タイトル: | 公開特許公報(A)_認知機能を改善する脂肪酸アミドを含む医薬、食品、組成物 |
出願番号: | 2013266067 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 31/16,A61P 25/28,A61P 43/00,A23L 1/30 |
阿野 泰久 沓掛 登志子 JP 2015120667 公開特許公報(A) 20150702 2013266067 20131224 認知機能を改善する脂肪酸アミドを含む医薬、食品、組成物 キリン株式会社 311002447 特許業務法人創成国際特許事務所 110000800 阿野 泰久 沓掛 登志子 A61K 31/16 20060101AFI20150605BHJP A61P 25/28 20060101ALI20150605BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150605BHJP A23L 1/30 20060101ALI20150605BHJP JPA61K31/16A61P25/28A61P43/00 107A23L1/30 Z 6 2 OL 8 4B018 4C206 4B018MD18 4B018ME14 4C206AA01 4C206AA02 4C206GA03 4C206GA22 4C206MA01 4C206MA04 4C206NA14 4C206ZA15 4C206ZA16 4C206ZB22 本発明は、脳内ミクログリアの貪食活性を亢進させ、特に、認知症の予防、治療、及び/又は認知機能を改善する組成物及び医薬、食品に関する。 ミクログリアは脳内へのウイルスなど異物の侵入及び外傷により活性化し、殺菌、組織の修復の他、抗腫瘍作用等、様々な生理機能を担うことが知られている。また、ミクログリアはアポトーシスや損傷による死細胞やアミロイドβなどの老廃物を貪食作用により除去する。 ミクログリアは中枢神経系においてMHC、Fcレセプターや補体レセプターの発現、インターロイキン-1等のサイトカインの分泌などを行い、免疫反応に関与することが報告されてきている。そして、脳血管関門により末梢/循環系の免疫系から隔離された脳において、ミクログリアを中心とする脳の免疫系が存在することが明らかにされてきている(非特許文献1)。 また、ミクログリアは脳内での恒常性維持やニューロンのネットワーク維持に非常に重要な役割を果たしており、古くなったシナプスの貪食除去、それに伴うシナプス新生を促す作用を有している(非特許文献2)。 疾患との関係では、アルツハイマー病、パーキンソン病のような神経変性を伴う慢性神経変性疾患や、脳梗塞等の様々な疾患にミクログリアが関与すること、アミロイドβに代表される脳内で蓄積する老廃物により反応性が変化することが報告されている(非特許文献3)。これら神経変性による疾患の中でも、特に認知症を伴う神経変性疾患に関しては高齢化社会の到来により大きな社会問題となっている。 認知症の高齢者は厚生労働省の研究班の推計で462万人、65歳以上の高齢者の15%にのぼるとも言われている。また、2013年にはG8各国が認知症について話し合う初めての「認知症サミット」がロンドンで開催され、共同声明も発表された。日本だけではなく、世界各国で認知症を患う高齢者の増加が医療や介護の問題をはじめとして、社会的なサポートの必要性や、経済的な負担等、国際的にも大きな問題となっていることを表している。 認知症の中でも、アルツハイマー型認知症は、脳血管性認知症、レビー小体病と並んで最も多いタイプの認知症である。アルツハイマー病患者の剖検によれば、大脳皮質に老人斑と呼ばれるアミロイドβの沈着像が見られることから、アミロイドβの脳内での蓄積がアルツハイマー病の原因の一つと考えられてきている(非特許文献4)。 したがって、アミロイドβの脳内での蓄積を低下させる物質は、アルツハイマー病の有力な治療薬候補となるであろうと考えられている。しかしながら、塩酸ドネペジルをはじめ、現在使用が認可されている薬物は、いずれも対象療法が薬剤開発のコンセプトであり根本的治療薬ではない。 アミロイドβは、アルツハイマー病の有無、年齢に関わらず、健常人であっても産生されている。