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タイトル:公開特許公報(A)_フィッシャー・トロプシュ合成用触媒の製造方法及び炭化水素の製造方法
出願番号:2013238107
年次:2015
IPC分類:B01J 37/18,C07C 1/06,C07C 9/00,B01J 23/75,B01J 23/46,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

▲高▼濱 昂志 永易 圭行 早坂 和章 JP 2015097980 公開特許公報(A) 20150528 2013238107 20131118 フィッシャー・トロプシュ合成用触媒の製造方法及び炭化水素の製造方法 JX日鉱日石エネルギー株式会社 000004444 長谷川 芳樹 100088155 黒木 義樹 100113435 清水 義憲 100128381 平野 裕之 100169454 ▲高▼濱 昂志 永易 圭行 早坂 和章 B01J 37/18 20060101AFI20150501BHJP C07C 1/06 20060101ALI20150501BHJP C07C 9/00 20060101ALI20150501BHJP B01J 23/75 20060101ALI20150501BHJP B01J 23/46 20060101ALI20150501BHJP C07B 61/00 20060101ALN20150501BHJP JPB01J37/18C07C1/06C07C9/00B01J23/74 311MB01J23/46 301MC07B61/00 300 4 OL 15 4G169 4H006 4H039 4G169AA03 4G169AA08 4G169BA02A 4G169BA02B 4G169BA05A 4G169BA05B 4G169BB02A 4G169BB02B 4G169BC67A 4G169BC67B 4G169BC70A 4G169BC70B 4G169CC23 4G169DA08 4G169EA01Y 4G169EB18Y 4G169EC03Y 4G169EC14Y 4G169EC15Y 4G169FA02 4G169FB14 4G169FB30 4G169FB44 4H006AA02 4H006AC29 4H006BA20 4H006BA23 4H006BA30 4H006BA55 4H006BB11 4H006BE20 4H006BE40 4H039CA19 4H039CL35 本発明は、フィッシャー・トロプシュ合成用触媒の製造方法及び炭化水素の製造方法に関する。 水素と一酸化炭素とを主成分とする合成ガスから炭化水素を合成する反応は、フィッシャー・トロプシュ合成(FT合成)と呼ばれ、燃料などの製造に利用されている。このFT合成反応に用いる触媒として、例えば、特許文献1には、シリカ、アルミナ等の担体上に、コバルト、鉄等の活性金属を担持した触媒が開示され、特許文献2には、コバルト、ジルコニウム又はチタン、及びシリカを含有する触媒が開示されている。特開平4−227847号公報特開昭59−102440号公報 FT合成反応に用いる触媒(以下、「FT合成触媒」ということもある。)は、例えば、以下のようにして調製される。すなわち、まず、シリカ、アルミナ等の担体に、コバルト塩、ルテニウム塩等を含浸させ、これを焼成することによって、コバルト酸化物及び/又はルテニウム酸化物が担持された触媒(未還元触媒)が得られる。このようにして得られた触媒がFT合成反応に対して十分な活性を発現するためには、該触媒を還元ガス(水素ガス等)に接触させて還元処理し、活性金属であるコバルト及び/又はルテニウムを酸化物の状態から、金属の状態へと変換することが必要となる。 本発明は、還元処理されたFT合成触媒であって、フィッシャー・トロプシュ合成反応に対する反応活性に優れたFT合成触媒を製造することが可能な製造方法、及びその製造方法によって得られたFT合成触媒を用いた炭化水素の製造方法を提供することを目的とする。 本発明の一側面は、フィッシャー・トロプシュ合成用触媒を製造する製造方法に関するものである。当該製造方法は、未還元触媒の還元処理により前記フィッシャー・トロプシュ合成用触媒を得る還元工程を有する。 また、上記製造方法において、上記未還元触媒は、シリカ及びジルコニウム化合物を含有する担体前駆体を焼成して得られる担体と、該担体に担持されたコバルト酸化物及び/又はルテニウム酸化物と、を含有し、上記未還元触媒のジルコニウム含量は、上記未還元触媒の全質量を基準として、酸化ジルコニウム換算で0.01〜7質量%である。 また、上記還元工程においては、GHSVが200h−1以上1500h−1以下、線速度が20mm/s以上の条件で上記未還元触媒に還元ガスを接触させて、上記未還元触媒の還元処理を行う。 このように特定のジルコニウム含量を有する未還元触媒に対して、特定の条件で還元処理を行うことによって、反応活性に優れるフィッシャー・トロプシュ合成用触媒を得ることができる。 