生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_ステロイドおよびグルココルチコイド受容体アンタゴニスト組合せ治療
出願番号:2013548582
年次:2014
IPC分類:A61K 31/4745,A61P 27/06,A61P 29/00,A61P 19/02,A61P 11/06,A61P 11/02,A61P 11/00,A61P 37/08,A61P 37/06,A61K 31/573


特許情報キャッシュ

ベラノフ, ジョー ロッキー, ピーター JP 2014501785 公表特許公報(A) 20140123 2013548582 20120106 ステロイドおよびグルココルチコイド受容体アンタゴニスト組合せ治療 コーセプト セラピューティクス, インコーポレイテッド 503345477 山本 秀策 100078282 森下 夏樹 100113413 ベラノフ, ジョー ロッキー, ピーター US 61/430,786 20110107 US 61/492,440 20110602 A61K 31/4745 20060101AFI20131220BHJP A61P 27/06 20060101ALI20131220BHJP A61P 29/00 20060101ALI20131220BHJP A61P 19/02 20060101ALI20131220BHJP A61P 11/06 20060101ALI20131220BHJP A61P 11/02 20060101ALI20131220BHJP A61P 11/00 20060101ALI20131220BHJP A61P 37/08 20060101ALI20131220BHJP A61P 37/06 20060101ALI20131220BHJP A61K 31/573 20060101ALI20131220BHJP JPA61K31/4745A61P27/06A61P29/00A61P29/00 101A61P19/02A61P11/06A61P11/02A61P11/00A61P37/08A61P37/06A61K31/573 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN US2012020521 20120106 WO2012094618 20120712 25 20130625 4C086 4C086AA01 4C086AA02 4C086CB05 4C086DA10 4C086MA02 4C086MA04 4C086NA06 4C086ZA33 4C086ZA34 4C086ZA59 4C086ZA96 4C086ZB08 4C086ZB11 4C086ZB13 4C086ZB15 4C086ZC75 関連出願の引用 本願は、2011年1月7日に出願した米国仮出願第61/430,786号および2011年6月2日に出願された米国仮出願61/492,440号に対する優先権を主張する。これらの出願は、その全体が全ての目的のために本明細書中に参考として援用される。 発明の背景 人間を含むほとんどの種において、生理学的グルココルチコステロイド(glucocorticosteroid)はコルチゾール(ヒドロコルチゾン)である。グルココルチコステロイドは、概日リズムの変動、ならびにストレスおよび食事に応答した上昇の両方を示すACTH(コルチコトロピン)に応答して分泌される。コルチゾールレベルは、外傷、外科処置、運動、不安および鬱などをはじめとする多くの身体的および精神的ストレスに対して数分以内に応答する。コルチゾールはグルココルチコステロイドであり、細胞内グルココルチコイド受容体(GR)に結合することにより作用する。人間には、グルココルチコイド受容体は2つの形態:777アミノ酸のリガンド結合GR−α;および50個のカルボキシ末端アミノ酸がないGR−βアイソフォームで存在する。これらの形態にはリガンド結合ドメインが含まれているため、GR−βはリガンドに結合することができず、核内に構成的に局在し、転写により不活性となる。また、グルココルチコイド受容体GRは、グルココルチコイド受容体IIまたはGRIIとしても知られている。 コルチゾールの生物学的効果(高コルチゾール血症によって引き起こされるものが挙げられる)は、アゴニスト、部分アゴニストおよびアンタゴニストなどの受容体モジュレーターを用いてGRレベルでモジュレートされ得る。いくつかの種々のクラスの薬剤はGR−アゴニストの結合の生理学的効果をブロックし得る。このようなアンタゴニストとしては、GRに結合することにより、アゴニストがGRに有効に結合すること、および/またはGRを活性化させる能力をブロックする組成物が挙げられる。既知のかかるGRアンタゴニストの一例であるミフェプリストンは、ヒトにおいて有効な抗グルココルチコイド剤であることがわかっている(非特許文献1)。ミフェプリストンは、GRに、解離定数(Kd)10−9Mという高親和性で結合する(非特許文献2)。 コルチゾールに加え、他のグルココルチコステロイドの生物学的効果もアゴニスト、部分アゴニストおよびアンタゴニストなどの受容体モジュレーターを用いてGRレベルでモジュレートされ得る。グルココルチコステロイドは、それを必要とする被験体に投与した場合、意図される治療効果ならびに望ましくない副作用の両方をもたらし得る。有益な治療効果は、通常、GR誘導性の遺伝子トランス抑制(gene transrepression)の結果と考えられており、一方、望ましくない副作用のほとんどはGR誘導性の遺伝子トランス活性化と関連している。当該技術分野において必要とされているものは、グルココルチコイド受容体誘導性トランス抑制によってもたらされる意図される治療効果を有意に低減させないが、慢性的なグルココルチコイド受容体誘導性トランス活性化を阻害することによりグルココルチコステロイドのマイナスの副作用を改善するための新しい組成物および方法である。驚くべきことに、本発明は、これらおよび他の必要性を満たすものである。Bertagna(1984)J.Clin.Endocrinol.Metab.59:25Cadepond(1997)Annu.Rev.Med.48:129 発明の簡単な概要 第1の実施形態において、本発明は、抗炎症性グルココルチコステロイドと式I:のグルココルチコイド受容体(GR)モジュレーターを含む組成物を提供する。 第2の実施形態において、本発明は、GRを、抗炎症性グルココルチコステロイドおよび式IのGRモジュレーターを有する組成物とGR誘導性トランス抑制を実質的に阻害することなくGR誘導性トランス活性化を阻害するのに充分な量で接触させることを含む、GR誘導性トランス抑制を実質的に阻害することなくグルココルチコイド受容体(GR)誘導性トランス活性化を阻害する方法を提供する。 第3の実施形態において、本発明は、障害または病状(condition)の処置方法であって、その障害または病状の処置を必要とする被験体に、抗炎症性グルココルチコステロイドおよび式Iのグルココルチコイド受容体(GR)モジュレーターを有する治療有効量の組成物を投与し、それによりその障害または病状を処置することを含む、障害または病状の処置方法を提供する。 第4の実施形態において、本発明は、グルココルチコステロイド処置の副作用を低減させる方法であって、グルココルチコステロイド処置の副作用の低減を必要とする被験体に、抗炎症性グルココルチコステロイドおよび式Iのグルココルチコイド受容体(GR)モジュレーターを有する治療有効量の組成物を投与し、それにより、グルココルチコステロイド処置の副作用を低減させることを含む方法を提供する。図1は、CORT−108297がデキサメタゾン誘導性トランス抑制を実質的に阻害しないことを示す。図1aは、デキサメタゾンがナノモル濃度で強力なトランス抑制(LPS活性化によるTNFα放出の阻害)を引き起こすが、CORT−108297単独では、マイクロモル濃度で使用されるまでトランス抑制が引き起こされない(丸)ことを示す。図1bは、ミフェプリストンはデキサメタゾン誘導性トランス抑制を完全に阻害する(四角)が、CORT−108297ではデキサメタゾン誘導性トランス抑制の阻害は一部にすぎず、より高濃度が必要とされること(丸)を示す。図2は、CORT−108297がデキサメタゾン誘導性トランス活性化を実質的に阻害することを示す。図2bは、CORT−108297がデキサメタゾンのチロシンアミノトランスフェラーゼの発現誘導を逆転させるため、CORT−108297がGR誘導性トランス活性化のアンタゴニストであることを示す。図2aは、デキサメタゾンが約100nMの濃度で最大トランス活性化を促進する(四角)が、CORT−108297はトランス活性化を実質的に促進しない(丸)(チロシンアミノトランスフェラーゼの発現を誘導することによって示される)ことを示す。図2bは、ミフェプリストンとCORT−108297がどちらもデキサメタゾン誘導性トランス活性化を阻害すること(チロシンアミノトランスフェラーゼの発現の増大を阻害することによって示される)を示す。 発明の詳細な説明 I.総論 本発明は、グルココルチコステロイド処置の有益な特性を与えるが、体重増加および血圧上昇などのグルココルチコステロイド処置の副作用は低減される、抗炎症性グルココルチコステロイドおよびグルココルチコイド受容体(GR)モジュレーターの組成物を提供する。この有益な性質は、GRモジュレーターによるGR誘導性トランス活性化を阻害することにより、該GRモジュレーターによるGR誘導性トランス抑制が実質的に阻害されることなく、もたらされる。 II.定義 「塩」とは、本発明の方法において使用される、抗炎症性グルココルチコステロイドの酸または塩基の塩をいう。