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タイトル:公表特許公報(A)_生物学的流体中の、中間体及びタンパク質結合尿毒症毒素の含有量を決定するための方法及び装置
出願番号:2013517023
年次:2013
IPC分類:G01N 21/64,G01N 33/68


特許情報キャッシュ

フリドリン,イヴォ ウーリン,フレドリック イエロトスカヤ,ジャナ タンネール,リスト アルンド,ユルゲン JP 2013534630 公表特許公報(A) 20130905 2013517023 20110628 生物学的流体中の、中間体及びタンパク質結合尿毒症毒素の含有量を決定するための方法及び装置 タリン ユニヴァーシティ オブ テクノロジー 508347672 伊東 忠重 100107766 伊東 忠彦 100070150 大貫 進介 100091214 フリドリン,イヴォ ウーリン,フレドリック イエロトスカヤ,ジャナ タンネール,リスト アルンド,ユルゲン EE P201000085 20101210 EE P201000056 20100628 G01N 21/64 20060101AFI20130809BHJP G01N 33/68 20060101ALI20130809BHJP JPG01N21/64 ZG01N33/68 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW EE2011000008 20110628 WO2012000521 20120105 24 20121221 2G043 2G045 2G043AA01 2G043BA16 2G043EA01 2G043FA03 2G043KA02 2G043KA03 2G043NA01 2G043NA06 2G045AA13 2G045AA25 2G045CA25 2G045CA30 2G045DA01 2G045DA09 2G045DA35 2G045DA36 2G045DA43 2G045FA29 2G045FB06 2G045FB12 2G045GC15 2G045JA01 本発明は、生物学的流体中の中間体及びタンパク質結合尿毒症毒素などの、生物学的流体中の化合物の決定及び定量的濃度測定のための新規方法及び装置に関する。より具体的には、本発明は、蛍光、好ましくは使用済み透析液の蛍光を利用する光学的方法、及び、好ましくはオンラインで、ベータ2−ミクログロブリン(B2M)及びインドキシル硫酸(IS)などの中間体及びタンパク質結合尿毒症毒素の濃度を決定するための、特定の波長の特異的な光学スペクトル成分の組みを含む、具体的なモデルに関する。 尿毒症症候群は、健康な腎臓では通常の状態で排出される多くの種類の化合物が、累進的に保持されることに起因する。これらの化合物は、生物学的機能に対し悪影響をおよぼす場合尿毒症保持溶質、又は尿毒症毒素と呼ばれる。前記尿毒症症候群は、いくつかの代謝機能の障害が臨床的問題を反映する場合に、多因子問題の結果として廃棄物を保持する複雑な「中毒」である。いくつかの臓器や器官系が影響を受ける:心臓血管系(高血圧症、心臓炎、心不全)、末梢神経系(多発性神経障害)、中枢神経系(記憶障害、集中力低下及び精神的能力低下)、血液(貧血、出血傾向)、凝固、免疫状態(免疫抑制)、吐き気、嘔吐などである。 欧州人工臓器会(ESAO)及び欧州尿毒症作業グループ(EUTox)は、多くの研究を行い、尿毒症毒素を特定し、尿毒症毒素を腎臓病患者の臨床状態とを関連付けることに成功を収めた(Vanholder、De Smet et al.2003)。 前記医学論文では、尿毒症毒素が3つのグループ:1)小分子(MW<500Da);2)中間分子(MW>500Da);3)タンパク質結合溶質、に分けられる。 異なる尿毒症毒素は、患者に対して多くの異なる方法及び程度で影響を与え、透析患者のために最善の生存率、治療及び生活の質を保証するためには、いくつかの尿毒症毒素をモニタすることが必須である。 臨床的には、尿毒症毒性に関係する最も問題となる分子は次である:小分子量溶質(MW<500Da):尿素、クレアチニン、尿酸、グアニジン−ADMA(非対象ジメチルアルギニン)、リン酸塩。 中間分子(MW>500Da):β2−ミクログロブリン、サイトカイン(インターロイキン6)、副甲状腺ホルモン(PTH)−(同時にタンパク質結合グループにも属する)。 タンパク質結合溶質:インドキシル硫酸、ホモシステイン、P−クレソール、AGE産物、馬尿酸。 小分子尿毒症毒素についてのより広範な概要は、(Vanholder et al、2003)に見られる。重要な1つの結論は、1つのみのマーカーをモニタすることでは透析治療の評価には不十分である、ということである。この点において、使用済み透析液中の尿素、クレアチニン及び尿酸などの可溶性小分子量物質の定量的濃度測定のための方法及び装置が初期の研究で記載されている(Ivo Fridolin等、2007年4月12日出願の国際公開公報第2009071102A1号、及びFridolin等、2010年5月20日出願のエストニア特許出願公開第201000049号)。 現在、前記中間分子(MM)(MW>500Da)のより効果的除去を目標とするHDFなどの高対流透析治療の利用により、前記品質は、MM尿毒症毒素グループ(例えばβ2−ミクログロブリン)に帰属する又はMM尿毒症様に挙動するマーカー分子により評価されるべきである。前記中間分子化合物は病理学的役割を持ち、最もしばしば長期的合併症のマーカーであり、かつ透析アミロイドーシス、心臓欠陥疾患、二次性副甲状腺機能亢進症、炎症や栄養失調などのHD患者の死亡原因となる。これらの化合物の蓄積の低減及び長期間の低濃度は、かかる合併症の予防又は発症を遅延させることとなり得る。慢性β2−ミクログロブリンの低濃度を誘導するハイフラックス膜及び対流と混合透析戦略を用いる結果として、手根管症候群の発生と透析アミロイドーシスの兆候が大きく低減することが、2つの大規模レトロスペクティブ研究で報告された(Tattersall、 Martin−Malo等、2007)。 前記中間分子とタンパク質結合溶質グループでの最も関連する尿毒症毒素についての短い説明、関連性の強調及びモニタの重要性が以下に与えられる。 