しかしながら、正常脳ではアミロイドβは適切に除去され、蓄積することはない。また、アルツハイマー病患者においても、アミロイドβの産生、沈着、除去は並行して生じている。したがって、脳内からアミロイドβを除去する物質を見出すことができれば、アルツハイマー型認知症の予防、治療に用いることができる。 脳内でのアミロイドβの除去には、ミクログリアが関わっていることが報告されている。ミクログリア及びアストロサイトにより可溶性アミロイドβが貪食除去されることが培養細胞を用いた実験で示されている(非特許文献5、6)。 また、不溶性となり細胞外に沈着したアミロイドβの除去にもミクログリアが関わっている。不溶化して沈着したアミロイドβは、補体活性化によるオプソニン化を受けている。ミクログリアは補体受容体、IgG受容体を発現しており、オプソニンを介したアミロイドβの貪食に関与していると考えられている(非特許文献7)。Yong, VW, and Rivest, S., (2009) Neuron, Vol.64, pp.55-60Tremblay ME., et al., (2010), PLoS Biol, e1000527Steit, Wj., et al., (2004), J. Neuroinflammation, Vol.1, pp.14Hardy, J and Selkoe DJ., (2002), Science, Vol.297, pp.353-356DeWit DA., et al., (1998), Exp Neurol, Vol.149, pp.329-340Koenigsknecht, J, and Landreth, G., (2004), J. Neurosci., Vol.24, pp.9838-9846Das, P., et al., (2003), J. Neurosci., Vol.23,pp. 8532-8538Georgina, E., et al., (2010), Asia Pac. J. Clin. Nutr., Vol.19. pp.161-171Raphael Mechoulam, et a., (1997)Nature, Vol.389, p.25-26Heo, H.J., et al., (2003), Biosci.Biotechnol.Biochem., Vol.37, pp.1284-1291 本発明はミクログリアの持つ貪食除去活性を亢進させることにより、老廃物や異物が脳内に蓄積することを予防し、認知症を予防、治療、症状を改善する医薬、食品を提供することを課題とする。 ミクログリアの貪食除去能を活性化することができれば、アミロイドβ等の脳内老廃物や異物の除去、古くなったニューロンのシナプスの除去、シナプスの新生が速やかに行われ、アルツハイマー病をはじめ、ミクログリアが関与しているといわれているパーキンソン病等、他の神経変性疾患についても、疾患の予防、症状の改善、治療につながることが期待できる。 本発明は、ミクログリアを活性化するための組成物であって、有効成分が脂肪酸アミドであることを特徴とする。 ミクログリアの持つ貪食活性を指標に、ミクログリア活性を亢進する物質をスクリーニングし、ミクログリアの貪食活性を増強する物質を単離した。その結果、脂肪酸アミドがミクログリアの貪食活性を亢進することを見出した。遊離脂肪酸にアンモニアがアミド結合した脂肪酸アミドが、ミクログリアの貪食活性を増強することは、本発明者らが初めて見出したことである。 本発明のミクログリアを活性化するための組成物は、有効成分がオレアミド又はパルミタミドであることを特徴とする。 本発明者らは、オレイン酸にアンモニアがアミド結合したオレアミドとパルミチン酸にアンモニアがアミド結合したパルミタミドに、ミクログリアの貪食除去活性をin vitro及びin vivoで亢進する作用があることを見出した。したがって、ミクログリアに、オレアミド又はパルミタミドを作用させて、活性化したミクログリアを得ることができる。 本発明のミクログリアを活性化するための医薬、又は食品は、有効成分が脂肪酸アミドであることを特徴とする。 本発明者らは脂肪酸にアンモニアがアミド結合した脂肪酸アミドが、ミクログリアの貪食活性を増強することを見出した。