本発明の一態様において、上記還元工程では、上記フィッシャー・トロプシュ合成用触媒の下記式(1)で表されるコバルト原子の還元度及び/又は下記式(2)で表されるルテニウム原子の還元度が75〜93%となるように、上記未還元触媒の還元処理を行うことができる。 コバルト原子の還元度(%)=100×〔金属コバルト原子の質量〕/〔全コバルト原子の質量〕 …(1) ルテニウム原子の還元度(%)=100×〔金属ルテニウム原子の質量〕/〔全ルテニウム原子の質量〕 …(2) このように還元処理して得られたフィッシャー・トロプシュ合成用触媒は、より反応活性に優れたものとなる。 本発明の他の側面は、上記製造方法により製造されるフィッシャー・トロプシュ合成用触媒に関するものである。このようなフィッシャー・トロプシュ合成用触媒は、反応活性に優れ、フィッシャー・トロプシュ合成反応に好適に使用することができる。 本発明の他の側面は、上記製造方法により製造されたフィッシャー・トロプシュ合成用触媒の存在下、一酸化炭素と水素ガスとを反応させて炭化水素を得る工程を有する、炭化水素の製造方法に関する。このような炭化水素の製造方法では、フィッシャー・トロプシュ合成用触媒が反応活性に優れるため、炭化水素を効率良く製造することができる。 本発明によれば、反応活性に優れたフィッシャー・トロプシュ合成用触媒を製造することが可能な製造方法、及びその製造方法によって得られたフィッシャー・トロプシュ合成用触媒を用いた炭化水素の製造方法が提供される。 本発明のフィッシャー・トロプシュ合成用触媒の製造方法の好適な一実施形態について、以下に説明する。 本実施形態に係る製造方法は、未還元触媒の還元処理によりフィッシャー・トロプシュ合成用触媒(以下、場合により「FT合成用触媒」という。)を得る還元工程を有する。 本実施形態において、未還元触媒は、シリカ及びジルコニウム化合物を含有する担体前駆体を焼成して得られる担体と、該担体に担持されたコバルト酸化物及び/又はルテニウム酸化物と、を含有するものであり、未還元触媒におけるジルコニウム含量は、未還元触媒の全質量を基準として、酸化ジルコニウム換算で0.01〜7質量%である。 また、本実施形態において、還元工程では、GHSVが200h−1以上1500h−1以下、線速度が20mm/s以上の条件で未還元触媒に還元ガスを接触させて、当該未還元触媒の還元処理を行う。 このように特定の未還元触媒を特定の条件で還元処理することによって、フィッシャー・トロプシュ合成反応における反応活性に優れた、フィッシャー・トロプシュ合成用触媒を得ることができる。 以下に、本実施形態に係る未還元触媒及び還元工程について詳述する。(未還元触媒) 未還元触媒は、シリカ及びジルコニウム化合物を含有する担体前駆体を焼成して得られる担体と、該担体に担持されたコバルト酸化物及び/又はルテニウム酸化物と、を含有するものである。 未還元触媒におけるジルコニウム含量は、未還元触媒の全質量を基準として、酸化ジルコニウム換算で0.01〜7質量%であり、多量のジルコニアはコバルト及び/又はルテニウムの還元性を低下させ、初期活性の低下を招く恐れがあることから、好ましくは0.1〜6質量%であり、より好ましくは0.5〜5.5質量%である。 未還元触媒がコバルト酸化物を含有するとき、その含有量は、より高い反応活性を有するFT合成用触媒が得られる観点から、未還元触媒の全質量を基準として、10〜35質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。 また、未還元触媒がルテニウム酸化物を含有するとき、その含有量は、未還元触媒の全質量を基準として5〜35質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。ルテニウムを活性点とするFT合成用触媒は、コバルトを活性点とするものよりも高活性で、ワックス選択率が高いことが特長であり、触媒の使用量を大幅に削減できる場合がある。 また、未還元触媒がコバルト酸化物及びルテニウム酸化物を含有するとき、これらの合計含有量は、未還元触媒の全質量を基準として5〜35質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。 未還元触媒の平均粒子径は、10μm〜10mmが好ましく、10μm〜5mmがより好ましく、10〜150μmがさらに好ましく、30〜100μmがさらにより好ましい。未還元触媒の平均粒子径は、粒度分布測定装置を用いて測定でき、例えば、ベックマン・コールター株式会社製コールターカウンター Multisizer 3を使用し、電気的検知帯法(コールター原理)により、自動測定・算出される。 未還元触媒は、貴金属を更に含有していてもよい。貴金属としては、Pt、Pd、Au及びReのうちの一種以上が好ましく、Ptがより好ましい。貴金属を含有させることにより、コバルト及び/又はルテニウムの還元を促進することができる。これにより、触媒の劣化要因と推察される、フィッシャー・トロプシュ合成反応中に生成した水によるコバルト金属の酸化を抑制することができる。 貴金属の担持量は、上記の効果と経済性とのバランスの点で、未還元触媒の全質量を基準として0.001〜1質量%であることが好ましく、0.001〜0.5質量%であることがより好ましい。 