| タイトル: | 公表特許公報(A)_植物をトランスフェクトする方法 |
| 出願番号: | 2013523501 |
| 年次: | 2013 |
| IPC分類: | C12N 15/09,A01H 5/00 |
ギリッチ,アナトリ シモネンコ,ユーリ ハーン,シモーヌ ティード,ドリーン シヴァールツ,アントン ローマー,パトリック グレバ,ユーリ JP 2013532992 公表特許公報(A) 20130822 2013523501 20110506 植物をトランスフェクトする方法 ノマド・バイオサイエンス・ゲーエムベーハー 513029954 小野 新次郎 100140109 小林 泰 100075270 富田 博行 100096013 星野 修 100092967 泉谷 玲子 100107386 武田 健志 100163784 ギリッチ,アナトリ シモネンコ,ユーリ ハーン,シモーヌ ティード,ドリーン シヴァールツ,アントン ローマー,パトリック グレバ,ユーリ EP 10008393.0 20100811 EP 10008267.6 20100807 C12N 15/09 20060101AFI20130726BHJP A01H 5/00 20060101ALI20130726BHJP JPC12N15/00 AA01H5/00 A AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW EP2011002279 20110506 WO2012019660 20120216 70 20130408 2B030 4B024 2B030AB04 2B030AD07 2B030AD20 2B030CA14 2B030CA17 2B030CB02 4B024AA08 4B024DA05 4B024EA01 4B024EA06 4B024FA02 4B024FA07 4B024GA11 発明の属する分野 本発明は、アグロバクテリウム細胞を含有する水性懸濁液を植物に吹き付けることによる植物の一過性トランスフェクションのための方法に関する。本発明はまた、圃場で生育する植物における形質を発生又は変化させる方法を提供する。本発明はまた、圃場における複数の植物において目的のタンパク質を作製する方法に関する。本発明はまた、圃場における作物を害虫から保護する方法に関する。さらに、本発明は、本発明の方法について圃場で生育する植物の一過性トランスフェクションを大規模に行うのに適している、アグロバクテリウム株を含有する水性懸濁液に関する。本発明はまた、アグロバクテリウム細胞を含有する懸濁液を吹き付けることによる植物の一過性トランスフェクションのための特定の無機物質の使用及び当該特定の無機物質に関する。 発明の背景 現在の農業における遺伝子工学的方法は、作物種の安定な遺伝子改変に全て基づいており、1983年に初めて実証され(Fraley et al 1983; Barton et al 1983)、1996年より商業化されている。植物の安定な遺伝子形質転換に基づいた農業方法は今日において現実的なものであり、極めて上出来な新しい実践の基礎となっているが、制約されることが多く、その主なものは、トランスジェニック作物の成長のために非常に長い時間と高いコストが要求されることである。植物バイオテクノロジー関連の会社の間での一般的なコンセンサスは、R&Dの過程は作物種に応じて8〜16年を必要とすること、及び総平均コストは1〜1.5億ドルに見積もられることである。これらの制約のために、植物の遺伝子形質転換方法が発見されてから25年を超えた後でも、ごく少数の形質とわずかなGM作物種とがこれまでのところ市販化されているのみである。 植物細胞及び植物全体は一過的に再プログラム化されることも可能であり(即ち、新規遺伝物質の植物染色体への安定な組み込みが行われない)、ウイルス感染等の一過性の方法が迅速であることが知られている。そのような一過性の方法は、原理上は、使用者に対して目的とされるある形質又は作成物に有利となる植物代謝を非常に迅速に改変させることができる可能性がある。明らかに、そのような方法は、効果的に且つ安全に植物をトランスフェクトするよう設計されているDNA又はRNAベクター(ウイルス又は細菌)を必要とし、結果として得られる効果は、望ましくない副作用を有するものではない。植物ウイルスに基づくベクターの使用をより早く試みたことは、ある生物医薬品のような高付加価値の組み換えタンパク質を製造するための植物のトランスフェクションを可能としたことにおいて、一部成功している(Gleba et al 2007, 2008; Lico et al 2008)。他の形質、例えば入力形質(input trait)(例えば、除草剤抵抗性、Shiboleth et al 2001; Zhang and Ghabiral 2006)の操作のためのウイルスの使用が文献に記載されているが、ウイルストランスフェクションは、この種の一過性の方法がこれ以上入力形質のために追及されない感染宿主において、非常に多くの望ましくない変化を誘導する。一過性の方法は、アグロバクテリウム種の、そのTiプラスミドの一部を真核細胞、特に植物細胞に移入させる能力を中心に構築されることも可能である。アグロバクテリウムに基づくトランスフェクションの使用は、遺伝子形質転換プロトコール及び実験用の一過性トランスフェクションアッセイ等の遺伝子操作の基本である。アグロバクテリウムに基づくトランスフェクションの工業的適用は、細菌懸濁液での植物の減圧浸潤等の最適な適用条件が現場において大規模に使用できないことから組み換えタンパク質の製造に限定されてもいる一方で、細菌懸濁液での地上部の吹き付け又は植物の散水は非常に小さな割合の植物細胞がトランスフェクトされる結果になると思われており、以前の研究はその特定の疑問を全く取り扱わなかった。一つの方法において、アグロバクテリウムの送達と二次メッセンジャーとしてのウイルスの使用とを組み合わせることは、全長IgG抗体等の複雑な生物医薬品を含む高付加価値組み換えタンパク質の製造において成功を収めている。しかしながら、入力形質又はわずかな標的とされる植物細胞代謝の再プログラム化を要求する形質等の形質に関して言えば、このマグニフェクション法はウイルスベクターが有するように同じ制約を有している。 微生物の植物との相互作用を必要とするある方法を制御するために微生物を使用することの領域においては多くの知識が存在しており、ラクトバチラス(Lactobacillus)及びサッカロマイセス(Saccharomyces)酵母等の微生物をバイオマス発酵(発酵食品、発酵飲料の調製)のために使用すること、生物的防御(アグロバクテリウム株、ミロテシウム(Myrotecium)株)について、及び改良された窒素固定のためにリゾビウム(Rhizobium)株を使用することが挙げられる。生物的防御剤として微生物が探索されている研究論文及び特許では、生物細胞を植物表面に適用すべき方法について非常に多くの知識が存在している;特に、吹き付け条件及びスプレー混合物中に使用されるべき補助剤(湿潤剤、粘着剤等)を同定するよう研究が行われている。そのような研究の例は非常に多い。以下の論文は、この領域における技術の状態を例示する:Arguelles-Arias et al 2009; Nam et al 2009; Johnson 2009による総説。 ブドウ園及び果樹園においてクラウンゴール病を制御するために数十年にわたって使用されている、登録されたアグロバクテリウム リゾゲネス(rhizogenes)/ラジオバクター(radiobacter)株が存在している。2つの商業的に使用される株が存在し、1つはプラスミドを有する天然の株であり(K84)、もう1つは、接合性プラスミドの送達に必要な遺伝子の欠損を通じて改変されている遺伝子改変誘導体である(K1026)(Kerr and Tate 1984; Vicedo et al 1993; Reader et al 2005; Kim et al 2006; Moore 1988における総説)。 アグロバクテリウム ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)及びA.リゾゲネスは、植物の一過性トランスフェクション及び安定な遺伝子形質転換のために世界中の研究所において広く使用されている。これらの適用は、遺伝子情報を真核細胞に伝達させるというアグロバクテリウムの能力に基づいている。今日栽培されている遺伝子改変植物の多く、例えばダイズ、キャノーラ及びワタは、アグロバクテリウムを媒介とした遺伝子形質転換を通じて作成されている。一過性形質転換と安定形質転換との間の本質的な違いは、安定形質転換では、アグロバクテリウム由来DNAが最終的に植物染色体の中に組み込まれ、植物子孫によって以後継承されることである。そのような組み込みの事象は、植物細胞と細菌との間の大量の接触を与えるよう特異的に設計された研究室実験においてでさえ珍しいことである;従って、安定な形質転換体の選択のためには、特異的な選択的スクリーニング方法を利用しなければならない。その後、強力な特性を有するよう、そして植物体の多数の細胞に影響を及ぼすように設計しなければならない一過性の方法に関心を有するものに対しては、この科学領域において蓄積された知識は価値が限られている。 一方、一過性トランスフェクションは、アグロバクテリウム由来DNAを植物細胞の核内に送達するより早期の工程のみを、そのような送達されたDNA分子が、植物特異的なプロモーター及びターミネーター並びにコーディング部分を有する転写ユニットを構成するよう適切に設計されていれば当該DNAが植物染色体の中に取り込まれていなくても核内で転写されるであろうという事実とともに考慮に入れ、そのような発現は結果として植物細胞の一過性の再プログラム化をもたらす。そのような再プログラム化は当初早い段階で達成され、様々な遺伝子実験を迅速に評価するための標準的な実験用ツールに発展している。アグロバクテリウムを媒介とした植物細胞へのDNA送達については非常に多くの知識が存在しているが、少数の事例を除き、その情報は研究室規模の実験に限定されており、これまでのところ、DNAベクターとしてアグロバクテリウムに関して工業的規模で適用することを開発する試みは極めて少数であった。実験室適用の制約の一つは、アグロバクテリウムに基づくDNAの送達が、解放野外において又は大きな規模で適用することが困難又は不可能なある処理を必要とするという事実である。典型的な一過性の実験では、培養された植物細胞又は植物の部分は最大限の送達を行うために過剰な細菌で処理される。典型的な研究実験では、工業的規模で行われるとすれば経済的に実行可能でない発現レベルにも関心が持たれている。一般的に、この領域で行われる研究は、一過性発現に著しく影響を及ぼすパラメーターがアグロバクテリウムを植物体の中の植物細胞に近づける最良の相互作用を可能にするものであるという結論に発明者を導いている。ほとんどのそのような研究は、減圧浸潤、植物の葉への注入又は界面活性剤処理、例えばカミソリ刃での植物表面の創傷、又はこれらの組み合わせを利用している。実際、元のDNAの更なる(ウイルスに基づく)増幅には関与しない組み換えタンパク質の商業生産のためにアグロバクテリウムに基づくトランスフェクション方法を開発している唯一の群は、送達方法として減圧浸潤に完全に依存しているウマゴヤシ属(Medicago)(D’Aoust et al 2008, 2009; Vezina et al, 2009)の群である。しかしながら、非常に過度の細菌−植物細胞比率に基づいているために、植物の一過性トランスフェクションについての現在の実験用プロトコールは大きな翻訳の価値を有してない、即ち、それらは直接的に工業レベルで再現することはできない。少数の事例(例えば、Vaquero et al, 1999, D’Aoust et al, 2008, 2009)を除き、一過性トランスフェクション方法の効率の問題は量的に取り組まれてもいない。(そのような研究の例は多く、我々はごくわずかな代表的なものについて引用を提供する:Li et al, 1992; Liu et al, 1992; Clough and Bent, 1998; De Buck et al, 1998, 2000; Chung et al, 2000; Yang et al, 2000; Zambre et al, 2003; Wroblewski et al, 2005; Lee and Yang, 2006; Zhao et al, 2006; Shang et al, 2007; Jones et al., 2009; Li et al, 2009; De Felippes and Weigel, 2010)。以下に記載する2つの事例を除いて、一過性の方法の効率を定量化する試み、又はその現象の潜在的な商業的大規模な開発に通じるであろう十分な理解を提供する試みは文献において存在しなかった。 今日において開発中である工業的方法の一つはマグニフェクションであり、それは、植物の葉へのアグロバクテリウムの減圧浸潤に基づく方法である。マグニフェクション法(Icon Genetics GmbHによりmagnICON(登録商標)として商標が付されており、いくつかの特許/特許出願によって保護されている)は、植物において異種タンパク質を発現させるための単純で永久的な拡張性のあるプロトコールであり、それは植物の安定な遺伝子形質転換を持たないが、代わりに、アグロバクテリウムによりDNA前駆体として植物体の多くの領域に送達される(体系的な送達)ウイルスベクターの一過性の増幅に依存している。そのような方法は、本質的には、ウイルスRNAレプリコンをコードするT-DNAを有するアグロバクテリウムの希釈懸濁液の成熟植物全体への浸潤である。この方法においては、細菌は(これまではウイルスの)一次感染及び全身移行の機能を担う一方で、ウイルスベクターは、細胞間(cell-to-cell)の(短距離での)拡散、増幅及び高レベルのタンパク質発現を提供する。植物細胞の中にウイルスゲノムコピーを送達するアグロバクテリウムによってウイルス感染を起こすことができるという最初の実証は、Grimsley et al, 1986の先駆的な活動によってもたらされ、そこではDNAウイルスが送達され、当初は非常に効率が低かったが、DNAコピーとして送達される細胞質内RNAウイルスであるtmvでの感染がTurpen et al 1993の研究によってもたらされた。しかしながら、現在の技術は非常に効果的であり、少しのタバコ植物で、最適化を早く構築したり、前臨床又は臨床評価のための組み換えタンパク質、或いは製造用の個別ワクチンの場合での組み換えタンパク質をミリグラムからグラム量で迅速に製造したりするのに十分である。スケールアップ(工業的)バージョンは基本的に同じであるが、(植物体への集合を必要とするプロベクター(pro-ventor)よりもむしろ)十分に集められたウイルスベクターの周りで構築され、減圧浸潤によって植物全体にアグロバクテリウムをハイスループットに送達するための装置が必要とされる。その方法はスケールアップすることができるが、植物の地上部を細菌懸濁液の中へ減圧下で浸漬させること(その方法はポット内又はトレイ内で生育する植物を反転することを含む)や、このような方法で処理され得るバイオマスの量、方法のスループット、処理前に植物を栽培できる方法に制約を課す手順が必要とされ、そしてある種のコストもかかり、高価格製品、例えば組み換え生物医薬品のみ、にその方法の使用を制限する。マグニフェクション法は、処理した植物のほとんど全ての葉の細胞のトランスフェクションを可能とし、或いは全ての気生植物バイオマスの約50%(残りは茎及び葉柄である)を与えているため、効率的である。その方法は、多くの方法において、特に一次DNA転写産物の翻訳後修飾の最適化を通じてのウイルスレプリコン放出の改善を経て最適化されている(Marillonnet et al, 2005)。