生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_グリセリンおよびグリシンを含む組成物
出願番号:2013233424
年次:2015
IPC分類:A61K 8/44,A61K 8/00,A61K 8/34


特許情報キャッシュ

弓岡 理奈 JP 2015093844 公開特許公報(A) 20150518 2013233424 20131111 グリセリンおよびグリシンを含む組成物 味の素株式会社 000000066 高島 一 100080791 土井 京子 100125070 鎌田 光宜 100136629 田村 弥栄子 100121212 山本 健二 100122688 村田 美由紀 100117743 小池 順造 100163658 當麻 博文 100174296 赤井 厚子 100137729 弓岡 理奈 A61K 8/44 20060101AFI20150421BHJP A61K 8/00 20060101ALI20150421BHJP A61K 8/34 20060101ALI20150421BHJP JPA61K8/44A61K8/00A61K8/34 11 OL 18 4C083 4C083AC121 4C083AC122 4C083AC581 4C083AC582 4C083AC661 4C083AC662 4C083CC01 4C083EE01 4C083EE06 本発明は、しっとり感を有し、べたつきの少ない、着色の抑制された組成物、特に化粧料組成物に関する。特にその製造方法および当該組成物の着色抑制方法に関する。 化粧料等を調製する際には、しっとり感を出すためにグリセリンが広く使用されている。一方、グリシンは肌の保湿と同時にべたつきを抑える目的で化粧料に使用される素材であり、またN−アシルグリシン及びその塩は洗浄成分として化粧料に使用される素材である。 グリセリンとグリシンまたはN−アシルグリシンは、化粧品中にしばしば同時に配合される(特許文献1、2)。特開平7−173488号公報特開2002−179553号公報 本発明者は、グリセリンとグリシンまたはN−アシルグリシンを配合すると着色するという課題に直面した。よって本発明は、グリセリンとグリシンまたはN−アシルグリシンを配合していながらも着色のない組成物、特に化粧料組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。またグリセリンとグリシンまたはN−アシルグリシンを配合する場合の、着色抑制方法を提供することを目的とする。 本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、グリセリンおよびグリシン(または、N−アシルグリシンに含まれる微量なグリシン)を含有する組成物において、グリセリンに含まれるジヒドロキシアセトンが着色に関与することを見出し、ジヒドロキシアセトン量の少ないグリセリンを使用することにより着色といった不都合な現象が生じないことを見出し、さらに研究を重ねることによって本発明を完成するに至った。 即ち、本発明は、以下の通りである。[1](A)グリセリンおよび(B)グリシンを含む組成物を製造する方法において、ジヒドロキシアセトンを実質的に含まないか、ジヒドロキシアセトン含量が150ppm以下のグリセリンを用いることを特徴とする、組成物の製造方法。[2]ジヒドロキシアセトン含量が100ppm以下である[1]の製造方法。[3]ジヒドロキシアセトン含量が40ppm以下である[1]の製造方法。[4]組成物中の(A)濃度が0.5〜50質量%である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の製造方法。[5]組成物中の(B)濃度が0.01〜5質量%である[1]〜[4]のいずれか1項に記載の製造方法。[6](A):(B)の質量比が5000:1〜1:10である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の製造方法。[7]組成物がさらに(C)N−アシルグリシンおよびその塩から選ばれる少なくとも1種を含む[1]〜[6]のいずれか1項に記載の製造方法。[8](A)ジヒドロキシアセトンを実質的に含まないか、ジヒドロキシアセトン含量が150ppm以下のグリセリン、および、(B)グリシンを含む化粧料組成物。[9]洗浄料組成物である[8]に記載の化粧料組成物。[10](A)グリセリンおよび(B)グリシンを含有する組成物の着色を抑制する方法であって、ジヒドロキシアセトンを実質的に含まないか、ジヒドロキシアセトン含量が150ppm以下のグリセリンを用いることを特徴とする着色抑制方法。[11](A)グリセリンおよび(B)グリシンを含有する組成物の着色を抑制するための、ジヒドロキシアセトンを実質的に含まないか、ジヒドロキシアセトン含量が150ppm以下のグリセリンの使用。 本発明により、例えば着色のないしっとりとした使用感に優れた整肌および保護用の化粧料組成物を提供することができる。また本発明によれば、例えば外観の優れた、しっとり感を保持しながらべたつきのない洗いあがりをもたらす洗浄料組成物を提供することができる。 