未還元触媒は、メソ細孔容積が0.35cm3/g以上であることが好ましい。未還元触媒のメソ細孔容積は、以下の方法で算出される。まず、未還元触媒に吸着した水分を除去するため、例えば、300℃、5時間の真空排気する前処理を行う。この前処理後の触媒について、日本ベル(株)社製 BELSORP−maxを使用し、液体窒素温度(−196℃)で窒素を用いた定容量法ガス吸着法により吸脱着等温線を自動測定する。データの解析には、装置附属の解析ソフトウェア(BEL MasterTM)を用いることができ、測定された窒素の吸脱着等温線はBJH法にて自動解析され、未還元触媒の単位質量当りのメソ細孔容積(cm3/g)が算出される。なお、BJH法とは、吸着質が脱離するときの相対圧と吸着量の関係である脱着等温線から平均細孔径を求める手法である。(E.P.Barrett, L.G.Joyner, P.H.Halenda:J.Am.Chem.Soc.,73,373(1951).) 未還元触媒のメソ細孔容積は、0.35〜0.8cm3/gであることがより好ましく、0.4〜0.7cm3/gであることがさらに好ましい。未還元触媒のメソ細孔容積が0.35cm3/gより小さいと、反応初期に触媒劣化が起こりやすくなる傾向がある。一方、未還元触媒のメソ細孔容積が0.8cm3/gより大きいと、細孔が大きくなり過ぎて、触媒摩耗が起こりやすくなる。そのため、反応中に摩耗損失による触媒劣化を起こしやすくなる傾向がある。 未還元触媒は、比表面積が130m2/g以上であることが好ましい。未還元触媒の比表面積は以下の方法で算出される。まず、未還元触媒に吸着した水分を除去するため、例えば、300℃、5時間の真空排気する前処理を行う。この前処理後の触媒について、日本ベル(株)社製 BELSORP−maxを使用し、液体窒素温度(−196℃)で窒素を用いた定容量法ガス吸着法により吸脱着等温線を自動測定する。データの解析には、装置附属の解析ソフトウェア(BELMasterTM)を用いることができ、測定された窒素の吸脱着等温線はBETの式にて自動解析され、未還元触媒の単位質量当りの表面積(m2/g)が算出される。 未還元触媒の比表面積は、130〜400m2/gであることが好ましく、140〜200m2/gであることがより好ましい。比表面積が130m2/gより小さいと、反応初期に触媒劣化が起こりやすくなる傾向がある。一方、比表面積が400m2/gより大きいと、反応中に触媒摩耗が起こりやすく、摩耗損失による触媒劣化を起こしやすくなる傾向がある。 本実施形態において、シリカとしては、コロイダルシリカ、水ガラス、アエロジル、エアロゲル、シリカゾル、シリカゲル、粉末シリカ、及びケイ酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を好ましく用いることができる。シリカは後述する所定の焼成温度T1で焼成されていることが好ましい。 シリカの比表面積は、50〜500m2/gであることが好ましく、150〜400m2/gであることがより好ましい。比表面積が50m2/gより小さいとコバルトなどの活性金属が凝集しやすくなる傾向がある。一方、比表面積が500m2/gより大きいと、細孔径が小さくなりすぎて、コバルトなどの活性金属の担持により細孔が閉塞されやすくなる傾向がある。 シリカの比表面積は以下の方法で算出される。まず、シリカに吸着した水分を除去するため、例えば、300℃、5時間の真空排気する前処理を行う。この前処理後のシリカについて、日本ベル(株)社製 BELSORP−maxを使用し、液体窒素温度(−196℃)で窒素を用いた定容量法ガス吸着法により吸脱着等温線を自動測定する。データの解析には、装置附属の解析ソフトウェア(BELMasterTM)を用いることができ、測定された窒素の吸脱着等温線はBETの式にて自動解析され、シリカの単位質量当りの表面積(m2/g)が算出される。 シリカの平均細孔径は、8〜25nmであることが好ましく、10〜20nmであることがより好ましく、10〜15nmであることが更により好ましい。平均細孔径が8nmより小さいと、拡散律速により反応活性が低くなる傾向がある。一方、平均細孔径が25nmより大きいと、担体の表面積が低くなるため担持金属が凝集しやすくなり、反応活性の低下を招く傾向がある。 シリカの平均細孔径は以下の方法で算出される。まず、シリカに吸着した水分を除去するため、例えば、300℃、5時間の真空排気する前処理を行う。この前処理後のシリカについて、日本ベル(株)社製 BELSORP−maxを使用し、液体窒素温度(−196℃)で窒素を用いた定容量法ガス吸着法により吸脱着等温線を自動測定する。データの解析には、装置附属の解析ソフトウェア(BEL MasterTM)を用いることができ、測定された窒素の吸脱着等温線はBJH法にて自動解析され、シリカの平均細孔径が算出される。 担体前駆体は、例えば、シリカとジルコニウム化合物とを用いて、Incipient Wetness法に代表される含浸法を用いて調製することができる。 シリカの形状は特に限定されないが、球状品、破砕品、円往状成形品等の各種形状品の中から使用することができ、プロセスに適合した形状を選択することができる。