タイトル: | 公表特許公報(A)_ラッカーゼ及びその使用 |
出願番号: | 2013537169 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | C12N 15/09,C12N 9/02,C12N 1/21,C12N 1/20,C12N 1/16,D21C 3/00,D21C 9/10 |
レオネッティ ジャン−ポール クラベリー ジャン−ミシェル シャボー ニコラス JP 2014504151 公表特許公報(A) 20140220 2013537169 20111108 ラッカーゼ及びその使用 ディノベ 513111145 DEINOVE 井関 勝守 100121728 田中 米藏 100129997 レオネッティ ジャン−ポール クラベリー ジャン−ミシェル シャボー ニコラス US 61/411,182 20101108 C12N 15/09 20060101AFI20140124BHJP C12N 9/02 20060101ALI20140124BHJP C12N 1/21 20060101ALI20140124BHJP C12N 1/20 20060101ALI20140124BHJP C12N 1/16 20060101ALI20140124BHJP D21C 3/00 20060101ALI20140124BHJP D21C 9/10 20060101ALI20140124BHJP JPC12N15/00 AC12N9/02C12N1/21C12N1/20 ZC12N1/16 ZD21C3/00 ZD21C9/10 Z AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN EP2011069670 20111108 WO2012062768 20120518 27 20130702 4B024 4B050 4B065 4L055 4B024AA03 4B024AA17 4B024BA08 4B024CA01 4B024CA03 4B024CA09 4B024CA20 4B024DA06 4B024EA04 4B024GA11 4B024HA01 4B024HA08 4B024HA11 4B050CC04 4B050DD02 4B050FF01 4B050FF09E 4B050KK20 4B050LL04 4B050LL05 4B050LL10 4B065AA01Y 4B065AA26X 4B065AA72X 4B065AB01 4B065AC14 4B065BA02 4B065BD01 4B065BD15 4B065CA28 4B065CA57 4B065CA60 4L055AB20 4L055AD20 4L055BA39 4L055BB25 本発明は、新規の酵素及びその使用に関する。また、本発明は、そのような酵素、それをコードする核酸、組み換え細胞を生成する方法、及びそのような材料からバイオマスを改変する方法に関する。特に、本発明は、バイオマスを分解すること、及び/又はバイオマス分解を改良することに適する。また、本発明は、(バイオエタノール等の)バイオエネルギーの生成のための本発明の酵素の種々の適用、並びに化学、紙産業、織物産業、飲料産業の分野における酵素の種々の適用に関する。 バイオエネルギー製品又は代謝物質の生成のためのバイオマスの改変を行う微生物の使用は、本技術分野において提案されてきた。そのようなプロセスは、理想的には、2つの型の活性が必要であり、それは、(i)発酵性糖にバイオマスを改変するための分解活性、及び(ii)バイオエネルギー製品又は他の有用な代謝物質に前記糖を改変する発酵活性である。これまで、主に発酵ステップを触媒するための能力を有する微生物を同定することを目的として努力されてきた。 微生物を用いた発酵を介してエタノールを生成する研究論文が、J.R.Hettenhausにより「Ethanol Fermentation Strains」というタイトルで the aegis of the United States Department of Energy and theNational Renewable Energy Laboratory (December 16, 1998)において公開された。この文献における研究の関係者による貢献を要約すると、Saccharomyces, Zymomonas 及びE. coliに類似する微生物のみが既設設備において用いられ、短期的に、キシロース及びアラビノースの増大された発酵が主な目的であるが、ヘキソース又はオリゴマー型の他の糖の変換効率を増大するための重要性がほとんどないことが示され、より長い期間において、獲得は、より高い操作温度、並びに酵素生成、糖化及び加水分解のステップの組み合わせに関して達成され得る。 近年の産業プロセスは、用いる産業的微生物(酵母)の脆弱性のため、約30℃でエタノールの発行及び抽出をするために微生物を培養及び増殖させることのみである。この発酵に通常用いられる酵母は、100g/l以上のエタノール濃度に耐えられないので、それらは発酵後にエタノールを濃縮するために多くのバイオエネルギーを必要とする。さらに、酵母の発酵は、実際に、グルコース型のC6糖のみを用いる。 微生物を用いるバイオマスの改変も試験されている(Blumer-Schuette等., 2008, Extremelythermophilic microorganisms for biomass conversion: status and prospects, CurrOpinion Biotechnol 19, pp. 210-217; Perez等., 2002, IntMicrobiol 5, pp 53-63)。しかしながら、Mosier等. (Bioresource Technology 96 (2005) 673-686)に報告されているように、リグノセルロースバイオマスの前処理は、発酵性糖に炭水化物ポリマーを変換させる酵素とセルロースとがより反応しやすくするためのセルロースの構造の変更のために必要である。 生(すなわちデンプン、リグノセルロース)バイオマスから発酵性糖(例えば単糖類)の産業的及び効率的な生成は、未だ挑戦され続けている。種々のアプローチは、熱化学的方法、酸性加水分解又は酵素加水分解糖の生バイオマスを用いることを提案する。SunH等(Appl Biochem Biotechnol. 2010 Feb;160(4):988-1003)は、デンプンの分解のための非Deinococcus酵素の使用を論じている。PolizeliML等,及びCollinT等(Appl Microbiol Biotechnol. 2005 Jun;67(5):577-591 ; FEMS Microbiol Rev.2005 Jan;29(1):3-23)は、キシランの分解のための非Deinococcus酵素の使用を論評している。WilsonDB等(Curr Opin Biotechnol.2009 Jun;20(3):295-299)は、バイオ燃料への適用のためのセルロースの分解のために非Deinococcus酵素の使用を論じている。リグニンの場合、わずかな方法としてオルガノ溶媒及び焼却を用いることが考えられている。 本発明は、Deinococcusからのラッカーゼの同定及び特徴付けを開示する。ラッカーゼは、バイオマスの最も多い複合成分であるリグニンを分解する希少な能力を有する酵素である。 本発明は、まず、リグニンのプロセシングに関与する機能的酵素をDeinococcusから同定及び単離することを報告する。 従って、本発明は、上記酵素、その製造及びその使用に関する。また、本発明は、その酵素をコードする核酸、ベクター、組み換え細胞、及びそれらの使用に関する。さらに、本発明は、バイオマスの改変及び/又はバイオマスからの有益な産物若しくはその誘導体の生成のための組成物及び方法に関する。 本発明の対象は、Deinococcus又はその関連細菌に由来するラッカーゼに関する。 本発明の更なる対象は酵素であり、その酵素はDeinococcus又はその関連細菌に由来し、リグニンを分解又は加水分解する能力を有する。 