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タイトル:公表特許公報(A)_高親和性レプチン及びレプチンアンタゴニスト
出願番号:2013505598
年次:2013
IPC分類:C12N 15/09,A61K 38/00,A61P 43/00,A61P 1/16,A61P 9/10,A61P 3/10,A61P 25/00,A61P 35/00,A61P 1/04,A61P 29/00,A61P 37/06,A61P 3/04,A61K 31/575,A61K 38/28,C07K 14/575,A01K 67/027,G01N 33/50,G01N 33/15


特許情報キャッシュ

ガートラー、アリアー エリナフ、エラン ハルパーン、ザミール JP 2013524807 公表特許公報(A) 20130620 2013505598 20110417 高親和性レプチン及びレプチンアンタゴニスト イッサム リサーチ ディベロプメント カンパニー オブ ザ ヘブリュー ユニバーシティ オブ エルサレム リミテッド 504303573 ザ メディカル リサーチ, インフラストラクチャー, アンド ヘルス サーヴィシーズ ファンド オブ ザ テル アヴィヴ メディカル センター 509142793 特許業務法人浅村特許事務所 110000855 ガートラー、アリアー エリナフ、エラン ハルパーン、ザミール US 61/379,478 20100902 US 61/326,908 20100422 C12N 15/09 20060101AFI20130524BHJP A61K 38/00 20060101ALI20130524BHJP A61P 43/00 20060101ALI20130524BHJP A61P 1/16 20060101ALI20130524BHJP A61P 9/10 20060101ALI20130524BHJP A61P 3/10 20060101ALI20130524BHJP A61P 25/00 20060101ALI20130524BHJP A61P 35/00 20060101ALI20130524BHJP A61P 1/04 20060101ALI20130524BHJP A61P 29/00 20060101ALI20130524BHJP A61P 37/06 20060101ALI20130524BHJP A61P 3/04 20060101ALI20130524BHJP A61K 31/575 20060101ALI20130524BHJP A61K 38/28 20060101ALI20130524BHJP C07K 14/575 20060101ALI20130524BHJP A01K 67/027 20060101ALI20130524BHJP G01N 33/50 20060101ALI20130524BHJP G01N 33/15 20060101ALI20130524BHJP JPC12N15/00 AA61K37/02A61P43/00 111A61P1/16A61P9/10A61P3/10A61P25/00A61P35/00A61P1/04A61P29/00 101A61P29/00A61P37/06A61P3/04A61K31/575A61K37/26C07K14/575A01K67/027G01N33/50 ZG01N33/15 Z AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW IL2011000322 20110417 WO2011132189 20111027 57 20121019 2G045 4B024 4C084 4C086 4H045 2G045AA29 2G045AA40 2G045BA13 2G045BB20 2G045CB01 2G045CB17 2G045DA13 2G045DA36 2G045FA37 2G045FB01 2G045FB02 2G045FB03 2G045FB12 2G045GC07 2G045GC10 2G045GC15 4B024AA01 4B024AA11 4B024BA01 4B024CA04 4B024CA20 4B024DA12 4B024EA04 4B024GA14 4B024HA14 4C084AA02 4C084BA42 4C084BA44 4C084DB34 4C084DC50 4C084MA02 4C084NA05 4C084NA14 4C084ZA021 4C084ZA451 4C084ZA661 4C084ZA701 4C084ZA751 4C084ZB082 4C084ZB112 4C084ZB151 4C084ZB261 4C084ZC351 4C084ZC411 4C086AA01 4C086DA11 4C086MA02 4C086MA04 4C086NA05 4C086ZC41 4H045AA10 4H045AA30 4H045BA10 4H045CA40 4H045DA30 4H045EA20 4H045FA74 4H045GA23 本発明はレプチン受容体への結合親和性の増大したレプチン突然変異タンパク質、特にレプチンアンタゴニスト、及びそれらを含む医薬組成物に関する。 肥満は、多くの癌のリスクとみなされている。血清レプチンレベルは、肥満の人々でしばしば上昇している。レプチンは、多くの組織で分裂促進剤として作用する。したがって、それは、癌細胞増殖を促進するように作用しうる。実際、レプチンはin vitroで前立腺癌細胞の増殖因子として作用すること、前立腺癌細胞の移動の増大並びに血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、形質転換成長因子ベータ1(TGF−β1)及び塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)などの増殖因子の発現の増大を誘導すること、並びに前立腺癌の成長を増強することが明らかにされた。(Somasundarら、2004;Frankenberryら、2004)。 食物摂取及び脳でのエネルギー消費の調節で重要な役割を演ずる他に、レプチンは正常細胞及び腫瘍乳癌細胞で潜在的な増殖刺激因子としても作用する。それは、in vitroにおいて卵巣癌細胞で細胞増殖を誘導することが最近さらに明らかにされた(Choiら、2004)。 レプチンは、いくつかの疾患の動物モデルでTヘルパー1(Th1)細胞分化を促進し、自己免疫性応答の開始及び進行を調整することが最近明らかにされている(La Cava及びMatarese、2004)。レプチンの役割が炎症性腸症候群などのTh1媒介自己免疫性疾患又は炎症性疾患で根本的であるならば、末梢レプチン作用を妨害することによる治療効果を予測することができる(Matareseら、2005)。レプチンは慢性関節リウマチの発病、及び多発硬化症のマウスモデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の発生に関与することがさらに明らかにされている(Peelmanら、2005)。 したがって、レプチン及びレプチンアンタゴニストの両方は、治療潜在能を有する。レプチンは肥満の処置のための潜在的薬剤としては過去に退けられていたが、最近、アミリン類似体(Turekら、2010)又は化学的シャペロン(Ozcanら、2009)と併用して有効なことが報告されている。インスリンと併用するレプチンは、1型糖尿病のマウスで改善をもたらすことが同様に明らかにされた(Wangら、2010)。 本明細書で完全に開示されるかのように参照により本明細書に完全に組み込まれる国際出願PCT/IL2005/001250は、野生型ヒトレプチンの39〜42位に対応する位置の疎水性結合部位の配列LDFIの少なくとも2つのアミノ酸残基が、それらの部位の疎水性が低くなるように、異なるアミノ酸残基で置換されている合成レプチンアンタゴニストの使用を開示している。レプチンアンタゴニストは、例えばメタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪肝炎、アテローム硬化症、II型糖尿病、食欲不振、悪液質、癌、自己炎症性及び自己免疫性疾患、例えば多発硬化症、炎症性腸症候群又は慢性関節リウマチの処置で有用である。 より低い用量で効率的な処置を促進するために、これらのレプチンアンタゴニスト及びアゴニストのそれらの標的受容体への親和性を増大させる、満たされていない必要性がある。 本発明により、哺乳動物の天然のレプチン、又はWO2006/056987に開示されているレプチンアンタゴニストへの特定の突然変異の導入は、レプチン受容体へのレプチン又はレプチンアンタゴニストの結合親和性を増大させることを我々は今回見出した。 したがって、一態様では、本発明は、負荷電していない異なるアミノ酸残基で置換された野生型ヒトレプチンの23位に対応する位置にアスパラギン酸(D23)を有するか、又は疎水性である異なるアミノ酸残基で置換された野生型ヒトレプチンの12位に対応する位置にトレオニン(T12)を有することによってさらに改変されている、WO2006/056987に開示されている改変哺乳動物レプチンのポリペプチド;前記改変哺乳動物レプチンポリペプチドの、それ自体レプチンアンタゴニストである断片;又は改変哺乳動物レプチンポリペプチド若しくはその断片の薬学的に許容される塩からなる合成レプチンアンタゴニストに関する。 特定の実施形態では、D23はロイシンで置換されており、特に、合成レプチンアンタゴニストは配列番号1に示すアミノ酸配列からなる。 別の態様では、本発明は、D23が負荷電していない異なるアミノ酸残基で置換されているか、又はT12が疎水性である異なるアミノ酸残基で置換されている改変哺乳動物レプチンポリペプチド;D23が負荷電していない異なるアミノ酸残基で置換されているか、又はT12が疎水性である異なるアミノ酸残基で置換されている、それ自体レプチンアゴニストである前記改変哺乳動物レプチンポリペプチドの断片;又は改変哺乳動物レプチンポリペプチド若しくはその断片の薬学的に許容される塩を含む合成レプチンアゴニストに関する。 さらに別の態様では、本発明は、前記レプチンアンタゴニスト又はアゴニストをコードする単離されたDNA分子を提供する。 さらなる態様では、本発明は、前記合成レプチンアンタゴニスト若しくはアゴニスト、又はその断片、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。 アンタゴニストを含む医薬組成物は、過剰なレプチン又はレプチンシグナル伝達が関係する状態、例えばメタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪肝炎、アテローム硬化症、II型糖尿病、食欲不振、悪液質、癌又は多発硬化症、炎症性腸症候群若しくは慢性関節リウマチなどの自己炎症性及び自己免疫性疾患の処置で用いることができ、アゴニストを含む医薬組成物は、肥満、過食関連の症候群、1型糖尿病、メタボリックシンドローム及びアテローム硬化症から選択される、異常なレプチンシグナル伝達が関係する疾患若しくは状態の処置、又は血管形成の促進において用いることができる。 さらに別の態様では、本発明は、そのゲノムが、誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される、本発明による合成レプチンアンタゴニスト、又はD23及びT12を有する合成レプチンアンタゴニストをコードするDNA分子を含む遺伝子を含む、トランスジェニックマウスを提供する。 本発明のトランスジェニックマウスは、好ましくはインスリン抵抗性、並びに増大したレベルの血中インスリン及び血糖を示し、したがって、高血糖、高脂血症2型真性糖尿病及びインスリン抵抗性からなる群から選択される疾患又は障害のための治療活性を有する物質をスクリーニングする方法で用いることができ、前記方法は、(1)トランスジェニックマウスに試験物質を投与する工程と;(2)前記疾患又は障害又は前記疾患若しくは障害の症状がトランスジェニックマウスで抑制されるかどうか確認する工程と;(3)前記疾患又は障害又は前記疾患若しくは障害の症状がトランスジェニックマウスで抑制されるとき、前記疾患又は障害のための治療活性を有する物質として試験物質を選択する工程とを含む。酵母細胞でレプチンを発現するプラスミドの模式構造を表す図である。Aga2、Aga2タンパク質;HA、血球凝集素。マウスレプチンの酵母表面提示のフローサイトメトリー分析を示す図である。マウスモノクローナル抗体9e10及びFITCとコンジュゲートしたヤギ抗マウス抗体を用いて、c−mycエピトープタグが検出された。マウスレプチンの酵母表面提示のフローサイトメトリー分析を示す図である。発現されたレプチンは、ビオチン化可溶性ヒトレプチン受容体(hLBD)及びストレプトアビジン−フィコエリトリン(SA−PE)コンジュゲートを用いて検出された。マウスレプチンの酵母表面提示のフローサイトメトリー分析を示す図である。2つの標識は、FACSARIAフローサイトメトリー系を用いて、同時に検出することができた。選別実験の1つからの代表的な図面を示す図である。図3Aは、非標識hLBDとの競合の前のライブラリーを示す図である。競合に負けなかった酵母細胞は、さらなる2サイクルの増殖及び選択のために収集された。FL1−H及びFL2−Hは、フローサイトメトリー実験(励起488nm)で用いられた2つの放出フィルターを指す。選別実験の1つからの代表的な図面を示す図である。図3Bは、非標識hLBDとの競合の後のライブラリーを示す図である。競合に負けなかった酵母細胞は、さらなる2サイクルの増殖及び選択のために収集された。FL1−H及びFL2−Hは、フローサイトメトリー実験(励起488nm)で用いられた2つの放出フィルターを指す。3回目のスクリーニングサイクルの後に選択された13個の酵母クローンでの可溶性ヒトレプチン受容体(hLBD)に対する親和性の測定を表す図である。MFI、平均蛍光強度;mlep wt、マウス野生型レプチン。3回目のスクリーニングサイクルの後に選択された13個の酵母クローンでの可溶性ヒトレプチン受容体(hLBD)に対する親和性の測定を表す図である。MFI、平均蛍光強度;mlep wt、マウス野生型レプチン。β−メルカプトエタノールの存在下(+)又は不在下(−)で15%ゲルに流した、D23で突然変異させたマウスレプチンアンタゴニスト(MLA)の8つの変異体のSDS−PAGEを示す図である。WTマウスレプチン(mlep wt)を対照として流した。