シリカの平均粒子径についても制限はなく、例えば、5μm〜10mm、好ましくは5μm〜5mm、より好ましくは5〜150μm、さらに好ましくは10〜100μmのものを、プロセスに応じて適宜選択して使用することができる。シリカの平均粒子径は、粒度分布測定装置を用いて測定でき、例えば、ベックマン・コールター株式会社製コールターカウンター Multisizer 3を使用し、電気的検知帯法(コールター原理)により、自動測定・算出される。 担体前駆体には、シリカ以外の担体材料として、アルミナ、チタニア、マグネシア、セリア及びジルコニア並びにこれらの複合酸化物からなる群より選択される1種以上を含有させることができる。複合酸化物としては、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、アルミナ−チタニア、シリカ−ジルコニア、アルミナ−ジルコニア、チタニア−ジルコニアなどが挙げられる。 ジルコニウム化合物としては、硝酸ジルコニール(ZrO(NO3)2)、酸塩化ジルコニウム(ZrOCl2)、水酸化オキソ塩化ジルコニウム(ZrO(OH)Cl)、硫酸ジルコニール(ZrOSO4)、酢酸ジルコニール(ZrO(C2H3O2)2)、炭酸ジルコニールアンモニウム((NH4)2ZrO(CO3)2)などが挙げられる。これらのなかでも、硝酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、炭酸ジルコニールアンモニウムが好ましい。ジルコニウム化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。 以下に、未還元触媒の好適な一製造方法について詳述する。 本製造方法は、温度T1で焼成されたシリカと、ジルコニウム化合物と、が含まれる担体前駆体、を温度T2で焼成して担体を得る工程と、上記担体と、コバルト化合物及び/又はルテニウム化合物と、が含まれる触媒前駆体、を温度T3で焼成する工程と、を備え、T1、T2及びT3が下記式(A)〜(C)の条件を満たすことが好ましい。 T1≧T3 …(A) 250℃≦T2≦450℃ …(B) 250℃≦T3≦450℃ …(C) シリカの焼成温度T1は上記式(A)を満たすことが好ましく、高い温度で焼成すると焼結を引き起こし、所望の平均細孔径が得られにくくなる傾向にあることから250〜700℃であることが好ましく、400〜650℃であることがより好ましい。焼成時間は、例えば、0.5〜10時間とすることができる。焼成は、例えば、空気中などの分子状酸素の存在下で行うことができる。 担体前駆体の調製方法としては、Incipient Wetness法に代表される含浸法を用いることができる。担体前駆体は、含浸後、例えば、好ましくは50〜150℃、より好ましくは70〜120℃の乾燥温度で、好ましくは0.5〜48時間、より好ましくは1〜24時間乾燥することができる。 担体前駆体の焼成温度T2は250℃以上450℃以下であるが、高いメソ細孔容積を維持するという観点から、250〜300℃がより好ましい。T2が450℃を超えると、ジルコニアの形態が無定形から結晶へと変化するため好ましくない。T2が250℃より低いと、ジルコニウム化合物の分解開始温度以下となり、十分な触媒活性が得られにくくなる。そのため、焼成温度は用いるジルコニウム化合物の分解開始温度以上であることが好ましい。 次に、上記で得られる担体と、コバルト化合物及び/又はルテニウム化合物と、が含まれる触媒前駆体、を温度T3で焼成する工程について説明する。 本実施形態で用いるコバルト化合物としては、コバルトを塩又は錯体の形で分子内に有する化合物を用いることができる。例えば、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、アセチルアセトナート等が挙げられる。具体的には、硝酸コバルト、塩化コバルト、蟻酸コバルト、プロピオン酸コバルト、酢酸コバルト、コバルトアセチルアセトナートなどを挙げることができる。コバルト化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。 本実施形態で用いるルテニウム化合物としては、塩化ルテニウム、臭化ルテニウムなどのハロゲン化ルテニウム、酸化ルテニウム(IV)、水酸化ルテニウム(III)、アセチルアセトナトルテニウム、ヘキサアンミンルテニウム(II)塩化物、ドデカカルボニル三ルテニウム等が挙げられる。 触媒前駆体の調製方法としては、Incipient Wetness法に代表される含浸法を用いることができる。このとき、触媒前駆体におけるコバルト化合物の含有量が、未還元触媒の全質量を基準として酸化コバルト(四酸化三コバルト)換算で10〜35質量%となるように設定されることが好ましい。高い反応性を得る観点から、触媒前駆体におけるコバルト化合物の含有量が、未還元触媒の全質量を基準として酸化コバルト(四酸化三コバルト)換算で20〜30質量%となることがより好ましい。 また、ルテニウム化合物を用いる場合、触媒前駆体におけるルテニウム化合物の含有量が、未還元触媒の全質量を基準として酸化ルテニウム(RuO2)換算で5〜35質量%となるように設定されることが好ましい。