生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_炭酸発生シート
出願番号:2013251173
年次:2015
IPC分類:A61K 8/19,A61K 8/04,A61Q 19/00


特許情報キャッシュ

小田 美穂 JP 2015107928 公開特許公報(A) 20150611 2013251173 20131204 炭酸発生シート 株式会社タイキ 591254958 長谷部 善太郎 100122954 山田 泰之 100162396 小田 美穂 A61K 8/19 20060101AFI20150515BHJP A61K 8/04 20060101ALI20150515BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20150515BHJP JPA61K8/19A61K8/04A61Q19/00 6 OL 9 4C083 4C083AB311 4C083AB312 4C083DD12 4C083DD41 4C083DD47 4C083EE06 4C083EE12 4C083EE13 本発明は、炭酸ガス発生材料を含有させたシートに関する。 炭酸ガスを皮膚に作用させることにより皮膚下の血管を拡張させ、これによって皮膚下の血流を増大させることは知られている。そしてこのような血流の増大によって、血行が促進されるために、温感を感じることに加えて、新陳代謝をより活発化させ、美容等に効果を発揮することができる。 このため、多量のグリセリン等の多価アルコールを化粧料に含有させ、これを皮膚上に塗布し、この多価アルコールが生体中の水と混和する際に発生する溶解熱を利用して、皮膚を温める方法が知られていたが、得られる溶解熱が小さいので十分に皮膚を温めることが困難であった。 また還元性酸化鉄を含有する化粧料等を用いて、水との反応熱を利用して皮膚を温める方法も知られているが、その温度管理が困難であったり、皮膚に対する刺激が強すぎる等の支障が生じていた。 このため、特許文献1に記載されているように、特定の疎水化変性アルキルセルロースと、炭酸塩及び重炭酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含有するA剤と、水溶性酸を含有するB剤からなる、該A剤とB剤を使用直前に混合し顔面に塗布するためのパック化粧料は知られている。このパック化粧料はA剤とB剤を混合することにより、反応が進展して炭酸ガスを発生するものである。 このとき、予め粘度を持たせた基材中で炭酸ガスが発生するので、すぐには大気中に飛散することなく、しばらくの間、基材中に保持されることになる。特許第5181075号 上記先行技術文献に記載される等の方法によれば、十分な炭酸ガスを発生することが困難であり、また仮に十分な炭酸ガスを発生させることができる場合であっても、使用前に炭酸ガスが発生することを防止するために、予め2剤に分けておき、使用直前にこれらを混合することで、反応により炭酸ガスを発生させて、皮膚表面に炭酸ガスを供給するものである。 そのため、特に2剤を混合させて炭酸ガスを発生させる場合には、使用前に予め2剤を混合させる作業が必要となり、使用後に皮膚上に残る混合した2剤を水で洗浄することが求められるので決して使用性に優れるものではなく、混合後皮膚表面に塗布する間に炭酸ガスの発生が始まるので、急いで塗布することが求められていた。そして、塗布を行う際には皮膚上の部位によって塗布量にばらつきが発生して供給する炭酸ガスの量にムラが生じていた。 そしてこれらの支障を解消し、十分な炭酸ガスを発生させ、皮膚表面に確実に炭酸ガスを供給し、かつ使用性に優れるものとすることが必要であった。 本発明は、上記の課題を解決するものであり、具体的には以下の手段を採用する。1.炭酸塩及び炭酸水素塩から選ばれた1種以上を含有するシートAと、酸含有のシートBからなり、該シートAとシートBのいずれか一方がゲル化シートであり、他方がゲル化シートではないシートである炭酸発生シート。2.ゲル化シートではないシートは溶液を含浸する不織布を主材とするものである1に記載の炭酸発生シート。3.ゲル化シートではないシートは、溶液を含浸する層の片面に溶液を浸透しない層を積層してなる積層体である1又は2に記載の炭酸発生シート。4.シートBがゲル化シートである1〜3のいずれかに記載の炭酸発生シート。5.シートAとシートBはそれぞれ別の包装容器に収納されてなる炭酸発生シート包装体。6.シートAが不織布を主材とするシートでありシートBがゲル化シートである5に記載の炭酸発生シート包装体。 本発明の炭酸発生シートによれば、炭酸塩、又は炭酸水素塩を含有するため、皮膚表面に十分な量の炭酸ガスを供給することができると共に、使用直前に2つの剤を混合する必要もなく、さらに使用後に対象とした皮膚を洗浄して炭酸ガスを発生した後の残りの剤を除去する必要がなく、より簡便に使用できることによって使用性を向上させることができる。 