生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_システイン操作抗体及びコンジュゲート
出願番号:2013514284
年次:2013
IPC分類:C07K 16/00,C07K 19/00,C07K 14/00,C07K 7/04,C07K 16/28,A61K 39/395,A61P 35/00,G01N 33/53,G01N 33/533,G01N 21/64


特許情報キャッシュ

バクタ, スニール ジュニュチュラ, ジャガス, アール. JP 2013534520 公表特許公報(A) 20130905 2013514284 20110607 システイン操作抗体及びコンジュゲート ジェネンテック, インコーポレイテッド 509012625 園田 吉隆 100109726 小林 義教 100101199 バクタ, スニール ジュニュチュラ, ジャガス, アール. US 61/352,728 20100608 C07K 16/00 20060101AFI20130809BHJP C07K 19/00 20060101ALI20130809BHJP C07K 14/00 20060101ALI20130809BHJP C07K 7/04 20060101ALI20130809BHJP C07K 16/28 20060101ALI20130809BHJP A61K 39/395 20060101ALI20130809BHJP A61P 35/00 20060101ALI20130809BHJP G01N 33/53 20060101ALI20130809BHJP G01N 33/533 20060101ALI20130809BHJP G01N 21/64 20060101ALI20130809BHJP JPC07K16/00C07K19/00C07K14/00C07K7/04C07K16/28A61K39/395 NA61K39/395 LA61P35/00G01N33/53 UG01N33/533G01N21/64 F AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2011039386 20110607 WO2011156328 20111215 84 20130212 2G043 4C085 4H045 2G043BA16 2G043BA17 2G043DA01 2G043EA01 2G043EA13 4C085AA21 4C085AA23 4C085AA26 4C085CC23 4C085DD62 4H045AA11 4H045BA50 4H045BA70 4H045BA71 4H045BA72 4H045DA76 4H045EA20 4H045EA29 4H045EA50 4H045FA74(関連出願の相互参照) 37CFR§1.53(b)に基づき出願される本非仮出願は、2010年6月8日出願された米国仮出願第61/352,728号の優先権を35USC§119(e)に基づき主張するものであり、出典明記によりその全体を援用する。(発明の分野) 本発明は一般に反応性システイン残基で操作された抗体、より具体的には治療的又は診断的応用のある抗体に関する。システイン操作抗体は、化学療法剤、毒素、ビオチン等の親和性リガンド、及びフルオロフォア等の検出標識でコンジュゲートされうる。発明はまた、哺乳類細胞のインビトロ、インサイツ、及びインビボ診断又は治療、又は関連病的状態のための抗体及び抗体-薬剤コンジュゲートの使用方法に関する。 抗体薬剤コンジュゲート(ADC)は、抗原を発現する腫瘍細胞に強力な細胞傷害剤を向け、それによりそれらの抗腫瘍活性を増強することによって、抗体及び細胞傷害剤双方の理想的な特性を組み合わせるため、魅力的な標的化学治療用分子である。任意の標的抗原に対するADC開発の成功は、抗体選択の最適化、リンカーの安定性、細胞傷害剤の効力及び抗体へのリンカー-薬剤コンジュゲーションの方法に依存する。 抗体への薬剤部分の結合、すなわち共有結合による結合の一般的な手段は一般的に、薬剤部分が抗体の多数の部位に結合する、不均一な分子の混合を導く。例えば細胞傷害剤は典型的には、抗体のしばしば多数のリシン残基を介して抗体にコンジュゲートされ、不均一な抗体-薬剤コンジュゲート混合物が生成される。反応条件に依存して、不均一な混合物は典型的には、0〜約8、又はそれ以上の結合薬剤部分を有する抗体の分布を有する。更に、抗体に対する薬剤部分の特定の整数比を有するコンジュゲートの各サブグループでは、薬剤部分が抗体上の様々な部位に結合される潜在的に不均一な混合物である。分析的及び調製的方法は、コンジュゲーション反応から得られる不均一な混合物内で抗体-薬剤コンジュゲート種分子を分離し特徴付けるには不十分である。抗体は大きく、複雑な、構造的に多様な生体分子であり、しばしば多くの官能基を有する。リンカー試薬及び薬剤-リンカー中間体とのそれらの反応性は、pH、濃度、塩濃度、及び共溶媒等の要因に依存する。更に、複数工程のコンジュゲーションプロセスは、反応条件の制御、及び反応物及び中間体の特徴付けにおける困難性により、非再現可能でありうる。 pH7付近でプロトン化されあまり求核性でない殆どのアミンと異なり、システインチオールは中性pHで反応性である。遊離チオール(RSH、スルフヒドリル)基は比較的反応性であるため、システイン残基を有するタンパク質はしばしばそれらの酸化形態においてジスルフィド連結オリゴマーとして存在するか、又は内部に架橋されたジスルフィド基を有する。抗体システインチオール基は一般的に、抗体アミン又はヒドロキシル基より、求電子性コンジュゲーション試薬に対してより反応性、すなわちより求核性である。システインへのタンパク質の様々なアミノ酸残基の変異によるシステインチオール基の操作は、潜在的に問題があり、不対(遊離Cys)残基、又は反応又は酸化に比較的にアクセス容易なものの場合に特に問題である。タンパク質の濃縮溶液では、大腸菌のペリプラズム、培養上澄み、又は部分的もしくは完全に精製されたタンパク質であれ、タンパク質の表面上の不対Cys残基は対になり酸化され、分子間ジスルフィド、故にタンパク質二量体又は多量体を形成しうる。ジスルフィド二量体形成は、新しいCysを、薬剤、リガンド、又は他の標識へのコンジュゲーションに非反応性にする。更に、タンパク質が、新規に設計されたCysと既存のCys残基との間に分子内ジスルフィド結合を酸化的に形成すると、両Cys基が、活性部位の関与及び相互作用に利用できない。更に、タンパク質は、三次構造のミスフォールディング又は喪失によって、不活性又は非特異的となりうる(Zhang等(2002) Anal. Biochem. 311:1-9)。 操作システインがコンジュゲーションに利用可能であるが、免疫グロブリンのフォールディング及び組立てを撹乱しないか又は抗原結合及びエフェクター機能を変化させない部位にシステイン置換(ThioMab)を有する抗体(Junutula, et al., 2008b Nature Biotech., 26(8):925-932; Dornan等(2009) Blood 114(13):2721-2729; US 7521541; US 7723485; WO2009/052249)。次いで、これらのThioMabは、操作システインチオール基を介して細胞傷害剤にコンジュゲートされ得、均一なストイキオメトリ(抗体あたり〜2の薬剤)のThioMab薬剤コンジュゲート(TDC)が得られる。異なる抗原に対する複数の抗体での研究は、TDCが異種移植片モデルにおいて一般的なADCと同程度に効果的であり、関連前臨床モデルにおいて高用量で耐性であることを示した。ThioMab薬剤コンジュゲートは、抗体の異なる部分(軽鎖-Fab、重鎖-Fab及び重鎖-Fc)への薬剤結合により操作された。TDCのインビトロ及びインビボ安定性、効果及びPK特性は、それらの均一性及び細胞傷害剤への部位特異的コンジュゲーションにより、一般的なADCに優る独自の利点を提供する。 発明は、重鎖又は軽鎖に遊離システインアミノ酸を含んでなる単離されたシステイン操作抗体を含む。 発明の態様は、システイン操作抗体をコードさせるために一又は複数のアミノ酸残基をシステインによって置換することによる親抗体の核酸配列の変異誘発;システイン操作抗体の発現;及びシステイン操作抗体の単離により、単離されたシステイン操作抗体を調製するためのプロセスである。 発明の他の態様は単離されたシステイン操作抗体のコンジュゲートであり、ここでは抗体は捕獲標識、検出標識、薬剤部分、又は固相担体に共有結合されている。図1AはX線結晶配位から得られたhu4D5Fabv7抗体断片の三次元表示を示す。重及び軽鎖の例示的な操作Cys残基の構造位置に番号付けをする(連続的番号付けシステムに従う)。図1Bは連続的番号付けスキーム(上列)を示し、N末端から開始し、4D5v7fabHについてKabat番号付けスキーム(下列)と比較する。Kabat番号付け挿入をa、b、cで記す。図2A及び2Bは、BSA(中空棒)、HER2(ストライプ棒)又はストレプトアビジン(中実棒)との相互作用について、PHESELECTORアッセイによるhu4D5Fabv8及びhu4D5Fabv8 Cys変異体(mutant)(ThioFab)ファージ変異体(variant):(A)非ビオチン化ファージ-hu4D5Fabv8及び(B)ビオチン化ファージ-hu4D5Fabv8(B)の450nmでの吸光度の検出による結合測定を示す。図3A及び3Bは、BSA(中空棒)、HER2(ストライプ棒)及びストレプトアビジン(中実棒)との相互作用について、PHESELECTORアッセイによるhu4D5Fabv8(左)及びhu4D5Fabv8 Cys変異体(ThioFab)変異体:(A)非ビオチン化ファージ-hu4D5Fabv8及び(B)ビオチン化ファージ-hu4D5Fabv8の450nmでの吸光度の検出による結合測定を示す。軽鎖変異体は左側であり、重鎖変異体は右側である。チオール反応性=ストレプトアビジン結合のOD450nm÷HER2(抗体)結合のOD450nm図4Aは野生型hu4D5Fabv8上の残基の部分的表面アクセス容易性値を示す。軽鎖部位は左側であり、重鎖部位は右側である。図4Bは、HER2(2日目)、ストレプトアビジン(SA)(2日目)、HER2(4日目)、及びSA(4日目)との相互作用についての、ビオチン化hu4D5Fabv8(左)及びhu4D5Fabv8 Cys変異体(ThioFab)変異体の450nmでの吸光度の検出による結合測定を示す。ファージ-hu4D5Fabv8 Cys変異体を単離し、4℃で保管した。ビオチンコンジュゲーションを2日目又は4日目に実施し、その後PHESELECTOR分析により、実施例2に記載するようにHer2及びストレプトアビジンとのそれらの相互作用をモニタし、操作ThioFab変異体における反応性チオール基の安定性を探索した。図5はストレプトアビジン及びHER2への結合についての、ビオチン-マレイミドコンジュゲート-hu4D5Fabv8(A121C)及び非ビオチン化野生型hu4D5Fabv8の、450nmでの吸光度の検出による結合測定を示す。各Fabを2ng及び20ngで試験した。図6はウサギアルブミン、ストレプトアビジン(SA)、及びHER2との結合について、ビオチン化ABP-hu4D5Fabv8野生型(wt)、及びABP-hu4D5Fabv8システイン変異体V110C及びA121Cの450nmでの吸光度の検出によるELISA分析を示す。図7はウサギアルブミン、HER2及びストレプトアビジン(SA)との結合について、ビオチン化ABP-hu4D5Fabv8システイン変異体(ThioFab変異体):(左から右)単一Cys変異体ABP-V110C、ABP-A121C、及び二重Cys変異体ABP-V110C-A88C及びABP-V110C-A121Cの、450nmでの吸光度の検出によるELISA分析を示し、Fab-HRP又はSA-HRPで探索した。図8は、HER2(上)及びストレプトアビジン(下)へのビオチン化ThioFabファージ及び抗ファージHRP抗体の結合を示す。図9Aは、吸光度検出のためのHRP標識された二次抗体の結合と共に、固定化HER2に結合するビオチン化抗体の図説を示す。図9Bは、固定化HER2への結合における、ビオチン-マレイミドコンジュゲートthio-トラスツズマブ変異体及び非ビオチン化野生型トラスツズマブの450nmでの吸光度の検出による結合測定を示す。左から右:V110C(単一cys)、A121C(単一cys)、V110C/A121C(二重cys)、及びトラスツズマブ。各thio IgG変異体及びトラスツズマブを、1、10、及び100ngで試験した。図10Aは、吸光度検出のための抗IgG-HRPへのビオチンの結合と共に、固定化HER2に結合するビオチン化抗体の図説を示す。図10Bは、固定化ストレプトアビジンへの結合における、ビオチン-マレイミドコンジュゲートthio トラスツズマブ変異体及び非ビオチン化野生型トラスツズマブの450nmでの吸光度の検出による結合測定を示す。左から右:V110C(単一cys)、A121C(単一cys)、V110C/A121C(二重cys)、及びトラスツズマブ。各thio IgG変異体及びトラスツズマブを、1、10、及び100ngで試験した。図11はコンジュゲーションのために細胞培養物から発現されるシステイン操作抗体(ThioMab)を調製するための一般的なプロセスを示す。 本発明のある実施態様を詳細に参照するが、その例を添付の構造及び式で例証する。本発明を列挙する実施態様に関連して説明するが、それらは本発明をその実施態様に限定することを意図するものではないことは理解されよう。それどころか、本発明は特許請求の範囲によって定まる本発明の範囲に含まれうるあらゆる代替例、変形例、及び均等物を包含することが意図される。 当業者であれば、本発明の実施において使用されうるここに記載のものと同様な又は均等な多くの方法及び材料が分かるであろう。本発明は記載された方法及び材料に決して限定されるものではない。 特に別に定義しない限り、ここで使用する技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有し、例えば、Singleton等(1994) Dictionary of Microbiology and Molecular Biology, 2nd Ed., J. Wiley & Sons, New York, NY; and Janeway, C., Travers, P., Walport, M., Shlomchik (2001) Immunobiology, 5th Ed., Garland Publishing, New Yorkに従っている。定義 別の定義をしない限り、ここで使用される次の用語と語句は次の意味を有しているものである: 商品名がここで使用される場合、本出願人は商品名の製品製剤、ジェネリック薬剤、商品名の製品の活性な薬学的成分を独立に含むものである。 ここでの「抗体」なる用語は最も広義に使用され、特にモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、二量体、多量体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、及びそれらが所望の生物活性を示す限り抗体断片を包含する(Miller 等(2003) Jour. of Immunology 170:4854-4861)。抗体はマウス、ヒト、ヒト化、キメラ、又は他の種由来であり得る。抗体は特定の抗原を認識し結合することができる免疫系によって産生されるタンパク質である。(Janeway,C., Travers, P., Walport, M., Shlomchik (2001) Immuno Biology, 5版, Garland Publishing, New York)。標的抗原は、一般に、複数の抗体のCDRによって認識されるエピトープとも呼ばれる多くの結合部位を有している。異なったエピトープに特異的に結合する各抗体は異なった構造を有している。よって、一つの抗原は一を越える対応の抗体を有しうる。抗体は、完全長免疫グロブリン分子又は完全長免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、つまり、対象の標的の抗原又はその一部に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含む分子を含み、かかる標的は、限定しないが、癌細胞又は自己免疫疾患に関連する自己免疫抗体を産生する細胞を含む。ここに開示されている免疫グロブリンは、免疫グロブリン分子の任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、及びIgA)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)又はサブラスでありうる。免疫グロブリンは、任意の種から誘導されうる。しかしながら、一態様では、免疫グロブリンはヒト、マウス、又はウサギ起源である。 「抗体断片」は、完全長抗体の一部、一般には、その抗原結合ドメイン又は可変ドメインを含む。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab')2、及びFv断片;ダイアボディ、線状抗体、ミニボディ(Olafsen等(2004) Protein Eng. Design & Sel. 17(4):315-323)、Fab発現ライブラリーによって生産される断片、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、CDR(相補性決定領域)、及び癌細胞抗原、ウイルス抗原又は微生物抗原、単鎖抗体分子に免疫特異的に結合する上記の何れかのエピトープ結合断片;及び抗体断片から形成された多重特異性抗体を含む。 ここで使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を意味する。すなわち、少量で存在しうる可能な天然に生じる変異を除いて、集団を構成する個々の抗体が同一である。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、単一の抗原部位に対するものである。更に、異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは異なり、各モノクローナル抗体は抗原の単一の決定基に対するものである。その特異性に加えて、モノクローナル抗体は、それらが他の抗体によって汚染されないで合成されうる点で有利である。「モノクローナル」との修飾語句は、実質的に均一な抗体の集団から得たものとしての抗体の性質を表すものであり、抗体が何か特定の方法による生成を必要として構築したものであることを意味するものではない。例えば、本発明において使用されるモノクローナル抗体は、最初にKohler等(1975), Nature, 256:495に記載されたハイブリドーマ法によって作製することができ、あるいは組換えDNA法によって作製することができる(例えば米国特許第4816567号、同第5807715号を参照)。またモノクローナル抗体は、例えば、Clackson等(1991), Nature, 352:624-628;Marks等(1991), J. Mol. biol. 222: 581-597に記載された技術を用いてファージ抗体ライブラリーから単離することもできる。 ここでモノクローナル抗体は、特定の種由来又は特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体において、対応する配列に一致する又は類似する重鎖及び/又は軽鎖の一部であり、残りの鎖は、所望の生物学的活性を表す限り、抗体断片のように他の種由来又は他の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体において、対応する配列に一致するか又は類似するものである「キメラ」抗体を特に含む(米国特許第4816567号;及びMorrison等(1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851-6855)。ここでの興味のキメラ抗体は、非ヒト霊長類(例えば旧世界ザル、類人猿等)由来の可変ドメイン抗原結合配列とヒト定常領域配列を含む「プリマタイズ」抗体を含む。 「インタクトな」抗体は、VL及びVHドメイン、並びに軽鎖定常ドメイン(CL)及び重鎖定常ドメイン、CH1、CH2及びCH3を含んでなるものである。定常ドメインは天然配列定常ドメイン(例えば、ヒト天然配列定常ドメイン)又はそのアミノ酸配列変異体でありうる。インタクトな抗体は、抗体のFc定常領域(天然配列Fc領域又はアミノ酸配列変異体Fc領域)に起因する生物学的活性を意味する一又は複数の「エフェクター機能」を有しうる。抗体エフェクター機能の例は、C1q結合;補体依存性細胞傷害性;Fcレセプター結合;抗体依存性細胞媒介細胞傷害性(ADCC);ファゴサイトーシス;B細胞レセプター及びBCRのような細胞表面レセプターのダウンレギュレーションを含む。 その重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、インタクトな抗体には異なったクラスがあてがわれうる。インタクトな免疫グロブリン抗体の5つの主要なクラス;IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMがあり、これらの幾つかは更に「サブクラス」(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、及びIgA2に更に分割されうる。抗体の異なったクラスに対応する重鎖定常ドメインはそれぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。免疫グロブリンの異なったクラスのサブユニット構造及び三次元立体構造はよく知られている。Ig形態は、ヒンジ修飾されたもの又はヒンジレス形態を含む(Roux等(1998) J. Immunol. 161:4083-4090; Lund等(2000) Eur. J. Biochem. 267:7246-7256; US 2005/0048572; US 2004/0229310)。 「ErbBレセプター」は、メンバーが細胞増殖、分化及び生存の重要なメディエーターであるErbBレセプターファミリーに属するレセプタープロテインキナーゼである。ErbBレセプターファミリーは、上皮増殖因子レセプター(EGFR,ErbB1,HER1)、HER2(ErbB2又はp185neu)、HER3(ErbB3)及びHER4(ErbB4又はtyro2)を含む4つの区別されるメンバーを含む。抗ErbB2抗体のパネルは、ヒト乳房腫瘍細胞株SKBR3を使用して特徴づけられた(Hudziak等(1989) Mol. Cell. Biol. 9(3):1165-1172。最大の阻害は4D5と呼ばれる抗体で得られ、細胞増殖を56%阻害した。パネルの他の抗体は、このアッセイではより少ない程度に細胞増殖を低減させた。抗体4D5は、TNF-αの細胞傷害効果に対し、ErbB2過剰発現乳房腫瘍細胞株を感作させることが更に分かった(US5677171)。Hudziak等に検討されている抗ErbB2抗体は、Fendly等(1990) Cancer Research 50:1550-1558; Kotts等(1990) In Vitro 26(3):59A; Sarup等(1991) Growth Regulation 1:72-82; Shepard等J. (1991) Clin. Immunol. 11(3):117-127; Kumar等(1991) Mol. Cell. Biol. 11(2):979-986; Lewis等(1993) Cancer Immunol. Immunother. 37:255-263; Pietras等(1994) Oncogene 9:1829-1838; Vitetta等(1994) Cancer Research 54:5301-5309; Sliwkowski等(1994) J. Biol. Chem. 269(20):14661-14665; Scott等(1991) J. Biol. Chem. 266:14300-5; D'souza等Proc. Natl. Acad. Sci. (1994) 91:7202-7206; Lewis等(1996) Cancer Research 56:1457-1465; and Schaefer等(1997) Oncogene 15:1385-1394に更に特徴づけられている。 ErbBレセプターは一般的に、ErbBリガンド;脂溶性膜貫通ドメイン;保存細胞内チロシンキナーゼドメイン;及びリン酸化されうる幾つかのチロシン残基を持つカルボキシル末端シグナル伝達ドメインを結合しうる細胞外ドメインを含むだろう。ErbBレセプターは「天然配列」ErbBレセプター又はその「アミノ酸配列変異体」でありうる。好ましくはErbBレセプターは天然配列ヒトErbBレセプターである。従って、「ErbBレセプターファミリーのメンバー」は、EGFR(ErbB1)、ErbB2、ErbB3、ErbB4を含む。 「アミノ酸配列変異体」は、天然配列ポリペプチドとある程度異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドを指す。通常は、アミノ酸配列変異体は、天然ErbBリガンドの少なくとも一つの受容体結合ドメインと、又は天然ErbB受容体の少なくとも一つのリガンド結合ドメインと少なくとも約70%の配列同一性を有し、好ましくはそれらは、このような受容体又はリガンド結合ドメインと、少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%の配列相同性であろう。アミノ酸配列変異体は、天然アミノ酸配列のアミノ酸配列内の特定の位置に置換、欠失、及び/又は挿入を有する。アミノ酸は、1文字及び3文字コードの慣習的名称によって命名される。 「配列同一性」は、最大の配列同一性が達成されるように、配列を整列させ、必要ならば間隙を導入した後に、同一であるアミノ酸配列変異体における残基の割合と定義される。アラインメントの方法及びコンピュータプログラムは、当該分野でよく知られている。このようなコンピュータプログラムの一つは、Genentech社が著作し、1991年12月10日にアメリカ合衆国著作権庁(ワシントンDC 20559)にユーザー文書と共に出願された「Align2」である。 「天然抗体」は、通常は、2つの同一の軽(L)鎖及び2つの同一の重(H)鎖からなる約150000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は一つの共有ジスルフィド結合により重鎖に結合しており、ジスルフィド結合の数は、異なった免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で変化する。また各重鎖と軽鎖は、規則的に離間した鎖内ジスルフィド架橋を有している。各重鎖は、多くの定常ドメインが続く可変ドメイン(VH)を一端に有する。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(VL)を、他端に定常ドメインを有し;軽鎖の定常ドメインは重鎖の第一定常ドメインと整列し、軽鎖の可変ドメインは重鎖の可変ドメインと整列している。特定のアミノ酸残基が、軽鎖及び重鎖可変ドメイン間の界面を形成すると考えられている。 「可変」という用語は、可変ドメインのある部位が、抗体の中で配列が広範囲に異なっており、その特定の抗原に対する各特定の抗体の結合性及び特異性に使用されているという事実を意味する。しかしながら、可変性は抗体の可変ドメインにわたって一様には分布していない。それは、軽鎖及び重鎖可変ドメインの両方の高頻度可変領域と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、βシート構造を連結し、ある場合にはその一部を形成するループを形成する3つの高頻度可変領域により連結されたβシート配置を主に採る4つのFRをそれぞれ含んでいる。各鎖の高頻度可変領域は、FRによって近接して保持され、他の鎖の高頻度可変領域と共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabat等, Sequence of Proteins of Immunological Interest, 第5版. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991))。定常ドメインは、抗体の抗原への結合に直接には関連していないが、様々なエフェクター機能、例えば抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)における抗体の関与を示す。 ここで使用されるときの「高頻度可変領域」なる用語は、抗原結合の原因である抗体のアミノ酸残基を意味する。高頻度可変領域は一般的に、「相補性決定領域」又は「CDR」からのアミノ酸残基(例えば、軽鎖可変ドメインの残基24−34(L1)、50−56(L2)及び89−97(L3)、及び重鎖可変ドメインの31−35(H1)、50−65(H2)及び95−102(H3);Kabat等supra)、及び/又は「高頻度可変ループ」由来の残基(例えば、軽鎖可変ドメインの残基26−32(L1)、50−52(L2)及び91−96(L3)及び重鎖可変ドメインの残基26−32(H1)、53−55(H2)及び96−101(H3);Chothia and Lesk (1987) J. Mol. Biol., 196:901-917)を含む。「フレームワーク領域」又は「FR」残基はここで定義される高頻度可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。 抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗体結合断片を生成し、その各々は単一の抗原結合部位を持ち、残りは容易に結晶化する能力を反映して「Fc」断片と命名される。ペプシン処理は2つの抗原結合部位を持つF(ab')2断片を生じ、尚、抗原と交差結合することができる。 「Fv」は、完全な抗原認識及び抗原結合部位を含む最小抗体断片である。この領域は、堅固な非共有結合をなした一つの重鎖及び一つの軽鎖可変ドメインの二量体からなる。各可変ドメインの3つの高頻度可変領域が相互に作用してVH-VL二量体表面に抗原結合部位を定めるのはこの配置においてである。集合的に、6つの高頻度可変領域が抗体に抗原結合特異性を付与する。しかし、単一の可変ドメイン(又は抗原に対して特異的な3つの高頻度可変領域のみを含むFvの半分)でさえ、全結合部位よりも親和性が低くなるが、抗原を認識して結合する能力を有している。 Fab断片はまた軽鎖の定常ドメインと重鎖の第一定常領域(CH1)を有する。Fab'断片は、抗体ヒンジ領域からの一又は複数のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端に数個の残基が付加されている点でFab断片とは異なる。