薬学的に許容され得る塩の例示的な例は、鉱酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸など)の塩、有機酸(酢酸、プロピオン酸、グルタミン酸、クエン酸など)の塩、および第4級アンモニウム(ヨウ化メチル、ヨウ化エチルなど)の塩である。薬学的に許容され得る塩は無毒性であることは理解されよう。適切な薬学的に許容され得る塩に関するさらなる情報は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985(これは、引用により本明細書に組み込まれる)において見出され得る。 「異性体」とは、同じ数および種類の原子、したがって同じ分子量を有するが、原子の構造的配置または立体配置に関しては異なっている化合物をいう。 「互変異性体」とは、平衡状態で存在し、1つの異性体形態から別の異性体形態へと容易に変換される2種類以上の構造異性体のうちの1つをいう。 「グルココルチコイド受容体」(「GR」)とは、コルチゾールおよび/またはコルチゾール類似体(例えば、デキサメタゾン)に特異的に結合する細胞内受容体ファミリーをいう。また、グルココルチコイド受容体はコルチゾール受容体とも称される。この用語は、GRのアイソフォーム、組換えGRおよび変異型GRも包含している。 「抗炎症性グルココルチコステロイド」は、グルココルチコイド受容体に結合して炎症を低減させる、あるクラスのステロイドホルモンをいう。抗炎症性グルココルチコステロイドの例としては、コルチゾール(生理学的グルココルチコイド)ならびにアルクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾール、クロコルトロン、デプロドン、デソニド、デキサメタゾン、ジフルプレドナート、フルニソリド、フルオシノロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ハロメタゾン、ハロプレドン、ヒドロコルチゾン、ロテプレドノール、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、ナフロコルト、オキサザコルト(oxazacort)、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリメキソロン(trimexolone)、およびウロベタゾール(ulobetasol)が挙げられるが、これらに限定されない。グルココルチコステロイドは、コルチコステロイド(ミネラルコルチコステロイドも含まれる)と称されるクラスの化合物の一部である。本発明の抗炎症性グルココルチコステロイドはグルココルチコイド受容体に結合するが、グルココルチコイド受容体I(GRI)としても知られているミネラルコルチコイド受容体には結合しない。 「GR誘導性トランス活性化」とは、GRアゴニストがグルココルチコイド受容体に結合することにより誘導される遺伝子発現をいう。例えば、GR誘導性トランス活性化は、抗炎症性グルココルチコステロイド(デキサメタゾンなど)がグルココルチコイド受容体に結合した場合に起こり得る。本発明において、GR誘導性トランス活性化の阻害は、GR誘導性トランス活性化活性の少なくとも25%の阻害を伴って起こる。 「GR誘導性トランス抑制」とは、GRアゴニストがグルココルチコイド受容体に結合することにより誘導される遺伝子発現の阻害をいう。本発明のGRモジュレーターは、GR誘導性トランス抑制に対して最小限の効果を有する。本発明において、GR誘導性トランス抑制を実質的に阻害しないとは、GRモジュレーターの存在下でのGR誘導性トランス抑制活性が、該GRモジュレーターの非存在下で観察される該活性の少なくとも50%である場合である。 「患者」または「それを必要とする被験体」とは、本明細書において提供される医薬組成物の投与によって処置され得る病状に苦しんでいるかまたは該病状に易罹患性の生きている生物体をいう。非限定的な例としては、ヒト、他の哺乳動物および哺乳動物でない他の動物が挙げられる。 「治療有効量」とは、識別された疾患もしくは病状の処置もしくは改善に有用な、または検出可能な治療効果もしくは阻害効果が発揮されるのに有用なコンジュゲート型機能性薬剤または医薬組成物の量をいう。該効果は、当該技術分野において知られた任意のアッセイ法によって検出され得る。 「処置する」(「treat」、「treating」)および「処置」(「treatment」)とは、損傷、病態または病状の処置または改善(任意の客観的または主観的パラメータ、例えば、軽減;寛解;症状を減退させること、または損傷、病態もしくは病状を患者にとってより耐えられるものにすること;変性または衰弱の速度を遅滞すること;変性の終点の消耗性を低くすること;患者の身体的または精神的な幸福を改善することが挙げられる)における好結果の任意の指標(indicia)をいう。症状の処置または改善は、客観的または主観的なパラメータ(身体検査、神経精神病学的検査および/または精神医学的評価の結果が挙げられる)に基づくものであり得る。 「薬学的に許容され得る賦形剤」および「薬学的に許容され得る担体」とは、被験体への活性薬剤の投与および被験体による活性薬剤の吸収を補助し、患者に対して重大で有害な毒物学的効果を引き起こすことなく本発明の組成物に含めることができる物質をいう。薬学的に許容され得る賦形剤の非限定的な例としては、水、NaCl、ノーマルセーライン溶液、乳酸加リンゲル液、通常のスクロース(normal sucrose)、通常のグルコース(normal glucose)、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング、甘味料、フレーバーおよび着色料などが挙げられる。当業者には、他の医薬用賦形剤も本発明において有用であることが認識されよう。 「接触させる」とは、少なくとも2種類の相違する種をこれらが反応し得るように接触させるプロセスをいう。しかしながら、得られる反応生成物は、添加した試薬間の反応から直接生成されてもよく、または添加した試薬のうちの1種類以上からの(反応混合物中に生成され得る)中間体から生成されてもよいことを認識されたい。 「GRモジュレーター」とは、グルココルチコイド受容体を作動させる、および/または受容体に対して拮抗作用し、以下の式Iの化合物として規定される化合物をいう。 「障害」または「病状」とは、本発明のグルココルチコイド受容体モジュレーターで処置され得る患者または被験体の現状または健康状態をいう。障害または病状の例としては、肥満、糖尿病、心血管疾患、高血圧、X症候群、鬱、不安、緑内障、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)または後天性免疫不全症候群(AIDS)、神経変性、アルツハイマー病、パーキンソン病、認知強化(cognition enhancement)、クッシング症候群、アジソン病、骨粗鬆症、脆弱(frailty)、筋脆弱、炎症性疾患、変形性関節症、関節リウマチ、喘息および鼻炎、副腎機能に関連する病気、ウイルス感染、免疫不全、免疫調節、自己免疫疾患、アレルギー、創傷治癒、強迫性行動、多剤耐性、嗜癖、精神病、食欲不振、悪液質、外傷後ストレス症候群、術後骨折、医学的異化(medical catabolism)、精神病性大うつ病、軽度認知障害、精神病、認知症、高血糖症、ストレス障害、抗精神病薬誘導性体重増加、せん妄、鬱病患者における認知障害、ダウン症候群の個体における認知低下、インターフェロン−α療法と関連している精神病、慢性疼痛、胃食道逆流性疾患と関連している痛み、産後精神病、産後鬱病、早産児における神経系障害、および偏頭痛が挙げられるがこれらに限定されない。 III.抗炎症性グルココルチコステロイドおよびGRモジュレーターの組成物 本発明は、GR誘導性トランス抑制を実質的に低下させることなくGR誘導性トランス活性化を阻害するのに有用な、一連の抗炎症性グルココルチコステロイドおよびグルココルチコイド受容体(GR)モジュレーターを提供する。本発明での使用に適した抗炎症性グルココルチコステロイドを以下に列挙する。本発明での使用に適したGRモジュレーターは式Iの構造を有する。 一部の実施形態において、本発明は、抗炎症性グルココルチコステロイドおよび式I:のグルココルチコイド受容体(GR)モジュレーターを含む組成物を提供する。一部の実施形態において、該組成物はまた、本発明の抗炎症性グルココルチコステロイドの塩および異性体を含んでもよい。 GRモジュレーター 一部の実施形態において、本発明は、抗炎症性グルココルチコステロイドおよび式IのGRモジュレーターを含む組成物を提供する。 本発明の特定の化合物は互変異性体形態で存在してもよく、該化合物のかかるすべての互変異性体形態は本発明の範囲に含まれることは当業者には明白であろう。 特に記載のない限り、本明細書に示した構造は、1個以上の同位体富化原子の存在のみが異なる化合物をも包含していることを意図する。例えば、水素がデューテリウムもしくはトリチウムで置き換えられていること、または炭素が13C−もしくは14C−富化炭素で置き換えられていること以外は本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲に含まれる。本発明の化合物のあらゆる同位体バリエーションは、放射性であろうと、そうでなかろうと、本発明の範囲に包含される。 本発明の特定の化合物は、非溶媒和形態で存在してもよく、溶媒和形態(水和形態が挙げられる)で存在してもよい。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と等価であり、本発明の範囲内に包含される。本発明の特定の化合物は複数の結晶性形態または非晶質形態で存在し得る。一般に、あらゆる物理形態が、本発明で想定される使用に対して等価であり、本発明の範囲内に含まれることが意図される。 