しかしながら、現在の方法は、植物の葉への注入若しくは減圧浸潤(例えば、Simmons et al, 2009)、葉の創傷(Andrews and Curtis, 2005)、又は土壌へのアグロバクテリウムの注ぎ込み等の細菌の送達方法の周囲に完全に作り上げられており、一方で当該方法は、圃場における植物の大量処理に適用することができない(Gleba et al, 2004, 2007, 2008における総説; Lico et al, 2008; 最初の記事はGiritch et al. 2006を含む; Marillonnet et al., 2004, 2005; Santi et al, 2006; そして他の研究グループから観念学的に類似している文献−Voinnet et al, 2003; Sudarshana et al, 2006; Gao et al, 2006; Mett et al, 2007; Lindbo, 2007a,b; Plesha et al, 2007, 2009; Huang et al, 2006; Regnard et al 2009; Green et al, 2009; Shoji et al, 2009)。 アグロバクテリウム ツメファシエンス及びA.リゾゲネス(thizogenes)は大多数の場合において使用されるDNAベクターであるが、植物細胞への類似のDNA送達を行うことができる他種の細菌が存在することは述べておくべきである(Broothaerts et al, 2005)。 減圧浸潤の後に植物全体へのアグロバクテリウム処理を定量化する試みは、少数の研究グループのみによって実施されている。Joh et al, 2005, 2006の文献では、全ての組み換えタンパク質発現によって測定されたように、最高に使用された細菌密度の109cfu/mlが(108cfu/ml又は107cfu/mlに対して)最も良いことが結論付けられている。Lindbo, 2007a, bの実験では、我々の作業におけるものと基本的に似ている結果が得られているが、感染された細胞の計測は実施されておらず、その結論は組み換えタンパク質発現レベルから導き出されていた。 減圧浸潤を行わずに植物全体へのアグロバクテリウム処理を用いようとする試みは、初めに感染される細胞の数が極めて少ないという結果をもたらし、そのために、その方法の実用的な適用は非常に制限されている。文献に開示されているこの最初の制限を回避する一つの方法は、ウイルスに基づく細胞間移行及び全身移行で補うことにより初めに非効率であった方法を増進させるであろう植物ウイルス等の効果的な二次メッセンジャーを使用することである(Azhakanandam et al, 2007)。植物ウイルス又は植物ウイルスベクターのDNAコピーのアグロバクテリウムに基づく送達はずっと以前に記載されており(Grimsley et al, 1986、及びTMVについては−Turpen et al, 1993)、それは、植物中の少数の細胞に送達された初めのレプリコンを、ウイルスの細胞間移行及び全身移行等のウイルス感染法を使用することによって体の残部に拡張することを可能にしている。ウイルス感染は植物の能力を劇的に変化させるため、そのような方法は我々の目的について実用的な有用性を制限している;現在受け入れられている適用はいずれも植物内で製造される組み換えタンパク質の領域の中である(Gleba et al, 2007, 2008による総説)。引用されているAzhakanandam et al, 2007の文献は初めの感染の効率を定量化しようと試みることすら行っておらず、それはトランスフェクション培地中の非常に大量のアグロバクテリウムに基づいているということも注目されるべきである。 先行技術から離れて、本発明の目的は、圃場で生育する多くの植物に適用できるよう植物を一過的にトランスフェクトする効果的な方法を提供することである。本発明の目的はまた、圃場で生育する植物における形質を変化させる方法を提供することである。特に、本発明の目的は、植物の細胞内空間の中にアグロバクテリウムを導入するために圧力差を適用することを必要としない、アグロバクテリウムを用いた大規模な一過性の植物トランスフェクションを可能とする効果的な方法を提供することである。この目的に適したアグロバクテリウム製剤を提供することも目的である。 発明の概要 従って、本発明は以下を提供する:(1)核酸コンストラクト又は目的のDNA配列で植物をトランスフェクトする方法であって、該植物、例えば該植物の地上部に、懸濁液中にアグロバクテリウム株の細胞、及び好ましくは少なくとも一つの研磨剤を含有する水性懸濁液を吹き付けることを含み、該アグロバクテリウム株は、目的のDNA配列を含有する核酸コンストラクトを含むDNA分子を含む、前記方法。該目的のDNA配列は、該植物内で発現されるべきタンパク質又はRNAをコードしていてもよい。(2)植物における形質を発生又は変化させる方法であって、 該植物を準備し; 懸濁液中に懸濁されたアグロバクテリウム株の細胞及び少なくとも一つの研磨剤を含有する水性懸濁液を該植物の地上部に吹き付けることを含み、該形質を発生又は変化させることの可能なタンパク質又はRNAを該植物内で発現させる、 該アグロバクテリウム株は、目的のDNA配列を含有する核酸コンストラクトを含むDNA分子を含み、該目的のDNA配列は該タンパク質又は該RNAをコードする、ことを含む、前記方法。(3)植物における形質を発生又は変化させる方法であって、(i)該植物を所望の生育状態まで生育させ;(ii)懸濁液中に懸濁されたアグロバクテリウム株の細胞及び少なくとも一つの研磨剤を含有する水性懸濁液を該植物の地上部に吹き付けることを含み、該形質を発生又は変化させることの可能なタンパク質又はRNAを該植物内で発現させる、 該アグロバクテリウム株は、目的のDNA配列を含有する核酸コンストラクトを含むDNA分子を含み、該目的のDNA配列は該タンパク質又は該RNAをコードする、ことを含む、前記方法。(4)植物において目的のタンパク質を製造する方法であって、(i)該植物を所望の生育状態まで生育させ;(ii)懸濁液中に懸濁されたアグロバクテリウム株の細胞及び少なくとも一つの研磨剤を含有する水性懸濁液を該植物の地上部に吹き付けることを含み、目的の該タンパク質を該植物内で発現させる、 該アグロバクテリウム株は、目的のDNA配列を含有する核酸コンストラクトを含むDNA分子を含み、該目的のDNA配列は該目的のタンパク質をコードする、ことを含む、前記方法。(5)圃場における作物を害虫から保護する方法であって、(i)該圃場の土壌で該植物を生育させ;(ii)該植物の所望の生育状態において、害虫による該植物の少なくとも一つの侵入を決定し;(iii)懸濁液中に懸濁されたアグロバクテリウム株の細胞及び少なくとも一つの研磨剤を含有する水性懸濁液を該植物の地上部に吹き付けることを含み、前工程で決定された害虫に対して有害なタンパク質又はRNAを該植物内で発現させる、 該アグロバクテリウム株は、プロモーターに作動可能に結合された目的のDNA配列を含有する核酸コンストラクトを含むDNA分子を含み、該目的のDNA配列は該タンパク質又は該RNAをコードする、ことを含む、前記方法。(6)該水性懸濁液が、該懸濁液の最大2.2×107cfu/ml、好ましくは最大1.1×107cfu/ml、より好ましくは最大4.4×106cfu/ml、さらに好ましくは最大の1.1×106cfu/mlの濃度で該アグロバクテリウム株の細胞を含有する、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の方法。(7)該研磨剤が、水和剤用の特定の無機担体、例えばシリカ又はカーボランダムである、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の方法。(8)該水性懸濁液が、該懸濁液の0.02〜2重量%の間、好ましくは0.05〜1重量%の間、そしてより好ましくは0.1〜0.5重量%の間の量で該研磨剤を含有する、(7)に記載の方法。(9)懸濁液に添加される研磨剤の平均粒子径が0.1〜30μmの間、好ましくは0.1〜10μmの間、より好ましくは0.5〜10μmの間、そして最も好ましくは0.5〜5μmの間である、(7)又は(8)に記載の方法。(10)研磨剤が最大40μm、好ましくは最大30μmのD90値を有し;そして研磨剤が45μmを超える、好ましくは40μmを超える大きさを有する粒子を含有しない、(7)〜(9)のいずれか1つに記載の方法。(11)該懸濁液が、農業用吹き付け補助剤、好ましくは非イオン性界面活性剤又は湿潤剤をさらに含む、(1)〜(10)のいずれか1つに記載の方法。(12)吹き付け補助剤が、オルガノシリコン湿潤剤、例えばSilwet L-77である、(11)に記載の方法。(13)該核酸コンストラクトがT-DNAボーダー配列の少なくとも一つの側の横に配置しており、該植物の細胞内に該核酸コンストラクトを送達させることができる、(1)〜(12)のいずれか1つに記載の方法。(14)該核酸コンストラクトが、該目的のタンパク質をコードする複製ウイルスベクターをコードし、該ウイルスベクターが該植物において全身移行することができない、(1)〜(13)のいずれか1つに記載の方法。(15)該目的のDNA配列が、植物細胞において活性的なプロモーターに作動可能に結合されている、(1)〜(13)のいずれか1つに記載の方法。(16)懸濁液中に懸濁されたアグロバクテリウム株の細胞及び少なくとも一つの研磨剤を含有する水性懸濁液であって、該水性懸濁液が、該懸濁液の最大4.4×107cfu/ml、好ましくは最大1.1×107cfu/ml、好ましくは最大4.4×106cfu/ml、より好ましくは最大1.1×106cfu/mlの濃度で該アグロバクテリウム株の細胞を含有し;該アグロバクテリウム株は、プロモーターに作動可能に連結されていてもよい異種の目的のDNA配列を含有する核酸コンストラクトを含む異種DNA分子を含み;該懸濁液は、好ましくは非イオン性湿潤剤、例えばオルガノシリコン界面活性剤を場合によりさらに含む、前記懸濁液。(17)該植物が双子葉植物である、(1)〜(15)のいずれか1つに記載の方法。(18)該植物が、タバコ若しくはタバコ(Nicotiana)属の他種、テンサイ若しくはベタ(Beta)属の他種、トマト、ジャガイモ、トウガラシ、ダイズ、アルファルファ、エンドウ、豆類、ナタネ若しくはアブラナ(Brassica)属の他種、ワタである、(17)に記載の方法。(19)該植物が単子葉植物である、(1)〜(15)のいずれか1つに記載の方法。(20)該植物が、イネ、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、オーツ麦、キビ、ソルガムである、(19)に記載の方法。(21)該タンパク質が、セルロース又はヘミセルロースポリマーの糖化に使用されるセルラーゼである、(4)に記載の方法。(22)植物の一過性トランスフェクションのための特定の無機物質の使用。該使用において、植物は、アグロバクテリウム細胞及び特定の無機物質を含有する水性懸濁液を吹き付けられてもよい。(23)懸濁液中に少なくとも一つの研磨剤を含有する水性懸濁液を植物の地上部に吹き付け、続けて、目的のDNA配列を含有する核酸コンストラクトを含むDNA分子を含むアグロバクテリウム株の細胞を含有する水性懸濁液を該植物の地上部に吹き付けることを含む、植物をトランスフェクトする方法。該目的のDNA配列は、該植物内で発現されるべきタンパク質又はRNAをコードしていてもよい。(24)核酸コンストラクト又は目的のDNA配列で植物をトランスフェクトする方法であって、該植物、例えば該植物の地上部に、アグロバクテリウム株の細胞を含有する水性懸濁液を吹き付けることを含み、該アグロバクテリウム株が、目的のDNA配列を含有する核酸コンストラクトを含むDNA分子を含み;該水性懸濁液が、該懸濁液の最大2.2×107cfu/ml、好ましくは最大1.1×107cfu/ml、より好ましくは最大4.4×106cfu/ml、さらに好ましくは最大の1.1×106cfu/mlの濃度で該アグロバクテリウム株の細胞を含有し;該懸濁液が、農業用吹き付け補助剤、好ましくは非イオン性界面活性剤又は湿潤剤をさらに含む、前記方法。 本発明の発明者らは、アグロバクテリウムによる植物トランスフェクションの達成確率を強力に向上させる方法を見出した。本発明者らは、水性アグロバクテリウム懸濁液に不溶性である特定の物質の添加が、植物の地上部に懸濁液を吹き付けることにより達成されるトランスフェクション効率を強力に高めることを見出した。高度な効率が達成されることは、初めて農業分野のような大きな規模でアグロバクテリウム懸濁液を用いた植物のトランスフェクションを行うことを可能とし、それにより、圧力差を利用する煩雑な浸潤法を回避することができる。本発明はまた、これまでアグロバクテリウム懸濁液での吹き付け形質転換を受け入れられなかった植物のトランスフェクションも可能とする。 図面の詳細な説明図1は、実施例において使用されるベクターを図式的に示す。RB及びLBは、T-DNAの右ボーダー及び左ボーダーを意味する。P35S:カリフラワーモザイクウイルス35S プロモーター;O:オメガ翻訳エンハンサー;Tnos:ノパリンシンターゼターミネーター;Tocs:ocsターミネーター。図2A及びBは、細胞間移行能力を有するTMVに基づくウイルスベクターを表す。Pact2:シロイヌナズナ(Arabidopsis)アクチン2遺伝子のプロモーター;o:TVCV(カブ葉脈透過ウイルス(turnip vein clearing virus))由来の5’末端;RdRp:cr-TMV(アブラナ感染性トバモウイルス(crucifer-infecting tobamovirus))由来のRNA依存性RNAポリメラーゼのオープンリーディングフレーム(ORF);MP:cr-TMV由来の移行タンパク質(movement protein)のORF;N:cr-TMV由来の3’非翻訳領域;Tnos又はnos:ノパリンシンターゼターミネーター;SP:シグナルペプチド;RdRp及びMMP ORFにおける灰色部分の間に入っている白色部分は、植物細胞の細胞質におけるRNAレプリコン形成の可能性を増加させるためにこれらのORF内に挿入されたイントロンを示し、そのことはWO2005049839において詳細に記載されている。図2A及びBは、細胞間移行能力を有するTMVに基づくウイルスベクターを表す。Pact2:シロイヌナズナ(Arabidopsis)アクチン2遺伝子のプロモーター;o:TVCV(カブ葉脈透過ウイルス(turnip vein clearing virus))由来の5’末端;RdRp:cr-TMV(アブラナ感染性トバモウイルス(crucifer-infecting tobamovirus))由来のRNA依存性RNAポリメラーゼのオープンリーディングフレーム(ORF);MP:cr-TMV由来の移行タンパク質(movement protein)のORF;N:cr-TMV由来の3’非翻訳領域;Tnos又はnos:ノパリンシンターゼターミネーター;SP:シグナルペプチド;RdRp及びMMP ORFにおける灰色部分の間に入っている白色部分は、植物細胞の細胞質におけるRNAレプリコン形成の可能性を増加させるためにこれらのORF内に挿入されたイントロンを示し、そのことはWO2005049839において詳細に記載されている。図3は、細胞間移行能力を欠損するTMVに基づくベクターを表す。MP ORF内の点変異は、正確なMP翻訳を妨げるフレームシフト(fs)を引き起こす。図4A及びBは、細胞間移行能力を有するPVX(ジャガイモウイルス(potato virus)X)に基づくベクターを表す。PVX-pol:PVX由来のRNA依存性RNAポリメラーゼ;CP:コートタンパク質のORF;25K、12K及び8はともに、PVX由来の25kDa、12kDa及び8kDaのトリプルジーンブロック(triple gene block)分子を示す;N:PVX由来の3’非翻訳領域。図4A及びBは、細胞間移行能力を有するPVX(ジャガイモウイルス(potato virus)X)に基づくベクターを表す。PVX-pol:PVX由来のRNA依存性RNAポリメラーゼ;CP:コートタンパク質のORF;25K、12K及び8はともに、PVX由来の25kDa、12kDa及び8kDaのトリプルジーンブロック(triple gene block)分子を示す;N:PVX由来の3’非翻訳領域。図5A及びBは、全身移行及び細胞間移行の両方が機能しない配列をコードするコートタンパク質が欠失したPVXに基づくベクターを表す。