タイトル: | 特許公報(B2)_ダメージ毛髪改善剤及びそれを用いる毛髪のダメージを改善する方法 |
出願番号: | 2013506879 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 8/37,A61K 8/34,A61K 8/31,A61Q 5/02,A61Q 5/06,A61Q 5/12 |
佐々木 直樹 苔口 由貴 川合 清隆 JP 5801876 特許公報(B2) 20150904 2013506879 20110325 ダメージ毛髪改善剤及びそれを用いる毛髪のダメージを改善する方法 高級アルコール工業株式会社 391066319 平山 精孝 100113033 佐々木 直樹 苔口 由貴 川合 清隆 20151028 A61K 8/37 20060101AFI20151008BHJP A61K 8/34 20060101ALI20151008BHJP A61K 8/31 20060101ALI20151008BHJP A61Q 5/02 20060101ALI20151008BHJP A61Q 5/06 20060101ALI20151008BHJP A61Q 5/12 20060101ALI20151008BHJP JPA61K8/37A61K8/34A61K8/31A61Q5/02A61Q5/06A61Q5/12 A61K 8/00− 8/99 A61Q 1/00−90/00 国際公開第2011/013174(WO,A1) 国際公開第2010/087004(WO,A1) 特開平10−203934(JP,A) 特開2003−327513(JP,A) 特表2004−529957(JP,A) 欧州特許出願公開第2161016(EP,A1) 14 JP2011057398 20110325 WO2012131848 20121004 25 20140217 今村 明子本発明は、ダメージ毛髪改善剤及びそれを用いる毛髪のダメージを改善する方法に関する。近年、染毛剤、パーマ剤等による化学的処理、あるいは摩擦、熱等の物理的処理による毛髪のダメージが大きな問題になっている。従って、このダメージを受けた毛髪をどのようにして改善するかが大きなテーマとなっている。ここで、毛髪のダメージ改善とは、いわゆる指どおりが悪くなった毛髪及びパサパサした毛髪を改善して、毛髪にすべり感及びなめらか感を与えて、指どおりを良好にし、かつ、パサツキ感をなくすことを言う。従来、このようにダメージを受けた毛髪を改善する方法として、ツバキ油、オリーブ油等の植物油を毛髪に施与することにより、毛髪に適度な油分を補って、毛髪になめらかさ及び柔軟性を付与する方法が知られている。また、使用感を向上するために、これらの植物油に、高分子量のシリコーン、ジメチコン及び揮発性シリコーン等を併用する試みもなされている。例えば、特許文献1には、(A)40℃における動粘度が2.0〜36.0mm2s−1である炭化水素、(B)アミノ変性シリコーン、(C)ポリオキシエチレン基及びポリオキシプロピレン基を有する化合物、及び(D)オリーブ油、グレープシード油、ホホバ油及びツバキ油から選ばれる植物油を含有することを特徴とする毛髪化粧料が開示されている。上記成分(C)として、一般式R1O−[(C2H4O)p(C3H6O)q]−R2(式中、R1、R2は独立に水素原子、アルキル基又はグリセリル基を示す。p、qは独立した整数で、p=2〜70、q=2〜70を示す。)が挙げられている。該毛髪化粧料は、ごわついて広がりやすい損傷した毛髪に対して、ごわつきを改善し、毛髪の広がりを抑制して毛髪にまとまりを付与すると共に、べたつきを抑制するものである。特許文献2には、(A)植物油を1〜15質量%、(B)揮発性油分、(C)高分子量ジメチルポリシロキサン、及び(D)ヒドロキシル基、ポリオキシエチレン基及び/又はポリオキシプロピレン基を有するジメチルポリシロキサンを含有することを特徴とする毛髪化粧料が開示されている。該毛髪化粧料はジメチルポリシロキサンを主体とするものである。該毛髪化粧料は、毛髪に優れた光沢を与え、滑らかな感触を付与し、かつサラサラ感を付与するという背反する使用感を有するものである。特許文献3には、(A)高分子シリコーン、(B)揮発性炭化水素油、(C)コレステロール誘導体、(D)低粘度シリコーン油を含有する毛髪化粧料が開示されている。該毛髪化粧料は、毛髪に塗布した時の伸び、滑らかさと柔軟な感触に優れ、毛髪に対しべたつかず、かつ塗布後の毛髪に対しても滑らかな感触及び柔らかさ、適度なまとまり感を付与し得るものである。特許文献4には、(A)ヒドロキシエーテルアミン化合物、(B)高級アルコール及び/又は高級脂肪酸、(C)無機酸及び/又は有機酸、(D)ジメチルポリシロキサン及び/又はシリコーン誘導体、(E)芳香族アルコールを所定量で含み、pHが2.0〜7.0である毛髪化粧料が開示されている。該毛髪化粧料は、ダメージを受けた毛髪と、ダメージを受けていない毛髪の両方に対して、使用し始めから使用後までのなめらかさ、指どおりのよさ、サラサラ感、うるおい感等を満足させる、優れたヘアコンディショニング効果を発揮するものである。植物油のみを毛髪化粧料の構成成分とすると、毛髪に施与した際に不快なベタツキ感が生じ、また、重い仕上がりとなり、十分に満足のいく毛髪化粧料は得らない。そこで、上記文献1〜4に記載のようにシリコーン油を使用することが試みられている。このように、シリコーン油を使用するとさっぱりとした感触を付与し得、その仕上がりも軽くなるものの、毛髪への使用感の改善と言う点では十分であるとは言えなかった。また、これらの毛髪化粧料は、ジペンタエリスリトールと、炭素数5〜16の脂肪酸より成る群から選ばれる1種以上の脂肪酸とから成るエステル化合物を使用するものではなく、また、該エステル化合物の使用を示唆する記載もない。特許文献5には、ジペンタエリスリトールに、化学式R−C(COOH)H−(CH2CH2)−R(式中、Rは炭素数7の分岐の炭化水素を示す)で示される分岐型イソステアリン酸をエステル化して得られる液状エステル組成物であって、25℃における粘度が10万〜200万mPa・s、水酸基価が10〜160、曇り点が5℃未満であることを特徴とする液状エステル組成物が開示されている。該液状エステル組成物は、ジペンタエリスリトールと、特殊な分岐構造を有する炭素数18のステアリン酸とを反応して得られるものである。該液状エステル組成物は、化粧被膜の持続性に優れ、これまでに化粧料中に通常使用されていたポリブテンに匹敵する化粧被膜のツヤ及び潤い感を有すると共に、ポリブテンが有していない顔料分散性能及び含水性能をも有するものである。特許文献6には、(A)一般式R1−C(COOH)H−CH2CH2−R2(式中、R1及びR2は炭素数7の分岐の炭化水素基を示し、同じであっても異なっていてもよい)で示される分岐型イソステアリン酸をエステル化して得られる液状エステル組成物、及び、(B)シリコーン樹脂を含有することを特徴とする油性化粧料が開示されている。ここで、成分(A)は炭素数18のイソステアリン酸であり、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ジペンタエリスリトール、トリイソステアリン酸ジペンタエリスリトール、トリイソステアリン酸グリセリル及びトリイソステアリン酸ジグリセリルが挙げられている。また、成分(B)としては、トリメチルシロキシケイ酸及びパーフルオロアルキル・ポリアルキルシロキシケイ酸が挙げられている。特許文献6記載の発明は、塗布時の感覚や光沢、潤い感の持続性及び化粧効果の持続性に優れた油性化粧料を提供するものである。該油性化粧料は、好ましくは唇化粧料として使用されるものである。特開2009−51817号公報特開2009−221143号公報特開2007−223930号公報特開2007−161605号公報国際公開第2006/3992号パンフレット特開2006−111543号公報本発明は、ダメージを受けた毛髪にすべり感を与え、かつ、ダメージを受けた毛髪に存在するざらつき感を改善してなめらか感を与えるダメージ毛髪改善剤、及び、それを使用する毛髪のダメージを改善する方法を提供するものである。本発明者らは、上記の課題を解決すべく種々の検討を試みた。