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タイトル:公開特許公報(A)_スギ花粉アレルゲンCryj2結合性核酸アプタマー
出願番号:2013247589
年次:2015
IPC分類:C12N 15/115,G01N 33/53,A61K 39/36,A61K 31/7088,A61P 37/08


特許情報キャッシュ

池袋 一典 荻原 和真 旭 正彦 JP 2015104340 公開特許公報(A) 20150608 2013247589 20131129 スギ花粉アレルゲンCryj2結合性核酸アプタマー 国立大学法人東京農工大学 504132881 株式会社ディーエイチシー 599098518 奥山 尚一 100099623 有原 幸一 100096769 松島 鉄男 100107319 河村 英文 100114591 中村 綾子 100125380 森本 聡二 100142996 角田 恭子 100154298 田中 祐 100166268 徳本 浩一 100170379 渡辺 篤司 100161001 水島 亜希子 100180231 池袋 一典 荻原 和真 旭 正彦 C12N 15/115 20100101AFI20150512BHJP G01N 33/53 20060101ALI20150512BHJP A61K 39/36 20060101ALI20150512BHJP A61K 31/7088 20060101ALI20150512BHJP A61P 37/08 20060101ALI20150512BHJP JPC12N15/00 HG01N33/53 QA61K39/36A61K31/7088A61P37/08 12 OL 29 4B024 4C085 4C086 4B024AA01 4B024CA01 4B024CA09 4B024CA10 4B024CA11 4B024CA20 4B024DA06 4B024EA04 4B024GA11 4B024HA01 4B024HA11 4B024HA17 4C085AA02 4C085BB04 4C085DD71 4C085EE01 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA16 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZB13 本発明は、スギ花粉アレルゲンCryj2に対して結合能を有する核酸アプタマーに関する。 近年、様々なアレルギー性疾患が社会的に大きな問題になっている。これらのアレルギー性疾患は、花粉、ダニの死骸や糞、カビの胞子、ハウスダストなどから発生するアレルゲンを原因とするものであることが知られている。 日本では、春先の花粉症が、特に問題となっている。特に、スギ花粉症の有病率は全国平均で26.5%に達し(非特許文献1)、スギ花粉症に係る直接・間接医療費は年間総額2,860億円になるとの推計がある(非特許文献2)。そのため、スギ花粉症対策は必須であり、スギ花粉症の予防と治療に向けて、様々な取組みが実施されている。 現在、花粉症の治療としては、抗ヒスタミン剤やステロイド剤の投与が主に行われている。しかし、これらの薬剤の投与は、症状の軽減を目的としたものであり、対症療法にすぎないため、花粉の飛散が終了するまで投薬を継続する必要がある。また、抗ヒスタミン剤の投与は、眠気の原因となり、ステロイド剤の連続投与も、副作用をもたらす可能性がある。一方、近年では、根本治療として、減感作療法も行われている。しかし、減感作療法においては、長期にわたる通院が必要であること、アナフィラキシーショックの危険性があることなどから、一般的な治療方法として定着していない。 花粉症の予防と治療には、花粉との接触を低減することが最も有効である。屋外に飛散する花粉については、マスクやメガネなどを着用し、花粉との接触を回避することが主な対策として行われている。しかし、マスクやメガネを常時着用することは、日常生活において大きな負担となる。さらに、マスクやメガネに吸着した花粉が屋内に持ち込まれ、再び飛散するという問題がある。花粉は、窓や換気口を閉めていても、衣服や洗濯物に付着して屋内に持ち込まれ、花粉症症状を引き起こすことが知られている(非特許文献3)。屋内に流入した花粉については、掃除機や空気清浄機による吸引除去が主な対策として行われている。しかし、近年の住宅は気密性が高いため、持ち込まれた花粉は屋内に蓄積しやすく、屋内の生活環境から花粉を十分に除去することは困難である。 近年では、花粉から放出されるアレルゲンのアレルゲン性を低減または除去するための方法が提案されている。例えば、ペクチンと核酸とを含む組成物にアレルゲン物質を吸着固定する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、この方法では、花粉アレルゲン以外にも種々の物質を吸着するため、極めて効率が悪い。花粉アレルゲンのみを特異的に補足する方法としては、例えば、花粉アレルゲンを免役したダチョウ由来の卵から得た抗体を用いて花粉アレルゲンのアレルゲン性を抑制する方法(特許文献2)や、スギ花粉アレルゲンCryj1に対して結合性のペプチドを用いてアレルゲンを捕集する方法(特許文献3)が提案されている。しかし、抗体を作製する場合には、多大な時間的・経済的コストがかかるという問題がある。また、結合性ペプチドを取得する場合には、良質なライブラリーの確保やスクリーニング工程における技術的困難性などが問題となる。さらに、抗体と結合性ペプチドのいずれも、乾燥や高温などの環境要因によって変性しやすいため、使用できる条件が限られるという問題がある。特許第4851185号公報特開2013−163662号公報特開2010−070477号公報Baba,K. and Nakae,K., Prog.Med., Vol.28, No.8, pp.2001−2012, 2008スギ花粉症克服に向けた総合研究(第1期平成9−11年度)成果報告書、2000年、科学技術庁研究開発局Takahashi,Y. et al., J.Investig.Allergol.Clin.Immunol., Vol.18(5), pp.382−388, 2008 花粉症は、鼻粘膜や眼結膜に付着した花粉が水分を吸収、膨潤して破裂し、花粉内部からアレルゲンが放出されることによって起こる。アレルゲンが鼻などの粘膜に侵入すると、粘膜中に存在する樹状細胞などの抗原提示細胞に取り込まれ、断片化されたアレルゲンは、MHC分子を介して抗原として細胞表面に提示される。抗原提示を認識したナイーブヘルパーT(Th)細胞は活性化され、Th2細胞へと分化し、Th2細胞が産生するIL−4などのインターロイキンにより、B細胞がアレルゲン特異的IgE抗体産生細胞へと分化する。産生されたアレルゲン特異的IgE抗体は、肥満細胞や好塩基球の表面に存在するIgEレセプターに結合する。その後、再びアレルゲンが侵入すると、アレルゲンがアレルゲン特異的IgE抗体と結合し、IgEレセプターが凝集することにより、ヒスタミン、ロイコトリエンなどの物質が肥満細胞中の顆粒内から分泌され(脱顆粒反応)、アレルギー症状が引き起こされる。 