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タイトル:公表特許公報(A)_溶出改善されたメサラジン錠
出願番号:2013526481
年次:2013
IPC分類:A61K 31/606,A61K 9/30,A61K 9/32,A61K 47/32,A61K 47/38,A61P 1/04


特許情報キャッシュ

ド フリュイター,ヘンドリック コーネリス JP 2013536827 公表特許公報(A) 20130926 2013526481 20110901 溶出改善されたメサラジン錠 ディスパル・インターナショナル・ビー.ブイ. 509289043 Disphar International B.V. 特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所 110000659 ド フリュイター,ヘンドリック コーネリス EP 10174940.6 20100901 A61K 31/606 20060101AFI20130830BHJP A61K 9/30 20060101ALI20130830BHJP A61K 9/32 20060101ALI20130830BHJP A61K 47/32 20060101ALI20130830BHJP A61K 47/38 20060101ALI20130830BHJP A61P 1/04 20060101ALI20130830BHJP JPA61K31/606A61K9/30A61K9/32A61K47/32A61K47/38A61P1/04 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA EP2011065155 20110901 WO2012028698 20120308 19 20130417 4C076 4C086 4C076AA45 4C076BB07 4C076CC16 4C076DD29 4C076DD41 4C076DD47 4C076EE11J 4C076EE12J 4C076EE13J 4C076EE16K 4C076EE23K 4C076EE31 4C076EE31K 4C076EE32K 4C076EE47 4C076EE48J 4C076FF25 4C076FF28 4C076FF31 4C086AA01 4C086AA02 4C086DA17 4C086MA02 4C086MA03 4C086MA05 4C086MA35 4C086MA52 4C086NA12 4C086NA13 4C086ZA68 メサラジン、すなわちメサラミンは、炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)の処置のために処方されるアミノサリチル酸塩である。IBDは様々な形態で発現し得るものであり、その最も一般的な形態は、クローン病および潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)である。クローン病(Crohn’s disease:CD)は、胃腸管全体を通常は断続的パターンで侵す、腸の慢性全層性炎症である。最初のCD位置は、最も一般的には下部回腸である。典型的には、ここから炎症が小腸近位部へと広がる。しかし、多くの場合、結腸でも併発する。潰瘍性大腸炎は、結腸のみを侵す慢性炎症性腸疾患であり、胃腸粘膜での継続的分布を示す。殆どの患者において、多くの場合、近位への拡大により、結腸および回腸の遠位部が炎症する。最も重篤な症例では、結腸全体が侵される(「全大腸炎」)。 今までのところ、クローン病または潰瘍性大腸炎の治癒は不可能である。メサラジンは慢性炎症性腸疾患の寛解を誘導し、維持することにより、両疾患の処置に重要な役割を果たす。その主な作用原理は、炎症した粘膜に対する局所作用である。全身吸収は、望ましくない全身性副作用および炎症部位へのメサラジンの非効率的再分布につながるので、最小にしなければならない。そのため、経口メサラジン剤形は、胃腸管内の炎症領域で選択的に活性物質を放出しなければならない。クローン病と潰瘍性大腸炎は疾患パターンが異なるので、異なる患者サブグループを適切に処置するために異なる製剤が必要とされる。 Salofalk(登録商標)は、市場で入手できる公知の腸溶錠である。これはコアと腸溶コーティングで構成され、この場合の腸溶コーティングはポリアクリル酸エーテルである。Salofalk(登録商標)は、メサラジン、炭酸ナトリウム、グリセリン、ポビドン、微結晶性セルロース(E460)、コロイド状無水シリカ、ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(E464)、メタクリル酸コポリマー、タルク、二酸化チタン(E171)、酸化鉄(E172)、ポリエチレングリコールおよびポリメタクリレートで構成された錠剤である。その製品特性概要によると、Salofalk(登録商標)の主作用部位は末端回腸および上行結腸であるとのことである。 国際公開第98/326767号パンフレットには、400mgのメサラジンと、そのコア重量の10から50%(したがって200から840μmの厚み)に相当する中間層、および外側の胃耐性コーティングを含む錠剤が開示されている。7.5のpHで溶出に256±10.8分かかり、このことから明らかに徐放性製剤である。この文献では、中間層が30μmから3mmの厚みを有する、および/またはコアの重量に基づき5から200%の重量を増加させると述べられている。 欧州特許第2072043号明細書には、錠剤コアと、該錠剤コアと接触しており該錠剤コアを被覆している第一コーティング層と、該第一コーティング層と接触しており該第一コーティング層を被覆している第二コーティング層とを含むメサラジン遅延放出錠であって、該錠剤コアが、メサラジン、結合剤および少なくとも1種の粒子間超崩壊剤(intergranular superdisintegrant)を含み、その第一コーティング層が、メタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー不含又は実質的に不含であり、セルロース誘導体および/またはポビドンを含み、ならびに該第二コーティング層が、メタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマーおよび粘着防止剤を含み、該粘着防止剤の量が、該メタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマーの約40重量%から約60重量%の量で存在するものである、メサラジン遅延放出錠が開示されている。 