β2−ミクログロブリン(B2M)(MW11818D)は、HLAクラスI複合体の軽鎖であり、従って全ての有核細胞に発現される。B2Mは通常血漿中には低濃度で見られる。末期腎不全ではその濃度が顕著に上昇し、低下腎排泄が次に続発する。尿毒症関連アミロイドは、大部分B2Mからなり、本質的に骨関節システム及び手根管で見出される。尿毒症関連アミロイドーシスは、数年の慢性腎不全後及び/又は老人に臨床的に守られるようになる。B2Mは、前記中間分子の透析除去のためしばしば使用されるマーカーである。透析の間、B2Mの挙動は、しかし必ずしも、他の中間分子の挙動を表すものではない。大孔膜での血液透析は、透析前のB2Mの漸進的な減少、及び透析関連アミロイドーシス及び/又は手根管症候群の有病率の低下をもたらす。血液透析(HEMO)試験のサブ解析で、血清B2M濃度は直接患者の転帰に関連していた。欧州最良実施ガイドライン(EBPG)は、MM尿毒症毒素の理想的マーカーの特徴を持つ代理分子はいまだ特定されていないが、B2Mは同じサイズの他のMM又はペプチドの動的挙動において代表的であり、かかる分子のためのマーカーとして使用され得る、ことが指摘されてきた(ERA−EDTA、2002)。 サイトカインは小分子であり、尿毒症及び容積による慢性炎症に関連する。約150のサイトカインが知られているが、約300のサイトカインが存在すると考えられている。尿毒症毒素はインターロイキン−1−β、インターロイキン6及び腫瘍壊死因子アルファである。TNF−アルファの蓄積は、尿毒症における神経学的及び血液学的合併症に関与する可能性がある。インターロイキン6(MW24500D)は免疫系を制御し、細菌及びウイルス感染で増加する。 ホモシステイン(Hey)(MW135D)は、硫黄含有アミノ酸であり、栄養素メチオニンの脱メチル化により生成される。これを保持することは、細胞内にS−アデノシルホモシスチンの蓄積を起し、これは非常に毒性化合物であり、S−アデノシルメチオニンと競合しメチルトランスフェラーゼを阻害する。中間的な高ホモシステイン血症は、心血管疾患の独立したリスク因子である。Heyは血管平滑筋細胞、アテローム性動脈硬化症の最も顕著な特徴の1つである増殖を増加させる。P−クレソール(MW108D)は、腎臓により清浄化され、肝臓で代謝される。P−クレソールは、免疫機能抑制に関連する尿毒症毒素である。前記タンパク質結合は高く、透析治療での除去は低い。 AGE生成物(3−デオキシグルコソン、フルクトースリジン、グリオキサール(エタンジオール)、メチルグリオキサール、N−エプシロン−(カルボキシメチル)リジン、ペントシジン(MW342D)は、腎不全で保持されるだけでなく、糖尿病や加齢でも保持され、これらは組織的障害と機能障害の原因である。 馬尿酸(MW179D)は、キナ酸を含むコーヒー、果物又は野菜を摂取することから誘導され得る。この化合物は、腸内細菌の活動により安息香酸へ変換され、安息香酸塩は肝臓でグリシンと共役される。馬尿酸及びその前駆体の摂取に加えて、馬尿酸患者はさらに、いくつかのヘパリン溶液及びエリスロポイエチンの複数回投与形で保存剤として使用され得るベンジルアルコールの形で馬尿酸前駆体の負荷を受ける。馬尿酸は、薬物毒性及び他のタンパク質結合尿毒症溶質の毒性を、タンパク質結合の競合により増強し得る。これはインスリン抵抗性及びグルコース耐性に関連してきた(Yavuz等、2005)。馬尿酸は、UV吸収を用いるモニタのために適した化合物の1つとして認められてきた(2003年12月23日、Falkvall等、米国特許第6666840号)。しかし、最近の研究は、前記の方法による馬尿酸モニタは実現が難しいということが示されている(Trifonov、2009)。この理由で新たな方法が必要とされる。 インドキル硫酸(IS)(MW251D)は肝臓でインドールに代謝され、これはトリプトファンの1つの代謝物として腸内細菌叢により生成される。腸内でインドールの生成は、尿毒症が腸内細菌叢の組成に与える影響のために尿毒症患者においては清浄な人に比べて多い。ISは、循環性尿毒症毒素であり、糸球体硬化症と間質性線維症を刺激し、PD又は経口吸収体投与により除去することは無傷のネフロン損失を遅らせる。インドキシル硫酸は、タンパク質結合尿毒症保持溶質グループの良く知られた物質の1つであり、腎不全の進行速度を増加させる。血漿中で、ISはタンパク質結合尿毒症溶質であり、インビトロでの内皮増殖及び遊走を抑制することで内皮機能不全を誘発する。ある研究は、ISは酸化性ストレスに伴うことが示唆されている。血液透析患者では、ISの血清濃度は、カルボニル及び酸化ストレスのマーカーであるペントシジンの濃度に関連し;インビボではインドキシル硫酸は、管状細胞内の反応性酸素種生成を増加させ、血管内皮細胞のNAD(P)Hオキシダーゼ活性を増加する。インドキシル硫酸は、骨芽細胞を損傷させ、骨代謝の異常を誘発し、及び細胞の最も活性な抗酸化システムの一つであるグルタチオンの濃度を強く低下させる。 インドール−3−酢酸(I3AA)は、トリプトファン代謝の分解物の1つであり、哺乳類腸内細菌の作用により生成される。哺乳動物組織中で、I3AAの一部の内因性生産がまた生じる。これはまた、トリプタミンの脱カルボン酸化、又はトリプトファンの脱アミノ化により生成され得る。I3AAはしばしば、尿中で低濃度で生じ、フェニルケトン症の患者の尿中に高い濃度で見られる。人尿から抽出される物質を用いて、1933年にKoglにより、インドール酢酸はまた重要な植物ホルモンであることが発見された。具体的には、I3AAはオーキシンと呼ばれる祝物ホルモンのグループの一員である。I3AAが一般には最も重要な天然オーキシンであると考えられている。植物細胞はI3AAをトリプトファンから合成する。I3AA及びいくつかの誘導体はホースラディッスパーオキシダーゼ(HRP)で毒性種に酸化される。I3AAは酸化的脱カルボン酸化後でのみ毒性となり;I3AA/HRPの効果は、メチレン−オキシインドール(これはDNA塩基及びタンパク質チオールと共役し得る)の形成に部分的によるものと考えられている。I3AA/HRPは目標癌のための、癌治療での植物オーキシンの可能な新たな役割の基礎として使用され得る(Wishart.DS、Knox.C等、2009)。