スギ花粉から放出される主要なアレルゲンとしては、分子量45〜50kDaのタンパク質、Sugi Basic Protein(SBP)として単離精製されたCryj1と(Yasueda,H. et al., J.Allergy Clin.Immunol., Vol.71, pp.77−86, 1983)、Cryj1の精製過程で単離された、Cryj1とは異なる抗原性を有する分子量37kDaのタンパク質であるCryj2が知られている(Taniai,M. et al., FEBS Letters, Vol.239, pp.329−332, 1988; Sakaguchi,M. et al., Allergy, Vol.45, pp.309−312, 1990)。スギ花粉症患者の多くは、Cryj1とCryj2のどちらに対しても反応性が高く、145名中134名(92.4%)の血清において、Cryj1とCryj2の両方に反応がみられ、6名(4.1%)がCryj1のみに、5名(3.4%)がCryj2のみに反応がみられた(1993年第43回日本アレルギー学会、橋本ら、日獣大、予研、国立相模原病院、林原生化研)。このことから、Cryj1およびCryj2は、日本スギ花粉症の予防および治療において重要な分子であると考えられている。 本発明は、従来技術の諸問題を解消し、スギ花粉アレルゲンCryj2のアレルゲン性を効率よく低減または除去するためになされたものであり、スギ花粉アレルゲンCryj2に対して結合能を有し、安定性が高く、かつ、様々な用途に加工性の優れた核酸アプタマーを提供することを目的とする。 本発明者らは、鋭意研究の結果、スギ花粉アレルゲンCryj2に対して結合能を有する核酸アプタマーを得ることに成功した。 すなわち、本発明は、一実施形態によれば、スギ花粉アレルゲンCryj2に対して結合能を有する核酸アプタマーを提供するものである。 前記核酸アプタマーは、(a)5’−TGGGCTGTCGGGGGGGTGGGTTTC−3’(配列番号1)、5’−GGCAGGGAAAGGGGTGTGGCCAGA−3’(配列番号2)、5’−GGGTGGTGGCCGGGGAGGGGGGGG−3’(配列番号3)、5’−GGCGAGGGAAAGGGGGGCGGACGA−3’(配列番号4)、5’−GGCGAGGGAAAGGGGGGCGGCCGA−3’(配列番号5)、5’−GGTGCAGGGAAAGGGGGGGGCCAG−3’(配列番号6)、5’−GGGGTGGGTCGTGTCTGGGGGGGT−3’(配列番号7)、5’−GGTAGGGAAAGGGGTGTGGCCTGG−3’(配列番号8)、5’−GGTTGGTGGTGGGGCGGTGGGTGG−3’(配列番号9)、5’−GGGCCGGGGGGGGGGGGCATAGCT−3’(配列番号10)、5’−AGGCGGGGGGAGGGGTGGTGGTGG−3’(配列番号11)、5’−CGGGGGTGGGGGGGCGAGGGCGGT−3’(配列番号12)、5’−GGCGGTGGAGGGGGGGGGGTTGGT−3’(配列番号13)、5’−GGGGGGCGGCGGGGTTGGAGGTGG−3’(配列番号14)、5’−GGGGGGCGGTGGGGGCGATGGAGG−3’(配列番号15)、5’−GTGGGGGGGGATGGGGGGGCCTGG−3’(配列番号16)、5’−GGTGGGGGGGGGGTTGGAGGTGGC−3’(配列番号17)、5’−GGAGGTGGGTGGGGGGGTGGTGGT−3’(配列番号18)、5’−ACGTGGGGGGGAGGGTTGCTGGGC−3’(配列番号19)、5’−CTGCTGGGGGGGGCCTGGGTTGGG−3’(配列番号20)、5’−GGGTGGGCGGGCTCAGTGGGCTCT−3’(配列番号21)、5’−TGGTGGTGGATGGGGAGGCGGGGG−3’(配列番号22)、5’−GGGGAGTACAGGGGGGGTGGGCTG−3’(配列番号23)、5’−GGGTGGGAGGCGGGGAGGTGGAGG−3’(配列番号24)、5’−AGGGGGTGGAGGGGGTGGTGGGGG−3’(配列番号25)、5’−GGGTGGGGGTGGGGCGGTGGGTGG−3’(配列番号26)、5’−GGTTGGGGGGGGGGCGGGGGGTGG−3’(配列番号27)、5’−TTGGGGGGGCGGGTTGTGGGTGTA−3’(配列番号28)、5’−CGGGGGGGCGGGCTCTGGGTACTC−3’(配列番号29)、5’−GGGGGTGGTGGGGAGGTTGGGTGG−3’(配列番号30)、5’−GGCGGTGGGGGGGTGGAGGGGGTC−3’(配列番号31)、5’−GGGGGTGGCGGGGTTGGTGGGGGT−3’(配列番号32)、5’−GGGTGGGAGGGGAGGGTTAGCGTG−3’(配列番号33)、5’−GGAGGTGGTGGGGGGGTGGTTGGG−3’(配列番号34)、5’−GGAGGGCGGTGGGGTGGAGGCGGT−3’(配列番号35)、および、5’−GGCTGGAGGTGGGGTGGGGGTGGC−3’(配列番号36)からなる群から選択される塩基配列、または、(b)配列番号1〜36からなる群から選択される塩基配列において、1〜5個の塩基が置換、欠失、挿入または付加された塩基配列を含むことが好ましい。 または、前記核酸アプタマーは、一般式:5’−AGGGAAA−(G)n−KGNGGMC−3’(ここで、nは3または4であり、Kは、GまたはTであり、Mは、AまたはCであり、Nは、A、C、GまたはTである)に示される塩基配列を含み、全長が18〜45塩基であることが好ましい。 または、前記核酸アプタマーは、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号8からなる群から選択される塩基配列を含むことが好ましい。 前記核酸アプタマーは、DNAアプタマーであることが好ましい。 前記核酸アプタマーは、3’および/または5’末端が修飾されていることが好ましい。 前記核酸アプタマーを2以上連結して、核酸アプタマー多量体とすることが好ましい。 前記核酸アプタマーは、リンカーを介して連結することにより多量体とすることが好ましい。 また、本発明は、別の実施形態によれば、上記核酸アプタマーを含有するスギ花粉アレルゲンCryj2検出試薬、検出キット、除去材、および抑制剤を提供するものである。 本発明に係るスギ花粉アレルゲンCryj2に対して結合能を有する核酸アプタマーは、既存の抗Cryj2抗体と同等の結合能を有し、既存の抗Cryj2抗体の代替物としての使用が可能である。また、核酸を原料としているため、(1)化学合成が容易であり、安価に大量に調製することが可能である、(2)アプタマー自身の抗原性が低く、安全性が高い、(3)室温条件下でも安定性が高く、生活環境において安定したCryj2結合能を確保することができる、といった点で抗体よりも優れている。 また、本発明に係るスギ花粉アレルゲンCryj2に対して結合能を有する核酸アプタマーを用いることにより、生活環境において安定して使用可能なCryj2検出試薬、検出キット、除去材、および抑制剤を提供することが可能となる。SELEX法による各スクリーニングラウンドにおける、スギ花粉アレルゲンCryj2に対して結合能を有するDNAアプタマーのドットブロットの結果を示す図である。Cryj2結合性核酸アプタマーCJ2−01〜CJ2−36の配列整列を示す図である。Cryj2結合性核酸アプタマーCJ2−01〜CJ2−36の配列解析結果を示す分子系統樹である。Cryj2結合性核酸アプタマーCJ2−01_p〜CJ2−36_pの、Cryj1およびCryj2に対する結合能を評価したドットブロットの結果を示す図である。Cryj2結合性核酸アプタマーによりCryj2を染色した、破裂スギ花粉の顕微鏡写真である。デンプン粒を染色した破裂スギ花粉の顕微鏡写真である。破裂スギ花粉の構造を示した図である。