図5A及びBは、全身移行及び細胞間移行の両方が機能しない配列をコードするコートタンパク質が欠失したPVXに基づくベクターを表す。図6は、実施例2に示されるように、ベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana)植物からの葉を0.1重量%の界面活性剤Silwet L-77を含有する希釈されたアグロバクテリウム培養物の中に1分間浸漬した後のGFP発現に起因する、4dpi(接種後の日数(days post inoculation))のUV光の下でのGFP蛍光を示す写真である。数値10-2及び10-3は、600nmでOD=1.5のアグロバクテリウム一晩培養物の希釈係数を示し、そのため、それぞれ100倍及び1000倍の希釈を示す。用いられたベクターが示されており、図1から5に示される適切なベクターと関連することができる。35S-GFP+P19−35Sプロモーターの制御下でGFPを発現し、P19サイレンシング抑制因子(suppressor of silencing)と共発現される転写ベクター(pNMD293);TMV(fsMP)-GFP及びPVX(ΔCP)-GFP−細胞間移行能力を欠損しているウイルスベクター(それぞれ、pNMD570及びpNMD620)。(示されている)GFP発現細胞の百分率は、葉身の左半分からのプロトプラストを単離した後に計測した。図7は、GFP発現細胞を計測するための単離プロトプラストの写真を示す。ベンサミアナタバコの葉をアグロバクテリウム懸濁液(OD600=1.5、希釈係数10-3)に浸漬した後に単離されたGFP発現プロトプラスト。TMV(fsMP)-GFP−細胞間移行能力を欠損しているTMVに基づくウイルスベクター(pNMD570)。0.1% Silwet、1分間の浸漬、プロトプラストは4dpiで単離した。図8 ベンサミアナタバコの葉をアグロバクテリウム懸濁液(OD600=1.5、希釈係数10-2及び10-3)に浸漬した後のトランスフェクション効率に対するSilwet L-77濃度及びアグロバクテリウム培養密度の影響。35S-GFP+P19−35Sプロモーターの制御下でGFPを発現し、P19サイレンシング抑制因子と共発現される転写ベクター(pNMD293)。Silwetの濃度0.1%及び0.05%、10秒間の浸漬、8dpi。図9 ベンサミアナタバコの葉をアグロバクテリウム懸濁液(OD600=1.5、希釈係数10-2及び10-3)に浸漬した後のトランスフェクション効率に対するSilwet L-77濃度及びアグロバクテリウム培養密度の影響。TMV(fsMP)-GFP−細胞間移行能力を欠損しているTMVに基づくウイルスベクター(pNMD570)。Silwetの濃度−0.1%及び0.05%、10秒間の浸漬、8dpi。GFP発現細胞の百分率は、葉身の左半分からのプロトプラストを単離した後に計測した。図10 ベンサミアナタバコの葉をアグロバクテリウム懸濁液(OD600=1.5、希釈係数10-2及び10-3)に浸漬した後のトランスフェクション効率に対するSilwet L-77濃度及びアグロバクテリウム培養密度の影響。PVX(ΔCP)-GFP−細胞間移行能力を欠損しているPVXに基づくウイルスベクター。Silwetの濃度0.1%及び0.05%、10秒間の浸漬、8dpi。GFP発現細胞の百分率は、葉身の左半分からのプロトプラストを単離した後に計測した。図11 ベンサミアナタバコの、アグロバクテリウム懸濁液中への浸漬/アグロバクテリウム懸濁液の吹き付け、により達成されたトランスフェクション率の比較。希釈係数及びトランスフェクション率が示されている。Silwet L-77濃度は0.1重量%であった。アグロバクテリウム懸濁液(pNMD570、細胞間移行能力を欠損しているTMVに基づくウイルスベクター)をOD600=1.5まで増殖させ、0.1% Silwet-77が追加された浸潤用のバッファーに100倍(10-2)及び1000倍(10-3)希釈した。浸漬時間10秒。写真は8dpiで撮影した。GFP発現細胞の百分率は、葉身の左半分からのプロトプラストを単離した後に計測した。図12は、希釈されたアグロバクテリウムを界面活性剤での吹き付けによってベンサミアナタバコに送達した後のGFP発現の写真を示す:細胞間移行能力を有するTMVに基づくウイルスベクター(TMV-GFP、pNMD560);アグロバクテリウム懸濁液は、示されているように10-2又は10-3の希釈係数により希釈した;0.1% SilwetL-77、8dpiで撮影された写真。図13Aは、異なる植物をOD600=1.5アグロバクテリウム懸濁液の100倍(希釈係数10-2)希釈で(無針シリンジを用いて)浸潤することによるトランスフェクション実験の結果を示す。吹き付けのために使用される懸濁液は、実施例3に記載されるように0.1重量%のSilwet L-77を含有した。それぞれの場合について、同じ葉が、通常の光の下、及びGFP発現を示すUV光の下で示されている。点線の円は、処理した葉の領域を示す。処理された葉の領域の隣の数値は、以下の通り使用された株/ベクターを示す:A)シリンジ浸潤。ベクター:1−TMV(fsMP)-GFP(pNMD570);2−TMV(MP)-GFP(pNMD560);3−PVX(ΔCP)-GFP(pNMD620);4−PVX(CP)-GFP(pNMD630);5−35S-GFP+P19(pNMD293)。アグロバクテリウム培養物はOD600=1.5まで増殖させ、100倍希釈した;8dpiで撮影した写真。B)Aにおいてと同様であるが、トランスフェクションは減圧浸潤により実施した。ベクター:PVX(CP)-GFP(pNMD630)。アグロバクテリウム培養物はOD600=1.5まで増殖させ、100倍希釈した;43dpiで撮影した写真。図14 キク科(Asteraceae)、アカザ科(Chenopodiaceae)、ウリ科(Cucurbitaceae)及びアオイ科(Malvaceae)のファミリーメンバーでのシリンジ浸潤を使用した最適な発現ベクターのスクリーニング。数値は、以下の通り使用された株/ベクターを示す:1−TMV(fsMP)-GFP(pNMD570);2−TMV(MP)-GFP(pNMD560);3−PVX(ΔCP)-GFP(pNMD620);4−PVX(CP)-GFP(pNMD630);5−35S-GFP+P19(pNMD293)。アグロバクテリウム培養物(OD600=1.5-1.7)の希釈係数:10-2;8dpiで撮影した写真。図15は、アグロバクテリウムのトランスフェクションを促進する因子を示す:アセトシリンゴン(AS)。ベクター:1−TMV(fsMP)-GFP(pNMD570);2−TMV(MP)-GFP(pNMD560);3−PVX(ΔCP)-GFP(pNMD620);4−PVX(CP)-GFP(pNMD630);5−35S-GFP+P19(pNMD293)。アグロバクテリウム培養物(OD600=1.5-1.7)の希釈:10-2。AS処理については、200μMのアセトシリンゴン(AS)をトランスフェクションの2時間前にアグロバクテリウム懸濁液に添加した。比較のため、ASを含有しない懸濁液でトランスフェクトされた葉も示されている(no AS)。図16 OD600=1.0のアグロバクテリウム懸濁液を1000倍に希釈したものを植物全体に吹き付けた後の様々なタバコ種におけるUV光の下でのGFP発現を示している写真。細胞間移行能力及び全身移行能力を有するPVXに基づくウイルスベクターを使用した(PVX(+CP)-GFP、pNMD600)。吹き付けられた懸濁液は、0.1重量%のSilwet L-77を含有した。12dpiで撮影した写真。図17は、界面活性剤で浸漬させることによりホウレンソウ植物及びビート植物に希釈アグロバクテリウムを送達した後のGFP発現を示す。転写ベクター並びに細胞間移行能力を持たないTMVに基づくウイルスベクター及びPVXに基づくウイルスベクターを使用した。アグロバクテリウム培養物はOD600=1.5まで増殖させ、1:100希釈した;0.1% Silwet L-77、10秒間の浸漬、12dpiで撮影した写真。図18は、界面活性剤の存在下で吹き付けることによりトマト(Lycopersicon esculentum)植物に希釈アグロバクテリウムを送達した後のGFP発現を示す。使用したベクターは、PVX(CP)-GFP(pNMD630)であった。アグロバクテリウム培養物(OD600=1.5)の希釈係数:10-2、0.1% Silwet L-77、200μMアセトシリンゴン;14dpiで撮影した写真。図19は、界面活性剤を吹き付けることによりインカベリー(シマホオズキ)(Physalis peruviana)植物に希釈アグロバクテリウムを送達した後のGFP発現を示す。ベクターPVX(CP)-GFP(pNMD630)。アグロバクテリウム培養物(OD600=1.5)の希釈:10-2、0.1% Silwet L-77、200μMアセトシリンゴン;14dpiで撮影した写真。図20は、シリンジを用いた浸潤によるトランスフェクションと吹き付けによるトランスフェクションとの間の比較を示す。数値は、使用したアグロバクテリウム株/ベクターを示す。アグロバクテリウム懸濁液でのシリンジ浸潤の使用及び吹き付けによる希釈アグロバクテリウムのワタ(Gossipium hirsutum L.)の葉への送達。アグロバクテリウム(ICF320株)の一晩培養物をOD600=1.7〜2.0まで増殖させ、浸潤のためにバッファーで10-2の係数により希釈し、そして、使用する前に200μMアセトシリンゴンで2時間インキュベートした。スプレーについては、アグロバクテリウム懸濁液に0.1% Silwet L-77をさらに追加した。浸潤:1−TMV(fsMP)-GFP(pNMD570);2−TMV(MP)-GFP(pNMD560);3−PVX(ΔCP)-GFP(pNMD620);4−PVX(CP)-GFP(pNMD630);5−35S-GFP+P19(pNMD293)。吹き付け:TMV(MP)-GFP(pNMD560)。ベンサミアナタバコ植物を陽性対照として使用した。図21は、転写ベクター及びウイルスベクターを有するアグロバクテリウムの懸濁液で浸潤されたワタ(Gossipium hirsutum L.)の葉におけるGFP発現を示す。A)クーマシー染色でのSDS-PAGE;B)抗GFP抗体(1:3000)でプローブしたウェスタンブロット、二次抗体:抗マウスHRP(1:5000)。レーンは以下の通りである:1−ベンサミアナタバコ(N.benthamiana)の非感染の葉;2−ワタの非感染の葉;3−赤キャベツ(red cabbage)の非感染の葉;4−タンパク質ラダー(Fermentas、#SM0671);5−ベンサミアナタバコにおけるTMV(fsMP)-GFP(pNMD570);6−ワタにおけるTMV(fsMP)-GFP(pNMD570);7−ワタにおけるTMV(MP)-GFP(pNMD560);8−ワタにおけるPVX(ΔCP)-GFP(pNMD620);9−ワタにおけるPVX(CP)-GFP(pNMD630);10−ワタにおける35S9-GFP+P19(pNMD293)。100mgの葉材料を、ベータメルカプトエタノールを含有する600μlの1×レムリー(Laemmli)バッファーで煮沸した;2.5μlの溶液をゲル上に乗せた。図22は、界面活性剤での吹き付けを利用してテンサイ(Beta vulgaris L.)の葉にアグロバクテリウムを送達した後のGFP発現を示す;アセトシリンゴン及び研磨剤の影響。ベクター:PVX(CP)-GFP(pNMD630)。吹き付けを行う前にアグロバクテリウムの細胞を200μMアセトシリンゴンで2時間インキュベートした。研磨剤の処理については、0.3%カーボランダム(F800、F1000及びF1200粒子の炭化ケイ素混合物、Mineraliengrosshandel Hausen GmbH、テルフス、オーストリア)をアグロバクテリウム懸濁液に添加した。OD600=1.4のアグロバクテリウムの希釈係数:10-2。葉におけるGFP発現スポットが右に示されている。図23は、界面活性剤及び研磨剤を吹き付けることにより異なる種の植物に希釈アグロバクテリウムを送達した後のGFP発現を示す。ベクター:TMV(MP)-GFP(pNM600)及びPVX(CP)-GFP(pNMD630)、アグロバクテリウム培養物(OD600=1.5)の希釈係数:10-2、0.1% Silwet L-77、0.3%炭化ケイ素。図24は、ウイルスベクターを有するアグロバクテリウムでベンサミアナタバコ植物を連続して3回処理した後の発現を示す。葉の浸漬は、7日間の間隔で順に実施した。A)PVX(ΔCP)-GFP、PVX(CP)-dsRED、TMV(MP)-GFP;B)TMV(fsMP)-GFP、PVX(CP)-dsRED、PVX(CP)-GFP;C)PVX(ΔCP)-GFP、TMV(MP)-dsRED、PVX(CP)-GFP;D)TMV(fsMP)-GFP、PVX(CP)-dsRED、TMV(MP)-GFP;E)TMV(fsMP)-GFP、TMV(MP)-dsRED、TMV(MP)-GFP;F)PVX(ΔCP)-GFP、TMV(MP)-dsRED、TMV(MP)-GFP;G)TMV(fsMP)-GFP、PVX(CP)-dsRED、TMV(MP)-GFP;H)PVX(ΔCP)-GFP、PVX(CP)-dsRED、TMV-GFP。単回処理:I)TMV(fsMP)-GFP;J)PVX(ΔCP)-GFP;K)TMV(MP)-GFP;L)PVX(CP)-GFP;M)TMV(MP)-dsRED及びN)PVX(CP)-dsRED。図25 TMV(MP)-GFP(pNM600)ベクター及びPVX(CP)-GFP(pNMD630)ベクターを有するアグロバクテリウムの懸濁液(10-2希釈係数)を吹き付けたベンサミアナタバコ植物におけるGFP発現の分析。A)吹き付けによりトランスフェクトされたベンサミアナタバコ植物、15dpiで撮影した写真。B)クーマシー染色でのSDS-PAGE;12%ゲル、還元条件。吹き付けによりトランスフェクトされたGFPを発現するベンサミアナタバコ植物からの葉を15dpiで採取した。植物材料を、ベータメルカプトエタノールを含有する6倍量の1×レムリーバッファーで抽出した。95℃で加熱した後、10μlの溶液をゲル上に乗せた。L−タンパク質ラダー(Fermentas、#SM0671);1−TMV(MP)-GFP、植物1;2−TMV(MP)-GFP、植物2;3−TMV(MP)-GFP、植物3;4−PVX(CP)-GFP、植物1;5−PVX(CP)-GFP、植物2;6−PVX(CP)-GFP、植物3;U−非感染ベンサミアナタバコ葉組織;7−TMV(MP)-GFP、減圧浸潤された植物;8−PVX(CP)-GFP、減圧浸潤された植物。RbcL−RUBISCOラージサブユニット。図26 細胞間移行が可能なTMVに基づくウイルスベクターのアグロバクテリウム懸濁液を吹き付けられたベンサミアナタバコ植物において発現されたヒトインターフェロンアルファA(Hu-IFN-αA)及びKlip27−ミニインスリンの分析に関するクーマシー染色でのSDS-PAGE。A)Hu-IFN-αA:pNMD38及びpNMD45ベクター、アグロバクテリウム培養物の希釈係数10-2、12dpiでの採取。L−タンパク質ラダー(Fermentas、#SM0671);1−pNMD38、シリンジ浸潤;2−pNMD38、吹き付け、葉1;3−pNMD38、吹き付け、葉2;4−pNMD38、吹き付け、葉3;5−pNMD45、吹き付け、葉1;6−pNMD45、吹き付け、葉2;7−pNMD45、吹き付け、葉3;U−非感染ベンサミアナタバコ葉組織。B)Klip27−ミニインスリン:pNMD331ベクター、アグロバクテリウム培養物の希釈係数10-2及び10-2、12dpiでの採取。L−タンパク質ラダー(Fermentas、#SM0671);1−pNMD331、シリンジ浸潤、希釈10-3;2−pNMD331、吹き付け、希釈10-3;3−pNMD331、シリンジ浸潤、希釈10-3。植物材料を、ベータメルカプトエタノールを含有する6倍量の1×レムリーバッファーで抽出した。10μlの溶液を還元条件下で15%ポリアクリルアミドゲルにおいて分離した。