タイトル: | 公開特許公報(A)_皮膚外用剤 |
出願番号: | 2013227353 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 8/25,A61K 8/44,A61Q 19/00 |
吉満 英二 JP 2015086192 公開特許公報(A) 20150507 2013227353 20131031 皮膚外用剤 株式会社ヤマグチマイカ 598031095 岩橋 祐司 100092901 吉満 英二 A61K 8/25 20060101AFI20150410BHJP A61K 8/44 20060101ALI20150410BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20150410BHJP JPA61K8/25A61K8/44A61Q19/00 6 OL 29 4C083 4C083AA122 4C083AB032 4C083AB172 4C083AB212 4C083AB232 4C083AB242 4C083AB352 4C083AB362 4C083AB432 4C083AB441 4C083AB442 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC092 4C083AC102 4C083AC112 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC182 4C083AC242 4C083AC302 4C083AC342 4C083AC392 4C083AC422 4C083AC442 4C083AC482 4C083AC531 4C083AC532 4C083AC542 4C083AC612 4C083AC622 4C083AC662 4C083AC682 4C083AD042 4C083AD092 4C083AD112 4C083AD152 4C083AD162 4C083AD172 4C083AD222 4C083AD282 4C083AD332 4C083AD352 4C083AD392 4C083AD512 4C083AD532 4C083AD662 4C083CC03 4C083CC04 4C083CC05 4C083CC07 4C083CC12 4C083CC19 4C083CC23 4C083DD23 4C083DD27 4C083DD32 4C083DD33 4C083DD41 4C083EE01 4C083EE07 4C083EE12 4C083EE17 4C083FF01 本発明は皮膚外用剤、特にそのチクソトロピー性の改善による安定性向上に関する。 従来より化粧水、乳液、美容液等の液状化粧料をはじめとするスキンケア用途の化粧料には、電解質が用いられている。例えば、電解質の成分として、保湿剤(アミノ酸や乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等)、消炎剤(グリチルリチン酸ジカリウム等)、美白剤(L−アスコルビン酸−2リン酸マグネシウム等)、紫外線吸収剤(フェニルベンズイミダゾールスルホン酸塩等)などが使用されている。 一方で、電解質成分を化粧料に配合すると、電荷の影響により化粧料中の凝集・合一、クリーミング、顔料の沈殿、離水などが生じる場合があり、安定性が著しく低下することが知られる。 そのため、このような化粧料においては、保存安定性を確保するため、水相に多量の界面活性剤を配合したり、高分子増粘剤等により高度に増粘させるなどの対策が講じられてきた(例えば、特許文献1)。しかし、これらの対策は、電解質による不安定化を低減させるものの、添加成分に由来するぬるつき感やべたつき感といった使用感の悪化をもたらすことがあった。 また、別の安定性向上手段として、チクソトロピー性を有する成分を使用することが知られている。チクソトロピー性は、外からの負荷等により形状を変えるが、負荷がなくなると元に戻る性質であり、揺変性とも呼ばれる。 チクソトロピー性を付与する素材(揺変剤)としては、たとえばスメクタイト型粘土鉱物の層間に存在するカチオンを、四級カチオン性窒素を含むカチオン性界面活性剤でカチオン置換した変性粘土鉱物などが公知である(特許文献2)。 特許文献2に開示される揺変剤は、粘土鉱物の板面はカチオン性界面活性剤の疎水基で疎水化されており、一方結晶端面は親水性であるため、油性溶媒中で親水性端面を結合点としたカードハウス構造を形成する。このため、静置状態ではカードハウス構造に由来してゲル化し、搖動状態ではカードハウス構造の崩壊に伴い流動化する、チクソトロピー性付与剤としての機能を有する。 このようなチクソトロピー性は、カードハウス構造によるネットワークによって乳化粒子や粉体などの運動が制限される一方で、適度な流動性により皮膚に適用し易いという、安定性と使用感が両立された化粧料をもたらし得る。特開2004−339108号公報特開平9−2816号公報 しかしながら、前記揺変剤によるチクソトロピー性には、負荷の大きさや経時により、負荷をなくしても元に戻り難くなったり、負荷をかけても流動性がでなくなる等の劣化が生じ、結果的に化粧料の長期的な安定性が損なわれることがあった。 本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、高いチクソトロピー性が付与された安定性に優れた皮膚外用剤を提供することを目的とする。 前記目的を達成するために本発明者が鋭意検討した結果、フィロケイ酸塩鉱物の層間金属イオンに有機配位子を結合させた変性フィロケイ酸塩鉱物からなる揺変剤を水に分散した(包摂させた)形で配合することにより、乳化粒子の合一・分離、粉体の沈殿、離水或いは/または、液体組成物中の合一・分離、粉体の沈殿、離水が効果的に抑制された安定性の高い皮膚外用剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明に係る皮膚外用剤は、フィロケイ酸塩鉱物の層間金属イオンに有機配位子を包摂させた、変性フィロケイ酸塩鉱物を配合したことを特徴とする。 また、前記皮膚外用剤において、有機配位子はアミノポリカルボン酸塩および/または該アミノポリカルボン酸塩の誘導体であることが好適である。 また、前記皮膚外用剤において、フィロ珪酸塩鉱物が、膨潤性を示す合成スメクタイトであることが好適である。 また、前記皮膚外用剤において、変性フィロケイ酸塩鉱物を、水に分散された組成物の状態で配合することが好適である。 また、前記皮膚外用剤において、組成物が、フィロケイ酸塩鉱物を0.1〜10質量%含み、且つ、該組成物におけるフィロケイ酸塩鉱物及び有機配位子の質量比が0.01:1〜10:1であることが好適である。 また、前記皮膚外用剤において、組成物を0.1〜20質量%配合したことが好適である。 本発明にかかる皮膚外用剤は、特定の揺変剤を用いることにより、乳化組成物あるいはジェル状組成物にあっても極めて安定性が高く、しかも使用感に優れる。本発明に係る皮膚外用剤に特徴的な揺変剤のチクソトロピー性の説明図である。本発明に係る皮膚外用剤に特徴的な揺変剤によるチクソトロピー性の説明図である。本発明に係る皮膚外用剤に特徴的な揺変剤の各濃度における貯蔵弾性率(G’)の説明図である。 以下、本発明に係る皮膚外用剤に用い得る各種成分について説明する。なお、配合量は特に規定がない限り、質量%で示す。 本発明の皮膚外用剤は、フィロケイ酸塩鉱物の層間金属イオンに有機配位子を包摂させた、変性フィロケイ酸塩鉱物からなる揺変剤を含む。[揺変剤] 本発明において特徴的な揺変剤は、層間に金属錯化合物を有するフィロケイ酸塩鉱物からなる変性粘土鉱物を含んでおり、この変性粘土鉱物によって外用剤にチクソトロピー性を付与し得るようになっている。ここで、変性粘土鉱物は、インターカレーションによりフィロケイ酸塩鉱物の層間に金属錯化合物を導入して生成される。 前記フィロケイ酸塩鉱物は、2枚のシリカ四面体シートの間に1枚のアルミナ八面体シートが結合して1つのアルミケイ酸塩単位層となり、これらの単位層が積層して構成される。本発明では、2枚の単位層の間(層間)に、Na+やK+などのアルカリ金属イオンおよびCa2+などのアルカリ土類金属イオンの少なくとも一方を層間金属イオンとして有しているフィロケイ酸塩鉱物が選択される。例えばフィロケイ酸塩鉱物としては、以下に示す組成式に代表されるイオン交換能を備えた粘土鉱物を用いることができる。 前記フィロケイ酸塩鉱物は、天然に産出する天然粘土鉱物であっても、化学的に合成された合成粘土鉱物であっても採用可能であるが、天然鉱物や金属イオンを有する無機化合物などを出発原料として、水熱反応法または溶融法などの合成方法によって得られる合成粘土鉱物のほうが好ましい。合成粘土鉱物は、天然粘土鉱物が有する酸化鉄等の夾雑物がなく、一次粒子の直径が500nm〜1000nm程度である天然物に対して、一次粒子の直径を15nm〜35nm程度に調整することができる。また、合成粘土鉱物は、合成段階での化学組成および合成条件の調整によって、得られる化学組成上の自由度が大きく、膨潤性やイオン交換能などの機能を天然粘土鉱物と比べて向上させることができる。特に化粧料の添加剤として揺変剤を用いる場合、重金属などの人に影響を与える要素を排除した合成粘土鉱物を原料として用いるとよい。合成によって得られたフィロケイ酸塩鉱物は、陰イオン側にフッ素を含有しているもの、フッ素を含有していないもの等、様々な化学組成とし得るが、フッ素を含まないフィロケイ酸塩鉱物が好ましい。