生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_癌および癌細胞遊走の予防および治療のための抗CCL25および抗CCR9抗体
出願番号:2013544699
年次:2014
IPC分類:A61K 39/395,C07K 16/28,C07K 16/44,A61P 35/00,A61P 35/02,A61P 35/04,A61K 39/00,A61P 43/00,G01N 33/68,C12N 15/09


特許情報キャッシュ

リラード ジェームズ ダヴリュー シング シャイレシュ シング ラジェッシュ JP 2014508117 公表特許公報(A) 20140403 2013544699 20111213 癌および癌細胞遊走の予防および治療のための抗CCL25および抗CCR9抗体 モアハウス スクール オブ メディスン 510117838 MOREHOUSE SCHOOL OF MEDICINE 阿部 正博 100100181 リラード ジェームズ ダヴリュー シング シャイレシュ シング ラジェッシュ US 12/967,273 20101214 US 13/233,769 20110915 US 13/248,904 20110929 A61K 39/395 20060101AFI20140307BHJP C07K 16/28 20060101ALI20140307BHJP C07K 16/44 20060101ALI20140307BHJP A61P 35/00 20060101ALI20140307BHJP A61P 35/02 20060101ALI20140307BHJP A61P 35/04 20060101ALI20140307BHJP A61K 39/00 20060101ALI20140307BHJP A61P 43/00 20060101ALI20140307BHJP G01N 33/68 20060101ALI20140307BHJP C12N 15/09 20060101ALN20140307BHJP JPA61K39/395 TC07K16/28C07K16/44A61K39/395 EA61P35/00A61P35/02A61P35/04A61K39/00 HA61P43/00 121G01N33/68C12N15/00 A AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN US2011064667 20111213 WO2012082752 20120621 66 20130812 1.TEFLON 2G045 4B024 4C085 4H045 2G045BB24 2G045CB02 2G045DA36 2G045FA11 2G045FB03 2G045GC12 4B024AA01 4B024BA36 4B024BA45 4B024BA54 4B024BA61 4B024CA04 4B024DA03 4B024EA02 4B024EA04 4B024GA11 4B024HA17 4C085AA03 4C085AA13 4C085AA14 4C085BB01 4C085CC21 4C085EE01 4C085EE03 4C085GG01 4H045DA50 4H045DA75 4H045DA76 4H045DA86 4H045EA31 4H045FA74(関連出願の相互参照) 本願は、2011年9月29日に出願された米国特許出願第13/248,904号、2011年9月15日に出願された米国特許出願第13/233,769号、および2010年12月14日に出願された米国特許出願第12/967,273号からの優先権を主張する。前述の全ての出願の全文を参照文献として本願に援用する。 本願は、全般的に抗体の分野に関する。具体的には、本願は癌細胞の増殖および/または遊走の阻害または予防のための抗ケモカイン抗体および/または抗ケモカイン受容体抗体の使用に関する。 最近の癌研究の進歩にもかかわらず、悪性腫瘍の治療のための細胞特異的治療法の開発は達成することが難しい。悪性腫瘍細胞が変異を受け、免疫防御を回避し、かつ血管新生を促進して急速に増殖する細胞に栄養素を送達することを可能とする数多くの複雑な因子が、標的化治療様式の開発を複雑にする。現行の治療法は多数の想定外の副作用を有する。たとえば、化学療法は苦痛を与えかつ時に致死的となる多くの副作用をもたらす。バイオテクノロジーの進歩により、より副作用の少ない標的化生物学的治療法の開発が促進されている。 宿主細胞は、シグナルを送りかつ宿主細胞の活性を引き起こすリガンドと関連する表面受容体を有する。上皮成長因子受容体は細胞の増殖および転移の制御を助ける。多くの腫瘍細胞は、発現する表皮成長因子受容体の数が正常な細胞よりも多い。IMC−225と命名された新たな治療法は、表皮成長因子受容体を標的とし、かつ遮断することにより細胞の分裂および修復を妨げるよう特に設計されている。最近、HER−2特異性モノクローナル抗体であるトラスツズマブが転移性乳癌の治療に有効であることが立証されている。この抗体は細胞の増殖を阻害する癌細胞上の相互作用を遮断する。しかし、HER−2は乳癌細胞の25から30%に認められるにすぎない。 ケモカインは、加水分解抵抗性である小さなサイトカイン様タンパク質のスーパーファミリーであり、血管新生または内皮細胞増殖の阻害を促進し、細胞骨格改変を誘導し、リンパ球を活性化または不活性化し、かつGタンパク質共役受容体との相互作用により走化性を媒介する。ケモカインは、その受容体を発現する宿主細胞の増殖および遊走を媒介することができる。 ケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド25(CCL25)は胸腺発現ケモカイン(TECK)とも呼ばれ、CCケモカインファミリーに属する小さなケモカインである。CCL25は胸腺細胞、マクロファージおよび樹状細胞に対して走化性である。CCL25は、ケモカイン受容体CCR9と結合することによりその効果を誘発し、かつT細胞の発達において1つの役割を果たすと考えられる。ヒトCCL25は151アミノ酸を含むタンパク質前駆体として生成される。CCL25に対する遺伝子(scya25)は第19染色体上に位置する。 ケモカイン(C−Cモチーフ)受容体9(CCR9)はGPR9−6としても知られ、胸腺では(未成熟T細胞上でも成熟T細胞上でも)非常に高度に発現しているものの、リンパ節および脾臓では発現が低い。CCR9は腸でも豊富であり、その発現は腸のT細胞と関連している。ケモカイン結合タンパク質D6は過去にCCR9と呼ばれていたが、この分子は真の(シグナリング)ケモカイン受容体でないスカベンジャー受容体であることは、留意すべき点である。 本願の1つの態様は、対象における芽腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、または胚細胞腫瘍を治療するための方法に関する。1つの実施形態においては、方法は、抗CCL25抗体、抗CCR9抗体、またはその組み合わせの治療的に有効な量を対象に投与するこという段階を含み、前記治療的に有効な量が約0.5mg/kgと50mg/kgの間であることを特徴とする。他の実施形態においては、方法は、タンパク質、ペプチドまたはコード遺伝子としてのCCL25および/またはCCR9免疫原の有効量により対象を免疫してCCL25および/またはCCR9の生物学的活性を阻害する抗体を誘導することという段階を含む。 本願の他の態様は、対象における癌を治療するための方法であって:抗CCL25抗体、抗CCR9抗体、またはその組み合わせを発現する有効量の発現ベクターを前記対象に投与することを含み、癌が芽腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫または胚細胞腫瘍であることを特徴とする方法に関する。 本願の他の態様は、対象における癌を治療または予防するための方法であって:(1)CCL25および/またはCCR9の発現を阻害するか、(2)CCL25とCCR9の相互作用を阻害するか、または(3)CCL25および/またはCCR9の生物学的活性を阻害する物質を発現する有効量の発現ベクターを対象に投与することを含み、癌が芽腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、または肉腫、または胚細胞腫瘍であることを特徴とする方法に関する。 本願の他の態様は、対象におけるCCL25および/またはCCR9の発現が上昇した癌細胞の遊走または転移の予防または阻害のための方法に関する。1つの実施形態においては、方法は、抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせの治療的に有効な量を対象に投与するこという段階を含み、治療的に有効な量が約0.5mg/kgと50mg/kgの間であることを特徴とする。他の実施形態においては、方法は、タンパク質、ペプチドまたはコード遺伝子としてのCCL25および/またはCCR9免疫原の有効量により対象を免疫してCCL25および/またはCCR9の生物学的活性を阻害する抗体を誘導することという段階を含む。他の実施形態においては、方法は、抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせを発現する発現ベクターを対象に投与することという段階を含む。 本願の他の態様は、化学療法の効果を増強するための方法に関する。1つの実施形態においては、方法は、癌に対する化学療法を受けている対象に、抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせの治療的に有効な量を対象に投与するこという段階を含み、前記治療的に有効な量が約0.5mg/kgと50mg/kgの間であることを特徴とし、前記癌が芽腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、または胚細胞腫瘍であることを特徴とする。他の実施形態においては、方法は、タンパク質、ペプチドまたはコード遺伝子としてのCCL25および/またはCCR9免疫原の有効量により対象を免疫してCCL25および/またはCCR9の生物学的活性を阻害する抗体を誘導することという段階を含む。他の実施形態においては、方法は、対象において抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせを発現する発現ベクターを前記対象に投与することという段階を含む。 本願の他の態様は、化学療法の効果を増強するための方法に関する。方法は、癌に対する化学療法を受けている対象に、(1)CCL25および/またはCCR9の発現を阻害するか、または(2)CCL25とCCR9の相互作用を阻害するか、または(3)CCL25および/またはCCR9の生物学的活性を阻害することのできる物質を発現する治療的に有効な量の発現ベクターを投与することを含み、癌が芽腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、または胚細胞腫瘍であることを特徴とする。 本願の他の態様は、医薬品として許容できる担体および(1)CCL25および/またはCCR9の発現を阻害するか、または(2)CCL25とCCR9の相互作用を阻害するか、または(3)CCL25および/またはCCR9の生物学的活性を阻害する物質を発現することができる発現ベクターを含む医薬組成物に関する。乳癌組織によるCCL25発現を示す。CCL25が乳癌細胞株増殖のシスプラチン誘導性減少を阻害することを示す。CCL25が乳癌細胞をシスプラチン誘導性アポトーシスから保護することを示す。乳癌細胞株におけるCCL25−CC9相互作用によるPI3KおよびAktの活性化を示す。乳癌細胞株のCCL25処理後のGSK−3βおよびFKHRリン酸化を示す。卵巣癌組織によるCCR9およびCCL25発現を示す。卵巣癌組織によるCCR9およびCCL25発現を示す。卵巣癌組織によるCCL25発現の分析を示す。卵巣癌組織によるCCL25発現の分析を示す。卵巣癌組織によるCCR9発現の分析を示す。卵巣癌組織によるCCR9発現の分析を示す。卵巣癌細胞株によるCCR9およびCCL25発現を示す。卵巣癌細胞による低酸素調節CCR9 mRNAおよび表面タンパク質発現を示す。SKOV−3細胞の低酸素媒介性およびCCL25媒介性遊走および浸潤を示す。SKOV−3細胞によるCCL25誘導性コラゲナーゼ発現を示す。SKOV−3細胞によるCCL25誘導性ゼラチナーゼ発現を示す。SKOV−3細胞によるCCL25誘導性ストロメライシン発現を示す。前立腺癌細胞によるCCR9発現を示す。前立腺組織によるCCR9発現を示す。前立腺癌組織によるCCL25発現を示す。健常ドナーまたは前立腺疾患患者における血清CCL25レベルを示す。マウス骨髄細胞によるCCL25発現を示す。CCR9媒介性前立腺癌細胞遊走および浸潤を示す。前立腺細胞株によるCCL25誘導性活性MMP発現を示す。CCR9ノックダウンによるPC3前立腺癌細胞株の骨転移の阻害を示す。肺癌患者の血清CCL25レベルを示す。非腫瘍性肺組織および肺癌組織によるCCR9発現を示す。結腸癌組織によるCCR9−CCL25発現を示す。 以下の詳細な説明は、任意の当業者に本発明を作製しかつ使用することを可能とするために提示する。説明を目的として、本願の完全な理解を提供するために具体的な用語が述べられている。しかし、これらの具体的な詳細は本発明を実施する上で必要とされないことが当業者に明らかとなるであろう。具体的な施用の説明は典型的な例としてのみ提供される。本発明は提示した実施例に限定されることを意図しないが、可能な限り最も広い範囲に適合することとする。 別途定義しない限り、本願に関連して用いられる科学的および技術的用語は当業者が共通して理解する意味を有する。さらに、文脈が別途必要としない限り、単数形の語句は複数形を含みかつ複数形の語句は単数形を含む。 (定義) 本願で用いられる以下の用語は以下の意味を有する: 本願で用いられる用語「治療する」、「治療すること」または「治療」は、障害および/またはその随伴症状を緩和するかまたは抑止するための方法を意味する。本願で用いられる用語「予防する」、「予防すること」または「予防」は、対象が障害および/またはその随伴症状を獲得することを妨げる方法を意味する。一定の実施形態においては、用語「予防する」、「予防すること」または「予防」は、障害および/またはその随伴症状を獲得するリスクを低下させる方法を意味する。 本願で用いられる用語「抗体」は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン(Ig)分子の免疫学的活性部分、すなわち抗原と特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含む分子を意味する。用語「抗体」は、最も広い意味で用いられ、かつ具体的には、所望の生物学的活性を示す限り、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例:二重特異性抗体など)、および抗体フラグメントを包含する。「特異的に結合する」または「免疫反応する」によって、抗体が所望の抗原の1つまたはそれ以上の抗原決定基と反応しかつ他のポリペプチドとは反応(すなわち結合)しないか、または他のポリペプチドとさらにより低い親和性で結合することが意味される。用語「抗体」は、一般的には全長抗体の抗原結合領域または可変領域である、全長抗体の一部を含む抗体フラグメントも含む。抗体フラグメントの例はFab、Fab’、F(ab’)2、およびFvフラグメント;二重特異性抗体;線形抗体;単鎖抗体(scFv);および抗体フラグメントより形成される多重特異性抗体を含む。本発明の一定の実施形態においては、たとえば腫瘍浸透性を高めるために、無傷の抗体よりもむしろ抗体フラグメントを用いることが望ましいこともある。この場合、その血清半減期を延長するために、技術上既知である任意の手段で修飾されている抗体フラグメントを用いることが望ましいこともある。 本願で用いられる用語「モノクローナル抗体」は相当均一な抗体の母集団から得られる抗体を意味し、すなわち母集団を構成する個々の抗体は少量存在しうる天然に発生する可能性のある変異を除いて同一である。本願のモノクローナル抗体は、具体的には、H鎖および/またはL鎖の一部が、特定の種に由来するかまたは特定の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同である一方で、分子鎖の残りの部分が他の種に由来するかまたは他の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同である「キメラ」抗体、および所望の生物学的活性を示す限りそのような抗体のフラグメントを含む。 非ヒト抗体の「ヒト化」型は、最小限の非ヒト免疫グロブリン由来配列を含むキメラ抗体である。ヒト化抗体は、ほとんどの場合、所望の特異性、親和性および/または能力を有するマウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域由来の残基によってレシピエントの超可変領域に由来する残基が置換されている、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。ヒト化および他のキメラ抗体を作製するための方法は技術上既知である。 「二重特異性抗体」は、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有する抗体である。本例においては、結合特異性のうち一方はCXCL16またはCXCR6に対するものである。第2の結合標的は他の任意の抗原であり、細胞表面タンパク質または受容体または受容体サブユニットであることが好都合である。二重特異性抗体を作製するための方法は技術上既知である。 「ヘテロ複合体抗体」の使用も本発明の範囲内である。ヘテロ複合体抗体は共有結合で連結される2つの抗体より構成される。このような抗体は、たとえば免疫系細胞を望ましくない細胞に標的化することが提唱されている(米国特許第No.4,676,980号)。架橋剤を包含するものを含むタンパク質合成化学における既知の方法を用いて、インビトロで抗体を調製できることが意図されている。 本発明は、毒素(例:細菌、真菌、植物または動物由来の酵素的活性毒素またはそのフラグメント)などの細胞毒性物質、または放射性同位元素(すなわち放射性複合体)と複合体化した抗体を含む「免疫複合体」の使用も意図する。使用することのできる酵素的活性毒素およびそのフラグメントは、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、エキソトキシンA鎖(シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、α−サルシン、アレウリテス・フォルディイ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンシンタンパク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、およびPAP−S)、モモルディカ・カランティア(momordica charantia)阻害物質、クルシン、クロチン、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria officinalis)阻害物質、ゲロニン、マイトジェリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、およびトリコテセンを含む。放射性複合抗体の生成のために多様な放射性核種を利用することができる。例は212Bi、131I、131In、90Y、および186Reを含む。 薬理学的な意味において、本発明の文脈では、抗体の「治療的に有効な量」は、その治療に抗体が有効である障害の予防または治療において有効な量を意味する。「障害」は、癌腫および化学療法抵抗性を含めた、抗体による治療によって利益を得るあらゆる状態である。これは、哺乳類に当該の障害の素因をもたらす病的状態を含めた、慢性および急性の障害または疾患を含む。 