分子質量マーカーのサイズ(上から下までkDaで)は:250、150、100、75、50、37、25、20、15及び10であった。β−メルカプトエタノールの存在下(+)又は不在下(−)で15%ゲルに流した、D23で突然変異させたマウスレプチンアンタゴニスト(MLA)の8つの変異体のSDS−PAGEを示す図である。WTマウスレプチン(mlep wt)を対照として流した。分子質量マーカーのサイズ(上から下までkDaで)は:250、150、100、75、50、37、25、20、15及び10であった。β−メルカプトエタノールの存在下(+)又は不在下(−)で15%ゲルに流した、D23で突然変異させたマウスレプチンアンタゴニスト(MLA)の8つの変異体のSDS−PAGEを示す図である。WTマウスレプチン(mlep wt)を対照として流した。分子質量マーカーのサイズ(上から下までkDaで)は:250、150、100、75、50、37、25、20、15及び10であった。TN緩衝液pH8中で0.8ml/分でSuperdex75カラムの上で展開した、D23で突然変異させたMLAの8つの変異体のゲル濾過分析を表す図である。TN緩衝液pH8中で0.8ml/分でSuperdex75カラムの上で展開した、D23で突然変異させたMLAの8つの変異体のゲル濾過分析を表す図である。TN緩衝液pH8中で0.8ml/分でSuperdex75カラムの上で展開した、D23で突然変異させたMLAの8つの変異体のゲル濾過分析を表す図である。TN緩衝液pH8中で0.8ml/分でSuperdex75カラムの上で展開した、D23で突然変異させたMLAの8つの変異体のゲル濾過分析を表す図である。TN緩衝液pH8中で0.8ml/分でSuperdex75カラムの上で展開した、D23で突然変異させたMLAの8つの変異体のゲル濾過分析を表す図である。TN緩衝液pH8中で0.8ml/分でSuperdex75カラムの上で展開した、D23で突然変異させたMLAの8つの変異体のゲル濾過分析を表す図である。TN緩衝液pH8中で0.8ml/分でSuperdex75カラムの上で展開した、D23で突然変異させたMLAの8つの変異体のゲル濾過分析を表す図である。TN緩衝液pH8中で0.8ml/分でSuperdex75カラムの上で展開した、D23で突然変異させたMLAの8つの変異体のゲル濾過分析を表す図である。マウスレプチンアンタゴニスト(MLA)及び超活性MLA(SMLA)の生物的活性の比較を示す図である。FI、蛍光強度。ポリエチレングリコール(PEG)−MLA及びPEG−SMLAの生物的活性の比較を示す図である。FI、蛍光強度。マウスレプチンアンタゴニスト(MLA)及び超活性MLA(SMLA)の結合特性の比較を示す図である。FI、蛍光強度。ポリエチレングリコール(PEG)−MLA及びPEG−SMLAの結合特性の比較を示す図である。FI、蛍光強度。マウスOBRbで安定してトランスフェクトさせたCHO細胞でSMLA及びMLAによるSTAT3リン酸化の阻害を比較するウェスタンブロットを示す図である。P−STAT、リン酸化STAT;t−STAT、全STAT。棒グラフで表される図8Aのバンドの定量化を示す図である。FI、蛍光強度;D23L、SMLA。β−メルカプトエタノールの存在下(+)又は不在下(−)で12%ゲルに流したPEG−SMLAのSDS−PAGEを示す図である(分子質量マーカー(上から下までkDaで)は:150、100、75、50、37、25及び20であった)。TN緩衝液pH8中での0.7ml/分でのSuperdex200カラム上のPEG−SMLAのゲル濾過分析を示す図である。マウスの体重増大に及ぼすPEG−MLA及びPEG−SMLA(superANTと印される)の影響の比較を示す図である。両方の物質を6.25mg/kgで毎日注射した。20日後、注射を中止し、マウスの体重をさらに10日間調べた。用量反応実験におけるマウスの体重増大に及ぼすPEG−MLA及びPEG−SMLAの影響の比較を示す図である。両方の物質を20、6.7、2.2及び0.72mg/kgで17日間毎日注射した。結果は、平均±SEM、n=8である。HLA、SHLA、SMLA、PEG−HLA及びPEG−SHLAの生物的活性の比較を示す図である。FI、蛍光強度。HLA、SHLA、SMLA、PEG−HLA及びPEG−SHLAの生物的活性の比較を示す図である。FI、蛍光強度。HLA、SHLA、SMLA、PEG−HLA及びPEG−SHLAの結合特性の比較を示す図である。HLA、SHLA、SMLA、PEG−HLA及びPEG−SHLAの結合特性の比較を示す図である。雌マウスでの体重増大に及ぼすPEG−SMLA及びPEG−SHLAの影響の比較を示す図である。両方の物質を、0日目(矢印)から開始して17日間、6.25mg/kgで毎日注射した。*で印した全ての箇所で、両方の処置はビヒクルから有意に異なった(p<0.05)が、それら相互間では有意に異ならなかった。結果は、平均±SEM、n=8である。PEG−SMLA、PEG−スーパーマウスレプチンアンタゴニスト;PEG−SHLA、PEG−スーパーヒトレプチンアンタゴニスト。平均の比較した食物及び水の摂取量を示す図である。両方の物質を、0日目(矢印)から開始して17日間、6.25mg/kgで毎日注射した。*で印した全ての箇所で、両方の処置はビヒクルから有意に異なった(p<0.05)が、それら相互間では有意に異ならなかった。結果は、平均±SEM、n=8である。PEG−SMLA、PEG−スーパーマウスレプチンアンタゴニスト;PEG−SHLA、PEG−スーパーヒトレプチンアンタゴニスト。マウスレプチンの結合部位IIの分子モデルを表す図である。CRH2への結合に影響を及ぼす結合部位II中の残基は、黄色である。レプチン受容体のCRH2サブドメインへの結合及びレプチン受容体活性化の両方に影響を及ぼす結合部位II中の残基はオレンジ色であり、D23は緑色である。T12残基は、結合ドメインIIの一部である。Iserentantら(2005)から。超活性レプチンアンタゴニストが浸入する単核食細胞の阻害によって自然炎症からの保護を誘導することを示す図である。PEG−SMLA(20mg/kg)又はPEG−レプチン(PEG−Lep;0.4mg/kg)を、雌C57blマウスに腹腔内へ4日間投与した。0分時のリポ多糖(LPS;10μg/kg)及びD−ガラクトースアミン(DgalN;600mg/kg)の投与による自然免疫応答の活性化によって誘導される肝炎の誘導がこれに続いた。超活性レプチンアンタゴニストが浸入する単核食細胞の阻害によって自然炎症からの保護を誘導することを示す図である。定常状態、LPS及びDgalNの投与前の時期の細胞集団;1.5時間時のLPA/D−GalN、LPS及びDgalNの投与の1.5時間後の細胞集団;肝CD45+CD11b+CD11−F4/80+浸入性及び常在性マクロファージ集団の集団を、それぞれゲートP4及びゲートP5に表す;CD11b及びF4/80は、マクロファージのマーカーである。 WO2006/056987は、その部位の疎水性が低くなるように、他のアミノ酸による野生型のヒト又はヒト以外の哺乳動物のレプチン配列の39〜42位のLDFI疎水性結合部位のアミノ酸の少なくとも2つの置換が、野生型レプチンアゴニストをレプチンアンタゴニストに形質転換することを教示する。このアンタゴニストは、レプチン受容体に対して元のアゴニストと同じ親和性を有する。レプチン受容体に対して野生型ホルモンと同じ親和性を有するレプチンアンタゴニストを用いてin vivoで効率的にレプチン作用を阻害するために、10〜100倍過剰のアンタゴニストが必要である。この高い比を低下させるために2つの方法がある:(1)ペグ化によってアンタゴニストの半減期を延長すること;及び(2)レプチン受容体に対するアンタゴニストの親和性を増大させ、その後両方の手法を組み合わせること。後者の手法が本出願で実施された。 本研究で、レプチン(アゴニスト)遺伝子のPCRの誤りがちなランダム突然変異生成を用い、続いて酵母表面提示方法を用いる高親和性レプチン突然変異体の選択及び同定、その後大腸菌(Escherichia coli)での組換え型タンパク質としての高親和性突然変異体の調製が続いた。 スクリーニングでは、単一の突然変異を有する高親和性突然変異タンパク質及び多重突然変異を有する突然変異タンパク質を同定した。哺乳動物への突然変異タンパク質の投与の後、それらの免疫原性が弱くなる可能性があり、したがって中和抗体の生成を誘導する可能性が低くなるので、突然変異をほとんど有しない親和性の増大した突然変異タンパク質は、多重突然変異を有する突然変異タンパク質より有利である。3回目のスクリーニングでは、以下に示す、単一の突然変異を有する2つの高親和性突然変異タンパク質が発見された:ヒスチジンで置換されたD23を有する突然変異タンパク質及びイソロイシンで置換されたT12を有する突然変異タンパク質(例1を参照)。 その後、レプチンアゴニストをレプチンアンタゴニストに形質転換する突然変異を、レプチン受容体に対して高い親和性を有するレプチン突然変異体に導入した。この方法で、レプチン受容体に対して高い親和性を有するレプチンアゴニスト及びレプチンアンタゴニストの両方が生成された。下の例3に示すように、負荷電していないアミノ酸残基によるD23の合理的な突然変異生成による置換は、最も強力なレプチンアンタゴニストをもたらした。 WO2006/056987のレプチンアゴニストは、本明細書でMLA(マウスレプチンアンタゴニスト)又はHLA(ヒトレプチンアンタゴニスト)と呼ばれるが、本発明の改良されたレプチンアゴニスト及びアンタゴニストは、本明細書で接頭辞「超活性」を加えて呼ばれる。したがって、例えば、改良されたマウスレプチンアンタゴニストは「SMLA」又は超活性マウスレプチンアンタゴニストと呼ばれ、改良されたヒトレプチンアンタゴニストは本明細書で「SHLA」又は超活性ヒトレプチンアンタゴニストと呼ばれる。 本明細書で開示されるタンパク質又はその断片中の特定のアミノ酸残基の位置は、配列番号2に表される野生型ヒトレプチンのナンバリングによるものであり、そのアミノ酸残基の一文字コード、及び野生型ヒトレプチンでのその位置を参照することによって命名される。したがって、例えば、本明細書でD23とも呼ばれる野生型ヒトレプチンの23位に対応する位置のアスパラギン酸は、タンパク質化学の分野で周知である整列アルゴリズムに従って、レプチン断片又は異なるサイズの相同的哺乳動物レプチンでもD23と呼ばれる。別のアミノ酸残基による特定の位置のアミノ酸残基の置換は、アミノ酸残基の一文字コード、上で規定されるその位置、及び元のアミノ酸残基を置換するアミノ酸残基の一文字コードを参照することによって命名される。したがって、例えば、グリシンによるD23の置換は、D23Gと命名される。 三次元レプチン構造は13年前(Zhangら 1997)に報告されたが、レプチンとレプチン受容体の間の結晶化複合体はこれまで明らかにされなかった。そのような構造の欠如は、本出願で報告されるD23L又は他のD23突然変異の有効な構造解読を妨げる。したがって、提案された解読は、過去の年に報告された理論的複合体モデルに基づく(Peelmanら 2004、Iserentantら 2005、Peelmanら 2006)。それらの報告は、レプチンがレプチン受容体と相互作用している3つの結合部位を有することを示唆した。部位Iの記載は十分でなく、その重要性は4つのレプチン受容体と反応する2分子のレプチンで構成される推定上の六量体複合体の形成に関連付けされている。主要な結合部位である結合部位IIはヘリックスA及びCの表面に見出され、それはレプチン受容体のCRH2サブドメインに結合する。ヒトレプチン受容体のこのサブドメインを我々の研究室でサブクローニングし、ヒト又は他の哺乳動物のレプチンと高親和性1:1複合体を形成することが可能な、レプチン結合ドメイン(LBD)と呼ばれる可溶性組換え型タンパク質として発現させた(Sandowskiら 2002)。CHR2(サイトカイン相同領域II)とも呼ばれるこのタンパク質は、前記のように酵母細胞の表面に発現される高親和性レプチン突然変異体を引き出すフックとして本出願で用いられた。部位IIIは、おそらくLRのIg様ドメインに結合し(Peelmanら 2004、Zabeauら 2003)、レプチン受容体の活性化のために必要である。分子モデリング及び突然変異生成手法を用いて(Peelmanら 2004)、構造的に近く、同じ方向に面する、ヘリックスAに位置するD9、T12、K15、T16及びR20、並びにヘリックスCに位置するQ75、N82、D85及びL86(図14を参照)が、CHR2との相互作用に関与する可能性が非常に高いことが明らかにされた。D9S、T12Q、K15S、T16N、R20N、Q75S、N82S、D85S並びにL86A、L86S、L86N及びL86Qなどのそれらの残基の突然変異は、CRH2に対するレプチンの親和性を有意に低下させ、CRH2への結合及びLRシグナル伝達の両方に影響を及ぼした。(Peelmanら 2004、Iserentantら 2005)。ここまで、D23の推定上の役割に関する報告は公表されていないが、本発明による知見(表7を参照)は、負電荷を保持しない任意のアミノ酸によるD23の置換が、ヒトレプチン結合ドメイン(hLBD;CHR2)に対する親和性及び以降の生物的活性を増大させるのに十分であったことを強く示す。結合及び細胞アッセイ(表6及び7並びに図7A〜D)においてD23L突然変異体で最も高い効果が観察され、マウスでの体重増大in vivo実験で確認された(図10及び図11)。結合アッセイによって測定される親和性の増大は最高50倍であったが、in vitroバイオアッセイでの増大は、たぶんそれらのアッセイで用いられた細胞が過剰の余剰受容体を有するので、わずか約13〜14倍であった。in vivo実験での効力の増大は計算するのがより困難であるが、上で明らかにされるように、それは9倍から27倍の範囲である。明白に示されるように、ヒト及びヒツジのレプチンアンタゴニストでの同一のD23L突然変異は、類似した結果を与えた。ヘリックスAでのマウス及びヒトの配列のアミノ酸配列は同一であることに注意すべきである。さらに、D23は全ての哺乳動物の配列で保存され、ヘリックスAでのアミノ酸配列はほとんど同一である。 D23はヘリックスAのC末端に位置し、R20、T16、T12のように同じ方向に配向される(図14)。負荷電していないアミノ酸によるその置換は、一部のまだ特定されていない拒絶作用をおそらく無効にし、したがってLBDとの相互作用を増大させる。