本発明は、(A)グリセリンおよび(B)グリシンを含む組成物を製造する方法において、ジヒドロキシアセトンを実質的に含まないか、ジヒドロキシアセトン含量が150ppm以下のグリセリンを用いることを特徴とする、組成物の製造方法に関する(以下本発明の製造方法ともいう)。 本発明の製造方法において使用される(A)グリセリンは、ジヒドロキシアセトンを実質的に含まないか、ジヒドロキシアセトン含量が150ppm以下のグリセリンを使用する。ジヒドロキシアセトン含量は100ppm以下が好ましく、50ppm以下がより好ましく、40ppm以下がさらに好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。 グリセリン中のジヒドロキシアセトン量は、PFBOA法に従って誘導体化し、LC-MSで測定することができる。 グリセリン中のジヒドロキシアセトン量を実質的に含まないか、目的の含量以下にするためには、ろ過、蒸留、活性炭処理、イオン交換処理、還元反応などの、ジヒドロキシアセトンをグリセリンから除去する方法が挙げられる。 本発明における組成物中のグリセリン濃度は、化粧料として用いる場合に、しっとり感を付与するという観点から、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、5.0質量%以上がさらにより好ましい。また、べたつきを抑える観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらにより好ましい。 本発明の(B)グリシンは、動物や植物に由来する天然のもの、あるいは化学合成法、発酵法、遺伝子組換法によって得られるもののいずれを使用してもよい。 また、本明細書において(B)グリシンとして、N−アシルグリシンまたはその塩に含有される微量なグリシンも包含される。N−アシルグリシンまたはその塩中にグリシンが含有されるのは、製造の過程で使用したグリシンが微量に混入する場合があるため、もしくはN−アシルグリシンが分解されグリシンとなっている場合があるためである。 本発明における組成物中のグリシン濃度は、化粧料として用いる場合に、べたつき感を抑える観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。 また、上限はグリセリンのジヒドロキシアセトン含量が0の場合には特に限定されないが、ジヒドロキシアセトンを含む場合には、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。なお、N―アシルグリシンまたはその塩はグリシンを含有することがあるが、上記グリシン濃度にはN―アシルグリシンまたはその塩に含まれるグリシンも含まれる。 本発明において、(A):(B)の質量比は、着色およびべたつき感を抑制する観点から、好ましくは5000:1〜1:10、より好ましくは、400:1〜1:3、さらに好ましくは、100:1〜5:1である。 本発明において、ジヒドロキシアセトンに対するグリシンの量(グリシン/ジヒドロキシアセトン(質量/質量))は、着色の観点から、1.3以上が好ましく、20以上がより好ましく、100以上がより好ましく、1000以上がより好ましく、10000以上がより好ましく、12000以上がより好ましい。 本発明における組成物は、さらに(C)N−アシルグリシンおよびその塩から選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。 N−アシルグリシンまたはその塩は、化学合成法、発酵法、遺伝子組換法によって得られるもののいずれを使用してもよい。 本発明で使用するN−アシルグリシンまたはその塩のアシル基としては、炭素数8〜22のものが好ましく、単一組成のアシル基、例えば、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ラウロイル基、トリデカノイル基、ミリストイル基、ステアロイル基、パルミトイル基、ベヘノイル基、イソステアロイル基、オレオイル基等;並びにこれらを含む混合脂肪酸アシル基、例えば、ヤシ油脂肪酸アシル基(ココイル基ともいう)、牛脂脂肪酸アシル基、硬化牛脂脂肪酸アシル基、大豆油脂肪酸アシル基、綿実油脂肪酸アシル基、ヒマシ油脂肪酸アシル基、オリーブ油脂肪酸アシル基、パーム油脂肪酸アシル基、パーム核油脂肪酸アシル基等;が挙げられる。好ましくはオクタノイル基、デカノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ココイル基であり、より好ましくはミリストイル基、ラウロイル基、ココイル基である。 これらのアシル基を有するN−アシルグリシンまたはその塩を1種または2種以上混合して使用してもよい。 N−アシルグリシンの塩としては特に限定されるものではないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;アンモニウム塩;コリン塩;およびリジン塩、オルニチン塩、アルギニン塩等の塩基性のアミノ酸との塩;が挙げられる。好ましくは入手の容易性、取扱い性などの観点から、アルカリ金属塩、アルカノールアミン塩、塩基性のアミノ酸との塩であり、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩、アルギニン塩が特に好ましい。 