Mesalazine 500mg EC錠は、Dispharから入手できる。これらの錠剤は、Salofalk(登録商標)と同じ適応、すなわち潰瘍性大腸炎およびクローン病の処置、を有する。これらの錠剤がSalofalk(登録商標)と生物学的に同等でないことは分かっている。活性成分が実際に回盲領域および上行結腸内に送達されることを確証するためにシンチグラフィによる研究が行われた(Brunnerら、「Aliment Pharmacol Ther 23」、p.137−144参照)。塩基性環境を作り出す賦形剤の存在のため、Salofalk(登録商標)錠からのメサラジンは、Mesalazine 500mg EC錠からのメサラジンよりどうやら多く吸収されると考えられている。しかし、生物学的に同等でないので、これらのDisphar錠がSalofalk(登録商標)に対して非劣性であることは証明されていない。言い換えると、これら2つの製品が同様に有効であることは実証されていない。 さらに、in vitro溶出試験から、現在市販されている腸溶錠は放出特性の多少のばらつきを示すように思われる。溶出性は、広い範囲内で様々であり得る。 それ故、上述の問題を解決する新規錠剤が必要である。国際公開第98/326767号パンフレット欧州特許第2072043号明細書Brunnerら、「Aliment Pharmacol Ther 23」、p.137−144参照 本発明の1つの目的は、錠剤コアの硬度を指定限度内、すなわち、80から105Nの間、好ましくは83Nと103Nの間、さらに好ましくは88Nから98Nの間、さらに好ましくは90から96Nの間、特に約92から94Nの間になるように制御する錠剤作製プロセスであって、変動性の低い溶出が得られ、および結果として得られるEC錠が、Salofalk(登録商標)と生物学的に同等でないにもかかわらず同様に有効である、錠剤作製プロセスを提供することである。同種医薬品は生物学的同等性を必要とすることが一般的な通念になっているので、この発見は驚くべきものである。本出願人は、適切な中間層とともに、然るべく制御された硬度の正しい選択が、指定の溶出性を有し且つSalofalk(登録商標)に対して非劣性である錠剤を生じさせることとなることを証明した。硬度を錠剤の溶出率に関係づけられることを証明した。溶出率を硬度に直接関係づけることはできない。その代り、崩壊を通して関連づけられる。L.Lachmanら(L.Lachman、H.A Lieberman、J.L Kanig、「The theory and practice of industrial pharmacy」、Lea & Febiger、1976年、第2版、p.112 −116)によると、 錠剤の崩壊時間は、圧縮力および錠剤硬度に正比例する。さらに、彼らは、高い圧縮力が崩壊した錠剤の溶出率を低下させ得ることを指摘している。一方、M.E.Aulton(M.E.Aulton、「Pharmaceutics,The science of dosage form design」、Churchill Livingstone、2002年、第2版、p.411−412)によると、高い圧縮力は、長い崩壊時間をもたらす場合もあり、短い崩壊時間をもたらす場合もあると報告されている。メサラジン腸溶錠について、J.N.C.Healey(J.N.C.Healey、「Gastrointestinal Transit and Release of Mesalazine Tablets in Patients with Inflammatory Bowel Disease」、 Scandinavian Journal of Gastroenterology、1990年、第25巻、第s172号、p.47 −51、DOI 10.3109/00365529009091910) は、崩壊と人体内での薬物吸収の間にも相関関係があることを指摘している。上の参照文献から結論できることは、錠剤の硬度から溶出を直接予測できないということである。本出願人は、適切な中間層を有する錠剤に関してこの関係を証明することができ、また驚くべき手法で、その結果として生ずる溶出によってSalofalk(登録商標)に対して非劣性である錠剤が得られることを証明することができた。 本発明の錠剤は、コアと、中間層と、その上に堆積された腸溶コーティングとを含む。本発明は、さらに、このようにして調製した錠剤を使用して炎症性腸疾患に罹患している患者を処置する方法を提供する。 したがって、本発明は、(i)メサラジン、その医薬的に許容される塩またはエステル、を含む組成物をメサラジン顆粒に造粒する工程と、(ii)(i)で得たメサラジン顆粒を含むコア組成物を打錠して、錠剤コアを得る工程と、(iii)(ii)で得た錠剤コアを少なくとも中間層および腸溶コーティングでコーティングする工程と、を含み、該錠剤コアの硬度が、80Nと105Nの間に含まれるように制御され、および該中間層が該錠剤の2重量%未満に相当する、メサラジン腸溶錠を調製する方法を提供する。 1つの実施形態によると、最終コア硬度は、約83Nと103Nの間、好ましくは88Nと98Nの間、さらに好ましくは約90Nと約96Nの間、特に約92〜94Nに含まれるように制御される。 1つの実施形態によると、前記中間層は、前記錠剤の、約0.1重量%以上、好ましくは約0.5重量%以上の量で、および約2重量%未満、好ましくは約1重量%未満の量で、好ましくは、約0.5重量%から約1.5重量%、およびさらに好ましくは、約0.5重量%から約0.9重量%の量で存在する。 