本願で用いる用語「腫瘍」は、新生物または細胞の異常増殖によって形成される固形病変を意味する。腫瘍は、良性であることも、前悪性であることも、あるいは悪性であることもある。 用語「癌」は、悪性新生物または悪性腫瘍と定義され、かつ細胞の集団が調節されない細胞増殖、隣接組織に侵入しかつこれを破壊する浸潤、および時に転移、すなわちリンパまたは血液を介した体内の他の位置への拡散を示す疾患の種類である。これら3つの癌の悪性特性は、浸潤または転移しない良性腫瘍から癌を識別する。典型的な癌は:癌腫、黒色腫、肉腫、リンパ腫、白血病、胚細胞腫瘍、および芽腫を含む。 本願で用いられる用語「癌腫」は、形質転換上皮細胞、または組織発生が不明であるがサイトケラチンまたは細胞間橋の生成などの上皮細胞と関連する特異的な分子的または組織学的特性を有する形質転換細胞からなる浸潤性悪性腫瘍を意味する。本発明の典型的な癌腫は卵巣癌、膣癌、子宮頸癌、子宮体癌、前立腺癌、肛門癌、直腸癌、結腸癌、胃癌、膵臓癌、インスリノーマ、腺癌、線扁平上皮癌、神経内分泌腫瘍、乳癌、肺癌、食道癌、口腔癌、脳癌、髄芽腫、神経外胚葉性腫瘍、神経膠腫、下垂体癌および骨癌を含む。 本願で用いられる用語「リンパ腫」は、免疫系のリンパ細胞の癌である。リンパ腫は、典型的には固形腫瘍として存在する。典型的なリンパ腫は:小リンパ球性リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、ヴァルデンストロームマクログロブリン血症、脾辺縁帯リンパ腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫(NMZL)、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫、B細胞性慢性リンパ性リンパ腫、古典的ホジキンリンパ腫、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫、成人T細胞リンパ腫、鼻型節外性NK/T細胞リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、芽球型NK細胞リンパ腫、菌状息肉症、セザリー症候群、皮膚原発CD30陽性Tリンパ球増殖性疾患、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、不特定末梢T細胞リンパ腫、および未分化大細胞リンパ腫を含む。典型的な形態の古典的ホジキンリンパ腫は:結節硬化型、混合細胞型、リンパ球豊富型、およびリンパ球減少または非減少型を含む 本願で用いられる用語「肉腫」は、胚体中胚葉から発生した数多くの組織の1つにおける形質転換細胞から発生する癌である。したがって、肉腫は骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管、および造血組織の腫瘍を含む。たとえば、骨肉腫は骨から発生し、軟骨肉腫は軟骨から発生し、脂肪肉腫は脂肪から発生し、かつ平滑筋肉腫は平滑筋から発生する。典型的な肉腫は:Askin腫瘍、ボトリオディーズ、軟骨肉腫、EwingのPNET、悪性血管内皮腫、悪性シュワン腫、骨肉腫、軟部組織肉腫を含む。軟部組織肉腫のサブクラスは:胞巣状軟部肉腫、血管肉腫、葉状嚢肉腫、皮膚線維肉腫類腱腫、線維形成性小円形細胞性腫瘍、類上皮肉腫骨外性軟骨肉腫、骨外性骨肉腫、線維肉腫、血管周皮細胞腫、血管肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパンジオサルコマル、リンパ肉腫、悪性線維性組織球腫、神経線維肉腫、横紋筋肉腫、および滑膜肉腫を含む。 本願で用いる用語「白血病」は、白血球の異常な増加を特徴とする血液または骨髄の癌である。白血病は一連の疾患を包含する幅広い用語である。さらには、血液腫瘍と呼ばれるさらにより幅広い群の一部である。白血病は種々の大分類に細分され;第1の分類は急性型白血病と慢性型白血病の分類である。急性白血病は幼若血液細胞数の急速な増加を特徴とする。そのような細胞による密集によって骨髄は健常な血液細胞を産生できなくなる。慢性白血病は、比較的成熟しているがやはり異常な白血球の過剰な蓄積を特徴とする。典型的には進行に数ヶ月から数年かかり、細胞は正常細胞よりもさらに高い率で生成され、血液中の異常な白血球が増加する。白血病は罹患する血液細胞によっても細別される。この分類により白血病はリンパ芽球性またはリンパ球性白血病と骨髄性または骨髄原性白血病に分類される。リンパ芽球性またはリンパ球性白血病では、癌性変化は、通常では続いてリンパ球を形成する種類の骨髄細胞に発生する。骨髄性または骨髄原性白血病では、癌性変化は、通常では続いて赤血球、他の一部の種類の白血球および血小板を形成する種類の骨髄細胞に発生する。これら2種類の分類の複合により、合計4つの主要カテゴリーが提供される。典型的には、これら4つの主要カテゴリーのそれぞれの中に数種類のサブカテゴリーがある。これらの分類スキームから外れた希少種もある。典型的な白血病は:急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄原性白血病(AML)、慢性骨髄原性白血病(CML)、ヘアリーセル白血病(HCL)、T細胞性前リンパ球性白血病、大顆粒リンパ球性白血病、若年性骨髄単球性白血病、B細胞性前リンパ球性白血病、バーキット白血病、および成人性T細胞白血病を含む。 本願で用いられる用語「黒色腫」は、メラニン細胞の癌または悪性腫瘍である。メラニン細胞は、皮膚の色をもたらす暗色色素メラニンを産生する細胞である。主として皮膚に発生するが、腸および眼を含む身体の他の部分にも認められる。黒色腫は以下の定型およびサブタイプに分類される:悪性黒子、悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、末端黒子型黒色腫、粘膜黒色腫、結節型黒色腫、ポリープ状黒色腫、線維形成性黒色腫、無色素性黒色腫、軟部組織黒色腫、小母斑様細胞を伴う黒色腫、スピッツ母斑の特性を有する黒色腫、およびぶどう膜黒色腫。 本願で用いられる用語「胚細胞腫瘍(GCT)」は胚細胞に由来する新生物である。胚細胞腫瘍は癌性腫瘍であることも、または非癌性腫瘍であることもある。正常の場合、胚細胞は性腺(卵巣および精巣)の内部に発生する。性腺の外部に由来する胚細胞腫瘍は、胚の発達中の錯誤により発生した先天性欠損でありうる。胚細胞腫瘍は:ジャーミノーマまたはセミノーマ胚細胞腫瘍と非ジャーミノーマまたは非セミノーマ胚細胞腫瘍の2分類に大別される。典型的なジャーミノーマまたはセミノーマ胚細胞腫瘍は:ジャーミノーマ、未分化胚細胞腫およびセミノーマを含む。典型的な非ジャーミノーマ胚細胞腫瘍または非セミノーマ胚細胞腫瘍は:胎児性癌、内胚葉洞腫瘍または卵黄嚢腫瘍(EST、YST)、絨毛癌、成熟型奇形腫、類皮嚢胞、未熟型奇形腫、悪性トランスフォーメーションを伴う奇形腫、多胚腫、性腺芽細胞腫、および混合GCTを含む。 本願で用いられる用語「転移」は、1つの器官または部分から隣接しない他の器官または部分への癌または癌腫の拡散を意味する。 用語「哺乳類」は、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ウマ、ネコ、ウシなどの家畜および畜産動物、および動物園、スポーツまたは愛玩用動物を含む、哺乳類に分類される任意の動物を意味する。好ましくは、哺乳類はヒトである。 用語「阻害する」は相対的な用語であり、物質の投与後に反応または状態が定量的に減少する場合、または物質の投与後に参照物質と比較して減少する場合、物質は反応または状態を阻害する。同様に、用語「予防する」は、反応または状態の特性のうち少なくとも1つが除去される限り、必ずしもある物質が完全に反応または状態を除去することを意味しない。したがって、感染または病的反応といった反応を低減または予防する組成物は、そのような感染または反応を除去することができるが、感染または反応が、物質非存在下での感染または反応の、または参照物質と比較して少なくとも約70%、または約80%、またはさらに約90%(すなわち10%未満に)といった少なくとも約50%などの測定可能な程度で減少する限り、必ずしも完全に除去しない。 用語「上昇レベル」は、関連技術において習慣的に定義されるかまたは用いられる正常または対照レベルよりも高いレベルを意味する。たとえば、組織の免疫染色の上昇レベルは、当業者であれば対照組織の免疫染色のレベルよりも高いとみなす免疫染色のレベルである。 用語「CXCL13免疫原」および「CXCR5免疫原」は、(1)CXCL13またはCXCR5に由来する免疫原性ペプチドおよび/または(2)CXCL13またはCXCR5に由来する免疫原性ペプチドをコードし、かつ発現することのできる発現ベクターを含む免疫原性組成物を意味する。CXCL13またはCXCR5に由来する免疫原性ペプチドは、他の部分と融合させてその免疫原性を増強しうる。CXCL13免疫原ペプチドの例は、RSSSTLPVPVFKRKIP (SEQ ID(配列番号) NO:45), PRGNGCPRKEIIVWKK (SEQ ID NO:46), LPRGNGCPRKEIIVWK (SEQ ID NO:47), QILPRGNGCPRKEIIV (SEQ ID NO:48), ILPRGNGCPRKEIIVW (SEQ ID NO:49), RIQILPRGNGCPRKEI (SEQ ID NO:50), RGNGCPRKEIIVWKKN (SEQ ID NO:51), KRSSSTLPVPVFKRKI (SEQ ID NO:52), IQILPRGNGCPRKEII (SEQ ID NO:53), DRIQILPRGNGCPRKE (SEQ ID NO:54), RKRSSSTLPVPVFKRK (SEQ ID NO:55), RCRCVQESSVFIPRRF (SEQ ID NO:56), GNGCPRKEIIVWKKNK (SEQ ID NO:57), CVQESSVFIPRRFIDR (SEQ ID NO:58), IDRIQILPRGNGCPRK (SEQ ID NO:59), LRCRCVQESSVFIPRR (SEQ ID NO:60), FIDRIQILPRGNGCPR (SEQ ID NO:61), RCVQESSVFIPRRFID (SEQ ID NO:62), CRCVQESSVFIPRRFI (SEQ ID NO:63), QESSVFIPRRFIDRIQ (SEQ ID NO:64), RFIDRIQILPRGNGCP (SEQ ID NO:65), VQESSVFIPRRFIDRI (SEQ ID NO:66), ESSVFIPRRFIDRIQI (SEQ ID NO:67), SLRCRCVQESSVFIPR (SEQ ID NO:68), NGCPRKEIIVWKKNKS (SEQ ID NO:69), PQAEWIQRMMEVLRKR (SEQ ID NO:70), RRFIDRIQILPRGNGC (SEQ ID NO:71), LRKRSSSTLPVPVFKR (SEQ ID NO:72), VQESSVFIPRR (SEQ ID NO:73, EWIQRMMEVLRKRSSSTLPVPVFKRK (SEQ ID NO:74), KKNK (SEQ ID NO:75), RKRSSS (SEQ ID NO:76), RGNGCP (SEQ ID NO:77), VYYTSLRCRCVQESSVFIPRR (SEQ ID NO:78), DRIQILP (SEQ ID NO:79), RKEIIVW (SEQ ID NO:80) and KSIVCVDPQ (SEQ ID NO:81)からなる群から選択される1つまたはそれ以上の配列からなるか、またはこれを含むペプチドを含むが、これに限定されない。CXCR5免疫原性ペプチドの例はTSLVENHLCPATE (SEQ ID NO:82), EGSVGWVLGTFLCKT (SEQ ID NO:83), LPRCTFS (SEQ ID NO:84), LARLKAVDNT (SEQ ID NO:85) and MASFKAVFVP (SEQ ID NO:86)からなる群から選択される1つまたはそれ以上の配列からなるか、またはこれを含むペプチドを含むが、これに限定されない。 用語「CXCL16免疫原」および「CXCR6免疫原」は、(1)CXCL16またはCXCR6に由来する免疫原性ペプチドおよび/または(2)CXCL16またはCXCR6に由来する免疫原性ペプチドをコードし、かつ発現することのできる発現ベクターを含む免疫原性組成物を意味する。CXCL16またはCXCR6に由来する免疫原性ペプチドは、融合タンパク質の形態でその免疫原性を増強しうる。CXCL16免疫原ペプチドの例はAAGPEAGENQKQPEKN (SEQ ID NO:87), SQASEGASSDIHTPAQ (SEQ ID NO:88), STLQSTQRPTLPVGSL (SEQ ID NO:89), SWSVCGGNKDPWVQEL (SEQ ID NO:90), GPTARTSATVPVLCLL (SEQ ID NO:91), SGIVAHQKHLLPTSPP (SEQ ID NO:92), RLRKHL (SEQ ID NO:93), LQSTQRP (SEQ ID NO:94), SSDKELTRPNETT (SEQ ID NO:95), AGENQKQPEKNA (SEQ ID NO:96), NEGSVT (SEQ ID NO:97), ISSDSPPSV (SEQ ID NO:98), CGGNKDPW (SEQ ID NO:99), LLPTSPPISQASEGASSDIHT (SEQ ID NO:100), STQRPTLPVGSLSSDKELTRPNETTIHT (SEQ ID NO:101), SLAAGPEAGENQKQPEKNAGPTARTSA (SEQ ID NO:102), TGSCYCGKR (SEQ ID NO:103), DSPPSVQ (SEQ ID NO:104), RKHLRAYHRCLYYTRFQLLSWSVCGG (SEQ ID NO:105), WVQELMSCLDLKECGHAYSGIVAHQKHLLPTSPPISQ (SEQ ID NO:106), SDIHTPAQMLLSTLQ (SEQ ID NO:107), RPTLPVGSL (SEQ ID NO:108), TAGHSLAAG (SEQ ID NO:109), GKRISSDSPPSVQ (SEQ ID NO:110) and KDPWVQELMSCLDLKECGHAYSGIVAHQKH (SEQ ID NO:111)からなる群から選択される1つまたはそれ以上の配列からなるか、またはこれを含むペプチドを含むが、これに限定されない。CXCR6免疫原性ペプチドの例はHQDFLQFSKV (SEQ ID NO:112), AGIHEWVFGQVMCK (SEQ ID NO:113), PQIIYGNVFNLDKLICGYHDEAI (SEQ ID NO:114) and YYAMTSFHYTIMVTEA (SEQ ID NO:115)からなる群から選択される1つまたはそれ以上の配列からなるか、またはこれを含むペプチドを含むが、これに限定されない。 用語「CCL25免疫原」および「CCR9免疫原」は、(1)CCL25またはCCR9に由来する免疫原性ペプチドおよび/または(2)CCL25またはCCR9に由来する免疫原性ペプチドをコードし、かつ発現することのできる発現ベクターを含む免疫原性組成物を意味する。CCL25またはCCR9に由来する免疫原性ペプチドは、融合タンパク質の形態でその免疫原性を増強しうる。CCL25免疫原ペプチドの例はLAYHYPIGWAVL (SEQ ID NO:116), KRHRKVCGNPKSREVQRAMKLLDARNKVFAKLHH (SEQ ID NO:117), FEDCCLAYHYPIGWAVLRRA (SEQ ID NO:118), IQEVSGSCNLPAAIFYLPKRHRKVCGN (SEQ ID NO:119), AMKLLDAR (SEQ ID NO:120), KVFAKLHHN (SEQ ID NO:121), QAGPHAVKKL (SEQ ID NO:122), FYLPKRHRKVCGNP (SEQ ID NO:123) YLPKRHRKVCGNPK (SEQ ID NO:124), LPKRHRKVCGNPKS (SEQ ID NO:125), PKRHRKVCGNPKSR (SEQ ID NO:126), CGNPKSREVQRAMK (SEQ ID NO:127), GNPKSREVQRAMKL (SEQ ID NO:128), KFSNPISSSKRNVS (SEQ ID NO:129), PKSREV (SEQ ID NO:130), LHHNTQT (SEQ ID NO:131) and SSSKRN (SEQ ID NO:132)からなる群から選択される1つまたはそれ以上の配列からなるか、またはこれを含むペプチドを含むが、これに限定されない。CCR9免疫原ペプチドの例はQFASHFLPP (SEQ ID NO:133), AAADQWKFQ (SEQ ID NO:134), TFMCKVVNSM (SEQ ID NO:135), IAICTMVYPS (SEQ ID NO:136) and VQTIDAYAMFISNCAVSTNIDICFQ (SEQ ID NO:137)からなる群から選択される1つまたはそれ以上の配列からなるか、またはこれを含むペプチドを含むが、これに限定されない。 本願で用いられる用語「生物学的サンプル」は、血液、血漿、尿、唾液、脊髄液、糞便、汗、または息などの体液または身体生成物であってもよい、生物学的由来の材料を意味する。生物学的サンプルは組織サンプルおよび細胞サンプルも含む。 本願において、範囲は「おおよその」1つの特定の数値から、かつ/または「おおよその」他の特定の数値までとして表示することがある。そのような範囲が表示される場合、他の実施形態は1つの特定の数値からかつ/または他の特定の数値までを含む。同様に、先行する「おおよそ」の使用によって数値が近似として表示される場合、当該の特定の数値が他の実施形態を形成することが理解されるであろう。さらに、各範囲の端点は、もう一方の端点に関しても、もう一方の端点と無関係でも重要であることが理解されるであろう。本願には数多くの数値が開示されており、かつ本願において各数値はその具体的な数値自体に付け加えて「おおよその」その数値として開示されることも理解される。たとえば、数値「10」が開示される場合、「約10」も開示される。ある数値が開示される場合、当業者が適切に理解するように、その数値「よりも小さいかまたはこれと等しい」、「その数値よりも大きいかまたはこれと等しい」、および数値間の可能な範囲も開示されることも理解される。たとえば、数値「10」が開示される場合、「10より小さいかまたはこれと等しい」、および「10より大きいかまたはこれと等しい」も開示される。(CCL25および/またはCCR9に対して免疫することにより癌を治療または予防すること) CCL25はCCR9ケモカイン受容体のリガンドである。ケモカインも受容体も、癌の転移および浸潤の調節において1つの役割を果たすと見られる。CCL25もCCR9も、卵巣癌、肺癌、乳癌、前立腺癌、結腸癌、骨癌および膵臓癌を含めた複数の癌腫組織の種類において、正常組織と比較して局所的にアップレギュレートされる。CCL25レベルは、それらの癌を有する患者の血清においても上昇する。さらに、可溶性CCL25ケモカインは、癌細胞のインビボおよびインビトロ増殖および遊走を促進する。 CCR9は、推定上化学療法剤に対する保護を支援する、癌細胞生存における多様な役割を有しうる、Gタンパク質共役受容体(GPCR)のケモカイン受容体ファミリーの構成要素である。CCR9のCCL25との相互作用はマトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)発現をモジュレートし、かつ癌腫細胞の遊走および潜在的浸潤能力を増強する。このことは、CCR9−CCL25相互作用が癌腫細胞遊走および浸潤に寄与することを示唆する。