その結果、下記の成分(A)エステル化合物に、下記の成分(B)、(C)及び(D)より成る群から選ばれる一つ以上の物質を配合した組成物を毛髪に施与すると、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、(1)(A)ジペンタエリスリトールと、炭素数5〜16の脂肪酸より成る群から選ばれる1種以上の脂肪酸とから成り、かつジペンタエリスリトール残基と炭素数5〜16の脂肪酸残基とのモル比が1.0:3.0〜1.0:6.0であるエステル化合物、並びに、(B)炭素数16〜18の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基(ここで、これらの基に存在する水素原子が水酸基で置換されていてもよい)を有し、かつ、25℃における粘度が2,000mPa・s以下であるエステル化合物(但し、上記成分(A)を除く)、(C)炭素数16〜18の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を有し、かつ、25℃における粘度が2,000mPa・s以下であるアルコール、及び、(D)炭素数20以上の炭化水素油より成る群から選ばれる一つ以上の物質を含むダメージ毛髪改善剤である。好ましい態様として、(2)上記成分(A)100質量部に対して、上記成分(B)、(C)及び(D)より成る群から選ばれる一つ以上の物質を、成分(B)、(C)及び(D)の合計で10〜1,200質量部含む、上記(1)記載のダメージ毛髪改善剤、(3)上記成分(A)100質量部に対して、上記成分(B)、(C)及び(D)より成る群から選ばれる一つ以上の物質を、成分(B)、(C)及び(D)の合計で10〜1,000質量部含む、上記(1)記載のダメージ毛髪改善剤、(4)上記成分(A)100質量部に対して、上記成分(B)、(C)及び(D)より成る群から選ばれる一つ以上の物質を、成分(B)、(C)及び(D)の合計で10〜150質量部含む、上記(1)記載のダメージ毛髪改善剤、(5)上記成分(A)100質量部に対して、上記成分(B)、(C)及び(D)より成る群から選ばれる一つ以上の物質を、成分(B)、(C)及び(D)の合計で20〜100質量部含む、上記(1)記載のダメージ毛髪改善剤、(6)上記成分(A)のジペンタエリスリトール残基と炭素数5〜16の脂肪酸残基とのモル比が、1.0:3.5〜1.0:6.0である、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のダメージ毛髪改善剤、(7)上記成分(A)のジペンタエリスリトール残基と炭素数5〜16の脂肪酸残基とのモル比が、1.0:4.0〜1.0:6.0である、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のダメージ毛髪改善剤、(8)上記成分(A)の脂肪酸の炭素数が8〜16である、上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載のダメージ毛髪改善剤、(9)上記成分(A)の脂肪酸の炭素数が9〜16である、上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載のダメージ毛髪改善剤、(10)上記成分(A)の脂肪酸が、イソノナン酸、ネオペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソミリスチン酸及びイソパルミチン酸より成る群から選ばれる、上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載のダメージ毛髪改善剤、(11)上記成分(A)の脂肪酸がイソノナン酸である、上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載のダメージ毛髪改善剤、(12)上記成分(B)が、ネオペンタン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン、エチルヘキサン酸セチル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2、エルカ酸オレイル、イソステアリン酸イソステアリル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、イソステアリン酸ヘキシルデシル及びヒドロキシステアリン酸エチルヘキシルより成る群から選ばれる、上記(1)〜(11)のいずれか一つに記載のダメージ毛髪改善剤、(13)上記成分(C)が、イソステアリルアルコールである、上記(1)〜(12)のいずれか一つに記載のダメージ毛髪改善剤、(14)上記成分(D)が、スクワラン及びミネラルオイルより成る群から選ばれる、上記(1)〜(13)のいずれか一つに記載のダメージ毛髪改善剤を挙げることができる。本発明は、また、(15)(A)ジペンタエリスリトールと、炭素数5〜16の脂肪酸より成る群から選ばれる1種以上の脂肪酸とから成り、かつジペンタエリスリトール残基と炭素数5〜16の脂肪酸残基とのモル比が1.0:3.0〜1.0:6.0であるエステル化合物、並びに、(B)炭素数16〜18の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基(ここで、これらの基に存在する水素原子が水酸基で置換されていてもよい)を有し、かつ、25℃における粘度が2,000mPa・s以下であるエステル化合物(但し、上記成分(A)を除く)、(C)炭素数16〜18の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を有し、かつ、25℃における粘度が2,000mPa・s以下であるアルコール、及び、(D)炭素数20以上の炭化水素油より成る群から選ばれる一つ以上の物質を含む組成物を毛髪に施与して、毛髪のダメージを改善する方法である。好ましい態様として、(16)上記組成物が、上記成分(A)100質量部に対して、上記成分(B)、(C)及び(D)より成る群から選ばれる一つ以上を、成分(B)、(C)及び(D)の合計で10〜1,200質量部含む、上記(15)記載の毛髪のダメージを改善する方法、(17)上記組成物が、上記成分(A)100質量部に対して、上記成分(B)、(C)及び(D)より成る群から選ばれる一つ以上を、成分(B)、(C)及び(D)の合計で10〜1,000質量部含む、上記(15)記載の毛髪のダメージを改善する方法、(18)上記組成物が、上記成分(A)100質量部に対して、上記成分(B)、(C)及び(D)より成る群から選ばれる一つ以上を、成分(B)、(C)及び(D)の合計で10〜150質量部含む、上記(15)記載の毛髪のダメージを改善する方法、(19)上記組成物が、上記成分(A)100質量部に対して、上記成分(B)、(C)及び(D)より成る群から選ばれる一つ以上を、成分(B)、(C)及び(D)の合計で20〜100質量部含む、上記(15)記載の毛髪のダメージを改善する方法、(20)上記成分(A)のジペンタエリスリトール残基と炭素数5〜16の脂肪酸残基とのモル比が、1.0:3.5〜1.0:6.0である、上記(15)〜(19)のいずれか一つに記載の毛髪のダメージを改善する方法、(21)上記成分(A)のジペンタエリスリトール残基と炭素数5〜16の脂肪酸残基とのモル比が、1.0:4.0〜1.0:6.0である、上記(15)〜(19)のいずれか一つに記載の毛髪のダメージを改善する方法、(22)上記成分(A)の脂肪酸の炭素数が8〜16である、上記(15)〜(21)のいずれか一つに記載の毛髪のダメージを改善する方法、(23)上記成分(A)の脂肪酸の炭素数が9〜16である、上記(15)〜(21)のいずれか一つに記載の毛髪のダメージを改善する方法、(24)上記成分(A)の脂肪酸が、イソノナン酸、ネオペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソミリスチン酸及びイソパルミチン酸より成る群から選ばれる、上記(15)〜(23)のいずれか一つに記載の毛髪のダメージを改善する方法、(25)上記成分(A)の脂肪酸がイソノナン酸である、上記(15)〜(23)のいずれか一つに記載の毛髪のダメージを改善する方法、(26)上記成分(B)が、ネオペンタン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン、エチルヘキサン酸セチル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2、エルカ酸オレイル、イソステアリン酸イソステアリル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、イソステアリン酸ヘキシルデシル及びヒドロキシステアリン酸エチルヘキシルより成る群から選ばれる、上記(15)〜(25)のいずれか一つに記載の毛髪のダメージを改善する方法、(27)上記成分(C)が、イソステアリルアルコールである、上記(15)〜(26)のいずれか一つに記載の毛髪のダメージを改善する方法、(28)上記成分(D)が、スクワラン及びミネラルオイルより成る群から選ばれる、上記(15)〜(27)のいずれか一つに記載の毛髪のダメージを改善する方法を挙げることができる。