本発明の更なる対象は酵素であり、その酵素はDeinococcus又はその関連細菌に由来し、バイオ燃料の生成に関与する。 本発明の更なる対象は酵素であり、その酵素はDeinococcus又はその関連細菌に由来し、リグニンポリマーを分解する能力を有する。 本発明の酵素は、好ましくは30℃以上で活性であり、より好ましくは40℃以上でも活性である。 さらに、本発明の酵素は、好ましくはpH3.5からpH9までの範囲で活性であり、より好ましくはpH6からpH9までの範囲で活性である。 本発明の最も好ましい酵素は、Deinococcus由来の酵素である。 本発明の更なる対象は、SEQID NO: 2, 4又は6のアミノ酸配列の全て又は一部を備えたポリペプチドである。 本発明の更なる対象は、少なくとも1つの上記の酵素を備えた組成物である。その組成物は、更なる酵素を含んでもよく、好ましくはエネルギー代謝において活性である。その組成物は、例えば触媒又はスターターとして用いられ得る。 特定の実施形態において、本発明は本発明のラッカーゼ、並びに好ましくはキシラナーゼ、アミラーゼ、グルコシダーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、エステラーゼ、フェルロイルエステラーゼ、アセチルキシランエステラーゼ及びグルクロニダーゼから選択されるバイオマスの改変に関与する少なくとも1つの更なる酵素を備えた組成物に関する。 他の特定の実施形態において、本発明は、本発明のラッカーゼ、並びに糖の発酵、特に発酵によるエタノールの生成に関与する少なくとも1つの更なる酵素を備えた組成物に関する。そのような更なる酵素の好ましい特定の例は、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ及びピルビン酸デヒドロゲナーゼを含む。 本発明の更なる対象は、上記の酵素をコードする核酸である。 本発明の更なる対象は、上記の核酸を含むベクターである。 本発明は、上記の少なくとも1つの核酸又はベクターを含む組み換え細胞に関し、好ましくは、上記の少なくとも1つの核酸又はベクターを含む組み換え細菌に関する。 また、本発明は、上記の核酸又はベクターの少なくとも1つを含むDeinococcus又はその関連細菌に関する。本発明は、DeinococcusDNAのみの使用により、リグノセルロースバイオマスを処理するための改善された能力を有するDeinococcus菌株の操作を可能とする。 また、本発明は、本発明の細胞の抽出物に関する。そのような抽出物は、好ましくは酵素活性を示す。 本発明は、バイオマスの改変するための及び/又は代謝物質を生成するための上記の酵素、核酸、ベクター、細胞又は細胞抽出物の使用に関する。 また、本発明は、そのようなバイオマスを上記の酵素、核酸、ベクター、細胞又は細胞抽出物に曝露することを含むバイオマスを改変する方法に関する。また、本発明は、天然又は人工のメディエータをさらに備えたバイオマスを改変する方法に関する。 本発明は、バイオマスの改変を増大するための方法に関し、その方法は、バイオマスに上記の酵素、核酸、ベクター、細胞又は細胞抽出物を加えることを含む。また、本発明は、代謝物質又はバイオエネルギー製品を生成する方法に関し、その方法は、炭素源を上記の酵素、核酸、ベクター、細胞又は細胞抽出物に曝露することを含む。また、本発明は、代謝物質又はバイオエネルギー製品を生成する方法に関し、前記炭素源は、さらに天然又は人工のメディエータを備えている。 また、本発明は、リグニンを改変する方法に関し、その方法は、リグニン又はリグニン含有材料を上記の酵素、核酸、ベクター、細胞又は細胞抽出物に曝露することを含む。また、本発明は、衣服洗剤又は食器洗剤に関し、それらは、上記の酵素、核酸、ベクター又は細胞を含む。 本発明は、木材の脱リグニン及び/又はパルプの漂白の方法に関し、その方法は、木材パルプ又は紙を上記の酵素、核酸、ベクター又は細胞に曝露することを含む。また、本発明は、木材の脱リグニン及び/又はパルプの漂白の方法に関し、上記木材パルプ又は紙はさらに天然又は人工のメディエータを含む。 本発明は、Deinococcus又はその関連細菌由来の有益な酵素に関し、それはエネルギー代謝に関連し、より好ましくはバイオマスの改変に関連する。これらの酵素は、好ましくは30℃で活性であり、より好ましくは40℃以上でも活性であり、pH3.5からpH9までの範囲で活性であり、好ましくはpH6からpH9までの範囲(例えばpH8)で活性であり、酵素反応を引き起こす又は改善するために単独で又は組み合わせで用いられ得る。これらの酵素又はそれらをコードする核酸は、バイオマスの改変を引き起こす又は改善するのに寄与し得る改善された組み換え細菌を作製するのに用いられ得る。 本開示は、以下の定義を参考にすることにより、よく理解されるだろう。 本発明の内容において、酵素に関して「Deinococcus又はその関連細菌由来」の用語は、酵素がそのような細菌から単離されることを意味する、又は酵素がそのような細菌から単離、精製又は特徴付けられる酵素のアミノ酸配列の全て又は生物活性部分を含むことを意味する。さらに、「Deinococcus又はその関連細菌由来」の用語は、Deinococcus又はその関連細菌で同定された核酸又はアミノ酸配列から合成された組み換え、合成及び/又は任意の変異酵素(例えば化学的、酵素的、物理的変異)を含む。 「Deinococcus細菌」は、Deinococcus属のいずれかの細菌種をいう。Deinococcus細菌は、以下のものに限られないが、D.cellulolysiticus, D. radiodurans, D. proteolyticus, D.radiopugnans, D. radiophilus, D. grandis, D. indicus, D. frigens, D. saxicola,D. maricopensis, D. marmoris, D. deserti, D.geothermalis, D. murrayi, D. aerius,D. aerolatus, D. aerophilus, D.aetherius, D. alpinitundrae, D. altitudinis, D. apachensis,D. aquaticus, D. aquatilis, D. aquiradiocola, D. aquivivus,D. caeni, D. claudionis, D.ficus, D. gobiensis, D. hohokamensis, D. hopiensis, D.misasensis, D. navajonensis, D. papagonensis, D.peraridilitoris, D. pimensis, D. piscis, D. radiomollis,D. roseus, D. sonorensis, D.wulumuqiensis, D. xibeiensis, D. xinjiangensis, D.yavapaiensis及びD. yunweiensisを含む。 Deinococcusに「関連する」細菌又は細菌株は、(i) GTTACCCGGAATCACTGGGCGTA(SEQ ID NO: 8)及びGGTATCTACGCATTCCACCGCTA (SEQ ID NO: 9)のプライマーを用いて増殖され、約158塩基対の断片を生じる16SrDNAを含み、及び/又は(ii)4mJ/cm2のUV処理に抵抗する細菌をいう。特定の実施形態において、Deinococcus関連細菌は、Deinococcusの16S rDNA配列に対して少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%の同一性を有する16S rDNA分子を有する細菌である。酵素又は核酸に関して、「精製された」又は「単離された」の用語は、酵素又は核酸が天然の媒体又は形態にないことをいう。従って、「単離された」の用語は、元来の環境、例えばそれが自然に生じるのであれば自然の環境から移された酵素又は核酸を含む。