加えて、対象とする皮膚表面に均一に炭酸ガスを供給することができるので処理にムラが発生しない。 本発明の炭酸発生シートはシートA及びシートBを組み合わせ、かつこれらの2枚のシートのうち、一方がゲル化シートであるものであり、以下にそれぞれのシートを基本にして説明する。[シートA] シートAには炭酸塩と炭酸水素塩から選ばれた1種以上が含有される。(炭酸塩) 酸と反応して二酸化炭素を発生するものであれば特に限定されない。例えば炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、セスキ炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、セスキ炭酸リチウム、炭酸セシウム、セスキ炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムが挙げられ、これらの1種以上が用いられる。(炭酸水素塩) 上記炭酸塩と同じく、酸と反応して二酸化炭素を発生するものであれば特に限定されない。例えば炭酸水素アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水酸化マグネシウムが挙げられ、これらの1種以上が用いられる。 これらの炭酸塩及び炭酸水素塩から選ばれた1種以上をシートA中に0.1〜10重量%となるように含浸させることができる。含有量が0.1重量%未満であると十分な量の炭酸ガスを発生できなくなり、10重量%を超えるとシートAの保形性、安定性を損なうことになりかねない。 [シートB] シートBには酸が含有される。 シートBに含有される酸成分としては有機酸と無機酸の何れでも良い。 有機酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、イタ酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没食子酸、トロパ酸、アスコルビン酸、グルコン酸等のオキシ酸が挙げられる。 無機酸としては、例えばリン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、スルファミン酸が挙げられる。 これらの中でもグリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、サリチル酸、リン酸二水素ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、スルファミン酸が好ましく、これらの1種以上が使われる。 シートBに含有される上記酸の量としては、シートB全体に対して酸が0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%となる量である。 シートAに含有される炭酸塩や炭酸水素塩を分解して炭酸ガスを発生できる程度の量が、シートB全体に含有される酸の量であるが、使用時を通じてシートB内に残る酸成分も有るので、シートA中の炭酸塩や炭酸水素塩の当量よりも多い当量とする方が効率的である。[ゲル化シート] 本発明においてシートA又はシートBとして使用されるゲル化シートを構成するゲルとしては、炭酸塩及び炭酸水素塩から選ばれた1種以上、又は酸を含有でき、皮膚上に貼り付けることができる水性のハイドロゲルである。 そのようなゲル化シートとしては、ハイドロゲルシートであって下記の多糖類、セルロース誘導体等からなるものを採用することができる。(多糖類) 多糖類としては、例えば、中性多糖類(例えば、セルロース、アミロース、アミロペクチン、デキストラン、プルラン、イヌリン、ガラクタン、マンナン、キシラン、アラビナン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、アガロース、カードラン、キシログルカンなど)、アニオン性多糖類(ペクチン酸、アルギン酸、カラギーナン、フコイダン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ジェランガム、ネイティブジェランガム、キサンタンガムなど)、カチオン性多糖類(キチン、キトサンなど)が挙げられる。 これらの中でも、多糖類としては、増粘ゲル化作用の高い多糖類がより好ましく、グルコマンナン、ガラクトマンナン、カラギーナン、ジェランガム、ネイティブジェランガム、キサンタンガムが特に好ましい。さらにそのゲル化性を向上させるために、これらの多糖類を2種以上併用してもよい。(セルロース誘導体等) ここで使用できるセルロース誘導体は、一般に、セルロースのヒドロキシ基の一部または全部に化学修飾を加えた化合物であり、化粧品や医薬品分野において使用される水溶性のセルロース誘導体の使用が好ましい。 このようなセルロース誘導体としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性セルロースエーテル、カチオン化セルロースが挙げられる。