タイトル: | 公開特許公報(A)_唾液分析のための唾液処理方法 |
出願番号: | 2013268336 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | G01N 33/48 |
万条 奈央 JP 2015125029 公開特許公報(A) 20150706 2013268336 20131226 唾液分析のための唾液処理方法 花王株式会社 000000918 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 万条 奈央 G01N 33/48 20060101AFI20150609BHJP JPG01N33/48 A 6 1 OL 9 2G045 2G045AA25 2G045AA40 2G045BA13 2G045BB10 2G045BB46 2G045CB07 2G045CB21 2G045DA36 2G045DA38 2G045DA54 2G045DA60 本発明は、唾液分析のための唾液処理方法に関する。 唾液には、タンパク質、細菌、ウイルス、菌の代謝物、血液成分、ホルモン、電解質、脂質など様々な唾液成分が含まれていることが知られている。こうした唾液成分は、口腔状態及び全身の健康状態やストレス等によって、その組成や量等が変動するだけでなく、唾液自体の量や粘度等の物性も変動するため、唾液を採取してこれを分析することにより、口腔状態の把握や、健康状態又はストレスの指標とすることができる。例えば、特許文献1に記載されるように、唾液に含まれる特定タンパク質の有無を測定することによって、歯周病のリスク判定の指標とすることもできる。 従来より、こうした唾液を分析するために、様々な手法によって被検対象である唾液の採取が行われている。例えば、味覚刺激を与えずに安静状態において唾液を採取する方法としては、特許文献1でも用いられている排液法、吐出法、吸引法が挙げられる。また、特許文献2のように、唾液分泌を刺激するための唾液捕集溶液と唾液捕集器を用いて唾液を採取する方法も知られている。特許第4288180号公報特表2008−516201号公報 通常、採取した唾液は、分析に付する前に、予め遠心分離により菌や食物残渣、剥離粘膜等の沈殿物を分離した後、その際の上澄みを被検対象とする。 しかしながら、上澄み液自体も粘度の低い液(低粘度層)と粘度の高い液(高粘度層)に分離してしまう傾向にある上、高粘度層は沈殿物とともに回収されやすいため、かかる高粘度層から上澄み液のみを回収するのは困難である。そのため、主として低粘度層を回収して被検対象とすることとなり、分析結果の精度や再現性が損なわれる可能性がある。 一方、特許文献2に記載される方法を用いると、採取した唾液をそのまま分析に付することも可能ではあるものの、唾液捕集溶液により唾液分泌を刺激して唾液を採取するため、平常時の唾液に比べてタンパク質や電解質等の成分の変質や含有量の変動、又は唾液物性の変動等が生じる可能性が高く、実情に即した正確な分析ができないおそれがある。 したがって、本発明は、唾液中における唾液物性や唾液成分を分析するにあたり、その精度や再現性を高めることのできる唾液分析のための唾液処理方法に関する。 そこで本発明者は、予め採取した唾液を遠心分離する方法を用いつつ、特定の工程を経ることにより、回収する上澄み液の分離を有効に防止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。 すなわち、本発明は、次の工程(A)、(B)、(C)及び(D): (A)口腔内の唾液を採取して容器に捕集する工程、 (B)捕集された唾液を撹拌する工程、 (C)撹拌された唾液を冷却する工程、及び (D)冷却された唾液を遠心分離する工程 を備える唾液分析のための唾液処理方法に関する。 本発明の唾液処理方法によれば、従来の方法を用いて唾液を採取しながら、遠心分離した際の上澄み液において、低粘度層と高粘度層に分離するのを有効に防止し、均一な被検対象とすることができる。