Fab'-SHは、定常ドメインのシステイン残基が少なくとも一つの遊離チオール基を有しているFab'に対するここでの命名である。F(ab')2抗体断片は、間にヒンジシステインを有するFab'断片の対として産生された。抗体断片の他の化学結合もまた知られている。 任意の脊椎動物種からの抗体の「軽鎖」には、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つの明確に区別される型の一つを割り当てることができる。 「一本鎖Fv」又は「scFv」抗体断片は、抗体のVH及びVLドメインを含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖中に存在する。好ましくは、FvポリペプチドはVH及びVLドメイン間にポリペプチドリンカーをさらに含み、それによりscFvが抗原結合に対して望ましい構造を形成するのが可能になる。scFvの概説については、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg及びMoore編, Springer-Verlag, New York, pp. 269-315 (1994)のPluckthunを参照のこと。抗ErbB2抗体scFv断片は、WO93/16185;米国特許第5571894号;及び5587458に記載されている。 非ヒト(例えば齧歯類)抗体の「ヒト化」型とは、非ヒト免疫グロブリンから誘導された最小配列を含むキメラ抗体である。ヒト化は、マウス抗原結合情報を非免疫原性ヒト抗体受容体に移すための方法であり、多くの治療的に有用な薬剤をもたらす。ヒト化の方法は一般的に、全ての6つのマウス相補性決定領域(CDR)をヒト抗体フレームワークに移すことにより始まる(Jones et al, (1986) Nature 321:522-525)。これらのCDR移植された抗体は一般的に、抗原結合についてそれらの元の親和性を保持せず、事実、親和性はしばしばひどく損なわれる。CDRに加え、選択の非ヒト抗体フレームワーク残基も適切なCDRコンホメーションを維持するために組み込まれなければならない(Chothia等(1989) Nature 342:877)。移植CDRの構造コンホメーションを支えるためにヒトアクセプターへ主要マウスフレームワーク残基を移すことは、抗原結合及び親和性を回復することが示されている(Riechmann等(1992) J. Mol. Biol. 224, 487-499; Foote and Winter, (1992) J. Mol. Biol. 224:487-499; Presta等(1993) J. Immunol. 151, 2623-2632; Werther等(1996) J. Immunol. Methods 157:4986-4995; and Presta等(2001) Thromb. Haemost. 85:379-389)。大部分では、ヒト化抗体はレシピエントの高頻度可変領域由来の残基が、マウス、ラット、ウサギ又は非ヒト霊長類のような所望の特異性、親和性、及び能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)の高頻度可変領域由来の残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。ある場合には、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にもドナー抗体にも見出されない残基を含んでいてもよい。これらの変更は、抗体の性能を更に洗練させるために行なわれる。一般に、ヒト化抗体は、全てあるいはほとんど全ての高頻度可変ループが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てあるいはほとんど全てのFRがヒト免疫グロブリン配列のものである、少なくとも一つ、典型的には二つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、場合によっては、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含んでなる。更なる詳細については、米国特許第6407213号; Jones等(1986) Nature, 321:522-525; Riechmann等(1988) Nature 332:323-329; and Presta, (1992) Curr. Op. Struct. Biol., 2:593-596を参照のこと。 「遊離システインアミノ酸」は、親抗体中に操作され、チオール官能基(-SH)を有し、分子内又は分子間ジスルフィド架橋として対合しないシステインアミノ酸残基を意味する。 「チオール反応性値」なる用語は、遊離システインアミノ酸の反応性の定量的特徴である。チオール反応性値は、チオール反応性試薬と反応するシステイン操作抗体における遊離システインアミノ酸の割合であり、最大値1に転換される。例えば、ビオチン-マレイミド試薬等、チオール反応性試薬と100%収率で反応し、ビオチン標識抗体を形成するシステイン操作抗体上の遊離システインアミノ酸は、チオール反応性値1.0を有する。チオール反応性試薬と80%収率で反応する同じか又は異なった親抗体中に操作された他のシステインアミノ酸は、約0.8のチオール反応性値を有する。チオール反応性試薬との反応に完全に失敗する同じ又は異なった親抗体中に操作された他のシステインアミノ酸は、チオール反応性値0を有する。特定のシステインのチオール反応性値の決定は、ELISAアッセイ、質量分析、液体クロマトグラフィー、オートラジオグラフィー、又は他の定量分析試験により実施することができる。 「親抗体」は、一又は複数のアミノ酸残基が一又は複数のシステイン残基に置き換わっているアミノ酸配列を含む抗体である。親抗体は、天然の又は野生型の配列を含んでいてもよい。親抗体は、他の天然、野生型又は修飾した形態の抗体と比較して既存のアミノ酸配列修飾(例えば付加、欠失および/または置換)を有してもよい。親抗体は、関心ある標的抗原、すなわち生物学的に重要なポリペプチドに対して産生されうる。非ポリペプチド抗原に対して産生された抗体(例えば、腫瘍関連糖脂質抗原;米国特許第5091178号)も考慮される。 例示的な親抗体は、細胞表面及び膜貫通レセプター及び腫瘍関連抗原(TAA)に親和性及び選択性を有する抗体を含む。 「単離された」抗体とは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたものである。その自然環境の汚染成分とは、抗体の診断又は治療への使用を妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様では、抗体は、(1)ローリー法で測定して抗体の95重量%を越えるまで、最も好ましくは99重量%を超えるまで;(2)スピニングカップシークエネーターを使ったN末端又は内在するアミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、又は(3)クーマシーブルー、又は好ましくは銀染色を用いた還元又は非還元状態の下でのSDS-PAGEにより均一になるまで、精製される。単離された抗体は、抗体の少なくとも一成分が存在しないことから、組換え細胞内のインサイツ抗体を含む。しかしながら、通常は、単離された抗体は少なくとも一の精製工程によって調製されるであろう。 分子標的又は興味の抗原、例えばErbB2抗原に「結合する」抗体は、抗体が抗原発現細胞を標的にすることにおいて利用できる程、十分な親和性で抗原に結合することができるものである。抗体がErbB2に結合するものである場合、通常他のErbBレセプターに対してErbB2と特異的に結合し、EGFR、ErbB3又はErbB4のような他のタンパク質と有意には交差反応しないようなものである。このような実施態様では、これらの非ErbB2タンパク質に対する抗体の結合度合い(例えば内在性レセプターに対する細胞表面結合性)は、蛍光活性化細胞選別(FACS)分析又は放射性免疫沈降(RIA)による測定では約10%未満であろう。時として、抗-ErbB2抗体は、例えばSchecter等(1984) Nature 312:513 and Drebin等(1984) Nature 312:545-548に記載されているように、ラットneuタンパク質と有意には交差反応しない。 本発明によって包含される抗体の分子標的は、CDタンパク質及びそれらのリガンド、例えば、限定するものではないが:(i)CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD22、CD34、CD40、CD79α(CD79a)、及びCD79β(CD79b);(ii)ErbBレセプターファミリーのメンバー、例えばEGFレセプター、HER2、HER3又はHER4レセプター;(iii)細胞接着分子、例えばLFA-1、Mac1、p150、95、VLA-4、ICAM-1、VCAM及びαv/β3インテグリン、そのアルファ又はベータサブユニット(例えば抗CD11a、抗CD18又は抗CD11b抗体)を含む;(iv)増殖因子、例えばVEGF;IgE;血液型抗原;flk2/flt3レセプター;肥満(OB)レセプター;mplレセプター;CTLA-4;プロテインC、BR3、c-met、組織因子、β7等;及び(v)細胞表面及び膜貫通腫瘍関連抗原(TAA)を含む。 別段の定めがある場合を除き、「モノクローナル抗体4D5」なる用語は、マウス4D5抗体(ATCC CRL 10463)の抗原結合残基を有するか又はマウス4D5抗体由来の抗体を示す。例えば、モノクローナル抗体4D5は、マウスモノクローナル抗体4D5又はその変異体、例えばヒト化4D5でありうる。例示的なヒト化4D5抗体は、米国特許第5821337号に記載のようなhuMAb4D5-1、huMAb4D5-2、huMAb4D5-3、huMAb4D5-4、huMAb4D5-5、huMAb4D5-6、huMAb4D5-7及びhuMAb4D5-8(トラスツズマブ、HERCEPTIN(登録商標))を含む。 「治療する」及び「治療」なる用語は、治癒的処置と、目的が例えば癌の発症又は広がりのような望まれない生理学的変化又は疾患を防止し又は遅延させる(少なくする)ことである予防的又は防止的手段の双方を意味する。この発明の目的では、有益な又は所望の臨床結果は、限定するものではないが、検出可能であれ検出不可能であれ、徴候の軽減、疾患の程度の低減、疾患の安定化(つまり悪化しない)状態、疾患進行の遅延又は緩徐化、疾患状態の回復又は緩和、及び寛解(部分的又は完全)を含む。「治療」は、治療を受けない場合に予想される生存率と比較して生存を延長することを意味しうる。治療を必要とする者は、既に症状又は疾患を持つ者並びに症状又は疾患になりやすい者又は症状又は疾患が防止される者を含む。 「治療的に有効な量」なる語句は、哺乳動物における疾病又は疾患を治療するのに有効な薬剤の量を意味する。癌の場合、薬剤の治療的に有効な量は、癌細胞の数を減少させ;腫瘍サイズを減少させ;周辺器官への癌細胞の浸潤を阻害し(つまり、ある程度まで遅くさせ、好ましくは停止させ);腫瘍転移を阻害し(つまり、ある程度まで遅くさせ、好ましくは停止させ);腫瘍増殖をある程度まで阻害し;及び/又は癌に伴う徴候の一又は複数をある程度軽減しうる。薬剤が増殖を防止し、及び/又は存在する癌細胞を死滅させうる程度まで、それは細胞分裂阻害性及び/又は細胞毒性でありうる。癌治療では、効能は、例えば無増悪期間(TTP)を評価し、及び/又は奏功率(RR)を決定することにより測定することができる。 「癌」及び「癌性」という用語は、典型的には調節されない細胞増殖を特徴とする哺乳動物における生理学的状態を指すか記述する。「腫瘍」は一又は複数の癌細胞を含む。癌の例には、限定されるものではないが、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病又はリンパ系腫瘍が含まれる。このような癌のより特定の例には、扁平細胞癌(例えば、上皮扁平細胞癌)、肺癌、例えば小細胞肺癌、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、肺の腺癌、及び肺の扁平癌腫(squamous carcinoma))、腹膜癌、肝細胞癌、胃(gastric)又は腹部(stomach)癌、例えば胃腸癌、膵臓癌、神経膠芽細胞腫、子宮頸管癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜又は子宮癌、唾液腺癌、腎臓(kidney)又は腎(renal)癌、前立腺癌、産卵口癌、甲状腺癌、肝臓癌、肛門癌、陰茎癌、並びに頭頸部癌を含む。 「ErbB発現癌」はその細胞表面に存在するErbBタンパク質を有する細胞を含むものである。「ErbB2発現癌」は、その細胞表面に十分なレベルのErbB2を産生するものであり、抗ErbB2抗体がそれに結合し得、癌に対して治療効果を奏する。 抗原性レセプターを「過剰発現する」癌は、同じ組織型の非癌細胞と比較して、その細胞表面に有意に高いレベルのErbB2のようなレセプターを有しているものである。このような過剰発現は、遺伝子増幅により、又は転写又は翻訳を増加させることにより引き起こされうる。レセプター過剰発現は、細胞の表面のレセプタータンパク質の増加レベルを評価することにより、診断又は予後アッセイで決定されうる(例えば、免疫組織化学アッセイ;IHCによる)。あるいは、又は加えて、例えば、蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH;国際公開第98/45479号参照)、サザンブロット法、又はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法、例えばリアルタイム定量PCR(RT-PCR)を介して、細胞中のレセプターコード化核酸のレベルを測定してもよい。 ここで用いられる「細胞傷害剤」なる用語は、細胞の機能を阻害又は抑制し、及び/又は細胞の破壊を生じせしめる物質を意味する。該用語は、放射性同位体(例えば、211At、131I、125I、90Y、186Re、188Re、153Sm、212Bi、32P、60C、及びLuの放射性同位体)、化学療法剤、及び毒素、例えばその合成アナログ及び誘導体を含む、小分子毒素又は細菌、糸状菌、植物又は動物起源の酵素的に活性な毒素を含むことが意図されている。 「ファージディスプレイ」は、変異体ポリペプチドをファージ、例えば繊維状ファージの粒子の表面でコートタンパク質と融合したタンパク質として提示する手法である。ファージディスプレイの一有用性は、ランダム化タンパク質変異体の大きなライブラリーから対象分子と高親和性で結合する配列を迅速かつ効率的に選別できることにある。ファージ上のペプチド及びタンパク質ライブラリーの提示は、何百万ものポリペプチドから特異的結合特性を持つものをスクリーニングするために利用されてきた。多価ファージディスプレイ法は、典型的には繊維状ファージのpIII又はpVIIIとの融合体を通して小さなランダムペプチド及び小タンパク質を提示するために利用されてきた(Wells及びLowman (1992) Curr. Opin. Struct. Biol., 3: 355-362とその中の引用文献)。一価のファージディスプレイでは、タンパク質又はペプチドのライブラリーがファージコートタンパク質又はその一部に融合され、野生型タンパク質の存在下で低レベルで発現される。アビディティー効果は多価のファージと比較して低下しているので、選別は内在性のリガンド親和性に基づいており、ファージミドベクターが使われるが、このベクターはDNA操作を単純化する。Lowman and Wells, Methods: A companion to Methods in Enzymology, 3:205-0216 (1991)。ファージディスプレイは、抗体様分子を生産する技術を含む(Janeway, C., Travers, P., Walport, M., Shlomchik (2001) Immunobiology, 5th Ed., Garland Publishing, New York, p627-628; Lee等)。 「ファージミド」は、細菌の複製起点、例えばCo1E1及びバクテリオファージの遺伝子間領域のコピーを有するプラスミドベクターである。ファージミドは任意の既知のバクテリオファージ、例えば繊維状バクテリオファージ及びラムドイドバクテリオファージに使用できる。プラスミドは、一般に、抗生物質耐性の選択マーカーも含む。これらのベクターにクローニングされたDNAセグメントは、プラスミドとして増殖することができる。これらのベクターを備える細胞がファージ粒子の生産のために必要なすべての遺伝子を備えているとき、プラスミドの複製様式はローリングサークル複製に変化し、プラスミドDNAの一つの鎖のコピーとパッケージファージ粒子を生成する。ファージミドは感染性又は非感染性ファージ粒子を形成しうる。この用語は、異種ポリペプチドがファージ粒子の表面で提示されるように遺伝子融合体として異種ポリペプチド遺伝子と結合したファージコートタンパク質遺伝子又はその断片を含むファージミドを含む。 「リンカー」、「リンカーユニット」、又は「リンク」は、抗体を薬剤部分に共有的に結合させる共有結合又は原子鎖を含む化学的部分を意味する。様々な実施態様では、リンカーはLと特定されている。リンカーは、2価の基、例えばアルキルジイル、アリーレン、ヘテロアリーレン、アルキロキシ(例としてポリエチレンオキシ、PEG、ポリメチレンオキシ)及びアルキラミノ(例えばポリエチレンアミノ、JeffamineTM)の繰り返しユニットである-(CR2)nO(CR2)n-などの成分、及び、スクシナート、スクシンアミド、ジグリコレート、マロネート及びカプロアミドを含む二酸エステル及びアミドが含まれる。 「標識」なる用語は、抗体に共有的に結合可能であり、(i)検出可能なシグナルを提供し;(ii)第2の標識と相互作用し、第1又は第2の標識、例えばFRET(蛍光共鳴エネルギー転移)により提供される検出可能なシグナルを修飾し;(iii)相互作用を安定化させるか、又は抗原もしくはリガンドとの結合親和性を増加させ;(iv)電荷、疎水性度、形状、又は他の物理的パラメーターにより、移動度、例えば電気泳動移動度、又は細胞-透過性に影響を与え、又は(iv)キャプチャー部分を提供し、リガンド親和性、抗体/抗原結合、又はイオン錯体形成を調節するように機能する任意の部分を意味する。 ここで使用される立体化学の定義及び慣習は一般にS. P. Parker編, McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw-Hill Book Company, New York;及びEliel, E.及びWilen, S., Stereochemistry of Organic Compounds (1994), John Wiley & Sons, Inc., New Yorkに従う。多くの有機化合物は光学的に活性な形態で存在する、つまり、それらは直線偏光の面を回転させる能力を有している。光学的に活性な化合物を記述する場合、接頭辞D及びL、又はR及びSは、そのキラル中心の回りの分子の絶対配置を示すために使用される。接頭辞d及びl又は(+)及び(−)は化合物による直線偏光の回転の符号を示すために使用され、(−)又はlは化合物が左旋性であることを意味する。(+)又はdの接頭辞の化合物は右旋性である。所定の化学構造に対して、これらの立体異性体は、それらが互いに鏡像であることを除いて同一である。特定の立体異性体は、エナンチオマーとも称されることがあり、そのような異性体の混合物はしばしばエナンチオマー混合物と呼ばれる。エナンチオマーの50:50混合物はラセミ混合物又はラセミ体と呼ばれ、化学反応又はプロセスに立体選択又は立体特異性がなかった場合に生じうる。「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」なる用語は、光学活性を欠いている2つのエナンチオマー種の等モル混合物を意味する。 ここで使用される「薬学的に許容可能な塩」なる語句は、ADCの薬学的に許容可能な有機又は無機塩を意味する。例示的な塩には、限定されるものではないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸ホスフェート、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸シトレート、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩(つまり、1,1’-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエート))塩が含まれる。薬学的に許容可能な塩は、アセテートイオン、スクシネートイオン又は他の対イオンのような他の分子を含みうる。対イオンは親化合物上の電荷を安定化する任意の有機又は無機部分でありうる。更に、薬学的に許容可能な塩は、その構造中に一を越える荷電原子を有しうる。複数の荷電原子が薬学的に許容可能な塩の一部である場合は、複数の対イオンを有しうる。よって、薬学的に許容可能な塩は一又は複数の荷電原子及び/又は一又は複数の対イオンを有しうる。 「薬学的に許容可能な溶媒和物」は一又は複数の溶媒分子とADCの結合体を意味する。薬学的に許容可能な溶媒和物を形成する溶媒の例には、限定されないが、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、及びエタノールアミンが含まれる。システイン操作抗体 発明の化合物は、野生型又は親抗体の一又は複数のアミノ酸がシステインアミノ酸で置換されているシステイン操作抗体を含む。任意の形態の抗体がそのように操作、すなわち変異されうる。例えば、親Fab抗体断片はシステイン操作Fabを形成するように操作され得、ここでは「ThioFab」と称される。単一部位の変異はThioFabにおいて単一の操作システイン残基を生じる一方、単一部位の変異はThioMabにおいてはIgG抗体の二量体の性質のため、二つの操作システイン残基を生じることに留意されなければならない。置換(「操作」)システイン(Cys)残基を有する変異体は、新たに導入された操作システインチオール基の反応性について評価される。チオール反応性値は0〜1.0の範囲の相対的な数字で表され、任意のシステイン操作抗体について測定可能である。発明のシステイン操作抗体のチオール反応性値は0.6〜1.0;0.7〜1.0;又は0.8〜1.0の範囲である。 本発明の設定、選別および調製方法により、求電子性の官能性と反応するシステイン改変抗体が可能である。これらの方法によりさらに、所定の設定した選択した部位に薬剤分子を有する抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)化合物などの抗体複合体化合物が可能である。抗体表面上の反応性のシステイン残基により、マレイミド又はハロアセチルなどのチオール反応基を介した薬剤成分の特異的なコンジュゲートが可能である。マレイミド基に対するCys残基のチオール官能基の求核反応性は、リジン残基のアミノ基又はN-末端アミノ基などのタンパク質内の任意の他のアミノ酸官能性の、およそ1000倍である。ヨードアセチルおよびマレイミド試薬のチオール特異的官能性はアミン基と反応するが、より高いpH(>9.0)とより長い反応時間が必要である(Garman, 1997, Non-Radioactive Labelling: A Practical Approach, Academic Press, London)。 発明のシステイン操作抗体は、その野生型対応物の抗原結合能を好ましくは保持する。よって、システイン操作抗体は、抗原に、好ましくは特異的に結合可能である。このような抗原には、例えば、腫瘍関連抗原(TAA)、細胞表面レセプタータンパク質及び他の細胞表面分子、膜貫通タンパク質、シグナル伝達タンパク質、細胞生存調節因子、細胞増殖調節因子、組織発達又は分化に関連する(例えば、それに機能的に寄与することが知られているか又は疑われる)分子、リンホカイン、サイトカイン、細胞周期調節に関与する分子、脈管形成に関与する分子及び血管形成に関連する(例えば、それに機能的に寄与することが知られているか又は疑われる)分子が含まれる。腫瘍関連抗原はクラスター分化因子(つまり、CDタンパク質)でありうる。システイン操作抗体が結合可能な抗原は、上述のカテゴリーのサブセットのメンバーであり得、上記カテゴリーの他のサブセットは、(対象の抗原に対して)区別される特性を有する他の分子/抗原を含む。 親抗体はまた、huMAb4D5-1、huMAb4D5-2、huMAb4D5-3、huMAb4D5-4、huMAb4D5-5、huMAb4D5-6、huMAb4D5-7及びhuMAb4D5-8(トラスツズマブ、HERCEPTIN(登録商標))(US5821337の表3に記載され、出典明記によりここに援用する);ヒト化520C9(WO93/21319)及びここに記載のヒト化2C4抗体から選択されるヒト化抗体でありうる。 発明のシステイン改変抗体は部位特異的であり、チオール反応性の試薬と効率よくカップリングしうる。チオール反応性の試薬は、多機能性リンカー試薬、キャプチャ、すなわち親和性、標識試薬(例えばビオチン-リンカー試薬)、検出標識(例えば蛍光体試薬)、固相固定化試薬(例えばSEPHAROSETM、ポリスチレン又はガラス)、又は薬剤-リンカー中間生成物であってもよい。チオール反応性試薬の一例はN-エチルマレイミド(NEM)である。ある例示的な実施態様では、ビオチン-リンカー試薬とのThioFabの反応によりビオチン化されたThioFabが生じ、これによって改変されたシステイン残基の存在および反応性が検出され、測定されうる。多機能リンカー試薬とのThioFabの反応により、薬剤成分試薬又は他の標識とさらに反応しうる官能化されたリンカーを有するThioFabが生じる。薬剤-リンカー中間生成物とのThioFabの反応により、ThioFab薬剤コンジュゲートが生じる。 本明細書中で記述される例示的な方法は一般に、抗体の同定および産生、さらに一般的には、本明細書中に記載の設定およびスクリーニングの工程によって他のタンパク質に応用されてもよい。 このような手法は、反応基が例えばマレイミド、ヨードアセトアミド、ピリジルジスルフィド、又は他のチオール反応性の結合パートナーである他のチオール反応性試薬のコンジュゲーションに応用されてもよい(Haugland, 2003, Molecular Probes Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals, Molecular Probes, Inc.;Brinkley, 1992, Bioconjugate Chem. 3:2;Garman, 1997, Non-Radioactive Labelling: A Practical Approach, Academic Press, London;Means (1990) Bioconjugate Chem. 1:2;Hermanson, G. in Bioconjugate Techniques (1996) Academic Press, San Diego, pp. 40-55, 643-671)。パートナーは、細胞傷害座位(例えば、ドキソルビシン又は百日咳毒素などの毒素)、フルオロホア、例としてフルオレセインまたはローダミンのような蛍光染料、イメージングまたは放射性治療用金属のためのキレート剤、ペプチジルまたは非ペプチジル標識ないしは検出用タグ、又はポリエチレングリコールの各種アイソフォームなどのクリアランス-改変剤、第三成分に結合するペプチド、または他の炭水化物または親油性剤であってもよい。 ここでの例示的抗体断片、hu4D5Fabv8において同定される部位は主に、全種の抗体にわたって良く保存されている抗体の定常ドメインにある。これらの部位は、特定の抗体構造の構造設計又は知識を更に必要とせず、抗体の可変ドメインに備わる抗原結合特性を干渉することなく、他の抗体に広く応用可能であるべきである。 癌の治療に有用であり得るシステイン操作抗体は、限定しないが、細胞表面レセプター及び腫瘍関連抗原(TAA)に対する抗体を含む。そのような抗体は、ネイキッド抗体(薬物又は標識部分に非コンジュゲート)として又は式Iの抗体-薬物コンジュゲート(ADC)として使用されうる。腫瘍関連抗原は当該分野で知られており、当該分野で良く知られている方法及び情報を使用して抗体生産に使用するために調製することができる。癌診断及び治療法のための効果的な細胞標的を発見する試みにおいて、研究者は、一又は複数の正常な非癌性細胞上と比較して一又は複数の特定のタイプの癌細胞の表面に特異的に発現される膜貫通型又は他の腫瘍関連ポリペプチドを同定しようとした。しばしば、そのような腫瘍関連ポリペプチドは、非癌性細胞の表面上と比較して癌細胞の表面上により豊富に発現される。そのような腫瘍関連細胞表面抗原ポリペプチドの同定は、抗体ベースの療法を介した破壊のために癌細胞に特異的に標的とする能力を生じせしめた。 TAAの例は、限定しないが、以下に列挙するTAA(1)−(36)を含む。簡単のために、その全てが当該分野で知られているこれらの抗原に関する情報を以下に列挙するが、これは、名前、別名、Genbank受託番号及び主要な文献、その後に国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)の核酸及びタンパク質配列同定コンベンションを含む。TAA(1)−(36)に対応する核酸及びタンパク質配列は公的データベース、例えばGenBankから入手できる。抗体によって標的とされる腫瘍関連抗原は、引用された文献で同定された配列に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、又は95%の配列同一性を有する全てのアミノ酸配列変異体及びアイソフォームを含み、又は引用された文献に見出される配列を有するTAAと実質的に同じ生物学的性質又は特性を示す。例えば、変異配列を有するTAAは、一般に、列挙された対応の配列を持つTAAに特異的に結合する抗体に特異的に結合することができる。ここに特に記載された文献中の配列及び開示は出典明示により明示的に援用される。腫瘍関連抗原(1)−(36):(1)BMPR1B(骨形成タンパク質レセプター−タイプIB、Genbank受託番号NM_001203); ten Dijke、P.等 Science 264 (5155):101-104 (1994), Oncogene 14 (11):1377-1382 (1997)); 国際公開2004063362 (クレーム2); 国際公開2003042661 (クレーム12); 米国特許出願公開2003134790-A1 (p38-39); 国際公開2002102235 (クレーム13; p296); 国際公開2003055443 (p91-92); 国際公開200299122 (実施例2; p528-530); 国際公開2003029421 (クレーム6); 国際公開2003024392 (クレーム2; 図112); 国際公開200298358 (クレーム1; p183); 国際公開200254940 (p100-101); 国際公開200259377(p349-350); 国際公開200230268 (クレーム27; p376); 国際公開200148204 (実施例; 図4); NP_001194骨形成タンパク質レセプター、 タイプIB /pid=NP_001194.1; クロスリファレンス: MIM:603248; NP_001194.1; AY065994(2)E16(LAT1、SLC7A5、Genbank受託番号NM_003486);Biochem. Biophys. Res. Commun. 