本発明においては、特に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの使用が好ましい。 セルロース誘導体以外の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、コラーゲン、カルボキシメチルデキストラン、カチオン化デキストラン、ゼラチン、寒天、糖、ペクチン、アルブミン、ポリペプチド等が挙げられる。 デンプンとしては、天然デンプンの他、エーテル化(例えば、ヒドロキシプロピル化、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシメチル化、ヒドロキシプロピルメチル化等のヒドロキシアルキル化など)、エステル化(例えば、アセチル化など)、カチオン化デンプン、有機エステル化を施したものや、それらの架橋、酸化、酵素転換、酸加水分解物等の加工デンプンが挙げられる。(その他ハイドロゲルシートに含有され得る材料) ゲル化シート架橋剤を配合させることによりゲル化シートとしての形態保持をより確実にすることができる。そのような架橋剤としては、1価よりも2価の金属イオン性化合物が好ましい。 金属イオン性化合物としては、例えば、マグネシウムやカルシウムが好ましく、さらに3価の陽イオンとしてアルミニウムが最も好ましい。また、金属イオンは塩として用いることが好ましく、例えば硫酸アルミニウムカリウム、塩化アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム又は水酸化鉄などが挙げられる。 ゲル化させるための製剤的調整には、例えばゲル化速度調整剤としてエチレンジアミン4酢酸2ナトリウム、クエン酸、乳酸、リン酸、酒石酸の塩類などの添加を行うこともよい。さらに、上記高分子粘剤と共に、ベントナイト、有機変性ベントナイト、スメクタイト、無水ケイ酸又は表面処理無水ケイ酸などの無機系粘剤を使用することも可能であるが、無機系粘剤を単独で使用した場合には、製品の形態保持力が弱いため、あまり好ましくはない。 ゲル化シートには、さらに多価アルコール化合物を含むことが好ましい。多価アルコール化合物は、ゲル化シートを生体用に適用した場合における機能性成分の皮膚浸透性や、ゲル化シートの保存安定性を向上させ得る。 多価アルコール化合物としては、具体的には、グリセリン類(グリセリン、ジグリセリンなど)、グリコール類(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールなど)、糖類(グルコース、フラクトース、マンノース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、スクロース、ラクトース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、セロビオース、コージビオース、ソホロース、マルトトリオ―ス、ラフィノース、スタキオースなど)、糖アルコール(グリセロール、トレイロール、エリスリトール、アラビニトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、イノシトールなど)が挙げられる。前記多価アルコール化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。 これらのうち、多価アルコール化合物としては、グリセリン類又はグリコール類であることが好ましく、中でも、グリセリン、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ブタンジオールがより好ましい。さらには、グリセリン、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオールであることが特に好ましい。 ハイドロゲルシートにおける多価アルコール化合物の含有量は、50重量%以下であることが好ましく、1〜20重量%であることが特に好ましい。 ハイドロゲルシート中に占める多価アルコール化合物の割合を50重量%以下とすることで、ゲル強度の低下を防止して、取扱い性を良くすることができる。 ゲル化シートの形状は、例えば長方形、正方形、円形、楕円形、勾玉形、多角形等任意の形状のものでよいが、特に顔面に使用するときに全顔形状、目の下や鼻等局所的に使用する場合にはその部位に対応する形状のものとすることができる。(ゲル化シートの製造方法) ゲル化シートは、上記のゲル化される材料の溶液と、炭酸塩及び炭酸水素塩から選ばれた1種以上の溶液、又は酸の溶液を混合し、得られた混合液を、平板な基材や、予め形成するゲル化シートの形状に合わせて凹部を形成したトレーの該凹部に塗布又は充填を行いゲル化して製造することができる。 但し、ゲル化シートの製造工程が加熱工程を含み、かつ炭酸塩や炭酸水素塩の溶液を含有する場合には、加熱によってこれらの塩が分解しないように留意すべきであり、又は、加熱によるこれらの塩の分解を防止するために、ゲル化シートには酸溶液を含有させ、これらの塩を含有させないようにすることが好ましい。 