陰イオンとしてフッ素を含まないフィロケイ酸塩鉱物は、水系の液相溶媒に分散した際にフッ素イオンによって陽イオンの溶出が妨げられないので、陰イオンとしてフッ素を含むフィロケイ酸塩鉱物を層間修飾した変性粘土鉱物よりもフッ素を含まないフィロケイ酸塩鉱物を層間修飾した変性粘土鉱物は良好なチクソトロピー性を示す。なお、1種類のフィロケイ酸塩鉱物から変性粘土鉱物を構成するのに限られず、複数種類のフィロケイ酸塩鉱物を組み合わせて用いてもよい。また、フィロケイ酸塩鉱物は、コロイド結晶の一次粒子の直径が500nm以下であるものがよい。 前記フィロケイ酸塩鉱物は、スメクタイト群および雲母群を選択することができる。 スメクタイト群は、層間金属イオンとしてナトリウムイオンあるいはリチウムイオンが介在したもの挙げることができる。スメクタイト群の具体例としては、ジオクタヘラルド型3層構造を有する粘土鉱物として、モンモリロナイト、パイロフィライト、ノントロライト、バイデライトなどが挙げられる。また、トリオクタヘドラル型3層構造を有する粘土鉱物としては、ヘクトライト、サポナイト、スティーブンサイトなどが挙げられる。 前記雲母群は、合成によって層間金属イオンがナトリウムイオンあるいはリチウムイオンで同形置換されたものが挙げられ、例えばテニオライト(KMg2Li(Si4010)F2)を出発原料として合成された同形置換型等の合成雲母が例示される。雲母群の具体例としては、テニオライトのナトリウム同形置換体、あるいはフッ素四珪素雲母のナトリウム同形置換体であるナトリウム型フッ素四ケイ酸雲母等が挙げられるが、これらは総じて水による顕著な無限膨潤性または限定膨潤性を示す。 前記フィロケイ酸塩鉱物としては、ナトリウム型モンモリロナイト、カルシウム型モンモリロナイト、活性化ベントナイト(Na/Ca型モンモリロナイト)、ナトリウム型ヘクトライト、カルシウム型ヘクトライト、ナトリウム・マグネシウム型ヘクトライト(ケイ酸(Na/Mg))、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム(ケイ酸(Al/Mg))が好ましく、より好ましくは合成サポナイト、合成ヘクトライトまたは合成スティーブンサイトが挙げられる。市販品としては、製品名:スメクトンSA(クニミネ工業株式会社製の合成スメクタイト)、製品名:LaponiteRD、LaponiteXL21、LaponiteS482(Rockwood Additives Co.Ltd製の合成ヘクトライト等を例示できるが、これらに限定されるものではない。 本発明においては、フィロケイ酸塩鉱物が、膨潤性を示す膨潤性スメクタイトであることが好適である。 前記フィロ珪酸塩鉱物は電解質溶液と接触させると、吸着されているイオンの一部が脱着され、代わって溶液中のイオンが吸着される。このフィロ珪酸塩をイオン交換体に吸着されているイオンの全てが交換性イオンであるとは限らない。単位質量のフィロ珪酸塩当たりの交換性イオン量は、陽イオンであるか陰イオンであるかによって、それぞれの陽イオン交換量(CEC)及び陰イオン交換量(AEC)と呼ばれる。交換性イオン量は、イオン電荷のモル数で表される。またフィロ珪酸塩のCEC及びAECは、そのフィロ珪酸塩の固有定数ではない。 これは表面電荷の量がフィロ珪酸塩鉱物と接触する溶液のPHやイオン濃度により変化するためである。 また金属錯化合物をフィロケイ酸塩鉱物の層問に導入するインターカレーションにおいて層間金属イオンのイオン交換性を利用する場合、陽イオン交換性のあるフィロ珪酸塩鉱物を選択することが好ましい。具体的には、1.0%〜10%の範囲でフィロケイ酸塩鉱物を分散したpH9.0〜12.0の水溶液中で、フィロケイ酸塩鉱物の陽イオン交換能が30meq/100g以上、より好ましくは60meq/100g以上であるとよい。 前記フィロケイ酸塩鉱物の層間に存在する金属錯化合物は、フィロケイ酸塩鉱物の層間金属イオンとこの層間金属イオンに結合した有機配位子とからなり、この金属錯化合物は、フィロケイ酸塩鉱物の元々あった層間金属イオンよりも分子径が大きい。金属錯化合物は、層間金属イオンにlつの配位部位で結合する単座の有機配位子による単座の金属錯化合物であっても、層間金属イオンに2つ以上の配位部位で結合する多座の有機配位子による多座の金属コンプレクサン化合物であってもよい。多座の有機配位子によって生成した金属コンプレクサン化合物は、単座の金属錯化合物よりも安定しているので、本発明において好ましい。金属コンプレクサン化合物は、有機配位子としてのアミノポリカルボン酸塩またはその誘導体が層間金属イオンに結合した金属錯体が、安定性等の観点からより好ましい。ここで、金属錯化合物としては、後述する有機化合物(錯化剤)から供給される有機配位子と層間金属イオンとが結合したものが挙げられる。なお、変性粘土鉱物は、フィロケイ酸塩鉱物の層間に1種類の金属錯化合物を有するのに限られず、2種類以上の金属錯化合物が存在してもよい。 前記錯化剤としては、クエン酸、酒石酸等のα−ヒドロキシカルボン酸、フィチン酸、エチドロン酸、シュウ酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、NTA・3H、NTA・H・2Na、NTA・3Na・H2O等のニトリロ三酢酸、EDTA・4H、EDTA・2H・2Na・2H2O、EDTAH・3Na・2H2O、EDTA・4Na・4H2O、EDTA・2H・2K・2H2O等のエチレンジアミン四酢酸、HEDTA・3Na・2H2O、HEDTA・3Na・3H2O、HEDTA・3Na等のヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、DTPA・5H、DTPA・5Na等のジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、アミノトリメチレンホスホン酸、ヒドロキシエタンホスホン酸、ジヒドロキシエチルグルコン酸、などの塩類から選ぶことができる。この中でもニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸二ナトリウム、L−アスバラギン酸−N,N−二酢酸四ナトリウム、3−ヒドロキシ−2、2イミノジコハク酸4ナトリウム、メチルグリシン二酢酸、カルボキシメチル化ポリエチレンイミン、グルタミン酸二酢酸、エチレンジアミンジコハク酸などのコンプレクサンであるアミノポリカルボン酸またはアミノポリカルボン酸誘導体を有機配位子として供給し得る錯化剤が好ましい。 前記揺変剤は、前記変性粘土鉱物を水に分散した組成物として用いてもよい。この場合、前記組成物(揺変組成物)は、変性粘土鉱物の構成成分として、フィロケイ酸塩鉱物を組成物に対し0.1〜10質量%含み、且つ、フィロケイ酸塩鉱物及び有機配位子を、重量比が0.01:1〜10:1(フィロケイ酸塩鉱物:有機配位子)となるように含むことが好ましい。 前記揺変組成物は、変性粘土鉱物以外の残りが、水だけ、または水と水以外の第3成分とから構成される。なお、揺変組成物は、金属錯化合物が層間に挿入されていない変性粘土鉱物の出発原料であるフィロケイ酸塩鉱物が含まれていてもよい。このように、水系の溶媒中に変性粘土鉱物がある揺変組成物自体は、静止状態でゲル状であるものが撹拌によりゾル状の流動体となるチクソトロピックな性状を示す。揺変組成物は、変性粘土鉱物の構成成分の割合が前記範囲に満たないと、増粘性、沈降防止性やチクソトロピー性などの変性粘土鉱物が示す特有の効果を十分に付与することができず、また変性粘土鉱物の構成成分の割合が前記範囲より大きいと、揺変組成物自体の系均一性が保たれずかつ流動性のないゲル溶液になり易く、揺変組成物の取り扱い性が損なわれる。なお、揺変組成物は、粉末状の前記変性粘土鉱物だけ、あるいは粉末状の前記変性粘土鉱物およびフィロケイ酸塩鉱物で構成してもよい。 本発明に係る皮膚外用剤は、上記揺変剤を皮膚外用剤に配合することによって製造することができる。 上記揺変剤は、特に、前記揺変組成物として用いる場合は、皮膚外用剤に対し該組成物を0.1〜20質量%配合することが好ましい。皮膚外用剤における揺変剤の配合量が、前記範囲外であると、十分な安定性が得られないことがある。 前記皮膚外用剤の剤形は特に限定されず、例えば、油中水型や水中油型等の乳化組成物、水性組成物など、各種剤形を取り得る。また、本発明は、化粧品や医薬部外品の皮膚外用剤として好適に適用でき、特に、ファンデーション、パック、化粧水、乳液、クリーム、美容液、クレンジング、日焼け止め等の化粧品としての使用に適する。 本発明の基剤となる皮膚外用剤には、医薬部外品や化粧品に配合可能な成分を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。 このような成分としては、例えば、水相成分、油相成分、界面活性剤、UV吸収剤・散乱剤、pH調整剤等が挙げられる。[水相成分] 本発明に係る皮膚外用剤に配合される水相成分は、水を主体とした水性溶媒からなり、瑞々しい使用感を得るために必須のものである。 前記水性溶媒には電解質が含まれていてもよい。 電解質は、美白効果、保湿効果、収斂効果、角質溶解効果等の肌効果の付与を目的として配合されるものであり、通常化粧料に用いられる電解質であれば特に制限はない。