従って、この軸を遮断することは癌腫細胞転移を阻害する可能性を有する。 本願の1つの態様は、CCL25および/またはCCR9に対して免疫することによって癌を治療または予防するための方法に関する。方法は、タンパク質、ペプチドまたはこれをコードするポリヌクレオチドとしてのCCL25および/またはCCR9免疫原の有効量により対象を免疫してCCL25および/またはCCR9の生物学的活性を阻害する抗体を誘導することという段階を含み、癌が芽腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、または肉腫を含むことを特徴とする。 他の実施形態においては、方法は、(1)タンパク質、ペプチドまたはこれをコードするポリヌクレオチドとしての1つまたはそれ以上のCCL25およびCCR9免疫原、および(2)タンパク質、ペプチドまたはこれをコードするポリヌクレオチドとしての1つまたはそれ以上のCXCL13およびCXCR5免疫原、および/またはタンパク質、ペプチドまたはこれをコードするポリヌクレオチドとしての1つまたはそれ以上のCXCL16およびCXCR6免疫原の有効量で対象を免疫する段階を含む。(癌を治療または予防するための抗CCL25および抗CCR9抗体の使用) 本願の他の態様は、癌を治療または予防するための抗CCL25抗体および/または抗CCR9抗体の使用に関する。使用は、そのような治療を必要とする対象に、抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせの治療的に有効な量を投与することを含み、癌が芽腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、または肉腫であることを特徴とする。 他の実施形態においては、対象は癌細胞におけるCCL25および/またはCCR9発現上昇をもたらす癌と診断される。そのような癌の例は芽腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫および胚細胞腫瘍を含むが、これに限定されない。1つの実施形態においては、対象は脳癌と診断される。他の実施形態においては、対象は骨癌と診断される。他の実施形態においては、対象は下垂体癌と診断される。さらに他の実施形態においては、対象は卵巣癌と診断される。 他の実施形態においては、方法は、対象に由来する組織中のCCL25および/またはCCR9発現のレベルを判定すること、およびCCL25および/またはCCR9の上昇レベルが検出される場合、抗CCL25抗体、抗CCR9抗体、またはその組み合わせの治療的に有効な量を対象に投与することをさらに含む。 他の実施形態においては、方法は、対象に由来する組織中のCCL25および/またはCCR9発現のレベルを判定すること、およびCCL25および/またはCCR9の上昇レベルが検出される場合、タンパク質、ペプチドまたはコード遺伝子としてのCCL25および/またはCCR9免疫原の有効量で対象を免疫してCCL25および/またはCCR9の生物学的活性を阻害する抗体を誘導することをさらに含む。 他の実施形態においては、方法は、対象に由来する組織中のCCL25および/またはCCR9発現のレベルを判定すること、およびCCL25および/またはCCR9の上昇レベルが検出される場合、(1)タンパク質、ペプチドまたはコード遺伝子としての1つまたはそれ以上のCCL25およびCCR9免疫原、および(2)タンパク質、ペプチドまたはコード遺伝子としての1つまたはそれ以上のCXCL13およびCXCR5免疫原、および/またはタンパク質、ペプチドまたはコード遺伝子としての1つまたはそれ以上のCXCL16およびCXCR6免疫原の有効量で対象を免疫することをさらに含む。 本願の好ましい抗体は、ヒトCCL25と結合し、かつ好ましくはCCL25がCCR9を含むがこれに限定されない受容体と結合する能力を(部分的または完全に)遮断するものである。本願の他の好ましい抗体は、ヒトCCR9と結合し、かつ好ましくは、腫瘍または癌腫細胞などの、CCR9ケモカイン受容体をその細胞表面に発現する細胞がCCR25を含むがこれに限定されないリガンドと結合する能力を(部分的または完全に)遮断するものである。本願のさらなる他の好ましい抗体は、ヒトCCR9と結合し、かつ好ましくは可溶性CCR9ケモカイン受容体がCCL25を含むがこれに限定されないリガンドと結合する能力を(部分的または完全に)遮断するものである。 1つの実施形態においては、抗CCL25抗体および/または抗CCR9抗体はモノクローナル抗体である。他の実施形態においては、抗CCL25抗体および/または抗CCR9抗体はヒト化抗体である。1つの実施形態においては、抗CCL25抗体および/または抗CCR9抗体はヒト化抗体フラグメントである。 本願の具体的な実施形態においては、抗CCL25および/または抗CCR9抗体による対象の治療は、他の抗原に対して特異的である少なくとも1つの他の抗体の治療的に有効な量による事前、同時または事後の対象の治療と併用される。1つの実施形態においては、他の抗原はCXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5a、CXCR5b、CXCR6、CXCR7、CCL1、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9、CCL10、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL21、CCL22、CCL24、CCL27、CCL28、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR10、CCR11、XCL1、XCL2、XCR1、CX3CR1、またはCX3CL1などの他のケモカインまたはケモカイン受容体である。 他の実施形態においては、他の抗原は癌腫と関連するケモカインまたはケモカイン1受容体でありかつCCL1、CCL2、CCL4、CCL17、CCL19、CCL21、CCL22、CXCL12、CXCL13、CXCL16、CCR2、CCR7、CCR8、CXCR4、CXCR5、CXCR6、CXCR7、およびCX3CR1からなる群から選択される。 他の実施形態においては、他の抗原は黒色腫と関連するケモカインまたはケモカイン受容体であり、かつCCL27、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL12、CXCL13、CXCL16、CX3CL1、CCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR4、CXCR5、CXCR6、CXCR7、CX3CL1およびCX3CR1からなる群から選択される。 他の実施形態においては、他の抗原は白血病に関連するケモカインまたはケモカイン受容体でありかつCCL1、CCL4、CCL17、CCL19、CCL21、CCL22、CXCL12、CCR7、CCR8、CXCR4、CXCR7およびCX3CR1からなる群から選択される。 他の典型的な抗原は、レニン;ヒト成長ホルモンおよびウシ成長ホルモンを含む成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;a−1−アンチトリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;第VIII因子、第IX因子、組織因子、およびフォンウィルブランド因子などの凝血因子;プロテインCなどの抗凝血因子;心房性ナトリウム利尿因子;肺表面活性物質;ウロキナーゼまたはヒト尿または組織プラスミノーゲンアクチベータ(t−PA)などのプラスミノーゲンアクチベータ;ボンベシン;トロンビン;造血性成長因子;腫瘍壊死因子−αおよび−β;エンケファリナーゼ;ヒト血清アルブミンなどの血清アルブミン;ミューラー管抑制物質;リラキシンA鎖;リラキシンB鎖;プロリラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;β−ラクタマーゼなどの微生物タンパク質;DNアーゼ;IgE;CTLA−4などの細胞毒性Tリンパ球関連抗原(CTLA);インヒビン;アクチビン;血管内皮成長因子(VEGF);ホルモンまたは成長因子受容体;プロテインAまたはD;リウマチ因子;骨由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、−4、−5、または−6(NT−3、NT4、NT−5、またはNT−6)などの神経栄養因子またはNGF−βなどの神経成長因子;血小板由来成長因子(PDGF);aFGFおよびbFGFなどの線維芽球成長因子;表皮細胞成長因子(EGF);EGF受容体などのErbB受容体ファミリー構成要素;TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4、またはTGF−β5を含むTGF−αおよびTGF−βなどの形質転換成長因子(TGF);インスリン様成長因子−Iおよび−II(IGF−IおよびIGF−II);des(1−3)−IGF−I(脳IGF−I)、インスリン様成長因子結合タンパク質;CD3、CD4、CD8、CD19、CD20およびCD34などのCDタンパク質;エリスロポエチン;骨誘導因子;免疫毒素;骨形成タンパク質(BMP);インターフェロン−α、−β、および−γなどのインターフェロン;たとえばM−CSF、GM−CSF、およびG−CSFなどのコロニー刺激因子(CSF);たとえばIL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9および/またはIL−10などのインターロイキン(IL);スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞受容体;表面膜タンパク質;解離促進因子;たとえばAIDSエンベロープの一部などのウイルス抗原;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレシン;調節タンパク質;CD11a、CD11b、CD11c、CD18、an ICAM、VLA−4およびVCAMなどの、そのaまたはbサブユニットを含むαv/β3インテグリン;前立腺特異抗原(PSA);癌胎児抗原(CEA)、CK2、CA125、TA90、HER2、HER3またはHER4受容体などの腫瘍関連抗原;血液型抗原;flk2/flt3受容体;肥満(OB)受容体;mpl受容体;CTLA−4;プロテインC;補体活性化第一経路、補体レクチン経路、または補体活性化第二経路に由来するタンパク質のうちいずれか1つ;および上記のポリペプチドのいずれかのフラグメントなどの分子を含む。 抗体は、ボーラスまたはある時間に及ぶ連続注入としての静脈内投与、筋肉内、腹腔内、イントラセロブロスパイナル、皮下、関節内、滑液内、鞘内、口腔内、局所または吸入経路によるなどの既知の方法で対象に投与しうる。一定の実施形態においては、抗体は、侵襲的手技中の腫瘍母地への直接的な投与を含めて、腫瘍または癌組織に直接投与される。抗体は、罹患組織への標的ケモカインに対する投与を目的としてスポンジまたはガーゼなどの固形支持体上に付置される。 本発明の抗体は、通常許容される医薬品として許容できる担体中で投与することができる。許容できる担体は食塩水、緩衝食塩水、ブドウ糖食塩水溶液を含むが、これに限定されない。固形支持体、リポソーム、ナノ粒子、マイクロ粒子、ナノスフェアまたはマイクロスフェアも、抗体の投与を目的とした担体として用いうる。 抗体の適切な用量(「治療的に有効な量」)は、たとえば治療しようとする状態、状態の重症度および経過、抗体が予防的目的で投与されるかまたは治療的目的で投与されるか、前治療、患者の臨床履歴および抗体に対する応答、使用する抗体の種類、および担当医の裁量などに依存するであろう。抗体は単回、または一連の治療に渡って特許に適切に投与され、かつ診断から先の任意の時点で特許に投与してもよい。抗体は、単独の治療として投与しても、または当該の状態の治療において有用な他の薬剤または治療と共に投与してもよい。 一般的な提案として、投与する抗体の治療的に有効な量は、単回投与であれそれ以上の投与であれ約1ng/kg体重/日から約100mg/kg体重/日の範囲内となるであろう。具体的な実施形態においては、投与する抗体の範囲は約1ng/kg体重/日から約1μg/kg体重/日、1ng/kg体重/日から約100ng/kg体重/日、1ng/kg体重/日から約10ng/kg体重/日、10ng/kg体重/日から約1μg/kg体重/日、10ng/体重/日から約100ng/kg体重/日、100ng/kg体重/日から約1μg/kg体重/日、100ng/kg体重/日から約10μg/kg体重/日、1μg/kg体重/日から約10μg/kg体重/日、1μg/kg体重/日から約100μg/kg体重/日、10μg/kg体重/日から約100μg/kg体重/日、10μg/kg体重/日から約1mg/kg体重/日、100μg/kg体重/日から約10mg/kg体重/日、1mg/kg体重/日から約100mg/kg体重/日および10mg/kg体重/日から約100mg/kg体重/日である。 他の実施形態においては、抗体は1ng〜10ng/注射、10ngから100ng/注射、100ngから1μg/注射、1μgから10μg/注射、10μgから100μg/注射、100μgから1mg/注射、1mgから10mg/注射、10mgから100mg/注射、および100mgから1000mg/注射の用量範囲で投与される。抗体は連日、または2、3、4、5、6および7日毎、または1、2、3または4週間毎に注射することができる。 他の具体的な実施形態においては、投与する抗体の用量範囲は約1ng/kgから約100mg/kgである さらに他の具体的な実施形態においては、投与する抗体の用量範囲は約1ng/kgから約10ng/kg、約10ng/kgから約100ng/kg、約100ng/kgから約1μg/kg、約1μg/kgから約10μg/kg、約10μg/kgから約100μg/kg、約100μg/kgから約1mg/kg、約1mg/kgから約10mg/kg、約10mg/kgから約100mg/kg、約0.5mg/kgから約30mg/kg、および約1mg/kgから約15mg/kgである。 他の具体的な実施形態においては、投与する抗体の量は、またはおおよその量は0.0006、0.001、0.003、0.006、0.01、0.03、0.06、0.1、0.3、0.6、1、3、6、10、30、60、100、300、600および1000mg/日である。予測される様に、用量は患者の状態、サイズ、年齢および状態に依存するであろう。 抗体は、適宜または表示通りに、ボーラスとしてまたは連続注入により単回投与、またはボーラスとしてまたは連続注入により複数回投与で投与することができる。複数回投与は、たとえば1日に複数回、毎日、2、3、4、5、6または7日毎、毎週、2、3、4、5または6週間毎にまたは毎月1回投与することができる。しかし、他の投与法を用いてもよい。この治療の進行は従来の技術によって容易にモニタリングされる。 本願の具体的な実施形態においては、治療的に有効な量の抗CCL25および/または抗CCR9抗体は、これを必要とする対象に単独の治療薬として投与しうる。具体的な実施形態においては、腫瘍または癌腫細胞を死滅させるかまたはそのアポトーシスを促進するための治療的に有効な量の抗CCL25および/または抗CCR9抗体。他の具体的な実施形態においては、治療的に有効な量の抗CCL25および/または抗CCR9抗体は、腫瘍または癌腫の確立を阻害または予防する。さらに具体的な実施形態においては、治療的に有効な量の抗CCL25および/または抗CCR9抗体は、既存の腫瘍または癌腫からの腫瘍または癌腫細胞の遊走または転移を阻害または予防する。さらに他の実施形態においては、治療的に有効な量の抗CCL25および/または抗CCR9抗体は腫瘍または癌腫細胞の非癌性組織への浸潤を阻害または予防する。 本発明の具体的な実施形態においては、治療的に有効な量の抗CCL25および/または抗CCR9抗体は、1つまたはそれ以上の追加的な治療的に有効な抗体と共にこれを必要とする対象に投与しうる。前記の1つまたはそれ以上の追加的な治療的に有効な抗体は、CCL25および/またはCCR9上の追加的な決定基、他のケモカイン、他のケモカイン受容体、腫瘍または癌腫特異抗原、ウイルス、細菌または寄生虫抗原、癌細胞生成物またはアポトーシスのレムナントを含むがこれに限定されない他の可溶性または細胞表面リガンドまたは受容体に向けられてもよい。抗CCL25および/または抗CCR9抗体は、1つまたはそれ以上の追加的な治療的に有効な抗体の前、同時、および/またはその後に投与しうる。 具体的な実施形態においては、治療的に有効な量の抗CCL25および/または抗CCR9抗体は、1つまたはそれ以上の追加的な治療的に有効な抗体の、腫瘍または癌腫細胞を死滅させる際の有効性を増強する。より具体的な実施形態においては、治療的に有効な量の抗CCL25および/または抗CCR9抗体は、腫瘍または癌腫細胞を死滅させるために必要とされる1つまたはそれ以上の追加的な治療的に有効な抗体の量を減少させる。 さらに具体的な実施形態においては、治療的に有効な量の抗CCL25および/または抗CCR9抗体は、確立した腫瘍または癌腫からの腫瘍または癌腫細胞の遊走または転移を阻害または予防し、1つまたはそれ以上の追加的な治療に有効な抗体の腫瘍または癌腫細胞を死滅させる際の局所的有効性を増強する。さらに他の具体的な実施形態においては、治療的に有効な量の抗CCL25および/または抗CCR9抗体は、腫瘍または癌腫細胞の非癌性組織への浸潤を阻害または予防し、1つまたはそれ以上の追加的な治療的に有効な抗体の腫瘍または癌腫細胞を死滅させる際の局所的有効性を増強する。 1つの実施形態においては、抗CCL25抗体および/または抗CCR9抗体は細胞毒性物質と複合体化した抗体である。他の実施形態においては、抗CCL25抗体および/または抗CCR9抗体は、化学療法剤などの他の抗癌剤と共に投与される。 本願の他の態様は、ケモカインCCL25のその受容体を担持する細胞との相互作用を阻害する方法に関する。1つの実施形態においては、方法は、細胞を哺乳類CCL25またはCCL25の一部と結合する抗体またはその機能的フラグメントの有効量と接触させることを含む。他の実施形態においては、方法は、タンパク質、ペプチドまたはコード遺伝子としてのCCL25免疫原の有効量により対象を免疫してCCL25の生物学的活性を阻害する抗体を誘導することという段階を含む。 本発明の他の態様は、CCR9を担持する細胞を哺乳類CCR9またはCCR9の一部と結合する抗体またはその機能的フラグメントの有効量と接触させることを含む、CCR9担持細胞のそのリガンドとの相互作用を阻害する方法に関する。 他の実施形態においては、癌を治療する方法は、癌または悪性細胞において抗CCL25抗体、抗CCR9抗体、またはその組み合わせを発現する有効量の発現ベクターを、そのような治療を必要とする対象に投与することを含む。他の実施形態においては、癌を治療する方法は、有効量のCCL25および/またはCCR9免疫原により対象を免疫してCCL25および/またはCCR9の生物学的活性を阻害する抗体を産生するよう宿主を誘導するという段階を含む。 発現ベクターは、抗CCL25抗体および/または抗CCR9抗体をコードするヌクレオチドの標的細胞内へのヌクレオチド送達が可能で、かつ標的細胞において抗CCL25抗体および/または抗CCR9抗体を発現する任意のベクターとすることができる。他の実施形態においては、発現ベクターはCCL25および/またはCCR9をコードするヌクレオチドを標的細胞に送達して抗CXCL13および/またはCXCR5抗体を産生するよう宿主を誘導することができる。発現ベクターの例はウイルスベクターおよび非ウイルスベクターを含む。発現ベクターの例はウイルスベクターおよび非ウイルスベクターを含む。 ウイルスベクターは、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、およびヘルペスウイルスおよびワクシニアウイルスなどの他の大容量ウイルスベクターを含むが、これに限定されない。