脂肪酸アミドを有効成分として含有する医薬、又は食品は、ミクログリアを活性化することにより脳内の異物や死細胞を速やかに除去することにより、アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患等の予防、治療、症状の改善が期待できる。 本発明のミクログリアを活性化するための医薬、又は食品は、有効成分がオレアミド又はパルミタミドであることを特徴とする。 脂肪酸アミドの中でも、オレアミド、パルミタミドにミクログリアを活性化する作用が顕著に見られた。したがって、これら化合物を有効成分とするミクログリアを活性化する医薬、又は食品を提供することができる。 本発明の認知症を予防、治療及び/又は認知機能を改善するための医薬組成物、又は食品組成物は、有効成分が脂肪酸アミドであることを特徴とする。 上述のように、本発明者らは脂肪酸アミドに脳内ミクログリアを活性化することを見出した。したがって、脂肪酸アミドを有効成分として含む医薬は、ミクログリアを活性化し、脳内に存在する異物や死細胞の除去を速やかに行うことにより、アルツハイマー病をはじめとする種々の神経変性を伴う疾患の発症を予防、治療、症状の改善をすることが期待できる。 また、医薬としてはもちろん、食品として本発明の組成物を継続して摂取することは、認知症、その中でもアルツハイマー型の認知症の予防に役立つことが期待される。認知症は発症すると治療は困難であることから、その予防が非常に重要な課題である。脂肪酸アミドを有効成分として含む食品を開発することにより、予防効果を備え、継続的に摂取できる食品を提供することができる。 本発明の認知症を予防、治療及び/又は認知機能を改善するための医薬組成物、又は食品組成物は、有効成分がオレアミド又はパルミタミドであることを特徴とする。 有効成分としてオレアミド又はパルミタミドを含む組成物は、ミクログリアを活性化し、脳内に存在するアミロイドβ等の異物を除去する活性を有する。したがって、当該組成物は、認知症、特にアルツハイマー型認知症を予防、治療及び/又は認知機能を改善することが期待される。オレアミド(A)、パルミタミド(B)が単離マウスミクログリア細胞の貪食活性を増強することを示す図。オレアミドを経口投与した後に回収したマウスミクログリアの貪食活性(A)及びCD36発現(B)を解析した図。 ミクログリアの貪食能を活性化する物質をスクリーニングした結果、脂肪酸アミドであるオレアミドとパルミタミドに、ミクログリアの貪食除去能を活性化する作用があることが明らかとなった。 上述のようにミクログリアの活性化により脳内の異物や老廃物の除去が速やかに行われ、シナプス新生が促されることから、オレアミド又はパルミタミドを含む医薬組成物、食品組成物は、ミクログリアの活性化を介してアルツハイマー型の認知症をはじめ、クロイツェル・ヤコブ病等、神経変性疾患の予防、治療、及び/又は症状の改善を図ることが期待される。 本発明において、「医薬」とは、脂肪酸アミド、なかでもオレアミド又はパルミタミドを有効成分として含み、担体、賦形剤、結合剤、希釈剤等を混合することにより製造できる。経口、非経口的に投与することが可能であり、経口投与する場合には、顆粒剤、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、シロップ剤等、どのような形態であってもかまわない。また、非経口用の投与形態としては、注射剤、点滴剤、経鼻投与製剤等の外用剤等が挙げられるが、これらに限られるものではない。 また、製剤化にあたっては、本発明による有効成分以外に1種以上の有効成分をさらに添加してもよい。また、投与の際に、本発明による有効成分以外に1種以上の有効成分を含む医薬を組み合わせて投与しても良い。 本発明において、「食品」とは、医薬以外のものであって、摂取可能なものであれば、その形態に特に制限はなく、液状、半液体状、固体状のいずれであってもよく、飲料のような形態も包含する。 また、「食品」には、健康食品、機能性食品、特定保険用食品、栄養補助食品、疾病リスク低減表示を付した食品、病者用食品、又、いわゆるサプリメントのようなものも包含される。 本発明者らは、食品に由来する物質にミクログリアの貪食活性を増強するものがあるかスクリーニングを行った。