また、本発明は、プロドラッグ形態にある化合物を提供する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化を受けて本発明の化合物をもたらす化合物である。さらに、プロドラッグは、エキソビボ環境での化学的または生化学的方法によって本発明の化合物に変換されてもよい。例えば、プロドラッグは、経皮パッチレザーバ内に適切な酵素または化学試薬とともに入れた場合に、本発明の化合物へとゆっくりと変換されてもよい。 式IのGRモジュレーターの合成 本発明の化合物は、当業者に知られたさまざまな方法によって(Comprehensive Organic Transformations,Richard C.Larock,1989参照)または一般的によく知られた合成方法の適切な組合せによって合成され得る。 本発明のGRモジュレーターは、一般的によく知られた合成方法の適切な組合せによって合成され得る。本発明の化合物の合成に有用な手法は、該当技術分野の当業者に容易にわかり、かつ入手可能である。以下の論考は、本発明の化合物の組立て(assembling)における使用に利用可能な多様な方法のうちの一部を例示するために提供される。しかしながら、この論考は、本発明の化合物の調製に有用な反応または反応順序の範囲を規定することを意図するものでない。式Iの化合物の例示的な合成は、米国特許出願第10/591,884号(現米国特許第7,928,237号)およびBioorganic & Medicinal Chemistry Letters 18(4),1312,2008に見出され得る。 スキーム1. 式(I)の化合物はスキーム1に記載のとおりに調製される。スキーム1において、PGは合成を容易にするための適切な保護基(BOCまたはベンジルなど)を表す。ケト−エステル1は、アルコール溶媒(例えば、メタノール、エタノール、またはtert−ブタノール)中での1の塩基(例えば、カリウムまたはナトリウムアルコキシド)での処理の後、メチルビニルケトン(MVK)の添加を含むロビンソンアネレーション反応によって、エノン3へと直接変換される。この反応は典型的には0〜25℃で行なわれる。 あるいは、化合物3は、光学活性形態で調製され得る。好適にN保護したピペリドン−2−カルボン酸エステル1を、光学活性な含窒素塩基(J.Med.Chem.39:2302(1996)に記載のとおり)((R)−(+)−α−メチルベンジルアミンまたは(S)−2−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチル−ブチルアミドなど)とともに、適切な溶媒(トルエン、ベンゼンまたはジオキサンなど)中で脱水条件(濃HCl、モレキュラーシーブスまたはディーン・スターク・トラップ)下で加熱する。次いで、中間体エナミンを、無極性溶媒(アセトンなど)中、酢酸銅IIの存在下でメチルビニルケトンにて処理すると、光学活性なメチルビニルケトン付加物2が得られる。 光学活性なケトン2は、アルコール溶媒(例えば、メタノール、エタノール、もしくはtert−ブタノール)中での塩基(例えば、カリウムアルコキシドもしくはナトリウムアルコキシド)での処理によって、または非プロトン性溶媒(例えば、ベンゼン、トルエンもしくはジオキサン)中での含窒素塩基(ピロリジン、ピペリジンもしくはモルホリンなど)の添加によってエノン3に変換される。 ケトン3を、塩基(ナトリウムメトキシド、LDAまたは水素化ナトリウムなど)の存在下、非プロトン性溶媒(トルエンなど)中のホルミル化剤(ギ酸エチルまたはギ酸トリフルオロエチルなど)(例えば、Organic Letters,1(7),989,(1999)に記載のとおり)で処理すると、ヒドロキシメチレン誘導体4が得られる。4をアルコール溶媒または酢酸中にてアリールヒドラジンで、この混合物の還流温度まで加熱しながら処理するとピラゾール5が得られる。 アルコール6は、エステル5を不活性溶媒(THF、ベンゼンまたはトルエンなど)中にて還元剤(DIBAL−H、LiAlH4またはRED−ALなど)で処理することにより調製される。 アルコール6は、非プロトン性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド)中にて塩基(例えば、水素化ナトリウム)で処理した後、置換または非置換のハロゲン化アルキルを添加すると、エーテル誘導体7へと変換される。エーテル7は、保護基を除去した後、得られた非保護アミンを適切な塩化スルホニルと反応させると、式(I)の化合物へと変換される。保護基は、当業者に知られた任意の方法を用いて除去され得る(クロロホルメートで処理し、続いて加水分解してベンジル基を除去する、または適切な酸で処理してBoc基を除去する、など)。スルホニル化は、当業者に知られた標準的な条件を用いて達成され得る(不活性溶媒(トルエン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンまたはジオキサン)中、塩基(トリエチルアミンなど)の存在下での適切な塩化スルホニルとの反応など)。 また、式(I)の化合物は、異なる順序で合成工程を行なうことによりスキームIに示すように調製することもできる。化合物5からの保護基の除去は標準的な条件下で達成される(クロロホルメートでの処理、続いて加水分解によるベンジル基の除去など)。好適なクロロホルメートとしては、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチルおよびクロロギ酸α−クロロエチルが挙げられる。次いで、非保護アミンを、不活性溶媒(例えば、トルエン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンまたはジオキサン)中、塩基(トリエチルアミンなど)の存在下で適切なハロゲン化スルホニルと反応させると、スルホンアミド8が得られ得る。このエステルの対応アルコール9への還元、続いて式(I)のエーテルへの変換は、化合物5の化合物6および7への変換について上記に記載のとおりに行なわれ得る。 抗炎症性グルココルチコステロイド 本発明での使用に適した抗炎症性グルココルチコステロイドとしては、GRに結合するグルココルチコステロイドが挙げられ、そしてアルクロメタゾン、ジプロピオン酸アルクロメタゾン(alclometasone dipropioate)、ベクロメタゾン(beclometasone)、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾール、プロピオン酸クロベタゾール、クロコルトロン、ピバル酸クロコルトロン、コルテキソロン、コルチゾール、コルチスポリン、コルチバゾール、デフラザコート、デプロドン、プロピオン酸デプロドン、デソニド、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、シペシル酸デキサメタゾン、パルミチン酸デキサメタゾン、ジフルプレドナート、フルドロキシコルチド、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、ハルシノニド、ハロメタゾン、ハロプレドン、酢酸ハロプレドン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン17−ブチラート、アセポン酸ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンプロブタート(probutate)、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、ロテプレドノール、エタボン酸ロテプレドノール、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、アセポン酸メチルプレドニゾロン、スレプタン酸メチルプレドニゾロン、モメタゾン、フロ酸モメタゾン、ナフロコルト、19−ノルデオキシコルチコステロン、19−ノルプロゲステロン、オトビオチック(otobiotic)、オキサザコルト、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、ファルネシル酸プレドニゾロン、プレドニゾン、リン酸プレドニゾンナトリウム、プレドニリデン、プロクトセディル、リメキソロン、トブラデックス、トリアムシノロン、トリアムシノロンヘキサアセトニド、トリメキソロン、ウロベタゾール、プロピオン酸ウロベタゾール、11β−(4−ジメチルアミノエトキシフェニル)−17α−プロピニル−17β−ヒドロキシ−4,9エストラジエン−3−オン(RU009)、17β−ヒドロキシ−17α−19−(4−メチルフェニル)アンドロスタ−4,9(11)−ジエン−3−オン(RU044)、ならびにそれらの塩およびエステルの形態が挙げられるがこれらに限定されない。 本発明での使用に適したさらなる抗炎症性グルココルチコステロイドとしては、コレステロールに由来するものであってよく、かつ水素化シクロペンタノペルヒドロフェナントレン環系を特徴とする、天然に存在するかまたは合成の、ステロイドグルココルチコイドが挙げられるがこれらに限定されない。