これらのウイルスを発現ベクターとしての使用に適切とするその性質を共有する任意のウイルスファミリーも含まれる。 (レトロウイルスベクター) レトロウイルスは、任意の種類、サブファミリー、属および親和性を含めた、レトロウイルス科に属する動物ウイルスである。遺伝子療法のためにレトロウイルスベクターを用いるための方法の例は、その教示を参照文献として本願に援用する、米国特許第4,868,116号および第4,980,286号;PTC国際出願第90/02806号および第89/07136号;およびMulligan(Science 260:926-932 (1993);に記載されている。 (アデノウイルスベクター)組換えアデノウイルスは、気道上皮、肝細胞、血管内皮、CNS実質、および数多くの他の組織部位への直接的インビボ送達後に、高効率ウイルス転移を達成することが示されている。組換えアデノウイルスは特異的な細胞表面受容体と結合することにより遺伝子形質導入を達成し、ウイルスはその後野生種または複製欠損アデノウイルスと同じ様式で受容体を介したエンドサイトーシスにより内部移行する。 ウイルスベクターは、1つまたはそれ以上のウイルス遺伝子が除去されたアデノウイルスに基づくものであることが可能であり、かつこれらのビリオンはヒト293細胞株などの補体細胞株によって生成される。1つの実施形態においては、E1遺伝子がアデノウイルスベクターから除去される。他の実施形態においては、E1およびE3遺伝子がともにアドネオウイルスベクターから除去される。他の実施形態においては、E1およびE4遺伝子がともにアドネオウイルスベクターから除去される。他の実施形態においては、アデノウイルスベクターはガットレスアデノウイルスベクターである。 (アデノ随伴ウイルスベクター) 他の種類のウイルスベクターはアデノ随伴ウイルス(AAV)に基づいている。この欠損パルボウイルスは、多くの細胞型に感染することができかつヒトに対して非病原性であるので、好ましいベクターである。AAV型ベクターは約4から5kbを輸送することが可能であり、かつ野生種AAVは19番染色体に安定的に挿入されることが知られている。この部位特異的組み込み特性を含むベクターが好ましい。この種のベクターの特に好ましい実施形態は、カリフォルニア州サンフランシスコのAvigenにより生成されるP4.1 Cベクターであり、これは単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼウイルス遺伝子、HSV−tk、および/または緑色蛍光タンパク質GFPをコードする遺伝子などのマーカー遺伝子を含むことができる。 他の種類のAAVウイルスにおいては、AAVは、異種遺伝子と機能的に関連する細胞特異性発現を誘導するプロモーターを含む少なくとも1つのカセットの両側にある1対の末端逆位配列(ITR)を含む。この文脈において、異種はAAVまたはB19パルボウイルスにとって固有でない任意のヌクレオチド配列または遺伝子を意味する。 典型的には、AAVおよびB19コード領域は欠失し、安全で非細胞毒性のベクターを生成している。AAV ITR、またはその修飾は感染性または部位特異的組み込みを付与するが、細胞毒性は付与せず、かつプロモーターは細胞特異的発現を誘導する。 (大ペイロードウイルスベクター)大型ヒトヘルペスウイルスを用いた分子遺伝学実験により、それによってヘルペスウイルスへの感染を許容する細胞に大きな異種DNAフラグメントをクローニングし、増殖させ、かつ確立することのできる手段が提供されている(Sun他、Nature genetics 8: 33-41, 1994;CotterおよびRobertson, Curr Opin Mol Ther 5: 633-644, 1999)。これらの大型DNAウイルス(単純ヘルペスウイルス(HSV)およびエプスタインバーウイルス(EBV)は、>150kbのヒト異種DNAフラグメントを特定の細胞に送達する可能性を有する。EBV組換え体は、感染B細胞において大きなDNA片をエピソームDNAとして維持することができる。ヒトゲノムインサートを330kbまで担持する個々のクローンは遺伝学的に安定と見られる。これらのエピソームの維持は、EBV感染中に構成的に発現する特異的なEBV核タンパク質であるEBNA1を必要とする。さらに、これらのベクターは、一時的にインビトロで大量のタンパク質を生成することのできるトランスフェクションを目的として使用することができる。ヘルペスウイルスアンプリコン系も、>220kbのDNA片をパッケージ化してDNAをエピソームとして安定的に維持できる細胞を感染させるために使用されている。他の有用な系は、たとえば複製および宿主制限非複製ワクシニアウイルスベクターを含む。 非ウイルスベクターはプラスミド発現ベクターを含む。プラスミドベクターは、典型的には、その中に追加的なDNAセグメントを挿入することのできる環状二重鎖DNAループを含む。 ウイルスおよび非ウイルス発現ベクターの両者において、単数または複数の抗体をコードするポリヌクレオチドは、典型的には、mRNA合成を誘導するための適切な転写制御配列(プロモーター、および任意に1つまたはそれ以上のエンハンサー)の近傍かつその方向に配置される。すなわち、目的のポリヌクレオチド配列は適切な転移制御配列と機能的に関連する。そのようなプロモーターの例は:CMVの前初期プロモーターであるLTRまたはSV40プロモーターなどのウイルスプロモーター、バキュロウイルスの多面体プロモーター、E.coli lacまたはtrpプロモーター、ファージT7およびλPLプロモーター、および真核生物細胞またはそのウイルスの遺伝子の発現を制御することが知られている他のプロモーターを含む。プロモーターは組織特異的プロモーターでもよい。 発現ベクターは、典型的には翻訳開始のためのリボソーム結合部位、および転写ターミネータも含む。ベクターは、発現を増幅するための適切な配列を含んでもよい。さらに、発現ベクターは、真核細胞培養についてのジヒドロ葉酸レダクターゼまたはネオマイシン耐性などの、またはE.coliにおけるテトラサイクリンまたはアンピシリン耐性などの形質転換された宿主細胞の選択のための表現型形質を提供する1つまたはそれ以上の選択マーカー遺伝子を含んでもよい。 発現ベクターは、たとえば翻訳の効率を改善するなどの、追加的発現要素も含むことができる。これらのシグナルは、たとえばATG開始コドンおよび隣接配列などを含むことができる。たとえば一部の例では、翻訳開始コドンおよび関連配列要素は目的のポリヌクレオチド配列(例:天然開始コドン)と同時に適切な発現ベクターに挿入される。そのような場合、追加的翻訳調節シグナルは不要である。しかし、ポリペプチドコード配列、またはその一部のみが挿入される場合は、ATG開始コドンを含む外因的翻訳調節シグナルが提供される。開始コドンは、目的のポリヌクレオチド配列を確実に翻訳するために、正しいリーディングフレームに配置される。外因性翻訳要素および開始コドンは、天然および合成の多様な由来とすることができる。所望される場合、発現の効率は使用する細胞系に適したエンハンサーの包含によってさらに上昇させることが出来る。 1つの実施形態においては、発現ベクターは誘導可能なまたは調節可能な発現系を含む。調節可能な発現系を以下に簡潔に記述する: (エクジソン系) エクジソン系は、ショウジョウバエに認められる脱皮誘導系に基づいているが、修飾して哺乳類細胞における発現の誘導を可能としている。系は、ショウジョウバエステロイドホルモンエクジソンの類似体ムリステロンAを用いて、ヘテロ二量体核酸受容体を介した目的の遺伝子の発現を活性化する。発現レベルは、哺乳類細胞の生理学に影響することなく、基礎レベルを200倍上回ると報告されている。 (プロゲステロン系) プロゲステロン受容体は、通常は刺激されて特異的なDNA配列と結合し、かつそのホルモンリガンドとの相互作用を経て転写を活性化する。逆に、プロゲステロン拮抗物質ミフェプリストン(RU486)は、ホルモン誘導性核輸送およびその後のDNA結合を遮断することができる。刺激されてRU486との相互作用を経て結合することのできるプロゲステロン受容体の変異型が生成されている。特異的で調節可能な転写因子を生成するために、プロゲステロン受容体のRU486結合ドメインは、酵母転写因子GAL4のDNA結合ドメインおよびHSVタンパク質VP16のトランス活性化ドメインと融合されている。キメラ因子はRU486の非存在下で不活性である。しかし、ホルモンの付加はキメラタンパク質の立体構造変化を誘導し、さらにこの変化はGAL−4結合部位との結合およびGAL−4結合部位を含むプロモーターからの転写の活性化を可能とする。 (ラパマイシン系) FK506およびラパマイシンなどの免疫抑制剤は、特異的細胞タンパク質と結合しかつその二量体化を促進することにより作用する。たとえば、ラパマイシンのFK506結合タンパク質(FKBP)との結合によりもう1つのラパマイシン結合タンパク質FRAPとのヘテロ二量体化がもたらされ、これは薬剤の除去により逆転することができる。薬剤の添加により2つのタンパク質を接合する能力により、転写を含む数多くの生物学的プロセスの調節が増強される。キメラDNA結合ドメインはFKBPと融合されており、これにより融合タンパク質の特異的DNA結合配列との結合が可能となる。転写活性化ドメインもFRAPと融合されている。これら2つの融合タンパク質が同じ細胞において共発現する場合、ラパマイシンの添加に媒介されたヘテロ二量体化により完全に機能的な転写因子を形成することができる。二量体化キメラ転写因子は、その後合成DNA結合配列のコピーを含む合成プロモーター配列と結合することができる。この系は、アデノウイルスおよびAAVベクターに成功裏に組み込まれている。 (癌を治療または予防するためのCCL25またはCCR9の発現または活性を阻害する物質の使用) 本願の他の態様は、癌を治療または予防するためのCCL25またはCCR9の発現または活性を阻害する物質の使用に関する。他の実施形態においては、使用は、(1)CCL25および/またはCCR9の発現を阻害するか、または(2)CCL25とCCR9の相互作用を阻害するか、または(3)CCL25および/またはCCR9の生物学的活性を阻害する物質を発現する有効量の発現ベクターを、そのような治療を必要とする対象に投与することを含む。1つの実施形態においては、CCL25およびCCR9の生物学的活性はCCL25とCCR9の相互作用を含む。 他の実施形態においては、対象は癌細胞におけるCCL25および/またはCCR9発現上昇をもたらす癌と診断される。そのような癌の例は芽腫、ユーケミア、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、胚細胞腫瘍、および卵巣癌、膣癌、子宮頸癌、子宮体癌、前立腺癌、肛門癌、直腸癌、結腸癌、胃癌、膵臓癌、インスリノーマ、腺癌、線扁平上皮癌、神経内分泌腫瘍、乳癌、肺癌、食道癌、口腔癌、脳癌、髄芽腫、神経外胚葉性腫瘍、神経膠腫、下垂体癌および骨癌などの癌腫を含むが、これに限定されない。 他の実施形態においては、方法は、対象に由来する組織中のCCL25および/またはCCR9発現のレベルを判定すること、および組織においてCCL25および/またはCCR9の上昇レベルが検出される場合にのみ、対象に対して物質を投与することをさらに含む。 1つの実施形態においては、発現ベクターはウイルスベクターである。他の実施形態においては、発現ベクターは非ベクターベクターである。他の実施形態においては、発現ベクターは、CCL25および/またはCCR9をコードするヌクレオチドを標的細胞内に送達して抗CCL25および/またはCCR9抗体を産生するよう宿主を誘導することができる。 他の実施形態においては、物質は抗CCL25抗体、抗CCR9抗体、またはその組み合わせである。 さらに他の実施形態においては、物質は機能的核酸である。機能的核酸は、標的分子と結合することまたは特異的反応を触媒することなどの特異的機能を有する核酸分子である。機能的核酸分子は、標的分子が有する特異的活性の阻害物質として作用することができる。機能的核酸分子は、DNA、RNAおよびポリペプチドなどの任意の巨大分子と相互作用することができる。したがって、機能的核酸はCCL25またはCCR9のmRNAまたはゲノムDNAと相互作用して発現を阻害したり、あるいはCCL25またはCCR9タンパク質と相互作用して活性を阻害したりすることができる。機能的核酸は、しばしば標的分子と機能的核酸分子の配列相同性に基づいて他の核酸と相互作用するよう設計される。他の状況では、機能的核酸分子と標的分子の間の特異性認識は、機能的核酸分子と標的分子の間の配列相同性に基づくのではなく、むしろ特異的認識が発生することを可能とする三次構造の形成に基づく。機能的核酸分子の例はsiRNA、アンチセンス分子、アプタマー、リボザイム、三重鎖形成分子、および外部ガイド配列を含む。 siRNAは、2段階機構:開始段階およびエフェクター段階を包含するRNA干渉(RNAi)に関与する。第1の段階では、投入二重鎖(ds)RNA(siRNA)が処理されて21〜23ヌクレオチドの「ガイド配列」などの小さなフラグメントとなる。RNA増幅は全ての動物で発生する。典型的には、その後、ガイドRNAはRNAを分解することのできるタンパク質RNA複合体であるヌクレアーゼ複合体に組み込まれることがあり、これはRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)と呼ばれている。このRISC複合体は第2のエフェクター段階で作用し、ガイドRNAによって塩基対形成相互作用を経て認識されるmRNAを破壊する。RNAiは、標的RNAの分解を引き起こす事象の引き金となる、任意の手段による二重鎖RNAの細胞への導入を包含する。RNAiは、転写後遺伝子サイレンシングの1形態である。本願に開示されたsiRNAに加えて、RNAiにおいて作用することのできるRNAヘアピンも開示される。RNAi分子を作製しかつ使用することの記載については、その全文、および少なくともRNAi分子の送達および作製に関する形成材料を本願に参照文献として援用するHammond他、Nature Rev Gen 2: 110-119 (2001);Sharp, Genes Dev 15: 485-490 (2001), Waterhouse他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95(23): 13959-13964(1998)を参照されたい。 RNAiは、哺乳類細胞を含む多くの種類の細胞で作用することが示されている。哺乳類細胞で作用するには、RISC複合体内で標的化配列として用いられるRNA分子がより短いことが好ましい。たとえば、50または40または30または29、28、27、26、25、24、23、、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、または10ヌクレオチド長未満またはこれと等しい。これらのRNA分子は、開裂させようとする標的RNAに対して3’および5’末端に突出を有することも可能である。これらの突出は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20ヌクレオチド長、またはこれ未満またはこれと等しいことが可能である。 アンチセンス分子は、正準または非正準塩基対形成を経て標的核酸分子と相互作用するよう設計される。アンチセンス分子と標的分子の相互作用は、たとえばRNアーゼH媒介性RNA−DNAハイブリッド分解などを経た標的分子の破壊を促進するよう設計される。代替的に、アンチセンス分子は、転写または複製などの、標的分子上で通常発生するプロセシング機能を中断するよう設計される。アンチセンス分子は標的分子の配列に基づいて設計することができる。標的分子で最もアクセスしやすい領域を発見することによるアンチセンス効率の最適化のための数多くの方法が存在する。典型的な方法は、インビトロ選択実験、およびDMSおよびDEPCを用いたDNA修飾試験であろう。アンチセンス分子が10−6、10−8、10−10、または10−12未満かまたはこれと等しい解離定数(kd)で標的分子と結合することが好ましい。アンチセンス分子の設計および使用を支援する方法および技術の典型的な見本は、以下の非制限的な米国特許の一覧に認めることができる:いずれもその全文を本願に参照文献として援用する第5,135,917号、第5,994,320号、第6,046,319号、および第6,057,437号。 アプタマーは、好ましくは特異的な様式で、標的分子と相互作用する分子である。典型的には、アプタマーは、ステムループまたはG−四重鎖などの規定の二次および三次構造に折りたたまれる長さの範囲が15〜50塩基の小さな核酸である。アプタマーはケモカインと結合しかつその機能を遮断することができる(例:Marro他、Biochem Biophys Res Commun. 2006 Oct 13;349:270-6などを参照)。アプタマーは、標的分子から10−12M未満のkdで非常に堅く結合することができる。アプタマーは10−6、10−8、10−10、または10−12未満のkdで標的分子と結合することが好ましい。アプタマーは非常に高度の特異性で標的分子と結合することができる。たとえば、アプタマーは分離され、標的分子と、分子上でただ1つの位置が異なる他の分子の結合親和性は10000倍以上異なる(米国特許第5,543,293号)。アプタマーは、標的分子との間のkdが、バックグラウンド結合分子との間のkdより少なくとも10、100、1000、10,000、または100,000分の1低いことが好ましい。多様な種々の標的分子と結合するアプタマーを作製および使用する方法の典型的な例は、以下の非制限的な米国特許の一覧に認めることができる:いずれもその全文を本願に参照文献として援用する第5,476,766号、第5,861,254号、第6,030,776号、および第6,051,698号。 リボザイムは、分子内または分子間のいずれかで化学反応を触媒することのできる核酸分子である。したがって、リボザイムは触媒的核酸である。リボザイムが分子間反応を触媒することは好ましい。ハンマーヘッド型リボザイム(例:米国特許第5,334,711号および第5,861,288号、国際公開第9858058号および第9718312号などを参照)、ヘアピンリボザイム(例:米国特許第5,631,115号および第6,022,962号などを参照)、およびテトラヒメナリボザイム(例:米国特許第5,595,873号および5,652,107号などを参照)などの、天然の系に認められるリボザイムに基づくヌクレアーゼまたは核酸ポリメラーゼ型反応を触媒する数多くの異なる種類のリボザイムがある。天然の系には認められないが、新規に特異的反応を触媒するよう設計されているリボザイムも数多くある(例:米国特許第5,580,967号および第5,910,408号を参照)。好ましいリボザイムはRNAまたはDNA基質を開裂し、またより好ましくはRNA基質を開裂する。リボザイムは、典型的には、標的基質の認識およびこれとの結合およびその後の開裂を経て核酸基質を開裂する。この認識は、多くの場合大部分が正準または非正準塩基対相互作用に基づく。標的基質の認識は標的基質の配列に基づくので、この特性により、リボザイムは核酸の標的特異的な開裂にとって特に優れた候補となる。種々の多様な反応を触媒するリボザイムを作製および使用する方法の典型的な例は、いずれもその全文を本願に参照文献として援用する米国特許:第5,646,042号、第5,869,253号、第5,989,906号、および第6,017,756号に認めることができる。 三重鎖形成機能性核酸分子は、二重鎖または単鎖核酸のいずれかと相互作用することのできる分子である。三重鎖分子が標的領域と相互作用すると、三重鎖と呼ばれる構造が形成され、ここで3本のDNA鎖がワトソン−クリックおよびフーグスティン型塩基対の両者に依存する複合体を形成する。三重鎖分子は標的領域と高い親和性および特異性で結合することができるので好ましい。三重鎖形成分子は10−6、10−8、10−10、または10−12未満のkdで標的分子と結合することが好ましい。