高い反応性を得る観点から、触媒前駆体におけるルテニウム化合物の含有量が、未還元触媒の全質量を基準として酸化ルテニウム(RuO2)換算で10〜20質量%となることがより好ましい。 触媒前駆体は、含浸後、例えば、好ましくは50〜150℃、より好ましくは70〜120℃の乾燥温度で、好ましくは0.5〜48時間、より好ましくは1〜24時間乾燥することができる。 触媒前駆体の焼成温度T3は250℃以上450℃以下が好ましく、コバルト化合物及び/又はルテニウム化合物の高い分散性を得る観点から、400〜450℃がより好ましい。T3が450℃を超えると、ジルコニアの形態が無定形から結晶へと変化するため好ましくない。焼成温度は用いるコバルト化合物及び/又はルテニウム化合物の分解開始温度以上であることが好ましい。(還元工程) 還元工程は、未還元触媒の還元処理によりFT合成用触媒を得る工程である。 還元処理は、GHSVが200h−1以上1500h−1以下、線速度が20mm/s以上の条件で未還元触媒に還元ガスを接触させて行うことができる。 還元ガスは、分子状水素を含むガスであり、好ましくは分子状水素を70体積%以上含み、より好ましくは分子状水素を95体積%以上含む。分子状水素の含有量が70体積%未満の場合には、還元の効率が不十分となる傾向となり好ましくない。還元処理に使用する具体的な気体としては、水素ガス、水素ガスと窒素ガス等の不活性ガスとの混合ガス等が挙げられるが、水素ガスが特に好ましい。 なお、還元処理に使用する気体が更に一酸化炭素を含む場合には、絶対圧として1.1MPa以上の高圧還元条件において還元中にFT合成反応が生起され、発熱等の問題を生じる懸念があることから好ましくないが、微量の混入であれば許容される。 還元温度は、250〜500℃であることが好ましく、350〜450℃であることがより好ましい。還元温度が250℃よりも低い場合には、コバルト原子の還元度(コバルト原子の全質量に対する金属コバルト原子の質量の比)及び/又はルテニウム原子の還元度(ルテニウム原子の全質量に対する金属ルテニウム原子の質量の比)が十分に高められない傾向にある。一方、還元温度が500℃を超える場合には、金属コバルト及び/又は金属ルテニウムの凝集が過剰に進行して活性が低下する場合がある。 還元の圧力は特に限定されないが、常圧〜5MPa程度が選択される。還元時間は、温度、雰囲気、使用する装置等に大きく依存することから、一概に規定することは困難であるが、一般的には0.5〜60時間程度である。 還元処理は、触媒製造設備内において実施されてもよく、また、FT合成法による炭化水素の製造を実施する設備あるいはこれに付属する設備において実施されてもよい。 また還元処理は、一般的に知られている還元反応炉又は還元反応塔で実施することができ、例えば、固定床、流動床、ロータリーキルン等において実施することができる。好ましいプロセスとしては、還元ガスと触媒との接触効率の観点から、流動床、ロータリーキルンを挙げることができる。 還元処理において、GHSVは200h−1以上であることが好ましく、経済損失を考慮すると200h−1以上1500h−1以下であることがより好ましく、さらに好ましくは600h−1以上1500h−1以下である。 また、還元処理において、線速度は、20mm/s以上であることが好ましく、20mm/s以上150mm/s以下であることがより好ましく、35mm/s以上150mm/s以下であることが更に好ましい。 なお、本明細書中、還元処理におけるGHSVは、未還元触媒の単位体積当たりの還元ガスの体積流量を示し、例えば「還元ガスの体積流量/未還元触媒の体積」で求められる値である。また、還元処理における線速度は、未還元触媒が充填される還元反応炉(又は還元反応塔)の断面を通過する還元ガスの速度を示し、例えば「還元ガスの体積流量/未還元触媒が充填される還元反応炉(又は還元反応塔)の断面積」の計算式で得られる値である。 還元工程においては、得られるFT合成用触媒の、下記式(1)で表されるコバルト原子の還元度、及び/又は、下記式(2)で表されるルテニウム原子の還元度が、75〜93%となるように還元処理を行うことが好ましい。 コバルト原子の還元度(%)=100×〔金属コバルト原子の質量〕/〔全コバルト原子の質量〕 …(1) ルテニウム原子の還元度(%)=100×〔金属ルテニウム原子の質量〕/〔全ルテニウム原子の質量〕 …(2) FT合成用触媒のコバルト原子の還元度は、好ましくは75〜93%であり、より好ましくは80〜93%である。還元度が75%未満である場合には、FT合成用触媒の活性が低い傾向にある。一方、還元度が93%を超えるように還元を行なうためには、高温あるいは長時間の処理が必要となるが、そのような条件にて還元を行なった場合には、FT合成用触媒に含まれるコバルト金属粒子が凝集し、活性が低下する傾向にある。 なお、FT合成用触媒に含まれるコバルト原子の還元度は、TPR(Temperature Programed Reduction)測定装置を用いて、以下のようにして測定する。