β2−ミクログロブリンは主に、ELISAアッセイ法で決定される。前記方法は自動分析装置として自動化されるが、ELISA自体の長所は前記方法の違いと複雑性の大量検出である。これは、専門家による操作が必要であり、高価であり、検出試薬を貯蔵することが難しいことから、ルーチン又は自家検出には適用され得ない。前記方法の品質及び信頼性を保証するために大きな注意が取られてきたが、ある場合には、異常な結果が干渉因子の高濃度による得られる。AGE生成物の多くは、液体クロマトグラフィーで決定され得るが、欠点は、測定が非常に複雑である、ということである。AGEのほとんどそれぞれが、他のそれぞれのAGE生成物とは異なる、特別の扱い、特別のサンプル前処理方法、クロマトグラフィー、及び検出手順が必要である。多くの異なる装置、利用しにくい試薬と非常に専門家された操作が必要となる。 他のMMをタンパク質結合尿毒症毒素が、高性能逆相液体クロマトグラフィー(HPLC)法を用いて決定される。例えば、インドキシル硫酸は、蛍光検出(励起280nm、発光340nm)で決定され、かつ馬尿酸は、血清中及び使用済み透析液中で254nmで紫外線検出法で分析された(Dhondt、Vanholder等、2003)。この方法は次の欠点を含む:1)化合物の分離は、試験の精度に影響を与える類似の性質により難しい;2)操作が複雑であり、多くの試薬が必要であり、専門家により操作される必要がある;3)サンプルが脱タンパク質の前処理が必要であり;かつ4)必要な装置が高価である。 蛍光で医薬物を検出する他の方法は2004年5月13日のBabichenko等の国際公開第2005111586号に提案されている。この技術は、オンサイト薬物検出及び定量化のためのスペクトル蛍光特徴(SFS)技術を利用する。この方法は、記憶され、知られたライブラリ物質のSFSが、未処理ストリートサンプル中の化合物と一致することを仮定すると、未処理ストリートサンプルの測定に適したものでる。これは、多くの未知物質を含む生物学的流体について満たすことは難しい。また、前記記憶され、知られた物質のライブラリの3次元蛍光スペクトルを含むデータベースと比較するために使用される3次元蛍光スペクトルの測定の必要性は、少量のサンプルで、簡単にかつロバストなものとして実施するためにはその方法を技術的に複雑なものにする。類似の方法、光学的な多次元特徴を利用する方法が、2003年10月9日のNekrasov Viktor等の米国特許出願公開20050079628号に記載され、これは特に多成分混合物中の物質及び材料を分析する目的で光学的方法である。他成分混合物のアッセイの前記記載された方法はまた、標準サンプルを必要とし、前記説明した方法と類似の欠点を持つ。 患者の透析治療に適合させるために透析装置を制御するために透析治療の間に透析液中の廃棄生成物の量を決定するための他の方法が、2003年12月23日のFalkvall等の米国特許第6666840号及びその参考文献に記載されている。前記透析液中のある物質又は物質の組み合わせの濃度の測定は、透析治療の間に透析装置から取り出される透析液からのサンプルについて連続的又は規則的に得られる。測定は、UV放射(180〜380nm波長)の手段によりスペクトル方法で実施される。透析治療の少なくとも1つのパラメータは、前記物質又はその組み合わせの濃度の測定により調節される。この方法の長所は、血液サンプルが必要ないこと、使い捨て物や薬品が必要なく、かつ迅速なことである。しかし、この方法は一般的であり、単一化合物を特に測定するための方法に特化することはなく、透析モニタのために使用されることを意図されている。さらに、濃度測定についての結果は示されない。前記の方法を用いた尿酸及び尿素の測定についてのより詳しい説明は、次の科学文献に記載されている(Uhlin、Lindberg等、2005、Uhlin、Fridolin等、2005)。 他の方法は、近赤外放射を用いる透析モニタ方法及び装置に関し、RIO GRANDE MEDICAL TECH INCの1998年5月14日の国際公開第9819592号に記載されている。この方法の長所は、UV放射の長所と類似する。しかし、記載された方法は、尿素及びクレアチニンを、異なる技術と光学的考慮による近赤外スペクトル方法を利用することで測定する。近赤外放射スペクトルのために、較正及び予想段階を用いて主因子分析が米国特許第5886347号に記載されている。 2003年9月10日のVASILEVSKIJ.A.M等のロシア国特許第2212029号は、Beer−Lambert則を用いて、使用済み透析液中の成分のミリモル分子吸光係数を用いる。この発明で与えられる例は、尿素、リン酸塩、クレアチニン及び尿酸の濃度決定が記載されている。しかし、この例は、1回の透析手順についてのみ与えられており、これは重大な制限であり、一般的に使用され得ない。さらに、この出願には間違って説明されているように尿素及びリン酸塩はUV放射を吸収せず、従って、尿素及びリン酸塩の濃度測定はこの発明では不可能である。さらに、使用済み透析液中のいくつかの未知の発色団のために、クレアチニンの濃度測定はBeer−Lambert則は適用できない。 最近、使用済み透析液中の、尿素、クレアチニン及び尿酸などの水溶性小分子量物質の定量的濃度測定の方法及び装置が提案された(Fridolin等の2010年5月27日のエストニア特許出願公開第201000049号)。 しかし前記の全ての方法は、水溶性小分子量化合物を評価するものであり、中間分子及びタンパク質結合溶質グループの尿毒症毒素ではない。後者の実験質及びクロマトグラフィー分析はむしろ複雑であり、使い捨て器具や化学薬品を使用し、従って、オンライン、連続的、患者又は臨床治療(例えば透析)モニタあのためには適するものではない。 そこで、血清、尿、唾液中など、及び使用済み透析液中の生物学的流体中の中間的及びタンパク質結合尿毒症毒素を直接かつ容易にモニタし、既存の方法の欠点を解消する新たな方法の必要性が存在する。