255 (2)、 283-288 (1999)、 Nature 395 (6699):288-291 (1998)、 Gaugitsch、 H.W.、等(1992) J. Biol. Chem. 267 (16):11267-11273); 国際公開2004048938 (実施例2); 国際公開2004032842 (実施例IV); 国際公開2003042661 (クレーム12); 国際公開2003016475 (クレーム1); 国際公開200278524 (実施例2); 国際公開200299074 (クレーム19; p127-129); 国際公開200286443 (クレーム27; p222, 393); 国際公開2003003906 (クレーム10; p293); 国際公開200264798 (クレーム33; p93-95); 国際公開200014228 (クレーム5; p133-136); 米国特許出願公開2003224454 (図3); 国際公開2003025138 (クレーム12; p150);NP_003477ソリュート キャリアファミリー 7 (カチオンアミノ 酸 トランスポーター、 y+ システム)、 メンバー5 /pid=NP_003477.3 - ホモサピエンス; クロスリファレンス: MIM:600182; NP_003477.3; NM_015923; NM_003486_1(3)STEAP1(前立腺癌六回膜貫通型上皮抗原、Genbank受託番号NM_012449);Cancer Res. 61 (15)、 5857-5860 (2001)、 Hubert、 R.S.、等(1999) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96 (25):14523-14528); 国際公開2004065577 (クレーム6); 国際公開2004027049 (図1L); EP1394274 (実施例11); 国際公開2004016225 (クレーム2); 国際公開2003042661 (クレーム12); 米国特許出願公開2003157089 (実施例5); 米国特許出願公開2003185830 (実施例5); 米国特許出願公開2003064397 (図2); 国際公開200289747 (実施例5; p618-619); 国際公開2003022995 (実施例9; 図13A、実施例53; p173,実施例2; 図2A); NP_036581六回膜貫通型上皮抗原; クロスリファレンス: MIM:604415; NP_036581.1; NM_012449_1(4)0772P(CA125、MUC16、Genbank受託番号AF361486); J. Biol. Chem. 276 (29):27371-27375 (2001)); 国際公開2004045553 (クレーム14); 国際公開200292836 (クレーム6; 図12); 国際公開200283866 (クレーム15; p116-121); 米国特許出願公開2003124140 (実施例16);クロスリファレンス: GI:34501467; AAK74120.3; AF361486_1(5)MPF(MPF、MSLN、SMR、巨核球増強因子、メソテリン、Genbank受託番号NM_005823)Yamaguchi、 N.、等Biol. Chem. 269 (2)、 805-808 (1994)、 Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96 (20):11531-11536 (1999)、 Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93 (1):136-140 (1996)、 J. Biol. Chem. 270 (37):21984-21990 (1995)); 国際公開2003101283 (クレーム14); (国際公開2002102235 (クレーム13; p287-288); 国際公開2002101075 (クレーム4; p308-309); 国際公開200271928 (p320-321); WO9410312 (p52-57); クロスリファレンス: MIM:601051; NP_005814.2; NM_005823_1(6)Napi3b(NAPI−3B、NPTIIb、SLC34A2、ソリュートキャリアファミリー34(リン酸ナトリウム)、メンバー2、タイプIIナトリウム−リン酸共輸送体3b、Genbank受託番号NM_006424);J. Biol. Chem. 277 (22):19665-19672 (2002)、 Genomics 62 (2):281-284 (1999)、 Feild、 J.A.、等(1999) Biochem. Biophys. Res. Commun. 258 (3):578-582); 国際公開2004022778 (クレーム2);欧州特許出願公開1394274 (実施例11); 国際公開2002102235 (クレーム13; p326);欧州特許出願公開875569 (クレーム1; p17-19); 国際公開200157188 (クレーム20; p329); 国際公開2004032842 (実施例IV); 国際公開200175177 (クレーム24; p139-140); クロスリファレンス: MIM:604217; NP_006415.1; NM_006424_1(7)Sema5b(FLJ10372、KIAA1445、Mm.42015、SEMA5B、SEMAG、セマフォリン5b Hlog、セマドメイン、7トロンボスポンジンリピート(タイプ1及びタイプ1様)、膜貫通型ドメイン(TM)及びショート細胞質ドメイン、(セマフォリン)5B、Genbank受託番号AB040878);Nagase T.、等(2000) DNA Res. 7 (2):143-150); 国際公開2004000997 (クレーム1); 国際公開2003003984 (クレーム1); 国際公開200206339 (クレーム1; p50); 国際公開200188133 (クレーム1; p41-43, 48-58); 国際公開2003054152 (クレーム20); 国際公開2003101400 (クレーム11); 受託: Q9P283; EMBL; AB040878; BAA95969.1. Genew; HGNC:10737;(8)PSCAhlg(2700050C12Rik、C530008O16Rik、RIKENcDNA2700050C12、RIKENcDNA2700050C12遺伝子、Genbank受託番号AY358628);Ross等(2002) Cancer Res. 62:2546-2553; 米国特許出願公開2003129192 (クレーム2); 米国特許出願公開2004044180 (クレーム12); 米国特許出願公開2004044179 (クレーム11); 米国特許出願公開2003096961 (クレーム11); 米国特許出願公開2003232056 (実施例5); 国際公開2003105758 (クレーム12); 米国特許出願公開2003206918 (実施例5);欧州特許出願公開1347046 (クレーム1); 国際公開2003025148 (クレーム20); クロスリファレンス: GI:37182378; AAQ88991.1; AY358628_1(9)ETBR(エンドセリンタイプBレセプター、Genbank受託番号AY275463);Nakamuta M.、等Biochem. Biophys. Res. Commun. 177、 34-39、 1991; Ogawa Y.、等Biochem. Biophys. Res. Commun. 178、 248-255、 1991; Arai H.、等Jpn. Circ. J. 56, 1303-1307、 1992; Arai H.、等J. Biol. Chem. 268、 3463-3470、 1993; Sakamoto A.、 Yanagisawa M.、等Biochem. Biophys. Res. Commun. 178、 656-663, 1991; Elshourbagy N.A.、等J. Biol. Chem. 268、 3873-3879、 1993; Haendler B.、等J. Cardiovasc. Pharmacol. 20、 s1-S4, 1992; Tsutsumi M.、等Gene 228、 43-49、 1999; Strausberg R.L.、等Proc. Natl. Acad. Sci. 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Genet. 111, 198-206; 国際公開2004045516 (クレーム1); 国際公開2004048938 (実施例2); 国際公開2004040000 (クレーム151); 国際公開2003087768 (クレーム1); 国際公開2003016475 (クレーム1); 国際公開2003016475 (クレーム1); 国際公開200261087 (図1); 国際公開2003016494 (図6); 国際公開2003025138 (クレーム12; p144); 国際公開200198351 (クレーム1; p124-125);欧州特許出願公開522868 (クレーム8; 図2); 国際公開200177172 (クレーム1; p297-299); 米国特許出願公開2003109676; 米国特許6518404 (図3); 米国特許5773223 (クレーム1a; Col 31-34); 国際公開2004001004.(10)MSG783(RNF124、ハイポセティカルタンパク質FLJ20315、Genbank受託番号NM_017763);国際公開2003104275 (クレーム1); 国際公開2004046342 (実施例2); 国際公開2003042661 (クレーム12); 国際公開2003083074 (クレーム14; p61); 国際公開2003018621 (クレーム1); 国際公開2003024392 (クレーム2; 図93); 国際公開200166689 (実施例6); クロスリファレンス: LocusID:54894; NP_060233.2; NM_017763_1(11)STEAP2(HGNC_8639、IPCA−1、PCANAP1、STAMP1、STEAP2、STMP、前立腺癌関連遺伝子1、前立腺癌癌関連タンパク質1、前立腺癌六回膜貫通型上皮抗原2、六回膜貫通型前立腺癌タンパク質、Genbank受託番号AF455138); Lab. Invest. 82 (11):1573-1582 (2002)); 国際公開2003087306; 米国特許出願公開2003064397 (クレーム1; 図1); 国際公開200272596 (クレーム13; p54-55); 国際公開200172962 (クレーム1; 図4B); 国際公開2003104270 (クレーム11); 国際公開2003104270 (クレーム16); 米国特許出願公開2004005598 (クレーム22); 国際公開2003042661 (クレーム12); 米国特許出願公開2003060612 (クレーム12; 図10); 国際公開200226822 (クレーム23; 図2); 国際公開200216429 (クレーム12; 図10); クロスリファレンス: GI:22655488; AAN04080.1; AF455138_1(12)TrpM4(BR22450、FLJ20041、TRPM4、TRPM4B、トランジェントレセプターポテンシャルカチオンチャネル、サブファミリーM、メンバー4、Genbank受託番号NM_017636); Xu、 X.Z.、等Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 98 (19):10692-10697 (2001)、 Cell 109 (3):397-407 (2002)、 J. Biol. Chem. 278 (33):30813-30820 (2003)); 米国特許出願公開2003143557 (クレーム4); 国際公開200040614 (クレーム14; p100-103); 国際公開200210382 (クレーム1; 図9A); 国際公開2003042661 (クレーム12); 国際公開200230268 (クレーム27; p391); 米国特許出願公開2003219806 (クレーム4); 国際公開200162794 (クレーム14; 図1A-D); クロスリファレンス: MIM:606936; NP_060106.2; NM_017636_1(13)CRIPTO(CR、CR1、CRGF、CRIPTO、TDGF1、奇形癌腫由来増殖因子、Genbank受託番号NP_003203又はNM_003212);Ciccodicola、 A.、等EMBO J. 8 (7):1987-1991 (1989)、 Am. J. Hum. Genet. 49 (3):555-565 (1991)); 米国特許出願公開2003224411 (クレーム1); 国際公開2003083041 (実施例1); 国際公開2003034984 (クレーム12); 国際公開200288170 (クレーム2; p52-53); 国際公開2003024392 (クレーム2; 図58); 国際公開200216413 (クレーム1; p94-95、 105); 国際公開200222808 (クレーム2; 図1); 米国特許5854399 (実施例2; Col 17-18); 米国特許5792616 (図2); クロスリファレンス: MIM:187395; NP_003203.1; NM_003212_1(14)CD21(CR2(補体レセプター2)又はC3DR(C3d/エプスタイン・バーウイルスレセプター)又はHs.73792 Genbank受託番号M26004); Fujisaku等(1989) J. Biol. Chem. 264 (4):2118-2125); Weis J.J.、等J. Exp. Med. 167、 1047-1066, 1988; Moore M.、等Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 84, 9194-9198、 1987; Barel M.、等Mol. Immunol. 35、 1025-1031, 1998; Weis J.J.、等Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 83, 5639-5643, 1986; Sinha S.K.、等(1993) J. Immunol. 150、 5311-5320; 国際公開2004045520 (実施例4); 米国特許出願公開2004005538 (実施例1); 国際公開2003062401 (クレーム9); 国際公開2004045520 (実施例4); WO9102536 (図9.1-9.9); 国際公開2004020595 (クレーム1); 受託: P20023; Q13866; Q14212; EMBL; M26004; AAA35786.1.(15)CD79b(CD79B、CD79b、IGb(免疫グロブリン関連β)、B29、Genbank受託番号NM_000626又は11038674); Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (2003) 100 (7):4126-4131, Blood (2002) 100 (9):3068-3076, Muller等(1992) Eur. J. Immunol. 22 (6):1621-1625); 国際公開2004016225 (クレーム 2, 図140); 国際公開2003087768、 米国特許出願公開2004101874 (クレーム 1, p 102); 国際公開2003062401 (クレーム 9); 国際公開200278524 (実施例2); 米国特許出願公開2002150573 (クレーム 5、 p 15); 米国特許5644033; 国際公開2003048202 (クレーム 1, ps 306及び309); 国際公開99/558658、 米国特許6534482 (クレーム 13, 図17A/B); 国際公開200055351 (クレーム 11, ps 1145-1146); クロスリファレンス: MIM:147245; NP_000617.1; NM_000626_1(16)FcRH2(IFGP4、IRTA4、SPAP1A(SH2ドメイン含有ホスファターゼアンカー型タンパク質1a)、SPAP1B、SPAP1C、Genbank受託番号NM_030764、AY358130);Genome Res. 13 (10):2265-2270 (2003)、 Immunogenetics 54 (2):87-95 (2002)、 Blood 99 (8):2662-2669 (2002)、 Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 98 (17):9772-9777 (2001)、 Xu、 M.J.、等(2001) Biochem. Biophys. Res. Commun. 280 (3):768-775; 国際公開2004016225 (クレーム2); 国際公開2003077836; 国際公開200138490 (クレーム5; 図18D-1-18D-2); 国際公開2003097803 (クレーム12); 国際公開2003089624 (クレーム25); クロスリファレンス: MIM:606509; NP_110391.2; NM_030764_1(17)HER2(ErbB2、Genbank受託番号M11730);Coussens L.、等Science (1985) 230(4730):1132-1139); Yamamoto T.、等Nature 319、 230-234, 1986; Semba K.、等Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82, 6497-6501, 1985; Swiercz J.M.、等J. Cell Biol. 165、 869-880、 2004; Kuhns J.J.、等J. Biol. Chem. 274, 36422-36427、 1999; Cho H.-S.、等Nature 421, 756-760、 2003; Ehsani A.、等(1993) Genomics 15、 426-429; 国際公開2004048938 (実施例2); 国際公開2004027049 (図1I); 国際公開2004009622; 国際公開2003081210; 国際公開2003089904 (クレーム9); 国際公開2003016475 (クレーム1); 米国特許出願公開2003118592; 国際公開2003008537 (クレーム1); 国際公開2003055439 (クレーム29; 図1A-B); 国際公開2003025228 (クレーム37; 図5C); 国際公開200222636 (実施例13; p95-107); 国際公開200212341 (クレーム68; 図7); 国際公開200213847 (p71-74); 国際公開200214503 (p114-117); 国際公開200153463 (クレーム2; p41-46); 国際公開200141787 (p15); 国際公開200044899 (クレーム52; 図7); 国際公開200020579 (クレーム3; 図2); 米国特許5869445 (クレーム3; Col 31-38); WO9630514 (クレーム2; p56-61);欧州特許出願公開1439393 (クレーム7); 国際公開2004043361 (クレーム7); 国際公開2004022709; 国際公開200100244 (実施例3; 図4); 受託: P04626; EMBL; M11767; AAA35808.1. EMBL; M11761; AAA35808.1.(18)NCA(CEACAM6、Genbank受託番号M18728);Barnett T.、等Genomics 3, 59-66, 1988; Tawaragi Y.、等Biochem. Biophys. Res. Commun. 150、 89-96, 1988; Strausberg R.L.、等Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 99:16899-16903, 2002; 国際公開2004063709;欧州特許出願公開1439393 (クレーム7); 国際公開2004044178 (実施例4); 国際公開2004031238; 国際公開2003042661 (クレーム12); 国際公開200278524 (実施例2); 国際公開200286443 (クレーム27; p427); 国際公開200260317 (クレーム2); Accession: P40199; Q14920; EMBL; M29541; AAA59915.1. EMBL; M18728(19)MDP(DPEP1、Genbank受託番号BC017023);Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 99 (26):16899-16903 (2002)); 国際公開2003016475 (クレーム1); 国際公開200264798 (クレーム33; p85-87); JP05003790 (図6-8); WO9946284 (図9); クロスリファレンス: MIM:179780; AAH17023.1; BC017023_1(20)IL20Ra(IL20Ra、ZCYTOR7、Genbank受託番号AF184971);Clark H.F.、等Genome Res. 13, 2265-2270、 2003; Mungall A.J.、等Nature 425、 805-811, 2003; Blumberg H.、等Cell 104, 9-19、 2001; Dumoutier L.、等J. Immunol. 167、 3545-3549、 2001; Parrish-Novak J.、等J. Biol. Chem. 277、 47517-47523, 2002; Pletnev S.、等(2003) Biochemistry 42:12617-12624; Sheikh F.、等(2004) J. Immunol. 172, 2006-2010;欧州特許出願公開1394274 (実施例11); 米国特許出願公開2004005320 (実施例5); 国際公開2003029262 (p74-75); 国際公開2003002717 (クレーム2; p63); 国際公開200222153 (p45-47); 米国特許出願公開2002042366 (p20-21); 国際公開200146261 (p57-59); 国際公開200146232 (p63-65); 国際公開9837193 (クレーム1; p55-59); 受託: Q9UHF4; Q6UWA9; Q96SH8; EMBL; AF184971; AAF01320.1. (21)ブレビカン(BCAN、BEHAB、Genbank受託番号AF229053);Gary S.C.、等Gene 256, 139-147、 2000; Clark H.F.、等Genome Res. 13, 2265-2270、 2003; Strausberg R.L.、等Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 99、 16899-16903, 2002; 米国特許出願公開2003186372 (クレーム11); 米国特許出願公開2003186373 (クレーム11); 米国特許出願公開2003119131 (クレーム1; 図52); 米国特許出願公開2003119122 (クレーム1; 図52); 米国特許出願公開2003119126 (クレーム1); 米国特許出願公開2003119121 (クレーム1; 図52); 米国特許出願公開2003119129 (クレーム1); 米国特許出願公開2003119130 (クレーム1); 米国特許出願公開2003119128 (クレーム1; 図52); 米国特許出願公開2003119125 (クレーム1); 国際公開2003016475 (クレーム1); 国際公開200202634 (クレーム1);(22)EphB2R(DRT、ERK、Hek5、EPHT3、Tyro5、Genbank受託番号NM_004442); Chan、J.及びWatt、 V.M.、 Oncogene 6 (6)、 1057-1061 (1991) Oncogene 10 (5):897-905 (1995)、 Annu. Rev. Neurosci. 21:309-345 (1998)、 Int. Rev. Cytol. 196:177-244 (2000)); 国際公開2003042661 (クレーム12); 国際公開200053216 (クレーム1; p41); 国際公開2004065576 (クレーム1); 国際公開2004020583 (クレーム9); 国際公開2003004529 (p128-132); 国際公開200053216 (クレーム1; p42); クロスリファレンス: MIM:600997; NP_004433.2; NM_004442_1(23)ASLG659(B7h、Genbank受託番号AX092328);米国特許出願公開20040101899 (クレーム2); 国際公開2003104399 (クレーム11); 国際公開2004000221 (図3); 米国特許出願公開2003165504 (クレーム1); 米国特許出願公開2003124140 (実施例2); 米国特許出願公開2003065143 (図60); 国際公開2002102235 (クレーム13; p299); 米国特許出願公開2003091580 (実施例2); 国際公開200210187 (クレーム6; 図10); 国際公開200194641 (クレーム12; 図7b); 国際公開200202624 (クレーム13; 図1A-1B); 米国特許出願公開2002034749 (クレーム54; p45-46); 国際公開200206317 (実施例2; p320-321, クレーム34; p321-322); 国際公開200271928 (p468-469); 国際公開200202587 (実施例1; 図1); 国際公開200140269 (実施例3; p 190-192); 国際公開200036107 (実施例2; p205-207); 国際公開2004053079 (クレーム12); 国際公開2003004989 (クレーム1); 国際公開200271928 (p233-234, 452-453); 国際公開0116318; (24)PSCA(前立腺肝細胞抗原前駆物質、Genbank受託番号AJ297436); Reiter R.E.、等Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 95、 1735-1740、 1998; Gu Z.、等Oncogene 19、 1288-1296, 2000; Biochem. Biophys. Res. Commun. (2000) 275(3):783-788; 国際公開2004022709;欧州特許出願公開1394274 (実施例11); 米国特許出願公開2004018553 (クレーム17); 国際公開2003008537 (クレーム1); 国際公開200281646 (クレーム1; p164); 国際公開2003003906 (クレーム10; p288); 国際公開200140309 (実施例1; 図17); 米国特許出願公開2001055751 (実施例1; 図1b); 国際公開200032752 (クレーム18; 図1); 国際公開9851805 (クレーム17; p97); 国際公開9851824 (クレーム10; p94); 国際公開9840403 (クレーム2; 図1B); Accession: O43653; EMBL; AF043498; AAC39607.1.(25)GEDA(Genbank受託番号AY260763);AAP14954脂肪腫HMGIC融合対様タンパク質 /pid=AAP14954.1 ホモサピエンス (human); 国際公開2003054152 (クレーム20); 国際公開2003000842 (クレーム1); 国際公開2003023013 (実施例3, クレーム20); 米国特許出願公開2003194704 (クレーム45); クロスリファレンス: GI:30102449; AAP14954.1; AY260763_1(26)BAFF−R(B細胞活性化因子レセプター、BLySレセプター3、BR3、Genbank受託番号AF116456);BAFF レセプター /pid=NP_443177.1 - ホモサピエンス; Thompson、 J.S.、等Science 293 (5537)、 2108-2111 (2001); 国際公開2004058309; 国際公開2004011611; 国際公開2003045422 (実施例; p32-33); 国際公開2003014294 (クレーム35; 図6B); 国際公開2003035846 (クレーム70; p615-616); 国際公開200294852 (Col 136-137); 国際公開200238766 (クレーム3; p133); 国際公開200224909 (実施例3; 図3); クロスリファレンス: MIM:606269; NP_443177.1; NM_052945_1; AF132600(27)CD22(B細胞レセプターCD22−Bアイソフォーム、BL−CAM、Lyb−8、Lyb8、SIGLEC−2、FLJ22814、Genbank受託番号AK026467); Wilson等(1991) J. Exp. Med. 173:137-146; 国際公開2003072036 (クレーム1; 図1); クロスリファレンス: MIM:107266; NP_001762.1; NM_001771_1(28)CD79a(CD79A、CD79a、免疫グロブリン関連α、Igβ(CD79B)と共有的に相互作用し、IgM分子と表面上に複合体を形成し、B細胞分化に関与するシグナルを伝達するB細胞−特異タンパク質)、 pI: 4.84, MW: 25028 TM: 2 [P] Gene Chromosome: 19q13.2, Genbank accession No. NP_001774.10); 国際公開2003088808、 米国特許出願公開20030228319; 国際公開2003062401 (クレーム 9); 米国特許出願公開2002150573 (クレーム 4, ps 13-14); 国際公開9958658 (クレーム 13, 図16); 国際公開9207574 (図1); 米国特許5644033; Ha等(1992) J. Immunol. 