Cryj2結合性核酸アプタマーCJ2−06_pのCryj2に対する結合能と、市販の抗Cryj2抗体のCryj2に対する結合能とを比較したドットブロットの結果を示す図である。ビオチン標識CJ2−06のCryj2に対する結合能を評価したドットブロットの結果を示す図である。酵素結合オリゴヌクレオチドアッセイ法による、ビオチン標識CJ2−06のCryj2に対する飽和結合実験の結果を示したグラフである。図10の結果に基づくスキャッチャード・プロット解析を示すグラフである。ビオチン標識CJ2−06によりCryj2を染色した、破裂スギ花粉の顕微鏡写真である。 以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではない。 本発明は、第一実施形態によれば、スギ花粉アレルゲンCryj2に対して結合能を有する核酸アプタマーである。以降、本明細書では、スギ花粉アレルゲンCryj2に対して結合能を有する核酸アプタマーを「Cryj2結合性核酸アプタマー」と記載する。 「核酸アプタマー」とは、高い親和性で標的分子と特異的に結合できるオリゴ核酸を意味する。オリゴ核酸の長さは、特に限定されないが、好ましくは15〜100塩基であり、より好ましくは18〜40塩基であり得る。核酸アプタマーは、短いものの方が容易かつ安価に製造でき、安定性も高いため、好ましい。しかし、核酸アプタマーの長さが15塩基より短いと、Cryj2に対する結合能を維持できなくなる場合がある。 アプタマーを構成する核酸は、例えば、DNA、RNA、LNA(Locked Nucleic Acid)、ペプチド核酸(PNA)などであってよく、部分的にこれらの核酸を混合したものであってもよい。各核酸は、必要に応じてメチル基などにより修飾されていてもよい。なお、本明細書では、アプタマーを構成する核酸をDNAとして説明するが、適宜、RNAなどの他の核酸に読み替えることができ、本発明はこれらの核酸をも包含する。また、その際、チミン(T)とウラシル(U)は適宜置換され得る。 本実施形態のCryj2結合性核酸アプタマーは、好ましくは、配列番号1〜36からなる群から選択されるいずれかの塩基配列を含む。上記核酸アプタマーは、市販の抗Cryj2抗体と同等またはそれ以上の、Cryj2に対する高い結合親和性を有する。 本実施形態のCryj2結合性核酸アプタマーは、好ましくは、配列番号1〜36からなる群から選択されるいずれかの塩基配列において、1〜5個の塩基が置換、欠失、挿入または付加された塩基配列を含む。一般に、標的分子に対する高い結合親和性を有する核酸アプタマーとして取得された配列については、変異を導入し、さらなる塩基配列の最適化を行うことが可能である。すなわち、配列番号1〜36のいずれかの塩基配列を含むCryj2結合性核酸アプタマーについて、1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入または付加することにより最適化された核酸アプタマーも、市販の抗Cryj2抗体と同等またはそれ以上の、Cryj2に対する高い結合親和性を有することができる。核酸アプタマーの最適化は、遺伝的アルゴリズムに基づいて、例えば、in silico maturation法(Ikebukuro,K., et al., Nucl.Acids Res., Vol.33, No.12, e108, 2005)により行うことができる。最適化により置換、欠失、挿入または付加される塩基の数は、特に限定されないが、好ましくは5塩基以内、4塩基以内、3塩基以内であり、特に好ましくは2塩基または1塩基である。 本実施形態のCryj2結合性核酸アプタマーは、特に好ましくは、一般式:5’−AGGGAAA−(G)n−KGNGGMC−3’(ここで、nは3または4であり、Kは、GまたはTであり、Mは、AまたはCであり、Nは、A、C、GまたはTである)に示される塩基配列を含み、全長が18〜45塩基である。上記核酸アプタマーは、市販の抗Cryj2抗体と同等またはそれ以上の、Cryj2に対する高い結合親和性および結合特異性を有する。 上記核酸アプタマーは、最も好ましくは、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号8からなる群から選択されるいずれかの塩基配列を含む。上記核酸アプタマーは、市販の抗Cryj2抗体と同等またはそれ以上の、Cryj2に対する高い結合親和性および結合特異性を有する。 なお、本実施形態のCryj2結合性核酸アプタマーは、上記特定の塩基配列のみからなる核酸に限定されない。すなわち、上記特定の塩基配列を含み、スギ花粉アレルゲンCryj2に対して結合能を有する限り、任意の塩基が付加された核酸であってよい。また、アプタマーを構成する核酸は、例えば、DNA、RNA、LNA、PNAなどであってよく、部分的にこれらの核酸を混合したものであってもよい。また、各核酸は、必要に応じてメチル基などにより修飾されていてもよい。 本発明に係る核酸アプタマーは、例えば、Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment(SELEX)法により取得することができる(Tuerk,C. and Gold,L., Science, Vol.249, pp.505−510, 1990)。SELEX法は、ランダム配列を含む核酸ライブラリーから、標的分子と結合する核酸を選択し増幅するサイクルを複数回、例えば1〜20回繰り返すことによって、標的分子と高い親和性で結合する核酸のみを選別する方法である。すなわち、本実施形態のCryj2結合性核酸アプタマーは、スギ花粉アレルゲンCryj2を標的分子としてSELEX法を実施することにより取得することができる。 また、本実施形態のCryj2結合性核酸アプタマーは、スギ花粉アレルゲンCryj1を標的分子としてSELEX法を実施することによっても取得することができる。Cryj1を標的分子として取得された核酸アプタマーは、Cryj1とCryj2の両方に対して高い結合能を有する。 上記標的分子として使用されるCryj1およびCryj2には、市販の精製Cryj1および精製Cryj2の他、種々のスギ品種由来のイソ型、ならびにその断片および誘導体が含まれる。 SELEX法により取得した核酸アプタマーは、その塩基配列を決定した後、従来公知の種々の合成法によって調製することができる。例えば、核酸アプタマーは、化学合成法によって調製することができる。化学合成法は、同一の核酸アプタマーを大量に調製できる点で好ましい。 本実施形態のCryj2結合性核酸アプタマーは、好ましくはDNAアプタマーである。DNAアプタマーは、室温で安定であるため、生活環境下でも安定した機能を確保することができる点で好ましい。 本実施形態のCryj2結合性核酸アプタマーは、3’末端と5’末端のいずれか一方またはそれらの両方が修飾されていてもよい。生活環境下での安定性を改善するためである。一般に、核酸アプタマーの標的物質に対する結合親和性は、核酸アプタマー立体構造によりもたらされるので、その立体構造が維持される限り、核酸アプタマーの末端に他の塩基配列や修飾物質が付加されていても、核酸アプタマーの標的物質に対する結合親和性は維持されることが周知である。末端修飾の例としては、ポリエチレングリコール(PEG)鎖、フォスファチジルコリン、抗アレルギー薬などが挙げられる。また、上記修飾は、スペーサー配列を介して核酸アプタマーに対して結合されてもよい。スペーサー配列は任意の長さであり得るが、好ましくは3〜20塩基であり得る。 