米国特許第6666840号明細書国際公開第09819592号明細書ロシア国特許第212029号明細書国際公開第2009071102号明細書エストニア特許出願公開201000049号明細書国際公開第2005111586号明細書米国特許出願公開20050079628号明細書Casino FG、Pedrini LA、Santoro A、Mandolfo S、David S、De Cristofaro V、Teatini U、Lomonte C、Lopez T.A simple approach for assessing equilibrated Kt/V beta2−M on a routine basis.Nephrol Dial Transplant.2010 Sep;25(9):3038−44.Dhondt、A.W.、R.C.Vanholder、et al.(2003).”Studies on dialysate mixing in the Genius (R)single−pass batch system for hemodialysis therapy.”Kidney International 63(4):1540−1547.ERA−EDTA(2002).”EBPG − European Best Practice Guidelines:SECTION II.Haemodialysis adequacy II.2 Haemodialysis dose quantification:middle molecules(MM).”Nephrology Dialysis Transplantation 17[Suppl7]:21−23.Fridolin、I.、M.Magnusson、 et al.(2002).”On−line monitoring of solutes in dialysate using absorption of ultraviolet radiation:technique description.”The International Journal of Artificial Organs 25(8):748−761.Tattersall、J.、A.Martin−Malo、et al.(2007).”EBPG guideline on dialysis strategies.”Nephrology Dialysis Transplantation 22:5−21.Tattersall J.Clearance of beta−2−microglobulin and middle molecules in haemodiafiltration.Contrib Nephrol.2007;158:201−9.Trifonov、V.(2009).Application of CLS and ILS modeling for analysis of uremic toxins、Supervisor I.Fridolin、.Biomedical Engineering Centre、 Technomedicum.Tallinn、Tallinn University of Technology.MSc Diploma work.Uhlin、F.、I.Fridolin、et al.(2005).”Estimating total urea removal and protein catabolic rate by monitoring UV absorbance in spent dialysate.”Nephrol Dial Transplant.Nov.20((11)):2458−2464.Uhlin、F.、L.G.Lindberg、et al.(2005).Total Removed Uric Acid During Dialysis Estimated by On−line Ultra Violet Absorbance in the Spent Dialysate.3rd European Medical&Biological Engineering Conference、EMBEC”05、Prague、 Czech Republic、IFMBE Proceedings 11、CD−ISSN:1727−1983、6 pages、IFMBE Proceedings.Vanholder、R.、R.De Smet、et al.(2003).”Review on uremic toxins: classification、concentration、and interindividual variability.”Kidney International 63(5):1934−1943.Wishart DS、Knox C、et al.(2009).”HMDB:a knowledgebase for the human metabolome.”Nucleic Acids Res.37((Database issue)):D603−610.Yavuz、A.、et al.(2005).”Uremic toxins:a new focus on an old subject.”Semin Dial(May−Jun;18(3)):203−11. 本発明の目的は、生物学的流体中の中間体及びタンパク質結合尿毒症毒素の濃度を決定するための新たな方法及び装置を提供することである。より具体的には、本発明は、生物学的流体、好ましくは、使用済み透析液の蛍光を利用する光学的方法、及び前記サンプルで、又はベッドサイドで直接影響され得るオンラインでの物質の濃度を決定するための変換関数を含む濃度計算アルゴリズムに関する。 前記方法及び装置は、特定の測定に適する測定キュベット(セル)を利用する、インビトロ又はオンラインで前記物質の濃度を決定する。 本発明の他の目的は、生物学的流体中の前記中間物及びタンパク質結合尿毒症毒物の定量的濃度決定の実用的光学的方法とそれらの除去を提供することである。決定された値は、モニタ上に容易に直接表示され、又は印刷され得る。本方法及び装置は、使い捨て化学物質を必要とせず、高価な分離技術も必要とせず、及び、容易に、大量に製造可能な環境にやさしい光学的方法を与える。 さらに本発明の目的は、患者(例えば透析患者)のより高い死亡率のリスクに直面するためにルーチンの臨床モニタを評価する方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、液体サンプル中の物質の濃度を決定するための、新規な、迅速な、簡便なそして安全な方法を提供することである。