本発明のダメージ毛髪改善剤、及び、それを使用する毛髪のダメージを改善する方法は、ダメージを受けた毛髪にすべり感を与え、かつ、ダメージを受けた毛髪に存在するざらつき感を改善してなめらか感を与えるものである。また、上記の効果に加えて、適度なエモリエント性及び保湿性を付与し得るばかりではなく、適度な油性感で不快なべたつきがなく、光沢性の保持効果、なめらかな使用感、密着性、化粧効果の持続性、保存安定性及び皮膚安全性をも与えるものである。本発明のダメージ毛髪改善剤において、成分(A)エステル化合物は、多価アルコールであるジペンタエリスリトールと、炭素数5〜16、好ましくは炭素数8〜16、より好ましくは炭素数9〜16の脂肪酸より成る群から選ばれる1種以上とから成る。該脂肪酸は直鎖又は分岐のいずれでもよく、また、飽和又は不飽和のいずれでもよい。例えば、n−ペンタン酸、ネオペンタン酸、n−ヘキサン酸、イソヘキサン酸、オクタン酸、イソノナン酸、ノナン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸等を挙げることができる。これらのうち、好ましくはイソノナン酸、ネオペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸が挙げられ、更に好ましくはイソノナン酸が挙げられる。成分(A)エステル化合物中のジペンタエリスリトール残基と上記脂肪酸残基とのモル比は、1.0:3.0〜1.0:6.0、好ましくは1.0:3.5〜1.0:6.0、より好ましくは1.0:4.0〜1.0:6.0である。脂肪酸残基のモル比が上記下限未満のものを得ようとして、該エステル化合物を製造する際に、ジペンタエリスリトールに対する脂肪酸のモル当量比を3.0未満にすると、ジペンタエリスリトールを十分に反応させることができず、不要な未反応のジペンタエリスリトールが、該エステル化合物を含む反応生成物中に多く残存する。従って、反応生成物全体を本発明のダメージ毛髪改善剤に使用すると、成分(A)エステル化合物が本発明の効果を十分に発揮し得ない。この現象は、該エステル化合物を製造する際に、ジペンタエリスリトールに対する脂肪酸のモル当量比を減らせば減らすほど顕著となり、脂肪酸のモル当量比が、ジペンタエリスリトールに対して約2.0以下では、過剰なジペンタエリスリトールの存在により該エステル化合物を殆ど得ることができなくなる。成分(A)ジペンタエリスリトールと上記脂肪酸とから成るエステル化合物は、ジペンタエリスリトールと上記脂肪酸とのモノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル、ペンタエステル及びヘキサエステルである。本発明に使用する該エステル化合物は、ジペンタエリスリトールと炭素数5〜16の脂肪酸とから成るエステル化合物を1種類以上、好ましくは2種類以上含む。本発明のダメージ毛髪改善剤に使用する成分(A)エステル化合物には、上記エステル化合物に加えて、上記エステル化合物を製造する際に副生成物等として生成する物質及び未反応物質を含むことができる。副生成物等として生成する物質は明らかではないが、例えば、原料由来の物質、酸無水物、ジペンタエリスリトールの自己縮合物、エステル重合物等であると推定される。これら物質の含有量は、反応に使用するジペンタエリスリトールと炭素数5〜16の脂肪酸とのモル当量比、該脂肪酸の種類等に依存して変化するが、エステル化合物とこれら副生成物等との合計に対して、好ましくは2.0質量%以下である。本発明に使用する成分(A)エステル化合物は、これらの副生成物等を分離せずして使用し得る。従って、分離等の操作を省略できると言う利点がある。もちろん、これらの副生成物等を分離除去して使用しても差し支えない。成分(A)エステル化合物の水酸基価の上限は、好ましくは340、より好ましくは200、更に好ましくは150であり、下限は特に制限はないが、好ましくは0.5である。上記上限を超えては、下記の成分(B)、(C)及び(D)等の油性基剤との相溶性が悪くなり、上記下限未満では、保湿性又はエモリエント性が乏しくなる。成分(A)エステル化合物のけん化価の上限は、好ましくは450、より好ましくは360、更に好ましくは320であり、下限は、好ましくは170、より好ましくは175、更に好ましくは180である。上記上限を超えては、毛髪に対する密着性が低下し、上記下限未満では、毛髪に適用した際に不快なべたつき感があり、毛髪のダメージを改善するために好ましくない。成分(A)エステル化合物の粘度(25℃)の上限は、好ましくは40,000mPa・s、より好ましくは24,000mPa・s、更に好ましくは20,000mPa・sであり、下限は、好ましくは500mPa・sである。上記上限を超えては、粘着性が強く、毛髪に適用した場合に不快なべたつき感があり、上記下限未満では、毛髪に対する密着性が低下し、ダメージ毛髪改善剤として好ましくない。上記粘度は、ブルックフィールド粘度計 DV‐II+(スピンドルNo.3、12rpm、25℃)により測定したものである。成分(A)エステル化合物は、ジペンタエリスリトールと、炭素数5〜16、好ましくは炭素数8〜16、より好ましくは炭素数9〜16の脂肪酸より成る群から選ばれる1種以上とを、ジペンタエリスリトール対該脂肪酸のモル当量比で1.0:3.0〜1.0:6.0、好ましくは1.0:3.5〜1.0:6.0、より好ましくは1.0:4.0〜1.0:6.0で反応させることにより製造することができる。ここで、該脂肪酸としては上記と同じものを使用することができる。ジペンタエリスリトールに対する該脂肪酸のモル当量比が、3.0未満では、上記の通り、ジペンタエリスリトールを十分に反応させることができず、不要な未反応のジペンタエリスリトールが、エステル化合物を含む反応物中に多く残存する。従って、反応物全体を本発明に使用すると、エステル化合物が本発明の効果を発揮し得ない。この現象は、エステル化合物を製造する際に、ジペンタエリスリトールに対する脂肪酸のモル当量比を減らせば減らすほど顕著となり、脂肪酸のモル当量比が、ジペンタエリスリトールに対して約2.0以下では、過剰なジペンタエリスリトールの存在によりエステル化合物を殆ど得ることができなくなる。一方、反応において、ジペンタエリスリトールに対して過剰の脂肪酸を仕込むことは可能である。しかし、生成物中に未反応の脂肪酸が含まれるとエステル化合物の性質を損なうことがある故、通常、反応後に未反応の脂肪酸を除去することが好ましい。ジペンタエリスリトールと上記脂肪酸との反応は、従来公知の方法により実施することができる。本発明のダメージ毛髪改善剤において、成分(B)エステル化合物は、炭素数16〜18の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を有し、かつ、25℃における粘度が2,000mPa・s以下である。但し、成分(B)エステル化合物には、上記成分(A)のエステル化合物は含まない。成分(B)エステル化合物としては、炭素数18の直鎖又は分岐のアルキル基を有するものが好ましい。また、上記の炭素数16〜18の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基は、これらの基に存在する水素原子が水酸基で置換されていてもよい。好ましくは、これらの基に存在する水素原子の1〜2個が水酸基で置換されていてもよい。また、25℃における粘度の下限は、好ましくは10mPa・sである。粘度が上記上限を超えては、粘着性が強く、毛髪に適用した場合に不快なべたつき感があり、上記下限未満では、毛髪に対する密着性が低下し、ダメージ毛髪改善剤として好ましくない。ここで、上記粘度は、ブルックフィールド粘度計 DV‐II+(スピンドルNo.3、12rpm、25℃)により測定したものである。成分(B)エステル化合物としては、好ましくは、ネオペンタン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン、エチルヘキサン酸セチル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2、エルカ酸オレイル、イソステアリン酸イソステアリル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル等が挙げられる。