本実施形態のCryj2結合性核酸アプタマーは、複数個を連結することにより多量体化されていてもよい。Cryj2結合性核酸アプタマー多量体は、同一のCryj2結合性核酸アプタマーが複数個連結されたものであってもよいし、異なるCryj2結合性核酸アプタマーを複数個連結されたものであってもよい。核酸アプタマーを複数連結した多量体は、単一の核酸アプタマーよりも高い結合能を有するため、好ましい。連結されるCryj2結合性核酸アプタマーの数は、特に限定されないが、好ましくは2〜4個であり得る。 核酸アプタマー多量体は、公知の方法によって調製することができる。例えば、核酸アプタマー多量体は、アビジン/ビオチン結合を利用して調製することが可能である。核酸アプタマー多量体は、核酸アプタマー同士が直接連結されたものであってもよいし、リンカーを介して結合されたものであってもよい。リンカーは、任意の長さであり得るが、好ましくは5〜20塩基であり得る。また、リンカーを構成する塩基は、特に限定されないが、好ましくはチミン(T)であり得る。 本実施形態のCryj2結合性核酸アプタマーは、スギ花粉アレルゲンCryj2に対して、既存の抗Cryj2抗体と同等の結合親和性を有する。そのため、スギ花粉アレルゲンCryj2の検出、除去、抑制などの用途に有用である。 本発明は、第二実施形態によれば、Cryj2結合性核酸アプタマーを含有する、スギ花粉アレルゲンCryj2検出試薬である。本実施形態によるスギ花粉アレルゲンCryj2検出試薬は、任意の標識物質を結合させたCryj2結合性核酸アプタマーを含有する。ここでいう任意の標識物質とは、当該分野で公知のあらゆる核酸用標識物質であってよく、例えば、ビオチン、蛍光色素、発光物質、放射性同位元素、酵素、金コロイド、量子ドットなどが挙げられる。本実施形態によるスギ花粉アレルゲンCryj2検出試薬は、さらにCryj2結合性核酸アプタマーを担持させる任意の担体を含んでいてもよい。 本実施形態のスギ花粉アレルゲンCryj2検出試薬は、水性溶液、スプレー剤、エアゾール、ペースト、粉剤など、任意の剤型として製造することができる。また、所望により、緩衝剤、安定化剤、消臭剤、防カビ剤、殺菌剤などを添加してもよい。 Cryj2検出試薬中に含有されるCryj2結合性核酸アプタマーの量は、その剤型、使用方法、使用場所などに応じて適宜決定することができるが、1nM〜20μMの濃度とすることが好ましい。 本実施形態のスギ花粉アレルゲンCryj2検出試薬は、例えば、酵素標識されたCryj2結合性核酸アプタマーや蛍光標識されたCryj2結合性核酸アプタマーの水溶液として提供され得る。 本発明は、第三実施形態によれば、Cryj2結合性核酸アプタマーを含有する、スギ花粉アレルゲンCryj2検出キットである。本実施形態によるスギ花粉アレルゲンCryj2検出キットは、Cryj2結合性核酸アプタマーと、検出に必要な任意の追加の試薬とを備える。例えば、Cryj2検出キットは、抗Cryj2抗体の代替として本発明に係るCryj2結合性核酸アプタマーを含有する、イムノクロマトグラフィー、ELISA、免疫組織化学染色、ドットブロットおよびウエスタンブロットなどのキットとして提供することができる。スギ花粉アレルゲンCryj2検出キットは、さらに必要に応じて、試料を採取するための器具、アレルゲン検出反応に用いる容器、緩衝液、標準物質、使用説明書などを備えてもよい。 第二実施形態のスギ花粉アレルゲンCryj2検出試薬および第三実施形態のスギ花粉アレルゲンCryj2検出キットは、生活環境中に存在するスギ花粉アレルゲンCryj2の検出に有用である。 本発明は、第四実施形態によれば、Cryj2結合性核酸アプタマーを含有する、スギ花粉アレルゲンCryj2除去材である。ここで、「除去」とは、スギ花粉アレルゲンCryj2をCryj2結合性核酸アプタマーに結合吸着させて、Cryj2そのものを捕集して除去することのみならず、Cryj2結合性核酸アプタマーを結合させることによってスギ花粉アレルゲンCryj2を変性失活させて、Cryj2のアレルゲン活性を除去することをも含む。その意味で、本実施形態によるスギ花粉アレルゲンCryj2除去材は、スギ花粉アレルゲンCryj2変性剤、または、スギ花粉アレルゲンCryj2失活剤であり得る。 本実施形態によるスギ花粉アレルゲンCryj2除去材は、Cryj2結合性核酸アプタマーと、Cryj2結合性核酸アプタマーを担持させる担体とを含有する。Cryj2結合性核酸アプタマーを担持させる担体は、任意の担体であってよい。 本実施形態のスギ花粉アレルゲンCryj2除去材は、例えば洗浄剤やスプレー剤などの液剤として製造することができる。例えば、洗濯用、食器用、建物・車両用の洗剤、口腔洗浄剤、点鼻剤、目薬、化粧料などとして製品化される。また、噴霧剤として、生活環境(空間、壁、布団、衣服など)に付着したCryj2の除去に応用できる。 本実施形態のスギ花粉アレルゲンCryj2除去材を液剤として製造する場合には、Cryj2結合性核酸アプタマーを、任意の液状担体と配合することにより製造される。また、所望により、界面活性剤、緩衝剤、安定剤、消臭剤、防カビ剤、殺菌剤、香料などを添加してもよい。 本実施形態のスギ花粉アレルゲンCryj2除去材は、例えばフィルターやマスクなどの固形材として製造することができる。製品化の例としては、空気清浄機、扇風機、エアーコンディショナーなどの空調設備用のフィルターが挙げられる。 本実施形態のスギ花粉アレルゲンCryj2除去材を固形材として製造する場合には、Cryj2結合性核酸アプタマーを、任意の固相担体に担持させることにより製造される。Cryj2結合性核酸アプタマーを担持させる固相担体としては、特に限定されないが、繊維が好ましい。繊維は、合成繊維または天然繊維であってよく、例えばナイロン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ポリプロピレン、レーヨン、木綿、木材パルプ、羊毛などが挙げられる。Cryj2結合性核酸アプタマーを固相担体に担持させる方法は、特に限定されないが、例えば浸漬処理、スプレー処理、吸尽加工などが挙げられる。 Cryj2除去材中に含有されるCryj2結合性核酸アプタマーの量は、その形態に応じて適宜決定することができる。例えば、液剤として調製されるCryj2除去材に対しては、1nM〜20μMの範囲内で添加することが好ましい。また、固形材として調製されるCryj2除去材に対しては、50μg/m2〜50mg/m2の範囲内で担持させることが好ましい。 本実施形態のスギ花粉アレルゲンCryj2除去材は、スギ花粉アレルゲンCryj2を捕捉吸着することにより、または、スギ花粉アレルゲンCryj2を変性失活させることにより、生活環境からスギ花粉アレルゲンCryj2を効果的に除去するために有用である。 本発明は、第五実施形態によれば、Cryj2結合性核酸アプタマーを含有する、スギ花粉アレルゲンCryj2抑制剤である。アレルゲン性の抑制について、抗体を標的としたDNAアプタマーにより、抗原と抗体の結合を阻害したとの報告があることから(Lakamp,AS. and Ouellette,MM., J.Nucleic Acids, Article ID:720798, 2011)、抗原に結合するDNAアプタマーも同様に抗原と抗体の結合を阻害することが可能であることが理解される。すなわち、本実施形態によるスギ花粉アレルゲンCryj2抑制剤は、Cryj2結合性核酸アプタマーがスギ花粉アレルゲンCryj2とCryj2特異的IgEとの結合を直接的または間接的に阻害することにより、Cryj2のアレルゲン性を抑制するものである。 