本発明における組成物中のN−アシルグリシンまたはその塩の濃度は、泡立ち性能を保持するという観点から、1質量%以上であり、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。 また、上限は、40質量%以下であり、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。 本発明における「化粧料」とは、一般に、美化、清潔、保護あるいは防臭を目的として人体を処置することためのものであり、スキンケア剤、毛髪手入れ用製剤、歯や口腔用手入れ用製剤等が含まれる。 本発明において、スキンケア剤としては整肌または保護用の化粧水、パック、乳液、保湿クリーム、美容液等、洗浄用の洗顔料(クリーム状、ぺースト状、液状、ジェル状、エアゾールなど)、ボディシャンプー、シャワージェルなどが挙げられる。 毛髪手入れ用製剤としては、洗浄用のシャンプー、ヘアトリートメントなどが挙げられる。 歯や口腔用手入れ用製剤としては、歯磨用の練り歯磨き、口中清涼・洗浄用のマウスウォッシュ等が挙げられる。 なかでも剤形の透明感と皮膚・毛髪へのエモリエント効果をいかすという点で、スキンケア剤や毛髪手入れ用製剤とすることが好ましく、洗浄が目的の洗浄料組成物が好ましい。 本発明の組成物には、上述の必須成分の他に通常の化粧料、医薬部外品等に用いられる各種任意成分を、本発明の効果を阻害しない程度に適宜配合することができる。例えば、界面活性剤、油剤、高分子ポリマー、粘度調整剤、キレート剤、保湿剤、防腐剤、栄養成分、ポリマー微粉体、消炎剤、殺菌剤、酸化防止剤、その他パール化剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、色素、香料、生理活性成分などを、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて配合することができる。 界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、コンディショニング成分等が挙げられる。 アニオン界面活性剤としては、脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホサクシネート系界面活性剤、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、非イオン界面活性剤としては、アルキルポリグルコシド、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキサイド、脂肪酸多価アルコールエステル等が挙げられ、カチオン界面活性剤としては、直鎖もしくは分岐鎖のモノもしくはジ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩またはモノもしくはジ長鎖アルキル第3級アミン等が挙げられ、両性界面活性剤としては、アミドアミノ酸系界面活性剤、カルボベタイン系界面活性剤、スルホベタイン系界面活性剤、アミドスルホベタイン系界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン系界面活性剤、アミノ酸系ベタイン界面活性剤、ホスホベタイン系界面活性剤等が挙げられ、コンディショニング成分としては、高級アルコール、シリコーン、シリコーン誘導体、ラノリン、スクワレン、炭化水素、蛋白誘導体、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル等の油剤、カチオン化セルロース、カチオン化グアガム、マーコート550等のカチオン化ポリマーなどが挙げられる。 油剤としては、高級アルコール、シリコーン、シリコーン誘導体、ラノリン、スクワレン、炭化水素、蛋白誘導体、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、水添ポリイソブテン等;高分子ポリマーとしては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、キサンタンガム等の多糖類;粘度調整剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタンエステル、ポリオキシエチレングリコールジステアレート、エタノール等;ヒドロキシプロピルデンプンリン酸等の増粘剤;キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ホスホン酸塩類等;保湿剤としては、イソペンチルジオール、ルビトール等;防腐剤としては、メチルパラベン、ブチルパラベン等;栄養物質としてはビタミン(酢酸d-α-トコフェロール等)またはその誘導体や前駆体等、レシチン、ゼラチン等の動植物抽出物またはその誘導体;ポリマー微粉体としては、ナイロン、ポリエチレン等;消炎剤としてはグリチルリチン酸カリウム等;殺菌剤としては、トリクロサン、トリクロロカルバン、オクトピロックス、ジンクピリチオン等;酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン等、ミリスチン酸K等の石鹸成分が挙げられる。 