前記液体サンプルは、インビトロ測定のために直接前記検出キュベット上に滴下され得る、又はオンラインモニタのためにフローセルを通る流体の流れに送られ得る。前記方法は、生物学的流体中の物質濃度検出が適用される場合には自家使用に適している。 ここで説明される構成及び利点は全てではなく、添付の図面、明細書及び特許請求の範囲とから、当業者には多くの追加の構成及び利点が明らかであろう。さらに留意すべきことは、明細書で使用される用語は、一義的には読みやすさ及び説明の目的で使用されており、本発明課題の範囲を限定する目的ではない、ということである。 本発明は、以下添付の図面を参照して説明される。図1は、透析の間使用済み透析液に適用される、本発明の1つの実施態様のブロックダイヤグラムを示す。図2Aは、(A)純粋透析液サンプルについて、励起波長範囲220−500nm、及び発光波長範囲250−800nmで得られた蛍光スペクトルの例を示す。図2Bは、(B)透析手順の開始後10分後に取られた使用済み透析液サンプルについて、励起波長範囲220−500nm、及び発光波長範囲250−800nmで得られた蛍光スペクトルの例を示す。図2Cのは、(C)透析手順の開始後207分後に取られた使用済み透析液サンプルについて、励起波長範囲220−500nm、及び発光波長範囲250−800nmで得られた蛍光スペクトルの例を示す。図3Aは、実験室及び本新規方法で測定されたβ2−ミクログロブリン(B2M)の間の直線関係を:励起波長(EX)範囲220−500nm、及び発光波長(EM)範囲250−800nmでの3Dプロットとして、実験室での測定濃度と蛍光信号の間の相関係数として示す。図3Bは、実験室及び本新規方法で測定されたβ2−ミクログロブリン(B2M)の間の直線関係を:励起波長(EX)範囲370nm、及び発光波長(EM)範囲220−700nmでの2Dプロットとして、実験室での測定濃度と蛍光信号の間の相関係数として示す。図3Cは、実験室及び本新規方法で測定されたβ2−ミクログロブリン(B2M)の間の直線関係を:固定の励起波長及び励起波長(EX=370nm、EM=456nm)での本新規方法で測定されたB2M、濃度のプロットとして示す。図4Aは、実験室でのHPLCによる方法及び本新規方法で測定されたインドキシル硫酸(IS)の間の直線関係を:励起波長(EX)範囲220−500nm、及び発光波長(EM)範囲220−800nmでの3Dプロットとして、実験室での測定濃度と蛍光信号の間の相関係数として示す。図4Bは、実験室でのHPLCによる方法及び本新規方法で測定されたインドキシル硫酸(IS)の間の直線関係を:励起波長(EX)範囲300nm、及び発光波長(EM)範囲220−590nmでの2Dプロットとして、実験室での測定濃度と蛍光信号の間の相関係数として示す。図4Cは、実験室及び本新規方法で測定されたβ2−ミクログロブリン(B2M)の間の直線関係を:固定の励起波長及び励起波長(EX=300nm、EM=358nm)での本新規方法で測定されたIS濃度のプロットとして示す。図5は、Bland−Altmanプロットを示し、バイアス補正後の、平均_eKt/V(b&f)_B2Mに対して、eKt/Vb_B2M及びeKt/Vf_B2M(HDFセッションの数N=19)の間の差として、8患者について推定されたパラメータeKtV_B2Mがプロットされている。図6は、使用済み透析液で測定された光学的方法からeKt/Vf_B2MとしてB2Mの透析量を示し、血液サンプル(HDFセッション数N=19)を用いて推定されたeKt/Vb_B2Mに対してプロットされている。点線として収束直線がまた示されている。図7は、Bland−Altmanプロットを示し、バイアス補正後の、平均_TR(d&f)_ISに対してプロットされたTRd_IS及びTRf_IS(HDFセッションの数N=19)の間の差として、8患者について推定されたパラメータTR_ISがプロットされている。図8は、使用済み透析液を用いて実験室からのTRd_ISに対してプロットされた光学的方法からTRf_ISとしてISの透析量を示す。点線として収束直線がまた示されている。図9は、使用済み透析液のHPLCプロフィルを表し:(A)波長254nmで測定される吸収、及び(B)固定発光及び励起波長(EX=370nm、EM=456nm、及びEX=280nm、EM=360nm)で測定された蛍光による。透析の間に除去される発色基又は蛍光基を表すいくつかの高い頻出するピークが観察される。いくつかのHPLCピークが識別され、例えばクレアチニン(Cr)、尿酸(UA)、馬尿酸(HA)、トリプトファン(Tip)、インドキシ硫酸(IS)、インドール−3−酢酸(I3AA)である。3つの頻出するが未知のピーク−ピークA、ピークB及びピークCが異なる波長で検出された。 生物学的流体1(図1参照)中の前記中間物及びタンパク質結合尿毒症毒素5(例えばB2M)の含有量を決定するための装置は:光学モジュール2を含み、これは蛍光分析システムを含み、これは光源と光検出装置を含み、及び前記生物学的流体1のサンプルを保持するための蛍光測定キュベットを含み、それにより前記光がサンプル中に導かれ、蛍光信号が前記サンプルから検出されることができ;及び信号処理モジュール3を含み、これはデータ取得モジュールと信号処理モジュールからなり、これには変換関数を持つ濃度又は除去計算アルゴリズムが組み込まれ、及び表示モジュール4が含まれる。 前記光源は、ブロードバンド光源又はナローバンド光源のいずれかであり得る。ブロードバンド光源は使用される場合は、ブロードバンド検出装置及びフィルタのいずれか、又はナローバンド検出装置が使用され得る。1つの実施態様では、前記光源は特定の光学領域(波長範囲190−890nm)で操作される。 実施態様によれば、蛍光検出装置は波長範囲190−900nmで操作される。検出可能な蛍光は、前記生物学的流体中の測定可能な物質により直接発光されるか、又は前記発光は中間的なものであって、いつかの他の天然物又は意図的に添加された前記生物学的流体の成分により、いくつかのエネルギー移動メカニズムにより考慮している前記流体中の分子間で生じ得る。 