1つの実施形態によると、前記中間層は、メタクリル酸/メチルメタクリレート共重合体が不在もしくは実質的に不在であり、ならびに/またはセルロース誘導体および/もしくはポリビニルピロリドンを、場合によってはポリオールとともに、含む。 もう1つの実施形態によると、前記錠剤は、USP溶出装置II(パドル法)、100rpm、pH7.2リン酸緩衝液、37℃を用いて測定したとき、40分後に約80%以上メサラジンを放出する。 もう1つの実施形態によると、前記錠剤は、USP溶出装置II(パドル法)、100rpm、pH7.2リン酸緩衝液、37℃を用いて測定したとき、15分後に約10%以下メサラジンを放出する。 もう1つの実施形態によると、前記錠剤は遅延放出錠である。 もう1つの実施形態によると、前記錠剤は、回盲領域および上行結腸、好ましくは上行結腸においてメサラジンを放出する。 もう1つの実施形態によると、前記腸溶コーティング層は、アクリル系ポリマー、好ましくは、メタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマーもしくはアンモニウムエチルアクリレートタイプBコポリマーまたはこれらの混合物を含む。 もう1つの実施形態によると、前記腸溶アクリル系コポリマーは、前記錠剤の、約1重量%以上、約3重量%以上、もしくは約5重量%以上の量で、および/または約20重量%以下、約15重量%以下、もしくは12重量%以下の量で存在する。 もう1つの実施形態によると、前記プロセスは、予備圧縮工程を含む。 もう1つの実施形態によると、前記錠剤は、500mg、750mg、800mgまたは1000mgメサラジンを含む。 前記錠剤は、特に、炎症性腸疾患(IBD)(クローン病および/または潰瘍性大腸炎を含む)の処置のためのものである。USP溶出装置II(パドル法)、100rpm、pH7.2リン酸緩衝液、37℃を用いて測定したときの被験組成物の(本発明の組成物とSalofalk(登録商標)組成物の両方についての)溶出プロファイルを表す。 最終コアの硬度を精密に制御したことを除き、標準的慣行に従って本発明の錠剤を製造する。本錠剤は、活性成分を有するコアを含み、該コアは、先ず混合物を顆粒に造粒にする工程、場合により追加顆粒相と混合する工程、錠剤コアに圧縮する工程、および中間コーティングと腸溶コーティングでコートする工程によって製造され、該腸溶コーティングにより、該中間コーティングでコートされた錠剤コアが包囲され、遅延放出型メサラジン錠が得られる。それ故、メサラジンは、好ましくは患者の回盲領域および上行回腸、特に上行回腸で放出される。pH6.5で開始してメサラジン放出するように、およびより高いpHで、例えばpH7.0で放出し続けるように、本錠剤を設計することができる。 このように、本発明の錠剤は、錠剤コアと、少なくとも1層の中間層と、少なくとも1層のコーティング層とを含む。場合により、他のコーティング、例えば患者のコンプライアンスを向上させる訴求力のある外観を提供するコーティング、が存在してもよい。 本発明の錠剤の製造プロセスは、次のとおりである。 本発明のメサラジンEC錠の製造は、主要3工程に分けられる。造粒、圧縮およびコーティングである。メサラジンバッチを通常はサブバッチに分ける。公知の技術を用いて、高剪断ミキサで各サブバッチを別々に造粒する。顆粒を篩にかけ、乾燥させる。次いで顆粒を錠剤コアに圧縮する。次いで錠剤コアをコートする。 造粒工程は、次のとおりである。 本発明の造粒プロセスでは、標準的な装置を使用する。当業者には公知であるように、装置にはチョッパが装備されている。乾式混合は、通常、チョッパをオフにして行われるが、チョッパを起動させてもよい。次いで造粒液を好適な供給部から添加する。造粒液は通常は水であるが、他の一般に使用されている造粒液を使用してもよい。造粒液をレザバからそれに注入することにより簡単に添加することができ、または造粒液を混合物に噴霧することができる。液体添加も典型的にはチョッパをオフにして行われるが、チョッパを起動させてもよい。最後に造粒工程自体があって、顆粒を得る。チョッパをオフにしておくことができるが、好ましい実施形態は、チョッパをオンにしておく。特に、混合物への噴霧によって水添加する場合には、使用する水がより少なくなる。また、より長い造粒時間が可能になる。 次いで顆粒を篩にかけてばらつきを最小にする。様々な穴径(例えば1から3mm、好ましくは1.5から2.5mm)の篩を用いることができる。好ましくは、>850μm粒子画分は、粒子の小部分に相当する。好ましい実施形態では、溶出を改善するためにより大きい粒子を避ける。 次いで顆粒を乾燥させる。乾燥キャビネットを使用してもよいが、これは好ましいプロセスではない。顆粒を乾燥させるために流動層乾燥器(fluid bed dryer:FBD)を使用してもよい。真空乾燥も可能である。FBDが好ましい。乾燥工程中には低い一定した相対湿度が好ましい。乾燥工程中には(入口空気と顆粒両方の)一定した温度も好ましい。LoDをモニターすることによって乾燥を制御することができる。厳格な規格値が溶出を増進させることとなる。典型的に、LoDは顆粒に関して0.5〜2.5%である。さらに、乾燥の終点値として生成物温度をLoDの代わりに用いることができる。 顆粒品質は打錠特性に影響を及ぼし得るので、厳格な最終錠剤特性を可能にするために一貫した顆粒品質を得ることが好ましい。 例えば、顆粒の粒径分布は、d(0.1)が6から20μmであり、d(0.5)が100から350μmであり、およびd(0.9)が500から1000μmであるような、好ましくは、d(0.1)が8から15μmであり、d(0.5)が150から280μmであり、およびd(0.9)が580から830μmであるような粒径分布である。 造粒プロセスは、次のとおりである。 次いで、得られた顆粒を、追加顆粒相をミキサ(例えばタンブルミキサ)に添加した後、打錠する。標準的な器具で打錠を行う。任意のパンチ形状を使用することができ、錠剤コアの好適な形状としては、円形、卵形、円錐形、カプセル形および双円錐形が挙げられ、好ましい形状は、錠剤中央部(tablet waist)が好ましくは高い長円形である。 