本発明の組成物のpHは、化粧料の場合、pH3〜pH10までの広範囲に調整して使用できる。皮膚や眼、毛髪などへの刺激を低減でき、脂溶性に適した粘度と優れた泡の感触が得られるという観点から、pH4〜pH8の範囲が更に好ましく、pH5〜pH8がより好ましい。 本発明の組成物には、グリシン以外のアミノ酸を含有することができる。例えば、アルギニン、アスパラギン酸、アラニン、セリン、バリン、プロリン、トレオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、アルギニン等が挙げられ、具体的用途や剤形に応じて配合することができる。 本発明の組成物は、ヒト、ヒト以外の動物〔例えば、ヒト以外の哺乳類(ブタ、ウシ、ウマ、イヌ等の家畜および愛玩動物、鳥類(シチメンチョウ、ニワトリ等の家禽および愛玩動物)等〕等あらゆる動物に適用することができる。 本発明の組成物の製造方法は、ジヒドロキシアセトン含量が150ppm以下のグリセリンを使用する以外には特に限定されず、公知の工程を適宜組み合わせてもよい。 また、本発明の方法で製造された着色の抑制された組成物、特に化粧料組成物も本発明に含まれる。 具体的には(A)ジヒドロキシアセトンを実質的に含まないか、ジヒドロキシアセトン含量が150ppm以下のグリセリン、および、(B)グリシンを含む化粧料組成物が挙げられる。 当該化粧料組成物は洗浄料組成物であってもよい。 本発明の方法で製造された着色の抑制された組成物の透過率は、分光光度計で波長430nmにおける1センチメートルの石英セルで測定した値であり、(A)グリセリンおよび(B)グリシンの合計の濃度が35%の時に、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは93%以上、特に好ましくは94%以上である。 本発明はさらに、(A)グリセリンおよび(B)グリシンを含有する組成物の着色を抑制する方法であって、ジヒドロキシアセトンを実質的に含まないか、ジヒドロキシアセトン含量が150ppm以下のグリセリンを用いることを特徴とする着色抑制方法を提供する。 (A)グリセリンおよび(B)グリシンの定義等は上述と同様である。 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の実施範囲はこれらの例によってなんら限定されるものではない。尚、本明細書において「ppm」と記載されている場合は、特に断りのない限り「質量ppm」を意味する。<グリセリンの精製> 表1のグリセリンは、ライオン社製のグリセリン(グリセリン中のジヒドロキシアセトン量200ppm)をそのまま用いた。 一方、表2〜5のグリセリンは、ライオン社製のグリセリンを10〜20mbar減圧下、165〜180℃で、グリセリン中のジヒドロキシアセトン量が検出されなくなるまで蒸留を繰り返し、活性炭処理を行った後、ジヒドロキシアセトン(MP Biomedical社製)を添加し、所望のジヒドロキシアセトン量になるように調整した。<ジヒドロキシアセトンの分析> グリセリン中のジヒドロキシアセトン量は、Journal of Pharmacognosy and Phytotherapy Vol. 4(1), pp.6-11, January 2012の文献を元にジヒドロキシアセトンをペンタフルオロベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩水溶液(PFBOA)にて、誘導体化後、LC-MSにて検出し、測定した。システム : LCMS-2010A(島津製 LCMS solutionデータシステム)カラム : SynergiFusion column (75 x 4.6mm, 4μm, particle size)検出 : MS注入量 : 10μmカラム温度 : 45℃移動相A : アセトニトリル移動相B : 水<グリシン、アシルグリシン> グリシンは味の素社製をそのまま用いた。アシルグリシンは、ココイルグリシンカリウム塩(ココイルグリシンK)、味の素社製GCK−12Kをそのまま用いた。<グリシンの分析> N−アシルグリシン中のグリシン量は、AccQ・Tag(Waters社製)蛍光誘導体化試薬を使用し、グリシンをラベル化し、測定した。システム : UPLC TUVシステム(Waters製 Empower 2ソフトウェア)カラム : ACQUITYA UPLC BHE C18, 1.7μm, 2.1 x 150mm検出 : UV(260nm)注入量 : 1μmカラム温度 : 45℃移動相A : AccQ-Tag Ultra溶離液A 50mL + イオン交換水 950mL移動相B : AccQ-Tag Ultra溶離液B流速 : 0.5mL/min<着色評価方法と評価基準> 表1〜5に記載の各組成物を80℃、1時間加熱混合し、冷却後、分光光度計を用いて430nmにおける透過率を測定することにより、組成物の着色性を確認した。着色性は、透過率に応じて以下の評価基準により判定した。◎:94%以上、○:90%以上〜94%未満、△:87%以上〜90%未満、×:87%未満として表した。 なお、表中ジヒドロキシアセトンは、グリセリン中のppmで表示した。 