具体的には、保湿効果のある電解質としては、アミノ酸、乳酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸等の有機化合物と、それらのカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等の無機塩やL−アラニン、β−アラニン、L−アルギニン、L−アルギニン塩酸塩、L−アスパラギン一水和物、L−アスパラギン酸、ポリアスパラギン酸、L−シトルリン、L−システイン、L−システイン塩酸塩一水和物、L−シスチン、L−ドーパ、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸塩酸塩、L−グルタミン、ポリグルタミン酸、グリシン、トリメチルグリシン、L−ヒスチジン、L−ヒスチジン塩酸塩一水和物、L−ヒドロキシプロリン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−リジン塩酸塩、L−メチオニン、L−オルニチン塩酸塩、L−プロリン、L−フェニルアラニン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリン等のアミノ酸及びその誘導体や塩類が挙げられる。また、美白効果のある電解質としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸硫酸エステル、アスコルビン酸グルコシド等とそれらのナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩等の水溶性アスコルビン酸類が挙げられる。さらに、グリチルリチン酸塩類、グリチルレチン酸塩、サリチル酸塩、トラネキサム酸塩、尿素、ミョウバンや海洋深層水、温泉水、ヒアルロン酸ナトリウム等、これら電解質を含む天然由来の水溶液も挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いる事が出来る。 これらの電解質は、通常、水性ゲル化剤によるゲル形成を阻害するが、本発明において好適な揺変剤は電解質の影響を受けにくい。 本発明の皮膚外用剤中での水相成分の割合は特に限定されないが、本発明の変性粘土鉱物が水相中で機能することを考慮すると、水相は外用剤中20%以上であることが好ましい。なお、水に分散された上記揺変組成物を揺変剤として用いる場合、揺変組成物に含まれる水もまた、水相成分の一部又は全部を構成し得る。[油相成分] 本発明の皮膚外用剤に用いられる油相成分としては油剤が挙げられる。油剤は、高いエモリエント効果を付与させるために配合するものであり、本発明の剤形が水中油型乳化組成物である場合は、組成物に対し50〜80%、より好ましくは60〜75%配合することが好ましい。前記剤形において油剤の配合量が50%未満の場合、十分なエモリエント効果を得ることが難しく、80%を超えると水系成分が少なくなり、チクソトロピー性の発揮が困難となる。 また、本発明の剤形が油中水型乳化組成物である場合は、油剤の配合量は特に限定されないが、好ましくは5〜90%、より好ましくは10〜80質量%である。 本発明に用いられる油剤は、化粧料に一般に使用される油剤であれば特に限定はなく、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず用いることができ、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、親油性界面活性剤類、油溶性紫外線吸収剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、流動イソパラフィン、オレフィンオリゴマー、スクワラン、ジオクチルシクロヘキサン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モクロウ、オリーブスクワラン、米スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソステアリル、乳酸イソステアリル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸ノニル、イソノナン酸セトステアリル、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、テトラ−2−イソステアリン酸ペンタエリスリット、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、オレイン酸エチル、ステアリン酸イソセチル、パルミチン酸イソプロピル、ダイマー酸ジイソプロピル、ダイマー酸ジイソステアリル、炭酸ジアルキル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸オクチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル、オクチルドデシル)、パラメトキシ桂皮酸オクチル、トリ(カプリル・カプリン)酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン)酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル等のエステル油剤、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、綿実油、ヤシ油、ホホバ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、菜種油、メドウフォーム油、月見草油、シア油、トール油、ミンク油、ラノリン、魚油等の精製油又は硬化(水添)油等の動植物油、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ミリスチン酸等の脂肪酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルセチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、高重合メチルフェニルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン等のシリコーン油、パーフルオロポリエーテル、フッ素変性シリコーン等のフッ素化油剤、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることが出来る。[界面活性剤] 本発明の皮膚外用剤として乳化組成物を製造する際には適当な界面活性剤を用いることが好適である。前述したように、本発明において特徴的な揺変剤は、電解質の影響を受けにくいため、イオン性界面活性剤を用いることも可能である。 また、本発明にかかる皮膚外用剤を皮膚洗浄料、特にジェル状皮膚洗浄料として用いることも可能である。 前記界面活性剤は、目的とする乳化効果、洗浄効果に応じて、適宜の割合において配合することができるが、一般的に0.001重量%〜10重量%の割合で配合可能である。界面活性剤としては、特に本発明にあたっては、アニオン系が望ましい。これは、合成スメクタイト系のフィロケイ酸塩鉱物は、通常マイナスに荷電しており、電荷の関係により界面活性剤の中でもアニオン系界面活性剤が静電的なバランス均衡を取り易いからである。例えば、好適に用いられるアニオン系界面活性剤としては、例えば高級脂肪酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、高級アルキルスルフォン酸塩、α−オレフィンスルフォン酸塩、高級脂肪酸エステルの脂肪酸塩、ラウリルベンゼンスルフォン酸塩、脂肪酸モノグリセリド硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸塩等を挙げることができる。 また、アニオン系界面活性剤の他に、ノニオン界面活性剤や両性界面活性剤についても、本発明において使用可能である。ノニオン界面活性剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンエチレンジアミン、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等を挙げることができる。また、両性界面活性剤としては、アルキルアミノエチルグリシン塩類塩、アルキルポリアミノエチルグリシン塩類塩、ドデシルアミノエチルグリシン塩類塩、ジオクチルアミノエチルグリシン塩類塩等を挙げることができる。[UV吸収剤・散乱剤] 本発明の皮膚外用剤には、各種UV吸収剤・散乱剤(UVフィルター)を配合し、サンスクリーン効果を付与することができる。 本発明の皮膚外用剤には、剤形に応じ、水溶性及び/又は油溶性UVA又はUVBフィルター又はその両方を配合することができる。 油溶性UVBフィルターとしては、例えば、4−(ジメチルアミノ)−安息香酸−(2−エチルヘキシル)エステルなどの4−アミノ安息香酸誘導体;4−メトキシ桂皮酸(2−エチルヘキシル)エステルなどの桂皮酸のエステル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体;3−ベンジリデンカンファーなどの3−ベンジリデンカンファー誘導体等が挙げられる。 水溶性UVBフィルターとしては、例えば、ベンゾフェノンもしくは3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体又は2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸のNa塩若しくはカリウム塩などの塩が挙げられる。 