置換されており、および/またはZがC=Oである式(I)の化合物; X1およびX2の1つがハロゲンにより置換されており、および/またはZがC=Oである式(II)の化合物; Lが=Oまたは-OHであり、MがHまたはOHであり、AがCOOHまたはその官能性誘導体であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、X1がハロゲン(例えば、X1がCl、Br、IまたはFである)または水素であり、X2がハロゲン(例えば、X2がCl、Br、IまたはFである)または水素であり、R1は、飽和または不飽和の、二価の直鎖C6脂肪族炭化水素残基であり、R2は単結合であり、そして、R3は直鎖または分枝鎖の、酸素、窒素または硫黄によって置換されてよい、低級アルキル(例えば、C4〜6アルキル)である、式(II)の化合物; Lが=Oであり、MがOHであり、AがCOOHまたはその官能性誘導体であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、X1がハロゲン(例えば、X1がCl、Br、IまたはFである)または水素であり、X2がハロゲン(例えば、X2がCl、Br、IまたはFである)または水素であり、R1が飽和または不飽和の、二価の直鎖C6脂肪族炭化水素残基であり、R2が単結合であり、そして、R3が直鎖または分枝鎖の、酸素、窒素または硫黄により置換されてよい、低級アルキルである、式(II)の化合物; Lが=Oであり、MがOHであり、AがCOOHまたはその官能性誘導体であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、X1およびX2がハロゲン原子(例えば、X1およびX2がCl、Br、IまたはFである)であり、R1が、飽和または不飽和の、二価の直鎖C6脂肪族炭化水素残基であり、R2が単結合であり、そして、R3が、直鎖または分枝酸の、低級アルキル(例えば、C4アルキルまたはC5アルキル)である、式(II)の化合物; Lが=Oであり、MがOHであり、AがCOOHまたはその官能性誘導体であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、X1およびX2はフッ素原子であり、R1が、飽和または不飽和の、二価の直鎖C6脂肪族炭化水素残基であり、R2が単結合であり、そして、R3が直鎖または分枝鎖の低級アルキル(例えば、C4アルキルまたはC5アルキル)である、式(II)の化合物;および、 Lが=Oであり、MがHまたはOHであり、AがCOOHまたはその官能性誘導体であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、X1およびX2がハロゲン原子(例えば、X1およびX2がCl、Br、IまたはFである)であり、R1が飽和または不飽和の、二価の直鎖C6脂肪族炭化水素残基であり、R2は単結合であり、R3が、-CH2-CH2-CH2-CH3または-CH2-CH(CH3)-CH2-CH3である、式(II)の化合物を含む。上記例の式(I)または(II)の化合物の互変異性体はまた、本発明に用いられる。 好ましい態様の例は、(-)-7-[(2R,4aR,5R,7aR)-2-(1,1-ジフルオロペンチル)-2-ヒドロキシ-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン-5-イル]ヘプタン酸(ルビプロストン)、(-)-7-{(2R,4aR,5R,7aR)-2-[(3S)-1,1-ジフルオロ-3-メチルペンチル]-2-ヒドロキシ-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン-5-イル}ヘプタン酸(コビプロストン)、(+)-イソプロピル(Z)-7-[(1R,2R,3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-2-(3-オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ-5-エノアート(イソプロピルウノプロストン)および(-)-7-[(1R,2R)-2-(4,4-ジフルオロ-3-オキソオクチル)-5-オキソシクロペンチル]ヘプタン酸、その互変異性体またはその官能性誘導体である。 上記の式(I)および(II)において環およびαおよび/またはω鎖の立体配置は、天然のPG類と同じか、または異なっていてもよい。しかしながら、本発明は、天然タイプの立体配置を有する化合物および非天然タイプの立体配置の化合物の混合物も含む。 本発明において、13および14位の間がジヒドロであり、15位がケト(=O)である脂肪酸誘導体は、11位のヒドロキシと15位のケトの間にヘミアセタールが形成されることにより、ケト-ヘミアセタール平衡の状態にありうる。 例えば、X1およびX2の両方がハロゲン原子、特にフッ素原子である場合は、該化合物は互変異性体、二環式化合物を含むことが確認されている。 かかる上記互変異性体が存在する場合、両互変異性体の比率は分子の残りの構造または存在する置換基の種類により変動する。場合により、一方の異性体が他方と比較して圧倒的に存在することもある。しかし、本発明は両方の異性体を含むと解されたい。 さらに、本発明で用いる脂肪酸誘導体は、二環式化合物およびその類似体または誘導体を含む。 二環式化合物は、式(III):[式中、 Aは、-CH3または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり; X1’およびX2’は、水素、低級アルキル、またはハロゲンであり; Yは、であり、ここで、 R4’およびR5’は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4’およびR5’が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく、 R1は、非置換、またはハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の、低級または中級の脂肪族炭化水素残基であり、該脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は酸素、窒素または硫黄により置換されてよく; R2’は、非置換、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基により置換された、飽和または不飽和の、低級または中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり;該脂肪族炭化水素の炭素原子の少なくとも1つは水素、窒素または硫黄で置換されてよく、 R3’は水素、低級アルキル、シクロ(低級)アルキル、アリールまたは複素環基である。]