本発明のダメージ毛髪改善剤において、成分(C)アルコールは、炭素数16〜18の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を有し、かつ、25℃における粘度が2,000mPa・s以下である。成分(C)アルコールとしては、炭素数18の直鎖又は分岐のアルキル基を有するものが好ましい。また、25℃における粘度の下限は、好ましくは10mPa・sである。粘度が上記上限を超えては、粘着性が強く、毛髪に適用した場合に不快なべたつき感があり、上記下限未満では、毛髪に対する密着性が低下し、ダメージ毛髪改善剤として好ましくない。ここで、上記粘度は、ブルックフィールド粘度計 DV‐II+(スピンドルNo.3、12rpm、25℃)により測定したものである。成分(C)アルコールとしては、好ましくはイソステアリルアルコール等が挙げられる。本発明のダメージ毛髪改善剤において、成分(D)炭化水素油の炭素数は20以上であり、好ましくは20〜40である。炭素数が上記下限未満では、毛髪に対する密着性が低下し、ダメージ毛髪改善剤として好ましくなく、炭素数が上記上限を超えると粘着性が強く、毛髪に適用した場合に不快なべたつき感を生じやすい。成分(C)炭化水素油としては、好ましくは、スクワラン、ミネラルオイル等が挙げられる。本発明のダメージ毛髪改善剤において、上記成分(B)、(C)及び(D)の配合量は、成分(B)、(C)及び(D)の合計で、上記成分(A)100質量部に対して、上限が好ましくは1,200質量部、より好ましくは1,000質量部、更に好ましくは300質量部、より更に好ましくは150質量部、最も好ましくは100質量であり、下限が、好ましくは10質量部、より好ましくは20質量部、更に好ましくは30質量部である。また、成分(A)、(B)、(C)及び(D)は、ダメージ毛髪改善剤中に合計で、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜40質量%、更に好ましくは0.5〜30質量%、最も好ましくは0.5〜10質量%含めることができる。本発明の成分(A)、並びに、(B)、(C)及び(D)より成る群から選ばれる一つ以上の物質を含むダメージ毛髪改善剤は、例えば、シャンプー、ヘアトリートメント、ヘアワックス、ヘアオイル等のヘアケア化粧料に含めて使用することができる。これらにおける本発明のダメージ毛髪改善剤の含有量は、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜40質量%、更に好ましくは0.5〜30質量%である。また、上記の各ヘアケア化粧料は、従来公知の方法により調製することができる。本発明の毛髪のダメージを改善する方法は、上記成分(A)、並びに、(B)、(C)及び(D)より成る群から選ばれる一つ以上の物質を含む組成物を毛髪に施与することにより実施される。毛髪への施与は、該組成物を含めた、例えば、シャンプー、ヘアトリートメント、ヘアワックス、ヘアオイル等のヘアケア化粧料の形態で実施することが好ましい。毛髪への施与の方法は、常法に従って実施することができる。以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。<成分(A)>成分(A)及び比較成分(A)は、下記の合成実施例[成分(A)の合成]及び合成比較例のようにして製造した。合成実施例及び合成比較例合成実施例及び合成比較例において使用した物質は、特に記載のない限り下記の通りである。ジペンタエリスリトール:広栄化学工業株式会社製ジ・ペンタリット(商標)イソノナン酸[C(CH3)3CH2CH(CH3)CH2COOH]:協和発酵ケミカル株式会社製キョーワノイック−N(商標)ネオペンタン酸[(CH3)3CCOOH]:エクソンモービル有限会社製ネオペンタン酸(商標)2−エチルヘキサン酸[CH3(CH2)3CH(CH2CH3)COOH]:協和発酵ケミカル株式会社製オクチル酸(商標)ネオデカン酸[C9H19COOH、構造異性体の混合物]:エクソンモービル有限会社製ネオデカン酸(商標)イソミリスチン酸[CH3CH(CH3)(CH2)4CH[CH3CH(CH3)CH2CH2]COOHとCH3(CH2)2CH(CH3)(CH2)2CH[CH3(CH2)2CH(CH3)]COOHとの混合物]:日産化学工業株式会社製イソミリスチン酸(商標)イソパルミチン酸[CH3(CH2)7CH(C6H13)COOH]:日産化学工業株式会社製イソパルミチン酸(商標)イソブタン酸(イソ酪酸)[(CH3)2CHCOOH]:東洋合成工業株式会社製2−メチル酪酸(商標)イソステアリン酸[C17H35COOH、構造異性体の混合物]:高級アルコール工業株式会社製イソステアリン酸EX(商標)合成実施例及び合成比較例において得られたジペンタエリスリトール脂肪酸エステルの酸価、水酸基価、けん化価、粘度、密着性及び光沢性は、以下のようにして測定した。<酸価>化粧品原料基準18.酸価測定法に準拠して測定したものである。<水酸基価>化粧品原料基準24.水酸基価測定法に準拠して測定したものである。<けん化価>化粧品原料基準16.けん化価測定法に準拠して測定したものである。<粘度>ブルックフィールド粘度計 DV‐II+(スピンドルNo.3、12rpm、25℃)により測定したものである。[合成実施例1]攪拌装置、温度計、窒素ガス導入管、ディーンスターク水分計及びコンデンサーを取り付けた3,000ミリリットルの4つ口フラスコに、ジペンタエリスリトール381.5グラム(1.5mol)、イソノナン酸(炭素数9)948グラム(6.0mol)、溶媒としてのトルエン150ミリリットル、触媒としてのパラトルエンスルホン酸4.0グラムを仕込んだ。次いで、窒素を20ミリリットル/minで流しながら200℃に加熱した。該温度で、生成水を溶媒と共沸させながら留去しつつ反応させた。生成水の留出が少なくなったところで温度を220℃に上げて更に反応を続け、生成水の留出が無くなったところで反応を停止した。ここまで、反応開始から約20時間であった。次いで、温度を180℃に下げた後に減圧(約20mmHg)にして、溶媒(トルエン)を完全に除去した。得られた反応生成物に対して、常法により脱色・脱臭の精製処理を施した。ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル(淡黄色粘性油状物)952.3グラム(酸価:0.65、水酸基価:125、けん化価:277.7)が得られた。反応に使用したジペンタエリスリトール及びイソノナン酸のモル当量比は1.0:4.0であった。得られたジペンタエリスリトール脂肪酸エステルに水酸化カリウム・エタノール溶液を加えて、加水分解した。次いで、得られた加水分解生成物をろ過して、不けん化物を分離した。次いで、ろ液からエタノールを除去し、ろ液を塩酸酸性にした後、けん化物をヘキサンで抽出した。これら不けん化物及びけん化物を、夫々、常法によりシリル化及びメチル化した後、ガスクロマトグラフィー(アジレント・テクノロジー株式会社製6890N)により分析して、同定及び定量した。その結果、得られたジペンタエリスリトール脂肪酸エステルは、ジペンタエリスリトールとイソノナン酸とから成り、かつジペンタエリスリトール残基とイソノナン酸残基とのモル比が、1.0:4.0であることが分かった。[合成実施例2]イソノナン酸の仕込み量を1422グラム(9.0mol)に変えた以外は、合成実施例1と同一にして実施した。ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル(淡黄色高粘性油状物)1392グラム(酸価:0.02、水酸基価:1.1、けん化価:303.5)が得られた。反応に使用したジペンタエリスリトール及びイソノナン酸のモル当量比は1.0:6.0であった。[合成実施例3]イソノナン酸の仕込み量を711グラム(4.5mol)に変えた以外は、合成実施例1と同一にして実施した。ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル(淡黄色高粘性油状物)802グラム(酸価:0.43、水酸基価:226.1、けん化価:256.4)が得られた。反応に使用したジペンタエリスリトール及びイソノナン酸のモル当量比は1.0:3.0であった。