そのため、沈殿物の混在を考慮することなく上澄み液全体を回収することができるので、ハンドリング性の向上を図ることができるとともに、唾液分析の再現性や精度を効果的に高めることが可能となる。実施例1で得られた処理後の唾液を用い、各サンプルごとに測定した唾液タンパク質濃度をグラフ化した図である。比較例1で得られた処理後の唾液を用い、各サンプルごとに測定した唾液タンパク質濃度をグラフ化した図である。比較例2で得られた処理後の唾液を用い、各サンプルごとに測定した唾液タンパク質濃度をグラフ化した図である。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明の唾液分析のための唾液処理方法は、次の工程(A)、(B)、(C)及び(D): (A)口腔内の唾液を採取して容器に捕集する工程、 (B)捕集された唾液を撹拌する工程、 (C)撹拌された唾液を冷却する工程、及び (D)冷却された唾液を遠心分離する工程 を備える。 本発明は、工程(A)として、口腔内の唾液を採取して容器に捕集する工程を備える。唾液としては、耳下腺唾液、顎下腺唾液、舌下腺唾液、及び小唾液腺唾液から選ばれる1種又は2種以上、或いは全唾液が挙げられる。なかでも、工程の簡易化、及び実情に即した唾液の分析を実施する観点から、全唾液であるのが好ましい。 用いる容器としては、容器内壁に被検成分である唾液成分が吸着していないものであればよく、衛生面からは使い捨ての容器が好ましい。また、容器の材質や形態には特に制限されず、唾液成分の吸着を防止する観点からは樹脂製の容器が好ましく、例えば、ポリプロピレン製のチューブを好ましく用いることができる。 なお、工程(A)で用いる口腔内の唾液を採取するにあたり、予め口腔内を清浄化するのが好ましい。これにより、口腔内における必要以上の汚れ等を除去することが可能となり、より実情に即した唾液の分析を実施することができる。口腔内を清浄化する方法としては、具体的には、例えば、口腔内を安静状態に保つ工程を経た後、口腔内を標準状態にする工程を経ることが挙げられる。 口腔内を安静状態に保つ工程には、唾液を採取する前に唾液分泌に影響を与える行為を禁止することが含まれる。唾液を採取する前とは、具体的には、唾液を採取する1〜2時間前から、唾液を採取するまでの時間を意味する。かかる工程を経ることにより、採取する唾液の物性や成分に過度の影響を与えることを有効に防止し、唾液分析における高い再現性や精度を確保することができる。 唾液分泌に影響を与える行為としては、口腔内への刺激、自律神経系への刺激、人体への刺激が挙げられる。口腔内への刺激としては、具体的には、例えば、飲食、歯磨き行為等の口腔内清掃、開口、喫煙等が挙げられる。自律神経系への刺激としては、具体的には、例えば、薬の服用が挙げられる。人体への刺激としては、具体的には、例えば、激しい運動、長時間にわたる睡眠、極端な温度変化等が挙げられる。したがって、唾液分析の精度や再現性を高める上で、これらの行為を可能な限り禁止することが好ましい。 口腔内を安静状態に保つ工程を経た後、口腔内を標準状態にする工程を経る。かかる工程には、唾液を採取する前に水で口腔内を洗浄することが含まれる。口腔内を洗浄する行為としては、具体的には、水を口腔内に含んだ後、口腔内の汚れが落ちるよう含漱し、次いで水を吐き出す行為であるのが好ましい。口腔内に含む水の体積は、好ましくは5〜10mLであり、含漱する時間は、好ましくは1〜60秒である。 本発明は、工程(B)として、捕集された唾液を撹拌する工程を備え、少なくとも上記工程(A)の次にかかる工程(B)を経る。従来の方法では、一般的に唾液物質や唾液成分の変化や変質等を防止する観点から、唾液を捕集した後に速やかに氷上で保存していたのに対し、本発明では、後述する冷却する工程(C)を経る前に工程(B)を経ることにより、唾液を捕集した後に速やかに撹拌し、その後、工程(C)において撹拌された唾液を冷却することとなる。 工程(A)の終了時から工程(B)の開始時までの時間は、唾液処理中における唾液物質や唾液成分の変化や変質等を防止する観点から、1分以内であることが好ましい。 