で表される。 さらに、本発明で用いる化合物は、異性体の存在の有無にかかわらず、ケト型に基づく式または名称により表しうるが、かかる構造または名称はヘミアセタール型の化合物を除外することを意図するものではないことに留意されたい。 本発明においては、いずれかの異性体、例えば、個々の互変異性体、それらの混合物、または光学異性体、それらの混合物、ラセミ混合物、および他の立体異性体を、同じ目的に用いうる。 本発明で用いるいくつかの化合物は、米国特許第5,073,569号、第5,166,174号、第5,221,763号、第5,212,324号、第5,739,161号および第6,242,485号明細書(これらの引用文献は引用により本明細書に組み込まれる)に開示されている方法により製造しうる。 哺乳類対象は、いずれの哺乳類対象であってもよく、ヒトを含む。化合物は、全身または局所適用しうる。通常、化合物は、経口投与、鼻腔内投与、吸入投与、静脈内注射 (点滴を含む)、皮下注射、眼局所投与、直腸内投与、膣内投与、経皮投与等によって投与することが出来る。 投与量は、動物の系統、年齢、体重、処置すべき症状、所望の治療効果、投与経路、処置期間等に応じて変化しうる。1日に0.00001〜500mg/kg、より好ましくは0.0001〜100mg/kgの量で、1日に1〜4回全身投与または連続投与することにより、満足のいく効果が得られうる。 本化合物は従来法により、投与に適した医薬組成物として製剤化するのが好ましい。かかる組成物は、経口投与、鼻腔内投与、眼局所投与、吸入投与、注射またはかん流に適した組成物、ならびに外用薬、坐剤または膣坐剤でありうる。 本発明の組成物は、生理学的に許容しうる添加剤をさらに含んでいてもよい。かかる添加剤は本発明の化合物と併用される成分を含み、例えば、賦形剤、希釈剤、増量剤、溶剤、潤滑剤、補助剤、結合剤、崩壊剤、被覆剤、カプセル化剤、軟膏基剤、坐薬用基剤、エアロゾル化剤、乳化剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤、防腐剤、抗酸化剤、矯味剤、香味剤、着色剤、機能性物質、例えばシクロデキストリン、および、生分解性高分子、安定剤が挙げられる。これらの添加剤は当該技術分野で周知であり、製剤学に関する一般書籍に記載されているものから選択してよい。 本発明の組成物における上記に規定の化合物の量は、組成物の処方に応じて変化させてよく、一般に0.000001〜10.0%、より好ましくは0.00001〜5.0%、最も好ましくは0.0001〜1%でありうる。 経口投与のための固体組成物の例には、錠剤、トローチ剤、舌下錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤等がある。固体組成物は1つ以上の活性成分と少なくとも1つの不活性希釈剤を混合して調製してもよい。該組成物はさらに、不活性希釈剤以外の添加剤、例えば、潤滑剤、崩壊剤および安定剤を含んでよい。錠剤および丸剤は、必要であれば、腸溶性または胃腸溶性フィルムによって被覆してもよい。 錠剤および丸剤は2以上の層によって被覆してもよい。それらは徐放性物質に吸着させても、またはマイクロカプセル化してもよい。さらに、本組成物は、ゼラチン等の易分解性物質を用いてカプセル化してもよい。それらは、脂肪酸またはそのモノ、ジもしくはトリグリセリドのような適切な溶媒にさらに溶解させて軟カプセルとしてもよい。即効性が必要な場合は舌下錠を用いてもよい。 経口投与のための液体組成物の例としては、乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤等が挙げられる。かかる組成物は、常套的に用いられる不活性希釈剤、例えば精製水またはエチルアルコールをさらに含んでもよい。該組成物は、不活性希釈剤以外の添加剤、例えば湿潤剤や懸濁剤といった補助剤、甘味剤、香味剤、芳香剤および防腐剤を含んでいてもよい。 本発明の組成物は、1つ以上の活性成分を含有するスプレー用組成物の形態であってもよく、これは公知の方法にしたがって調製することが出来る。 鼻腔内用製剤の例は、1つ以上の有効成分を含む水性または油性の液剤、懸濁剤または乳剤であってよい。吸入による有効成分の投与のために、本発明の組成物は、エアロゾルを提供し得る懸濁剤、液剤または乳剤の形態か、または乾燥粉末吸入に好適な粉末の形態であってもよい。吸入投与のための組成物は、慣用される噴霧剤をさらに含み得る。 非経口投与のための本発明の注射用組成物の例としては、滅菌した水性もしくは非水性液剤、懸濁剤および乳剤が挙げられる。水溶液剤または懸濁剤のための希釈剤としては、例えば、注射用蒸留水、生理食塩水およびリンゲル液が挙げられる。 液剤および懸濁剤のための非水性希釈剤には、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコールおよびポリソルベートが含まれうる。本発明の組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤等の添加剤をさらに含んでもよい。それらは、例えば細菌保留フィルターを通して濾過することによって、滅菌剤を配合することによって、またはガスもしくは放射性同位体照射滅菌によって滅菌してよい。 注射用組成物は、使用前に注射用の滅菌溶媒に溶解させる滅菌粉末組成物として提供することもできる。 本発明の外用剤には、皮膚科学および耳鼻咽喉科学の分野において用いられるあらゆる外用製剤が含まれ、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤およびスプレー剤などを含む。 本発明の別の形態は坐剤または腟坐剤であり、これらは慣用的な基剤、例えば体温で軟化するカカオバターに、有効成分を混合することによって調製することができ、そして、吸収性を向上させるために適切な軟化温度を有する非イオン性界面活性剤を用いてもよい。 本発明において、脂肪酸誘導体は、眼用の組成物に製剤されてよく、患者の眼に局所的に投与される。