例えば、単離された酵素は、それが正常に関連する又はそれが正常に混合され若しくは溶液中にある少なくともいくつかのタンパク質又は他の細胞の成分を欠く。単離された酵素は、細胞ライセートに含まれる天然に生成された酵素、精製又は部分的に精製された型の酵素、組み換え酵素、細菌により発現又は分泌された酵素、及び異種の宿主細胞又は培養における酵素を含む。核酸に関して、「単離された」又は「精製された」の用語は、例えば核酸が天然の遺伝子の構成でない(例えば、プロモーターに結合された又は異種宿主細胞に人工的に導入された発現カセットとしてベクター内にある)ことをいう。 「エネルギー代謝」の用語は、細胞内のエネルギー製品又は代謝物質を生成する又は保持するのに寄与する全ての生物学的経路及び反応をいう。これらは、以下のものに限られないが、例えばバイオマスのポリマーの発酵性糖への分解、及び発酵性糖の有益な代謝物質又は製品への分解といったバイオマス処理等の経路及び反応を含む。バイオマス処理に関連する酵素は、より好ましくは、リグニン、デンプン、キシラン又はセルロース等の物質を改変若しくは分解若しくは加水分解する酵素、又は細胞内で代謝物質若しくはエネルギー製品を生じるためにピルビン酸を用いることに寄与する酵素を含む。 本発明に係る「バイオマス」の用語は、通常、生物学的材料をいう。特にバイオマスの用語は、植物性又は動物性バイオマスを含む生物起源の未加工の材料を含む。バイオマスの例は、以下のものに限られないが、材木又は紙製品に適しない成熟した樹木、パルプ、リサイクル紙、有機廃棄物を含む林産物、牧草、わら、作物及び動物性肥料等の農業製品、並びに藻類及び海藻等の水産物を含む。バイオマスの例は、ススキ、麻、スイッチグラス、テンサイ、コムギ、オオムギ、トウモロコシ、米、大豆、カノラ、ナタネ、モロコシ、サトウキビ、落花生、綿花、ハウチワマメを含む種々の植物の型、並びに、ユーカリからアブラヤシ、ポプラ、ヤナギの広い種々の樹木種由来の樹木又は植物性材料を含む。バイオマスの特定の原料は、以下のものに限られないが、植物残査、硬材又は軟材の幹、穂軸、わら、芝、葉、種、紙等を含む(例えばSun等., Bioresource Technology 83 (2002) 1-11を参照)。また、バイオマスの用語は改変されたバイオマス又は二次バイオマスを含み、それは、加水分解され、前処理されたバイオマス製品を本質的に含む。好ましい実施形態において、本発明に係るバイオマスは、例えばリグニン、セルロース、ヘミセルロース及び/又はキシランといったリグノセルロース材料を含む。 本発明の内容におけるバイオマスの「改変」は、バイオマスの変換、分解、加水分解、転換又は処理を含むバイオマスの改変を含む。バイオマスの「改変」の用語は、通常、発酵性糖、単糖類、代謝物質、バイオ燃料及び/又は化学物質、又は他の有益な製品といった製品を生じるバイオマスの改変を含む。また、改変は、通常、リグニン等のバイオマスの生物学的ポリマーの加水分解又は改変を含む。 「発酵性糖」の用語は、以下のものに限られないが、基本構造(CH20)nを有する炭水化物をいう。炭素の数(例えば3、4、5又は6)に基づいて、オリゴ糖は、トリオース(すなわちグリセロール)、テトラオース、ペンタオース(すなわちキシロース)、ヘキソース(すなわちグルコース)等である。 デンプンは、1−4及び1−6グリコシド結合により互いに結合された多くのグルコースユニットからなる炭水化物をいう。デンプンは、多くの植物及び細菌により蓄積されるエネルギー貯蔵分子であり、デンプン分子は、半結晶細粒で植物内にある。 リグニン改変酵素 本発明は、バイオマス処理に関連する新規の酵素の単離及び特徴付けについて開示する。特に、本発明は、好ましくは30℃以上、一般には30℃から90℃、好ましくは30℃から70℃で、pH3.5からpH9までの範囲、好ましくはpH6からpH9までの範囲、例えばpH8でバイオマスを発酵性糖に改変する(又はその改変に寄与する)新規の酵素を提供する。 本発明の酵素は、リグニンの発酵性糖への分解を触媒する又は触媒することに寄与し、Deinococcus細菌から単離されたリグニンプロセシングに関与する第1の機能的酵素である。それらの活性、構造及び物理化学的特性のため、これらの酵素は、産業的バイオマス分解処理、環境汚染物質の処理、解毒、バイオエネルギー製品、合成化学、パルプ及び紙産業、織物産業、粉せっけん、飲料産業並びに化粧品及び医薬分野に用いるための新規の有益な製品である。 本発明のラッカーゼは、リグニンを分解する能力を有するマルチ銅酵素である。マルチ銅酵素は、免疫、生物の形態形成、及び細胞壁の木化等の種々の生物学的プロセスに関与する。いくつかの酵素は、リグニンの分解に関与する。それらは、(i)ラッカーゼ並びに(ii)リグニンペルオキシダーゼ及びマンガンペルオキシダーゼの2つの機能的グループに分類され得る。ラッカーゼは、分解段階における最初で且つ重要なステップ、すなわちリグニンポリマーの長鎖の分解に関わる。さらに、本発明のラッカーゼは、フェノールリグニン及び非フェノールリグニン関連化合物の両方を酸化する能力を有する。本発明のラッカーゼは、例えばメディエータにより直接的又は間接的に基質に作用し得る。そのようなメディエータは、ラッカーゼにより酸化され得る分子で、他の基質を次々に酸化するラジカルを生成する。メディエータの使用は、高い酸化還元電位を有する基質の酸化的改変を可能とする。本発明に係るメディエータは、ラッカーゼの種々の天然又は人工の基質であってもよい。それらは、例えばMorozova 等., 2007に記載されているフェノール、アニリン、4−ヒドロキシ安息香酸、ABTS[2,2'-アジノ-ビス-(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)]、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンジルアルコール等を含む。 特定の実施形態において、本発明のラッカーゼは、天然又は人工のメディエータの存在下で強い又は増強された活性を示す。 特に、実施例で示すように、本発明の酵素は、フェノール、メトキシフェノール、o−ジフェノール及びp−ジフェノール、アミノフェノール、ポリフェノール、ポリアミン並びにリグニン関連分子等の広い範囲の基質に対し活性である。本発明の酵素は、好ましくはSEQ ID NO: 2, 4若しくは6又はその機能的変異体のアミノ酸配列の全て又は活性部を備えている。 SEQ ID NO: 2及び4のポリペプチドは、Deinococcus cellulolysiticusから特徴付けられ、SEQ ID NO: 6のポリペプチドは、Deinococcusmaricopensisから特徴付けられる。 ポリペプチドの「部分」は、そのポリペプチドの断片、好ましくは、そのポリペプチドの少なくとも約10, 15, 20, 25, 40, 50又はより好ましくは60の連続するアミノ酸を意味する。 ポリペプチドの「活性」部は、より明確には、全体のポリペプチドの酵素活性を与える又は示すそのポリペプチドの部分を意味する。活性部は、例えば基質特異性又は親和性を与えることができ、それは触媒部位を含むことができ、又はそれは薬物動態の特性を与えることができる。 本発明に係る「機能的変異体」は、参照ポリペプチドの活性を維持する。通常、それらは、参照ポリペプチドに対して少なくとも50%、より好ましくは60%、70%、80%又は90%のアミノ酸配列同一性を示す。配列同一性(相同性)の程度は、デフォルトのパラメータとBLAST2.2.2又はFASTA version 3.0t78を含むコンピュータープログラム及び関連するパラメータを用いて決定され得る。好ましい機能的変異体は、参照配列に対して少なくとも90%、より好ましくは、少なくとも92%、95%又は97%の同一性のレベルを有する。 好ましい実施形態において、機能的変異体は、参照ポリペプチドと比較して、多くとも1〜50、1〜40、1〜30、1〜25、1〜20、1〜15、1〜10又は1〜5残基の変異(例えば欠失、置換又は挿入)アミノ酸残基を含む。 