食品に由来する物質であれば、ヒトが摂取しても副作用等、安全性の面で問題が生じる可能性が少なく、医薬や機能性食品として幅広く利用できるからである。 スクリーニングの結果、本発明者らは、脂肪酸にアンモニアがアミド結合したオレイン酸由来のオレアミド及びパルミチン酸由来のパルミタミドをミクログリアの貪食除去を亢進する化合物として見出した。 オレアミド、パルミタミドは、カマンベールチーズに代表されるPenicillium candidum発酵チーズに含まれている。発酵乳製品にミクログリアの貪食活性を亢進する物質が含まれているという知見は今までに報告されておらず、本発明者らにより初めて得られた知見である。 疫学的調査によれば、発酵乳製品の摂取は認知症の予防効果があることが知られているが(非特許文献8)、オレアミド、パルミタミドをはじめとする脂肪酸アミドがミクログリアの活性化を介して、認知症の予防に寄与している可能性もある。 オレアミドは、カンナビノイド受容体CB1の生体内アゴニストとして知られる(非特許文献9)。また、コリンアセチルトランスフェラーゼを活性化し、認知機能に関与することも報告されている(非特許文献10)。しかしながら、オレアミドが、ミクログリアを活性化することは今までに報告されていない。 また、パルミタミドに関しては、ミクログリアの活性化や、認知機能の改善に関わる他の作用に関する報告はない。 オレアミド、パルミタミドに代表される脂肪酸アミドがミクログリアの貪食活性を亢進する作用があることは、今回本発明者らにより初めて見出されたものである。上述のように、ミクログリアの貪食除去能を活性化することにより、脳内の老廃物や異物の除去が速やかに行われ、シナプスの新生が行われることにより認知症の予防、治療、認知機能を改善する効果が期待され、医薬、機能性食品への応用が可能となる。 本発明を以下の例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 1.ミクログリア活性を亢進する物質のスクリーニング方法(1)ミクログリア細胞の単離 マウスから脳を摘出し、パパイン処理を行うことにより、脳組織分散液を得る。パパイン反応停止後、ミクログリアは汎ミクログリアマーカーである抗CD11bで標識されたマイクロビーズ(Miltenyi Biotec社製)を用いて反応させ、MACS法を用いて単離した。(2)スクリーニング方法 単離したミクログリア細胞を種々の候補物質を添加した培地で12時間培養する。その後、蛍光色素フルオレセイン(FAM)で標識したアミロイドβ1‐42(AnaSpec社製)を培地に500nMの濃度で添加し4時間培養後に上清を除き、トリパンブルーで細胞外の蛍光をクエンチングさせ、マイクロプレートリーダーで細胞内に取り込まれたアミロイドβの量を蛍光量として測定し、貪食活性の増強を評価した。 2.スクリーニング結果 様々な物質をスクリーニングした結果、脂肪酸アミド、特にオレアミド、パルミタミドがミクログリアを活性化することを見出した。 3.オレアミド、パルミタミドによるミクログリアの活性化 (1)アミロイドβに対する貪食能 単離したマウスミクログリア細胞は、100〜1000nMのオレアミド、コントロールとしてオレイン酸を、又は100〜500nMのパルミタミド、コントロールとしてパルミチン酸を添加した培地で12時間前処理する。前処理後、蛍光色素フルオレセイン(FAM)で標識したアミロイドβ1-42を培地に添加し細胞に取り込ませ、取り込まれたアミロイドβの量を蛍光量として測定し、貪食活性の増強を評価した。オレアミドを添加した結果を図1Aに、パルミタミドを添加した結果を図1Bに示す。 図は、オレアミド等を加えず溶媒のみで前処理したミクログリア細胞が取り込んだアミロイドβの蛍光量を1とし、それに対する比の値で表している。 図1から明らかなように、100nMという非常に低濃度のオレアミド、又はパルミタミド処理であっても、ミクログリアの貪食活性が増強することが示された。一方、アミノ基の付与されていない、オレイン酸、パルミチン酸にはミクログリアの活性化を亢進する作用は見られなかった。 (2)マウス経口投与によるミクログリア活性化亢進 6週齢のマウスに、0mg/kg、10mg/kg、50mg/kgのオレアミドを、エタノールとクレモフォア(Cremophor EL(シグマ))を混合したものに懸濁させ生理食塩液で希釈したものを4日間、毎日経口投与した後、ミクログリアを単離し、ミクログリアの貪食活性とCD36の発現解析を行い、ミクログリアの活性化を評価した。 