図27 細胞間移行が可能なTMV ベクターを有する希釈されたアグロバクテリウム培養物を吹き付けることにより得られたベンサミアナタバコ植物におけるセルラーゼの発現(7及び10dpi)。ベンサミアナタバコ植物を、無針シリンジ又は0.1% Silwet L-77での吹き付けのいずれかによってアグロバクテリウム培養物(OD600=1.3)の10-2希釈(上図)及び10-3希釈(下図)で接種した。融合セルラーゼのタンパク質レベルを、クーマシー染色でのSDS-PAGEを用いて粗抽出物において分析した。粗抽出物については、10dpiで採取された50mgの植物(3枚の独立した葉を合わせた試料)を液体窒素中で粉末化し、5倍量の2×レムニーバッファーで抽出し、そして95℃で5分間変性させた。7.5μlの各試料を10% SDS-PAGE及びクーマシー染色により分析した。L−タンパク質ラダー(Fermentas、#SM0671);1−非感染ベンサミアナタバコ葉組織;2−アポプラストを標的としているサーモビフィダ フスカ(Thermobifida fusca)由来のエキソ型セルラーゼE3;3−アポプラストを標的としているトリコデルマ リーゼイ(Trichoderma reesei)由来のエキソグルカナーゼ1(CBH I);4−葉緑体を標的としているフミコーラ グリセア(Humicola grisea)由来のb-グルコシダーゼBGL4;5−サイトゾルにおいて発現しているフミコーラ グリセア由来のb-グルコシダーゼBGL4;6−フミコーラ グリセア由来のHisタグb-グルコシダーゼBGL4;7−葉緑体を標的としているサーモビフィダ フスカ由来のエキソ型セルラーゼE3;8−アポプラストを標的としているアシドサーマス セルロリティカス(Acidothermus cellulolyticus)由来のエンドグルカナーゼE1。図28 トマト(Lycopersicon esculentum)(AAQ55181)由来のMYB転写因子アントシアニン1(ANT1)の浸潤による一過性発現を通じてのタバコ(Nicotiana tabacum)葉におけるアントシアニン生合成の誘導。7dpi、アグロバクテリウム培養物(OD600=1.4)希釈係数10-2。図29 35Sプロモーターの制御下でイソペンテニルトランスフェラーゼ(ipt)をコードする配列を含有する転写ベクターを有する希釈アグロバクテリウムを吹き付けることにより送達されたipt遺伝子の一過性発現によって引き起こされるベンサミアナタバコ植物の形態的変化。アグロバクテリウム培養物(OD600=1.4)を10-2の係数により希釈し、0.1% Silwet L-77を追加した;45dpiで撮影した写真。A)トランスフェクトされた植物の体型。ipt−希釈されたアグロバクテリウム培養物(pNMD460コンストラクト)を吹き付けられた植物;対照−アグロバクテリウムを含有しないトランスフェクション用バッファーを吹き付けられた植物。B)トランスフェクトされた植物の葉。上:アグロバクテリウムを含有しないトランスフェクション用バッファーを吹き付けられた植物の葉。下:希釈されたアグロバクテリウム培養物(pNMD460コンストラクト)を吹き付けられた植物の葉。図30 対応するPVXに基づく発現ベクターを有する希釈されたアグロバクテリウム培養物を吹き付けた後のバチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)エンドトキシンの一過性発現は、タバコスズメガ(tobacco hornworm Manduca sexta)の幼虫による食害からベンサミアナタバコ植物を保護する。係数10-2により希釈され、且つ0.1% Silwet L-77が追加されたアグロバクテリウム培養物(OD600=1.4〜1.7)を植物に吹き付けた。2週間後、3齢の幼虫3匹に各植物を与えた。給餌を開始してから2週間後に写真を撮影した。図31 ディフェンシンMsrA2及びGFPを、細胞間移行能力を有するTMVに基づくベクター(それぞれ、pNMD1071及びpNMD560)によって一過的に発現するベンサミアナタバコの表現型。シュードモナス(Pseudomonas)の接種は、アグロバクテリウムを接種してから3日後に実施した。シュードモナスを接種してから4日後に写真を撮影した。アグロバクテリウム及びシュードモナスでの葉の接種はいずれも、無針シリンジを使用して実施した。図32は、界面活性剤(0.1% Silwet L-77)での吹き付けを利用してナス(Solanum melongena L.)の葉にアグロバクテリウムを送達した後のGFP発現を示す;研磨剤の影響。ベクター:PVX(CP)-GFP(pNMD630)。アグロバクテリウム細胞(ICF320株)を、吹き付けの前に200μMアセトシリンゴンで2時間インキュベートした。研磨剤の処理については、0.3%カーボランダム(F800、F1000及びF1200粒子の炭化ケイ素混合物、Mineraliengrosshandel Hausen GmbH、テルフス、オーストリア)をアグロバクテリウム懸濁液に添加した。OD600=1.3のアグロバクテリウムの希釈係数:10-2。19dpiで撮影した写真。GFP発現スポットの数が右に示されている。図33は、界面活性剤(0.1% Silwet L-77)での吹き付けを利用してトウガラシ(Capsicum annuum L. cv Feher Gelb)の葉にアグロバクテリウムを送達した後のGFP発現を示す;アセトシリンゴン及び研磨剤の相乗作用。ベクター:PVX(CP)-GFP(pNMD630)。アグロバクテリウム細胞(ICF320株)を、吹き付けの前に200μMアセトシリンゴンで2時間インキュベートした。研磨剤の処理については、0.3%カーボランダム(F800、F1000及びF1200粒子の炭化ケイ素混合物、Mineraliengrosshandel Hausen GmbH、テルフス、オーストリア)をアグロバクテリウム懸濁液に添加した。OD600=1.4のアグロバクテリウムの希釈係数:10-2。18dpiで撮影した写真。GFP発現スポットの数が右に示されている。図34は、減圧浸潤及び界面活性剤(0.1% Silwet L-77)での吹き付けを利用してジャガイモ(Solanum tuberosum L. cv Mirage)の葉にアグロバクテリウムを送達した後のGFP発現を示す;減圧浸潤と吹き付けとの比較。ベクター:PVX(CP)-GFP(pNMD630)。アグロバクテリウム細胞(ICF320株)を、吹き付けの前に200μMアセトシリンゴンで2時間インキュベートした。OD600=1.5のアグロバクテリウムの希釈係数:10-2。14dpiで撮影した写真。図35は、シリンジ浸潤及び界面活性剤(0.1% Silwet L-77)での吹き付けを利用してナタネ(Brassica napus L.)の葉にアグロバクテリウムを送達した後のGUS発現を示す。ベクター:35S-GUS+35S-P19(pNMD1971)。アグロバクテリウム細胞(EHA105株)を、吹き付けの前に200μMアセトシリンゴンで2時間インキュベートした。OD600=1.3のアグロバクテリウムの希釈係数:10-1及び10-2。シリンジ浸潤:1:アグロバクテリウム培養物の10-1希釈;2:アグロバクテリウム培養物の10-2希釈。吹き付けについては、アグロバクテリウム培養物の10-1希釈を使用した。浸潤された葉及び吹き付けられた葉の写真をそれぞれ5dpi及び13dpiで撮影した。図36は、界面活性剤(0.1% Silwet L-77)を用いてアグロバクテリウムが吹き付けられたタマネギ(Allium cepa cv Stuttgarter Riesen)の葉にアグロバクテリウムを送達した後のGUS発現を示す。アグロバクテリウム細胞(EHA105及びGV3101株)を、吹き付けの前に200μMアセトシリンゴンで2時間インキュベートした。ベクター:35S-GUS+35S-P19(pNMD1971)及びイネアクチンプロモーター-GUS+35S-P19(pNMD2210)。OD600=1.3のアグロバクテリウムの希釈係数:10-1。写真を11dpiで撮影した。図37は、アンチセンス方向においてフィトエンデサチュラーゼ(PDS)をコードする配列のフラグメントを有するPVXコンストラクトをアグロバクテリウムを媒介として送達した後のベンサミアナタバコの葉におけるPDSの遺伝子サイレンシングによる光退色を示す;減圧浸潤と界面活性剤(0.1% Silwet L-77)での吹き付けとの比較。ベクター:PVX(CP)-antiPDS(pNMD050);アグロバクテリウム ツメファシエンス株GV3101。OD600=1.5のアグロバクテリウムの希釈係数:10-2。写真を21dpi及び140dpiで撮影した。図38は、シュードモナスによるベンサミアナタバコの感染に対する一過性フラジェリン発現の効果を示す。A)シュードモナス シリンゲ(Pseudomonas syringae pv. syringae)B728aで感染されたベンサミアナタバコ植物の葉。B)葉1枚当たりの壊死病斑(暗いスポットとして見える)の数として計測された病徴。1−シュードモナス シリンゲ(Pseudomonas syringae pv. syringae)B728a由来の全長フラジェリン(YP236536)とa-アミラーゼアポプラストシグナルペプチドとの翻訳融合の発現を提供するPVX(CP)ベクター(pNMD1953)を有するアグロバクテリウム懸濁液(ICF320株)が予備的に吹き付けられた植物;2−T-DNA含有ベクターを全く有さないアグロバクテリウム細胞(ICF320株)が予備的に吹き付けられた植物。 発明の詳細な説明 本発明において、アグロバクテリウムは、アグロバクテリウム株の細胞を含有する水性懸濁液を吹き付けることにより目的の配列又はコンストラクトで植物をトランスフェクトするために用いられる。アグロバクテリウム株は、一般的に植物の形質転換及びトランスフェクションに用いられ、且つ一般的知識から当業者に公知であるアグロバクテリウム ツメファシエンス及びアグロバクテリウム リゾゲネスの種に属するものでもよい。アグロバクテリウム株は、目的のDNA配列を含有する核酸コンストラクトを含むDNA分子を含む。目的のDNA配列は、植物において発現されるべきタンパク質又はRNAをコードする。核酸コンストラクトは、アグロバクテリウム株の分泌系により植物細胞の中に核酸コンストラクトを導入するために、典型的にTiプラスミドのT-DNAに存在している。該目的のDNA配列での該植物のトランスフェクション及び該植物の細胞の導入を可能とするために、核酸コンストラクトは、少なくとも一方の側又は両側において、T-DNAボーダー配列の横に配置されている。核酸コンストラクトにおいて、目的のDNA配列は、例えば植物細胞内で発現可能であるように存在している。このため、目的のDNA配列は、該核酸コンストラクトにおいて、典型的に植物細胞で活動的なプロモーターの制御下にある。目的のDNA配列の例としては、DNAウイルスレプリコン又はRNAウイルスレプリコン又は発現されるべき遺伝子をコードするDNA配列である。遺伝子は、植物の細胞内で発現されるべき目的のRNA又は目的のタンパク質をコードしていてもよい。ウイルスレプリコンもまた、典型的に、植物において発現されるべきRNA又は目的のタンパク質をコードする。DNAコンストラクトは、目的のDNA配列に加えて、目的のDNA配列の発現のための調節配列等の他の配列を含んでいてもよい。アグロバクテリウムを媒介とした遺伝子送達及びそのためのベクターは、例えば、序論で引用された参考文献から、又は、Slater, Scott and Fowler, Plant Biotechnology, second edition, Oxford University Press, 2008等の植物バイオテクノロジーに関する教科書から、当業者に公知である。 タンパク質又はRNAの強力な発現が望まれる態様、又は、植物細胞内での多量のウイルス核酸の凝集及び植物の健康状態に対する潜在的な負の効果が懸念されない態様においては、核酸コンストラクトは、植物細胞において複製することができる複製ウイルスベクターをコードしていてもよい。複製する状態とするためには、ウイルスベクターは、植物細胞に存在する核酸ポリメラーゼ、例えばレプリコンから発現されるウイルスポリメラーゼ等によって認識可能な複製起点を含有する。RNAウイルスベクターの場合、ウイルスレプリコンは、植物プロモーターの制御下で、植物細胞の核内に導入された後にDNAコンストラクトから転写されることによって形成されてもよい。DNAウイルスレプリコンの場合、ウイルスレプリコンは、例えばWO00/17365及びWO99/22003に記載されているように、DNAコンストラクトにおいてウイルスレプリコンをコードする配列のそばに位置する2つの組み換え部位の間での相同組み換えによって形成されてもよい。ウイルスレプリコンがDNAコンストラクトによってコードされている場合は、RNAウイルスレプリコンが好ましい。DNAウイルスレプリコン及びRNAウイルスレプリコンの使用は、少なくとも過去15年間にわたって広く文献に記載されている。いくつかの例として、Icon Geneticsによる以下の特許公報が挙げられる:WO2008028661、WO2007137788、WO2006003018、WO2005071090、WO2005049839、WO02097080、WO02088369、WO02068664。DNAウイルスベクターの例としては、ジェムニウイルスに基づくそれらである。本発明については、植物RNAウイルスに基づく、特にプラスセンス1本鎖RNAウイルスに基づくウイルスベクター又はレプリコンが好ましい。このようなウイルスベクターの例としては、実施例において使用されているタバコモザイクウイルス(tobacco mosaic virus)(TMV)及びポテックスウイルスX(potex virus X)(PVX)である。ポテックスウイルスに基づくウイルスベクター及び発現系は、EP2061890に記載されている。多くの他の植物ウイルスレプリコンは、上述した特許公報に記載されている。 本発明の方法における吹き付けのために用いられる水性懸濁液は、最大1.1×109cfu/mlのアグロバクテリウム細胞の濃度であってもよく、それは、LB培地における600nmでの光学密度が1のアグロバクテリウム培養物におおよそ対応している。しかしながら、本発明において達成される高いトランスフェクション効率のために、もっと低い濃度が使用されてもよく、それは、アグロバクテリウム製造用の巨大な培養槽を必要とすることなく、圃場全体等の多くの植物の処理を可能とする。従って、濃度は好ましくは最大2.2×107cfu/mlであり、より好ましくは最大1.1×107cfu/mlであり、さらに好ましくは最大4.4×106cfu/mlである。一つの態様において、濃度は、最大で懸濁液の1.1×106cfu/mlである。cfu/mlを単位として細胞濃度を決定することを回避するため、アグロバクテリウム懸濁液の濃度は、多くの場合、分光光度計を用いて600nmでの明確な光学密度を測定することによって決定されている。この点で、1.1×107cfu/mlの濃度は、600nmでの計算光学密度が0.01に対応しており、その計算光学密度は、600nmで1.0の光学密度を有する懸濁液を水又は緩衝液で100倍希釈することによって定義される。同様に、4.4×106cfu/ml及び1.1×106cfu/mlの濃度は、600nmでの計算光学密度がそれぞれ0.004及び0.001に対応しており、その計算光学密度は、600nmで1.0の光学密度を有する懸濁液を水又は緩衝液でそれぞれ250倍又は1000倍に希釈することによって定義される。 本発明において使用されてもよい研磨剤は、アグロバクテリウム細胞の水性懸濁液において本質的に不溶である粒子の物質である。研磨剤は、特に湿潤剤と共に使用された場合、葉等の植物組織の表面を衰弱させると考えられており、それにより、植物組織の細胞内空間へのアグロバクテリウム細胞の浸透を促進している。結果として、トランスフェクション効率が向上する。 本発明の研磨剤として使用されるべき粒子の物質は、殺虫製剤の水和剤(wettable powder)(WP)においてキャリアーをして一般的に使用されるようなキャリアー物質であってもよい。