本実施形態によるスギ花粉アレルゲンCryj2抑制剤は、Cryj2結合性核酸アプタマーを有効成分として含有する。Cryj2抑制剤は、有効成分のみから構成されていてもよいが、さらに任意の成分として、担体を含んでいてもよい。担体は、公知の医薬品用担体などであってよい。 Cryj2抑制剤を製造するためには、Cryj2結合性核酸アプタマーを必要に応じて上記公知の担体と組み合わせて製剤化すればよい。Cryj2抑制剤において、有効成分であるCryj2結合性核酸アプタマーは、各形態に応じた範囲で適切な投与量となるように含有されれば良い。Cryj2結合性核酸アプタマーは、その投与量が、通常成人1日当たり0.001mg/kg(体重)以上、好ましくは0.01mg/kg(体重)以上となるように、Cryj2抑制剤における含有量を調製することが好ましいが、かかる範囲には限定されず、患者の症状、年齢、性別などにより適宜調整されることが可能である。投与量の上限は、1日当たり、1mg/kg(体重)以下が好ましく、0.1mg/kg(体重)以下がより好ましい。 本実施形態のスギ花粉アレルゲンCryj2抑制剤は、医薬品として製造することができる。この場合には、Cryj2結合性核酸アプタマーを、薬学的に許容できる液状又は固体状の担体と配合することにより製造される。また、所望により、溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤などを加えて、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤や、通常液剤、懸濁剤、乳剤などの液剤とすることができる。 Cryj2抑制剤を経口用医薬品とする場合は、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤等とすることができ、たとえば、デンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩などが利用される。また経口剤の調製にあたっては、更に結合剤、崩壊剤、界面活性剤、潤沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料などを配合することもできる。たとえば、錠剤または丸剤とする場合は、所望によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロースなどの糖衣または胃溶性もしくは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。液体組成物からなる経口剤とする場合は、薬理学的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤などとすることができ、例えば、精製水、エタノールなどが担体として利用される。また、さらに所望により湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、防腐剤などを添加してもよい。 Cryj2抑制剤を非経口用医薬品とする場合は、常法に従い本発明の前記有効成分を希釈剤としての注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、落花生油、大豆油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどに溶解ないし懸濁させ、必要に応じ、殺菌剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤などを加えることにより調製することができる。また、固体組成物を製造し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。 さらに上記Cryj2抑制剤には、所望により、着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤などの薬学的に許容される添加物や他の治療薬を含有させることができる。 また、Cryj2抑制剤の製剤化に際しては、安定化剤を配合することが好ましい。安定化剤としては、例えば、アルブミン、グロブリン、ゼラチン、マンニトール、グルコース、デキストラン、エチレングリコールなどが挙げられる。 製剤中に含有されるCryj2結合性核酸アプタマーの量は、各製剤の形態に応じて、前述した投与量となる量であればよい。 本実施形態のスギ花粉アレルゲンCryj2抑制剤は、スギ花粉アレルゲンCryj2とCryj2特異的IgEとの結合を直接的または間接的に阻害することにより、脱顆粒反応を抑制し、花粉症症状を抑制するために有用である。 以下に実施例を挙げ、本発明について更に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。<実施例1:SELEX法によるCryj2結合性核酸アプタマーのスクリーニング> スギ花粉アレルゲンCryj2に対して結合能を有する核酸アプタマーは、SELEX法により作製した。24merのランダム化領域(N24)と、両端に各3merのリンカー(TTT)により連結された各18merのプライマー領域を含む、一本鎖DNAライブラリー(5’−TCGTCTTCCGTCAACTACTTT−N24−TTTCTCAATAGCGACACCGTA−3’:配列番号37)を初期ライブラリーとして用いた(約1×1014クローン)。この一本鎖DNAライブラリーに、フォワード(Fw)プライマー(5’−TCGTCTTCCGTCAACTAC−3’:配列番号38)の相補鎖と、ビオチン標識リバース(Rv)プライマー(5’−TACGGTGTCGCTATTGAG−3’:配列番号39)とを混合し、95℃で10分間加熱し、30分かけて25℃まで冷却することにより、DNA構造のフォールディングと、プライマー領域のブロックと、ライブラリーのビオチン標識を行った。DNAライブラリーは、その後、0.05%(v/v)のTween20を含有するTBSバッファー(10mMのTris/HCl、150mMのNaCl、5mMのKCl、pH7.4)(TBST)に溶解した。 標的タンパク質として、精製スギ花粉抗原Cryj1(林原生物化学研究所社製)または精製スギ花粉抗原Cryj2(林原生物化学研究所社製)をニトロセルロース膜上に固定した後(1μg/スポット)、4%(w/v)のスキムミルクを含有するTBSTにより、室温で1時間ブロッキングした。その後、ニトロセルロース膜をDNAライブラリー(濃度1μM)とともに室温で1時間インキュベーションした。次いで、ニトロセルロース膜をTBSTで5分間2回、10分間1回の計3回洗浄した後、Cryj1またはCryj2に結合したDNAをフェノールクロロホルム抽出し、エタノール沈殿を行った。回収したDNAを、FwプライマーおよびRvプライマー、ならびにPrimeSTAR GXL(タカラバイオ社製)を用いたPCRにより増幅した。増幅は、98℃を10秒(変性)、59℃を15秒(アニーリング)、68℃を30秒(伸長)の3ステップからなるサイクルを反復することにより行った。増幅されたDNAを一本鎖化し、次のラウンドのスクリーニングライブラリーとして使用した。 上記工程を1ラウンドとして、Cryj1については5回、Cryj2については4回、スクリーニングラウンドを繰り返した。各スクリーニングラウンドにおけるライブラリー濃度およびPCRサイクル数は以下の通りである。 