本発明に係るポリペプチドは、参照ポリペプチドの酵素活性の少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも50%の活性を示す場合、機能的であるとみなされる。ポリペプチドは、それら自体により、又は他のポリペプチドと融合される若しくは結合されて機能的となり得る。また、本発明のポリペプチドは、複数の活性を有する融合ポリペプチド又はキメラポリペプチドを作製するために用いられ得る。機能的ポリペプチドは、好ましくはリグニンを加水分解する又は改変する又は分解する能力を有するポリペプチドである。機能性試験の更なる例は、実施例で開示する。 好ましい実施形態において、本発明の酵素は、SEQ ID NO: 2, 4若しくは6、又は少なくとも15の連続するアミノ酸残基を有するその断片、又はその機能的変異体のアミノ酸配列を含むポリペプチドであり、その断片又は変異体はラッカーゼ活性を有する。 また、本発明は、SEQ IDNO: 2, 4又は6の全て又は一部を備えたポリペプチドに関する。 本発明のポリペプチドは、組み換え技術により生成され得る、又はそれらは自然に生じる場合、自然発生源から単離又は生成され得る、又はそれらは人工的に生成され得る。その酵素は、可溶型又は固相であってもよい。特に、それらは、細胞膜若しくは脂質小胞に結合され得る、又は例えばビーズ、カラム及びプレート等の形態のガラス、プラスチック、ポリマー、フィルター、膜等の合成支持体に結合され得る。 本発明の酵素は、自然に生じた、組み換え及び/又は人工ポリペプチドであってもよく、それは任意に(例えば化学的、酵素的、物理的等に)修飾され得る。その酵素は、好ましくは単離又は精製された形態である。その酵素は、30℃以上の温度で機能的に有利である。本発明の好ましい酵素は、例えば45℃以上の温度で用いられ得る。他の実施形態において、本発明の好ましい酵素は、高い温度、例えば60℃から90℃の温度範囲、より好ましくは70℃から90℃の範囲で活性である。また、それらは、厳重なpH(例えばpH3.5からpH9)、好ましくはpH6からpH9の範囲、より好ましくはpH7からpH9の範囲、より好ましくはpH8及びpH8付近で活性である。本発明の最も好ましい酵素は、70℃から90℃までを含む高い温度、及びpH7からpH9までを含むアルカリ性のpHで活性である。アルカリ性pHにおけるそのような熱安定性ラッカーゼ活性は、リグニン分解に特に効果的である。 本発明の酵素は、Deinococcus又はその関連細菌から発現、導出、分泌、単離又は精製され得る。その酵素は、本技術分野において周知の技術により精製され、従来の技術に基づいて保存され得る。そのポリペプチドは、例えば安定性又は活性を改善するためにさらに修飾され得る。それらは、生バイオマスの発酵性糖への改変に関連する酵素反応を触媒するために、単一又は組み合わせの精製型で用いられ得る。それらは、バイオマスの発酵性糖への改変の追加の生物学的プロセスに用いられ得る。例えば、それらは、活性を追加するために、微生物又は酵素を含むリアクターの中に添加され得る。好ましい実施形態において、それらの酵素は、新規の生物活性を有する改善された微生物を作製するために用いられる。他の特定の実施形態において、本発明の酵素は、以下に記載するように(バイオエタノール等の)バイオエネルギーの生成、産業的なバイオマス分解プロセス、バイオエネルギー生成、環境汚染の処理、解毒、合成化学、パルプ及び紙産業(パルプ化、紙の漂白)、織物産業(例えばしみ抜き)、粉せっけん、飲料産業(例えば醸造所、ワイン及びジュースの処理)並びに化粧品及び医薬分野に用いられ得る。 核酸 本発明の更なる対象は、上記の酵素又はポリペプチドをコードする核酸である。本発明の更なる対象は、上記の核酸を含むベクターである。 「核酸」の用語は、DNA、RNA、PNA、DNA様材料又はRNA様材料等の核酸のいずれかの型をいい、それは、組み換え型、人工型、及び/又は合成型であってもよく、1本鎖又は2本鎖であってもよく、センス鎖又はアンチセンス鎖である。その用語は、天然ヌクレオチドの周知のアナログを含む核酸を包含する。また、その用語は、合成された骨格を有する核酸様構造を含む。 そのような核酸の特定の例は、SEQID NO: 1, 3又は5の配列を備えた核酸である。 SEQ ID NO: 1は、SEQ ID NO: 2のタンパク質をコードする核酸配列を備えている。SEQ IDNO: 3は、SEQ ID NO: 4のタンパク質をコードする核酸配列を備えている。SEQ ID NO: 5は、SEQ ID NO: 6のタンパク質をコードする核酸配列を備えている。 本発明の核酸は、単離型又は精製型であってもよく、例えばcDNAライブラリーのクローニング及び発現、増幅、酵素的合成、又は組み換え技術といった本技術分野において周知の技術により作製、単離及び/又は操作され得る。また、その核酸は、例えばBelousov (1997) Nucleic Acids Res. 25:3440-3444に記載されているような周知の化学的合成技術により、インビトロで合成され得る。 また、本発明は、上記の酵素をコードする核酸に、厳しい条件下でハイブリダイズする核酸を含む。好ましくは、そのような厳しい条件は、2 X SSC/0.1%SDSを用い、約42℃で約2.5時間ハイブリダイゼーションフィルターのインキュベートを行い、その後1 X SSC/0.1% SDSを用いて65℃で15分間のフィルターの洗浄を4度行うことを含む。用いられたプロトコールは、参考としてSambrook等. (Molecular Cloning: a LaboratoryManual, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor N.Y. (1988)) 及びAusubel (Current Protocols in Molecular Biology (1989))に記載されている。 また、本発明は、本発明のポリペプチドをコードする核酸を含み、その核酸の配列又はその配列の少なくとも一部は、最適化されたコドン出現頻度を用いて作製された。 本発明の特定の実施形態は、上記の酵素をコードするポリヌクレオチドを含み、それは、SEQ ID NOs: 1, 3又は5の配列を含む。 本発明の核酸は、選択された宿主細胞又はシステムにおける酵素の発現を引き起こす又は制御するために用いられ得る制御領域、すなわちプロモーター、エンハンサー、サイレンサー及びターミネーター等の追加のヌクレオチド配列を含み得る。 本発明の更なる態様は、上記の核酸を含む、発現、クローニング又はレポーターベクター等のベクターを含む。そのようなベクターは、プラスミド、組み換えウィルス、ファージ、エピソーム及び人工クロモソーム等から選択され得る。そのようなベクターの多くは、商業的に入手可能であり、また、本明細書にその全体が参考として組み込まれるSambrook等., Molecular Cloning (2d ed. ColdSpring Harbor Press 1989)等のマニュアルに示された方法等の本技術分野に周知の組み換え技術に従って生成され得る。そのようなプラスミドの特定の例は、例えば米国特許出願2003/0175977に記載されており、それは、D. radiopugnans菌株由来の内在性プラスミドpUE30を開示し、それは、Deinococcus属の細菌で自律的に複製可能なベクターとして用いられ、またE.coli及びその誘導体で自律的に複製可能なプラスミド及びDeinococcus属及びE.coliの両方の細菌で複製可能なプラスミドを含むシャトルベクターを構築するのに用いられ得る。 本発明の更なる態様は、上記の少なくとも1つの核酸又はベクターを用いて形質転換又は形質移入された宿主細胞を含む。核酸(又はベクター)は、染色体外に維持され、又は例えば相同組み換え又は非相同組み換えによりゲノムに導入され得る。その宿主細胞は、遺伝子改変及び好ましくは培養され得る細胞であってもよい。その細胞は、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母、真菌、細菌細胞等の真核性又は原核性であってもよい。