親和性の増大は、アンタゴニスト及びアゴニスト両方の突然変異体で起こったが、アンタゴニストと対照的に、in vitroでの細胞に基づくアッセイでのアゴニストの生物的活性は増大しなかった。そのような不一致の理由は、SMLA及びSHLAの親和性の増大は、konの増大でなくkoffの減少に主に由来し(図示せず)、長期にわたる受容体の占有をもたらすという事実にたぶん関連する。そのような長期にわたる占有はアンタゴニストをより有効にするが、アゴニストの活性をおそらく増大させない。ファージディスプレイによって選択されるその突然変異体がhGH受容体に対して最大400倍の親和性の増大をさらに示したが、細胞バイオアッセイではより活性でなかったヒト成長ホルモンの場合とこれは類似している(Lowman及びWells 1993、Pearceら 1999)。 したがって、本発明は、改変哺乳動物レプチンポリペプチドであって、(i)野生型ヒトレプチンの39〜42位若しくは39〜41位に対応する位置のLDFI疎水性結合部位の2つから4つのアミノ酸残基が、前記疎水性結合部位の疎水性が低くなるように異なるアミノ酸残基で置換されるように、前記部位が改変されており、前記改変哺乳動物レプチンポリペプチドがレプチンアンタゴニストであり;(ii)野生型ヒトレプチンの23位に対応する位置のアスパラギン酸(D23)が、負荷電していない異なるアミノ酸残基で置換されているか、若しくは野生型ヒトレプチンの12位に対応する位置のトレオニン(T12)が、疎水性である異なるアミノ酸残基で置換されている上記改変哺乳動物レプチンポリペプチド;前記改変哺乳動物レプチンポリペプチドの断片であって、D23が負荷電していない異なるアミノ酸残基で置換されているか、若しくはT12が疎水性である異なるアミノ酸残基で置換されており、前記断片それ自体がレプチンアゴニストである上記断片;又は前記改変哺乳動物レプチンポリペプチド若しくはその断片の薬学的に許容される塩を含む合成レプチンアンタゴニストを提供する。 特定の実施形態では、D23は疎水性であるか正荷電したアミノ酸残基で置換されており、疎水性のアミノ酸残基はロイシン、グリシン、アラニン、トリプトファン、ヒスチジン又はフェニルアラニンであってよく;正荷電したアミノ酸残基はアルギニン又はリシンであってよい。詳細には、以降の例2で明らかにされるように、試験される突然変異タンパク質の中でレプチン受容体に対して最も高い親和性を有する突然変異タンパク質では、D23はロイシンで置換される。したがって、特定の実施形態では、D23はロイシンで置換される。 他の実施形態では、T12はイソロイシンで置換される。 グリシンによるD23の置換に加えてさらなる突然変異が導入されていた、野生型レプチンと比較してレプチン受容体に対する増大した親和性を有する突然変異タンパク質がさらに同定された。例えば、1つの突然変異タンパク質では、野生型ヒトレプチンのL68位、S97位及びS132位に対応する位置のアミノ酸残基は、他のアミノ酸残基で置換されていた。別の突然変異タンパク質では、野生型レプチンのG112位に対応する位置のアミノ酸残基は、別のアミノ酸残基で置換されていた。さらに別の突然変異タンパク質では、野生型レプチンのT37位及びG44位に対応する位置のアミノ酸残基は、他のアミノ酸残基で置換されていた。 したがって、特定の実施形態では、疎水性であるか正荷電したアミノ酸残基によるD23の置換に加えて、さらなるアミノ酸残基が以下の通りに置換されている:(a)野生型ヒトレプチンの68位に対応する位置のロイシン(L68)はメチオニンで置換されており、野生型ヒトレプチンの97位に対応する位置のセリン(S97)はフェニルアラニンで置換されており、野生型ヒトレプチンの132位に対応する位置のセリン(S132)はチロシンで置換されているか、(b)野生型ヒトレプチンの112位に対応する位置のグリシン(G112)はセリンで置換されているか、又は(c)野生型ヒトレプチンの37位に対応する位置のトレオニン(T37)はアラニンで置換されており、野生型ヒトレプチンの44位に対応する位置のグリシン(G44)はアスパラギン酸で置換されている。 さらに、任意選択でD23の置換に加えて、合成レプチンアンタゴニストは、T12I、L68M、S97F、S132Y、G112S、T37A及びG44D、並びにこれらの置換の2つ以上の任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの置換を有することができる。 上記のように、その部位の疎水性が低くなるように、他のアミノ酸による野生型のヒト又はヒト以外の哺乳動物のレプチン配列のLDFI疎水性結合部位のアミノ酸の2つから4つの置換は、野生型レプチンアゴニストをレプチンアンタゴニストに形質転換する。特定の実施形態では、2つから4つのアミノ酸残基は、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、リシン及びセリンからなる群から選択されるアミノ酸、特にアラニンで置換される。以降に提供される例では、レプチンアンタゴニストは、4つのアミノ酸残基のうちの3つがアラニンで置換された。したがって、特定の実施形態では、4つのアミノ酸残基のうちの3つはアラニンで置換される;特にL39A、D40A及びF41A。 試験した中で最も高い親和性を有するレプチンアンタゴニストは、D23がロイシンで置換されていた。したがって、特定の実施形態では、合成レプチンアンタゴニストは、(i)野生型ヒトレプチンの39〜42位に対応する位置のLDFI疎水性結合部位が、野生型ヒトレプチンの39位に対応する位置のロイシンがアラニンで置換されるように改変されており(D39A);野生型ヒトレプチンの40位に対応する位置のアスパラギン酸がアラニンで置換されており(D40A);野生型ヒトレプチンの41位に対応する位置のフェニルアラニンがアラニンで置換されており(F41A);(ii)D23がロイシンで置換されている(D23L)突然変異タンパク質である。 特定の実施形態では、突然変異D23Lを保持するヒトレプチンアンタゴニストは、配列番号1に示すアミノ酸配列を有し、突然変異D23Lを保持するマウスレプチンアンタゴニストは、配列番号3に示すアミノ酸配列を有する。 本明細書で用いるように、用語「哺乳動物」には、ヒト哺乳動物並びにヒト以外の哺乳動物が含まれる。したがって、本発明により、天然のレプチンは、ヒトレプチン又は、それらに限定されないが、ヒツジ、ラット、マウス、ウマ及びブタのレプチンなどのヒト以外の哺乳動物のレプチンであってよく、LDFI配列はヒトレプチン又はヒト以外の哺乳動物のレプチンの39〜42LDFI配列を表す。特定の実施形態では、レプチンはヒト、マウス又はヒツジのレプチンである。 以下の表6で分かるように、最初のスクリーニングアッセイで同定されたレプチンアゴニスト及びアンタゴニストのレプチン受容体への親和性は、野生型マウスレプチンと比較して約1.5倍から約35倍に及ぶ。レプチンアンタゴニストでのD23の合理的な突然変異生成は、レプチン受容体に対して約18から約64に及ぶ親和性範囲を有する突然変異タンパク質を次に明らかにした(表7)。したがって、特定の実施形態では、本発明による合成レプチンアンタゴニストは、野生型ヒトレプチンの39〜42位に対応する位置のLDFI疎水性結合部位の2つから4つのアミノ酸残基が、その疎水性結合部位の疎水性が低くなるように異なるアミノ酸残基で置換されるように、その部位だけで改変されている改変哺乳動物レプチンのそれより最高100倍、90倍、80倍、70倍、50倍、30倍又は20倍高い親和性でレプチン受容体に結合する。 さらなる実施形態では、本発明の合成レプチンアンタゴニストは、ペグ化形態であり、それに結合する可変数のポリエチレングリコール(PEG)分子を有する。約20kDaの分子量のPEGが、この目的のために適する。本発明のレプチンアンタゴニストのペグ化は、それらの安定性、それらの血漿半減期及び薬物動態を増大させる。 本発明の改変哺乳動物レプチンポリペプチドの塩も、本発明の範囲に含まれる。本明細書で用いるように、用語「塩」は、カルボキシル基の塩及びペプチド分子のアミノ基の酸付加塩の両方を指す。カルボキシル基の塩は当技術分野で公知の手段によって形成することができ、無機塩、例えばナトリウム、カルシウム、アンモニウム、第二鉄又は亜鉛の塩、及び有機塩基との塩、例えばトリエタノールアミンなどアミンと形成されるもの、アルギニン又はリシン、ピペリジン、プロカインなどと形成されるものなどが含まれる。酸付加塩には、例えば、鉱酸、例えば塩酸又は硫酸との塩、及び有機酸、例えば酢酸又はシュウ酸との塩が含まれる。好ましくは、そのような塩は、安定性、溶解性などが関係する限り、ポリペプチドの医薬特性を改変するために用いられる。 別の態様では、本発明は、本発明のレプチンアンタゴニストをコードする単離されたDNA分子に関する。特定の実施形態では、このアンタゴニストは、野生型ヒトレプチンの39〜42位に対応する位置で、置換L39A、D40A及びF41Aによって改変されているLDFI疎水性結合部位を有し、さらにD23がロイシンで置換されている。詳細には、このDNA分子は、DNA分子の発現を作動させることが可能な、誘導可能であるか構成的に活性であるプロモーターに作動可能に連結される、配列番号4のDNA配列を含む。 さらに別の態様では、本発明は、本発明の合成レプチンアンタゴニスト及び薬学的に許容される担体、特に配列番号1で表されるアミノ酸配列の合成レプチンアンタゴニストを含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、医薬組成物はペグ化形態の合成レプチンアンタゴニストを含む。 さらに、本発明と一致して、自然免疫応答の活性化によって肝炎が誘導されたマウスに投与される超活性レプチンアンタゴニストは、炎症を起こした器官への単核マクロファージ浸入の阻害によって媒介されるかなりの保護効果を提供することが見出された。自然免疫応答の変更は、その例としては炎症性腸疾患及び非アルコール性脂肪肝炎が含まれる、多くの自己炎症性及び代謝性障害の初期の発生病理の中心事象であると考えられている。レプチン経路などの代謝経路は、複数の機構を通して相互作用して、自然免疫群を調整すると仮定される。 したがって、本発明の合成レプチンアンタゴニストを含む医薬組成物は、例えばメタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪肝炎、アテローム硬化症、II型糖尿病、食欲不振(食欲不振で苦しむ対象の食欲を増進することによる)、悪液質、癌、自己炎症性及び自己免疫性疾患、例えば多発硬化症、炎症性腸症候群又は慢性関節リウマチのように、内因性レプチンの望ましくないか有害な活性又は変更された自然免疫応答が関係する任意の障害の処置で有用である。 したがって、特定の実施形態では、本発明はII型糖尿病の処置、及びインスリン抵抗性、特にヒト又はヒト以外の哺乳動物の肥満と関連するものの処置のための医薬組成物を提供する。 他の特定の実施形態では、医薬組成物は悪性の細胞増殖の阻止のために用いることができ、したがって、それらに限定されないが乳房、結腸、卵巣及び前立腺の癌などの癌の処置で役立つことができる。 本発明に従った使用のための医薬組成物は、1つ又は複数の生理的に許容される担体又は賦形剤を用いる従来の方法で製剤化することができる。担体(単数又は複数)は、組成物の他の成分に適合するという意味において「許容」されなければならず、そのレシピエントに有害であってはならない。 本発明の医薬組成物の投与方法には、それらに限定されないが、非経口、例えば静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、粘膜(例えば口腔、鼻腔内、口内、膣、直腸、眼内)、髄腔内、局所及び皮内経路が含まれる。投与は全身投与でも局部投与でもよい。 別の態様では、本発明は、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪肝炎、アテローム硬化症、II型糖尿病、食欲不振、悪液質、癌、自己炎症性及び自己免疫性疾患、例えば多発硬化症、炎症性腸症候群又は慢性関節リウマチの処置のための方法であって、必要とする患者に有効量の本発明の合成レプチンアンタゴニストを投与することを含む方法に関する。 さらに別の態様では、本発明は、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪肝炎、アテローム硬化症、II型糖尿病、食欲不振、悪液質、癌、又は自己炎症性及び自己免疫性疾患、例えば多発硬化症、炎症性腸症候群若しくは慢性関節リウマチの処置で用いるための、本発明の合成レプチンアンタゴニストに関する。 それらの潜在的な医薬用途の他に、本発明のレプチンアンタゴニストは、レプチンホルモンの生物的活性の試験のための研究手段として有用である。 本発明は、野生型ヒトレプチンの39〜42位に対応する位置に元の状態の改変されていないLDFI疎水性結合部位を有する改変哺乳動物レプチンポリペプチドからなる合成レプチンアゴニストであって、レプチンポリペプチドは、合成レプチンアンタゴニストについて先に記載の通り、レプチン受容体へのその結合親和性を向上させるように改変されている上記合成レプチンアゴニストを提供する。換言すると、本発明は、D23が負荷電していない異なるアミノ酸残基で置換されているか、若しくはT12が疎水性である異なるアミノ酸残基で置換されている改変哺乳動物レプチンポリペプチド;D23が負荷電していない異なるアミノ酸残基で置換されているか、若しくはT12が疎水性である異なるアミノ酸残基で置換されている、それ自体レプチンアゴニストである前記改変哺乳動物レプチンポリペプチドの断片;又は改変哺乳動物レプチンポリペプチド若しくはその断片の薬学的に許容される塩からなる合成レプチンアゴニストを提供する。レプチン受容体に対する改変レプチンポリペプチドの親和性を向上させる特定の改変は、D23L、D23G、D23A、D23T、D23H、D23F、D23R、D23K及びT12Iからなる群から選択される。任意選択でD23及び/又はT12の置換に加えて、L68M、S97F、S132Y、G112S、T37A及びG44D、並びにこれらの置換の2つ以上の任意の組合せなどの他の置換をレプチンポリペプチドに導入することもできる。 他の態様では、薬学的に許容される担体、及びレプチン受容体への向上した結合親和性を有する本発明の合成レプチンアゴニストを含む医薬組成物が提供される。