種々の多様な標的分子と結合する三重鎖形成分子を作製および使用する方法の典型的な例は、いずれもその全文を本願に参照文献として援用する米国特許:第5,176,996号、第5,683,874号、第5,874,566号、および第5,962,426号に認めることができる。 外部ガイド配列(EGS)は、複合体を形成する標的核酸分子と結合する分子であり、またこの複合体は標的分子を開裂するRNアーゼPによって認識される。EGSは、選択したRNA分子を特異的標的とするよう設計することができる。RNアーゼPは、細胞内でトランスファーRNA(tRNA)のプロセシングを支援する。標的RNA:EGS複合体に天然tRNA基質を模倣させるEGSを用いることにより、細菌RNアーゼPを補充してほぼあらゆるRNA配列を開裂することができる(例:Yaleによる国際公開第92/03566号、およびForsterおよびAltman、Science 238:407-409 (1990)を参照)。 同様に、RNAの真核細胞EGS/RNアーゼP指向開裂を利用して、真核細胞内で所望の標的を開裂することができる。(Yuan他、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:8006-8010(1992);Yaleによる国際公開第93/22434号;Yaleによる国際公開第95/24489号;YuanおよびAltman, EMBO J 14:159-168(1995)、およびCarrara他、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:2627-2631(1995)を参照)。種々の多様な標的分子の開裂を促進するEGS分子を作製および使用する方法の典型的な例は、以下の非制限的な米国特許の一覧に認めることができる:いずれもその全文を本願に参照文献として援用する第5,168,053号、第5,624,824号、第5,683,873号、第5,728,521号、第5,869,248号、および第5,877,162号。 (CCL25および/またはCCR9の発現上昇を有する癌細胞の遊走または転移の予防または阻害のための方法) 本願の他の態様は、対象におけるCCL25および/またはCCR9の発現上昇を有する癌細胞の遊走または転移の予防または阻害のための方法に関する。 1つの実施形態においては、方法は、抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせの治療的に有効な量を対象に投与することという段階を含む。 他の実施形態においては、方法は、対象において抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせを発現する発現ベクターを前記対象に投与することという段階を含む。 他の実施形態においては、方法は、CCL25またはCCR9の発現、またはCCL25またはCCR9の生物学的活性、またはCCL25とCCR9の相互作用を阻害することのできる物質を発現する発現ベクターを対象に投与することを含む。他の実施形態においては、発現ベクターは、CCL25および/またはCCR9をコードするヌクレオチドを標的細胞内に送達して抗CCL25および/またはCCR9抗体を産生するよう宿主を誘導することができる。 癌細胞におけるCCL25および/またはCCR9の発現は、免疫染色または定量的PCRなどの技術上周知の方法を用いて判定することができる。CCL25および/またはCCR9を過剰発現することが知られている癌細胞は、黒色腫細胞および癌腫細胞を含むが、これに限定されない。癌腫の例は卵巣癌、膣癌、子宮頸癌、子宮体癌、前立腺癌、肛門癌、直腸癌、結腸癌、胃癌、膵臓癌、インスリノーマ、腺癌、線扁平上皮癌、神経内分泌腫瘍、乳癌、肺癌、食道癌、口腔癌、脳癌、髄芽腫、神経外胚葉性腫瘍、神経膠腫、下垂体癌および骨癌を含むが、これに限定されない。 1つの実施形態においては、癌細胞は脳癌細胞である。他の実施形態においては、癌細胞は骨癌細胞である。他の実施形態においては、癌細胞は下垂体癌細胞である。さらに他の実施形態においては、癌細胞は卵巣癌細胞である。 (化学療法の効果を増強するための方法) 本願の他の態様は、化学療法の効果を増強するための方法に関する。1つの実施形態においては、方法は、癌に対する化学療法を受けている対象に、抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせの有効量を投与することを含む。 他の実施形態においては、方法は、癌に対する化学療法を受けている対象に、抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせを発現する有効量の発現ベクターを投与することを含む。 他の実施形態においては、方法は、癌に対する化学療法を受けている対象に、CCL25またはCCR9の発現、またはCCL25またはCCR9の生物学的活性、またはCCL25とCCR9の相互作用を阻害することができる物質を発現する発現ベクターを投与することを含む。他の実施形態においては、発現ベクターは、CCL25および/またはCCR9をコードするヌクレオチドを標的細胞に送達して抗CCL25および/またはCCR9抗体を産生するよう宿主を誘導することができる。 1つの実施形態においては、対象は芽腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫または胚細胞腫瘍に対する化学療法を受けている。他の実施形態においては、対象は脳癌に対する化学療法を受けている。他の実施形態においては、対象は骨癌に対する化学療法を受けている。他の実施形態においては、対象は下垂体癌に対する化学療法を受けている。さらに他の実施形態においては、対象は卵巣癌に対する化学療法を受けている。 (癌を治療または予防するための組成物およびキット) 本願の他の態様は、癌を治療または予防するための組成物およびキットに関する。1つの実施形態においては、組成物は(1)抗CCL25抗体、抗CCR9抗体、またはその組み合わせ、および(2)医薬品として許容できる担体を含む。他の実施形態においては、組成物は(1)抗CCL25抗体、抗CCR9抗体、またはその組み合わせについてのコード配列を担持する発現ベクター、および(2)医薬品として許容できる担体を含む。他の実施形態においては、組成物は、(1)CCL25またはCCR9の発現、またはCCL25またはCCR9の生物学的活性、またはCCL25とCCR9の相互作用を阻害する物質についてのコード配列を担持する発現ベクター、および(2)医薬品として許容できる担体を含む。 1つの実施形態においては、前記組成物およびキットは芽腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫または胚細胞腫瘍を治療または予防するためのものである。具体的な実施形態においては、前記癌腫は卵巣癌、膣癌、子宮頸癌、子宮体癌、前立腺癌、肛門癌、直腸癌、結腸癌、胃癌、膵臓癌、インスリノーマ、腺癌、線扁平上皮癌、神経内分泌腫瘍、乳癌、肺癌、食道癌、口腔癌、脳癌、髄芽腫、神経外胚葉性腫瘍、神経膠腫、下垂体癌および骨癌からなる群から選択される。 本願の組成物は、抗CCL25または抗CCR9抗体単独などの単一の種類の抗体を含むことも、あるいは両種類の抗体を含むこともある。組成物は、治療する具体的な適応症に対する必要に応じ、上述の1つまたはそれ以上の追加的な抗原に特異的な抗体、好ましくは互いに有害に作用しない相補的な活性を有する抗体の治療的に有効な量も含むことがある。たとえば、治療する癌腫が卵巣癌である場合、単一の製剤に、抗CCL25および/または抗CCR9抗体を、抗CEA、抗CA125および/または抗TA90などの1つまたはそれ以上のさらなる抗癌決定因子抗体と共に含む治療的製剤を調製することが望ましいこともある。本願の一部の実施形態においては、治療的抗体を化学療法剤または細胞毒性剤と組み合わせることもある。本願の他の実施形態においては、治療的抗体は抗炎症剤または血栓溶解剤と組み合わせてもよい。このような薬剤は、意図する目的にとって効果的である量で組み合わせて適切に存在する。 本願で用いられる文言「医薬品として許容できる担体」は、医薬品としての投与に適合した、任意のかつ全ての溶媒、可溶化剤、充填剤、安定化剤、結合剤、吸収剤、基剤、緩衝剤、滑沢剤、放出制御担体、希釈剤、乳化剤、湿潤剤、滑沢剤、分散媒体、コーティング、抗菌または抗真菌剤、等張化および吸収遅延剤などを含むことを意図する。医薬品として活性である物質に対するそのような媒体および薬剤の使用は技術上周知である。任意の従来の媒体または薬剤が有効化合物として不適合である範囲を除き、組成物におけるその使用は想定される。補足的な薬剤も組成物に組み入れることができる。一定の実施形態においては、医薬品として許容できる担体は血清アルブミンを含む。 本願の医薬組成物は、その意図する投与経路に適合するよう製剤化される。投与経路の例は、鞘内、動脈内、静脈内、皮内、皮下、口腔内、経皮(局所)および経粘膜などの非経口投与を含む。一定の実施形態においては、医薬組成物は腫瘍組織中に直接投与される。 非経口、皮内、または皮下適用に用いられる溶液または懸濁液は、以下の成分を含むことができる:注射用蒸留水、食塩水溶液、不揮発油、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの無菌希釈剤;プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸または重硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩などの緩衝剤、および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの等張性調節剤。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基によって調節することができる。非経口製剤はガラスまたはプラスチック製のアンプル、ディスポーザブルシリンジ、または多人数用バイアルに封入することができる。 注射用途に適した医薬組成物の例は、無菌水溶液(水溶性の場合)、または分散剤および無菌注射液または分散剤の即時調製のための無菌粉末を含む。静脈内投与用の適切な担体は生理食塩水、静菌水、クレモフォールEL(登録商標)(BASF、ニュージャージー州パーシパニー)、またはリン酸緩衝食塩水(PBS)である。いずれの場合も、注射用組成物は無菌でなければならず、かつ容易なシリンジ操作性が存在する程度まで流動性でなければならない。製造および保存条件下で安定でなければならず、かつ細菌または真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。担体は、たとえば水、エタノール、ポリオール(たとえばグリセロール、プロピレングリコールおよび液状ポリエチレングリコールなど)、およびその適切な混合物を含む溶媒または分散媒体とすることができる。適切な流動性は、たとえばレシチンなどのコーティングなどの使用、分散剤の場合は必要とされる粒子径の維持、および界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用の予防は、たとえばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどの多様な抗菌および抗真菌剤によって達成することができる。多くの場合、たとえば糖類、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール類および塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に含めることが好ましいであろう。注射用組成物の長期間の吸収は、たとえばモノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチンなどの吸収を遅延させる薬剤を組成物中に含めることによって引き起こすことができる。 無菌注射液は、適切な溶媒中の必要とされる量の活性化合物(例:抗CCL25または抗CCR9抗体など)を、必要に応じて、上に列挙された成分のうち1つまたはこれらの組み合わせに組み入れたのち、濾過滅菌することにより調製することができる。分散剤は、一般的に、上に列挙した成分より基本分散媒体および必要とされる他の成分を含有する無菌担体に活性化合物を組み入れることによって調製される。無菌注射液を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、事前に滅菌濾過したその溶液から活性、成分+任意の所望の追加的成分の粉末を得る真空乾燥および凍結乾燥である。 経口組成物は、一般的に不活性溶媒または食用担体を含む。それらはゼラチンカプセルに封入するか、または圧縮して錠剤とすることができる。経口治療投与を目的として、活性化合物を添加剤と組み合わせかつ錠剤、トローチまたはカプセルの形態で使用することができる。経口組成物は、液状担体中の化合物が口腔的に施用されかつ素早く動かした後で喀出または嚥下されることを特徴とする、含嗽液としての使用のための液状担体を用いて調製することもできる。医薬品として適合する結合剤、および/またはアジュバント材料を組成物の一部として含めることができる。錠剤、丸剤、カプセル、トローチなどは、以下の成分のうちいずれか、または同様の性質の化合物を含むことができる:微結晶性セルロース、ガムトラガント、またはゼラチンなどの結合剤;デンプンまたは乳糖などの賦形剤、アルギニン酸、プリモゲル、またはコーンスターチなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはStertesなどの滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素などの滑剤;ショ糖またはサッカリンなどの甘味料;またはペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ香料などの着香料。 化合物は、吸入による投与のために、加圧容器からのエアロゾルスプレー、またはたとえば二酸化炭素といったガスなどの適切な噴射剤を収容するディスペンサー、またはネブライザーの形態で送達される。 全身投与も、経粘膜的手段によるかまたは経皮的手段によることができる。経粘膜的または経皮的投与のために、透過しようとするバリアに適した浸透剤を製剤に用いる。そのような浸透剤は技術上周知であり、かつ、たとえば経粘膜投与のために界面活性剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与は鼻腔内スプレーまたは坐薬の使用によって達成することができる。経皮投与のために、医薬組成物は技術上周知である通りに軟膏、蝋膏、ゲル、またはクリームに製剤化する。 一定の実施形態においては、医薬組成物は、活性成分の持続放出または制御放出のために製剤化される。エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの生体分解性、生体適合性ポリマーを用いることができる。そのような製剤を調製するための方法は、当業者にとって明らかである。材料は、たとえばAlza社やNova Pharmaceuticals社などから商業的に入手することができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を有する感染細胞に標的化したリポソームを含む)も、医薬品として許容できる単体として用いることができる。これらは、たとえば米国特許第4,522,811に記載されているように、当業者に既知の方法に従って調製することができる。 投与を容易にし、かつ用量を均一化するために経口または非経口組成物を用量単位形態に製剤化することは特に有益である。本願で用いられる用量単位形態は、治療しようとする対象に単位用量として適合化した物理的に分離した単位を含み;各単位は、必要とされる医薬品担体と共に、所望の治療的効果を生成するよう算出された事前に定められた量の活性化合物を含む。本願の用量単位形態の規格は、活性化合物の特有の性質および達成しようとする具体的な治療効果、および個体の治療のためのそのような活性化合物を調合する技術に固有の制限によって規定されかつこれに直接依存する。 そのような化合物の毒性および治療的効果は、たとえばLD50(母集団の50%に対して致死的な用量)およびED50(母集団の50%において治療的に有効な用量)を判定するためなどの、細胞培養または実験動物における標準的な医薬的手順によって判定することができる。毒性効果と治療効果の間の用量比率は治療係数であり、比率LD50/ED50として表示することができる。大きな治療係数を示す化合物が望ましい。毒性副作用を示す化合物を用いることもあるものの、非罹患細胞に対する潜在的な障害を最小化し、かつこれにより副作用を低下させるために、そのような化合物の標的を罹患組織の部位とする送達システムを設計するよう注意を払うべきである。 細胞培養測定および動物試験から得られたデータを、ヒトにおいて用いるための用量範囲の製剤化に用いることができる。そのような化合物の用量は、好ましくは毒性をほとんど伴わずにED50を含む血中濃度の範囲内にある。用量は、使用する剤型および利用する投与経路に依存してこの用量範囲内で変動しうる。本願の方法において用いられる任意の化合物について、治療的に有効な用量は始めに細胞培養分析から推定することができる。用量は、動物モデルにおいて、細胞培養で判定されるIC50(すなわち症状の最大阻害の半分を達成する被験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するよう製剤化される。そのような情報を用いて、ヒトにおいて有用な用量をより正確に判定することができる。一定の実施形態においては、単回用量は0.01μgから50mgの抗CCL25または抗CCR9抗体を含有する。医薬組成物は、容器、パック、またはディスペンサーに投与のための指示と共に収容することができる。 本願は、制限的と解釈すべきでない以下の実施例によってさらに例示される。本願の全体に引用された全ての参照文献、特許および公開特許明細の内容、さらには図面および表は、本願に参照文献として組み入れられる。 (多様な癌腫におけるCCL25およびCCR9発現および活性のインビトロ分析) 図1に示すように、CCL25は乳癌組織によって発現される。乳癌組織をアイソタイプ対照または抗CCL25抗体で染色した。マゼンタ色はCCL25染色を示す。40×対物レンズを搭載したAperio ScanScope CSシステムでデジタル画像をキャプチャした。示された乳癌の代表的な症例およびCCL25の免疫強度。 図2は、乳癌細胞株増殖におけるCCL25のシスプラチン誘導性減少の阻害が証明されることを証明する。MDA−MB−231細胞を、シスプラチン濃度を上昇させながら、0または100ng/mL CCL25+アイソタイプ対照または抗CCR9 Abで24時間培養した。細胞増殖はBrdU取り込みで判定し、測定は3回ずつ実施して3回繰り返した。アスタリクスはCCL25処理BrCa細胞と未処理BrCa細胞の間の統計的有意差(p<0.01)を示す。 図3A〜Bは、CCL25が乳癌細胞をシスプラチン誘導性アポトーシスから保護することを示す。MDA−MB−231細胞を、5mg/mLシスプラチン単独または0または100ng/mL CCL25+1mg/mL抗ヒトCCR9またはアイソタイプ対照とともに24時間培養した(A)。細胞を回収し、アネキシンVおよびポピドンヨウ素(PI)で染色した。染色細胞のフローサイトメトリーによる分析ではアポトーシス(アネキシンV陽性)細胞を生存(非蛍光)および壊死(PI陽性)細胞と識別した。アスタリクスはCCL25処理乳癌細胞と未処理乳癌細胞の間の統計的有意差(p<0.01)を示す。MDA−MB−231細胞株を、5mg/mLシスプラチンまたは0または100ng/mL CCL25+抗ヒトCCR9または1mg/mL アイソタイプ対照Abとともに24時間培養した(B)。