水和剤に関して、これらのキャリアーは殺虫製剤の分野において「充填剤」又は「不活性充填剤」とも称されている。水和剤製剤は、植物保護の分野における一般的知識の一部である。世界保健機関(World Health Organisation)(WHO)及び国際連合食糧農業機関(the FOOD and Agriculture Organization of the United States)によって編集された、ハンドブックPESTICIDE SPECIFICATIONS, “Manual for Development and Use of FAO and WHO Specifications for pesticides”, Rome, 2002, ISBN 92-5-104857-6が参照とされる。植物保護のための水和剤製剤は、例えば、EP1810569、EP1488697、EP1908348及びEP0789510に記載されている。研磨剤は、鉱物の物質、典型的に無機物質であってもよい。そのようなキャリアー物質の例としては、珪藻土、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ベントナイト、酸クレー、アタパルジャイト、ゼオライト、絹雲母、セピオライト、又はケイ酸カルシウムである。WO02/087324に記載されている高純度石英粉末等の石英粉末も使用することができる。好ましい例としては、シリカ、例えば沈降シリカ及びヒュームド親水性シリカ(fumed hydrophilic silica)、並びにカーボランダムである。水和剤において用いられるシリカ等のような、希釈剤又は充填剤の研磨剤性能が公知である(G.A. Matthewsによる“pesticide Application Methods”, third edition, Blackwell Science, 2000、その52ページを参照)。 本発明において研磨剤として使用される粒子無機物質の市販製品として、Evonic Degussaによって製造されている水和性シリカSipernatTM 22S及びSipernatTM50Sが挙げられてもよい。他の製品は、PPG Industries Taiwan Ltd.により製造されている合成非晶質水和性シリカである「Hi-SilTM 257」、またはHuber Corporationにより製造されている合成ケイ酸カルシウムである「Hubersorb 600TM」である。市販されているサブミクロンの大きさのシリカは、約0.02μmの平均粒径を有するHi-SilTM 233(PPG Industries)である。 研磨剤は、0.01〜40μmの間、好ましくは0.015〜30μmの間、より好ましくは0.05〜30μmの間、さらに好ましくは0.1〜30μmの間、さらにより好ましくは0.1〜20μmの間、さらにより好ましくは0.5〜20μmの間、最も好ましくは1.0〜16μmの間の中央粒径を有していてもよい。一つの態様において、中央粒径は0.015〜1μmの間又は0.02〜0.5μmの間である。中央粒径は、Malvern Instruments, Ltd.からのMastersizerTMを用いてレーザー回折により測定することができる堆積中位径(volume median particle size)である。スプレーノズルの詰まりを回避するため、研磨剤を含有する最も大きい粒子の最大粒径は最大45μm、好ましくは最大40μmとすべきであり、それは篩によって決定されてもよい。篩残分が(ISO3262-19を受けて)1.5重量%である場合、この条件は十分であると考えられる。研磨剤は、上記のようなレーザー回折により測定される、最大40μm、好ましくは最大30μmのD90値を有していてもよい。典型的に、上記の粒径は、主要な粒径に関する。 本発明の水性懸濁液における研磨剤の含有量は、該懸濁液の0.01〜3重量%の間、好ましくは0.02〜2重量%の間、より好ましくは0.05〜1重量%の間、及びさらにより好ましくは0.1〜0.5重量%の間である。 本発明の水性懸濁液は、農業用吹き付け補助剤を含有する。吹き付け補助剤は、界面活性剤又は湿潤剤であってもよい。界面活性剤及び湿潤剤は、本発明において多くの利点を有する。それは、水性懸濁液の水の表面張力を低減し、植物の葉のロウ質の表面をアグロバクテリウムがより浸透可能なものとする。それはさらに、懸濁液の安定性を改善し、懸濁液中の研磨剤の沈殿物を減少させる。本発明において用いられる界面活性剤は特に限定されず、界面活性剤の例としては以下の(A)、(B)、及び(C)が含まれる。これらは単独で使用してよく、或いは組み合わせて使用してもよい。 (A)非イオン性界面活性剤:界面活性剤を説明するために頻繁に用いられる測定は、HLB(親水/新油バランス)である。HLBは、親水性化合物及び親油性化合物に親和する界面活性剤の能力を表す。高いHLBバランスを有する界面活性剤は、親油性化合物よりも水溶性化合物とよく親和する。この点で、HLB値は12又はそれよりも大きくあるべきであり、好ましくは少なくとも13である。非イオン性界面活性剤としては、ポリアルキレンオキシド修飾ヘプタメチルトリシロキサン等のオルガノシリコン界面活性剤が本発明において最も好ましい。市販製品は、GE Advanced MaterialsからのSilwet L77TM吹き付け補助剤である。 (A-1)ポリエチレングリコール型界面活性剤:ポリエチレングリコール型界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキル(C12-18)エーテル、アルキルナフトールのエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレン(モノ又はジ)アルキル(C8-12)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ又はジ)アルキル(C8-12)フェニルエーテルのホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレン(モノ、ジ、又はトリ)フェニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ、又はトリ)ベンジルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジ、又はトリ)ベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ、又はトリ)スチリルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジ又はトリ)スチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ、又はトリ)スチリルフェニルエーテルのポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキル(C12-18)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、アルキル(C8-12)フェニルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、ポリオキシエチレンビスフェニルエーテル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸(C12-18)モノエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸(C12-18)ジエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸(C12-18)エステル、グリセロール脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物、ヒマシ油のエチレンオキシド付加物、硬化ヒマシ油のエチレンオキシド付加物、アルキル(C12-8)アミンのエチレンオキシド付加物及び脂肪酸(C12-18)アミドのエチレンオキシド付加物が含まれる; (A-2)多価アルコール型界面活性剤:多価アルコール型界面活性剤の例としては、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸(C12-18)エステル、ソルビタン脂肪酸(C12-8)エステル、ショ糖脂肪酸エステル、多価アルコールアルキルエーテル、及び脂肪酸アルカノールアミドが含まれる。 (A-3)アセチレン型界面活性剤:アセチレン型界面活性剤の例としては、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、アセチレングリコールのエチレンオキシド付加物及びアセチレンアルコールのエチレンオキシド付加物が含まれる。 (B)陰イオン性界面活性剤 (B-1)カルボン酸型界面活性剤:カルボン酸型界面活性剤の例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、マレイン酸及びオレフィン(例えば、イソブチレン及びジイソブチレン)のコポリマー、アクリル酸及びイタコン酸のコポリマー、メタクリル酸及びイタコン酸のコポリマー、マレイン酸及びスチレンのコポリマー、アクリル酸及びメタクリル酸のコポリマー、アクリル酸及びアクリル酸メチルのコポリマー、アクリル酸及び酢酸ビニルのコポリマー、アクリル酸及びマレイン酸のコポリマー、N-メチル-脂肪酸(C12-18)サルコシネート、樹脂酸及び脂肪酸(C12-18)等のカルボン酸等、並びにこれらのカルボン酸の塩が含まれる。 (B-2)硫酸エステル型界面活性剤:硫酸エステル型界面活性剤の例としては、アルキル(C12-18)硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C12-18)エーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ又はジ)アルキル(C8-12)フェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ又はジ)アルキル(C8-12)フェニルエーテルポリマーの硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ、又はトリ)フェニルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ、又はトリ)ベンジルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ、又はトリ)スチリルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ、又はトリ)スチリルフェニルエーテルポリマーの硫酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの硫酸エステル、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化脂肪酸、硫酸化オレフィンの硫酸エステル等、及びこれらの硫酸エステルの塩が含まれる (B-3)スルホン酸型界面活性剤:スルホン酸型界面活性剤の例としては、パラフィン(C12-22)スルホン酸、アルキル(C8-12)ベンゼンスルホン酸、アルキル(C8-12)ベンゼンスルホン酸のホルムアルデヒド凝集物、クレゾールスルホン酸のホルムアルデヒド凝集物、オレフィン(C14-16)スルホン酸、ジアルキル(C8-12)スルホコハク酸、リグニンスルホン酸、ポリオキシエチレン(モノ又はジ)アルキル(C8-12)フェニルエーテルスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキル(C12-18)エーテルスルホコハク酸ハーフエステル、ナフタレンスルホン酸、(モノ、又はジ)アルキル(C1-6)ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒド凝集物、(モノ、又はジ)アルキル(C1-6)ナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒド凝集物、クレソオート油スルホン酸のホルムアルデヒド凝集物、アルキル(C8-12)ジフェニルエーテルジスルホン酸、イゲポンT(商品名)、ポリスチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸−メタクリル酸コポリマーのスルホン酸等、及びこれらのスルホン酸の塩が含まれる。 (B-4)リン酸エステル型界面活性剤:リン酸エステル型界面活性剤の例としては、アルキル(C8-12)リン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C12-18)エーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ又はジ)アルキル(C8-12)フェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ、又はトリ)アルキル(C8-12)フェニルエーテルポリマーのリン酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ、又はトリ)フェニルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ、又はトリ)ベンジルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ、又はトリ)スチリルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ、又はトリ)スチリルフェニルエーテルポリマーのリン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーのリン酸エステル、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンのリン酸エステル及び縮合リン酸(例えば、トリポリリン酸等)等、並びにこれらのリン酸エステルの塩が含まれる。 上記(B-1)から(B-4)の塩には、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム及びマグネシウム等)、アンモニウム及びアミンの様々なタイプ(アルキルアミン、シクロアルキルアミン、及びアルカノールアミン等)が含まれる。 (C)両性界面活性剤:両性界面活性剤の例としては、ベタイン型界面活性剤及びアミノ酸型界面活性剤が含まれる。 上記界面活性剤は単独で用いてもよく、或いは2以上の界面活性剤を組み合わせて用いてもよい。特に、好適なオルガノシリコン界面活性剤は他の界面活性剤と組み合わせてもよい。本発明の水性懸濁液における界面活性剤の総濃度は、実施例で行われているのと同様に、比較吹き付け実験の実施により容易に試験を行ってもよい。しかしながら、一般的に、界面活性剤の総濃度は、該懸濁液の0.005〜2体積%(volume-%)の間、好ましくは0.01〜0.5体積%の間、より好ましくは0.025〜0.2体積%の間としてよい。界面活性剤の密度は一般的にほぼ1.0g/mlであることから、界面活性剤の総濃度は、該懸濁液の1リットル当たり0.05〜20gの間、好ましくは該懸濁液(研磨剤を含む)の1リットル当たり0.1〜5.0gの間、より好ましくは0.25〜2.0gの間として定義してもよい。ポリアルキレンオキシド変性ヘプタメチルトリシロキサン等の上記オルガノシリコン界面活性剤が用いられる場合、吹き付けのために使用されるアグロバクテリウム懸濁液中のオルガノシリコン界面活性剤の総濃度は、0.01〜0.5体積%の間、好ましくは0.05〜0.2体積%の間としてよい。或いは、吹き付けのために使用されるアグロバクテリウム懸濁液中のオルガノシリコン界面活性剤の濃度は、該懸濁液の1リットル当たり0.1〜5.0gの間、好ましくは0.5〜2.0gの間として定義してもよい。 水性懸濁液の物理的性質を改善するために、高度に分散されたサブミクロンサイズのケイ酸(シリカ)、又は尿素/ホルムアルデヒド縮合物(PergopakTM)等の多孔性ポリマーを添加することができる。