[合成実施例4]イソノナン酸に変えてネオペンタン酸(炭素数5)を612.8グラム(6.0mol)仕込んだ以外は、合成実施例1と同一にして実施した。ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル(淡黄色高粘性油状物)815グラム(酸価:0.26、水酸基価:171.3、けん化価:376.2)が得られた。反応に使用したジペンタエリスリトール及びネオペンタン酸のモル当量比は1.0:4.0であった。[合成実施例5]イソノナン酸に変えて2−エチルヘキサン酸(炭素数8)を865.3グラム(6.0mol)仕込んだ以外は、合成実施例1と同一にして実施した。ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル(淡黄色高粘性油状物)1034グラム(酸価:0.48、水酸基価:133.8、けん化価:298.3)が得られた。反応に使用したジペンタエリスリトール及び2−エチルヘキサン酸のモル当量比は1.0:4.0であった。[合成実施例6]イソノナン酸に変えてネオデカン酸(炭素数10)を1033.6グラム(6.0mol)仕込んだ以外は、合成実施例1と同一にして実施した。ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル(淡黄色高粘性油状物)1032.5グラム(酸価:0.39、水酸基価:116.6、けん化価:259.8)が得られた。反応に使用したジペンタエリスリトール及びネオデカン酸のモル当量比は1.0:4.0であった。[合成実施例7]イソノナン酸に変えてイソミリスチン酸(炭素数14)を1370グラム(6.0mol)仕込んだ以外は、合成実施例1と同一にして実施した。ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル(淡黄色高粘性油状物)1347.9グラム(酸価:0.67、水酸基価:93.1、けん化価:204.2)が得られた。反応に使用したジペンタエリスリトール及びイソミリスチン酸のモル当量比は1.0:4.0であった。[合成実施例8]イソノナン酸に変えてイソパルミチン酸(炭素数16)を1539グラム(6.0mol)仕込んだ以外は、合成実施例1と同一にして実施した。ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル(淡黄色高粘性油状物)1431.9グラム(酸価:0.92、水酸基価:79.0、けん化価:182.4)が得られた。反応に使用したジペンタエリスリトール及びイソパルミチン酸のモル当量比は1.0:4.0であった。[合成比較例1]イソノナン酸の仕込み量を474グラム(3.0mol)に変えた以外は、合成実施例1と同一にして実施した。しかし、未反応のジペンタエリスリトールが大量に残存し、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステルを得ることが出来なかった。反応に使用したジペンタエリスリトール及びイソノナン酸のモル当量比は1.0:2.0であった。[合成比較例2]イソノナン酸に変えてイソブタン酸(イソ酪酸)(炭素数4)を528.7グラム(6.0mol)仕込んだ以外は、合成実施例1と同一にして実施した。ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル(淡黄色高粘性油状物)665.8グラム(酸価:0.15、水酸基価:189.1、けん化価:420.3)が得られた。反応に使用したジペンタエリスリトール及びイソブタン酸(イソ酪酸)のモル当量比は1.0:4.0であった。[合成比較例3]イソノナン酸に変えてイソステアリン酸(炭素数18)を1740グラム(6.0mol)仕込んだ以外は、合成実施例1と同一にして実施した。ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル(淡黄色高粘性油状物)1671.2グラム(酸価:0.05、水酸基価:74.5、けん化価:169.7)が得られた。反応に使用したジペンタエリスリトール及びイソステアリン酸のモル当量比は1.0:4.0であった。表1に合成実施例及び合成比較例により得られた各物質の性状を示す。表中、*1は、未反応のジペンタエリスリトールが大量に残存し、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステルが得られなかったものである。合成実施例1〜3は、本発明の範囲内でイソノナン酸(炭素数9)のモル当量比を変化させたものである。得られたジペンタエリスリトール脂肪酸エステルの粘度は、合成実施例2のものが著しく低くなった。合成実施例4、5、6、7及び8は、合成実施例1のイソノナン酸に代えて、夫々、炭素数5のネオペンタン酸、炭素数8の2−エチルヘキサン酸、炭素数10のネオデカン酸、炭素数14のイソミリスチン酸及び炭素数16のイソパルミチン酸を使用したものである。得られたジペンタエリスリトール脂肪酸エステルの粘度は、脂肪酸の炭素数が大きくなるに従って、小さくなる傾向が認められた。一方、合成比較例1は、合成実施例1においてイソノナン酸のモル当量比を本発明の範囲未満にしたものである。未反応のジペンタエリスリトールが大量に残存して、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステルが得られなかった。合成比較例2及び3は、合成実施例1のイソノナン酸に代えて、いずれも本発明の範囲外の炭素数を有する脂肪酸、夫々、炭素数4のイソブタン酸(イソ酪酸)及び炭素数18のイソステアリン酸を使用したものである。合成比較例2で得られたジペンタエリスリトール脂肪酸エステルの粘度は高くなったが、合成比較例3で得られたジペンタエリスリトール脂肪酸エステルの粘度は、合成実施例8で得られたジペンタエリスリトール脂肪酸エステルの粘度よりむしろ高くなった。実施例及び比較例実施例及び比較例で使用した物質は、特に記載のない限り下記の通りである。<成分(B)>ネオペンタン酸イソステアリル:高級アルコール工業株式会社製ネオライト 180P(商標)トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2:高級アルコール工業株式会社製リソレックスPGIS23(商標)トリイソステアリン:高級アルコール工業株式会社製TISG(商標)ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリチル:高級アルコール工業株式会社製ハイルーセント DPIS6(商標)、主成分は14〜16位にメチル分岐構造を有したイソステアリン酸であり、その含有量は約80%であり、その他の成分は、炭素数16以下及び炭素数18以上の脂肪酸の混合物であるエチルヘキサン酸セチル:高級アルコール工業株式会社製CEH(商標)テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2:高級アルコール工業株式会社製リソレックス PGIS24(商標)エルカ酸オレイル:コグニス製セチオールJ600(商標)イソステアリン酸イソステアリル:高級アルコール工業株式会社製ISIS(商標)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル:高級アルコール工業株式会社製KAK PTI(商標)イソステアリン酸ヘキシルデシル:高級アルコール工業株式会社製ICIS(商標)ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル:高級アルコール工業株式会社製リソカスタ IOHS(商標)<成分(C)>イソステアリルアルコール:高級アルコール工業株式会社製イソステアリルアルコール EX(商標)<成分(D)>スクワラン:高級アルコール工業株式会社製オリーブスクワラン(商標)ミネラルオイル:カネダ株式会社製ハイコールK−230(商標)<その他>トリエチルヘキサノイン:高級アルコール工業株式会社製TOG(商標)ポリクオタニウム-10:東邦化学工業株式会社製カチナールHC−100(商標)イソステアリン酸ポリグリセリル‐10:阪本薬品工業株式会社製SフェイスIS−1001P(商標)ラウリン酸ポリグリセリル‐10:高級アルコール工業株式会社製リソレックス PGL101(商標)ラウリルベタイン水溶液(30%):東邦化学工業株式会社製オバゾリンLB−SF(商標)PPG−2コカミド:川研ファインケミカル株式会社製アミゼット1PC(商標)ラウレス硫酸Na(30%):東邦化学工業株式会社製アルスコープTH−330(商標)ココイルメチルタウリンNa(30%):東邦化学工業株式会社製ネオスコープCN−30SF(商標)ジステアリン酸エチレングリコール:クラリアントジャパン株式会社製GENAPOL