これまでは、レプチンの遺伝子欠損が特定された限られた場合に(Bluherら 2009)、又はヒト脂肪増加症で実験的に(Chongら 2010)レプチン療法が用いられた。しかし、肥満防止薬としてレプチンを利用するための継続的努力は続き、失敗にもかかわらず、レプチン及びアミリン療法の組合せの成功を記載する最近の報告が公表された(Turekら 2010)。別の報告は、ブフェニル(4−PBA)又はタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)などの化学的シャペロンによるマウスの前処置が、レプチン感受性を増大させたことを明らかにした(Ozcanら、2009)。 さらに、インスリンと一緒にレプチンで処置された1型糖尿病マウスでは、インスリン単独で処置された1型糖尿病マウスでより血糖の変動が少なく、コレステロールレベルが低く、体脂肪沈着が少ないことを明らかにしている最近の報告(Wangら、2010)を考慮すると、1型糖尿病の処置において、インスリン又はグルコースホメオスタシスを媒介する他の剤と併用して、高親和性レプチンアゴニストを用いることができる。 したがって、医薬組成物は、1つ又は複数のさらなる活性剤を含むことができる。例えば、糖尿病I型の処置のために、医薬組成物はレプチンアゴニストに加えてインスリンを含むことができ、肥満の処置のために、医薬組成物はレプチンアゴニストに加えてSYMLIN(登録商標)(酢酸プラムリンチド)などのアミリンアゴニスト又はブフェニル(4−PBA)若しくはタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)などの化学的シャペロンを含むことができる。 さらなる態様では、本発明は、肥満、過食関連症候群、1型糖尿病、メタボリックシンドローム及びアテローム硬化症からなる群から選択される異常なレプチンシグナル伝達が関係している疾患若しくは状態の処置のため、又は血管形成の促進における方法であって、必要とする患者に有効量の本発明の合成レプチンアンタゴニストを投与することを含む方法に関する。 特定の実施形態では、この方法は肥満の処置のためであり、前記患者にSYMLIN(登録商標)(酢酸プラムリンチド)などのアミリン類似体又はブフェニル(4−PBA)若しくはタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)などの化学的シャペロンを投与することをさらに含む。 特定の実施形態では、この方法は1型糖尿病の処置のためであり、前記患者にインスリンを投与することをさらに含む。 同様に、本発明の合成レプチンアゴニストは、肥満、過食関連症候群、1型糖尿病、メタボリックシンドローム及びアテローム硬化症からなる群から選択される異常なレプチンシグナル伝達が関係している疾患若しくは状態の処置における、又は血管形成の促進における使用のためである。合成レプチンアゴニストは、アミリン類似体若しくは化学的シャペロンの投与と併用される肥満の処置での使用のため、又はインスリンの投与と併用される1型糖尿病の処置のためであってよい。 本発明と一致して、ペグ化レプチンアンタゴニスト(PEG−MLA又はPEG−SMLA)の注射が雄及び雌両方のマウスで非常に強力な食欲促進作用、すなわち食欲に対する刺激作用を誘導し、主に脂肪蓄積に由来する非常に速い体重増大をもたらしたことが見出されている(例4及び7を参照)。PEG−MLA又はPEG−SMLAの注射を中止すると、この体重増大を反転させることができた。PEG−MLAを長期間注射された雄マウスは、対照と比較してインスリン抵抗性並びにインスリンレベル及びホメオスタシスモデル評価(HOMA)スコアの有意な差を徐々に発達させたことが、本明細書でさらに明らかにされた(HOMAはインスリン抵抗性及びβ細胞機能を定量化するために用いられる方法である)。血糖、血中トリグリセリド及び総コレステロールの有意な増大がさらに観察された−糖尿病前症メタボリックシンドロームの出現の指標。 高血糖、高脂血症及びインスリン抵抗性と関連する、レプチンアンタゴニストによって誘発されるこの可逆的な肥満は、マウスの真性糖尿病2型の迅速可逆的モデルの役目を果たすことができる。そのようなモデルは、PEG−SMLAの注射によって、又はSMLAをコードするDNA配列を条件付きで発現するトランスジェニックマウスの作製によって達成することができる。 したがって別の態様では、本発明は、そのゲノムが、誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される、本発明による合成レプチンアンタゴニストをコードするDNA分子を含む遺伝子を含む、トランスジェニックマウスを提供する。 特定の実施形態では、DNA分子は配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドからなる合成レプチンアンタゴニストをコードし、好ましくは配列番号4である。 WO2006/056987に示されるように、機能的レプチンアンタゴニストを生成するために、野生型哺乳動物レプチンの39〜42位のアミノ酸残基の少なくとも2つは、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、リシン及びセリンからなる群から選択される1つ又は複数のアミノ酸残基で置換することができる。したがって、本発明のトランスジェニックマウスのゲノムは、本明細書の上に規定されるD23又はT12の突然変異をさらに有するこれらのレプチンアンタゴニストをコードする遺伝子を含むことができる。 当然ながら、WO2006/056987のレプチンアンタゴニストをコードする遺伝子を、トランスジェニックマウスに導入することもできる。したがって、哺乳動物レプチンポリペプチド配列の39〜42位のいずれかのアミノ酸残基のいずれか2つ、例えば39と40、又は39と41、又は39と42、又は40と41、又は40と42、又は41と42がアラニンによって置換されるレプチンアンタゴニスト。 特定の実施形態では、単離されたDNA分子は、ヒトレプチンに由来するレプチンアンタゴニストをコードする。詳細には、DNA分子は配列番号5であり、二重ヒトレプチン突然変異体L39A/D40Aをコードする。別の実施形態では、DNA分子は配列番号6であり、二重ヒトレプチン突然変異体F41A/I42Aをコードする。 別の実施形態では、単離されたDNA分子は、ヒツジレプチンに由来するレプチンアンタゴニストをコードする。詳細には、DNA分子は配列番号7であり、ヒツジレプチンの二重突然変異体L39A/D40Aをコードする。或いは、DNA分子は配列番号8であり、ヒツジレプチンの二重突然変異体F41A/I42Aをコードする。 本発明の別の実施形態では、DNA分子は配列番号9であり、ヒトレプチンの三重突然変異体L39A/D40A/F41Aをコードする。別の実施形態では、DNA分子は配列番号10であり、ヒツジレプチンの三重突然変異体L39A/D40A/F41Aをコードする。 さらに別の実施形態では、DNA分子は配列番号11であり、ヒトレプチンの四重突然変異体L39A/D40A/F41A/I42Aをコードする。 さらなる実施形態では、DNA分子は配列番号12であり、ヒツジレプチンの四重突然変異体L39A/D40A/F41A/I42Aをコードする。 空間時間的制御を可能にするために、レプチンアンタゴニスト遺伝子の発現を制御するプロモーターは、誘導可能であることが重要である。例えば、遺伝子が発達の成人期にだけオンにされ、特定の作用が達成された後にそれをオフにすることができることが望ましい。 現在まで、トランスジェニックマウスで2つの主要な系、すなわちテトラサイクリンにより誘導可能な系及びCre/loxPリコンビナーゼ系(構成的であるか誘導可能であるかのいずれか)の使用に成功している。in vivoでこれらの系を用いるために、2組のトランスジェニック動物を作製することが必要である。1つのマウス系統は、選択される一般的又は組織特異的プロモーターの制御下で活性化因子(tTA、rtTA又はCreリコンビナーゼ)を発現する。別の組のトランスジェニック動物は、レプチンアンタゴニスト導入遺伝子の発現がtTA/rtTAトランス活性化因子の標的配列の制御下である(又はloxP配列に挟まれている)、「アクセプター」構築物を発現する。2系統のマウスの交配は、導入遺伝子発現の空間時間的制御を可能にする。 他の誘導可能な系、例えば合成ステロイドホルモン結合ドメインを含むプロモーターが記載されており、本発明に従って用いることができる。 したがって、特定の実施形態では、誘導可能なプロモーターはテトラサイクリンによって制御されるトランス活性化因子依存性のプロモーターであり、トランスジェニックマウスのゲノムは、テトラサイクリンによって制御されるトランス活性化因子をさらに含む。トランス活性化因子は、2種類のトランス活性化因子から選択することができる;テトラサイクリンが存在しない場合にだけ転写を可能にするもの、又はその存在下でだけ転写を可能にするもの。 トランスジェニックマウスの生成方法は周知の事項であり、本発明のトランスジェニックマウスを生成するために、例えば本明細書に完全に組み込まれる「Transgenic animal technology:a laboratory handbook、第2版(Carl A.Pinkert編、Gulf Professional Publishing、2002)に教示されるように、任意の適当な方法を選択することができる。 上記のように、本発明のトランスジェニックマウスは、インスリン抵抗性並びに血中インスリン及び血糖のレベルの増大を好ましくは示す。 したがって、さらなる態様では、本発明は、高血糖、高脂血症2型真性糖尿病及びインスリン抵抗性からなる群から選択される疾患又は障害のための治療活性を有する物質をスクリーニングする方法であって、(1)トランスジェニックマウスに試験物質を投与する工程と、(2)前記疾患又は障害がトランスジェニックマウスで抑制されるかどうか確認する工程と、(3)前記疾患又は障害がトランスジェニックマウスで抑制される場合に、試験物質を、前記疾患又は障害のための治療活性を有する物質として選択する工程とを含む上記方法を提供する。 本発明は、次に以下の非限定例で例示される。 材料及び方法。 材料− 組換え型ヒトレプチン結合ドメイン(hLBD)(Sandowskiら、2002)並びにマウス及びレプチン、並びにマウス及びヒトのレプチンアンタゴニストを前記の通りに我々の研究所で調製した(Salomonら 2006、Niv−Spectorら 2005)。大腸菌での発現のために最適化された合成マウスレプチン野生型(WT)cDNAは、Entelechon Co.Rensberg、Germanyによって合成された(Salomonら 2006)。ヒトレプチン及びマウスインターロイキン3(mIL3)は、Protein Laboratories Rehovot(Rehovot、Israel)から購入した。分子生物学実験で用いられた制限酵素は、Fermentas(Vilnius、Lithuania)からのものであった。高純度のDNAプライマーは、Syntezza(Jerusalem、Israel)に注文された。溶解緩衝液、ナリジキシン酸、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(チアゾリルブルー、MTT)、ピューロマイシン及びカナマイシンは、Sigma(Sigma、Israel)から購入した。Superdex 75HR 10/30、26/60及びSuperdex 200HR 10/30カラム並びにQ−セファロース及びSP−セファロースは、Pharmacia LKB Biotechnology AB(Uppsala、Sweden)からのものであった。SDSゲル電気泳動及びBradfordタンパク質アッセイのための分子マーカーは、Bio−Rad(Bio−Rad、Israel)から購入した。Bacto−トリプトンは、Laboratories Conda(Madrid、Spain)からのものであった。Bacto−酵母抽出物及びBactoカザミノ酸(−Trp、−Ura)は、Difco(Becton Dickinson、Maryland、USA)からのものであった。スルホ−NHS−LC−ビオチンは、Pierce(Rockford、IL、USA)から購入した。プラスミドpCT302及び酵母サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のEBY100株は、E.T.Boder博士(University of Tennessee Knoxville、TN、USA)からの快い寄贈であった。モノクローナルAb 9e10は(Covance、Emeryville、CA)から購入し、FITC標識F(ab’)2ヤギ抗マウスIgGは(Chemicon)から、ストレプトアビジン−フィコエリトリン(SA−PE)コンジュゲートは(BD PharMingen、San Jose、CA)からのものであった。p−STAT−3(Tyr705)及びSTAT−3抗体は(Cell Signaling Danvers、MA、USA)からのものであり、mPEG−プロピオニル−ALD 20kDaは、Jenkem Technology USA Inc.(Allen、TX)から購入した。ウシ胎児血清(FBS)、ペニシリン−ストレプトマイシン(「pen−strep」;10,000単位/ml及び10,000mg/ml)及び強化化学発光試薬(ECL)は、Biological Industries Ltd.(Beit Haemek、Israel)からのものであった。RPMI−1640及びDMEM培地はGIBCO(Invitrogen−Carlsbad、CA.)から、PelletPaint共沈殿剤は(Novagen、EMD Biosciences、Darmstadt、Germany)からのものであった。ルシフェラーゼ検定用試薬はPromega(Madison、WI、USA)から、ペルオキシダーゼコンジュゲートストレプトアビジンはJackson Immuno Research Laboratories(West Grove、PA、USA)から、TMBはDako(DakoCytomation、Denmark)からのものであった。トリス、システイン、アルギニン、NaOH、HCl、ホウ酸、ツイーン20、超純粋尿素、スキムミルクなどの他の試薬は、全て分析用であった。 以下のキットを購入した:Stratagene GeneMorph(登録商標)キット、Stratagene QuickChange突然変異生成キット及びXL−1 Blue細胞(Stratagene−La Jolla、CA、USA)。