本発明の眼用組成物は、眼科分野で用いられる、眼の局所投与用の任意の剤形、例えば、眼用液剤、点眼剤および眼用軟膏剤を含む。該眼用組成物は、関連する技術分野で公知の慣用的な方法にしたがって調製されてよい。 本発明において、本発明の脂肪酸誘導体は、イオン輸送体の調節に有用である。イオン輸送体の例は、Na+/K+/Cl-共輸送体(NKCC)、例えばNKCC1およびNKCC2、Na+/炭酸水素イオン共輸送体 (NBCe)、例えばNBCelおよびNBCe2、Na+/H+交換輸送体(NHE)、例えばNHE1、NHE2およびNHE3、Na+/K+-ATPase、アニオン交換輸送体、例えばDRA(down-regulated in adenoma、SLC26A3)およびPAT1(the putative anion transporter-1、SLC26A6)を含む。 イオン輸送体は、特定の輸送機能および細胞の恒常性の調節に重要な役割を果たすため、本発明の脂肪酸誘導体は、細胞恒常性を、特に腸管における維持に、ならびに、疾患状態、例えば粘膜炎、特に胃腸管障害における、電解質輸送障害の処置に有用である。 本明細書中で用いる用語「調節」の様々な形態は、刺激(例えば、特定の応答または活性の上昇または上方制御)および阻害(例えば、特定の応答または活性の低下または下方制御)を含むことを意図する。 本明細書中で用いる用語、「処置すること」または「処置」は、予防的および治療的な処置を含み、予防、治療、症状の軽減、症状の減弱、進行の停止などのあらゆる管理手段を含む。 本発明の医薬組成物は、本発明の目的に反しない限り、単一の活性成分または2つ以上の活性成分の組合せを含んでよい。 複数の活性成分の組合せにおいて、それぞれの含有量は、その治療効果および安全性を考慮して適宜増減してよい。 本明細書中で用いる用語「組み合わせ」は、2つ以上の有効成分が、単一の実体または投与の形態で同時に、または別々の実体で、同時にもしくは具体的な時間的制限がなく、別々に患者に投与されることを意味し、ここで、かかる投与は、2つの成分の治療上効果的なレベルを体内で、好ましくは同時に提供する。 本発明のさらなる詳細は、以下の実施例に記載されるが、これは本発明を限定することを意図するものではない。[方法] 化合物 1 ((-)-7-[(2R, 4aR, 5R, 7aR)-2-(1, 1-ジフルオロペンチル)-2-ヒドロキシ-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン-5-イル]ヘプタン酸)および化合物2 ((-)-7-{(2R, 4aR, 5R, 7aR)-2-[(3S)-1, 1-ジフルオロ-3-メチルペンチル]-2-ヒドロキシ-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン-5-イル}ヘプタン酸)の、Na+/K+/Cl-共輸送体に対する効果を、86Rbの取り込みにより評価した。ラットの大動脈由来の平滑筋細胞 (A7r5)を、培養皿でサブコンフルエントになるまで培養し、該アッセイに用いた。培養培地を取り除き、標識した同位体(47μM 86Rb)と各化合物とを含む、取り込み培地に置きかえた。 37℃で10分間インキュベートした後、取り込み培地を除き、細胞外の放射活性を、0.1M MgCl溶液を用いて洗浄した。細胞を0.1M NaOH中に回収し、細胞に取り込まれた放射活性を測定した。化合物lおよび2は、0.01μM〜10μMの範囲の濃度で試験し、各測定は2つ組で行った。[結果] 化合物1および化合物2は、濃度依存的に86Rbの取り込みを増加させ、このことは、化合物1および2が、Na+/K+/Cl-共輸送体を活性化させることを意味する。 哺乳類対象における、イオン輸送体の調節または疾患状態における電解質輸送障害の処置のための医薬組成物であって、式(I):[式中、 L、MおよびNは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここでLおよびMの少なくとも1つは水素以外の基であり、5員環は少なくとも1つの二重結合を有していてよく; Aは、-CH3または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり; Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり; Zは、であり、 ここでR4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく; R1は、非置換、またはハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の、低級または中級の脂肪族炭化水素残基であり、該脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は酸素、窒素または硫黄により置換されていてもよく;そして Raは、非置換、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基によって置換された、飽和または不飽和の、低級または中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり、該脂肪族炭化水素の炭素原子の少なくとも1つは酸素、窒素または硫黄によって置換されてよい。]で表される脂肪酸誘導体を有効量含む、医薬組成物。 ZがC=Oである、請求項1に記載の医薬組成物。 Bが-CH2-CH2-である、請求項1または2に記載の医薬組成物。 Lがヒドロキシまたはオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oである、請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。 Raがモノまたはジハロゲンにより置換されている、請求項1に記載の医薬組成物。 Bが-CH2-CH2-であり、Raがモノまたはジハロゲンにより置換されている、請求項1に記載の医薬組成物。 Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジハロゲンにより置換されている、請求項1に記載の医薬組成物。 Bが-CH2-CH2-であり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項1に記載の医薬組成物。 