148(5):1526-1531; Mueller等(1992) Eur. J. Biochem. 22:1621-1625; Hashimoto等(1994) Immunogenetics 40(4):287-295; Preud’homme等(1992) Clin. Exp. Immunol. 90(1):141-146; Yu等(1992) J. Immunol. 148(2) 633-637; Sakaguchi等(1988) EMBO J. 7(11):3457-3464(29)CXCR5(バーキットリンパ腫レセプター1、CXCL13ケモカイン二より活性化され、リンパ球遊走機能及び体液性防御において機能し、HIV−2感染とおそらくはAIDS、リンパ腫、骨髄腫、及び白血病の発症において所定の役割を担うGタンパク質結合レセプター); 372 aa)、 pI: 8.54 MW: 41959 TM: 7 [P] Gene Chromosome: 11q23.3, Genbank accession No. NP_001707.1); 国際公開2004040000; 国際公開2004015426; 米国特許出願公開2003105292 (実施例2); 米国特許6555339 (実施例2); 国際公開200261087 (図1); 国際公開200157188 (クレーム20、 p 269); 国際公開200172830 (ps 12-13); 国際公開200022129 (実施例1, ps 152-153,実施例2, ps 254-256); 国際公開9928468 (クレーム 1, p 38); 米国特許5440021 (実施例2, col 49-52); 国際公開9428931 (ps 56-58); 国際公開9217497 (クレーム 7、 図5); Dobner等(1992) Eur. J. Immunol. 22:2795-2799; Barella等(1995) Biochem. J. 309:773-779(30)HLA−DOB(主要組織適合複合体クラスII分子βサブユニット(Ia抗原));273 aa、 pI: 6.56 MW: 30820 TM: 1 [P] Gene Chromosome: 6p21.3, Genbank accession No. NP_002111.1); Tonnelle等(1985) EMBO J. 4(11):2839-2847; Jonsson等(1989) Immunogenetics 29(6):411-413; Beck等(1992) J. Mol. Biol. 228:433-441; Strausberg等(2002) Proc. Natl. Acad. Sci USA 99:16899-16903; Servenius等(1987) J. Biol. Chem. 262:8759-8766; Beck等(1996) J. Mol. Biol. 255:1-13; Naruse等(2002) Tissue Antigens 59:512-519; 国際公開9958658 (クレーム 13, 図15); 米国特許6153408 (Col 35-38); 米国特許5976551 (col 168-170); 米国特許6011146 (col 145-146); Kasahara等(1989) Immunogenetics 30(1):66-68; Larhammar等(1985) J. Biol. Chem. 260(26):14111-14119(31)P2X5(プリン作動性レセプターP2Xリガンドゲートイオンチャネル5、細胞外ATPによってゲートされるイオンチャネル、シナプス伝達及びニューロン新生に関与し得、欠損は突発性排尿筋不安定性の病態生理に寄与しうる); 422 aa)、 pI: 7.63, MW: 47206 TM: 1 [P] Gene Chromosome: 17p13.3, Genbank 受託番号 NP_002552.2); Le等(1997) FEBS Lett. 418(1-2):195-199; 国際公開2004047749; 国際公開2003072035 (クレーム 10); Touchman等(2000) Genome Res. 10:165-173; 国際公開200222660 (クレーム 20); 国際公開2003093444 (クレーム1); 国際公開2003087768 (クレーム1); 国際公開2003029277 (p82)(32)CD72(B細胞分化抗原CD72、Lyb−2);359aa)、pI:8.66,MW:40225TM:1[P]遺伝子染色体:9p13.3,Genbank受託番号NP_001773.1);国際公開2004042346 (クレーム65); 国際公開2003026493 (ps 51-52, 57-58); 国際公開200075655 (ps 105-106); Von Hoegen等(1990) J. Immunol. 144(12):4870-4877; Strausberg等(2002) Proc. Natl. Acad. Sci USA 99:16899-16903(33)LY64(リンパ球抗原64(RP105)、ロイシンリッチ反復配列(LRR)ファミリーのI型膜タンパク質、B細胞活性化及びアポトーシスを調節し、機能喪失が全身性エリテマトーデスの患者における疾患活性の増加に関連); 661 aa)、 pI: 6.20、 MW: 74147 TM: 1 [P] Gene Chromosome: 5q12, Genbank 受託番号NP_005573.1); 米国特許出願公開2002193567; 国際公開9707198 (クレーム11, p39-42); Miura等(1996) Genomics 38(3):299-304; Miura等(1998) Blood 92:2815-2822; 国際公開2003083047; 国際公開9744452 (クレーム8、 p 57-61); 国際公開200012130 (p24-26)(34)FcRH1(Fcレセプター様タンパク質1、C2タイプIg様及びITAMドメインを含む免疫グロブリンFcドメインに対する推定レセプター、Bリンパ球分化において役割を有しうる);429 aa、 pI: 5.28、 MW: 46925 TM: 1 [P] Gene Chromosome: 1q21-1q22, Genbank 受託番号NP_443170.1); 国際公開2003077836; 国際公開200138490 (クレーム6, 図18E-1-18-E-2); Davis等(2001) Proc. Natl. Acad. Sci USA 98(17):9772-9777; 国際公開2003089624 (クレーム8);欧州特許出願公開1347046 (クレーム1); 国際公開2003089624 (クレーム7)(35)IRTA2(免疫グロブリンスーパーファミリーレセプタートランスロケーション関連2、B細胞発達及びリンパ腫発生に可能な役割のある推定イムノレセプター;トランスロケーションによる遺伝子の調節解除がある種のB細胞悪性腫瘍で生じる);977 aa、 pI: 6.88 MW: 106468 TM: 1 [P] Gene Chromosome: 1q21, Genbank 受託番号ヒト:AF343662、 AF343663、 AF343664、 AF343665、 AF369794、 AF397453、 AK090423、 AK090475、 AL834187、 AY358085; マウス:AK089756、 AY158090、 AY506558; NP_112571.1; 国際公開2003024392 (クレーム2, 図97); Nakayama等(2000) Biochem. Biophys. Res. Commun. 277(1):124-127; 国際公開2003077836; 国際公開200138490 (クレーム3, 図18B-1-18B-2)(36)TENB2(TMEFF2、トモレグリン、TPEF、HPP1、TR、推定膜貫通型プロテオグリカン、EGF/ヘレグリンファミリー増殖因子及びフォリスタチン関連); 374 aa、 NCBI受託: AAD55776、 AAF91397、 AAG49451、 NCBI RefSeq: NP_057276; NCBI Gene: 23671; OMIM: 605734; SwissProt Q9UIK5; Genbank 受託番号AF179274; AY358907、 CAF85723, CQ782436; 国際公開2004074320; JP2004113151; 国際公開2003042661; 国際公開2003009814;欧州特許出願公開1295944 (ps 69-70); 国際公開200230268 (p 329); 国際公開200190304; 米国特許出願公開2004249130; 米国特許出願公開2004022727; 国際公開2004063355; 米国特許出願公開2004197325; 米国特許出願公開2003232350; 米国特許出願公開2004005563; 米国特許出願公開2003124579; Horie等(2000) Genomics 67:146-152; Uchida等(1999) Biochem. Biophys. Res. Commun. 266:593-602; Liang等(2000) Cancer Res. 60:4907-12; Glynne-Jones等(2001) Int J Cancer. Oct 15;94(2):178-84. 親抗体はまた、アルブミン結合ペプチド(ABP)配列を含んでなる融合タンパク質でありうる(Dennis等(2002) “Albumin Binding As A General Strategy For Improving The Pharmacokinetics Of Proteins” J Biol Chem. 277:35035-35043; WO 01/45746)。発明の抗体は、(i) Dennis等(2002) J Biol Chem. 277:35035-35043の表 III 及びIV, 頁35038; (ii) US 20040001827 の[0076];及び(iii) WO 01/45746の頁12-13に教示され、その全体を出典明記によりここに援用するABP配列を有する融合タンパク質を含む。変異誘発 出発ポリペプチドのアミノ酸配列変異体をコードするDNAは、公知の様々な方法により調製される。これらの方法には、これに限定されるものではないが、部位指向性(又はオリゴヌクレオチド媒介)突然変異誘発、PCR突然変異誘発、及びポリペプチドをコードする前もって調製されたDNAのカセット突然変異による調製が含まれる。組換え抗体の変異体はまた、制限断片操作によって、又は合成オリゴヌクレオチドを用いるオーバーラップエクステンションPCRによって構築されうる。変異誘発プライマーは、システインコドン置換をコードする。標準的な変異誘発技術を使用して、このような変異体システイン操作抗体をコードするDNAを生成できる。一般的なガイダンスは、Sambrook等Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989; and Ausubel等Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing and Wiley-Interscience, New York, N.Y., 1993に見られる。 部位特異的突然変異誘発は、置換変異体、つまり変異体タンパク質を調製するための一方法である。この方法はよく知られている(例えば、(see for example, Carter (1985)等Nucleic Acids Res. 13:4431-4443; Ho等(1989) Gene (Amst.) 77:51-59; and Kunkel等(1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488)を参照されたい)。簡潔に言えば、DNAの部位特異的突然変異誘発を実施するには、出発DNAがそのような出発DNAの一本鎖に所望の突然変異をコードするオリゴヌクレオチドを先ずハイブリダイズすることにより改変される。ハイブリダイゼーション後にDNAポリメラーゼが、プライマーとしてハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドを使用し、テンプレートとして出発DNAの一本鎖を使用して、完全な第2ストランドを合成するために使用される。よって、所望の突然変異をコードするオリゴヌクレオチドが得られた二本鎖DNAに導入される。部位特異的突然変異誘発は、発現プラスミドにおいて、変異誘発されるタンパク質を発現する遺伝子内で実施され得、得られたプラスミドは、所望のシステイン置換突然変異の導入を確認するために配列決定されうる(Liu等(1998) J. Biol. Chem. 273:20252-20260)。QuikChange(登録商標) Multi Site-Directed Mutagenesis Kit (Stratagene, La Jolla, CA)など、商業的に入手可能なものを含む部位特異的のプロトコル及び形式。 PCR突然変異誘発もまた出発ポリペプチドのアミノ酸配列変異体を製造するために好適である。Higuchi, (1990) in PCR Protocols, pp.177-183, Academic Press; Ito等(1991) Gene 102:67-70; Bernhard等(1994) Bioconjugate Chem. 5:126-132; and Vallette等(1989) Nuc. Acids Res. 17:723-733を参照されたい。簡潔に述べれば、少量のテンプレートDNAがPCRの出発材料として使用される場合、テンプレートDNAにおける対応する領域とは配列が僅かに異なるプライマーを使用して、プライマーがテンプレートと異なる位置でのみテンプレート配列と異なる比較的多量の特異的NA断片を産生することができる。 変異体を調製する他の方法であるカセット突然変異誘発は、Wells等(1985) Gene 34:315-323により記載された方法に基づく。出発材料は変異される出発ポリペプチドDNAを含んでなるプラスミド(又は他のベクター)である。変異される出発DNAのコドンが同定される。同定される変異部位の各側に独特な制限エンドヌクレアーゼ部位がなければならない。そのような制限部位が存在しない場合は、出発ポリペプチドDNAの適切な位置にそれを導入するために上述したオリゴヌクレオチド媒介突然変異誘発法を使用してこれを産生しうる。プラスミドDNAはこれらの部位で切断されてそれを線形化する。制限部位間のDNA配列をコードするが所望の変異を含んでいる二本鎖オリゴヌクレオチドは常套的な手順を使用して合成され、そこでは、オリゴヌクレオチドの二本のストランドが別個に合成され、ついで標準的な方法を使用して共にハイブリダイズされる。オリゴヌクレオチドは、ホスホラミダイト合成方法によって調製される(US 4415732; US 4458066; Beaucage, S. and Iyer, R. (1992) "Advances in the synthesis of oligonucleotides by the phosphoramidite approach", Tetrahedron 48:2223-2311)。この二本鎖オリゴヌクレオチドはカセットと呼ばれる。このカセットは線形化されたプラスミドの末端と適合性である5'及び3'末端を有するように設計され、プラスミドに直接に結合できる。しかして、このプラスミドは変異DNA配列を含んでいる。コード化システイン置換を有する変異体DNAは、DNA配列決定によって確認できる。 単一突然変異はまた、PCRベース変異誘発により鋳型として二本鎖プラスミドDNAを使用してオリゴヌクレオチド指定突然変異により生成される(Sambrook and Russel, (2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd edition; Zoller等(1983) Methods Enzymol. 100:468-500; Zoller, M.J. and Smith, M. (1982) Nucl. Acids Res. 10:6487-6500)。 本発明では、M13ファージにディスプレイされるhu4D5Fabv8(Gerstner等(2002) “Sequence Plasticity In The Antigen-Binding Site Of A Therapeutic Anti-HER2 Antibody”, J Mol Biol. 321:851-62)をモデルシステムとして実験のために使用した。システイン変異を、hu4D5Fabv8-ファージ、hu4D5Fabv8、及びABP-hu4D5Fabv8コンストラクトに導入した。hu4D5-ThioFab-ファージ調製を、前述のように、ポリエチレングリコール(PEG)沈降法を使用して実施した(Lowman, Henry B. (1998) Methods in Molecular Biology (Totowa, New Jersey) 87 (Combinatorial Peptide Library Protocols) 249-264)。PHESELECTORアッセイ PHESELECTOR(反応性チオールの選別のためのファージELISA)アッセイにより、ELISAファージ様式での抗体の反応性システイン基の検出が可能である。ウェル表面に興味のタンパク質(例えば抗体)をコートし、その後にファージ粒子、次いでHRP標識した二次抗体を用いインキュベーションし吸光度を検出するプロセスが、実施例2に詳細に記載されている。ファージにディスプレイされる変異タンパク質は、迅速で、強力な、ハイ-スループット方法でスクリーニングされうる。システイン改変抗体のライブラリを生成して同じ手法を用いて結合選別を行い、抗体又は他のタンパク質のランダムなタンパク質-ファージライブラリから遊離Cys取込みの反応性の部位を適切に同定することができる。この技術は、ファージにディスプレイされるシステイン変異タンパク質を、チオール反応性でもあるレポーターグループ又は親和性試薬と反応させることを含む。図8は、HER2へのFab又はThioFab(上)及びストレプトアビジンへのビオチン化ThioFab(下)の結合を描く、模式図によるPHESELECTORアッセイを示す。タンパク質の発現及び精製 システイン操作抗体をコードしているDNAは、常法を用いて(例えば、モノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖をコードしている遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを用いることにより)直ぐに分離され配列決定される。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの供給源となる。ひとたび分離されたならば、DNAを発現ベクター中に入れ、ついでこれを、そうしないと抗体タンパク質を産生しない大腸菌細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又は他の哺乳類宿主細胞、例えばミエローマ細胞(US5807715;US2005/0048572;US2004/0229310)のような宿主細胞中にトランスフェクトし、組換え宿主細胞中でモノクローナル抗体の合成を達成することができる。hu4D5Fabv8システイン操作抗体の収率は、野生型hu4D5Fabv8と類似であった。抗体をコードするDNAの細菌中での組換え発現に関する概説文献は、Skerra等(1993) Curr. Opinion in Immunol. 5:256-262 and Pluckthun (1992) Immunol. Revs. 130:151-188を含む。 設定および選別の後、改変された、反応性のある対になっていないCys残基を有するシステイン改変抗体、例えばThioFabが、(i) 細菌、例えば大腸菌システム又は哺乳類の細胞培養システム(国際公開第01/00245号)、例えばチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)における発現、および(ii) 一般的なタンパク質精製技術を用いた精製(Lowman等 (1991) J. Biol. Chem. 266(17): 10982-10988)によって産生されてもよい。 ThioFabは、非サプレッサー大腸菌株である34B8(Baca等(1997) Journal Biological Chemistry 272(16):10678-84)における誘発により発現させた。実施例3aを参照のこと。収集した細胞ペレットをPBS(リン酸緩衝食塩水)に再懸濁させ、完全細胞溶解をマイクロフルダイザーを通過させることによって実施し、ThioFabをプロテインG SEPHAROSETM(Amersham)を用いるアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。ThioFabを上記のようにビオチン-PEO-マレイミドとコンジュゲートさせ、ビオチン化-ThioFabをSuperdex-200TM(Amersham)ゲル濾過クロマトグラフィーによって更に精製し、これは遊離ビオチン-PEO-マレイミド及びThioFabのオリゴマー画分を除去した。質量分析法 液体クロマトグラフィーエレクトロスプレーイオン化質量(LC-ESI-MS)分析を、ビオチンコンジュゲートFabの正確な分子量決定のために使用した(Cole, R.B. Electro Spray Ionization Mass Spectrometry: Fundamentals, Instrumentation And Applications. (1997) Wiley, New York)。ビオチン化hu4D5Fabv8(A121C)ペプチドのアミノ酸配列を、トリプシン消化と、その後のLC-ESI-Tandem MS分析によって決定した(表4、実施例3b)。 抗体Fab断片hu4D5Fabv8は約445のアミノ酸残基を有し、10のCys残基を含む(軽鎖に5、重鎖に5)。ヒト化4D5可変断片(Fv4D5)の高分解能構造が確立されている(Eigenbrot等“X-Ray Structures Of The Antigen-Binding Domains From Three Variants Of Humanized Anti-P185her2 Antibody 4D5 And Comparison With Molecular Modeling” (1993) J Mol Biol. 229:969-995)を参照)。全てのCys残基はジスルフィド結合の形態で存在し、従ってこれらの残基は、薬剤-マレイミドとコンジュゲートする何れかの反応性チオール基を持たない(還元剤で処理されない場合)。よって、新しく設計されたCys残基は不対のままであり得、求電子リンカー試薬又は薬剤-リンカー中間体、例えば薬剤-マレイミドと反応、つまりコンジュゲートできる。図1AはX線結晶配位によるhu4D5Fabv8抗体断片の三次元表示を示す。重及び軽鎖の操作されたCys残基の構造位置は、連続的番号付けシステムにより番号付けされている。この連続的番号付けシステムは、N末端で開始され、a、b、cで記される挿入によってKabat番号付けスキーム(下列)と異なる、連続的番号付けスキーム(上列)を示す図1Bに従い、トラスツズマブの4d5v7fabH変異体について、Kabat番号付けシステム(Kabat et al., (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD)に相関する。カバット番号付けシステムを用いると、実際の直鎖のアミノ酸配列は、可変ドメインのFRないしCDRが短くなっているアミノ酸か、又はFRないしCDRに挿入を含むアミノ酸を含みうる。システイン操作重鎖変異体部位は、次の表の連続的番号付けおよびカバット番号付けスキームによって同定される。 M13ファージミド-Cys変異体Fab(図3A及び3B)は、Fabタンパク質と比較して迅速にスクリーニングできる。抗原及びストレプトアビジンに結合するファージミド-ThioFabは、実施例2に記載し図8に示すように、ELISAプレートにそれぞれHER2及びストレプトアビジンをコートし、抗Fab-HRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)で探索することによって試験できる。この方法は、操作Cys残基/コンジュゲートされたビオチン分子による、抗原結合及びチオール基の反応性に対する効果の同時モニタリングを可能にした。また、方法は、M13ファージにディスプレイされている任意のタンパク質について反応性チオール基をスクリーニングするのに使用できる。コンジュゲート又は非コンジュゲートファージミド-ThioFabは、単純なPEG沈殿によって精製される。 ヒト化4D5(hu4D5Fab)の抗原結合断片は大腸菌において良く発現され、バクテリオファージにディスプレイされる(Garrard等(1993) Gene 128:103-109)。抗体Fab断片hu4D5Fabv8を、チオール反応性を探索するために、ELISAベースアッセイにおいてモデルシステムとして、M13ファージ上にディスプレイした。図8はPHESELECTORアッセイのグラフィック表示であり、HER2(上)及びストレプトアビジン(下)へのビオチン化ThioFabファージ及び抗ファージHRP抗体の結合を示す。5のアミノ酸残基(L-Ala43、H-Ala40、H-Ser119、H-Ala121及びH-Ser122)を、抗原結合表面からの遠位として結晶構造情報から最初に選択した(Eigenbrot等(1993) J Mol Biol. 229:969-995)。タンパク質データベースX線結晶構造を1FVCとして設計した。Cys残基を部位特異的変異誘発によりこれらの位置に設計した。ThioFab-ファージ調製物を単離し、ビオチン化試薬と反応させた。 ビオチンコンジュゲート及び非コンジュゲート変異体を、HRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)コンジュゲートされた抗ファージ抗体を用いて、ELISAベースPHESELECTORアッセイ(図8、実施例2)を使用してHER2及びストレプトアビジン結合について試験した。BSA(中空ボックス)、HER2(灰色ボックス)又はストレプトアビジン(中実ボックス)との非ビオチン化ファージ-hu4D5Fabv8(図2A)及びビオチン化ファージ-hu4D5Fabv8(図2B)との相互作用を、抗-M13-西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)抗体を介し、標準的なHRP反応を展開し、450nmで吸光度を測定することによりモニタした。発色基質のターンオーバーにより生成される吸光度を450nmで測定した。HER2とのThioFabの反応性は、抗原結合を測定する。ストレプトアビジンとのThioFabの反応性は、ビオチン化の程度を測定する。BSAとのThioFabの反応性は、非特異的相互作用のネガティブコントロールである。図2Aに見られるように、全てのThioFab-ファージ変異体は、野生型hu4D5Fabv8-ファージのと比較して、HER2への類似な結合を有する。更に、ビオチンとのコンジュゲーションは、HER2へのThioFabの結合を干渉しなかった(図2B)。 驚くべきこのに、また予想外に、ThioFab-ファージサンプルは、様々なレベルのストレプトアビジン結合活性を示した。全ての試験したファージ-ThioFabから、A121Cシステイン操作抗体が最大のチオール反応性を呈した。野生型hu4D5Fabv8-ファージを同じ量のビオチン-マレイミドとインキュベートしたが、これらのファージはほとんどストレプトアビジン結合を持たず、hu4D5Fabv8及びM13ファージコートタンパク質からの既存のシステイン残基(ジスルフィド結合形成に関与)は、ビオチン-マレイミドの部位特異的コンジュゲーションを干渉しなかったことを示す。これらの結果は、ファージELISAアッセイが、Fab表面上の反応性チオール基をスクリーニングするのに成功裏に使用できることを示す。 PHESELECTORアッセイにより、抗体の反応性のチオール基のスクリーニングが可能である。この方法によるA121C変異の同定は一例である。完全なFab分子は、反応性チオール基を有するThioFab変異体をより多く同定するために、効果的に検索されうる。パラメーターである断片的な表面のアクセス容易性を用いて、ポリペプチド内のアミノ酸残基に対する溶媒のアクセスしやすさを同定して、定量化した。表面のアクセス容易性は、溶媒分子、例えば水が接触することができる表面積(Å2)として表されうる。水が占める面積は1.4Å半径球として概算される。アルゴリズムを用いて公知のX線結晶学由来の座標によりタンパク質の各アミノ酸の表面アクセス容易性を算出する結晶学プログラムのCCP4 Suiteとして("The CCP4 Suite: Programs for Protein Crystallography" (1994) Acta. Cryst. D50: 760-763)、ソフトウェアは入手自由であるか許可されている(Secretary to CCP4, Daresbury Laboratory, Warrington, WA4 4AD, United Kingdom, Fax: (+44) 1925 603825, or by internet: www.ccp4.ac.uk/dist/html/INDEX.html)。B.Lee and F.M.Richards (1971) J.Mol.Biol. 55:379-400のアルゴリズムに基づいて、表面アクセス容易性の算出を実行する2つの例示的なソフトウェアモジュールは、「AREAIMOL」および「SURFACE」である。AREAIMOLは、タンパク質のヴァンデルワールス表面を転がるので、プローブ球(溶媒分子を表す)の中心の座標としてタンパク質の溶媒にアクセスする表面を定義する。AREAIMOLは、各原子の周りの拡がった球上(原子とプローブの半径の合計に等しい原子中心からの距離)に表面ポイントを生成して、周囲の原子と関連する同等の球内にあるものを除くことによって溶媒にアクセス容易な表面を算出する。AREAIMOLは、PDB座標ファイルに原子の溶媒にアクセス容易な領域を見つけ、残基、鎖、及び全分子がアクセス容易な領域をまとめる。個々の原子がアクセス容易な領域(または、領域の相違)は、偽PDB出力ファイルに書き込まれる。AREAIMOLは各エレメントについて単一の半径を仮定し、限られた数の異なるエレメントを認識するのみである。未知の原子タイプ(すなわちAREAIMOLの内部データベースにないもの)にはデフォルト半径の1.8Aが割り当てられるだろう。