錠剤コア硬度の規格値は厳格であり、錠剤コア(すなわちその上にコーティングが一切ないもの)が80から105N、好ましくは83から103N、さらに好ましくは90から96N、特に約92〜94Nの硬度を有するように硬度を選択する。正確で厳格な錠剤コア硬度により、被定義溶出を達成することが可能であること、および最終EC錠がSalofalk(登録商標)と同様に有効であることが、生物学的同等性の欠如にもかかわらず、可能であることが判明した。通常は生物学的同等性が、2つの異なる製剤形態が実質的に同じ効果を有することを保証するための駆動要因であるので、かかる結果は驚くべきものである。さらに、国際公開第2009/090484号(A)パンフレットにより、塗布されるコーティングの量が異なる溶出プロファイルをもたらし得ることが指摘されている。本出願人は、錠剤の硬度を厳格に制御することおよび薄い中間層を使用することにより、最終コーティングの影響が最小になり、駆動要因が錠剤コア硬度になることを発見した。 好ましくは予備圧縮工程を用いる。この予備圧縮工程を圧縮工程と同じ装置で行う。この予備圧縮工程は標準的な技術であり、通常は圧縮圧とは異なる圧力で行われる。 プロセス制御は異なる手段を含む。各バッチに関して行う第一の手段は、錠剤コア硬度の測定である。硬度が規定範囲内でない場合、または92〜94N値にさらに近づけることを望む場合、プロセスパラメータを調整することができる。調整される通常のパラメータは、打錠圧縮力および/または予備圧縮力(予備圧縮を用いる場合)であるが、他のパラメータ(例えば造粒パラメータ、上記参照)を調整してもよい。硬度の制御は、当該技術分野において公知であるような適切なツールを使用する硬度の測定を含む。当業者は、欧州薬局方(European Pharmacopeia)、セクション2.9.8を参照することができる。特に、前記ツールは、必要品質基準に適合するものである。錠剤硬度試験機は当該技術分野において公知である。可能な試験装置は、シュロニガー(Schleuniger)装置である。ずれを検出すると、プロセス条件を修正して、目標値に達するように硬度を変化させる。特に、圧縮力が調整されるだろう。それ故、最終錠剤は、必要硬度を確実に呈示することができる。 コーティングプロセスは、次のとおりである。 次いで、錠剤コアをコートする。任意の好適な方法を用いて、コーティング層を塗布することができる。例えば、自動流動層またはコーティングパンで溶媒中のコーティング組成物を錠剤コアに噴霧することによってコーティング層を塗布する。このプロセスでは、当業者に公知の技術によって、例えば乾燥によってまたは硬化中に、水性または有機溶媒を除去する。好ましいコーティング条件としては、コーティング温度、例えば35〜70℃、および霧化圧、例えば1.5〜6barはもちろん、噴霧速度の正確な制御も挙げられる。任意の好適な懸濁液濃度を用いることができる。通常はコアを3工程でコートする。第一に、遮断コート(中間層)を塗布する。このコーティングの目的は、胃耐性(腸溶)コーティングである第二コーティング層に対する良好な結合面を設けることである。第三の層は、錠剤の外観を向上させるためおよび錠剤の投与を助長するために追加されるポリッシュである。分散液をコーティングに使用するとき、そのコーティング分散液は、固形分、例えば、該分散液の約3重量%から約20重量%、好ましくは約4重量%から約15重量%、さらに好ましくは約5重量%から約12重量%の範囲の平均固形分を有する。好適な溶媒としては、水、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、クロロホルム、アセトン、エーテル、またはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、溶媒は水、またはエタノールと水の混合物である。 錠剤コアは、メサラジン、その医薬的に許容される塩またはエステルと、結合剤と、少なくとも1種の粒子間崩壊剤(intergranular disintegrant)とを含む。任意の好適な量の薬物が、例えば約100mg以上、200mg以上、300mg以上の量で、または約1000mg以下、900mg以下、600mg以下、500mg以下の量で、錠剤コアに存在することができる。例えば、メサラジンは、約500mgまたは約750mgまたは約800mgまたは約1000mgの量で存在することができる。あるいは、メサラジン、その塩またはエステルは、錠剤コアの約10重量%以上、約20重量%以上、もしくは約30重量%以上、または約95重量%以下、85重量%以下、もしくは約75重量%以下の量で存在することができる。複数の実施形態において、メサラジン、その塩またはエステルは、錠剤コアの約30重量%から約90重量%、好ましくは約50重量%から約80重量%、およびさらに好ましくは約75重量%から約77重量%の量で存在する。 本発明に従って、好適な結合剤を用いることができる。結合剤は、錠剤コアの成分を共に保持する。好適な結合剤の例としては、微結晶性セルロース(加えて充填剤の機能も果たす)、ポビドン、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、およびこれらの混合物が挙げられる。結合剤の他の例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースの低置換度ヒドロキシプロピルエーテル、例えば乾燥量基準で判定したとき5から16質量%の置換度を有するセルロースのヒドロキシプロピルエーテル(米国薬局方(US Pharmacopoeia)、第23版、p.2253−2254)、グルコース、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、アルファ化デンプン、およびこれらの混合物が挙げられる。ポビドンが好ましい結合剤である。 好適な量の結合剤を用いて、錠剤コアを調製することができる。例えば、結合剤は、錠剤コアの約1重量%以上、2重量%以上、約4重量%以上、もしくは約8重量%以上の量で、または約30重量%以下、約25重量%以下、もしくは約20重量%以下の量で存在することができる。