典型的な例は、細菌(例えばE.coli, Deinococcus等)を含む。本発明は、特定の細胞の型に限られず、細胞の全ての種に適用され得ることが理解されるべきである。形質転換は、リポフェクション、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿法等の本技術分野に周知の技術を用いて行われ得る。 他の実施形態において、本発明は、上記の少なくとも1つのベクターを含む組み換え細胞を含む。また、本発明は、上記の少なくとも1つの核酸又はベクターを含む組み換え細胞に関する。また、本発明は、上記の少なくとも1つの核酸又はベクターを含むDeinococcusに関する。本発明は、実際に、DeinococcusのDNAのみの使用によってデンプン及びリグノセルロースバイオマスを処理するための改善された能力を有するDeinococcus菌株の作製を可能とする。 使用方法 本発明は、種々の産業的、農業的、化学的、生物工学的及び医学的分野に、本発明の酵素を用いる方法を提供する。実際に、それらの高い触媒効果及び広い基質特異性の結果、本発明のラッカーゼは、他の周知の化学触媒及び微生物触媒と比較してより有利である。本発明のラッカーゼは、例えばバイオマスの処理、脱リグニン及びパルプ漂白、バイオ燃料の生成、バイオレメディエーション、織物産業、飲料産業、医薬品、有機合成等に用いられ得る。また、本発明のラッカーゼは、天然又は人工のメディエータの存在下で用いられ得る。 バイオマスの改変及びバイオエネルギーの生成 本発明のラッカーゼは、バイオマス、又はセルロース、ヘミセルロース、及び/若しくはリグニンを含むリグノセルロース材料の改変のための方法に用いられ得る。特定の実施形態において、バイオマスは、植物由来のリグニン含有材料である。本発明の酵素は、例えばバイオマスの発酵性糖及び/若しくは単糖類への改変のために、並びに/又はバイオマスからの代謝物質及び/若しくはエネルギー製品(例えばバイオ燃料)の生成のために適用され得る。 また、本発明は、バイオマスの改変及び/又は代謝物質又はエネルギー製品の生成のための、上記の酵素、核酸、ベクター若しくは細胞、またはそれらの組み合わせの使用に関する。 また、本発明は、そのようなバイオマスを上記酵素、核酸、ベクター若しくは細胞、又はそれらの組み合わせに曝露することを含むバイオマスの改変のための方法に関する。また、本発明は、バイオマスの改変を向上するための方法に関し、その方法は、バイオマスに上記酵素、核酸、ベクター若しくは細胞、又はそれらの組み合わせを添加することを含む。 本発明は、炭素源を上記酵素、核酸、ベクター若しくは細胞、又はそれらの組み合わせに曝露することを含む、代謝物質又はバイオエネルギー製品を生成するための方法に関する。その方法は、さらに代謝物質又は産生物を単離又は回収するステップを含み得る。代謝物質の例は、以下のものに限られないが、好ましくはギ酸塩、乳酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、ピルピン酸塩、プロパノール、マンニトール及びアラビトール等の有機酸及びアルコールを含む。エネルギー製品の例は、以下のものに限られないが、エタノール、ブタノール又はメタノール等のバイオ燃料を含む。 本発明の特定の対象は、例えばバイオマス又はその成分及び/又は発酵性糖といった炭素源を上記酵素、核酸、ベクター若しくは細胞又はそれらの組み合わせに曝露すること、並びに生成されたバイオ燃料を回収することを含むバイオ燃料(例えば、バイオエタノール、バイオメタノール、バイオプロパノール、バイオブタノール等)生成のための方法に関する。 また、本発明は、リグニン又はリグニン含有材料を、上記の酵素、核酸、ベクター若しくは細胞又はそれらの組み合わせに曝露することを含むリグニンを改変する方法に関する。特に、本発明は、リグニンを分解又は加水分解するのに用いられ得る。 概して、本発明の酵素は、安価な炭素源を用いる能力を有する微生物を作製するために用いられ得る。そのような微生物は、より低いコスト及び又は改善されたレベルで所望の生成物(例えばタンパク質、RNAs、代謝物質等)を生成するために用いられ得る。この点に関して、本発明は、上記の少なくとも1つの酵素をコードする組み換え微生物に上記タンパク質を発現することを含む、組み換えタンパク質を生成するための方法に関する。そのような組み換えタンパク質の例は、医薬的タンパク質、又は例えばリパーゼ等の産業的酵素を含む。 本発明の方法は、バイオエネルギー製品又は代謝物質を生成するために、バイオマスの改変を可能とする適当な条件又は環境で行われ得る。これに関して、その方法は、必要ならば適当な栄養物又は添加物の存在下において、リアクター、発酵装置、屋外で行われ得る。その方法は、通常、30℃以上で、また、適当な基質の存在下で行われる。 バイオレメディエーション また、本発明は、本発明のラッカーゼを用いることにより、混入した汚染物質のバイオメディエーションの方法を提供する。本発明のラッカーゼは、いくつかの産業プロセスからの廃棄物中の汚染物質、副産物及び毒性化合物等の多くの望まれない基質を分解するのに用いられ得る。ラッカーゼは、例えば不溶性複合体構造の汚染物質の酵素的酸化カップリング反応を介して毒性化合物を除去するのに用いられ得る。特に、それらは、石油精製、石炭変換又は有機化合物(例えばオレフィンユニットを有するプラスチック廃棄物)の生成からの廃棄物に存在するフェノール化合物を酸化するのに用いられ得る。 本発明のラッカーゼは、生体異物、クロロフェノール又は多環芳香族炭化水素(PAHs)等の毒性有機汚染物質を酸化するのに用いられ得る。PAHsは、生物蓄積の傾向を有する高い毒性、発癌性、変異原性を有し、強い環境汚染物であるため、PAHsの分解におけるラッカーゼの役割は特に重要である。 さらに、本発明のラッカーゼは、例えば土壌中の有機農薬等の人工複素環式化合物の濃度を低減するのにも用いられ得る。ラッカーゼは、廃棄物処分場、家畜場又はパルプ工場から排出される臭いを消す又は減らすためにも用いられ得る。それらは、染料工場排水、又はオリーブ油工場及びパルプ工場からの廃水を脱色するのにも用いられ得る。 化学合成 本発明は、有機合成において、生体触媒として本発明のラッカーゼを用いることにより多くの有機化合物を生成する方法を提供する。 ラッカーゼの重合活性は、種々のポリマー合成に用いられ得る。従って、本発明によると、ラッカーゼは、特定の機械的/電気的/光学的特性を有するポリマー、繊維染料、化粧用色素、香料及び殺虫剤を含む多くの機能的有機化合物を合成するのに用いられ得る。例えば、本発明のラッカーゼで天然フェノールを重合することにより、新規の化粧用色素又は髪染め材料が開発され得る。ラッカーゼは、防臭剤、練り歯磨き、うがい薬又は界面活性剤に用いられ得る。 特定の実施形態において、本発明のラッカーゼは、半合成に用いられる。 グリーンケミストリーにおいて、本発明のラッカーゼは、例えば安全で環境にやさしい溶剤及び無害の酸化剤の合成に用いられ得る。 医薬的適用 ラッカーゼは、抗癌剤等の医薬的に重要な製品を合成するのに用いられ得る。抗癌剤の合成における本発明のラッカーゼの適用の例は、例えば白血病の治療に特に有利であるビンブラスチンを得るためのカタランチンとビンドリンとの酸化的カップリング反応を含む。本発明のラッカーゼを用いて合成され得る他の抗癌剤は、アクチノシンである。 本発明のラッカーゼは、例えば抗菌性、抗ウィルス性、抗炎症性又は抗酸化性を示す他の新規の医薬化合物の生成に用いられ得る。 パルプ及び紙産業 本発明のラッカーゼの使用に関連する他の方法は、紙産業における製紙用パルプを生成する方法を含む。特に、本発明は、本発明のラッカーゼを用いることによるパルプ化の方法、及びリパルピングの方法を提供する。 木材パルプは、3つの主要な構成要素を含み、それらは紙製造のために望まれるセルロース繊維、並びにリグニン及びヘミセルロースである。パルプ化の目的は、繊維源のバルク構造を繊維成分に分解することである。 