認識された原子のリストは: AREAIMOLおよびSURFACEは、絶対的なアクセス容易性、すなわち正方形のオングストローム(Å)の数を示す。部分的な表面アクセス容易性は、ポリペプチド内のアミノ酸に関する標準の状態を参照することで算出される。基準状態はトリペプチドGly-X-Glyであり、ここで、Xは対象のアミノ酸であり、基準状態は「伸展した」高次構造、すなわちβ鎖内の高次構造様でなければならない。伸展した高次構造はXのアクセス容易性を最大にする。算出したアクセス容易な領域をGly-X-Glyトリペプチド基準状態のアクセス容易な領域で割って、比率を比率を示す。これが部分的なアクセス容易性となる。アクセス容易性の割合は、100を乗じた部分的アクセス容易性である。 表面アクセス容易性を算出するための他の例示的なアルゴリズムは、ポリペプチドのX線座標に基づいて水球体に対するアミノ酸残基の部分的アクセス容易性を算出するプログラムxsae (Broger, C., F. Hoffman-LaRoche, Basel)のSOLVモジュールに基づく。 hu4D5Fabv7のすべてのアミノ酸の部分的表面アクセス容易性を、結晶構造情報を使用して算出した(Eigenbrot等 (1993) J Mol Biol. 229:969-995; US 7521541)。Cys残基と置換されるよう操作できるhu4D5Fabv8の残基を同定するために、次の2つの基準を使用した:1.完全に埋没しているアミノ酸残基は除外される(つまり10%未満の部分的表面アクセス容易性)。10%より大のアクセス可能(部分的表面アクセス容易性)であるhu4D5Fabv8の134(軽鎖)及び151(重鎖)残基がある。上位10の最もアクセス可能なSer、Ala及びVal残基を、他のアミノ酸と比較したCysへのそれらの近い構造類似性により選択し、新規に設計されたCysにより、抗体に最小の構造制約のみを導入した。他のシステイン置換部位もまたスクリーニングでき、コンジュゲーションに有用でありうる。2.残基は、Fabの機能的及び構造的相互作用におけるそれらの役割に基づいて分別される。抗原相互作用に関与せず、存在するジスルフィド結合と離れた残基を更に選択した。新規に設計されたCys残基は、抗原結合と異なり、抗原結合を干渉せず、ジスルフィド結合形成に関与するシステインと誤対合しないべきである。 L-10からL-20、L-38からL-48、L-105からL-115、L-139からL-149、L-163からL-173から選択される軽鎖の範囲内、及びH-35からH-45、H-83からH-93、H-114からH-127、及びH-170からH-184から選択される重鎖の範囲内、及びH-268からH-291、H-319からH-344、H-370からH-380、及びH-395からH-405から選択される範囲内のFc領域において、反応性のシステインアミノ酸によるアミノ酸の置換を持つ抗体に対してチオール反応が生じうる。 また、チオール反応は、抗体の特定のドメイン、例えば軽鎖定常ドメイン(CL)および重鎖定常ドメイン、CH1、CH2およびCH3に対して生じうる。0.8以上のチオール反応値となるシステイン置換は、インタクト抗体、つまりIgGサブクラスIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgAおよびIgA2を含むIgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMの重鎖定常ドメインα、δ、ε、γおよびμにあってもよい。 選択した10のCys変異体が抗原結合部位、例えばこの場合HER2とのインターフェースから離れていることが、結晶構造データから明らかである。これらの変異体は、機能的相互作用への間接的効果について実験的に試験できる。全てのCys Fab変異体のチオール反応性を、実施例1及び2に説明し、表1に提示するように、測定し算出した。残基L-V15C、L-V110C、H-A88C及びH-A121Cは、反応性であり安定なチオール基を有する(図3A及び3B)。変異体V15C、V110C、A144C、S168Cは、軽鎖Cys変異体である。変異体A88C、A121C、A175C、S179Cは重鎖Cys変異体である。PHESELECTORアッセイによって算出されるように、高い部分的表面アクセス容易性を有する部位が最も高いチオール反応性を持たなかったことは驚くべきことであり予期されなかった(表1)。言い換えると、部分的表面アクセス容易性(図1A)は、チオール反応性と相関しなかった(表1)。事実、20%〜80%の中程度の表面アクセス容易性を有する部位(図4A)、又は部分的に露出された部位、例えばAla又はVal残基に設計されたCys残基が、Ser残基に導入されたCysより、より良いチオール反応性、すなわち>0.6、(図3B、表1)を呈し、よって、結晶構造情報単独がこれらの部位を選択するのに十分でないことから、チオール反応部位のスクリーニングにおいてPHESELECTORアッセイの使用の必要性を示す(図3B及び4A)。 チオール反応性データを、図3A及び3Bに、4D5 ThioFab Cys変異体:(3A)非ビオチン化(コントロール)及び(3B)ビオチン化ファージ-ThioFabのアミノ酸残基について示す。抗体/Fab表面上の反応性チオール基を、BSA(中空ボックス)、HER2(灰色ボックス)又はストレプトアビジン(中実ボックス)との非ビオチン化ファージ-hu4D5Fabv8(3A)及びビオチン化ファージ-hu4D5Fabv8(3B)の相互作用について、PHESELECTORアッセイ分析により同定した。アッセイは実施例2に記載のように実施した。軽鎖変異体は左側であり、重鎖変異体は右側である。非ビオチン化4D5 ThioFab Cys変異体の結合は予想した通り低いが、HER2への強い結合は保持されている。ビオチン化4D5 ThioFab Cys変異体のストレプトアビジン及びHER2への結合の割合は、表1のチオール反応性値をもたらす。450nmでのバックグラウンド吸光度、又はBSAへのビオチン化4D5 ThioFab Cys変異体の少量の非特異的タンパク質結合もまた、図3Bにおいて明らかである。Cys残基で置換された選択アミノ酸残基の部分的表面アクセス容易性値を図4Aに示す。部分的表面アクセス容易性は、利用可能なhu4D5Fabv7構造から算出した(Eigenbrot等(1993) J Mol Biol. 229:969-995)。hu4D5Fabv7及びhu4D5Fabv8構造のコンホメーションパラメーターは、高度に一定であり、hu4D5Fabv7の部分的表面アクセス容易性算出と、hu4D5Fabv8システイン変異体のチオール反応性との間の任意の相関の決定を可能にする。部分的に露出された残基(Ala又はVal)に導入されたファージThioFab Cys残基の測定されたチオール反応性は、Ser残基に導入されたものと比較して、良いチオール反応性を有した(表1)。チオール反応性値と部分的表面アクセス容易性との間にほとんどあるいは全く相関がないことが、表1のThioFab Cys変異体から分かる。 抗体の位置L-15、L-43、L-110、L-144、L-168、H-40、H-88、H-119、H-121、H-122、H-175、及びH-179のアミノ酸が一般的に遊離システインアミノ酸で変異(置換)されうる。発明のシステイン操作抗体を産生するために、これらの位置の両側の約5アミノ酸残基内の範囲、すなわちL-10〜L-20;L-38〜L-48;L-105〜L-115;L-139〜L-149;L-163〜L-173;H-35〜H-45;H-83〜H-93;H-114〜H-127;及びH-170〜H-184、並びにH-268〜H-291;H-319〜H-344から選択されるFc領域の範囲;H-370〜H-380;及びH-395〜H-405がまた遊離システイン酸で置換され得る。L=軽鎖、H=重鎖、A=アラニン、S=セリン、V=バリン、C=システイン*チオール反応性は、HER2(抗体)結合のOD450nmに対するストレプトアビジン結合のOD450nmの割合として測定される(実施例2)。1のチオール反応性値は、システインチオールの完全ビオチン化を示す。 軽鎖からの2つのCys変異体(L-V15C及びL-V110C)及び重鎖からの2つ(H-A88C及びH-A121C)を、これらの変異体が最も高いチオール反応性を示したことから(表1)、更なる分析のために選択した。 ファージ精製と異なり、Fab調製は2−3日を必要とし得、生産の規模に依存する。この間、チオール基は酸化によって反応性を失いうる。hu4D5Fabv8-ファージ上のチオール基の安定性を調べるために、ファージ-thioFabのチオール反応性の安定性を測定した(図4B)。ThioFab-ファージ精製の後、1日目、2日目及び4日目に、全てのサンプルをビオチン-PEO-マレイミドでコンジュゲートし、ファージELISAアッセイ(PHESELECTOR)で調査し、HER2及びストレプトアビジン結合を試験した。L-V15C、L-V110C、H-A88C及びH-A121Cは、他のThioFab変異体と比較して有意な量のチオール反応性を保持する(図4B)。標識されたシステイン操作抗体 発明のシステイン操作抗体は、反応性システインチオール基を通して抗体に共有結合できる任意の標識部分とコンジュゲートされうる(Singh等(2002) Anal. Biochem. 304:147-15; Harlow E. and Lane, D. (1999) Using Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Springs Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY; Lundblad R.L. (1991) Chemical Reagents for Protein Modification, 2nd ed. CRC Press, Boca Raton, FL)。付着された標識は、(i) 検出可能なシグナルを提供する、(ii) 第二標識と反応して、例えばFRET(蛍光共鳴エネルギー転移)が生じるように第一又は第二標識によって生じる検出可能なシグナルを改変する、(iii) 抗原又はリガンドとの相互作用を安定させるかまたは結合の親和性を増加する、(iv) 電荷、疎水性、形状又は他の物理学的なパラメータによって可動性、例えば電気泳動易動度又は細胞透過性に作用する、又は(v) キャプチャー成分を与えて、リガンド親和性、抗体/抗原結合又はイオン錯体形成を調節する、ように機能しうる。 標識したシステイン改変抗体は、例えば、特定の細胞、組織又は血清における対象の抗原の発現を検出するための診断的検査法に有用となりうる。診断用適用のために、抗体は一般的に検出可能な成分ににより標識されるであろう。多くの標識が利用可能であり、通常、以下のカテゴリに分類することができる:(a)ラジオアイソトープ(放射性核種)、例えば3H、11C、14C、18F、32P、35S、64Cu、68Ga、86Y、99Tc、111In、123I、124I、125I、131I、133Xe、177Lu、211At、又は213Bi。放射性同位体標識抗体は、レセプター標的撮像実験において有用である。抗体は、Immunology, (1991) Volumes 1 and 2, Coligen et al, Ed. Wiley-Interscience, New York, NY, Pubs.のCurrent Protocolsに記載される技術を用いて、リガンド試薬が抗体の改変システインチオールと反応性がある場合に、キレートを結合するか、あるいはラジオアイソトープ金属と複合化する該リガンド試薬により標識することができる。金属イオンを複合化しうるキレートリガンドには、DOTA、DOTP、DOTMA、DTPAおよびTETA(Macrocyclics, Dallas, TX)が含まれる。放射性核種は、本発明の抗体-薬剤コンジュゲートとの複合体化によりターゲティングされうる(Wu等 (2005) Nature Biotechnology 23(9): 1137-1146)。DOTA-マレイミド試薬は、システイン改変抗体の遊離したシステインアミノ酸と反応して、抗体上の金属錯体形成リガンドを提供する(Lewis等 (1998) Bioconj. Chem. 9:72-86)。DOTA-NHS(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸モノ(N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)などのキレート化リンカー標識試薬は市販されている(Macrocyclics, Dallas, TX)。放射性核種標識抗体によるレセプター標的造影は、腫瘍組織の抗体の進行性蓄積の検出および定量化によって経路活性化のマーカーとなりうる(Albert等 (1998) Bioorg. Med. Chem. Lett. 8:1207-1210)。 造影実験のための抗体標識として好適な金属-キレート複合体(US2010/0111856;米国特許第5342606号、米国特許第5428155号、米国特許第5316757号、米国特許第5480990号、米国特許第5462725号、米国特許第5428139号、米国特許第5385893号、米国特許第5739294号、米国特許第5750660号、米国特許第5834456号、Hnatowich等 (1983) J. Immunol. Methods 65:147-157;Meares等 (1984) Anal. Biochem. 142:68-78;Mirzadeh等 (1990) Bioconjugate Chem. 1:59-65;Meares等 (1990) J. Cancer1990, Suppl. 10:21-26;Izard等 (1992) Bioconjugate Chem. 3:346-350;Nikula等 (1995) Nucl. Med. Biol. 22:387-90;Camera等 (1993) Nucl. Med. Biol. 20:955-62;Kukis等 (1998) J. Nucl. Med. 39: 2105-2110;Verel等 (2003) J. Nucl. Med. 44: 1663-1670;Camera等 (1994) J. Nucl. Med. 21: 640-646;Ruegg等 (1990) Cancer Res. 50: 4221-4226;Verel等 (2003) J. Nucl. Med. 44: 1663-1670;Lee等 (2001) Cancer Res. 61: 4474-4482;Mitchell,等 (2003) J. Nucl. Med. 44: 1105-1112;Kobayashi等 (1999) Bioconjugate Chem. 10:103-111;Miederer等 (2004) J. Nucl. Med. 45: 129-137;DeNardo等 (1998) Clinical Cancer Research 4:2483-90;Blend等 (2003) Cancer Biotherapy & Radiopharmaceuticals 18:355-363;Nikula等 (1999) J. Nucl. Med. 40: 166-76;Kobayashi等 (1998) J. Nucl. Med. 39: 829-36;Mardirossian等 (1993) Nucl. Med. Biol. 20:65-74;Roselli等 (1999) Cancer Biotherapy & Radiopharmaceuticals, 14:209-20)。(b) 蛍光標識、例えば希有土類キレート(ユウロピウムキレート)、FITC、5-カルボキシフルオレセイン、6カルボキシフルオレセインを含むフルオレセイン種;TAMRAを含むローダミン種;ダンシル;リサミン;シアニン;フィコエリトリン;テキサスレッド;及びこれらの類似体。蛍光標識は、例えば、上記のImmunologyのCurrent Protocolsに開示される技術を用いて抗体にコンジュゲートすることができる。蛍光色素および蛍光標識試薬には、Invitrogen/Molecular Probes (Eugene, OR)およびPierce Biotechnology, Inc. (Rockford, IL)から市販されているものが含まれる。 蛍光色素および化学発光色素などの検出標識(Briggs等 (1997) "Synthesis of Functionalised Fluorescent Dyes and Their Coupling to Amines and Amino Acids," J. Chem. Soc., Perkin-Trans. 1:1051-1058)は検出可能なシグナルを提供し、通常、好ましくは以下のような特性により標識化抗体に応用することができる。(i) 標識抗体は、少量の抗体が無細胞アッセイおよび細胞に基づくアッセイにおいて敏感に検出されるように低いバックグランドで非常に高いシグナルを産生するものである、さらに、(ii) 標識抗体は、有意に写真を退色させることなく蛍光シグナルが観察され、モニターされ、記録されるように、光安定性を有するものである。膜又は細胞表面、特に生きている細胞への標識抗体の細胞表面結合を伴う用途では、標識は、(iii) 有効なコンジュゲート濃度と検出感度が達成されるように良好な水溶性であり、(iv) 細胞の正常な代謝過程が破壊されないか、又は早期に細胞死を引き起こさないように生きている細胞に対して毒性がないことが好ましい。(c) 様々な酵素基質標識は利用可能であり、開示されてもいる(米国特許第4275149号)。一般に、酵素は、様々な技術を用いて測定することができる色素生産性基質の化学変化を触媒する。例えば、酵素は、分光測光法で測定することができる基質の変色を触媒するかもしれない。あるいは、酵素は、基質の蛍光又は化学発光を変えうる。蛍光の変化を定量化する技術は上記の通りである。化学発光基質は、化学反応によって電子的に励起され、測定することができる(例えば化学ルミノメーターを用いて)か、またはエネルギーを蛍光受容基に与える光を発しうる。酵素標識の例には、ルシフェラーゼ(例えば、ホタルルシフェラーゼおよび細菌ルシフェラーゼ;米国特許第4737456号)、ルシフェリン、2,3-ジヒドロフタルアジネジオン(dihydrophthalazinediones)、リンゴ酸酵素、ウレアーゼ、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)などのペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ(AP)、β-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リソチーム、サッカライドオキシダーゼ(例えばグルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼおよびグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ)、複素環のオキシダーゼ(例えばウリカーゼおよびキサンチンオキシダーゼ)、ラクトペルオキシダーゼ、ミクロペルオキシダーゼなどが含まれる。抗体に酵素をコンジュゲートする技術は、O'Sullivan等, Methods for the Preparation of Enzyme-Antibody Conjugates for use in Enzyme Immunoassay, in Methods in Enzym. (ed J. Langone & H. Van Vunakis), Academic press, New York, 73:147-166 (1981)に記載されている。 酵素基質の組合せ(US4275149;US4318980)の例には、例えば以下のものが含まれる: (i) 基質として水素ペルオキシダーゼを有する西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)、ここで水素ペルオキシダーゼが染料前駆(例えば、オルソフェニレン(orthophenylene)ジアミン(OPD)又は3,3',5,5'テトラメチルのベンジジン塩酸塩(TMB))を酸化する; (ii) 色素生産性基質としてリン酸パラグラフ-ニトロフェニルを有するアルカリホスファターゼ(AP);及び (iii) 色素生産性基質(例えばp-ニトロフェニル-β-D-ガラクトシダーゼ)又は蛍光発生基質4-メチルウンベリフェリル(methylumbelliferyl)-β-D-ガラクトシダーゼを有するβ-D-ガラクトシダーゼ(β-D-Gal)。 標識は、システイン改変抗体と間接的にコンジュゲートされてもよい。例えば、抗体は、ビオチンとコンジュゲートさせることができ、前述した大きな3つの分類のうちの何れかはアビジン又はストレプトアビジンとコンジュゲートさせることができ、その逆もまた可能である。ビオチンは選択的にストレプトアビジンと結合し、したがって、標識はこの間接的な方法で抗体にコンジュゲートさせることができる。あるいは、ポリペプチド変異体と標識とを間接的にコンジュゲートさせるために、ポリペプチド変異体は小ハプテン(例えばジゴキシン)とコンジュゲートさせ、前述した標識の異なるタイプのうちの1つは抗ハプテンポリペプチド変異体(例えば抗ジゴキシン抗体)とコンジュゲートさせる。したがって、ポリペプチド変異体と標識は間接的にコンジュゲートすることができる(Hermanson, G. (1996) in Bioconjugate Techniques Academic Press, San Diego)。 本発明のポリペプチド変異体は、任意の公知のアッセイ方法、例えばELISA、競合結合アッセイ、直接的および間接的なサンドイッチアッセイおよび免疫沈降アッセイに用いられてもよい(Zola, (1987) Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, pp.147-158, CRC Press, Inc.)。 検出標識は、結合又は認識事象を局所化し、視覚化して、数量化するために有用となりうる。本発明の標識抗体は細胞表面レセプターを検出しうる。検出可能に標識した抗体についての他の使用は、蛍光標識抗体とビーズをコンジュゲートさせ、リガンド結合時の蛍光シグナルを検出することを含む、ビーズに基づく免疫キャプチャの方法である。同様の結合検出方法論は、表面プラスモン共鳴(SPR)効果を利用して抗体-抗原相互作用を測定して検出するものである。 本発明の標識システイン操作抗体は、様々な方法及び以下のような生医学的かつ分子的撮像法の技術によってバイオマーカーやプローブを造影する際に有用である。(i) MRI(磁気共鳴画像法)、(ii) MicroCT(コンピューター断層撮影法)、(iii) SPECT(単一光子放射型コンピュータ断層撮影法)、(iv) PET(ポジトロン放出断層撮影) Tinianow, J.等(2010) Nuclear Medicine and Biology, 37(3):289-297; Chen等(2004) Bioconjugate Chem. 15:41-49; US 2010/0111856、(v) バイオルミネセンス、(vi) 蛍光、及び(vii) 超音波。イムノシンチグラフィは、放射性物質にによって標識された抗体が動物又はヒト患者に投与される造影手順であり、画像は抗体が局在する身体の部位のものである(米国特許第6528624号)。造影バイオマーカーは、客観的に測定され、正常な生物学的プロセス、病原性プロセス、又は治療的介入に対する薬理学的応答の指標として評価されてもよい。バイオマーカーはいくつかの種類がある。タイプ0は、疾患の自然な成長マーカーであって、公知の臨床指標、例えば関節リウマチの滑液炎症のMRI評価と縦方向に相関する。タイプIマーカーは、例えばメカニズムが臨床転帰と関係していなくても、作用のメカニズム(mechanism-of-action)の関係として介入の効果を捕らえる。タイプIIマーカーは代理のエンドポイントとして機能するものであり、該バイオマーカーの変化又は該バイオマーカーのシグナルから、関節リウマチの骨浸食をCTで測定するなどの目的の応答を「有効と認める」ために臨床的な利点を予測する。したがって、造影バイオマーカーは、(i) 標的タンパク質の発現、(ii) 標的タンパク質に対する治療用の結合、すなわち選択性、および(iii) クリアランスおよび半減期の薬物動態学的データについての薬物動態学的(PD)治療的情報を提供しうる。研究室ベースのバイオマーカーと比較したときのインビボ造影バイオマーカーの利点には、非侵襲性処置、定量化できる、全身評価、反復性投与及び評価、すなわち複数の時点の投与と評価、及び臨床前(小動物)の結果を臨床(ヒト)の結果に潜在的に置き換えることができる結果が含まれる。用途によっては、バイオイメージングは、前臨床研究の多くの動物実験の代替となるかまたは最小化する。 ペプチド標識方法は周知である。Haugland, 2003, Molecular Probes Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals, Molecular Probes, Inc.; Brinkley, 1992, Bioconjugate Chem. 3:2;Garman, (1997) Non-Radioactive Labelling: A Practical Approach, Academic Press, London; Means (1990) Bioconjugate Chem. 1:2;Glazer等 (1975) Chemical Modification of Proteins. Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology (T. S. Work and E. Work, Eds.) American Elsevier Publishing Co., New York;Lundblad, R. L. and Noyes, C. M. (1984) Chemical Reagents for Protein Modification, Vols. I and II, CRC Press, New York;Pfleiderer, G. (1985) "Chemical Modification of Proteins", Modern Methods in Protein Chemistry, H. Tschesche, Ed., Walter DeGryter, Berlin and New York;及びWong (1991) Chemistry of Protein Conjugation and Cross-linking, CRC Press, Boca Raton, Fla.);De Leon-Rodriguez等 (2004) Chem.Eur. J. 10:1149-1155;Lewis等 (2001) Bioconjugate Chem. 12:320-324;Li等 (2002) Bioconjugate Chem. 13:110-115;Mier等 (2005) Bioconjugate Chem. 16:240-237を参照。 十分近接した蛍光レポーターとクエンチャーの2つの成分にて標識されたペプチドとタンパク質は、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)を受ける。レポーター基は、一般的に、特定の波長で光に励起され、エネルギーをアクセプター又はクエンチャーに転移して、その結果、最大の明るさで発光するための適切なストークスシフトが生じる蛍光色素である。蛍光色素には、広範な芳香族性を有する分子、例としてフルオレセインおよびローダミン、ないしこれらの誘導体が含まれる。蛍光レポーターは、完全なペプチドのクエンチャー成分によって部分的あるいは有意に失活されうる。ペプチダーゼ又はプロテアーゼによるペプチドの切断時に、蛍光の検出可能な増加が測定されうる(Knight, C. (1995) "Fluorimetric Assays of Proteolytic Enzymes", Methods in Enzymology, Academic Press, 248:18-34)。 また、本発明の標識抗体は親和性精製剤として用いられてもよい。この方法では、標識抗体は、当分野で公知の方法を用いて、セファデックス樹脂又は濾紙などの固相に固定される。固定された抗体は、精製される抗原を含む試料と接触させ、その後、支持体を、精製される抗原以外の試料中の実質的にすべての物質を取り除く適切な溶媒にて洗浄し、固定されたポリペプチド変異体に結合させる。最後に、抗原をポリペプチド変異体から放すように、支持体を他の適切な溶媒、例えばグリシンバッファ、pH5.0にて洗浄する。 標識化試薬は、一般的に、(i) 標識抗体を形成するためにシステイン改変抗体のシステインチオールと直接、(ii) リンカー-標識中間生成物を形成するためにリンカー試薬と、又は(iii) 標識抗体を形成するためにリンカー抗体と、反応しうる反応官能基を保持する。標識試薬の反応性官能基には、マレイミド、ハロアセチル、ヨードアセトアミドスクシンイミジルエステル(例えば、NHS、N-ヒドロキシスクシンイミド)、イソチオシアネート、スルホニルクロリド、2,6-ジクロロトリアジニル、ペンタフルオロフェニルエステル、およびホスホラミダイトが含まれるが、他の官能基も用いられてよい。THIOFABへのビオチン-マレイミドのコンジュゲーション ファージコートタンパク質へのFabの融合はCysチオールアクセス容易性又は反応性を潜在的に変えうるため、上記ThioFab特性はファージの存在下において得た。従って、ThioFabコンストラクトはアルカリホスファターゼプロモーター下で発現ベクターにクローン化し(Chang等(1987) Gene 55:189-196)、ThioFab発現は無ホスフェート培地において大腸菌細胞を増殖させることにより誘発させた。ThioFabをプロテインG SEPHAROSETMカラムにおいて精製し、還元及び非還元SDS-PAGEゲルにおいて分析した。これらの分析は、ThioFabがそれらの反応性チオール基を保持したか、又は分子内又は分子間ジスルフィド結合の形成により不活性化されたかの評価を可能にする。ThioFab L-V15C、L-V110C、H-A88C、及びH-A121Cを発現させ、プロテイン-G SEPHAROSETMカラムクロマトグラフィーによって精製した(詳細については方法セクションを参照のこと)。精製したタンパク質を還元(DTT有り)及び非還元(DTT無し)条件においてSDS-PAGEゲルにおいて分析した。他の還元剤、例えばBME(ベータ-メルカプトエタノール)が、鎖間ジスルフィド基を切断するためにゲルにおいて使用されうる。SDS-PAGEゲル分析から、ThioFabの主要(〜90%)画分が単量体型であり、野生型hu4D5Fabv8は基本的に単量体型(47kDa)であることが明らかである。 ThioFab(A121C)及び野生型hu4D5Fabv8を100倍過剰のビオチン-マレイミドで室温で3時間インキュベートし、ビオチン化FabをSuperdex-200TMゲル濾過カラムにロードした。