中でも、該トレーの凹部にゲル化される材料の溶液を充填し、これをゲル化させることによりゲル化シートの形成と包装工程の一部を行うことが好ましく、さらにこのようなトレーを採用することによって、製造したゲル化シートの形状を保ちながら、輸送や保管することができる。 そして、そのようなゲル化シートの厚さは、0.5〜3mm、より好ましくは0.8〜2mmである。ゲル化シートの厚さが0.5mm未満であると、薄すぎるためにシートを取り出して皮膚に付着させる作業が困難になり、3mmを超えると使用時に含有成分がゲル化シートの厚さ方向の全体に浸透することが困難になる。 (ゲル化シートではないシート) シートA又はシートBとして使用されるゲル化シートではないシートは、炭酸塩及び炭酸水素塩から選ばれた1種以上、又は酸を含有できるシート状物を基材シートとするものであれば良い。 そのような基材シートは、紙、有機化合物又は無機化合物からなる織布、不織布、発泡シート等、折り曲げることができるシートであれば特に限定されない。 シート基材には、ポリウレタン発泡体、NBR発泡体等の吸液性や保液性に優れたスポンジシートも使用可能であるが、経済性、皮膚安全性からすれば、木綿、コットン、パルプのような天然系繊維やレーヨン等を主材とする繊維シートが好ましい。またその製造方法としては編み機や樹脂成形機、各種不織布の形成法等の公知の方法を用いることができる。 そしてこのゲル化シートではないシートを所定の形状に切断等し、これを例えば袋状容器内に挿入しながら炭酸塩及び炭酸水素塩から選ばれた1種以上、又は酸を含有する薬剤を含浸させてこのシートを得ることができる。(その他の成分) シートA及びシートBにはその他の成分として、通常化粧品、医薬品、医薬部外品に使用される成分を、本発明の効果を損ねないものであり、かつシートA及びシートBの基材を痛めない範囲内で、含浸・配合することができる。 このような成分としては、D−マンニット、ヒアルロン酸等の保湿剤、美白剤、血行促進剤、パラベン、フェノキシエタノール、グルコン酸クロルヘキシジン等の防腐剤;香料;色素;タルク、シリカゲル、酸化亜鉛、酸化チタン等の粉体などが挙げられる。 また、ワセリン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素油;ホホバ油、ゲイロウ、カルナウバワックス等のエステル油;オリーブ油、牛脂等のトリグリセライド;セタノール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン油などの油分や、その他の油溶性成分を界面活性剤等で乳化・可溶化して添加してもよい。 界面活性剤としては、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油等のノニオン性界面活性剤を配合することができる。 さらに、上記医薬品や医薬部外品等としては、例えば、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸2−グルコシド、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、2−Lアスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム塩、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン、塩酸ピリドキシン、CoQ10等のビタミン類;トラネキサム酸、アラントイン、グリチルリチン酸塩、アズレン、塩化リゾチーム等の坑炎症剤;アルブチン、コウジ酸等の美白剤;酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤;イオウ;α−リポ酸;メントール:γ−オリザノール、朝鮮人参エキス、ステロール配糖体等の滋養剤;浸透圧調整剤;抗ヒスタミン剤;ステロイドホルモン;殺菌剤;抗真菌剤;血管保護剤;酸化防止剤;色素脱失剤;日焼け止め剤;減感剤;免疫調節剤;抗加齢剤;抗シワ剤;ニキビ治療剤;皮脂吸収剤;抗生物質;脱臭剤;柔軟剤などが挙げられる。 シートA及びシートBのうち、ゲル化シートではないシートには、上記のような酸又は炭酸塩や炭酸水素塩の液を含浸してなるシート状物と、その一面に水を浸透しない層を設けてなる積層体としてもよい。 この溶液を浸透しない層としては、非水溶性や非水膨潤性の、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ゴム等からなる樹脂フィルム、合成紙、アルミニウム等の金属箔等を使用することができる。 このような積層体を使用する際には、水を浸透しない層が最上層に位置するように、言い換えれば上記ゲル化シートではないシートがゲル化シートに直接接するようにして使用することが必要である。 