Qiagenミニプレップ及びQiaquickゲル抽出キット(Qiagen、Valencia、CA)。Zymoprep II酵母プラスミドミニプレップキット(Zymo Research、Orange、CA)。 以下の試薬は、我々の研究室で調製した:LB(10g/Lトリプトン、5g/L酵母抽出物、10g/L NaCl、滅菌済)、TB(80g/Lトリプトン、160g/L酵母抽出物、33.3g/Lグリセロール、滅菌済)、YPD培地(10g/L酵母抽出物、20g/Lペプトン、20g/Lブドウ糖、滅菌済)、SD−CAA培地(20g/Lブドウ糖、6.7g/L Difco酵母窒素ベース、5g/L Bactoカザミノ酸、5.4g/L Na2HPO4及び8.56g/L NaH2PO4、滅菌済)、SG−CAA培地(SD−CAAに関しては、ブドウ糖の代わりに20g/Lガラクトースを含む)、FACS緩衝液−PBS緩衝液(8g/L NaCl、0.2g/L KCl、1.44g/L Na2HPO4、0.24g/L KH2PO4)pHを7.4に調整し、5%ウシ血清アルブミン及び0.05%アジドを追加した、ルシフェラーゼ活性のための溶解緩衝液(25mMトリスホスフェート、2mM DTT、2mM CDTA、10%グリセロール、1%トリトン100、pH7.8)、ゲル濾過実験のためのTN緩衝液(25mMトリス−HCl、pH8又は9、300mM NaClを含む)。 hLBDのビオチン化−hLBD(0.12mg/ml)をPBS(pH7.5)に対して透析し、10倍のモル過剰のビオチン化試薬、スルホ−NHS−LC−ビオチンと室温で40分間インキュベートした。PBS緩衝液に対して透析することによって、過剰の未反応ビオチンを除去した。ビオチン化LBDは、非ビオチン化LBDと同様にレプチン又はレプチンアンタゴニストと1:1の複合体を形成することが可能であった(図示せず)。 マウスレプチンの酵母表面提示− NheI及びBamHI制限部位をそれぞれ5’末端及び3’末端に導入し、NheI及びBamHIで線状化させたアクセプターベクターpCT302への以降のサブクローニングを可能にするために、マウスレプチン野生型(WT)cDNAをPCRによって改変した。PCRで用いたプライマーは、5’末端へは5’−GTACGCAAGCTAGCGCTGTTCCGATCCAGAAAGTTCAGG−3’(配列番号5)、3’末端へは5’−CGTAGGATCCGCATTCCGGAGAAACGTCCAACTG−3’(配列番号6)であった。マウスレプチンのPCR生成物をNheI及びBamHIで消化し、抽出し、線状化pCT302発現ベクターに連結した。XL−1 Blue細胞を新しいプラスミドで形質転換し、100μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天プレートに平板培養した。4つの大腸菌コロニーが単離され、NheI及びBamHI制限酵素による消化によって、マウスレプチンcDNAを含むことが確認された。コロニーの全ては陽性であり、それらの1つを配列決定した。 マウスレプチンは、ガラクトースを含む培地での誘導によって、酵母サッカロミセス・セレビシエのEBY100株でAga2pタンパク質融合体として発現された(Boder ET、Wittrup KD、1997)。血球凝集素(HA)エピトープタグはレプチンをコードするDNAの5’の上流で発現されるが、c−mycエピトープタグはAga2p−レプチン融合構築物の3’に結合し、その模式構造を図1に提示する。マウスmAb 9e10及びFITCとコンジュゲートしたヤギ抗マウス抗体を用いて、c−mycエピトープタグを検出することができる。Aga2p−レプチン融合体のC末端のc−mycエピトープタグの検出は、酵母細胞表面での完全長レプチン融合体の提示を示している。 pCT302/マウスレプチンwtで形質転換された酵母細胞を、3mlの選択的グルコース培地SD−CAAで振盪させながら30℃で一晩増殖させた。約18〜20時間後、5mlの選択的ガラクトース培地(SG−CAA、SD−CAAのグルコースが2%ガラクトースに交換される)で振盪させながら、30℃でAga1p(膜酵母タンパク質)+Aga2p−レプチン発現を誘導した。約20〜24時間(1〜2回の倍加)後に培養物を遠心分離によって収集し、5%ウシ血清アルブミン及び0.05%アジドを含むPBS(FACS緩衝液)で洗浄し、抗c−myc mAb 9e10(1:100の希釈)及びビオチン化hLBD(約50nMの最終濃度)と一緒に氷上で60分間インキュベートし、PBSで洗浄し、FITC標識F(ab’)2ヤギ抗マウスIgG(1:50)若しくはストレプトアビジン−フィコエリトリン(SA−PE)コンジュゲート(1:50)のいずれか又は両方と一緒に氷上で30分間インキュベートした。標識酵母細胞は、Weizmann InstituteのFlow Cytometry CenterでBeckton Dickinson FACSCaliburフローサイトメーターで分析した。 マウスレプチンライブラリーの構築− 高い突然変異生成率を与えるために、Stratagene GeneMorph(登録商標)キットを用いて野生型マウスレプチンwt遺伝子をランダムな突然変異生成にかけた。Raymondら(1999)による試験に記載されているように、最高の形質転換効率を得るために、挿入断片が各末端に、切断アクセプターベクターとの約50bpの重複を有するように相同組換えプライマーを設計した。切断ベクターと5’相同性を有する挿入断片を作製するために用いたプライマーは5’−GTGGTGGTGGTTCTGGTGGTGGTGGTTCTGGTGGTGGTGGTTCTGCTAGCGCTGTTCCGATCCAGAAAGTTC−3’(配列番号7)であり、切断ベクターと3’相同性を有する挿入断片を作製するために用いたプライマーは5’−GATCTCGAGCTATTACAAGTCCTCTTCAGAAATAAGCTTTTGTTCGGATCCGCATTCCGGAGAAACGTCCAACTG−3’(配列番号8)であった。Qiaquickゲル抽出キット(Qiagen)を用いてPCR生成物をゲル精製し、抽出した。ランダム突然変異生成キットを用いて、得られたPCR生成物をさらに増幅し、再び抽出した。線状化pCT−マウスレプチンと一緒に、最終PCR生成物を酵母に形質転換した。酵母におけるギャップのあるプラスミドを有するPCR生成物の5’及び3’に隣接する50塩基対の間のin vivo相同組換えは、約5×105個のマウスレプチン変異体のライブラリーをもたらした。41μgの変異原性DNA挿入断片及び8.2μgの制限酵素線状化pCT302ベクター骨格をPellet Paint(Novagen)で濃縮し、5回のエレクトロポレーションによってEBY100コンピテント酵母細胞(Boder及びWittrup 1997)に形質転換した(Meilhocら 1990)。ライブラリーの一定量を平板培養してコロニーを計数することによって推定されるように、5×105個の酵母形質転換体のライブラリーが得られた。切断アクセプターベクターに対する全挿入断片の比は、全ての形質転換で5:1に維持された。 相同組換えのためのエレクトロコンピテント酵母の調製− 酵母調製の方法は、Meilhocら(1990)によって記載される方法に厳密に従う。先ず、YPDでのEBY100の一晩の培養物から、0.1の光学濃度(OD)まで50mlのYPDにS.セレビシエ株EBY100(Boder及びWittrup 1997)を接種した。次に、1.3〜1.5のOD(約6時間の増殖)まで、細胞を振盪させながら30℃で増殖させた。細胞を遠心によって収集し、50mlの滅菌冷水に懸濁した。細胞を25mlの滅菌冷水で洗浄し、2mlの滅菌氷冷1Mソルビトールに懸濁した。細胞を遠心によって収集し、50μlの滅菌1Mソルビトールに懸濁した。その後、0.2cmキュベットを備えたBio−Rad Gene Pulser(電圧1.5kV、キャパシタンス25μF)を用いて、懸濁細胞のエレクトロポレーションを実行した。パルスした後に、細胞の一定分量を1mlの冷1Mソルビトールに直ちに再懸濁し、全体の形質転換混合物をカナマイシン(25μg/ml)及びpen−strep(1:100の希釈)を含む50mlのSDC−AA選択培地に移し、30℃で増殖させた。細胞の小分量を取り出してSDC−AAプレートに平板培養し、形質転換効率を判定した。 フローサイトメトリーによるマウスレプチンライブラリーのスクリーニング− SD−CAA選択培地中の形質転換プールの50ml容量を振盪させながら30℃で一晩増殖させ、OD600が0.05になるまで希釈し、OD600が1.0を超えるまで30℃で一晩増殖させた。5ml容量のSG−CAAを次に約0.5のOD600まで接種し、3〜4のOD600まで一晩増殖させた。酵母ポリペプチドライブラリーのスクリーニングのための詳細なプロトコルが記載されている(Boder及びWittrup 2000)。簡潔には、3×108個の誘導された酵母細胞を、次にFACS緩衝液中で50nMの濃度のビオチン化hLBDによって37℃で1時間標識した。C末端のc−mycエピトープタグの発現を検出するために、モノクローナル抗体9e10(1:100の希釈で)を同じインキュベーションに同時に加えた。次に、酵母細胞を氷冷FACS緩衝液で洗浄し、2000nMの濃度の過剰の冷たい非ビオチン化hLBDを含むFACS緩衝液に37℃で2時間再懸濁した。細胞を洗浄し、二次抗体:R−フィコエリトリン(PE)(1:50)とコンジュゲートさせたストレプトアビジン、及びFITC(1:50)とコンジュゲートさせたヤギ抗マウス抗体で1時間標識した。野生型レプチンと比較して、可溶性hLBDへの向上した結合を有するクローンを単離するために、細胞を洗浄し、Beckton Dickinson FACSAria IIIセルソーターで、酵母について2色フローサイトメトリー選別によってスクリーニングした。収集した酵母細胞を培養し、発現を誘導した。各選別間の再増殖及び表面発現の再誘導で、フローサイトメトリーによる3回の選別を実行した。初回の選別の間に合計約1×107個の細胞を検査し、集団の約5%を収集した。第2回目の選別の後、0.5〜1%のストリンジェンシーで1.6×105個の細胞を収集し、第3回目のスクリーニングの後、0.1%のストリンジェンシーで5000個の細胞を収集した。プロトコル(Chaoら 2006)に従って、各ライブラリーを冷凍し、−80℃で保存した。 DNA単離及び配列決定− 3回の選別の後、収集した細胞を選択培地プレートで平板培養して、個別クローンを単離した。製造業者のプロトコルに従ってZymoprepキット(Zymo Research)を用いて、40個の個別クローンからのDNAを抽出した。XL−1 Blue細胞(Stratagene)に形質転換することによって、DNAを増幅した。100μg/mlアンピシリンを追加した選択的LBプレートで、細胞を平板培養した。これらのプレートからのコロニーは、100μg/mlアンピシリンを足したLB培地で37℃で一晩増殖させ、Qiagenミニプレップキットを製造業者の説明書に従って用いてDNAを単離し、DNAを配列決定した。 3回目のスクリーニングサイクルの後に選択された酵母クローンでの可溶性ヒトレプチン受容体(hLBD)に対する親和性の測定− 3回目のスクリーニングの後の個別酵母細胞クローン及びwtマウスレプチンを増殖させ、誘導した。前記のように抗c−myc Ab及び二次蛍光Abと一緒に異なる濃度(1000、333、111、37、12、4、1.37nM)のビオチン化hLBDを用いて、1×106個の細胞を標識した。c−myc陽性の酵母の蛍光データは、Beckton Dickinson FACSCaliburフローサイトメーターを用いて得られた。解離定数Kdを計算するために、試験したビオチン化hLBD濃度の各々で得られた平均蛍光強度(MFI)を次にhLBD濃度に対してプロットし、双曲線方程式と非線形回帰(曲線適合度)を用いて、Prismソフトウェア(Prisma、GraphPad Prism(商標)バージョン4.0:GraphPAD Software、San Diego、CA)によって分析した。 マウスレプチン突然変異タンパク質をコードする細菌性発現プラスミドの調製− NcoI及びHindIII制限部位をそれぞれ5’−及び3’−末端に導入し、NcoI及びHindIIIで線状化したpMON3401ベクターへの最高の突然変異体マウスレプチン結合剤DNAの以降のサブクローニングを可能にするために、PCRを実行した。用いたプライマーは、レプチン突然変異体の5’末端についてはAAAAAACCATGGCTGTTCCGATCCAGAAAG(配列番号9)、3’末端についてはAAAAAAAAGCTTTCAGCATTCCGGAGAAACGTCC(配列番号10)であった。pCT302のマウスレプチン突然変異タンパク質のcDNAをNcoI及びHindIIIで消化し、抽出し、線状化pMon3401発現ベクターに連結した。大腸菌MON105コンピテント細胞を新しい発現プラスミドで形質転換し、プラスミド選択のための75μg/mlのスペクチノマイシンを含むLB寒天プレートに平板培養した。4つの大腸菌コロニーが単離され、NcoI/HindIII制限酵素による消化によってマウスレプチンcDNAを含むことが確認された。コロニーの全ては陽性であり、それらの1つを配列決定した。 マウスレプチン突然変異タンパク質へのL39A/D40A/F41A突然変異の挿入− レプチンアンタゴニストを作製するためにレプチンに突然変異を挿入する手法は、本明細書で完全に開示されているかのように参照により完全に本明細書に組み込まれる、国際出願PCT/IL2005/001250に開示される。アンタゴニスト活性を有するレプチン突然変異体を調製するために、6つの選択されたマウスレプチン突然変異タンパク質(上のセクションを参照)をコードするpMon3401発現プラスミドを出発物質として用いた。2つの相補プライマー(表1)を用い、製造業者の説明書に従ってStratagene QuickChange突然変異生成キット(La Jolla、CA)でレプチン挿入断片を改変した。プライマーは、それぞれの突然変異を得るが、適当なアミノ酸配列をなお保存するように塩基変化(太字で印される)を含むように、及びコロニースクリーニングのために特定の制限部位(下線が引かれる)を改変するように設計された。この手法は、Pfuポリメラーゼを用いる18回のPCRサイクルを含んでいた。