この精製工程は、オリゴマーFab及び過剰の遊離ビオチン-マレイミド(又は遊離細胞傷害剤)から単量体Fabを分離するのに有用である。 図5はファージ環境不在でのThioFab変異体の特性の検証を示す。ファージ融合無しのタンパク質、hu4D5Fabv8及びhu4D5Fabv8-A121C(ThioFab-A121C)を発現させ、プロテインGアガロースビーズを使用して精製し、100倍モル過剰のビオチン-マレイミドでインキュベートした。ビオチン化cys操作ThioFab及び非ビオチン化野生型Fabのストレプトアビジン及びHER2結合を比較した。ビオチンコンジュゲーション(ストレプトアビジンとの相互作用)の程度及びそれらのHER2に対する結合能を、ELISA分析によりモニターした。各Fabを2ng及び20ngで試験した。 ビオチン化A121C ThioFabは、野生型hu4D5Fabv8のものと同等なHER2結合を保持した(図5)。野生型Fab及びA121C-ThioFabをゲル濾過カラムクロマトグラフィーによって精製した。2つのサンプルを、ヤギ抗Fab-HRPを二次抗体として使用してELISAによって、HER2及びストレプトアビジン結合について試験した。野生型(中空ボックス)及びThioFab(ドットボックス)双方ともHER2への類似な結合を有したが、ThioFabのみがストレプトアビジン結合を保持した。非ビオチン化野生型hu4D5Fabv8では、バックグラウンドレベルのみのストレプトアビジンとの相互作用が観察された(図5)。ビオチン化-ThioFab(A121C)の質量スペクトル(LC-ESI-MS)分析は、野生型hu4D5Fabv8(47737ダルトン)と比較して、48294.5ダルトンの主要ピークとなった。2分子間の537.5ダルトンの差は、ThioFabにコンジュゲートした単一ビオチン-マレイミドにちょうど相応する。質量分析タンパク質配列決定(LC-ESI-タンデム質量分析)の結果は、コンジュゲートしたビオチン分子が新規の操作Cys残基にあることを更に確認した(表8、実施例3b)。アルブミン結合ペプチド(ABP)-THIOFABへのビオチン-マレイミドの部位特異的コンジュゲーション 血漿タンパク質結合は、生存が短い分子の薬物動態学的性質を向上させる有効な手段となりうる。アルブミンは血漿中で最も多いタンパク質である。血清アルブミン結合ペプチド類(ABP)は、組織取り込み、浸透および拡散の変更を含む、融合した活性なドメインタンパク質の薬物動態を変えうる。これらの薬物動態学的パラメータは、適切な血清アルブミン結合ペプチド配列を特異的に選別することによって調製されうる(米国特許公開20040001827)。一連のアルブミン結合ペプチドは、ファージディスプレイスクリーニングによって同定された(Dennis等 (2002) "Albumin Binding As A General Strategy For Improving The Pharmacokinetics Of Proteins" J Biol Chem. 277:35035-35043;国際公開第01/45746号)。本発明の化合物には、(i) Dennis等 (2002) J Biol Chem. 277:35035-35043 at Tables III and IV, page 35038、(ii) 米国特許公開20040001827の[0076]、及び(iii) 国際公開第01/45746号の12〜13頁に示されるABP配列が含まれ、これらの文献はすべて出典明記によって本明細書中に援用される。 アルブミン結合(ABP)-Fabは、1:1の化学量比(1ABP/1Fab)で、Fab重鎖のC末端にアルブミン結合ペプチドを融合させることによって作製した。アルブミンとのこれらABP-Fabの会合により、それらの半減期がウサギおよびマウスの25倍以上に増加したことが示された。したがって、上記の反応性のCys残基をこれらABP-Fabに導入し、細胞障害性剤と部位特異的にコンジュゲートさせた後にインビボ動物実験に用いることができる。 例示的なアルブミン結合ペプチド配列は、限定するものではないが、配列番号:1−5に挙げるアミノ酸配列を含む: アルブミン結合ペプチド(ABP)配列は、複数の種(マウス、ラット、ウサギ、ウシ、アカゲザル、ヒヒ、及びヒト)からのアルブミンにKd(ウサギ)=0.3μMで結合する。アルブミン結合ペプチドは、アルブミンに結合すると知られているリガンドと競合せず、ウサギでは2.3時間の半減期(T1/2)を有する。ABP-ThioFabタンパク質を、先のセクションに記載するようにBSA-SEPHAROSETMにおいて精製し、ビオチン-マレイミドコンジュゲーションし、Superdex-S200カラムクロマトグラフィーで精製した。精製したビオチン化タンパク質は均一であり、何れのオリゴマー形成も持たなかった(実施例4)。 図6は、アルブミン結合ペプチド(ABP)-ThioFab変異体の特性を示す。ELISA分析を、ウサギアルブミン、ストレプトアビジン及びHER2とのABP-hu4D5Fabv8-wt、ABP-hu4D5Fabv8-V110C及びABP-hu4D5Fabv8-A121Cの結合能力を試験するために実施した。ビオチン化ABP-ThioFabは、ELISA(図6)及びBIAcore結合キネティクス分析(表2)から確認されるように、野生型ABP-hu4D5Fabv8のと類似な親和性で、アルブミン及びHER2に結合することができる。ELISAプレートを記載のようにアルブミン、HER2及びSAでコートした。アルブミン、HER2及びSAへのビオチン化ABP-ThioFabの結合を、抗Fab HRPで探索した。ビオチン化ABP-ThioFabは、非ビオチン化コントロールABP-hu4D5Fabv8-wtと比較してストレプトアビジンに結合でき、同じCys変異体を双方の変異体に使用したことから、ABP-ThioFabがThioFabのように部位特異的にビオチンマレイミドにコンジュゲートされたことを示す(図6)。 あるいは、アルブミン結合ペプチドはリンカー部分を介して共有結合によって抗体に結合されてもよい。FABあたり2つの遊離チオール基を有するABP-THIOFABの設計 上記の結果は、全4つの(L-V15C、L-V110C、H-A88C及びH-A121C)thioFab(システイン操作Fab抗体)変異体が、標識試薬、リンカー試薬、又は薬剤-リンカー中間体との部位特異的コンジュゲーションに使用できる反応性チオール基を有することを示す。L-V15Cは比較的低い収率で発現及び精製が可能である。しかしながら、L-V110C、H-A88C及びH-A121C変異体の発現及び精製収率はhu4D5Fabv8のと類似であった。よってこれらの変異体は更なる分析に使用され、Fabあたり1つ以上のチオール基を得るために組換えできる。この目的のために、Fab分子あたり2つのチオール基を得るために、軽鎖に1つ及び重鎖に1つのチオール基を構築した(L-V110C/H-A88C及びL-V110C/H-A121C)。これらの2つの二重Cys変異体を大腸菌発現系において発現させ、精製した。精製したビオチン化ABP-ThioFabの均一性は、単一Cys変異体のと類似であることが分かった。 Fabあたり2つの反応性Cys残基を設計することの効果を調査した(図7)。第二のビオチンの存在を、ストレプトアビジン-HRPを使用して、SAへのビオチン化ABP-ThioFabの結合を探索することによって試験した(図7)。HER2/Fab分析では、ELISAプレートをHER2でコートし、抗Fab HRPで探索した。SA/Fab分析では、ELISAプレートをSAでコートし、抗Fab HRPで探索した。SA/SA分析では、ELISAプレートをSAでコートし、SA-HRPで探索した。図7。HER2、ストレプトアビジン(SA)とのビオチン化ABP-hu4D5Fabv8 cys変異体の相互作用のELISA分析。HER2/Fab、SA/Fab及びSA/SAは、それらの相互作用が抗Fab-HRP、SA-HRPによってそれぞれモニタされたことを示す。SA/FabはFabあたり単一のビオチンの存在をモニタし、Fabあたり一以上のビオチンはSA/SA分析によってモニタされる。二重cys変異体とのHER2の結合は、単一Cys変異体のと類似である(図7)。しかしながら、二重Cys変異体におけるビオチン化の程度は、Fab分子あたり一以上の遊離チオール基により、単一Cys変異体と比較して高かった(図7)。トラスツズマブのTHIO IgG変異体の設計 システインを完全長モノクローナル抗体、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標), Genentech Inc.)の特定残基に導入した。トラスツズマブの単一cys変異体H-A88C、H-A121C及びL-V110C、及びトラスツズマブの二重cys変異体V110C-A121C及びV110C-A121Cを、CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞において、1mMのシステインを含有する培地において一過性発酵によって発現させた。A88C変異体重鎖配列(450aa)は配列番号:6である。A121C変異体重鎖配列(450aa)は配列番号:7である。V110C変異体軽鎖配列(214aa)は配列番号:8である。 一実施態様では、システイン操作thio-トラスツズマブ抗体は、遊離システインアミノ酸と共に一又は複数の次の可変領域重鎖配列を含む(配列番号:9−16)。 他の実施態様では、システイン操作thio-トラスツズマブ抗体は、遊離システインアミノ酸と共に一又は複数の次の可変領域軽鎖配列を含む(配列番号:17−27)。 得られた完全長のthio-トラスツズマブIgG変異体を、チオール反応性及びHER2結合活性についてアッセイした。図10Aは固定化HER2へのビオチン化抗体の結合及び吸光度検出のためのHRP標識二次抗体の図説を示す。図10Bは:非ビオチン化野生型トラスツズマブ(Wt)、ビオチン-マレイミドコンジュゲートthio-トラスツズマブ変異体V110C(単一cys)、A121C(単一cys)、及びV110C-A121C(二重cys)(左から右)の450nmでの吸光度の検出による、固定化HER2への結合測定を示す。各thio IgG変異体及びトラスツズマブを、1、10、及び100ngで試験した。測定は、ビオチン化抗HER2 ThioMabがHER2結合活性を保持することを示す。 図11Aは、吸光度検出のための抗IgG-HRPへのビオチンの結合と共に、固定化HER2に結合するビオチン化抗体の図説を示す。図14Bは、ストレプトアビジンへの結合における、ビオチン-マレイミドコンジュゲートのthio-トラスツズマブ変異体及び非ビオチン化野生型トラスツズマブの450nmでの吸光度の検出による結合測定を示す。左から右:V110C(単一cys)、A121C(単一cys)、V110C/A121C(二重cys)、及びトラスツズマブ。各thio IgGトラスツズマブ変異体及び親トラスツズマブを1、10、及び100ngで試験した。測定はHER2 ThioMabが高チオール反応性を有することを示す。 システインを、完全長2H9抗EphB2R抗体の特定残基に導入した。2H9の単一cys変異体H-A121CをCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞において、1mMのシステインを含有する培地において一過性発酵によって発現させた。A121C 2H9変異体重鎖配列(450aa)は配列番号:28である。 システイン操作thio-2H9抗体は、遊離システインアミノ酸と共に次のFc定常領域重鎖配列を含む(配列番号:29−38)。 システインを、完全長3A5抗MUC16抗体の特定残基に導入した。3A5の単一cys変異体H-A121CをCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞において、1mMのシステインを含有する培地において一過性発酵によって発現させた。A121C 3A5変異体重鎖配列(446aa)は配列番号:39を含む。 システイン操作thio-3A5抗MUC16抗体は、遊離システインアミノ酸と共に次の可変領域重鎖配列を含む(配列番号:40−44)。 システイン操作thio-3A5抗MUC16抗体は、遊離システインアミノ酸と共に次の可変領域軽鎖配列を含む(配列番号:45−49)。4D5抗HER2 THIOFABの設計及びチオール反応性 システインを抗HER2 hu4D5Fabv8 Fab断片抗体の重鎖及び軽鎖の各位置に導入した。全440の重鎖変異体及び軽鎖変異体を、ここに記載の方法に従って調製した。チオール反応性をPHESELECTORアッセイによって測定した。重鎖配列は連続的番号付けシステムによって番号付けされる。軽鎖配列はKabat番号付けシステムに従う。軽鎖配列では、Kabat及び連続的番号付け双方は同じ番号を示す。 重鎖hu4D5Fabv8変異体を、HER2レセプタータンパク質への効果的結合(図2及び3)及びビオチン化試薬、ビオチン-PEO-マレイミド(実施例1及び2)とのチオール反応性について選択した。特定の重鎖変異体はHER2 ECDへの限られた又は低減された結合を有し、なぜなら、これが抗体-Fabの可変領域におけるCDRに位置する、抗原結合(HER2)に重要な残基だからである。Fabの定常ドメインに位置する幾つかの残基も乏しいHER2結合を示し、なぜなら、これらの残基はFabの構造及びフォールディングに貢献し得、M13-ファージにおける乏しい4D5-Fabディスプレイをもたらすからである(Junutula, J.R.等(2008) J. Immunol Methods, 332:41-52)。乏しいHER2 ECD結合を有する重鎖hu4D5Fabv8変異体は、位置1、21、31、33−36、38、48−50、59、87、95、101、104、129、131、132、136、153、155、159、166、169、170、172、197、198、202、215、219でのシステイン変異を含んだ。野生型システイン変異体22、96、147、203、223を測定した。他の重鎖変異体は、ビオチン化試薬との限られたチオール反応性を有した。遊離システインアミノ酸残基は、表3の中央欄の配列においてフランキング残基と共に中央にある。置換アミノ酸及び重鎖における位置を左欄に示す。表3の重鎖hu4D5Fabv8変異体配列番号:50−98は、野生型システイン変異体を除き、HER2結合及び約0.8以上のチオール反応性値を保持した。配列番号:50−98(表3)の抗体はチオール反応性を示し、捕獲標識、検出標識、薬剤部分、又は固相担体との供給結合形成に有用でありうる。表3の重鎖変異体は、ThioFab又はThioMabとして、例えば抗体-薬剤コンジュゲートとしてコンジュゲートされうる。 軽鎖hu4D5Fabv8変異体を、HER2レセプタータンパク質への効果的結合(図2及び3)及びビオチン化試薬、ビオチン-PEO-マレイミド(実施例1及び2)とのチオール反応性について選択した。特定の軽鎖変異体はHER2への限られた又は低減された結合を有し、なぜなら、これが抗体-Fabの可変領域におけるCDRに位置する、抗原結合(HER2)に重要な残基だからである。Fabの定常ドメインに位置する幾つかの残基も乏しいHER2結合を示し、なぜなら、これらの残基はFabの構造及びフォールディングに貢献し得、M13-ファージにおける乏しい4D5-Fabディスプレイをもたらすからである(Junutula, J.R.等(2008) J. Immunol Methods, 332:41-52)。HER2への乏しい結合を有する軽鎖hu4D5Fabv8変異体は、位置4、29−32、35、36、50、82、86、89−91、113、115、117、120、126、128、139、141、146、148、179、186、192、202でのシステイン変異を含んだ。他の軽鎖変異体は、ビオチン化試薬との限られたチオール反応性を有した。遊離システインアミノ酸残基は、表4の中央欄の配列においてフランキング残基と共に中央にある。置換アミノ酸及び軽鎖における位置を左欄に示す。表4の軽鎖hu4D5Fabv8変異体配列番号:99−147は、野生型システイン変異体を除き、HER2結合及び約0.8以上のチオール反応性値を保持した。配列番号:99−147(表4)の抗体はチオール反応性を示し、捕獲標識、検出標識、薬剤部分、又は固相担体との供給結合形成に有用でありうる。表4の軽鎖変異体は、ThioFab又はThioMabとして、例えば抗体-薬剤コンジュゲートとしてコンジュゲートされうる。THIOMABのチオール反応性 完全長のIgGシステイン操作抗体(ThioMab)のチオール反応性を、ビオチン化及びストレプトアビジン結合によって測定した(US 7521541)。ビオチン-マレイミドと特異的にコンジュゲートするThioMabをスクリーニングするために、ウエスタンブロットアッセイを設定した。このアッセイでは、抗体は還元SDS-PAGEにおいて分析され、ビオチンの存在はストレプトアビジン-HRPでインキュベートすることによって特異的にプローブされる。図18から分かるように、ストレプトアビジン-HRP相互作用は、どの操作cys変異体が使用されているかに依存して重鎖又は軽鎖どちらかに観察され、野生型とは相互作用が見られず、ThioMab変異体が操作Cys残基でビオチンと特異的にコンジュゲートしたことを示す。図18は、固定化抗IgG-HRP(上ゲル)及びストレプトアビジン-HRP(下ゲル)での捕獲後の、還元されたビオチン化Thio-IgG変異体の変性ゲル分析を示す。レーン1:3A5 H-A121C。レーン2:3A5 L-V110C。レーン3:2H9 H-A121C。レーン4:2H9 L-V110C。レーン5:抗EphB2R 2H9親、野生型。各変異体(レーン1−4)はHRP検出を有する抗IgGによって捕獲され(上)、選択性及び親和性が保持されていることを示す。HRP検出を有する固定化ストレプトアビジンによる捕獲(下)は、重及び軽鎖上のビオチンの位置を確認した。レーン1及び3におけるシステイン操作抗体上のシステイン変異の位置は重鎖である。レーン2及び4におけるシステイン操作抗体上のシステイン変異の位置は軽鎖である。システイン変異部位は、ビオチン-マレイミド試薬でのコンジュゲーションを受ける。 LC/MSによる図18のThioMabシステイン操作抗体及び2H9 V15C変異体の分析は、チオール反応性の定量的指標を与える(表5)。 システイン操作を定常ドメイン、すなわちIgG抗体のFc領域に実施した。様々なアミノ酸部位をシステイン部位に変換し、発現変異体、すなわちシステイン操作抗体をそれらのチオール反応性について評価した。ビオチン化2H9 ThioMab Fc変異体を、ELISAアッセイにおいて固定化ストレプトアビジンにおける捕獲によって、HRP定量化によってチオール反応性について評価した(図19)。ELISAアッセイを、反応性チオール基を有するCys残基を迅速にスクリーニングするために行った。図19の概要図に示すように、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用は、抗IgG-HRPでプローブし、450nmで吸光度を測定することによってモニタされる。これらの結果は、2H9-ThioFc変異体V282C、A287C、A339C、S375C及び400Cが中程度から最も高いチオール反応性を有したことを確認する。2H9 ThioMab Fc変異体のビオチンコンジュゲーションの程度を、表6に報告するようにLS/MS分析によって定量化した。LS/MS分析は、A282C、S375C及びS400C変異体が100%のビオチンコンジュゲーションを有し、V284C及びA339Cが50%のコンジュゲーションを有したことを確認し、反応性システインチオール基の存在を示す。他のThioFc変異体、及び親、野生型2H9は、非常に少ないビオチン化、又は無しであった。THIO-4D5 FAB軽鎖変異体のチオール反応性 抗ErbB2抗体4D5の様々なシステイン操作軽鎖変異体Fabのスクリーニングは、図8のPHESELECTORアッセイに測定されるように、0.6以上のチオール反応性値を有する多くの変異体をもたらした(表7)。表7のチオール反応性値は、100%に設定される重鎖4D5 ThioFab変異体(HC-A121C)に正規化され、HC-A121C変異体の完全なビオチン化を仮定し、パーセント値として表している。抗体-薬剤コンジュゲート 発明のシステイン操作抗体は、任意の治療剤、すなわち薬剤部分にコンジュゲートされ得、それは反応性システインチオール基により抗体に共有結合できる。 抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)化合物の例示的な実施態様は、システイン操作抗体(Ab)、及び薬剤部分(D)を含み、抗体は一又は複数の遊離システインアミノ酸を有し、抗体はリンカー部分(L)によって一又は複数の遊離システインアミノ酸を介してDに結合され;組成物は式Iを有しここで、pは1、2、3、又は4である。チオール反応性リンカー部分によって抗体分子にコンジュゲートされうる薬剤部分の数は、ここに記載の方法によって導入されるシステイン残基の数に限定される。式Iの例示的なADCは、従って、1、2、3、又は4の操作システインアミノ酸を有する抗体を含む。 抗体-薬剤コンジュゲート化合物(ADC)の他の例示的な実施態様は、システイン操作抗体(Ab)、アルブミン結合ペプチド(ABP)及び薬剤部分を含み(D)、抗体はリンカー部分(L)によって薬剤部分に結合され、抗体はアミド結合又は第二のリンカーによってアルブミン結合ペプチドに結合され、組成物は式Iaを有しここでpは1、2、3、又は4である。 本発明のADC化合物は、抗癌活性の有用性を持つものを含む。特に、化合物は、薬剤部分、すなわち毒素にコンジュゲートされた、つまりリンカーによって共有的に結合されたシステイン操作抗体を含む。薬剤が抗体にコンジュゲートしていないとき、薬剤は細胞傷害性又は細胞分裂抑制効果を有している。よって、薬剤部分の生物学的活性は抗体へのコンジュゲーションによって調節される。本発明の抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)は、有効用量の細胞傷害剤を腫瘍組織に選択的に送達し、それによって、より大きな選択性、つまりより低い有効投薬量が達成されうる。薬剤部分 抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)の薬剤部分(D)は、細胞傷害又は細胞分裂停止効果を有する任意の化合物、部分又は基を含む。薬剤部分は(i)微小管インヒビター、有糸分裂インヒビター、トポイソメラーゼインヒビター、又はDNAインターカレーターとして機能しうる化学療法剤;(ii)酵素的に機能しうるタンパク質毒素;及び(iii)放射性同位体を含む。 例示的な薬剤部分は、限定するものではないが、マイタンシノイド、アウリスタチン、ドラスタチン、トリコテシン、CC1065、カリチアマイシン及び他のエンジイン抗生物質、タキサン、アントラサイクリン、及び立体異性体、アイソスター、その類似体又は誘導体を含む。 メイタンシノイド薬剤部分としての使用に適切なメイタンシン化合物は当分野で周知であり、公知の方法に従って天然の供給源から単離してもよいし、又は遺伝子工学技術を用いて産生してもよい(Yu等(2002) PROC. NAT. ACAD. SCI. (USA) 99:7968-7973を参照)。また、マイタンシノール及びマイタンシノール類似体は、公知の方法に従って合成して調製されてもよい。 メイタンシノイド薬剤部分としての使用に適切なメイタンシン化合物は当分野で周知であり、公知の方法に従って天然の供給源から単離してもよいし、又は遺伝子工学技術を用いて産生してもよい(Yu等 (2002) PNAS 99:7968-7973を参照)。また、マイタンシノール及びマイタンシノール類似体は、公知の方法に従って合成して調製されてもよい。 例示的なメイタンシノイド薬剤部分には、修飾した芳香族環を有するもの、例えば、C-19-デクロロ(米国特許第4256746号)(アンサマイトシンP2のリチウムアルミニウム水素化物の還元によって調製される);C-20-ヒドロキシ(又はC-20-デメチル) +/−C-19-デクロロ(米国特許第4361650号及び同第4307016号)(ストレプトミセス属ないしはアクチノミセス属を用いた脱メチル化又はLAHを用いた脱塩素により調製される);及びC-20-デメトキシ、C-20-アシロキシ(-OCOR)、+/−デクロロ(米国特許第4294757号)(アシル塩化物を用いたアシル化により調製される)、及び他の位置に修飾を有するものが含まれる。 また、例示的なメイタンシノイド薬剤部分には、修飾を有するもの、例えば、C-9-SH(米国特許第4424219号)(H2S又はP2S5を有するメイタンシノールの反応により調製される);C-14-アルコキシメチル(デメトキシ/CH2 OR)(米国特許第4331598号);C-14-ヒドロキシメチル又はアシロキシメチル(CH2OH又はCH2OAc) (米国特許第4450254号);C-15-ヒドロキシ/アシロキシ(米国特許第4364866号)(ストレプトミセス属によるメイタンシノールの変換によって調製される);C-15-メトキシ(米国特許第4313946号及び同第4315929号)(トレウィア ヌドロフローラ(Trewia nudlflora)より単離);C-18-N-デメチル(米国特許第4362663号及び第4322348号)(ストレプトミセス属によるメイタンシノールの脱メチル化により調製される);及び、4,5-デオキシ(米国特許第4371533号)(メイタンシノールの三塩化チタン/LAH還元により調製される)が含まれる。メイタンシン化合物上の多くの位置が、結合位置として有用であることが知られており、結合のタイプに依存する。例えば、エステル結合の形成には、ヒドロキシル基を有するC-3位置、ヒドロキシメチルで修飾されたC-14位置、ヒドロキシル基で修飾されたC-15位置、及びヒドロキシル基を有するC−20位置が全て好適である。 式Iの抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)の薬剤部分(D)は次の構造を有するマイタンシノイドを含み:ここで波選は抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)のリンカー(L)へのDのイオウ原子の共有結合を示す。Rは独立して、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-メチル-1-プロピル、2-ブチル、2-メチル-2-プロピル、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-1-ブチル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3-メチル-3-ペンチル、2-メチル-3-ペンチル、2,3-ジメチル-2-ブチル、及び3,3-ジメチル-2-ブチルから選択されるC1-C6アルキル又はHでありうる。イオウ原子へアミド基を結合するアルキレン鎖は、メタニル、エタニル又はプロピルであり得、すなわちmは1、2、又は3である。 メイタンシン化合物は、マイクロチューブリンタンパク質であるチューブリンの重合阻害により有糸分裂中の微小管の形成を阻害することによって細胞増殖を阻害する(Remillard等(1975) Science 189:1002-1005)。メイタンシン及びマイタンシノイドは高い細胞傷害性を有するが、主に腫瘍に対するそれらの乏しい選択性に起因するそれらの重篤な全身性副作用により、癌治療におけるそれらの臨床使用は非常に限られてきた。メイタンシンによる臨床治験は、中枢神経系及び胃腸管系への重篤な副作用により中断されている(Issel等(1978) Can. Treatment. Rev. 5:199-207)。 メイタンシノイド薬剤部分は、それらが、(i)発酵又は化学的修飾、発酵産物の誘導体化による調製に比較的到達可能であり、(ii)抗体への非ジスルフィドリンカーを介してのコンジュゲーションに適した官能基での誘導体化が受け入れられ、(iii)血漿中で安定しており、(iv)多様な腫瘍細胞株に対して効果的であるので、抗体薬剤コンジュゲートにおける魅力的な薬剤部分である(US2005/0169933;WO2005/037992;US5208020)。 他の薬剤部分と同様に、メイタンシノイド薬剤部分のすべての立体異性体、Dのキラル炭素でのR及びS配位の組合せは、本発明の化合物のために考慮される。一実施態様では、メイタンシノイド薬剤部分(D)は次の立体化学を有する: マイタンシノイド薬剤部分の例示的な実施態様は、DM1、(CR2)m=CH2CH2;DM3、(CR2)m=CH2CH2CH(CH3);及びDM4、(CR2)m=CH2CH2C(CH3)2を含み、次の構造を有する リンカーは結合の種類に応じて、種々の位置でメイタンシノイド分子に結合し得る。例えば、従来からのカップリング技術を使用してヒドロキシル基と反応させることによりエステル結合を形成することができる。反応はヒドロキシル基を有するC-3位、ヒドロキシメチルで修飾されたC-14位、ヒドロキシル基で修飾されたC-15位、及びヒドロキシル基を有するC-20位で生じる。好適な実施態様では、結合はメイタンシノール又はメイタンシノールの類似体のC-3位で形成される。 また、式Iの抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)の薬剤部分(D)は、ドラスタチン及びそれらのペプチジル類似体及び誘導体、アウリスタチン(auristatin) (米国特許第5635483号;同第5780588号)を含む。ドラスタチン及びアウリスタチンは、微小管動態、GTP加水分解及び核と細胞の分割を妨げ(Woyke 等 (2001) Antimicrob. Agents and Chemother. 45(12): 3580-3584)、抗癌活性(米国特許第5663149号)及び抗真菌性活性(Pettit 等 (1998) Antimicrob. Agents Chemother. 42:2961-2965)を有することが示されている。様々な形態のドラスタチン又はアウリスタチン薬剤部分が、ペプチド薬剤部分のN(アミノ)末端又はC(カルボキシル)末端を通して抗体に共有結合されうる(WO 02/088172; Doronina等(2003) Nature Biotechnology 21(7):778-784; Francisco等(2003) Blood 102(4):1458-1465)。 薬剤部分は、ドラスタチン、アウリスタチン(US 5635483; US 5780588; US 5767237; US 6124431)、及びその類似体及び誘導体を含む。ドラスタチン及びアウリスタチンは、微小管動態、GTP加水分解、及び核及び細胞分裂を干渉し(Woyke等(2001) Antimicrob. Agents and Chemother. 45(12):3580-3584)、抗癌(US 5663149)及び抗真菌活性(Pettit等(1998) Antimicrob. Agents Chemother. 