工程(B)における撹拌としては、ボルテックスミキサーやロータリーミキサー等のミキサー装置を用いる方法、ピペットを用いたピペッティング方法、容器等を用いるタッピング方法等が挙げられる。なかでも、迅速かつ容易に撹拌できる観点から、ボルテックスミキサー、シェーカー、ロータリーミキサー、及びミキサーから選ばれる1種又は2種以上の装置を用いるのが好ましい。 なお、工程(B)における撹拌とは、採取した唾液のみを撹拌することを意味し、例えば、かかる唾液に採取した唾液成分以外の成分を混合するための撹拌は含まない。 工程(B)における撹拌温度は、5〜35℃であるのが好ましく、15〜25℃であるのがより好ましい。工程(B)における撹拌時間としては、唾液成分が分解するおそれがない時間であればよく、具体的には、例えば、1〜60秒間が好ましく、10〜40秒間がより好ましい。 工程(B)における撹拌条件としては、撹拌温度や撹拌時間を上記範囲内で適宜選択し、唾液が低粘度層と高粘度層に分離することなく均一に分散するよう撹拌すればよく、或いは撹拌当初は粘度の低い液(低粘度層)と粘度の高い液(高粘度層)が混在又は偏在するために、やや撹拌抵抗を感じるところ、次第に液全体が撹拌され、粘度が均一となることで撹拌抵抗が減少したことを感じる状態になるまで撹拌するのが好ましい。具体的には、撹拌温度や撹拌時間の選択のほか、例えば、ボルテックスミキサー、シェーカー、ロータリーミキサー、及びミキサーから選ばれる1種又は2種以上の装置を用いる撹拌の場合、旋回速度が1000〜4000rpsであることが好ましく、旋回速度が1500〜3000rpsであることがより好ましく、或いは回転軸の回転数が1000〜4000回/分であることが好ましく、回転軸の回転数が1500〜3000回/分であるのがより好ましい。 なお、均一に分散することと粘度が均一であることとは同義であり、ともに視認又は触知により判別できる範囲での性状であって、上述のとおり、撹拌当初は低粘度層と高粘度層が混在又は偏在するために、やや撹拌抵抗を感じるところ、次第に液全体が撹拌されて撹拌抵抗が減少したことを感じる状態を意味する。 本発明は、工程(C)として、撹拌された唾液を冷却する工程を備え、少なくとも上記工程(A)及び工程(B)を経た後、かかる工程(C)を経る。これにより、撹拌された唾液が冷却され、唾液が低温のままの状態で工程(C)以降の操作が遂行されることとなる。すなわち、従来の方法とは異なり、唾液を冷却する前に撹拌することとなり、唾液処理中における唾液物性や唾液成分の変化や変質等を有効に防止しつつ、唾液が低粘度層と高粘度層に分離することなく均一に分散したまま冷却することができる。 工程(B)の終了時から工程(C)の開始時までの時間は、唾液処理中における唾液物性や唾液成分の変化や変質等を防止する観点から、1分以内であることが好ましい。 工程(C)における冷却温度は、唾液成分の変質を抑制する観点から、1〜8℃であることが好ましく、1〜4℃であることがより好ましい。 本発明は、工程(D)として、冷却された唾液を遠心分離する工程を備え、少なくとも上記工程(A)、工程(B)及び工程(C)を経た後、かかる工程(D)を経る。これにより、予め唾液が低粘度層と高粘度層に分離することなく均一に分散したままの唾液を用いることができ、遠心分離後の上澄み液における低粘度層と高粘度層の分離をも有効に防止して、上澄み液を回収する際、上澄み液に高粘度層が存在することによって沈殿物までをも回収されてしまうことを効果的に防止し、上澄み液全液を被検対象物質として回収することができる。 工程(D)における遠心分離は、具体的には、例えば、遠心分離機を用い、1〜4℃の温度条件で行うことが好ましい。また、遠心分離機における回転子の回転速度は、好ましくは1000〜8000rpmであり、遠心分離機の回転時間は、好ましくは1〜15分間である。用い得る遠心分離機としては、例えば、超遠心分離機、冷却用遠心分離機等が挙げられる。 