DNAライブラリーのCryj1またはCryj2に対する親和性を、各スクリーニングラウンドにつき、ドットブロットにより確認した。上記手順によりCryj1またはCryj2を固定したニトロセルロース膜について、上記濃度のDNAライブラリーとともにインキュベーションした。その後、ニトロセルロース膜をTBSTで5分間2回、10分間1回の計3回洗浄し、500ng/mLのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)標識ニュートラアビジン(サーモサイエンティフィック社製)/TBSTとともに室温で1時間インキュベーションした。その後、ニトロセルロース膜をTBSTで5分間2回、10分間1回の計3回洗浄し、イモビロン(Immobilon)ウェスタン化学発光HRP基質(ミリポア社製)により、結合したDNAを可視化した。 結果を図1に示す。図1の上段は、Cryj1を標的タンパク質としてスクリーニングを行った結果を示す。図1の下段は、Cryj2を標的タンパク質としてスクリーニングを行った結果を示す。初期ライブラリーとともにインキュベーションしたニトロセルロース膜にはほとんどスポットが検出されないのに対し、スクリーニングラウンド回数を重ねたライブラリーとともにインキュベーションしたニトロセルロース膜には、強いスポットが検出された。この結果から、上記スクリーニングラウンドの反復によって、Cryj1またはCryj2に対して結合能を有する核酸アプタマーが選別されたDNAライブラリーが得られたことが示された。<実施例2:Cryj2結合性核酸アプタマーの配列解析> 上記スクリーニングラウンドの反復を経て得られたDNAライブラリーを、PrimeSTAR GXL(タカラバイオ社製)を用いてPCRにより増幅し、増幅産物をFastGene Gel/PCR Extraction Kit(日本ジェネティクス社製)により精製した。精製されたPCR産物に対し、AmpliTaq Gold(アプライドバイオシステムズ社製)を用いてAテーリングを行った後、pGEM−T Easyベクター(プロメガ社製)にTAクローニングした。得られたサブクローニングベクターにより、大腸菌DH5αを形質転換した。形質転換された大腸菌DH5αを培養し、生育したコロニーに対し、illustra TempliPhi DNA Amplification Kit(GEヘルスケア・ジャパン社製)を用いて、シークエンシング解析用の鋳型を調製し、DNAアプタマーの塩基配列を決定した。 Cryj2を標的タンパク質として得られたDNAアプタマーの塩基配列を表2に、Cryj1を標的タンパク質として得られたDNAアプタマーの塩基配列を表3に示す。 上記のDNAアプタマーについて、ClustalXを用いてアラインメントを行い整列した結果を図2、アラインメントの結果から近隣結合法に基づいて作製した分子系統樹を図3に示す。これらのDNAアプタマーのCryj1またはCryj2に対する結合能と、DNAアプタマーの構造的特徴との相関を明らかにするために、分子系統樹の全体をカバーするように、N24領域配列としてCJ2−01〜CJ2−17(配列番号1〜17)を選択し(図2B、○で表示)、これらのN24領域配列を有するDNAアプタマーについて、Cryj1およびCryj2に対する結合能評価を行った。<実施例3:ドットブロットによるCryj2結合性核酸アプタマーの結合能評価> CJ2−01〜CJ2−17(配列番号1〜17)のN24領域配列を有するDNAアプタマーについて、Cryj1およびCryj2に対する結合能を、ドットブロットにより評価した。DNAアプタマーは、実施例1と同様の手順により、フォールディング、プライマー領域のブロックおよびビオチン標識の導入を行うことにより調製した(CJ2−01_p〜CJ2−17_p)。Cryj1およびCryj2(各0.1μg/スポット)、ならびに陰性対照としてヒト血清(2.5μL/スポット)および3%BSA(2.5μL/スポット)を、同一のニトロセルロース膜上に固定し、4%(w/v)のスキムミルクを含むTBSTにより、室温で1時間ブロッキングした。その後、上記調製したDNAアプタマー(100nM/TBST)とともに室温で1時間インキュベーションした。その後、実施例1と同様の手順によって、化学発光により、各スポットに対するDNAアプタマーの結合を可視化した。 結果を図4に示す。Cryj2を標的タンパク質としてスクリーニングを実施して得たDNAアプタマーであるCJ2−01_p〜CJ2−08_pはいずれもCryj2に結合し、このうち、CJ2−02_p、CJ2−04_p、CJ2−05_p、CJ2−06_pおよびCJ2−08_pの5クローン(図2中、記号「*」により表示)が、Cryj2のみに特異的に結合することが明らかになった。Cryj2のみに特異的に結合したこれらのアプタマーは、図3に示す分子系統樹において共通の分岐に属しており、以下の特徴的なコンセンサス配列: 5’−AGGGAAA−(G)n−KGNGGMC−3’(ここで、nは3または4であり、Kは、GまたはTであり、Mは、AまたはCであり、Nは、A、C、GまたはTである)を有することが明らかになった(表4)。 一方、Cryj1を標的タンパク質としてスクリーニングを実施して得られたDNAアプタマーであるCJ2−09_p〜CJ2−17_pは、いずれもCryj1に結合するが、Cryj1よりもCryj2に対して強く結合することが示された。この結果から、Cryj1を標的タンパク質としても、Cryj2結合性DNAアプタマーを調製することが可能であることが示された。<実施例4:Cryj2結合性核酸アプタマーによる破裂スギ花粉の染色> Cryj2結合性核酸アプタマーが、破裂スギ花粉から放出されたCryj2に結合するかどうかを検証した。Cryj2結合性核酸アプタマーとして、CJ2−01〜CJ2−08(配列番号1〜8)のN24領域配列を有するDNAアプタマーを選択し、実施例1と同様の手順により、フォールディング、プライマー領域のブロックおよびビオチン標識の導入を行うことにより調製した(CJ2−01_p〜CJ2−08_p)。また、陰性対照として、アプタマーのN24領域配列をすべてチミンとしたもの(T24)を、実施例1と同様の手順により、フォールディング、プライマー領域のブロックおよびビオチン標識の導入を行うことにより調製した(T24_p)。 破裂スギ花粉標本は、以下の手順により作製した。スギ花粉をスライドグラス上に塗抹し、5μLのTBSバッファー(10mMのTris/HCl、150mMのNaCl、5mMのKCl、pH7.4)を用いて破裂させた後、室温で30分乾燥させた。その後、95%エタノール:酢酸(99:1、v/v)にて氷上で15分固定し、TBSで3回リンスした後、1%のBSA及び100μg/mLの超音波処理済サケ精子DNAを含有するTBSにより、室温で15分ブロッキングを行った。なお、超音波処理済サケ精子DNAは、95℃で3分間加熱した後、使用するまで氷上で静置した。 ブロッキング後の破裂スギ花粉標本を、TBSで3回リンスした後、上記の調製したアプタマー(5μM)とともに室温で1時間インキュベーションした。その後、破裂スギ花粉標本を、TBSTで5分間、3回洗浄し、5μg/mLのHRP標識ニュートラアビジン/TBSとともに室温で30分間インキュベーションした。その後、ペルオキシダーゼ染色DABキット(ナカライテスク社製)を用いて化学発色反応を行った。 また、破裂スギ花粉におけるCryj2の局在を示すための比較例として、破裂スギ花粉におけるデンプンの染色を行った。