まず、基準となる試料として未還元触媒(コバルト原子が酸化物の状態、還元度0%)について、TPR測定装置でTPR測定を行い、生成するm/z=18(H2O)量(1)を計測する。得られた値を基に、未還元触媒における「全コバルト原子の質量」を「コバルト原子量×4/3×(生成したm/z=18量(1))/水の分子量」として求める。次に、測定対象の触媒をTPR測定装置により、未還元触媒と同様の条件にてTPR測定を行ない、m/z=18量(2)を計測する。そして、得られた値を基に、FT合成用触媒における「未還元コバルト原子の質量」を「コバルト原子量×4/3×(生成したm/z=18量(2))/水の分子量」として求める。「金属コバルトの原子の質量」は「全コバルト原子の質量」−「未還元コバルト原子の質量」である。従って、コバルト原子の還元度(%)=100×〔金属コバルト原子の質量〕/〔全コバルト原子の質量〕=100×(「全コバルト原子の質量」−「未還元コバルト原子の質量」)/「全コバルト原子の質量」=100×(「生成したm/z=18量(1)」−「生成したm/z=18量(2)」)/(「生成したm/z=18量(1))となる。 また、FT合成用触媒のルテニウム原子の還元度は、好ましくは75〜93%であり、より好ましくは80〜93%である。還元度が75%未満である場合には、FT合成用触媒の活性が低い傾向にある。一方、還元度が93%を超えるように還元を行なうためには、高温あるいは長時間の処理が必要となるが、そのような条件にて還元を行なった場合には、FT合成用触媒に含まれるルテニウム金属粒子が凝集し、活性が低下する傾向にある。 なお、FT合成用触媒に含まれるルテニウム原子の還元度は、TPR(Temperature Programed Reduction)測定装置を用い、コバルト原子の還元度と同様にして測定される。 次に、本発明の炭化水素の製造方法の好適な一実施形態について、以下に説明する。 本実施形態に係る炭化水素の製造方法は、上述したFT合成用触媒の存在下、一酸化炭素と水素ガスとをFT合成反応させて、炭化水素を得ることを特徴とする。 FT合成反応を実施する際の原料としては、分子状水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスであれば特に制限はないが、水素/一酸化炭素のモル比が1.5〜2.5である合成ガスが好適であり、該モル比が1.8〜2.2である合成ガスがより好適である。 FT合成反応は、FT合成の反応プロセスとして公知のプロセス、例えば、固定床、超臨界固定床、スラリー床、流動床等で実施することができる。好ましいプロセスとしては、固定床、超臨界固定床、スラリー床を挙げることができる。 FT合成反応の反応条件については特に制限はなく、公知の条件にて行うことができる。例えば、反応温度としては200〜280℃、ガス空間速度としては1000〜3000h−1、W(触媒質量)/F(合成ガス流量)が1〜10g・h/mol、圧力としては絶対圧1.1〜5.1MPaの範囲で反応を行うことができる。 以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。 以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。(実施例1)<未還元触媒A−1の調製> 球状のシリカ粒子(平均細孔径15nm、平均粒子径100μm、比表面積255m2/g)を、空気中、650℃で3時間焼成した。次いで、焼成したシリカ粒子に、形成する未還元触媒の全質量を基準とした含有量が酸化ジルコニウム換算で3質量%となる量の硝酸ジルコニールをIncipient Wetness法により含浸させた。硝酸ジルコニール含浸後のシリカ粒子を120℃で12時間乾燥し、その後空気中、300℃で3時間焼成することで担体を得た。 得られた担体に、形成する未還元触媒の全質量を基準とした含有量が四酸化三コバルト換算で30質量%となる量の硝酸コバルト水溶液を、Incipient Wetness法により含浸させた。硝酸コバルト水溶液含浸後の担体を、120℃で12時間乾燥し、その後空気中、450℃で3時間焼成し、未還元触媒A−1を得た。 なお、ここで得られた未還元触媒の質量が、上記の硝酸ジルコニール及び硝酸コバルト水溶液の含浸量を決める際の基準となる。すなわち、担持されたジルコニア原子及びコバルト原子の全量がそれぞれ酸化ジルコニウム(ジルコニア)及び四酸化三コバルト(コバルト酸化物)に転換された状態での質量が基準となる。<FT合成用触媒の調製(未還元触媒の還元)> 未還元触媒A−1をロータリーキルンにて水素気流下で還元した。還元に使用した水素の線速度は52mm/s、GHSVは300h−1に設定し、ロータリーキルン内の触媒層温度を、室温から350℃まで昇温し、350℃にて7時間保持して活性化されたFT合成用触媒を得た。<水素吸着量の測定> FT合成用触媒の100℃における水素吸着量を、金属分散度測定装置(日本ベル社製BEL−METAL−3)を用いて、以下のようにして測定した。まず、測定対象の未還元触媒を秤量して金属分散度測定装置に仕込み、FT合成用触媒を得るための還元条件と同一の条件下にて水素ガス中で還元処理を行った。