一定の実施形態において、結合剤は、錠剤コアの約2重量%から約10重量%の量で存在する。 本発明に従って、粒子間崩壊剤または超崩壊剤が錠剤コアに存在することができる。崩壊剤は、錠剤のより小さな断片への解体を可能にする錠剤製剤中の物質であり、一般に、固体剤形中に低レベルで、典型的には投薬単位(最終コーティング錠)の総重量に対して1〜10重量%で使用される。好適な粒子間崩壊剤の例としては、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、およびデンプングリコール酸ナトリウム(sodium starch glycollate)、ならびにこれらの混合物が挙げられる。好ましい崩壊剤はクロスポビドンである。任意の好適な量の粒子間崩壊剤を用いることができる。例えば、粒子間崩壊剤は、錠剤コアの約1重量%以上、約4重量%以上、もしくは約6重量%以上の量で、または約8重量%以下、約5重量%以下、もしくは約3重量%以下の量で存在する。一定の実施形態において、粒子間崩壊剤は、錠剤コアの約1重量%から約10重量%、好ましくは約2重量%から約7重量%、およびさらに好ましくは約2重量%から約5重量%の量で存在する。あるいは、前記崩壊剤を粒子内崩壊剤(intragranular disintegrant)として使用することもできる、すなわち、この場合は前記崩壊剤をメサラジン顆粒内で使用する。 錠剤コアは、場合により、1種以上の賦形剤を含むことができる。これらの賦形剤としては、充填剤、流動促進剤、滑沢剤、および/または湿潤剤が挙げられる。好適な充填剤としては、エチルセルロースおよびラクトースが挙げられる。好適な流動促進剤としては、非晶質シリカ、粉末セルロース、およびデンプンが挙げられる。好適な湿潤剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム(sodium dodecyl sulfate:SDS)が挙げられる。 任意の好適な滑沢剤を用いることができる。滑沢剤は、打錠プロセス中に混合物が器具にくっつかないようにする。好適な滑沢剤の例としては、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV(登録商標)、ステアリン酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、およびタルクが挙げられる。滑沢剤は、任意の好適な量で、例えば、錠剤コアの約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、もしくは約0.8重量%以上の量で、または約2重量%以下、約1重量%以下、もしくは約0.5重量%以下の量で存在することができる。一定の実施形態において、滑沢剤は、錠剤コアの約0.5重量%から約1.5重量%、および好ましくは約0.8重量%から約1重量%の量で存在する。 本発明によると、次いで、錠剤コアを典型的には第一の中間コーティング層および第二の腸溶コーティング層でコートする。第一コーティングは、第二コーティング層の接着性を増す、および/または錠剤コアと第二コーティング層との一切の忌避性を解消すると考えられる。第一コーティング層は、典型的に、メタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー不含または実質的に不含(例えば、第一コーティング層の1重量%、0.5重量%または0.1重量%未満)である。第一コーティング層は、典型的に、セルロース誘導体および/またはポリビニルピロリドン(すなわちポビドン)を含む。任意の好適なセルロース誘導体、例えば、セルロースエーテルポリマー、好ましくは親水性セルロースエーテルポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセスロース、を用いることができる。第一コーティング層に自由選択の添加剤、例えば、ポリエチレングリコールなどのポリオールが存在してもよいく、その場合のセルロース誘導体:ポリオール比は、5:1から10:1であり得る。 第一コーティング層は、任意の好適な量で、例えば、錠剤の約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、約0.8重量%以上の量で、および約2重量%以下、約1重量%以下、もしくは約0.5重量%以下の量で存在する。一定の実施形態において、第一コーティング層は、錠剤の約0.5重量%から約1.5重量%、および好ましくは約0.5重量%から約0.9重量%の量で存在する。 第二コーティング層は、腸溶コーティング層であり、およびコーティング重量に基づき、60から80重量%のアクリル系ポリマー、例えばメタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー、を含む。あるいは、このコーティングは、アクリル系ポリマー、例えばメタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー、から本質的に成る(例えば、90重量%より多く、特に95重量%より多く含む)ことがある。 腸溶コーティング層は、さらなる成分、例えば粘着防止剤、可塑剤および着色剤、例えば色素、レーキおよび染料、を含むことがある。好適な可塑剤としては、クエン酸トリエチル、フタル酸ジエチル、アセチルクエン酸トリエチル、トリアセチン、クエン酸トリブチル、フタル酸ジブチル、ポリエチレングリコール、グリセロール、およびこれらの混合物が挙げられる。好適な着色剤としては、アルミニウムレーキ、二酸化チタン、酸化鉄、天然着色料、例えばリボフラビンまたはカロチノイド、が挙げられる。 腸溶コーティング層は、任意の好適な量、例えば、錠剤の約1重量%以上、約5重量%以上、もしくは8重量%以上で、または約20重量%以下、約15重量%以下、もしくは約12重量%以下の量で存在することができる。第二(腸溶)コーティング層は、一般に錠剤の約10重量%の量で存在する。 