本発明の唾液処理方法を用いることにより、上記工程(A)、(B)、(C)及び(D)を経た唾液を得ることができる。次いで、得られた唾液の上澄み液を回収し、これを被検対象とする唾液分析を実施することができる。唾液分析の被検対象としては、唾液物性と唾液成分から選ばれる対象であることが好ましい。被検対象の唾液物性としては、例えば、液量、粘度、及び曳糸性から選ばれる1種又は2種以上の物性が挙げられる。上澄み液の被検対象の唾液成分としては、タンパク質、菌の代謝物、血液成分、ホルモン、電解質、及び脂質から選ばれる1種又は2種以上であるのが好ましく、唾液成分の分析としては、これらを被検対象とする定量分析や定性分析が挙げられる。 なお、必要に応じ、得られた唾液の沈殿物を用いて分析を実施することもできる。沈殿物の分析においては、細菌、ウイルス、血液成分、及び剥離粘膜から選ばれる1種又は2種以上を被検対象とすることが好ましい。具体的には、細菌の分析では、細菌の種類と細菌数、細菌中のタンパク質を被検対象とするのが好ましく、ウイルスの分析では、ウイルスの種類とウイルス数、ウイルス中のタンパク質を被検対象とするのが好ましく、血液成分の分析では、例えば赤血球数を被検対象とするのが好ましい。剥離粘膜の分析では、剥離した上皮細胞中のタンパク質の定性と定量のほか、抽出DNAやRNAによる分析を行うのが好ましい。 上記工程(A)、(B)、(C)及び(D)を経た唾液の上澄み液を回収するには、一般的にピペットやスポイト等が用いられる。したがって、従来の方法を用いた場合、従来の方法を用いて採取した唾液から得られる遠心分離した後の上澄み液において、低粘度層と高粘度層に分離してしまうと、沈殿物が混在していない高粘度層のみを回収することが困難であったところ、本発明の唾液処理方法を用いて得られる唾液であれば、上澄み液における低粘度層と高粘度層の分離を有効に防止し、沈殿物が混在することなく上澄み液全体を回収して、分析対象とすることができる。その結果、実情に即した唾液を元に唾液分析を実施することができ、唾液分析自体の再現性や精度を効果的に高めることが可能となる。 以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 [実施例1] 唾液を採取する1時間前からの飲食、及び口腔清掃の停止を行った健常者3名を対象とした。各健常者とも、椅子に座った状態のまま、50mL遠沈管(IWAKI)に入れた6mLの蒸留水(大塚製薬)を30秒間含嗽し、吐出した。かかる50mL遠沈管に、吐唾法による10分間の安静時における全唾液を採取した。採取した唾液を直ちに(約30秒後)試験管ミキサー(柴田科学TTM-1型番)を用い、回転軸の回転数2500回/分で30秒間撹拌して、均一な溶液にした。 次いで、速やかに(約30秒後)唾液を氷上に置き、これ以降の操作は氷上で行った。採取した健常者3名の唾液を混合し、遠心分離機(日立工機 CF15R)を用い、回転子の回転速度3000rpm、4℃で10分間の遠心分離を行った。遠心分離後、上澄み液を全量ピペットにより回収し、0.5mLチューブ(住友ベークライト)12本へ100μLずつ分注し、各サンプルとした。蒸留水を各チューブへ300μLずつ加え、混合した後、Advanced Protein Assay (5X conc) (Cytoskeleton)により、各サンプルごとにタンパク質濃度を測定した(標準品に:アルブミン(Thrmo))。 なお、実施例1では、遠心分離後の上澄み液には低粘度層と高粘度層の分離が見られず、容易に上澄み液を全量回収することができた。 各サンプルにおける結果をグラフ化し、図1に示す。 [比較例1] 唾液を採取する1時間前からの飲食、及び口腔清掃の停止を行った健常者3名を対象とした。各健常者とも、椅子に座った状態のまま、50mL遠沈管(IWAKI)に入れた6mLの蒸留水(大塚製薬)を30秒間含嗽し、吐出した。かかる50mL遠沈管に、吐唾法による10分間の安静時における全唾液を採取した。これ以降の操作は氷上で行った。