図2Aは、オレアミドを4日間経口投与した後に回収したミクログリアの貪食能をFAM標識したアミロイドβを用いて解析した結果であり、図2Bは活性化ミクログリアの指標であるCD36発現をFACSにより解析したものである。 マウスへのオレアミドの投与に伴い、ミクログリアの貪食除去活性、ミクログリアの活性化の指標とされるCD36の発現増強が見られた。特に、CD36の発現増強は、オレアミドを50mg/kgで投与した群をコントロール群と比較した場合、有意に発現が増強していた(p<0.05)。貪食能に関しては、サンプル間でバラツキが大きかったが、オレアミドの投与により、貪食能が顕著に増強する傾向が見られた。 経口投与した場合にも、オレアミドによるミクログリア活性化亢進が見られることは、食品として摂取した場合にも十分な効果が得られることを示している。 すでに開発され、市販されてきた認知症薬は神経伝達物質の受容体に作用する薬剤が主である。本発明のようにミクログリア活性を亢進することにより、異物を排除し得る化合物は、今までの報告にない新しいタイプの薬剤となり得る。 また、これまでの認知症薬には認知機能の改善を図り、認知症の予防効果を奏するものはなかった。本発明の組成物は、元来食品に含まれている物質であることから、継続的に食品として摂取することにより、一定の予防効果を期待できる。また、有効成分を増強した機能性食品として継続して摂取することも無理なく行うことが可能であろう。 また、ミクログリアは脳内で異物や死細胞を貪食することにより、老廃物や死細胞の排除を行っている。その際に、神経成長因子(NGF)や神経栄養因子(BDNF)といった神経細胞の成長や神経シナプスの増強を促す因子を分泌することが知られている(非特許文献2)。したがって、活性化ミクログリアは単に脳内の老廃物や死細胞を除去するだけではなく、神経シナプスを成長させ、増強する役割も担っている。したがって、ミクログリアの活性化を亢進させることにより、神経シナプスを増強し、認知機能の回復にも寄与するものと考えられる。 したがって、本発明の組成物は、脳内老廃物を除去するだけではなく、ニューロン新生を促すことによって、今まで治療は困難であると言われていた認知症の治療や症状改善を期待することができる。 ミクログリアを活性化するための組成物であって、 有効成分が脂肪酸アミドであることを特徴とするミクログリアを活性化するための組成物。 請求項1記載のミクログリアを活性化するための組成物であって、 有効成分がオレアミド又はパルミタミドであることを特徴とするミクログリアを活性化するための組成物。 ミクログリアを活性化するための医薬、又は食品であって、 有効成分が脂肪酸アミドであることを特徴とするミクログリアを活性化するための医薬、又は食品。 請求項3記載のミクログリアを活性化するための医薬、又は食品であって、 有効成分がオレアミド又はパルミタミドであることを特徴とするミクログリアを活性化するための医薬、又は食品。 認知症を予防、治療及び/又は認知機能を改善するための医薬組成物、又は食品組成物であって、 有効成分が脂肪酸アミドであることを特徴とする認知症を予防、治療及び/又は認知機能を改善するための医薬組成物、又は食品組成物。 請求項5記載の認知症を予防、治療及び/又は認知機能を改善するための医薬組成物、又は食品組成物であって、 有効成分がオレアミド又はパルミタミドであることを特徴とする認知症を予防、治療及び/又は認知機能を改善するための医薬組成物、又は食品組成物。 【課題】ミクログリアを活性化し、特に認知症を予防、治療、症状を改善する組成物、医薬、食品を提供する。【解決手段】ミクログリアの貪食除去活性を亢進する化合物をスクリーニングした結果、脂肪酸アミド、なかでもオレアミド、パルミタミドが該活性を増強することを見出した。ミクログリアは様々な作用を有するが、脳内の異物、死細胞等を除去し、シナプス新生を促すことから、オレアミドやパルミタミドを有効成分とする認知症を予防、治療、症状を改善する組成物、医薬、食品を提供することができる。【選択図】図2