Cryj2は、スギ花粉の細胞質内のデンプン粒に存在することが知られているため、デンプンを染色することにより、Cryj2の局在を確認することができる。破裂スギ花粉におけるデンプンの染色は、上記と同様の条件で破裂および固定を行った花粉標本に、ヨウ素溶液(ヨウ化カリウム2gを100mLの超純水に溶解後、ヨウ素1gを溶解して調製)を滴下することにより行った。 破裂スギ花粉のCryj2結合性核酸アプタマーによる染色結果を図5に、破裂スギ花粉のデンプン粒の染色結果を図6に示す。また、破裂スギ花粉の構造を図7に示す。スギ花粉は、吸水すると、花粉粒(外壁に内壁1および内壁2が付着したもの)から、内壁3および内壁4が付着した原形質体が遊離する(図7(a))。さらに吸水が進むと、内壁4が膨張し(図7(b))、内壁4が付着した原形質体が内壁3から放出される(図7(c))。 図5に示すように、CJ2−01_p〜CJ2−08_pのいずれのCryj2結合性核酸アプタマーによっても、破裂スギ花粉の原形質体および内壁3が染色された。デンプン粒も、同様に原形質体および内壁3に局在しており(図6)、この結果から、CJ2−01_p〜CJ2−08_pのいずれのアプタマーも、破裂スギ花粉から放出されたCryj2を認識して結合できるものであることが明らかになった。 以下、Cryj2結合性核酸アプタマーを代表して、実施例3において最も強いCryj2結合能を示したCJ2−06(配列番号6)のアプタマーについて、詳細な結合能評価を実施した。<実施例5:ドットブロットによるCJ2−06_pの結合能評価> CJ2−06_pと、市販の抗Cryj2の抗体のCryj2に対する結合特異性を比較した。CJ2−06_pおよび初期ライブラリーは、実施例1と同様の手順により、フォールディング、プライマー領域のブロックおよびビオチン標識の導入を行うことにより調製した。抗Cryj2抗体として、抗Cryj2ポリクローナル抗体(林原生物化学研究所社製)および抗Cryj2モノクローナル抗体(林原生物化学研究所社製)を使用した。陰性対照として、ウサギIgG(シグマ・アルドリッチ社製)およびマウスIgG(シグマ・アルドリッチ社製)を使用した。ブロック鎖として、Fwプライマーの相補鎖およびRvプライマーを使用した。 標的タンパク質であるCryj2と、競合タンパク質であるCryj1を、同一のニトロセルロース膜上に固定し(各0.1μg/スポット)、2%BSA/TBSTにより室温で1時間ブロッキングを行った。その後、上記調製したCJ2−06_p(100nM/TBST)、初期ライブラリー(100nM/TBST)またはブロック鎖(100nM/TBST)とともに室温で1時間インキュベーションした。その後、実施例1と同様の手順によって、化学発光により、各スポットに対するDNAアプタマーの結合を可視化した。 抗体については、上記の抗体を一次抗体として用い(50ng/mL)、室温で1時間インキュベーションを行った。TBSTで5分間、3回洗浄した後、抗Cryj2ポリクローナル抗体およびウサギIgGに対してはHRP標識抗ウサギイムノグロブリン(ダコ・ジャパン社製)(1:2000)を、抗Cryj2モノクローナル抗体およびマウスIgGに対してはHRP標識抗マウスイムノグロブリン(ダコ・ジャパン社製)(1:1000)を、それぞれ二次抗体として用い、室温で1時間インキュベーションを行った。その後、DNAアプタマーと同様に、化学発光により、各スポットに対する抗体の結合を可視化した。 結果を図8に示す。CJ2−06_pのCryj2に対する検出感度は、市販の抗Cryj2ポリクローナル抗体よりも強く、市販の抗Cryj2モノクローナル抗体と同等であった。また、CJ2−06_pのCryj1に対する結合は、ほとんど検出されなかった。一方、市販の抗Cryj2ポリクローナル抗体では、Cryj1に対する結合が明確なスポットとして検出されており、この結果から、CJ2−06_pは、Cryj2に対し、市販の抗Cryj2ポリクローナル抗体よりも優れた結合特異性を有するものであることが示された。<実施例6:ドットブロットによるビオチン標識CJ2−06の結合能評価> プライマー領域配列を有しない、N24領域配列のみからなるアプタマーの結合能を評価するために、CJ2−06(配列番号6)の5’末端をビオチン化したアプタマー(Bio−CJ2−06)を調製し、ドットブロットを行った。陽性対照としてCJ2−06_p、陰性対照としてT24_pと、24塩基のチミンからなる核酸の5’末端をビオチン化したもの(Bio−T24)を使用した。ドットブロットは、実施例5と同様の手順および条件により行った。 結果を図9に示す。Bio−CJ2−06も、CJ2−06_pと同様にCryj2に対して結合するアプタマーであることが示された。<実施例7:酵素結合オリゴヌクレオチドアッセイ法によるBio−CJ2−06の結合能評価> Bio−CJ2−06のCryj2に対する結合能を、酵素結合オリゴヌクレオチドアッセイ(ELONA)法により評価した。PBS(−)により希釈したCryj2(濃度10μg/mL)を、96ウェルプレートに100μL/ウェルずつ添加し、4℃で一晩固定した。その後、各ウェルをTBSTで3回洗浄し、続いて、1%BSA/TBSを200μL/ウェルずつ添加し、室温で1時間インキュベーションした。その後、各ウェルをTBSTで3回洗浄し、Bio−CJ2−06(16〜250nM/TBS)またはBio−T24(16〜250nM/TBS)を100μL/ウェルずつ添加し、室温で1時間インキュベーションした。その後、各ウェルをTBSTで5回洗浄し、500ng/mLのHRP標識ニュートラアビジン/TBSを100μL/ウェルずつ添加し、室温で1時間インキュベーションした。その後、各ウェルをTBSTで7回洗浄し、BMケミルミネッセンスELISA基質(POD)(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を100μL/ウェルずつ添加し、化学発光反応を行った。化学発光は、ARVO MX 1420マルチラベルカウンター(パーキンエルマー社製)により測定した。同一試料に対する3重測定結果の平均値を1回の測定値とし、Bio−CJ2−06については8回の測定値の平均値から、Bio−T24については3回の測定の平均値から、スキャッチャード・プロットを作製し、解離定数(Kd)を算出した。 結果を図10に示す。エラーバーは標準誤差を示す。CJ2−06の濃度に依存して化学発光シグナルが増加することが示された。図10の結果に基づいて作製されたスキャッチャード・プロット(図11)から、CJ2−06とCryj2の解離定数(Kd)は22nMと算出された。一般的な抗体のKd値は数nM〜数百nM程度であることから、CJ2−06はCryj2に対し、抗体と同等の高い結合親和性を有するものであることが明らかになった。<Bio−CJ2−06による破裂スギ花粉の染色> 破裂スギ花粉から放出されたCryj2に対するBio−CJ2−06の結合能を評価するために、破裂スギ花粉の染色を行った。破裂スギ花粉標本の調製および破裂スギ花粉の染色は、実施例4と同様の手順により行った。 また、比較例として、実施例5で使用した市販の抗Cryj2モノクローナル抗体および抗Cryj2ポリクローナル抗体による染色を行った。陰性対照には、実施例5で使用したウサギIgGおよびマウスIgGを使用した。染色は、以下の手順により行った。破裂処理および固定処理後の破裂スギ花粉標本を、TBSで3回リンスした後、5%ヤギ血清および1%BSAを含有するTBSにより、室温で15分ブロッキングを行った。