採取した健常者3名の唾液を混合し、実施例1と同様の条件下で遠心分離を行った。遠心分離後、上澄み液が低粘度層と高粘度層に分離したため、沈殿物を回収しないよう配慮しながら低粘度層を回収し、実施例1と同様にして、12本のチューブへ分注し、各サンプルごとにタンパク質濃度を測定した。 なお、比較例1では、遠心分離後の上澄み液が低粘度層と高粘度層が分離したため、上澄み液全量を回収することは不可能であった。 各サンプルにおける結果をグラフ化し、図2に示す。 [比較例2] 唾液を採取する1時間前からの飲食、口腔清掃の停止を行った健常者3名を対象とした。各健常者とも、椅子に座った状態のまま、50mL遠沈管(IWAKI)に入れた6mLの蒸留水(大塚製薬)を30秒間含嗽し、吐出した。かかる50mL遠沈管に、吐唾法による10分間の安静時全唾液を採取した。これ以降の操作は氷上で行った。冷却された唾液を試験管ミキサー(柴田科学)を用い、回転軸の回転数2500回/分で30秒間撹拌して、均一な溶液にした。 次いで、3名の唾液を混合し、実施例1と同様の条件下で遠心分離を行った。遠心分離後、上澄み液が低粘度層と高粘度層に分離したため、沈殿物を回収しないよう配慮しながら低粘度層を回収し、実施例1と同様にして、12本のチューブへ分注し、各サンプルごとにタンパク質濃度を測定した。 なお、比較例2においても、比較例1と同様、遠心分離後の上澄み液が低粘度層と高粘度層が分離したため、上澄み液全量を回収することは不可能であった。 各サンプルにおける結果をグラフ化し、図3に示す。 これらの結果より、特に図中に示す標準偏差値からも明らかなように、採取した唾液を撹拌せずに冷却した比較例1〜2では、各サンプル間においてタンパク質濃度の結果にバラツキが生じたのに対し、工程(A)〜(D)を経て得られた唾液を用いた実施例1では、各サンプル間におけるタンパク質濃度に差異のない安定した結果が得られたことがわかる。 これは、比較例1〜2では、遠心分離後の上澄み液が低粘度層と高粘度層に分離したため、沈殿物の近傍の高粘度層の上澄み液が回収できなかったのに対し、実施例1では、遠心分離後の上澄み液が分離することなく均一であり、沈殿物との分離及び上澄み液の回収が容易であったことによるものである。 次の工程(A)、(B)、(C)及び(D): (A)口腔内の唾液を採取して容器に捕集する工程、 (B)捕集された唾液を撹拌する工程、 (C)撹拌された唾液を冷却する工程、及び (D)冷却された唾液を遠心分離する工程 を備える唾液分析のための唾液処理方法。 唾液分析が、タンパク質、菌の代謝物、血液成分、ホルモン、電解質、及び脂質から選ばれる1種又は2種以上の唾液成分の分析である請求項1に記載の唾液処理方法。 工程(A)において、採取する唾液が、全唾液、耳下腺唾液、顎下腺唾液、舌下腺唾液、及び小唾液腺唾液から選ばれる1種又は2種以上を含む請求項1又は2に記載の唾液処理方法。 工程(A)の終了時から工程(B)の開始時までの時間が1分以内であり、かつ工程(B)の終了時から工程(C)の開始時までの時間が1分以内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の唾液処理方法。 工程(B)における撹拌が、ボルテックスミキサー、シェーカー、ロータリーミキサー、及びミキサーから選ばれる1種又は2種以上の装置を用いるものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の唾液処理方法。 工程(B)における撹拌時間が、1〜60秒である請求項1〜5のいずれか1項に記載の唾液処理方法。 【課題】唾液中における唾液物性や唾液成分を分析するにあたり、その精度や再現性を高めることのできる唾液分析のための唾液処理方法に関する。【解決手段】次の工程(A)、(B)、(C)及び(D): (A)口腔内の唾液を採取して容器に捕集する工程、 (B)捕集された唾液を撹拌する工程、 (C)撹拌された唾液を冷却する工程、及び (D)冷却された唾液を遠心分離する工程 を備える唾液分析のための唾液処理方法。【選択図】図1