42:2961-2965)を有することが示されている。ドラスタチン又はアウリスタチン薬剤成分は、ペプチジル薬剤分子のN(アミノ)末端又はC(カルボキシル)末端により抗体に接着しうる(国際公開第02/088172号)。 例示的なアウリスタチンの実施態様には、N末端連結モノメチルアウリスタチン薬剤部分DE及びDFを含み、US7498298及びUS7659241に開示され、各開示は出典明記によってその全体が特別に援用される。 式Iの抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)の薬剤部分(D)は、N末端を介して抗体に結合されるモノメチルアウリスタチン薬剤部分MMAE及びMMAFを含み、次の構造を有する: 一般的に、ペプチドベースの薬剤成分は、2以上のアミノ酸及び/又はペプチド断片間でペプチド結合を形成することによって調製されうる。このようなペプチド結合は、例えば、ペプチド化学の分野において周知の液相合成方法に従って調製することができる(E. Schroder and K. Lubke, "The Peptides", volume 1, pp 76-136, 1965, Academic Pressを参照)。 薬剤部分はカリケアマイシン、及びその類似体及び誘導体を含む。抗生物質のカリケアマイシンファミリーはサブ-ピコモルの濃度で二重鎖DNA破壊を生じることができる。カリケアマイシンファミリーのコンジュゲートの調製については、US 5712374; US 5714586; US 5739116; US 5767285; US 5770701, US 5770710; US 5773001; US 5877296を参照のこと。使用可能なカリケアマイシンの構造類似体には、限定するものではないが、γ1I、α2I、α3I、N-アセチル-γ1I、PSAG及びθI1((Hinman等Cancer Research 53:3336-3342 (1993), Lode等Cancer Research 58:2925-2928 (1998)が含まれる。 タンパク質毒素は:ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合性活性断片、外毒素A鎖(シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa))、リシンA鎖(Vitetta等(1987) Science, 238:1098)、アブリンA鎖、モデシン(modeccin)A鎖、アルファ-サルシン(sarcin)、アレウライツ・フォルディイ(Aleurites fordii)プロテイン、ジアンシン(dianthin)プロテイン、フィトラッカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)プロテイン(PAPI、PAPII及びPAP-S)、モモルディカ・キャランティア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン、サパオナリア(sapaonaria)オフィシナリスインヒビター、ゲロニン(gelonin)、マイトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン、エノマイシン及びトリコセセンス(tricothecenes)(WO93/21232)が含まれる。 治療用放射性同位体は、32P、33P、90Y、125I、131I、131In、153Sm、186Re、188Re、211At、212Bi、212Pb及びLuの放射性同位体を含む。 放射性同位体又は他の標識は、既知の方法によりコンジュゲートに組み込まれうる(Fraker等(1978) Biochem. Biophys. Res. Commun. 80: 49-57; "Monoclonal Antibodies in Immunoscintigraphy" Chatal, CRC Press 1989)。炭素-14標識された1-イソチオシアナートベンジル-3-メチルジエチレン トリアミン5酢酸(MX-DTPA)は、抗体への放射性同位体のコンジュゲーションのための例示的なキレート剤である(WO94/11026)。リンカー 「リンカー」(L)は、一又は複数の薬剤成分(D)と抗体ユニット(Ab)を連結させて、式Iの抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)を形成させるために用いられうる、二官能性成分又は多機能性成分である。抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)は、薬剤及び抗体への結合について反応性機能を有するリンカーを用いて都合良く調製されうる。システイン改変抗体(Ab)のシステインチオールは、リンカー試薬、薬剤成分又は薬剤-リンカー中間生成物の官能基と結合することができる。 一態様では、リンカーは、抗体に存在する求核性システインに反応することができる求電子性基を有する反応部位を有する。抗体のシステインチオールは、リンカー上の求電子性基と反応することができ、リンカーに共有結合する。有用な求電子性の基には、マレイミドおよびハロアセトアミド基を含むが、これらに限定されるものではない。 システイン改変抗体は、Klussman,等 (2004), Bioconjugate Chemistry 15(4): 765-773の766ページのコンジュゲート法及び、実施例4のプロトコールに従って、マレイミド又はα-ハロカルボニルなどの求電子性の官能基を有するリンカー試薬又は薬剤-リンカー中間生成物と反応する。 さらに他の実施態様では、リンカー試薬又は薬剤-リンカー中間体の反応基は、抗体の遊離したシステインチオールと結合することができるチオール反応性の官能基を含む。チオール反応性の官能基の例には、限定するものではないが、マレイミド、α-ハロアセチル、活性エステル、例として、スクシンイミドエステル、4-ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、テトラフルオロフェニルエステル、無水物、酸クロリド、塩化スルホニル、イソシアネートおよびイソチオシアネートが含まれる。 他の実施態様では、リンカーは、分岐した多機能性リンカー成分を介して一より多い薬剤成分を抗体へ共有結合的に付着させるために樹枝状型である(Sun等 (2002) Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 12:2213-2215;Sun等 (2003) Bioorganic & Medicinal Chemistry 11:1761-176;King (2002) Tetrahedron Letters 43:1987-1990)。樹枝状のリンカーは抗体に対する薬剤のモル比を増やす、すなわち負荷することができ、これはADCの力価に関連がある。したがって、システイン改変抗体は1つの反応性のシステインチオール基のみを有する場合、多くの薬剤成分が樹枝状のリンカーを介して付着されうる。 リンカーは、抗体(Ab)を本発明のシステイン改変抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)の薬剤成分(D)に連結するアミノ酸残基を含んでいてもよい。アミノ酸残基は、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、ヘプタペプチド、オクタペプチド、ノナペプチド、デカペプチド、ウンデカペプチドまたはドデカペプチドのユニットを形成しうる。アミノ酸残基には、天然に生じるもの、並びにシトルリンなどの微量アミノ酸及び天然に生じないアミノ酸類似体が含まれる 有用なアミノ酸残基ユニットは、特定の酵素、例えば活性薬剤部分を遊離させるための腫瘍関連プロテアーゼによる酵素的切断について、それらの選択性を設計及び最適化できる。一実施態様では、アミノ酸残基ユニット、例えばバリン-シトルリン(vc又はval-cit)は、その切断がカテプシンB、C及びD、又はプラスミンプロテアーゼによって触媒される。 リンカーユニットはp-アミノベンジルカルバモイル(PAB)ユニット等の自己犠牲タイプ(self-immolative)であり得、ADCは次の例示的な構造を有し:このとき、Qは、-C1-C8アルキル、-O-(C1-C8アルキル)、-ハロゲン、-ニトロ、又は-シアノであり、mは0〜4の範囲の整数であり、そして、pは1から4の範囲である。 自己犠牲的なスペーサーの他の例には、PABグループに電子的に類似している芳香族化合物、例として、2-アミノイミダゾール-5-メタノール誘導体(US7375078;Hay等 (1999) Bioorg. Med. Chem. Lett. 9:2237)、およびオルトないしはパラ-アミノベンジルアセタールが含まれるが、これらに限定されるものではない。アミド結合加水分解の際に環化されるスペーサー、例として、置換した、及び、置換していない4-アミノ酪酸アミド(Rodrigues等 (1995) Chemistry Biology 2:223)、適切に置換されたビシクロ[2.2.1]、及び、ビシクロ[2.2.2]環システム(Storm等 (1972) J. Amer. Chem. Soc. 94: 5815)、及び2-アミノフェニルプロピオン酸アミド(Amsberry,等 (1990) J. Org. Chem. 55:5867)などが使われてもよい。また、グリシンで置換されるアミン含有薬剤の除去(Kingsbury等 (1984) J. Med. Chem. 27:1447)は、ADCに有用な自己犠牲的スペーサーの例である。 他の実施態様では、リンカーLは、分岐状の、多機能リンカー成分により一又は複数の薬剤成分が抗体に共有結合するために樹枝型のリンカーであってもよい(Sun等 (2002) Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 12:2213-2215;Sun等 (2003) Bioorganic & Medicinal Chemistry 11:1761-1768)。樹枝状のリンカーは抗体に対する薬剤のモル比を増す、すなわち負荷することができ、これはADCの力価に関連がある。したがって、システイン改変抗体は1つの反応性のシステインチオール基のみを有する場合、多くの薬剤成分が樹枝状のリンカーを介して付着されうる(国際公開2004/01993;Szalai等 (2003) J. Amer. Chem. Soc. 125: 15688-15689;Shamis等 (2004) J. Amer. Chem. Soc. 126: 1726-1731;Amir等 (2003) Angew. Chem. Int. Ed. 42: 4494-4499)。 式Iaの抗体-薬剤コンジュゲート化合物の実施態様は、(val-cit)、(MC-val-cit)、及び(MC-val-cit-PAB)を含む: 式Iaの抗体-薬剤コンジュゲート化合物の他の例示的な実施態様は次の構造を含み:ここでXは:Yは:そして、RはそれぞれH又はC1-C6アルキルであり、そして、nは1〜12である。 他の実施態様では、リンカーは、抗体に存在する求電子性の基に反応することができる求核基を有する反応性の官能基を有する。抗体上の有用な求電子性の基は、アルデヒドおよびケトンカルボニル基が含まれるが、これらに限定されるものではない。リンカーの求核基のヘテロ原子は抗体上の求電子性の基と反応して、抗体ユニットに共有結合することができる。リンカーの有用な求核基には、ヒドラジド、オキシム、アミノ、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジンカルボキシレートおよびアリールヒドラジドが含まれるが、これらに限定するものではない。抗体の求電子性の基は、リンカーへの付着に都合の良い部位を提供する。 一般的に、ペプチド-タイプのリンカーは、2以上のアミノ酸および/またはペプチド断片間でペプチド結合を形成することによって調製されうる。このようなペプチド結合は、例えば、ペプチド化学の分野では周知である液相合成方法(E. Schroder and K. Lubke (1965) "The Peptides", volume 1, pp 76-136, Academic Press)に従って調製されうる。 他の実施態様では、リンカーは、溶解性又は反応性を変更した基に置換されてもよい。例えば、ADCを調製するために用いる合成手段に応じて、スルホン酸(-SO3−)又はアンモニウムなどの荷電性の置換基は、試薬の水溶性を増し、抗体又は薬剤成分とリンカー試薬とのカップリング反応を容易にしうるか、またはDとAb-L(抗体-リンカー中間生成物)とのカップリング反応、又はAbとD-L(薬剤-リンカー中間生成物)とのカップリング反応を容易にしうる。 発明の化合物は、限定するものではないが、リンカー試薬:BMPEO、BMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC-SMCC、MBS、MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ-EMCS、スルホ-GMBS、スルホ-KMUS、スルホ-MBS、スルホ-SIAB、スルホ-SMCC、およびスルホ-SMPB、及びSVSB(スクシンイミジル-(4-ビニルスルホン)ベンゾアート)、及びビスマレイミド試薬、例えばDTME、BMB、BMDB、BMH、BMOE、BM(PEO)3、及びBM(PEO)4にて調製されるADCが明示的に考えられ、これらはPierce Biotechnology, Inc., Customer Service Department, P.O. Box 117, Rockford, IL. 61105 U.S.A, U.S.A 1-800-874-3723, International +815-968-0747から市販されている。pages 467-498, 2003-2004 Applications Handbook and Catalogを参照のこと。ビスマレイミド試薬により、連続した様式又は同時の様式で、チオール含有薬剤成分、標識又はリンカー中間生成物にシステイン改変抗体のチオール基が付着することができる。システイン改変抗体、薬剤成分、標識又はリンカー中間生成物のチオール基と反応することができるマレイミド以外の他の官能基には、ヨードアセトアミド、ブロモアセトアミド、ビニルピリジン、ジスルフィド、ピリジルジスルフィド、イソシアネートおよびイソチオシアネートが含まれる。 また、有用なリンカー試薬は、Molecular Biosciences Inc.(Boulder, CO)などの他の商業的供給源により得ることができるし、Toki等 (2002) J. Org. Chem. 67:1866-1872;Walker, M.A. (1995) J. Org. Chem. 60:5352-5355;Frisch等 (1996) Bioconjugate Chem. 7:180-186;米国特許第6214345号;国際公開02/088172;米国特許公開2003130189;米国特許公開2003096743;国際公開03/026577;国際公開03/043583;及び国際公開04/032828に記載の手段に従って合成してもよい。 マレイミドストレッチャーとパラ-アミノベンジルカルバモイル(PAB)自己犠牲的スペーサーとを有する例示的なバリン-シトルリン(val-cit又はvc)ジペプチドリンカー試薬は、以下の構造を有する:ここで、Qは-C1-C8アルキル、-O-(C1-C8アルキル)、-ハロゲン、-ニトロ又は-シアノであり;mは0〜4の範囲の整数である。 マレイミドストレッチャーユニットとp-アミノベンジル自己-犠牲的スペーサーユニットとを有する例示的なphe-lys(Mtr)ジペプチドリンカー試薬は、Dubowchik,等 (1997) Tetrahedron Letters, 38:5257-60に従って調製されてもよく、以下の構造を有する:ここで、Mtrはモノ-4-メトキシトリチルであり、Qは-C1-C8アルキル、-O-(C1-C8アルキル)、-ハロゲン、-ニトロ又は-シアノであり;mは0〜4の範囲の整数である。 例示的な発明の抗体-薬剤コンジュゲート化合物は以下を含む:ここで、Valはバリンであり;Citはシトルリンであり;pは1、2、3、又は4であり;Abはシステイン操作抗体である。マイタンシノイド薬剤部分DM1がBMPEOリンカーを介してトラスツズマブのチオール基に結合されている他の例示的な抗体薬剤コンジュゲートは次の構造を持ちここで、Abはシステイン操作抗体であり;nは0、1、又は2であり;pは1、2、3、又は4である。抗体-薬剤コンジュゲートの調製 式IのADCは、(1)共有結合を介して抗体-リンカー中間体Ab-Lを形成するためのリンカー試薬とのシステイン操作抗体のシステイン基の反応と、続く活性化された薬剤部分Dとの反応;及び(2)共有結合を介して薬剤-リンカー中間体D-Lを形成するためのリンカー試薬との薬剤部分の求核基の反応と、続くシステイン操作抗体のシステイン基との反応を含む、当業者に知られた有機化学反応、条件、及び試薬を用いて、幾つかの経路によって調製されうる。コンジュゲーション方法(1)及び(2)を様々なシステイン操作抗体、薬剤部分、及びリンカーと共に用いて、式Iの抗体-薬剤コンジュゲートを調製することができる。 抗体システインチオール基は、求核であり、反応して、(i)活性エステル、例えばNHSエステル、HOBtエステル、ハロギ酸及び酸ハロゲン化物;(ii)アルキル及びベンジルハライド、例えばハロアセトアミド;(iii)アルデヒド、ケトン、カルボキシル、及びマレイミド基;及びスルフィド交換を介するピリジルジスルフィドを含むジスルフィドを含む、リンカー試薬及び薬剤-リンカー中間体上の求電子性の基と共有結合を形成することができる。薬剤部分上の求核基には、限定するものではないが、リンカー部分上の求電子基及びリンカー試薬と反応して共有結合を形成可能なアミン、チオール、ヒドロキシル、ヒドラジド、オキシム、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジンカルボン酸エステル及びアリールヒドラジド基を含む。 マイタンシンは、例えば、May-SSCH3に変換され得、これは遊離チオールMay-SHへ還元され、修飾抗体(Chari等(1992) Cancer Research 52:127-131)と反応して、ジスルフィドリンカーを有するマイタンシノイド-抗体イムノコンジュゲートを生成できる。ジスルフィドリンカーを有する抗体-マイタンシノイドコンジュゲートが報告されている(WO04/016801;US6884874;US2004/039176A1;WO03/068144;US2004/001838A1;米国特許第号6441163号、同第5208020号、同第5416064号;WO01/024763)。ジスルフィドリンカーSPPは、リンカー試薬N-サクシニミジル4-(2-ピリジルチオ)ペンタノエートを用いて構築される。 特定の条件下で、システイン改変抗体は、DTT(クリーランド試薬、ジチオトレイトール)又はTCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロライド;Getz等 (1999) Anal. Biochem. Vol 273:73-80;Soltec Ventures, Beverly, MA)などの還元剤にて処理することによって、リンカー試薬とのコンジュゲートに対して反応性にしてもよい。CHO細胞に発現される完全長のシステイン改変モノクローナル抗体(ThioMab)を、新たに導入したシステイン残基と培養培地中に存在するシステインとの間で形成しうるジスルフィド結合を還元するために、およそ50倍の過剰なTCEPにて37℃で3時間かけて還元した。還元されたThioMabを希釈して、10mM 酢酸ナトリウム、pH5にてHiTrap Sカラムに流し、0.3M 塩化ナトリウムを含むPBSにて溶出する。希釈(200nM)硫酸銅水(CuSO4)、室温に終夜置くことにより親Mabに存在するシステイン残基間にジスルフィド結合が再構築された。当分野で公知の他の酸化体、すなわち酸化剤および酸化条件が用いられてもよい。外気酸化も有効である。この低刺激性の部分的な再酸化工程により、高品位の鎖内ジスルフィドが効率よく形成される。およそ10倍過剰な薬剤-リンカー中間生成物、例えばBM(PEO)4-DM1を添加し、混合して、室温におよそ1時間置いて、コンジュゲートに作用させ、ThioMab抗体-薬剤コンジュゲートを形成させた。コンジュゲート混合物をゲル濾過し、HiTrap Sカラムに流して溶出させ、過剰な薬剤-リンカー中間生成物と他の不純物を除去した。 図11は、コンジュゲートのために細胞培養物から発現されるシステイン改変抗体を調製するための一般的な方法を示す。おそらく様々な鎖間ジスルフィド結合を有する、システイン付加物は、還元的に切断され、抗体の還元形態をもたらす。対のシステイン残基間の鎖間ジスルフィド結合は、部分的参加条件下、例えば周囲酸素への曝露下で、再形成される。システイン付加物は、おそらく様々な鎖間ジスルフィド結合とともに、抗体の還元型を生じさせるために、還元により切断される。対形成したシステイン残基間の鎖間ジスルフィド結合は、周囲酸素への曝露等の不完全酸化条件下で再形成される。新たに導入され、改変され、対形成しないシステイン残基は、リンカー試薬や薬剤-リンカー中間生成物と反応して本発明の抗体コンジュゲートを形成するために利用されうる状態にある。哺乳類の細胞株において発現されるThioMabは、-S-S-結合形成によって外部からコンジュゲートされた改変CysへのCys付加物となる。したがって、精製されたThioMabは、反応性のThioMabsを生産するために、実施例11に記載の還元及び再酸化の手順にて処理されなければならない。これらのThioMabを用いて、細胞障害性剤、蛍光体および他の標識を含むマレイミドとコンジュゲートさせる。 様々なThioFab及びThioMab抗体-薬剤コンジュゲートが調製された(実施例4−8)。システイン変異体hu4D5Fabv8(V110C)を、ビス-マレイミドリンカー試薬BMPEOを用いてマイタンシノイド薬剤部分DM1にコンジュゲートさせ、hu4D5Fabv8(V110C)-BMPEO-DM1を形成した(実施例8)。インビトロ細胞増殖アッセイ 一般に、抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)の細胞傷害性又は細胞分裂抑制活性は、細胞培養培地中のADCの抗体にレセプタータンパク質、例えばHER2を有する哺乳動物細胞を暴露し;約6時間から約5日の期間、細胞を培養し;細胞生存率を測定することにより、測定される。細胞ベースのインビトロアッセイを使用して、発明のADCの生存率(増殖)、細胞傷害性、及びアポトーシスの誘導(カスパーゼ活性化)を測定した。 抗体-薬剤コンジュゲートのインビトロ力価を、細胞増殖アッセイによって測定した(図10及び11、実施例9)。CellTiter-Glo(登録商標)発光細胞生存アッセイは商業的に入手可能であり(Promega Corp., Madison, WI)、Coleoptera ルシフェラーゼの組換え発現に基づく均一アッセイ方法である(米国特許第5583024号;米国特許第5674713号及び米国特許第5700670号)。この細胞増殖アッセイは、代謝的に活性な細胞の指標である(Crouch等(1993) J. Immunol. Meth. 160:81-88; 米国特許6602677)存在しているATPの定量に基づき培養中の生存細胞の数を決定する。CellTiter-Glo(登録商標)アッセイを96ウェル形式で実施し、それを自動化高スループットスクリーニング(HTS)に受け入れられるものにした(Cree等(1995)AntiCancer Drugs 6:398-404)。該均一アッセイ手順は、血清補填培地で培養された細胞に直接単一の試薬(CellTiter-Glo(登録商標)試薬)を加えることを含む。細胞洗浄、培地の除去及び複数のピペット操作工程は必要とされない。該システムは、試薬を添加し混合した後、10分で384ウェル形式で15細胞/ウェルと少ない検出を行う。細胞は、ADCで連続的に処理されてもよく、あるいはそれらは処理され、ADCから離されてもよい。一般に、短く、すなわち3時間処理された細胞は、連続的に処理された細胞と同じ効力効果を示した。 均一「アドミックス手段」形式は存在するATPの量に比例した細胞溶解及び発光シグナルの生成を生じる。ATPの量は培養物中に存在する細胞の数に正比例する。CellTiter-Glo(登録商標)アッセイは、ルシフェラーゼ反応により生成される「グロータイプ」発光シグナルを生じ、これは一般的に5時間を超える半減期を有し、細胞タイプ及び使用する培地に依存する。生細胞は相対発光単位(RLU)に反映される。基質のカブトムシルシフェリンは、組換えホタルルシフェラーゼによって酸化的に脱カルボキシル化され、ATPからAMPへの同時の転換と光子の発生を伴う。インビボ効力 発明の2つのアルブミン結合ペプチド-DM1(マイタンシノイド)-抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)のインビボ効力は、高度にHER2を発現するトランスジェニック外植マウスモデルによって測定される(実施例12、実施例10)。同種移植片は、ハーセプチン(登録商標)治療法に応答しないか僅かにしか応答しないFo5mmtvトランスジェニックマウスから増殖される。被験者を、ABP-rhuFab4D5-cys(軽鎖)-DM1;ABP-rhuFab4D5-cys(重鎖)-DM1;及びプラセボPBSバッファーコントロール(ビヒクル)で一回処置し、3週にわたってモニターし、腫瘍が倍になる時間、対数細胞死滅、及び腫瘍収縮を測定した。抗体-薬剤コンジュゲートの投与 発明の抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)は治療される症状に適した任意の経路によって投与されうる。ADCは、典型的には非経口的、つまり、注入、皮下、筋肉内、静脈内、皮内、くも膜下腔内及び硬膜外投与される。薬学的製剤 発明の治療用抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)の薬学的製剤は、典型的には薬学的に許容可能な非経口ビヒクルでの非経口投与用、つまりボーラス、静脈内、腫瘍内注射として、また単位投薬形態の注射可能形態で調製される。所望の度合いの純度を有する抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)は、凍結乾燥製剤又は水溶液の形態で、場合によっては薬学的に許容可能な希釈剤、担体、賦形剤又は安定剤と混合される(Remington's Pharmaceutical Sciences(1980)16版、Osol、A.編)。抗体-薬剤コンジュゲート治療 本発明の抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)を用いて、例えば腫瘍抗原の過剰発現に特徴がある様々な疾患ないしは疾病を治療することが考慮される。例示的な症状又は過剰増殖性疾患には、良性ないし悪性の腫瘍;白血病およびリンパ系の悪性腫瘍が含まれる。他には、神経系、神経膠、星状性、視床下部、腺性、マクロファージ性、上皮性、間質性、胚盤胞性、炎症性、血管形成性、及び、自己免疫性を含む免疫性の疾患が含まれる。 一般に、治療される疾患又は障害は、癌などの過剰増殖性疾患である。ここで治療される癌の例は、限定しないが、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉芽腫、及び白血病又はリンパ系悪性腫瘍を含む。このような癌のより特定の例は、扁平細胞癌(例えば、上皮扁平細胞癌)、肺癌、例えば小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺癌の腺癌及び肺癌の扁平上皮癌、腹膜癌、肝細胞癌、胃癌(gastric又はstomach)、例えば胃腸癌、膵臓癌、神経膠芽腫、子宮頚癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝細胞癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜又は子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌又は腎癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝臓癌、肛門癌、陰茎癌、並びに頭頸部癌を含む。 ADC化合物が治療において使用されうる自己免疫疾患は、リウマチ学疾患(例えば、関節リウマチ、シェーグレン症候群、強皮症、SLE及びループス腎炎などの狼瘡、多発性筋炎/皮膚筋炎、クリオグロブリン血症、抗リン脂質抗体症候群、及び乾癬の関節炎など)、自己免疫性胃腸及び肝臓疾患(例えば、炎症性腸疾患(例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病)、自己免疫性胃炎及び悪性貧血、自己免疫性肝炎、原発性胆管萎縮症、原発性硬化性胆管炎、及び小児脂肪便病など)、血管炎(例えば、チャング-シュトラウス血管炎、ウェゲナー肉芽腫症及び多発血管炎を含むANCA-関連血管炎)、自己免疫性神経学的疾患(例えば、多発性硬化症、眼球クローヌスミオクローヌス症候群、重症筋無力症、視神経脊髄炎、パーキンソン病、アルツハイマー病、及び自己免疫性多発性神経炎など)、腎臓疾患(例えば、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、及びベルガー病など)、自己免疫性皮膚科疾患(例えば、乾癬、蕁麻疹、蕁麻疹、尋常性天疱瘡、類天疱瘡、及び皮膚紅班性狼瘡など)、血液系疾患(例えば、血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、輸血後の紫斑病、及び自己免疫溶血性貧血など)、アテローム性動脈硬化、ブドウ膜炎、自己免疫性聴覚疾患(例えば、内耳疾患及び聴力障害など)、ベーチェット病、レイノー症候群、臓器移植及び自己免疫性内分泌系疾患(例えば、インスリン依存型糖尿病(IDDM)などの糖尿病関連の自己免疫性疾患、アジソン病及び自己免疫性甲状腺疾患(例えばグレーブス病及び甲状腺炎)など)が含まれる。より好ましい前記疾患には、例えば、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、ANCA関連血管炎、狼瘡、多発性硬化症、シェーグレン症候群、グレーブス病、IDDM、悪性貧血、甲状腺炎及び糸球体腎炎が含まれる。 疾患の予防又は治療のために、ADCの適切な用量は、上述のような治療されるべき疾患のタイプ、疾患の重篤度及び過程、分子が予防目的か治療目的で投与されるかどうか、患者の臨床歴、及び抗体への応答、及び担当医師の裁量に依存する。分子は、好適には一回で又は一連の治療で患者に投与される。