好適なグルココルチコステロイドとしてはまた、11−α,17−α,21−トリヒドロキシプレグナ−4−エン−3,20−ジオン;11−β,16−α,17,21−テトラヒドロキシプレグナ−4−エン−3,20−ジオン;11−β,16−α,17,21−テトラヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン;11−β,17−α,21−トリヒドロキシ−6−α−メチルプレグナ−4−エン−3,20−ジオン;11−デヒドロコルチコステロン;11−デオキシコルチゾール;11−ヒドロキシ−1,4−アンドロスタジエン−3,17−ジオン;11−ケトテストステロン;14−ヒドロキシアンドロスタ−4−エン−3,6,17−トリオン;15,17−ジヒドロキシプロゲステロン;16−メチルヒドロコルチゾン;17,21−ジヒドロキシ−16−α−メチルプレグナ−1,4,9(11)−トリエン−3,20−ジオン;17−α−ヒドロキシプレグナ−4−エン−3,20−ジオン;17−α−ヒドロキシプレグネノロン;17−ヒドロキシ−16−β−メチル−5−β−プレグナ−9(11)−エン−3,20−ジオン;17−ヒドロキシ−4,6,8(14)−プレグナトリエン−3,20−ジオン;17−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3,20−ジオン;18−ヒドロキシコルチコステロン;18−ヒドロキシコルチゾン;18−オキソコルチゾール;21−アセトキシプレグネノロン;21−デオキシアルドステロン;21−デオキシコルチゾン;2−デオキシエクジソン;2−メチルコルチゾン;3−デヒドロエクジソン;4−プレグネン−17−α,20−β、21−トリオール−3,11−ジオン;6,17,20−トリヒドロキシプレグナ−4−エン−3−オン;6−α−ヒドロキシコルチゾール;6−αフルオロプレドニゾロン;6−α−メチルプレドニゾロン;6−α−メチルプレドニゾロン−21−アセテート;6−α−メチルプレドニゾロン21−ヘミコハク酸ナトリウム塩、6−βヒドロキシコルチゾール、6−α,9−α−ジフルオロプレドニゾロン21−アセテート17−ブチラート、6−ヒドロキシコルチコステロン;6−ヒドロキシデキサメタゾン;6−ヒドロキシプレドニゾロン;9−フルオロコルチゾン;ジプロピオン酸アルクロメタゾン(alclomethasone dipropionate);アルゲストン;アルファダーム(alphaderm);アマジノン;アムシノニド;アナゲストン;アンドロステンジオン;酢酸アネコルタブ;ベクロメタゾン;ジプロピオン酸ベクロメタゾン;17−吉草酸ベタメタゾン;酢酸ベタメタゾンナトリウム;リン酸ベタメタゾンナトリウム;吉草酸ベタメタゾン;ボラステロン;ブデソニド;カルステロン;クロルマジノン;クロロプレドニゾン;酢酸クロロプレドニゾン;コレステロール;シクレソニド;クロベタゾール;プロピオン酸クロベタゾール;クロベタゾン;クロコルトロン;ピバル酸クロコルトロン;クロゲストン;クロプレドノール;コルチコステロン;コルチゾール;酢酸コルチゾール;酪酸コルチゾール;シピオン酸コルチゾール;オクタン酸コルチゾール;リン酸コルチゾールナトリウム;コハク酸コルチゾールナトリウム;吉草酸コルチゾール;コルチゾン;酢酸コルチゾン;コルチバゾール;コルトドキソン;ダツラオロン;デフラザコート、21−デオキシコルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン;デルマジノン;デオキシコルチコステロン;デプロドン;デスシノロン(descinolone);デソニド;デスオキシメタゾン(desoximethasone);デキサフェン(dexafen);デキサメタゾン;デキサメタゾン21−アセテート;酢酸デキサメタゾン;リン酸デキサメタゾンナトリウム;ジクロリゾン;ジフロラゾン;二酢酸ジフロラゾン;ジフルコルトロン;ジフルプレドナート;ジヒドロエラテリシンa;ドモプレドナート;ドキシベタソール;エクジソン;エクジステロン;エモキソロン(emoxolone);エンドリゾン;エノキソロン;フルアザコルト;フルシノロン;フルクロロニド;フルドロコルチゾン;酢酸フルドロコルチゾン;フルゲストン;フルメタゾン;ピバル酸フルメタゾン;フルモキソニド;フルニソリド;フルオシノロン;フルオシノロンアセトニド;フルオシノニド;フルオコルチンブチル;9−フルオロコルチゾン;フルオコルトロン;フルオロヒドロキシアンドロステンジオン;フルオロメトロン;酢酸フルオロメトロン;フルオキシメステロン;酢酸フルペロロン;フルプレドニデン;フルプレドニソロン;フルランドレノリド;フルチカゾン;プロピオン酸フルチカゾン;フォンネボロン(fonnebolone);フォルメスタン(fonnestane);フォンノコータル(fonnocortal);ゲストノロン;グリデリニン;ハルシノニド;プロピオン酸ハロベタソール;ハロメタゾン;ハロプレドン;ハロプロゲステロン;ヒドロコルタマート;シピオン酸ヒドロコルチゾン(hydrocortiosone cypionate);ヒドロコルチゾン;ヒドロコルチゾン;21−ブチラート;アセポン酸ヒドロコルチゾン;酢酸ヒドロコルチゾン;ヒドロコルチゾンブテプラート;酪酸ヒドロコルチゾン;シピオン酸ヒドロコルチゾン;ヘミコハク酸ヒドロコルチゾン;ヒドロコルチゾンプロブタート;リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム;コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム;吉草酸ヒドロコルチゾン;ヒドロキシプロゲステロン;イノコステロン;イソフルプレドン;酢酸イソフルプレドン;イソプレドニデン;エタボン酸ロテプレドノール;メクロリゾン;メコルトロン;メドロゲストン;メドロキシプロゲステロン;メドリソン;メゲストロール;酢酸メゲストロール;メレンゲストロール;メプレドニゾン;メタンドロステノロン;メチルプレドニゾロン;アセポン酸メチルプレドニゾロン;酢酸メチルプレドニゾロン;ヘミコハク酸メチルプレドニゾロン;コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム;メチルテストステロン;メトリボロン;モメタゾン;フロ酸モメタゾン;フロ酸モメタゾン一水和物;ニソン;ノメゲストロール;ノルゲストメット;ノルビニステロン;オキシメステロン;パラメタゾン;酢酸パラメタゾン;ポナステロン;プレドニカルベート;プレドニソラメート;プレドニゾロン;21−ジエチルアミノ酢酸プレドニゾロン;21−ヘミコハク酸プレドニゾロン;酢酸プレドニゾロン;ファルネシル酸プレドニゾロン(prednisolone famesylate);ヘミコハク酸プレドニゾロン;プレドニゾロン−21(β−D−グルクロニド);メタスルホ安息香酸プレドニゾロン;リン酸プレドニゾロンナトリウム;プレドニゾロンステアグラート;テブト酸プレドニゾロン;テトラヒドロフタル酸プレドニゾロン;プレドニゾン;プレドニバール;プレドニリデン;プレグネノロン;プロシノニド;トラロニド;プロゲステロン;プロメゲストン;ラポンチステロン;リメキソロン;ロキシボロン;ルブロステロン;スチゾフィリン;チキソコルトール;トプテロン;トリアムシノロン;トリアムシノロンアセトニド;21−パルミチン酸トリアムシノロンアセトニド;トリアムシノロンベネトニド;二酢酸トリアムシノロン;トリアムシノロンヘキサアセトニド;トリメゲストン;ツルケステロン;およびウォルトマンニンも挙げられるがこれらに限定されない。 本発明での使用に適したさらなる抗炎症性グルココルチコステロイドとしては、アルクロメタゾン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾール、クロコルトロン、コルテキソロン、コルチゾール、コルチスポリン、コルチバゾール、デフラザコート、デプロドン、デソニド、デキサメタゾン、ジフルプレドナート、フルドロキシコルチド、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ハロメタゾン、ハロプレドン、ヒドロコルチゾン、ロテプレドノール、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、ナフロコルト、19−ノルデオキシコルチコステロン、19−ノルプロゲステロン、オトビオチック、オキサザコルト、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニリデン、プロクトセディル、リメキソロン、トブラデックス、トリアムシノロン、トリメキソロン、ウロベタゾール、11β−(4−ジメチルアミノエトキシフェニル)−17α−プロピニル−17β−ヒドロキシ−4,9エストラジエン−3−オン(RU009)、および17β−ヒドロキシ−17α−19−(4−メチルフェニル)アンドロスタ−4,9(11)−ジエン−3−オン(RU044)が挙げられるがこれらに限定されない。 本発明の抗炎症性グルココルチコステロイドはまた、塩、水和物、溶媒和物およびプロドラッグの形態も包含している。本発明の抗炎症性グルココルチコステロイドはまた、上記のものの異性体および代謝産物も包含している。 塩としては、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸リン酸塩、ホスホン酸、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩(gentisinate)、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロネート(glucaronate)、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))などの塩が挙げられるがこれらに限定されない。他の塩としては、、無機塩基との塩、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、およびカリウム塩など);アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、およびマグネシウム塩など);アルミニウム塩;ならびにアンモニウム塩が挙げられるがこれらに限定されない。