その後、金属分散度測定装置内で得られたFT合成用触媒の試料を室温まで冷却し、更に測定温度である100℃まで昇温した後水素ガスを吸着させ、吸着した水素ガスの量を算出した。そして、吸着水素ガス量を、仕込んだFT合成用触媒の質量で除し、単位触媒質量当りの水素ガス吸着量を算出した。また、吸着水素ガス量を、FT合成用触媒の活性金属(コバルト及び/又はルテニウム)の質量で除し、活性金属(コバルト及び/又はルテニウム)の単位質量当たりの水素ガス吸着量を算出した。得られた結果を表1に示す。なお、表中、「還元度×水素吸着量(2)(ml/g)」は、触媒の活性点の数を便宜的に示した値である。<FT合成反応> 得られたFT合成用触媒5gを、酸化されないように不活性雰囲気下、ドライボックス中で取り出し、ノルマルヘキサデカン30mlと共に内容積100mlのステンレス鋼製オートクレーブ型反応器に移した。そして、水素ガス/一酸化炭素ガスが2/1(モル比)の混合ガスを原料とし、W(触媒質量)/F(合成ガス流量)=3g・h/mol、温度220℃、圧力2.3MPa、攪拌速度1000rpmの条件でフィッシャー・トロプシュ合成反応を開始した。反応器の出口のガス組成をガスクロマトグラフィーで経時的に分析し、この分析データから、一酸化炭素の転化率(CO転化率)を算出した。反応開始から24時間のCO転化率の平均値を表1に示す。(実施例2〜3) 未還元触媒A−1の還元処理における還元ガスの線速度及びGHSVを表1に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして、FT合成用触媒を得た。また、実施例1と同様にして、水素吸着量の測定及びFT合成反応を行った。結果を表1に示す。(実施例4)<未還元触媒A−2の調製> 球状のシリカ粒子(平均細孔径15nm、平均粒子径100μm、比表面積255m2/g)を、空気中、650℃で3時間焼成した。次いで、焼成したシリカ粒子に、形成する未還元触媒の全質量を基準とした含有量が酸化ジルコニウム換算で5質量%となる量の硝酸ジルコニールをIncipient Wetness法により含浸させた。硝酸ジルコニール含浸後のシリカ粒子を120℃で12時間乾燥し、その後空気中、300℃で3時間焼成することで担体を得た。 得られた担体に、形成する未還元触媒の全質量を基準とした含有量が四酸化三コバルト換算で30質量%となる量の硝酸コバルト水溶液を、Incipient Wetness法により含浸させた。硝酸コバルト水溶液含浸後の担体を、120℃で12時間乾燥し、その後空気中、450℃で3時間焼成し、未還元触媒A−2を得た。<FT合成用触媒の調製(未還元触媒の還元)> 未還元触媒A−2をロータリーキルンにて水素気流下で還元した。還元に使用した水素の線速度は150mm/s、GHSVは250h−1に設定し、ロータリーキルン内の触媒層温度を、室温から350℃まで昇温し、350℃にて7時間保持して活性化されたFT合成用触媒を得た。 得られたFT合成用触媒について、実施例1と同様にして水素吸着量の測定及びFT合成反応を行った。結果を表1に示す。(実施例5) 未還元触媒A−2の還元処理における還元ガスの線速度及びGHSVを表2に記載のとおり変更したこと以外は、実施例4と同様にして、FT合成用触媒を得た。また、実施例4と同様にして、水素吸着量の測定及びFT合成反応を行った。結果を表2に示す。(実施例6)<未還元触媒A−3の調製> 球状のシリカ粒子(平均細孔径10nm、平均粒子径100μm、比表面積255m2/g)を、空気中、650℃で3時間焼成した。次いで、焼成したシリカ粒子に、形成する未還元触媒の全質量を基準とした含有量が酸化ジルコニウム換算で7質量%となる量の硝酸ジルコニールをIncipient Wetness法により含浸させた。硝酸ジルコニール含浸後のシリカ粒子を120℃で12時間乾燥し、その後空気中、350℃で3時間焼成することで担体を得た。 得られた担体に、形成する未還元触媒の全質量を基準とした含有量が四酸化三コバルト換算で30質量%となる量の硝酸コバルト水溶液を、Incipient Wetness法により含浸させた。硝酸コバルト水溶液含浸後の担体を、120℃で12時間乾燥し、その後空気中、450℃で3時間焼成し、未還元触媒A−3を得た。<FT合成用触媒の調製(未還元触媒の還元)> 未還元触媒A−3をロータリーキルンにて水素気流下で還元した。還元に使用した水素の線速度は32mm/s、GHSVは1200h−1に設定し、ロータリーキルン内の触媒層温度を、室温から350℃まで昇温し、350℃にて7時間保持して活性化されたFT合成用触媒を得た。 得られたFT合成用触媒について、実施例1と同様にして水素吸着量の測定及びFT合成反応を行った。結果を表2に示す。(実施例7)<未還元触媒A−4の調製> 球状のシリカ粒子(平均細孔径10nm、平均粒子径100μm、比表面積255m2/g)を、空気中、650℃で3時間焼成した。次いで、焼成したシリカ粒子に、形成する未還元触媒の全質量を基準とした含有量が酸化ジルコニウム換算で7質量%となる量の硝酸ジルコニールをIncipient Wetness法により含浸させた。