UVAフィルターとしては、1−フェニル−4−(4′−イソプロパノールフェニル)プロパン−1,3−ジオンなどのジベンゾイルメタン誘導体等が挙げられる。 特に好ましいフィルターは、ベンゾフェノン−3、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、4−メチルベンジリデンカンファー、ホモサラート、オクトクリレン、メトキシ桂皮酸エチルヘキシル、p−メトキシ桂皮酸イソアミル、ジメチルPABAオクチル、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、サリチル酸エチルヘキシル、メチレンビス−ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール、フェニルジベンズイミダゾール二ナトリウム・テトラスルホン酸塩、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンである。 また、無機顔料のUVフィルターとして、例えば、TiO2、SiO2、ZnO、Fe2O3、ZrO2、MnO、Al2O3等の金属酸化物に基づく無機顔料を配合することもできる。 本発明の皮膚用外用剤は、揺変剤によるチクソトロピー性により、これら無機顔料を配合しても、沈降または凝集させることなく安定性を保つことができる。[pH調整剤] 前記揺変剤を皮膚外用剤の水相に配合する場合、pH調整剤により、好ましくはpHを5.0〜12.0の範囲、より好ましくは9.0〜12.0の範囲に調整することが好適である。pHが5.0よりも酸性側であったり、pHが12.0よりもアルカリ性側にあると、変性粘土鉱物が示す前記特有の効果が発現し難くなる。皮膚外用剤に添加するpH調整剤は、特に制限されるものではないが、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2(エチルヘキシル)アミン、トリアミルアミン、ドデシルアミン、モルフォリンなどのアミン類や無機系中和剤が挙げられる。無機系中和剤としては、水酸化ナトリウム、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、炭酸、アスコルビン酸、マレイン酸、グルコン酸、蓚酸、酒石酸などが例示される。[その他の配合成分] 前記揺変剤は、薬剤成分や塩類などを配合しても、その影響を受けて粘度低下などの変化を生じ難いので、本発明の皮膚外用剤には、上記以外にも水溶性および油溶性物質を幅広く配合することができる。本発明の皮膚外用剤に配合される上記以外の成分としては、防腐剤等の薬剤成分などが例示される。防腐剤は、クロルクレゾール、クロルキシレノール、イソプピルメチルフェノール、レゾルシン、オルトフェニルフェノール、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、チモール、ヒノキチォール、チオキソロン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、トリクロサン、ハロカルバン、塩化ベンザルコニウム、臭化アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化アルキルトリチメルアンモニウム、塩化アルキルジアミノエチルグリシン液、塩化リゾチーム、エタノール、フェノール、ベンジルアコール、クロルフェネシン、クロロブタノール、クロタミン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、銀イオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。 ここで、層問に金属コンプレクサン化合物を有する変性粘土鉱物は、金属コンプレクサン化合物が抗微生物効果を有しているので、防腐剤による作用を補助し得る。 その他の薬剤成分としては、ビタミン類、抗炎症剤、抗菌剤等が例示される。薬剤成分の具体例としては、ビタミンB、P、水溶性ビタミンA、D等のビタミン類およびその誘導体、グリチルリチン、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン、グリチルレチン酸塩、ローヤルゼリー、ポリフェノール、ニコチン酸およびその誘導体(例えばニコチン酸アミド)、レゾルシンおよびその誘導体、イオウ、サリチル酸およびその誘導体、アルコキシサリチル酸およびその塩、L−アスコルピン酸およびその誘導体、トラネキサム酸およびその誘導体グルコシド、カフェイン、尿素、トレハロース、キシリトール等が挙げられるが、必ずしもこの限りではない。 また、その他の配合成分として、各種アルコール類、ポリオール類、糖類、水溶性高分子等の水性成分、紫外線吸収剤、粉体、酸化防止剤、防腐剤、色素、香料、清涼剤、美容成分等を適宜配合することができる。 本発明に係る皮膚外用剤は、上記成分を配合し、剤形に応じた常法により製造することができる。 本発明の皮膚外用剤が乳化組成物である場合、例えば、クリーム、乳液、パック等のスキンケア化粧料、ファンデーション、頬紅等のメーキャップ化粧料、ヘアクリーム、ヘアミルク等の毛髪化粧料などとして製造することができる。特に、マッサージクリームやハンドクリーム等、顔面や手足、全身用のクリーム、パックへの適用は、塗布時の伸び広がり、マッサージのし易さに優れ、高いエモリエント効果と肌効果が得られ好ましい。 本発明の皮膚外用剤が水性ジェル組成物である場合は、モイスチャージェルなどの一般的化粧料のほか、クレンジング料としても好適に用いられる。クレンジング料として用いる場合、好ましい任意成分は、油性汚れを落としやすい油剤や汚れ除去作用を損なわずに系を安定化する成分である。前者としては、ジグリセリンテトラオレートが好ましく例示でき、後者としては、水性クレンジング剤形に於ける増粘剤が挙げられる。後者の具体的な例示としては、カラギーナン、アルギン酸及びその塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー及びその塩並びにキサンタンガムから選ばれる1種乃至は2種以上が挙げられ、これらの内、特に好ましいものはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。これら増粘剤はオイル含有量が多いクレンジング化粧料に含有させても安定性を向上させることができる。又、脂肪酸アシルグリシン塩等のアニオン界面活性剤を含有させると水性の汚れを落とす作用が向上するので好ましい。アニオン界面活性剤の好ましい含有量は、1〜5%である。アニオン界面活性剤としては脂肪酸アシルグリシン塩が好ましい。これは、安全性と洗浄性に優れるためである。ラウリルジメチルアミンオキシド等のアミンオキシド系界面活性剤を含有させるとこの作用が増強されるので特に好ましい。アミンオキシド系界面活性剤の好ましい含有量は、1〜5%である。[揺変剤の製造方法] 次に、本発明において特徴的な揺変剤の製造方法について説明する。 まず、前述の粘土鉱物から選択したフィロケイ酸塩鉱物の粉体を、水系の液相溶媒に分散して混合液を調製する。すなわち、フィロケイ酸塩鉱物を水で膨潤させて層間に水を十分取り込ませ、層間隙が広がったゾル状態とする。フィロケイ酸塩鉱物の粉体は、液相溶媒に分散できる大きさであれば、コロイド結晶の一次粒子の直径はミクロン単位であってもよいが、コロイド結晶の一次粒子の直径を500nm以下に調節したものが望ましい。水系の液相溶媒としては、水だけあるいは水にエタノール等の有機溶剤を配合したものであってもよいが、有機溶剤を含まない水だけとするのが望ましい。水としては、常水、精製水の他、硬水、軟水、天然水、海洋深層水、電解アルカリイオン水、電解酸性イオン水、イオン水、クラスター水など選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いられ、特に限定されるものではない。液相溶媒は、常温域、0℃近傍の低温域あるいは100℃近傍の高温域の何れの温度であってもよく、その温度が所定温度に保たれた状態にあっても、特に温度調節を行わない状態にあってもよい。なお、混合液の調製は、液相溶媒を撹拌しつつフィロケイ酸塩鉱物の粉体を液相溶媒に添加する。ここで、混合液の撹拌は、特に特別な装置を必要とせず、ディスパー、ホモジナイザーやメカニカルスターラー、サンドグラインドミル等の一般的な撹拌装置で行うことができる。 前記フィロケイ酸塩鉱物の粉体は、混合液全体の0.1〜10質量%の範囲で添加される。フィロケイ酸塩鉱物の割合が0.1%未満であると、得られた揺変剤が増粘性、沈降防止性やチクソトロピー性などの変性粘土鉱物が示す特有の効果を十分に付与することができず、またフィロケイ酸塩鉱物の割合が10%より大きいと、後述する解膠剤を添加しても、効率よくインターカレートし得る混合液の流動性を保つことができない。 前記混合液は、必要に応じてpH調整剤を添加して撹拌することで、そのpHが調整される。混合液のpHを調整する場合は、25℃においてpHが9.0〜12.0の範囲になるように調整するとよい。フィロケイ酸塩鉱物は、pHが9.0〜12.0の範囲である混合液中にあると錯化剤との層間反応が生じ易くなるので、後のインターカレーション工程に際して効率よくインターカレートすることができる。