有機塩基との他の塩としては、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、メグルミン、およびN,N’−ジベンジルエチレンジアミンとの塩が挙げられる。 抗炎症性グルココルチコステロイドの中性形態は、塩を塩基または酸と接触させ、親抗炎症性グルココルチコステロイドを従来のようにして単離することにより再生させることができる。抗炎症性グルココルチコステロイドの親形態は、特定の物性(極性溶媒中での溶解度など)が種々の塩形態と異なるが、他の点では、本発明の目的のためには、この塩は、その化合物の親形態と等価である。 本発明の特定の抗炎症性グルココルチコステロイドは、非溶媒和形態で存在してもよく、水和形態をはじめとする溶媒和形態で存在してもよい。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と等価であり、本発明の範囲に包含される。本発明の特定の抗炎症性グルココルチコステロイドは複数の結晶性形態または非晶質形態で存在し得る。一般に、あらゆる物理形態が本発明で想定される使用に関して等価であり、本発明の範囲に含まれることを意図する。 本発明の特定の抗炎症性グルココルチコステロイドは、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有する;エナンチオマー、ラセミ化合物、ジアステレオマー、互変異性体、幾何異性体、絶対立体化学に関して(R)−もしくは(S)−または、アミノ酸では(D)−もしくは(L)−で規定され得る立体異性体形態、および個々の異性体は本発明の範囲に包含される。本発明の抗炎症性グルココルチコステロイドは、合成および/または単離するには不安定すぎることが当該技術分野においてわかっているものは含まない。本発明は、ラセミ形態および光学的に純粋な形態の抗炎症性グルココルチコステロイドを包含していることを意図する。光学活性な(R)−および(S)−、または(D)−および(L)−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を用いて調製されてもよく、慣用的な手法を用いて分割されていてもよい。 本発明はまた、プロドラッグ形態にある抗炎症性グルココルチコステロイドを提供する。本明細書に記載の抗炎症性グルココルチコステロイドのプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化を受け、本発明の化合物をもたらす抗炎症性グルココルチコステロイドである。さらに、プロドラッグは、エキソビボ環境において化学的または生化学的な方法によって本発明の抗炎症性グルココルチコステロイドに変換され得る。例えば、プロドラッグは、経皮パッチレザーバ内に適切な酵素または化学試薬とともに入れた場合、ゆっくり本発明の抗炎症性グルココルチコステロイドに変換され得る。 IV.製剤 本発明の組成物は、多種多様な経口投薬形態、非経口投薬形態および表面投薬形態に調製され得る。経口調製物としては、患者による摂取に適した、錠剤、丸剤、散剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ロゼンジ剤、カシェ剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などが挙げられる。本発明の組成物はまた、注射によって、すなわち静脈内、筋肉内、皮内、皮下、十二指腸内、または腹腔内に投与されてもよい。また、本明細書に記載の組成物は、吸入によって、例えば鼻腔内に投与されてもよい。さらに、本発明の組成物は経皮投与されてもよい。本発明の組成物はまた、眼内、膣内および直腸内の経路によって投与されてもよい(坐剤、通気吸入剤(insufflation)、散剤およびエーロゾル製剤が挙げられる)(ステロイド吸入剤の例については、Rohatagi,J.Clin.Pharmacol.35:1187−1193,1995;Tjwa,Ann.Allergy Asthma Immunol.75:107−111,1995を参照のこと)。したがって、本発明はまた、薬学的に許容され得る担体または賦形剤と、抗炎症性グルココルチコステロイドおよび/または式IのGRモジュレーターとを含む医薬組成物を提供する。 本発明の化合物からの医薬組成物の調製では、薬学的に許容され得る担体は固形または液状のいずれであってもよい。固形形態の調製物としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性顆粒剤が挙げられる。固形担体は1種類以上の物質であってもよく、これはまた、希釈剤、矯味矯臭剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤、またはカプセル化材料としての機能を果たしてもよい。製剤化および投与のための手法に関する詳細は科学文献および特許文献に充分に記載されており、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Maack Publishing Co,Easton PA(「Remington’s」)の最新版を参照のこと。 散剤では、担体は微粉化された固体であり、これは、微粉化された活性成分との混合物の状態にある。錠剤では、活性成分を必要な結合特性を有する担体と適切な比率で混合し、所望の形状およびサイズに圧縮成型する。散剤および錠剤には、好ましくは、5%または10%から70%までの抗炎症性グルココルチコステロイドおよび/または式IのGRモジュレーターを含める。 好適な固形賦形剤としては、炭酸マグネシウム;ステアリン酸マグネシウム;タルク;ペクチン;デキストリン;デンプン;トラガカント;低融点ワックス;ココアバター;糖質(carbohydrate);糖類(ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトール、トウモロコシ、コムギ、コメ、ジャガイモもしくは他の植物由来のデンプンが挙げられるがこれらに限定されない);セルロース(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、またはカルボキシメチルセルロースナトリウムなど);およびゴム(アラビアゴムおよびトラガカントゴムが挙げられるがこれらに限定されない);ならびにタンパク質(ゼラチンおよびコラーゲンが挙げられるがこれらに限定されない)が挙げられるがこれらに限定されない。所望により、崩壊剤または可溶化剤、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはその塩(アルギン酸ナトリウムなど)を添加してもよい。 糖衣錠コアには適切なコーティング(濃縮糖溶液など)を設け、また、該コーティングにアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー液ならびに適切な有機溶媒または溶媒混合物を含めてもよい。製品の識別のため、または活性化合物の量(すなわち、投薬量)を特徴付けるため、錠剤または糖衣錠コーティングに染料または顔料を添加してもよい。本発明の医薬調製物はまた、例えば、ゼラチン製のプッシュフィット型カプセル剤、ならびにゼラチン製の軟質密封カプセル剤とコーティング(グリセロールまたはソルビトールなど)を用いて経口使用してもよい。プッシュフィット型カプセル剤には、抗炎症性グルココルチコステロイドおよび/または式IのGRモジュレーターが、充填剤または結合剤(ラクトースもしくはデンプンなど)、滑沢剤(タルクもしくはステアリン酸マグネシウムなど)、および任意選択で安定剤との混合状態で含有され得る。軟質カプセル剤では、抗炎症性グルココルチコステロイドおよび/または式IのGRモジュレーターを適切な液体(脂肪油、液状パラフィンまたは液状ポリエチレングリコールなど)に、安定剤ありでまたは安定剤なしで溶解または懸濁させ得る。 坐剤の調製では、低融点ワックス(脂肪酸グリセリドの混合物またはココアバターなど)を、まず溶融させ、この中に抗炎症性グルココルチコステロイドおよび/または式IのGRモジュレーターを攪拌などによって均一に分散させる。次いで、この均一な溶融混合物を簡便なサイズのモールドに注入し、放冷し、それにより固化させる。 液状形態の調製物としては、液剤、懸濁剤および乳剤(例えば、水または水/プロピレングリコールの液剤)が挙げられる。非経口注射のためには、液状調製物は、ポリエチレングリコール水溶液の液剤に製剤化され得る。 経口用途に適した水性液剤は、抗炎症性グルココルチコステロイドおよび/または式IのGRモジュレーターを水に溶解させ、所望により適切な着色剤、フレーバー、安定剤および増粘剤を添加することにより調製され得る。経口用途に適した水性懸濁剤は、微粉化された活性成分を水中に、粘性材料(例えば、天然または合成のゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴム)、ならびに分散剤または湿潤剤(例えば、天然に存在するホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから得られる部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から得られる部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート))とともに分散させることにより作製され得る。水性懸濁剤にまた、1種類以上の保存料(p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピルなど)、1種類以上の着色剤、1種類以上の矯味矯臭剤および1種類以上の甘味剤(スクロース、アスパルテームまたはサッカリンなど)を含有させてもよい。