硝酸ジルコニール含浸後のシリカ粒子を120℃で12時間乾燥し、その後空気中、350℃で3時間焼成することで担体を得た。 得られた担体に、形成する未還元触媒の全質量を基準とした含有量が四酸化三コバルト換算で15質量%となる量の硝酸コバルト水溶液を、Incipient Wetness法により含浸させた。硝酸コバルト水溶液含浸後の担体を、120℃で12時間乾燥し、その後空気中、450℃で3時間焼成し、未還元触媒A−4を得た。<FT合成用触媒の調製(未還元触媒の還元)> 未還元触媒A−4をロータリーキルンにて水素気流下で還元した。還元に使用した水素の線速度は32mm/s、GHSVは1200h−1に設定し、ロータリーキルン内の触媒層温度を、室温から350℃まで昇温し、350℃にて7時間保持して活性化されたFT合成用触媒を得た。 得られたFT合成用触媒について、実施例1と同様にして水素吸着量の測定及びFT合成反応を行った。結果を表2に示す。(実施例8)<未還元触媒A−5の調製> 球状のシリカ粒子(平均細孔径15nm、平均粒子径70μm、比表面積255m2/g)を、空気中、650℃で3時間焼成した。次いで、焼成したシリカ粒子に、形成する未還元触媒の全質量を基準とした含有量が酸化ジルコニウム換算で3質量%となる量の硝酸ジルコニールをIncipient Wetness法により含浸させた。硝酸ジルコニール含浸後のシリカ粒子を120℃で12時間乾燥し、その後空気中、300℃で3時間焼成することで担体を得た。 得られた担体に、形成する未還元触媒の全質量を基準とした含有量が酸化ルテニウム(RuO2)換算で15質量%となる量の塩化ルテニウム水溶液を、Incipient Wetness法により含浸させた。塩化ルテニウム水溶液含浸後の担体を、120℃で12時間乾燥し、その後空気中、400℃で3時間焼成し、未還元触媒A−5を得た。<FT合成用触媒の調製(未還元触媒の還元)> 未還元触媒A−5をロータリーキルンにて水素気流下で還元した。還元に使用した水素の線速度は32mm/s、GHSVは1200h−1に設定し、ロータリーキルン内の触媒層温度を、室温から350℃まで昇温し、350℃にて7時間保持して活性化されたFT合成用触媒を得た。 得られたFT合成用触媒について、実施例1と同様にして水素吸着量の測定及びFT合成反応を行った。結果を表2に示す。(比較例1〜4) 未還元触媒A−1の還元処理における還元ガスの線速度及びGHSVを表3に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして、FT合成用触媒を得た。また、実施例1と同様にして、水素吸着量の測定及びFT合成反応を行った。結果を表3に示す。 フィッシャー・トロプシュ合成用触媒を製造する方法であって、 未還元触媒の還元処理により前記フィッシャー・トロプシュ合成用触媒を得る還元工程を有し、 前記未還元触媒が、シリカ及びジルコニウム化合物を含有する担体前駆体を焼成して得られる担体と、該担体に担持されたコバルト酸化物及び/又はルテニウム酸化物と、を含有し、 前記未還元触媒のジルコニウム含量が、前記未還元触媒の全質量を基準として、酸化ジルコニウム換算で0.01〜7質量%であり、 前記還元工程において、GHSVが200h−1以上1500h−1以下、線速度が20mm/s以上の条件で前記未還元触媒に還元ガスを接触させて、前記未還元触媒の還元処理を行う、製造方法。 前記還元工程において、前記フィッシャー・トロプシュ合成用触媒の下記式(1)で表されるコバルト原子の還元度及び/又は下記式(2)で表されるルテニウム原子の還元度が75〜93%となるように、前記未還元触媒の還元処理を行う、請求項1に記載の製造方法。 コバルト原子の還元度(%)=100×〔金属コバルト原子の質量〕/〔全コバルト原子の質量〕 …(1) ルテニウム原子の還元度(%)=100×〔金属ルテニウム原子の質量〕/〔全ルテニウム原子の質量〕 …(2) 請求項1又は2に記載の製造方法により製造される、フィッシャー・トロプシュ合成用触媒。 請求項1又は2に記載の製造方法により製造されたフィッシャー・トロプシュ合成用触媒の存在下、一酸化炭素と水素ガスとを反応させて炭化水素を得る工程を有する、炭化水素の製造方法。 【課題】反応活性に優れたフィッシャー・トロプシュ合成用触媒を製造することが可能な製造方法を提供すること。【解決手段】フィッシャー・トロプシュ合成用触媒を製造する方法であって、未還元触媒の還元処理により前記フィッシャー・トロプシュ合成用触媒を得る還元工程を有し、前記未還元触媒が、シリカ及びジルコニウム化合物を含有する担体前駆体を焼成して得られる担体と、該担体に担持されたコバルト酸化物及び/又はルテニウム酸化物と、を含有し、前記未還元触媒のジルコニウム含量が、前記未還元触媒の全質量を基準として、酸化ジルコニウム換算で0.01〜7質量%であり、前記還元工程において、GHSVが200h−1以上1500h−1以下、線速度が20mm/s以上の条件で前記未還元触媒に還元ガスを接触させて、前記未還元触媒の還元処理を行う、製造方法。【選択図】なし


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