アポトーシス細胞の検出は、末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼ媒介dUTPニック末端標識(TUNEL)法で遂行した。アポトーシス細胞は、標準的な蛍光フィルターセット(520±20nm)により核緑色蛍光を示した。アスタリクスはシスプラチンCCL25処理乳癌細胞株と未処理乳癌細胞株の間の統計的有意差(p<0.01)を示す。 図4A〜Bは、乳癌細胞株におけるCCL25−CC9相互作用によるPI3K活性化およびAkt活性化を示す。MDA−MB−231細胞を、CCL25、シスプラチンおよび特異的キナーゼ阻害剤(ワートマニンおよびPF−573,228)による処理後にPI3KおよびAktを活性化するその能力について試験した。原位置での総PI3KおよびAktレベルおよびリン酸化PI3KおよびAktレベルを、シスプラチンおよびキナーゼ阻害剤の存在下でCCL25刺激の前(0分)または刺激後(5または10分)にFast Activated CellベースのELISAで定量した。3回ずつ測定した3回の独立した実験から総PI3KまたはAktに対する活性化PI3K(A)またはAkt(B)の比率±SEMを示す。アスタリクスは未処理細胞とCCL25処理細胞とCCL25+シスプラチン処理細胞の間の統計的有意差を示す。 図5A〜Bは、乳癌細胞株のCCL25処理後のGSK−3βおよびFKHRリン酸化を示す。MDA−MB−231細胞を、CCL25、シスプラチンおよび特異的キナーゼ阻害剤(ワートマニンおよびPF−573,228)による処理後にGSK−3βおよびFKHRをリン酸化するその能力について試験した。原位置での総GSK−3βおよびFKHRレベルおよびリン酸化GSK−3βおよびFKHRレベルを、シスプラチンおよびキナーゼ阻害剤の存在下でCCL25刺激の前(0分)または刺激後(5または10分)にFast Activated CellベースのELISAで定量した。3回ずつ測定した3回の独立した実験から総GSK−3βまたはFKHRに対するリン酸化GSK−3β(A)またはFKHR(B)の比率±SEMを示す。アスタリクスは未処理細胞とCCL25処理細胞とCCL25+シスプラチン処理細胞の間の統計的有意差(p<0.01)を示す。 図6は卵巣癌組織によるCCR9およびCCL25発現を示す。非腫瘍性(n=8)、漿液性腺癌(n=9)、漿液性乳頭状嚢腺腫(n=1)、類子宮内膜腺癌(n=5)、粘液性腺癌(n=2)、嚢腺腫(n=3)、粘液性ボーダーライン腺癌(n=1)、明細胞癌(n=5)、顆粒膜細胞腫瘍(n=3)、未分化胚細胞腫(n=3)、移行上皮癌(n=3)、ブレンネル腫瘍(n=1)、卵黄嚢腫瘍(n=4)、腺癌(n=1)および線維腫(n=2)に由来する卵巣癌組織をアイソタイプ対照または抗CCR9およびCCL25抗体で染色した。茶色(DAB)はCCR6染色をし、かつマゼンタ色の染色はCCL25を示す。40×対物レンズを搭載したAperio ScanScope CSシステムで各スライドのデジタル画像をキャプチャした。典型的な症例はCCR9およびCCL25の免疫強度を示す。 図7A〜Bは卵巣癌組織によるCCL25発現の分析を示す。CCL25発現を分析し、変形ボックスプロットで示した(A)。ボックス内の下、中央および上の線は、それぞれ第1四分位(Q1)、中央値(Q2)および第3四分位(Q3)を示す。上と下のひげは中央値±1.5(Q3−Q1)を表す。非腫瘍との有意差を下のパネルに示す。表(B)は、非腫瘍性組織(NN)と、漿液性腺癌(SA)、類子宮内膜腺癌(EC)、粘液性腺癌(MA)、嚢腺腫(C)、粘液性ボーダーライン腺癌(MBA)、明細胞癌(CCC)、顆粒膜細胞腫瘍(GCT)、未分化胚細胞腫(D)、移行上皮癌(TCC)、ブレンネル腫瘍(BT)、卵黄嚢腫瘍(YST)、腺癌(A)および線維腫(F)とのそれぞれのp値または有意差を示す。 図8A〜Bは卵巣癌組織によるCCR9発現の分析を示す。CCR9発現を分析し、変形ボックスプロットで示した(A)。ボックス内の下、中央および上の線は、それぞれ第1四分位(Q1)、中央値(Q2)および第3四分位(Q3)を示す。上と下のひげは中央値±1.5(Q3−Q1を表し非腫瘍との有意差を下のパネルに示す。表(B)は、非腫瘍性組織(NN)と、漿液性腺癌(SA)、類子宮内膜腺癌(EC)、粘液性腺癌(MA)、嚢腺腫(C)、粘液性ボーダーライン腺癌(MBA)、明細胞癌(CCC)、顆粒膜細胞腫瘍(GCT)、未分化胚細胞腫(D)、移行上皮癌(TCC)、ブレンネル腫瘍(BT)、卵黄嚢腫瘍(YST)、腺癌(A)および線維腫(F)とのそれぞれのp値または有意差を示す。 図9A〜Bは卵巣癌細胞株によるCCR9およびCCL25発現を示す。卵巣癌細胞をフルオレセイン(FITC)複合体化抗CCR9抗体またはFITC複合体化アイソタイプ対照抗体で染色しさらにFACSで分析した(A)。卵巣癌細胞をFITC複合体化抗CCR9で染色し、細胞内CCL25をフィコエリスリン(PE)複合体化CCL25抗体で染色し、核はDraq−5で染色した(B)。融合データは、表面上のCCR9発現および核内のCCL25発現を示す。 図10A〜Bは卵巣癌細胞による低酸素調節CCR9 mRNAおよび表面タンパク質発現を示す。正常酸素条件および低酸素条件下のSKOV−3細胞株または正常一次卵巣組織から総RNAを分離した。CCR9 mRNAの定量的RT−PCR分析を3回ずつ実施した。転写物のコピーは、18S rRNAコピーの実数に対して+SEで表示する(A)。正常酸素下および低酸素下のSKOV−3細胞をPE複合体化アイソタイプ対照抗体(Ab)(塗りつぶしたヒストグラム)またはPE複合体化抗CCR9モノクローナルAb(白抜きヒストグラム)で染色し、さらにフローサイトメトリーで定量した(B)。PE陽性細胞の平均蛍光強度の平均を示す。記号は、正常組織またはアイソタイプ対照とOvCa細胞の間(@)または正常酸素と低酸素細胞間(*)のCCR9発現の統計的に有意な(p<0.01)差を示す。 図11A〜BはSKOV−3細胞の低酸素媒介性およびCCL25媒介性遊走および浸潤を示す。SKOV−3細胞を、CCL25の走化性勾配に向かって遊走するその能力について試験した(A)。遊走測定中、正常酸素または低酸素条件下で100ng/mL CCL25を用いて、1.0μg/mLマウス抗CCR9抗体(Ab)またはアイソタイプ対照Abと共に細胞を共培養した。またSKOV−3細胞は、低酸素条件下または正常酸素条件下で100ng/mL CCL25に応答してMatrigel(登録商標)マトリクスに浸潤するかまたはこれを横切ってトランスロケーションするその能力についても試験した(B)。浸潤測定中、正常酸素または低酸素条件下で100ng/mL CCL25を用いて、CCR9に対するモノクローナル抗体1.0μg/mLと共に細胞を共培養した。遊走または浸潤した細胞の個数(+SE)は、CCL25処理正常酸素細胞と未処理正常酸素細胞の間(#)、CCL25処理低酸素細胞と未処理低酸素細胞の間(@)、または同様に処理した正常酸素細胞と低酸素細胞の間(*)の有意な(p<0.01)差を示す記号と共に示す。 図12A〜BはSKOV−3細胞によるCCL25誘導性コラゲナーゼ発現を示す。細胞を、コラゲナーゼ(MMP−1、MMP−8、およびMMP−13)mRNAおよび活性タンパク質を発現するその能力について試験した。SKOV−3細胞は、正常酸素または低酸素条件下で、単独、100ng/mL CCL25+1μg/mLアイソタイプ対照抗体(Ab)、またはCCL25+1μg/mLマウス抗CCR9 Abと共に24時間培養した。総RNAを分離し、コラゲナーゼのmRNA発現について定量的RT−PCR分析を実施し、さらに転写コピーを実際の18S rRNAコピーに対して表示する(A)。調製培地において活性コラゲナーゼをFluorokine and Biotrak測定で定量した(B)。記号は、CCL25処理正常酸素細胞と未処理正常酸素細胞の間(#)、CCL25処理低酸素細胞と未処理低酸素細胞の間(@)、または同様に処理した正常酸素細胞と低酸素細胞の間(*)の有意な(p<0.01)差を示す。 図13A〜BはSKOV−3細胞によるCCL25誘導性ゼラチナーゼ発現を示す。細胞を、ゼラチナーゼ(MMP−2およびMMP−9)mRNAおよび活性タンパク質を発現するその能力について試験した。SKOV−3細胞は、正常酸素または低酸素条件下で、単独、100ng/mL CCL25+1μg/mL アイソタイプ対照抗体(Ab)、またはCCL25+1μg/mLマウス抗CCR9 Abと共に24時間培養した。総RNAを分離し、ゼラチナーゼのmRNA発現について定量的RT−PCR分析を実施し、さらに転写コピーを実際の18S rRNAコピーに対して表示する(A)。調製培地中の活性ゼラチナーゼをFluorokine and Biotrak測定で定量した(B)。記号は、CCL25処理正常酸素細胞と未処理正常酸素細胞の間(#)、CCL25処理低酸素細胞と未処理低酸素細胞の間(@)、または同様に処理した正常酸素細胞と低酸素細胞の間(*)の有意な(p<0.01)差を示す。 図14A〜BはSKOV−3細胞によるCCL25誘導性ストロメライシン発現を示す。細胞を、ストロメライシン(MMP−3、MMP−10、およびMMP−11)mRNAおよび活性タンパク質を発現するその能力について試験した。SKOV−3細胞は、正常酸素または低酸素条件下で、単独、100ng/mL CCL25+1μg/mL アイソタイプ対照抗体(Ab)、またはCCL25+1μg/mLマウス抗CCR9 Abと共に24時間培養した。総RNAを分離し、ストロメライシンのmRNA発現について定量的RT−PCR分析を実施し、さらに転写コピーを実際の18S rRNAコピーに対して表示する(A)。調製培地において活性ストロメライシンをFluorokine and Biotrak測定で定量した(B)。記号は、CCL25処理正常酸素細胞と未処理正常酸素細胞の間(#)、CCL25処理低酸素細胞と未処理低酸素細胞の間(@)、または同様に処理した正常酸素細胞と低酸素細胞の間(*)の有意な(p<0.01)差を示す。 図15は前立腺癌細胞株によるCCR9発現を示す。前立腺細胞株(C4−2B、LNCaP、およびPC3)および正常前立腺細胞(RWPE−1)をFITC複合体化抗ヒトCCR9(緑)および7AAD(核染色;赤)で染色した。陽性染色細胞をAmnis Imagestreamで撮像および定量した。右のパネルはCCR9染色の平均蛍光強度を示す。 図16A〜Dは前立腺組織によるCCR9発現を示す。国立衛生研究所(NIH)、国立癌研究所(NCI)およびアラバマ州立大学(バーミンガム)より組織マイクロアレイ(TMA)を入手し、CCR9について染色した。40×対物レンズを搭載したAperio ScanScopeシステムで各スライドのデジタル画像をキャプチャした。前立腺癌(CaP)(A)、マッチングした良性前立腺組織(MB)(B)および陰性対照の典型的な例を示し、スキャンして分析した全ての組織のCCR9強度をImageScopeソフトウェア(v.6.25)で定量した。図27DはMBと、良性前立腺肥大(BHP)、前立腺癌(PCa)の間のCCR9免疫強度を示す。アスタリクスは、MBと、BPH、PCa組織間のCCR9免疫強度の有意な(p<0.01)差を示す。 図17A〜Dは前立腺癌組織によるCCL25発現を示す。エンドクリン−パラクリン細胞表現型の神経内分泌分化は、前立腺悪性腫瘍で頻繁に発生し、かつ転帰および治療上の潜在的重大性を有する。パラクリン細胞表現型は、前立腺および前立腺癌におけるアンドロゲン非感受性、分裂終了部分母集団と見なすことができる。図17Aは、前立腺上皮間新生物内のパラクリンパターンにおけるCCL25の発現を示す。双頭矢印はCCL25を産生する複数のパラクリン細胞を指し示し(赤)、茶色の矢印はCCR9を発現する細胞を指し示す(茶)。図17BはCCL25について赤く染色された細胞を示す。茶色の矢印は細胞NSEを指し示す。図17AおよびCは、それぞれ図17DおよびBよりも高い倍率を示す。 図18は健常ドナーまたは前立腺疾患患者における血清CCL25レベルを示す。ELISAを用いて、健常ドナー、前立腺癌(PCa)、前立腺上皮間新生物(PIN)、および良性前立腺肥大(BPH)由来の血清中のCCL25を定量した。アスタリクスは、健常対照と比較したCCL25レベルの有意差(p<0.05)を示す。 図19A〜Cはマウス骨髄細胞によるCCL25発現を示す。非腫瘍担持(A)および腫瘍担持(B)マウス由来の骨髄細胞を吸引し、FITC複合体化抗CCL25抗体で染色した。陽性染色細胞(C)をAmnis ImageStreamで定量した。IDEASソフトウェアを用いて画像ベース分析を実施したところ、前立腺腫瘍細胞攻撃後の骨髄によるCCL25発現の1.6倍の増加を示した。 図20A〜BはCCR9媒介性前立腺癌細胞遊走(A)および浸潤(B)を示す。LNCaP、PC3、およびC4−2b細胞を、無添加(白抜き棒グラフ)、100ng/mL CCL25(斜線棒グラフ)、または100ng/mL CCL25+1μg/mL抗CCL25(塗りつぶし棒グラフ)に向かって遊走するその能力について試験した。遊走および浸潤チャンバーに播種するために最初に用いた104個の細胞からCCL25に応答して遊走および浸潤した細胞の個数(±SEM)は、遊走がCCL25依存的でありかつ抗CCL25抗体遮断によって阻害されることを示す。アスタリクスは、無添加とCCL25処理細胞の間の有意差(p<0.01)を示す。 図21は、LNCaP、PC3、およびC4−2b前立腺細胞株によるCCL25誘導性活性マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)発現を示す。細胞は、無添加(白抜き棒グラフ)または100ng/mL CCL25添加(塗りつぶし棒グラフ)で24時間培養した。培養上清中のMMP−1、MMP−2、MMP−3、MMP−9、MMP−10、およびMMP−11タンパク質レベルをMMP活性分析により判定した。アスタリスクは、未処理細胞株と比較したCCL25処理細胞株のMMP分泌の有意な(p<0.05)上昇または低下を示す。 図22A〜FはCCR9ノックダウンによるPC3前立腺癌細胞株の骨転移の阻害を示す。マウスを、ルシフェラーゼおよびドセタキセルの誘導によるCCR9特異性shRNA発現PC3細胞株で攻撃した(A、D)。マウスはこの細胞株で腹腔内注射により攻撃した。その後、マウスは21日間飲用物中に何も添加しないかまたはドキシサイクリン(0.2mg/mL)を投与された。Caliper Xenogen100インビボ撮像システムにより転移と腫瘍増殖を毎週モニタリングした。攻撃より24時間後には変化がなかったが(B、E)、攻撃の3週間後には、骨転移としてのCCR9ノックダウンPC3(F)細胞の増殖はCCR陽性PC3細胞(C)と比較してより少なかった。 図23は肺癌患者の血清CCL25レベルを示す。CCL25 ELISAを実施して、腺癌(AdenoCa;n=14)、扁平上皮癌(SSC;n=17)と診断された患者、および健常ドナー(control;n=9)に由来する血清中のCCL25レベルを定量した。ELISAはCCL25>5pg/mLを検出することができた。塗りつぶした円は個々の血清CCL25レベルを示し、線は各群の濃度の中央値を示す。アスタリクスは、対照群と肺癌群の間の有意差(p<0.01)を示す。 図24A〜Cは非腫瘍性肺組織および肺癌組織によるCCR9発現を示す。非腫瘍性(n=8)(A)、腺癌(n=24)(B)、および扁平上皮癌(n=54)(C)由来の肺組織をアイソタイプ対照または抗CCR9抗体で染色した。茶色(DAB)はCCR9染色を示す。 図25A〜Cは結腸癌組織によるCCR9−CCL25発現を示す。非腫瘍性(n=8)および腺癌(n=16)由来の結腸組織を(A)アイソタイプ対照、(B)抗CCR9、または(C)抗CCL25抗体で染色した。茶色(DAB)染色はCCR9陽性を示し、かつマゼンタ色の染色はCCL25陽性を示す。 (リアルタイムPCR分析によりケモカイン発現レベルを検出すること) (プライマー設計) NIH−NCBI遺伝子バンクデータベースよりCXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CXCR5a、CXCR5b、CXCR6、CXCR7、CCL1、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9、CCL10、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL21、CCL22、CCL24、CCL25、CCL25−1、CCL25−2、CCL27、CCL28、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、CCR11、XCL1、XCL2、XCR1、CX3CR1、またはCX3CL1についてのメッセンジャーRNA配列を取得した。プライマーはBeaconJ 2.0コンピュータプログラムを用いて設計した。コンピュータプログラム:Primer PremierJおよびMIT Primer 3を用いてプライマーの熱力学分析を実施した。生成したプライマーセットをヒトゲノム全体と比較して特異性を確認した。 (リアルタイムPCR分析) 癌細胞株(ATCC、メリーランド州ロックヴィル)を、非必須アミノ酸L−グルタミン酸、およびピルビン酸ナトリウムを添加した10%ウシ胎児血清を含有するRMPI−1640(完全培地)中で培養した。臨床切除組織より原発性腫瘍および正常ペアマッチング組織(Clinomics Biosciences、メリーランド州フレデリックおよびUAB Tissue Procurement、アラバマ州バーミンガム)を採取した。メーカーのプロトコルに従ってTriReagent(Molecular Research Center、オハイオ州シンシナティ)を用い、106個の細胞からメッセンジャーRNA(mRNA)を分離した。RNアーゼ非含有DNアーゼ(インビトロジェン、カリフォルニア州サンディエゴ)10U/Flを用いて37℃で15分間処理することで、これらのサンプルより潜在的なゲノムDNA汚染を除去した。その後、RNAを沈殿させ、RNA Secure(Ambion、テキサス州オースチン)に再懸濁した。メーカーのプロトコルにしたがってTaqman7逆転写試薬(アプライドバイオシステムズ、カリフォルニア州フォスターシティ)を用い、総RNA約2μgを逆転写することによりcDNAを生成した。その後、メーカーのプロトコルにしたがってSYBR7 Green PCRマスターミックス試薬(アプライドバイオシステムズ)を用い、cDNAをCXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CXCR5a、CXCR5b、CXCR6、CXCR7、CCL1、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9、CCL10、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL21、CCL22、CCL24、CCL25、CCL25−1、CCL25−2、CCL27、CCL28、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、CCR11、XCL1、XCL2、XCR1、CX3CR1、またはCX3CL1に対する特異的ヒトcDNAプライマーにより増幅した。これらの標的のmRNAのコピーレベルを、BioRad Incyclerおよびソフトウェア(カリフォルニア州ハーキュリーズ)を用いたリアルタイムPCR分析により評価した。 