pH調整剤としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、グリコール酸、コハク酸、酢酸、酢酸ナトリウム、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、リン酸、塩酸、硫酸、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ一2−メチル一1,3−プロパンジオール、2−アミノ一2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、アルギニン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、炭酸グアニジン、炭酸アンモニウム等から選ばれる1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。 前記混合液には、インターカレーション工程に先立って、解膠剤が添加されて撹拌される。一般的にフィロケイ酸塩鉱物などの粘土鉱物を水系の液相溶媒に添加すると、独特の膨潤コロイド状の混合液が得られ、粘土鉱物の濃度が増すにつれてゲルを形成し易くなり、流動性のない高粘度ゲル化状態になる。混合液が流動性のない高粘度ゲル化状態にあると、インターカレーション工程において層間金属イオンと錯化剤とを層間反応させることが難しくなり、水系の液相溶媒に4%〜10%のような高い割合で粘土鉱物を分散させることが困難である。ここで、フィロケイ酸塩鉱物を高い割合で分散しても、混合液に解膠剤を添加することで、混合液を安定した流動分散ゾル状態とすることができ、フィロケイ酸塩鉱物の層間へのインターカレーションが容易に起こり易くなるので、効率よく変性粘土鉱物を得ることができる。ここで、解膠剤を液相溶媒に添加した後に、フィロケイ酸塩鉱物の粉体を液相溶媒に添加して、前記混合液を調製してもよい。 前記解膠剤としては、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、蓚酸ナトリウム、没食子酸ソーダ、タンニン酸ソーダ、蓚酸アンモニウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、アルミン酸リチウム、クエン酸リチウム、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、モノアミルアミン、モノエチルアミン、モノ−iso−ブチルアミン、モノ−n−ブチルアミン、モノ−n−プロピルアミン、モノ−sec−ブチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、エチルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ポリビニールアミン、α,β一不飽和ジカルボン酸系重合体、水溶性ポリカルボン酸塩、フミン酸化合物、クエン酸、リグニンスルホン酸、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩などが例示される。より好ましい解膠剤としては、シュウ酸ナトリウム、クエン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸二水素ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)等が挙げられ、更に好ましくはトリメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ピロリン酸四カリウムなどのポリリン酸塩類が挙げられる。なお、解膠剤としては、例示した物質群から選ばれる1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、解膠剤は、粉末状等の固形、液状など形態は特に限られない。ここで挙げた解膠剤を用いることで、混合液の流動性を担保するために従来から使用されている硝酸等の強酸系やエタノール等の有機溶媒系と比べて、得られた揺変剤の機能に対する解膠剤による影響を抑制し得る。 前記解膠剤の添加量は、固形分換算で、0.05%〜5%の範囲、好ましくは0.1%〜3%の範囲である。すなわち、解膠剤の添加量が0.05%未満であると、好ましい解膠性が得られず、5%より多くなると、混合液中に過剰のイオンが存在してインターカレーションを阻害する場合がある。また、解膠剤の添加量が多い場合、得られた揺変剤が、保管温度条件によりブツの発生等の経時不安定な状態になることがあり、また必要な粘性の低下を招くこともある。 次に、層間金属イオンと結合する有機配位子を供給し得る有機化合物(錯化剤)を混合液に添加して撹拌することで、フィロケイ酸塩鉱物の層間に金属錯化合物をインターカレートする。インターカレーション工程において、混合液は、常温域、0℃近傍の低温域あるいは100℃近傍の高温域の何れの温度であってもよく、その温度が所定温度に保たれた状態にあっても、特に温度調節を行わない状態にあってもよい。また、圧力調整下にインターカレーション工程を行ってもよい。このように、フィロケイ酸塩鉱物における有機化合物錯体の層間反応は、常温でも進行するが、その反応速度を促進するために、加熱しても問題はない。そして、層間反応の終了は、懸濁液の呈色変化、溶媒の粘性変化、沈殿物の形成などの状態変化によって知ることができる。 インターカレーション工程において、陽イオン交換能を持つフィロケイ酸塩鉱物の層間への、ゲスト分子としての有機配位子の導入は、解離していない有機化合物を層間金属イオンと結合させて、金属錯体イオン化することで達成される。また、イオン交換される層間金属イオンには、アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金錯イオンの少なくとも一方が選ばれるが、層間金属イオンと有機化合物の組み合わせは、錯体として主に水糸の溶媒中において安定であると共に、フィロケイ酸塩鉱物の層間においても適度な安定性のあることが必要である。 前記インターカレーション工程において添加する錯化剤としては、前述のものが採用できる。特に化粧料の添加剤として揺変剤を用いる場合、EDTA・4H、EDTA2H・2Na・2H2O、EDTAH・3Na・2H2O、EDTA・4Na・4H2O、EDTA・2H・2K・2H2O等のエチレンジアミン四酢酸、HEDTA・3Na・2H2O、HEDTA・3Na・3H2O、HEDTA・3Na等のヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸など、医薬部外品原料規格に規定された錯化剤が用いられる。また、メチルグリシン二酢酸三ナトリウムなどの生分解性を有する錯化剤を用いることで、環境に配慮した揺変剤が得られる。 前記インターカレーション工程において、層間金属イオンに有機配位子を結合してなる金属錯化合物を、フィロケイ酸塩鉱物の層間に備えた変性粘土鉱物が生成される。なお、混合液の調製工程やインターカレーション工程において、溶媒の撹拌は必須ではないが、撹拌を行ったほうがよい。そして、必要に応じて、変性粘土鉱物を含む揺変剤を撹拌した後に静置することで、安定化させる。ここで、揺変剤の撹拌は、特に特別な装置を必要とせず、ディスパー、ホモジナイザーやメカニカルスターラー等の一般的な撹拌装置で行うことができる。このようにして得られた変性粘土鉱物を含む揺変剤は、必要に応じて、pHが調整されると共に第3成分が添加される。そして、本発明に係る製造方法で得られた揺変剤(揺変剤組成物)は、水系の液相溶媒に変性粘土鉱物が分散しており、該揺変剤自体がチクソトロピックな性状を有している(例えば、ヒドロゲル)。前記揺変剤に含まれる変性粘土鉱物の結晶構造の各層は、厚さ約1μmの2次元小板状を形成しており、この小板ユニットに存在するマグネシウム原子やアルミニウム原子などは、より低原子価陽イオンの原子と同型置換して小板ユニットは負に帯電している。乾燥状態においては、この負電荷はプレート面の格子構造外側にある置換可能陽イオンと釣り合っており、固相ではこれらの粒子はファンデルワールス力により、互いに結合し平板の束になっている。このような変性粘土鉱物を水系の液相溶媒中に分散した場合には、層間の置換可能な陽イオンが水和されて粒子が膨潤を起こすので、小板が分離して小板の表面が負電荷となり、互いに反発しあって安定なゾル状態となる。また、変性粘土鉱物は、分散した小板は面部が負に帯電し端部が正に帯電するため、面部と端部が引き合って、水中で小板により構造体(カードハウス構造)が形成されて、ゲル状態となる。前記揺変剤は、 層間の金属錯化合物の存在する変性粘土鉱物によって、静止状態において強固な剪断流動性ゲル状となり、この剪断流動性ゲル状態から比較的弱い力の撹拌等により簡単にゾル状になって好適な流動性を示し、また静止すると剪断流動性ゲル状態に短時間で戻るチクソトロピー性を示す。本発明に係る変性粘土鉱物は、フィロケイ酸塩鉱物が本来有するカードハウス構造に加えて、フィロケイ酸塩鉱物の層間で嵩上げ作用を示したり、ばねの如く機能すると考えられる金属錯化合物によって小板の構造破壊および構造回復作用が補強されるので、従来のカードハウス構造からなるチクソトロピー性よりも遙かに高いチクソトロピー性を示す。本発明に係る揺変剤は、外用剤に添加することで、増粘等の粘性、溶質の沈降防止などの分散性、チクソトロピー性など、変性粘土鉱物が示す良好なチクソトロピー性に由来する各種性質を付与することができ、これらの性質を長期間に亘って保持し得る。ここで揺変剤自体が高いチクソトロピー性を有しているので、外用剤に添加する揺変剤の量を減らしても、外用剤の粘性等を改善することができる。