特定の実施形態において、本発明の方法は、本発明のラッカーゼを用いることにより木材パルプにおけるリグニンを分離及び分解させる。本発明のラッカーゼを用いる木材パルプの処理は、例えばセルロースの完全性を尊重する木材の脱リグニン化のより穏やかで、より清いストラレジーを提供する。さらに、そのようなラッカーゼを用いる酸素脱リグニン化は、汚染が生じる従来の塩素系方法に代えて用いられ得る。 本発明に係るリパルピング方法は、本発明のラッカーゼを用いて、(パルプ、紙又はボール紙等の)リグノセルロース材料を生成する又はリサイクルする方法を含む。本発明は、印刷済みの紙又はリサイクル紙パルプを脱インク及び脱色する方法を提供する。 また、本発明は、より高いパルプ収率及びエネルギー節約を達成し得るパルプ又はパルプクラフトの漂白の方法を提供する。 織物産業 本発明は、本発明のラッカーゼを用いて織物を処理する方法を提供する。その酵素は、織物を織る際若しくはその後、又は糊抜き段階の際、又は更なる織物加工ステップの際に適用され得る。 一実施形態において、ラッカーゼは、従来の綿の漂白における白さを改善するのに用いられる。特定の実施形態において、ラッカーゼは、藍染されたデニム生地を淡くするための漂白に用いられる。他の特定の実施形態において、ラッカーゼは、羊毛の収縮防止処理に用いられ得る。 粉せっけん 他の特定の実施形態において、本発明のラッカーゼは、洗浄のために用いられ、例えば食器用洗剤及び衣服用洗剤の界面活性剤成分である。特定の実施形態において、本発明のラッカーゼは、例えば茶又はコーヒーの染みを除去するために用いられる。 飲料産業 ラッカーゼの特に重要な適用は、フルーツジュース、ビール、ワイン等の種々の型の飲料の安定性に関する。特に、ラッカーゼは、ワインの官能的特性の望ましくない変化を避けるために選択されるワイン中のポリフェノールの除去に用いられる。ラッカーゼは、ビール等の飲料の保存寿命を改善するためにも用いられる。ラッカーゼを用いる酵素的処理は、茶系製品の色を補強するため、食品成分をゲル化するために、又は食品からフェノール褐変を除去するために行われ得る。 特定の真菌及び細菌(Deinococcus以外)からのラッカーゼの多くの産業的適用は、既に提案されている(Mustafa等., 2005; Bajpai等., 2006; Witayakran, 2008; Osma 等, 2010)。以前に説明された全てのラッカーゼの適用は、本発明に係るラッカーゼの使用の方法に転換可能である。 本発明は、上記の全ての適用のための、本明細書で規定されたラッカーゼ、核酸、ベクター若しくは細胞又はそれらの組み合わせの使用に関する。 本明細書に記載されているように、本発明のラッカーゼは、例えば紙及びパルプ、織物及び石油化学産業からの工業排水の解毒、診断医学での使用、並びにゾル中の除草剤、殺虫剤及び特定の火薬類の除去等特定のバイオレメディエーション剤としての使用等の多くのバイオテクノロジープロセスに用いられ得る。また、本発明のラッカーゼは、特定の水精製システムのための洗浄剤、抗癌剤の製造のための触媒、及び化粧品の成分として用いられ得る。また、生体異物の除去及びポリマー物質の生成のためのその能力は、極めて興味深く、また、バイオレメディエーションのための有益なツールとなる。 それらの活性、構造及び物理化学的特性のため、本発明のラッカーゼは、種々の産業、農業、化学、生物工学及び医学分野に使用するための新規で高い有益性がある産物である。Deinococcus又はその関連細菌由来のそのようなラッカーゼ酵素は、バイオマス分解プロセス、環境汚染物質の処理、解毒、バイオエネルギーの生成、合成化学、パルプ及び紙産業、織物産業、粉せっけん、飲料産業、並びに化学及び医学分野で当業者により適用される他の従来の酵素の活性と比較して高い触媒活性を示す。 本発明の酵素は、単独で、又は他の酵素と組み合わせて用いられ得る。例えば、本発明の酵素は、キシラナーゼ、アミラーゼ、グルコシダーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、エステラーゼ、フェルロイルエステラーゼ、アセチルキシランエステラーゼ、グルクロニダーゼ、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、及びピルビン酸デヒドロゲナーゼから選択される1つ又はそれ以上の更なる酵素と組み合わせて用いられ得る。少なくとも1つの更なる酵素を有する本発明のラッカーゼを含む組成物は、上記の使用、方法及び適用の全てに用いられ得る。 組み合わせで用いる場合、その酵素は、同時に又は経時的に組み合わせられ得る。例えば、2つ又はそれ以上の酵素は、組成物中で組み合わせられてもよく、その組成物はバイオマス若しくは炭素源に添加され得る、又は上述のリアクターに添加され得る。代替的に、2つ又はそれ以上の酵素は、反応に組み合わせられた酵素活性を提供するために上記バイオマス、炭素源又はリアクターに経時的に添加され得る。同様に、組み合わせられた酵素をコードする又は発現する核酸、ベクター又は細胞が用いられ得る。また、全細胞の代わりに、その細胞の酵素的に活性なライセート又は上清等の抽出物が用いられ得る。 条件に依存して、バイオマス又は基質は、単独の本発明の産物と、又はそれと他の酵素若しくは微生物との組み合わせと接触され得る。効率的にバイオマスを実質的なバイオエネルギー産物又は代謝物質に改変するために、最初に用いられる酵素又は細菌の適切な量は、細菌の型、バイオマスの型及び培養条件に依存して当業者により調整され得る。 特定の実施形態において、本発明の方法は、バイオマスの改変のリアクター内で行われる。「リアクター」は、バイオマスの改変のための従来の発酵タンク、装置又はシステムを意味し、通常、バイオリアクター、バイオフィルター、回転生物接触機、並びに他の気相及び/又は液相バイオリアクターから選択される。本発明に従って用いられ得る装置は、連続的に又はバッチ毎に用いられ得る。 リアクターにおいて、本発明の方法を実行するために、少なくとも1つの本発明の酵素、細菌又は細菌抽出物が用いられ、そのリアクターは、その酵素又は細菌が利用可能となるように、その中の物理化学的条件が調整され、また、維持されるように準備され、提供されている。 用いられる細菌に依存して、その方法は好気条件、嫌気条件又は低好気条件下で行われ得る。 共生培養物 本発明の更なる態様は、改善された特性を有する微生物の共生培養物に関する。特に、本発明は、Deinococcus細菌を用いた共生培養物に関し、共生培養物は、酵素活性(すなわち、ラッカーゼ活性)又は物理化学的特性を改善してきた。 特定の実施形態において、本発明は、少なくとも2種の別の微生物の共生培養物に関し、その微生物の少なくとも1種はDeinococcus細菌であり、その微生物の少なくとも1種は原核細胞又は真核細胞であり、それらの少なくとも2種の微生物は互いに共生し、その少なくとも1種のDeinococcus細菌は本発明に係るラッカーゼ活性を示す。 その原核細胞又は真核細胞は、例えば細菌、酵母、植物細胞、真菌及び哺乳動物細胞から選択され得る。酵母の例は、以下のものに限られないが、Saccharomyces, Kluyveromyces, Schizosaccharomyces, Pichia等を含む。細菌の例は、Deinococcus 細菌, Bacillus sp., E. Coli,Clostridium sp.等を含む。2種の微生物は、両方が生存及び増殖のために他方を必要とする場合、互いに共生とみなされる。本発明の共培養物は、3種又は4種等の2つ以上の別の微生物を含む。また、共生培養は、同時又は経時的、好ましくは同時であり得る。 この点に関して、本発明の特定の対象は、少なくとも2種の微生物の培養物であり、その微生物の少なくとも1種はDeinococcus 細菌であり、その微生物の少なくとも1種は酵母であり、その少なくとも1種はDeinococcus 細菌は本発明に係るラッカーゼ活性を示す。 これらの共生培養物は、酵素活性の改善された範囲を提供し、産業的プロセスのための有益な産物となる。 