測定キュベットは、例えばインビトロ測定に適合されるか又はオンライン測定のために設計され得る。 1つの実施態様では、スペクトル処理モジュールは、前記生物学的流体中のある物質の濃度を計算する変換関数を含む濃度又は除去計算アルゴリズムを実行するように適合される。 前記変換関数は、蛍光信号F(無次元)をある尿毒症毒素濃度[mg/L]に変換するために回帰分析に基づく。直線関係の存在で、前記変換関は、「尿毒症毒素濃度[mg/l]=F*傾き+切片」の形を有する。 データ表示モジュールは、データ表示のためのプログラムを実行するように適合され、データ可視化モジュール、例えばモニタ、ディスプレイ又は印刷装置を含みか、それに接続される。 実施例 使用済み透析液中のある物質、中間物分子β2−ミクログロブリン(B2M)、及びタンパク質結合尿毒症毒素インドキシル硫酸(IS)の濃度測定が本発明の例として与えられる。 対象: 8人の尿毒症患者、男性1人、女性7人がこの研究に含まれている。全患者は、臨床ステージ3であり、毎週、オンライン血液透析(ol−HDF)をDepartment of Nephrology、University Hospital of Linkoping(スエーデン)で行った。使用された透析装置は、Fresenius 5008(Fresenius Medical Care、ドイツ)であった。使用された透析機器は、全ての治療で、63ml/時間mmHgの限外濾過係数の有効膜面積1.8m2のFX800(Fresenius Medical Care、ドイツ)を用いた。ol−HDF治療の持続時間は、180−270分の間で変動し、透析液流は500mL/分、血液流は280−350mL/分で変動した。全患者は、「2本針システム」を用いて動脈−静脈瘻を介して透析された。オンライン調製交換容量の計算のための自動サブシステムモードは、1セッション12.2から29.7リットルで変動した。 サンプリング: 排出チューブからサンプルが、9(分)、30、60、120、180及び、180分よりも長い場合には前記ol−HDFセッションの終了時に取得された。1つのサンプルは、注意深く撹拌し秤量された後、透析/限外濾過収容タンクから所得された。計画されたサンプリング時間の間に透析装置の自己テストが起こる場合には、サンプリは、2−3分内に起るUV吸収曲線がベースラインレベルに再度到達する際に取得された。純粋透析液は、透析装置が開始が準備され、導電率が安定となった時、透析セッションの開始前に参照溶液とするように集められた。 使用済み透析液/限外濾過液中のB2M濃度の決定は、Chemical Laboratory、University Hospital(Linkoping)で実施された。ISの濃度は、Tallinn Technical University、Technomedicum、Department of Biomedical EngineeringでHPLC分析の際に蛍光信号により決定された。 蛍光スペクトル計(SHIMADZU RF−5301)が蛍光測定のために使用された。蛍光分析系は、220−900nm(好ましくは220−500nm)の励起波長範囲、220−890nm(好ましくは220−800nm)の発光波長範囲、及び励起増加分10nmで実施された。0.4と1cmの光学路長さの光学キュベットが使用された。得られた蛍光曲線は、Panorama fluorescenceソフトウェアで処理され、表示され、最終データ処理は EXCEL(Microsoft Office Excel 2003)で行った。た 結果に基づき、直線相関係数(R)及びR二乗値(R2)が決定された。正確度(BIAS)及び精度(SE)が、参照値として実験室からの濃度を用いて新たな方法について計算された。 結果: 図2は、励起波長範囲240−500nm及び発光波長範囲250−800nmで得られた、(A)は純粋な透析液;(B)は透析セッションの開始後10分で取得された使用済み透析液;及び(C)透析セッションの開始後240分で所得された使用済み透析液での3D蛍光スペクトルの例を示す。特定の領域でいくつかの蛍光極大が明瞭に識別される。さらに、蛍光強度は、使用済み透析液の除去された尿毒症毒素の濃度に比例し、蛍光スペクトルの特定の領域においては、透析治療の最初(10分)はより高く、かつ透析の最後(207分)はより低くなる。 この新たな方法からの蛍光値と実験室からの濃度を用いて、B2Mの及びISについて直線関係分析により、図3A、B及び図4A、Bに示されるように関係がプロットされた。これにより、光学測定を濃度値に変換することが可能な特異的モデルが導かれた。 ある波長での光学スペクトル成分の特異的な組みを含むこの新たな方法による、特異的モデルにより得られた、使用済み透析液中でのB2M及びISの決定された値は、実験室で生化学的方法又はHPLCにより測定値との比較と共に、図3C及び図4Cに示されている。 新たな方法についての正確度(BIAS)は、として計算され、ここでeiはi番目の残渣、及びNは観測数である。前記i番目の残渣は、i番目の測定について、実験室と光学的に決定された値との差として得られた。 精度(SE)は、として計算される。 表1に、B2M及びIS濃度について、標準化された方法(Lab)及び新たな方法(F)から得られた平均値と標準偏差(平均±SD)として全ての結果をまとめた。光学的方法からの尿毒症毒素濃度と実験室で測定された濃度との間の直線相関係数(R)及びR二乗値(R2)、及びB2MとISの濃度を測定するための前記異なる方法についての正確度(BIAS)及び精度(SE)がまた与えられている。 表1: 標準方法(Lab)及び新たな方法(F)からの濃度の平均及び標準偏差値(平均±SD)、光学的方法からの尿毒症毒素と実験室で測定された濃度との間の直線相関係数(R)及びR二乗値(R2)、B2MとISの濃度を測定するための前記異なる方法についての正確度(BIAS)及び精度(SE)。 表1から、新たな方法を適用することで、B2M及びIS濃度の決定は、十分満足な正確度及び精度でなされことができることが分かる。 臨床適用のための例として、光学的測定からのB2M濃度は、B2Mについて透析量を計算するために使用され、他のMM及び類似のサイズのペプチドの動的挙動を表している。 