また、本発明の揺変剤は、外用剤が油性、油中水型、水溶性など何れの性状であっても配合することができ、外用剤のpH、温度、有機溶媒の有無等に、該外用剤に付加する機能が影響を受け難い。更に、配合時(混合分散時や混合撹拌時など)に加わるせん断等の機械的作用によって付与した粘度等の機能が低下することはない。すなわち、揺変剤を外用剤に添加する時期は、機械的シェア混合前や分散前などの前添加であっても、機械的シェア混合後や分散後などの後添加であっても、同じ粘性等の機能が期待できる。更にまた、本発明の揺変剤は、高い透明度を有しているので、外用剤に色を付けたり、にごらしたりする等の不具合が生じない。このように、本発明の揺変剤は、外用剤の性質の影響を受け難いので、化粧料のチクソトロピー性(揺変性)、分散性、粘性または沈降防止性などを向上させることができる。本発明の揺変剤の製造方法は、複雑な操作や設備を必要とせず、フィロケイ酸塩鉱物を錯化剤でインターカレートすることで容易に得ることができる。また、製造工程で加熱や圧力調整などが特に必須ではなく、低廉なコストで機能性に優れた変性粘土鉱物を得ることができる。 以下、本発明に係る皮膚外用剤を、実施例を挙げてより詳細に説明する。なお、本発明は、以下に挙げた実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例において、常温とは20℃を指す。 まず、本実施形態で用いる変性粘土鉱物の調製方法を示す。[調製例1]500m1のビーカーに入れた水道水200m1に対して、0.5gのシュウ酸ナトリウムを水道水10gに溶解した解膠剤と、10.0gの合成ヘクトライト(商品名:LaponiteRD、Rockwood Additives Ltd.製)とを順に加えて混合液を調製した。混合液を常温下でラボディスパーにより2時間撹拌し、合成ヘクトライトを十分に水和させた。混合液のpHが10.5であることを確認した後、精製水にエチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸ナトリウム二水塩(HEDTA・3Na・2H2O)を10%水溶液になるよう添加して調製した10gの錯化剤を、常温下で30分間かけて滴下して、インターカレーションを行った。そして、錯化剤の滴下後に、常温下でラボディスパーにより1時間撹拌し、常温下で一昼夜放置することで、調製例1の揺変剤を得た。[調製例2]500m1のビーカーに入れた精製水200m1に対して、0.25gのクエン酸カリウムを精製水10gに溶解した解膠剤と、7.5gの合成ヘクトライト(商品名:LaoniteS482、Rockwood Additives Ltd.製)とを順に加えて混合液を調製した。混合液を、常温下でラボディスパーにより2時間撹拌し、合成ヘクトライトを十分に水和させた。混合液に2N水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを11.5に調整した後、精製水にエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム二水塩(EDTA・4Na・4H2O)を10%水溶液になるよう添加して調製した10gの錯化剤を、常温下で30分間かけて滴下して、インターカレーションを行った。そして、錯化剤の滴下後に、クエン酸を用いてpHを10.0に調整した。その後、常温下でラボディスパーにより1時間撹拌し、常温下で一昼夜放置することで、調製例2の揺変剤を得た。[調製例3]500m1のビーカーに入れた水道水200mlに対して、0.5gのピロリン酸四ナトリウムを水道水10gに溶解した解膠剤と、4.0gの合成ヘクトライト(商品名:LaponiteRD、Rockwood Additives Ltd.製)と、4.5gの合成ヘクトライト(商品名:ルーセンタイトSWF、コープケミカル社製)とを順に加えて混合液を調製した。混合液を、常温下でラボディスパーにより2時間撹拌し、合成ヘクトライトおよびスメクタイトを十分に水和させた。クエン酸を用いて混合液のpHを9.5に調整した後、精製水にエチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム三水塩(NTA・3Na・H2O)を10%水溶液になるよう添加して調製した10gの錯化剤を、常温下で30分間かけて滴下して、インターカレーションを行った。そして、錯化剤の滴下後に、常温下でラボディスパーにより1時間撹拌し、常温下で一昼夜放置することで、調製例3の揺変剤を得た。[調製例4]500m1のビーカーに入れた精製水200m1に対して、0.5gのヘキサメタリン酸ナトリウムを精製水10gに溶解した解膠剤と、10.0gの合成ヘクトライト(商品名:LaponiteXL21、Rockwood Additives Ltd.製)とを順に加えて混合液を調製した。混合液を、常温下でラボディスパーにより2時間撹拌し、合成ヘクトライトを十分に水和させた混合液のpHが10であることを確認した後、精製水にエチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸ナトリウム二水塩(HEDTA・3Na・2H2O)を10%水溶液になるよう添加して調製した10gの錯化剤を、常温下で20分間かけて滴下して、インターカレーションを行った。錯化剤の滴下後に、常温下でラボディスパーにより1時間撹拌し、クエン酸を用いてpHを7.5に調整した。そして、常温下で一昼夜放置することで、調製例4の揺変剤を得た。[調製例5]500m1のビーカーに入れた水道水200m1に対して、0.5gのクエン酸カリウムを水道水10gに溶解した解膠剤と、合成ヘクトライト商品名:LaponiteXL21、Rockwood Additives Ltd.製)とを順に加えて混合液を調製した。混合液を、常温下でラボディスパーにより2時間撹拌し、合成ヘクトライトを十分に水和させた。クエン酸を用いて混合液のpHを7.5に調整した後、水道水にエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム二水塩(EDTA・4Na・4H2O)を10%水溶液になるよう添加して調製した10gの錯化剤を、常温下で30分間かけて摘下して、インターカレーションを行った。錯化剤の滴下後に、常温下でラボディスパーにより1時間撹拌し、常温下で一昼夜放置することで調製例5の揺変剤を得た。[調製例6]500m1のビーカーに入れた水道水62mlに対して、3.0gのピロリン酸四ナトリウムを水道水10.0gに溶解した解膠剤と、15.0gの合成ヘクトライト(商品名:LaponiteXLG、Rockwood Additives Ltd.製)とを順に加えて混合液を調製した。混合液を、常温下でラボディスパーにより2時間撹拌し、合成ヘクトライトを十分に水和させた。混合液のpHが10であることを確認した後、水道水にヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸三ナトリウム二水塩(HEDTA・3Na・2H2O)を10%水溶液になるよう添加して調製した10gの錯化剤を、常温下で60分間かけて滴下して、インターカレーションを行った。錯化剤の滴下後に、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.5に調整した。そして、常温下でラボディスパーにより2時間撹拌し、常温下で一昼夜放置することで、調製例6の揺変剤を得た。[調製例7]500mlのビーカーに入れた水道水62m1に対して、3.0gのヘキサメタリン酸ナトリウムを水道水10.0gで溶解した解膠剤と、16.0gの合成ヘクトライト(商品名:スメクタイトSWF、コープケミカル社製)とを順に加えて混合液を調製した。混合液を、常温下でラボディスパーにより2時間撹拌し、合成ヘクトライトを十分に水和させた混合液のpHが10であることを確認した後、水道水にエチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸ナトリウム二水塩(HEDTA・3Na・2H2O)を10%水溶液になるよう添加して調製した10gの錯化剤を、常温下で60分間かけて滴下して、インターカレーションを行った。錯化剤の滴下後に、常温下でラボディスパーにより2時間撹拌し、常温下で一昼夜放置することで、調製例7の揺変剤を得た。 次に本発明者らは、本発明において特徴的な揺変剤のチクソトロピー性について評価を行った。 前記調製例3に係る揺変剤において、合成ヘクトライト(商品名:ルーセンタイトSWFの配合量を13gとした試料を作成し、1週間室温で静置した後、ずり速度(S−1)、ずり応力(Pa)におけるチクソトロピー性の度合いを測定した。 測定は、回転式E型粘度計(東機産業社製コーンプレートタイプTVE−35型、標準コーンロータ1°34’×R24)を用いた。測定前に、測定試料粘性履歴を消去するために、100rpm×5分+静置10分のエージングをかけ、回転数0.5rpm→50rpm→0.5rpm、ずり速度3.83N、測定試料量1.1mlにて測定を行った。結果を図1に示す。 チクソトロピー性を有する分散系液体は剪断応力(ずり応力)と剪断速度(ずり速度)によってヒステリシスループを描き、分散系液体にずり変化(shear)を加えたときに生じる構造の不均衡によって時間依存性現象(チクソトロピー性)流動特性を確認することができる。