CXCL1−、CXCL2−、CXCL3−、CXCL4−、CXCL5−、CXCL6−、CXCL7−、CXCL8−、CXCL9−、CXCL10−、CXCL11−、CXCL12−、CXCL13−、CXCL14−、CXCL15−、CXCL16−、CXCR1−、CXCR2−、CXCR3−、CXCR4−、CXCR5−、CXCR5a−、CXCR5b−、CXCR6−、CXCR7−、CCL1−、CCL2−、CCL3−、CCL4−、CCL5−、CCL6−、CCL7−、CCL8−、CCL9−、CCL10−、CCL11−、CCL12−、CCL13−、CCL14−、CCL15−、CCL16−、CCL17−、CCL18−、CCL19−、CCL20−、CCL21−、CCL22−、CCL24−、CCL25−、CCL25−1−、CCL25−2−、CCL27−、CCL28−、CCR1−、CCR2−、CCR3−、CCR4−、CCR5−、CCR6−、CCR7−、CCR8−、CCR9−、CCR10−、CCR11−、XCL1−、XCL2−、XCR1−、CX3CR1−、またはCX3CL1特異性プライマーセットを用いて得られたRT−PCR生成物は、宿主配列にアニーリングしたプライマー(NIH−NCBI遺伝子バンク)を排除したので、他の遺伝子標的と交差反応しなかった。プライマーは、CXCR5a対CXCR5bおよびCCL25、CCL25−1対CCL25−2をもたらす種々のサイズのアンプリコン生成物相対的多型を生成した。この目的に向けて、腺腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、および/または骨髄腫細胞株および腫瘍組織のRT−PCR分析により、ケモカインおよびケモカイン受容体は癌細胞により識別的に発現されることが明らかとなった。 (抗ケモカインおよび抗ケモカイン受容体抗体はインビトロおよびインビボで腫瘍細胞増殖を阻害する) (抗血清の調製) CXCR1、CXCR2、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL12、CXCR5a、CXCR5b、CXCL13、CXCR6、CXCL16、CCL16、CCL25、CCL25−1、CCL25−2、CCR9、CX3CR1、およびCX3CL1(配列番号1−21)から15アミノ酸ペプチドを合成し(シグマジェノシス、テキサス州ザ/ウッドランド)、さらにその後の抗血清調製またはモノクローナル抗体生成のための免疫用に、鶏卵リゾチーム(Pierce、イリノイ州ロックフォード)と複合体化して抗原を生成した。発色性リムルスアメーバ様細胞溶解物測定(Cape Cod社、ミシシッピー州ファルマス)によりケモカインペプチド複合体のエンドトキシンレベルを定量したところ<5EU/mgであることが示された。初回免疫用に、抗原100μgを免疫原としてフロイントの完全アジュバントRibi Adjuvantシステム(RAS)と共に最終体積1.0mLで用いた。この混合物の100mL分取をウサギの背部の2部位に皮下投与し、また各後脚の筋肉に400mLずつ筋肉内投与した。3から4週間後、ウサギに、フロイントの不完全アジュバントに加えて抗原100μgを投与してその後3回免疫した。抗−CXCR1、−CXCR2、−CXCL1、−CXCL2、−CXCL3、−CXCL5、−CXCL6 −CXCL7、−CXCL8、−CXCL12、−CXCR5a、−CXCR5b、−CXCL13、−CXCR6、−CXCL16、−CCL16、−CCL25、−CCL25−1、−CCL25−2、−CCR9、−CX3CR1、および−CX3CL1抗体価が1:1,000,000に達したときに抗血清を採取した。続いて、正常血清または抗血清を熱不活化しさらにPBSで1:50希釈した。 (モノクローナル抗体の調製) CXCR1、CXCR2、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL12、CXCR5a、CXCR5b、CXCL13、CXCR6、CXCL16、CCL16、CCL25、CCL25−1、CCL25−2、CCR9、CX3CR1、およびCX3CL1から15アミノ酸ペプチドを合成し(シグマジェノシス)、さらにその後の抗血清調製またはモノクローナル抗体生成のための免疫用に、鶏卵リゾチーム(Pierce)と複合体化して「抗原」を生成した。発色性リムルスアメーバ様細胞溶解物測定(Cape Cod社、ミシシッピー州ファルマス)によりケモカインペプチド複合体のエンドトキシンレベルを定量したところ<5EU/mgであることが示された。初回免疫用に、抗原100μgを免疫原としてフロイントの完全アジュバントRibi Adjuvantシステム(RAS)と共に最終体積200μLで用いた。その後、この混合物の100μL分取をラット、マウス、または免疫グロブリンヒト化マウスの背部の2部位に投与した。2週間後、動物にはフロイントの不完全アジュバントに加えて抗原100μgを投与してその後3回免疫した。血清を採取し、かつ抗−CXCR1、−CXCR2、−CXCL1、−CXCL2、−CXCL3、−CXCL5、−CXCL6 −CXCL7、−CXCL8、−CXCL12、−CXCR5a、−CXCR5b、−CXCL13、−CXCR6、−CXCL16、−CCL16、−CCL25、−CCL25−1、−CCL25−2、−CCR9、−CX3CR1、または−CX3CL1抗体価が1:2,000,000に達したとき、宿主を屠殺しかつ脾細胞を分離してハイブリドーマを生成した。簡潔に述べると、免疫した宿主の脾臓またはリンパ節に由来するB細胞を不死骨髄腫細胞株(例:YB2/0など)と融合させた。次に、選択培養条件(すなわちHAT添加培地)およびハイブリドーマクローニングの限定希釈法後にハイブリドーマを分離した。ELISAを用いて所望の特異性を有する抗体を産生する細胞を選択した。正常ラットまたはマウスに由来するハイブリドーマを、一般的に用いられる分子生物学的技術を用いてヒト化した。高親和性および増殖性ハイブリドーマをクローニングした後、腹水または培養上清から抗体を分離し、力価1:2,000,000に調節しさらにPBSで1:50希釈した。 (抗血清またはモノクローナル抗体投与) T、B,およびNK細胞を欠く免疫不全ヌードNIH−IIIマウス(週齢8から12週、チャールズリバーラボラトリー、マサチューセッツ州ウィルミントン)に1×106個の癌細胞を皮下に与えて腫瘍を確立した。確立された固形腫瘍は、その後宿主から切除して速やかに移植するか、または後日移植するために液体窒素に保存した。用時切除したかまたは液体窒素で凍結した腫瘍組織(1g)を、腸脂肪組織に外科的に移植して腫瘍を生成した。一旦異種移植腫瘍の増殖がサイズ5mmに達したならば、NIH−IIIマウスに抗血清またはモノクローナル抗体のいずれかの200μL腹腔内注射を3日毎に実施し、さらに腫瘍増殖の進行または退縮についてモニタリングした。 (データ分析) SigmaStat 2000(イリノイ州シカゴ)ソフトウェアを用いて、データの統計的有意性を分析および確認した。その後、2因子不対検定を用いたスチューデントのt−検定でデータを分析した。この分析においては、投与サンプルを非投与サンプルと比較した。有意水準はp<0.05に設定した。 (インビトロ増殖試験) 腺腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、および/または骨髄腫細胞株をCXCR1、CXCR2、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL5、CXCL6 CXCL7、CXCL8、CXCR4、CXCL12、CXCR5a、CXCR5b、CXCL13、CXCR6、CXCL16、CCL16、CCR9、CCL25、CCL25−1、CCL25−2、CX3CR1、またはCX3CL1に対して特異的な抗体の存在するまたは存在しない完全培地内で増殖させた。CXCR1および/またはCXCR2を発現する癌細胞株の増殖は、CXCR1、CXCR2、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL5、CXCL6、CXCL7、またはCXCL8に対する抗体によって阻害された。同様に、CXCR4を発現する癌細胞株の増殖はCXCR4またはCXCL12に対する抗体によって阻害された。CXCR5aまたはCXCR5aを発現する癌細胞株の増殖はCXCR5a、CXCR5b、またはCXCL13に対する抗体によって阻害された。CXCR6を発現する癌細胞株の増殖はCXCR6またはCXCL16に対する抗体によって阻害された。CCR9を発現する癌細胞株の増殖はCCR9、CCL25、CCL25−1、またはCCL25−2に対する抗体によって阻害された。CX3CR1を発現する癌細胞株の増殖はCX3CR1またはCXC3L1に対する抗体によって阻害された。興味深いことに、可溶性リガンドCXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL12、CXCL13、CXCL16、CCL16、CCL25、CCL25−1、CCL25−2、またはCX3CL1に対する抗体は、膜受容体に向けられたものの増殖阻害において、より効果的である。 (インビトロ血管新生試験) 微小血管内膜細胞(Cell Systems、ワシントン州カークランド)を供給者のプロトコルにしたがって増殖させ、さらにCXCR1、CXCR2、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCR4、CXCL12、CXCR5a、CXCR5b、CXCL13、CXCR6、CXCL16、CCL16、CCR9、CCL25、CCL25−1、CCL25−2、CX3CR1、またはCX3CL1に特異的な抗体の存在下または非存在下で、血管新生についてのインビトロ測定(BD−Biocoat、カリフォルニア州ハーキュリーズ)において微細血管細静脈を形成させた。血管新生は、CXCR1、CXCR2、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCR4、CXCL12、CXCR6またはCXCL16に対する抗体によって阻害された。 (インビボ増殖試験) 癌細胞株または原発性腫瘍組織をNIH−IIIマウスに養子移入し、さらに目的の異種移植腫瘍を形成させた。CXCR1、CXCR2、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCR4、CXCL12、CXCR5a、CXCR5b、CXCL13、CXCR6、CXCL16、CCL16、CCR9、CCL25、CCL25−1、CCL25−2;CX3CR1、またはCX3CLlに対する抗体は、腫瘍サイズの進行および退縮に識別的に影響した。一定の場合において、CXCR1、CXCR2、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCR4、CXCL12、CXCR6またはCXCL16に向けられた抗体は、効果的に腫瘍増殖の退縮にも進行の阻害にもつながる。CXCR4、CXCL12、CXCR5a、CXCR5b、CXCL13、CCL16、CCR9、CCL25、CCL25−1、CCL25−2、CX3CR1、またはCX3CL1に向けられた抗体は、腫瘍サイズの進行の阻害において効果的である。 本願で用いられるケモカインのタンパク質配列はNIH−NCBI GenBankに以下のように記録される:(1) CXCR1 (ACCESSION#(受託番号) NP 000625), SEQ ID NO:1, (2) CXCR2(ACCESSION# NP 001548), SEQ ID NO:2, (3) CXCL1 (ACCESSION# NP 001502), SEQ ID NO:3, (4) CXCL2 (ACCESSION# NP 002080), SEQ ID NO:4, (5) CXCL3 (ACCESSION# NP 002081), SEQ ID NO:5, (6) CXCL5 (ACCESSION# NP 002985), SEQ ID NO:6, (7) CXCL6 (ACCESSION# NP 002984), SEQ ID NO:7, (8) CXCL7 (ACCESSION# NP 002695), SEQ ID NO:8, (9) CXCL8 (IL-8, ACCESSION# NP 000575), SEQ ID NO:9, (10) CXCR4 (ACCESSION# NP 003458), SEQ ID NO:10, (11) CXCL12 (ACCESSION# NP 000600), SEQ ID NO:11, (12) CXCR5A (ACCESSION# NP 116743), SEQ ID NO:12, (13) CXCR5B (ACCESSION# NP 001707), SEQ ID NO:13, (14) CXCL13 (ACCESSION# NP 006410), SEQ ID NO:14, (15) CXCR6 (ACCESSION# NP 006555), SEQ ID NO:15, (16) CXCL16 (ACCESSION# NP 071342), SEQ ID NO:16, (17) CCL16 (ACCESSION# NP 004581), SEQ ID NO:17, (18) CCL25 (ACCESSION# NP-005615.2), SEQ ID NO:18, (19) CCL25-1 (ACCESSION# NP 005615), SEQ ID NO:19, (20) CCL25-2 (ACCESSION# NP 683686), SEQ ID NO:20, (21) CX3CR1 (ACCESSION# NP 001328), SEQ ID NO:21, and (22) CX3CL1 (ACCESSION# NP 002987), SEQ ID NO:22. cDNA配列は既知でありかつNIH−NCBI GenBankにおいて以下の受入番号の下で利用可能である:(23) CXCR1 (ACCESSION# NM 000634), SEQ ID NO:23, (24) CXCR2(ACCESSION# NM 001557), SEQ ID NO:24, (25) CXCL1 (ACCESSION# NM 001511), SEQ ID NO:25, (26) CXCL2 (ACCESSION# NM 002089), SEQ ID NO:26, (27) CXCL3 (ACCESSION# NM 002090), SEQ ID NO:27, (28) CXCL5 (ACCESSION# NM 002994), SEQ ID NO:28, (29) CXCL6 (ACCESSION# NM 002993), SEQ ID NO:29, (30) CXCL7 (ACCESSION# NM 002704), SEQ ID NO:30, (31) CXCL8 (IL-8, ACCESSION# NM 000584), SEQ ID NO:31, (32) CXCR4 (ACCESSION# NM 003467), SEQ ID NO:32, (33) CXCL12 (ACCESSION# NM 000609), SEQ ID NO:33, (34) CXCR5A (ACCESSION# NM 032966), SEQ ID NO:34, (35) CXCR5B (ACCESSION# NM 001716), SEQ ID NO:35, (36) CXCL13 (ACCESSION# NM 006419), SEQ ID NO:36, (37) CXCR6 (ACCESSION# NM 006564), SEQ ID NO:37, (38) CXCL16 (ACCESSION# NM 022059), SEQ ID NO:38, (39) CCL16 (ACCESSION# NM 004590), SEQ ID NO:39, (40) CCL25 (ACCESSION# NM_005624.3), SEQ ID NO:40, (41) CCL25-1 (ACCESSION# NM 005624), SEQ ID NO:41, (42) CCL25-2 (ACCESSION# NM 148888), SEQ ID NO:42, (43) CX3CR1 (ACCESSION# NM 001337), SEQ ID NO:43, and (44) CX3CL1 (ACCESSION# NM 002996), SEQ ID NO:44. 以下の表に示すように、大半が何らかの腫瘍を発現する個別のケモカインは変動しうる。本願の方法は、個別の患者に対し、患者自身の腫瘍において過剰発現されるケモカインに応じてカスタマイズしうる。本願の方法を用いて、腫瘍において過剰発現される個別のケモカインを同定し、かつその過剰発現されたケモカインに対する抗体を投与することが可能である。癌患者に合わせた治療の調節は新規であり、かつ本願の特に有益な態様である。 表1は、検討した個別の腫瘍において過剰発現された個別のケモカインの種々の量を示す。 (表1.ケモカイン、ケモカイン受容体および癌の関連(疾患の病期による))(PCa化学療法抵抗性に関与するCCR9−CCL25誘発性抗アポトーシスおよび/または生存シグナル) LNCaP(ホルモン反応性、野生型p53発現)、PC3(ホルモン抵抗性、p53完全欠損)、およびDU145(ホルモン抵抗性、p53変異)細胞株を、CCL25を添加または無添加で、かつドキソルビシン(1μM/2μM/4μM)、エトポシド(20μM/40μM)、エストラムスチン(4μM/10μM)、またはドセタキセル(10nM/20nM/40nM)を添加または無添加で4、8、12、および24時間増殖させる。細胞生存、プロアポトーシスおよび抗アポトーシスシグナル(Akt、Src、CamKII、FAK、FKHR、FOXO、CREB、NF−κB、Myc、Fos、Jun Apaf1、Bax、Bcl2、BclXL、BaK、Bad、Bik、Bim、TP53、カスパーゼ−3、−6、−8、−9、サバイビン、ビトロネクチン、β−カテニン)、および薬剤耐性または代謝を担う分子(Twist−1、Snail−1、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ−π(GST−π)、p53、トポイソメラーゼI、IIα、IIβ、およびABC薬物輸送体)の発現および活性化を、リアルタイムPCRおよびウェスタンブロッティングで評価する。簡潔に述べると、細胞処理後にリアルタイムPCRを用いて遺伝子発現の変化を試験する。シグナリング分子の活性化も、リン酸化特異性抗体(すなわちウェスタンブロット分析)によって試験する。活性化シグナリング分子の役割をさらに確認するため、CCL25処理後に、化学的阻害物質またはsiRNAを用いて候補分子の発現または活性を阻害し、また標的遺伝子をリアルタイムPCRおよびウェスタンブロット分析で分析する。その後、化学療法剤に対する処理細胞の反応をVybrantアポトーシス測定(Molecular probes)キットで評価する。 (RNA分離およびリアルタイムPCR) Trizol(登録商標)(インビトロジェン)法で総RNAを分離し、紫外線分光測定によって定量する。電気泳動法によりRNAの品質を分析する。iScript(登録商標)cDNA合成キット(BioRad)をメーカーの記載する通りに用いてcDNA合成を完遂する。IQ(登録商標)SYBRグリーンスーパーミックス(BioRad)をメーカーの記載する通りに用い、さらにFAK、FKHR、FOXO、Apaf1、Bax、Bcl2、BclXL、BaK、Bad、Bid、XIAP、Bik、Bim、TP53、チトクロームC、カスパーゼ−3、−6、−8、−9、サバイビン、ラミン、CamKII、ビトロネクチン、β−カテニン、カドヘリン、Twist−1、Snail−1、CREB、NF−κB、Myc、Fos、Jun、β−アクチンおよびGAPDHに対して設計された特異的プライマーを用いてリアルタイムPCRを実施する。結果をΔCt法によって算出し、非処理群に対するmRNA変化が何倍かを定量する。 (ウェスタンブロッティング) 細胞を回収し、溶解緩衝液に再懸濁して総タンパク質を抽出する。溶解緩衝液は、50mM Tris−HCl、pH7.4、150mM NaCl、1%Triton X−100、1%デオキシコール酸、0.1%SDS、5mM EDTAを含有し、プロテアーゼ阻害剤、1mMフッ化フェニルメチルスルフォニル、1mMベンズアミジン、10μg/mL大豆トリプシン阻害剤、50μg/mLロイペプチン、1μg/mLペプスタチンおよび20μg/mLアプロチニンを添加する。