第一コーティング層は、錠剤の約0.5重量%から約1.5重量%の量で存在することができ、および第二コーティング層は、錠剤の約5重量%から約15重量%の量で存在する。 任意の好適なアクリル系コポリマー、例えばメタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマーまたはアンモニウムエチルアクリレートタイプBコポリマー、を使用することができる。例えば、アクリル系コポリマーは、商品名EUDRAGIT(登録商標)(Rohm Pharma GmbH、現Evonik、ドイツ)で入手することができる。好ましい組成物は、Eudragit(登録商標)100L/100Sの混合物である。 腸溶コーティングは、任意の好適な量、例えば、錠剤の約1重量%以上、約3重量%以上、もしくは5重量%以上で、または約20重量%以下、約15重量%以下、もしくは約12重量%以下の量で存在することができる。 粘着防止剤を腸溶コーティング層に用いることができる。粘着防止剤は、コーティングプロセス中にも後にもコーティング錠間の粘着性(すなわち他着性)を低減するまたは最小にするために使用される化合物である。タルク、グリセリルモノステアレートおよび(コロイド状)シリカ(すなわち二酸化ケイ素)またはこれらの混合物が好適な粘着防止剤の例である。任意の好適な量の粘着防止剤を第二コーティング層に使用することができる。 腸溶コーティング層は、任意の好適な量の、例えば、アクリル系コポリマーの約5重量%以上、約10重量%以上の、または約25重量%以下、約20重量%以下の量で、可塑剤を含有することができる。一定の実施形態において、可塑剤は、アクリル系コポリマーの約10重量%から約15重量%の量で存在する。 場合により、艶出し層を第二コーティング層の上に加えてもよい。好適には、艶出し層の組成は、ポリエチレングリコールを含む。 本発明の1つの実施形態に従って、錠剤は、USP参照基準USP32−NF27、すなわち「USPパドル溶出試験法」に従ってUSP溶出装置II(パドル法)100rpm(USPは50rpmを指示しているが)、pH7.2リン酸緩衝液37℃を用いて測定したとき、40分後に約80%以上メサラジンを放出する。 本発明の1つの実施形態に従って、錠剤は、USP参照基準USP32−NF27、すなわち「USPパドル溶出試験法」に従ってUSP溶出装置II(パドル法)100rpm(USPは50rpmを指示しているが)、pH7.2リン酸緩衝液37℃を用いて測定したとき、15分後に約10%以下メサラジンを放出する。 したがって、本発明は、(特に、徐放性のものでない)溶出のより少ない変動性を保証する特定の硬度値およびSalofalk(登録商標)のものに匹敵する有効性を有するメサラジン腸溶錠の調製方法を提供する。 本発明は、本発明の実施形態に従って生産される錠剤および錠剤のバッチも提供する。本発明は、患者を炎症性腸疾患(IBD)について処置する方法をさらに提供し、この方法は、有効量の上記メサラジン遅延放出錠を前記患者に投与することを含む。 以下の実施例は、本発明をさらに例証するものであるが、勿論、いかなる点でも本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。実施例 本実施例は、本発明の1つの実施形態による腸溶錠(750mgの全錠剤重量および656mgのコア重量で500mgの力価)の調製方法を例証するものである。 メサラジンと微結晶性セルロースと二酸化ケイ素とポリビニルピロリドンとの湿潤顆粒を調製する。乾燥後、顆粒を篩にかける。その後、それらの篩にかけた顆粒を微結晶性セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、およびステアリン酸マグネシウムとブレンドする。得られたブレンドを圧縮して錠剤コアを得る。次いで、錠剤コアを、中間および仕上げコートして、Eudragit(登録商標)100L/100Sの混合物と滑石とステアリン酸マグネシウムとクエン酸トリエチルと染料とを含む腸溶コーティングでコートする。中間コーティングは、5mgの総量(したがって、錠剤重量の0.7%およびコア重量の0.8%に相当する)が、メチルヒドロキシプロピルセルロースおよびPEG6000で構成される。 92〜94Nを目標にして83Nと103Nの間のコア硬度を有するように、錠剤コア強度を調整する。 バッチHA758A、FH772C、GD793AおよびEE767Bを上記プロセスに従って製造し、硬度についての要件を満たさないバッチを廃棄する。溶出率(80%)および硬度を下の表1に与える。被験組成物の溶出プロファイルを図1に与える。これは(塩基性pHでの放出が非常に速いので)遅延放出プロファイルの証拠となる。05G、06K、05Fおよび06Eは、Salofalk(登録商標)錠バッチである。Salofalk(登録商標)製品で80%溶出に達するまでの時間の値の非常に高い変動性に気付くはずである。対照的に、本発明は、より低い値(したがって、より速い溶出)およびより少ないばらつきを示す。 潰瘍性大腸炎についての非劣性研究を行って、治験薬(Mesalazine EC錠 500mg)が、共通投薬レジメン3×2錠(=1日3g)で比較薬物療法(Salofalk(登録商標)錠 500mg)と少なくとも同様に有効であるかどうかを判定した(非劣性試験)。本発明による被験製品のバッチ番号は、FH772C、GD793AおよびEE767Bであった。処置継続期間は、3×2錠(=1日3g)の用量で、8週であった。対照治療は、Salofalk(登録商標)錠 500mg、同じ用量、であった。 有効性および安全性に関する無作為化、並行群間比較試験を行った。 スクリーニング:スクリーング時に、徹底的な病歴聴取(complete medical history)および主要な器官系の評価を行った。基本的な血液学、血清化学および尿分析ならびに妊娠試験を行い、糞便病原体についての検査室評定、UC DAI(潰瘍性大腸炎疾患活動指数)スコアおよび結腸内視鏡的病期分類をベースライン来院前7日以内に評価した。 