特に、研磨剤の中央粒径が0.1〜30μmの間、又は上記のこの範囲の好ましい部分的範囲の一つであるところでは、高度に分散されたサブミクロンサイズのシリカを懸濁液に添加することができる。ここにおいて、サブミクロンサイズのシリカは、0.01〜0.5μmの間、好ましくは0.02〜0.5μmの間、より好ましくは0.02〜0.1μmの間の中央粒径を有するシリカである。Hi-SilTM 233(PPG Industries)等の高度に分散されたケイ酸は水性懸濁液の研磨性能に寄与することができる(Jensen et al., Bull. Org. mond. Sante, Bull. Wld Hlth Org. 41 (1969) 937-940を参照のこと)。これらの剤は、本発明の懸濁液の1リットル当たり1から10gまでの量で含有させてもよい。 アグロバクテリウム懸濁液に対する更なる可能な添加剤は、吹き付けのために使用される懸濁液のpHを、所望のpH、典型的に7.0〜7.5の間で維持する緩衝剤物質である。さらに、塩化ナトリウム等の無機溶解性塩を懸濁液のイオン強度を調節するために添加してもよい。LB培地等の栄養素溶液もまた、懸濁液に含有させてもよい。 水性懸濁液は、以下の通り製造してもよい。一つの方法において、本発明の方法で使用されるべきアグロバクテリウム株を培養培地内に接種して、高細胞濃度まで増殖させる。大量の培養培地を得るために、高濃度化された少量の培養培地でより大きな培地を接種してもよい。アグロバクテリウムは、一般的に、600nmでODが少なくとも1、典型的に約1.5に対応する細胞濃度まで増殖させる。その後、そのような高濃度化されたアグロバクテリウム懸濁液を希釈して所望の細胞濃度を得る。高濃度化アグロバクテリウム懸濁液の希釈については、水を使用する。水は緩衝剤を含有していてもよい。水は、本発明の界面活性剤をさらに含有していてもよい。或いは、高濃度化アグロバクテリウム懸濁液を水で希釈し、界面活性剤及び任意の緩衝剤物質等のあらゆる添加剤を希釈過程の後又はその間に添加してもよい。研磨剤は、希釈の前、間、又は後に添加してもよい。しかしながら、研磨剤を添加している間に懸濁液を撹拌して、アグロバクテリウム懸濁液中に研磨剤を均一に分散させることが好ましい。高濃度化されたアグロバクテリウム懸濁液を希釈する工程は、希釈された懸濁液を吹き付けるために使用される噴霧器の圧縮空気タンク内で実施してもよい。 本発明の方法において用いられる噴霧器は、植物の数又は吹き付けが行われるべき領域に主に依存する。吹き付けが行われるべき植物が一つ又は少数である場合については、家庭及び園芸で広く用いられているポンプ噴霧器(pump sprayer)を使用することができる。これらは、0.5〜2リットルの間の圧縮空気タンクの量を有していてもよい。中規模での適用については、レバー操作型ナップサック噴霧器等の手動操作型水圧噴霧器、又は手動操作型圧縮噴霧器を使用してもよい。しかしながら、本発明において達成される高いトランスフェクション効率は、圃場又は温室で生育する植物等の多くの植物のトランスフェクションにおいてその十分な可能性を有している。この目的のために、スプレーブームを備えているトラクターマウント水圧噴霧器等の電動式の水圧噴霧器を使用することができる。ヘリコプター又は飛行機を用いた空中適用技術もまた、巨大な圃場のために可能である。これらの型の噴霧器はいずれも当該技術において公知であり、例えばG.A. Matthewsによる“Pesticide Application Methods”, third edition, Blackwell Science, 2000の書籍に記載されている。噴霧器の圧縮空気タンクにおいて均質な懸濁液を確実なものとするために、小型又は中型の大きさの噴霧器を、吹き付けを行う間に一定の間隔で又は継続的に振り動かしてもよい。トラクターマウント噴霧器等の大型の噴霧器は、圧縮空気タンク内に撹拌器を備えておくべきである。 吹き付けられるべき懸濁液中にアグロバクテリウム細胞及び研磨剤が存在することを考慮すれば、本発明において用いられる噴霧器は、少なくとも微細な噴霧の液滴直径の噴出を生じさせるべきである。また、上述したG.A. Matthewsによる書籍の74頁に使用されている噴霧の分類の中で、中粒スプレー(medium spray)又は粗粒スプレー(coarse spray)を使用してもよい。本発明における吹き付けの主な目的は、懸濁液で植物組織を湿潤させることである。従って、正確な液滴直径は重要ではない。しかし、植物表面に圧力を増大して吹き付けを行うことによってトランスフェクション効率をさらに改善してもよい。 本発明の方法においては、植物の少なくとも一部が吹き付けられる。重要な態様においては、圃場の土壌で生育している植物、即ち、移動可能なポット又は容器の中で生育していない植物が吹き付けられる。そのような植物は、減圧浸潤のために上下逆さにすることやアグロバクテリウム懸濁液の中に浸漬させることができない。葉等の植物の少なくとも一部が吹き付けられる。好ましくは、多数の葉又は植物全体が吹き付けられる。 本発明は、目的のDNA配列での植物の一過性トランスフェクションのために主に使用される。用語「一過性」は、例えば、選択薬剤及び選択薬剤を無害化できる選択マーカー遺伝子を用いて、トランスフェクトされていない細胞又は植物の背景で目的のDNA配列でトランスフェクトされた細胞又は植物を選択するための選択方法が使用されないことを意味する。結果として、トランスフェクトされたDNAは一般的に植物染色体DNAの中に安定的に導入されない。その代り、一過性の方法は、まさしくそのトランスフェクトされた植物においてトランスフェクションの効果を活用する。 本発明は、一般的に、多細胞植物、特に高等植物をトランスフェクトするために用いられる。単子葉植物及び双子葉植物の両方をトランスフェクトすることができ、好ましくは双子葉植物である。本発明における使用のための植物には、農業においても園芸においても重要な作物種を優先して、あらゆる植物種が含まれる。本発明における使用のための一般的な作物としては、アルファルファ、オオムギ、豆類、キャノーラ、ササゲ、ワタ、トウモロコシ、クローバー、ハス、レンティル、ハウチワマメ、キビ、オーツ麦、エンドウ、落花生、イネ、ライ麦、スイートクローバー、ヒマワリ、スイートピー、ダイズ、ソルガム、ライ小麦、ヤムビーン、ハッショウマメ、ベッチ、コムギ、フジ、及びナッツ植物が含まれる。本発明を実施するために好ましい植物種としては、限定されないが、イネ科、キク科(Compositeae)、ナス科、及びバラ科の代表種である。 本発明における使用のためのさらに好ましい種は、以下の属からの植物である:シロイヌナズナ属、ヌカボ属、アリウム属、キンギョソウ属、オランダミツバ属、ラッカセイ属、アスパラガス属、ベラドンナ属、カラスムギ属、ホウライチク属、アブラナ属、スズメノチャヒキ属、ブロワリア属(Browaalia)、ツバキ属、アサ属、トウガラシ属、ヒヨコマメ属、アカザ属、キクニガナ属(Chichorium)、ミカン属、コーヒー属、ジュズダマ属、キュウリ属、カボチャ属(Curcubita)、ギョウギシバ属、カモガヤ属、チョウセンアサガオ属、ニンジン属、ジギタリス属、ヤマノイモ属、アブラヤシ属、オヒシバ属、ウシノケグサ属、フラガリア属、フウロソウ属、ダイズ属、ヒマワリ属、ワスレグサ属(Heterocallis)、パラゴムノキ属、オオムギ属、ヒヨス属、サツマイモ属、アキノノゲシ属、ヒラマメ属、ユリ属、アマ属、ドクムギ属、ミヤコグサ属、トマト属、マヨラナ属、リンゴ属、マンゴー属、キャッサバ属、ウマゴヤシ属、ネメシア属、タバコ属、オノブリキス属(Onobrychis)、イネ属、キビ属、ペラルゴニウム属、チカラシバ属、ペチュニア属、エンドウ属、インゲンマメ属、アワガエリ属、イチゴツナギ属、サクラ属、キンポウゲ属、ダイコン属、スグリ属、トウゴマ属、キイチゴ属、サトウキビ属、サルピグロシス属、ライムギ属、キオン属、セタリア属、シロガラシ属、ナス属、モロコシ属、ステノタフルム属、カカオ属、シャジクソウ属、レイリョウコウ属、コムギ属、ソラマメ属、ササゲ属、ブドウ属、トウモロコシ属、及びオリレアエ(the Olyreae)、ファロイデアエ(the Pharoideae)及びその他。 一つの態様において、本発明の方法は、植物において又は圃場で生育している多数の植物において目的のタンパク質を製造するために使用することができる。この目的のために、植物の所望の生育状態においてアグロバクテリウム懸濁液を植物に吹き付けてもよい。主な目的が、最高の可能性のある発現レベルを達成し、続いて大量のタンパク質を含有する植物材料を得るための植物を収穫することである場合は、一般的に最も高い発現レベルを与えることからウイルスベクターを使用してもよい。 別の態様において、本発明の方法は、入力形質等の植物における形質を発生又は変化させるために使用される。この態様においては、目的のタンパク質又はRNAの過剰な発現は、植物の健康に対する有害な影響を回避するために望まれないかもしれない。そのような態様については、非複製性ベクター(本明細書では「転写ベクター」としても称される)、即ち、植物細胞内に存在している核酸ポリメラーゼによって認識される機能的な複製起点を欠如するベクターが好ましい。そのような態様の例としては、植物細胞における二次メッセンジャーとしてのホルモン分子の発現である。図29の事例において、我々は、35Sプロモーターの制御下でiptコーディング配列を含有する転写ベクターを有している希釈されたアグロバクテリウムを吹き付けることによって、サイトカイニン生合成の重要な酵素であるイソペンテニルトランスフェラーゼをベンサミアナタバコの細胞内に送達することを実証する。サイトカイニンの過剰酸性により引き起こされたトランスフェクト植物の形態学的な変化が観察された(図29)。本発明の別の適用は、RNA発現であり、例えばRNA干渉について、その中では、干渉シグナルを、シグナルが発現されている細胞から他の細胞まで植物の中で拡張することができる。一つの例は、Pooggin in Nat. Biotech. 21 (2003) 131によって説明されているような植物内の望ましくないウイルスDNAの標的化である。一過性の系に適応可能な腫瘍遺伝子サイレンシングの例は、Escobar et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98 (2001) 13437-13442により説明されている。図37は、ベンサミアナタバコの葉におけるフィトエンデサチュラーゼ(PDS)の遺伝子サイレンシングによる光退色を示す。更なる例は、dsRNAをコード及び発現する目的DNAで害虫被害植物を一過的にトランスフェクトすることによって本発明の一過性方法に適応可能なBaum et al., Nat. Biotech. 25 (2007) 1322-1326による記載と同様のRNA干渉を通じての甲虫類の害虫の制御である。本発明の一過性方法に適用できる更なる方法は、Huang et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 103 (2006) 14302-14306;Chuang et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97 (2000) 4985-4990により記載されているものである。図38に示されるものの実験結果において、フラジェリン発現は、シュードモナス シリンゲにより引き起こされる病徴から植物を保護する。 さらに、本発明の方法は、所望の時点で、ジャガイモでの塊茎形成(Martinez-Garcia et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99 (2002) 15211-15216)等の開花期若しくは果実形成の調節に関する形質、又は転写因子を用いたフラボノイド経路の調節(Deluc et al., Plant Physiol. 147 (2008) 2041-2053)に関する形質を変化させることができる。開花は、移行可能なフロリゲンタンパク質FTの一過性発現により引き起こしてもよい(Zeevaart, Current Opinion in Plant Biology 11 (2008) 541-547; Corbesier et al., Science 316 (2007) 1030-1033)。トマトでの単為結果性果実は、本発明及びPandolfini et al., BMC Biotechnology 2 (2002)により記載された方法を用いて大規模に作製してもよい。本発明の更なる適用は、Lee et al., Annals of Botany 100 (2007) 1391-1401により記載されているようなMYB転写因子の方法による綿花の発生、又は植物防御遺伝子の活性化(Bergey et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93 (1996) 12053-12058)を変化させることに関連している。我々は、ベンサミアナタバコの葉におけるディフェンシンMsrA2の一過性発現がシュードモナス感染症状を著しく低減することを実証した(図31)。 本発明はまた、圃場での作物を害虫から保護する方法も提供する。そのような方法では、多数の状態で又は圃場で生育している大部分の植物からの少なくとも一つの植物の侵入が決められてもよい。本発明の方法が急速であるために、害虫に有害なタンパク質又はRNAの発現は、害虫による侵入が決められた場合にのみ引き起こされる必要がある。従って、侵入の危険性がなくても、害虫毒素又はRNAiのためのdsRNAの強力で構成的な発現は必要ない。対応するPVXに基づく発現ベクターを有する希釈されたアグロバクテリウム培養物を吹き付けた後のバチルス チューリンゲンシスエンドトキシンの一過性発現は、タバコスズメガの幼虫による食害からベンサミアナタバコ植物を保護する(図30)。 本発明を、以下に実施例としてさらに説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されない。 参考例1:コロニー形成単位(cfu)を単位とする液体培養物におけるアグロバクテリウム細胞濃度の決定 ml当たりのコロニー形成単位(cfu/ml)を単位とする懸濁液中のアグロバクテリウム細胞の濃度は、以下のプロトコールを用いて決定することができる。コンストラクトpNMD620で形質転換されたアグロバクテリウム ツメファシエンスICF320株の細胞を、25mg/Lカナマイシン(AppliChem、A1493)及び50mg/Lリファンピシン(Carl Roth、4163.2)を含有する7.5mlの液体LBS培地の中で増殖させた。細菌培養物を、継続的に振盪しながら28℃でインキュベートした。吸光度単位(absorbance unit)(AU)で表される細菌培養物の吸光度又は光学密度を、培養物の1ml一定分量において分光光度計を用いて600nm波長(OD600)で観測した。多くの液体培養物のミリリットル当たりのコロニー形成単位(cfu/ml)として見積もられた細胞濃度は、OD600値1;1.3;1.5;1.7及び1.8で分析することができる。このため、250μl一定分量の液体培養物をLBS培地で希釈して、25mlの最終量を得た(1:100希釈物)。そのような1:100希釈物の2.5mlを22.5mlのLBSと混合して、1:1000希釈物を得た。1:100;1:1,000;1:10,000;1:100,000;1:1,000,000;1:10,000,000及び1:100,000,000希釈の液体培養物を同様に調製した。最後の3つの希釈物の一定分量を、25mg/Lカナマイシン及び50mg/Lリファンピシンが添加されたアガーで固化したLBS培地の上に塗布した(90mm直径のプレート当たり250μlの細菌培養物)。各希釈物についての一定分量の塗布は三重に実施した。28℃での2日間のインキュベーションの後、細菌コロニーを各プレートについて計測した。1:1,000,000及び1:10,000,000希釈物の塗布は、プレート当たりそれぞれ数百個及び数十個のコロニーという結果であった。