ZがC=Oであり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項1に記載の医薬組成物。 Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項1に記載の医薬組成物。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項1に記載の医薬組成物。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項1に記載の医薬組成物。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項1に記載の医薬組成物。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、R1が二価の低級または中級の飽和脂肪族炭化水素であり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項1に記載の医薬組成物。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、R1が二価の低級または中級の飽和脂肪族炭化水素である、請求項1に記載の医薬組成物。 かかる脂肪酸誘導体が、(-)-7-[(2R,4aR,5R,7aR)-2-(1,1-ジフルオロペンチル)-2-ヒドロキシ-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン-5-イル]ヘプタン酸、(-)-7-{(2R,4aR,5R,7aR)-2-[(3S)-1,1-ジフルオロ-3-メチルペンチル]-2-ヒドロキシ-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン-5-イル}ヘプタン酸または(-)-7-[(1R,2R)-2-(4,4-ジフルオロ-3-オキソオクチル)-5-オキソシクロペンチル]ヘプタン酸またはその官能性誘導体である、請求項1に記載の医薬組成物。 かかるイオン輸送体がNa+/K+/Cl-共輸送体である、請求項1〜16のいずれかに記載の医薬組成物。 かかるイオン輸送体がNKCC1、NBCelおよび/またはNHE3である、請求項1〜16のいずれかに記載の医薬組成物。 かかるイオン輸送体が、腸管に発現している、請求項1〜18のいずれかに記載の医薬組成物。 かかるイオン輸送体がNKCC1である、請求項1〜19のいずれかに記載の医薬組成物。 該疾患状態が粘膜炎である、請求項1〜20のいずれかに記載の医薬組成物。 該疾患状態が胃腸疾患である、請求項1〜21のいずれかに記載の医薬組成物。 哺乳類対象における、イオン輸送体の調節または疾患状態における電解質輸送障害の処置のための医薬の製造のための、式(I):[式中、 L、MおよびNは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここでLおよびMの少なくとも1つは水素以外の基であり、5員環は少なくとも1つの二重結合を有していてよく; Aは、-CH3または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり; Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり; Zは、であり、 ここでR4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく; R1は、非置換、またはハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の、低級または中級の脂肪族炭化水素残基であり、該脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄により置換されていてもよく;そして Raは、非置換、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基によって置換された、飽和または不飽和の、低級または中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり、該脂肪族炭化水素の炭素原子の少なくとも1つは酸素、窒素または硫黄によって置換されてよい。]で表される脂肪酸誘導体の使用。 ZがC=Oである、請求項23に記載の使用。 Bが-CH2-CH2-である、請求項23または24に記載の使用。 Lがヒドロキシまたはオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oである、請求項23〜25のいずれかに記載の使用。 Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項23に記載の使用。 Bが-CH2-CH2-であり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項23に記載の使用。 Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項23に記載の使用。 Bが-CH2-CH2-であり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項23に記載の使用。 ZがC=Oであり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項23に記載の使用。 Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項23に記載の使用。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項23に記載の使用。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項23に記載の使用。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項23に記載の使用。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、R1が二価の低級または中級の、飽和脂肪族炭化水素であり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項23に記載の使用。