第I回来院:二重盲検レジメンで、1日3回、共通用量3g/日のMesalazine EC 500mgまたはSalofalk(登録商標)での無作為化スケジュールに従って治験薬を渡した。UC DAI日誌を患者に配布した。糞便病原体の検査室評定が陽性であると判明した場合、患者を治験から除外した。 第II回来院(第4週+/−4日):患者が早期治療中止のいずれの基準も満たさなかった場合、UC DAI日誌に基づきUC DAIスコアを計算し、尿検査、包括的フィジカルアセスメント(physical global assessment)、血液および尿試料採取、ならびに悪性事象を評定し、次の4週間の治験薬を配布した。 第III回来院(第8週+/−4日):第II回来院と同じ評価に加えて、返却された治験薬の計算によるコンプライアンス評定。患者が第8週より前に治療を中止した場合、第III回来院を最終来院として登録した。評価基準:主要有効性エンドポイント: 臨床的寛解を果たしたと考えられる患者(UC DAIスコア≦2点)の割合副次的有効性エンドポイント:− 全UC DAIスコア(排便回数、直腸出血、内視鏡評価、医師の全体的評定)の変化。− 以下のことを果たしたと考えられる患者の割合: − 部分奏効:医師の全体的評定+UC DAIの1つの他の構成要素の低減、および最終UC DAIが3ポイントより低くないが、少なくとも2ポイントのUC DAI低減 − 無奏効:臨床的寛解なし、部分奏効なし 各患者内のUC DAIスコア要素の比較:排便回数、直腸出血、内視鏡評価、医師の全体的評定、患者の機能評定患者コンプライアンス(剤形および投薬量) 治験計画書に従って、およびICH−GCPガイドラインに厳格に準拠して、この治験を行った。合計で248名の患者を治験に無作為に割り当て、二重盲検治験薬を施した。122名の患者をMesalazine群におよび126名の患者をSalofalk(登録商標)群に組み入れた。主要変数は、第3来院時に最大で2のUC DAIスコアに達すること(臨床的寛解)であった。観察された臨床的寛解率は、Salofalk(登録商標)群での56.0%と比較してMesalazine群では60.5%であった。処置差(Mesalazine−Salofalk(登録商標))は4.5%であり、両側95%CIは(−8.1%;17.1%)であった。この治験計画書における既定義非劣性マージンは−15%であり、したがってMesalazineの非劣性を結論できた。統計的に有意な処置差は次の変数について検出されなかった。UC DAIのベースラインからの変化、臨床的奏効、直腸出血、粘膜、医師の全体的評定、および患者の機能評定。これらの副次的変数は、主要目的に関連した、裏付けとなる測定値である。有意な処置差が検出できなかったということは、被験薬の非劣性を結論するための裏付けとなる証拠であると考えられる。 37のAE(有害作用)が報告され、それらのうち14がMesalazine群からのものであり、23がSalofalk(登録商標)からのものであった。治験薬関連と考えられる2件のAE(Salofalk(登録商標)群での1件の中程度腹痛、およびMesalazine群での1件の軽度腹痛)が報告された。重度AEは報告されなかった。 この分析により、本発明のメサラジン錠が、主要および副次的エンドポイントに基づき、Salofalk(登録商標)に対して非劣性であることが明らかになり、したがって、軽度から中程度活性潰瘍性大腸炎の処置に関して両方の治験薬間で類似した有効性が実証された。 クローン病についての非劣性研究を行って、治験薬(Mesalazine EC錠 500mg)が、共通投薬レジメン3×3錠(=1日4.5g)で比較薬物療法(Salofalk(登録商標)錠 500mg)と少なくとも同様に有効であるかどうかを判定した(非劣性試験)。本発明による被験製品のバッチ番号は、FH772CおよびHA758Aであった。処置継続期間は、3×3錠(=1日4.5g)の用量で、12週であった。対照治療は、Salofalk(登録商標)錠 500mg、同じ用量、であった。 有効性および安全性に関する無作為化、並行群間比較試験を行った。 診断および主な組入れ基準は、次のとおりであった。− 臨床評価、検査室試験によって、ならびにX線評価または/および結腸内視鏡検査および組織診によって確認された中程度活性状態のクローン病の確定診断;− 少なくとも3ヶ月のクローン病罹患期間;− 220〜400点の間のCDAI(クローン病活性指数)を有する中程度クローン病の急性憎悪;− 18〜75歳の間の患者、男性女性両方; 評価、有効性、の基準は、寛解(主要変数)、CDAI、IBDQ(炎症性腸疾患質問票)(副次的変数)を含んだ。 寛解率を処置群間で比較した。観察された寛解率は、Salofalk(登録商標)(55.1%)と比較して本発明のMesalazine錠のほうがわずかに高かった(58.1%)。それらの95%信頼区画(CI)は、互いにほぼ完全に重なっていた。処置差(Mesalazine−Salofalk(登録商標)についての95%CIは、10.6%から16.6%であり、ゼロを含まなかった。これは、統計的に有意な治療差が、a=0.05有意レベルで検出できなかったことを意味する。この治験では、有害作用頻度の差はなかった。Mesalazine EC錠を、対照活性コンパレータSalofalk(登録商標)錠に対して非劣性と断言する。両方の処置は、十分忍容性であり、安全であった。 本明細書中で引用した出版物、特許出願および特許を含むすべての参照文献は、各参照文献が、参照により援用されていると個々におよび具体的に示されているのと同程度に、ならびにその全体が本明細書中で述べられているのと同程度に、参照により本明細書に援用されている。 本発明を説明する文脈の中での(特に、後続の請求項の文脈の中での)用語「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その(the)」および類似の指示対照の使用は、本明細書中に別の指示がない限り、または文脈により明らかに否定されない限り、単数形と複数形の両方を包含すると解釈しなければならない。