このような水を浸透しない層を設けることにより、使用時に発生した炭酸ガスを大気中に放散させにくくし、可能な限りシート内に留めることによって、炭酸ガスによる効果をより大きく持続性があるものとすることができる。なお、このとき水を浸透しない層はゲル化シートではないシートよりも大きくして、この効果をより確実にすることもできる。 ゲル化シートではないシートは、ゲル化シートと同じ形状で同じ大きさとしても良いが、ゲル化シートよりも大きくしても良い。ゲル化シートではないシートに含浸された酸、又は炭酸塩や炭酸水素塩の溶液が、ゲル化シートに浸透することにより炭酸ガスを発生させることができるので、ゲル化シートを皮膚表面に貼付した後に、ゲル化シートがゲル化シートではないシートからはみ出さないようにゲル化シートではないシートを貼付する。 仮にゲル化シートではないシートの貼付位置がゲル化シートからずれたとしても、ゲル化シート全面にゲル化シートではないシートから酸又は炭酸塩や炭酸水素塩の溶液が浸透するように、そのずれる程度を考慮してゲル化シートではないシートをゲル化シートよりも大きくしておくことが好ましく、場合によっては、ゲル化シートではないシートの形状をゲル化シートとは異なるものとしてもよい。例えばゲル化シートが目の下を被覆するための勾玉形状であっても、ゲル化シートではないシートはその勾玉を覆うことができる長方形であっても良い。 ただし、ゲル化シートが全顔形状であるときには、ゲル化シートではないシートが目や鼻を閉塞しないようにすることが望まれる。 本発明において両シートはそれぞれ別の容器内に収納され、使用時において皮膚上にて初めて重ねられる。 ゲル化シートは例えば1枚のゲル化シートをトレー内や平板上に載置されるようにし、このトレーや平板を任意の手段によって個別に包装して包装体とすることができる。 ゲル化シートではないシートは、任意の形状となるように折り畳んでも良く、また折り畳まずに個別に包装しても良く、複数のゲル化シートではないシートを1つのトレー等容器内に収納し、そのトレーごと、例えばピロー包装により袋内に収納する等して包装体とすることができる。 また、両シートは1枚ずつ使用することを考慮すると、シートAを収納した包装体とシートBを収納した包装体を一体に接続することもできる。 (炭酸発生シートの使用方法) 本発明のうち、シートBをゲル化シートとした炭酸発生シートを使用する方法として全顔に使用する例を基に示す。 まず、シートBを包装容器から両手で取り出し、通常の全顔のパックシートを扱うようにして顔面に合わせて貼り付ける。顔面の鼻、眼の周囲等凹凸に沿って、皮膚表面全面にシートBが貼り付くようにする。 その後、シートAを包装容器から取り出し、シートAが溶液を浸透しない層が積層された積層体である場合には、該溶液を浸透しない層が外面になるようにし、溶液を浸透しない層がない場合にはシートAの表裏は関係なく、顔面に貼り付けたシートBの上にシートAを重ねて貼り付ける。貼り付けながらシートAの全面が確実にシートBの全面に隙間無く貼り付くようにする。 これらのシートAとシートBが接触することによって、シートBに含有される酸成分とシートAに含有される炭酸塩及び炭酸水素塩から選ばれた1種以上が互いに浸透しあい、その結果炭酸塩や炭酸水素塩が分解されて、シートA及びシートB内に炭酸ガスが発生する。 発生した炭酸ガスは皮膚表面に作用して、温熱効果を発揮して血管を拡張させる等の効果を発揮する。 しばらく、その状態で炭酸ガスを発生させたあと、シートA及び/又はシートBから炭酸ガスの気泡が消失したことを確認して、シートAとシートBを顔面から剥離して終了する。 もちろん顔面全面でなくても、顔面の一部や顔面以外の箇所に適用することも可能である。 炭酸塩及び炭酸水素塩から選ばれた1種以上を含有するシートAと、酸含有のシートBからなり、該シートAとシートBのいずれか一方がゲル化シートであり、他方がゲル化シートではないシートである炭酸発生シート。 ゲル化シートではないシートは、溶液を含浸する不織布を主材とするものである請求項1に記載の炭酸発生シート。 ゲル化シートではないシートは、溶液を含浸する層の片面に溶液を浸透しない層を積層してなる積層体である請求項1又は2に記載の炭酸発生シート。 シートBがゲル化シートである請求項1〜3のいずれかに記載の炭酸発生シート。シートAとシートBはそれぞれ別の包装容器に収納されてなる炭酸発生シート包装体。 シートAが不織布を主材とするシートでありシートBがゲル化シートである請求項5に記載の炭酸発生シート包装体。 【課題】十分な炭酸ガスを発生させ、皮膚表面に確実に炭酸ガスを供給し、しかも使用性に優れるものとすること【解決手段】炭酸塩及び炭酸水素塩から選ばれた1種以上を含有するシートAと、酸含有のシートBからなり、該シートAとシートBのいずれか一方がゲル化シートであり、他方がゲル化シートではないシートである炭酸発生シート。【選択図】なし


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