鋳型を消化して、合成されたDNAを含む突然変異を選択するために、メチル化及び半メチル化DNA(標的配列:5’−Gm6ATC−3’)に特異的であるDpnI制限酵素で突然変異した構築物を次に消化した。XL−1コンピテント細胞を突然変異プラスミドで形質転換し、5mlのLB培地で増殖させ、プラスミドを単離した。特定の設計された制限部位を使用して各突然変異体の5つのコロニーが突然変異についてスクリーニングされ、少なくとも80%の効率を現した。各突然変異体の2つのコロニーが配列決定され、突然変異を含むがヌクレオチドの望ましくない誤組込みを含まないことが確認された。Mon105コンピテント細胞を次にプラスミドで形質転換し、発現のために用いた。 マウスレプチンアンタゴニストをコードするプラスミドへのD23突然変異体の挿入− D23A、D23G、D23L、D23R、D23K、D23F及びD23W突然変異体が前の段落に記載される通りに調製され、マウスレプチンアンタゴニスト(MLA)をコードするpMon3401発現プラスミドが出発物質として用いられた。プライマーの詳細は表1に掲載される。 マウスレプチン突然変異タンパク質の発現、リフォールディング及び精製− N末端に追加のMet−Ala(メチオニンは細菌によって切断される)を有する組換え型突然変異マウスレプチンを、ナリジキシン酸による誘導において、2.5Lの培養で発現させ、さらに4時間増殖させた。前に記載(Gertlerら 1998、Salomonら 2006)の通りに封入体(IB)を次に調製し、冷凍した。その後、0.3Lの細菌培養から得られた封入体(IB)を、50mlの4.5M尿素、1mMのシステインを含む40mMトリス塩基に可溶化させた。溶液のpHをNaOHで11.3に調整した。4℃で2時間の撹拌の後、3容量の0.67M Argを0.5Mの最終濃度まで加え、さらなる1.5時間撹拌した。次に、5回又は6回の外部溶液との交換で、その溶液を10Lの10mMトリスHCl、pH9に対して60時間透析した。NaClを100mMの最終濃度まで加え、次に100mMのNaClを含む10mMのトリスHCl、pH9で前平衡化させたQ−セファロースカラム(5mlビーズ容量)に、タンパク質溶液を最大流速(400〜500ml/時間)で適用した。それぞれのレプチン突然変異タンパク質を含んだ破過分画を収集し、2〜3mgタンパク質/mlに濃縮した。次に、300mMのNaClを含む25mMトリスHCl、pH9で前平衡化させた調製用Superdex 75カラム(26/60cm)に、18ml分を適用した。分析的Superdex 75HR 10/30カラム(1/30cm)でのゲル濾過によって判定されたモノマータンパク質を含む分画をプールし、4:1のタンパク質対塩比を確保するためにNaHCO3に対して透析し、凍結乾燥した。 ヒトスーパーレプチンアンタゴニストの調製。改良されたマウスレプチンアンタゴニストを調製するために用いたものに類似した戦略を用いて、改良されたレプチン受容体結合を有するヒトレプチンアンタゴニストを調製した。用いたプライマーは、5’−CAATTGTCACCAGGATTAATCTGATTTCACACACGCAG(改変制限部位=VspI(+))(配列番号29)及び3’−CTGCGTGTGTGAAATCAGATTAATCCTGGTGACAATTG(配列番号30)であった。 マウス及びヒトのレプチンD23L/L39A/D40L/F41Aアンタゴニストの大規模精製− 手法は、以下の変更を伴うが前の段落で事実上記載された:3Lの細菌培養から得られたIBを、400mlの4.5M尿素、1mMのシステインを含む40mMトリス塩基に可溶化させた。溶液のpHをNaOHで11.3に調整した。4℃で48時間の撹拌の後、3容量の0.67M Argを0.5Mの最終濃度まで加えた。次に、5回又は6回の外部溶液との交換で、その溶液を10Lの10mMトリスHCl、pH9に対して60時間透析した。Q−セファロースカラム(30mlビーズ容量)へのタンパク質の適用の前に、NaClを150mMまで加えた。調製用ゲル濾過とその後の透析及び凍結乾燥は、前記のように行われた。SHLAと呼ばれるヒトレプチンスーパーアンタゴニスト(D23L/L39A/D40A/F41A)を、ヒトL39A/D40A/F41A(HLA)のための前記のプロトコルに従って調製した(Niv−Spectorら 2005)。 純度及び単量体含有量の測定− Laemmli(1970)に従い、還元及び非還元条件下で15%ポリアクリルアミドゲルでSDS−PAGEを実行した。ゲルは、クーマシーブリリアントブルーRで染色した。TN緩衝液(25mMトリスHCl、300mM NaCl、pH8)を用いて、Qセファロースカラム溶出分画の0.2ml分量により、Superdex 75HR 10/30カラムでゲル濾過クロマトグラフィーを実行した。 SMLA及びSHLAのペグ化− N末端アミノ基が優先的にペグ化される条件下で、ペグ化のためにmPEG−プロピオニル−ALD 20kDaを用いた。150mgのSMLA又はSHLAを111mlの0.1M酢酸Na緩衝液(pH5)に溶解し、12000rpmで10分間遠心分離して不溶物質を除去した。次に、0.2MのNaBH3CN(2.7ml)を加え、溶解したタンパク質を15mlの1mM HClに溶解させた1.5gのmPEG−プロピオニル−ALD 20kDaとコンジュゲートさせた。4℃で20時間の撹拌後に、160μlの酢酸(17M)を加えた。溶液を数秒間撹拌し、1LのddH2Oで希釈し、10mM酢酸Na、pH4で前平衡化させたSPセファロースカラム(20mlのビーズ容量)に最大流速(400〜500ml/時間)で適用した。カラムは400mlの10mM酢酸Na、pH4で次に洗浄し、ペグ化タンパク質を50及び75mMのNaClを含む10mM酢酸Na、pH5で溶出させた。分析的Superdex 200カラム(10/30cm)でのゲル濾過によって判定されたペグ化タンパク質を含む分画をプールし、2:1のタンパク質対塩比を確保するためにNaHCO3に対して透析し、凍結乾燥した。タンパク質濃度は、SMLAのために0.200mg/ml及びSHLAのために0.887の吸光係数(ペグ化タンパク質の0.1%溶液のための)を用いて、280nmでの吸光度によって判定した。それらの値は、ペグ化生成物のタンパク質部分に適用される。 結合アッセイ− ビオチン化マウスレプチンは全ての競合実験でリガンドとして役目を果たし、それぞれのマウスレプチン又はマウス若しくはヒトのレプチンアンタゴニスト突然変異タンパク質は、競合者として役目を果たした。hLBDは、受容体供給源として用いられた。ポリスチレン96穴マイクロタイタープレートは、PBSpH7.4中の40pMのhLBDの100μlによって4℃で一晩コーティングした。ウェルは、次にPBST(0.05%ツイーン20を含むPBS)で1回洗浄し、3%スキムミルクを含むPBSで室温で2時間ブロックした。全てのさらなるインキュベーションは、室温で実行した。ウェルはPBSTで1回洗浄し、異なる濃度の非標識レプチン(50μl/ウェル)と30分間インキュベートし、次に50μlの62.5pMのビオチン化マウスレプチンをさらに2時間各ウェルに加えた。次に、ウェルをPBSTで3回洗浄し、1%ツイーン20を含むPBS中の1:30,000のストレプトアビジン−HRPと1時間インキュベートした。その後、ウェルをPBSTで3回洗浄し、反応は、製造業者の説明書に従ってTMBを用いて、マイクロプレートリーダーELISA Plate Reader ELx808−Bio−Tek Instrument Inc.(Winooski、VT、USA)によって450nmで定量化した。 BAF/3増殖アッセイ− 前記(Niv−Spectorら 2005、Salomonら 2006)の通り、レプチン及びレプチン突然変異タンパク質のアゴニスト活性及びアンタゴニスト活性の両方を推定するために、長形のhLEPRで安定してトランスフェクトされたレプチン感受性BAF/3細胞の増殖速度を用いた。アンタゴニスト活性を判定するために、0.05ngのWT相同的レプチンを、異なる濃度の突然変異タンパク質も含む各ウェルに加えた。レプチンのないウェル(陰性対照)での平均吸光度をブランク値として用い、他の吸光度値から引いて吸光度補正値を出した。陰性対照を引いた後のWTレプチンを有するウェルでの平均吸光度は、阻止百分率を計算するための陽性対照として用いられた。Prisma(4.0)非線形回帰S字1部位競合プログラム(Prisma、GraphPad Prism(商標)バージョン4.0;GraphPAD Software、San Diego、CA、U.S.A.)を用いて阻止曲線を描き、IC50値を計算した。全ての哺乳動物のレプチンは、ほとんど同一の程度でヒトレプチン受容体を活性化させることが可能であることが指摘されるべきである(Gertlerら 1998、Raverら 2000、Niv−Spector 2005)。 ルシフェラーゼレポーター遺伝子を活性化することによる生物的活性の測定− M.Einat博士(ARO、Israel)から受け取ったH−49細胞系は、前記(Gertlerら 2007)の通りに4:4:1の比の3つの構築物:phOB−Rb(長形のヒトレプチン受容体)、pAH32(ルシフェラーゼリポーター構築物)及びpgkPuro(ピューロマイシン抵抗性遺伝子を含む発現ベクター)によって安定してトランスフェクトされたHEK−293細胞である。H−49細胞をトリプシンで短時間に解離し、10%FCS、50μg/mlストレプトマイシン、50単位/mlのペニシリン及び2μg/mlのピューロマイシンを追加したDMEMに再懸濁させた。再懸濁させた細胞を、500μlの最終容量で、1ウェルにつき5×105個の細胞で24穴組織培養プレートに平板培養した。16時間後、各ウェルの培地を300μlのDMEMと交換した。WTマウスレプチンの濃度を一定にして、マウスレプチン突然変異体を異なる濃度で加えた。希釈溶液は、0.5%BSAを追加したDMEMで作製した。各濃度のために3反復を用い、レプチン無しの3連は陰性対照としての役目を果たした。37℃(CO2/O2 5:95)で18時間のインキュベーションの後、細胞を100μlの溶解緩衝液で収集し、−80℃で冷凍した。各細胞溶解物(50μl)をPromegaルシフェラーゼ検定用試薬と混合し、ルシフェラーゼ活性を測定した。測定された発光は、各ウェルのタンパク質の量に標準化した。タンパク質濃度は、製造業者のプロトコル(Bio−Rad、Israel)に従ってBradfordアッセイで測定した。結果は、非線形回帰1部位競合曲線によってPrizmソフトウェアで分析した。 STAT−3リン酸化阻害− 長形のマウスレプチン受容体(ObRb)を安定して発現するCHO細胞を24穴プレートで80%集密まで増殖させ、次に無血清培地で16時間増殖させてからホルモンで刺激した。次に、様々な濃度(0.2〜12.8μg/ml)のマウスレプチン突然変異体及び1濃度のマウスレプチンWT(0.1μg/ml)の存在下又は不在下で、24ウェルプレート中の0.5mlで細胞を無血清培地で20分間インキュベートした。これらの処理の後、細胞を75μlの氷冷溶解緩衝液で収集した。溶解物を10分間の12000rpmでの遠心によって清澄化し、上清をウェスタンブロット分析のために保存した。上清のタンパク質濃度は、Bradfordアッセイを用いて測定した。細胞タンパク質(20μg)をSDS−PAGEで分解し、その後p−STAT−3(Tyr705)(カタログ#9138)及びSTAT−3(カタログ#9132)抗体を用いるウェスタンブロットを実行した。次に、ウェスタンブロットのバンドを強化化学発光(ECL)によって露わにした。 in vivo実験− 雌C57B1マウスに、ペグ化されたマウス若しくはヒトのレプチンアンタゴニスト(PEG−MLA又はPEG−HLA)又は超活性PEG−MLA(PEG−SMLA)又はヒト超活性PEG−HLA(PEG−SHLA)を6.25mg/kg/日で20日間腹腔内に投与した。この期間中に、食物摂取及び体重増大を毎日記録し、7日間で平均した。20日目に、各群の3匹のマウスを屠殺し、脂肪分、肝酵素及びリンパ球亜集団を測定した。実験の離脱部分では、20日後に処置を中止し、レプチン欠乏表現型の可逆性を記録した。PEG−MLA又はPEG−SMLAのいずれかの4つの用量:20、6.7、2.2及び0.72mg/kg/日を用いて第二の実験を同様の方法で実行し、17日間継続された。全ての実験で、Tel Aviv Sourasky Medical Centerの施設内動物管理当局(institutional animal and care authority)の規則に従って、動物は12時間明暗周期の下で維持された。(例1) 可溶性ヒトレプチン受容体への向上した結合を有するレプチン突然変異体のスクリーニング。 (i)酵母細胞の表面でのレプチンの機能的発現。マウスレプチンは、酵母表面のAga2pアグルチニンサブユニットへの融合体として、酵母細胞の表面で発現された(Boder及びWittrup KD、1997)。酵母表面でのAga2p+レプチン融合体の発現は、フローサイトメトリーにより、Aga2p+レプチン融合体のC末端に結合したc−mycエピトープタグの免疫蛍光標識で測定され、c−mycのインフレーム発現を示した(図2A)。c−mycタグの存在は、ビオチン化hLBDと相互作用することが可能な完全長レプチン融合体が、酵母細胞表面に提示されることを示す。(図2B)、一方、無関係なEGFRを提示している陰性対照酵母は、いかなるシグナルも示さなかった(図示せず)。さらに、2色標識は、c−mycエピトープの提示とのhLBD結合の強い相関を実証した(図2C)。 (ii)hLBDへの向上した結合を有するクローンを選択するためにレプチンライブラリーをスクリーニングする。多様な5×105個のクローンを有する、酵母によって提示されるレプチン突然変異体のライブラリーは、Stratagene GeneMorph(登録商標)ランダム突然変異生成キットを用いて構築された。hLBDへの向上した結合を有するクローンを単離するために、このライブラリーはフローサイトメトリーによる3回の選別によってスクリーニングされ、各選別サイクルの間には、再増殖及び表面発現の再誘導が起きた。酵母ライブラリーは、レプチン(C末端のc−mycエピトープタグの間接免疫蛍光法で測定される)を提示し、且つビオチン化hLBDに結合したクローンについて、2色フローサイトメトリーでスクリーニングされた。