本発明の更なる態様及び利点は、本発明を詳説する以下の実施例に開示される。 材料及び方法 選択試験及び培養培地成分 167サーマス培地リン酸緩衝液 最少培地の成分- MOPS buffer 1X (ph7) 、以下のものを含む:酸性MOPS緩衝液40 mM, NH4Cl 20mM, KOH 10 mM, NaOH 10 mM, CaCl2 0.5μM, Na2SO4 0.276 mM, MgCl2 0.528 mM. - 微量栄養素の溶液(pH5): (NH4)6(MO7)24 3nM, H3BO3 400 nM, CoCl2 30 nM, CuSO4 10, nM,MnCl2 250 nM, ZnSO4 10 nM. - ビタミン溶液, pH4.0, (1μg/l each): D-ビオチン, ナイアシン, ピリドキサール-HCl, チアミン-HCl,ビタミンB12- リン酸溶液: K2HPO4 5.7 mM - FeCl3 20 μM (クエン酸ナトリウムで調製し、その後濾過した。) 実施例1 ラッカーゼ活性を有する酵素の同定 Deinococcus spを、酸性MOPS緩衝液 40 mM (Sigma, France), (NH4Cl20 mM, KOH 10 mM, NaOH 10 mM, CaCl2 0.5 μM, Na2SO40.276 mM, MgCl2 0.528 mM), pH5の微量栄養素溶液((NH4)6(MO7)243 nM, H3BO3 400 nM, CoCl230 nM, CuSO4 10 nM, MnCl2 250 nM,ZnSO4 10 nM), pH4のビタミン溶液 (1 μg/Lof D-ビオチン, ナイアシン, ピリドキサール-HCl, チアミン-HCl及び ビタミンB12), K2HPO4 溶液5.7 mM 、並びにFeCl3溶液 20 μM (溶媒はNaH2(C3H5O(COO)3))及びグルコース111mMで構成され、濾過されたpH7のMOPS緩衝液に播種した。 細菌を45℃又は30℃で7日間増殖させた。ゲノムDNAを抽出し、推定上のラッカーゼをコードする遺伝子をPCRにより増幅し、分析した。培養上清及び細胞抽出物からのラッカーゼの活性を2,6ジメトキシフェノール(2,6DMP)、ABTS又はシリンガルダジンの存在下で試験した。 ラッカーゼ活性を有する2つの酵素は、Deinococcuscellulolysiticus DRH46から特徴付けられ(すなわちラッカーゼ1、ラッカーゼ2)、またラッカーゼ活性を有する1つの酵素は、Deinococcus maricopensis DSM21211から特徴付けられる(すなわちラッカーゼ3)。ラッカーゼ1、ラッカーゼ2及びラッカーゼ3のアミノ酸配列は、それぞれSEQ ID NO: 2, 4及び6で表される。 それらをコードする核酸配列は単離され、それぞれSEQ ID NO: 1, 3及び5で表される。 それらの核酸を、pET-DEST42発現ベクター内にクローン化し、そのベクターを含む組み換え細菌を生成し、維持した。 実施例2 組み換え酵素の生成 実施例1で述べたように、SEQID NO : 2, 4又は6のアミノ酸配列をそれぞれ含むラッカーゼ1、2及び3をそれぞれコードする核酸を従来の組み換え技術に従ってpETDEST42ベクター内にクローン化した。各ベクターにおいて、クローン化された核酸を、組み換えタンパク質の精製を容易にするために、6(His)タグ(SEQ ID NO: 7)と共にフレーム内にクローン化した。 組み換え核酸を有するE.coli細胞を4LのLB培地で調製及び増殖する。酵素の生成の誘導を、1 mM IPTG及び2 mMのCu2SO4の存在下で一晩行った。培養液の遠心分離の後、細胞を50mM リン酸緩衝液 pH7.5, 300mM NaCl, 5% イミダゾール, 1mg/ml リゾチームに再懸濁し、超音波処理により破壊した。細胞の破片を遠心分離により除去し、その上清を回収し、His-Trap親和性クロマトグラフィーカラム(HisTrap HP カラム)にアプライする。 SEQ IDNO : 2, 4又は6の組み換えポリペプチドを含む分画を、300mMイミダゾール, 300mM NaCl, 50mM リン酸緩衝液 pH7.5を含む緩衝剤により溶出し、タンパク質を精製するために50mM pH7.5 リン酸緩衝液, 50mM NaClに対して脱塩する。 実施例3 SEQ IDNO : 2及び4の組み換えラッカーゼの活性 3.1 pETDEST42ベクター内にクローン化されたDeinococcus DRH-46由来のラッカーゼ(すなわちラッカーゼ1又はラッカーゼ2)をコードする組み換え核酸を含むE.coliを、2mMのCu2SO4を含むLB培地中において1 mM IPTGの存在下又は非存在下で増殖させた。 3.2 ラッカーゼ活性 ラッカーゼ活性のための標準的なアッセイとして、適当な波長で基質の酵素的酸化の測定を30℃から90℃までの温度範囲で行った。その反応を、0.05mg/mLの精製酵素と0.1Mクエン酸リン酸緩衝液 pH8で調製された1mMの濃度範囲の基質の存在下で行った。 標準的なアッセイを、2, 6DMP、4-メチルDMP、シナピン酸、シリング酸、グアイアコール、ABTS、パラフェニレンジアミン及びフェルラ酸といった基質を用いて行った。 原理 2,6 DMP+O2 + 酵素 → 酸化2,6DMP + 2H2O そのアッセイをT=45℃及び60℃、pH=8で行った。吸光度をA470nmで測定し、その測定は連続分光側光速度決定を用いて行った。 試薬 A.100 mM クエン酸リン酸緩衝液, pH 8, 45℃及び60℃ B. 30mM 2,6-ジメチルフェノール溶液 C. ラッカーゼ酵素溶液(2mg/mL) プロトコール 試薬A(185 μl)を試薬B(10μl)と混合した。混合液を45℃又は60℃に平衡化した。470nmの吸光度を、適当な温度調節型分光光度計を用いて一定になるまで測定した。その後、試薬C(5μl)を加え、A470nmの増加を30分間記録した。ΔA470nm/minを、テスト、コントロール及びブランクにおける最大線形速度を用いて得て、ブランクには酵素を含まない混合液を用い、コントロールにはラッカーゼ酵素溶液(試薬C)の代わりにTrametesversicolor からのラッカーゼ(T. versicolor、市販の酵素)を含む混合液を用いた。 4−メチルDMP、シナピン酸、シリング酸、グアイアコール、ABTS、パラフェニレンジアミン及びフェルラ酸等の2,6DMPと異なる他の基質を、各基質の最適な濃度でテストした(表1A及び1Bに示す)。 酵素活性の1ユニットを、減衰係数ε470nmとして14.8mM-1cm-1を用いて、1分間に1マイクロモルの2,6DMPを酸化するのに必要な酵素の量として定義する。この定義を、他の基質、特にフェノール基質(例えば、4−メチルDMP、シナピン酸、シリング酸、グアイアコール、ABTS、パラフェニレンジアミン及びフェルラ酸)の減衰係数値で適用しなければならない。 結果 ラッカーゼ1(SEQ IDNO: 2)及びラッカーゼ2(SEQID NO: 4)活性の結果を、それぞれ以下の表1A及び表1Bに示す。表1A: ラッカーゼ1活性 表1Aは、SEQ IDNO: 2の組み換え酵素が試験条件においてラッカーゼ活性を示し、ラッカーゼ1組み換え活性が十分に活性であることが確認された。興味深いことに、ラッカーゼ1活性を種々の基質で見られた。表1B: ラッカーゼ2活性 表1Bは、SEQ IDNO: 4の組み換え酵素が試験条件においてラッカーゼ活性を示し、ラッカーゼ2組み換え活性が十分に活性であることが確認された。興味深いことに、ラッカーゼ2活性を種々の基質で見られた。 3.3 最適温度及びpH 他の試験において、本発明に係るラッカーゼ活性を、種々の基質を用いて種々の条件の温度及びpHで試験した。 結果 基質として2,6ジメトキシフェノール(2,6DMP)を用いて確認されたラッカーゼ1の最適温度は90℃であった。 基質として2,6DMPを用いて確認されたラッカーゼ2の最適温度は70℃であった。 基質として2,6DMPを用いて確認されたラッカーゼ1の最適pHはpH8であった。 