製剤は、容量オスモル濃度について調整されてもよい。 また、使用直前に経口投与のための液状形態の調製物に変換させることが意図された固形形態の調製物も包含される。かかる液状形態としては、液剤、懸濁剤および乳剤が挙げられる。このような調製物には、活性成分に加えて、着色剤、フレーバー、安定剤、バッファー、人工および天然の甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などが含有され得る。 油性懸濁剤は、抗炎症性グルココルチコステロイドおよび/または式IのGRモジュレーターを植物油(ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはココナッツ油など)、または鉱油(液状パラフィンなど);またはこれらの混合物に懸濁させることにより製剤化され得る。油性懸濁剤には、増粘剤(蜜蝋、硬質パラフィンまたはセチルアルコールなど)が含有され得る。口当たりのよい経口調製物を得るためにグリセロール、ソルビトールまたはスクロースなどの甘味剤を添加してもよい。このような製剤は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加によって保存され得る。注射用油性ビヒクルの一例としては、Minto,J.Pharmacol.Exp.Ther.281:93−102,1997を参照のこと。また、本発明の医薬用製剤は水中油型乳剤の形態であってもよい。油相は、植物油または鉱油(上記)またはこれらの混合物であり得る。好適な乳化剤としては、天然に存在するゴム(アラビアゴムおよびトラガカントゴムなど)、天然に存在するホスファチド(ダイズレシチンなど)、脂肪酸とヘキシトール無水物とから得られるエステルまたは部分エステル(ソルビタンモノオレエートなど)、およびこのような部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなど)が挙げられる。また、乳剤には、シロップ剤およびエリキシル剤の製剤の場合のように甘味剤および矯味矯臭剤を含有させてもよい。かかる製剤にまた、粘滑剤、保存料または着色剤を含有させてもよい。 また、本発明の組成物は、体内での緩徐な放出のためのミクロスフィアとして送達されてもよい。例えば、ミクロスフィアは、皮下でゆっくり放出する薬物含有ミクロスフィアの皮内注射による投与のため(Rao,J.Biomater Sci.Polym.Ed.7:623−645,1995参照;生分解性で注射可能なゲル製剤として(例えば、Gao Pharm.Res.12:857−863,1995参照);または経口投与のためのミクロスフィアとして(例えば、Eyles,J.Pharm.Pharmacol.49:669−674,1997参照)製剤化され得る。経皮経路および皮内経路ではどちらも、数週間または数ヶ月間にわたる定常送達を提供する。 別の実施形態では、本発明の組成物は、非経口投与(静脈内(IV)投与など)または体腔内もしくは器官腔内への投与のために製剤化され得る。投与のための該製剤は、一般的に、薬学的に許容され得る担体に溶解させた本発明の組成物の液剤を含む。使用可能な許容され得るビヒクルおよび溶媒の中でも特に、水およびリンゲル液、等張性塩化ナトリウムである。また、滅菌された固定油も、溶媒または懸濁媒体として従来通りに使用され得る。この目的には、任意の無刺激性の固定油(合成のモノ−またはジグリセリドが挙げられる)が使用され得る。また、オレイン酸などの脂肪酸も、注射用剤の調製に同様に使用され得る。このような液剤は滅菌されたものであり、一般的には望ましくない物質が含有されていない。このような製剤は、従来のよく知られた滅菌手法によって滅菌され得る。製剤に、必要に応じて、生理学的条件に近似させるための薬学的に許容され得る補助物質(例えば、pH調整および緩衝剤、毒性調整剤(例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなど))を含有させてもよい。このような製剤中の本発明の組成物の濃度は広く異なり得、主に流体体積、粘度、体重などに基づいて、選択された具体的な投与様式および患者の必要性に応じて選択される。IV投与のためには、製剤は滅菌された注射用調製物(滅菌された注射用の水性または油性の懸濁剤など)であり得る。この懸濁剤は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて既知の技術に従って製剤化され得る。滅菌された注射可能な調製物はまた、無毒性の非経口に許容され得る希釈剤または溶媒中の滅菌された注射可能な液剤または懸濁剤(1,3−ブタンジオールジオールの液剤など)であってもよい。 別の実施形態において、本発明の組成物の製剤は、細胞膜と融合するか、またはエンドサイトーシスを受けるリポソームの使用によって送達されてもよく、すなわち、リポソームに結合させた、またはオリゴヌクレオチドに直接結合させた、エンドサイトーシスをもたらす細胞の表面膜タンパク質受容体に結合するリガンドを使用することにより送達されてもよい。リポソームを使用することにより、特に、リポソーム表面に標的細胞に特異的なリガンドが担持されている場合、あるいはさもなければ、リポソームが特定の器官に優先的に指向される場合、本発明の組成物の送達をインビボで標的細胞内に集中させることができる(例えば、Al−Muhammed,J.Microencapsul.13:293−306,1996;Chonn,Curr.Opin.Biotechnol.6:698−708,1995;Ostro,Am.J.Hosp.Pharm.46:1576−1587,1989参照)。 V.投与 本発明の組成物は、任意の適切な手段(経口法、非経口法および表面法が挙げられる)によって送達され得る。表面経路による経皮投与法は、アプリケータスティック、液剤、懸濁剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏、ペースト剤、ゼリー剤、塗布剤、散剤およびエーロゾル剤として製剤化され得る。 医薬調製物は、好ましくは単位投薬形態である。かかる形態では、該調製物は、適切な量の抗炎症性グルココルチコステロイドおよび/または式IのGRモジュレーターを含む単位用量に細分されている。単位投薬形態は、パッケージングに入れられた調製物、個々の量の調製物を内包するパッケージ(パケット入り錠剤など)、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル内の散剤であり得る。また、単位投薬形態は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤またはロゼンジ剤それ自体であってもよく、これらのいずれかが適切な数でパッケージに入れられた形態であってもよい。 本発明の抗炎症性グルココルチコステロイドと式IのGRモジュレーターは共投与(co−administer)されてもよく、別々に投与されてもよい。共投与としては、式IのGRモジュレーターから0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、20または24時間以内の抗炎症性グルココルチコステロイドの投与が挙げられる。共投与としてはまた、抗炎症性グルココルチコステロイドと式IのGRモジュレーターとの同時投与、ほぼ同時(例えば、互いに約1、5、10、15、20または30分以内)の投与または任意の順序での逐次投与も挙げられる。さらに、抗炎症性グルココルチコステロイドおよび式IのGRモジュレーターは各々、1日1回、または1日2回、3回もしくはそれより多くの回数で、1日あたりの好ましい投薬量レベルがもたらされるように投与され得る。 一部の実施形態では、共投与は共製剤によって、すなわち、抗炎症性グルココルチコステロイドと式IのGRモジュレーターとの両方を含む単一の医薬組成物を調製することによって達成され得る。他の実施形態では、抗炎症性グルココルチコステロイドと式IのGRモジュレーターとは別々に製剤化され得る。 抗炎症性グルココルチコステロイドは、任意の適切な量で存在させることができ、種々の要因(被験体の体重および年齢、疾患の状態などが挙げられるがこれらに限定されない)に依存し得る。式IのGRモジュレーターと併用される抗炎症性グルココルチコステロイドの好適な投薬量範囲としては、約0.1mg〜約10,000mg、または約1mg〜約1000mg、または約10mg〜約750mg、または約25mg〜約500mg、または約50mg〜約250mgが挙げられる。式IのGRモジュレーターと併用される抗炎症性グルココルチコステロイドの好適な投薬量としては、約1mg、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000mgが挙げられる。 同様に、式IのGRモジュレーターも、抗炎症性グルココルチコステロイドと併用して、抗炎症性グルココルチコステロイドから得られるGR誘導性トランス抑制活性は実質的に阻害しないがGR誘導性トランス活性化を実質的に阻害するのに適した任意の量で存在させることができる。式IのGRモジュレーターの量は、種々の要因(被験体の体重および年齢、疾患の状態などが挙げられるがこれらに限定されない)に依存し得る。抗炎症性グルココルチコステロイドと併用される式IのGRモジュレーターの好適な投薬量範囲としては、約0.1mg〜約10,000mg、または約1mg〜約1000mg、または約10mg〜約750mg、または約25mg〜約500mg、または約50mg〜約250mgが挙げられる。