血液からB2Mの透析量、spKt/Vb_B2M及びeKt/Vb_B2Mは、透析前及び透析後の血液B2M及び濃度を用いて計算できる(C0及びCt)。単一プール容量Kt/V、spKt/Vb_B2MはCasino等(2010)により提案された式により計算された;ここで、UFはkgでの全限外濾過及びWはkgでの患者の乾燥体重である。 透析後B2M及び再結合を考慮して、Kt/V、eKt/Vb_B2M平衡が、Tattersall等(2007)により提案された式により得られた。 透析前及び透析後B2M血液濃度の代わりに、光学的方法からのB2Mの透析量の決定のために、最初の蛍光値F0(10分透析液サンプル)及び透析終了後の蛍光値Ftが使用された。蛍光測定からの単一プール容量Kt/V、spKt/Vf_B2Mは次の式で計算された。 蛍光測定からの平衡化Kt/V、eKt/Vf_B2Mは式4から計算された。 表2には、全19のHDFセッションからの透析前及び透析後の血液B2M血液濃度と蛍光値を用いて計算されたspKt/V_B2M及びeKt/V_B2MとしてB2Mについての透析量について結果がまとめられている。光学的方法からのB2M及びの透析量及び血液濃度からのB2Mの透析量との間の直線相関係数(R)及びR二乗値(R2)が与えられている。光学的方法の正確度(BIAS)及び精度(SE)が、バイアス補正後参照値として血液からのB2M血液の透析量を用いて計算された。 表2: 透析前及び透析後の血液B2M(血液)及び蛍光値(F)を用いて計算されたspKt/V_B2M及びeKt/V_B2Mとしての透析量、光学的方法からのB2M及び透析量と血液濃度からの透析量との間の直線相関係数(R)とR二乗値(R2)、光学的方法の正確度(BIAS)と精度(SE)。 図5は、バイアス補正後の平均_eKt/V(b&f)_B2Mに対してプロットされた、eKt/Vb_B2M及びeKt/Vf_B2M(HFDセッション数=19)の差として、全ての8患者について推定されたパラメータeKt/V_B2M のBland−Altmanプロットとして比較を示す。図6は、血液サンプル(HDFセッション数=19)を用いて推定されたeKt/Vb_B2Mの対してプロットされた、使用済み透析液中で測定された光学的方法からのeKt/Vf_B2Mとして、B2Mの透析量を示す。統一化直線が点線で表される。 この結果は、血液サンプルから及び蛍光による使用済み透析液からの推定B2Mの透析量の間の良好な一致を示す。 臨床適用としての次の例として、光学的測定からのIS濃度が、以下、タンパク質結合尿毒症毒素ISについて単一HDFセッションの間の透析量を:1)ISの除去速度(RR_IS)として、及び2)ISの全除去量(TR_IS)として、計算するために使用される。ISの除去速度(RRd_IS)及びISの全除去量(TRd_IS)は、血液中の代わりに使用済み透析液中のIS濃度に基づき、光学的方法により推定された対応するパラメータ(RRf_IS及びTRf_IS)への標準として使用された;というのは血液値に基づく除去速度はタンパク質結合尿毒症毒素の特異的な動的挙動により読み誤りが起こり得るからである。 使用済み透析液での除去速度(RRd_IS)は次のように計算され、ここでC0及びCtは、それぞれ、開始時(10分透析サンプル)及び透析の最終時の実験室からの濃度である。 実験室からの使用済み透析液IS濃度の代わりに、光学的方法からのISについて透析量を決定するために、蛍光測定F0(10分透析サンプル)及び透析終了時の蛍光Ftからの対応する値が使用された。 mgでの全除去IS(TRd_IS)は、mg/LでのISの濃度、全透析液収集からmg/LでDtotal及び収集全透析液の量からkgでWtotalを用いて、使用済み透析液1kg=1Lと仮定して、で与えられる。光学的方法から全除去IS(TRf_IS)の決定のために、蛍光測定で推定さたmg/LでDtotalとして対応する値が使用された。 表3に、最初(10分透析サンプル)及び最終時の実験室からの使用済み透析液IS濃度及び蛍光測定からの対応する値から、使用済み透析液IS濃度を用いて計算されたRR_IS及びTR_ISとしてISの透析量についての全ての結果をまとめる。光学的方法からのISの透析量及び血液濃度からのIS透析量の間の直線相関係数(R)及びR二乗(R2)が与えられる。光学的方法の正確度(BIAS)及び精度(ES)が、バイアス補正後に標準として血液からのISの透析量を用いて計算された。 表3: 最初(10分透析サンプル)及び最終時の実験室からの使用済み透析液IS濃度及び蛍光測定(F)からの対応する値から、使用済み透析液IS濃度を用いて計算されたRR_IS及びTR_ISとしてISの透析量、光学的方法からのISの透析量及び血液濃度からのIS透析量の間の直線相関係数(R)及びR二乗(R2)。 図7は、バイアス補正後の平均_TR(d&)_ISに対してプロットされた、TRd_IS及びTRf_IS(HDFセッション数N=20)の間の差として、全ての8患者について、推定されたパラメータTR_ISのBland−Altmanプロットとしての比較を示す。図8は、使用済み透析液サンプル(HDFセッション数N=20)を用いて推定された実験室からのTRd_ISに対してプロットされた光学的方法からのTRf_ISとしてのISの透析量を示す。統一線が又、点線で示される。 この結果は、実験室からの使用済み透析液サンプルからと、蛍光による使用済み透析液からのISについての推定透析量の間に良好な一致があることを示す。 使用済み透析液のHPLCプロフィルが、測定された光学的信号の源を同定するために分析された。図9は、使用済み透析サンプルのHPLCプロフィルをし、(A)は波長254nmで測定された吸収につき、(B)は2つの固定発光波長及び励起波長(EX=370nm、EM=456nm及びEX=280nm、EX=360nm)で測定された蛍光につき表される。いくつかの大きいピークが観察され、発色基−蛍光基を含む、透析により除去される溶質を表す。いくつかのHPLCピーク、例えばクレアチニン(Cr)、尿酸(UA)、馬尿酸(HA)、トリプトファン(Tip)、インドキシ硫酸(IS)、インドール−3−酢酸(I3AA)などが同定された。