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」および「含有する(containing)」は、別の注記がない限り、非限定的用語(すなわち、「含むが、それらに限定されない」を意味する)と解釈しなければならない。本明細書中での値の範囲についての列挙は、本明細書中に別に指示がない限り、その範囲に入るそれぞれの独立した値を個々に指す省略表現法としの役割を果たすためのものに過ぎず、それぞれの独立した値が、個々に本明細書中に列挙されているかのごとく、本明細書に組み込まれている。本明細書に記載するすべての方法は、本明細書中に別の指示がない限り、または別様に文脈により明らかに否定されない限り、任意の好適な順序で行うことができる。本明細書に提供する任意のおよびすべての例、または例示的語法(例えば、「など(such as)」)の使用は、本発明をよりよく例証するためのものに過ぎず、本請求項に別様の記載がない限り、本発明の範囲に制限を加えない。任意の請求項不記載要素を本発明の実施に不可欠と指摘していると解釈すべき語法は、本明細書中にはない。 本発明の好ましい実施形態を、本発明を実施するために本発明者らが知っている最良の様式を含めて、本明細書に記載する。これらの好ましい実施形態の変型は、上述の説明を読むことで当業者には明らかになるだろう。本発明者らは、当業者がかかる変型を適宜用いることを予想しており、また本発明者らは、本発明が本明細書中の特定の記載とは別様に実施されることを意図している。したがって、本発明は、該当する法律によって許される、本明細書に添付の請求項に列挙する主題のすべての修飾形態および等価物を包含する。さらに、本明細書中に別の指示がない限り、または別様に文脈により明らかに否定されない限り、すべての可能な変型での上記要素の任意の組み合わせが本発明に包含される。(i)メサラジン、その医薬的に許容される塩またはエステル、を含む組成物をメサラジン顆粒に造粒する工程と、(ii)(i)で得たメサラジン顆粒を含むコア組成物を打錠して、錠剤コアを得る工程と、(iii)(ii)で得た錠剤コアを少なくとも中間層および腸溶コーティングでコーティングする工程と、を含み、前記錠剤コアの硬度が、80Nと105Nの間に含まれるように制御され、および前記中間層が前記錠剤の2重量%未満に相当する、メサラジン腸溶錠の調製方法。 前記錠剤コア硬度が、約83Nと103Nの間、好ましくは88Nと98Nの間、さらに好ましくは約90Nと約96Nの間、特に約92〜94Nに含まれるように制御される、請求項1に記載の方法。 前記中間層が、前記錠剤の、約0.1重量%以上好ましくは約0.5重量%以上の量で、および約2重量%未満、好ましくは約1重量%未満の量で、好ましくは、約0.5重量%から約1.5重量%、およびさらに好ましくは、約0.5重量%から約0.9重量%の量で存在する、請求項1または2に記載の方法。 前記中間層が、メタクリル酸/メチルメタクリレート共重合体が不在もしくは実質的に不在であり、ならびに/またはセルロース誘導体および/もしくはポリビニルピロリドンを、場合によってはポリオールとともに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。 前記錠剤が、USP溶出装置II(パドル法)、100rpm、pH7.2リン酸緩衝液、37℃を用いて測定したとき、40分後に約80%以上メサラジンを放出する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。 前記錠剤が、USP溶出装置II(パドル法)、100rpm、pH7.2リン酸緩衝液、37℃を用いて測定したとき、15分後に約10%以下メサラジンを放出する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。 前記錠剤が、遅延放出錠である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。 前記錠剤が、回盲領域および上行結腸、好ましくは上行結腸においてメサラジンを放出する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。 前記腸溶コーティング層が、アクリル系ポリマー、好ましくは、メタクリル酸/メチルメタクリレート共重合体もしくはアンモニウムエチルアクリレートタイプB共重合体またはこれらの混合物を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。 前記腸溶アクリル系コポリマーが、前記錠剤の、約1重量%以上、約3重量%以上、もしくは約5重量%以上の量で、および/または約20重量%以下、約15重量%以下、もしくは12重量%以下の量で存在する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。 予備圧縮工程を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。 前記錠剤が、500mg、750mg、800mgまたは1000mgのメサラジンを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。 前記錠剤が、炎症性腸疾患(IBD)の処置のためのものである、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。 前記錠剤が、クローン病および/または潰瘍性大腸炎の処置のためのものである、請求項13に記載の方法。 本発明は、(i)メサラジン、その医薬的に許容される塩またはエステル、を含む組成物をメサラジン顆粒に造粒する工程と、(ii)(i)で得たメサラジン顆粒を含むコア組成物を打錠して、錠剤コアを得る工程と、(iii)(ii)で得た錠剤コアを少なくとも中間層および腸溶コーティングでコーティングする工程と、を含み、該錠剤コアの硬度が、80Nと105Nの間に含まれるように制御され、および該中間層が該錠剤の2重量%未満に相当する、メサラジン腸溶錠を調製する方法を提供する。


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