疾患のタイプ及び重篤度に応じて、分子の約1μg/kgから15mg/kg(例えば0.1−20mg/kg)が、例えば一又は複数回の別個の投与か又は連続注入にかかわらず、患者への投与に対する最初の候補用量である。典型的な1日の用量は、上述の要因に応じて、約1mg/kgから100mg/kg又はそれ以上の範囲となるかも知れない。患者に投与されるADCの例示的な用量は、約0.1から約10mg/kg患者体重の範囲である。症状に応じて、数日以上にわたる繰り返し投与に対して、疾患兆候の所望の抑制が生じるまで、治療が維持される。例示的な投薬レジメンは、約4mg/kgの初期負荷用量と、これに続く約2mg/kgの抗ErbB2抗体の毎週の維持用量の投与を含む。他の投薬レジメンが有用でありうる。この治療法の進行は、一般的な技術及びアッセイによって容易にモニターされる。標識抗体造影方法: 本発明の他の実施態様では、システイン改変抗体は、放射性核種、蛍光色素、バイオルミネセンスを誘発する基質成分、化学発光を誘発する基質成分、酵素、および診断用、薬物動態用、治療用の適用の造影実験のための他の検出標識を有するシステインチオールによって標識されてもよい。一般に、標識されたシステイン改変抗体、すなわち「バイオマーカー」又は「プローブ」は、注入、灌流又は経口摂取によって生きている生物体、例えばヒト、げっ歯動物、又は他の小動物、灌流される臓器、又は組織試料に投与される。プローブの分布は経時的に検出され、画像に表される。製造品 発明の他の実施態様では、上述の疾患の治療に有用な物質を含む製造品又は「キット」が提供される。製造品は容器と該容器上の又はそれに付随したラベル又はパッケージ挿入物を含んでなる。好適な容器には、例えば、ビン、バイアル、シリンジ、ブリスターパック等が含まれる。容器は、ガラス又はプラスチックなどの様々な材料から形成されうる。容器は、症状を治療するのに有効な抗体-薬剤コンジュゲート(ADC)組成物を収容し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下注射針で貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであってもよい)。組成物中の少なくとも一の活性剤はADCである。ラベル又はパッケージ挿入物は、組成物が癌のような選択した症状の治療のために使用されることを示している。あるいは、又は加えて、製造品は、薬学的に許容可能なバッファー、例えば注射用の静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンガー液及びデキストロース溶液を含む第二(又は第三)の容器を更に含みうる。それは、他のバッファー、希釈剤、フィルター、針及びシリンジを含む商業的及び使用者の見地から望ましい他の材料を更に含んでもよい。実施例実施例1−ビオチン化ThioFabファージの調製 ThioFab-ファージ(5x1012ファージ粒子)を、150倍過剰のビオチン-PEO-マレイミド((+)-ビオチニル-3-マレイミドプロピオンアミジル-3,6-ジオキサオクタンジアミン(dioxaoctainediamine), Oda等(2001) Nature Biotechnology 19:379-382, Pierce Biotechnology, Inc.)と、室温で3時間反応させた。過剰ビオチン-PEO-マレイミドを、反復PEG沈殿(3−4回)によりビオチンコンジュゲートファージから除去した。他の商業的に利用可能な、システインチオール基と反応性である求電子基を有するビオチン化標識を使用してもよく、Biotin-BMCC、PEO-Iodoacetyl Biotin、Iodoacetyl-LC-Biotin、及びBiotin-HPDP (Pierce Biotechnology, Inc.)、及びNα-(3- maleimidylpropionyl)biocytin(MPB, Molecular Probes, Eugene, OR)を含む。ビオチン化、二機能性及び多機能性リンカー試薬の他の商業的供給源は、Molecular Probes、Eugene、OR、及びSigma, St. Louis, MOを含む。実施例2−PHESELECTORアッセイ ウシ血清アルブミン(BSA)、erbB2細胞外ドメイン(HER2)及びストレプトアビジン(100μlの2μg/ml)を、Maxisorp96ウェルプレート上に別個にコートした。0.5%Tween-20(PBS中)でブロッキングした後、ビオチン化及び非ビオチン化hu4D5Fabv8-ThioFab-ファージ(2x1010ファージ粒子)を1時間室温でインキュベートし、その後西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識された二次抗体(抗M13ファージコートタンパク質、pVIIIタンパク質抗体)でインキュベートした。図8は、HER2(上)へのFab又はThioFab、ストレプトアビジン(下)へのビオチン化ThioFabの結合を描く略図によりPHESELECTORアッセイを示す。 標準的なHRP反応を実施し、吸光度を450nmで測定した。チオール反応性を、ストレプトアビジンのOD450/HER2のOD450間の比を算出することによって測定した。1のチオール反応性値は、システインチオールの完全なビオチン化を示す。Fabタンパク質結合測定の場合、hu4D5Fabv8(2−20ng)を使用し、その後HRP標識されたヤギポリクローナル抗Fab抗体でインキュベートした。実施例3a−ThioFabの発現及び精製 ThioFabsを、非サプレッサー大腸菌株である34B8における誘発により発現させた(Baca等(1997) Journal Biological Chemistry 272(16):10678-84)。収集した細胞ペレットをPBS(リン酸緩衝生理食塩水)に再懸濁させ、完全細胞溶解をマイクロフルダイザーを通過させて実施し、ThioFabをプロテインG SEPHAROSETM(Amersham)を用いアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。 ThioFab L-V15C、L-V110C、H-A88C、及びH-A121Cを発現させ、プロテイン-G SEPHAROSETMカラムクロマトグラフィーによって精製した。オリゴマー-Fabは画分26〜30に存在し、ほとんどの単量体型は画分31−34に存在した。単量体型から成る画分をプールし、野生型hu4D5Fabv8と共にSDS-PAGEによって分析し、還元(DTT又はBME有り)及び非還元(DTT又はBME無し)条件においてSDS-PAGEゲルにおいて分析した。A121C-ThioFabのゲル濾過画分を非還元SDS-PAGEにおいて分析した。 ThioFabsを上記のようにビオチン-PEO-マレイミドでコンジュゲートし、ビオチン化ThioFabをSuperdex-200TM(Amersham)ゲル濾過クロマトグラフィーによって更に精製して遊離ビオチン-PEO-マレイミド及びThioFabのオリゴマー画分を除去した。野生型hu4D5Fabv8及びhu4D5Fabv8 A121C-ThioFab(0.5mgの量)を各々別個に、100倍モル過剰のビオチン-PEO-マレイミドで3時間室温でインキュベートし、Superdex-200ゲル濾過カラムにロードし、遊離ビオチン並びに単量体型からのオリゴマーFabを分離させた。実施例3b−ThioFabの分析 ビオチン化hu4D5Fabv8(A121C)ThioFab及び野生型hu4D5Fabv8の酵素消化断片を、液体クロマトグラフィーエレクトロスプレーイオン化質量分析(LS-ESI-MS)によって分析した。ビオチン化hu4D5Fabv8(A121C)の48294.5一次質量及び野生型hu4D5Fabv8の47737.0一次質量間の差は、557.5質量単位だった。この断片は単一ビオチン-PEO-マレイミド部分(C23H36N5O7S2)の存在を示す。表8は、配列を確認する断片化値の割当てを示す。 Superdex-200ゲル濾過の前後に、ビオチン化ABP-hu4D5Fabv8-A121C、ビオチン化ABP-hu4D5Fabv8-V110C、ビオチン化二重CysABP-hu4D5Fabv8-(V110C-A88C)、及びビオチン化二重CysABP-hu4D5Fabv8-(V110C-A121C)の、DTT又はBMEでの還元の有無によるSDS-PAGEゲル分析を実施した。 hu4D5Fabv8-(V110C)-BMPEO-DM1の質量分析(MS/MS)(Superdex-200ゲル濾過精製後):Fab+1 51607.5、Fab 50515.5。このデータは91.2%のコンジュゲーションを示す。hu4D5Fabv8-(V110C)-BMPEO-DM1(還元)のMS/MS分析:LC 23447.2、LC+1 24537.3、HC(Fab) 27072.5。このデータは、全てのDM1コンジュゲーションがFabの軽鎖上であることを示す。実施例4−ABP-hu4D5Fabv8-(V110C)及びMC-MMAEのコンジュゲーションによるABP-hu4D5Fabv8-(V110C)-MC-MMAEの調製 DMSOに溶存する薬剤リンカー試薬、マレイミドカプロイル-モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、すなわちMC-MMAEを、既知濃度でアセトニトリル及び水に希釈し、そしてリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中における冷却ABP-hu4D5Fabv8-(V110C)ThioFabに加え、これらはUS7521541、US7659241、及びUS7498298に従った。約1時間後、過剰のマレイミドを加え、反応をクエンチし、何れかの未反応抗体チオール基をキャップした。反応混合物を遠心限外濾過によって濃縮し、ABP-hu4D5Fabv8-(V110C)-MC-MMAEを、PBS中におけるG25樹脂を通す溶出により精製及び脱塩し、無菌条件下で0.2μmフィルターを通して濾過し、保管のために凍結させた。実施例5−ABP-hu4D5Fabv8-(LC V110C)及びMC-MMAFのコンジュゲーションによるABP-hu4D5Fabv8-(LC V110C)-MC-MMAFの精製 ABP-hu4D5Fabv8-(LC V110C)-MC-MMAFは、実施例4の手順に従い、ABP-hu4D5Fabv8-(LC V110C)ThioFab及びMC-MMAFのコンジュゲーションにより調製される。実施例6−ABP-HC A121C-ThioFab及びMC-val-cit-PAB-MMAEのコンジュゲーションによるABP-HC A121C-ThioFab-MC-val-cit-PAB-MMAEの調製 ABP-hu4D5Fabv8-(HC A121C)-MC-val-cit-PAB-MMAEは、実施例4の手順に従い、ABP-hu4D5Fabv8-(HC A121C)及びMC-val-cit-PAB-MMAEのコンジュゲーションにより調製される。実施例7−ABP-HC A121C-ThioFab及びMC-val-cit-PAB-MMAFのコンジュゲーションによるABP-HC A121C-ThioFab-MC-val-cit-PAB-MMAFの調製 ABP-hu4D5Fabv8-(HC A121C)-MC-val-cit-PAB-MMAFは、実施例4の手順に従い、ABP-hu4D5Fabv8-(HC A121C)及びMC-val-cit-PAB-MMAFのコンジュゲーションにより調製される。実施例8−hu4D5Fabv8-(LC V110C)ThioFab-BMPEO-DM1の調製 抗体の表面上の反応していないマレイミド基を残すビス-マレイミド試薬であるBM(PEO)3 (Pierce Chemical)によってhu4D5Fabv8-(V110C) ThioFabの遊離システインを改変した。これは、50%エタノール/水混合物にBM(PEO)4を10mMの濃度にまで溶解して、10倍モル過剰のBM(PEO)3をおよそ1.6mg/ml(10μモル)の濃度のhu4D5Fabv8-(V110C) ThioFabを含むリン酸緩衝生理食塩水溶液に加えて、1時間反応させることによって行った。過剰なBM(PEO)3は、150mM NaClバッファを有する30mM クエン酸塩、pH6のゲル濾過(HiTrapカラム、Pharmacia)によって除去した。ジメチルアセトアミド(DMA)に溶解したおよそ10倍モル過剰のDM1を、hu4D5Fabv8-(V110C) ThioFab-BMPEO中間生成物に加えた。また、ジメチルホルムアミド(DMF)が薬剤成分試薬を溶解するために使用されてもよい。反応混合物を終夜反応させて、PBSにてゲル濾過又は透析を行って、反応しなかった薬剤を除去した。PBSのS200カラムのゲル濾過を用いて、高分子量集合体を取り除き、精製されたhu4D5Fabv8-(LC V110C)ThioFab-BMPEO-DM1に与えた。 同じプロトコルによって、hu4D5Fabv8(HC A121C)ThioFab-BMPEO-DM1を調製した。実施例9−インビトロ細胞増殖アッセイ ADCの効果を次のプロトコル(CellTiter Glo Luminiscent Cell Viability Assay, Promega Corp. Technical Bulletin TB288; Mendoza等(2002) Cancer Res. 62:5485-5488)を使用して細胞増殖アッセイによって測定した:1.培地中に約104の細胞(SKBR-3、BT474、MCF7又はMDA-MB-468)を有する100μlの細胞培養物のアリコートを、96ウェル、不透明ウェルプレートの各ウェルに入れた。2.コントロールウェルを培地を含み、細胞無しで調製した。3.ADCを実験ウェルに加え、3−5日間インキュベートした。4.プレートをおよそ30分間、室温に平衡化させた。5.各ウェルに存在する細胞培養培地の体積と等しい体積のCellTiter-Glo試薬を加えた。6.内容物を、細胞溶解を誘導するためにオービタルシェーカーにおいて2分間混合させた。7.プレートを、発光シグナルを安定化させるために、室温で10分間インキュベートした。8.発光を記録し、RLU=相対発行単位としてグラフに報告した。 特定の細胞が、96-ウェルプレート、50uL/ウェルにおいて、1000−2000/ウェル(PC3株)又は2000−3000/ウェル(OVCAR-3)で播種される。1(PC3)又は2(OVCAR-3)日後、ADCが、9000、3000、1000、333、111、37、12.4、4.1、又は1.4ng/mLの最終濃度まで50μL体積において加えられ、培地単独を有する「無ADC」コントロールウェルもある。条件は2つ組み又は3つ組みである。3(PC3)又は4−5(OVCAR-3)日後、100μL/ウェルのCell TiterGloIIが加えられ(ルシフェラーゼベースアッセイ;増殖がATPレベルによって測定される)、細胞数はルミノメーターを使用して決定される。データは、標準偏差エラーバーと共に、各反復のセットについて発行の平均としてプロットされる。プロトコルはCellTiter Glo Luminiscent Cell Viability Assay (Promega)の改変である: 1.1000細胞/ウェルのPC3/Muc16、PC3/neo(50μL/ウェルの培地において)のプレーティング。Ovcar3細胞は、2000細胞/ウェル(50μLの培地において)でプレーティングされなければならない。(下にレシピ)細胞を一晩接着させる。2.ADCを、作業濃度18μg/mlで開始し、培地中に1:3に段階的に希釈した(これは9μg/mlの最終濃度になる)。50μLの希釈ADCが50μLの細胞に加えられ、培地はウェルに既に存在する。3.72−96時間インキュベートする(標準は72時間だが、細胞が85−95%のコンフルエントになった時にアッセイを停止するために0ug/mL濃度を見る)。4.100μL/ウェルのPromega Cell Titer Glo試薬を加え、3分間振とうさせ、ルミノメーターを読む培地:PC3/neo及びPC3/MUC16は50/50/10%FBS/グルタミン/250μg/mLにおいて増殖、G-418 OVCAR-3はRPMI/20%FBS/グルタミンにおいて増殖実施例10−HER2を高度に発現するトランスジェニック外植片マウスにおける腫瘍増殖阻害のインビボ効率 トランスジェニック実験に好適な動物は、Taconic (Germantown, N.Y.)等の標準的な商業的供給源から得ることができる。多くの株が好適であるが、FVB雌マウスが、腫瘍形成への高い感受性により好ましい。雄FVBを交配に使用し、精管切除されたCD.1種動物(stud)を偽妊娠を刺激するために使用した。精管切除マウスは任意の商業的供給者から入手可能である。ファウンダーをFVBマウス又は129/BL6×FVB p53ヘテロ接合体マウスと繁殖させた。p53対立遺伝子にヘテロ接合性を有するマウスを、腫瘍形成を潜在的に増加させるために使用した。しかしながら、これは不必要であると判明した。よって、幾つかのF1腫瘍は混合株である。ファウンダー腫瘍はFVBのみである。6のファウンダーを幾つかの発生した腫瘍と共に得、同腹仔はなかった。 腫瘍を有する動物(Fo5 mmtvトランスジェニックマウスから増殖させた同種移植片)をADCの静脈内注射によって単回又は複数回投与処置した。腫瘍体積を、注射後、様々な時間点で評価した。 腫瘍は、HER2のラット相同体であるneuの変異的活性化形態を発現するトランスジェニックマウスにおいて直ぐに生じたが、ヒト乳癌で過剰発現されるHER2は変異されておらず、非変異HER2を過剰発現するトランスジェニックマウスでは腫瘍形成はそれほど強固ではない(Webster等(1994) Semin. Cancer Biol. 5:69-76)。 非変異HER2で腫瘍形成を改善するために、トランスジェニックマウスをHER2 cDNAプラスミドを使用して生産し、そこでは、上流ATGがかかる上流ATGコドンでの翻訳の開始を防止するために欠失され、そうでなければHER2の下流の真の開始コドンからの翻訳の開始の頻度が低減させる(例えばChild等(1999) J. Biol. Chem. 274: 24335-24341を参照)。更に、キメライントロンを5’末端に加え、これはまた先に報告されるように発現のレベルを増強する(Neuberger and Williams (1988) Nucleic Acids Res. 16:6713; Buchman and Berg (1988) Mol. Cell. Biol. 8:4395; Brinster等(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:836)。キメライントロンは、Promegaベクター、Pci-neo哺乳類発現ベクター(bp 890-1022)から得られる。cDNA3’末端は、ヒト成長ホルモンエクソン4及び5、及びポリアデニル化配列を両側に持つ。更に、FVBマウスを、この株が腫瘍形成により感受性であることから使用した。MMTV-LTRからのプロモーターを、乳腺における組織特異的HER2発現を確実にするために使用した。腫瘍形成への感受性を増加させるために、動物にAIN 76Aの食事を与えた(Rao等(1997) Breast Cancer Res. and Treatment 45:149-158)。実施例11−コンジュゲーションのためのThioMabの還元/酸化 CHO細胞において発現された完全長のシステイン操作モノクローナル抗体(ThioMab)を、約50倍過剰のTCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン ハイドロクロライド; Getz等(1999) Anal. Biochem. Vol 273:73-80; Soltec Ventures, Beverly, MA)で3時間37℃で還元した。還元されたThioMab(図11)を希釈し、10mMの酢酸ナトリウム(pH5)においてHiTrap Sカラムにロードし、0.3Mの塩化ナトリウムを含有するPBSで溶出した。溶出された還元ThioMabを、室温で一晩、200nMの水性硫酸銅(CuSO4)で処理した。デヒドロアスコルビン酸(DHAA)及び周囲空気酸化も効果的なオキシダントである。実施例12−ThioMabのコンジュゲーション thio-トラスツズマブ(HC A121C)、thio-2H9(A121C)、及びthio-3A5(A121C)を含む、実施例11からの再酸化ThioMabを、10倍過剰の薬剤-リンカー中間体、BM(PEO)3-DM1と組合せ、混合し、室温で約1時間静置してコンジュゲーションを生じさせ、thio-トラスツズマブ(HC A121C)-BMPEO-DM1、thio-2H9(HC A121C)-BMPEO-DM1、及びthio-3A5(HC A121C)-BMPEO-DM1を含むThioMab抗体-薬剤コンジュゲートを形成した。コンジュゲーション混合物をゲル濾過るすか、又はHiTrap Sカラムにロードし溶出して、過剰の薬剤-リンカー中間体及び他の不純物を除去した。 本発明は、発明の幾つかの態様の説明として意図される実施例に開示されている特定の実施態様によって範囲が限定されるものではなく、機能的に均等なあらゆる実施態様がこの発明の範囲内である。実際、ここに示し記載したものに加えて、本発明を様々に変形することは当業者にとっては明らかなものであり、添付の請求の範囲内に入ることを意図する。 全ての特許、特許出願、及び明細書中の引用文献は、全ての目的に対し、その全体が、出典明示によりここに明示的に援用される。 遊離システインアミノ酸、及び配列番号50−98から選択される重鎖における配列又は配列番号99−147から選択される軽鎖における配列を含んでなる単離されたシステイン操作抗体であって、配列におけるシステインが遊離システインアミノ酸であるシステイン操作抗体。 請求項1に記載の単離されたシステイン操作抗体であって、 (i)システイン操作抗体をコードするために、一又は複数のアミノ酸残基をシステインで置換することによって、親抗体の核酸配列を変異誘発させる工程、 (ii)システイン操作抗体を発現させる工程、及び (iii)システイン操作抗体を単離する工程を含んでなる方法によって調製されるシステイン操作抗体。 変異誘発が部位特異的変異誘発を含む請求項2に記載のシステイン操作抗体。 システイン操作抗体が、ファージ又はファージミド粒子から選択されるウィルス粒子上で発現される請求項2に記載のシステイン操作抗体。 請求項2に記載のシステイン操作抗体であって、 (i)親和性標識されたシステイン操作抗体を生成するための、チオール反応性親和性試薬とのシステイン操作抗体の反応、及び (ii)捕獲媒体への、親和性標識されたシステイン操作抗体の結合の測定を更に含んでなるシステイン操作抗体 チオール反応性親和性試薬がビオチン部分を含む請求項5に記載のシステイン操作抗体。 チオール反応性試薬がマレイミド部分を含む請求項5に記載のシステイン操作抗体。 捕獲媒体がストレプトアビジンを含む請求項5に記載のシステイン操作抗体。 システイン操作抗体が、アルブミン結合ペプチド(ABP)を含んでなる融合タンパク質である請求項1に記載のシステイン操作抗体。 ABPが、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、及び配列番号:5から選択される配列を含む請求項9に記載のシステイン操作抗体。 システイン操作抗体がモノクローナル抗体、抗体断片、二重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、及びヒト化抗体から選択される請求項1に記載のシステイン操作抗体。 抗体断片がFab断片である請求項11に記載のシステイン操作抗体。 システイン操作抗体が抗HER2抗体である請求項11に記載のシステイン操作抗体。 システイン操作抗体が、一又は複数のレセプター(1)−(36):(1)BMPR1B(骨形成タンパク質レセプター−タイプIB)(2)E16(LAT1,SLC7A5);(3)STEAP1(前立腺癌六回膜貫通型上皮抗原);(4)0772P(CA125、MUC16);(5)MPF(MPF、MSLN、SMR、巨核球増強因子、メソテリン);(6)Napi3b(NAPI−3B、NPTIIb、SLC34A2、ソリュートキャリアファミリー34(リン酸ナトリウム)、メンバー2、タイプIIナトリウム−リン酸共輸送体3b);(7)Sema5b(FLJ10372、KIAA1445、Mm.42015、SEMA5B、SEMAG、セマフォリン5bHlog、セマドメイン、7トロンボスポンジンレセプター(タイプ1及びタイプ1様)、膜貫通型ドメイン(TM)及びショート細胞質ドメイン、(セマフォリン)5B);(7)Sema5b(FLJ10372、KIAA1445、Mm.42015、SEMA5B、SEMAG、セマフォリン5bHlog、セマドメイン、7トロンボスポンジンリピート(タイプ1及びタイプ1様)、膜貫通型ドメイン(TM)及びショート細胞質ドメイン、(セマフォリン)5B);(8)PSCA hlg(2700050C12Rik、C530008O16Rik、RIKENcDNA2700050C12、RIKENcDNA2700050C12遺伝子);(9)ETBR(エンドセリンタイプBレセプター);(10)MSG783(RNF124、ハイポセティカルタンパク質FLJ20315);(11)STEAP2(HGNC_8639、IPCA−1、PCANAP1、STAMP1、STEAP2、STMP、前立腺癌関連遺伝子1、前立腺癌癌関連タンパク質1、前立腺癌六回膜貫通型上皮抗原2、六回膜貫通型前立腺癌タンパク質);(12)TrpM4(BR22450、FLJ20041、TRPM4、TRPM4B、トランジェントレセプターポテンシャルカチオンチャネル、サブファミリーM、メンバー4);(13)CRIPTO(CR、CR1、CRGF、CRIPTO、TDGF1、奇形癌腫由来増殖因子);(14)CD21(CR2(補体レセプター2)又はC3DR(C3d/エプスタイン・バーウイルスレセプター)又はHs73792);(15)CD79b(CD79B、CD79β、IGb(免疫グロブリン関連β)、B29);(16)FcRH2(IFGP4、IRTA4、SPAP1A(SH2ドメイン含有ホスファターゼアンカー型タンパク質1a)、SPAP1B、SPAP1C);(17)HER2;(18)NCA;(19)MDP;(20)IL20Rα;(21)ブレビカン;(22)EphB2R;(23)ASLG659;(24)PSCA;(25)GEDA;(26)BAFF−R(B細胞活性化因子レセプター、BLySレセプター3、BR3;(27)CD22(B細胞レセプターCD22−Bアイソフォーム);(28)CD79a(CD79A、CD79α、免疫グロブリン関連α、B細胞特異的タンパク質);(29)CXCR5(バーキットリンパ腫レセプター1、Gタンパク質共役レセプター);(30)HLA−DOB(主要組織適合複合体クラスII分子βサブユニット(Ia抗原));(31)P2X5(プリン作動性レセプターP2Xリガンドゲートイオンチャネル5);(32)CD72(B細胞分化抗原CD72、Lyb−2);(33)LY64(リンパ球抗原64(RP105)、ロイシンリッチ反復配列(LRR)ファミリーのI型膜タンパク質);(34)FcRH1(Fcレセプター様タンパク質1);(35)IRTA2(免疫グロブリンスーパーファミリーレセプタートランスロケーション関連2);及び(36)TENB2(推定膜貫通型プロテオグリカン)に結合する請求項1に記載のシステイン操作抗体。 システイン操作抗体が、一又は複数のレセプター(1)−(36): 抗体が捕獲標識、検出標識、薬剤部分、又は固相担体に共有結合されている請求項1に記載のシステイン操作抗体。 抗体がビオチン捕獲標識に共有結合されている請求項15に記載のシステイン操作抗体。 抗体が蛍光色素検出標識に共有結合されている請求項15に記載のシステイン操作抗体。 蛍光色素がフルオレセイン型、ローダミン型、ダンシル、リサミン、シアニン、フィコエリトリン、テキサスレット゛、及びその類似体から選択される請求項17に記載のシステイン操作抗体。 抗体が3H、11C、14C、18F、32P、35S、64Cu、68Ga、86Y、89Zr、99Tc、111In、123I、124I、125I、131I、133Xe、177Lu、211At、及び213Biから選択される放射性核種検出標識に共有結合されている請求項15に記載のシステイン操作抗体。 抗体がキレートリガンドによって検出標識に共有結合されている請求項15に記載のシステイン操作抗体。 キレートリガンドがDOTA、DOTP、DOTMA、DTPA及びTETAから選択される請求項20に記載のシステイン操作抗体。 抗体が、マイタンシノイド、アウリタチン、ドラスタチン、トリコテシン、CC1065、カリチアマイシン、エンジイン抗生物質、タキサン、及びアントラサイクリンから選択される薬剤部分に共有結合され、式Iを有する抗体-薬剤コンジュゲートを形成しここで、Abは抗体であり、Lはリンカーであり、Dは薬剤部分であり、そしてpは1、2、3、又は4である請求項15に記載のシステイン操作抗体。 抗体-薬剤コンジュゲートが、構造:を有する請求項22に記載のシステイン操作抗体。 Dが、構造:を有するマイタンシノイドであり、ここで、波線はリンカーへのDのイオウ原子の共有結合を示し、RはH、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-メチル-1-プロピル、2-ブチル、2-メチル-2-プロピル、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-1-ブチル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3-メチル-3-ペンチル、2-メチル-3-ペンチル、2,3-ジメチル-2-ブチル、及び3,3-ジメチル-2-ブチルから独立して選択され、mは1、2、又は3である請求項22に記載のシステイン操作抗体。 Dが、構造:及びから選択される請求項24に記載のシステイン操作抗体。 請求項25に記載のシステイン操作抗体であって、の構造を有し、nは0、1、又は2であるシステイン操作抗体。 Dが、構造:を有するモノメチルアウリスタチン薬剤部分MMAE又はMMAFである請求項22に記載のシステイン操作抗体。 抗体-薬剤コンジュゲートが、構造:から選択され、ここで、Valはバリンであり、Citはシトルリンであり、そしてpは1、2、3、又は4である請求項27に記載のシステイン操作抗体。 重鎖又は軽鎖に遊離システインアミノ酸を含んでなるシステイン操作抗体が、親抗体の核酸配列を変異誘発し、システイン操作抗体をコードするようにシステインによって一又は複数のアミノ酸を置換し;システイン操作抗体を発現させ;そしてシステイン操作抗体を単離することによって調製される。特定の高反応性のシステイン操作抗体が、PHESELECTORアッセイによって同定された。単離されたシステイン操作抗体は、捕獲標識、検出標識、薬剤部分、又は固相担体に共有結合されてもよい。 配列表


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