スクリーニング手法は、蛍光標識hLBDで飽和まで酵母を標識し、その後過剰な非蛍光hLBD競合者の存在下でインキュベートすることによって、動態学的結合スクリーニングを用いた。選別ウインドウの設定及びライブラリー濃縮の進行の確認を支援するために、標識野生型対照培養を各選別サイクルで調製した。非ビオチン化hLBDを競合によって除いた後に、蛍光を示した細胞を、再増殖のために収集した(図3、右パネルを参照)。3回目の選択サイクルで得られた40の突然変異体を配列決定し(表2)、その結果、13の新しい異なる配列が同定され、1アミノ酸変化から6アミノ酸変化にまで及ぶ、合計23箇所のアミノ酸変化があった(表2)。40個のクローン中18で起こった最も高い頻度の突然変異は、G、H又はNへのD23の交換であった。 (iii)平衡結合滴定曲線を用いる親和性測定。表面提示マウスレプチン突然変異体のおよその親和性は、様々な濃度のビオチン化hLBDで全細胞を滴定することによって、細胞壁上でin situで測定された。平衡結合は、フローサイトメトリーによって13つの異なるクローン(表2で特定される)で細胞結合hLBD及びc−myc陽性を分析することで測定された。これらのデータの非線形回帰(曲線適合度)は、図4A〜B並びに表3及び4(それぞれ図4A及び4Bに由来する)で示すように、13のレプチン突然変異体中7つ(H30、H15、H22、H12、H16、H19及びH7)で最高約2.3倍増大した親和性を示す。それらの7つのマウスレプチン突然変異体は、大腸菌で発現されるそれぞれ突然変異したレプチンの調製のために選択された。(例2) マウスレプチン及びマウスレプチンアンタゴニストの6つのそれぞれの突然変異体の調製及び特徴付。 酵母表面提示スクリーニング(上記及び表5を参照)によって選択されたマウスレプチンの7つの突然変異体を大腸菌で発現させ、リフォールディングさせ、連続陰イオン交換並びに材料及び方法のセクションに記載のゲル濾過クロマトグラフィーによって組換え型タンパク質として精製した。最初の実験のように、H7突然変異体は親和性の増大を示さず、対応するL39A/L40A/F41A突然変異体は調製されなかった。それぞれの6つのマウスレプチンアンタゴニスト(MLA)を得るために、全ての6つの突然変異体もL39A/D40A/F41A突然変異と挿入され、それぞれ精製された。全ての13個のタンパク質は、SDS−PAGEを用いて純度について試験され、99%を超える純度であると見出され、それらの単量体含有量は95%を超えた(図示せず)。 親和性及び生物的活性の変化の測定。全ての13個の組換え型突然変異タンパク質(7つのアゴニスト及び6つのアンタゴニスト)は、固定化hLBDへの結合によって結合特性の最終的な変化について、並びにBAF/3細胞増殖アッセイを用いて、及び材料及び方法のセクションに記載のH−49細胞でのルシフェラーゼレポーター遺伝子の活性化によってそれらのそれぞれのアゴニスト又はアンタゴニスト活性について試験された。表6に示すように、最も強力な突然変異タンパク質は、突然変異D23Hを抱えるクローンH30に由来した。しかし、高い活性は、表3に示すようにGlyに突然変異したD23を全て有し、さらなる突然変異も有する、クローンH15、H16及びH19に由来するタンパク質でも見出された。対照的に、クローンH12に由来するタンパク質は、親和性及び生物活性の増大を示さなかった。D23突然変異を欠くがただ1つの突然変異(T12I)を有するクローンH22に由来する1つのタンパク質だけが、親和性及び生物活性(後者はアンタゴニストだけで見出された)の中程度の増大を示した。 D23のそれに対してT12I突然変異が相加効果を有することができるかどうか調べるために、MLAの3つの二重突然変異体(T12I/D23H、T12I/D23R及びT12I/D23L)を調製したが、BAF/3バイオアッセイでのそれらの阻害活性もhLBDに対するそれらの結合親和性も、それぞれD23H又はD23R又はD23LのMLAのそれより優れることはなかった(図示せず)。興味深いことに、アゴニスト及びアンタゴニストの結合特性の変化が高度に同等だったのに対して、生物的活性はアンタゴニストだけで上昇した。(例3) 7つの変異体へのMLAのD23の合理的な突然変異生成。 D23H突然変異だけがMLAの生物的活性の最大増大に十分であったことを示す前の結果(上記参照)を考慮して、D23が小さい(G、A)か、疎水性である(L、F、W)か、正荷電した(K、R)アミノ酸によって置換された合計7つの突然変異プラスミドを材料及び方法に記載の合理的な突然変異生成によって調製した。全ての7つの突然変異体を連続したリフォールディング、透析、陰イオン交換及びゲル濾過クロマトグラフィーによって組換え型タンパク質として精製し、SDS−PAGEによって純粋であること、及び98%を超える単量体を含むことが見出された(図5A〜C、6A及び6H)。全てのそれらの突然変異体は、hLBDに対する結合親和性及びBAF/3増殖アッセイでのそれらの生物的阻害能力について試験された。表7に要約される結果は、D23L突然変異が最も高い活性をもたらしたことを示す。したがって、この突然変異体を大規模実験で調製し、ペグ化して、in vivo実験で用いることが決定された。 マウスレプチンD23L/L39A/D40L/F41Aアンタゴニストの大規模な精製及びペグ化。透析前の4.5M尿素でのリフォールディングを2時間から48時間に長くすること(材料及び方法を参照)は、D23L/L39A/D40L/F41Aマウスレプチンアンタゴニストの単量体分画の収率を劇的に向上させ、3Lの発酵混合物に対応するIBから精製されるタンパク質の最終収量は400から500mgの間であった。超活性MLA(SMLA)として設計されたタンパク質は、SDS−PAGEによって99%を超える純度であり、95%を超える単量体を含んでいた(図5A〜C及び6Aのそれぞれの突然変異体を参照)。hLBDに対するその結合親和性は64倍増大し、BAF/3又はH−49細胞バイオアッセイでのそのin vitroでの生物的活性は、13.9倍及び13.4倍増大した(表7並びに図7A及び7Cを参照)。MLA及びSMLAの比較生物的活性を半定量的STAT3リン酸化バイオアッセイでさらに試験し、それによって、後者の少なくとも5倍高い活性が示された(図8A〜B)。MLAのペグ化のために前に記載した方法によって実行されたこのタンパク質のペグ化は、400mgの非ペグ化SMLAからの55から75mgのペグ化タンパク質のより低い収率をもたらした。 PEG−SMLAの最終調製物は、SDS−PAGE基準により純粋であり、約9%の二重ペグ化SMLA、85%の一ペグ化SMLA及び1%未満の非ペグ化SMLAを含んでいた(図9A〜B)。しかし、図7B及び7Dの代表的実験で示すように、H−49細胞での生物的活性及びペグ化SMLAのhLBDに対する親和性は、非ペグ化SMLAと比較してそれぞれ9倍及び6.2倍低減された。それらの変化は、図7A及び7C(それぞれ7及び6.3)並びに我々の最近の刊行物(Elinavら 2009b)に示すMLAのペグ化効果と同等であった。(例4) マウスでの体重増大実験。 SMLAのin vivo活性の評価のために、6.25mg/kgのビヒクル、ペグ化MLA又はペグ化SMLAを、7週齢雌C57blマウスへ腹腔内に投与した。図10で表されるように、及び前に公表されたように(Elinavら、2009)、対照マウスは安定した体重(99%±0.5)を維持し、PEG−MLAは、5日目までに統計的に有意であって、121%±1.4のレベルに到達し、処置の8日後に安定した、有意な体重増大を誘導した。比較すると、PEG−SMLAは、17日目に143.4%±3.15(平均±SEM)のピークに達し、その後安定した体重増大を誘導した。PEG−MLAとPEG−SMLAの間の体重増大の差は、6日目以降に統計的に有意であった。体重増大は、ペグ化MLA(3.17±0.56g/日/マウス)及び対照マウス(2.54±0.14g/日/マウス、P<0.01)と比較して、ペグ化SMLA処置マウス(4.02±0.17g/日/マウス)で有意に高かった摂食量の差によって媒介された。実験全体で、マウスはストレスの肉眼的徴候もなく、健康で活動的に見えた。20日目に、各群3匹のマウスを屠殺した。各群の残りのマウスを処置から外し、体重増大の解消を監視した。次の17日以内に(図10)、マウス体重は大幅に低下した。PEG−MLA及びPEG−SMLAの用量関連比較を目的にしたさらなる実験では、両方のタンパク質のいくつかの日用量(20、6.7、2.2及び0.73mg/kg)を比較した。結果を図11に提供する。全ての4つの濃度で、PEG−SMLAによって誘導された体重増大は、PEG−MLAのそれぞれの効果より有意に高かった。最大のほとんど同一の効果(45%増)が、20及び6.7mg/kgのPEG−SMLAによって得られた。2.2mg/日のPEG−SMLAでは、効果はより低かったが、20mg/kgのPEG−MLAよりも優れ、前者の少なくとも10倍高い効力を示した。興味深いことに、最高11日で、両方の処置は同等の結果を与えたが、その後PEG−MLAの効果は横ばいになり、一方PEG−SMLAで処置されたマウスは、16日目に差が有意に(P<0.05)なるまで体重を増やし続けた。7〜11日目に、PEG−SMLAの最も低い用量(0.72mg/kg)は20mg/kgのPEG−MLAより有意に小さい体重増大を誘導したが、15日目及び16日目に同じ値に到達した。PEG−SMLAの実際の効力がPEG−MLAのそれより最高27倍高いことをこれは示す。 表8に示すように、体重増大と食物摂取量の間に強力な相関があった。対照的に、水分摂取量には差がほとんどなく、渇き調節経路ではなく食欲に対するレプチンアンタゴニストの特異的作用が確認された。(例5) レプチン受容体に対して増大した親和性を有するヒト及びヒツジのレプチンアンタゴニスト(HLA)の調製及び特徴付。 D23L突然変異がレプチン受容体へのレプチンアンタゴニストの親和性を、及びMLAだけでなく類似したレプチンアンタゴニストでの以降の生物的活性を増大させることを検証するために、対応する突然変異体(D23L/L39A/D40A/F41A)を合理的な突然変異生成によって調製し、大腸菌で大規模に発現させ、均一に精製し、SHLA(ヒト)又はSOLA(ヒツジ)と名付けた。精製したタンパク質は、還元及び非還元条件下でのSDS−PAGEによる測定で純粋であり、ゲル濾過実験では98%を超える単量体として出現した(図示せず)。in vivo実験のためにSHLA及びSOLAの使用を促進するために、それらをSMLA(上記参照)と同様にペグ化し、それぞれPEG−SHLA及びPEG−SOLAと名付けた。MLA、SMLA及びそれらのペグ化誘導体のために前に記載した方法に従って、SHLA、PEG−SHLA、SOLA及びPEG−SOLAを結合及び阻害活性について試験した(ヒトタンパク質については図12を参照;ヒツジのタンパク質の結果は図示せず)。示すように(図12A)、SMLA及びSHLAは、HLAのそれより9倍を超えて高かった同一の生物的活性を示した。この結果はさらなる実験で検証され、活性の類似した相対的増大がPEG−SHLA対PEG−HLAでも観察された(図12B)。図12C及び図12Dは、D23L突然変異による生物的活性の増大は、固定化hLBDへの親和性の劇的な(44倍及び80倍)増大に由来することを示す。 マウスでの予備的in vivo体重増大実験(12.5mg/kg/日、2週間継続)では、PEG−MLA及びPEG−HLAが比較され、両方とも同じ体重増大効果を示した(図示せず)。したがって、D23L突然変異の効果を検証するために、類似した比較in vivo実験をPEG−SHLA及びPEG−SMLAで実行した。結果は図13A〜Bで提示され、両物質が類似した体重増大効果を示したことを示す。(例6) 超活性レプチンアンタゴニストは、浸入する単核食細胞の阻害によって自然炎症からの保護を誘導する。 PEG−SMLA(20mg/kg)又はPEG−レプチン(0.4mg/kg)を、雌C57blマウスへ腹腔内に4日間投与した。これの後に、リポ多糖(10μg/kg)及びD−ガラクトースアミン(600mg/kg)の投与を通した自然肝炎の誘導が続き、これは、単核食細胞による浸入及びTNF−a分泌を通した自然免疫応答の活性化によって誘導される肝炎の誘導のための公知のモデルである。図15Aに表されているように、PEG−レプチンの投与は、ビヒクル処置マウスと比較して有意に高まった死亡率をもたらした。対照的に、PEG−SMLAの投与は、マウスの向上した生存として現れたかなりの保護をもたらした。 レプチン拮抗作用のエフェクターに対する効果を試験するために、浸入マクロファージ(図15B)、肝CD45+CD11b+CD11−F4/80+浸入(図15B、ゲートP4)及びレジデント(図15B、ゲートP5)マクロファージ集団の集団を、ビヒクル、レプチンアンタゴニスト及びレプチンアゴニスト処置マウスで試験した。図15Bの下のパネルに見られるように、レプチンアンタゴニストによって媒介される保護効果には、ビヒクル処置されたマウスと比較して、炎症によって誘発される肝臓浸入マクロファージ集団の劇的な減少が付随した。逆表現型がPEG−レプチン処置マウスで示され、そこにおいて、肝臓へのマクロファージ浸入はビヒクル処置マウスと比較してレプチンアゴニスト処置マウスで強かった。 重要なことに、自然炎症(図15B、上のパネル)の誘導前の定常状態でさえ、超活性レプチンアンタゴニスト処置マウスでの浸入マクロファージの減少は、未処置のマウスと比較して実質的に小さかった。レプチンアゴニスト処置マウスでの定常状態でも逆表現型が見られ、それは、既に定常状態の間の拡張したマクロファージ浸入を特徴とした。 結局、これらの結果は、炎症器官への単核マクロファージ浸入の阻害によって媒介される、自然免疫介在性炎症での超活性レプチンアンタゴニストのかなりの保護効果を実証する。(例7) マウスでのインスリン抵抗性及び糖尿病II型モデル。 ペグ化レプチンアンタゴニスト(PEG−MLA)、さらに強くは(PEG−SMLA)は、雄及び雌の両方のマウスで非常に強力な食欲促進作用を誘導し、主に脂肪蓄積に由来する非常に速い(40〜50%までの)体重増大につながった(図13A)。PEG−MLA又はPEG−SMLAの注射を中止すると、この体重増大を反転させることができた。さらなる実験では、21日の間PEG−MLA(20mg/kg/日)を注射された雄マウス(n=16)は、インスリン抵抗性を徐々に発達させ、対照と比較したインスリンレベル及びホメオスタシスモデル評価(HOMA)スコアの差は有意であった(p<0.05)。