細胞溶解液を氷上で30分間保存し、4℃で20分間遠心分離し(14000×g)、さらに上清をmRNAレベルの有意なモジュレーションを示す遺伝子のウェスタンブロット分析に用いる。同様に、蛍光体特異性抗体を用いてAkt1/2/3、mTOR、FAK、FKHR、FOXO、およびGSK−3βのリン酸化のレベルの変化を試験する。さらに、特異抗体を用いて開裂後のカスパーゼおよびPARPの活性化を評価する。ECLプラス試薬(Pharmecia)によるX線フィルム上でのタンパク質バンドの化学発光検出後に得られた結果を、Image J画像分析ソフトウェア(NIH)を用いてβアクチンおよび/またはGAPDHに対して正規化する。 (チトクロームC放出の検出) 細胞を採取し、さらにPBSで洗浄し、さらに220mMマンニトール、68mMショ糖、50mM PIPES−KOH、pH7.4、50mM KCl、5mM EGTA、2mM MgCl2、1mM DTT、およびプロテアーゼ阻害剤を含有する抽出緩衝液に再懸濁する。氷上で30分間インキュベートした後、Glass−Teflonホモジナイザーを用いて細胞をホモジナイズし、さらにホモジネートを14,000gで15分間遠心分離する。サイトゾルの抽出物を、抗チトクロームCモノクローナル抗体(PharMingen)を用いたウェスタンブロット分析に用いる。 (siRNAトランスフェクション、化学的阻害剤、およびアポトーシス検出) 前立腺癌細胞株を、LipofectAMINE2000(インビトロジェン)を用いて遺伝子特異性および非特異性対照siRNA(Dharmacon)によってトランスフェクトする。至適な遺伝子ノックダウン時間およびsiRNA濃度をウェスタンブロット分析で確認し、またCCL25、抗CCL25抗体、対照抗体、および/または抗CCR9抗体を用いて、または用いずに薬剤処理した後の細胞の生存についてさらに評価する。生存、アポトーシス、および壊死細胞の変化の検出は以下のように評価する:細胞の生存は、FACScanフローサイトメーターおよびCellQuest(登録商標)ソフトウェア(BD Pharmingen)を用い、Vybrant apoptosisによってメーカー(Molecular probe)の記載通りに試験する。遺伝子ノックダウン後の下流遺伝子発現の変化は、リアルタイムPCRおよびウェスタンブロッティングを用いて試験する。 CCL25で処理した細胞は細胞生存および薬物輸送体タンパク質の発現の亢進を示し、これはホルモン反応性および非反応性細胞においてその発現パターンの差を示す。抗CCL25 AbはPCa細胞においてCCL25の効果を有効に反転させる。ドキソルビシン、エストラムスチン、エトポシドおよびドセタキセルは、CCL25処理(またはCCR9遮断)していないPCa細胞においてアポトーシスを誘導する。 (ABC薬物輸送体におけるCCR9−CCL25誘導性変化) LNCaP、PC3、およびDU145細胞を、CCL25、抗CCL25抗体、対照抗体、および/または抗−CCR9抗体を添加または無添加で、ドキソルビシン、エストラムスチン、エトポシド、またはドセタキセルと共にまたはこれを加えずに、前述の通りに4、8、12または16時間増殖させる。処理後、ABC輸送体およびTwist−1のmRNA発現の変化を、ABCおよびTwist−1 cDNAに向けられた特異的プライマーを用いて、上述の通りにリアルタイムPCRで定量する。mRNA発現の有意な変化を示す遺伝子をウェスタンブロット分析でさらに試験する。処理細胞に由来する核抽出物をクロマチン免疫沈降(ChIP)測定によって評価し、CXCL16結合によって誘導される転写因子がABC輸送体およびTwist−1のプロモーター領域と結合するか判定する。 (クロマチン免疫沈降(ChIP)) 実施例4の結果は、調節される遺伝子、さらにはCCR9−CCL25相互作用によって活性化される転写因子をモジュレートしうる遺伝子についての情報を提供する。これらの結果に基づき、標的転写因子および遺伝子を選択する。特異的PCRプライマーを、転写因子の結合部位を含むこれらの遺伝子のプロモーター領域に対して設計する。PCRプライマーを用いて、転写因子と共に沈殿するDNAを増幅する。20mM酪酸塩の存在下で細胞をトリプシン処理により回収する。50,000個の細胞をPBS/酪酸500μLに再懸濁する。1%ホルムアルデヒドを用いてタンパク質とDNAを室温で8分間架橋し、さらに125mMグリシンを5分間用いて架橋を停止する。細胞をソフト減速条件のスイングアウトローターで4℃、470gで10分間遠心分離し、氷冷PBS/酪酸0.5mL中でボルテックス振盪したのち遠心分離して2回洗う。溶解緩衝液(50mMTris-HCl、pH8、10mMEDTA、1%SDS、プロテアーゼ阻害剤カクテル(シグマアルドリッチ)、1mM PMSF、20mM酪酸塩を添加し、ボルテックスで振盪し、またその後遠心分離することにより細胞を溶解する。この手順は、500bpのクロマチンフラグメントを生成することが知られている。超音波処理した溶解物を、プロテアーゼ阻害剤カクテル、1mM PMSFおよび20mM酪酸塩を含有するRIPA緩衝液(RIPA ChIP緩衝液)で8倍希釈する。RIPA ChIP緩衝液(330μL)をペレットに添加し、ボルテックスで混合する。ChIP材料の免疫沈降および洗浄は、特異的転写因子に向けられた抗体の使用によって実現される。抗体ビーズ複合体を収容するチューブにクロマチンを分取する。投入サンプルを、フェノール−クロロホルムイソアミルアルコール分離用チューブに入れる。免疫沈降材料を3回洗い、TE中にある間に新しいチューブに移す。1%SDSでのDNA溶離、架橋の逆転およびプロテイナーゼK消化は、68℃で2時間1段階で実施する。アクリルアミド担体(シグマアルドリッチ)の存在下でフェノール−クロロホルムイソアミルアルコール、およびエタノール沈降によりDNAを抽出し、TEに溶解する。3〜4つの独立したChIPから免疫沈降したDNAをリアルタイムPCRで分析する。リアルタイムPCRデータは、3回の独立した再現ChIP分析において、投入DNAに対する沈殿(抗体結合)DNAの百分率(±SD)で表示する。 CXCR6−CXCL16シグナリングを介したCREB、Fos、Jun、およびNFkBなどの転写因子のリン酸化および活性化は、その後ABC輸送体およびTwist−1の発現の増大につながる。同じプロモーターに負の調節要素が存在する場合、遺伝子発現の低下が認められる。ホルモン依存性および抵抗性PCa細胞はこれらの細胞内シグナリング分子の発現に差があるので、ホルモン依存性および抵抗性条件によってモジュレートされる遺伝子に多様性を示す。遺伝子発現におけるモジュレーションは、CXCL16の存在下とCXCL16投与の非存在下で薬物投与による差を示す。 (CCL25指向的な治療法のインビボ評価) 雄性ヌードマウスを、ルシフェラーゼ発現アンドロゲン反応性(LNCaP−Luc)および非反応性(PC3−Luc)細胞で皮下攻撃する。インビボ撮像システムを用いて腫瘍の発達を非侵襲的に測定する。測定可能な腫瘍の確立後、マウスを投与群(A、B、C、DおよびE)と対照群(F、G、H、I、JおよびK)に分ける。「A」群にはCCL25中和抗体(12.5mg/kg/日)を1日おきに投与し、また対照(F群)にはアイソタイプ対照抗体を投与する(12.5mg/kg/日)。「B」、「C」、「D」および「E」群にはCCL25中和抗体(12.5mg/kg/日)を、それぞれドキソルビシン腹腔内注射(1から3日目、その後15日目から17日目に5mg/kg/日投与)、エトポシド静脈内注射(10mg/kg/日;1、5、9、14、19および24日目)、エストラムスチン静脈内注射(1〜5日目および26〜31日目に4mg/kg/日投与)、またはドセタキセル腹腔内注射(8mg/kg/日で週2回4週間)と共に投与する。これらの投与群の対照(それぞれ「G」、「H」、「I」および「J」)には、これらの薬剤を同様の濃度および注射プロトコルを用いてアイソタイプ対照抗体(12.5mg/kg/日)と共に投与する。「K」群にはPBSを投与し、プラセボとなる。投与および対照の腫瘍進行および退縮をインビボ撮像で非侵襲的に評価する。投与群および非投与群から腫瘍を切除し、免疫組織化学検査によって細胞生存および薬剤抵抗性タンパク質の変化について評価する。本願で用いられる文脈においては、用語「CCL25中和抗体」は抗CCL25抗体および/または抗CCR9抗体を意味する。 (統計(有意性)およびサンプルサイズ) サンプルサイズ(または検定力)の算出は予備試験の設計および提案された実験の要件を判定することにとって重要である。我々の結果を解釈するためには、有意性検定および統計分析も重要である。従来のα値、すなわちp=0.01を用いて本試験の統計的有意性を評価する。提案された実験は、各群最小10匹のマウスを必要とするであろう。データは平均±SEMで表示され、かつ正規分布サンプルについては両側対(または非対)スチューデントt−検定を、または正規分布しないサンプルについてはノンパラメトリック検定として非対マンホイットニーU検定により比較する。結果は、SYSTAT(Systat software社)統計プログラムを用いて分析する。一因子および二因子分散ANOVA分析を用いて、それぞれ群およびサブグループを評価する。したがって、結果はp値が<0.05である場合に統計的に有意とみなす。 (動物) 週齢6から8週間の雄性ヌードマウスにPCa細胞を皮下注射する。簡潔に述べると、5×106個のルシフェラーゼ発現PC3細胞を無菌PBS100μLに再懸濁し、イソフルラン麻酔下でヌードマウスの側腹部に注射する。ルシフェラーゼ発現LNCaP細胞(5×106個)を50%Matrigel(ベクトンディッキンソン)と混合し、イソフルラン麻酔下でヌードマウスの側腹部に注射する。 (インビボ腫瘍増殖の分析) 腫瘍担持ヌードマウスに、撮像の15分前に25×5/8”ゲージ針を用いた腹腔内注射によりD−ルシフェリン(Xenogen)150mg/kgを投与する。マウスはIVIS100インビボ撮像システムを用いて撮像し、結果を光子/秒/cm2/srで表示する。腫瘍体積はノギスを用いて測定し、式(長径)×(短径)2×0.5で算出する。 (細胞生存、アポトーシスおよび薬剤耐性遺伝子発現分析) 投与プロトコル完了の3日後に全群から腫瘍を切除する。腫瘍を4%PFAで固定し、さらにパラフィン包埋する。パラフィン切片(厚さ7μm)をガラススライドに載置し、脱パラフィンし、さらに再水和する(キシレンで5分、無水エタノール、95%エタノールおよび70%エタノールで1分ずつ)。再水和した切片を用いて、薬物輸送体、PI3K、Akt、FAK、FKHR、FOXO、Apaf1、Bax、Bcl2、BclXL、BaK、Bad、Bid、XIAP、Bik、Bim、TP53、チトクロームC、カスパーゼ−3、−6、−8、−9、サバイビン、ラミン、CamKII、ビトロネクチン、β−カテニン、カドヘリン、Twist−1、CREB、NF−κB、Myc、Fos、Jun、CCR9およびCCL25について、ペルオキシダーゼベースで免疫組織化学染色する。染色後、スライドをAperioスキャンスコープ(Aperio)システムによりスキャンおよび分析する。 CCL25中和は、薬剤に反応した細胞生存の低下による腫瘍体積の減少につながる。しかし、形成される腫瘍の間でも反応はホルモン感受性(LNCaP)およびホルモン抵抗性(PC3細胞)によって異なる。さらに、化学療法剤は機能的CCR9−CCL25軸を有する腫瘍においては効果が低く、これによりこれらの薬剤を細胞外に輸送することが知られているABCタンパク質の発現が亢進しうる。 上の記述は、当業者に対して本願を実践する方法を教示することを目的とし、かつ記述を読めば当業者に対してすぐに明らかになるそれら全ての明白な変更およびその変法を詳述することを意図していない。しかし、そうした全ての明白な変更および変法が本願の範囲に含まれることが意図され、それは以下の請求項によって定義される。請求項は、文脈が具体的にそうでないと示さなければ、そこで意図される目的に合致するために効果的な要素および段階を任意の順番で包含することを意図する。本明細書に引用された全ての参照文献は、その全文を本願に参照文献として援用する。 対象における癌を治療するための方法であって: 抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせの治療的に有効な量を前記対象に投与することを含み、 前記癌が芽腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫または胚細胞腫瘍であることを特徴とし、かつ 前記治療的に有効な量が約0.5と50mg/kgの間であることを特徴とする前記方法。 請求項1に記載の前記方法であって、前記抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせが癌性組織内に直接投与されることを特徴とする前記方法。 請求項1に記載の前記方法であって、前記抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせが化学療法剤と共に投与されることを特徴とする前記方法。 請求項1に記載の前記方法であって、前記癌が癌腫でありかつ前記抗CCL25抗体、または前記抗CCR9抗体、またはその組み合わせがCCL1、CCL4、CCL17、CCL19、CCL21、CCL22、CXCL12、CXCL13、CXCL16、CCR7、CCR8、CXCR4、CXCR5、CXCR6およびCX3CR1からなる群から選択される他の抗ケモカインまたは抗ケモカイン受容体抗体と共に投与されることを特徴とする前記方法。 請求項1に記載の前記方法であって、前記癌が黒色腫でありかつ前記抗CCL25抗体、または前記抗CCR9抗体、またはその組み合わせがCCL27、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL12、CXCL13、CXCL16、CX3CL1、CCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR4、CXCR5、CXCR6およびCX3CR1からなる群から選択される他の抗ケモカインまたは抗ケモカイン受容体抗体と共に投与されることを特徴とする前記方法。 請求項1に記載の前記方法であって: 前記対象に由来する組織中のCCL25および/またはCCR9発現のレベルを判定すること、および、CCL25および/またはCCR9の上昇レベルが検出される場合、前記抗CCL25抗体、前記抗CCR9抗体、またはその組み合わせの治療的に有効な量を前記対象に投与することを含む前記方法。 対象におけるCCL25および/またはCCR9の発現が上昇した癌細胞の遊走または転移の予防または阻害のための方法であって: 抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせの治療的に有効な量を前記対象に投与することを含み、 前記治療的に有効な量が約0.5と50mg/kgの間であることを特徴とする前記方法。 請求項7に記載の前記方法であって、前記癌細胞が芽腫細胞、癌腫細胞、白血病細胞、リンパ腫細胞、黒色腫細胞、骨髄腫細胞、肉腫細胞または胚細胞腫瘍細胞であることを特徴とする前記方法。 化学療法の効果を増強するための方法であって: 抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせの有効量を、癌に対する化学療法を受けている対象に投与することを含み、 前記有効量が約0.5と50mg/kgの間であることを特徴とする前記方法。 請求項9に記載の前記方法であって、前記対象が芽腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫または胚細胞腫瘍に対する化学療法を受けていることを特徴とする前記方法。 医薬組成物であって: (1)抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせの有効量; (2)抗CXCL13抗体、抗CXCR5抗体、またはその組み合わせの有効量;および(3)医薬品として許容できる担体を含む前記医薬組成物。 請求項11に記載の前記医薬組成物であって: 抗CXCL16抗体、または抗CXCR6抗体、またはその組み合わせの有効量をさらに含む前記医薬組成物。 医薬組成物であって: (1)抗CCL25抗体、または抗CCR9抗体、またはその組み合わせの有効量; (2)抗CXCL16抗体、抗CXCR6抗体、またはその組み合わせの有効量;および(3)医薬品として許容できる担体を含む前記医薬組成物。 医薬組成物であって: (1)CCL25および/またはCCR9の発現を阻害するか、または(2)CCL25とCCR9の相互作用を阻害するか、または(3)CCL25および/またはCCR9の生物学的活性を阻害する物質を発現することのできる発現ベクター;および(3)医薬品として許容できる担体を含む前記医薬組成物。 請求項14に記載の前記医薬組成物であって、前記物質が抗CCL25抗体または抗CCR9抗体であることを特徴とする前記医薬組成物。 対象における癌を治療するための方法であって: 有効量のCCL25免疫原および/またはCCR9免疫原で前記対象を免疫してCCL25および/またはCCR9の生物学的活性を阻害する抗体を誘導することを含み、 前記癌が芽腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫または胚細胞腫瘍であることを特徴する前記方法。 請求項16に記載の前記方法であって、前記CCL25免疫原が配列番号116〜132からなる群から選択される1つまたはそれ以上の配列を含むペプチドであることを特徴とする前記方法。 請求項16に記載の前記方法であって、前記CCR9免疫原が配列番号133〜137からなる群から選択される1つまたはそれ以上の配列を含むペプチドであることを特徴とする前記方法。 対象におけるCCL25および/またはCCR9の発現が上昇した癌細胞の遊走または転移の予防または阻害のための方法であって: 有効量のCCL25免疫原および/またはCCR9免疫原で前記対象を免疫してCCL25および/またはCCR9の生物学的活性を阻害する抗体を誘導することを含む前記方法。 対象における癌を治療するための方法であって: 前記対象に由来する生物学的サンプルにおけるCCL25発現および/またはCCR9発現のレベルを検出すること、および 前記生物学的サンプルにおいてCCL25発現および/またはCCR9発現の上昇レベルが検出される場合、有効量のCCL25免疫原および/またはCCR9免疫原で前記対象を免疫してCCL25および/またはCCR9の生物学的活性を阻害する抗体を誘導することを含む前記方法。 化学療法の効果を増強するための方法であって: 癌に対する化学療法を受けている対象に有効量のCCL25免疫原および/またはCCR9免疫原を投与してCCL25および/またはCCR9の生物学的活性を阻害する抗体を誘導することを含み、 前記癌が芽腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫または胚細胞腫瘍であることを特徴する前記方法。 対象における癌を治療するための方法であって: (1)1つまたはそれ以上のCCL25およびCCR9免疫原の有効量および(2)1つまたはそれ以上のCXCL13免疫原、CXCR5免疫原、CXCL16免疫原およびCXCR6免疫原の有効量により前記対象を免疫することを含み、 前記癌が芽腫、癌腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫または胚細胞腫瘍であることを特徴する前記方法。 対象における癌細胞の増殖または転移の予防または阻害のための方法が開示される。1つの方法は、ケモカインCCL25および/またはケモカイン受容体CCR9に対する抗体の治療的に有効な量を対象に投与することという段階を含む。他の方法は、ケモカインCCL25および/またはケモカイン受容体CCR9に対する抗体を発現する治療的に有効な量の発現ベクターを対象に投与することという段階を含む。


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