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、R1が二価の低級または中級の、飽和脂肪族炭化水素である、請求項23に記載の使用。 かかる脂肪酸誘導体が、(-)-7-[(2R,4aR,5R,7aR)-2-(1,1-ジフルオロペンチル)-2-ヒドロキシ-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン-5-イル]ヘプタン酸、(-)-7-{(2R,4aR,5R,7aR)-2-[(3S)-1,1-ジフルオロ-3-メチルペンチル]-2-ヒドロキシ-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン-5-イル}ヘプタン酸もしくは(-)-7-[(1R,2R)-2-(4,4-ジフルオロ-3-オキソオクチル)-5-オキソシクロペンチル]ヘプタン酸またはその官能性誘導体である、請求項23に記載の使用。 かかるイオン輸送体がNa+/K+/Cl-共輸送体である、請求項23〜38のいずれかに記載の使用。 かかるイオン輸送体がNKCC1、NBCelおよび/またはNHE3である、請求項23〜38のいずれかに記載の使用。 かかるイオン輸送体が、腸管に発現している、請求項23〜40のいずれかに記載の使用。 かかるイオン輸送体がNKCC1である、請求項23〜41のいずれかに記載の使用。 該疾患状態が粘膜炎である、請求項23〜42のいずれかに記載の使用。 該疾患状態が胃腸疾患である、請求項23〜43のいずれかに記載の使用。 哺乳類対象における、イオン輸送体の調節または疾患状態における電解質輸送障害の処置における、式(I):[式中、 L、MおよびNは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここでLおよびMの少なくとも1つは水素以外の基であり、5員環は少なくとも1つの二重結合を有していてよく; Aは、-CH3または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり; Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり; Zは、であり、 ここでR4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく; R1は、非置換、またはハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の、低級または中級の脂肪族炭化水素残基であり、該脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄により置換されていてもよく;そして Raは、非置換、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基によって置換された、飽和または不飽和の、低級または中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり、該脂肪族炭化水素の炭素原子の少なくとも1つは酸素、窒素または硫黄によって置換されてよい。]で表される脂肪酸誘導体の使用。 ZがC=Oである、請求項45に記載の使用。 Bが-CH2-CH2-である、請求項45または46に記載の使用。 Lがヒドロキシまたはオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oである、請求項45〜47のいずれかに記載の方法。 Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項45に記載の使用。 Bが-CH2-CH2-であり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項45に記載の使用。 Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項45に記載の使用。 Bが-CH2-CH2-であり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項45に記載の使用。 ZがC=Oであり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項45に記載の使用。 Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項45に記載の使用。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項45に記載の使用。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項45に記載の使用。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項45に記載の使用。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、R1が二価の低級または中級の飽和脂肪族炭化水素であり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項45に記載の使用。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、R1が二価の低級または中級の飽和脂肪族炭化水素である、請求項45に記載の使用。 かかる脂肪酸誘導体が、(-)-7-[(2R,4aR,5R,7aR)-2-(1,1-ジフルオロペンチル)-2-ヒドロキシ-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン-5-イル]ヘプタン酸、(-)-7-{(2R,4aR,5R,7aR)-2-[(3S)-1,1-ジフルオロ-3-メチルペンチル]-2-ヒドロキシ-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン-5-イル}ヘプタン酸もしくは(-)-7-[(lR,2R)-2-(4,4-ジフルオロ-3-オキソオクチル)-5-オキソシクロペンチル]ヘプタン酸またはその官能性誘導体である、請求項45に記載の使用。 かかるイオン輸送体がNa+/K+/Cl-共輸送体である、請求項45〜60のいずれかに記載の使用。 