図1に示すとおり、本発明に係る皮膚外用剤に用いる揺変剤は、ヒステリシスループによる面積の大きい、高チクソトロピー性をもたらすことが明らかである。 さらに、前記調製例1にかかる揺変剤をヒドロゲルとして11.4質量%濃度(有効成分[フィロケイ酸塩鉱物]濃度として1質量%)となるように精製水に分散し、E型粘度測定を行いずり応力(剪断応力)−ずり速度(剪断速度)の関係を調べた。なお、比較例として同じ濃度に調製したカルボキシビニルポリマーについても同様の試験を行った。 測定は、回転式E型粘度計(東機産業社製コーンプレートタイプTVE−35型、標準コーンロータ1°34’×R24)を用いた。測定前に、測定試料粘性履歴を消去するために、100rpm×120秒+静置120秒のエージングをかけ、回転数0.5rpm→50rpm→0.5rpm、ずり速度3.83N、測定試料量1.1mlにて測定を行った。結果を図2に示す。 図2(A)は前記調製例1の揺変剤を用いたものであり、同図(B)はカルボキシビニルポリマーを用いたものである(なお、(A)と(B)ではずり応力(縦軸)の縮尺が異なる)。同ずり速度で、調製例1の揺変剤はカルボキシビニルポリマーに比較し約2倍のずり応力を示しており、かつゲル破壊時とゲル再構築時との同一ずり速度におけるずり応力差も2倍以上である。 このように、調製例1にかかる揺変剤は、化粧品などに汎用されるカルボキシビニルポリマーに比較しても極めて高いチクソトロピー性を示すことが理解される。 さらに、本発明に係る皮膚外用剤に用いる揺変剤を濃度別に周波数(rad/sec)に対する貯蔵弾性率(G’)を測定し、粘弾性特性を評価した。 前記調製例3に係る揺変剤を1週間室温で静置した後、粘弾性測定を行った。粘弾性測定装置は、動的粘弾性測定装置(ユービーエム社製Rheosol−G3000)を用い、25℃、周波数0.01〜100.0Hzで貯蔵弾性率(G’)を測定した。試料は、前記調製例3によって得られたヒドロゲル(100%組成濃度)、該ヒドロゲルを精製水に濃度75%となるように希釈分散させたもの(75%組成濃度)、同様に濃度50%となるように希釈分散させたもの(50%組成濃度)、同様に濃度25%となるように希釈分散させたもの(25%組成濃度)とし、それぞれについて測定を行った。なお、測定ジオメトリーは、コーンプレート角2°、コーンプレート直径40mm、温度25℃、周波数範囲は一定のずり応力下で0.01〜100.0rad/secの範囲とした。結果を図3に示す。 図3に示すとおり、いずれの濃度の試料においても、周波数に関係なく常に安定した貯蔵弾性率(G’)となった。したがって、本発明に係る皮膚外用剤に用いる揺変剤は、広範な濃度で高チクソトロピー性をもたらし得る。 次に本発明者らは水中油型乳化化粧料、油中水型乳化化粧料およびジェル状化粧料に調製例の揺変剤を用い、その安定性、使用感について評価を行った。なお、以下の各処方及び各試験例における処方量は全て質量%である。[水中油型乳化化粧料] 本発明者は、下記基本処方の水中油型乳化ファンデーションを、揺変剤の種類・添加量を変えて調製し、その評価を行った。<基本処方>粉体 タルク 3.0 二酸化チタン 0.5 黄酸化鉄 1.5 黒酸化鉄 0.1水相 揺変剤 規定量 モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.0 トリエタノールアミン 1.0 プロピレングリコール 10.0 精製水 残 余油相 ステアリン酸 2.5 イソヘキサデシルアルコール 7.0 モノステアリン酸グリセリン 2.0 液状ラノリン 2.0 流動パラフィン 8.0<製造方法> プロピレングリコールおよび揺変剤を精製水に加え、70℃でホモミキサー処理したのち、残りの水相成分を添加し、十分に撹拌する。これに十分混合粉砕された粉体部を撹拌しながら添加し、70℃でホモミキサー処理する。次に、70〜80℃で加熱溶解された油相を徐々に添加し70℃でホモミキサー処理する。これを撹拌しながら冷却し、45℃で香料を加え、室温まで冷却する。 評価結果を以下の表1,2に示す。 なお、べたつき、塗布感については官能評価を行った。また、安定性はそれぞれの温度で3か月間貯蔵した後の組成物を目視観察し、乳化状態、粉体の沈降を主として評価した。 本実施形態にかかる水中油型乳化ファンデーションは、粉体を外水相に含むため、保存により乳化状態の悪化のみならず、粉体の沈降・分離も生じ得る。 この点でカルボキシビニルポリマーないしベントナイトを用いた場合には、乳化安定性については大きな問題がなかったものの、粉体の沈降が観察された。 一方、調製例1,3,5の揺変剤を用いた場合(試験例1−3〜1−5)には、粉体の沈降も観察されず、安定性は極めて高い。 また、試験例1−3〜1−5のファンデーションは静止時の粘度は高いものの、塗布時にはさらっとした使用感が得られ、皮膚上でのシェアにより粘度が急激に低下していることが推察される。 また、揺変剤の配合量は組成物中0.1%以上、好ましくは0.1〜2.0%である。[油中水型乳化ファンデーション] 本発明者は、下記基本処方の水中油型乳化ファンデーションを、揺変剤の種類・添加量を変えて調製し、その評価を行った。<基本処方>粉体 セリサイト 5.5 カオリン 4.0 二酸化チタン 5.0 ベンガラ 0.5 黄酸化鉄 0.7 黒酸化鉄 0.2油相 流動パラフィン 5.0 デカメチルシクロペンタシロキサン 12.0 ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン 4.0水相 揺変剤 規定量 1,3−ブチレングリコール 5.0 精製水 残余水<製造方法> 水相を70℃で加熱撹拌後、十分に混合粉砕された粉体部を添加し、70℃でホモミキサー処理する。これに一部の精製水に溶解した揺変剤を加え撹拌する。さらに70度に加熱溶解した油相を加え、70℃でホモミキサー処理し、これを撹拌しながら冷却する。この際、転相が行われ、油中水型乳化ファンデーションが調製される。 評価結果を以下の表3,4に示す。 本試験例にかかる油中水型乳化ファンデーションは、粉体が内水相に含まれる、いわゆるP/W/O型乳化組成物であり、経時により粉体の分離、内水相の合一を生じる場合がある。 しかしながら、試験例3−3〜3−5の油中水型乳化ファンデーションは、長期保存中にも粉体の沈降は認められず、また乳化状態の劣化も認められなかった。[ジェル状化粧料] 本発明者は、下記基本処方のモイスチャージェルを製造し、その評価を行った。<基本処方> ジプロピレングリコール 7.0 PEG1500 8.0 揺変剤 5.0 POE(15)オレイルアルコールエーテル 1.0 精製水 残余水<製造方法> 精製水に揺変剤を分散させたのち、PEG1500を添加する。ジプロピレングリコールにPOE(15)オレイルアルコールエーテルを加え、50〜55℃で加熱溶解する。これに、先に調製した水相を撹拌しながら徐々に添加する。 評価結果を以下の表5,6に示す。 水性ジェルは、経時により粘度変化、あるいは離水を生じやすいが、本発明にかかるジェル5−3〜5−5は優れた安定性を示し、離水等の兆候は認められなかった。 以下、本発明にかかる外用剤の具体的配合例について説明する。これらは本発明の技術的範囲を何ら限定するものではない。なお、以下の配合例における処方量は全て質量%である。配合例1:水中油型乳化パック料<組成>1.ショ糖パルミチン酸エステル 2.02.グリセリン 5.03.流動パラフィン 50.04.メドウフォームシードオイル 10.05.精製水 24.66.揺変剤(調製例2) 0.27.ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.18.乳酸ナトリウム 0.59.ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.510.水酸化ナトリウム 0.0511.香料 0.0512.エタノール 7.0(製法)A:成分(1)〜(4)を70℃に加熱する。B:成分(5)〜(7)を70℃で膨潤する。C:AにBを添加混合後、室温まで冷却する。D:Cに成分(8)〜(12)を添加混合し、パック料を得た。 上記配合例1のパック料は、肌上でののび広がりやエモリエント効果、保湿効果に優れ、経時による離水やゲル化のない安定性に優れたパック料であった。配合例2:水中油型乳化ハンドクリーム<組成>1.ショ糖ステアリン酸エステル 2.02.グリセリン 5.03.ワセリン 5.04.スクワラン 15.55.ホホバ油 10.06.モノステアリン酸グリセリン 0.57.尿素 8.08.精製水 30.09.エタノール 5.010.1,3ブチレングリコール 0.211.香料 0.112.エデト酸二ナトリウム 0.213.揺変剤(調製例4) 3.014.精製水 残 余<製法>A:成分(1)〜(6)を75℃で加熱分散する。B:70℃に加熱溶解した成分(7)、(8)をAに添加し分散後、室温まで冷却する。C:Bに成分(9)〜(14)を添加混合しハンドクリームを得た。 上記配合例2のハンドクリームはエモリエント効果並びに保湿効果に優れ、経時による離水やゲル化のない安定性に優れたハンドクリームであった。配合例3:保湿クリーム<組成>1.ジメチルポリシロキサン(10cs) 12.02.デカメチルシクロペンタシロキサン 2.03.ホホバ油 0.54.ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 4.05.アエロジルR−972 0.36.揺変剤(調製例7) 1.07.