抗炎症性グルココルチコステロイドと併用される式IのGRモジュレーターの好適な投薬量としては、約1mg、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または約1000mgが挙げられるがこれらに限定されない。 本発明の抗炎症性グルココルチコステロイドおよび式IのGRモジュレーターは、本発明の組成物中に、任意の適切な重量比で、例えば、約1:100〜約100:1(w/w)、または約1:50〜約50:1、または約1:25〜約25:1、または約1:10〜約10:1、または約1:5〜約5:1(w/w)で存在させ得る。本発明の抗炎症性グルココルチコステロイドおよび式IのGRモジュレーターは、任意の適切な重量比で、例えば、約1:100(w/w)、1:50、1:25、1:10、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、25:1、50:1または100:1(w/w)で存在させ得る。抗炎症性グルココルチコステロイドおよび式IのGRモジュレーターの他の投薬量および投薬量比は、本発明の組成物および方法に適している。 また、該組成物に他の適合性の治療用薬剤を含めてもよい。本明細書に記載の化合物は、グルココルチコイド受容体のモジュレーションに有用であることがわかっている他の活性薬剤とともに、または単独では有効でないかもしれないが活性薬剤の有効性に寄与し得る補助薬剤とともに、互いに併用して使用され得る。 VI.処置方法およびステロイドの副作用の低減方法 本発明の化合物および組成物は、障害または病状の処置およびグルココルチコステロイド処置の副作用の低減などのさまざまな方法に有用である。 一部の実施形態では、本発明は、GR誘導性トランス抑制を実質的に阻害することなくグルココルチコイド受容体(GR)誘導性トランス活性化を阻害する方法を提供し、該方法は、GRを、抗炎症性グルココルチコステロイドおよび式I:のGRモジュレーターを含む組成物と、GR誘導性トランス抑制を実質的に阻害することなくGR誘導性トランス活性化を阻害するのに充分な量で接触させることを含む。 本発明のGRモジュレーターは、遺伝子発現のGR誘導性トランス活性化が該GRモジュレーターの非存在下で観察される遺伝子発現レベルと比べて少なくとも約50%低減された場合、トランス活性化を阻害するものである。例えば、GR誘導性トランス活性化は、少なくとも約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98または99%阻害され得る。一部の実施形態では、グルココルチコイド受容体誘導性トランス活性化は少なくとも約50%阻害される。他の実施形態では、グルココルチコイド受容体誘導性トランス活性化は少なくとも約65%阻害される。一部の他の実施形態では、グルココルチコイド受容体誘導性トランス活性化は少なくとも約75%阻害される。さらに他の実施形態では、グルココルチコイド受容体誘導性トランス活性化は少なくとも約85%阻害される。また他の実施形態では、グルココルチコイド受容体誘導性トランス活性化は少なくとも約95%阻害される。 本発明のGRモジュレーターは、GR誘導性トランス活性化を阻害するが、GR誘導性トランス抑制活性は実質的に阻害しない。例えば、GR誘導性トランス抑制は、本発明の組成物の存在下において、GR誘導性トランス抑制活性が、本発明のGRモジュレーターの非存在下でのGR誘導性トランス抑制活性レベルと比べて約75%未満阻害される場合、実質的に阻害されていないとみなされる。GR誘導性トランス抑制はまた、GR誘導性トランス抑制活性が本発明のGRモジュレーターの非存在下でのGR誘導性トランス抑制活性レベルと比べて約70、60、50、40、35、30、25、20、15、10、5、4、3、2または1%未満阻害される場合、実質的に阻害されていないとみなされる。一部の実施形態では、GR誘導性トランス抑制活性は約50%未満阻害される。他の実施形態では、GR誘導性トランス抑制活性は約25%未満阻害される。一部の他の実施形態では、GR誘導性トランス抑制活性は約10%未満阻害される。 他の実施形態では、GR誘導性トランス活性化阻害の阻害パーセントの、GR誘導性トランス抑制阻害の阻害パーセントに対する比は約1000〜1であり得る。例えば、GR誘導性トランス活性化阻害の阻害パーセントの、GR誘導性トランス抑制阻害の阻害パーセントに対する比は約1000、500、100、90、80、70、60、50、40、30、25、20、15、10、5、4、3、2または1であり得る。 一部の他の実施形態では、GR誘導性トランス活性化は上記の抗炎症性グルココルチコステロイドによって引き起こされる。 一部の実施形態では、本発明は、障害または病状の処置を必要とする被験体に、抗炎症性グルココルチコステロイドおよび式IのGRモジュレーターを含む治療有効量の組成物を投与することを含む、障害または病状の処置方法を提供する。一部の他の実施形態では、本発明の抗炎症性グルココルチコステロイドおよびGRモジュレーターはGRの活性をモジュレートする。該疾患および病状としては、とりわけ、炎症性病状および自己免疫疾患が挙げられる。一部の実施形態では、該障害または病状は緑内障、炎症性疾患、関節リウマチ、喘息および鼻炎、アレルギーおよび自己免疫疾患であり得る。代表的な自己免疫疾患としては、閉塞性気道疾患(COPDなどの病状が挙げられる)、喘息(例えば、内因性喘息、外因性喘息、塵埃喘息、小児喘息)、気管支炎(気管支喘息が挙げられる)、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症、I型真性糖尿病およびこれらに随伴する合併症、アトピー性湿疹(アトピー性皮膚炎)、接触性皮膚炎およびさらなる湿疹様皮膚炎、炎症性腸疾患(例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎)、アテローム性動脈硬化ならびに筋萎縮性側索硬化症が挙げられるがこれらに限定されない。他の自己免疫疾患としては、組織および器官の移植、ならびにアレルギーが挙げられる。 一部の実施形態では、本発明は、グルココルチコステロイド処置の副作用を低減させる方法であって、グルココルチコステロイド処置の副作用を低減することを必要とする被験体に、抗炎症性グルココルチコステロイドおよび式Iの構造を有するGRモジュレーターを含む治療有効量の組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、グルココルチコステロイド処置の副作用は、体重増加、緑内障、体液貯留(fluid retention)、血圧の上昇、気分のむら、白内障、高血糖、糖尿病、感染、骨からのカルシウムの減少、骨粗鬆症、または月経不順であり得る。さらなる副作用としては、筋消耗(muscle wasting)、脂肪再分布、発育遅延およびクッシング外観(cushing appearance)が挙げられる。 GRモジュレーターを同定するためのアッセイ GR誘導性トランス活性化を阻害する本発明のGRモジュレーターは、細胞モデル(ヒト肝臓肝細胞)においてGR誘導性トランス活性化の存在下で発現されるチロシンアミノトランスフェラーゼの量を測定することにより同定され得る。本発明において有用なGRモジュレーターは、GR誘導性トランス活性化を少なくとも約50%阻害するものである。図2Aに示されるように、デキサメタゾンはチロシンアミノトランスフェラーゼの発現の用量依存性の増大を引き起こし、最大の増大は約100nM濃度のデキサメタゾンで観察される。対照的に、図2Aに実証されるように、チロシンアミノトランスフェラーゼの発現は、アッセイしたすべてのCORT−108297濃度で約0%より上に増大せず、これは、本発明のGRモジュレーターはGR誘導性トランス活性化を引き起こさないことを実証する。図2Bは、CORT−108297がデキサメタゾン誘導性トランス活性化を阻害することを実証する。 さらに、本発明のGRモジュレーターは、GR誘導性トランス抑制活性を約50%より大きく阻害しない。具体的には、本発明の組成物は、LPS活性化によるTNFα放出(NFκB応答性遺伝子)に関するデキサメタゾンのGR誘導性トランス抑制活性を実質的に阻害しない。細胞ベースのモデル(ヒト末梢血単核細胞)を使用し、この細胞にデキサメタゾンを投与し、TNFαの放出を測定した。本発明のGRモジュレーターの添加後、TNFαの放出を再度測定し、該GRモジュレーターの非存在下での放出量と比較した。図1Aは、デキサメタゾンがTNFαの放出をナノモル濃度で阻害し得ることを示す。図1Bは、ミフェプリストンはTNFαの放出の阻害を実質的にブロックするが、本発明のGRモジュレーターはデキサメタゾンの効果を実質的にブロックせず、したがってGR誘導性トランス抑制を実質的に阻害しないことを示す。 VII.実施例 実施例1.グルココルチコステロイドトランス活性化のアッセイ この実施例は、本発明の組成物によりグルココルチコステロイド誘導性トランス活性化が阻害されることを実証する。この実施例では、デキサメタゾンにより、トランス活性化によってチロシンアミノトランスフェラーゼの発現を誘導させる。典型的には、合成デキサメタゾンなどのグルココルチコステロイドは、グルココルチコイド受容体(GR)のリガンド結合ドメインに結合し、核トランスロケーションを促進させる。核内では、DNA結合ドメインにより、単純グルココルチコイド応答エレメント(GRE)として知られる不完全なDNAパリンドロームにおける二量体化が導かれ、チロシンアミノトランスフェラーゼ(TAT)を含む遺伝子が転写的に活性化される。 初代肝細胞を96ウェルコラーゲンコートプレート内に分配し、培地(ヒドロコルチゾンなし)中で6時間平衡化した。化合物を6つの濃度(半対数希釈物)で試験し、50nMデキサメタゾンまたは培地の存在下、0.2%DMSO中で調製した。