1:100,000,000希釈物がプレート当たり数個のコロニーを提供する限り、この希釈は細胞濃度の計算について使用しなかった。細胞濃度は、式:cfu/ml=4×プレート当たりのコロニー数×希釈係数、に従って見積もった。 600nmでの吸光度測定により測定された細胞濃度の変換と細胞形成単位とについては、以下の関係を本明細書において使用する:1.0のOD600は1.1×109cfu/mlに対応する。 LBS培地(液体)1%大豆ペプトン(大豆ミールのパパイン加水分解物;Duchefa、S1330)0.5%酵母抽出物(Duchefa、Y1333)1%塩化ナトリウム(Carl Roth、9265.2)水に溶解させ、1M NaOH(Carl Roth、6771.2)でpH7.5に調整する。 固体LBS培地を調製するために、液体LBS培地に1.5%アガー(Carl Roth、2266.2)を添加した。培地は121℃で20分間オートクレーブした。 実施例1:以下の実施例で使用されるベクター 本研究において、我々は、35S CaMVプロモーターに基づく標準的な転写ベクター、並びに細胞間移行能力を有する又は有さないTMV及びPVXに基づくウイルスレプリコンを使用した。 転写ベクターはいずれも、pBIN19由来バイナリーベクターであるpICBV10に基づいて作製した(Marillonnet et al., 2004, 2006)。それらは、同一のT-DNA領域の右ボーダー及び左ボーダーの中に挿入された2つの発現カセットを含有した(図1)。pNMD293発現ベクターのクローニングのために、2つの中間コンストラクト(pNMD280及びpNMD033)を作製した。pNMD280は、T-DNAの右ボーダーと左ボーダーとの間に、カリフラワーモザイクウイルス(CAMV)35Sプロモーター、タバコモザイクウイルス由来のオメガ翻訳エンハンサー、トマトブッシースタントウイルス(Tomato Bushy Stunt Virus)(TBSV)由来のP19サイレンシング抑制因子のコーディング配列(GenBankアクセッション番号CAB56483.1)、及びアグロバクテリウム ツメファシエンスのオクトピンシンターゼ遺伝子由来のターミネーターをこの順序で含む発現カセットを含有した。次のクローニング工程を可能にするため、2つの制限酵素認識部位、EcoRI及びSphI、をT-DNA右ボーダーと35Sプロモーター配列との間に導入した。pNMD033コンストラクトは、T-DNAの右ボーダーと左ボーダーとの間においてEcoRI及びSpHI制限酵素認識部位のそばに位置する発現カセットを含有し、そして35Sプロモーター、オメガ翻訳エンハンサー、クラゲ緑色蛍光タンパク質のコーディング配列、及びアグロバクテリウム ツメファシエンスのオクトピンシンターゼ遺伝子由来のターミネーターで、この順序で示されるよう構成された。pNMD293コンストラクトのクローニングのために、pNMD033コンストラクトからEcoRI及びSphI制限酵素を用いてGFP発現カセットを切り出し、同一の制限酵素で線状化されたpNMD280ベクターの中に移送した。得られたpNMD293コンストラクトは、T-DNAの右ボーダーと左ボーダーとの間に挿入された2つの発現カセットを含有した。右ボーダーのそばに位置する発現カセットは、CAMV 35Sプロモーター、オメガ翻訳エンハンサー、緑色蛍光タンパク質のコーディング配列、及びnosターミネーター(この順序で示される)を含んだ。左ボーダーのそばに位置する発現カセットは、35Sプロモーターに続いてオメガ翻訳エンハンサー、P19サイレンシング抑制因子、及びocsターミネーターを含有した。他のコンストラクトはいずれも、クローニングのためにNcoI及びBamHI制限酵素認識部位を用いてGFPコーディング配列を別の目的遺伝子のPCR増幅されたコーディング配列で置換することによって、pNMD293ベクターに基づいて作製した。転写ベクターコンストラクト内に導入された目的の遺伝子は、sGFP、オワンクラゲ(Aequorea victoria)由来の修飾緑色蛍光タンパク質(GFP)(GeneBankアクセッション番号EF030489)(pNMD293);DsRED、造礁サンゴ(Discosoma sp.)由来の赤色蛍光タンパク質(GeneBankアクセッション番号AF168419.2)(pNMD1380);トマト由来のSP3D開花因子(GeneBankアクセッション番号AY186735)(pNMD421);シロイヌナズナ由来の開花遺伝子座(Flowering Locus T)(FT)(GeneBankアクセッション番号BAA77839)(pNMD655);シロイヌナズナ由来のブラシノステロイド調節因子DWARF4(NM_114926)(pNMD440);イソペンテニルトランスフェラーゼ(IPT)、アグロバクテリウム ツメファシエンスC58/ATCC33970株由来のサイトカイニン生合成の重要な酵素(GeneBankアクセッション番号AE007871.2)(pNMD460)をコードした。 細胞間移行能力を有するTMVに基づくベクター(図2)を、Marillonnet et al. (2006)に記載されたベクターに基づいて作製した。BsaIクローニング部位を用いて目的の遺伝子のコーディング配列を結果的に挿入するために、pNMD035コンストラクトをクローニングベクターとして採用した。結果として得られたコンストラクトは、シロイヌナズナアクチン2(ACT2)プロモーター由来のフラグメント(GenBankアクセッション番号AB026654); TVCVの5’末端(GenBankアクセッション番号BRU03387、塩基対1〜5455)及びcr-TMVのフラグメント[GenBankアクセッション番号Z29370、塩基対5457〜5677、両方とも16個のイントロン挿入を含有する];目的の遺伝子;cr-TMV 3’非翻訳領域(3’NTR;GenBankアクセッション番号Z29370)、及びノパリンシンターゼ(Nos)ターミネーターを、この順序で含有した。全体のフラグメントを、バイナリーベクターのT-DNA左ボーダーと右ボーダーとの間にクローニングした。これらのコンストラクトにおいて用いられる目的遺伝子は、GFP(pNMD560)、dsRED(pNMD580)、イネアミラーゼアポプラスト標的シグナルを有するヒトインターフェロンα-a(pNMD38)、イネアミラーゼアポプラスト標的シグナルを有するKlip27−ミニインスリン(pNMD330)、ソーマトコッカス ダニエリ(Taumatococcus danielii)由来のタウマチン2(pNMD700)、フミコーラ グリセア由来のβ−グルコシダーゼBGL4(pNMD1200)、サーモビフィダ フスカ由来のエキソ型セルラーゼE3(pNMD1160)、トリコデルマ リーゼイ由来のエキソグルカナーゼ1(CBH I)(pNMD1180)、ダイコン(Rafanus sativus)由来のディフェンシンRs-AFP2(pNMD1061)、ディフェンシンMsrA2(フタイロネコメガエル(Phyllomedusa bicolor)由来のデルマセプチンB1の合成誘導体)(pNMD1071)、ディフェンシンMB39(アカスジシンジュサン,セクロピアサン(Cecropia Moth Hyalophora cecropia)由来の修飾セクロピン(pNMD1280)、真菌クロチャワンタケ(Pseudoplectania nigrella)由来のディフェンシンプレクタシン(plectasin)(pNMDxxxx)をコードした。 細胞間移行能力を欠損するTMVに基づくベクターは、MP翻訳を歪めるオープンリーディングフレームシフトを引き起こすMPコーディング配列内の点変異を除き、細胞間移行が可能である対応するTMVに基づくベクターと同一であった(図3)。これらのコンストラクトのクローニングは、pNMD661をクローニングベクターとして用いて実施した。 細胞間移行能力及び全身移行能力を有するPVXに基づくベクターの多くをクローニングするため、pNMD670クローニングベクターを使用した。結果として得られたコンストラクトは、35S CaMVプロモーター、RNA依存性RNAポリメラーゼのコーディング配列、コートタンパク質、25kDa、12kDa 及び8kDaのタンパク質を含むトリプルジーンブロックモジュール、目的の遺伝子、並びに3’非翻訳領域を、この順序で含有した。全体のフラグメントを、バイナリーベクターのT-DNA左ボーダーと右ボーダーとの間にクローニングした(図4)。PVXに基づくコンストラクトの別の群は、PVXポリメラーゼとトリプルジーンブロックとの間に挿入されたCP位置の違いを伴い、類似した構造を有した(例えば、pNMD600)。 コートタンパク質コーディング配列を欠失するPVXに基づくベクターは、全身移行及び細胞間移行の両方とも不可能であった。これらのコンストラクトのクローニングは、pNMD694をクローニングベクターとして用いて実施した。この型のベクターは、バイナリーベクターのT-DNA左ボーダーと右ボーダーとの間に挿入された、35S CaMV プロモーター、RNA依存性RNAポリメラーゼのコーディング配列、トリプルジーンブロックモジュール、目的の遺伝子、及び3’非翻訳領域を、この順序で含有した(図5)。 実施例2:希釈されたアグロバクテリウムは、界面活性剤を使用した吹き付けによりベンサミアナタバコに送達することができる 我々は、界面活性剤を含有する希釈されたアグロバクテリム培養物を植物に吹き付けることによって、ベンサミアナタバコ植物をトランスフェクトできることを示した(図6)。トランスフェクションに影響を及ぼすパラメーターを評価するため、そしてトランスフェクション効率を最適化するために、我々は、アグロバクテリウム懸濁液中にベンサミアナタバコの葉を浸漬することを利用した。このアプローチは、正確な測定と、複合的な実験バージョンを簡便に試験することとを可能にする。アグロバクテリウム一晩培養物(OD600=1.5)を、10mM硫酸マグネシウムを含有し、界面活性剤Silwet L-77が添加された10mM MESバッファー(pH5.5)において1:100及び1:1000希釈した(それぞれ、希釈係数10-2及び10-2)。GFP発現を提供する3つの型のコンストラクトを試験した:1)転写ベクター、2)TMVに基づくウイルスレプリコン、及び3)PVXに基づくウイルスレプリコン(図6)。これらの実験において使用されたウイルスベクターは、全身移行及び細胞間移行の両方とも不可能であった。それらは、T-DNAでトランスフェクトされた細胞においてのみレポーター遺伝子の発現を提供した。GFP発現細胞の百分率を、葉のプロトプラストを単離した後で計測した(図7)。アグロバクテリウム懸濁液濃度が依存し、そしてベクターの型に関わらず、体積当たり0.1%のSilwet-L77及び1分間の浸漬時間が使用された場合、合計の葉の細胞の2〜8%が、アグロバクテリウムを媒介したT-DNA送達の結果としてトランスフェクトされた。 最適な界面活性剤濃度を見出すため、我々は、浸漬実験において0.1%及び0.05%のSilwet L-77を試験した。3つの型のベクター全てについて、0.05%濃度と比較した場合、0.1% Silwetの使用により提供されたトランスフェクション効率の方が著しく高かった(図8〜10)。 0.1% Silwet L-77が添加された希釈されたアグロバクテリウム懸濁液中にベンサミアナタバコの葉を10秒間浸漬させることは、同一の懸濁液を吹き付けることの効率に近似したトランスフェクション率を提供した(図11)。いずれの場合も、トランスフェクション効率はより成長した葉の方が高かった。トランスフェクション率は、アグロバクテリウム培養物の1:100希釈では、浸漬について1.4から3.7%まで変動し、吹き付けについて1.1から1.7%まで変動した。1:1000希釈では、その変動は、浸漬について0.2〜1.1%であり、そして吹き付けについて0.1〜0.6%であった。 全ての実施例において使用されたSilwet L-77は、Kurt Obermeier GmbH & Co. KG(バートベルレブルク、ドイツ)より購入した。供給業者はGE Silicones, Inc.、アメリカ合衆国である。使用されたSilwet L-77は、84.0%のポリアルキレンオキシド変性ヘプタメチルトリシロキサン(CAS番号27306-78-1)及び16%のアリルオキシポリエチレングリコールメチルエーテル(CAS番号27252-80-8)からなるオルガノシリコン製品である。実施例又は図面において与えられたSilwet L-77内容物の濃度はいずれも、この市販製品に関連している。 実施例3:希釈されたアグロバクテリウムは、界面活性剤及び研磨剤を使用した吹き付けにより他の種に送達することができる 我々は、吹き付け及び界面活性剤を伴うアグロバクテリウムのトランスフェクションを用いた植物の数を試験した。まず、我々は、最適な発現ベクターのためにそれぞれの種をスクリーニングした。このため、植物の葉を、GFP発現転写ベクター:1)転写ベクター35S-GFP+P19(pNMD293)、2)細胞間移行が可能なTMVに基づくウイルスベクターTMV(MP)-GFP(pNMD560)、3)細胞間移行が不可能なTMVに基づくウイルスベクターTMV(fsMP)-GFP(pNMD570)、4)全身移行及び細胞間移行の両方とも可能なPXVに基づくウイルスベクターPVX(CP)-GFP(pNMD630)及び5)全身移行及び細胞間移行の両方とも不可能なPVXに基づくウイルスベクターPVX(ΔCP)-GFP(pNMD620)、を有する5つのアグロバクテリウム培養物のOD=1.5の1:100希釈物で無針シリンジを用いて浸潤させた。いくつかの事例では減圧浸潤を実施した。 我々は、ベンサミアナタバコ(5つのベクター全て)、タバコ(Nicotiana tabacum)(5つのベクター全て)、トマト(Lycopersicon esculentum)(PVXに基づくベクター及び転写ベクター)、トウガラシ(Capsicum annuum)、インカベリー(Physalis peruviana)、ナス(Solanum melongena)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)(いずれもPVXに基づくベクター)を含むいくつかのナス科(Solanaceae)の種について、アグロバクテリウムを媒介とした効率的なトランスフェクションを実証した(図13)。 アグロバクテリウムを媒介としたトランスフェクションを、キク科ファミリーからのレタス(Lactuca sativa)(転写ベクター)、アカザ科ファミリーからのビート(Beta vulgaris)(5つのベクター全て)、ウリ科ファミリーからのズッキーニ(Cucurbita pepo)(転写ベクター)、及びアオイ科ファミリーからのワタ(Gossypium hirsutum)(5つのベクター全て)について実証した(図14)。 アセトシリンゴン(200μM、2時間)でのアグロバクテリウム細胞の処理は、トマト、ナス及びズッキーニを含むいくつかの植物種についてトランスフェクション効率を著しく増加させた(図15)。 浸潤データに基づき、希釈されたアグロバクテリウム懸濁液の吹き付けを植物種の数について試験した。0.1% Silwetを含有する懸濁液の吹き付けによる希釈されたアグロバクテリウム(10-3)の効率的な送達が、図16において細胞間移行能力及び全身移行能力を有するPVXを用いて示されているように、いくつかのタバコ種(ベンサミアナタバコ、ニコチアナ デブネイ(Nicotiana debne)、ニコチアナ エクセルシオール(Nicotiana excelsior)、ニコチアナ エキシグア(Nicotiana exigua)、ニコチアナ マリチマ(Nicotiana maritima)及びニコチアナ シムランス(Nicotiana simulans))について実証された。 ナス科ファミリー、アカザ科ファミリー、ヒユ科(Amarantaceae)ファミリー及びハマミズナ科(Aizoaceae)ファミリーを含む他の種へのアグロバクテリウムの送達が、アグロバクテリウム懸濁液中に浸漬することと、転写ベクター並びに細胞間移行能力を有する及び有さないTMVベクター及びPVXベクターを使用し、研磨剤を伴って及び伴わずに吹き付けることとの両方によって実証された(図17〜21)。