ジプロピレングリコール 2.08.グリセリン 36.09.ヒアルロン酸ナトリウム(1%水溶液) 5.010.尿素 1.011.硫酸マグネシウム 0.212.防腐剤 適 量13.顔料 適 量14.香料 適 量15.精製水 残 余<製法> 上述の油相(1)〜(6)、上述の水相(7)〜(14)までを量りそれぞれ約80℃まで加温し溶解する。油相をパドル攪拌しながら、水相を徐々に加入しホモミキサーにて均一に分散後、乳化粒子を整え、50℃で(15)を加え保湿クリームを得た。配合例4:クリーンエッセンス<組成>1.ジメチルポリシロキサン(10cs) 5.02.デカメチルシクロペンタシロキサン 12.03.ホホバ油 0.54.ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 4.05.アエロジルR−972 0.36.揺変剤(調製例6) 0.17.ジプロピレングリコール 20.08.グリセリン 20.09.ヒアルロン酸ナトリウム(1%水溶液) 3.010.尿素 1.011.硫酸マグネシウム 0.212.防腐剤 適 量13.顔料 適 量14.香料 適 量15.精製水 残 余<製法> 上述の油相(1)〜(6)、上述の水相(7)〜(14)までを量りそれぞれ約80℃まで加温し溶解する。油相をパドル攪拌しながら、水相を徐々に加入しホモミキサーにて均一に分散後、乳化粒子を整え、50℃で(15)を加えクリーンエッセンスを得た。配合例5:ファンデーション<組成>1.ジメチルポリシロキサン(10cs) 14.02.デカメチルシクロペンタシロキサン 4.03.ホホバ油 0.64.ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 4.05.アエロジルR−972 0.26.揺変剤(調製例7) 0.087.顔料 19.08.ジプロピレングリコール 4.09.グリセリン 15.010.ヒアルロン酸ナトリウム(1%水溶液) 5.011.尿素 1.012.硫酸マグネシウム 0.213.防腐剤 適 量14.精製水 残 余15.香料 適 量<製法> 上述の油相(1)〜(7)、上述の水相(8)〜(14)までを量りそれぞれ約80℃まで加温し溶解する。油相をパドル攪拌しながら、水相を徐々に加入しホモミキサーにて均一に分散後、乳化粒子を整え、50℃で(15)を加えファンデーションを得た。配合例6:ファンデーションクリーム<組成>1.ジメチルポリシロキサン(10cs) 14.02.ヘキサデシル−N−ミリストイル−N−メチル−β−アラネート 4.03.ホホバ油 0.64.ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 4.05.アエロジルR−972 0.26.揺変剤(調製例1) 0.087.顔料 19.08.ジプロピレングリコール 4.09.ヒアルロン酸ナトリウム(1%水溶液) 5.010.尿素 1.011.硫酸マグネシウム 0.212.防腐剤 適量13.精製水 残余水14.香料 適量<製法> 上述の油相(1)〜(7)、上述の水相(8)〜(13)までを量りそれぞれ約80℃まで加温し溶解する。油相をパドル攪拌しながら、水相を徐々に加入しホモミキサーにて分散後、乳化粒子を整え、50℃で(14)を加えファンデーションクリームを得た。配合例7:水性クレンジング料<組成>1.イジプロピレングリコール 1.52.イソプレングリコール 3.53.ポリオキシエチレン(7)ヤシ油脂肪酸グリセリン 5.04.メチルパラベン 0.25.揺変剤(調製例2) 0.56.水 残 余<製法> 70℃に加熱した水に各成分を順次添加して溶解した後35℃まで撹拌冷却し、水性クレンジング料を得た。配合例8:乳液<組成>1.ステアリン酸 1.02.ベヘニルアルコール 0.53.スクワラン 3.04.エチルヘキサン酸セチル 2.05.メチルポリシロキサン 0.56.モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 0.57.モノステアリン酸グリセリル 1.58.揺変剤(調製例7) 5.09.1,3−ブチレングリコール 7.010.グリセリン 0.511.エタノール 3.012.精製水 残 余<製法>上述の油相(1)〜(7)を混合溶解後、70℃まで加熱し上述の水相(8)〜(12)までを量りそれぞれ約80℃まで加温し溶解する。乳化分散後、30℃で揺変剤を加え乳液を得た。配合例9:サンケアローション<組成>1.エタノール 1.02.グリセリン 2.53.カオリン 1.54.硫酸亜鉛 1.05.酸化亜鉛 2.06.酸化鉄 1.07.酸化チタン 0.58.カンフル 0.018.揺変剤(調整例3) 12.09.精製水 残 余<製法>上述の油相(1)〜(9)を計り取りパドル型攪拌機で分散攪拌し、サンケアローションを得た。従来液状化粧料に配合した場合、凝集して沈降するといった問題があったが得られたサンケアローションは、経時でも顔料が沈降せず均一であった。配合例10:化粧水<組成>1.ジプロピレングリコール 7.02.グリセリン 0.43.エタノール 5.04.ヒアルロン酸ナトリウム 1.05.キサンタンガム 0.16.ヒドロキシエチルセルロース 0.016.揺変剤(調整剤6) 5.07.EDTA−3Na 0.018.フェノキシエタノール 適 量9.水酸化カリウム1%水溶液 0.510.精製水 残 余<製法> 水に各原料を配合し攪拌溶解し透明な溶液とし、化粧水を得た。配合例11:化粧水<組成>1.ポリアクリル酸Na 0.0012.グリセリン 8.03.クエン酸 0.44.クエン酸ナトリウム 0.65.トラネキサム酸 1.06.エタノール 5.07.ジメチルエーテル 1.08.PPG−13デシルテトラデセス−24 0.29.ジプロピレングリコール 7.010.ジメチルポリシロキサン 0.211.エタノール 7.012.揺変剤(調整剤6) 5.013.エデト酸塩 適 量14.香料 適 量15.精製水 残 余<製法> 油分および活性剤、水の一部を混合した後、精製水に各原料を配合し攪拌溶解後、透明な溶液(化粧水)を得た。配合例12:スキンケアクリーム<組成>(重量%)1.スクワラン 3.02.パーム核油 2.53.ステアリン酸グリセリル 1.84.ステアリン酸プロピレングリコール 1.05.ステアリルアルコール 1.26.ベヘニルアルコール 1.77.ジメチコン 1.58.揺変剤(調整剤4) 10.09.トコフェノール 0.110.グリセリン 2.011.クエン酸 0.112.クエン酸ナトリウム 0.0913.アルブチン 3.014.精製水 残 余<製法> 上述の油相(1)〜(9)、上述の水相(10)〜(14)までを量りそれぞれ約80℃まで加温し溶解する。油相をパドル攪拌しながら、水相を徐々に加入しホモミキサーにて分散後、乳化粒子を整え、スキンケアクリームを得た。配合例13:油中水型乳化下地クリーム<組成>1.ジメチルポリシロキサン 3.02.デカメチルシクロペンタシロキサン 2.53.トリメチルシロキシケイ酸 1.04.グリセリン 1.05.1,3−ブチレングリコール 5.06.スクワラン 1.07.酸化チタン 1.08.タルク 2.09.ステアリン酸アルミニウム 0.510.トラネキサム酸 1.011.トラネキサム酸メチルアミド塩酸塩 1.012.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.813.揺変剤(調整剤5) 5.014.黄酸化鉄 2.015.黒酸化鉄 0.216.エデト酸3ナトリウム 適 量17.パラベン 適 量18.フェノキシエタノール 適 量19.精製水 残 余<製法> 水相を70℃で加熱撹拌後、十分に混合粉砕された粉体部を添加し、70℃でホモミキサー処理する。これに一部の精製水に溶解した揺変剤を加え撹拌する。さらに70度に加熱溶解した油相を加え、70℃でホモミキサー処理し、これを撹拌しながら冷却する。この際、転相が行われ、油中水型乳化下地クリームを得た。 上述の配合例1〜13のいずれの化粧料も、使用感、安定性はいずれも良好であった。 フィロケイ酸塩鉱物の層間金属イオンに有機配位子を包摂させた、変性フィロケイ酸塩鉱物を配合したことを特徴とする皮膚外用剤。 請求項1に記載の皮膚外用剤において、有機配位子はアミノポリカルボン酸塩および/または該アミノポリカルボン酸塩の誘導体であることを特徴とする皮膚外用剤。 請求項1または2に記載の皮膚外用剤において、フィロ珪酸塩鉱物が、膨潤性を示す合成スメクタイトであることを特徴とする皮膚外用剤。 請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚外用剤において、変性フィロケイ酸塩鉱物を、水に分散された組成物の状態で配合したことを特徴とする皮膚外用剤。 請求項4に記載の皮膚外用剤において、組成物が、フィロケイ酸塩鉱物を0.1〜10質量%含み、且つ、該組成物におけるフィロケイ酸塩鉱物及び有機配位子の質量比が0.01:1〜10:1であることを特徴とする皮膚外用剤。 請求項4または5に記載の皮膚外用剤において、組成物を0.1〜20質量%配合したことを特徴とする皮膚外用剤。 【課題】 本発明は、高いチクソトロピー性が付与されることによって乳化・合一、分散、顔料の凝集、顔料沈降防止などが安定化された皮膚外用剤を提供することを目的とする。【解決手段】 水相中に、フィロケイ酸塩鉱物の層間金属イオンに有機配位子を結合させた変性フィロケイ酸塩鉱物を配合したことを特徴とする皮膚外用剤。【選択図】 なし