化合物の存在下の肝細胞を24時間インキュベートし、PBS中で洗浄し、30分間溶解させた(30μlの溶解体積)。TAT酵素アッセイを、170μlのTATアッセイバッファー(基質)を1時間添加することによって開始した。30μlの10N KOHの添加によって反応を終了させ、96ウェルプレートをさらに30分間インキュベートして芳香族アルデヒド生成物であるp−ヒドロキシベンズアルデヒドを形成させた。吸光度の読取りを分光光度計で340nMにて行なった。 試薬:TATアッセイバッファー:5.4mMのL−チロシン、10.8mMのα−ケトグルタル酸および0.06mMのピリドキサール−5−ホスフェート一水和物を含有する0.2M KH2PO4(pH7.4)。 デキサメタゾンを使用し、ヒト肝臓の肝細胞におけるチロシンアミノトランスフェラーゼの発現を増大させた。図2aは、デキサメタゾンがTAT発現の用量依存性の増大を引き起こし、約100nMの濃度で効果が最大であることを実証する。対照的に、図2aは、チロシンアミノトランスフェラーゼの発現が、アッセイしたすべてのCORT−108297濃度で約0%より上に増大しないことを実証する。 図2bに示されるように、ミフェプリストおよびCORT−108297はどちらもデキサメタゾンによって引き起こされるチロシンアミノトランスフェラーゼの発現の増大を阻害する。そのため、CORT−108297は、GR誘導性トランス活性化の充分に強力なアンタゴニストである。 実施例2.グルココルチコステロイドトランス抑制アッセイ この実施例は、本発明の組成物が、グルココルチコステロイド誘導性トランス抑制を実質的に阻害しないことを実証する。具体的には、本発明の組成物は、LPS活性化によるTNFα放出(NFκB応答性遺伝子)に関するデキサメタゾン誘導性トランス抑制を実質的に阻害しない。 ヒト末梢血単核細胞を単離し、96ウェルプレート内で2×105細胞/ウェルの密度で培地中に分配した。化合物を7つの濃度(半対数希釈物)で試験し、5倍の最終アッセイ濃度で1.5%DMSOにて調製した。化合物との30分間のプレインキュベーション後、次いで、プレートを50nMデキサメタゾンまたは培地の存在下で30分間インキュベートする。TNFα放出を、10ng/mlのLPSとの一晩のインキュベーションによって活性化させた。ヒトTNFαを、SECTOR(登録商標)Imager 6000(Mesoscale)で検出される化学発光を用いて測定した。デキサメタゾンを使用し、グルココルチコイド受容体によるLPS活性化によるTNFα放出を阻害した。ミフェプリストンまたはCORT−108297のいずれかを添加してデキサメタゾンによってもたらされるLPS活性化によるTNFα放出の阻害をブロックした。一部の場合では、CORT−108297をデキサメタゾンの非存在下で添加し、CORT−108297がLPS活性化によるTNFα放出を阻害するかどうかを決定した。 図1aは、デキサメタゾンが、LPSによって活性化されるTNFαの放出を阻害し、最大阻害はナノモル濃度で達成されることを示す。図1bは、ミフェプリストンはこの効果を完全にブロックするが、CORT−108297では、より高濃度でも一部のブロックしか示されないことを示す。そのため、ミフェプリストンでは、LPS活性化によるTNFα放出のデキサメタゾン誘導性抑制の完全な逆転が観察される。対照的に、CORT−108297は、デキサメタゾン誘導性トランス抑制を実質的に阻害しない。 図1aは、CORT−108297がLPS活性化によるTNFα放出を一部阻害し、マイクロモル濃度では最大48%阻害であることを実証する。したがって、CORT−108297は、GR誘導性トランス抑制の弱い部分アゴニストである。また、CORT−108297では、グルココルチコステロイド誘導性トランス抑制(例えば、デキサメタゾン誘導性トランス抑制)の弱い不完全なブロックがもたらされることが観察される。CORT−108297を抗炎症性グルココルチコステロイドと組み合わせて使用すると、グルココルチコステロイド(glucocorticsteroid)の抗炎症性トランス抑制活性の実質的な阻害はみとめられないが、トランス活性化活性によって媒介されるグルココルチコステロイドの副作用の阻害はみとめられる。 実施例3.関節炎を有する男性患者の処置 50歳の男性(体重175ポンド)が医師に関節炎を見せる。医師は2mgのデキサメタゾンおよび20mgのCORT−108297:を、関節炎の処置のために併用して摂取するように処方する。 前述の発明を、理解を明確にする目的で、例示および実施例として、ある程度詳細に説明したが、当業者には、添付の特許請求の範囲の範囲内で一定の変更および修正が行なわれ得ることが認識されよう。また、本明細書中に示した各参考文献は、その全体が、あたかも各参考文献が個々に参考として援用されているのと同程度に参考として援用される。本出願書類と本明細書に示した参考文献との間に矛盾が存在する場合は、本出願書類が支配するものとする。グルココルチコイド受容体(GR)誘導性トランス活性化を、GR誘導性トランス抑制を実質的に阻害することなく阻害する方法であって、GRを、 GRトランス活性化とGRトランス抑制の両方を誘導し得る抗炎症性グルココルチコステロイド、および 式I:のGRモジュレーターを含む組成物と、GR誘導性トランス抑制を実質的に阻害することなくGR誘導性トランス活性化を阻害するのに充分な量で接触させることを含む方法。さらに、緑内障、炎症性疾患、関節リウマチ、喘息および鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、アレルギーおよび自己免疫疾患からなる群より選択される障害または病状を処置するものである、請求項1に記載の方法。さらに、グルココルチコステロイド処置の副作用を低減させるものである、請求項1に記載の方法。グルココルチコステロイド処置の副作用が、体重増加、緑内障、体液貯留、血圧の上昇、気分のむら、白内障、高血糖、糖尿病、感染、骨からのカルシウムの減少、骨粗鬆症、月経不順、脂肪再分布、発育遅延およびクッシング外観からなる群より選択される、請求項3に記載の方法。前記抗炎症性グルココルチコステロイドが、アルクロメタゾン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾール、クロコルトロン、コルテキソロン、コルチゾール、コルチスポリン、コルチバゾール、デフラザコート、デプロドン、デソニド、デキサメタゾン、ジフルプレドナート、フルドロキシコルチド、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ハロメタゾン、ハロプレドン、ヒドロコルチゾン、ロテプレドノール、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、ナフロコルト、19−ノルデオキシコルチコステロン、19−ノルプロゲステロン、オトビオチック、オキサザコルト、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニリデン、プロクトセディル、リメキソロン、トブラデックス、トリアムシノロン、トリメキソロン、ウロベタゾール、11β−(4−ジメチルアミノエトキシフェニル)−17α−プロピニル−17β−ヒドロキシ−4,9エストラジエン−3−オン(RU009)、および17β−ヒドロキシ−17α−19−(4−メチルフェニル)アンドロスタ−4,9(11)−ジエン−3−オン(RU044)からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。抗炎症性グルココルチコステロイド;および 式I:のグルココルチコイド受容体(GR)モジュレーターを含む組成物。前記抗炎症性グルココルチコステロイドが、アルクロメタゾン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾール、クロコルトロン、コルテキソロン、コルチゾール、コルチスポリン、コルチバゾール、デフラザコート、デプロドン、デソニド、デキサメタゾン、ジフルプレドナート、フルドロキシコルチド、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ハロメタゾン、ハロプレドン、ヒドロコルチゾン、ロテプレドノール、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、ナフロコルト、19−ノルデオキシコルチコステロン、19−ノルプロゲステロン、オトビオチック、オキサザコルト、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニリデン、プロクトセディル、リメキソロン、トブラデックス、トリアムシノロン、トリメキソロン、ウロベタゾール、11β−(4−ジメチルアミノエトキシフェニル)−17α−プロピニル−17β−ヒドロキシ−4,9エストラジエン−3−オン(RU009)、および17β−ヒドロキシ−17α−19−(4−メチルフェニル)アンドロスタ−4,9(11)−ジエン−3−オン(RU044)からなる群より選択される、請求項6に記載の組成物。薬学的に許容され得る賦形剤をさらに含む、請求項6に記載の組成物。 本発明は、グルココルチコイド受容体誘導性トランス抑制を実質的に阻害することなくグルココルチコイド受容体誘導性トランス活性化を阻害するのに有用な、抗炎症性グルココルチコステロイドグルココルチコステロイドおよびグルココルチコイド受容体(GR)モジュレーターの組成物を提供する。また、本発明の組成物を用いて障害または病状を処置する方法およびグルココルチコステロイド処置の副作用を低減させる方法も、提供する。


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