ブロッキング後の破裂スギ花粉標本を、TBSで3回リンスした後、上記の抗体を一次抗体として用い(2μg/mL)、室温で1時間インキュベーションを行った。TBSTで5分間、3回洗浄した後、抗Cryj2ポリクローナル抗体およびウサギIgGに対してはHRP標識抗ウサギイムノグロブリン(1:500)を、抗Cryj2モノクローナル抗体およびマウスIgGに対してはHRP標識抗マウスイムノグロブリン(1:500)を、それぞれ二次抗体として用い、室温で1時間インキュベーションを行った。その後、TBSTで5分間、3回洗浄した後、DNAアプタマーと同様に、その後、ペルオキシダーゼ染色DABキット(ナカライテスク社製)を用いて化学発色反応を行った。 結果を図12に示す。Bio−CJ2−06も、CJ2−06_pと同様に、市販の抗Cryj2抗体と同等のCryj2検出感度を有するものであることが示された。 このように、Cryj2結合性核酸アプタマーは、Cryj2に対し、一般的な抗体と同等以上の高い結合親和性を有しており、破裂スギ花粉から放出されるCryj2を捕捉できるものであることが確認された。また、Cryj2結合性核酸アプタマーを使用することにより、生活環境での使用に適したCryj2検出試薬、検出キット、除去材、および抑制剤を提供することができることが示唆された。 スギ花粉アレルゲンCryj2に対して結合能を有する核酸アプタマー。 (a)5’−TGGGCTGTCGGGGGGGTGGGTTTC−3’(配列番号1)、 5’−GGCAGGGAAAGGGGTGTGGCCAGA−3’(配列番号2)、 5’−GGGTGGTGGCCGGGGAGGGGGGGG−3’(配列番号3)、 5’−GGCGAGGGAAAGGGGGGCGGACGA−3’(配列番号4)、 5’−GGCGAGGGAAAGGGGGGCGGCCGA−3’(配列番号5)、 5’−GGTGCAGGGAAAGGGGGGGGCCAG−3’(配列番号6)、 5’−GGGGTGGGTCGTGTCTGGGGGGGT−3’(配列番号7)、 5’−GGTAGGGAAAGGGGTGTGGCCTGG−3’(配列番号8)、 5’−GGTTGGTGGTGGGGCGGTGGGTGG−3’(配列番号9)、 5’−GGGCCGGGGGGGGGGGGCATAGCT−3’(配列番号10)、 5’−AGGCGGGGGGAGGGGTGGTGGTGG−3’(配列番号11)、 5’−CGGGGGTGGGGGGGCGAGGGCGGT−3’(配列番号12)、 5’−GGCGGTGGAGGGGGGGGGGTTGGT−3’(配列番号13)、 5’−GGGGGGCGGCGGGGTTGGAGGTGG−3’(配列番号14)、 5’−GGGGGGCGGTGGGGGCGATGGAGG−3’(配列番号15)、 5’−GTGGGGGGGGATGGGGGGGCCTGG−3’(配列番号16)、 5’−GGTGGGGGGGGGGTTGGAGGTGGC−3’(配列番号17)、 5’−GGAGGTGGGTGGGGGGGTGGTGGT−3’(配列番号18)、 5’−ACGTGGGGGGGAGGGTTGCTGGGC−3’(配列番号19)、 5’−CTGCTGGGGGGGGCCTGGGTTGGG−3’(配列番号20)、 5’−GGGTGGGCGGGCTCAGTGGGCTCT−3’(配列番号21)、 5’−TGGTGGTGGATGGGGAGGCGGGGG−3’(配列番号22)、 5’−GGGGAGTACAGGGGGGGTGGGCTG−3’(配列番号23)、 5’−GGGTGGGAGGCGGGGAGGTGGAGG−3’(配列番号24)、 5’−AGGGGGTGGAGGGGGTGGTGGGGG−3’(配列番号25)、 5’−GGGTGGGGGTGGGGCGGTGGGTGG−3’(配列番号26)、 5’−GGTTGGGGGGGGGGCGGGGGGTGG−3’(配列番号27)、 5’−TTGGGGGGGCGGGTTGTGGGTGTA−3’(配列番号28)、 5’−CGGGGGGGCGGGCTCTGGGTACTC−3’(配列番号29)、 5’−GGGGGTGGTGGGGAGGTTGGGTGG−3’(配列番号30)、 5’−GGCGGTGGGGGGGTGGAGGGGGTC−3’(配列番号31)、 5’−GGGGGTGGCGGGGTTGGTGGGGGT−3’(配列番号32)、 5’−GGGTGGGAGGGGAGGGTTAGCGTG−3’(配列番号33)、 5’−GGAGGTGGTGGGGGGGTGGTTGGG−3’(配列番号34)、 5’−GGAGGGCGGTGGGGTGGAGGCGGT−3’(配列番号35)、および、 5’−GGCTGGAGGTGGGGTGGGGGTGGC−3’(配列番号36)からなる群から選択される塩基配列、または (b)配列番号1〜36からなる群から選択される塩基配列において、1〜5個の塩基が置換、欠失、挿入または付加された塩基配列を含む、請求項1に記載の核酸アプタマー。 一般式: 5’−AGGGAAA−(G)n−KGNGGMC−3’(ここで、nは3または4であり、Kは、GまたはTであり、Mは、AまたはCであり、Nは、A、C、GまたはTである)に示される塩基配列を含み、全長が18〜45塩基である、請求項1に記載の核酸アプタマー。 配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号8からなる群から選択される塩基配列を含む、請求項1に記載の核酸アプタマー。 前記核酸アプタマーがDNAアプタマーである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の核酸アプタマー。 3’および/または5’末端が修飾されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の核酸アプタマー。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の核酸アプタマーから選択される1種以上の核酸アプタマーが2以上連結されてなる、核酸アプタマー多量体。 前記核酸アプタマーがリンカーを介して連結されてなる、請求項7に記載の核酸アプタマー多量体。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の核酸アプタマー、または、請求項7もしくは8に記載の核酸アプタマー多量体を含有する、スギ花粉アレルゲンCryj2検出試薬。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の核酸アプタマー、または、請求項7もしくは8に記載の核酸アプタマー多量体を含有する、スギ花粉アレルゲンCryj2検出キット。 請求項1〜7のいずれか1項に記載の核酸アプタマー、または、請求項7もしくは8に記載の核酸アプタマー多量体を含有する、スギ花粉アレルゲンCryj2除去材。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の核酸アプタマー、または、請求項7もしくは8に記載の核酸アプタマー多量体を含有する、スギ花粉アレルゲンCryj2抑制剤。 【課題】 スギ花粉アレルゲンCryj2に対して結合能を有し、かつ、様々な用途に加工性の優れたアプタマーを提供する。また、Cryj2結合性アプタマーを含有するCryj2検出試薬、検出キット、除去材、および抑制剤を提供する。【解決手段】 スギ花粉アレルゲンCryj2に対して結合能を有する核酸アプタマー。【選択図】 なし配列表


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