トランスフェクションが成功した種のリストには、ヒユ科(Amaranthaceae)ファミリーからのホウレンソウ(Spinacea oleracea)(転写ベクター及びPVXに基づくベクター)、アカザ科ファミリーからのビート(Beta vulgaris)亜種(TMVに基づくウイルスベクター及びPVXに基づくウイルスベクター)(図17)、ナス科ファミリーからのトマト(Lycopersicon esculentum)(PVXに基づくベクター)(図18)、インカベリー(Physalis peruviana)及びジャガイモ(Solanum tuberosum)(図34)(PVXに基づくベクター)(図19)、アオイ科ファミリーからのワタ(Gossypium hirsutum)(TMVに基づくベクター)(図20)が含まれる。アグロバクテリウムトランスフェクション後のワタ組織におけるGFPの発現を、GFP特異的抗体でプローブされたウェスタンブロットを用いて確認した(図21)。 GUS遺伝子をレポーターとして用いて、アグロバクテリウム懸濁液の吹き付けによるトランスフェクションをアブラナ科(Brassicaceae)ファミリーからのナタネ(Brassica napus)について成功させた(図35)。pNMD293プラスミドに基づいて、GFPコーディング配列を、ペチュニア(Petunia hybrida)PSK7遺伝子(AJ224165)由来の7番目イントロンを含有している大腸菌(Escherichia coli)(P05804)由来のベータ−グルクロニダーゼ(GUS)の配列に置換することによってpNMD1971コンストラクトを作製した。 希釈されたアグロバクテリウム懸濁液の吹き付けを利用した植物の効率的なトランスフェクションが、単子葉植物種についても実証された。図36は、0.1% Silwet L-77が添加されたアグロバクテリウム懸濁液を吹き付けた後のタマネギ(Allium cepa)植物のトランスフェクションを示す。pNMD2210コンストラクトを、pNMD1971に基づき、GUS発現カセット内の35Sプロモーターをイネ(Oryza sativa)由来のアクチン2(Act2)プロモーター(EU155408)に置換することによって作製した。 本明細書に記載された全ての実施例において、吹き付けは、手動で直接噴出させる通常量又は500若しくは1000mlのポンプ型噴霧フラスコ(pump spray flask)(Carl Roth、#0499.1及び#0500.1)又は噴出のために高圧力を利用する1.25L量の圧縮噴霧器(Gardena、#00864-20)を用いて実施した。植物は、葉が完全に濡れるように吹き付けた。噴霧器は、吹き付けられるべき懸濁液の均質性を確保するため、特に懸濁液が研磨剤を含有した場合は、時々振り動かした。 実施例4:研磨剤を含有するアグロバクテリウム懸濁液を用いた植物のトランスフェクション これらの実験で使用するカーボランダムを、Mineraliengrosshandel Hausen GmbH、テルフス、オーストリアからのカーボランダム(炭化ケイ素)F800、F1000及びF1200粒子の混合物とした。供給業者によると、F800、F1000及びF1200は、それぞれ6.5、4.5及び3μmの表面中位径(surface median diameter)を有する。F800、F1000及びF1200の粒子の97質量%は、それぞれ14、10及び7μmよりも小さい表面直径(surface diameter)を有する。粒子の94質量%は、それぞれ2、1、及び1μmよりも大きい表面直径を有する。F800、F1000及びF1200を等量の重量で混合した。0.3%(w/v)の混合カーボランダムを0.1% Silwet L-77が添加されたアグロバクテリウム懸濁液に加え、実施例3に記載された噴霧器を用いた植物の吹き付けのために使用した。 図32、22及び33に示される結果は、研磨剤の使用がトランスフェクション効率を著しく増加させることを実証した。0.3%のカーボランダム(炭化ケイ素SiC)を含有するアグロバクテリウム懸濁液のナス(Solanum melongena)植物への吹き付けは、トランスフェクション効率を2倍増加させた(図32)。レッドビートの場合では、同一の研磨剤処理が15倍のトランスフェクション効率の増加をもたらした(図22)。注目すべきことに、研磨剤の使用は、アグロバクテリウム懸濁液の吹き付けによるトウガラシ植物のトランスフェクションを可能とする決定的な要素であった;研磨剤処理とアグロバクテリウム細胞のアセトシリンゴン活性化との組み合わせは、トランスフェクション効率をさらに増加させた(図32)。界面活性剤及び研磨剤での吹き付けを利用してトランスフェクトされた種のリストには、飼料ビート、テンサイの別の亜種、ハマミズナ科ファミリーからのツルナ(Tetragonia expansa)、トウガラシ(Capsicum annuum)及びナス科からのナス(Solanum melongena)も含まれる(図23)。 実施例5:アグロバクテリウムでの処理は繰り返すことができる:複合的な連続処理 我々は、希釈されたアグロバクテリウムを用いたベンサミアナタバコ植物の複合的な連続処理を実施した。この目的のために、以下のコンストラクトを有するアグロバクテリウムの希釈懸濁液の中に葉を浸漬させた:pNMD570(細胞間移行能力を持たないTMV(fsMP)-GFP)、pNMD560(細胞間移行能力を持つTMV(MP)-GFP)、pNMD580(細胞間移行能力を持つTMV(MP)-DsRED)、pNMD620(細胞間移行能力を持たないPVX(ΔCP)-GFP)、pNMD600(細胞間移行能力及び全身移行能力を持つPVX(CP)-GFP)及びpNMD610(細胞間移行能力及び全身移行能力を持つPVX(CP)-dsRED)。トランスフェクション後、これらのベクターは、色及び大きさの異なる蛍光スポットを形成する(図24)。我々は、各試験葉の浸漬トランスフェクションを、3つの異なる培養物で、そしてトランスフェクションの間は7日間間隔で実施した。8通りの試験ベクターの組み合わせのそれぞれについてアグロバクテリウムでのトランスフェクションはいずれも成功し、特定のサイレンシング効果は観察されなかった(図24)。 実施例6:アグロバクテリウムの吹き付けは、細胞間移行が可能なウイルスレプリコンを送達することができる 我々は、アグロバクテリウム懸濁液の1:100及び1:1000希釈物のベンサミアナタバコ植物への吹き付けが、細胞間移行が可能なウイルスレプリコンの効果的な送達を提供し、それはアグロバクテリウムの浸潤を利用して達成された発現と比較して、目的の遺伝子の高発現を結果としてもたらすことを実証した。このことは、GFP(図25)、ヒトアルファ−aインターフェロン及びklip27−ミニインスリン(図26)、並びにサーモビフィダ フスカ由来のエキソ型セルラーゼE3、トリコデルマ リーゼイ由来のエキソグルカナーゼ1(CBH I)、フミコーラ グリセア由来のβ−グルコシダーゼBGL4及びサーモビフィダ フスカ由来のエキソ型セルラーゼE3を含むいくつかのセルラーゼ(図27)について実証された。 実施例7:アグロバクテリウムは、二次メッセンジャーとして転写因子を送達するために使用することができる 我々は、トマト由来のMYB転写因子アントシアニン1(ANT1)の発現を提供するPVXに基づくウイルスベクターを有するアグロバクテリウム懸濁液で浸潤されたタバコ葉におけるアントシアニン生合成の誘導を実証した(図28)。 実施例8:アグロバクテリウムは、二次メッセンジャーとしてRNAiを送達するために使用することができる 我々は、アンチセンス方向でのPDSコーディング配列のフラグメントを含有するPVXに基づくウイルスベクターを有するアグロバクテリウム懸濁液を葉に吹き付けた後の、フィトエンデサチュラーゼ(PDS)遺伝子のサイレンシングにより引き起こされるベンサミアナタバコ葉の光退色を実証した(図37)。このコンストラクト(pNMD050)を作製するため、ベンサミアナタバコフィトエンデサチュラーゼ(PDS)cDNA(EU165355)を、pNMD640クローニングベクターの中にBsaI部位を用いてアンチセンス方向において挿入した。 実施例9:アグロバクテリウムは、二次メッセンジャーとしてMAMPs(病原微生物由来分子パターン(Microbe-Associated Molecular Patterns))を送達するために使用することができる 我々は、シュードモナス由来のフラジェリン遺伝子の発現を提供するPVXに基づくベクター(pNMD1953)を有するアグロバクテリウム懸濁液を植物に予備的に吹き付けた後の、ベンサミアナタバコ葉におけるシュードモナス シリンゲ感染により引き起こされる壊死病斑の数の減少を実証した(図38)。pNMD1953プラスミドを作製するため、pNMD630コンストラクトの中で、GFPコーディング配列を、シュードモナス シリンゲ由来のフラジェリンをコードする配列(YP236536)がインフレームで融合されたオオムギ(Hordeum vulgare)アルファ−アミラーゼ(AMY3)遺伝子(FN179391)由来のアポプラストシグナルペプチドをコードするフラグメントを含む配列に置換した。4つのベンサミアナタバコ植物を、吹き付けによりアグロバクテリウム培養物(OD600=1.3)の1:1000希釈物で接種した。アグロバクテリウム培養物の6dpiで、吹き付けにより1×105cfu/mlのシュードモナス シリンゲB728で全ての植物を接種した。シュードモナスの7dpiで、各植物の2枚の葉の上の壊死スポットを計測することにより病徴を点数付した。葉1枚当たりのシュードモナス感染により引き起こされる壊死スポットの数を、4つの植物の各2枚の葉の平均として与えた。 下記の配列表は、後に続くヌクレオチド配列を含有する。配列番号1:pNMD280のT-DNA領域のTNA領域配列番号2:pNMD033のT-DNA領域のTNA領域配列番号3:pNMD035のT-DNA領域のTNA領域配列番号4:pNMD661のT-DNA領域のTNA領域配列番号5:pNMD670のT-DNA領域のTNA領域配列番号6:pNMD694のT-DNA領域のTNA領域配列番号7:pNMD1971のT-DNA領域のTNA領域配列番号8:pNMD2210のT-DNA領域のTNA領域配列番号9:pNMD050のT-DNA領域のTNA領域配列番号10:pNMD1953のT-DNA領域のTNA領域 参考文献 植物をトランスフェクトする方法であって、懸濁液中に懸濁されたアグロバクテリウム株の細胞及び少なくとも一つの研磨剤を含有する水性懸濁液を該植物の地上部に吹き付けることを含み、該アグロバクテリウム株は、植物の細胞内にトランスフェクトされるべき目的のDNA配列を含有する核酸コンストラクトを含むDNA分子を含む、前記方法。 植物における形質を発生又は変化させる方法であって、(i)該植物を所望の生育状態まで生育させ;(ii)懸濁液中に懸濁されたアグロバクテリウム株の細胞及び少なくとも一つの研磨剤を含有する水性懸濁液を該植物の地上部に吹き付けることを含み、該形質を発生又は変化させることの可能なタンパク質又はRNAを該植物内で発現させる、 該アグロバクテリウム株は、目的のDNA配列を含有する核酸コンストラクトを含むDNA分子を含み、該目的のDNA配列は該タンパク質又は該RNAをコードする、ことを含む、前記方法。 植物において目的のタンパク質を製造する方法であって、(i)該植物を所望の生育状態まで生育させ;(ii)懸濁液中に懸濁されたアグロバクテリウム株の細胞及び少なくとも一つの研磨剤を含有する水性懸濁液を該植物の地上部に吹き付けることを含み、目的の該タンパク質を該植物内で発現させる、 該アグロバクテリウム株は、目的のDNA配列を含有する核酸コンストラクトを含むDNA分子を含み、該目的のDNA配列は該目的のタンパク質をコードする、ことを含む、前記方法。 圃場における作物を害虫から保護する方法であって、(i)該圃場の土壌で該植物を生育させ;(ii)該植物の所望の生育状態において、害虫による該植物の少なくとも一つの侵入を決定し;(iii)懸濁液中に懸濁されたアグロバクテリウム株の細胞及び少なくとも一つの研磨剤を含有する水性懸濁液を該植物の地上部に吹き付けることを含み、前工程で決定された害虫に対して有害なタンパク質又はRNAを該植物内で発現させる、 該アグロバクテリウム株は、プロモーターに作動可能に結合された目的のDNA配列を含有する核酸コンストラクトを含むDNA分子を含み、該目的のDNA配列は該タンパク質又は該RNAをコードする、ことを含む、前記方法。 該水性懸濁液が、該懸濁液の最大2.2×107cfu/ml、好ましくは最大1.1×107cfu/ml、より好ましくは最大4.4×106cfu/ml、さらに好ましくは最大1.1×106cfu/mlの濃度で該アグロバクテリウム株の細胞を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。 該研磨剤が、シリカ又はカーボランダム等の水和剤用の特定の無機担体である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 該水性懸濁液が、該懸濁液の0.02〜2重量%の間、好ましくは0.05〜1重量%の間、そしてより好ましくは0.1〜0.5重量%の間の量で該研磨剤を含有する、請求項6に記載の方法。 懸濁液に添加される研磨剤の平均粒子径が0.1〜30μmの間、好ましくは0.1〜10μmの間、より好ましくは0.5〜10μmの間、そして最も好ましくは0.5〜5μmの間である、請求項6又は7に記載の方法。 研磨剤が最大40μm、好ましくは最大30μmのD90値を有し;そして研磨剤が45μmを超える、好ましくは40μmを超える大きさを有する粒子を含有しない、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。 該懸濁液が、農業用吹き付け補助剤、好ましくは非イオン性界面活性剤又は湿潤剤をさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。 吹き付け補助剤が、オルガノシリコン湿潤剤、例えばSilwet L-77である、請求項10に記載の方法。 該核酸コンストラクトがT-DNAボーダー配列の少なくとも一つの側の横に配置しており、該植物の細胞内に該核酸コンストラクトを送達させることができる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 該核酸コンストラクトが、該目的のタンパク質をコードする複製ウイルスベクターをコードし、該ウイルスベクターが該植物において全身移行することができない、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。 該目的のDNA配列が、植物細胞において活性的なプロモーターに作動可能に結合されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。 懸濁液中に懸濁されたアグロバクテリウム株の細胞及び少なくとも一つの研磨剤を含有する水性懸濁液であって、該水性懸濁液が、該懸濁液の最大4.4×107cfu/ml、好ましくは最大1.1×107cfu/ml、好ましくは最大4.4×106cfu/ml、より好ましくは最大1.1×106cfu/mlの濃度で該アグロバクテリウム株の細胞を含有し;該アグロバクテリウム株は、プロモーターに作動可能に連結されていてもよい異種の目的のDNA配列を含有する核酸コンストラクトを含む異種DNA分子を含み;該懸濁液は、好ましくは、オルガノシリコン界面活性剤等の非イオン性湿潤剤を場合によりさらに含む、前記懸濁液。 植物をトランスフェクトする方法であって、懸濁液中に懸濁されたアグロバクテリウム株の細胞及び少なくとも一つの研磨剤を含有する水性懸濁液を該植物の部分に吹き付けることを含み、該アグロバクテリウム株は、植物内にトランスフェクトされるべき目的のDNA配列を含有する核酸コンストラクトを含むDNA分子を含む、前記方法。