HOMAはインスリン抵抗性及びβ細胞機能を定量化するために用いられる方法である。より長い期間の実験(最高60日)では、血糖、血中トリグリセリド及び総コレステロールの有意な増大も観察された−糖尿病前症メタボリックシンドロームの出現の指標。しかし、血中肝酵素のレベルによって明示されるように、最高2カ月の処置は肝傷害に至らなかった。 短期代謝実験では、代謝チャンバーへ順化させた雄マウスは、朝にPEG−SMLA(5mg/kg/日)又はビヒクルのいずれかの皮下注射を受けた。これらの注射を24時間後に繰り返し、最初の注射から始めて2回目の注射の24時間後に終了するまで48時間、マウスを代謝チャンバーで研究した。第2の24時間周期の末までには、SMLAを受けたマウスはビヒクルを受けたマウスより3g重く(p<0.05)、体脂肪量の保存と一致するRQの増大(p<0.05)及び活性の低下(p<0.05)を有した。 結論として、高血糖、高脂血症及びインスリン抵抗性と関連するこの可逆的なレプチンアンタゴニストによって誘発される肥満は、マウスの真性糖尿病2型の迅速可逆的モデルの役目を果たすことができる。そのようなモデルは、PEG−SMLAの注射によって、又はSMLAをコードするDNA配列を条件付きで発現するトランスジェニックマウスの作製によって達成することができる。 トランスジェニックマウスの生成方法は周知の事項であり、本発明のトランスジェニックマウスを生成するために任意の適当な方法を選択することができ、例えば以下のステップに従う: マイクロインジェクション又はエレクトロポレーションのためのDNA調製 1)DNA消化物をアガロースゲルで分離する:操作が完了すると、ゲルをかなり低い濃度のEtBrで染色する。染色を終了すると、長波UVを用いてゲルを可視化し、対象のバンドを切断する。 2)DNA断片は、例えばGeneCleanスピンカラム(BIO 101のGeneClean Spinkit)を用いて精製する 3)DNAを沈殿させ、適当な溶媒に再懸濁させる。 前核注射: 1)注射のための卵生成:注射のために大量の卵(>250)を得るために、連続した妊馬血清(PMS)及びヒトコリオゴナドトロピン(HCG)ホルモン注射を用いて、性的に未熟なFVB/N雌を過剰排卵させる。HCG注射の後、雌を直ちに種畜雄と交尾させる。 2)卵を収集する:その翌日、交尾させた雌の輸卵管の膨大部から卵を収集する。卵をヒアルロニダーゼで処理してナース細胞を切り離し、次に洗浄する。 3)卵に注射する:注射のために30〜50個の卵を一度にインキュベーターから取り出す。各卵に、高倍率下でその日のDNA断片を個別に注射する。その群の各卵に注射すると、全ての卵をインキュベーターに戻す。全ての卵に注射するまで、この手順を繰り返す。注射期間の終わりに、注射を生き延びなかった卵は各群から除去する。 4)卵を着床させる:注射された卵を10〜15匹の群で、偽妊娠雌(精管切除雄と交尾させた雌)の輸卵管の両側に次に着床させる。加温板の上で動物を麻酔から回復させ、動物室に次に戻す。それらは、妊娠期間中無菌条件下で飼育される。 ゲノムサザンブロット分析のための尾部DNAプレップ: 1)尾部クリップの消化:約50〜100mgの尾部を切断してエッペンドルフ管に入れ、プロテアーゼで消化する。 2)フェノール/クロロホルムでDNAを単離し、エタノールで洗い流す。 3)適当な制限酵素でDNAを切断して、サザンブロットを実施する。 交配プロトコル 1)マウスの年齢を判定する:最低交配年齢:雄:35〜42日;雌:21日。最初の交配のための最高年齢:雄及び雌:6カ月。 2)交配するために、雌を雄のケージに入れる。この順序を逆にすると、雄が雌を殺傷する(又は、稀に雌が雄を殺傷する)可能性がある。雌を雄のケージに入れることができない場合、清潔なケージを用い、先ず雄をケージに置く。予想される交配の1週前にこれを行うことができるならば、これは雄がそのテリトリーに印を付け、フェロモンレベルが上昇することを可能にし、このことは交配過程の助けとなる。 上記のプロトコルは、例である。他の例、及びさらなる詳細は、例えば本明細書に完全に組み込まれる「Transgenic animal technology:a laboratory handbook、第2版(Carl A.Pinkert編、Gulf Professional Publishing、2002)で見出される。(参考文献)Bluher S, Shah S, Mantzoros CS (2009) Leptin deficiency: clinical implications and opportunities for therapeutic interventions. 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Nature 387:206-9 (a)改変哺乳動物レプチンポリペプチドであって、 (i)野生型ヒトレプチンの39〜42位に対応する位置のLDFI疎水性結合部位の2つから4つのアミノ酸残基が、前記疎水性結合部位の疎水性が低くなるように異なるアミノ酸残基で置換されるように、前記部位が改変されており、前記改変哺乳動物レプチンポリペプチドがレプチンアンタゴニストであり、 (ii)野生型ヒトレプチンの23位に対応する位置のアスパラギン酸(D23)が、負荷電していない異なるアミノ酸残基で置換されているか、若しくは野生型ヒトレプチンの12位に対応する位置のトレオニン(T12)が、疎水性である異なるアミノ酸残基で置換されている上記改変哺乳動物レプチンポリペプチド、 (b)(a)の前記改変哺乳動物レプチンポリペプチドの断片であって、D23が負荷電していない異なるアミノ酸残基で置換されているか、若しくはT12が疎水性である異なるアミノ酸残基で置換されており、前記断片がそれ自体レプチンアンタゴニストである上記断片、又は (c)(a)若しくは(b)の薬学的に許容される塩を含む、合成レプチンアンタゴニスト。 D23が疎水性であるか正荷電したアミノ酸残基で置換されている、請求項1に記載の合成レプチンアンタゴニスト。 前記疎水性のアミノ酸残基がロイシン、グリシン、アラニン、トリプトファン、ヒスチジン又はフェニルアラニンから選択され、前記正荷電したアミノ酸残基がアルギニン又はリシンから選択される、請求項2に記載の合成レプチンアンタゴニスト。 D23がロイシンで置換されている、請求項3に記載の合成レプチンアンタゴニスト。 さらなるアミノ酸残基が、以下の通りに置換されている: (a)野生型ヒトレプチンの68位に対応する位置のロイシン(L68)がメチオニンで置換されており、野生型ヒトレプチンの97位に対応する位置のセリン(S97)がフェニルアラニンで置換されており、野生型ヒトレプチンの132位に対応する位置のセリン(S132)がチロシンで置換されているか、 (b)野生型ヒトレプチンの112位に対応する位置のグリシン(G112)がセリンで置換されているか、 (c)野生型ヒトレプチンの37位に対応する位置のトレオニン(T37)がアラニンで置換されており、野生型ヒトレプチンの44位に対応する位置のグリシン(G44)がアスパラギン酸で置換されている、請求項2に記載の合成レプチンアンタゴニスト。 T12がイソロイシンで置換されている、請求項1に記載の合成レプチンアンタゴニスト。 (i)の前記2つから4つのアミノ酸残基が、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、リシン及びセリンからなる群から選択されるアミノ酸で置換されている、請求項1に記載の合成レプチンアンタゴニスト。 前記アミノ酸残基がアラニンである、請求項7に記載の合成レプチンアンタゴニスト。 前記4つのアミノ酸残基の3つがアラニンで置換されている、請求項8に記載の合成レプチンアンタゴニスト。 (i)野生型ヒトレプチンの39〜42位に対応する位置のLDFI疎水性結合部位が、39位に対応する位置のロイシンがアラニンで置換され、40位に対応する位置のアスパラギン酸がアラニンで置換され、41位に対応する位置のフェニルアラニンがアラニンで置換されるように改変されており、 (ii)D23がロイシンで置換されている、請求項1から9までのいずれか一項に記載の合成レプチンアンタゴニスト。 配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドからなる、請求項10に記載の合成レプチンアンタゴニスト。 前記哺乳動物レプチンポリペプチドがヒト、ヒツジ又はマウスのレプチンである、請求項1に記載の合成レプチンアンタゴニスト。 野生型ヒトレプチンの39〜42位に対応する位置のLDFI疎水性結合部位の2つから4つのアミノ酸残基が、前記疎水性結合部位の疎水性が低くなるように異なるアミノ酸残基で置換されるように、前記部位だけで改変されている改変哺乳動物レプチンの親和性より最高100倍、90倍、80倍、70倍、50倍、30倍又は20倍高い親和性でレプチン受容体に結合する、請求項1に記載の合成レプチンアンタゴニスト。 ペグ化形態の、請求項1又は11に記載の合成レプチンアンタゴニスト。 配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチド、又は薬学的に許容されるその塩からなる合成レプチンアンタゴニスト。 ペグ化形態の、請求項15に記載の合成レプチンアンタゴニスト。 請求項1又は11に記載の合成レプチンアンタゴニストをコードする単離されたDNA分子。 請求項15に記載の合成レプチンアンタゴニストをコードする単離されたDNA分子。 配列番号4のDNA配列を有する、請求項18に記載の単離されたDNA分子。 請求項1又は11に記載の合成レプチンアンタゴニスト、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。 請求項15又は16に記載の合成レプチンアンタゴニスト、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。 ペグ化形態の前記合成レプチンアンタゴニストを含む、請求項20に記載の医薬組成物。 (a)改変哺乳動物レプチンポリペプチドであって、D23が負荷電していない異なるアミノ酸残基で置換されているか、若しくはT12が疎水性である異なるアミノ酸残基で置換されている上記改変哺乳動物レプチンポリペプチド、 (b)(a)の前記改変哺乳動物レプチンポリペプチドの断片であって、D23が負荷電していない異なるアミノ酸残基で置換されているか、若しくはT12が疎水性である異なるアミノ酸残基で置換されており、前記断片がそれ自体レプチンアゴニストである上記断片、又は (c)(a)若しくは(b)の薬学的に許容される塩を含む合成レプチンアゴニスト。 ペグ化形態の、請求項23に記載の合成レプチンアゴニスト。 請求項23に記載の合成レプチンアゴニストをコードする単離されたDNA分子。 請求項23又は24に記載の合成レプチンアゴニスト、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。 メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪肝炎、アテローム硬化症、II型糖尿病、食欲不振、悪液質、癌、並びに多発硬化症、炎症性腸症候群又は慢性関節リウマチなどの自己炎症性及び自己免疫性疾患からなる群から選択される疾患又は状態の処置のための方法であって、必要とする患者に有効量の請求項15又は16に記載の合成レプチンアンタゴニストを投与することを含む上記方法。 肥満、過食関連症候群、1型糖尿病、メタボリックシンドローム及びアテローム硬化症からなる群から選択される異常なレプチンシグナル伝達が関係している疾患若しくは状態の処置のため、又は血管形成の促進における方法であって、必要とする患者に有効量の請求項23又は24に記載の合成レプチンアゴニストを投与することを含む上記方法。 前記患者にSYMLIN(登録商標)(酢酸プラムリンチド)などのアミリン類似体又はブフェニル(4−PBA)若しくはタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)などの化学的シャペロンを投与することをさらに含む、肥満の処置のための請求項28に記載の方法。 前記患者にインスリンを投与することをさらに含む、1型糖尿病の処置のための請求項28に記載の方法。 そのゲノムが、誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される、請求項17又は18に記載のDNA分子を含む遺伝子を含む、トランスジェニックマウス。 前記DNA分子が配列番号4のDNA配列を有する、請求項31に記載のトランスジェニックマウス。 そのゲノムが、 (a)改変哺乳動物レプチンポリペプチドであって、野生型ヒトレプチンの39〜42位に対応する位置のLDFI疎水性結合部位の2つから4つのアミノ酸残基が、前記疎水性結合部位の疎水性が低くなるように異なるアミノ酸残基で置換されるように、前記部位が改変されており、前記改変哺乳動物レプチンポリペプチドがレプチンアンタゴニストである上記改変哺乳動物レプチンポリペプチド、 (b)(a)の前記改変哺乳動物レプチンポリペプチドの断片であって、前記断片それ自体がレプチンアンタゴニストである上記断片、又は (c)(a)若しくは(b)の薬学的に許容される塩を含む合成レプチンアンタゴニストをコードするDNA分子を含む遺伝子を含むトランスジェニックマウス。 インスリン抵抗性並びに血中インスリン及び血糖のレベルの増大を示す、請求項31又は33に記載のトランスジェニックマウス。 高血糖、高脂血症、真性糖尿病2型及びインスリン抵抗性からなる群から選択される疾患又は障害のための治療活性を有する物質をスクリーニングする方法であって、(1)請求項34に記載のトランスジェニックマウスに試験物質を投与する工程と、(2)前記疾患又は障害が前記トランスジェニックマウスで抑制されるかどうか確認する工程と、(3)前記疾患又は障害が前記トランスジェニックマウスで抑制される場合に、前記試験物質を、前記疾患又は障害のための治療活性を有する物質として選択する工程とを含む上記方法。 レプチン受容体への結合親和性の増大したレプチン突然変異タンパク質、特にレプチンアンタゴニストが提供される。これらの化合物並びにそれらを含む医薬組成物は、内因性レプチンの望ましくないか有害な活性又は変更された自然免疫応答が関係する任意の障害の処置で有用である。 配列表


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