かかるイオン輸送体がNKCC1、NBCelおよび/またはNHE3である、請求項45〜60のいずれかに記載の使用。 かかるイオン輸送体が、腸管に発現している、請求項45〜62のいずれかに記載の使用。 かかるイオン輸送体がNKCC1である、請求項45〜63のいずれかに記載の使用。 該疾患状態が粘膜炎である、請求項45〜64のいずれかに記載の使用。 該疾患状態が胃腸疾患である、請求項45〜65のいずれかに記載の使用。 哺乳類対象において、イオン輸送体の調節、または疾患状態における電解質輸送障害を処置する方法であって、それを必要としている対象に有効量の式(I):[式中、 L、MおよびNは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここでLおよびMの少なくとも1つは水素以外の基であり、5員環は少なくとも1つの二重結合を有していてよく; Aは、-CH3または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり; Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり; Zは、であり、 ここでR4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく; R1は、非置換、またはハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の、低級または中級の脂肪族炭化水素残基であり、該脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄により置換されていてもよく;そして Raは、非置換、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基によって置換された、飽和または不飽和の、低級または中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり、該脂肪族炭化水素の炭素原子の少なくとも1つは酸素、窒素または硫黄によって置換されてよい。]で表される、脂肪酸誘導体を投与することを含む、方法。 ZがC=Oである、請求項67に記載の方法。 Bが-CH2-CH2-である、請求項67または68に記載の方法。 Lがヒドロキシまたはオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oである、請求項67〜69のいずれかに記載の方法。 Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項67に記載の方法。 Bが-CH2-CH2-であり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項67に記載の方法。 Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項67に記載の方法。 Bが-CH2-CH2-であり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項67に記載の方法。 ZがC=Oであり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項67に記載の方法。 Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項67に記載の方法。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項67に記載の方法。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項67に記載の方法。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、Raがモノまたはジハロゲンによって置換されている、請求項67に記載の方法。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、R1が二価の低級または中級の飽和脂肪族炭化水素であり、Raがモノまたはジフルオロによって置換されている、請求項67に記載の方法。 Lがオキソであり、Mが水素またはヒドロキシであり、Nが水素であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、R1が二価の低級または中級の、飽和脂肪族炭化水素である、請求項67に記載の方法。 かかる脂肪酸誘導体が、(-)-7-[(2R,4aR,5R,7aR)-2-(1,1-ジフルオロペンチル)-2-ヒドロキシ-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン-5-イル]ヘプタン酸、(-)-7-{(2R,4aR,5R,7aR)-2-[(3S)-1,1-ジフロオロ-3-メチルペンチル]-2-ヒドロキシ-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン-5-イル}ヘプタン酸もしくは(-)-7-[(1R,2R)-2-(4,4-ジフルオロ-3-オキソオクチル)-5-オキソシクロペンチル]ヘプタン酸またはその官能性誘導体である、請求項67に記載の方法。 かかるイオン輸送体がNa+/K+/Cl-共輸送体である、請求項67〜82のいずれかに記載の方法。 かかるイオン輸送体がNKCC1、NBCelおよび/またはNHE3である、請求項67〜82のいずれかに記載の方法。 かかるイオン輸送体が、腸管に発現している、請求項67〜84のいずれかに記載の方法。 かかるイオン輸送体がNKCC1である、請求項67〜85のいずれかに記載の方法。 該疾患状態が粘膜炎である、請求項67〜86のいずれかに記載の方法。 該疾患状態が胃腸疾患である、請求項67〜87のいずれかに記載の方法。 本発明は、脂肪酸誘導体を哺乳類対象に投与することを含む、イオン輸送体の調節方法または疾患状態における、電解質輸送障害の処置方法に関する。本発明はまた、イオン輸送体を調節するため、または疾患状態における電解質輸送障害を処置するための組成物であって、脂肪酸誘導体を含む組成物に関する。


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