さらに、3つの大きいが未知のピーク、ピークA)、ピークB、ピークCが異なる波長で検出された。使用済み透析液サンプルのHPLCプロフィルは、異なる波長で異なる溶質を選択的に示す。この方法により、光学的方法のために適切な波長を選択することで特定の尿毒症毒素を特定することが可能となる。 ここまで本発明を実施態様に基づいて説明してきたが、かかる実施態様の変更についても当業者には明らかであろう。本発明の実施態様のこれまでの説明の目的は、本発明を図示し説明するためだけであった。本発明を開示された詳細な形態へ限定することは意図されていない。多くの修正及び変更がこの開示に照らして可能である。本発明の範囲は詳細な説明により限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲にのみ限定される、ことが意図されている。 生物学的流体中の中間体及びタンパク質結合尿毒症毒素の含有量を決定するための方法であり、前記方法は:(a)前記生物学的流体のサンプルを蛍光測定キュベットに導入し;(b)前記サンプルに所定の波長の光を適用し、及び前記サンプルの蛍光信号を記録し;(c)前記サンプル内の前記物質の濃度を前記変換関数から計算する、ことを含む方法。 請求項1に記載の方法であり、前記生物学的流体の流れを蛍光測定フローキュベットを通じて導入することを含む、方法。 請求項1に記載の方法であり、前記物質の濃度を表示装置又はプリンターに出力することを含む、方法。 請求項1に記載の方法であり、前記光源からの励起波長が、波長範囲190−890nmである、方法。 請求項1に記載の方法であり、前記光検出装置により検出される発光が、波長範囲190900nmで操作される、方法。 請求項1に記載の方法であり、前記物質がβ2−ミクログロブリンである、方法。 請求項1に記載の方法であり、β2−ミクログロブリン測定に適切に、前記光源が波長範囲360−380nmで操作され、かつ蛍光光検出装置が波長範囲440−470nmで操作される、方法。 請求項1に記載の方法であり、前記物質がインドキシル硫酸である、方法。 請求項1に記載の方法であり、インドキシル硫酸測定に適切に、前記光源が波長範囲290−310nmで操作され、かつ蛍光光検出装置が波長範囲340−370nmで操作される、方法。 請求項1に記載の方法であり、戦記濃度の計算が、尿毒症毒素濃度[mg/L]=F*傾き+切片、の形の変換関数で実行され、ここでFは蛍光信号を示す、方法。 請求項1に記載の方法であり、生物学的流体のサンプルをインビトロキュベット内に滴下することを含む、方法。請求項1に記載の方法であり、自家条件で、前記サンプルを取得し前記サンプルをキュベットへ導入することを含む、方法。 患者の生物学的流体中の物質の濃度をモニタすることで患者の臨床状態をモニタする方法であり、前記方法は:(a)前記生物学的流体のサンプルを蛍光測定キュベットへ導入し;(b)前記サンプルに所定の波長の光を与え、前記サンプルの蛍光信号を記録し;(c)前記変換関数から前記サンプル中の前記物質の濃度を計算する、ことを含む方法。 請求項13に記載の方法であり、前記物質の濃度を記憶装置へ記録することを含む、方法。 請求項13に記載の方法であり、前記流体中の物質の濃度レベルを前記濃度の所定の制限値と比較し、前記濃度が所定に制限値の間にない場合には、警告を生成することを含む、方法。 生物学的流体中の中間物及びタンパク質結合尿毒症毒素の含有量を決定する装置であり、前記装置は:(a)蛍光測定システムを含む光学モジュールを含み、光源及び蛍光光検出装置を含み;及び前記生物学的流体のサンプルを保持するための蛍光測定キュベットを含み、それにより前記光が前記サンプル内に導かれ、前記蛍光信号が前記サンプルから検出され;及び(b)データ取得モジュールと、前記変換関数を用いる濃度及び除去計算アルゴリズムが組み込まれた信号処理モジュールからなるスペクトル処理モジュール、及びデータ表示モジュールを含む、装置。 請求項16に記載の装置であり、前記光源が、波長範囲190−890nmで操作される、装置。 請求項16に記載の装置であり、前記蛍光光検出装置が波長範囲190−900nmで操作される、装置。 請求項16に記載の装置であり、β2−ミクログロブリン測定に適切な、前記光源が波長範囲360−380nmで操作され、及び前記光検出装置が波長範囲440−470nmで操作される、装置。 請求項16に記載の装置であり、インドキシル硫酸測定に適切な、前記光源が波長範囲290−310nmで操作され、及び前記光検出装置が波長範囲340−370nmで操作される、装置。 請求項16に記載の装置であり、前記スペクトル処理モジュールが、前記生物学的流体中の中間物及びタンパク質結合尿毒症毒素の濃度又は除去を計算する変換関数を含む濃度又は除去計算を実行するように適合される、装置。 請求項16に記載の装置であり、前記光学モジュールがブロードバンド光源及びフィルタを含む、装置。 請求項16に記載の装置であり、前記光学モジュールが フィルタとブロードバンド検出装置を含む、装置。 請求項16に記載の装置であり、前記光学モジュールがナローバンド検出装置を含む、装置。 請求項16に記載の装置であり、前記光学モジュールが、ナローバンド光源とブロードバンド検出装置のセットを含む、装置。 請求項16に記載の装置であり、前記蛍光キュベットが、前記生物学的流体の流れを受け取るフローキュベットである、装置。 請求項16に記載の装置であり、前記蛍光キュベットが、前記サンプルの測定のために適合化される、装置。 請求項16に記載の装置でり、前記キュベットが使い捨てである、装置。 本発明は、生物学的流体中の、中間物及びタンパク質結合尿毒症毒素を決定するための新規方法及び装置に関する。より具体的には、本発明は、好ましくはオンラインで、β2−ミクログロブリン(B2M)及びインドキシル硫酸(IS)などの中間物及びタンパク質結合尿毒症毒素の濃度を決定するために用いる光学的方法に関し、特定の波長で特異的な一組の光学的スペクトル成分を含む蛍光、好ましくは使用済み透析液の蛍光を利用し、及び特定のモデル利用する光学的方法に関する。


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