PMS(商標)ペンチレングリコール:高級アルコール工業株式会社製ジオール PD(商標)ステアラミドプロピルジメチルアミン:東邦化学工業株式会社製カチナールMPAS(商標)高重合メチルポリシロキサン(1):東レ・ダウコーニング株式会社製BY 22−029(商標)イソステアリン酸水添ヒマシ油:高級アルコール工業株式会社製リソカスタ MIS(商標)(イソノナン酸ポリグリセリル−2/ダイマージリノール酸)コポリマー:高級アルコール工業株式会社製ハイルーセント INDA II(商標)コハク酸ビスエトキシジグリコール:高級アルコール工業株式会社製ハイアクオスターDCS(商標)オリーブ油:カネダ株式会社製精製オリーブ油ツバキ油:JA東京島しょ利島支店製島椿(商標)マカデミアナッツ油:日光ケミカルズ株式会社製NIKKOL マカデミアナッツ油(商標)セタノール:高級アルコール工業株式会社製セタノール NX(商標)ステアリルアルコール:高級アルコール工業株式会社製ステアリルアルコール NX(商標)セトステアリルアルコール:高級アルコール工業株式会社製セトステアリルアルコール(商標)水添ナタネ油アルコール:高級アルコール工業株式会社製アルコール No.20−B(商標)ベヘニルアルコール:高級アルコール工業株式会社製ベヘニルアルコール 65(商標)ジプロピレングリコール(DPG):株式会社クラレ製DPG−RF(商標)ステアルトリモニウムクロリド:クラリアントジャパン株式会社製Genamin STAC(商標)ジステアルトリジモニウムクロリド:クラリアントジャパン株式会社製Genamin DSAC(商標)ベヘントリモニウムクロリド:クラリアントジャパン株式会社製Genamin KDM−P(商標)ジココジモニウムクロリド:竹本油脂株式会社製パイオニンB−2211(商標)アモジメチコン:東レ・ダウコーニング株式会社製SF 8452 C(商標)シクロメチコン:東レ・ダウコーニング株式会社製SH245 Fluid(商標)ジメチコン:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製TSF451−10A(商標)フェノキシエタノール:東邦化学工業株式会社製ハイソルブ EPH(商標)ヒドロキシエチルセルロース:住友精化株式会社製HEC(商標)ヒドロキシプロピルメチルセルロース:信越化学工業株式会社製メトローズ 60SH−4000(商標)(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー:クラリアントジャパン株式会社製Aristoflex AVC(商標)ペンチレングリコール:高級アルコール工業株式会社製ジオール PD(商標)1,3−ブチレングリコール(BG):高級アルコール工業株式会社製ハイシュガーケインBG(商標)ポリオクタニウム−7:ライオン株式会社製リポフローMN(商標)加水分解シルク:株式会社成和化成製プロモイスシルク‐1000Q(商標)高重合メチルポリシロキサン(1):東レ・ダウコーニング株式会社製BY 22−029(商標)ダイマージリノール酸水添ヒマシ油:高級アルコール工業株式会社製リソカスタ DA−H(商標)(イソステアリン酸ポリグリセリル−2/ダイマージリノール酸)コポリマー:高級アルコール工業株式会社製ハイルーセント ISDA(商標)(ジグリセリン/ジリノール酸/ヒドロキシステアリン酸)コポリマー:高級アルコール工業株式会社製リソカスタ HSDA(商標)コハク酸ジエチルヘキシル:高級アルコール工業株式会社製KAK DIOS(商標)イソステアリン酸ポリグリセリル‐2:高級アルコール工業株式会社製リソレックス PGIS21(商標)ステアリン酸グリセリル:理研ビタミン株式会社製ポエムV−100(商標)ステアレス−6:日本エマルジョン株式会社製EMALEX 606(商標)キャンデリラロウ:STRAHL & PITSCH社製キャンデリラワックス SP−75(商標)セレシン:日興リカ株式会社製セレシン#810(商標)マイクロクリスタリンワックス:日興リカ株式会社製精製マイクロクリスタリンワックス リンゴ酸ジイソステアリル/(ダイマージリノール酸ビスオクタデシルアミド/エチレンジアミン)コポリマー:高級アルコール工業株式会社製ハイマレート PAM(商標)セテアリルアルコール:高級アルコール工業株式会社製セトステアリルアルコール(商標)ジメチコン:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製TSF451−10A(商標)ヒドロキシエチルセルロース:住友精化株式会社製HEC(商標)ステアロイルグルタミン酸Na:味の素株式会社アミソフトHS−11P(商標)カルボマー:日光ケミカルズ株式会社製カーボポールETD2050(商標)水酸化カリウム(水酸化K)コハク酸ビスエトキシジグリコール:高級アルコール工業株式会社製ハイアクオスターDCS(商標)ホホバ油:高級アルコール工業株式会社製エコオイル RS(商標)イソドデカン:丸善石油化学株式会社製マルカゾールR(商標)軽質流動イソパラフィン:出光興産株式会社製IPソルベント2028MU(商標)ジプロピレングリコール(DPG):株式会社クラレ製DPG−RF(商標)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル:アイエスピージャパン株式会社製ESCALOL557(商標)酢酸トコフェロール:エーザイフード・ケミカル株式会社製酢酸トコフェロールオクチルドデカノール:高級アルコール株式会社製リソノール 20SP実施例及び比較例において製造した各化粧料の保存安定性、すべり易さ、ざらつき感のなさ及び皮膚安全性は、以下のようにして測定した。<保存安定性>実施例及び比較例のダメージ毛髪改善剤(シャンプー、ヘアトリートメント、ヘアワックス及びヘアオイル)を下記所定の方法により、夫々、3個ずつ調製した。次いで、25℃及び45℃の恒温槽内で、夫々、1個ずつ、いずれも1ヶ月間保存した。残りの1個を、夫々、恒温室内で−10℃、25℃、45℃の3つの温度で8時間ずつ保持して、1往復48時間かけて5往復させた。このようにして得たサンプルについて、外観の劣化(粒子の粗大化)の有無、着色着臭の有無、分離の有無について人間の五感により観察した。その結果、外観の劣化及び着色着臭については、いずれのサンプルについても変化が認められなかった。従って、評価は分離の有無のみについて判断した。評価結果は、各サンプルを目視確認し、全てのサンプルで分離がない場合を「G」で示し、一つの温度条件のサンプルに僅かにでも分離がある場合を「M」で示し、二つ以上の温度条件のサンプルに僅かにでも分離がある場合を「B」で示した。<すべり易さ及びざらつき感のなさ>試験用毛髪として、健康毛である黒100%根本揃えの人毛毛束(株式会社ビューラックス製BS−B3N(商標))を使用した。まず、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸Na水溶液(花王株式会社製エマール327(商標)、30質量%水溶液)から2質量%水溶液を作成し、次いで、これを40℃に加熱して、これに上記の試験用毛髪を30分間浸漬させた。次いで、これを約40℃の温水で2分間水洗した後、ペーパーを使用して過剰な水分を除去した。該試験用毛髪をドライヤー(株式会社石崎電機製作所製ブラジェットPJ−208A(商標))を使用して乾燥した。乾燥においては、ドライヤーと毛髪の距離を約30cmとし、熱風温度を約70℃として、乾燥中、ブラッシングを100回実施した。次いで、熱風処理後の試験用毛髪をブリーチ剤(株式会社ダリヤ製パルティ メチャフラッシュブリーチ(商標))を使用してブリーチ処理した後、30分間室温にて放置した。次いで、上記で述べたポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸Na水溶液への浸漬からブリーチ処理までの工程を5回繰り返した。次いで、更に、上記で述べたポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸Na水溶液への浸漬からドライヤーによる乾燥までの工程を1回実施した。これらの処理を行った試験用毛髪を、すべり易さ及びざらつき感のなさの測定用試料とした。該試料に、実施例及び比較例のダメージ毛髪改善剤(シャンプー、ヘアトリートメント、ヘアワックス及びヘアオイル)0.2ミリリットルを、ヘラを使用して毛束に均一に塗布した。