基質として2,6DMPを用いて確認されたラッカーゼ2の最適pHはpH8であった。 結果として、本発明のラッカーゼは、高温における熱安定性及び(pH8等の)塩基性pHで活性といった特有の機能を有する。 参考文献Mustafa R., Muniglia L.,Rovel B., Girardin M. (2005). “Phenolic colorants obtained by enzymaticsynthesis using a fungal laccase in a hydro-organic biphasic system”. FoodResearch International 38: 995-1000. Bajpai P., Anand A.,Bajpai P.K. (2006). “Bleaching with lignin-oxidizing enzymes”. Biotechnol.Annu. Rev. 12: 349-78.Witayakran S. (2008).“Laccase in organic synthesis and its applications”. Georgie Institute ofTechnology, School of Chemistry and Biochemistry.Osma J.F., Toca-HerreraJ.L., Rodriguez-Couto S. (2010). “Uses of laccases in the food industry”.Enzyme Research, Article ID 918761, 8 pages.Morozova O.V., ShumakovichG.P., Shleev S.V. and Yaropolov (2007). “Laccase-Mediator Systems and theirapplications: a review”. Applied Biochemistry and microbiology 43, n°5,523-535. Deinococcus又はその関連細菌由来であるラッカーゼ。 30℃以上、好ましくは40℃以上で活性である請求項1に記載のラッカーゼ pH3.5からpH9までの範囲で活性である請求項1又は2に記載のラッカーゼ。 SEQ IDNO: 2, 4又は6のアミノ酸配列の全て又は1つの活性部を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載のラッカーゼ。 バイオマスの改変、好ましくはリグニンの分解又は加水分解を触媒する請求項1に記載のラッカーゼ。 バイオ燃料の生成に関与する請求項5に記載のラッカーゼ。 SEQ ID NO: 2, 4若しくは6のアミノ酸配列、又はその連続した少なくとも15残基を有する断片を備えているポリペプチド。 請求項1〜7のいずれか1項に記載の酵素又はポリペプチドをコードする核酸 請求項8に記載の核酸を備えたベクター。 請求項7の核酸又は請求項9のベクターを含む組み換え細胞。 Deinococcus又はその関連細菌である請求項10の細胞。 バイオマスの改変及び/又は代謝物質若しくはエネルギー製品の生成のための請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリペプチド、核酸、ベクター又は細胞の使用。 請求項1〜11のいずれか1項に記載の酵素、核酸、ベクター又は細胞にバイオマスを曝露することを備えているバイオマスを改変する方法。 請求項1〜11のいずれか1項に記載の酵素、核酸、ベクター又は細胞に炭素源を曝露することを備えている代謝物質又はバイオエネルギー製品を生成する方法。 請求項1〜11のいずれか1項に記載の酵素、核酸、ベクター又は細胞に木材パルプ又は紙を曝露することを備えている、木材の脱リグニン及び/又はパルプ漂白をする方法 前記バイオマス、炭素源又は木材パルプは、天然又は人工のメディエータをさらに備えている請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。 請求項1〜11のいずれか1項に記載の酵素、核酸、ベクター又は細胞を備えている界面活性剤組成物 少なくとも2種の異なる微生物の共生培養物であって、 前記微生物の少なくとも1つはDeinococcusであり、前記微生物の少なくとも1つは原核又は真核細胞であり、 前記少なくとも2種の微生物は、互いに共生し、 前記少なくとも1つのDeinococcusは、ラッカーゼ活性を示す共生培養物。 少なくとも2種の異なる微生物の共生培養物であって、 前記微生物の少なくとも1つはDeinococcusであり、前記微生物の少なくとも1つは酵母であり、 前記少なくとも1つのDeinococcusは、ラッカーゼ活性を示す共生培養物。 本発明は、新規の酵素及びその使用に関する。また、本発明は、そのような酵素、それをコードする核酸、組み換え細胞を生成する方法、及びそのような材料からバイオマスを改変する方法に関する。特に、本発明は、バイオマスを分解すること及び/又はバイオマス分解を改良することに適する。また、本発明は、(バイオエタノール等の)バイオエネルギーの生成のための本発明の酵素の種々の適用、並びに化学、紙産業、織物産業、飲料産業の分野における酵素の種々の適用に関する。【選択図】なし配列表20130806A16333全文3 Deinococcus又はその関連細菌由来であるラッカーゼ。 30℃以上、好ましくは40℃以上で活性である請求項1に記載のラッカーゼ。 pH3.5からpH9までの範囲で活性である請求項1又は2に記載のラッカーゼ。 SEQ ID NO: 2, 4又は6のアミノ酸配列の全て又は1つの活性部を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載のラッカーゼ。 バイオマスの改変、好ましくはリグニンの分解又は加水分解を触媒する請求項1に記載のラッカーゼ。 バイオ燃料の生成に関与する請求項5に記載のラッカーゼ。 SEQ ID NO: 2, 4若しくは6のアミノ酸配列、又はその連続した少なくとも15残基を有する断片を備えているポリペプチド。 請求項1〜7のいずれか1項に記載の酵素又はポリペプチドをコードする核酸。 請求項8に記載の核酸を備えたベクター。 請求項8の核酸又は請求項9のベクターを含む組み換え細胞。 Deinococcus又はその関連細菌である請求項10の細胞。 バイオマスの改変及び/又は代謝物質若しくはエネルギー製品の生成のための請求項1〜11のいずれか1項に記載のラッカーゼ、核酸、ベクター又は細胞の使用。 請求項1〜11のいずれか1項に記載の酵素、ポリペプチド、核酸、ベクター又は細胞にバイオマスを曝露することを備えているバイオマスを改変する方法。 請求項1〜11のいずれか1項に記載の酵素、ポリペプチド、核酸、ベクター又は細胞に炭素源を曝露することを備えている代謝物質又はバイオエネルギー製品を生成する方法。 請求項1〜11のいずれか1項に記載の酵素、核酸、ポリペプチド、ベクター又は細胞に木材パルプ又は紙を曝露することを備えている、木材の脱リグニン及び/又はパルプ漂白をする方法。 前記バイオマス、炭素源又は木材パルプは、天然又は人工のメディエータをさらに備えている請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。 請求項1〜11のいずれか1項に記載の酵素、核酸、ポリペプチド、ベクター又は細胞を備えている界面活性剤組成物。 少なくとも2種の異なる微生物の共生培養物であって、 前記微生物の少なくとも1つはDeinococcusであり、前記微生物の少なくとも1つは原核又は真核細胞であり、 前記少なくとも2種の微生物は、互いに共生し、 前記少なくとも1つのDeinococcusは、ラッカーゼ活性を示す共生培養物。 少なくとも2種の異なる微生物の共生培養物であって、 前記微生物の少なくとも1つはDeinococcusであり、前記微生物の少なくとも1つは酵母であり、 前記少なくとも1つのDeinococcusは、ラッカーゼ活性を示す共生培養物。