それ以外の成分は、組成物全体の質量を100としたときの質量%で表示した。 表中のグリシンの量は、N−アシルグリシン中のグリシン量と添加したグリシンの量を合計して計算した値である。<しっとり感の試験方法と評価基準> 各組成物1.0gを泡立てて、35〜40℃の水道水をシャワーで1分間すすぎ、タオルで水分をふき取った。乾燥後の肌を5名のパネラーにより評価した。 このときの評価基準は、4:しっとり感が強く感じられる、3:しっとり感がやや感じられる、2:普通、1:しっとり感があまり感じられない、0:しっとり感が感じられない。 平均点が3.0以上の場合を◎、2.0以上3.0未満を○、1.0以上2.0未満を△、1.0未満を×として表した。<べたつき感の試験方法と評価基準> 表2〜5に記載の各組成物1.0gを泡立てて、35〜40℃の水道水をシャワーで1分間すすぎ、タオルで水分をふき取った。乾燥後の肌を5名のパネラーにより評価した。 このときの評価基準は、4:全くべたつかない、3:べたつかない、2:普通、1:ややべたつく、0:べたつく。 平均点が3.0以上の場合を◎、2.0以上3.0未満を○、1.0以上2.0未満を△、1.0未満を×として表した。 表1に示すように、グリセリン中のジヒドロキシアセトン量が200ppmのグリセリンを用いた比較例1−1は着色が見られた。一方、ジヒドロキシアセトンを除去したグリセリンを用いた実施例1−1は着色が見られなかった。 グリセリン中のジヒドロキシアセトン量と着色の関係を見るために、ジヒドロキシアセトン量を調整したグリセリンを使用して、表2の結果を得た。あわせて組成物全体のしっとり感、べたつき感についても評価した。 表2に示すように、ジヒドロキシアセトンが150ppm以下のグリセリンを使用した場合には、着色が抑制され、しっとり感はあるがべたつき感の少ない組成物が得られた。 表3に示すように、グリシンを増量しジヒドロキシアセトンが150ppm以下のグリセリンを使用した場合には、しっとり感がありべたつき感のない着色の抑制された組成物が得られた。 表4に示すように、ジヒドロキシアセトンを含まないグリセリンを使用した場合にはグリシンが高含量の時でも、着色の認められない、しっとり感はあるがべたつき感のない組成物が得られた。 表5に示すように、ジヒドロキシアセトンの少ないグリセリンを使用した場合には、しっとり感はあるがべたつき感のない着色が抑制された組成物が得られた。(処方例1)泡状洗顔料(処方例2)洗顔フォーム(処方例3)洗顔フォーム(処方例4)洗顔フォーム(処方例5)ボディーシャンプー(処方例6)ボディーシャンプー(処方例7)化粧水(処方例8)スキンクリーム(処方例9)コンディショナー すべての処方例において、精製したグリセリンを用い、不純物であるジヒドロキシアセトンは、検出限界(20ppm)以下であった。 (A)グリセリンおよび(B)グリシンを含む組成物を製造する方法において、ジヒドロキシアセトンを実質的に含まないか、ジヒドロキシアセトン含量が150ppm以下のグリセリンを用いることを特徴とする、組成物の製造方法。 ジヒドロキシアセトン含量が100ppm以下である請求項1の製造方法。 ジヒドロキシアセトン含量が40ppm以下である請求項1の製造方法。 組成物中の(A)濃度が0.5〜50質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。 組成物中の(B)濃度が0.01〜5質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。 (A):(B)の質量比が5000:1〜1:10である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。 組成物がさらに(C)N−アシルグリシンおよびその塩から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。 (A)ジヒドロキシアセトンを実質的に含まないか、ジヒドロキシアセトン含量が150ppm以下のグリセリン、および (B)グリシンを含む化粧料組成物。 洗浄料組成物である請求項8に記載の化粧料組成物。 (A)グリセリンおよび(B)グリシンを含有する組成物の着色を抑制する方法であって、ジヒドロキシアセトンを実質的に含まないか、ジヒドロキシアセトン含量が150ppm以下のグリセリンを用いることを特徴とする着色抑制方法。 (A)グリセリンおよび(B)グリシンを含有する組成物の着色を抑制するための、ジヒドロキシアセトンを実質的に含まないか、ジヒドロキシアセトン含量が150ppm以下のグリセリンの使用。 【課題】グリシンとグリセリンを配合する、しっとり感はあるがべたつきが少なく着色の抑制された組成物、特に化粧料組成物の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】(A)グリセリンおよび(B)グリシンを含む組成物を製造する方法において、ジヒドロキシアセトンを実質的に含まないか、ジヒドロキシアセトン含量が150ppm以下のグリセリンを用いることを特徴とする、組成物の製造方法。【選択図】なし


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