ここで、シャンプー及びヘアトリートメントについては、塗布後に流水で約15秒間洗浄した。次いで、ドライヤー(株式会社石崎電機製作所製ブラジェットPJ−208A(商標))を使用して毛束を乾燥した。乾燥においては、ドライヤーと毛髪の距離を約30cmとし、熱風温度を約70℃として、ブラッシングを50回実施した。次いで、該毛束から毛髪100本を任意に採取して、これらの根元を揃えて、方眼紙上に幅10mm、長さ(毛髪の長手方向)50mmになるように均一に並べ、測定用毛髪サンプルを作成した。すべり易さ及びざらつき感のなさの測定用装置として、摩擦感テスター(カトーテック株式会社製KES−SE摩擦感テスター(商標)、測定条件、温度:25±3℃、荷重:25グラム、検出部:シリコーン接触子)を使用して、平均摩擦係数(MIU)及び摩擦係数変動値(MMD)を測定した。該測定を3回繰り返して、その平均値によって評価した。ここで、平均摩擦係数(MIU)をすべり易さの指標とし、そして、摩擦係数変動値(MMD)をざらつき感のなさの指標とした。すべり易さは、MIUが0.20以下のときを良好として「G」で示し、MIUが0.20を超え0.40以下のときを普通として「M」で示し、MIUが0.40を超えるとき不良として「B」で示した。また、ざらつき感のなさは、MMDが0.004以下のときを良好として「G」で示し、MMDが0.004を超え0.006以下のときを普通として「M」で示し、MMDが0.006を超えるとき不良として「B」で示した。<皮膚安全性>被試験者は男子10名及び女子10名の合計20名である。前腕屈側部皮膚に、実施例及び比較例において得られた各化粧料の0.05グラムを、直径1.0cmのリント布の付いた円型パッチテスト用絆創膏を用いて24時間閉塞貼布する。絆創膏を除去した後の1時間及び24時間における被試験者20名の皮膚状態を、下記の評価基準に従い評価した。評価には、絆創膏除去後1時間後及び24時間後のうち、反応の強いほうを採用した。(−)が20名のときを「G」、(±)が1〜2名であり他の被験者が(−)のときを「M」、(±)が3名以上であり他の被験者が(−)のとき、又は(+)〜(+++)が1名以上のときを「B」で示した。評価に際し、ヘアトリートメントは0.5%の水溶液を使用した。(評価基準)(皮膚状態) (評価)紅斑、浮腫、水疱: (+++)紅斑、浮腫 : (++)紅斑 : (+)軽微な紅斑 : (±)無紅斑、無浮腫 : (−)[実施例1〜3]シャンプー成分(A)としての合成実施例1、2及び5のエステル化合物の夫々に、まず、ポリオクタニウム‐10及び精製水を添加して、攪拌しながら80℃まで加熱した。次いで、該温度を保持しつつ攪拌しながら、イソステアリン酸ポリグリセリル‐10及びラウリン酸ポリグリセリル‐10を加えた。次いで、同じく80℃に保持しつつ、ラウリルベタイン水溶液(30%)を加えて、泡立たないように注意しつつ1,000回転で1分間アジター分散した。その後、同じく80℃に保持しつつ、得られた混合物にPPG−2コカミドを加えた。次いで、該温度を保持しつつ攪拌しながら、表2に記載した成分を、表2の上から下への記載順序に従って、順次添加した。得られた混合物を攪拌しつつ30℃まで冷却してシャンプーを調製した。[比較例1]シャンプー成分(A)の代わりに合成比較例2のエステル化合物を使用した以外は、実施例1と同一にして実施した。実施例1〜3及び比較例1の結果を表2に示した。表2及び、以下の表3〜5に示した数値の単位は全て質量%である。実施例1は、成分(A)として合成実施例1のエステル化合物を使用し、かつ、成分(B)としてネオペンタン酸イソステアリルを使用してシャンプーを製造したものである。ダメージ毛髪に対する効果であるすべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好であった。また、保存安定性及び皮膚安全性も良好であった。実施例2は、成分(A)として合成実施例2のエステル化合物を使用し、かつ、成分(B)としてネオペンタン酸イソステアリルを使用したものである。これらの配合量を実施例1に比べて増加させたものである。すべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好であった。実施例3は、成分(A)として合成実施例5のエステル化合物を使用し、かつ、成分(D)スクワランを使用したものである。すべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好であった。成分(B)及び(C)を使用せず、成分(D)スクワランの使用でも良好な結果が得られることが分かった。一方、比較例1は、実施例1の成分(A)合成実施例1のエステル化合物に代えて、合成比較例2のエステル化合物を使用したものである。すべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好ではなかった。[実施例4〜7]ヘアトリートメント表3に示した(I)及び(II)の各成分を、夫々別個に75〜80℃において均一に溶解した。次いで、組成物(I)を組成物(II)に攪拌しながら加え、ホモミキサーにより乳化した。次いで、攪拌しながら該乳化物に(III)成分を添加し、更に該混合物を攪拌しながら30℃まで冷却してヘアトリートメントを調製した。表3に評価結果を示した。[比較例2]ヘアトリートメント成分(A)の代わりに合成比較例2のエステル化合物を使用した以外は、実施例4と同一にして実施した。実施例4〜7及び比較例2の結果を表3に示した。実施例4は、成分(A)として合成実施例1のエステル化合物を使用し、かつ、成分(C)イソステアリルアルコールを使用してヘアトリートメントを製造したものである。ダメージ毛髪に対する効果であるすべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好であった。また、保存安定性及び皮膚安全性も良好であった。このように、成分(C)の使用でも良好な結果が得られることが分かった。実施例5は、成分(A)として合成実施例2のエステル化合物を使用し、かつ、成分(B)として、トリイソステアリン酸ポリグリセリ−2及びトリイソステアリンを使用したものである。同様にすべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好であった。実施例6は、成分(A)として合成実施例2のエステル化合物を使用し、成分(B)として、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリチルを使用し、かつ、成分(D)スクワランを使用したものである。非常に良好なすべり易さ及びざらつき感のなさが得られた。実施例7は、成分(A)として合成実施例1及び合成実施例5のエステル化合物を使用し、かつ、成分(B)として、エチルヘキサン酸セチルを使用したものである。やはり、すべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好であった。一方、比較例2は、実施例4の成分(A)合成実施例1のエステル化合物に代えて、合成比較例2のエステル化合物を使用したものである。すべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好ではなかった。[実施例8〜11]ヘアワックス表4に示した(I)及び(II)の各成分を、夫々別個に75〜80℃において均一に溶解した。次いで、組成物(I)を組成物(II)に攪拌しながら加え、ホモミキサーにより乳化した。次いで、該混合物を攪拌しながら30℃まで冷却してヘアワックスを調製した。表4に評価結果を示した。[比較例3]ヘアワックス成分(A)の代わりに合成比較例3のエステル化合物を使用した以外は、実施例8と同一にして実施した。実施例8〜11及び比較例3の結果を表4に示した。実施例8は、成分(A)として合成実施例2のエステル化合物を使用し、かつ、成分(B)としてエルカ酸オレイルを使用してヘアワックスを製造したものである。ダメージ毛髪に対する効果であるすべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好であった。また、保存安定性及び皮膚安全性も良好であった。実施例9は、成分(A)として合成実施例2のエステル化合物を使用し、かつ、成分(B)としてエチルヘキサン酸セチル及びイソステアリン酸イソステアリルを使用したものである。すべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好であった。実施例10は、成分(A)として合成実施例3のエステル化合物を使用し、かつ、成分(B)としてテトライソステアリン酸ポリグリセリル−2を使用したものである。すべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好であった。実施例11は、成分(A)として合成実施例3及び合成実施例4のエステル化合物を使用し、かつ、成分(D)ミネラルオイルを使用したものである。成分(B)及び(C)を使用せず、成分(D)ミネラルオイルの使用でも良好な結果が得られることが分かった。一方、比較例3は、実施例8の成分(A)合成実施例2のエステル化合物に代えて、合成比較例3のエステル化合物を使用したものである。すべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好ではなかった。[実施例12〜15]ヘアオイル表5に示した各成分を、60〜70℃において均一に溶解した。次いで、得られた混合物を攪拌しながら30℃まで冷却してヘアオイルを調製した。表5に評価結果を示した。[比較例4]ヘアオイル成分(A)の代わりに合成比較例3のエステル化合物を使用した以外は、実施例13と同一にして実施した。実施例12〜15及び比較例4の結果を表5に示した。実施例12は、成分(A)として合成実施例2のエステル化合物を使用し、かつ、成分(B)としてテトライソステアリン酸ペンタエリスリチル及びヒドロキシステアリン酸エチルヘキシルを使用してヘアオイルを製造したものである。ダメージ毛髪に対する効果であるすべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好であった。また、保存安定性及び皮膚安全性も良好であった。実施例13は、成分(A)として合成実施例3及び合成例4のエステル化合物を使用し、かつ、成分(B)としてイソステアリン酸ヘキシルデシル及びネオベンタン酸イソステアリルを使用したものである。すべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好であった。実施例14は、成分(A)として合成実施例8のエステル化合物を使用し、かつ、成分(B)としてヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリチルを使用したものである。同様に、すべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好であった。実施例15は、成分(A)として合成実施例2、合成実施例5及び合成実施例7のエステル化合物を使用し、かつ、成分(D)ミネラルオイルを使用したものである。ヘアオイルに関しても、成分(B)及び(C)を使用せず、成分(D)ミネラルオイルの使用で良好な結果が得られることが分かった。一方、比較例4は、実施例13の成分(A)合成実施例3及び合成実施例4のエステル化合物に代えて、合成比較例3のエステル化合物を使用したものである。すべり易さ及びざらつき感のなさはいずれも良好ではなかった。本発明のダメージ毛髪改善剤、及び、それを使用する毛髪のダメージを改善する方法は、ダメージを受けた毛髪にすべり感を与え、かつ、ダメージを受けた毛髪に存在するざらつき感を改善してなめらか感を与えるものである。従って、本発明のダメージ毛髪改善剤は、例えば、シャンプー、ヘアトリートメント、ヘアワックス、ヘアオイル等への使用が大いに期待される。(A)ジペンタエリスリトールと、炭素数5〜16の脂肪酸より成る群から選ばれる1種以上の脂肪酸とから成り、かつジペンタエリスリトール残基と炭素数5〜16の脂肪酸残基とのモル比が1.0:3.0〜1.0:6.0であるエステル化合物、並びに、(B)炭素数16〜18の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基(ここで、これらの基に存在する水素原子が水酸基で置換されていてもよい)を有し、かつ、25℃における粘度が2,000mPa・s以下であるエステル化合物(但し、上記成分(A)を除く)、(C)炭素数16〜18の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を有し、かつ、25℃における粘度が2,000mPa・s以下であるアルコール、及び、(D)炭素数20以上の炭化水素油より成る群から選ばれる一つ以上の物質を含むダメージ毛髪改善剤。上記成分(A)100質量部に対して、上記成分(B)、(C)及び(D)より成る群から選ばれる一つ以上の物質を、成分(B)、(C)及び(D)の合計で10〜1,000質量部含む、請求項1記載のダメージ毛髪改善剤。上記成分(A)のジペンタエリスリトール残基と炭素数5〜16の脂肪酸残基とのモル比が、1.0:4.0〜1.0:6.0である、請求項1又は2記載のダメージ毛髪改善剤。上記成分(A)の脂肪酸がイソノナン酸である、請求項1〜3のいずれか一つに記載のダメージ毛髪改善剤。上記成分(B)が、ネオペンタン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン、エチルヘキサン酸セチル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2、エルカ酸オレイル、イソステアリン酸イソステアリル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、イソステアリン酸ヘキシルデシル及びヒドロキシステアリン酸エチルヘキシルより成る群から選ばれる、請求項1〜4のいずれか一つに記載のダメージ毛髪改善剤。上記成分(C)が、イソステアリルアルコールである、請求項1〜5のいずれか一つに記載のダメージ毛髪改善剤。上記成分(D)が、スクワラン及びミネラルオイルより成る群から選ばれる、請求項1〜6のいずれか一つに記載のダメージ毛髪改善剤。(A)ジペンタエリスリトールと、炭素数5〜16の脂肪酸より成る群から選ばれる1種以上の脂肪酸とから成り、かつジペンタエリスリトール残基と炭素数5〜16の脂肪酸残基とのモル比が1.0:3.0〜1.0:6.0であるエステル化合物、並びに、(B)炭素数16〜18の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基(ここで、これらの基に存在する水素原子が水酸基で置換されていてもよい)を有し、かつ、25℃における粘度が2,000mPa・s以下であるエステル化合物(但し、上記成分(A)を除く)、(C)炭素数16〜18の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を有し、かつ、25℃における粘度が2,000mPa・s以下であるアルコール、及び、(D)炭素数20以上の炭化水素油より成る群から選ばれる一つ以上の物質を含む組成物を毛髪に施与して、毛髪のダメージを改善する方法。上記組成物が、上記成分(A)100質量部に対して、上記成分(B)、(C)及び(D)より成る群から選ばれる一つ以上の物質を、成分(B)、(C)及び(D)の合計で10〜1,000質量部含む、請求項8記載の毛髪のダメージを改善する方法。上記成分(A)のジペンタエリスリトール残基と炭素数5〜16の脂肪酸残基とのモル比が、1.0:4.0〜1.0:6.0である、請求項8又は9記載の毛髪のダメージを改善する方法。上記成分(A)の脂肪酸がイソノナン酸である、請求項8〜10のいずれか一つに記載の毛髪のダメージを改善する方法。上記成分(B)が、ネオペンタン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン、エチルヘキサン酸セチル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2、エルカ酸オレイル、イソステアリン酸イソステアリル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、イソステアリン酸ヘキシルデシル及びヒドロキシステアリン酸エチルヘキシルより成る群から選ばれる、請求項8〜11のいずれか一つに記載の毛髪のダメージを改善する方法。上記成分(C)が、イソステアリルアルコールである、請求項8〜12のいずれか一つに記載の毛髪のダメージを改善する方法。上記成分(D)が、スクワラン及びミネラルオイルより成る群から選ばれる、請求項8〜13のいずれか一つに記載の毛髪のダメージを改善する方法。